説明

連結型境界ブロック

【課題】起伏、勾配、ひねり等がある道路であっても、隣接したブロック同士が互いに嵌合して、安定して敷設することができる連結型ブロックを提供すること。
【解決手段】長手方向に並べて嵌合配置され、区画又は境界を構成する連結型境界ブロック100において、一方端部の上方から長手方向側方に突出する上方突出部13aと、上方突出部の下面14aに形成された略半球凹状の嵌合凹部15aと、他方端部の下方から長手方向側方に突出する下方突出部13bと、下方突出部の上面14bに形成された略半球凸状の嵌合凸15b部と、を備えてなり、上方突出部の下面14aと嵌合凹部15aの最深部との距離は、下方突出部13bの上面14bと嵌合凸部15bの最頂部との距離より短いものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長手方向へ連結敷設されて区画又は境界を形成する連結型境界ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、ブロック本体の長手方向端部に、両端部が円弧状に形成されてなるとともに、該両端の一方の端部に上側が側方に突出して形成されてなる上側突出部と、反対側の他方の端部に下側が側方に突出して形成されてなる下側突出部と、を備えてなり、隣接するコンクリートブロックと嵌合した際に、嵌合部を支点として回動自在となるように前記下側突出部の上面に円形凸状に形成された嵌合凸部と、上側突出部の下面に円形凹状に形成された嵌合凹部と、を備えてなる基礎構築用プレキャストコンクリートブロックについて提案している(特許文献1)。
【0003】
このような基礎構築用プレキャストコンクリートブロックは、道路の曲率に関係なく直線区間、曲線区間を問わず設置して、区画又は境界を形成できる点で、有用である。
【0004】
しかし、道路は、常に平面ではなく、丘や谷にように道路の縦断方向に起伏、勾配を有する場合も多い。こうした起伏、勾配を有する道路に前述した基礎構築用プレキャストコンクリートブロックを敷設すると、図15に示すように、上側突出部3aの下面4aと下側突出部3bの上面4bとが平行面にならないため、例えば、上方突出部3aの先端が下方突出部3bの上面4bに干渉して嵌合凹部5aと嵌合凸部5bとが互いに浮いてしまって、確実な固定をすることができないという課題があった。また、道路面にひねりがある場合も基礎構築用プレキャストコンクリートブロックひねって配置されるために同様の課題が発生した。
【特許文献1】特開2005−179949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、こうした課題を鑑みてなされたものであり、起伏、勾配、ひねり等がある道路であっても、隣接したブロック同士が互いに嵌合部が浮くことなく連結でき、安定して敷設することができる連結型ブロックを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の目的を達成するために、以下の手段を採った。
【0007】
本発明に係る連結型境界ブロックは、
長手方向に並べて嵌合配置され、区画又は境界を構成する連結型境界ブロックにおいて、
一方端部の上方から長手方向側方に突出する上方突出部と、前記上方突出部の下面に形成された略半球凹状の嵌合凹部と、
他方端部の下方から長手方向側方に突出する下方突出部と、前記下方突出部の上面に形成された略半球凸状の嵌合凸部と、を備えてなり、
前記上方突出部の下面と前記嵌合凹部の最深部の間の距離は、前記下方突出部の上面と前記嵌合凸部の最頂部の間の距離より短いものとした。
【0008】
係る連結型境界ブロックは、1つの連結型境界ブロックの両端に、それぞれ上方突出部と下方突出部を設け、上方突出部下面に嵌合凹部、下方突出部の上面に嵌合凸部を設けてある。本発明に係る連結型境界ブロックは、嵌合凹部に他の連結型境界ブロックの嵌合凸部を嵌合して、直列に連結型ブロックを配置して道路に敷設される。こうして敷設された連結型境界ブロックは、互いに嵌合凸部と嵌合凹部によって水平方向の移動(ずれ)が抑制される。また、嵌合凸部及び嵌合凹部は半球形状に形成されており、かつ上方突出部下面と嵌合凹部の最深部との距離が下方突出部の上面と嵌合凸部の最頂部との距離より短く、上方突出部下面と下方突出部の上面との間は、間隙が設けられるので、水平方向以外の高さ方向、ひねり方向等種々の方向に互いを傾けて配置することができる。このように互いに傾けて配置できるので、起伏、勾配、ひねり等がある道路であっても嵌合凸部及び嵌合凹部が外れることなく、安定して連結型境界ブロックを敷設することができる。
【0009】
さらに、本発明に係る連結型境界ブロックは、
長手方向に並べて嵌合配置され、区画又は境界を構成する連結型境界ブロックにおいて、
一方端部の上方から長手方向側方に突出する上方突出部と、前記上方突出部の下面に形成された略半球凸状の嵌合凸部と、
他方端部の下方から長手方向側方に突出する下方突出部と、前記下方突出部の上面に形成された略半球凹状の嵌合凹部と、を備えてなり、
前記下方突出部の上面と前記嵌合凹部の最深部の間の距離は、前記上方突出部の下面と前記嵌合凸部の最頂部の間の距離より短いものとした。
【0010】
係る連結型境界ブロックは、前述した発明に対して、嵌合凸部と嵌合凹部の位置を逆転させたものである。つまり、略半球状の嵌合凸部を上方突出部の下面に設け、嵌合凹部を下方突出部の上面に設けたものである。凹凸がそれぞれ逆転しているが、上述した連結型境界ブロックの効果と同様の効果を有する。
【0011】
本発明に係る連結型境界ブロックは、
長手方向に並べて嵌合配置され、区画又は境界を構成する連結型境界ブロックにおいて、
少なくとも一方端部の上方から長手方向側方に突出する上方突出部と、前記上方突出部の下面に形成された略半球凹状の嵌合凹部と、を有してなる第1連結型境界ブロックと、
少なくとも一方端部の下方から長手方向側方に突出する下方突出部と、前記下方突出部の上面に形成された略半球凸状の嵌合凸部と、を有してなる第2連結型境界ブロックと、を備え、
前記上方突出部の下面と前記嵌合凹部の最深部の間の距離は、前記下方突出部の上面と前記嵌合凸部の最頂部の間の距離より短いものとした。
【0012】
係る連結型境界ブロックでは、第1連結型境界ブロックの嵌合凹部に第2連結型境界ブロックの嵌合凸部を嵌合させることで、互いの連結型境界ブロックの水平方向の移動(ずれ)が抑制される。また、嵌合凸部及び嵌合凹部は半球形状に形成されており、かつ上方突出部下面と嵌合凹部の最深部との距離が下方突出部の上面と嵌合凸部の最頂部との距離より短く、上方突出部下面と下方突出部の上面との間に間隙が設けられるので、水平方向以外の高さ方向、ひねり方向等種々の方向に互いを傾けて自在に配置することができる。このように互いに傾けて配置できるので、起伏、勾配、ひねり等がある道路であっても嵌合凸部及び嵌合凹部が外れることなく、安定して連結型境界ブロックを敷設することができる。
【0013】
また、本発明に係る連結型境界ブロックは、
長手方向に並べて嵌合配置され、区画又は境界を構成する連結型境界ブロックにおいて、
少なくとも一方端部の上方から長手方向側方に突出する上方突出部と、前記上方突出部の下面に形成された略半球凸状の嵌合凸部と、を備えてなる第1連結型境界ブロックと、
少なくとも一方端部の下方から長手方向側方に突出する下方突出部と、前記下方突出部の上面に形成された略半球凹状の嵌合凹部と、を備えてなる第2連結型境界ブロックと、を備え、
前記下方突出部の上面と前記嵌合凹部の最深部の間の距離は、前記上方突出部の下面と前記嵌合凸部の最頂部の間の距離より短いものとした。
【0014】
係る発明は、前述した第1連結型境界ブロックと第2連結型境界ブロックの嵌合凸部と嵌合凹部を逆転させたものである。つまり、略半球状の嵌合凸部を上方突出部の下面に設け、嵌合凹部を下方突出部の上面に設けたものである。凹凸が逆転しているが、上述した効果と同様の効果を有する。
【0015】
また、本発明に係る連結型境界ブロックは、前期連結型境界ブロックの前記嵌合凸部と隣接する連結型境界ブロックの前記嵌合凹部とを嵌合させた際に、前記上方突出部と端部との間及び前記下方突出部と端部との間に間隙が形成されていてもよい。
【0016】
このように隣接する連結型境界ブロックとの間に間隙を形成することによって、嵌合凸部又は嵌合凹部を中心として水平方向に回動可能となる。そのため、カーブした道路に沿って連結型境界ブロックを連続して敷設することができる。
【0017】
さらに、本発明に係る連結型境界ブロックは、前記端部、前記上方突出部の先端及び前記下方突出部の先端の少なくとも1つが弧状に形成されていてもよい。
【0018】
係る構成を採用することによって、隣接した連結型境界ブロックを水平方向に大きく回動させても、上方突出部又は下方突出部が隣接した連結型ブロックの端部に干渉することがない。よって、広い回動範囲を確保することができ、きついカーブを有する道路に沿って連結型境界ブロックを連続して敷設することができる。
【0019】
さらに、本発明に係る連結型境界ブロックは、前記上方突出部の下面又は前記下方突出部の上面は、傾斜面であってもよい。
【0020】
係る構成を採用することによって、傾斜角に応じてより嵌合凹部と嵌合凸部を外れにくくすることができる。また、敷設される道路の勾配に応じて、上方突出部下面や下方突出部の上面を水平面に近くすることができ、敷設作業のし易いブロックとすることができる。
【0021】
さらに、本発明に係る連結型境界ブロックは、前記上方突出部下面及び前記下方突出部の上面は、曲面で形成されていてもよい。
【0022】
係る構成を採用することによって、連結型境界ブロック同士の高さ方向やひねり方向への屈曲角度を大きくできる。また、例えば円筒面を採用すれば、ある一定方向にのみ大きな角度で互いの連結型ブロックを配置することができるようになる。
【0023】
さらに、本発明に係る連結型境界ブロックは、前記上方突出部の下面先端又は前記下方突出部の上面先端の少なくともいずれかに干渉逃げ部が設けられていてもよい。
【0024】
係る構成を採用することによって、急激に傾斜が変更するような場合であっても、上方突出部又は下方突出部が干渉することなく連結型境界ブロック敷設することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る連結型境界ブロックによれば、隣接配置される連結型境界ブロック同士がそれぞれ略半球形状の嵌合凹部と嵌合凸部とで嵌合連結するので、高さ方向、ひねり方向等種々の方向へ自在に傾けて配置することができる。このように傾けて配置することができることで、起伏、勾配、ひねり等がある道路であっても嵌合凸部及び嵌合凹部が外れることなく、安定して連結型境界ブロックを敷設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例1に係る連結型境界ブロックの構成の概略を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例1に係る連結型境界ブロックのブロック本体の側面形状のバリエーションを示す側面図である。
【図3】本発明の実施例1に係る連結型境界ブロックを連結した状態を示す正面図である。
【図4】本発明の実施例1に係る連結型境界ブロックを勾配面に敷設した場合の敷設状態を示す正面図である。
【図5】本発明の実施例1に係る連結型境界ブロックを、ひねり面を有する路面に敷設した状態を示す側面図である。
【図6】本発明の実施例1に係る連結型境界ブロックを、カーブを有する道路に敷設した状態を示す平面図である。
【図7】本発明の実施例1に係る連結型境界ブロックを、カーブを有する道路に敷設した状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施例2に係る連結型境界ブロックを示す斜視図である。
【図9】本発明の実施例2に係る連結型境界ブロックを、カーブを有する道路に敷設した状態を示す平面図である。
【図10】本発明の実施例3に係る連結型境界ブロックを示す正面図である。
【図11】本発明の実施例4に係る連結型境界ブロックを示す正面図である。
【図12】本発明に係る連結型境界ブロックの変形例を示す正面図である。
【図13】本発明に係る連結型境界ブロックのさらなる変形例(2)を示す正面図である。
【図14】本発明に係る連結型境界ブロックのさらなる変形例(3)を示す側面図である。
【図15】本発明に係る連結型境界ブロックのさらなる変形例(4)を示す側面図である。
【図16】従来の連結型境界ブロックを敷設した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための形態について、図面に沿って詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではない。なお、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号が付されている。
【実施例1】
【0028】
図1は、本発明の連結型境界ブロック100の実施例1の構成の概略を示す斜視図である。この連結型境界ブロック100は、図1に示すように、ブロック本体10と、このブロック本体10の一方端部12a上方から長手方向側方に突出する上方突出部13aと、この上方突出部13aの下面14aに形成された略半球凹状の嵌合凹部15aと、ブロック本体10の他方端部12b下方から長手方向側方に突出する下方突出部13bと、この下方突出部13bの上面14bに形成された略半球凸状の嵌合凸部15bと、を備えている。
【0029】
ブロック本体10は、一般に、敷設した際に地面内に埋設される部分(下方部分)と道路面上方に突き出して境界を形成する部分(上方部分)とを有する。形状は一般的に断面が略長方形となるように形成されるが、図2に示すように、上方部分の角が丸みを帯びていたり(図2a)、上方略半分が台形をなしていたり(図2b)、上方略半分が下方略半分に対して横幅が短く形成されていてもよい(図2c)。また、図2dに示すように、片側が完全に地面に埋まるようなタイプのものであってもよく、こうした場合、一方面は垂直かつ上方部分の角が直角に形成される。ブロック本体の高さは限定するものではなく、また下方部分及び上方部分の比率も特に限定するものではない。
【0030】
上方突出部13aは、前述したように、ブロック本体10の一方の端部12aより長手方向外側に向かって突出形成され、上方突出部13aの下面14aには、略半球状の嵌合凹部15aが形成されている。ここで略半球状とは、必ずしも完全に半球である必要はなく、例えば、球の中心が下面14aより下方に形成されるような半球の1部であってもよいし、楕円球であってもよいとの意味である。また、略半球状の嵌合凹部15aの大きさも下面14aに形成されていれば限定するものではない。また、上方突出部13aの長さは限定するものではないが、同様の他の連結型境界ブロックの嵌合凸部15bと嵌合させて連設したとき(図3参照)に、お互いの可動領域を確保するために、上方突出部13aと端部12bとの間に間隙Aが発生する長さにすることが好ましい。
【0031】
下方突出部13bは、ブロック本体10の他方の端部12bより長手方向外側に向かって突出形成されている。その突出長は限定するものではないが、他の同様の連結型境界ブロックの嵌合凹部と嵌合させて連設したとき(図3参照)に、お互いの可動領域を確保するために、下方突出部13bと端部12aとの間に間隙Bが発生する長さにすることが好ましい。そして、下方突出部13bの上面14bには、略半球状の嵌合凸部15bが形成されている。略半球状の意味は、前述と同様に必ずしも完全に半球である必要はなく、例えば、中心が上面14bより下方に形成されるような半球の1部であってもよいし、楕円球状であってもよいとの意味である。
【0032】
上述した嵌合凹部15aと嵌合凸部15bは、嵌合凹部15aの深さが嵌合凸部15bの高さより低く形成されている。すなわち、図3に示すように、上方突出部13aの下面14aと嵌合凹部15aの最深部αとの距離Cは、下方突出部13bの上面14bと嵌合凸部15bの最頂部αとの距離Dより短く形成されている。従って、上方突出部13aの下面14aと下方突出部13bの上面14bとの間には間隙Eが形成される。
【0033】
こうして構成された実施例1に係る連結型境界ブロック100は、図3に示すように、嵌合凹部15aに嵌合凸部15bを嵌合、連結して道路に敷設して使用される。こうして連結された連結型境界ブロック100、100は、起伏、勾配がある道路の場合には、図4に示すように、嵌合凹部15a及び嵌合凸部15bが球面形状で接しているので、間隙Eを上方突出部13a及び下方突出部13bの先端が干渉しない範囲で高さ方向に屈曲させた状態で連設配置することができる。
【0034】
また、ひねりがあるような道路においても、図5に示すように、連結型境界ブロック100、100同士は嵌合凹部15a及び嵌合凸部15bが球面形状で接しているので、上方突出部下面14aと下方突出部の上面15aとの間の間隙Eを上方突出部13a及び下方突出部13bが干渉しない範囲で嵌合凹部15a及び嵌合凸部15bを中心として、ひねった状態で連設配置することができる。
【0035】
このように実施例1に係る連結型境界ブロック100によれば、斜面、起伏面、ひねりのある路面等であっても、嵌合部分がずれたり、外れたりすることなく確実に連結した状態で、高さ方向、ひねり方向等種々の方向へ自在に傾けて連結配置することができる。
【0036】
さらに、実施例1に係る連結型境界ブロック100によれば、連結型境界ブロック100の嵌合凸部15bと隣接する連結型境界ブロック100の嵌合凹部15aとを嵌合させた際に、上方突出部13aと端部12bとの間及び下方突出部13bと端部12aとの間に間隙A、Bが形成されているので、図6に示すように、それぞれが干渉しない範囲でカーブに沿わせて敷設することができる。また、ブロック本体の長さの短いブロックを用いればカーブのきつい道路に対しても対応することができる。
【0037】
また、間隙A、Bを設けることによって、連結型境界ブロック100を敷設した場合に、図7に示すように、雨等の水を排水するための排水溝が一方側にのみ存在する場合であっても、この間隙から反対側に雨水を逃がすことができる。
【0038】
なお、本発明は上述した実施例1に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施しうる。
【0039】
例えば、上述した実施例1では、ブロック本体10の上方突出部13aの下面14aに嵌合凹部15aが、下方突出部13bの上面14bに形成された嵌合凸部15bが形成されているが、ブロック本体10の上方突出部13aの下面14aに嵌合凸部が、下方突出部13bの上面14bに嵌合凹部が形成されていてもよい。係る構成を採用しても、凹凸の関係が上下逆さまになるが、上記実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例2】
【0040】
図8は、本発明の連結型境界ブロック100の実施例2の構成の概略を示す斜視図である。この連結型境界ブロック100は、実施例1と同様に、図8に示すように、ブロック本体10と、このブロック本体10の一方端部12a上方から長手方向側方に突出する上方突出部13aと、この上方突出部13aの下面14aに形成された略半球凹状の嵌合凹部15aと、ブロック本体10の他方端部12b下方から長手方向側方に突出する下方突出部13bと、この下方突出部13bの上面14bに形成された略半球凸状の嵌合凸部15bと、を備えている。また、嵌合凹部15aと嵌合凸部15bは、上方突出部の下面14aと嵌合凹部15aの最深部との距離は、下方突出部の上面14bと嵌合凸部15bの最頂部との距離より短く形成されていて、上方突出部13aの下面14aと下方突出部13bの上面14bとの間には間隙Eが形成されている点も同様である。
【0041】
よって、実施例1と同様に、斜面、起伏面、ひねりのある路面等であっても、嵌合部分がずれたり、外れたりすることなく確実に連結した状態で、道路に敷設することができるという効果を有する点も同様である。
【0042】
実施例2に係る連結型境界ブロック100は、上方突出部13a、下方突出部13b、端部12a、12bのいずれも、円弧状に形成されている点が異なる。係る構成を採用することによって、90°以上に屈曲させて配置することも可能となる。よって、図9に示すように、かなりきついカーブを有する道路であっても、カーブに沿って配置することができる。
【0043】
また、上記構成を採用することで、上方突出部13aと端部12b、下方突出部13bと端部12aが干渉することがないので、これらの間に間隙を形成しなくてもカーブした道路に対応することができる。
【0044】
また、実施例2に係る連結型境界ブロック100では、より高い安定性を確保するために、上方貫通孔16a及び下方孔16bを設けてある。この上方貫通孔16a及び下方孔16bにボルト又は鉄筋等の棒状体を挿入して、固定することができる。この際に、連結型境界ブロック100は互いに高さ方向に傾けて配置したり、ひねって配置されたりすることがあるので、上方貫通案あ16aや下方貫通孔16bは、円錐形等に形成するとよい。
【0045】
なお、本発明は上述した実施例2の構成に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施しうる。例えば、上述した実施例1では、ブロック本体10の上方突出部13aの下面14aに嵌合凹部15aが、下方突出部13bの上面14bに形成された略半球凸状の嵌合凸部15bが形成されているが、ブロック本体10の上方突出部13aの下面14aに嵌合凸部が、下方突出部13bの上面14bに嵌合凹部が形成されていてもよい。係る構成を採用しても、凹凸の関係が上下逆さまになるが、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【実施例3】
【0046】
図10は、本発明の連結型境界ブロック100の実施例3の構成の概略を示す斜視図である。実施例3に係る連結型境界ブロック100は、道路に敷設される際に最も端に敷設されるブロックであり、この連結型境界ブロック100は、図10に示すように、ブロック本体10と、このブロック本体10の一方端部12a上方から長手方向側方に突出する上方突出部13aと、この上方突出部13aの下面14aに形成された略半球凹状の嵌合凹部15aと、が形成されている。ブロック本体10の他方の端部は、上面がブロック本体10の略中央から傾斜を有し、端部中央より低く形成されている。
【0047】
この実施例3の連結型境界ブロックは、前述した実施例1又は実施例2によって複数長手方向に連結された連結型境界ブロック100の端の嵌合凸部と嵌合して連結配置される。嵌合部は、略半球体での結合であるので、斜面、起伏面、ひねりのある路面等であっても、嵌合部分がずれたり、外れたりすることなく確実に連結した状態で、道路に敷設することができるという効果を有する。
【0048】
また、上方突出部13aの先端形状は矩形、弧状等いずれでもよく、他の連結型ブロック等の組み合わせによって適宜選択される。円弧状に形成すれば、上方突出部13aと端部12bが干渉することがないので、これらの間に間隙を形成しなくてもカーブした道路に対応することができる。
【0049】
なお、本発明は上述した実施例3の構成に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施しうる。例えば、上述した実施例1では、ブロック本体10の上方突出部13aの下面14aに嵌合凸部が形成されていてもよい。係る構成を採用した場合には、隣接する連結型境界ブロックの下方突出部13bに嵌合凹部が形成されているものと組み合わせて使用する。
【実施例4】
【0050】
図11は、本発明の連結型境界ブロック100の実施例4の構成の概略を示す斜視図である。この連結型境界ブロック100は、図11に示すように、ブロック本体10と、このブロック本体10の一方の端部12b下方から長手方向側方に突出する下方突出部13bと、この下方突出部13bの上面14bに形成された略半球凸状の嵌合凸部15bと、が形成されている。
【0051】
ブロック本体10の他方の端部は、ブロック本体10の略中央から上面が傾斜を有し、端部中央より低く形成されている。実施例4に係る連結型境界ブロック100は、道路に敷設される際に最も端に敷設されるブロックであって、実施例3に係る連結型境界ブロック100の反対側に設置されものである。よって、前述した実施例1又は実施例2によって複数長手方向に連結された連結型境界ブロック100の嵌合凹部と嵌合して連結配置される。嵌合部は、略半球体での結合であるので、斜面、起伏面、ひねりのある路面等であっても、嵌合部分がずれたり、外れたりすることなく確実に連結した状態で、道路に敷設することができるという効果を有する。
【0052】
また、上方突出部13aの先端形状は矩形、弧状等いずれでもよく、他の連結型ブロック等の組み合わせによって適宜選択される。円弧状に形成すれば、上方突出部13aと端部12bが干渉することがないので、これらの間に間隙を形成しなくてもカーブした道路に対応することができる。
【0053】
なお、本発明は上述した実施例4の構成に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施しうる。例えば、上述した実施例1では、ブロック本体10の下方突出部13bの上面14bに嵌合凹部が形成されていてもよい。係る構成を採用した場合には、隣接する連結型境界ブロック100の上方突出部13aに嵌合凸部が形成されているものと組み合わせて使用する。
【0054】
なお、本発明は上述した実施例1から4の構成に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施しうる。
【0055】
例えば、上述した実施例では、ブロック本体10の上方突出部13a又は下方突出部13bは、先端まで平面であったが、先端が隣接するブロックと干渉しないように干渉逃げ部を設けてもよい。例えば、図12に示すように、先端を斜めに削った干渉逃げ部17a、17bを設けたり、先端部に丸みを設けたりしてもよい。係る構成を採用することによって、先端が隣接する連結型ブロックのじぃ上面又は下面に接触するのを避けて高さ方向に大きく屈曲して設置することができる。
【0056】
また、例えば、上述した実施例では、ブロック本体10の上方突出部13aの下面14a又は下方突出部13bの上面14bは、ブロック底面に対して水平に形成されていたが、底面に対して傾斜して設けてもかまわない。例えば、図13に示すように、突出部先端が根本部分に対して高くなるように形成してもよい。
【0057】
係る構成を採用することによって、上方突出部13aの下面14a又はブロック本体10の上方突出部13aの下面14aを水平に近い状態で設置することができる。また、連結型境界ブロック100同士を引き離す方向に移動させても、斜面同士が接触して引き離されるのを防止することができる。よって、より連結状態の安定性を確保することができる。
【0058】
また、上述した実施例では、ブロック本体10の上方突出部13aの下面14a又はブロック本体10の上方突出部13aの下面14aは平面に形成してあるが、図14に示すように、上方突出部13aの下面14aを凹状に、上方突出部13aの下面14aを凸状に設けてもかまわない。係る構成を最小することで、上方突出部13aの下面14a又はブロック本体10の上方突出部13aの下面14aは平面との間隙が狭くても大きな可動領域を確保することができる。また、カーブの形状によって一定方向のみ可動領域を大きくすることができる。
また、図15に示すように、上方突出部13aの下面14a及び上方突出部13aの下面14aの両方を凸状に形成し、互いに対向するように形成してもよい。係る構成を採用すれば、さらに可動領域を大きくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
上述した実施の形態で示すように、土木用のコンクリートブロック、特に境界を作製する際に敷設するコンクリートブロックとして使用することができる。
【符号の説明】
【0060】
100…連結型境界ブロック、10…ブロック本体、12a…端部、12b…端部、13a…上方突出部、13b…下方突出部、14a…下面、14b…上面、15a…嵌合凹部、15b…嵌合凸部、16a…上方貫通孔、16b…下方孔、17a…干渉逃げ部、17b…干渉逃げ部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に並べて嵌合配置され、区画又は境界を構成する連結型境界ブロックにおいて、
一方端部の上方から長手方向側方に突出する上方突出部と、前記上方突出部の下面に形成された略半球凹状の嵌合凹部と、
他方端部の下方から長手方向側方に突出する下方突出部と、前記下方突出部の上面に形成された略半球凸状の嵌合凸部と、を備えてなり、
前記上方突出部の下面と前記嵌合凹部の最深部の間の距離は、前記下方突出部の上面と前記嵌合凸部の最頂部の間の距離より短いことを特徴とする連結型境界ブロック。
【請求項2】
長手方向に並べて嵌合配置され、区画又は境界を構成する連結型境界ブロックにおいて、
一方端部の上方から長手方向側方に突出する上方突出部と、前記上方突出部の下面に形成された略半球凸状の嵌合凸部と、
他方端部の下方から長手方向側方に突出する下方突出部と、前記下方突出部の上面に形成された略半球凹状の嵌合凹部と、を備えてなり、
前記下方突出部の上面と前記嵌合凹部の最深部の間の距離は、前記上方突出部の下面と前記嵌合凸部の最頂部の間の距離より短いことを特徴とする連結型境界ブロック。
【請求項3】
長手方向に並べて嵌合配置され、区画又は境界を構成する連結型境界ブロックにおいて、
少なくとも一方端部の上方から長手方向側方に突出する上方突出部と、前記上方突出部の下面に形成された略半球凹状の嵌合凹部と、を有してなる第1連結型境界ブロックと、
少なくとも一方端部の下方から長手方向側方に突出する下方突出部と、前記下方突出部の上面に形成された略半球凸状の嵌合凸部と、を有してなる第2連結型境界ブロックと、を備え、
前記上方突出部の下面と前記嵌合凹部の最深部の間の距離は、前記下方突出部の上面と前記嵌合凸部の最頂部の間の距離より短いことを特徴とする連結型境界ブロック。
【請求項4】
長手方向に並べて嵌合配置され、区画又は境界を構成する連結型境界ブロックにおいて、
少なくとも一方端部の上方から長手方向側方に突出する上方突出部と、前記上方突出部の下面に形成された略半球凸状の嵌合凸部と、を備えてなる第1連結型境界ブロックと、
少なくとも一方端部の下方から長手方向側方に突出する下方突出部と、前記下方突出部の上面に形成された略半球凹状の嵌合凹部と、を備えてなる第2連結型境界ブロックと、を備え、
前記下方突出部の上面と前記嵌合凹部の最深部の間の距離は、前記上方突出部の下面と前記嵌合凸部の最頂部の間の距離より短いことを特徴とする連結型境界ブロック。
【請求項5】
前記連結型境界ブロックの前記嵌合凸部と隣接する連結型境界ブロックの前記嵌合凹部とを嵌合させた際に、前記上方突出部と端部との間及び前記下方突出部と端部との間に間隙が形成されてなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の連結型ブロック。
【請求項6】
前期端部、前記上方突出部の先端及び前記下方突出部の先端の少なくとも1つが弧状に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の連結型境界ブロック。
【請求項7】
前記上方突出部の下面又は前記下方突出部の上面は、傾斜面を有していることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の連結型境界ブロック。
【請求項8】
前記上方突出部の下面及び前記下方突出部の上面は、曲面で形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の連結型境界ブロック。
【請求項9】
前記上方突出部の下面先端又は前記下方突出部の上面先端の少なくともいずれかは、干渉逃げ部が設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の連結型ブロック。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の連結型境界ブロックを敷設した道路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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