連続シート上に箔材料を貼付する方法および装置
連続シート(S)、特に証券のシートの上に箔材料(200)を貼付する方法が説明されている。第1のステップでは、個々のシート(S)がシート輸送経路に沿って連続的に輸送される。第2のステップでは、箔材料(200)の少なくとも1つの連続的な帯が、個々のシートが変位する方向に対して実質的に平行な方向に沿って個々のシート(S)の上に貼付され、それによって箔材料(200)の該少なくとも1つの連続的な帯によって相互に繋がれたシートの連続的な流れを形成する。第3のステップでは、箔材料(200)の該少なくとも1つの連続的な帯は、シートの連続的な流れが再び個々のシート(S)に切り離され、箔材料の部分(200*)が、このシートの上に留まっている状態で切断される。この切断は、シート(S)の上に留まっている箔材料の該部分(200*)がシート(S)の前縁および後縁を越えて延びることがないように、シート(S)の上に配置された位置で実行される。上記方法を実施するための装置も説明されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、連続シート、特に証券のシートの上に箔材料を貼付する方法および装置に関する。本発明は特に、銀行券のような、有価証書の製造において応用可能である。
【背景技術】
【0002】
シート、特に証券のシートの上に箔材料を貼付することは、それ自体当業で既によく知られている。このような貼付は、具体的にはいわゆるOVD(光学的可変デバイス)のような追加的な偽造防止要素を証券に設けることが典型的に企図されている。OVDは、光学的可変効果を生み出す光学的回折層(通常は金属化層)を備えるパッチまたは箔積層板の形態を典型的に取る。OVDは、具体的にはKINEGRAM(登録商標)という名前で知られているが、それはLeonhard Kurz Groupの構成企業であるOVD Kinegram AG社の登録商標である。
【0003】
OVDは、最終的に実際のOVDを形成することになる転写要素を担持する担持体材料の連続的なフィルムまたは帯の形態で典型的に供給される。これらは通常、転写要素の上に設けられた接着剤層を活性化して、それを担持体材料から加工中のシートまたはウェブの上に転写させるために圧力および温度の組合せを利用する、いわゆる加熱箔押技法を使用して貼付される。
【0004】
加熱箔押技法を実施する方法および装置が、例えば、国際出願第WO94/13487号明細書(A1)、第WO97/01442号明細書(A1)、第WO97/35721号明細書(A1)、第WO97/35794号明細書(A1)、第WO97/35795号明細書(A1)、第WO97/36756号明細書(A1)、第WO03/043823号明細書(A1)、第WO2005/102733号明細書(A2)、および欧州特許出願第0965446号明細書(A1)に開示されている。
【0005】
証券の上にOVDを貼付する以外に、証券の中に窓を切り抜いて、通常これらの窓を透明の箔材料のフィルムで覆うことも提案された。このような解決策が、例えば、国際出願第WO95/10420号明細書(A1)に提案されている。窓を覆うために貼付される箔材料の層は、OVDとは異なって、それがより大きな機械的拘束に耐えかつ窓の領域内で自立しなければならないので、比較的により厚くてより耐性がある。
【0006】
同じく、証券の中に創出された薄い領域を該領域の上に箔材料のフィルムを設けることによって強化することも提案された。少なくとも1つの薄い区域が設けられた有価証書を強化する方法が、例えば、国際出願第WO2004/024464号明細書(A1)に開示されている。
【0007】
証券の中に窓を設けることは、様々な方式で実施可能である。機械的な切断具を使用してシートの中に窓を切り抜く方法および装置が、例えば、国際出願第WO03/092971号明細書(A1)に開示されている。レーザ切断具を使用してシートの中に窓を切り抜く方法および装置が、例えば、国際出願第WO2004/096482号明細書(A1)に開示されている。
【0008】
箔材料によって窓を覆うことが、国際出願第WO2004/096541号明細書(A1)および第WO2005/068211号明細書(A1)でより詳細に論じられている。
【0009】
国際出願第WO2004/096541号明細書(A1)によれば、箔材料が、貼付ユニットの上流で切断される箔材料の連続細片の形態で貼付される。この貼付ユニットは、加熱箔押を実施するために使用されるものと基本的に同様であるが、主要な違いは、箔材料の細片が完全にシートの上に転写されることである。この状況では、貼付ユニットは、要素を担持体帯からシートの上に転写しかつ使用した担持体帯を回収することを伴う箔押と言うよりは、箔材料をシートの上に積層すると言った方がより適切である。
【0010】
国際出願第WO2004/096541号明細書(A1)の解決策は、それが、シートに対して積層板を精確に切断しかつその切断した細片を精確に位置決めすることを必要とするので、かなり実施するのが難しいことが判明している。具体的には、この先行技術の解決策は、積層板の細片を所望の箇所でシートに接触させるように、これらの細片を適切に捕捉しかつ輸送するために特殊設計の吸引システムを必要とする。
【0011】
しかも、この国際出願第WO2004/096541号明細書(A1)の解決策は、ある最小長さを有する積層板の細片のみに応用可能であるにすぎず、かつ箔材料の小サイズのパッチをシートの上に貼付するのに特に適切であるわけではない。
【0012】
したがって、箔材料を連続シートの上に貼付する改良された方法および装置に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0013】
したがって本発明の概括的な目的は、箔材料を連続シートの上に貼付する知られた方法および装置を改良することである。
【0014】
本発明の目的は、特に、知られた解決策よりも実施するのに複雑度がより低い解決策を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、箔材料を精確な様態でシートの上に貼付することを可能にする解決策を提供することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、箔材料をシートの上に貼付することが下流過程における該シートのさらなる加工に悪影響を及ぼすことなく、この貼付を可能にする解決策を提供することである。
【0017】
本発明のさらに別の目的は、箔材料の広範なサイズの部分をシートの上に貼付できる解決策を提供することである。
【0018】
これらの目的は、特許請求の範囲で規定された解決策によって実現される。
【0019】
本発明にしたがう方法は以下のステップを含む。第1のステップでは、個々のシートがシート輸送経路に沿って連続的に輸送される。第2のステップでは、箔材料の少なくとも1つの連続的な帯が、個々のシートが変位する方向に対して実質的に平行な方向に沿って個々のシートの上に貼付され、それによって箔材料の該少なくとも1つの連続的な帯によって相互に繋がれたシートの連続的な流れを形成する。第3のステップでは、箔材料の該少なくとも1つの連続的な帯は、シートの連続的な流れが再び個々のシートに切り離され、箔材料の部分が、このシートの上に留まっている状態で切断される。箔材料の該少なくとも1つの連続的な帯の切断は、シートの上に留まっている箔材料の部分がシートの前縁および後縁を越えて延びることがないように、シートの上に配置された位置で実行される。
【0020】
上記方法により、連続シート上への箔材料の精確な貼付が保証されると共に、貼付された箔材料が下流過程におけるシートのさらなる加工中に乱れを引き起こさないことが保証される。事実、シートの上に留まっている箔材料の部分がシートの前縁および後縁を越えて延びることがないように、箔材料の切断がシートの上に配置された位置で実行されるとき、下流過程におけるシートの適切な位置合わせ(この位置合わせには縁部の前縁を基準として使用するか、または場合によって後縁でもよい)は悪影響を受けることがない。
【0021】
先験的には、シートの上に配置された位置で箔材料を切断することは、シートの完全性に有害であるように見えよう。しかし、試験によれば、箔材料の切断は、大きな問題をいずれも伴うことなく、シートの表面上で実施可能であることが証明された。
【0022】
本発明の有利な実施形態は従属請求項の主題を形成するものであり、それらは以下で論じられる。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、切断が、例えば、シートに損傷を引き起こすことなく機械的な切断具によって実行可能である。別の実施形態によれば、かつ箔材料がプラスチックまたは溶融可能である任意の他の材料から製造されていれば、切断は、加熱要素(加熱された電線のような)を使用して箔材料を溶融することによって実施可能である。さらに、別の実施形態によれば、箔材料の切断が、レーザビームを使用して実施可能である。本出願人によって実施された試験では、特にレーザ切断が、シートを損傷することなく箔材料を選択的に切断することにおいて非常に効率的であることが証明された。
【0024】
有利な実施形態によれば、箔材料の該少なくとも1つの連続的な帯の切断は、箔材料の連続的な部分が各シートの上に留まっている状態で残されるように、シートの前縁の直後でかつシートの後縁の直前で、箔材料の連続的な帯の全幅にわたって実行される。このような場合では、シートの非印刷余白の中で切断を実施することが特に好ましい。
【0025】
別の実施形態によれば、箔材料の該少なくとも1つの連続的な帯の切断は、箔材料の複数の個別部分が各シートの上に留まっている状態で残されるように、箔材料の連続的な帯の長さに沿って複数の箇所で実行される。このような場合では、シートの上に留まっている複数の個別部分は箔材料の連続的な帯の幅よりも小さい幅を有しうるが、シートの上に留まるべきではない箔材料の連続的な帯の残りの部分は、例えば、回収ロールの周囲に巻き付けることによって回収されうる材料の切れ目のない帯を形成する。
【0026】
さらに、有利な実施形態によれば、シートの上に留まるべきではない箔材料の1つまたは複数の連続的な帯の残りの部分が、好ましくは吸引によって排除される。
【0027】
本発明においては、箔材料の1つまたは複数の連続的な帯が、箔材料のロールの形態で有利に供給されうる。
【0028】
シートがそれぞれに横列および縦列のマトリックスで配置された押印の配列を担持する、有価証書のような証書を製造する状況では、箔材料の少なくとも1つの連続的な帯が、押印の各縦列に沿って貼付される。
【0029】
本発明は、箔材料の1つまたは複数の連続的な帯を貼付する前に、シートの中に切り抜かれた窓または開口を覆うために特に応用可能である。特にこの場合では、実質的に透明である箔材料を貼付することが有利である。
【0030】
箔材料は、シートの表面に接触させられる接着剤層を備えるプラスチック積層板であることが好ましい。この接着剤層は、有利なことに、シートの上に留まるべき箔材料の部分に対応する箇所のみで貼付中に活性化される圧力活性型および/または熱活性型接着剤層である。この場合では、切断は、接着剤層が活性化されなかった箇所で、有利なことに、シートの上に留まるべき箔材料の部分の直近で実施されることが好ましい。この場合では、箔材料の周辺部分が貼付過程後にシートに接着することがないと共に、その寸法が最小化されうる。さらには、特に箔材料を重ね刷りするために、箔材料の貼付後にシートを凹版印刷過程に掛けることが一般的な実施である。凹版印刷の結果として、箔材料の周辺部分は、凹版印刷に固有の温度および圧力の組合せ効果により、シートに接着させられる。
【0031】
以上の方法を実施する装置は従属請求項の主題を形成するものであるが、この装置は一般に、
− 個々のシートを送出するための1枚毎送出ステーションと、
− 箔材料の該少なくとも1つの連続的な帯を個々のシートの上に貼付するための箔貼付ユニットと、
− この箔貼付ユニットの下流に配置された、箔材料の該少なくとも1つの連続的な帯を切断するための切断ユニットと、
− 個々のシートを受け取るためのシート配送ステーションと
を備える。
【0032】
本装置の好ましい実施形態によれば、切断ユニットが、少なくとも1つの切断具を外周上に担持する切断シリンダを備え、この切断シリンダは、シートと同期して回転する。この切断シリンダは、箔材料の連続的な帯を機械的に切断するための少なくとも1つの切断刃、または箔材料の連続的な帯を溶融によって切断するための加熱要素を備えることが好ましい。さらには有利なことに、切断シリンダの温度が、切断動作の精度に悪影響を及ぼしうる切断シリンダの膨張を防止するように調整可能である。
【0033】
別の実施形態によれば、レーザ切断具を使用して切断動作を実行することができる。
【0034】
有利なことに、本装置には、シートの上に留まるべきではない箔材料の連続的な帯の残りの部分を、好ましくは吸引によって排除する手段がさらに設けられる。これらの残りの部分が適切に排除されつつあることを確認するための装置が、さらに設けられることが好ましい。
【0035】
本装置のさらに別の好ましい実施形態によれば、シートの前縁および/または後縁の通過を確認し、かつシートの前縁および/または後縁の通過に応じて切断ユニットの動作を調節する手段がさらに設けられる。これは、安定的な動作と各シート上の所定箇所での箔材料の精確な切断とを保証する。
【0036】
本発明の他の特徴および利点は、単に非限定的な例を挙げることによって提示され、かつ添付の図面によって例示される本発明の実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことにより、さらに明確になろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態に従って箔材料を連続シートの上に貼付するためのシート送出式加工機械の模式的な側面図である。
【図2】シートが変位する方向に対して平行な方向に沿ってシートの上に貼付される箔材料の複数の連続的な帯によって相互に繋がれた2枚の連続シートの模式的な上面図である。
【図3】図2の箔材料の複数の連続的な帯を切断した後の単一シートの模式的な上面図である。
【図4】4A〜4Eは、本発明の一変型に従って箔材料を切断するための切断ユニットとして使用した切断シリンダの動作を例示する模式的な側面図である。
【図5】図4Aから4Eの切断シリンダの切断配置の模式的な正面図である。
【図6】本発明の変型に従って図2の箔材料の複数の連続的な帯を切断した後の単一シートの模式的な上面図である。
【図7】7Aおよび7Bは、箔材料の帯の可能な別法による切断を例示する箔材料の帯の部分上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本発明の一実施形態に従って箔材料を連続シートの上に貼付するためのシート送出式加工機械の模式的な側面図である。その構成は、例えば、国際出願第WO97/35721号明細書(A1)、第WO97/35794号明細書(A1)、第WO97/35795号明細書(A1)、および第WO97/36756号明細書(A1)に開示されたような先行技術の加熱箔押機械とほとんど同一であり、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。それは、個々のシートSを箔貼付ユニット2に送出するために1枚毎送出ステーション1を備えるが、この箔貼付ユニット2は、貼付シリンダ21(この場合では、それぞれが1枚毎送出ステーション1からやって来るシートを捕捉および輸送できる4つの円弧部分を有する4円弧部分シリンダ)を基本的に備え、このシリンダは、空圧シリンダ(参照符号を付けず)によって貼付シリンダ21の円周に弾性的に押し付けられる圧力ローラ22の複数の横列と協働する。この場合では、圧力ローラ22の3対の横列が、貼付シリンダ21の円周に押し付けられる。
【0039】
箔材料は、箔材料200の連続的な帯の形態で供給ロール20から供給される。この連続的な帯200は、貼付シリンダ21の円周とシートSとの間にサンドイッチ状に挟まれるように貼付シリンダ21に送出される。銀行券のような有価証書の製造においては、各シートSには横列および縦列のマトリックスで配置された押印Pの配列が典型的に設けられる(例えば、図2および3に例示されているように)。したがって少なくとも1つの供給ロール20が、押印Pの各縦列に沿って箔材料200の対応する帯を供給するように設けられることが理解されよう。
【0040】
箔材料200は、シートの表面に接触させられる接着剤層を備える、好ましくは実質的に透明な、限定するものではないがポリエステル(PET)またはポリカーボネート(PC)材料のようなプラスチック積層板から製造されることが好ましい。この箔材料200には、例えば、OVD Kinegram AG社の登録商標であるKINEGRAM zero.zero(登録商標)の名前で販売された、一部を非金属化した層が随意選択的に設けられうる。
【0041】
この接着剤層は、シートの上に留まるべき箔材料の部分に対応する箇所のみで貼付中に活性化される圧力活性型および/または温度活性型接着剤層であることが好ましい。別法として、2化合物接着剤が使用可能であり、その場合には一方の接着剤化合物が箔材料の上に塗布されて、他方の接着剤化合物が、(例えば、国際出願第WO2005/068211号明細書(A1)で論じられているように)箔貼付前にシートの上に塗布される。
【0042】
貼付シリンダ21には、箔材料200がシートSの上の貼付されるべき箇所に複数の加熱箔押部材(図示せず)が設けられる。国際出願第WO2005/102733号明細書(A2)(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)に、このような箔押部材が備わる貼付シリンダ21が詳細に説明されている。それは、これらの箔押部材が箔材料200の上で活性化されるべき接着剤層の部分に従って寸法決めされ、かつ圧力ローラ22が該箔押部材と回転式に接触するように設計されていることを理解するのに十分である。
【0043】
例えば、図2および3によって例示されている実施形態(この実施形態は以下で論じられる)においては、箔材料200の連続的な部分(参照符号200*によって示されている)が各シートSの上に留まっている状態で残されるように、その各連続的な帯を貼付することが企図されている。換言すれば、貼付シリンダ21の上の各箔押部材は、箔材料200の帯の上で活性化されるべき接着剤層の長さに対応する長さを有する細片の形状を呈するように寸法決めされる。
【0044】
箔材料200の連続的な帯を個々のシートSの上に貼付することに続いて、図2に模式的に例示されているように、箔材料200の連続的な帯によって相互に繋がれたシートSの連続的な流れが形成される。
【0045】
再び図1を参照すると、箔材料200の連続的な帯によって繋がれたシートSの連続的な流れは、搬送機ベルト24と協働する冷却ローラ23を備える冷却ユニットに送出される。例示の実施形態では、搬送機ベルト24が、図1では反時計回りの方向へ向きを変えるように回転駆動されて、シートSの連続的な流れを貼付シリンダ21の表面から離れる方向へ、冷却ローラ23(このローラ23は図1では時計回りの方向へ回転する)に対接させかつ水平案内板25の上へと引っ張る。
【0046】
冷却ユニットは、それ自体必要とはされておらず、したがって割愛されてよい。しかし、試験によれば、冷却ユニットは、加工されるシートSの温度ばかりでなく、参照符号5によって示されている切断ユニットが配置される、箔貼付ユニット2の下流部分の温度も安定化させかつ調整することを可能にする点で有利でありうることが証明された。
【0047】
以降でより詳細に説明されることになる切断ユニット5は、箔材料200の連続的な帯を切断するために、箔貼付ユニット2の下流で水平案内板25の近傍に配置される。
【0048】
この切断の結果として、シートSの連続的な流れは再び個々のシートSに切り離され、図3で参照符号200*によって示された箔材料の部分はシートSの上に留まっている。このような切離しは、シートSが、図1で参照符号3によって全体として示された下流配置チェーン搬送機システムに移転されることになるので必要である。
【0049】
図1に例示されているように、吸引ドラム26が、案内板25および切断ユニット5の下流で搬送機ベルト24の下に配置される。吸引ドラム26の円周表面は、シートSがこの領域内に搬送される平面に対して正接している。吸引ドラム26は、例えば、速度が調節可能な電気モータを備える専用の速度制御可能および/または位置制御可能な駆動装置(図示せず)を有することが好ましい。吸引ドラム26の周方向速度は、吸引ドラム26が最初に搬送機ベルト24の搬送速度で、次いでチェーン搬送機システム3の速度よりもわずかに大きい速度まで加速され、次いで、吸引ドラム26が協働してシートSをチェーン搬送機システム3の把持器バー30の対応する1つに移転することを可能にするために、再び減速される。この「速度超過」は、吸引ドラム26とチェーン搬送機システム3との間におけるシートSの必要な移動距離に対応するために必要とされる。
【0050】
加工されたシートは、一旦チェーン搬送機システム3に移転されると、次にシート配送ステーション4の配送積重ねユニットに搬送される。
【0051】
図2は、シートSの流れが図1の貼付シリンダ21の下流で箔材料200の連続的な帯の貼付を受けた結果として形成されるときに、その流れを模式的に例示したものである。図2では、参照符号100が、箔材料200の連続的な帯を貼付する前にシートSの中に設けられた窓を示す。このような窓100は、箔材料200が貼付される同じ加工機械において(例えば、国際出願第WO2004/096541号明細書(A1)のように)または別体の機械において稼働中に設けられてよい。
【0052】
それぞれが8つの横列および5つの縦列(このマトリックス配置は純粋に例示的なものである)で配置された押印Pの配列を担持するシートSを例示する図2では、箔材料200の5つの連続的な帯が、シート輸送方向(図2で垂直矢印によって示す)に対して平行な方向に沿って、すなわち、押印Pの1縦列毎に1つの連続的な帯200が貼付される。例えば、窓100が各押印Pの長さに沿って(すなわち、シート輸送方向を横切って)2箇所以上に設けられる場合には、箔材料200の2つ以上の連続的な帯が、押印Pの1縦列毎に貼付されうることを理解されたい。図示の例では、各押印Pには、箔材料200の同じ帯によって覆われる2つの窓100が設けられている。
【0053】
図2では、参照符号lmおよびtmが、それぞれにシートSの先行余白および後続余白、すなわち、押印Pをいずれも担持しないシート部分を示す。これらの余白も「非印刷余白」と呼ばれるが、しかしこのような余白には、印刷された標識、例えば、シートの総合物流および/または品質管理において利用される標識が設けられうることを理解されたい。
【0054】
図2では、シートの後続および先行部分にそれぞれC1およびC2という参照符号によって示されている破線が、この第1の実施形態においては切断動作が実施されるべき箇所を示している。換言すれば、この第1の実施形態によれば、箔材料200の連続的な帯は、シートSの前縁の直後で(より厳密に言えば、非印刷先行余白lm以内で)かつシートSの後縁の直前で(より厳密に言えば、非印刷後続余白tm以内で)連続的な帯200の全幅にわたって切断される。その結果として、図3によって例示されているように、箔材料の連続的な部分(この部分は参照符号200*によって示されている)は、各シートSの上に留まっている状態で残される。
【0055】
図4Aから4Eは、図2および3に例示した様態で箔材料の切断を実行するために、図1の切断ユニット5を動作させているのを例示する模式的な側面図である。
【0056】
本発明のこの実施形態によれば、切断ユニット5は、切断具51を外周上に担持する切断シリンダ50を備えることが好ましく、この切断シリンダ50はシートSと同期して回転する。この例では、切断具51が、図5に例示されているように、箔材料200の連続的な帯の長さを横切って延びる1対の切断刃を備える。吸引穴52a(その目的は以降で説明される)を有する吸引部分52が、切断具51の切断刃の間に設けられていることが好ましい。
【0057】
切断具51の切断刃は、箔材料がプラスチック材料のような溶融可能な材料であれば、別法として、溶融によって箔材料200の帯の切断を実行するように設計された1対の加熱要素(電線のような)によって置換え可能である。
【0058】
この実施形態によれば、切断具51の2枚の切断刃間の最小間隔(すなわち、吸引部分52が配置される間隔)は、先行シートの後続余白tm中の図2に示した切断線C1と、後続シートの先行余白lm中の切断線C2との間の間隔に対応することが理解されよう。このような間隔は、2枚の連続シート間の実際の間隔と切断動作がシートの上で実施されるべき実際の位置とに応じる。したがって、切断具51の切断刃間の間隔が調節可能であるように、切断シリンダ50を設計することが有利でありうる。
【0059】
有利なことに、切断シリンダの温度は、シリンダ50の膨張により切断具51の切断刃間の間隔が変化するのを回避するように調整可能である。
【0060】
切断シリンダ50がシートSと一緒に実質的に定速度で回転する場合には、切断シリンダ50の円周は、2枚の連続シート間の周期的な間隔に対応するようになっているべきであることも理解されよう。
【0061】
切断具51をシートおよび箔材料200の帯に対して適切に位置決めすることを保証するために、切断シリンダ50の角位置の調節がその場で実行可能であるように、切断シリンダ50に、それ自体の速度制御可能および/または位置制御可能な駆動装置を設けることが有利である。
【0062】
図4Aは、図2に示した切断線C1に沿った箔材料200の帯の切断に対応する時点で、すなわち、シートの後続部分に位置決めされた切断シリンダ50を例示する。この状況では、切断具51の第1の切断刃が、シートSの上に貼付された箔材料200と接触させられて、その切断を引き起こす。シートSを支持するための適切な基準表面を設け、かつ箔材料200の帯をきれいに切断することを保証するように、支持部材55が、図4Aに例示されたようにシートSの対向側に設けられることが好ましい。切断具51の切断刃に対する支持部材55の間隔は調節可能であることが好ましい。図4Aに示された切断動作に続いて、箔材料200の帯の部分200*が切り離され、それによって、以上に論じたように、次に捕捉されかつ下流配置チェーン搬送機システム3に移転されうる関連するシートSを自由にすることが理解されよう。
【0063】
図4Bは、切断シリンダ50が数度だけ時計回りに回転され、それによって切断具51の第2の切断刃を、切断シリンダ50の下に、すなわち、図2に示した第2の切断線C2に対応する位置に輸送される後続シートSの先行部分と接触させる、加工の後続段階を例示する。
【0064】
図4Bに例示した切断動作に続いて、参照符号205によって示されている箔材料の小部分が切断されて箔材料200の帯の残部から切り離される。この小部分205は、切断シリンダ50をさらに回転させることによって実施されかつ排除されるように、吸引部分52によって吸引される。
【0065】
図4Cは、切断シリンダ50がほとんど90度分さらに時計回りに回転され、それによって切断具51を装置61(その目的は排除されている箔材料の小部分205の存在を確認することである)の正面に持ってくる、加工の後続段階を例示する。この装置61は、切断シリンダ50の表面に向かって差し向けられた簡素な発光デバイスでよく、この発光デバイスによって生成される光ビームの反射点を確認するための受光器を有する。この装置61は、別法として、箔材料の部分205の全体写真を撮るために吸引部分52の上に保持されたカメラでありうる。
【0066】
切断具51の吸引部分52の上に箔材料の小部分205が存在することを確認することによって、この部分205が適切に排除されつつあること、およびシートの上に落下(これは加工されたシートの品質に悪影響を及ぼしかつ/または機械の動作を妨害する恐れがある)していないことが保証されうる。この制御はまた、切断動作が適切に実施されたか否かを表示する。
【0067】
図4Dは、切断シリンダ50が再び約90度分さらに時計回りに回転され、それによって、箔材料の部分205を好ましくは吸引によって排除するために、切断具51を排除システム53の正面に持ってくる、加工の後続段階をさらに例示する。この位置では、吸引部分52の動作が、排除システム53の中で箔材料の部分205の吸引および排除を許容するように中断される。
【0068】
図4Eは、切断シリンダ50が時計回りにさらに回転された、加工のさらに別の後続段階を例示する。例示の状況では、後続シートSの前縁が、第2の装置62(その目的はシートSの前縁の通過を検出することである)によって生成された光ビームの交点と一致する。これは、シートの表面上における装置62によって生成された光ビームの反射点を監視することによって、またはシートSの通過によって引き起こされる光ビームの中断を検出するように、シートの他方の側に受光器を位置決めすることによって実行されうる。この検出の目的は、シートの通過を表示し、かつ切断ユニット5の動作の調節を可能にすることである。より厳密に言えば、例示の実施形態では、シートSの前縁の通過を検出することを利用して、切断シリンダ50の回転を補正し、かつ切断具51が適切な時点でシートおよび箔材料200と接触させられることを保証することができる。
【0069】
当然のことであるが、別法として、シートの後縁の通過を検出することが可能であることが理解されよう。さらに別の実施形態によれば、先行シートの後縁および後続シートの前縁の両方が通過するのを検出し、それによって2枚の連続シートS間の実際の間隔を表示することが可能である。
【0070】
本発明の範囲内では、別法としてレーザ切断ユニットを使用して箔材料200の連続的な帯を切断することが可能である。これは、例示されたようなシリンダを必要としないことになろう。
【0071】
さらに本発明の別の実施形態によれば、例えば、図6に例示されているように、箔材料の複数の個別部分200*が、シート上における押印Pの各縦列の中に留まっている状態で残されるように、箔材料の長さに沿って複数の箇所で箔材料200の連続的な帯を切断することが可能である。これは、箔材料200*が、各押印Pの全高にわたって延びることを回避し、かつ窓100を取り囲む小領域のみに限定されることが望まれる場合に有用である。これは、1枚のシート毎により大きな回数の切断動作を必要とすることが理解されよう。これは、例えば、切断シリンダ50の円周に沿って対応する数の切断具51(切断刃かまたは加熱要素かを問わず)を使用することによって(またはレーザ切断ユニットを適切に動作させることによって)実行されうる。
【0072】
図6の結果を生み出すために、切断動作は、図7Aに例示されているように、箔材料200の連続的な帯の全幅にわたって実施可能であり、それによって交互に連続する、シートSの上に留まるべき部分200*と排除されるべき残りの部分205とを創出する。別法として、図7Bに例示されているように、単に箔材料の連続的な帯205を排除ロールの周囲に巻き付けるだけで排除されうるこの連続的な帯205を残すように(したがって、これは箔材料の残りの部分を排除するために吸引手段を必要としないことになろう)、シートSの上に留まるべき箔材料部分200*は、箔材料200の連続的な帯の中に切り込まれることが可能である。後者の場合では、シートSの上に留まる箔材料の個別部分200*は、箔材料200の連続的な帯の幅よりも小さい幅を有することが理解されよう。
【0073】
本発明においては、接着剤層が活性化されなかった箇所で、好ましくはシートの上に留まるべき箔材料の部分の直近で、切断が実施されることが好ましい。このような場合では、箔材料の周辺部分は貼付過程の後にシートに接着していないが、その寸法は最小化されうる。さらには、特に箔材料を重ね刷りするために、箔材料の貼付後にシートを凹版印刷過程に掛けることが一般的なやり方である。凹版印刷の結果として、箔材料の周辺部分は、凹版印刷に固有の温度と圧力との組合せ効果により、シートに接着させられる。
【0074】
様々な変更および/または改良が、付属の特許請求の範囲によって規定された本発明の範囲から逸脱することなく、以上に説明の実施形態に実施されうる。例えば、既に言及したように、切断シリンダは、それ自体必要とされないが、例えば、機械的切断具を使用して切断動作を実施するための好ましい解決策を構成するものである。本発明の範囲内では、切断ユニットはいずれも、それがシート上において箔材料の切断を実施できる限り使用可能である。
【0075】
さらには、本発明は、シートの中に切り抜かれた窓を覆うという観点で好ましく応用される一方で、本発明は、加熱箔押技法によってではなく、積層によって箔材料をシートの上に貼付することが望まれる他の状況のいずれにも等しく応用可能であることを理解されたい。具体的には、本発明は、国際公開WO2004/024464号明細書(A1)で論じられたように、薄い領域を強化するという点においても応用可能である。
【0076】
最後に、場合によっては、シートの品質検査のために、かつ不適切に切断された箔材料および/またはシートに付着している箔材料の残部のようなシート上の欠陥検出のために、切断ユニットの下流に検査システムを設けることが有利でありうる。
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、連続シート、特に証券のシートの上に箔材料を貼付する方法および装置に関する。本発明は特に、銀行券のような、有価証書の製造において応用可能である。
【背景技術】
【0002】
シート、特に証券のシートの上に箔材料を貼付することは、それ自体当業で既によく知られている。このような貼付は、具体的にはいわゆるOVD(光学的可変デバイス)のような追加的な偽造防止要素を証券に設けることが典型的に企図されている。OVDは、光学的可変効果を生み出す光学的回折層(通常は金属化層)を備えるパッチまたは箔積層板の形態を典型的に取る。OVDは、具体的にはKINEGRAM(登録商標)という名前で知られているが、それはLeonhard Kurz Groupの構成企業であるOVD Kinegram AG社の登録商標である。
【0003】
OVDは、最終的に実際のOVDを形成することになる転写要素を担持する担持体材料の連続的なフィルムまたは帯の形態で典型的に供給される。これらは通常、転写要素の上に設けられた接着剤層を活性化して、それを担持体材料から加工中のシートまたはウェブの上に転写させるために圧力および温度の組合せを利用する、いわゆる加熱箔押技法を使用して貼付される。
【0004】
加熱箔押技法を実施する方法および装置が、例えば、国際出願第WO94/13487号明細書(A1)、第WO97/01442号明細書(A1)、第WO97/35721号明細書(A1)、第WO97/35794号明細書(A1)、第WO97/35795号明細書(A1)、第WO97/36756号明細書(A1)、第WO03/043823号明細書(A1)、第WO2005/102733号明細書(A2)、および欧州特許出願第0965446号明細書(A1)に開示されている。
【0005】
証券の上にOVDを貼付する以外に、証券の中に窓を切り抜いて、通常これらの窓を透明の箔材料のフィルムで覆うことも提案された。このような解決策が、例えば、国際出願第WO95/10420号明細書(A1)に提案されている。窓を覆うために貼付される箔材料の層は、OVDとは異なって、それがより大きな機械的拘束に耐えかつ窓の領域内で自立しなければならないので、比較的により厚くてより耐性がある。
【0006】
同じく、証券の中に創出された薄い領域を該領域の上に箔材料のフィルムを設けることによって強化することも提案された。少なくとも1つの薄い区域が設けられた有価証書を強化する方法が、例えば、国際出願第WO2004/024464号明細書(A1)に開示されている。
【0007】
証券の中に窓を設けることは、様々な方式で実施可能である。機械的な切断具を使用してシートの中に窓を切り抜く方法および装置が、例えば、国際出願第WO03/092971号明細書(A1)に開示されている。レーザ切断具を使用してシートの中に窓を切り抜く方法および装置が、例えば、国際出願第WO2004/096482号明細書(A1)に開示されている。
【0008】
箔材料によって窓を覆うことが、国際出願第WO2004/096541号明細書(A1)および第WO2005/068211号明細書(A1)でより詳細に論じられている。
【0009】
国際出願第WO2004/096541号明細書(A1)によれば、箔材料が、貼付ユニットの上流で切断される箔材料の連続細片の形態で貼付される。この貼付ユニットは、加熱箔押を実施するために使用されるものと基本的に同様であるが、主要な違いは、箔材料の細片が完全にシートの上に転写されることである。この状況では、貼付ユニットは、要素を担持体帯からシートの上に転写しかつ使用した担持体帯を回収することを伴う箔押と言うよりは、箔材料をシートの上に積層すると言った方がより適切である。
【0010】
国際出願第WO2004/096541号明細書(A1)の解決策は、それが、シートに対して積層板を精確に切断しかつその切断した細片を精確に位置決めすることを必要とするので、かなり実施するのが難しいことが判明している。具体的には、この先行技術の解決策は、積層板の細片を所望の箇所でシートに接触させるように、これらの細片を適切に捕捉しかつ輸送するために特殊設計の吸引システムを必要とする。
【0011】
しかも、この国際出願第WO2004/096541号明細書(A1)の解決策は、ある最小長さを有する積層板の細片のみに応用可能であるにすぎず、かつ箔材料の小サイズのパッチをシートの上に貼付するのに特に適切であるわけではない。
【0012】
したがって、箔材料を連続シートの上に貼付する改良された方法および装置に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0013】
したがって本発明の概括的な目的は、箔材料を連続シートの上に貼付する知られた方法および装置を改良することである。
【0014】
本発明の目的は、特に、知られた解決策よりも実施するのに複雑度がより低い解決策を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、箔材料を精確な様態でシートの上に貼付することを可能にする解決策を提供することである。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、箔材料をシートの上に貼付することが下流過程における該シートのさらなる加工に悪影響を及ぼすことなく、この貼付を可能にする解決策を提供することである。
【0017】
本発明のさらに別の目的は、箔材料の広範なサイズの部分をシートの上に貼付できる解決策を提供することである。
【0018】
これらの目的は、特許請求の範囲で規定された解決策によって実現される。
【0019】
本発明にしたがう方法は以下のステップを含む。第1のステップでは、個々のシートがシート輸送経路に沿って連続的に輸送される。第2のステップでは、箔材料の少なくとも1つの連続的な帯が、個々のシートが変位する方向に対して実質的に平行な方向に沿って個々のシートの上に貼付され、それによって箔材料の該少なくとも1つの連続的な帯によって相互に繋がれたシートの連続的な流れを形成する。第3のステップでは、箔材料の該少なくとも1つの連続的な帯は、シートの連続的な流れが再び個々のシートに切り離され、箔材料の部分が、このシートの上に留まっている状態で切断される。箔材料の該少なくとも1つの連続的な帯の切断は、シートの上に留まっている箔材料の部分がシートの前縁および後縁を越えて延びることがないように、シートの上に配置された位置で実行される。
【0020】
上記方法により、連続シート上への箔材料の精確な貼付が保証されると共に、貼付された箔材料が下流過程におけるシートのさらなる加工中に乱れを引き起こさないことが保証される。事実、シートの上に留まっている箔材料の部分がシートの前縁および後縁を越えて延びることがないように、箔材料の切断がシートの上に配置された位置で実行されるとき、下流過程におけるシートの適切な位置合わせ(この位置合わせには縁部の前縁を基準として使用するか、または場合によって後縁でもよい)は悪影響を受けることがない。
【0021】
先験的には、シートの上に配置された位置で箔材料を切断することは、シートの完全性に有害であるように見えよう。しかし、試験によれば、箔材料の切断は、大きな問題をいずれも伴うことなく、シートの表面上で実施可能であることが証明された。
【0022】
本発明の有利な実施形態は従属請求項の主題を形成するものであり、それらは以下で論じられる。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、切断が、例えば、シートに損傷を引き起こすことなく機械的な切断具によって実行可能である。別の実施形態によれば、かつ箔材料がプラスチックまたは溶融可能である任意の他の材料から製造されていれば、切断は、加熱要素(加熱された電線のような)を使用して箔材料を溶融することによって実施可能である。さらに、別の実施形態によれば、箔材料の切断が、レーザビームを使用して実施可能である。本出願人によって実施された試験では、特にレーザ切断が、シートを損傷することなく箔材料を選択的に切断することにおいて非常に効率的であることが証明された。
【0024】
有利な実施形態によれば、箔材料の該少なくとも1つの連続的な帯の切断は、箔材料の連続的な部分が各シートの上に留まっている状態で残されるように、シートの前縁の直後でかつシートの後縁の直前で、箔材料の連続的な帯の全幅にわたって実行される。このような場合では、シートの非印刷余白の中で切断を実施することが特に好ましい。
【0025】
別の実施形態によれば、箔材料の該少なくとも1つの連続的な帯の切断は、箔材料の複数の個別部分が各シートの上に留まっている状態で残されるように、箔材料の連続的な帯の長さに沿って複数の箇所で実行される。このような場合では、シートの上に留まっている複数の個別部分は箔材料の連続的な帯の幅よりも小さい幅を有しうるが、シートの上に留まるべきではない箔材料の連続的な帯の残りの部分は、例えば、回収ロールの周囲に巻き付けることによって回収されうる材料の切れ目のない帯を形成する。
【0026】
さらに、有利な実施形態によれば、シートの上に留まるべきではない箔材料の1つまたは複数の連続的な帯の残りの部分が、好ましくは吸引によって排除される。
【0027】
本発明においては、箔材料の1つまたは複数の連続的な帯が、箔材料のロールの形態で有利に供給されうる。
【0028】
シートがそれぞれに横列および縦列のマトリックスで配置された押印の配列を担持する、有価証書のような証書を製造する状況では、箔材料の少なくとも1つの連続的な帯が、押印の各縦列に沿って貼付される。
【0029】
本発明は、箔材料の1つまたは複数の連続的な帯を貼付する前に、シートの中に切り抜かれた窓または開口を覆うために特に応用可能である。特にこの場合では、実質的に透明である箔材料を貼付することが有利である。
【0030】
箔材料は、シートの表面に接触させられる接着剤層を備えるプラスチック積層板であることが好ましい。この接着剤層は、有利なことに、シートの上に留まるべき箔材料の部分に対応する箇所のみで貼付中に活性化される圧力活性型および/または熱活性型接着剤層である。この場合では、切断は、接着剤層が活性化されなかった箇所で、有利なことに、シートの上に留まるべき箔材料の部分の直近で実施されることが好ましい。この場合では、箔材料の周辺部分が貼付過程後にシートに接着することがないと共に、その寸法が最小化されうる。さらには、特に箔材料を重ね刷りするために、箔材料の貼付後にシートを凹版印刷過程に掛けることが一般的な実施である。凹版印刷の結果として、箔材料の周辺部分は、凹版印刷に固有の温度および圧力の組合せ効果により、シートに接着させられる。
【0031】
以上の方法を実施する装置は従属請求項の主題を形成するものであるが、この装置は一般に、
− 個々のシートを送出するための1枚毎送出ステーションと、
− 箔材料の該少なくとも1つの連続的な帯を個々のシートの上に貼付するための箔貼付ユニットと、
− この箔貼付ユニットの下流に配置された、箔材料の該少なくとも1つの連続的な帯を切断するための切断ユニットと、
− 個々のシートを受け取るためのシート配送ステーションと
を備える。
【0032】
本装置の好ましい実施形態によれば、切断ユニットが、少なくとも1つの切断具を外周上に担持する切断シリンダを備え、この切断シリンダは、シートと同期して回転する。この切断シリンダは、箔材料の連続的な帯を機械的に切断するための少なくとも1つの切断刃、または箔材料の連続的な帯を溶融によって切断するための加熱要素を備えることが好ましい。さらには有利なことに、切断シリンダの温度が、切断動作の精度に悪影響を及ぼしうる切断シリンダの膨張を防止するように調整可能である。
【0033】
別の実施形態によれば、レーザ切断具を使用して切断動作を実行することができる。
【0034】
有利なことに、本装置には、シートの上に留まるべきではない箔材料の連続的な帯の残りの部分を、好ましくは吸引によって排除する手段がさらに設けられる。これらの残りの部分が適切に排除されつつあることを確認するための装置が、さらに設けられることが好ましい。
【0035】
本装置のさらに別の好ましい実施形態によれば、シートの前縁および/または後縁の通過を確認し、かつシートの前縁および/または後縁の通過に応じて切断ユニットの動作を調節する手段がさらに設けられる。これは、安定的な動作と各シート上の所定箇所での箔材料の精確な切断とを保証する。
【0036】
本発明の他の特徴および利点は、単に非限定的な例を挙げることによって提示され、かつ添付の図面によって例示される本発明の実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことにより、さらに明確になろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態に従って箔材料を連続シートの上に貼付するためのシート送出式加工機械の模式的な側面図である。
【図2】シートが変位する方向に対して平行な方向に沿ってシートの上に貼付される箔材料の複数の連続的な帯によって相互に繋がれた2枚の連続シートの模式的な上面図である。
【図3】図2の箔材料の複数の連続的な帯を切断した後の単一シートの模式的な上面図である。
【図4】4A〜4Eは、本発明の一変型に従って箔材料を切断するための切断ユニットとして使用した切断シリンダの動作を例示する模式的な側面図である。
【図5】図4Aから4Eの切断シリンダの切断配置の模式的な正面図である。
【図6】本発明の変型に従って図2の箔材料の複数の連続的な帯を切断した後の単一シートの模式的な上面図である。
【図7】7Aおよび7Bは、箔材料の帯の可能な別法による切断を例示する箔材料の帯の部分上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、本発明の一実施形態に従って箔材料を連続シートの上に貼付するためのシート送出式加工機械の模式的な側面図である。その構成は、例えば、国際出願第WO97/35721号明細書(A1)、第WO97/35794号明細書(A1)、第WO97/35795号明細書(A1)、および第WO97/36756号明細書(A1)に開示されたような先行技術の加熱箔押機械とほとんど同一であり、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。それは、個々のシートSを箔貼付ユニット2に送出するために1枚毎送出ステーション1を備えるが、この箔貼付ユニット2は、貼付シリンダ21(この場合では、それぞれが1枚毎送出ステーション1からやって来るシートを捕捉および輸送できる4つの円弧部分を有する4円弧部分シリンダ)を基本的に備え、このシリンダは、空圧シリンダ(参照符号を付けず)によって貼付シリンダ21の円周に弾性的に押し付けられる圧力ローラ22の複数の横列と協働する。この場合では、圧力ローラ22の3対の横列が、貼付シリンダ21の円周に押し付けられる。
【0039】
箔材料は、箔材料200の連続的な帯の形態で供給ロール20から供給される。この連続的な帯200は、貼付シリンダ21の円周とシートSとの間にサンドイッチ状に挟まれるように貼付シリンダ21に送出される。銀行券のような有価証書の製造においては、各シートSには横列および縦列のマトリックスで配置された押印Pの配列が典型的に設けられる(例えば、図2および3に例示されているように)。したがって少なくとも1つの供給ロール20が、押印Pの各縦列に沿って箔材料200の対応する帯を供給するように設けられることが理解されよう。
【0040】
箔材料200は、シートの表面に接触させられる接着剤層を備える、好ましくは実質的に透明な、限定するものではないがポリエステル(PET)またはポリカーボネート(PC)材料のようなプラスチック積層板から製造されることが好ましい。この箔材料200には、例えば、OVD Kinegram AG社の登録商標であるKINEGRAM zero.zero(登録商標)の名前で販売された、一部を非金属化した層が随意選択的に設けられうる。
【0041】
この接着剤層は、シートの上に留まるべき箔材料の部分に対応する箇所のみで貼付中に活性化される圧力活性型および/または温度活性型接着剤層であることが好ましい。別法として、2化合物接着剤が使用可能であり、その場合には一方の接着剤化合物が箔材料の上に塗布されて、他方の接着剤化合物が、(例えば、国際出願第WO2005/068211号明細書(A1)で論じられているように)箔貼付前にシートの上に塗布される。
【0042】
貼付シリンダ21には、箔材料200がシートSの上の貼付されるべき箇所に複数の加熱箔押部材(図示せず)が設けられる。国際出願第WO2005/102733号明細書(A2)(その開示は参照により本明細書に組み込まれる)に、このような箔押部材が備わる貼付シリンダ21が詳細に説明されている。それは、これらの箔押部材が箔材料200の上で活性化されるべき接着剤層の部分に従って寸法決めされ、かつ圧力ローラ22が該箔押部材と回転式に接触するように設計されていることを理解するのに十分である。
【0043】
例えば、図2および3によって例示されている実施形態(この実施形態は以下で論じられる)においては、箔材料200の連続的な部分(参照符号200*によって示されている)が各シートSの上に留まっている状態で残されるように、その各連続的な帯を貼付することが企図されている。換言すれば、貼付シリンダ21の上の各箔押部材は、箔材料200の帯の上で活性化されるべき接着剤層の長さに対応する長さを有する細片の形状を呈するように寸法決めされる。
【0044】
箔材料200の連続的な帯を個々のシートSの上に貼付することに続いて、図2に模式的に例示されているように、箔材料200の連続的な帯によって相互に繋がれたシートSの連続的な流れが形成される。
【0045】
再び図1を参照すると、箔材料200の連続的な帯によって繋がれたシートSの連続的な流れは、搬送機ベルト24と協働する冷却ローラ23を備える冷却ユニットに送出される。例示の実施形態では、搬送機ベルト24が、図1では反時計回りの方向へ向きを変えるように回転駆動されて、シートSの連続的な流れを貼付シリンダ21の表面から離れる方向へ、冷却ローラ23(このローラ23は図1では時計回りの方向へ回転する)に対接させかつ水平案内板25の上へと引っ張る。
【0046】
冷却ユニットは、それ自体必要とはされておらず、したがって割愛されてよい。しかし、試験によれば、冷却ユニットは、加工されるシートSの温度ばかりでなく、参照符号5によって示されている切断ユニットが配置される、箔貼付ユニット2の下流部分の温度も安定化させかつ調整することを可能にする点で有利でありうることが証明された。
【0047】
以降でより詳細に説明されることになる切断ユニット5は、箔材料200の連続的な帯を切断するために、箔貼付ユニット2の下流で水平案内板25の近傍に配置される。
【0048】
この切断の結果として、シートSの連続的な流れは再び個々のシートSに切り離され、図3で参照符号200*によって示された箔材料の部分はシートSの上に留まっている。このような切離しは、シートSが、図1で参照符号3によって全体として示された下流配置チェーン搬送機システムに移転されることになるので必要である。
【0049】
図1に例示されているように、吸引ドラム26が、案内板25および切断ユニット5の下流で搬送機ベルト24の下に配置される。吸引ドラム26の円周表面は、シートSがこの領域内に搬送される平面に対して正接している。吸引ドラム26は、例えば、速度が調節可能な電気モータを備える専用の速度制御可能および/または位置制御可能な駆動装置(図示せず)を有することが好ましい。吸引ドラム26の周方向速度は、吸引ドラム26が最初に搬送機ベルト24の搬送速度で、次いでチェーン搬送機システム3の速度よりもわずかに大きい速度まで加速され、次いで、吸引ドラム26が協働してシートSをチェーン搬送機システム3の把持器バー30の対応する1つに移転することを可能にするために、再び減速される。この「速度超過」は、吸引ドラム26とチェーン搬送機システム3との間におけるシートSの必要な移動距離に対応するために必要とされる。
【0050】
加工されたシートは、一旦チェーン搬送機システム3に移転されると、次にシート配送ステーション4の配送積重ねユニットに搬送される。
【0051】
図2は、シートSの流れが図1の貼付シリンダ21の下流で箔材料200の連続的な帯の貼付を受けた結果として形成されるときに、その流れを模式的に例示したものである。図2では、参照符号100が、箔材料200の連続的な帯を貼付する前にシートSの中に設けられた窓を示す。このような窓100は、箔材料200が貼付される同じ加工機械において(例えば、国際出願第WO2004/096541号明細書(A1)のように)または別体の機械において稼働中に設けられてよい。
【0052】
それぞれが8つの横列および5つの縦列(このマトリックス配置は純粋に例示的なものである)で配置された押印Pの配列を担持するシートSを例示する図2では、箔材料200の5つの連続的な帯が、シート輸送方向(図2で垂直矢印によって示す)に対して平行な方向に沿って、すなわち、押印Pの1縦列毎に1つの連続的な帯200が貼付される。例えば、窓100が各押印Pの長さに沿って(すなわち、シート輸送方向を横切って)2箇所以上に設けられる場合には、箔材料200の2つ以上の連続的な帯が、押印Pの1縦列毎に貼付されうることを理解されたい。図示の例では、各押印Pには、箔材料200の同じ帯によって覆われる2つの窓100が設けられている。
【0053】
図2では、参照符号lmおよびtmが、それぞれにシートSの先行余白および後続余白、すなわち、押印Pをいずれも担持しないシート部分を示す。これらの余白も「非印刷余白」と呼ばれるが、しかしこのような余白には、印刷された標識、例えば、シートの総合物流および/または品質管理において利用される標識が設けられうることを理解されたい。
【0054】
図2では、シートの後続および先行部分にそれぞれC1およびC2という参照符号によって示されている破線が、この第1の実施形態においては切断動作が実施されるべき箇所を示している。換言すれば、この第1の実施形態によれば、箔材料200の連続的な帯は、シートSの前縁の直後で(より厳密に言えば、非印刷先行余白lm以内で)かつシートSの後縁の直前で(より厳密に言えば、非印刷後続余白tm以内で)連続的な帯200の全幅にわたって切断される。その結果として、図3によって例示されているように、箔材料の連続的な部分(この部分は参照符号200*によって示されている)は、各シートSの上に留まっている状態で残される。
【0055】
図4Aから4Eは、図2および3に例示した様態で箔材料の切断を実行するために、図1の切断ユニット5を動作させているのを例示する模式的な側面図である。
【0056】
本発明のこの実施形態によれば、切断ユニット5は、切断具51を外周上に担持する切断シリンダ50を備えることが好ましく、この切断シリンダ50はシートSと同期して回転する。この例では、切断具51が、図5に例示されているように、箔材料200の連続的な帯の長さを横切って延びる1対の切断刃を備える。吸引穴52a(その目的は以降で説明される)を有する吸引部分52が、切断具51の切断刃の間に設けられていることが好ましい。
【0057】
切断具51の切断刃は、箔材料がプラスチック材料のような溶融可能な材料であれば、別法として、溶融によって箔材料200の帯の切断を実行するように設計された1対の加熱要素(電線のような)によって置換え可能である。
【0058】
この実施形態によれば、切断具51の2枚の切断刃間の最小間隔(すなわち、吸引部分52が配置される間隔)は、先行シートの後続余白tm中の図2に示した切断線C1と、後続シートの先行余白lm中の切断線C2との間の間隔に対応することが理解されよう。このような間隔は、2枚の連続シート間の実際の間隔と切断動作がシートの上で実施されるべき実際の位置とに応じる。したがって、切断具51の切断刃間の間隔が調節可能であるように、切断シリンダ50を設計することが有利でありうる。
【0059】
有利なことに、切断シリンダの温度は、シリンダ50の膨張により切断具51の切断刃間の間隔が変化するのを回避するように調整可能である。
【0060】
切断シリンダ50がシートSと一緒に実質的に定速度で回転する場合には、切断シリンダ50の円周は、2枚の連続シート間の周期的な間隔に対応するようになっているべきであることも理解されよう。
【0061】
切断具51をシートおよび箔材料200の帯に対して適切に位置決めすることを保証するために、切断シリンダ50の角位置の調節がその場で実行可能であるように、切断シリンダ50に、それ自体の速度制御可能および/または位置制御可能な駆動装置を設けることが有利である。
【0062】
図4Aは、図2に示した切断線C1に沿った箔材料200の帯の切断に対応する時点で、すなわち、シートの後続部分に位置決めされた切断シリンダ50を例示する。この状況では、切断具51の第1の切断刃が、シートSの上に貼付された箔材料200と接触させられて、その切断を引き起こす。シートSを支持するための適切な基準表面を設け、かつ箔材料200の帯をきれいに切断することを保証するように、支持部材55が、図4Aに例示されたようにシートSの対向側に設けられることが好ましい。切断具51の切断刃に対する支持部材55の間隔は調節可能であることが好ましい。図4Aに示された切断動作に続いて、箔材料200の帯の部分200*が切り離され、それによって、以上に論じたように、次に捕捉されかつ下流配置チェーン搬送機システム3に移転されうる関連するシートSを自由にすることが理解されよう。
【0063】
図4Bは、切断シリンダ50が数度だけ時計回りに回転され、それによって切断具51の第2の切断刃を、切断シリンダ50の下に、すなわち、図2に示した第2の切断線C2に対応する位置に輸送される後続シートSの先行部分と接触させる、加工の後続段階を例示する。
【0064】
図4Bに例示した切断動作に続いて、参照符号205によって示されている箔材料の小部分が切断されて箔材料200の帯の残部から切り離される。この小部分205は、切断シリンダ50をさらに回転させることによって実施されかつ排除されるように、吸引部分52によって吸引される。
【0065】
図4Cは、切断シリンダ50がほとんど90度分さらに時計回りに回転され、それによって切断具51を装置61(その目的は排除されている箔材料の小部分205の存在を確認することである)の正面に持ってくる、加工の後続段階を例示する。この装置61は、切断シリンダ50の表面に向かって差し向けられた簡素な発光デバイスでよく、この発光デバイスによって生成される光ビームの反射点を確認するための受光器を有する。この装置61は、別法として、箔材料の部分205の全体写真を撮るために吸引部分52の上に保持されたカメラでありうる。
【0066】
切断具51の吸引部分52の上に箔材料の小部分205が存在することを確認することによって、この部分205が適切に排除されつつあること、およびシートの上に落下(これは加工されたシートの品質に悪影響を及ぼしかつ/または機械の動作を妨害する恐れがある)していないことが保証されうる。この制御はまた、切断動作が適切に実施されたか否かを表示する。
【0067】
図4Dは、切断シリンダ50が再び約90度分さらに時計回りに回転され、それによって、箔材料の部分205を好ましくは吸引によって排除するために、切断具51を排除システム53の正面に持ってくる、加工の後続段階をさらに例示する。この位置では、吸引部分52の動作が、排除システム53の中で箔材料の部分205の吸引および排除を許容するように中断される。
【0068】
図4Eは、切断シリンダ50が時計回りにさらに回転された、加工のさらに別の後続段階を例示する。例示の状況では、後続シートSの前縁が、第2の装置62(その目的はシートSの前縁の通過を検出することである)によって生成された光ビームの交点と一致する。これは、シートの表面上における装置62によって生成された光ビームの反射点を監視することによって、またはシートSの通過によって引き起こされる光ビームの中断を検出するように、シートの他方の側に受光器を位置決めすることによって実行されうる。この検出の目的は、シートの通過を表示し、かつ切断ユニット5の動作の調節を可能にすることである。より厳密に言えば、例示の実施形態では、シートSの前縁の通過を検出することを利用して、切断シリンダ50の回転を補正し、かつ切断具51が適切な時点でシートおよび箔材料200と接触させられることを保証することができる。
【0069】
当然のことであるが、別法として、シートの後縁の通過を検出することが可能であることが理解されよう。さらに別の実施形態によれば、先行シートの後縁および後続シートの前縁の両方が通過するのを検出し、それによって2枚の連続シートS間の実際の間隔を表示することが可能である。
【0070】
本発明の範囲内では、別法としてレーザ切断ユニットを使用して箔材料200の連続的な帯を切断することが可能である。これは、例示されたようなシリンダを必要としないことになろう。
【0071】
さらに本発明の別の実施形態によれば、例えば、図6に例示されているように、箔材料の複数の個別部分200*が、シート上における押印Pの各縦列の中に留まっている状態で残されるように、箔材料の長さに沿って複数の箇所で箔材料200の連続的な帯を切断することが可能である。これは、箔材料200*が、各押印Pの全高にわたって延びることを回避し、かつ窓100を取り囲む小領域のみに限定されることが望まれる場合に有用である。これは、1枚のシート毎により大きな回数の切断動作を必要とすることが理解されよう。これは、例えば、切断シリンダ50の円周に沿って対応する数の切断具51(切断刃かまたは加熱要素かを問わず)を使用することによって(またはレーザ切断ユニットを適切に動作させることによって)実行されうる。
【0072】
図6の結果を生み出すために、切断動作は、図7Aに例示されているように、箔材料200の連続的な帯の全幅にわたって実施可能であり、それによって交互に連続する、シートSの上に留まるべき部分200*と排除されるべき残りの部分205とを創出する。別法として、図7Bに例示されているように、単に箔材料の連続的な帯205を排除ロールの周囲に巻き付けるだけで排除されうるこの連続的な帯205を残すように(したがって、これは箔材料の残りの部分を排除するために吸引手段を必要としないことになろう)、シートSの上に留まるべき箔材料部分200*は、箔材料200の連続的な帯の中に切り込まれることが可能である。後者の場合では、シートSの上に留まる箔材料の個別部分200*は、箔材料200の連続的な帯の幅よりも小さい幅を有することが理解されよう。
【0073】
本発明においては、接着剤層が活性化されなかった箇所で、好ましくはシートの上に留まるべき箔材料の部分の直近で、切断が実施されることが好ましい。このような場合では、箔材料の周辺部分は貼付過程の後にシートに接着していないが、その寸法は最小化されうる。さらには、特に箔材料を重ね刷りするために、箔材料の貼付後にシートを凹版印刷過程に掛けることが一般的なやり方である。凹版印刷の結果として、箔材料の周辺部分は、凹版印刷に固有の温度と圧力との組合せ効果により、シートに接着させられる。
【0074】
様々な変更および/または改良が、付属の特許請求の範囲によって規定された本発明の範囲から逸脱することなく、以上に説明の実施形態に実施されうる。例えば、既に言及したように、切断シリンダは、それ自体必要とされないが、例えば、機械的切断具を使用して切断動作を実施するための好ましい解決策を構成するものである。本発明の範囲内では、切断ユニットはいずれも、それがシート上において箔材料の切断を実施できる限り使用可能である。
【0075】
さらには、本発明は、シートの中に切り抜かれた窓を覆うという観点で好ましく応用される一方で、本発明は、加熱箔押技法によってではなく、積層によって箔材料をシートの上に貼付することが望まれる他の状況のいずれにも等しく応用可能であることを理解されたい。具体的には、本発明は、国際公開WO2004/024464号明細書(A1)で論じられたように、薄い領域を強化するという点においても応用可能である。
【0076】
最後に、場合によっては、シートの品質検査のために、かつ不適切に切断された箔材料および/またはシートに付着している箔材料の残部のようなシート上の欠陥検出のために、切断ユニットの下流に検査システムを設けることが有利でありうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続シート(S)、特に証券のシートの上に箔材料(200)を貼付する方法であって、
− 個々のシート(S)をシート輸送経路に沿って連続的に輸送するステップと、
− 箔材料(200)の少なくとも1つの連続的な帯を、前記個々のシートが変位する方向に対して実質的に平行な方向に沿って前記個々のシート(S)の上に貼付し、それによって箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯によって相互に繋がれたシートの連続的な流れを形成するステップと、
− シートの前記連続的な流れが個々のシート(S)に切り離され、箔材料の部分(200*)が前記シート(S)の上に留まっているように、箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯を切断するステップ
を含み、前記シートの上に留まっている箔材料の前記部分(200*)が、前記シート(S)の前縁および後縁を越えて延びることがないように、前記シート(S)の上に配置された位置で切断が実行される、方法。
【請求項2】
箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯は、箔材料の連続的な部分(200*)が各シート(S)の上に留まっている状態で残されるように、前記シート(S)の前縁の直後でかつ前記シート(S)の後縁の直前で、箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯の全幅にわたって切断される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
切断が前記シート(S)の非印刷余白(lm、tm)の中で実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯は、箔材料の複数の個別部分(200*)が各シートの上に留まっている状態で残されるように、箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯の長さに沿って複数の箇所で切断される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記シートの上に留まっている箔材料の前記複数の個別部分(200*)は、箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯の幅よりも小さい幅を有し、箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯の残りの部分(205)が回収される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記シート(S)の上に留まるべきではない箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯の残りの部分(205)が、好ましくは吸引によって排除される、請求項2、3、または4に記載の方法。
【請求項7】
箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯は、箔材料のロール(20)の形態で供給される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記シート(S)は、横列および縦列のマトリックスで配置された押印(P)の配列を担持するシートであり、箔材料(200)の少なくとも1つの連続的な帯が、押印(P)の各縦列に沿って貼付される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯を貼付する前に、窓または開口(100)を前記シート(S)の中に切り抜くステップをさらに含み、前記窓または開口(100)は、箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯によって覆われる、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯は実質的に透明である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯は、前記シート(S)の表面に接触させられる接着剤層を備えるプラスチック積層板である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記接着剤層は、前記シート(S)の上に留まるべき箔材料の前記部分(200*)に対応する箇所のみで貼付中に活性化される圧力活性型および/または熱活性型接着剤層である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
箔材料(200)の前記連続的な帯の切断は、前記接着剤層が活性化されなかった箇所で、好ましくは、前記シート(S)の上に留まるべき箔材料の前記部分(200*)の直近で実行される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の方法を実施するための装置であって、
− 前記個々のシート(S)を送出するための1枚毎送出ステーション(1)と、
− 箔材料の前記少なくとも1つの連続的な帯(200)を前記個々のシート(S)の上に貼付するための箔貼付ユニット(2)と、
− 前記箔貼付ユニット(2)の下流に配置された、箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯を切断するための切断ユニット(5)と、
− 前記個々のシート(S)を受け取るためのシート配送ステーション(4)
を備える、装置。
【請求項15】
前記切断ユニット(5)は、少なくとも1つの切断具(51)を外周上に担持する切断シリンダ(50)を備える、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの切断具(51)は、箔材料(200)の前記連続的な帯を機械的に切断するための少なくとも1つの切断刃、または箔材料(200)の前記連続的な帯を溶融によって切断するための加熱要素を備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記切断シリンダ(50)の温度が調整される、請求項15または16に記載の装置。
【請求項18】
前記切断ユニット(5)はレーザ切断具を備える、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記シート(S)の上に留まるべきではない箔材料(200)の前記連続的な帯の残りの部分(205)を、好ましくは吸引により排除する手段(53)をさらに備える、請求項14から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記残りの部分(205)が適切に排除されつつあることを確認するための装置(61)をさらに備える、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記シート(S)の前縁および/または後縁の通過を確認し、かつ前記シート(S)の前記前縁および/または後縁の前記通過に応じて前記切断ユニット(5)の動作を調節する手段(62)をさらに備える、請求項14から20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項1】
連続シート(S)、特に証券のシートの上に箔材料(200)を貼付する方法であって、
− 個々のシート(S)をシート輸送経路に沿って連続的に輸送するステップと、
− 箔材料(200)の少なくとも1つの連続的な帯を、前記個々のシートが変位する方向に対して実質的に平行な方向に沿って前記個々のシート(S)の上に貼付し、それによって箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯によって相互に繋がれたシートの連続的な流れを形成するステップと、
− シートの前記連続的な流れが個々のシート(S)に切り離され、箔材料の部分(200*)が前記シート(S)の上に留まっているように、箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯を切断するステップ
を含み、前記シートの上に留まっている箔材料の前記部分(200*)が、前記シート(S)の前縁および後縁を越えて延びることがないように、前記シート(S)の上に配置された位置で切断が実行される、方法。
【請求項2】
箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯は、箔材料の連続的な部分(200*)が各シート(S)の上に留まっている状態で残されるように、前記シート(S)の前縁の直後でかつ前記シート(S)の後縁の直前で、箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯の全幅にわたって切断される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
切断が前記シート(S)の非印刷余白(lm、tm)の中で実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯は、箔材料の複数の個別部分(200*)が各シートの上に留まっている状態で残されるように、箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯の長さに沿って複数の箇所で切断される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記シートの上に留まっている箔材料の前記複数の個別部分(200*)は、箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯の幅よりも小さい幅を有し、箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯の残りの部分(205)が回収される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記シート(S)の上に留まるべきではない箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯の残りの部分(205)が、好ましくは吸引によって排除される、請求項2、3、または4に記載の方法。
【請求項7】
箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯は、箔材料のロール(20)の形態で供給される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記シート(S)は、横列および縦列のマトリックスで配置された押印(P)の配列を担持するシートであり、箔材料(200)の少なくとも1つの連続的な帯が、押印(P)の各縦列に沿って貼付される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯を貼付する前に、窓または開口(100)を前記シート(S)の中に切り抜くステップをさらに含み、前記窓または開口(100)は、箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯によって覆われる、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯は実質的に透明である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯は、前記シート(S)の表面に接触させられる接着剤層を備えるプラスチック積層板である、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記接着剤層は、前記シート(S)の上に留まるべき箔材料の前記部分(200*)に対応する箇所のみで貼付中に活性化される圧力活性型および/または熱活性型接着剤層である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
箔材料(200)の前記連続的な帯の切断は、前記接着剤層が活性化されなかった箇所で、好ましくは、前記シート(S)の上に留まるべき箔材料の前記部分(200*)の直近で実行される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の方法を実施するための装置であって、
− 前記個々のシート(S)を送出するための1枚毎送出ステーション(1)と、
− 箔材料の前記少なくとも1つの連続的な帯(200)を前記個々のシート(S)の上に貼付するための箔貼付ユニット(2)と、
− 前記箔貼付ユニット(2)の下流に配置された、箔材料(200)の前記少なくとも1つの連続的な帯を切断するための切断ユニット(5)と、
− 前記個々のシート(S)を受け取るためのシート配送ステーション(4)
を備える、装置。
【請求項15】
前記切断ユニット(5)は、少なくとも1つの切断具(51)を外周上に担持する切断シリンダ(50)を備える、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記少なくとも1つの切断具(51)は、箔材料(200)の前記連続的な帯を機械的に切断するための少なくとも1つの切断刃、または箔材料(200)の前記連続的な帯を溶融によって切断するための加熱要素を備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記切断シリンダ(50)の温度が調整される、請求項15または16に記載の装置。
【請求項18】
前記切断ユニット(5)はレーザ切断具を備える、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記シート(S)の上に留まるべきではない箔材料(200)の前記連続的な帯の残りの部分(205)を、好ましくは吸引により排除する手段(53)をさらに備える、請求項14から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記残りの部分(205)が適切に排除されつつあることを確認するための装置(61)をさらに備える、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記シート(S)の前縁および/または後縁の通過を確認し、かつ前記シート(S)の前記前縁および/または後縁の前記通過に応じて前記切断ユニット(5)の動作を調節する手段(62)をさらに備える、請求項14から20のいずれか一項に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【公表番号】特表2010−521319(P2010−521319A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551290(P2009−551290)
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際出願番号】PCT/IB2008/050626
【国際公開番号】WO2008/104904
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(591031371)カーベーアー−ジオリ ソシエテ アノニム (54)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際出願番号】PCT/IB2008/050626
【国際公開番号】WO2008/104904
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(591031371)カーベーアー−ジオリ ソシエテ アノニム (54)
【Fターム(参考)】
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