説明

連装式回転加圧脱水装置及びその制御方法

【課題】連装式回転加圧脱水装置において、設定された低含水率の脱水物を安定的に得る。
【解決手段】
複数のチャンネル100を備えた連装式回転加圧脱水装置10であって、各チャンネル100毎にその出口部107に背圧板109を設け、各チャンネル100入口圧力又は出口圧力、或いは排出される脱水ケーキWの含水率を検知するセンサを設けて、それらが所定の値を越えたときに背圧板109を開いて圧力を緩和する。一度圧力を緩和したチャンネルについては、その後は所定時間ごとに同様の制御を繰り返し行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水や工業廃水などから脱水物(脱水ケーキ)を得るための回転加圧脱水装置に関し、さらに詳しくは、設定値どおりの含水率を備えた脱水物が安定して得られ、かつ、特に複数の脱水用チャンネル(ここでは単にチャンネルという)を有するいわゆる連装式回転加圧脱水装置において、各チャンネルを通じて均一な含水率を備えた脱水ケーキを安定して得るための回転加圧脱水装置、及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下水汚泥や工業廃水等の濃縮や脱水を行うに当たっては、ベルトプレス型脱水機や遠心脱水機等の各種脱水機が用いられているが、省スペース・省エネルギーでありながら高い脱水性能が期待できる回転加圧脱水装置が近年広く用いられている(特許文献1参照)。
【0003】
この回転加圧脱水装置は、図4A、Bにその縦及び横断面を示すように、駆動軸101により駆動回転自在でかつ円盤状の内輪スペーサ102と、この内輪スペーサ102と同心状でかつその内周が内輪スペーサ102の外周と所定間隔を隔てて配置され、かつその外周の一部が外に向かって開いた開口部Sを有する側面視略C字状の外輪スペーサ103とを備えている。
【0004】
内輪スペーサ102の両側面にはやはり円盤状の覆設板部105a,105b(図4A)が同心状に取り付けられており、この覆設板部105a,105bの外径は外輪スペーサ103の内周よりも大きく、そのため内輪スペーサ102に取り付けたとき、その内側面が内輪スペーサ102及び外輪スペーサ103との間に形成される環状空間の側面を囲い、後述する下水汚泥などを脱水するための脱水処理室108を画成する。
【0005】
この覆設板部105a,105bの内輪スペーサ102と外輪スペーサ103間に形成された環状空間108に臨む部分には、多数の貫通孔hを有する金属製円盤フィルタ(透水性固液分離板の一例)が形成されており、後記するように下水汚泥などの脱水時に水分がこのフィルタを通して機外に排水される。
【0006】
外輪スペーサ103の前記開口部Sには、仕切スペーサ104が図4Bに示すように、開口部Sの上下の壁部との間に間隔を置いて配置され、その上面104aは、外輪スペーサ103の上側開口壁103aとの間で下水汚泥等を取り入れる入口部106を形成し、かつその下面104bは、外輪スペーサ103の前記下側開口壁103bとの間で脱水物を排出するための出口部107を形成している。この仕切スペーサ104の機内側端部104cは、内輪スペーサ102の外周面102aに対応した円周面に形成されており、内輪スペーサ102が仕切スペーサ104の外周面104aを摺接しながら回転するようになっている。
【0007】
以上の構成により、入口部106及び出口部107を備え、内輪スペーサ102と、外輪スペーサ103と、仕切スペーサ104と前記覆設板部105a,105bとによって囲まれ、かつ、図示しないシール材等により密封された脱水処理室108が形成される。
【0008】
また、内輪スペーサ102、外輪スペーサ103、仕切スペーサ104、覆設板部105a,105bは、図4Aに示すようにカバー12により支持されると共に全体が被覆されている。
【0009】
ここで、出口部107には、図4Bに模式的に示す空気バネ110で支持された背圧板109が設けられており、この背圧板109は、図示しない制御装置により、出口部109に設けた圧力センサーなどの圧力情報に基づき、例えばコンプレッサーなどにより背圧板109の開度を調整して、脱水処理室108からの脱水ケーキの排出に抵抗を与え出口圧力を調整する。
【0010】
図5は、以上で説明した回転加圧脱水装置を作動させるための全体のシステムを概略的に示す図である。
下水汚泥等は汚泥圧入ポンプ120で加圧され、かつ凝集剤注入ポンプ122を介して凝集剤を注入し、フロキュレータ124を通して凝集調質された汚泥(いわゆる凝集汚泥)等を回転加圧脱水装置10に所定圧力で連続的に供給する。
回転加圧脱水装置10側では、図4Aに示すように、モータ(図示せず)により駆動軸101を回転して前記内輪スペーサ102及び前記覆設板部105a,105bとで構成するスクリーンを1分間当たり0.2〜1.3回の速度で回転し、供給された汚泥は、覆設板部105a,105bの回転力及び凝集汚泥の圧入圧力により、凝集汚泥が入口部106から出口部107方向へと脱水されながら搬送される。
【0011】
即ち、凝集汚泥は図4Bに示すように、脱水処理室108でろ過処理が行われ徐々に流動性を失い、内輪スペーサ102、覆設板部105a,105bの回転によるせん断力により脱水処理されながら出口部107側方向へと押し出される。
凝集汚泥は、内輪スペーサ102、覆設板部105a,105bの回転力と凝集汚泥の圧密および背圧板109の背圧により圧搾脱水処理されて、脱水ケーキWとして、出口部107より例えば最大600kpaの一定圧になるように、空気バネ109で出口部107の断面積を調整して排出する。また、汚泥等の水分は、覆設部材105a、105bの金属製円盤フィルタからカバー12内を経て外部に排出される。
【0012】
この脱水作業中、何らかの原因で出口付近の汚泥の含水率が設定値より下がると汚泥が排出されにくくなり、その結果、出口付近の圧力が高まり、かつ圧力が高まることでさらに含水率が低下するという循環に陥ることがある。この循環が始まると汚泥が極めて排出され難い状態(詰まり状態という)になる。
【0013】
実際には、このような状態に至らないまでも、回転加圧脱水装置の脱水処理中に入口圧力或いは出口圧力が変化すると、出口から排出される脱水ケーキWの含水率や、SS回収率(処理原液が脱水ケーキと濾液とに分けられる際、処理原液中の固形分が脱水ケーキとして回収される率)が不安定になる。
【0014】
とくに、連装式回転加圧脱水装置10では、運転中に各チャンネルにおいて脱水処理室108内に圧力差が生じると、下水汚泥等は比較的圧力の低いチャンネルにより多く流入するため、特定のチャンネルの下水汚泥等の流入量が増大する。チャンネルに流入する汚泥量が増大すると、汚泥は十分に脱水されず、十分脱水されないままの汚泥が出口から排出されるいわゆるウォッシュアウトが生じ、その結果、チャンネル毎に含水率の異なる脱水物を生じるだけではなく、極端に圧力の上がったチャンネルは詰まって正常に機能しなくなるという問題が生じる。
【0015】
このように複数のチャンネルを備えた連装式回転加圧脱水装置では、同じ条件で運転を開始しても、それそれの特性の差等から時間の経過と共に処理量のバランスが崩れることが生じ、設定どおりの含水率の脱水物が得られず、その場合には、脱水ケーキ全体の含水率も上昇することになる。
【0016】
表1は、これをデータで示したものであって、状態1は各チャンネル毎の脱水処理がバランスよく行われている場合の実測値であり、状態2は以上で述べたようにバランスが崩れた状態での実測値である。
【0017】
【表1】

【0018】
表1から明らかなように、供給汚泥量10.2m/hでその濃度が3.3%であるときのチャンネル1の排出汚泥量及び含水率はそれぞれ0.8m/h及び78.2%であるのに対し、チャンネル2ではそれぞれ0.7m/h及び77.9%である。
これに対し、状態2では、供給汚泥量10.0m/hでその濃度が3.4%であるときのチャンネル1の排出汚泥量及び含水率はそれぞれ0.5m/h及び76.9%であるのに対し、チャンネル2ではそれぞれ1.3m/h及び83.2%である
【0019】
このように状態2ではチャンネル1と2との間で排出汚泥量及び含水率のいずれも大幅に異なっており、その加重平均をみると含水率は状態2では81.5%で状態1の78.1%よりも増大してしまい、汚泥の減容化にも不利になることが分かる。
【0020】
回転加圧脱水装置の脱水処理中における入口或いは出口圧力の変化に対応するため、入口或いは出口通路に圧力センサーを設けて、出口部の圧力を常時監視し、出口の開口面積やスクリーン(金属製円盤フィルタ)の回転速度を自動調整して安定性を確保するものが提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2に記載された回転加圧脱水装置は、チャンネルが一個の回転加圧脱水装置の場合は十分適用可能であるが、1台のモータで複数のスクリーンの駆動を行う連装式回転加圧脱水装置の場合はチャンネル毎の制御ができないため、そのまま適用することはできない等の問題もある。
【特許文献1】特開2004−90048号公報
【特許文献2】特開2004−74066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、回転加圧脱水装置における上記問題に鑑みてなされてものであって、その目的は、回転加圧脱水装置における脱水物の含水率を設定値どおりに維持することを低コストで実現し、特に、複数のチャンネルを備えたいわゆる連装式回転加圧脱水装置の各チャンネルから均質化した脱水物を安定的に得るようにして、脱水物の含水率を設定時どおりに維持させることを低コストで実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
請求項1の発明は、複数のチャンネルを備えた連装式回転加圧脱水装置であって、前記チャンネルの出口圧力調整手段、及び該出口圧力調整手段を作動して出口圧力を制御する手段を有し、前記出口圧力を制御する手段は、前記出口圧力調整手段を作動して出口圧力を緩和するか又は高める制御を行うことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された連装式回転加圧脱水装置において、前記出口圧力を制御する手段は、前記出口圧力調整手段を所定周期で連続的に作動して又は予め定めた所定時間毎に繰り返し作動して、出口圧力を緩和又は高める制御を行うことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1に記載された連装式回転加圧脱水装置において、各チャンネル毎のその入口又は出口圧力又は流量、又は排出される脱水物の含水率を検知する検知手段を有し、前記出口圧力を制御する手段は、前記検知手段の検知結果が予め定めた設定値から外れたとき、出口圧力調整手段を作動して、出口圧力を緩和又は高める制御行うことを特徴とする。
請求項4の発明は、連装式回転加圧脱水装置の制御方法であって、各チャンネル毎のその入口又は出口圧力又は流量、或いは排出される脱水物の含水率を検知する工程、検知された入口又は出口圧力又は流量、或いは排出される脱水物の含水率を予め定めた値と比較する工程、検知された入口又は出口圧力或いは排出される脱水物の含水率が前記予め定めた値から外れたとき、当該チャンネルの出口圧力調整手段を作動してその出口圧力を緩和又は高める工程、を有し、前記出口圧力を緩和又は高める工程を所定時間毎に繰り返し実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、回転加圧脱水装置において、低コストで設定値どおりの低い含水率の脱水物を得ることができる。また、特に、連装式回転加圧脱水装置における複数のチャンネルでは、汚泥などの含水物を脱水する際に、各チャンネルから排出される脱水ケーキの含水率をその設定値に従って均一にできると共に、含水率を低下させることが低コストで実現できる。
つまり、各チャンネルから得られる脱水物の含水率を一定に保つことで全チャンネルから得られる脱水物の含水率を低くすることができる。脱水物の含水率が低いことは、脱水物を燃料としてエネルギーを回収する場合にとくに効果があり、また、コンポストなどとして再利用する場合にも好ましい。脱水物の含水率が均一であることは、後段の処理、例えば焼却処分を行う上で極めて有利であり、汚泥の減容化により、埋立処分を行う場合にも処分用地の延命化が可能となる。
また、全チャンネルが効率的に運転されることにより、連装式回転加圧脱水装置の性能が最大限に発揮できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る連装式回転加圧脱水装置10の一実施形態を示し、図1Aはその正面図、図1Bはその一部を拡大して示した縦断面側、及び図1Cは側断面図である。
本実施形態に係る連装式回転加圧脱水装置は、図1Aに示すように1台のモータで駆動制御される6台のチャンネル100を有するいわゆる連装式のものであり、各チャンネル100の構成は既に説明した従来のものと同様である。即ち、図1Bに示すように、内輪スペーサ102と、外輪スペーサ103と、仕切スペーサ104と覆設板部105a,105bとによって囲まれる空間により、入口部106及び出口部107を備え、図示しないシール材等により密封された環状の脱水処理室108が複数形成されている。
【0025】
内輪スペーサ102の駆動軸101は、図1Aに示すように各チャンネルで共通し、従って、各内輪スペーサ102及び覆設板部材105a、105bは、同一のモータMによって回転駆動される、つまり同一の速度で回転される。
【0026】
このように構成された連装式回転加圧脱水装置10に、図1Cに示すように、例えば、凝集剤で調質された汚泥(いわゆる凝集汚泥)を、所定の圧力で連続的に各チャンネルの入口部106より脱水処理室108内に供給すると、凝集汚泥は、覆設板部105a,105bの回転力及び凝集汚泥の圧入圧力により、入口部106から出口部107方向へと搬送されるに従い、ろ過されると共により圧密化され、圧搾脱水処理されて脱水ケーキWとして出口部107より空気バネ110で付勢された背圧板109を押し開いて排出される。
【0027】
ここで、背圧板109は、以下説明するように、バネの作用により、脱水ケーキWが排出されるときの出口面積を規定し、出口圧力を所定値に維持する。
即ち、図2は、背圧板109の制御系のブロック図である。
図示のように、本実施形態では、各チャンネルの出口部107(又は入口部106)に圧力センサ112を配置するか又は出口部107に含水率センサ114を配置する。なお、圧力センサ112と含水率センサ114を共に配置してもよいし、更に汚泥の流入量又は流出量を測定するための流量測定手段(図示せず)を備えてもよい。各チャンネル毎に配置した圧力センサ112又は含水率センサ114又は流量センサ(図示せず)からの検知情報は、例えばマイクロコンピュータを備えた制御装置110に送信され、ここで予め設定された設定値と比較される。検出した圧力が予め定めた設定値(設定値は必ずしも一つの値とは限らない、ある幅を持った値でもよい)を越えるか下回ったときか或いは検出した脱水ケーキWの含水率が予め定めた設定値を越えるか又は下がったとき、つまり設定値から外れたときには、制御装置110は電磁弁Vを作動して、空気バネ118中のエアを外部に排出するか或いは逆にコンプレッサー116の加圧エアを空気バネ118中に送るかして、背圧板119を所定時間開放するか少し閉める。
【0028】
つまり、各チャンネル毎に圧力、又は流量、又は脱水ケーキの含水率を監視し、あるチャンネル100における出口(又は入口)圧力、又は含水率、又は流量が予め定めた所定値の範囲を外れたとき(例えば圧力の所定値が80〜100kPaのとき70kPaであるとき)は、制御装置110は、当該チャンネル100の空気バネ118を動作制御し、背圧板109を所定時間開くか又は閉める制御を行うことができる。この場合、各チャンネルのうち少なくとも一つのチャンネルで前記圧力、又は流量、はが脱水ケーキの含水率が設定値から外れたときには、全てのチャンネルで背圧板109に与える圧力を所定時間上げるか又は下げる制御を行うようにしてもよいし、或いは、設定値から外れた(例えば圧力が低い)チャンネルでは背圧板に与える圧力を上げ、その他のチャンネルでは背圧板に与える圧力を下げる制御を行うようにしてもよい。
とくに、本実施形態では、一度背圧板109を開きその圧力を緩和又は高めた後は、当該チャンネル100については、制御装置10から所定時間毎に自動的に電磁弁Vにパルスを送り背圧板109を開くか又は少し閉じ、出口部107での圧力を緩和するか高める制御を繰り返し行うようにしている。
【0029】
これは、汚泥排出口付近の圧力の異常上昇・下降は不定期に生じるものと仮定して、図3に示すように、背圧板8の圧力制御、つまりここでは減圧制御を一定時間毎、例えば5分毎に1分間行うことで、不定期に生じる圧力上昇・下降を未然に防止して各チャンネルで均一に脱水処理ができるようにするためである。圧力の緩和又は上昇は短時間で1回または断続的に複数回行う。
なお、圧力、含水率、流量を人が監視して、その結果に基づき背圧板109を所定時間開くか又は少し閉める制御を行うようにしてもよく、従って、この様な制御を行う連装式回転加圧脱水装置も本件発明の実施形態となり得る。
【0030】
このように、制御装置110は、脱水処理室108内のうち、例えば特に出口付近の圧力が高くなって、前記表1の状態2に遷移しかけたチャンネルを検知したときは、当該チャンネルが前記2の状態に遷移する前に、背圧板119の圧力を緩和させ、その後は当該チャンネルについては一定周期で圧力を緩和させる制御を自動的に繰り返し行うことで、一旦、前記状態2に遷移しかけたチャンネルの出口圧力を、単に定期的に緩和する制御を行う。このように背圧板119の開放制御を行うことで、制御を低コストで行うことができるだけではなく、各チャンネルに脱水ケーキWによる詰まりを生じることがなく、各チャンネルに流入する汚泥量をほぼ均一にでき、含水率の比較的均一な脱水ケーキWを得ることができ、結果として、各チャンネルから排出される脱水ケーキWの設定値どおりに含水率を低くすることができる。
【0031】
表2は、背圧板圧力をパルス制御した場合(運転1)としない場合(運転2)について、3日間運転したときに排出される汚泥の性状を示す表である。
【0032】
【表2】

【0033】
この表から明らかなように、背圧板圧力をパルス制御した場合は、含水率は78.0%であるが、パルス制御しない場合は、82.1%であり、4.1%の改善が認められ、パルス制御が連装式回転加圧脱水装置の安定的な運転と排出される汚泥の含水率の低下に有効であることが認められた。
なお、本実施形態では、入口又は出口圧力又は流量、或いは排出される脱水物の含水率を検知する検知手段を用いて前記圧力或いは含水率を常時監視して、これらが予め定めた設定値から外れたときに出口圧力を制御するようにしたが、本発明はこれに限定されず、前記出口圧力を制御する手段は、出口圧力を緩和する制御を所定周期のパルス信号のON/OFFで背圧板を連続的に開閉するか、或いは同制御を予め定めた所定時間毎に繰り返し行うようにしてもよい。また、凝集汚泥を脱水処理する例を示したが、本発明に係る連装式回転加圧脱水装置は、凝集汚泥の脱水に限らず、汚泥以外の、例えば、廃水処理、食品工場、セメント工場、半導体工場など含水物を脱水する必要がある場合にも同様に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る連装式回転加圧脱水装置の一実施形態を示し、図1Aはその正面図、図1Bはその一部を拡大して示した縦断面側、及び図1Cは側断面図である。
【図2】背圧板109の制御のための動作ブロック図である本発明に係る連装式回転加圧脱水装置の一実施形態を示す断面図である。
【図3】背圧板に作用する圧力を縦軸にかつ時間を横軸にとって、背圧板の時間経過を示した図である。
【図4】従来の回転加圧脱水装置を示し、図4Aは、図1と同様の縦断面側、及び図4Bはその側断面図である。
【図5】回転加圧脱水装置を作動させるための全体のシステムを概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0035】
10・・・回転加圧脱水装置、12・・・カバー、100・・・チャンネル、101・・・駆動軸、102・・・内輪スペーサ、103・・・外輪スペーサ、104・・・仕切スペーサ、105a・・・覆設板部、105b・・・覆設板部、106・・・入口部、107・・・出口部、108・・・脱水処理室、109・・・背圧手段、h・・・貫通孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチャンネルを備えた連装式回転加圧脱水装置であって、
前記チャンネルの出口圧力調整手段、及び該出口圧力調整手段を作動して出口圧力を制御する手段を有し、
前記出口圧力を制御する手段は、前記出口圧力調整手段を作動して出口圧力を緩和するか又は高める制御を行うことを特徴とする連装式回転加圧脱水装置。
【請求項2】
請求項1に記載された連装式回転加圧脱水装置において、
前記出口圧力を制御する手段は、前記出口圧力調整手段を所定周期で連続的に作動して又は予め定めた所定時間毎に繰り返し作動して、出口圧力を緩和又は高める制御を行うことを特徴とする回転加圧脱水装置。
【請求項3】
請求項1に記載された連装式回転加圧脱水装置において、
各チャンネル毎のその入口又は出口圧力又は流量、又は排出される脱水物の含水率を検知する検知手段を有し、
前記出口圧力を制御する手段は、前記検知手段の検知結果が予め定めた設定値から外れたとき、出口圧力調整手段を作動して、出口圧力を緩和又は高める制御行うことを特徴とする連装式回転加圧脱水装置。
【請求項4】
連装式回転加圧脱水装置の制御方法であって、
各チャンネル毎のその入口又は出口圧力又は流量、或いは排出される脱水物の含水率を検知する工程、
検知された入口又は出口圧力又は流量、或いは排出される脱水物の含水率を予め定めた値と比較する工程、
検知された入口又は出口圧力或いは排出される脱水物の含水率が前記予め定めた値から外れたとき、当該チャンネルの出口圧力調整手段を作動してその出口圧力を緩和又は高める工程、を有し、
前記出口圧力を緩和又は高める工程を所定時間毎に繰り返し実行することを特徴とする複数のチャンネルを備えた連装式回転加圧脱水装置の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−247700(P2006−247700A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−67703(P2005−67703)
【出願日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】