説明

進捗情報表示制御システム

【課題】 複数の進捗情報を循環的に切替表示する際、一定の時間間隔で切り替えることが可能な進捗情報表示制御システムを提供する。
【解決手段】 工程管理端末30a〜30dは、定期的に各工程の進捗情報を進捗情報管理サーバ10に送信し、進捗情報管理サーバ10は、受信した進捗情報を進捗情報データベース11に登録する。また、進捗情報管理サーバ10は、表示端末20から進捗情報の要求を受信すると、進捗情報送信手段14が、進捗情報データベース11から進捗情報を抽出し、進捗情報を送信する。進捗情報表示装置20では、進捗情報を受信すると、応答時間記憶部21から応答時間を取得し、設定表示間隔から減じて待機時間を算出し、待機時間の経過後、表示処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の情報を順次切り替えて表示する技術に関し、特に、個々の表示内容による処理負荷に影響されず、一定時間毎に表示を切り替える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の情報を一定時間間隔で循環的に切替表示することが行われている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の手法は、表示対象となる情報のデータ形式が同一であり、また、データ量が均一である場合に、特に有効である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−222363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の手法では、データ形式が異なっている場合や、データ量が均一でない場合には、処理負荷が異なり、一定時間間隔で切替表示することができないという問題がある。特に、業務における各工程の進捗管理をWEBページとしてスライドショー的(循環的)に切替表示する場合、工程によりデータベースにアクセスして大量のデータを参照するページや、少量のデータのみしか参照しないページ、さらには表形式のファイルをHTMLファイルに変換しただけのページ等があり、完全に表示されるまでのレスポンス(応答)差がそれぞれ大きく異なっていた。そのため、一定時間毎にページを切り替える処理を、コンピュータ等の処理装置で内部的に行っても、実際に画面に表示される時間に大きなばらつきがあった。
【0005】
例えば、図3に示すように、A、B、C、Dの4工程からなる業務の進捗情報を循環的表示させる場合を考えてみる。この場合、処理装置側では、一定の時間で切り替える処理を行ったとしても、実際には、A工程からB工程に切り替わるのに25秒、B工程からC工程に切り替わるのに15秒、C工程からD工程に切り替わるのに30秒、D工程からA工程に切り替わるのに10秒をそれぞれ要し、切替時間が一定とならない。図3の例では、処理装置においては、A工程の進捗情報が表示されてから、20秒後にB工程の進捗情報を表示する処理を行ったとしても、B工程の進捗情報は、表示されるまで5秒を要するようなデータ量、構造を有しているため、切り替えに25秒を要する。このため、B工程の進捗情報が表示される時間は削られて15秒間となっている。
【0006】
これに対して、ページ毎に表示時間を調整できるようにし、内部的にページを切り替える時間をそれぞれ異ならせ、実際に画面に表示される時間をほぼ一定とする手法も考えられる。しかし、この手法でも、データベースの処理量が異なるため、常に表示時間を一定とすることは難しい。例えば、業務開始時(朝9時頃)と業務終了前(18時頃)では、データベースの処理量が異なり、朝から夕方になるにつれてレスポンス(応答)が遅くなり、画面に表示される時間が徐々にばらつくことがある。
【0007】
例えば、図4に示すように、A、B、C、Dの4工程からなる業務の進捗情報を業務開始時(朝9時頃)と業務終了前(18時頃)に循環的表示させる場合を考えてみる。この場合、処理装置側では、ページを切り替える時間をそれぞれ異ならせ、業務開始時に画面に表示される時間をほぼ一定とする処理を行う。この結果、図4(a)に示すように、業務開始時には、20秒の一定間隔で切替表示されるようになるが、図4(b)に示すように、業務終了前には、2切替時間が一定とならない。
【0008】
そこで、本発明は、複数の進捗情報を循環的に切替表示する際、一定の時間間隔で切り替えることが可能な進捗情報表示制御システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明第1の態様では、工程管理端末と、進捗情報管理サーバと、進捗情報表示装置が通信ネットワークを介して接続されたシステムであって、前記工程管理端末は、作業機器から取得した進捗情報を前記進捗情報管理サーバに送信するものであり、前記進捗情報管理サーバは、前記工程管理端末から受信した進捗情報を進捗情報データベースに登録する進捗情報取得手段と、前記進捗情報表示装置からの要求に応じて、前記進捗情報データベースから進捗情報を抽出し、要求元の進捗情報表示装置に進捗情報を送信する進捗情報表示と、を有し、前記進捗情報表示装置は、各工程ごとに進捗情報の応答時間を記憶する応答時間記憶部と、進捗情報の要求を前記進捗情報管理サーバに対して行い、前記進捗情報管理サーバから受信した進捗情報に対応する応答時間およびその直前の工程についての応答時間を前記応答時間記憶部より抽出し、設定された表示間隔に直前の工程IDの応答時間を加算するとともに、次の工程IDの応答時間を減じた待機時間を算出し、当該待機時間の経過後、表示処理を行う表示制御手段を有する進捗情報表示制御システムを提供する。
【0010】
本発明第1の態様によれば、進捗情報管理サーバが、工程管理端末から受信した進捗情報を進捗情報データベースに登録する一方、進捗情報表示装置からの要求に応じて、進捗情報データベースから進捗情報を抽出して送信し、進捗情報表示装置は、各工程ごとに進捗情報の応答時間を記憶しており、進捗情報管理サーバから受信した進捗情報に対応する応答時間および直前の工程の応答時間を取得し、設定された表示間隔に直前の工程IDの応答時間を加算するとともに、次の工程IDの応答時間を減じた待機時間を算出し、待機時間の経過後、表示処理を行うようにしたので、複数の進捗情報を循環的に切替表示する際、一定の時間間隔で切り替えることが可能となる。
【0011】
また、本発明第2の態様では、本発明第1の態様の進捗情報表示制御システムにおいて、前記表示制御手段は、さらに前記進捗情報の要求時の時刻と、前記進捗情報の受信時の時刻を保持し、両時刻の差分を応答時間として算出し、前記応答時間記憶部に登録する処理を行うことを特徴とする。
【0012】
本発明第2の態様によれば、進捗情報の要求時の時刻と、進捗情報の受信時の時刻の差分を応答時間として算出するようにしたので、応答時間が常に最新の状況に応じて変更されるため、状況が変化しても、常に一定の時間間隔で切り替え表示を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の進捗情報を循環的に切替表示する際、一定の時間間隔で切り替えることが可能となるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る進捗情報表示制御システムの一実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明に係る進捗情報表示制御システムによる表示遷移の様子を示す図である。
【図3】遅延処理を行わない従来技術による表示遷移の様子を示す図である。
【図4】ある一時点においてのみ遅延処理を行う従来技術による表示遷移の様子を示す図である。
【図5】進捗情報表示装置20による表示制御処理を示すフローチャートである。
【図6】表示制御手段22による表示制御処理と、実際の画面表示との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(1.システム構成)
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る進捗情報表示制御システムの一実施形態を示す構成図である。図1に示す進捗情報表示制御システム100は、進捗情報管理サーバ10、進捗情報表示装置20、工程管理端末30が通信ネットワーク40により接続されて構成されている。
【0016】
進捗情報管理サーバ10は、工程管理端末30から工程の進捗情報を受信して、蓄積するとともに、進捗情報表示装置20の要求に応じて、蓄積された進捗情報を進捗情報表示装置20に送信するサーバコンピュータであり、進捗情報データベース11、進捗情報取得手段13、進捗情報送信手段14を有する。
【0017】
進捗情報データベース11は、工程管理端末30から通信ネットワーク40を介して受信した進捗情報を蓄積するものである。進捗情報データベース11は、ハードディスク等の記憶装置により実現される。
【0018】
進捗情報取得手段13は、工程管理端末30から通信ネットワーク40を介して進捗情報を受信し、受信した進捗情報を進捗情報データベース11に登録するものである。進捗情報送信手段14は、進捗情報表示装置20から表示要求があった場合に、進捗情報を進捗情報表示装置20に送信する処理を行う。進捗情報管理サーバ10は、CPU、メモリ、記憶装置等を有する汎用のサーバコンピュータに専用のプログラムを組み込むことにより実現され、進捗情報取得手段13、進捗情報送信14は、記憶装置に格納されたプログラムをCPUが読み込んで実行することにより実現される。
【0019】
進捗情報表示装置20は、利用者が、進捗情報を表示するための端末装置であり、進捗情報管理サーバ10に対して進捗情報の要求を行い、受信した進捗情報についてタイミング制御を行って表示を行う。進捗情報表示装置20は、応答時間記憶部21、表示制御手段22を有する。応答時間記憶部21は、過去の表示処理時に要した時間を各工程ごとに記録したものである。応答時間記憶部12は、ハードディスク等の記憶装置により実現される。表示制御手段22は、進捗情報管理サーバ10に進捗情報の要求を行うとともに、進捗情報管理サーバ10から進捗情報を受信した場合に、応答時間記憶部21を参照して過去の応答時間を取得し、その応答時間に基づいて算出した待機時間を用いて表示する制御を行う。
【0020】
進捗情報表示装置20は、CPU、メモリ、記憶装置等を有するとともに、表示手段、内部時計を備え、ネットワーク接続機能を有する汎用のコンピュータに専用のプログラムを組み込むことにより実現され、表示制御手段22は、記憶装置に格納されたプログラムをCPUが読み込んで実行することにより実現される。表示制御手段22を実現するプログラムには、要求する進捗情報の工程IDおよびその順序が記述されており、CPUがこのプログラムを実行することにより、定められた順序で工程IDを指定した進捗情報の要求を行う。工程管理端末30は、所定の作業工程を実行する作業機器に接続され、作業機器から進捗情報を取得する端末装置であり、ネットワーク通信機能を有する汎用のコンピュータにより実現される。図1の例では、工程管理端末30として、30a〜30dの4つが示されているが、実際には、必要な工程の数だけ設置される。通信ネットワーク40は、進捗情報管理サーバ10、進捗情報表示装置20、工程管理端末30間においてデータの送受信を実現するコンピュータネットワークである。
【0021】
(2.処理動作・進捗情報蓄積処理)
次に、本実施形態に係る進捗情報表示制御システムの処理動作について説明する。工程管理端末30は、各工程に作業機器が起動すると、その駆動を監視し、その作業機器による進捗情報を取得する。そして、工程管理端末30は、取得した進捗情報を、工程を特定する識別情報である工程IDとともに、定期的に進捗情報管理サーバ10に送信する。
【0022】
進捗情報管理サーバ10では、工程管理端末30から工程IDと進捗情報を受信すると、進捗情報取得手段13が、工程IDと進捗情報を対応付けて進捗情報データベース11に登録する。進捗情報データベース11にその工程IDについての進捗情報が記録されている場合は、新たに受信した進捗情報で、既に記録されている進捗情報に上書きすることにより、進捗情報を更新する。
【0023】
工程IDは、各工程管理端末により異なっている。各工程管理端末30は、それぞれ定期的に進捗情報を進捗情報管理サーバ10に送信する。これにより、進捗情報管理サーバ10の進捗情報データベース11には、各工程管理端末30に対応した工程IDごとに進捗情報が蓄積、更新されていくことになる。なお、実際には、複数の工程を1つの工程管理端末により管理することが可能であるが、この場合は、1つの工程管理端末が、複数の工程IDの進捗情報を定期的に進捗情報管理サーバ10に送信する。
【0024】
上記のような、各工程管理端末30の進捗情報の送信、進捗情報管理サーバ10における進捗情報の蓄積・更新処理は、進捗情報表示装置20からの要求に基づく進捗情報の送信処理とは無関係に随時行われる。
【0025】
(3.処理動作・表示制御処理)
次に、表示制御処理について説明する。図5は、進捗情報表示装置20による表示制御処理を示すフローチャートである。進捗情報表示装置20においては、複数の進捗情報を切替表示する場合における、表示間隔を設定しておくことができる。設定された表示間隔は、進捗情報表示装置20が管理する記憶装置内の表示制御手段22が参照可能な領域に記憶されている。本実施形態では、表示間隔20秒で設定されている場合について説明する。
【0026】
利用者は、進捗情報表示装置20から進捗情報管理サーバ10に対して進捗情報の表示要求を行うことができる。進捗情報表示装置20から進捗情報管理サーバ10への表示要求は、様々な形態で行うことができるが、本実施形態では、進捗情報表示装置20においてWEBブラウザを起動し、進捗情報管理サーバ10にアクセスすることにより実現される。
【0027】
進捗情報表示装置20に対して、利用者が進捗情報の表示要求指示を行うと、進捗情報表示装置20では、表示制御手段22が、事前に設定された工程IDおよびその順番に従って、進捗情報の要求を進捗情報管理サーバ10に送信する(S1)。ただし、進捗情報の要求は1つの工程ごとに行われる。したがって、表示制御手段22は1つの工程IDとともにその進捗情報の要求を進捗情報管理サーバ10に送信することになる。表示制御手段22では、この進捗情報要求の送信時の時刻を内部時計から取得し、進捗情報要求時刻としてメモリに一時的に保持しておく(S2)。
【0028】
進捗情報管理サーバ10では、進捗情報表示装置20から進捗情報の要求を受信すると、進捗情報送信手段14が、進捗情報データベース11に保存されている進捗情報のうち、進捗情報表示装置20からの要求のあった工程IDのものを進捗情報データベース11から抽出し、工程IDとともに進捗情報表示装置20に送信する。なお、進捗情報の形式に特に限定はないが、本実施形態では、HTML形式としている。
【0029】
進捗情報表示装置20は、進捗情報管理サーバ10から工程IDとともに進捗情報を受信する(S3)。表示制御手段22では、この進捗情報要求の受信時の時刻を内部時計から取得し、進捗情報受信時刻としてメモリに一時的に保持しておく。そして、受信した進捗情報に対応する応答時間が登録されているかどうかを判断する(S4)。具体的には、進捗情報とともに受信した工程IDに対応する応答時間が応答時間記憶部21に登録されているかどうかにより行われる。応答時間が登録されていない場合には、進捗情報表示装置20では、進捗情報管理サーバ10から進捗情報を受信すると、表示制御手段22が、そのまま受信した進捗情報を画面に表示する(S7)。本実施形態では、HTMLデータとして受け取った進捗情報をWEBブラウザが展開して画面表示することになる。
【0030】
続いて、表示制御手段22は、一時的に保持してある進捗情報要求時刻と進捗情報受信時刻の差である差分時間を応答時間として算出し、工程IDと対応付けて応答時間記憶部21に登録する(S8)。応答時間記憶部21にその工程IDについての応答時間が記録されている場合は、新たに算出した応答時間で、既に記録されている応答時間に上書きすることにより、応答時間を更新する。
【0031】
応答時間の登録が終わったら、表示制御手段22は、次の工程についての進捗情報の要求を進捗情報管理サーバ10に送信する(S1)。最初の工程IDの場合と同様、表示制御手段22では、この進捗情報要求の送信時の時刻を内部時計から取得し、進捗情報要求時刻としてメモリに一時的に保持しておく(S2)。進捗情報管理サーバ10では、進捗情報表示装置20から進捗情報の要求を受信すると、進捗情報送信手段14が、進捗情報データベース11に保存されている進捗情報のうち、進捗情報表示装置20からの要求のあった工程IDのものを進捗情報データベース11から抽出し、工程IDとともに進捗情報表示装置20に送信する。
【0032】
進捗情報表示装置20では、進捗情報管理サーバ10から進捗情報を受信する(S3)と、受信した進捗情報に対応する応答時間が登録されているかどうかを判断する(S4)。進捗情報に対応する応答時間が登録されている場合、表示制御手段22は、待機時間の算出を行う(S5)。具体的には、表示制御手段22が、受信した進捗情報の工程IDで応答時間記憶部21を参照し、その工程IDに対応する応答時間を取得する。そして、直前に取得した工程ID(現在表示中の工程ID)についての応答時間を応答時間記憶部21から取得し、設定された表示間隔(20秒)に直前の工程IDの応答時間を加算するとともに、次の工程IDの応答時間を減じて待機時間を算出する。そして、表示制御手段22は算出した待機時間だけ処理を待つ(S6)。そして、待機時間の経過後、進捗情報を画面に表示する(S7)。
【0033】
続いて、表示制御手段22は、一時的に保持してある進捗情報要求時刻と進捗情報受信時刻の差である差分時間を応答時間として算出し、工程IDと対応付けて応答時間記憶部21に登録する(S8)。応答時間記憶部21にその工程IDについての応答時間が記録されている場合は、新たに算出した応答時間で、既に記録されている応答時間に上書きすることにより、応答時間を更新する。
【0034】
このような処理を事前に設定されている工程IDの進捗情報全てに対して実行することにより、設定された全ての工程についての進捗情報が表示端末20において表示されることになる。
【0035】
図6は、表示制御手段22による表示制御処理と、実際の画面表示との関係を示す図である。図6(a)は、従来の表示制御による場合、図6(b)は、本発明の表示制御による場合である。図6(a)(b)ともに工程A、工程B、工程C、工程Dの4つの工程を循環表示し、各工程の応答時間がそれぞれ5秒、5秒、0秒、10秒である場合を示している。
【0036】
図6(a)に示すように、従来の場合は、全ての工程について20秒間隔で表示制御を行ったとしても、応答時間の分だけ遅れるため、実際の画面表示は、工程Aが20秒、工程Bが15秒、工程Cが30秒、工程Dが15秒となる。この表示時間が延々と繰り返されることになる。
【0037】
本発明の場合は、上述のように、設定された表示間隔(20秒)に直前の工程IDの応答時間を加算するとともに、次の工程IDの応答時間を減じて待機時間を算出する。そのため、表示制御の開始時から各工程1周りするまでは、従来と同様の表示時間となるが、2周り目以降は、算出された待機時間に従って表示が行われる。本発明の場合は、図6(b)に示すように、2周り目になると、工程Bの待機時間=設定表示時間(20秒)+工程Aの応答時間(5秒)−工程Bの応答時間(5秒)=20秒となり、表示制御手段22は、工程Aの表示から20秒後に工程Bの表示処理を行う。
【0038】
同様に、工程Cの待機時間=設定表示時間(20秒)+工程Bの応答時間(5秒)−工程Cの応答時間(0秒)=25秒となり、表示制御手段22は、工程Bの表示から25秒後に工程Cの表示処理を行う。同様に、工程Dの待機時間=設定表示時間(20秒)+工程Cの応答時間(0秒)−工程Dの応答時間(10秒)=10秒となり、表示制御手段22は、工程Cの表示から10秒後に工程Dの表示処理を行う。同様に、工程Aの待機時間=設定表示時間(20秒)+工程Dの応答時間(10秒)−工程Aの応答時間(5秒)=25秒となり、表示制御手段22は、工程Dの表示から25秒後に工程Aの表示処理を行う。このような処理を繰り返し行うことにより、各工程の実際の画面表示の時間は、設定された表示時間(20秒)となる。
【0039】
表示制御手段22が、各工程の応答時間を算出して応答時間記憶部21に登録しておき、設定された表示間隔に直前の工程IDの応答時間を加算するとともに、次の工程IDの応答時間を減じた待機時間だけ遅らせて進捗情報を表示させるようにしたので、進捗情報表示装置20においては、複数の進捗情報を循環的に切替表示する際、常に一定の時間間隔(本実施形態では20秒)で切り替えることが可能となる。この結果、進捗情報表示制御システム100によれば、図2に示すように、業務開始時においても、業務終了時においても、常に一定の時間間隔(20秒)で表示が切り替わることになる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、所定の情報を順次切り替えて表示する技術に関し、特に、個々の表示内容による処理負荷に影響されず、一定時間毎に表示を切り替える技術であるため、業務の進捗管理を行う産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0041】
10・・・進捗情報管理サーバ
11・・・進捗情報データベース
13・・・進捗情報取得手段
14・・・進捗情報送信手段
20・・・進捗情報表示装置
21・・・応答時間記憶部
22・・・表示制御手段
30・・・工程管理端末
40・・・通信ネットワーク
100・・・進捗情報表示制御システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工程管理端末と、進捗情報管理サーバと、進捗情報表示装置が通信ネットワークを介して接続されたシステムであって、
前記工程管理端末は、作業機器から取得した進捗情報を前記進捗情報管理サーバに送信するものであり、
前記進捗情報管理サーバは、
前記工程管理端末から受信した進捗情報を進捗情報データベースに登録する進捗情報取得手段と、
前記進捗情報表示装置からの要求に応じて、前記進捗情報データベースから進捗情報を抽出し、要求元の進捗情報表示装置に進捗情報を送信する進捗情報表示と、を有し、
前記進捗情報表示装置は、各工程ごとに進捗情報の応答時間を記憶する応答時間記憶部と、
進捗情報の要求を前記進捗情報管理サーバに対して行い、前記進捗情報管理サーバから受信した進捗情報に対応する応答時間およびその直前の工程についての応答時間を前記応答時間記憶部より抽出し、設定された表示間隔に直前の工程IDの応答時間を加算するとともに、次の工程IDの応答時間を減じた待機時間を算出し、当該待機時間の経過後、表示処理を行う表示制御手段を有することを特徴とする進捗情報表示制御システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、さらに前記進捗情報の要求時の時刻と、前記進捗情報の受信時の時刻を保持し、両時刻の差分を応答時間として算出し、前記応答時間記憶部に登録する処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の進捗情報表示制御システム。
【請求項3】
進捗情報管理サーバと接続され、所定の順序で進捗情報管理サーバに対して進捗情報を要求するとともに、受信した進捗情報を一定の間隔になるように表示制御する装置であって、
各工程ごとに進捗情報の応答時間を記憶する応答時間記憶部と、
進捗情報の要求を前記進捗情報管理サーバに対して行い、前記進捗情報管理サーバから受信した進捗情報に対応する応答時間およびその直前の工程についての応答時間を前記応答時間記憶部より抽出し、設定された表示間隔に直前の工程IDの応答時間を加算するとともに、次の工程IDの応答時間を減じた待機時間を算出し、当該待機時間の経過後、表示処理を行う表示制御手段と、
を有することを特徴とする進捗情報表示装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、さらに前記進捗情報の要求時の時刻と、前記進捗情報の受信時の時刻を保持し、両時刻の差分を応答時間として算出し、前記応答時間記憶部に登録する処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の進捗情報表示装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の進捗情報表示装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−53805(P2012−53805A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197364(P2010−197364)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】