説明

遊戯カードセット

【課題】カードゲームの進行に新たな興趣を与えること。
【解決手段】表面に付された数字が異なる複数枚のカードを含む組を模様又は色の少なくとも一方を違えて複数組備えた遊戯カードセットにおいて、各組の少なくとも一部のカードには該カードの2辺を指し示すマークが表示されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプレーヤが遊戯カードを順次載置することによって進行していくカードゲームに用いる遊戯カードセットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トランプや花札、カルタ等、種々のカードゲームが知られている。また、ゲームに用いるカードに対して、例えば様々な図柄を印刷する等して商品価値を高めたものが知られている。例えば、特許文献1には、絵葉書やガイドマップとして利用することができるトランプカードが開示されている。
【特許文献1】実公平7−56056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した特許文献1等のように、カードに改良を加えてカードにゲームとは異なる機能を持たせたものは知られていたが、ゲーム自体は、予め定められたルールに従ってプレーヤがカードを載置する等して進行していく単調なものであった。そこで本発明は、カードゲームの進行に新たな興趣を与えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載の発明は、表面に付された数字が異なる複数枚のカードを含む組を模様又は色の少なくとも一方を違えて複数組備えた遊戯カードセットにおいて、各組の少なくとも一部のカードには該カードの2辺を指し示すマークが表示されていることを特徴とする遊戯カードセットである。本発明の一例を挙げれば、1から13までの数字が付されたカードの組を青、赤、黄の3組備えたり、1から13までの数字が付されたカードの組をハート、クラブ、ダイヤ、スペートと模様を変えて4組備え、各組の少なくとも一部のカードには例えば2辺を示す矢印が表示されている。
【0005】
請求項2記載の発明は、一部のカードには該カードの1辺を指し示すマークが表示されていることを特徴とする請求項1に記載の遊戯カードセットである。
【0006】
請求項3記載の発明は、前記マークは矢印であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊戯カードセットである。
【0007】
請求項4記載の発明は、一部のカードには架空のイベント内容が表示されていることを特徴とする請求項1から3いずれか一に記載の遊戯カードセットである。
【0008】
請求項5記載の発明は、一部のカードには架空のイベント内容が表示されると共に該イベント内容の実行による支出金額又は収入金額が表示されていることを特徴とする請求項1から3いずれか一に記載の遊戯カードセットである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1から5に記載の遊戯カードセットは、例えば、複数のプレーヤが同じ模様若しくは模様又は数字のカードを順次載置することによって進行していくカードゲームに用いることができる。そして、カードの表面に表示されたマークを次順の遊戯カードを載置可能な場所を指し示すマークとして利用すれば、カードの並べる方向を分岐させることができる。その結果、カードゲームの進行を変化させることができ、単にルールに従って進行していく従来のカードゲームとは異なる新たな興趣を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。本実施形態は、本発明の遊戯カードセットを「人生ゲーム」を模したゲーム(以下、単に「ゲーム」という。)に適用した場合の実施形態であり、ゲームの進行指示を携帯電話機が行うものである。
【0011】
[ゲームの概要]
図1は、本実施形態に係るゲームの概要を説明するための説明図である。本ゲームは、2人以上で行うゲームであり、図1では4人で行う場合を示している。ゲームの開始に際しては、事前に遊戯カードを購入するとともに、携帯する携帯電話機1からゲームサーバにアクセスしてゲームアプリをダウンロードしておく。このゲームアプリは、例えば、携帯電話機1のカメラ機能を用い、購入した遊戯カードのパッケージ等に印刷されたQRコードを撮影することでダウンロードできる。そして、このようにして携帯電話機1にダウンロードしたゲームアプリを起動し、ゲームを開始する。
【0012】
ゲームアプリを起動すると、携帯電話機1は、先ず各々を識別するためのキャラクタの選択を指示するので、各プレーヤGP1〜GP4は、それぞれ携帯電話機1を操作し、キャラクタを選択してプレーヤ登録を行う。図1の例では、キャラクタ「サラリーマン」「外資系」「銀行マン」「セレブ」がそれぞれ割り当てられたプレーヤGP1〜GP4が登録されている。各プレーヤGP1〜GP4がキャラクタを選択してプレーヤ登録を行う、携帯電話機1は、ゲームのプレイ順を指示する。例えば、携帯電話機1は、ゲームを最初にプレイするプレーヤのキャラクタを指示するので、各プレーヤGP1〜GP4は、指示されたキャラクタのプレーヤを初順として時計回りの順番にプレイする。
【0013】
また、携帯電話機1のゲームアプリを起動してキャラクタの登録等する一方で、各プレーヤGP1〜GP4に遊戯カードを配り、それぞれ手持ちの遊戯カードを手札11とする。例えば、ゲーム開始時に各プレーヤGP1〜GP4にそれぞれ7枚の遊戯カードを配る。残りの遊戯カードは山札13とする。ここで、遊戯カードは、例えば略正方形状を有し、通常カードと、特別カードとを含む。図2(a)〜(c)は、本実施形態のゲームで使用される遊戯カードの一例を示す図であり、図2(a)及び(b)は、通常カードの一例を示し、(c)は、特別カードの一例を示している。
【0014】
通常カードは、例えば「青」「黄」「赤」の3色用意され、各色16枚ずつ用意される。また、各色の通常カードには、例えば4種類の通常カードが含まれる。そして、図2(a)又は(b)に示すように、通常カードの表面には、種類毎にそれぞれ異なる例えば「1」「2」「5」「6」の何れかのポイントNが付されている。なお、種類や色毎にこれらを識別するための図柄としては、数字に限定されるものではなく、アルファベット等の文字であってもよいし、或いはキャラクタ等の図柄を付すこととしてもよい。また、通常カードには、図2(a)に示すように、何れか1辺にベクターキーVKが付されたものと、図2(b)に示すように、2つの辺にベクターキーVKが付されたものとが含まれる。さらに、各通常カードには、収入財産又は支出財産の金額が記載されている。例えば、図2(a)に示す通常カードは、収入財産の金額ICが記載された通常カード(以下、適宜「収入財産カード」と称す。)である。一方、(b)に示す通常カードは、支出財産の金額OGが記載された通常カード(以下、適宜「支出財産カード」と称す。)である。
【0015】
一方、特別カードは、カードイベントを発生させるものであって、その図柄に応じたカードイベントが割り当てられている。このカードイベントは、後述する場15にこの特別カードが載置された場合に発生するイベントである。例えば、図2(c)に示す特別カードは、他プレーヤが所持する収入財産を自プレーヤの財産とする、又は自プレーヤが所持する支出財産を他プレーヤの財産とすることができる御祝儀カードである。この他、次順のプレーヤのゲームプレイが1回休みとなる追突カード、山札13から1枚引いて自プレーヤの財産に追加することができる臨時収入カード、ゲームプレイ順が逆回りになる逆転カード、各プレーヤがそれぞれ次順のプレーヤに手札11から1枚を「ババ抜き」の要領で内容を見せずに引いてもらう厄払いカード等が含まれる。この特別カードは、通常カードと同様に「青」「黄」「赤」の3色用意される。そして、図2(c)に示すように、その表面にはポイントNが付され、何れか1辺にベクターキーVKが付されている。
【0016】
図1に戻る。手札11を配ったならば、各プレーヤGP1〜GP4は、初順のプレーヤから順番に手札11を場15に載置していく。このとき、直前に載置された遊戯カード(台札)に付されたベクターキーの位置やポイントに応じて、載置可能な遊戯カードが限定される。
【0017】
図3は、遊戯カードの載置ルールについて説明するための説明図である。図3(a)に示すように、プレーヤは、直前の台札C111のベクターキーに繋げることができる遊戯カードC113を手札11から選んで載置する。このため、図3(b)に示すように、ベクターキー同士が向き合うように遊戯カードを載置することはできない。ただし、図3(c)に例示した通常カードC121のように、2つの辺にベクターキーが付された通常カードを載置する場合はこの限りではない。遊戯カードには、少なくとも1つのベクターキーが付されているので、図3(a)に示すように、載置した遊戯カードC113に付されたベクターキーVKが指し示す方向(付された辺)によって、次順の台札を載置する場所(次順の台札を接続する辺)P111が定まる。また、図3(c)に示すように、2つの辺にベクターキーVK−1,VK−2が付された通常カードC121を載置した場合には、遊戯カードの載置ルートが2つに分岐する。次順の台札は、ベクターキーVK−1が指し示す場所P121及びベクターキーVK−2が指し示す場所P123に載置できる。言い換えれば、次順の台札は、通常カードC121のベクターキーVK−1,VK−2が付された何れかの辺に接続可能である。このように、2以上のベクターキーVK−1,VK−2が付された遊戯カードを台札として場に載置すると、次順の台札を載置する場所が選択肢として与えられ、遊戯カードの載置ルートが分岐する。したがって、このベクターキーによってゲームの進行を変化させることができ、単にルールに従って進行していく従来のゲームとは異なる新たな興趣を与えることができる。
【0018】
さらに、載置できるカードは、例えば図3(a)に示すように、直前の台札C111のポイント「2」と同じポイントが付された遊戯カードまたはこの台札C111と同色の遊戯カードに限られる。また、載置した遊戯カードが特別カードの場合には、その特別カードに割り当てられたカードイベントを発生させる。例えば、図3(a)に示すように追突カードを載置した場合には、次順のプレーヤのゲームプレイが1回休みとなる。
【0019】
図1に戻る。各プレーヤGP1〜GP4は、以上のようなルールに従って順番に手札11を場に載置していくが、載置可能な遊戯カードが手札11に無い場合には、山札13から遊戯カードを1枚引く。引いた遊戯カードが載置可能な遊戯カードであれば、場15に載置できる。手札11から場15に遊戯カードが載置された、または山札13から遊戯カードが1枚引かれたならば、次順のプレーヤにターンが移る。
【0020】
ここで、他プレーヤがゲームプレイを行い、収入財産カードを場15に載置した場合には、手札11に同一種類の収入財産カードを所持するプレーヤは、この収入財産カードを自プレーヤの財産17に加えることができる。なお、手札11を自プレーヤの財産17に加えた場合には、同数の遊戯カードを山札13から引き、手札11に加える。一方、他プレーヤがゲームプレイを行い、支出財産カードを場15に載置した場合には、手札11に同一種類の支出財産カードを所持するプレーヤは、この支出財産カードを、当該ゲームプレイを行った他プレーヤの財産17に加えることができる。手札11を他プレーヤの財産17に加えた場合にも、同数の遊戯カードを山札13から引き、手札11に加える。最終的に獲得した資産額に応じて勝敗が決定されるので、財産17に支出財産が含まれるのは好ましくない。プレーヤは、戦略に応じて手札11に含まれる収入財産カードを自プレーヤの財産17に加え、支出財産カードを他プレーヤの財産17に加えていく。
【0021】
以上のようにしてターンを繰り返し、財産17の総額が所定額以上の状態で手札11が無くなったプレーヤが勝者となる。財産17の総額は、収入財産カードに記載された金額をプラスとし、支出財産カードに記載された金額をマイナスとして算出される。
【0022】
また、ゲーム中の所定のタイミングで、携帯電話機1がゲームの進行指示を出力する。例えば、ゲーム開始から所定時間が経過すると、ルーレットモードに突入し、携帯電話機1は、ルーレット画面を表示出力するとともに、ルーレットモード突入を報知するルーレット音を音出力する。図4は、ルーレット画面の一例を示す図である。携帯電話機1は、合図とともにルーレット画面上のルーレットR10の回転を開始させる。この場合には、ルーレットモード突入時にゲームプレイをしていたプレーヤがボタン操作によってルーレットR10を停止させる。携帯電話機1は、ルーレットR10の停止位置に応じたイベント(以下、「ルーレットイベント」と称す。)の発生を指示する。このルーレットイベントは、携帯電話機1が発生させるイベントである。発生させるルーレットイベントとしては、例えば、「スペシャルイベント」「臨時収入」「ランダムメンバーチェンジ」「追突」「逆転」「厄払い」等が用意される。なお、発生させるルーレットイベントはこれらに限定されない。
【0023】
スペシャルイベントは、プレーヤにミニゲームを実行させるルーレットイベントである。ミニゲームとしては、遊戯カードを用いたミニゲームや、携帯電話機1で実行されるミニゲーム等、複数種類のミニゲームが用意される。ミニゲームによっては、ルーレットを停止させたプレーヤのみが参加できるミニゲームもあれば、全プレーヤが参加して行うミニゲームもあり、プレーヤは、携帯電話機1によって指示されたミニゲームを実行する。図5は、携帯電話機1で実行されるミニゲーム画面W20の一例を示す図である。このミニゲームでは、携帯電話機1には、時間とともに大きく膨らむ風船B20が表示される。各プレーヤは、順番にボタン操作を行い、ボタン操作によって風船B20が割れた時点でミニゲーム終了となる。そして、このボタン操作を行ったプレーヤが敗者となり、ペナルティとして山札13から例えば3枚の遊戯カードを引く。
【0024】
臨時収入イベントは、ルーレットを停止させたプレーヤに臨時収入を獲得するチャンスを与えるルーレットイベントであり、このプレーヤは、山札13から遊戯カードを1枚引く。引いた遊戯カードが収入財産カード又は支出財産カードの場合には自プレーヤの財産17に追加することができるが、収入財産カード又は支出財産カード以外であれば手札11となる。
【0025】
ランダムメンバーチェンジイベントは、ゲームをプレイするプレーヤが変更されるルーレットイベントであり、携帯電話機1は、登録されたキャラクタの中から一のキャラクタをランダムに選出する。そして、携帯電話機1は、選出したキャラクタのプレーヤからゲームプレイを再開するよう指示する。したがって、ルーレットを停止させたプレーヤは、選出されなければゲームプレイができず、ターンが移る。
【0026】
追突イベントは、次順のプレーヤを1回休みとするルーレットイベントである。
【0027】
逆転イベントは、ゲームプレイ順が逆回りになるルーレットイベントであり、ゲームをプレイするプレーヤが前回ゲームをプレイしたプレーヤに変更される。この場合には、当該ルーレットを停止させたプレーヤはゲームプレイができず、ターンが移る。
【0028】
厄払いイベントは、各プレーヤがそれぞれ次順のプレーヤに手札11から1枚を「ババ抜き」の要領で内容を見せずに引いてもらうルーレットイベントである。
【0029】
[機能構成]
図6は、携帯電話機1の機能構成の一例を示すブロック図である。図6に示すように、携帯電話機1は、カメラ110と、送受話部120と、入力部130と、制御部140と、表示部150と、音出力部160と、無線通信部170と、記憶部180とを備えて構成されている。
【0030】
カメラ110は、撮影レンズ、及び撮影レンズを通して入射した光をデジタル信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)といった撮像素子等で構成され、撮影指示のタイミングで撮影した撮影画像の画像データを生成する。
【0031】
送受話部120は、送話音声を入力するとともに、受話音声等を音出力するためのものであり、マイクやスピーカ等で構成される。
【0032】
入力部130は、ゲーム装置10を操作するプレーヤが各種のゲーム操作を入力するための装置であり、例えばボタンスイッチ、レバー、ダイヤル、キーボード、マウス、各種センサ等によって実現される。
【0033】
制御部140は、CPU等で構成され、カメラ110から入力される画像データや入力部130から入力される操作信号、無線通信部170を介して受信したゲームサーバ3からのデータ、記憶部180に記憶されるプログラムやデータ等に基づいて、携帯電話機1内の各機能部への指示やデータの転送等の処理を行い、携帯電話機1を統括的に制御する。この制御部140は、アプリダウンロード部141と、ゲーム進行指示部143とを含む。
【0034】
アプリダウンロード部141は、ゲームサーバ3からゲームアプリをダウンロードするアプリダウンロード処理を行う。すなわち、アプリダウンロード部141は、カメラ110を制御してQRコードを撮影し、撮影したQRコードを解析してゲームサーバ3のURLを取得する。そして、アプリダウンロード部141は、無線通信部170を介してゲームサーバ3に接続してゲームアプリをダウンロードし、ゲームアプリプログラム181として記憶部180に格納する。
【0035】
ゲーム進行指示部143は、アプリダウンロード部141によってダウンロードされて記憶部180に格納されたゲームアプリプログラム181を読み出して実行し、ゲームの進行を指示するゲーム画面やゲーム音を生成する。そして、ゲーム進行指示部143は、生成したゲーム画面を表示部150に表示出力させるとともに、ゲーム音の音信号を音出力部160から音出力させて、各種のゲームの進行指示を出力制御する。
【0036】
表示部150は、制御部140から入力される表示信号に基づくゲーム画面を表示するための装置であり、例えばLCDやELD等の表示装置により実現される。また、音出力部160は、制御部140から入力される音信号に基づいて、着信音の他、効果音やBGM等のゲーム音等を音出力するための装置であり、例えばスピーカ等で実現される。ゲームに参加する各プレーヤは、音出力部160から音出力されるゲーム音を聞き、表示部150に表示されるゲーム画面を見ながら入力部130を操作して、その進行指示に従ってゲームを進めていく。
【0037】
無線通信部170は、所定の無線通信回線を介して外部のサーバ装置との間でデータの送受信を行うための装置であり、例えば、携帯電話の通信サービス事業者が設置した無線基地局との間で無線信号の送受信を行うアンテナやRF変換器等によって実現される。この無線通信部170は、外部のサーバ装置との間で無線信号の送受信を、例えばパケット通信により行う。
【0038】
記憶部180は、更新記憶可能なフラッシュメモリ等のROMやRAMといった各種ICメモリ等によって実現されるものであり、携帯電話機1の動作に係る各種プログラムや当該プログラムによる処理結果等のデータが格納される。この記憶部180には、前述のようにしてアプリダウンロード部141がゲームサーバ3からダウンロードしたゲームアプリプログラム181が格納される。このゲームアプリプログラム181には、各種ゲーム画面やゲーム音を生成するためのデータや、スペシャルイベントの発生時に実行される携帯電話機1を用いたミニゲームのゲームプログラム等が含まれる。
【0039】
[処理の流れ]
次に、携帯電話機1におけるゲーム進行処理の流れについて説明する。図7は、ゲーム進行処理の流れを説明するフローチャートである。なお、ここで説明する処理は、ゲーム進行指示部143がゲームアプリプログラム181を読み出して実行することによって実現される。
【0040】
ゲーム進行処理では、ゲーム進行指示部143は、先ず、ゲームをプレイする各プレーヤにキャラクタの選択を指示するキャラクタ選択画面の表示出力を制御してキャラクタの選択操作を促し、選択されたキャラクタを各プレーヤに割り当ててプレーヤ登録を行う(ステップS101)。続いて、ゲーム進行指示部143は、ステップS101で登録したプレーヤに割り当てたキャラクタの中から、一のキャラクタを例えばランダムに選出し、選出したキャラクタ名の表示出力を制御して、ゲームを最初にプレイするプレーヤを指示する(ステップS103)。
【0041】
そして、ゲーム進行指示部143は、ゲーム開始画面の表示出力およびゲーム音の音出力を制御してゲーム開始を指示する(ステップS105)。続いて、ゲーム進行指示部143は、ゲームモードをノーマルモードに設定してノーマルモード時間の計時を開始する(ステップS107)。計時したノーマルモード時間が所定時間(例えば1分30秒)を経過したならば(ステップS109:Yes)、ゲーム進行指示部143は、ゲームモードをルーレットモードに移行し、ルーレット画面を生成して表示出力する制御を行うとともに、ルーレットモード突入を報知するルーレット音を生成して音出力する制御を行う(ステップS111)。そして、ゲーム進行指示部143は、ルーレット画面のルーレットの回転制御を行い(ステップS113)、入力部130からルーレットの停止操作が入力された場合には(ステップS114:Yes)、ルーレットを停止させ、その停止位置に応じたルーレットイベントを発生させる(ステップS117)。
【0042】
すなわち、厄払いイベントを発生させる場合には、ゲーム進行指示部143は、厄払いイベント演出処理を行い、その発生を告知する表示出力及び音出力を制御する(ステップS119)。
【0043】
ランダムメンバーチェンジイベントを発生させる場合には、ゲーム進行指示部143は、ランダムメンバーチェンジイベント演出処理を行い、その発生を告知する表示出力及び音出力を制御する(ステップS121)。そして、ゲーム進行指示部143は、ステップS101で登録された各プレーヤに割り当てたキャラクタ中から一のキャラクタをランダムに選出する(ステップS123)。そして、ゲーム進行指示部143は、選出したキャラクタ名の表示出力を制御して、この選出したキャラクタのプレーヤからゲームプレイを再開するよう指示する(ステップS125)。
【0044】
スペシャルイベントを発生させる場合には、ゲーム進行指示部143は、スペシャルイベント演出処理を行い、その発生を告知する表示出力及び音出力を制御する(ステップS127)。そして、ゲーム進行指示部143は、予め用意されているミニゲームから、一のミニゲームを所定の確率に従って選出する。例えば、「SPG1」〜「SPG5」の5つのミニゲームを用意し、20%の確率で「SPG1」を選出して実行し(ステップS129)、20%の確率で「SPG2」を選出して実行し(ステップS131)、20%の確率で「SPG3」を選出して実行し(ステップS133)、20%の確率で「SPG4」を選出して実行し(ステップS135)、20%の確率で「SPG5」を選出して実行する(ステップS137)。選出したミニゲームが遊戯カードを用いたミニゲームであれば、そのミニゲームの実行を指示する表示出力及び音出力を制御する。一方、選出したミニゲームが携帯電話機1を用いたミニゲームの場合には、そのゲームプログラムに従ってゲーム処理を実行し、ゲーム画面及びゲーム音を生成して表示出力及び音出力の制御等を行う。
【0045】
逆転イベントを発生させる場合には、ゲーム進行指示部143は、逆転イベント演出処理を行い、その発生を告知する表示出力及び音出力を制御し、ゲームプレイ順を逆回りに変更するよう指示する(ステップS139)。
【0046】
追突イベントを発生させる場合には、ゲーム進行指示部143は、追突イベント演出処理を行い、その発生を告知する表示出力及び音出力を制御する(ステップS141)。
【0047】
臨時収入イベントを発生させる場合には、ゲーム進行指示部143は、臨時収入イベント演出処理を行い、その発生を告知する表示出力及び音出力を制御する(ステップS143)。
【0048】
以上のようにしてルーレットイベントを発生させたならば、ステップS107に戻って上記の処理を繰り返す。
【0049】
以上説明したように、携帯電話機1は、ゲーム開始時にプレーヤ登録を受け付けて、ゲームを最初にプレイするプレーヤの指示によってゲームプレイ順を指示することができる。そして、携帯電話機1は、ゲーム開始からの経過時間に基づいてゲームの進行を指示することができ、ゲームの進行を変化させることができる。したがって、プレーヤが携帯する携帯電話機1によってゲームの進行指示を与えることができ、単にルールに従って進行していく従来のカードゲームとは異なる新たな興趣を与えることができる。
【0050】
また、上記した実施の形態では、携帯電話機1は、ゲームを最初にプレイするプレーヤを指示することとし、各プレーヤが、指示されたプレーヤから時計回りの順番にゲームをプレイする場合について説明したが、携帯電話機1が、登録された各プレーヤのゲームプレイ順を例えばランダムに決定し、指示することとしてもよい。
【0051】
また、上記した実施形態では、本発明のゲームを、人生ゲームを模したゲームに適用した場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、表面にポイントやベクターキーが付された複数種類の遊戯カードを用いて行うゲームであれば、そのストーリーは限定されず、ゲームの進行指示を携帯電話機1によって行うことができる。例えば、戦略を練ってストーリーを展開させるタイプのゲームにも適用できる。この場合も上記した実施形態と同様に、例えば携帯する携帯電話機1からゲームサーバにアクセスしてゲームアプリをダウンロードし、このゲームアプリを起動することによって実現できる。
【0052】
本変形例では、遊戯カードとして、上記した実施形態と同様に、種類毎にそれぞれ異なる図柄やポイントが付され、その何れか1辺又は2つの辺にベクターキーが付された「青」「黄」「赤」の3色の通常カード及び特別カードが用意される。また、特別カードとしては、ゲームのストーリーに合わせて、例えば相手を困らせるカードイベントや、自プレーヤに有利なカードイベントが割り当てられたものが用意される。
【0053】
図8は、本変形例に係るゲームで使用される特別カードの一例を示す図である。例えば、図8(a)に示す特別カードは、次順のプレーヤに山札から1枚引かせて手札に加えさせるシングルショットカードである。また、図8(b)は、直前の台札のポイントや色に関係無く場に載置することができ、場に出したプレーヤが次順の台札の色を指定することができる戒厳令カードである。また、図8(c)は、次順のプレーヤに台札を裏返しに出させる極秘任務カードである。この場合、次順のプレーヤは、ルール上載置できる遊戯カード(すなわち、出された極秘任務カードと色又はポイントが同じ遊戯カード)を裏返して載置してもよいし、載置できない遊戯カードを裏返して載置してもよい。そして、さらに次順のプレーヤが、載置できる遊戯カードが裏返されたのか、或いは載置できない遊戯カードが裏返されたのか予想する。この予想が当たった場合には、裏返しに遊戯カードを載置したプレーヤが、ペナルティとして山札から例えば3枚の遊戯カードを引いて手札に加える。一方、予想が外れた場合には、予想したプレーヤが山札から3枚の遊戯カードを引く。この他、図示しないが、次順のプレーヤに山札から2枚引かせて手札に加えさせるダブルショットカードや、次順のプレーヤのゲームプレイが1回休みとなる追放カード、ゲームプレイ順が逆回りになる逆襲カード等が含まれる。
【0054】
一方、携帯電話機は、所定のタイミングで特殊モードに移行し、イベントとして、プレーヤにゲームのストーリーに準じた内容のミニゲームを実行させる特殊イベントや、プレイするプレーヤが変更されるランダムメンバーチェンジイベント、ゲームプレイ順が逆回りになる逆襲イベント、次順のプレーヤを1回休みとする追放イベントを発生させる。
【0055】
図9は、本変形例に係るゲーム進行処理の流れを説明するフローチャートである。本変形例に係るゲーム進行処理では、携帯電話機のゲーム進行指示部は、先ず、ゲームをプレイする各プレーヤにキャラクタを割り当ててプレーヤ登録を行う(ステップS201)。そして、ゲーム進行指示部は、ゲームを最初にプレイするプレーヤのキャラクタを指示し(ステップS203)、ゲーム開始を指示する(ステップS205)。
【0056】
続いて、ゲーム進行指示部は、ゲームモードをノーマルモードに設定する(ステップS207)。そして、ゲーム進行指示部は、潜伏制限時間を「2秒」「2.5秒」「3秒」の中からランダムに選出し、選出した潜伏制限時間の計時を開始する(ステップS209)。計時した潜伏制限時間を経過したならば(ステップS211:Yes)、ゲーム進行指示部は、告知音付き制限時間を「2秒(20%)」「3秒(60%)「4秒(20%)」の中から各確率に従って選出し、選出した告知音付き制限時間を、現時点でゲームプレイ中のプレーヤの当該ゲームプレイに係る制限時間として指示する(ステップS213)。そして、ゲーム進行指示部は、選出した告知音付き制限時間の計時を開始する(ステップS215)。このとき、計時に伴って表示出力及び音出力によるカウントダウンを行い、プレーヤの緊張感をあおるような演出処理を行う。
【0057】
計時した告知音付き制限時間を経過したならば(ステップS217:Yes)、ゲーム進行指示部は、ターンを次順のプレーヤに変更する指示を行い(ステップS219)、続いて特殊モードに移行するか否かを判定する。ゲーム進行指示部は、例えば、ノーマルモードを5〜10回繰り返した場合に特殊モードに移行すると判定して(ステップS221:Yes)、発生させる特殊イベントを所定の確率に従って選出し、この選出した特殊イベントの発生を指示する(ステップS223)。例えば、25%の確率でランダムメンバーチェンジイベントを発生させ(ステップS225)、ランダムメンバーチェンジイベント演出処理及びゲームプレイを再開するプレーヤの指示等を行う。また、25%の確率でスペシャルミッション演出処理を行い(ステップS227)、25%の確率で逆襲イベント演出処理を行い(ステップS229)、25%の確率で追放イベント演出処理を行う(ステップS231)。また、スペシャルミッションの発生を指示した場合には、ゲーム進行指示部は、予め用意されているスペシャルミッション(ミニゲーム)の中から、一のスペシャルミッションを所定の確率に従って選出する。例えば、「SPM1」〜「SPM4」の4つのスペシャルミッションを用意し、25%の確率で「SPM1」を選出して実行し(ステップS233)、25%の確率で「SPGM」を選出して実行し(ステップS235)、25%の確率で「SPM3」を選出して実行し(ステップS237)、25%の確率で「SPM4」を選出して実行する(ステップS239)。
【0058】
また、上記した実施形態では、本発明を携帯電話機に適用した場合について説明したが、PDAや携帯型ゲーム機、ノートパソコン等のプレーヤが携帯する他の何れの電子機器でも同様に適用可能である。
【0059】
また、上記した実施形態では、遊戯カードの何れか1辺又は2つの辺にベクターキーが付されることとして説明したが、3つの辺にベクターキーが付された遊戯カードを用いることも勿論可能である。3つの辺にベクターキーが付された遊戯カードが台札として場に載置された場合には、台札の載置ルートが3つに分岐することとなる。また、上記した実施の形態では、正方形状の遊戯カードについて例示したが、遊戯カードの形状は正方形状に限定されるものではない。例えば三角形状や六角形等、他の多角形状とし、この多角形の1つ又は2以上の複数の辺にベクターキーを付したものであってもよい。図10は、六角形状を有する遊戯カードC131の変形例を示す図である。図10に示す例では、載置された遊戯カードC131の3つの辺に付されたベクターキーVK−1,VK−2,VK−3によって次順の台札を載置する場所P131,P133,P135が定まる。次順の台札は、遊戯カードC131のベクターキーVK−1,VK−2,VK−3が付された何れかの辺に繋げて載置することができ、台札の載置ルートが3つに分岐する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】ゲームの概要を説明するための説明図である。
【図2】ゲームで使用される遊戯カードの一例を示す図である。
【図3】遊戯カードの載置ルールについて説明するための説明図である。
【図4】ルーレット画面の一例を示す図である。
【図5】ミニゲーム画面の一例を示す図である。
【図6】携帯電話機の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図7】ゲーム進行処理の流れを説明するフローチャートである。
【図8】変形例に係るゲームで使用される特別カードの一例を示す図である。
【図9】変形例に係るゲーム進行処理の流れを説明するフローチャートである。
【図10】変形例に係る遊戯カードの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1 携帯電話機
110 カメラ
120 送受話部
130 入力部
140 制御部
141 アプリダウンロード部
143 ゲーム進行指示部
150 表示部
160 音出力部
170 無線通信部
180 記憶部
181 ゲームアプリプログラム
3 ゲームサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に付された数字が異なる複数枚のカードを含む組を模様又は色の少なくとも一方を違えて複数組備えた遊戯カードセットにおいて、各組の少なくとも一部のカードには該カードの2辺を指し示すマークが表示されていることを特徴とする遊戯カードセット。
【請求項2】
一部のカードには該カードの1辺を指し示すマークが表示されていることを特徴とする請求項1に記載の遊戯カードセット。
【請求項3】
前記マークは矢印であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊戯カードセット。
【請求項4】
一部のカードには架空のイベント内容が表示されていることを特徴とする請求項1から3いずれか一に記載の遊戯カードセット。
【請求項5】
一部のカードには架空のイベント内容が表示されると共に該イベント内容の実行による支出金額又は収入金額が表示されていることを特徴とする請求項1から3いずれか一に記載の遊戯カードセット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−5853(P2009−5853A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−169588(P2007−169588)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】