説明

遊技システム

【課題】特別図柄の表示パターンを表示させた実歴を自身の遊技履歴として残す。
【解決手段】
遊技システム1では、パチンコ機2が、特別図柄表示装置28に停止表示された特別図柄の表示パターンを特定するパターン情報と、パターン情報の蓄積に用いられる遊技者識別子とを符号化した符号化映像を生成し、符号化映像を演出表示装置29に表示し、情報端末3が、その符号化映像を取り込み、情報蓄積サーバ5に送信し、情報蓄積サーバ5が、パターン情報を遊技者識別子に関連付けて蓄積する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ機が含まれた遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、デジパチと呼ばれるパチンコ機では、遊技者のハンドル操作により遊技盤内の遊技領域に向かって遊技球が発射され、遊技領域を流下した遊技球が始動入賞口に入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選が実行される。そして、特別図柄表示装置において、特別図柄が変動表示され、さらに、電子抽選の結果(抽選結果)に基づく特別図柄が停止表示されることで遊技者に抽選結果が報知される。このとき、抽選結果が大当たりであれば、特別図柄表示装置に大当たりであることを示す特定の図柄(表示パターン)が停止表示されると共に、通常の遊技に比べて遊技者に有利な大当たり遊技が開始される。この大当たり遊技では、アタッカー装置が所定の回数開閉し、大入賞口への入賞が可能となるので、遊技者は多くの賞球を獲得することが可能となる。
【0003】
遊技者は、このような大当たり遊技を通じて賞球を獲得するのみならず、大当たりに当選したという実歴自体を、自身の遊技履歴として残すことができる。例えば、1つの遊技機における遊技開始から遊技終了までの収支履歴を、符号化されたQR(Quick Response)コードを通じて携帯電話等の情報端末に取り込む技術が知られている(例えば、特許文献1)。また、大当たりの当選等、特定の条件を満たした場合にQRコードを表示し、情報端末が、そのQRコードを用いて、データベースから適宜選択されたデータを取得する技術も開示されている(例えば、特許文献2)。
【0004】
ところで、上述した電子抽選では、大当たりか否かの抽選のみならず、大当たりの当選時には、遊技態様が相異なる複数の大当たりのいずれであるかも抽選して遊技性を高めている。ここで、大当たりの遊技態様は、例えば、アタッカー装置を開放する時間やラウンド数が異なるといったような大当たり遊技自体の遊技態様であったり、大当たり遊技終了後に大当たり当選確率が通常となるか(通常確率大当たり)、大当たり遊技終了後に大当たり当選確率が通常と比べ高くなるか(高確率大当たり)、さらに、始動入賞口に設けられた電動チューリップを作動させて始動入賞口への入賞契機を高める時間短縮遊技が付与されるか否かといったような大当たり遊技終了後の遊技態様である。
【0005】
例えば、高確率大当たりに係る大当たり遊技終了後の高確率状態に時間短縮遊技が付与されると、獲得した賞球の追加投入を抑えつつ単位時間当たりの抽選機会を増やすことができるので、遊技者は、短時間かつ効率的に次回の大当たりを獲得することが可能となり、持ち玉を確実に増加させることができる。さらに、実際は、ラウンド数が比較的多い大当たり遊技に当選しているが、大当たり当選直後は、ラウンド数が実際より少ない大当たり遊技が当選したかのような演出を行ったり、実際は、高確率大当たりに当選しているが、見かけ上、通常確率大当たりに当選したかのような演出を行ったりして(潜伏確変状態)、遊技性や遊技者の期待感を高め、パチンコ機の稼働率の向上を図っている。
【0006】
ただし、遊技に関する演出を表示するための演出表示装置では、実際に当選した遊技態様と異なる遊技態様に当選しているかのような演出を行うことができるが、特別図柄表示装置では、実際の遊技態様をそのまま表示しなければならない。したがって、演出表示装置において、実際に当選した遊技態様と異なる遊技態様に当選しているかのような演出を行ったとしても、遊技者は、特別図柄表示装置に表示された特別図柄を通じて実際の遊技態様を把握することができる。そこで、特別図柄表示装置における特別図柄として多数の複雑かつ不規則な表示パターンを設け、一見しただけでは、その特別図柄の表示パターンがどの遊技態様を示しているか、遊技者が把握できないようにするパチンコ機が採用されている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006− 61304号公報
【特許文献2】特開2006−167084号公報
【特許文献3】特開2008−307074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した、特別図柄として多数の表示パターンを設けているパチンコ機においては、遊技態様を一意に特定可能な特別図柄を表示してはいるものの、その表示パターンが複雑かつ不規則なので、遊技者は当選した遊技態様を容易に把握することができない。そこで、遊技者は、情報誌や、携帯電話等の情報端末を通じた解析ツールを用いて特別図柄の表示パターンがどの遊技態様に対応しているか調べていた。
【0009】
このように、特別図柄として多数の表示パターンを設けているパチンコ機では、特別図柄の表示パターンと遊技態様との対応関係を把握することも遊技の1つに数えることができる。例えば、遊技者は、特別図柄の表示パターンから当選した実際の遊技態様を把握できれば、演出表示装置の演出に惑わされることなく、実際の遊技態様に則した遊技に徹することが可能となる。また、遊技者は、実際の遊技態様を自分だけが知っているという優越感に浸ることができる。
【0010】
このように、特別図柄としての多数の表示パターンは、その存在自体が遊技性を生じさせ、遊技者は、その特別図柄の表示パターンに対して一喜一憂することとなる。また、表示パターンはその表示態様により無数に形成することが可能なので、任意の表示パターンの出現頻度を極めて低く設定し、表示パターン自体の希少価値を高めることもできる。遊技者は、このような希少価値の高い特別図柄の表示パターンが出現すると、表示パターンに対応した遊技態様もさることながら、その表示パターンの出現自体に高揚することとなる。また、遊技者は、このような希少価値の高い表示パターンが出現すると、自身がその表示パターンを出現させたという実歴を、公に証明される形で残しておきたいと考えるものである。
【0011】
しかし、特別図柄の表示パターンが表示されるのは大当たりの当選時に限られ、継続して表示しておくことはできず、また、特別図柄の表示パターンが表示されている間に情報端末で表示パターンを撮像したとしても、その表示パターンが、本人が遊技していたパチンコ機で表示されたものであることの証拠にはならない。さらに、パチンコ機における大当たり遊技では情報端末を取り出して表示パターンを撮像する余裕がないことが多い。上述した特許文献1、2のような技術では、大当たりの回数等を遊技履歴として残すことはできても、特別図柄の表示パターンを残すことはできなかった。
【0012】
本発明は、このような課題に鑑み、特別図柄の表示パターンを表示させた実歴を自身の遊技履歴として残すことが可能な遊技システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、パチンコ機と、情報端末と、情報蓄積サーバとを含む本発明の遊技システムでは、パチンコ機は、遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、遊技領域に設けられた始動入賞口と、始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行って遊技の制御を行う主制御処理部と、特別図柄を表示する特別図柄表示装置と、主制御処理部からのコマンドを受けて、特別図柄表示装置の表示を制御する特別図柄表示制御部と、遊技に関する演出を表示するための演出表示装置と、主制御処理部からのコマンドを受けて、演出表示装置の表示を制御する副制御処理部と、特別図柄表示装置に停止表示された特別図柄の表示パターンを1または複数保持する特別図柄保持手段と、少なくとも、特別図柄保持手段に保持された1または複数の特別図柄の表示パターンを特定するパターン情報と、パターン情報の蓄積に用いられる遊技者識別子とを符号化した符号化映像を生成し、演出表示装置に表示させる符号化映像表示制御手段とを備えており、主制御処理部は、電子抽選を行うための手段であって、特別図柄用の乱数を発生させる特別図柄用乱数発生手段、始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に特別図柄用乱数発生手段により発生した特別図柄用乱数の中から1つの特別図柄用乱数を取得する特別図柄用乱数取得手段、および、特別図柄用乱数取得手段が取得した特別図柄用乱数が、遊技態様が相異なる複数の大当たりを示す乱数のいずれかであるか否かを判定する大当たり当否判定手段を備えて構成される特別図柄抽選手段と、大当たり当否判定手段で判定された結果に基づいて、特別図柄表示装置に停止表示する特別図柄を決定する特別図柄決定手段と、大当たり当否判定手段が複数の大当たりを示す乱数のいずれかであると判定した場合に、通常の遊技に比べて遊技者に有利な大当たり遊技を提供する大当たり遊技制御手段とを備え、情報端末は、符号化映像を撮像し符号化映像データを生成する撮像装置と、符号化映像データを復号してパターン情報と遊技者識別子とを抽出するパターン情報抽出手段と、通信網を介して情報蓄積サーバと通信を確立する端末通信装置と、抽出されたパターン情報と遊技者識別子とを、端末通信装置を通じて情報蓄積サーバに送信するパターン情報送信手段と、遊技者識別子を用いて、パターン情報の閲覧コマンドを、端末通信装置を通じて情報蓄積サーバに送信する閲覧コマンド送信手段と、任意の映像を表示する端末表示装置と、パターン情報の閲覧コマンドに応じ、端末通信装置を通じて情報蓄積サーバから受信したパターン情報を端末表示装置に表示させる端末表示制御手段とを備え、情報蓄積サーバは、任意の情報を蓄積する蓄積装置と、通信網を介して情報端末と通信を確立するサーバ通信装置と、サーバ通信装置を通じて情報端末から受信したパターン情報を、受信した遊技者識別子に関連付けて蓄積装置に蓄積させるパターン情報蓄積手段と、サーバ通信装置を通じて情報端末から受信したパターン情報の閲覧コマンドに応じ、パターン情報の閲覧コマンドに用いられている遊技者識別子に関連付けられたパターン情報を蓄積装置から抽出して、サーバ通信装置を通じて情報端末に送信する閲覧コマンド応答手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
情報蓄積サーバは、サーバ通信装置を通じて情報端末から受信した、遊技者識別子に関連付けられたパターン情報の蓄積内容に基づいて決定される蓄積レベルの参照コマンドに応じ、蓄積装置に蓄積された、蓄積レベルの参照コマンドに用いられている遊技者識別子に関連付けられたパターン情報の蓄積内容に基づいて蓄積レベルを決定し、その蓄積レベルを一意に特定するレベル識別子を生成するレベル識別子生成手段と、レベル識別子を、サーバ通信装置を通じて情報端末に送信する蓄積レベル送信手段とをさらに備え、情報端末は、遊技者識別子を用いて、蓄積レベルの参照コマンドを、端末通信装置を通じて情報蓄積サーバに送信する参照コマンド送信手段をさらに備え、端末表示制御手段は、蓄積レベルの参照コマンドに応じ、端末通信装置を通じて情報蓄積サーバから受信した、レベル識別子を端末表示装置に表示させ、パチンコ機は、レベル識別子を入力するための入力手段と、入力手段を通じて入力されたレベル識別子に応じて、演出表示装置に表示する演出を変更または追加する演出変更制御手段とをさらに備えていてもよい。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明の遊技システムによれば、特別図柄の表示パターンを表示させた実歴を自身の遊技履歴として残し、また表示パターンを収集することができる。このような特別図柄の表示パターンの収集を遊技の目的の1つとして遊技者に提供することで、当該機能を搭載したパチンコ機の再遊技を促すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】遊技システムの概略的な関係を示した説明図である。
【図2】パチンコ機の概略的な機械的構成を説明するための外観斜視図である。
【図3】パチンコ機のガラス扉を開けた状態の外観斜視図である。
【図4】パチンコ機の概略的な機械的構成を説明するための背面図である。
【図5】パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。
【図6】大当たり判定テーブルを説明するための説明図である。
【図7】特別図柄の表示パターンを説明するための説明図である。
【図8】コマンド参照テーブルを説明するための説明図である。
【図9】操作部を通じたレベル識別子の入力操作を説明するための説明図である。
【図10】高確率状態判定テーブルを説明するための説明図である。
【図11】演出テーブルを説明するための説明図である。
【図12】テーブルの他の例を説明するための説明図である。
【図13】情報端末のブロックの電気的構成を示した機能ブロック図である。
【図14】パターン情報の表示例を示した説明図である。
【図15】情報蓄積サーバの電気的構成を示した機能ブロック図である。
【図16】遊技方法の一例を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。ここでは、本発明の実施形態の理解を容易にするため、遊技者が遊技可能なパチンコ機の機械的構成および電気的構成をその順に説明する。
【0018】
(遊技システム1)
図1は、遊技システム1の概略的な関係を示した説明図である。遊技システム1は、パチンコ機2と、情報端末3と、通信網4と、情報蓄積サーバ5とを含んで構成され、パチンコ機2における遊技結果と情報蓄積サーバ5のWebサイトとを連動させる、所謂、サイト連動型のサービスを提供する。
【0019】
パチンコ機2では、遊技者のハンドル操作により遊技盤内の遊技領域に向かって遊技球が発射され、遊技領域を流下した遊技球が始動入賞口に入賞したことを契機に実行される電子抽選において大当たりに当選すると、遊技者は、多くの賞球を獲得することができる。このとき、遊技盤内の特別図柄表示装置では、一見しただけではその遊技態様を把握できない表示パターンで特別図柄が停止表示される。遊技態様については後ほど詳述する。
【0020】
情報端末3は、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ等、Webブラウザを利用可能な電子機器であり、通信網4を介して情報蓄積サーバ5との通信を確立することができる。また、情報端末3は、パチンコ機2から、特別図柄表示装置に停止表示された特別図柄の表示パターンに関する情報を取得することが可能である。
【0021】
通信網4は、携帯電話網、インターネット、LAN(Local Area Network)、専用回線等で構成され、情報端末3と情報蓄積サーバ5とを通信接続する。
【0022】
情報蓄積サーバ5は、Webサイトを管理し、情報端末3が取得した情報を蓄積する等、様々なサービスを提供する。ここで、Webサイト(ポータルサイト)は、情報蓄積サーバ5により特定されるドメイン下にあるWebページ群を言う。
【0023】
当該遊技システム1において、遊技者は、例えば、任意のパチンコ機2で遊技開始から遊技終了までに表示された特別図柄の表示パターンに関する情報を、自身が所有する情報端末3に取り込み、情報蓄積サーバ5に送信して蓄積させる。また、遊技者は、このように情報蓄積サーバ5に蓄積された情報を、情報端末3において確認することができる。さらに、特別図柄の表示パターンが、予め定められた複数の条件(ミッション)のうちの所定の条件を満たすと、遊技者は所定の特典(情報端末3上で利用できる特典や遊技に用いられる特典)を得ることができる。かかる条件および特典に関しては後ほど詳述する。このような遊技システム1で実行される一連の機能を本実施形態では「マイパチ機能」と称する。以下、遊技システム1を構成するパチンコ機2、情報端末3、情報蓄積サーバ5の個々の構成をその順に説明し、その後、全体的な処理の流れを説明する。
【0024】
(パチンコ機2:パチンコ機2の機械的構成)
図2は、パチンコ機2の概略的な機械的構成を説明するための外観斜視図であり、図3は、パチンコ機2のガラス扉を開けた状態の外観斜視図である。本実施形態におけるパチンコ機2は、遊技場の島設備に設置される縦長矩形状の機枠6と、機枠6の前面開口部に対して扉形式で開閉可能に取り付けられ、遊技盤7や、遊技盤7内の遊技領域8に向かって遊技球を発射する発射装置9を収容する前面枠10と、前面枠10に扉形式で開閉可能に取り付けられ、中央開口部に遊技領域8を遊技者に観察させるための透明なガラス板11を嵌設したガラス扉12と、ガラス扉12の下方において前面枠10に扉形式で開閉可能に取り付けられ、遊技球を収容する受皿13や、発射装置9における遊技球の発射強度を調整するためのハンドル14が設けられた受皿ユニット15とを備えている。また、ガラス扉12の上部や側部には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ16および様々な発光を伴う視覚的な演出を行うランプ部17が設けられる。以下、パチンコ機2の機械的構成を詳しく説明する。
【0025】
ガラス板11を通じて観察可能な遊技領域8は、遊技球を滑走させるガイドレール20と遊技球規制レール21とによって略円形状となるように区画形成され、遊技者によるハンドル14の操作により発射装置9から発射された遊技球はこの遊技領域8内を流下する。また、遊技領域8内には、その流下方向を変化させるための遊技釘(図示せず)、風車(図示せず)、ステージ22、遊技の契機となる始動入賞口(始動口)23(図3中23a、23bで示し、特に区別して説明する場合に23a、23bの表現を用いる。)、一般入賞口24、スルーチャッカ25、電動チューリップ26、アタッカー装置27、遊技の結果を報知する特別図柄表示装置28、演出表示装置29、入賞を果たせなかった遊技球を回収する回収口30等が設けられている。
【0026】
特別図柄表示装置28は、例えば、7セグメント表示器等で構成され、特別図柄(数字や絵柄)を変動表示し、遊技球が始動入賞口23に入賞したことを契機に行われる電子抽選の結果に基づく特別図柄を停止表示する。また、特別図柄表示装置28における特別図柄の表示パターンを多数かつ複雑にすることで、一見しただけでは、その特別図柄の表示パターンがどの遊技態様を示しているか、遊技者が把握できないようにすることもできる。演出表示装置29は、遊技盤7の略中央に位置する液晶表示器等で構成され、例えば、特別図柄表示装置28による特別図柄の変動に連動して大当たりの期待度の異なる様々な演出態様を表示する。以下で用いる特別図柄の変動中といった表現は、特別図柄表示装置28において特別図柄が変動している状態のみならず、演出表示装置29において演出表示(様々な演出態様の表示)が行われている状態も含む。遊技者は、主として、このような演出表示装置29における演出表示に一喜一憂しながら遊技を楽しむこととなる。したがって、特別図柄表示装置28は、演出表示装置29を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤7の右下部分等に離れて設けられている。また、本実施形態において、演出表示装置29は、後述するQRコード等の符号化映像を表示する。かかる符号化映像は、演出表示装置29としての、遊技盤7の略中央に位置する液晶表示器に表示されてもよいし、演出表示装置29としてパチンコ機2に設けられた別体の液晶表示器に表示されてもよい。また、受皿13の棚部には、押圧式のボタンスイッチで構成されるチャンスボタン32が設けられ、例えば、遊技者が当該チャンスボタン32を押圧した場合にのみ、現在変動中の特別図柄が大当たりであることの期待度を示す演出態様を演出表示装置29に表示したり、現在変動中の特別図柄が大当たりである場合に、恰も、遊技者によるチャンスボタン32の押圧によって大当たりになったかのように見せる演出表示をしたりして、演出表示装置29による演出表示に遊技者を関与させることができる。
【0027】
さらに、受皿13の棚部には、ジョグダイヤル、十字キー、ジョイスティック等と押圧式のボタンスイッチとで構成される操作部33が設けられ、遊技者による操作入力を受け付ける。例えば、遊技者は、パチンコ機2における遊技の開始および終了を、操作部33を通じてパチンコ機2に認識させる。ここでは、操作部33として実際の変位を伴う可動式スイッチを挙げているが、かかる場合に限られず、任意の表示装置に重畳されたタッチパネルで操作部33を構成することもできる。
【0028】
スルーチャッカ25は、遊技球が通過可能なゲート構造を成しており、そのゲート内部には遊技球が通過したことを検知する磁気センサタイプの検知センサ(スルーチャッカ検知センサ)が内蔵されている。スルーチャッカ25を遊技球が通過したことを契機に普通図柄に係る電子抽選が実行され、その抽選結果は普通図柄表示装置34を通じて遊技者に報知される。普通図柄表示装置34は、本実施形態において、特別図柄表示装置28に隣接して設けられた2つのLEDランプで構成されており、普通図柄の抽選結果が当たりのときに一方のLEDランプが点灯し、ハズレのときには他方のLEDランプが点灯するようになっている。
【0029】
ステージ22は、演出表示装置29の下方に配置されており、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物である。このステージ22の中央には溝が形成されており、この溝の真下の位置には始動入賞口23aが配されている。そのため、溝から落下した遊技球は、高い確率で始動入賞口23aへと導かれる。電動チューリップ26は、始動入賞口23bに設けられ、遊技盤7の面に直交する軸を中心に回動する一対の羽根部材を備えている。スルーチャッカ25を遊技球が通過したことを契機に行われる普通図柄に係る電子抽選に当選すると、電動チューリップ26のソレノイドに通電がなされ、その一対の羽根部材が互いに離れる方向に回動して、所定期間、始動入賞口23bへの入賞が容易になる。こうして、遊技者は、多くの抽選機会を得ることができる。
【0030】
アタッカー装置27は、始動入賞口23に遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果が、大当たりとなり、通常の遊技に比べて遊技者に有利な大当たり遊技に移行した場合に、大入賞口35への入賞経路を開放する装置である。大当たり遊技では、アタッカー装置27を通じて大入賞口35への入賞が容易となるので、多くの賞球が遊技者に払い出される。また、一般入賞口24に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。なお、始動入賞口23、一般入賞口24、大入賞口35の内部にはそれぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサが設けられている。このようにして払い出された賞球(遊技球)は、一旦受皿13に収容され、遊技者は、必要に応じて外部に排出することができる。遊技者が投入し、または、払い出されて受皿13に収容された遊技球は、1個ずつ発射装置9に流動し、遊技者によるハンドル14への回動量に応じた発射強度で遊技領域8に発射される。
【0031】
(パチンコ機2の電気的構成)
図4は、パチンコ機2の概略的な機械的構成を説明するための背面図であり、図5は、パチンコ機2の電気的構成を示したブロック図であり、図6〜図8は、パチンコ機2の電気的構成を説明するための説明図である。図4に示すように、パチンコ機2は、遊技盤7の背面側に支持部材等を介して、主制御処理部50と、副制御処理部51と、特別図柄表示制御部52と、普通図柄表示制御部53と、払出制御処理部54と、発射制御処理部55とを備えている。図5に示す電源供給装置57は、外部電源から24Vの交流電源の供給を受け、この交流電源をパチンコ機2で使用する複数の定電圧直流電源に変換し、主制御処理部50、副制御処理部51、特別図柄表示制御部52、普通図柄表示制御部53、払出制御処理部54、発射制御処理部55等の各制御装置に供給する。
【0032】
(主制御処理部50)
主制御処理部50は、中央処理装置(CPU)、主制御処理部50を動作するためのプログラム等を格納したROM、ワークエリアとして利用されるRAM等を含む半導体集積回路により、パチンコ機2の遊技に関する主要な処理を実行する。また、主制御処理部50では、ROMに格納されたプログラムに基づいて中央処理装置やRAMが協働することで、特別図柄抽選部(特別図柄抽選手段)110と、特別図柄決定部(特別図柄決定手段)120と、遊技コマンド決定部130と、大当たり遊技制御部(大当たり遊技制御手段)140と、普通図柄抽選部150と、電動チューリップ作動制御部160としても機能する。また、主制御処理部50では、大当たり判定テーブル170、コマンド参照テーブル171、普通図柄判定テーブル等が記憶部(図示せず)に予め記憶されている。
【0033】
特別図柄抽選部110は、始動入賞口23に遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行い、特別図柄決定部120は、この特別図柄抽選部110による抽選結果に基づいて特別図柄を決定する。遊技コマンド決定部130は、演出態様を決定するための遊技コマンドである変動パターンコマンドを決定する。大当たり遊技制御部140は、特別図柄抽選部110による抽選結果が大当たりとなった場合にアタッカー装置27のソレノイドを作動させて大当たり遊技を実行する。普通図柄抽選部150は、スルーチャッカ25を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ61からの検知信号が主制御処理部50に入力されたタイミングで)、普通図柄に係る電子抽選を行う。電動チューリップ作動制御部160は、電動チューリップ26の作動を制御する。
【0034】
具体的に、特別図柄抽選部110は、特別図柄用乱数発生部(特別図柄用乱数発生手段)111と、特別図柄用乱数取得部(特別図柄用乱数取得手段)112と、大当たり当否判定部(大当たり当否判定手段)113と、保留球乱数記憶部114とを備えている。特別図柄用乱数発生部111は、周期的(例えば、200マイクロ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、00000〜34999)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数(特別図柄用の乱数)を生成する。特別図柄用乱数取得部112は、始動入賞口23に遊技球が入賞したことを契機に(始動入賞口23に設けられた始動入賞口検知センサ60からの検出信号が主制御処理部50に入力されたタイミングで)、特別図柄用乱数発生部111により発生した特別図柄用乱数の中から1つの特別図柄用乱数を取得(ラッチ)する。
【0035】
大当たり当否判定部113は、特別図柄用乱数取得部112が取得した特別図柄用乱数が、大当たりを示す乱数であるか否か、また、特別図柄用乱数が大当たりを示す乱数であれば、さらに遊技態様が相異なる複数の大当たりを示す乱数のいずれであるかを判定する。大当たりの遊技態様としては、大きく分けて、大当たり遊技自体の遊技態様と、大当たり遊技終了後の遊技態様とがある。そのうち、大当たり遊技自体の遊技態様は、例えば、ラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間や、ラウンド遊技の回数である。ここで、ラウンド遊技は、所定の時間(例えば、30秒)経過するか、所定数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口35に入賞するまでアタッカー装置27を開放する遊技の単位であり、1回の大当たりで遊技可能なラウンド遊技の回数をラウンド数という。ラウンド数は、例えば、2回や15回といったような値をとり、一般的に回数が多いほど多くの賞球が得られる。また、例えば、15回のラウンド遊技のうち、1または複数のラウンド遊技におけるアタッカー装置27の開放時間をほぼ賞球を得られない程度に短縮することで、15ラウンドではあるが、実質的に賞球を得られるラウンド数が15回より少ない大当たり遊技を実現することもできる。
【0036】
また、大当たりの遊技態様のうち、大当たり遊技終了後の遊技態様は、例えば、大当たり遊技終了後に大当たり当選確率が通常となるか(通常確率大当たり)、大当たり遊技終了後に大当たり当選確率が通常と比べ高くなるか(高確率大当たり)であったり、始動入賞口23bに設けられた電動チューリップ26を作動させて始動入賞口23bへの入賞契機を高める時間短縮遊技(時短)が付与されるか否かである。
【0037】
具体的に、大当たり当否判定部113は、図6(a)〜(c)に示す大当たり判定テーブル170(通常確率用大当たり判定テーブル170a、高確率用大当たり判定テーブル170b、振り分け用大当たり判定テーブル170c)を用いて、特別図柄用乱数取得部112が取得した特別図柄用乱数が大当たりを示す乱数であるか否か、さらに、その特別図柄用乱数が、遊技態様が相異なる複数の大当たりを示す乱数のいずれを示すかを判定する。ここで、図6(c)の振り分け用大当たり判定テーブル170cにおける「2R」、「12R」、「15R」の数値部分は大当たり遊技におけるラウンド遊技の回数を示し、「通常確率」、「高確率」はそれぞれ通常確率大当たりと高確率大当たりを示し、「時短無し」、「時短有り」は、時間短縮遊技が付与されるか否かを示す。
【0038】
大当たり当否判定部113は、まず、現在の遊技状態が通常確率状態であるか高確率状態であるかを判定し、通常確率状態であれば図6(a)の通常確率用大当たり判定テーブル170aと図6(c)の振り分け用大当たり判定テーブル170cとを、高確率状態であれば図6(b)の高確率用大当たり判定テーブル170bと図6(c)の振り分け用大当たり判定テーブル170cとを参照する。仮に、現在の遊技状態が通常確率状態であり、特別図柄用乱数取得部112が取得した特別図柄用乱数が「00995」であるとすると、通常確率用大当たり判定テーブル170aにおいて特別図柄用乱数の上3桁「009」が大当たりを示す乱数「009」と一致し、かつ、振り分け用大当たり判定テーブル170cにおいて特別図柄用乱数の下2桁「95」が、「15R」、「時短有り」、「高確率」を示す「90〜99」の範囲に含まれているので、電子抽選の結果は15ラウンドの時間短縮遊技付き高確率大当たりとなる。また、特別図柄用乱数の上3桁が、例えば「020」であれば、大当たりではないのでハズレとなる。
【0039】
大当たり当否判定部113では、取得可能な特別図柄用乱数の総数(例えば、35000)と、大当たりとなる特別図柄用乱数の数(例えば、100)との比によって大当たり当選確率が決定する。したがって、高確率状態において高確率を実現するためには、図6(b)の高確率用大当たり判定テーブル170bに示すように、取得可能な特別図柄用乱数の総数(例えば、35000)を固定したまま、大当たりと判定される特別図柄用乱数の数を増やせばよいこととなる(例えば、1000)。ここでは、大当たり自体の電子抽選とその大当たりの遊技態様の電子抽選を1の特別図柄用乱数で行っているが、かかる場合に限られず、例えば、0〜349の350個の特別図柄用乱数で大当たりの判定のみを行い、別途の電子抽選による0〜99の100個の乱数で大当たりの遊技態様を判定してもよい。
【0040】
ところで、上述したように、大当たり当否判定部113による抽選の当選結果が、ラウンド数が比較的多い(例えば、15回)大当たりであった場合、遊技者は、そのラウンド数に比例して多くの賞球を得ることができる。また、大当たり当否判定部113による抽選の当選結果が高確率大当たりであり、大当たり遊技の終了後に遊技状態が高確率状態に移行すると、通常確率状態と比べ高確率で大当たりが抽選される。このとき、高確率大当たりに加え、時間短縮遊技が付与されていると、獲得した賞球の追加投入を抑えつつ単位時間当たりの抽選機会を増やすことができるので、遊技者は、短時間かつ効率的に次回の大当たりを獲得することが可能となり、持ち玉を確実に増加させることができる。したがって、遊技者は、電子抽選の結果が大当たりであれば、その大当たりがラウンド数の多い大当たりであることを期待し、さらに、その大当たりが通常確率大当たりではなく高確率大当たりであることを期待する。また、高確率状態となってからも引き続き高確率大当たりに連続して当選し続けることを願うこととなる。
【0041】
保留球乱数記憶部114は、特別図柄用乱数取得部112が特別図柄用乱数を取得したときに特別図柄が変動中であれば、この取得した特別図柄用乱数を保留球乱数として所定の上限個数(例えば4個)まで記憶する。
【0042】
特別図柄決定部120は、大当たり当否判定部113で判定された結果に基づいて、特別図柄表示装置28に停止表示する特別図柄を決定する。例えば、大当たり当否判定部113で判定された結果が、15ラウンドの時間短縮遊技付き高確率大当たりであれば、15ラウンドの時間短縮遊技付き高確率大当たりを示す複数の特別図柄(特定の図柄の組合せである表示パターン)から1の特別図柄を電子抽選により決定し、判定された結果が、12ラウンドの時間短縮遊技付き通常確率大当たりであれば、12ラウンドの時間短縮遊技付き通常確率大当たりを示す複数の特別図柄から1の特別図柄を電子抽選により決定する。また、判定された結果が大当たりではないハズレであればハズレを示す特別図柄を電子抽選により決定する。
【0043】
図7は、特別図柄決定部120によって決定される特別図柄を説明するための説明図である。ここでは、特別図柄表示装置28が仮に7セグメント表示器等で構成されているとし、各セグメントのうち、発光しているセグメントを黒で塗りつぶして示している。例えば、大当たりの遊技態様を、特別図柄の表示パターンを通じて遊技者に容易に把握させようとした場合、図7(a)の如く、特別図柄を0〜9の数値に見立てて表示し、遊技者は、その数値の規則性をもって、例えば、奇数であれば高確率大当たりであるといったように大当たりの遊技態様を把握していた。本実施形態では、特別図柄によって大当たりに当選したことやその大当たりの遊技態様を報知はしているものの、一見してその特別図柄が大当たりの当選を示しているのか否か、または、大当たりにおけるどのような遊技態様を示しているか、遊技者が把握できないようにしている。
【0044】
例えば、図7(b)の例では、大当たりの遊技態様が15ラウンドの時間短縮遊技付き高確率大当たりに対応する特別図柄と、大当たりの遊技態様が12ラウンドの時間短縮遊技付き通常確率大当たりに対応する特別図柄との2つのグループが示されている。図7(b)の例を参照して理解できるように、特別図柄の表示パターンからは大当たりの遊技態様が一意に導かれ、その反復性は有しているものの、同一の遊技態様(例えば、15ラウンドの時間短縮遊技付き高確率大当たりや12ラウンドの時間短縮遊技付き通常確率大当たり)を示す特別図柄の表示パターン同士が規則性を有していないので、遊技者は、その表示パターンを個々に暗記しておくか、または、情報誌や携帯電話を通じた解析ツールを用いなければ、当選した大当たりの遊技態様を確実に把握することができない。
【0045】
このように大当たりの当否やその遊技態様を把握させないようにしているのは、以下の理由による。即ち、上述したように、遊技者は、電子抽選の結果が大当たりであれば、それが通常確率大当たりではなく高確率大当たりであることを期待し、また、高確率状態となってからも引き続き高確率大当たりに連続して当選し続けることを期待する。しかし、現在の遊技状態が高確率状態であるか通常確率状態であるかを、演出表示装置29等を通じて単純に把握できてしまうと、遊技者は、遊技状態が高確率状態から通常確率状態に移行し、追加的に付与された時間短縮遊技も終了した途端、遊技を止めてしまうこともあり、店舗におけるパチンコ機2の稼働率の向上を図るのが難しいという問題があった。
【0046】
そこで、高確率大当たりとして、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率状態であることを遊技者に認識させる確定高確率大当たり(確変当たり)と、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率状態であるか通常確率状態であるかを遊技者に認識困難とさせ、見かけ上、高確率大当たりと判断できない不確定高確率大当たり(潜伏確変)を設けることとした。かかる不確定高確率大当たりにより、高確率状態が見かけ上終了したとしても、遊技者は、まだ高確率状態が継続しているかもしれないと考え、遊技を止めることを躊躇するので、店舗におけるパチンコ機2の稼働率の向上を図ることが可能となる。
【0047】
また、大当たり遊技におけるアタッカー装置27が開放されるラウンド遊技において、アタッカー装置27の開放時間を短縮し、かつラウンド遊技を2回に抑え、大当たりが当選したことを意識させることなく、遊技状態が突然、高確率状態に変更したかのように装う所謂2ラウンド高確率大当たり遊技(突然確変または潜伏確変)を設けたパチンコ機2もある。また、大当たり当否判定部113は、大当たりではあるが通常確率状態が継続される、もしくは、高確率大当たりから通常確率大当たりに降格させるための2ラウンド通常確率大当たり(突然通常)を、2ラウンド高確率大当たりと共に抽選することで、遊技者が、2ラウンドの大当たりに当選したとしても、それが高確率大当たりなのか通常確率大当たりなのか把握できないようにしている場合もある。こうして、遊技者は、2ラウンドの大当たりに伴うアタッカー装置27の開閉に気付いたとしても、それ以後の遊技状態が高確率状態であるか通常確率状態であるか確信できないので、2ラウンドの大当たりを、高確率状態を期待できるチャンスイベントとして扱うことができ、遊技の興趣が高められる。
【0048】
このように、遊技状態が高確率状態であることを認識困難にする不確定高確率状態を設け、上述したように大当たりの遊技態様を把握させないようにすることで、高確率大当たりであるか否かの不明確性を高めることができ、見かけ上、通常確率状態であるが、実は高確率状態(不確定高確率状態)であることを、遊技者が、演出等により推測する新たな遊技性を提供することが可能となる。また、見かけ上、通常確率状態であったとしても、遊技者は、高確率状態(不確定高確率状態)であることの期待を維持しながら遊技を進めることができる。さらに、このような遊技性の向上に伴い、店舗側ではパチンコ機2の稼働率を上げることが可能となる。
【0049】
なお、本実施形態では、理解を容易にするため、不確定高確率大当たりに係る大当たり遊技終了後の不確定高確率状態を、見かけ上、通常確率状態と同じ状態として説明しているが、かかる場合に限らず、通常確率状態の演出態様および確定高確率状態の演出態様のいずれとも異なる演出態様を実行する遊技状態であり、実質的には通常確率状態または不確定高確率状態のいずれかである特別な遊技状態としてもよく、遊技者は、かかる特別な遊技状態に移行したことによって、現在の遊技状態が、単に通常確率状態と同じ状態であるときと比べ、不確定高確率状態であることをより期待することができる。
【0050】
また、このような特別な遊技状態を、演出態様がそれぞれ相異なるように複数設け、その複数の特別な遊技状態それぞれにおける通常確率状態と不確定高確率状態との比率を異ならせることで、その特別な遊技状態が不確定高確率状態であることの期待度に変化をもたらすこともできる。遊技者は、そのような特別な遊技状態に移行したことで、現在の遊技状態が不確定高確率状態であることを期待すると共に、不確定高確率状態であることの期待度が高い特別な遊技状態に移行することで、早期に大当たりに当選することを期待することができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。
【0051】
また、大当たり遊技のラウンド数に関しても、実際は、ラウンド数が比較的多い大当たりに当選しているにも拘わらず、大当たり当選時には、ラウンド数が比較的少ない大当たりに当選したかのような演出を行っておいて、その少ないラウンド数が完了する際に、ラウンド数の追加を示す演出と共に、その大当たりが、ラウンド数が比較的多い大当たりに昇格したかのような演出を行うことができる。このような昇格演出により、遊技者は、ラウンド数は少ないものの大当たりに当選したことに喜びつつ、大当たり遊技の進行中に、さらに、ラウンド数が比較的多い大当たりに昇格したことの喜びを得ることができる。また、遊技者は、ラウンド数が比較的少ない大当たりに当選したとしても、ラウンド数が比較的多い大当たりに昇格するのではと期待して大当たり遊技を進めるので、大当たり遊技自体の遊技性を高め、遊技者をパチンコ機2の遊技に集中させることが可能となる。
【0052】
ここで、遊技者が、特別図柄表示装置28の特別図柄を参照することにより、大当たりの遊技態様を容易に把握できるとなると、上述したような遊技性を損なうことになりかねない。そこで、大当たりの当否やその遊技態様を把握させないようにしている。
【0053】
遊技コマンド決定部130は、変動パターン用乱数発生部131と、変動パターン用乱数取得部132と、変動パターンコマンド決定部133とを備えている。変動パターン用乱数発生部131は、周期的(例えば、200マイクロ秒毎)に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(例えば、0〜63まで)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数(変動パターン用乱数)を生成する。変動パターン用乱数取得部132は、始動入賞口23に遊技球が入賞し、始動入賞口検知センサ60からの検知信号が主制御処理部50に入力されたタイミングで、変動パターン用乱数発生部131により発生した変動パターン用乱数の中から1つの変動パターン用乱数を取得(ラッチ)する。
【0054】
変動パターンコマンド決定部133は、特別図柄用乱数取得部112が取得した特別図柄用乱数と変動パターン用乱数取得部132が取得した変動パターン用乱数とに基づき、コマンド参照テーブル171を用いて、変動パターンコマンド(遊技コマンド)の変動パターンNo.を決定する。ここで、コマンド参照テーブル171は、図8(a)〜(c)に示すように、特別図柄用乱数取得部112が取得した特別図柄用乱数が高確率大当たりである場合に用いられる高確率大当たり時参照テーブル171aと、通常確率大当たりである場合に用いられる通常確率大当たり時参照テーブル171bと、ハズレである場合に用いられるハズレ時参照テーブル171cとから構成され、高確率大当たり時参照テーブル171aには、遊技コマンドである変動パターンNo.1〜64までが割り当てられ、通常確率大当たり時参照テーブル171bには、遊技コマンドである変動パターンNo.65〜128までが割り当てられ、ハズレ時参照テーブル171cには、遊技コマンドである変動パターンNo.129〜192までが割り当てられている。
【0055】
変動パターンコマンド決定部133は、特別図柄用乱数取得部112が取得した特別図柄用乱数が確定高確率大当たりである場合には、高確率大当たり時参照テーブル171aを用いて、変動パターンNo.1〜64の中から、変動パターン用乱数取得部132が取得した変動パターン用乱数に対応付けられた1の変動パターンコマンド(遊技コマンド)の変動パターンNo.を決定して、その変動パターンNo.を変動パターンコマンドとして演出制御処理部210に送信する。変動パターンコマンド決定部133は、特別図柄用乱数が、通常確率大当たりやハズレを示す場合も、高確率大当たり同様に、変動パターンNo.を決定して、その変動パターンNo.を変動パターンコマンドとして演出制御処理部210に送信する。
【0056】
大当たり遊技制御部140は、特別図柄用乱数取得部112が取得した特別図柄用乱数が大当たりであれば、その大当たりの遊技態様に基づいてアタッカー装置27を開放する。
【0057】
普通図柄抽選部150は、普通図柄用乱数発生部151と、普通図柄用乱数取得部152と、普通図柄当否判定部153と、普通図柄用保留球乱数記憶部154とを備えている。普通図柄用乱数発生部151は、周期的に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数(普通図柄用の乱数)を発生する。普通図柄用乱数取得部152は、スルーチャッカ25を遊技球が通過したことを契機に(スルーチャッカ検知センサ61からの検知信号が主制御処理部50に入力されたタイミングで)、普通図柄用乱数を1つ取得(ラッチ)する。普通図柄当否判定部153は、この普通図柄用乱数取得部152が取得した普通図柄用乱数が普通図柄当たりであるか否かを、普通図柄判定テーブルを参照して決定し、決定結果を普通図柄当否コマンドとして電動チューリップ作動制御部160に送信する。普通図柄用保留球乱数記憶部154は、普通図柄用乱数取得部152が普通図柄用乱数を取得したときに普通図柄が変動中であった場合に、この取得した普通図柄用乱数を普通図柄用保留球乱数として記憶する。
【0058】
電動チューリップ作動制御部160は、普通図柄当否判定部153が普通図柄用乱数を普通図柄当たりであると判定すると、普通図柄当たりを示す普通図柄当否コマンドに基づき、通常は閉止状態の電動チューリップ26のソレノイドに通電して開閉するよう制御する。このように電動チューリップ26が開口すると、閉口時と比較して始動入賞口23bへの入賞が容易となるので、遊技者は多くの抽選機会を得ることができる。
【0059】
また、大当たり当否判定部113が遊技態様として高確率状態や通常確率状態に時間短縮遊技を付与した場合、電動チューリップ作動制御部160は、電動チューリップ26を作動して始動入賞口23bへの入賞契機を高める。かかる入賞契機は、普通図柄抽選部150において普通図柄当たりの当選確率を高めたり、普通図柄に係る電子抽選で当たりとなった場合の電動チューリップ26の開放時間を長くしたり、開閉回数を増やしたり、普通図柄に係る電子抽選に要する時間を短くして単位時間当たりの抽選回数を増やしたりすることで高めることができる。このような時間短縮遊技は、電チューサポートとも呼ばれ、高確率状態では長く(例えば、次回の大当たりまで)設定される場合もあるので、上述したような、不確定高確率状態において、それが高確率状態であることの遊技者の期待感を高める役も担っている。
【0060】
(副制御処理部51)
続いて、図5、図9〜12を用い、副制御処理部51の処理について説明する。副制御処理部51は、中央処理装置(CPU)、副制御処理部51を動作するためのプログラム等を格納したROM、ワークエリアとして利用されるRAM等を含む半導体集積回路で構成され、主制御処理部50からの指令(コマンド)を受けて、各種装置を制御する。特に副制御処理部51を構成する演出制御処理部210は、主制御処理部50が生成した指令に従って、演出表示装置29、スピーカ16、ランプ部17、チャンスボタン32、操作部33、その他の演出装置の制御を行っている。
【0061】
演出制御処理部210は、特別図柄保持部(特別図柄保持手段)211と、符号化映像表示制御部(符号化映像表示制御手段)212と、高確率状態抽選部213と、高確率状態判定部214と、演出態様決定部215と、演出表示制御部216と、演出変更制御部(演出変更制御手段)217と、ランプ制御処理部218とを備えており、必要に応じて、別途記憶されている高確率状態判定テーブル220、演出テーブル230等がそれぞれの処理に用いられる。
【0062】
特別図柄保持部211は、操作部33を通じて、遊技者によるレベル識別子の入力を受け付けると、遊技者が当該パチンコ機2において遊技を開始すると認識し、それ以降に発生する大当たりの特別図柄の表示パターン等の様々な情報を、例えば、副制御処理部51を構成するRAMに保持する。ここで保持する情報は、大当たりの特別図柄の表示パターンに加え、大当たりに当選するまでの電子抽選の抽選回数、その大当たりの遊技態様の内容(ラウンド数、時短の有無、高確率大当たりであるか否か等)、その遊技態様が選択される頻度(レア度)、大当たりに当選したときの時刻、その大当たりに用いられた変動パターンコマンド、その変動パターンの変動時間、その大当たりに用いられた予告演出(予告演出が変動パターンコマンドと独立して抽選される場合)等である。また、レベル識別子がパチンコ機2に入力されると、特別図柄保持部211は、特別図柄の表示パターン等を保持し始めると共に、遊技者が当該マイパチ機能を実行中であることを示す指標を演出表示装置29等に表示する。ここで、指標の表示は、演出表示装置29、他の表示装置、ランプ部17等を通じた、少なくとも遊技者が視覚的に把握できる報知態様であって、例えば、マイパチ機能の実行時に、演出表示装置29としての液晶表示器に特定の色の縁取りを施したり、演出表示装置29において「マイパチ実行中」等の演出表示を行ったり、ランプ部17の装飾パターンや発光色を、マイパチ機能を実行していないときと異ならせたり、マイパチ機能専用のランプを点灯または点滅させたり、ハンドル14を装飾するランプの装飾パターンや発光色を、マイパチ機能を実行していないときと異ならせたりすることである。また、ここでは、マイパチ機能が実行中であることを視覚的に表したが、効果音や楽音等を、マイパチ機能を実行していないときと異ならせ、当該マイパチ機能を実行中であることを聴覚的に報知してもよい。このようにマイパチ機能を実行中であることを報知する構成により、遊技者は、特別図柄の表示パターンが確実に保持されているのを視覚的または聴覚的に確認でき、安心して遊技を継続することができる。
【0063】
また、特別図柄保持部211は、操作部33を通じて、遊技者による符号化映像の表示を指示する入力を受け付けると、遊技者が当該パチンコ機2において遊技を終了すると認識し、レベル識別子が入力された時点(遊技開始時)から符号化映像の演出表示装置29への表示が指示された時点(遊技終了時)までの特別図柄の表示パターン等の情報を符号化映像表示制御部212に送信する。
【0064】
ここで、レベル識別子は、後述する情報蓄積サーバ5に蓄積されたパターン情報の蓄積内容に基づいて情報蓄積サーバ5によって決定される蓄積レベルを一意に特定する識別子である。また、パターン情報は、パチンコ機2において取得可能な様々な情報であり、少なくとも、特別図柄表示装置28に停止表示された特別図柄の表示パターンを特定する情報を含む。蓄積レベルは、パターン情報の蓄積具合を客観的に判断できる指標である。したがって、レベル識別子は、少なくとも、遊技者が個々に蓄積している特別図柄の表示パターン(パターン情報)の蓄積具合(蓄積レベル)を特定することができる。また、本実施形態においては、特別図柄の表示パターンを、遊技者毎に独立して、かつ継続的に情報蓄積サーバ5に蓄積させるため、レベル識別子には、遊技者または遊技者が所有する情報端末3を特定する遊技者識別子が関連付けられている。
【0065】
ここでは、遊技者が当該マイパチ機能を利用するため、レベル識別子を有していることを前提としている。したがって、パチンコ機2において初めてマイパチ機能を利用する場合、遊技者は、情報蓄積サーバ5に自身の遊技者識別子を登録してレベル識別子を発行させる必要がある。
【0066】
また、上述した蓄積レベルは、蓄積されたパターン情報中の表示パターンの数に対応して例えば段階的な数値で示されてもよいし、パターン情報の蓄積具合そのものによって示されてもよい。前者の場合、パターン情報中の相異なる表示パターンの数が例えば10、20、30、…と増える毎に蓄積レベルが1、2、3、…と段階的に上がる。また、後者の場合、準備された全ての表示パターンのうち蓄積されたパターン情報中の表示パターンに対応する表示パターンのフラグを立てることで蓄積具合そのものが示される。このため、後者では、蓄積レベルを表すのに、少なくとも準備された表示パターンの最大数に相当するビットが必要となる。
【0067】
また、後述するように、蓄積されたパターン情報中の特別図柄の表示パターンが、予め定められた複数の条件を満たしているか否か判定される場合において、蓄積レベルは、パターン情報の蓄積具合に加えて、または代えて、蓄積されたパターン情報によって特定される特別図柄の表示パターンが満たした条件に基づいて決定されてもよい。このときも、蓄積レベルは、満たした条件の数に対応して例えば段階的な数値で示されてもよいし、条件の満たし具合そのものによって示されてもよい。
【0068】
上述したように、遊技者は、遊技を開始する際、パチンコ機2に設けられた操作部33を通じて、まず、レベル識別子を入力する。以下、図面を用いてレベル識別子の具体的な入力操作を説明する。
【0069】
図9は、操作部33を通じたレベル識別子の入力操作を説明するための説明図である。ここでは、レベル識別子を「パスワード」として入力する。特別図柄保持部211は、遊技者による操作部33の操作入力を契機に、演出表示装置29の演出表示を、図9に示すような、レベル識別子の入力画面に変更する。遊技者は、操作部33の十字キーを操作して、入力画面の文字選択ウィンドウ240から該当する文字または数値を選択する。特別図柄保持部211は、選択された文字または数値をパスワード入力ウィンドウ241に表示させ、遊技者にレベル識別子を正しく選択するよう促す。選択が完了すると、遊技者は、文字選択ウィンドウ240の「決定」を選択し、レベル識別子の入力が完了する。
【0070】
操作部33を通じた、このようなレベル識別子の入力や後述する符号化映像の表示を指示する入力は、例えば、遊技の待機画面(デモ画面)中等の遊技が実行されていない間に行われるよう構成してもよい。これは、例えば、遊技が実行されていない間のみ操作部33への入力を有効にすることで実現できる。この場合、保留球乱数記憶部114が特別図柄用乱数を保留球乱数として記憶している間、および、特別図柄表示装置28において特別図柄が変動している間も、操作部33を有効にしないとする。したがって、遊技者は、保留球が存在するか、特別図柄表示装置28が変動中であれば、レベル識別子の入力や符号化映像の表示を指示する入力ができないこととなる。これは、遊技が完了していない状態、即ち、まだ大当たりに当選する可能性がある状態において、新たに遊技を開始したり、遊技を終了したりするのを回避するためである。遊技者は、操作部33の入力が有効になってさえいれば、自身の所望するタイミングでレベル識別子の入力や符号化映像の表示を指示する入力を行うことができる。
【0071】
また、ここでは、遊技者が入力手段としての操作部33を通じてレベル識別子を入力する例を挙げたが、かかる場合に限られず、パチンコ機2に入力手段として符号化映像を撮像する撮像装置を設け、情報端末3に表示した、レベル識別子を示す符号化映像をそのパチンコ機2の撮像装置に翳して、レベル識別子をパチンコ機2に入力するとしてもよい。この場合、操作部33を通じて手入力するより手間を省くことができ、また、入力ミス等を回避することができる。
【0072】
符号化映像表示制御部212は、遊技者による符号化映像の表示を指示する入力を受けた特別図柄保持部211から特別図柄の表示パターン等の情報を受信すると、特別図柄の表示パターン等の情報を特定するパターン情報と、パターン情報の蓄積に用いられる遊技者識別子とを符号化した符号化映像を生成し、演出表示装置29に表示させる。遊技者は、かかる符号化映像を自身が所有する情報端末3に取り込み、符号化映像を復号したパターン情報を情報蓄積サーバ5に蓄積する。ここで、符号化映像は、例えば、QRコードやバーコードである。QRコードやバーコードの生成は既存の様々な方法を利用することができるので、ここではその生成についての詳細な説明を省略する。
【0073】
ここで符号化映像を、情報の変更が困難なQRコードやバーコードとしたのは以下の理由による。即ち、本実施形態のように、特別図柄の表示パターンが予め定められた条件を満たせば任意の特典を得ることができたり、蓄積されたパターン情報が高い信憑性をもって本人が出現させた表示パターンであることを証明する場合において、パチンコ機2から情報端末3に情報を移す際に、遊技者の手入力による打ち間違えが生じたり、情報を改竄することが可能であるとすると、不正に特典を得ることができたり、蓄積されたパターン情報の信憑性が薄くなるからである。
【0074】
かかる符号化映像には、パターン情報として、特別図柄保持部211から送信された、大当たりの特別図柄の表示パターン、大当たりに当選するまでの電子抽選の抽選回数、その大当たりの遊技態様の内容、その遊技態様が選択される頻度、大当たりに当選したときの時刻、その大当たりに用いられた変動パターンコマンド、その変動パターンの変動時間、その大当たりに用いられた予告演出等を含めることができる。
【0075】
このような特別図柄としての多数の表示パターンは、その存在自体が遊技性を生じさせ、遊技者は、その特別図柄の表示パターンに対して一喜一憂することとなる。また、表示パターンはその表示態様により無数に形成することが可能なので、任意の表示パターンの出現頻度を極めて低く設定し、表示パターン自体の希少価値を高めることもできる。遊技者は、このような希少価値の高い特別図柄の表示パターンが出現すると、表示パターンに対応した遊技態様もさることながら、その表示パターンの出現自体に高揚することとなる。本実施形態における遊技システム1では、特別図柄の表示パターンを特定するパターン情報を符号化映像として情報端末3に取り込み、情報蓄積サーバ5に蓄積することができるので、特別図柄の表示パターンを表示させた実歴を自身の遊技履歴として残し、また特別図柄の表示パターンを収集することができる。このような特別図柄の表示パターンの収集を遊技の目的の1つとして遊技者に提供することで、当該機能を搭載したパチンコ機2の再遊技を促すことが可能となる。また、本実施形態の遊技システム1では、情報の変更が困難な符号化映像を通じてパターン情報を蓄積するので、その蓄積されたパターン情報が、遊技者自身が出現させた表示パターンを含むパターン情報であることを高い信憑性をもって証明することができる。したがって、遊技者は、蓄積されたパターン情報や蓄積レベルを第三者に閲覧させ、その実歴に対して優越感に浸ることができる。
【0076】
高確率状態抽選部213は、大当たり当否判定部113が、特別図柄用乱数が高確率大当たりを示す乱数であると判定した場合、「00」〜「99」の状態乱数から1の状態乱数を無作為に抽出する電子抽選を行い、1の状態乱数を高確率状態判定部214に送信する。かかる状態乱数は、高確率状態判定部214において、上述した確定高確率大当たりと不確定高確率大当たりとを判定するために用いられる。
【0077】
高確率状態判定部214は、確定高確率大当たりと不確定高確率大当たりとを振り分けている。具体的に、高確率状態判定部214は、図10に示す高確率状態判定テーブル220aを参照し、高確率状態抽選部213が抽出した状態乱数が、確定高確率大当たり、または、不確定高確率大当たりを示す乱数であるか否かを判定する。仮に、状態乱数が「20」であるとすると、高確率状態判定テーブル220aにおいて確定高確率大当たりを示す「00〜49」の範囲に含まれているので、電子抽選の結果は確定高確率大当たりとなる。また、状態乱数が「70」であるとすると、高確率状態判定テーブル220aにおいて不確定高確率大当たりを示す「50〜99」の範囲に含まれているので、電子抽選の結果は不確定高確率大当たりとなる。また、ここでは、1の高確率状態判定テーブル220aを例示しているが、かかる場合に限らず、例えば、当該高確率大当たりにかかる入賞が始動入賞口23aと始動入賞口23bとのいずれであるかに応じて、確定高確率大当たりと不確定高確率大当たりとの比率を異ならせてもよい。
【0078】
演出態様決定部215は、まず、大当たり当否判定部113の判定結果と、高確率状態判定部214の判定結果に基づき、遊技状態をその大当たりの遊技態様に応じて変更する。例えば、大当たり当否判定部113で高確率大当たりと判定され、高確率状態判定部214で確定高確率大当たりと判定された場合、遊技状態を確定高確率状態に変更し、大当たり当否判定部113で高確率大当たりと判定され、高確率状態判定部214で不確定高確率大当たりと判定された場合、遊技状態を不確定高確率状態に変更し、大当たり当否判定部113で通常確率大当たりと判定された場合、遊技状態を通常確率状態に変更する。
【0079】
そして、演出態様決定部215は、遊技コマンド決定部130から受信した変動パターンコマンドと、高確率状態判定部214の判定結果に基づき、図11に示す演出テーブル230(高確率大当たり時演出テーブル230a、通常確率大当たり時演出テーブル230b、ハズレ時演出テーブル230c)を参照して、遊技に用いる演出を決定している。ここで、高確率大当たり時演出テーブル230aは、図11(a)に示すように、変動パターンNo.1〜No.64までの変動パターンコマンドに1対1で対応するように演出態様が割り当てられている。例えば、変動パターンNo.1には「ロングリーチA」が、変動パターンNo.30には「超スーパーリーチA」が割り当てられている。これらの演出態様は全てリーチ(複数の演出図柄のうち、まだ変動中である演出図柄の停止態様によっては、それが大当たりを示す演出図柄の組み合わせと成り得る演出)を含んでおり、リーチを含まない演出に比べて長時間の演出が行われる態様となっている。また、通常確率大当たり時演出テーブル230bは、図11(b)に示すように、変動パターンNo.65〜No.128までの変動パターンコマンドに1対1で対応するように演出態様が割り当てられており、一部(「プレミアリーチA」等)を除いて高確率大当たり時演出テーブル230aとほぼ等しい演出態様が選択される。したがって、演出態様として「プレミアリーチA」が選択された場合、遊技状態が高確率状態であったことが確定する。
【0080】
ハズレ時演出テーブル230cは、図11(c)に示すように、変動パターンNo.129〜No.192までの変動パターンコマンドに1対1で対応するように演出態様が割り当てられている。例えば、変動パターンNo.129には「リーチなしA」が、変動パターンNo.144には「ノーマルリーチA」が、変動パターンNo.149には「ロングリーチA」が、変動パターンNo.192には「超スーパーリーチB」が割り当てられている。このハズレ時演出テーブル230cでは、リーチなしの演出が多数含まれた構成となっている。
【0081】
また、演出態様決定部215は、演出態様のみならず、演出表示装置29において演出態様の背景にあたる背景態様も遊技状態に応じて決定する。演出態様決定部215は、通常確率状態や不確定高確率状態であれば、背景態様を、通常背景、例えば、全体的に青色や緑色といった落ち着きのある背景色または朝や昼を連想する背景描画とし、確定高確率状態であれば、高確率確定背景、例えば、赤色や紫色といった興奮を誘う背景色または夕方や夜を連想する背景描画とする。このように電子抽選毎に態様が変化する演出態様ではなく、継続的に表示される背景態様で遊技状態を示すことで、遊技者は、現在の遊技状態を容易に認識することができる。ただし、不確定高確率状態は、高確率状態ではないように見せるため、意図的に通常確率状態と同一の背景態様としている。
【0082】
演出表示制御部216は、演出態様決定部215が決定した演出態様および背景態様を演出表示装置29に表示するよう制御する。
【0083】
演出変更制御部217は、操作部33等の入力手段を通じて入力されたレベル識別子に応じ、遊技で用いられる特典として、演出表示装置29に表示する演出を変更または追加する。このような遊技で用いられる特典は、演出の変更と演出の追加に分けられる。
【0084】
具体的に、演出変更制御部217は、演出の変更として、副制御処理部51で用いられる高確率状態判定テーブル220、演出テーブル230等のテーブルの置換を行う。
【0085】
図12は、テーブルの置換を説明するための説明図である。例えば、レベル識別子に応じて、図10に示した高確率状態判定テーブル220aを図12(a)の高確率状態判定テーブル220bに置換した場合、確定高確率大当たりと、不確定高確率大当たりとの出現比率を、例えば確定高確率大当たりの出現比率が高くなるように変更することができる。遊技者は、確定高確率大当たりの出現比率が高くなることで、より安心して遊技を継続することができる。また、レベル識別子に応じて、図11(a)に示した高確率大当たり時演出テーブル230aを図12(b)の高確率大当たり時演出テーブル230dに置換した場合、演出態様として「プレミアリーチB」の出現頻度が高くなったり、高確率大当たり時演出テーブル230aでは出現することのない、新たな「プレミアリーチC」が出現することとなる。こうして、遊技者による遊技の興趣が高められ、遊技者は、レベル識別子のさらなる進展を望むこととなり、ひいては、当該機能を搭載したパチンコ機2の再遊技を促すことが可能となる。
【0086】
具体的には、このようなテーブルの置換によって、演出表示装置29における演出図柄の変更、リーチ演出中のキャラクタの変更、保留球図柄の変更、キャラクタの声やセリフの変更、効果音の変更、楽曲の変更、役物の動作の変更、予告演出が変動パターンコマンドと独立して抽選されている場合における予告演出の変更等、演出の変更が為される。また、大当たり確定演出の出現確率、高確率大当たりを報知する演出の出現確率、高確率大当たりを報知するタイミングの比率等を変更することもできる。
【0087】
なお、ここでは、レベル識別子に応じて、一意にテーブルを置換する例を挙げたが、かかる場合に限られず、例えば、レベル識別子に応じて、遊技者にテーブルの選択権を付与してもよい。例えば、レベル識別子が予め定められた所定の閾値を超えると、遊技者は、演出テーブル230を選択することが可能となり、例えば、図11に示した演出テーブル230では出現しないプレミアリーチを含む演出テーブル230を選択したり、所望のキャラクタの出現頻度が高い、または所望のキャラクタのみ出現する演出テーブル230を選択することができる。さらに、高確率大当たりを報知するタイミングの比率等も選択することができ、遊技者は、高確率大当たりを報知するタイミングを早めるテーブルを選択することで、早期の段階で高確率大当たりを把握することができ、安心して遊技を続けることができる。
【0088】
また、演出変更制御部217は、演出の変更に加えて、また代えて、新たな演出を追加することもできる。演出変更制御部217は、レベル識別子に応じて、例えば、リーチ演出が最終的に大当たりとなる信頼度を演出表示装置29に表示する。このとき信頼度を具体的な数値で示してもよいが、大凡の信頼度を、例えば、星の数に見立てて表示してもよい。また、演出変更制御部217は、レベル識別子が予め定められた所定の閾値を超えると、遊技球の貸し出しおよび払い出し数と電子抽選の抽選回数とから換算された、所定の貸し出し数に対する抽選回数(所謂、回転数)を演出表示装置29に表示することもできる。遊技者は、かかる抽選回数を確認することで、そのパチンコ機2での遊技を継続すべきか否か判断することができる。さらに、演出変更制御部217は、レベル識別子が予め定められた所定の閾値を超えると、情報蓄積サーバ5に蓄積されたパターン情報によって特定される全ての特別図柄の表示パターンとそれに対応する遊技態様を一覧にして演出表示装置29に表示することができる。遊技者は、かかる表示パターン一覧を閲覧することで、過去に表示された表示パターンを視覚的に確認でき、また、新たに特別図柄表示装置28に表示された特別図柄の表示パターンと同一の表示パターンがその一覧にあれば、その表示パターンの遊技態様を容易に把握することが可能となる。
【0089】
ランプ制御処理部218は、演出表示制御部216同様、演出態様決定部215が決定した演出態様および背景態様を受けてランプ部17や電飾の点灯制御を行う。
【0090】
(特別図柄表示制御部52)
特別図柄表示制御部52は、主制御処理部50の特別図柄決定部120が決定した特別図柄を示すコマンドと、遊技コマンド決定部130が決定した変動パターンコマンドに基づき、特別図柄表示装置28に特別図柄を所定の時間だけ変動させた後に停止させる態様で特別図柄決定部120が決定した特別図柄を表示する。
【0091】
(普通図柄表示制御部53)
一方、普通図柄表示制御部53は、普通図柄抽選部150による普通図柄に係る抽選結果を示すコマンドを受け、そのコマンドに基づいて普通図柄表示装置34に普通図柄を変動させた後に停止させる態様で表示するよう制御する。なお、普通図柄表示制御部53は、上述した特別図柄表示制御部52による表示制御と比べて表示する図柄の対象が相違するものの、表示制御の基本構成はほぼ同じである。
【0092】
(払出制御処理部54)
払出制御処理部54は、CRユニットに接続された球貸信号制御装置37からの球貸指令を受けて遊技球を遊技者に貸し出すように賞球払出装置38を制御する他、主制御処理部50からの払出指令を受けて、所定個数の賞球を遊技者に対して払い出すように賞球払出装置38を制御する。この賞球払出装置38は、遊技球を1個ずつ保持する切欠きが形成されたスプロケット(図示せず)と、このスプロケットを回転させるモータ(図示せず)とを備えて構成されている。そして、モータの回転を制御することにより、必要な数だけ賞球を払い出すことができるようになっている。具体的には、始動入賞口検知センサ60、一般入賞口検知センサ62、大入賞口検知センサ63等が遊技球の通過を検知すると、賞球払出装置38は、主制御処理部50を経由して受けたコマンドに基づき遊技球を払い出す。
【0093】
(発射制御処理部55)
発射制御処理部55は、ハンドル14の回動量に対応して、発射装置9に対する作動の制御を行う装置である。より具体的に言うと、発射装置9に対して通電させたり、通電を停止したり、あるいは、通電電流を変化させるといった制御処理を行う。なお、この発射制御処理部55は、払出制御処理部54と接続されており、CRユニットが接続されていない場合に発射停止信号が受信されるようになっている。
【0094】
(情報端末3)
図13は、情報端末3の電気的構成を示した機能ブロック図である。情報端末3は、操作部310と、端末表示装置311と、撮像装置312と、端末通信装置313と、端末制御部314とを含んで構成される。
【0095】
操作部310は、キーボード、十字キー、ジョイスティック、タッチパネル等で構成され、遊技者の操作入力を受け付ける。端末表示装置311は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成され、任意の映像を表示する。撮像装置312は、撮像レンズや、撮像レンズを通じて入射した光を光電変換し映像データにA/D変換してデータ化する撮像素子等で構成され、パチンコ機2の演出表示装置29に表示された符号化映像を撮像し符号化映像データを生成する。また、このような撮像装置312による符号化映像の撮像に代え、赤外線通信、近距離通信、Bluetooth(登録商標)等を利用してパターン情報を取得してもよい。端末通信装置313は、通信網4を介して情報蓄積サーバ5と通信を確立する。端末制御部314は、中央処理装置(CPU)、端末制御部314を動作するためのプログラム等を格納したROM、一時的なデータ保存およびワークエリアとして利用されるRAM等を含む半導体集積回路により、情報端末3全体を管理および制御する。また、端末制御部314は、パターン情報抽出部(パターン情報抽出手段)320、パターン情報送信部(パターン情報送信手段)321、閲覧コマンド送信部(閲覧コマンド送信手段)322、端末表示制御部(端末表示制御手段)323、参照コマンド送信部(参照コマンド送信手段)324としても機能する。
【0096】
パターン情報抽出部320は、符号化映像データを復号してパターン情報と遊技者識別子とを抽出する。符号化映像データ、特にQRコードの復号は、QRコードの復号サービスを行っているWebサイトも存在するため、パターン情報抽出部320は、自体で符号化映像データを復号できない場合であっても、このようなWebサイトを通じてQRコードを復号することができる。パターン情報送信部321は、抽出されたパターン情報と遊技者識別子とを端末通信装置313を通じて情報蓄積サーバ5に送信する。情報蓄積サーバ5では、送信されたパターン情報を遊技者識別子に関連付けて蓄積する。かかる構成により、遊技者は、情報端末3を通じて、特別図柄の表示パターンを表示させた実歴を自身の遊技履歴として情報蓄積サーバ5に残すことができる。また、パターン情報抽出部320が復号した情報にパターン情報や遊技者識別子が含まれていない場合、即ち、遊技者が当該マイパチ機能に初めて登録する場合、パターン情報送信部321は、登録コマンドのみを情報蓄積サーバ5に送信する。
【0097】
閲覧コマンド送信部322は、遊技者識別子を用いて、パターン情報の閲覧コマンドを、端末通信装置313を通じて情報蓄積サーバ5に送信する。情報蓄積サーバ5は、パターン情報の閲覧コマンドに応じてパターン情報を情報端末3に送信する。端末表示制御部323は、パターン情報の閲覧コマンドに応じ、端末通信装置313を通じて情報蓄積サーバ5から受信したパターン情報を端末表示装置311に表示させる。このとき、端末表示制御部323は、図14に示すように、取得し得る全ての表示パターンの枠のみをマトリクス状に表示し、そのうちの蓄積されたパターン情報によって特定される表示パターン242のみをフォーカスして端末表示装置311に表示してもよい(穴埋めアルバム)。かかる構成により、遊技者は、情報蓄積サーバ5に蓄積された、自身が表示させた特別図柄の表示パターンを閲覧することが可能となる。このように、特別図柄の表示パターンの収集を遊技の目的の1つとして遊技者に提供することで、当該機能を搭載したパチンコ機2の再遊技を促すことが可能となる。
【0098】
また、情報蓄積サーバ5が、パターン情報の閲覧コマンドに応じて、パターン情報と共に、そのパターン情報中の特別図柄の表示パターンによって特定される特別図柄の遊技態様も送信すると、遊技者は、情報端末3を通じて、自身が過去に表示したことのある特別図柄の表示パターンについて、遊技態様を把握することができる。
【0099】
上述したように、本実施形態のパチンコ機2では、特別図柄表示装置28における特別図柄の表示パターンを多数かつ複雑にすることで、意図的に大当たりの遊技態様を遊技者が把握できないようにし、遊技者が、演出等によりその遊技態様を推測する新たな遊技性を提供している。したがって、演出表示装置29において通常確率大当たりであることが報知されたとしても、その大当たりが高確率大当たりである可能性が残っている間、本来獲得できるはずの賞球をみすみす逃すといった事態に陥るのを防ぐために、遊技者は、遊技の継続を強いられるといった見方もある。そこで、遊技者によっては、大当たりの遊技態様を早期に見極めたいといった要望もある。ここでは、過去に出現させたことのある特別図柄の表示パターンに関し、遊技者は、情報端末3を通じて、その遊技態様を迅速かつ確実に把握し、安心して遊技を継続することが可能となるので、パチンコ機2の稼働率の向上を図ることができる。
【0100】
また、大当たりの遊技態様を早期に見極めることが可能となるので、遊技者は、遊技状態が不明なまま遊技を止めてしまい、遊技を止めた後に他の遊技者が同じパチンコ機2において遊技を開始し、遊技者自身が獲得したのであろう高確率状態の特典を他の遊技者に奪われるといった、遊技者の悔しい思いを回避することができる。即ち、適切な止め時を判断することが可能となる。さらに、遊技態様を把握した結果が、例えば、不確定高確率大当たり(潜伏確変)であった場合、遊技者は、現在の遊技状態が高確率状態であることを確信することが可能となり、優越感に浸りながら遊技を継続することができる。
【0101】
また、上述したように、従来における、大当たりの遊技態様を意図的に不明確にし、遊技者が、演出等によりその遊技態様を推測する遊技性は残っており、本実施形態による遊技態様確認機能の利用を強要するものでもないので、遊技者は、敢えて遊技態様を把握できない状態で遊技を継続することができる。したがって、本実施形態では、遊技態様を把握せず、遊技状態が遊技者にとって有利な状態であることの期待感を持続させるという遊技性と、遊技態様を早期に把握して遊技を継続するか否かを迅速に判断するといった遊技性とを、遊技者が自由に選択することが可能となる。
【0102】
さらに、情報蓄積サーバ5が、パターン情報の閲覧コマンドに応じて、パターン情報と共に、そのパターン情報によって特定される特別図柄の表示パターンの表示履歴も送信すると、遊技者は、情報端末3を通じて、自身が過去に表示したことのある特別図柄の表示パターンの表示履歴に基づいて、そのパチンコ機2の遊技仕様を解析することができる。
【0103】
また、情報蓄積サーバ5が、パターン情報の閲覧コマンドに応じて、パターン情報と共に、そのパターン情報中の特別図柄の表示パターンの出現頻度も送信すると、遊技者は、情報端末3を通じて、自身が過去に表示したことのある特別図柄の表示パターンの出現頻度を参照し、その希少価値を確認したり、第三者に、その希少価値が情報蓄積サーバ5によって証明される形でその出現頻度を閲覧させることが可能となり、優越感に浸ることができる。
【0104】
また、情報端末3では、レベル識別子が予め定められた所定の閾値を超えると、情報端末3上で利用できる特典を得ることができる。かかる情報端末3上で利用できる特典としては、例えば、パチンコ機2やそのパチンコ機2に用いられているキャラクタの情報、パチンコ機2の攻略情報、未公開情報、パチンコ機2の基本仕様、パチンコ機2に関する着メロ、着ボイス、着信音、着信画像、楽曲、待ち受け画面、アイコン等の情報がある。
【0105】
参照コマンド送信部324は、遊技者識別子を用いて、蓄積レベルの参照コマンドを、端末通信装置313を通じて情報蓄積サーバ5に送信する。このとき、端末表示制御部323は、蓄積レベルの参照コマンドに応じ、端末通信装置313を通じて情報蓄積サーバ5から受信した、レベル識別子を端末表示装置311に表示させる。そして遊技者は、端末表示装置311に表示されたレベル識別子を、入力手段としての例えば操作部33を通じてパチンコ機2に入力し、パチンコ機2の特別図柄保持部211は、当該マイパチ機能による表示パターン等の保持を開始し、また、パチンコ機2の演出変更制御部217は、入力手段を通じて入力されたレベル識別子に応じて、演出表示装置29に表示する演出を変更または追加する。こうして、遊技者による遊技の興趣が高められ、遊技者は、レベル識別子のさらなる進展を望むこととなり、ひいては、当該機能を搭載したパチンコ機2の再遊技を促すことが可能となる。
【0106】
(情報蓄積サーバ5)
図15は、情報蓄積サーバ5の電気的構成を示した機能ブロック図である。情報蓄積サーバ5は、蓄積装置410と、サーバ通信装置411と、サーバ制御部412とを含んで構成される。
【0107】
蓄積装置410は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の記憶媒体で構成され、主として、複数の遊技者識別子を管理し、それぞれ遊技者識別子に関連付けてパターン情報を蓄積する。サーバ通信装置411は、通信網4を介して情報端末3と通信を確立する。サーバ制御部412は、中央処理装置(CPU)、サーバ制御部412を動作するためのプログラム等を格納したROM、一時的なデータ保存およびワークエリアとして利用されるRAM等を含む半導体集積回路により、情報蓄積サーバ5全体を管理および制御する。また、サーバ制御部412は、パターン情報蓄積部(パターン情報蓄積手段)420、閲覧コマンド応答部(閲覧コマンド応答手段)421、レベル識別子生成部(レベル識別子生成手段)422、蓄積レベル送信部(蓄積レベル送信手段)423、特典付与部424としても機能する。
【0108】
パターン情報蓄積部420は、サーバ通信装置411を通じて情報端末3から受信したパターン情報を、受信した遊技者識別子に関連付けて蓄積装置410に蓄積させる。このとき、パターン情報を受信するのが初めてであれば、即ち、情報端末3から登録コマンドのみ受信した場合、パターン情報蓄積部420は、遊技者が所有する情報端末3を特定するために遊技者識別子を生成して、蓄積装置410内にパターン情報を蓄積する領域を確保する。閲覧コマンド応答部421は、サーバ通信装置411を通じて情報端末3から受信したパターン情報の閲覧コマンドに応じ、パターン情報の閲覧コマンドに用いられている遊技者識別子に関連付けられたパターン情報を蓄積装置410から抽出して、サーバ通信装置411を通じて情報端末3に送信する。また、上述したようにパターン情報と共に、そのパターン情報中の特別図柄の表示パターンによって特定される特別図柄の遊技態様、そのパターン情報によって特定される特別図柄の表示パターンの表示履歴、または、そのパターン情報中の特別図柄の表示パターンの出現頻度等を送信する場合、閲覧コマンド応答部421は、送信時に、遊技態様の解析、表示履歴への加工、出現頻度の算出等を実行する。
【0109】
レベル識別子生成部422は、サーバ通信装置411を通じて情報端末3から受信した、蓄積レベルの参照コマンドに応じ、蓄積装置410に蓄積された、蓄積レベルの参照コマンドに用いられている遊技者識別子に関連付けられたパターン情報の蓄積内容に基づいて蓄積レベルを決定し、その蓄積レベルを一意に特定するレベル識別子を生成する。ここで蓄積レベルは、上述したように、パターン情報の蓄積具合を、蓄積されたパターン情報中の特別図柄の表示パターンの数に対応して例えば段階的な数値で示されてもよいし、パターン情報の蓄積具合そのものによって示されてもよい。また、特別図柄の表示パターンが、予め定められた複数の条件を満たしているか否か判定する場合において、蓄積レベルは、パターン情報の蓄積具合に加えて、または代えて、蓄積されたパターン情報によって特定される特別図柄の表示パターンが満たした条件に基づいて決定されてもよい。蓄積レベル送信部423は、レベル識別子を、サーバ通信装置411を通じて情報端末3に送信する。また、特典付与部424は、蓄積レベルが予め定められた複数の条件を満たした情報端末3に対して、例えば、パチンコ機2やそのパチンコ機2に用いられているキャラクタの情報、パチンコ機2の攻略情報、未公開情報、パチンコ機2の基本仕様、パチンコ機2に関する着メロ、着ボイス、着信音、着信画像、楽曲、待ち受け画面、アイコン等の情報といった特典を付与する。
【0110】
ここで、特別図柄の表示パターンによって判断される条件について説明する。条件には、「前回と異なる遊技態様を示す表示パターンを表示させる」といった単純なものから、「出現頻度が低い特定の遊技態様を特定の遊技状態中に表示させる」、「通常確率大当たりといった特定の遊技態様を5回連続で表示させる」といった複雑なものまで準備されており、条件を満たすことの難易度を変化させて、遊技性を高めている。
【0111】
さらに、条件としては、表示パターンに対応した大当たりの遊技態様の内容(ラウンド数、時短の有無、高確率大当たりであるか否か等)、演出、大当たりに当選するまでの電子抽選の抽選回数、大当たりにおける賞球の獲得数等が、単独に出現した回数、連続的に出現した回数、遊技開始から遊技終了までの総出現数等を挙げることができる。また、大当たりの遊技態様の内容、演出、大当たりに当選するまでの電子抽選の抽選回数、大当たりにおける賞球の獲得数の群から選択される複数の組み合わせが、所定の順に、単独に出現した回数、連続的に出現した回数、遊技開始から遊技終了までの総出現数等を挙げることができる。したがって、レベル識別子生成部422は、予め準備された条件それぞれを満たしたか否かの情報を含めてレベル識別子を生成する。
【0112】
かかる条件を遊技に用いることで、遊技者は、パチンコ機2での遊技において賞球を獲得する以外にも、条件を次々にクリアし、蓄積レベルが上がることに興趣を高めることができる。また、条件には難易度の高いものも含まれているので、その難易度の高い条件を満たしたときの喜びは格別になる。したがって、遊技者は、レベル識別子のさらなる進展を望むこととなり、ひいては、当該機能を搭載したパチンコ機2の再遊技を促すことが可能となる。
【0113】
(遊技方法)
図16は、本実施形態による遊技方法の一例を示したシーケンス図である。遊技者がパチンコ機2のマイパチ機能を利用したいと試みた場合、遊技者による操作部33の操作に応じて、パチンコ機2の特別図柄保持部211は、情報蓄積サーバ5にアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)を含む符号化映像を生成し、演出表示装置29に表示する(S500)。情報端末3の撮像装置312は、その符号化映像を撮像し(S501)、パターン情報送信部321は、その符号化映像データを用い、端末通信装置313を通じて登録コマンドを情報蓄積サーバ5に送信する(S502)。情報蓄積サーバ5のパターン情報蓄積部420は、登録コマンドに応じて、遊技者が所有する情報端末3を特定するために遊技者識別子を生成して、蓄積装置410内にパターン情報を蓄積する領域を確保する(S503)。こうして、マイパチ機能を利用する準備が整う。
【0114】
遊技者は、パチンコ機2の遊技を開始する際、自身の情報端末3を操作し、情報端末3の参照コマンド送信部324は、遊技者識別子を用いて、蓄積レベルの参照コマンドを、端末通信装置313を通じて情報蓄積サーバ5に送信する(S510)。情報蓄積サーバ5のレベル識別子生成部422は、サーバ通信装置411を通じて情報端末3から受信した、蓄積レベルの参照コマンドに応じ、蓄積装置410に蓄積された、蓄積レベルの参照コマンドに用いられている遊技者識別子に関連付けられたパターン情報の蓄積内容に基づいて蓄積レベルを決定し、その蓄積レベルを一意に特定するレベル識別子を生成し(S511)、蓄積レベル送信部423は、生成されたレベル識別子を、サーバ通信装置411を通じて情報端末3に送信する(S512)。情報端末3の端末表示制御部323は、端末通信装置313を通じて情報蓄積サーバ5から受信した、レベル識別子を端末表示装置311に表示させ(S513)、遊技者は、端末表示装置311に表示されたレベル識別子を、入力手段としての例えば操作部33を通じてパチンコ機2に入力する(S514)。
【0115】
パチンコ機2の特別図柄保持部211は、遊技者によるレベル識別子の入力を受け付けると、遊技者が当該パチンコ機2において遊技を開始すると認識し、以後発生した大当たりの特別図柄の表示パターンと共に、大当たりに当選するまでの電子抽選の抽選回数、その大当たりの遊技態様の内容、その遊技態様が選択される頻度、大当たりに当選したときの時刻、その大当たりに用いられた変動パターンコマンド、その変動パターンの変動時間、その大当たりに用いられた予告演出等を蓄積する(S515)。また、パチンコ機2の演出変更制御部217は、入力されたレベル識別子に応じて、演出表示装置29に表示する演出を変更または追加する(S516)。こうして、遊技者による遊技の興趣が高められ、遊技者は、レベル識別子のさらなる進展を望むこととなり、ひいては、当該機能を搭載したパチンコ機2の再遊技を促すことが可能となる。
【0116】
遊技者は、当該パチンコ機2における遊技を終了する際、操作部33を通じてその旨パチンコ機2に入力し、パチンコ機2の特別図柄保持部211は、遊技者が当該パチンコ機2において遊技を終了すると認識し、当該パチンコ機2において、レベル識別子を入力した時点(遊技開始時)から符号化映像の演出表示装置29への表示を指示した時点(遊技終了時)までの特別図柄の表示パターン等の情報を符号化映像表示制御部212に送信し、符号化映像表示制御部212は、パターン情報と遊技者識別子とを符号化し、その符号化した符号化映像を演出表示装置29に表示する(S517)。そして、遊技者による操作部310の操作入力に応じて、情報端末3の撮像装置312は、パチンコ機2の演出表示装置29に表示された符号化映像を撮像し符号化映像データを生成し(S518)、パターン情報抽出部320は、その符号化映像データを復号してパターン情報と遊技者識別子とを抽出し(S519)、パターン情報送信部321は、抽出されたパターン情報と遊技者識別子とを、端末通信装置313を通じて情報蓄積サーバ5に送信する(S520)。パターン情報蓄積部420は、サーバ通信装置411を通じて情報端末3から受信したパターン情報を、受信した遊技者識別子に関連付けて蓄積装置410に蓄積させる(S521)。
【0117】
遊技者は、情報蓄積サーバ5に蓄積されたパターン情報を参照する際、情報端末3の操作部310を操作し(S530)、情報端末3の閲覧コマンド送信部322は、遊技者識別子を用いて、パターン情報の閲覧コマンドを、端末通信装置313を通じて情報蓄積サーバ5に送信する(S531)。情報蓄積サーバ5の閲覧コマンド応答部421は、サーバ通信装置411を通じて情報端末3から受信したパターン情報の閲覧コマンドに応じ、パターン情報の閲覧コマンドに用いられている遊技者識別子に関連付けられたパターン情報を蓄積装置410から抽出して(S532)、サーバ通信装置411を通じて情報端末3に送信する(S533)。情報端末3の端末表示制御部323は、端末通信装置313を通じて情報蓄積サーバ5から受信したパターン情報を端末表示装置311に表示させる(S534)。このとき、パターン情報と共に、または単独で、情報蓄積サーバ5から、パチンコ機2やそのパチンコ機2に用いられているキャラクタの情報、パチンコ機2の攻略情報、未公開情報、パチンコ機2の基本仕様、パチンコ機2に関する着メロ、着ボイス、着信音、着信画像、楽曲、待ち受け画面、アイコン等の情報といった特典を受けることも可能である。かかる構成により、遊技者は、情報蓄積サーバ5に蓄積された、自身が表示させた特別図柄の表示パターンを閲覧することが可能となり、また、その蓄積具合によって特典を得ることができる。
【0118】
以上説明したように、本発明によれば、特別図柄の表示パターンを表示させた実歴を自身の遊技履歴として残すことができ、特別図柄の表示パターンの収集を遊技の目的の1つとして遊技者に提供することで、当該機能を搭載したパチンコ機2の再遊技を促すことが可能となる。
【0119】
また、コンピュータによって、上記パチンコ機2、情報端末3、情報蓄積サーバ5として機能するプログラムやそのプログラムを記録した記録媒体も提供される。
【0120】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0121】
なお、本明細書の遊技方法における各工程は、必ずしもシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【符号の説明】
【0122】
1 …遊技システム
2 …パチンコ機
3 …情報端末
5 …情報蓄積サーバ
7 …遊技盤
23 …始動入賞口
28 …特別図柄表示装置
29 …演出表示装置
33 …操作部
50 …主制御処理部
51 …副制御処理部
110 …特別図柄抽選部(特別図柄抽選手段)
111 …特別図柄用乱数発生部(特別図柄用乱数発生手段)
112 …特別図柄用乱数取得部(特別図柄用乱数取得手段)
113 …大当たり当否判定部(大当たり当否判定手段)
120 …特別図柄決定部(特別図柄決定手段)
211 …特別図柄保持部(特別図柄保持手段)
212 …符号化映像表示制御部(符号化映像表示制御手段)
217 …演出変更制御部(演出変更制御手段)
310 …操作部
311 …端末表示装置
312 …撮像装置
313 …端末通信装置
320 …パターン情報抽出部(パターン情報抽出手段)
321 …パターン情報送信部(パターン情報送信手段)
322 …閲覧コマンド送信部(閲覧コマンド送信手段)
323 …端末表示制御部(端末表示制御手段)
324 …参照コマンド送信部(参照コマンド送信手段)
410 …蓄積装置
411 …サーバ通信装置
420 …パターン情報蓄積部(パターン情報蓄積手段)
421 …閲覧コマンド応答部(閲覧コマンド応答手段)
422 …レベル識別子生成部(レベル識別子生成手段)
423 …蓄積レベル送信部(蓄積レベル送信手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パチンコ機と、情報端末と、情報蓄積サーバとを含む遊技システムであって、
前記パチンコ機は、
遊技球が流下する遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技領域に設けられた始動入賞口と、
前記始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に特別図柄に係る電子抽選を行って遊技の制御を行う主制御処理部と、
特別図柄を表示する特別図柄表示装置と、
前記主制御処理部からのコマンドを受けて、前記特別図柄表示装置の表示を制御する特別図柄表示制御部と、
遊技に関する演出を表示するための演出表示装置と、
前記主制御処理部からのコマンドを受けて、前記演出表示装置の表示を制御する副制御処理部と、
前記特別図柄表示装置に停止表示された特別図柄の表示パターンを1または複数保持する特別図柄保持手段と、
少なくとも、前記特別図柄保持手段に保持された1または複数の特別図柄の表示パターンを特定するパターン情報と、前記パターン情報の蓄積に用いられる遊技者識別子とを符号化した符号化映像を生成し、前記演出表示装置に表示させる符号化映像表示制御手段と
を備えており、
前記主制御処理部は、
前記電子抽選を行うための手段であって、特別図柄用の乱数を発生させる特別図柄用乱数発生手段、前記始動入賞口に遊技球が入賞したことを契機に前記特別図柄用乱数発生手段により発生した特別図柄用乱数の中から1つの特別図柄用乱数を取得する特別図柄用乱数取得手段、および、前記特別図柄用乱数取得手段が取得した特別図柄用乱数が、遊技態様が相異なる複数の大当たりを示す乱数のいずれかであるか否かを判定する大当たり当否判定手段を備えて構成される特別図柄抽選手段と、
前記大当たり当否判定手段で判定された結果に基づいて、前記特別図柄表示装置に停止表示する特別図柄を決定する特別図柄決定手段と、
前記大当たり当否判定手段が前記複数の大当たりを示す乱数のいずれかであると判定した場合に、通常の遊技に比べて遊技者に有利な大当たり遊技を提供する大当たり遊技制御手段と
を備え、
前記情報端末は、
前記符号化映像を撮像し符号化映像データを生成する撮像装置と、
前記符号化映像データを復号して前記パターン情報と前記遊技者識別子とを抽出するパターン情報抽出手段と、
通信網を介して前記情報蓄積サーバと通信を確立する端末通信装置と、
抽出された前記パターン情報と前記遊技者識別子とを、前記端末通信装置を通じて前記情報蓄積サーバに送信するパターン情報送信手段と、
前記遊技者識別子を用いて、前記パターン情報の閲覧コマンドを、前記端末通信装置を通じて前記情報蓄積サーバに送信する閲覧コマンド送信手段と、
任意の映像を表示する端末表示装置と、
前記パターン情報の閲覧コマンドに応じ、前記端末通信装置を通じて前記情報蓄積サーバから受信した前記パターン情報を前記端末表示装置に表示させる端末表示制御手段と
を備え、
前記情報蓄積サーバは、
任意の情報を蓄積する蓄積装置と、
通信網を介して前記情報端末と通信を確立するサーバ通信装置と、
前記サーバ通信装置を通じて前記情報端末から受信した前記パターン情報を、受信した前記遊技者識別子に関連付けて前記蓄積装置に蓄積させるパターン情報蓄積手段と、
前記サーバ通信装置を通じて前記情報端末から受信した前記パターン情報の閲覧コマンドに応じ、前記パターン情報の閲覧コマンドに用いられている前記遊技者識別子に関連付けられた前記パターン情報を前記蓄積装置から抽出して、前記サーバ通信装置を通じて前記情報端末に送信する閲覧コマンド応答手段と
を備えたことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記情報蓄積サーバは、
前記サーバ通信装置を通じて前記情報端末から受信した、前記遊技者識別子に関連付けられたパターン情報の蓄積内容に基づいて決定される蓄積レベルの参照コマンドに応じ、前記蓄積装置に蓄積された、前記蓄積レベルの参照コマンドに用いられている前記遊技者識別子に関連付けられたパターン情報の蓄積内容に基づいて蓄積レベルを決定し、その蓄積レベルを一意に特定するレベル識別子を生成するレベル識別子生成手段と、
前記レベル識別子を、前記サーバ通信装置を通じて前記情報端末に送信する蓄積レベル送信手段と
をさらに備え、
前記情報端末は、
前記遊技者識別子を用いて、前記蓄積レベルの参照コマンドを、前記端末通信装置を通じて前記情報蓄積サーバに送信する参照コマンド送信手段
をさらに備え、
前記端末表示制御手段は、前記蓄積レベルの参照コマンドに応じ、前記端末通信装置を通じて前記情報蓄積サーバから受信した、前記レベル識別子を前記端末表示装置に表示させ、
前記パチンコ機は、
レベル識別子を入力するための入力手段と、
前記入力手段を通じて入力された前記レベル識別子に応じて、前記演出表示装置に表示する演出を変更または追加する演出変更制御手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−85807(P2012−85807A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−234820(P2010−234820)
【出願日】平成22年10月19日(2010.10.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
2.着メロ
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】