説明

遊技制御取付装置

【課題】パチンコ機の遊技盤の裏面に、主制御装置を、遊技盤の前面に設けられる前部品からの制約を受けることなく、取り付けやすくかつ落下する球の滞留も防止するように取り付けることを図る。
【解決手段】遊技制御取付装置が組み立てられることによって、配線構造体12の上部および左右部が部品取付構造体3における庇10で覆い隠され、配線構造体12の後部が取付台22で覆い隠され、配線コネクタ16および制御コネクタ49の上部が取付台22の受体26で覆い隠されているので、矢印Xで示すように、球Pが上方から配線構造体12の方に落下した場合、球Pが庇10や取付台22に衝突して配線構造体12、配線コネクタ16、制御コネクタ49に衝突することがなく、配線構造体12、配線コネクタ16、制御コネクタ49のそれぞれにおける電気的な接続が適切に維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機の遊技盤の裏面に、主制御装置を、遊技盤の前面に設けられる前部品からの制約を受けることなく、取り付けやすくかつ落下する球の滞留も防止するように取り付けることができる遊技制御取付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機の遊技盤は、前面の内ガイドレールと外ガイドレールで囲まれた内側の遊技領域に、入賞部品、遊技釘、アウト口などの複数の前部品を備え、遊技盤の裏面に、入賞部品に入賞した球を電気的に検出する入賞球検出器から入力された入賞信号で遊技全般を制御する主制御装置、主制御装置から入力された入力信号でスピーカを制御する音制御装置のような別々の制御装置として分別構成された複数の制御装置を備えている。しかしながら、複数の制御装置が遊技盤における裏面の全体に分散されているので、遊技盤における遊技領域に、遊技盤の裏面に突出する部分の有る部品を設ける場合、遊技盤の裏面に設けられた制御装置と干渉しないようにしなければならないことから、遊技盤の裏面に突出する部分の有る前部品を設ける位置が制約を受けるという欠点があった。
【特許文献1】特開2000−167195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発明が解決しようとする問題点は、遊技盤の裏面に突出する部分の有る前部品を遊技領域に設ける位置が制約されるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る遊技制御取付装置は、遊技盤は前面における内ガイドレールと外ガイドレールで囲まれた内側の遊技領域に、入賞部品、遊技釘、アウト口のような複数の前部品を備え、内ガイドレールと外ガイドレールとの間の隙間として形成された発射通路から遊技領域への球出口または球出口の近傍における遊技領域のいずれかと対応する遊技盤の裏面には、配線構造体収納部の上部および左右部を囲むように突出した庇を有する部品取付構造体が設けられ、配線構造体収納部には、配線コネクタを有する配線構造体が設けられ、部品取付構造体の庇の裏面には、取付台が設けられ、電気部品の実装された回路基板を内蔵した制御筐体からなる主制御装置が回路基板の板面が遊技盤の裏面に対し直交し、回路基板の板面と直交する端面が遊技盤の裏面に対し平行となるように、制御筐体が取付台に取り付けられることによって、主制御装置の制御コネクタが配線構造体の配線コネクタに接続され、庇の上面と取付台の上面および制御筐体の上面が遊技盤の裏面から後側に行くにしたがって下り傾斜となる斜面に形成されたことを最も主要な特徴とする。本発明に係る遊技制御取付装置は、制御筐体の上面には把持溝が設けられたり、制御筐体の下面には把持突起が設けられたりすることも特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明に係る遊技制御取付装置は、発射通路から遊技領域への球出口または球出口の近傍における遊技領域のいずれかと対応する遊技盤の裏面に、主制御装置が設けられたことによって、遊技盤の裏面に突出する裏機構の必要な前部品を遊技領域に設ける位置が制約されることがなく、配線構造体の上部および左右部が部品取付構造体における庇で覆い隠され、配線構造体の後部が取付台で覆い隠され、配線コネクタおよび制御コネクタの上部が取付台で覆い隠されているので、球が上方から配線構造体の方に落下した場合、球が庇や取付台に衝突して配線構造体、配線コネクタ、制御コネクタに衝突することがなく、配線構造体、配線コネクタ、制御コネクタのそれぞれにおける電気的な接続が適切に維持され、庇の上面、取付台の上面、制御筐体の上面が、後側に行くにしたがって徐々に下り傾斜となる斜面として形成されているので、庇や取付台に落下した球は、庇の上面や取付台の上面を後側に転がって制御筐体の上面から下方に速やかに落下し、主制御装置、部品取付構造体、取付台それぞれの上に滞留することがないという利点がある。制御筐体の上面には把持溝が設けられたり、制御筐体の下面には把持突起が設けられたりすれば、作業者が主制御装置を取付台に取り付ける場合、主制御装置が持ちやすくなるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1−図9は、発明を実施するための最良の形態である。図1は、遊技制御取付装置を縦に切断した断面を示す。図2は、遊技制御取付装置の裏面を示す。図3は、遊技制御取付装置を分解して示す。図4および図5は遊技制御取付装置の組立工程を示す。図6は、遊技盤2の正面を示す。図7は、遊技盤2と遊技機枠91とを分解して示す。図8は、遊技機枠91の裏面を示す。図9は遊技機枠91に遊技盤2を取り付けたパチンコ機の裏面を示す。この明細書において、「前」、「後」、「裏」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図7の状態に遊技盤2および遊技機枠91を置いて前側から見た場合に特定される方向である。「後」と「裏」とは同じ方向である。
【0007】
図3を参照し、主制御装置1を遊技盤2の裏面に取り付ける遊技制御取付装置の構造について説明する。遊技盤2の裏面に固定された部品取付構造体3には、台取付部4、配線構造取付部5、制御装置取付部6が、左右方向に離れた位置で、部品取付構造体3から裏側に突出する。台取付部4には、ねじ取付孔7が設けられる。配線構造取付部5には、ねじ取付孔8が設けられる。制御装置取付部6には、ねじ取付孔9が設けられる。配線構造取付部5の上部および左右部を覆う庇10が部品取付構造体3に設けられる。換言するならば、部品取付構造体3には、庇10が部品取付構造体3の裏面に配線構造体収納部11の上部および左右部を囲むように突出し、配線構造体収納部11には、配線構造取付部5が設けられ、庇10の左右部には、台取付部4および制御装置取付部6が設けられている。制御装置取付部6と庇10の左右部との連接部には、リブ6aが設けられる。リブ6aは、庇10の左右部から制御装置取付部6の中間部に行くにしたがって徐々に外形が制御装置取付部6の側に行く傾斜を形成する。庇10の上面は、遊技盤2の裏面の方から庇10の後側に行くにしたがって徐々に下り傾斜となる斜面として形成される。配線構造体12は、盤側可撓性配線13と補強体15と配線コネクタ16とを備える。合成樹脂からなる板状の補強体15は、盤側可撓性配線13の前面に設けられる。配線コネクタ16は、盤側可撓性配線13の裏面に設けられる。タッピングスクリューのような止ねじ17が補強体15の前側から補強体15に形成された図外のねじ挿入孔および盤側可撓性配線13に形成された図外のねじ挿入孔を経由して配線コネクタ16の取付足18のねじ取付孔19に締結されることによって、盤側可撓性配線13と補強体15と配線コネクタ16とが互いに結合される。盤側可撓性配線13および補強体15には、配線構造取付部5のねじ取付孔8と位置が対応するねじ挿入孔20が形成される。
【0008】
取付台22は、主制御装置1を取り付けるための部品であって、主制御装置1における制御筐体36の前壁と略同じ大きさの方形な板状の前壁23を備える。前壁23には、コネクタ逃孔24が形成される。前壁23の周縁からは、周壁25が、前壁23を囲む格好で、裏側に突出する。周壁25からは、上下に相対峙する一対の受体26が、裏側に、方形な板状に突出する。一対の受体26の外側面からは、複数のリブ27が、前後方向に延びる凸条に突出する。上側の受体26からは、係合レバー28が、突出する。係合レバー28は、受体26から裏側に向けて直線的に延びる板状である。係合レバー28には、フック29が、受体26から裏側に向けて直線的に延びた端部の位置で、内側に突出する。係合レバー28からは、操作部30が、フック29の位置から上方に折れ曲がった後に裏側に向けて直線的に折れ曲がった形態に、突出する。上側の受体26の上面および係合レバー28の上面は、受体26の方からフック29の方に行くにしたがって徐々に下り傾斜となる斜面として形成される。周壁25には、位置決め部31、取付足32が設けられる、位置決め部31は、取付台22を部品取付構造体3に取り付ける場合の位置を決めるためのものであって、周壁25の左上部から左側に突出する。位置決め部31は、制御装置取付部6に外接嵌合する貫通孔31aを備える。取付足32は、周壁25の左右部から外側に突出する。左側の取付足32は、周壁25の左下部から左側に突出する。右側の取付足32は、周壁25の右部の上下方向の中央部から右側に突出する。取付足32の個数および位置は、台取付部4と同じである。取付足32には、ねじ挿入孔33が設けられる。
【0009】
主制御装置1は、制御に必要な電気部品の実装された回路基板35を、制御筐体36に内蔵した構造である。制御筐体36に内蔵された回路基板35の電気部品は、制御筐体36の上面の方に向くように、上方に向けられている。制御筐体36は、光透過性の有る合成樹脂製のカバー筐体37とカバー筐体37と別体の光透過性の有る合成樹脂製のベース筐体38とを、不正に開けられることのないように、結合部39で密封状に結合した構造である。制御筐体36は、回路基板35における電気部品の実装された板面と対向する一対の外壁と、これらの外壁に連なる二対の側壁とからなる六面体である。一対の外壁は、二対の側壁よりも広い面積を有する。二対の側壁の上下幅Tは、一対の外壁の前後幅Hよりも小さい。制御筐体36における取付台22の係合レバー28の側に位置する上面には、案内溝40、確認溝41、係合部42、把持溝43を備える。この制御筐体36の上面は、前側から後側に行くにしたがって徐々に下り傾斜となる斜面として形成される。案内溝40は、制御筐体36の上面における取付台22の側に位置する前縁から裏側方向中間位置まで連なり、フック29の挿入可能な幅を有し、制御筐体36の上面から内部に帯状に窪む形状である。確認溝41は、制御筐体36の上面の後縁から案内溝40の手前まで連なり、案内溝40よりも幅が広く、制御筐体36の上面から内部に帯状に窪む形状である。確認溝41における制御筐体36の上面からの深さは、案内溝40における制御筐体36の上面からの深さより深い。
【0010】
係合部42は、確認溝41の行き止まりとなった部分、つまり、案内溝40の溝底面と確認溝41の溝底面との境としての縦面により形成される。把持溝43は、案内溝40および確認溝41の左側に位置し、案内溝40および確認溝41と直交する方向に長く、制御筐体36の上面から内部に帯状に窪む形状である。把持溝43おける案内溝40および確認溝41の側に位置する内側部分が、確認溝41の後縁に開放された側に湾曲して確認溝41に連接されて開放される。取付足46は、制御筐体36の左側面と下面とに設けられる。取付足46は、制御装置取付部6を嵌め込むことの可能な前面に開口した筒状である。取付足46の後面を塞ぐ後壁には、ねじ挿入孔47が、前後方向に貫通する。制御筐体36における取付台22の側に位置する前壁からは、回路基板35に実装された制御コネクタ49が、外側に突出する。係合部42と案内溝40の溝底面とを結ぶ部分は、案内溝40の溝底面から係合部42に行くにしたがって徐々に上る図1に示す斜面45として形成される。制御筐体36の下面には、図4に示す複数の把持突起48が、前後方向の中央部で、左右方向に一列に配置され、制御筐体36の下面から外側に半球形に突出する。
【0011】
次に、図1−図5を参照し、主制御装置1が遊技盤2の裏面に取り付けられる工程について説明する。先ず、図3において、タッピングスクリューのような止ねじ51が、遊技盤2の裏面に取り付けられた配線構造体12の裏側からねじ挿入孔20を経由して配線構造取付部5のねじ取付孔8に締結されることによって、配線構造体12が部品取付構造体3に取り付けられる。次に、取付台22の位置決め部31が、制御装置取付部6に嵌め込まれてリブ6aの前面に接触し、取付台22のコネクタ逃孔24が、配線構造体12の配線コネクタ16に挿入され、タッピングスクリューのような止ねじ52が、取付台22の裏側からねじ挿入孔33を経由して台取付部4のねじ取付孔7に締結されることによって、配線コネクタ16が、取付台22のコネクタ逃孔24から裏側に突出した格好で、取付台22が、部品取付構造体3に取り付けられる。これによって、配線構造体12および取付台22が遊技盤2の裏面に取り付けられた図4に示す形態となる。
【0012】
図4において、位置決め部31と制御装置取付部6のリブ6aとが互いに接触することによって、位置決め部31と取付台22との間の隙間は、1個の球の直径よりも小さい寸法となる。その後、主制御装置1の制御筐体36が取付台22の裏側から取付台22に嵌め込まれる。その場合、作業者が、主制御装置1を、仮想線で示す手53で持ち、案内溝40が係合レバー28の側に向けられる。そして、係合レバー28のフック29が案内溝40に取り込まれる。その状態のまま、制御筐体36が、フック29をガイドとして、取付台22の方向に直進される。それに伴い、制御筐体36における上面と下面とが、取付台22における一対の受体26の間に、一対の受体26で上下方向から挟まれる格好で、滑り込んだ後、制御コネクタ49の電気端子と配線コネクタ16の電気端子とが、互いに、接続される。引き続く、上記制御筐体36の直進により、係合レバー28のフック29が、案内溝40から図1に示す斜面45を越えて確認溝41に落ち込んで、係合部42に係合する。フック29が係合部42に係合する過程において、取付足46が制御装置取付部6を外側から覆うように制御装置取付部6に嵌め込まれる。その後、図3に示すタッピングスクリューのような止ねじ54が、取付足46のねじ挿入孔47から制御装置取付部6のねじ取付孔9に締結される。これによって、図1、図2および図5に示すように、主制御装置1が、部品取付構造体3と台取付部4と配線構造取付部5および制御装置取付部6からなる遊技制御取付装置で遊技盤2の裏面に取り付けられ、主制御装置1の回路基板35が盤側可撓性配線13に接続される。
【0013】
このように組み立てられた遊技制御取付装置にあっては、図1に示すように、配線構造体12の上部および左右部が部品取付構造体3における庇10で覆い隠され、配線構造体12の後部が取付台22で覆い隠され、配線コネクタ16および制御コネクタ49の上部が取付台22の受体26で覆い隠されているので、矢印Xで示すように、球Pが上方から配線構造体12の方に落下した場合、球Pが庇10や取付台22に衝突して配線構造体12、配線コネクタ16、制御コネクタ49に衝突することがなく、配線構造体12、配線コネクタ16、制御コネクタ49のそれぞれにおける電気的な接続が適切に維持されるという利点がある。庇10の上面、受体26の上面、係合レバー28の上面、制御筐体36の上面が、後側に行くにしたがって徐々に下り傾斜となる斜面として形成されているので、庇10や取付台22に落下した球Pは、庇10の上面や受体26の上面を後側に転がって制御筐体36の上面から下方に速やかに落下し、主制御装置1、部品取付構造体3、取付台22それぞれの上に滞留することがないという利点がある。係合部42と案内溝40の溝底面とを結ぶ部分が案内溝40の溝底面から係合部42に行くにしたがって徐々に上る図1に示す斜面45として形成されているので、フック29が案内溝40から係合部42に係合する過程での、挿入が楽であるという利点がある。確認溝41が案内溝40よりも深く、係合部42が確認溝41の行き止まりとなった部分における縦面により形成された構造であるので、フック29が係合部42に深く係合するという利点がある。確認溝41が、制御筐体36の後縁に開口した構造であるので、作業者が主制御装置1を後側から見ることによって、フック29が係合部42に正確に係合しているか否かを容易に確認することができるという利点がある。
【0014】
図2に示すように、確認溝41の幅が、フック29よりも広く形成された構造であるので、確認溝41の幅が、フック29と同じ程度に狭い場合に比べ、フック29の係合部42への係合の確認が、一層、容易になるという利点がある。
【0015】
図3に示すように、フック29の挿入可能な幅を有する案内溝40が制御筐体36における取付台22の側に位置する前縁から裏側方向中間位置まで連なった形状で設けられた構造であるので、作業者が、主制御装置1を取付台22に嵌め込む場合、フック29を案内溝40に挿入したまま、主制御装置1を取付台22の方に直進させれば、案内溝40が主制御装置1を取付台22の方に誘導するので、主制御装置1を取付台22に嵌め込みやすくなるという利点がある。盤側可撓性配線13が、補強体15で支持された構造であるので、制御コネクタ49の電気端子と配線コネクタ16の電気端子とが嵌まり合う場合、補強体15が、制御コネクタ49から配線コネクタ16に働く押圧力を負担し、配線コネクタ16が遊技盤2の方向に逃げることなく、制御コネクタ49の電気端子と配線コネクタ16の電気端子とが、適切に接続されるという利点がある。配線構造取付部5が、配線コネクタ16の近い位置に配置された構造であるので、上記補強体15が押圧力を負担する場合の撓みが、一層、低減できるという利点がある。
【0016】
図4に示すように、作業者が、手53で主制御装置1を持つ場合、掌を、制御筐体36の後壁に置き、人差し指、中指、薬指および小指を把持溝43の有る上面の方に折り曲げることによって、係る4本の指先が把持溝43に入り込み、親指を制御筐体36の把持突起48の有る下面の方に広げることによって、親指の指先が複数の把持突起48の少なくとも1個を下から押え付ける。結果として、作業者が、主制御装置1を持ちやすくなるという利点がある。
【0017】
図5に示すように、止ねじ54が、制御筐体36の取付足46を経由して取付台22の台取付部4に締結された構造であるので、制御コネクタ49と配線コネクタ16との接続が、維持できるという利点がある。把持溝43の内側部分が、確認溝41の後縁に開放された側に湾曲して確認溝41に連接されて開放されているので、制御筐体36の上面を転がる球Pが把持溝43に取り込まれても、球Pは把持溝43に滞留することなく把持溝43から確認溝41を経由して主制御装置1の外部に落下するという利点がある。
【0018】
図6を参照し、遊技盤2の前機構について説明する。遊技盤2は、遊技盤2の方形な前面における内ガイドレール56と外ガイドレール57とで囲まれた内側の遊技領域58に、センター飾り59、一般入賞部品60、作動入賞部品61、始動入賞部品62、可変入賞部品63、図柄表示部品64、演出表示部品65、サイドランプ66、風車67、多数本の遊技釘68、戻り球防止弁69、球反発体70、アウト口71などの前部品を備え、内ガイドレール56および外ガイドレール57の外側の非遊技領域に、取付部72、盤面飾り73、証紙台74を備える。内ガイドレール56の左側部と外ガイドレール57の左側部との間の隙間は、発射通路75である。センター飾り59は、遊技領域58の中央部に設けられ、中央に光を透過する物性の有る無色な透過性パネル76を備える。一般入賞部品60は、内ガイドレール56に沿った左下部および右下部で、可変入賞部品63の左右に設けられる。作動入賞部品61は、センター飾り59と内ガイドレール56との間の左上部に設けられる。
【0019】
始動入賞部品62は、センター飾り59のステージから球を落下させる球落下口77の真下に設けられ、左右に開閉する一対の羽根78を有する電動チューリップと呼ばれる構造のものを図示してある。可変入賞部品63は、始動入賞部品62の真下に設けられ、開閉体79が下部を中心として前傾状に開くとともに垂直に閉じる、アタッカまたは大入賞口と呼ばれる構造である。図柄表示部品64は、遊技領域58の右下部に設けられ、ステップモータによって、表面に定形な図柄の印刷された立体的な表示体を回転するように動かす構造である。演出表示部品65は、センター飾り59の上部に設けられ、センター飾り59の表面に設けられたシャッターを電磁ソレノイドまたはステップモータのような演出駆動源によって開閉し、シャッターの裏側に配置された表示灯を点灯、点滅、消灯する構造である。サイドランプ66は、右下部の一般入賞部品60の上部で、内ガイドレール56に沿った左側部に設けられる。風車67は、作動入賞部品61の下部に設けられる。
【0020】
多数本の遊技釘68は、センター飾り59、作動入賞部品61、一般入賞部品60、始動入賞部品62、可変入賞部品63、図柄表示部品64、演出表示部品65、サイドランプ66、風車67、戻り球防止弁69、球反発体70、アウト口71のそれぞれと干渉しないように分散して設けられる。戻り球防止弁69の一端部が、内ガイドレール56における発射通路75の球出口80に位置する端部に取り付けられ、戻り球防止弁69は、内ガイドレール56から外ガイドレール57の方向に位置する先端部に行くにしたがって、発射通路75の球出口80から遊技領域58の方向に徐々に傾斜する。球反発体70は、戻り球防止弁69と対となる右上部で、内ガイドレール56から外ガイドレール57との間に設けられる。アウト口71は、内ガイドレール56に沿って、遊技領域58の最下部に設けられる。取付部72は、遊技盤2の右側部に設けられる。取付部72にはロック挿入孔81を備える。証紙台74が、軸82を中心として前側に開けられることによって、下部の取付部72が、遊技盤2の前側から見える格好となる。証紙台74の前面には、証紙が、貼り付けられる。証紙は、遊技盤2が、組合の検査に合格して販売の認可を受けたことを証明するものである。
【0021】
遊技盤2の裏面には、主制御装置1が発射通路75から遊技領域58への球出口80の近傍における遊技領域58と対応する位置に設けられ、複合制御装置84が発射通路75と対応する位置に設けられる。主制御装置1は、制御に必要な電気部品の実装された回路基板35からなる主制御基板を1つの制御筐体36の内部に装着した構造であって、回路基板35の電気部品を実装した板面が遊技盤2の裏面に対し直交しかつ遊技盤2の裏面に対し左右方向で水平に向けられ、回路基板35の板面と直交する端面が遊技盤2の裏面に対し平行となる格好で、制御筐体36の厚さが遊技盤2の上下方向となる格好で、遊技盤2の裏面に対して取り付けられる。
【0022】
そして、発射通路75から戻り球防止弁69を押し開けて遊技領域58に発射された球は、センター飾り59、作動入賞部品61、一般入賞部品60、始動入賞部品62、可変入賞部品63、演出表示部品65、サイドランプ66、風車67、遊技釘68、球反発体70などに衝突して流れる方向を変えられながら、遊技領域58を流下し、作動入賞部品61を通過したり、一般入賞部品60、始動入賞部品62、可変入賞部品63に入賞したりする。一般入賞部品60、始動入賞部品62、可変入賞部品63に入賞しないで遊技領域58の最下部に到達した球は、アウト口71から遊技盤2の裏側に排出される。
【0023】
図7を参照し、遊技盤2の裏機構、遊技機枠91の前機構について説明する。遊技盤2の裏面には、主制御装置1、複合制御装置84、セット板と呼ばれる部品取付構造体3、盤側可撓性配線13、盤側ヒンジ85、図柄表示器86、図柄制御装置87、図柄表示駆動機構88、演出駆動機構89を備える。部品取付構造体3は、一般入賞部品60、始動入賞部品62、可変入賞部品63、アウト口71から遊技盤2の裏側に排出された球を、下方に誘導して排出する。部品取付構造体3には、逃孔83が形成される。盤側可撓性配線13は、遊技盤2に設けられた電気部品と遊技機枠91に設けられた電気部品とを接続する多数本の箔形状の電線および箔形状の電極90が、可撓性を有する合成樹脂基板の表面に付設された構造である。盤側可撓性配線13に接続される遊技盤2に設けられた電気部品は、作動入賞球検出器、一般入賞球検出器、始動入賞球検出器、特定入賞球検出器、普通入賞球検出器、羽根駆動機構の羽根駆動源、開閉駆動機構の開閉駆動源、図柄制御装置87、図柄表示駆動機構88のステップモータ、演出駆動機構89の演出駆動源、表示灯基板などである。盤側ヒンジ85は、遊技盤2に固定的に取りけられたヒンジ躯体の前側に折り曲げられた支持部に上下方向に貫通したヒンジ孔を備えた構造である。図柄表示器86は、電気的に表示形態の変えられる画像を表示画面に表示する画像表示器により形成される。図柄制御装置87は、主制御装置1からの出力により図柄表示器86の制御を行う。図柄制御装置87が図柄表示器86の裏面に設けられる。図柄表示器86と図柄制御装置87とは一体になった構造である。
【0024】
遊技盤2の裏側には、遊技盤2の前面に設けられた前部品の裏機構が、遊技盤2に形成された図外の逃孔や部品取付構造体3の逃孔83を経由して突出する。遊技盤2の裏側に突出した前部品の裏機構は、図7に示す演出駆動機構89、図7に示す図柄表示駆動機構88、図6に示す作動入賞部品61に入賞した球を電気的に検出して作動入賞信号を主制御装置1に出力する図外の作動入賞球検出器、図6に示す一般入賞部品60に入賞した球を電気的に検出して一般入賞信号を主制御装置1に出力する図外の一般入賞球検出器、始動入賞部品62に入賞した球を電気的に検出して始動入賞信号を主制御装置1に出力する図外の始動入賞球検出器、図6に示す始動入賞部品62の羽根78を動かす図外の羽根駆動機構、可変入賞部品63に入賞した球を電気的に検出して継続信号を主制御装置1に出力する図外の特定入賞球検出器、可変入賞部品63に入賞した球を電気的に検出して可変入賞信号を主制御装置1に出力する図外の普通入賞球検出器、図6に示すサイドランプ66の表示灯基板などである。図7に示す図柄表示器86は図6に示すセンター飾り59における透過性パネル76の裏側に配置され、図柄表示器86の表示画面に表示された図柄や画像は遊技盤2の前側から透過性パネル76を通して見える。図7に示す図柄表示駆動機構88における図外のステップモータは、図6に示す図柄表示部品64における表面に定形な図柄の印刷された立体的な表示体を回転する駆動源である。図7に示す演出駆動機構89における図外の演出駆動源は、図6に示す演出表示部品65におけるシャッターを動かす電磁ソレノイドまたはステップモータにより構成される。
【0025】
図7に戻り、遊技機枠91は、固定枠92および可動枠93を備える。固定枠92は、パチンコ店の島と呼ばれる図外の遊技機設置構造体に取り付けるための外枠と呼ばれるものであって、前後方向に開放された縦長な長方形の空間を囲む額縁形状である。可動枠93は、前枠または中枠と呼ばれるものであって、固定枠92に左側のヒンジ94で前側横方向に片開き可能にかつ着脱可能(交換可能)に取り付けられる。可動枠93は、前後方向に開放された縦長な長方形の空間を囲む額縁形状の可動枠本体95と、可動枠本体95から内部に延設された遊技主体収納構造体96とを備える。可動枠本体95には、パネル枠97および球皿構造体98が左側に設けられる上部および下部のヒンジ99で前側横方向に片開き可能に取り付けられる。パネル枠97は、前後方向に開放された窓100を囲む額縁形状である。パネル枠97の裏面には、ガラスまたは合成樹脂からなる光透過性を有する前面パネル101が、窓100を覆う格好で取り付けられる。
【0026】
可動枠本体95の右縦片には施錠装置102と複数のロック機構103;104;105およびロック解除操作体106が設けられる。可動枠93やパネル枠97および球皿構造体98が閉じられてロック機構103−105で開閉不能に支持された状態において、遊技店の店員が図外のキープレート(鍵)を遊技機枠91の前側から施錠装置102の鍵穴107に挿入し、当該キープレートを例えば右側に90度回転操作すると、固定枠92と可動枠93とのロック機構103による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が可動枠93を前側に引くことによって、可動枠93はヒンジ94を中心として前側に片開きされる。また、上記施錠装置102の鍵穴107に挿入されたキープレートが例えば左側に90度回転操作されると、可動枠93とパネル枠97とのロック機構104による支持形態が解除される。
【0027】
この支持形態の解除後に、店員がパネル枠97を前側に引くことによって、パネル枠97はヒンジ99を中心として前側に片開きされる。このように、パネル枠97が前側に開かれた状態において、店員が可動枠93の前面に設けられたロック解除操作体106を操作すると、可動枠93と球皿構造体98とのロック機構105による支持形態が解除される。この支持形態の解除後に、店員が球皿構造体98を前側に引くことによって、球皿構造体98はヒンジ99を回転中心として前側に片開きされる。球皿構造体98の前面には、球収納部108および発射操作機構109を備える。球収納部108は、遊技に使用するパチンコ球と呼ばれる球を受ける上方に開放された形態である。球皿構造体98の裏面には、前横樋118から球を球収納部108に供給する球取入口110と、球収納部108から発射機構115に球を供給する球供給口111とを備える。
【0028】
遊技主体収納構造体96は、前側に開放された遊技主体収納室112と、遊技主体収納室112の背壁に前後方向に貫通する中央開口部113とを備える。遊技主体収納構造体96における遊技主体収納室112の下部を区画形成する部分には、遊技主体棚114を備える。遊技主体棚114から下方に延設された遊技主体収納構造体96における前壁の前面には、発射機構115、発射レール116、ファール球取入口117、前横樋118を備える。発射レール116は、球皿構造体98の球供給口111から供給された1個の球を受け取る。発射機構115は、電力供給と遮断とを交互に受けることによって、球収納部108から発射レール116に供給された1個の球を遊技盤2の遊技領域58(図6参照)に向けて発射する。発射レール116は、発射機構115から発射された球を、遊技盤2の発射通路75(図6参照)の入口に誘導する。ファール球取入口117は、遊技盤2の発射通路75から落下する球を取り込む。ファール球取入口117に取り込まれた球は、前横樋118を経由して球取入口110に排出される。前横樋118は、可動枠93の裏部に取り付けられた球払出機構126(図8参照)から払い出された球を球取入口110に排出する。
【0029】
遊技主体収納室112の右側には、遊技主体ロック部材119を備える。遊技主体ロック部材119は、遊技主体収納構造体96から前側に突出する円筒状の台座の中心にロック操作体120を回転可能に備える。ロック操作体120は、台座から前側に突出した操作軸の端部に固定された横長な形態である。遊技主体収納室112の左側には、遊技盤2を取り付ける枠側ヒンジ121および枠側コネクタ122を備える。枠側ヒンジ121は、遊技主体収納室112の左側に固定的に取り付けられたヒンジ躯体の前側に折り曲げられた支持部から上方に突出したヒンジピンを備えた構造である。枠側コネクタ122は、導電材からなるコネクタピンが合成樹脂のような電気絶縁材からなるコネクタボディに移動可能に装着され、コネクタピンに内蔵されたコイルスプリングのような弾性体がコネクタピンの先端部をコネクタピンから外側に押し出した、スプリングコネクタと呼ばれる構造であって、コネクタピンが遊技盤2の電極90から押されるのに伴い、弾性体が圧縮し、コネクタピンと電極90とが互いに押し合って接触する。
【0030】
図7において、遊技盤2は、遊技機枠91に、次のように装着される。少なくとも、パネル枠97が前側に開けられた状態において、遊技盤2の裏面が可動枠93の前面に向けられ、遊技盤2の左側部が遊技主体収納室112に前側から挿入され、盤側ヒンジ85のヒンジ孔が枠側ヒンジ121のヒンジピンに上方から挿入されると、遊技盤2が遊技機枠91に盤側ヒンジ85と枠側ヒンジ121とを中心として回転可能に取り付けられる。そして、遊技盤2が作業者によって遊技機枠91の方に押されると、盤側可撓性配線13の電極90と枠側コネクタ122コネクタピンとが互いに接続される一方、ロック操作体120が遊技盤2のロック挿入孔81に後側から挿入されて前側に突出する。その状態において、作業者がロック操作体120を例えば右方向に90度回転操作すると、ロック操作体120がロック挿入孔81の周りにおける遊技主体ロック部材119の台座と係合し、遊技盤2が遊技主体収納室112に取り付けられる。
【0031】
図8を参照し、遊技機枠91の裏機構について説明する。タンク124は、遊技機設置構造体における補給機構の球出口から排出された球を受けるものであって、中央開口部113より上部における右側に配置され、遊技主体収納構造体96の裏面に取り付けられる。タンク124は、上方に開放した箱形である。タンク124の底部には、取込部125が、右側で前後方向中央部に設けられる。取込部125は、左右に横長であって、タンク124の底部から下方に窪む窪みである。タンク124には、球払出機構126が設けられる。球払出機構126は、ステップモータからなる払出モータ127と螺旋払出体128および払出球検出部129を備える。払出モータ127のモータケースが、タンク124の右外側面に取り付けられる。螺旋払出体128は、丸棒の外周面に螺旋体を備える。螺旋体は、螺旋払出体128の丸棒の軸心方向に球を1個ずつ分離する間隔で、当該丸棒の外周面から径方向外側に螺旋形状に突出する。螺旋払出体128の丸棒の軸心が左右方向に向けられた格好で、螺旋体が取込部125に回転可能に収納される一方、螺旋払出体128における螺旋体の不在な丸棒の両端部が取込部125を囲む左右側壁を取込部125の内外に回転可能に貫通する。そして、螺旋払出体128における取込部125の右側壁の外側に突出した丸棒の端部が、払出モータ127のモータ軸のような出力軸に結合される。この結合よって、払出モータ127の出力軸が回転すると、螺旋払出体128も一緒に回転する。タンク124の底部は、球が周囲から取込部125に向けて流れる斜面を形成する。
【0032】
したがって、タンク124に貯蔵された球は、タンク124の取込部125に流れ込み、払出モータ127による螺旋払出体128の回転によって螺旋体の隙間に分離されつつ取り込まれて螺旋体で取込部125の内部を矢印X1で示すように左側から右側に移動し取込部125における底部に形成された球出口130から下方に落下してタンク124から排出される。このタンク124から排出された球は、球出口130の下部に連接された払出球検出部129に取り込まれる。払出球検出部129には、払出球検出器131を備える。払出球検出器131は、タンク124から払出球検出部129に排出された球を電気的に検出するごとに払出球検出信号を主制御装置1(図7参照)および発射払出制御装置132に出力する。払出球検出器131を通過した球は、払出球検出部129の下部に連接された払出樋133に取り込まれる。払出樋133は、中央開口部113よりも左側に配置され、遊技主体収納構造体96の裏面に取り付けられる。払出樋133の内部には、球通路が、上部から下部に行くにしたがって、前後方向に蛇行する形態に形成される。払出樋133の下端は、前横樋118の右上部に連なる。よって、払出樋133に取り込まれた球は、払出樋133の内部における球通路を蛇行しながら流下して前横樋118に排出される。
【0033】
払出樋133の左側には、球抜樋134が併設される。球抜樋134および払出樋133は上部で互いに連接される。この連接部には、通路切換機構135が設けられる。通路切換機構135は、払出樋133の裏面に取り付けられた電磁ソレノイドからなる通路切換駆動源としての通路切換ソレノイド136、通路切換ソレノイド136のプランジャに連結されて払出樋133の球通路に配置された通路切換弁137とを備える。そして、例えば、通路切換ソレノイド136が電力供給されていない場合、通路切換弁137は、払出球検出部129から払出樋133に球を流すように、払出球検出部129と球抜樋134との球通路を遮断する。そして、通路切換ソレノイド136が電力供給されている場合、通路切換弁137は、払出球検出部129から球抜樋134に球を流すように、払出球検出部129と払出樋133との球通路を遮断する。球抜樋134の下端は、前横樋118の収納部裏面に球通路カバーにより形成された球抜樋134に連接される。球抜樋134の下端は、前横樋118の収納部裏面から下方に突出する。払出樋133における通路切換機構135よりも下部の中間部には、満タン検出器138が設けられる。タンク124の底部の外側には、球切れ検出器139が設けられる。
【0034】
遊技主体収納構造体96における遊技主体棚114より下方に延設された前壁の裏面には、電源装置140と発射払出制御装置132とが取り付けられる。電源装置140は、中央開口部113よりも下部で左側に配置される。発射払出制御装置132は、中央開口部113よりも下部で右側に配置される。枠側コネクタ122よりも上部における遊技主体収納構造体96の裏面には、外部情報端子基板141、払出中継端子基板142、電源端子基板143が、下から上に順に配置された形態で、取り付けられる。発射払出制御装置132よりも右側における遊技主体収納構造体96の裏面には、球皿中継基板144が取り付けられる。枠側コネクタ122、発射払出制御装置132、電源装置140、払出外部情報端子基板141、中継端子基板142、電源端子基板143および球皿中継基板144のそれぞれは、枠側可撓性配線145で、互いに接続される。枠側可撓性配線145は、遊技盤2に設けられた電気部品と遊技機枠91に設けられた電気部品とを接続する多数本の箔形状の電線が、可撓性を有する合成樹脂基板に付設された構造である。
【0035】
枠側可撓性配線145には、枠側コネクタ122、発射払出制御装置132、電源装置140、外部情報端子基板141、払出中継端子基板142、電源端子基板143、球皿中継基板144のそれぞれが接続される。払出中継端子基板142には、タンク124に設けられたタンク中継端子基板146が、ハーネス147で接続される。タンク中継端子基板146には、払出モータ127、払出球検出器131、通路切換ソレノイド136、扉開放スイッチ148、球抜きスイッチ149のそれぞれからの配線を接続するコネクタが設けられる。電源端子基板143には、パチンコ機のプラグ150を有する電源配線151が接続される。外部情報端子基板141は、遊技店の営業を管理する図外のホールコンピュータと接続される。球皿中継基板144は球皿構造体98からの配線が接続される。電源装置140の裏面左下部には、電源スイッチ152およびリセット釦153が設けられる。
【0036】
図9において、遊技盤2が遊技機枠91に装着され、電源配線151のプラグ150が遊技機設置構造体のAC24ボルトを出力する島電源の出力端子に接続され、電源スイッチ152が作業者によって投入されると、電源装置140が主制御装置1、複合制御装置84、図柄制御装置87、発射払出制御装置132に直流電源を供給し、主制御装置1、複合制御装置84、図柄制御装置87、発射払出制御装置132が起動し、球が遊技機設置構造体の補給機構からタンク124に供給されて貯蔵され、球切れ検出器139が球切れ検出信号を出力しておらず、扉開放スイッチ148が扉開放信号を出力しておらず、球抜きスイッチ149が球抜き信号を出力しておらず、満タン検出器138が満タン検出信号を出力していない状態において、遊技者が発射操作機構109(図7参照)に触れて操作すると、発射操作機構109に内蔵されている可変抵抗器が発射操作機構109に対する遊技者の操作量に応じた可変抵抗値を発射払出制御装置132に出力する。
【0037】
これによって、発射払出制御装置132が例えば1分間に100発未満の周期と可変抵抗値に応じた発射出力とで発射機構115の発射駆動源を駆動すると、発射機構115が図7に示す球収納部108から供給された球を1個ずつ発射する。発射機構115から発射された球は、発射通路75を経由して遊技盤2の図6に示す遊技領域58に発射される。この遊技領域58に発射された球は、遊技領域58を流下する過程において、図6に示す一般入賞部品60、作動入賞部品61、始動入賞部品62、可変入賞部品63に入賞する。入賞部品に入賞しないで遊技領域58の下部に到達した球は、図6のアウト口71に入る。
【0038】
そして、入賞部品に入賞した球を検出した、作動入賞球検出器、一般入賞球検出器、始動入賞球検出器、特定入賞球検出器および普通入賞球検出器などの入賞球検出器が入賞検出信号を図9に示す主制御装置1に出力すると、主制御装置1が入賞検出信号の種類による賞球払出信号を複合制御装置84と発射払出制御装置132とに出力する。これによって、複合制御装置84が遊技演出を行うように図外の表示灯またはスピーカを駆動し、発射払出制御装置132が賞球払出信号にもとづく個数の賞球としての球を払い出すように払出モータ127を駆動する。これによって、タンク124から賞球としての球が払い出される。このように、球がタンク124から払い出されるのに伴い、払出球検出器131が払出球検出信号を主制御装置1と発射払出制御装置132とに出力する。
【0039】
主制御装置1および発射払出制御装置132は、払出球検出信号をタンク124から払い出された球数としてカウントアップするかまたは賞球払出信号にもとづき定められた設定賞球数をカウントダウンするかの演算処理を行う。そして、主制御装置1は、演算処理の結果を踏まえ、球払出機構126が賞球払出信号による個数の球を払い出し終わる時間が経過した時点において、球払出機構126による払出動作が正常であるか異常であるかを監視する。つまり、主制御装置1は、球払出機構126が賞球払出信号による個数の球を払い出し終わる時間が経過した時点において、カウントアップした値が賞球払出信号にもとづき定められた設定賞球数と一致するかまたは賞球払出信号にもとづき定められた設定賞球数からカウントダウンした値が「0」となることによって、球払出機構126による払出動作が正常であると判断して異常停止処理を行わないが、カウントアップした値が賞球払出信号にもとづき定められた設定賞球数と不一致となるかまたは賞球払出信号にもとづき定められた設定賞球数からカウントダウンした値が「0」とならない場合にタンク124による払出動作が異常であると判断して異常停止処理を行う。異常停止処理は、主制御装置1が遊技制御を停止する処理であって、発射機構115が球の発射を停止したり、タンク124が球の払い出しを停止したりするために、発射払出制御装置132に異常信号を出力する。前記演算処理の結果として、発射払出制御装置132は、球払出機構126が賞球払出信号による個数の球を払い出し終わる時間が経過した時点において、カウントアップした値が賞球払出信号にもとづき定められた設定賞球数と一致するかまたは賞球払出信号にもとづき定められた設定賞球数からカウントダウンした値が「0」となった場合、球払出機構126の払出モータ127の駆動を停止する。
【0040】
図9に示すように、パチンコ機を裏側から見た場合、遊技機枠91の中央開口部113よりも上部で右側に設けられたタンク124が球払出機構126を備え、払出樋133が遊技機枠91の中央開口部113よりも右側に設けられている。よって、タンク124と球払出機構126とをつなぐ従来の下タンクと呼ばれる中継樋が不要となり、遊技機枠91に取り付けられる遊技盤2の裏機構を逃げるための中央開口部113の上下寸法を大きくすることができるという利点がある。このことから、遊技盤2を遊技機枠91に取り付けた場合、遊技盤2の発射通路75から遊技領域58に球が飛び出す出口の周りの裏面が中央開口部113に露出される。そして、この中央開口部113に露出される遊技盤2の裏面と対応する発射通路75または発射通路75から遊技領域58への球出口80または球出口80の近傍における遊技領域58のいずれかには、図6に示す始動入賞部品62、演出表示部品65のような裏機構の必要な前部品が設けられることはない。よって、この中央開口部113に露出される遊技盤2の裏面が主制御装置1の遊技盤2の裏面に取り付ける面として利用することができるという利点がある。
【0041】
また、パチンコ機を裏側から見た場合、遊技機枠91の中央開口部113よりも右側には、遊技盤2に設けられた電気部品と遊技機枠91に設けられた電気部品とを接続する枠側コネクタ122が縦方向に一列に設けられているので、枠側コネクタ122を設ける横幅が、従来の球払出機構126を設ける横幅より小さくなる。よって、中央開口部113の左右寸法を大きくすることができるという利点がある。このことから、遊技盤2を遊技機枠91に取り付けた場合、遊技盤2の発射通路75の周りの裏面が中央開口部113に露出される。そして、この中央開口部113に露出される遊技盤2の裏面と対応する発射通路75の周りには、裏機構の必要な前部品が設けられることはない。よって、この中央開口部113に露出される遊技盤2の裏面が主制御装置1の遊技盤2の裏面に取り付ける面として利用することができるという利点がある。
【0042】
図9において、満タン検出器138は、球収納部108(図7参照)から前横樋118および払出樋133の満タン検出器138まで球が満杯となると、主制御装置1による賞球制御を停止するために、満タン検出器138が満杯となった球でオン動作して満杯検出信号を主制御装置1に出力する。球切れ検出器139は、遊技機設置構造体の補給機構からタンク124への補給を指示するため、タンク124に貯蔵された球の残量が少なったことを電気的に検出して球切れ検出信号を主制御装置1に出力する。扉開放スイッチ148は、パネル枠97(図6参照)が開けられた場合にオン動作して扉開放信号を主制御装置1に出力する。パネル枠97が開けられ、タンク124から球を遊技機設置構造体の補給機構に排出するために、店員が球抜きスイッチ149を操作すると、球抜きスイッチ149が球抜き信号を主制御装置1に出力する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】遊技制御取付装置の内部を示す縦断面図(最良の形態)。
【図2】遊技制御取付装置を示す裏面図(最良の形態)。
【図3】遊技制御取付装置を示す分解斜視図(最良の形態)。
【図4】遊技制御取付装置の組立工程を示す平面図(最良の形態)。
【図5】遊技制御取付装置の組立工程を示す平面図(最良の形態)。
【図6】遊技盤を示す正面図(最良の形態)。
【図7】遊技盤と遊技機枠とを示す分解斜視図(最良の形態)。
【図8】遊技機枠を示す裏面図(最良の形態)。
【図9】パチンコ機を示す裏面図(最良の形態)。
【符号の説明】
【0044】
1 主制御装置
2 遊技盤
3 部品取付構造体
10 庇
11 配線構造体収納部
12 配線構造体
16 配線コネクタ
22 取付台
36 制御筐体
43 把持溝
48 把持突起
49 制御コネクタ
56 内ガイドレール
57 外ガイドレール
58 遊技領域
75 発射通路
80 球出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤は前面における内ガイドレールと外ガイドレールで囲まれた内側の遊技領域に、入賞部品、遊技釘、アウト口のような複数の前部品を備え、内ガイドレールと外ガイドレールとの間の隙間として形成された発射通路から遊技領域への球出口または球出口の近傍における遊技領域のいずれかと対応する遊技盤の裏面には、配線構造体収納部の上部および左右部を囲むように突出した庇を有する部品取付構造体が設けられ、配線構造体収納部には、配線コネクタを有する配線構造体が設けられ、部品取付構造体の庇の裏面には、取付台が設けられ、電気部品の実装された回路基板を内蔵した制御筐体からなる主制御装置が回路基板の板面が遊技盤の裏面に対し直交し、回路基板の板面と直交する端面が遊技盤の裏面に対し平行となるように、制御筐体が取付台に取り付けられることによって、主制御装置の制御コネクタが配線構造体の配線コネクタに接続され、庇の上面と取付台の上面および制御筐体の上面が遊技盤の裏面から後側に行くにしたがって下り傾斜となる斜面に形成されたことを特徴とする遊技制御取付装置。
【請求項2】
制御筐体の上面には把持溝が設けられたことを特徴とする請求項1記載の遊技制御取付装置。
【請求項3】
制御筐体の下面には把持突起が設けられたことを特徴とする請求項1記載の遊技制御取付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−25978(P2006−25978A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−207125(P2004−207125)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】