説明

遊技台

【課題】位置決め精度が要求される部品間の位置決め精度を確保しつつ、部品点数の増加を抑制する遊技台を提供すること。
【解決手段】第一の通路と、前記第一の通路に遊技媒体を案内可能な第二の通路と、基板を収納した基板ケースと、前記基板ケースを支持することが可能な支持部が少なくとも設けられたベース部材と、を少なくとも備えた遊技台であって、前記ベース部材によって、前記第一の通路及び前記第二の通路が位置決めされる、ことを特徴とする遊技台を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパチンコ機に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にパチンコ機では、遊技球の流通機構や制御基板等の部品が遊技盤の背後に配設される(特許文献1)。このような部品を取り付ける構造としては、遊技盤の背後に配設される各種部品をユニット化した裏機構盤として、遊技盤を支持する内枠(前枠とも呼ばれる)に一体的に取り付ける構造が提案されている。また、遊技球の供給機構に関わる取り付け構造を開示するものとして、特許文献2には遊技媒体貸出装置において、遊技球の供給機構をプレートに取り付けてユニット化したものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3509895号公報
【特許文献2】特開2005−13422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技台の構成部品の中には、部品相互間の位置決め精度が要求される場合がある。例えば、遊技球の流通経路を複数の部品を組み立てて形成する場合、部品間の接続部分が適切に接続されておらず、位置ずれを生じていると遊技球が円滑に流れない要因となる。よって、このような位置決め精度が要求される部位については、位置決め精度を向上するための構造を設けることが望ましい。しかし、位置決め精度を向上するための構造を追加すると、部品点数が増加し、製造コスト及び組み立て作業の煩雑化を招くことになる。特に、パチンコ機において、遊技盤の背後に配設される各種部品は部品点数が多いため、その削減が望まれる。
【0005】
従って、本発明の目的は、位置決め精度が要求される部品間の位置決め精度を確保しつつ、部品点数の増加を抑制する遊技台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、第一の通路と、前記第一の通路に遊技媒体を案内可能な第二の通路と、基板を収納した基板ケースと、前記基板ケースを支持することが可能な支持部が少なくとも設けられたベース部材と、を少なくとも備えた遊技台であって、前記ベース部材によって、前記第一の通路及び前記第二の通路が位置決めされる、ことを特徴とする遊技台が提供される。
【発明の効果】
【0007】
発明によれば、位置決め精度が要求される部品間の位置決め精度を確保しつつ、部品点数の増加を抑制する遊技台を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技台Aの斜視図であり、前面扉400を開いた態様を示す図である。
【図2】遊技盤300の正面図である。
【図3】遊技台Aの背面図である。
【図4】基板収納ケース502、LCD326及び液晶制御基板503並びに基板収納ケース504を取り外した状態での遊技台Aの背面図である。
【図5】内枠200、タンク505、賞球装置506、球通路形成部材507及び508の分解斜視図である。
【図6】球通路形成部材507及び508を組み立てた状態の斜視図である。
【図7】球通路形成部材507及び508の分解斜視図である。
【図8】(a)は基板収納ケース504の表面図、図8(b)は基板収納ケースの裏面図である。
【図9】3つの構成部品1乃至3を位置決め部材4で位置決めした場合の例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る遊技台Aの斜視図であり、前面扉400を開いた態様を示す図である。なお、以下の説明において、前面(正面)、背面、左、右、上、下といった方向を示す場合には図1に図示した方向に基づく。
【0010】
遊技台Aはパチンコ機であって、外枠100と、内枠200と、遊技盤300と、前面扉400と、を備える。外枠100は方形の枠体(例えば木枠)をなしており、遊技台Aをホールの島に設置するための枠である。内枠200は遊技盤300を支持する枠体であり、外枠100の前面側に配設され、ヒンジ部201を介して外枠100に回動自在に支持されている。なお、ヒンジ部201は上下に離間して設けられており、図1においては上方のヒンジ部201のみが図示されている。
【0011】
内枠200の下部には、演出装置500や遊技球(パチンコ球)の発射装置501等が取り付けられている。また、内枠200の下部には、遊技者に払い出される遊技球の払出口202a、202bが設けられている。
【0012】
前面扉400は内枠200の一方の側部(左側の側部)においてヒンジ部401を介して回動自在に内枠200に支持されている。なお、ヒンジ部401は上下に離間して設けられており、図1においては上方のヒンジ部401のみが図示されている。前面扉400は、通常は内枠200の前面を覆う閉鎖状態(不図示)にあり、遊技台Aのメンテナンス時等に図1に示す開放状態とすることができる。
【0013】
前面扉400にはガラス板等の透明の部材で構成される窓部402を有しており、遊技者は窓部402を通して遊技盤300を見ることができる。前面扉400の前面には球発射ハンドル403が設けられている。遊技者が球発射ハンドル403を操作すると、発射装置501から遊技盤300へ遊技球が発射されることになる。
【0014】
前面扉400の前面には遊技者に払い出される遊技球を貯留する不図示の上皿、下皿が形成されており、前面扉400の背面には、上皿と連通して払出口202aから払い出される遊技球を上皿に導く通過口404a、下皿と連通して払出口202bから払い出される遊技球を下皿に導く通過口404b、がそれぞれ設けられている。
【0015】
図2は遊技盤300の正面図である。遊技盤300は、本体パネル310と、遊技領域320と、を備える。本体パネル310はその外形が略矩形をなしており、例えば、樹脂材料から形成される。遊技領域320は本体パネル310の前面に形成されており、したがって遊技盤300の前面に形成されている。以下、本実施形態における遊技領域320の構成について説明する。
【0016】
遊技領域320には釘320aが複数配設されている。また、遊技領域320には、特図始動入賞口321a及び321b、複数の普図始動入賞口322、複数の一般入賞口323、及び、可変入賞装置324が配設されている。本実施形態の場合、特図始動入賞口321a及び普図始動入賞口322はゲート式の入賞口であり、遊技球(パチンコ球)の入球後も遊技領域320を流下する。一方、特図始動入賞口321b、一般入賞口323及び可変入賞装置324はいずれも、遊技球の入球後には遊技領域320から排出される。これらの各入賞口にはいずれも入球を検出するセンサ(不図示)が設けられている。
【0017】
特図始動入賞口321bは、いわゆる電動チューリップであり、羽根部の開閉により、遊技球の入球が規制される規制状態と、規制状態よりも遊技球が入球し易い開放状態と、の間で状態が変化する。可変入賞装置324は、大当たりが発生した場合に遊技球の入球が可能となるよう、その入賞口にシャッタ(不図示)が設けられており、このシャッタは大当たりが発生した場合にのみ開放される。
【0018】
遊技領域320には、また、アウト口325が設けられている。アウト口325は遊技領域320の最下部に設けられており、いずれの入賞口にも入球しなかった遊技球はこのアウト口325に入球して遊技領域320から排除される。
【0019】
遊技領域320の略中央には液晶表示装置(LCD)326が配置されている。LCD326は各種の情報を表示する画像表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置を採用するが他の画像表示装置であってもよい。遊技領域320の上部には、普通図柄表示装置327a、特別図柄表示装置327bが設けられている。本実施形態の場合、これらはいずれも7セグメントLED表示器である。また、普通図柄表示装置327a及び特別図柄表示装置327bの下方には普図抽選保留記憶数表示装置328aが、上方には特図抽選保留記憶数表示装置328bが、それぞれ配設されている。
【0020】
普図抽選保留記憶数表示装置328aは小当たり判定用の乱数の保留回数を表示し、特図抽選保留記憶数表示装置328bは大当たり判定用の乱数の保留回数を表示する。本実施形態の場合、普図抽選保留記憶数表示装置328a及び特図抽選保留記憶数表示装置328bをいずれも複数のLEDで構成し、乱数の保留回数に応じた数のLEDを点灯する。
【0021】
遊技領域320には、また、外レール329a及び内レール329bが配設されている。発射装置501から発射された遊技球は、外レール329aと内レール329bとの間の通路を通って遊技領域320の上部へ打ち込まれることになる。
【0022】
次に、上記構成からなる遊技領域320による遊技について概説する。遊技者が発射ハンドル403を操作すると、発射装置501から発射された遊技球が遊技領域320の上部へ打ち込まれる。遊技球は、その後、遊技領域320に立設した複数の釘320aと衝突を繰り返しながら遊技領域320の下部に流れ落ちる。遊技領域320の上部から下部へ遊技球が流れ落ちる過程で、特図始動入賞口321a及び321b、普図始動入賞口322、一般入賞口323、可変入賞装置324に遊技球が入球することで入賞となり、遊技者に対して特典が与えられる。
【0023】
遊技者に対する特典として、特図始動入賞口321b、一般入賞口323に遊技球が入球した場合は一定数の賞球、例えば3個の遊技球が払出される。可変入賞装置324に遊技球が入球した場合は一定数の賞球、例えば15個の遊技球が払出される。特図入賞口321a、普図始動入賞口322に入球した場合は遊技球を払出してもよいが、本実施形態では払出はない。
【0024】
遊技台Aの主制御部(不図示)は特図始動入賞口321a又は321bに遊技球が入球したことを条件として大当たりの抽選を行なう。抽選の結果は特別図柄表示装置327bにより表示する。特別図柄表示装置327bは所定時間の間、図柄(特別図柄)を変動表示した後、抽選結果に応じた特別図柄を確定表示する。大当たりの抽選は、乱数を取得し、取得した乱数が予め定めた値に該当するか否かを判定(大当たりの判定)することにより行なう。大当たりの当選確率は各抽選毎に例えば1/350である。
【0025】
本実施形態の場合、大当たりの判定は、特別図柄の変動中には行なわない。特別図柄の変動中に特図始動入賞口321a又は321bへの遊技球の入球があった場合は、その入球に対応する乱数を保留し、特別図柄の確定表示後に大当たりの判定を行なう。乱数の保留数は例えば最大4つである。従って、最大保留回数を超えて、特図始動入賞口321a又は321bに入球があった場合、その入球に対応する大当たりの抽選は行なわない。なお、大当たり用の乱数の保留数を「特図抽選保留記憶数」といい、特図抽選保留記憶数表示装置328bによりその数が表示される。
【0026】
抽選の結果はLCD326にも表示される。LCD326は、図柄(装飾図柄)の組合せを変動して表示した後、大当たりの判定結果に応じた装飾図柄の組合せを表示する。LCD326は、特別図柄表示装置327bの特別図柄の変動開始及び変動終了と略同期して装飾図柄の組合せの表示の変動を開始し、終了する。
【0027】
次に、遊技台Aは、大当たりの抽選結果が大当たりであることを条件として、予め定めた了条件が成立するまで、遊技状態として大当たり状態を設定する。大当たり状態が設定されている間、可変入賞装置324のシャッタが所定回数(例えば15回)開放し、可変入賞装置324に遊技球が入球可能となる。1回の開放(ラウンド)は可変入賞装置324に一定数の遊技球の入球(例えば9個)があるか、一定時間の経過(例えば30秒)により終了する。大可変入賞装置324のシャッタが上記の所定回数開放すると、つまり、ラウンド数が所定回数に達すると大当たり状態を終了する。
【0028】
遊技台Aの主制御部は普図始動入賞口322に遊技球が入球したことを条件として小当たりの抽選を行なう。抽選の結果は普通図柄表示装置327aにより表示する。普通図柄表示装置327aは所定時間の間、図柄(普通図柄)を変動表示した後、抽選結果に応じた普通図柄を確定表示する。
【0029】
本実施形態では小当たりの抽選は、乱数を取得し、取得した乱数が予め定めた値に該当するか否かを判定(小当たりの判定)することにより行なう。本実施形態の場合、小当たりの判定は、普通図柄の変動中には行なわない。普通図柄の変動中に普図始動入賞口322への遊技球の入球があった場合は、その入球に対応する乱数を保留し、普通図柄の確定表示後に小当たりの判定を行なう。乱数の保留数は例えば最大4つである。従って、最大保留回数を超えて、普図始動入賞口322に入球があった場合、その入球に対応する小当たりの抽選は行なわない。なお、小当たり用の乱数の保留数を「普図抽選保留記憶数」といい、普図抽選保留記憶数表示装置328aによりその数が表示される。
【0030】
遊技台Aの主制御部は、小当たりの抽選結果が小当たりであることを条件として、特図始動入賞口321bを一定時間(例えば0.3秒)開放させる。よって、小当たりが成立すると特図始動入賞口321bに遊技球が入球し易くなる。
【0031】
次に、遊技台Aの背面側の構成について説明する。図3は遊技台Aの背面図であり、遊技盤300の背後に配設される構成を示す。基板収納ケース502は、遊技の進行を制御する主制御部を構成する主制御基板を収納する。また、基板収納ケース502の背後(正面側)には、演出装置500を制御する副制御基板及び台コンピュータとのインターフェースとなる中継基板を収納する不図示の基板収納ケースが配設されている。これらは遊技盤300の背面に取り付けられている。
【0032】
液晶制御基板503はLCD326の制御回路基板であり、遊技盤300の背面に取り付けられている。基板収納ケース504は、遊技球の払出しを制御する払出制御基板を収納する収納部504a、発射装置501を制御する発射基板を収納する収納部504b及び遊技台Aに隣接して配設される遊技球の貸出装置とのインターフェースとなる接続端子基板を収納する収納部504cを備える。このように、基板収納ケース504が複数種類の制御基板を収納する構成としたことにより、各制御基板の取り付けを一括して行える。
【0033】
図4は、基板収納ケース502、LCD326及び液晶制御基板503並びに基板収納ケース504を取り外した状態での遊技台Aの背面図である。遊技台Aの背面上部には、島の補給装置から供給される遊技球を貯留するタンク505、遊技結果等に応じて遊技者に遊技球を払いだす賞球装置506、賞球装置506からの遊技球を上皿、下皿に流通させる通路を形成する球通路形成部材507、及び、アウト口325から排出された遊技球が流通する球通路形成部材508が配設されている。図3に示すように、球通路形成部材507及び508の大部分は、通常時には基板収納ケース504に覆われた状態にある。
【0034】
図5は、内枠200、タンク505、賞球装置506、球通路形成部材507及び508の分解斜視図である。本実施形態の場合、タンク505、賞球装置506、球通路形成部材507及び508はいずれも内枠200に取り付けられて固定されている。タンク505の上部は上方へ開口しており、島の補給装置から遊技球がここへ供給される。タンク505内の遊技球は賞球装置506へ導かれる。賞球装置506は基板収納ケース504に収納された払出制御基板により動作が制御され、遊技結果等に応じた数の遊技球を球通路形成部材507へ供給する。
【0035】
球通路形成部材507及び508の構成について、図5乃至図7を参照して説明する。図6は球通路形成部材507及び508を組み立てた状態の斜視図、図7は球通路形成部材507及び508の分解斜視図である。
【0036】
球通路形成部材507の下部には遊技球の3つの出口507a、507b及び507eが形成され、上部には遊技球の2つの入口507c及び507dが形成されている。球通路形成部材507内には、入口507dと出口507aとを結ぶ通路、該通路から分岐して出口507bに連通した通路が形成されている。更に、球通路形成部材507内には入口507cと出口507eとを結ぶ球抜き用通路が形成されている。
【0037】
組み立て時において、球通路形成部材507の出口507aは内枠200の払出口202aに位置し、出口507aから排出される遊技球は、払出口202a及び上述した通過口404aを介して上皿へ導かれる。一方、球通路形成部材507の出口507bは内枠200に設けた遊技球の入口202cに位置する。内枠200の内部において、入口202cと払出口202bとは連通している。したがって、出口507bから排出される遊技球は、入口202cと、上述した通過口404bを介して下皿へ導かれる。
【0038】
賞球装置506から供給される遊技球は、通常は、球通路形成部材507の入口507dから球通路形成部材507内に導入され、出口507aから排出される。但し、上皿が満杯になって、出口507aにまで遊技球が溜まった状態となると、球通路形成部材507内の、出口507aと入口507dとを結ぶ通路から遊技球が溢れ、該通路から分岐して出口507bに連通した通路に流れ込み、出口507bから遊技球が排出される。こうして、遊技球は基本的には上皿へ排出されるものの、上皿が満杯になると下皿へ導かれることになる。
【0039】
一方、球通路形成部材508の下部には遊技球の出口508cが形成され、上部中央には遊技球の入口508aが、上部左側には入口508bが形成されている。球通路形成部材508内は、これらの出口508c、入口508a及び508bに連通した空間が形成されている。
【0040】
組み立て時において、球通路形成部材508の入口508aは、内枠200に形成され、上述したアウト口325から排出される遊技球を受ける、受け部202dに位置する。したがって、アウト口325から排出される遊技球は、入口508aから球通路形成部材508内部へ導入され、球通路形成部材508の出口508cから遊技台Aの下方へ排出される。遊技台Aの下方には、島の球回収設備が位置しており、出口508cから排出された遊技球は球回収設備で回収されることになる。
【0041】
球通路形成部材508の入口508bは、球通路形成部材507の出口507eに接続され、これらはそれぞれ互いに接続される接続部を構成している。上述したとおり、球通路形成部材507内には出口507eと入口507dとを結ぶ球抜き用通路が形成されており、球通路形成部材508の入口508bはこの球抜き用通路と連通することになる。
【0042】
一般に、タンク505や賞球装置506は経時的に劣化し易い部品であり、定期的なメンテナンス、交換が行われる。その際、タンク505や賞球装置506内には遊技球が残留しているのが普通であり、これを取り除く必要がある。球抜き用通路は、この場合に用いられる遊技球の通路であり、タンク505や賞球装置506のメンテナンス等の際には、賞球装置506から球通路形成部材508の入口507dへ残留遊技球が供給され、残留遊技球は、入口507d、出口507eを介して球通路形成部材508の入口508bへ導かれる。入口508bから球通路形成部材508内へ導入された遊技球は、出口508cから排出され、島の球回収設備により回収されることになる。
【0043】
ここで、球通路形成部材508の入口508bと球通路形成部材507の出口507eとは、適切に位置決めされていないと、遊技球が円滑に流れないことになる。これらの位置決め精度を、球通路形成部材507及び508の内枠200への取付精度で確保しようとすると、球通路形成部材507及び508並びに内枠200自体の精度を向上する必要があり、困難な場合が多い。そこで、本実施形態では、位置決め部材509により、球通路形成部材508の入口508bと球通路形成部材507の出口507eとの位置決めを局所的に行う構成を採用している。
【0044】
位置決め部材509は、本実施形態の場合、球通路形成部材508にねじにより固定されている。尤も、球通路形成部材507に固定してもよく、或いは、球通路形成部材507及び508の双方に固定するようにしてもよい。
【0045】
球通路形成部材507及び508は、それぞれ突起507f、508dを有しており、これらの突起507f、508dは位置決め部材509に設けた穴に嵌合する。これにより、球通路形成部材508の入口508bと球通路形成部材507の出口507eとの上下方向の位置決めがなされる。位置決め部材509は、側片509b乃至509dを有している。これらの側片509b乃至509dは、球通路形成部材507及び508の一部に当接し、球通路形成部材508の入口508bと球通路形成部材507の出口507eとの左右方向の位置決めを行う。
【0046】
このような位置決め部材509を設けたことにより、球通路形成部材508の入口508bと球通路形成部材507の出口507eとの上下左右の位置決めを行うことで、これらの間の位置決め精度を確保し、遊技球の円滑な流通を実現することができる。
【0047】
続いて、位置決め部材509は、その上下にそれぞれ設けた取付片509aを有する。本実施形態では、この取付片509aに基板収納ケース504を取り付け、支持する。図8(a)は基板収納ケース504の表面図、図8(b)は基板収納ケース504の裏面図である。基板収納ケース504の裏面には、取付軸504dが上下に離間して一対設けられている。位置決め部材509の取付片509aには取付軸504dが挿入される貫通穴が形成されており、取付軸504dを取付片509aの貫通穴に挿入することで、基板収納ケース504が支持されることになる。
【0048】
本実施形態の場合、位置決め部材509が球通路形成部材508に固定され、球通路形成部材508は内枠200に固定されている。したがって、基板収納ケース504は位置決め部材509及び球通路形成部材508を介して内枠200に支持される。
【0049】
このように、本実施形態では、位置決め部材509が、球通路形成部材508の入口508bと球通路形成部材507の出口507eとの位置決めと、基板収納ケース504の支持とを兼用することで、基板収納ケース504に固有の支持部材を不要として部品点数の増加を抑制しながら、球通路形成部材508の入口508bと球通路形成部材507の出口507eとの位置決め精度を確保することができる。また、基板収納ケース504の配置の自由度を向上できる。
【0050】
また、本実施形態の場合、基板収納ケース504は取付軸504dを回動軸として、位置決め部材509に対して回動自在に支持される。したがって、図3に示した、球通路形成部材507及び508が基板収納ケース504に覆われた状態から基板収納ケース504を手前側に回動することで、基板収納ケース504を取り外すことなく、球通路形成部材507及び508といった、基板収納ケース504に通常時において覆われる部品のメンテナンス等を容易化することができる。
【0051】
なお、基板収納ケース504が、図3に示した、球通路形成部材507及び508が基板収納ケース504に覆われた状態から勝手に回動してしまうことを防止するために、基板収納ケース504には、図7に示す2つの係合部504eが図8(a)及び(b)に示す位置に設けられている。球通路形成部材508には、図7に示すように、係合部504eを係止する係止部508eが設けられている。本実施形態の場合、係合部504eは軸部を備えており、係止部508eはこの軸部が挿入される穴を有する筒体である。筒体は、可撓性又は弾性を有する部材からなり、例えば、ゴムからなる。基板収納ケース504を図3に示した閉鎖状態とする際に、係合部504eが係止部508eに差し込まれて両者が係止状態となり、基板収納ケース504が遊技台Aの振動等により、勝手に回動してしまうことを防止できる。
【0052】
次に、本実施形態の場合、球通路形成部材507及び508が内枠200に直接取り付けられていることにより、これらを内枠200により支持するための部品が不要となる。
【0053】
なお、本実施形態では、位置決め部材509により、球通路形成部材508の入口508bと球通路形成部材507の出口507eとの位置決めを行ったが、位置決めの対象とする部品はこれらに限られず、遊技台の各種の構成部品に本発明は適用可能である。また、位置決めの対象とする部品は2つの部品に限られず、3部品以上でもよい。
【0054】
図9は、3つの構成部品1乃至3を位置決め部材4で位置決めした場合の例を示す模式図である。同図の例では、位置決め部材4は、構成部品1にねじにより固定され、構成部品2及び3はそれぞれ、突起2a、3aを有しており、これらの突起2a、3aが位置決め部材4に嵌合する構成である。なお、位置決め部材4に支持される構成部品は図示を省略している。また、位置決め部材4は、構成部品1乃至3の全てに固定するようにしてもよく、或いは、いずれか2つに固定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0055】
A 遊技台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の通路と、
前記第一の通路に遊技媒体を案内可能な第二の通路と、
基板を収納した基板ケースと、
前記基板ケースを支持することが可能な支持部が少なくとも設けられたベース部材と、
を少なくとも備えた遊技台であって、
前記ベース部材によって、前記第一の通路及び前記第二の通路が位置決めされる、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台であって、
前記第一の通路は、前記第二の通路との位置関係が所定の位置関係である場合に、該第二の通路に遊技媒体が案内可能なものであり、
前記ベース部材は、前記第一の通路と前記第二の通路の位置関係が前記所定の位置関係となるように位置決めすることが可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の遊技台であって、
前記ベース部材は、前記第一の通路及び前記第二の通路のうちの少なくとも一方に固定可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記ベース部材は、前記位置決め用の複数の嵌合部が設けられており、
前記複数の嵌合部は、前記第一の通路との嵌合部である第一の嵌合部と、前記第二の通路との嵌合部である第二の嵌合部を少なくとも含む、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記ベース部材は、前記第一の通路と前記第二の通路との境界部分の一部を覆うことが可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の遊技台であって、
前記支持部は、前記基板ケースを回動自在に支持することが可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−139564(P2012−139564A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−101636(P2012−101636)
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【分割の表示】特願2007−157699(P2007−157699)の分割
【原出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】