説明

遊技媒体数表示装置を備えた遊技島システム

【課題】 遊技店の営業中である通常動作時では、各遊技台にて獲得した遊技媒体数(賞球、獲得メダル等)に応じてその数量を視認可能に発光表示すると共に、災害時における遊技店の停電の際に、誘導灯として可変発光表示する遊技媒体数表示装置を備えた遊技島システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 遊技島の通常動作時において、電断検知回路にて電源供給ラインの送電状況を監視するとともに、主電源部からの電力を蓄電部にて充電を行い、遊技島の停電動作時において、主電源部からの電源供給ラインが電断状態であることを電断検知回路によって検知すると、蓄電部からの電力を電源供給ラインへ送電するとともに、電断通知回路から各遊技媒体数表示装置へ通知信号を送信し、遊技媒体数表示装置は、通知信号の受信により通常動作時としての第1の発光方式から、停電動作時としての第2の発光方式へ可変発光表示可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各遊技台にて獲得した遊技媒体数(賞球、獲得メダル等)に応じてその数量を視認可能に発光表示すると共に、災害時における遊技店の停電の際に、誘導灯に可変発光表示する遊技媒体数表示装置を備えた遊技島システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技台において遊技客が獲得した遊技媒体は、玉箱などの収納ケースに収納され、このケースを玉計数装置又は景品交換所まで運んだ後、獲得した遊技媒体を計数することが行われている。
【0003】
ところが、多量の遊技媒体を収納した重いケースを、玉計数装置又は景品交換所まで運ぶ作業に多大な労力を要するものであり、また、遊技媒体を収納した複数のケースを遊技客の足下周辺に積み上げると、他の遊技客や店員の通行の邪魔になるおそれがあった。
【0004】
そこで、このような不都合を解消するために、上記のパチンコ玉の収納ケースを不要と
するシステムが開発されている。例えば、特許文献1に記載されている遊技機用玉計数装置は、遊技客が獲得した遊技媒体を遊技機(遊技台)に隣設された玉貸機の内部を通過させ、遊技機の背面側の遊技島内へ移送して回収する際に、パチンコ玉の個数を計数し、その計数結果をカード等の媒体に記憶させるようにしたものである。また、このようにしてカード等の媒体を提供された遊技客は、その媒体を景品交換所に持ち込むことによって所望の景品と交換することが可能となる。
【0005】
また、前述するシステムを含む、各遊技台にて遊技媒体を計数するシステムにおいては、遊技客が計数された遊技媒体に直接触れることができないため、玉貸機や遊技台等で現時点での獲得した遊技媒体数(持玉数)を、遊技を行っている遊技客に表示するが、遊技台から遠く離れた位置で遊技客以外の人が持玉数を認識するのは困難である。そのような問題を解消するために例えば特許文献2が開示されている。
【0006】
特許文献2に記載されている遊技媒体数表示装置は、遊技台に対座可能な遊技用椅子に設けられ、前記遊技台で遊技可能な遊技媒体の数量データに基づいて遊技台の遊技媒体数を表示するようにしたものであり、これにより遊技機から遠く離れた位置からでも、遊技客以外の人が遊技媒体数を知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−045203
【特許文献2】特開2004−166743
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
昨今の遊技店において、地震、火事などの災害等が発生した場合、遊技店内が停電して暗闇状態となってしまう問題があり、災害時に暗闇状態となった遊技店内を遊技客が避難する際に、暗闇で足元がわからず転倒、衝突などで怪我をしてしまう恐れがある。また、遊技店内上方には非常口の照明などがあるが、立設した複数の遊技島によって遮られてしまい視認することが難しい。さらに、遊技用椅子に設けられた特許文献2の遊技媒体数表示装置においては、遊技店内の停電時に併せて消灯してしまうため、災害時に避難する遊技客が前記遊技媒体数表示装置に足元を取られて転倒し怪我をする恐れがあった。
【0009】
本発明は上記問題を鑑みて、遊技店の営業中である通常動作時では、各遊技台にて獲得した遊技媒体数(賞球、獲得メダル等)に応じてその数量を視認可能に発光表示すると共に、災害時における遊技店の停電の際に、誘導灯として可変発光表示する遊技媒体数表示装置を備えた遊技島システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の問題を解決するために、本発明の請求項1は、遊技台と対座可能に備えた遊技用椅子の背面側近傍に設け、該遊技台の下皿より排出され計数される遊技媒体の数量データに基づいて前記遊技媒体数の数量表示を照明部の発光、点滅により表示を行う遊技媒体数表示装置を備えた遊技島システムにおいて、遊技媒体数表示装置へ電源供給ラインによって電力を供給する主電源部と、電源供給ライン間に主電源部からの電力を送電可能な電源供給装置と、を設け、前記電源供給装置は、主電源部からの電力を充電する蓄電部と、電源供給ラインの送電状況を監視するとともに電断状態を検知する電断検知回路と、遊技媒体数表示装置に電断通知ラインにて通知信号を送信する電断通知回路と、前記蓄電部からの電力を電源供給ラインへ送電する電源供給回路と、を備え、遊技島の通常動作時において、前記電断検知回路にて電源供給ラインの送電状況を監視するとともに、主電源部からの電力を前記蓄電部にて充電を行い、遊技島の停電動作時において、主電源部からの電源供給ラインが電断状態であることを電断検知回路によって検知すると、前記蓄電部からの電力を電源供給ラインへ送電するとともに、前記電断通知回路から各遊技媒体数表示装置へ通知信号を送信し、遊技媒体数表示装置は、前記通知信号の受信により通常動作時としての第1の発光方式から、停電動作時としての第2の発光方式へ可変発光表示可能とすることを特徴とする
【0011】
また、本発明の請求項2は、前記電源供給装置は、遊技店内に備えた異常検知装置と異常通知ラインにより接続され、前記異常検知装置からの検知信号を前記異常通知ラインにより受信することで、前記電断通知回路から各遊技媒体数表示装置へ通知信号を送信し、遊技媒体数表示装置は、前記通知信号の受信により通常動作時としての第1の発光方式から、停電動作時としての第2の発光方式へ可変発光表示可能とすることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項3は、通常動作時としての第1の発光方式は、計数された遊技媒体の数量データに基づいて発光表示し、停電動作時としての第2の発光方式は、遊技客に対し避難経路を示す誘導灯として発光表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、電源供給装置を設け、前記電源供給装置の電断検知回路にて電源供給ラインの送電状況を監視すると共に、主電源部からの電力を前記蓄電部にて充電を行い、火災、地震等の災害時に遊技店内が停電状態となったとしても、主電源部より供給される電力が電断状態であることを電断検知回路によって検知し、前記蓄電部に充電された電力を電源供給ラインへ送電することで、各遊技媒体表示装置は停電状態でも発光することが可能であり、併せて、前記電断通知回路から各遊技媒体数表示装置へ通知信号を送信し、前記通知信号を受信した遊技媒体表示装置は、通常動作時としての第1の発光方式から、停電動作時としての第2の発光方式へ可変発光表示可能であり、停電による暗闇状態でも遊技客の足元を照らすように発光可動するので、避難する遊技客が足元を取られて転倒し怪我することなく安全に避難することが可能である。
【0014】
請求項2の発明によれば、前記電源供給装置には、遊技店内に備えた異常検知装置と異常通知ラインにより接続され、前記異常検知装置から検知信号を前記異常通知ラインによって受信すると、電断通知回路から各遊技媒体数表示装置へ通知信号を送信し、前記通知信号を受信した遊技媒体数表示装置は、通常動作時としての第1の発光方式から、停電動作時としての第2の発光方式へ可変発光表示可能とすることで、異常検知装置の煙、火災等検知に伴って遊技媒体数表示装置を第1の発光方式から第2の発光方式へ可変発光表示を行い、遊技客、遊技店店員等に火災等の災害を早期に知らせることができ、安全に避難することができる。
【0015】
また、請求項3の発明によれば、通常動作時としての第1の発光方式は、計数された遊技媒体の数量データに基づいて発光表示し、停電動作時としての第2の発光方式は、遊技客に対し避難経路を示す誘導灯として発光表示するので、通常動作時において遊技機から遠く離れた位置からでも、遊技客以外の人が遊技媒体数を知ることができ、併せて、停電動作時に誘導灯として発光表示し、停電による暗闇状態でも各遊技媒体数表示装置は遊技客の足元を照らすように発光可動するので、避難する遊技客に対し避難経路を示すことができ、該遊技客が該誘導灯となった遊技媒体数表示装置に沿って安全に避難することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】遊技媒体数表示装置を備えた遊技島を示す外観斜視図である。
【図2】遊技島に設置された遊技台と、該遊技台の周辺機器を示す正面図である。
【図3】遊技媒体数表示装置を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は正面図である。
【図4】遊技媒体数表示装置の一部の内部構成を示す図である。
【図5】遊技媒体数表示装置の通常動作時の表示例を示す図である。
【図6】遊技媒体数表示装置を備えた遊技島の通常動作時の電源、通信ラインの構成を示す図である
【図7】遊技媒体数表示装置を備えた遊技島の停電動作時の電源、通信ラインの構成を示す図である。
【図8】遊技媒体数表示装置の停電動作時の表示例を示す図である。
【図9】遊技媒体数表示装置を備えた遊技島の異常検知時の電源、通信ラインの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は遊技媒体数表示装置1を備えた遊技島20を示す外観斜視図であり、図2は遊技島20に設置された遊技台30と、該遊技台30の周辺機器を示す正面図である。
遊技店に設置された遊技島20には、横方向直線的に複数の遊技台30が配設されており、夫々の遊技台30前方側には、遊技客が各遊技台30に対座可能に遊技用椅子40が配設されている。また、図1、図2に示すように、夫々の遊技台30には、遊技客が紙幣を挿入することで遊技媒体(パチンコ玉)を払い出す玉貸機50が隣設している。
【0019】
前記玉貸機50の前面上部には縦方向に長いスリット状の紙幣挿入口50aが形成され、高さ方向中間部には水平方向に回動可能な玉払ノズル50bが設けられている。又、玉貸機50の玉払ノズル50bの下方の前面下部には表示部50cが設けられている。遊技台30の前面には、前記玉貸機50に設けられた玉払ノズル50bから遊技媒体の払い出しを受ける上皿30aが突設されており、この上皿30aの下方には下皿30bが配置され、その下方には前記下皿30bから落下する遊技媒体(賞球)を受ける玉受皿50eが配置されている。
【0020】
上記玉受皿50eは、玉貸機50に一体的に備えられた出玉計数装置の一部を構成するものであって、出玉計数装置は、玉受皿50eの他、前記玉貸機50の内部に形成された不図示の計数通路と、該計数通路と玉受皿50eとを連結する連結通路50fと、計数通路の途中に設けられた不図示の計数センサによって構成されている。尚、連結通路50fは玉受皿50eから横方向に水平に延びた後、玉貸機50に向かって略直角に折り曲げられ、その端部は玉貸機50の内部に形成された計数通路に接続されている。そして、これらの連結通路50fと計数通路は、遊技媒体の移送方向に沿って下がるよう傾斜している。又、前記計数センサとしては、金属製の遊技媒体の通過を電磁気的に検知してその遊技媒体の個数を計数する貫通型近接スイッチ等が使用される。
【0021】
前述する出玉計数装置を備えた玉貸機50により、下皿30bから落下する遊技媒体は、玉受皿50eから連結通路50fを経て計数通路へ流れ、計数センサによって計数され遊技島20内へ排出される。計数された遊技媒体はその個数を玉貸機50の表示部50cにて表示を行うと共に、データとしてサーバへ送信される。
【0022】
また、遊技台30の上方近傍には、呼出ランプ60が設置されている。前記呼出ランプ60は、遊技客が遊技店店員を呼び出す際に使用すると共に、遊技台30と接続され該遊技台30の大当たり、エラー、不正等の情報を視認可能に表示するとともに、該遊技台30と連動して発光、点滅するものである。さらに、図1に示すように、夫々の遊技用椅子40の背面側の脚部40a近傍には本発明である遊技媒体数表示装置1が設置されている。
【0023】
図3は遊技媒体数表示装置1を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は正面図である。また、図4は、遊技媒体数表示装置1の一部の内部構成を示す図である。遊技媒体数表示装置1は、半円筒状であり、遊技用椅子40の脚部40a近傍の床面に設置されている。前記遊技媒体数表示装置1は、その前面側に樹脂材にて形成された、玉箱を模した形状の照明部3を円筒状に沿って湾曲に複数(図3においては、横5個、縦5列の総計25個)設けている。図4において夫々の照明部3には、赤、青、白等多色発光可能な発光LEDを設けた発光基板3aを内部に備え、前記発光基板3aは遊技媒体数表示装置1の内部に設けた制御部5と接続されている。
【0024】
制御部5は、夫々の照明部3と接続されると共に、遊技島20に設置された遊技台30、呼出ランプ60、及び玉貸機50と、を該遊技島20内から床下配線、もしくは、夫々の配線を遊技店の床面に敷設させて接続されており、遊技媒体数表示装置1は、接続されている前述の機器から出力される信号を制御部5にて受信し、予め設定を行った発光方式(例えば図5(a)〜(f)に示す表示例)に伴い第1の発光方式として発光、点滅を行う。また、各遊技媒体数表示装置1の制御部5には、後述に示す電源供給ライン15と、電断通知ライン17が接続されている。本実施例において、遊技島20に設置された遊技台30、呼出ランプ60、及び玉貸機50と、を該遊技島20内から床下配線、もしくは、夫々の配線を遊技店の床面に敷設させて接続されているとしたが、遊技媒体数表示装置1に受信部を設けて、無線方式にて各周辺機器からのデータを受信してもよい。
【0025】
図5は遊技媒体数表示装置1の通常動作時の表示例を示す図である。遊技台30からは、該遊技台30から出力される大当たり信号、不正信号、エラー信号等を制御部5で受信し、該遊技台30と連動して発光、点滅を行う。呼出ランプ60からは、遊技客が遊技店店員を呼び出す際に出力される呼出信号を制御部5で受信し、該呼出ランプ60と連動して発光、点滅を行う。遊技台30、呼出ランプ60から信号を受信した制御部5は、大当たりや不正、店員呼び出しといった夫々の事例に対して設定された発光方式に伴って発光、点滅を行う。例えば、図5(a)、(b)の示すように、縦方向、及び斜め方向(図中矢印方向)にライン発光表示、また、図5(c)、(d)に示すような、遊技媒体数表示装置1の全体をグラデーション発光表示、等を行う。
【0026】
大当たりや不正、店員呼び出しといった夫々の事例に対して、設定された発光方式に伴って発光、点滅を行うことで、遊技客以外の人や遊技店店員に、遊技台30から遠く離れた位置からでも様々な事例内容を簡単に知らせることができる。
【0027】
また、玉貸機50からは、該玉貸機50に備えた出玉計数装置にて計数された遊技媒体数を持玉数データとして制御部5へ1玉毎出力され、前記持玉数データを受信した制御部5は、接続している照明部3を予め設定された区分情報に従って発光させる。制御部5は、受信した持玉数データが各区分の境界値に達しているか否かによって各照明部3の発光を制御している。例えば、持玉数の区分値を1000玉毎に設定した場合、玉貸機50より出力された持玉数データが1000玉達した際に、図5(e)に示すように、複数設けた照明部3の1個(図中最下段左側)を発光させ、さらに1000玉達した場合、照明部3を矢印方向の照明部3をさらに1個発光させる。図5(f)においては、照明部3が8個発光しているため、8000個以上持玉数を保持していることとなる。
【0028】
玉貸機50より制御部5へ伝達される持玉数データは、1玉毎出力し制御部5で受信した持玉数データが各区分の境界値に達しているか否かによって各照明部3の発光を制御しているとしたが、例えば、玉貸機50側で持玉数が境界値に達しているか否かを判断し、区分値に達した場合に制御部5に出力をしてもよい。
【0029】
また、遊技客が計数された遊技媒体(持玉)を遊技に使用する際、遊技客の操作により玉貸機50から遊技媒体を玉払出ノズル50bにより遊技台30の上皿30aへ払い出されると共に、玉貸機50から持玉払出数データを制御部5へ1玉毎出力する。前記持玉払出数データを受信した制御部5は、接続している照明部3を予め設定された区分情報に従って消灯させる。
【0030】
前述した持玉数データの設定のように、玉貸機50より制御部5へ伝達される持玉払出数データは、1玉毎出力し制御部5で受信した持玉払出数データが各区分の境界値に達しているか否かによって各照明部3の消灯を制御しているとしたが、例えば、玉貸機50側で持玉払出数が境界値に達しているか否かを判断し、区分値に達した場合に制御部5に出力をしてもよい。
【0031】
また、各遊技媒体表示装置1の制御部5は、遊技店のホールコンピュータと接続して、空席情報やイベント台情報等の遊技店情報を、その事例に合わせて照明部3を発光、点滅表示してもよい。遊技媒体数表示装置1にて遊技店情報を発光、点滅にて表示することで、遊技店側の情報を遊技客にわかりやすく提供することが可能となる。
【0032】
図6、図7は遊技媒体数表示装置1を備えた遊技島20の電源、通信ラインの構成を示す図である図6は遊技媒体数表示装置1を備えた遊技島20の通常動作時の電源、通信ラインの構成を示す図であり、図7は遊技媒体数表示装置1を備えた遊技島20の停電動作時の電源、通信ラインの構成を示す図である。遊技用椅子40の脚部40a近傍に備えた夫々の遊技媒体数表示装置1は、主電源部11から送電する電力を電源供給ライン15により、前記主電源部11と各遊技媒体数表示装置1の間に設けた電源供給装置13を経て、各遊技媒体数表示装置1の制御部5へ供給され動作する。また、前記電源供給装置13からは電断通知ライン17が各遊技媒体表示装置1の制御部5に接続されている。
【0033】
電源供給装置13は、主制御部13aと、蓄電部13bと、充電回路13cと、電源供給回路13dと、電断検知回路13eと、電断通知回路13fと、を備え、主電源部11から各遊技媒体数表示装置1へ供給される電力の送電状況を監視すると共に、充電回路13cを経て蓄電部13bに電力を充電する。主制御部13aは、電源供給回路13dと、電源検知回路13eと、電断通知回路13fと、夫々接続し各回路の入出力制御を行っている。
【0034】
電断検知回路13eは、電源供給ライン15と接続し、主電源部11から各遊技媒体数表示装置1へ供給される電力の送電状況を監視している。電源供給回路13dは、蓄電部13b、及び電源供給ライン15と接続され、主制御部13aの出力により蓄電部13bに充電されている電力を電源供給ライン15へ送電し、各遊技媒体数表示装置1へ供給するものである。電断通知回路13fは、各遊技媒体数表示装置1の制御部5と電断通知ライン17によって接続され、主制御部13aからの出力により、電断通知回路13fから電断通知ライン17を経て、通知信号を各遊技媒体数表示装置1へ送信される。
【0035】
主電源部11、及び電源供給装置13は遊技島20内に設置され、主電源部11からの電源供給ライン15と、電源供給装置13からの電断通知ライン17は、各遊技媒体数表示装置1に接続する周辺機器(貸出機、遊技台、呼出ランプ等)と同様に、該遊技島20内から床下配線や遊技店の床面に敷設されて接続される。
【0036】
次に図6、図7を用いて、作用を説明する。図6に示すように、通常動作時において、主電源部11より送電される電力は電源供給ライン15によって電源供給装置13を経て各遊技媒体数表示装置1へ供給される。電力を供給された各遊技媒体表示装置1は、遊技台30、呼出ランプ60、貸出機50からの各出力信号を該遊技媒体数表示装置1の制御部5で受信し、各出力信号に基づき、第1の発光方式である図5の表示例に示すように、複数の照明部3を発光、及び点滅を行う。
【0037】
また、電源供給ライン15は、電源供給装置13を経て各遊技媒体数表示装置1と接続されるとともに、電源供給装置13の内部にて電断検知回路13eと接続され、前記電断検知回路13eにて主電源部11から各遊技媒体数表示装置1へ供給される電力が電源供給ライン15にて送電されているかの送電状況を監視するとともに、電源供給ライン15にて送電される電力が、前記電源供給ライン15と接続している充電回路13cを経て蓄電部13bに送電され充電を行う。通常動作時において、前記蓄電部13bと接続している電源供給回路13dはOFF状態であり、前記蓄電部13bにて充電される電力は電源供給ライン15へ送電されることはない。
【0038】
通常動作時において、遊技店にて火災、地震等の災害が発生して遊技店内全体が停電し、主電源部11から送電される電力が電源供給ライン15を送電されていない電断状態となった場合、図7に示すように、電源供給ライン15の送電状況を監視している電断検知回路13eが電断状態を検知し、主制御部13aより電源供給回路13d、及び電断通知回路13fへ出力を行う。主制御部13aの出力を受けた電源供給回路13dはON状態となり、蓄電部13bにて充電された電力を電源供給ライン15へ送電を行い、各遊技媒体表示装置1へ電力を供給する。電源供給装置13の蓄電部13bより電力を供給された各遊技媒体数表示装置1は、遊技店内が停電し主電源部11からの電力が電断状態となった場合においても動作することが可能となる。
【0039】
また、蓄電部13bからの送電に伴い、主制御部13aの出力を受けた電断通知回路13fは電断通知ライン17により各遊技媒体数表示装置1へ通知信号を出力する。電断通知ライン17より通知信号を受信した各遊技媒体表示装置1は、図5に示す通常動作時における発光表示から、遊技媒体数表示から予め設定を行った発光方式に伴い、第2の発光方式である誘導灯として可変発光する。本実施例において、電断通知ライン17より通知信号を受信した各遊技媒体数表示装置1は、図8(a)に示すように、複数設けた照明部3の最下段5個のみを発光(例えば白色等)する。
【0040】
前述した作用によって、遊技島20に設置された各遊技媒体数表示装置1は、遊技店内が停電し、暗闇状態となったとしても、該遊技媒体数表示装置1は発光することが可能となり、また、電断通知ライン17より通知信号を受信した各遊技媒体表示装置1は、図8(a)に示すように、図5に示す遊技媒体数表示等の発光表示から、予め設定を行った発光方式に伴い可変発光することで、災害時に暗闇状態となった遊技店内を遊技客が避難する際に、該遊技客の足元を照らし、且つ、非常口への避難経路を示す誘導灯へと発光表示する。
【0041】
通常動作時に遊技媒体数等を表示する遊技媒体数表示装置1が、遊技店内が停電し暗闇状態の場合に、避難する遊技客の足元を照らし、且つ、非常口への避難経路を示す誘導灯として可変発光表示することで、避難する遊技客が散在する物や床面に設置された遊技媒体数表示装置1に足を取られ怪我をすることがなく、併せて、非常口への避難経路を示すことで安全に避難することができる。
【0042】
災害時の発光方式に関して前述する方式以外でもその限りはない。例えば、図8(b)、(c)
に示すように、遊技媒体数表示装置1の最下段5個を白色発光し、且つ下段より2段目の照明部3を、図中矢印方向へとライン発光表示を行ってもよい。この発光動作により最下段5個の発光によって遊技客の足元を照らし、下段より2段目のライン発光表示によって、非常口への避難方向を示し、災害時に遊技客へ避難経路を案内することができる。また、遊技媒体数表示装置1に設けた照明部3をすべて(25個)発光させたり、複数設けた照明部3を利用し、ドットマトリックス表示(例えば矢印型表示等)を行ってもよい。
【0043】
また、災害時だけでなく、機器トラブル等の一時的な停電の場合において停電復旧した際、誘導灯の発光表示から、通常動作時の遊技媒体数等の発光表示へと可変発光表示することも可能である。電断状態であった電源供給ライン15が送電状態となるのを電源供給装置13の電断検知回路13eにて検知し、停電動作時から通常動作時へ移行する。その際、主制御部13aは、電源供給回路13d、及び電断通知回路13fへ出力を行い、電源供給回路13dはOFF状態となり、蓄電部13bからの電力送電を中止して再度充電を開始し、併せて、電断通知回路13fは各遊技媒体数表示装置1へ通知信号を送信し、前記通知信号に伴って、各遊技媒体数表示装置1は誘導灯の発光表示から通常動作時における遊技媒体数等の発光表示へと可変発光表示する。
【0044】
また、電源供給装置13は、遊技店内に備える火災報知器、警報装置等の異常検知装置70と接続し、前記異常検知装置70からの検知信号に伴い、電源供給装置13は各遊技媒体数表示装置1へ通知信号を送信し、遊技媒体数等の発光表示から誘導灯へ可変発光表示することも可能とする。
【0045】
図9は、遊技媒体数表示装置を備えた遊技島の異常検知時の電源、通信ラインの構成を示す図である。図9に示すように、電源供給装置13は、異常検知装置70と異常通知ライン19によって接続され、異常検知装置70が煙、火災等を検知した場合に、該異常検知装置70から送信される検知信号を、異常通知ライン19を経て主制御部13aが受信し、該主制御部13aは電断通知回路13fへ出力し、前記電断通知回路13fは電断通知ライン17により各遊技媒体数表示装置1へ通知信号を出力し、各遊技媒体数表示装置1は遊技媒体数等の発光表示から誘導灯へ可変発光表示を行う。
【0046】
前述の構成により、異常検知装置70の煙、火災等検知に伴い遊技媒体数表示装置1を遊技媒体数等の発光表示から誘導灯へ可変発光表示が可能となり、遊技客、遊技店店員等に火災を早期に知らせることができ、安全に避難することができる。
【0047】
本実施例において、遊技媒体としてパチンコ玉を使用したシステムに設置される遊技媒体数表示装置1としたが、他の遊技媒体(コイン、メダル等)を使用したシステムにおいても設置可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 遊技媒体数表示装置
3 照明部
3a 発光基板
5 制御部
11 主電源部
13 電源供給装置
13a 主制御部
13b 蓄電部
13c 充電回路
13d 電源供給回路
13e 電断検知回路
13f 電断通知回路
15 電源供給ライン
17 電断通知ライン
19 異常通知ライン
20 遊技島30 遊技台40 遊技用椅子50 玉貸機60 呼出ランプ70 異常検知装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技台と対座可能に備えた遊技用椅子の背面側近傍に設け、
該遊技台の下皿より排出され計数される遊技媒体の数量データに基づいて前記遊技媒体数の数量表示を照明部の発光、点滅により表示を行う遊技媒体数表示装置を備えた遊技島システムにおいて、
遊技媒体数表示装置へ電源供給ラインによって電力を供給する主電源部と、
電源供給ライン間に主電源部からの電力を送電可能な電源供給装置と、を設け、
前記電源供給装置は、
主電源部からの電力を充電する蓄電部と、
電源供給ラインの送電状況を監視するとともに電断状態を検知する電断検知回路と、
遊技媒体数表示装置に電断通知ラインにて通知信号を送信する電断通知回路と、
前記蓄電部からの電力を電源供給ラインへ送電する電源供給回路と、を備え、
遊技島の通常動作時において、
前記電断検知回路にて電源供給ラインの送電状況を監視するとともに、主電源部からの電力を前記蓄電部にて充電を行い、
遊技島の停電動作時において、
主電源部からの電源供給ラインが電断状態であることを前記電断検知回路によって検知すると、
前記蓄電部からの電力を電源供給ラインへ送電するとともに、前記電断通知回路から各遊技媒体数表示装置へ通知信号を送信し、
遊技媒体数表示装置は、
前記通知信号の受信により通常動作時としての第1の発光方式から、停電動作時としての第2の発光方式へ可変発光表示可能とすることを特徴とする遊技媒体数表示装置を備えた遊技島システム。
【請求項2】
前記電源供給装置は、
遊技店内に備えた異常検知装置と異常通知ラインにより接続され、
前記異常検知装置からの検知信号を前記異常通知ラインにより受信することで、
前記電断通知回路から各遊技媒体数表示装置へ通知信号を送信し、
遊技媒体数表示装置は、前記通知信号の受信により通常動作時としての第1の発光方式から、停電動作時としての第2の発光方式へ可変発光表示可能とすることを特徴とする請求項1記載の遊技媒体数表示装置を備えた遊技島システム。
【請求項3】
通常動作時としての第1の発光方式は、計数された遊技媒体の数量データに基づいて発光表示し、停電動作時としての第2の発光方式は、遊技客に対し避難経路を示す誘導灯として発光表示することを特徴とする請求項1又は2記載の遊技媒体数表示装置を備えた遊技島システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図5】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−156289(P2011−156289A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22567(P2010−22567)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(591164554)シルバー電研株式会社 (19)
【Fターム(参考)】