説明

遊技媒体補給装置

【課題】 遊技媒体を適切に遊技機に補給することができる遊技媒体補給装置を提供する。
【解決手段】 遊技機管理ユニット40a(制御手段)は、パチンコ機40に設けられた払出情報出力手段から出力される、パチンコ機40から払い出されるパチンコ球の払い出し数を示す球払出パルス信号(払出情報)に基づいて、球補給メータ40b(補給手段)を制御して、パチンコ球をパチンコ機40の球タンク(遊技媒体貯留手段)に補給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に遊技媒体を補給する遊技媒体補給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、パチンコ機には、入賞時に賞球として払い出されるパチンコ球を貯留させておく球タンクが設けられている。また、球タンクにパチンコ球を補給するパチンコ球補給装置が設けられている。
従来の、パチンコ球補給装置は、球タンクに常に所定量のパチンコ球を貯留させるために、球タンク内に貯留されているパチンコ球の重量に応じてオン、オフする貯留量検出スイッチ(「皿スイッチ」と呼ばれている)を有している。(特許文献1参照)
この従来のパチンコ球補給装置は、以下のように動作する。球タンク内に貯留されているパチンコ球の数が減少して貯留量検出スイッチに印加される荷重が低下すると、貯留量検出スイッチがオンして、球タンクへのパチンコ球の補給が開始される。球タンクへのパチンコ球の補給に伴って球タンク内に貯留されているパチンコ球の数が増加し、貯留量検出スイッチに印加される荷重が増加すると、貯留量検出スイッチがオフして、球タンクへのパチンコ球の補給が停止される。
【特許文献1】特開平7−144062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のパチンコ球補給装置で用いられている貯留量検出スイッチは、球タンクに貯留されているパチンコ球の重量を検出するものであるので、貯留されているパチンコ球の数を検出する検出精度がよくない。
また、貯留量検出スイッチは重量を検出するものであるので、安価な機械式スイッチが多用されている。このような機械式スイッチでは、構成部品(例えば、可動部やバネ部材等)の経年変化等による検出精度の低下や誤動作等が発生する可能性がある。例えば、貯留量検出スイッチが常時オン状態あるいは常時オフ状態となる誤動作が発生する可能性がある。貯留量検出スイッチが常時オン状態となる誤動作が発生すると、球タンク内に貯留されているパチンコ球が減少しているにも関わらず、球タンク内にパチンコ球が補給されなくなる。この場合には、当該パチンコ機の入賞に対する賞球を払い出すことができなくなる可能性がある。また、貯留量検出スイッチが常時オフ状態となる誤動作が発生すると、球タンク内に十分にパチンコ球が貯留されているにも関わらず、球タンク内にパチンコ球が補給され続ける。この場合には、球タンクからパチンコ球が溢れ出す可能性がある。
従来のパチンコ球補給装置では、このような貯留量検出スイッチを用いて球タンクへのパチンコ球の補給の開始及び補給の停止を決定していたので、球タンクへのパチンコ球の補給精度がよくなかった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、遊技媒体貯留手段への遊技媒体の補給精度を高め、遊技媒体貯留手段に遊技媒体を適切に補給することができる遊技媒体補給装置を提供することである。
【0004】
上記課題を達成するため、各請求項記載の発明が構成される。
(請求項1に記載の発明)
請求項1に記載の発明によれば、遊技機から払い出される遊技媒体を貯留する遊技媒体貯留手段に遊技媒体を補給する遊技媒体補給装置が構成される。
遊技媒体補給装置は、払出情報出力手段と補給手段と制御手段とを有している。
払出情報出力手段は、遊技機から払い出される遊技媒体の払い出し数を示す払出情報を出力する。
補給手段は、遊技媒体を遊技機の遊技媒体貯留手段に補給する。
制御手段は、払出情報出力手段から出力された払出情報に基づいて、補給手段を制御する。
【0005】
「遊技媒体」は、遊技者が遊技機で遊技を行う際に遊技機に投入されるものであり、例えば、遊技機がパチンコ機の場合にはパチンコ球、遊技機がスロットマシンの場合にはメダルが該当する。
「払出情報出力手段」は、種々の場所に配置可能とされる。例えば、「払出情報出力手段」は、遊技機に設けられていてもよいし、遊技場のホールコンピュータと遊技情報の送受信を行う遊技機端末装置(遊技機管理ユニット等)に設けられていてもよい。
「払出情報」としては、遊技機から払い出された遊技媒体の数そのものを示す情報(例えば、遊技媒体を10個払い出したことを示す払出数情報)を用いてもよいし、所定数の遊技媒体が遊技機から払い出されたことを示す情報(例えば、1セット「10個」の遊技媒体を1回払い出したことを示す払出セット数情報)を用いてもよい。また、払い出し毎の払い出し数を示す情報を用いてもよいし、累計の払い出し数を示す情報を用いてもよい。
「補給手段」としては、遊技媒体貯留手段に遊技媒体を所定数(例えば、「10」個)単位あるいは1個単位で補給する補給手段が用いられ、好ましくは、補給した遊技媒体の数を示す補給情報を出力する補給情報出力手段を有する補給手段が用いられる。
「制御手段」は、払出情報に基づいて補給手段を制御することができればよく、各遊技機に対応して設けられていてもよいし、複数の遊技機に共通して設けられていてもよい。制御手段としては、遊技機もしくは補給手段と一体的に構成されている制御手段、遊技機や補給手段とは別体として構成されている制御手段等を広く包含する。
「払出情報に基づいて補給手段を制御する」態様としては、例えば、払出情報で示される払い出された数と、補給手段の1回の駆動(1ステップあるいは1回転)で補給される補給数に基づいて、補給手段の駆動回数を制御する態様や、払出情報で示される払い出された数と、補給手段の駆動時間と補給数との対応関係に基づいて、補給手段の駆動時間を制御する態様等が用いられる。なお、累計の払い出し数を示す払出情報が用いられる場合には、「払出情報に基づいて補給手段を制御する」態様は、現時点の払出情報で示される累計払出数と前回補給した時点における払出情報で示される累計払出情報との差に基づいて補給手段を制御する態様を含む。
【0006】
本発明の遊技媒体補給装置によれば、払出情報出力手段から出力される払出情報、すなわち遊技機から払い出された遊技媒体の数に基づいて補給手段を制御している。したがって、遊技媒体貯留手段に適切に遊技媒体を補給することができる。
また、通常、遊技場ではホールコンピュータで各遊技機の遊技媒体の払い出し数を把握するために、払出情報を出力可能な遊技機が多用されている。したがって、既存の遊技機から出力される払出情報を本発明の払出情報として、すなわち、既存の遊技機を本発明の払出情報出力手段として用いることができるため、本発明の遊技媒体補給装置を容易に構成することができる。
【0007】
(請求項2に記載の発明)
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の遊技媒体補給装置に、さらに、補給情報出力手段を備えている。そして、制御手段では、払出情報で示される遊技媒体の払い出し数と前記補給情報で示される遊技媒体の補給数との比較結果に基づいて補給手段を制御する。
補給情報出力手段は、補給手段から補給された遊技媒体の補給数を示す補給情報を出力する。
「補給情報出力手段」は、種々の場所に配置可能とされる。例えば、「補給情報出力手段」は補給手段に設けられていてもよいし、遊技機の遊技情報を管理し、遊技場のホールコンピュータと遊技情報の送受信を行う遊技機端末装置(遊技機管理ユニット等)に設けられていてもよい。
「補給情報」としては、補給手段から補給された遊技媒体の数そのものを示す情報(例えば、遊技媒体を10個補給したことを示す補給数情報)を用いてもよいし、所定数の遊技媒体が補給手段から補給されたことを示す情報(例えば、1セット「10個」の遊技媒体を1回補給したことを示す補給セット数情報)を用いてもよい。また、補給毎の補給数を示す情報を用いてもよいし、累計の補給数を示す情報を用いてもよい。
「払出情報で示される遊技媒体の払い出し数と前記補給情報で示される遊技媒体の補給数との比較結果」としては、例えば、払出情報で示される遊技媒体の払い出し数と補給情報で示される遊技媒体の補給数との差を用いることができる。ここで、補給情報として補給毎の補給数を、払出情報として払出毎の払出数を用いる場合には、前回補給した時点から補給された遊技媒体の補給数の総和と前回補給した時点から払い出された遊技媒体の払出数の総和との差を用いる。また、補給情報として累計の補給数を、払出情報として累計の払出数を用いる場合には、現時点の補給情報で示される累計補給数と現時点の払出情報で示される累計払出数との差を用いる。
なお、遊技を開始する時には、所定数の遊技媒体が遊技媒体貯留手段の貯留されている必要がある。そこで、遊技媒体貯留手段に遊技媒体が貯留されていない場合には、遊技を開始する前に、所定数(初期補給数)の遊技媒体が補給する。この時、「補給情報と払出情報との比較結果」として、前述した、前回補給した時点から補給された遊技媒体の補給数と前回補給した時点から払い出された遊技媒体の払出数との差を用いる場合には、遊技媒体貯留手段に初期補給数の遊技媒体を補給するまでの間は、制御手段が「補給情報と払出情報との比較結果」に基づいて補給手段を制御しないように構成する。
【0008】
本発明の遊技媒体補給装置によれば、制御手段は、払出情報出力手段から出力される払出情報、すなわち遊技機から払い出された遊技媒体の数と、補給情報出力手段から出力される補給情報、すなわち補給手段から補給された遊技媒体の数との比較結果に基づいて補給手段を制御するので、払い出された数に対応する数の遊技媒体を、遊技媒体貯留手段に正確に補給することができる。
また、本発明の遊技媒体補給装置によれば、制御手段が補給手段を制御するのに、払い出し数と補給数との比較結果、例えば、補給数と払出数との差を算出すればよいため、制御手段が補給手段を制御する処理が簡単である。
【0009】
(請求項3に記載の発明)
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の遊技媒体補給装置において、制御手段は、補給情報で示される補給数が払出情報で示される払い出し数より第1の設定値以上小さくなったら、補給手段を作動させて補給を開始し、補給情報で示される補給数が払出情報で示される払い出し数より第2の設定値以上大きくなったら、補給手段を停止させて補給を停止する。
【0010】
補給情報で示される補給数から払出情報で示される払い出し数を減じた値は、遊技媒体貯留手段に貯留されている遊技媒体の数、すなわち“ストック球数”を示しているため、「第1の設定値」により補給が開始されるストック球数の下限値が、「第2の設定値」により補給が停止されるストック球数の上限値が設定される。
「第1の設定値」及び「第2の設定値」は、種々の値に設定することができる。例えば、「第1の設定値」と「第2の設定値」の差を大きくすることにより、補給手段を駆動する回数を低減させることができ、補給手段の負担が軽減される。
また、「第1の設定値」及び「第2の設定値」を大きくすることにより、遊技媒体貯留手段の貯留数を多くすることができ、「第1の設定値」及び「第2の設定値」を小さくすることにより、遊技媒体貯留手段の貯留数を少なくすることができる。
【0011】
(請求項4に記載の発明)
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3に記載の遊技媒体補給装置において、さらに、貯留情報出力手段を備えている。
貯留情報出力手段は、遊技媒体貯留手段に貯留されている遊技媒体の貯留数が補給開始設定値以下になったこと及び補給停止設定値以上になったことを示す貯留情報を出力する。
そして、制御手段は、払出情報と補給情報と貯留情報に基づいて補給手段を制御する。
「貯留情報出力手段」としては、例えば、遊技媒体貯留手段に貯留されている遊技媒体の貯留数が補給開始設定値以下になったらオン状態となり、補給停止設定値以上になったらオフ状態となるスイッチを用いることができる。また、このようなスイッチとしては、例えば、遊技媒体貯留手段に貯留されている遊技媒体の重さを検出する重量検出スイッチ(「皿スイッチ」と呼ばれている)や、遊技媒体貯留手段に貯留されている遊技媒体の高さを検出するレベルスイッチ等を用いることができる。この場合、スイッチのオン情報あるいはオフ情報を示す信号が「貯留情報」に対応する。
【0012】
「払出情報と補給情報と貯留情報に基づいて補給手段を制御する」態様としは、例えば、貯留数が補給開始設定値以下になったことを貯留情報が示しているか、補給情報で示される補給数が払出情報で示される払い出し数より第1の設定値以上小さくなったら(ストック球数が下限値以下になったら)、補給手段を駆動して補給を開始し、貯留数が補給停止設定値以上になったことを貯留情報が示しているか、補給情報で示される補給数が払出情報で示される払い出し数より第2の設定値以上大きくなったら(ストック球数が上限値以上になったら)、補給手段を停止して補給を停止する態様が用いられる。
なお、前記態様では、貯留情報、あるいは払出情報と補給情報との比較結果の一方を優先的に用いて補給手段を制御してもよい。例えば、払出情報と補給情報との比較結果を優先的に用いて補給手段を制御する場合には、補給開始設定値をストック球数の下限値よりも小さい値に設定する。このように設定されている場合には、通常は、払出情報と補給情報に基づいて補給手段が制御されるが、遊技媒体貯留手段の貯留数が何らかの要因で補給開始設定値以下になると、払出情報や補給情報には関係なく、補給手段を駆動して補給を行うことができる。これにより、貯留情報出力手段によって、払出情報と補給情報に基づく補給手段の制御動作をバックアップすることができる。
本発明の遊技媒体補給装置によれば、払出情報出力手段から出力される払出情報と、補給情報出力手段から出力される補給情報と、貯留情報出力手段から出力される貯留情報に基づいて補給手段を制御しているため、遊技媒体貯留手段に貯留されている遊技媒体が不足し、入賞に対する賞球が払い出せなくなる事態を確実に防止することができる。
【0013】
(請求項5に記載の発明)
請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の遊技媒体補給装置に、さらに、貯留情報出力手段を備えている。
貯留情報出力手段は、遊技媒体貯留手段に貯留されている遊技媒体の貯留数が補給開始設定値以下になったこと及び補給停止設定値以上になったことを示す貯留情報を出力する。
そして、制御手段は、払出情報と貯留情報に基づいて補給手段を制御する。
【0014】
「払出情報と貯留情報に基づいて補給手段を制御する」態様としては、例えば、払出情報で示される払い出された数に基づいて補給手段を制御し、遊技媒体貯留手段の貯留数が何らかの要因で補給開始設定値以下になると、払出情報には関係なく、補給手段を駆動して補給を行う態様を用いることができる。
【0015】
本発明の遊技媒体補給装置によれば、払出情報出力手段から出力される払出情報と、貯留情報出力手段から出力される貯留情報に基づいて補給手段を制御しているため、遊技媒体貯留手段に貯留されている遊技媒体が不足し、遊技機の入賞に対する賞球が払い出せなくなる事態を確実に防止することができる。
【0016】
(請求項6に記載の発明)
請求項6に記載の発明によれば、請求項1に記載の遊技媒体補給装置において、制御手段は、払出情報出力手段から出力される払出情報で示される遊技媒体の払い出し数に基づいて補給時間を決定し、決定した補給時間、補給手段を駆動する。
「補給時間」を決定する方法としては、払出数に対応する補給時間を示すテーブルと、払出情報で示される払出数に基づいて「補給時間」を決定する方法や、払出数に対応する補給時間を算出する計算式と、払出情報で示される払出数に基づいて「補給時間」を算出する方法等が用いられる。
本発明の遊技媒体補給装置によれば、払出数に対応する補給時間だけ補給手段を駆動するため、制御手段による補給手段の制御が容易である。
【0017】
(請求項7に記載の発明)
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の遊技媒体補給装置において、さらに、貯留情報出力手段を備えている。
貯留情報出力手段は、遊技媒体貯留手段に貯留されている遊技媒体の貯留数が補給開始設定値以下になったこと及び補給停止設定値以上になったことを示す貯留情報を出力する。
そして、制御手段は、払出情報に対応する補給時間と貯留情報に基づいて補給手段を制御する。
「払出情報に対応する補給時間と貯留情報に基づいて補給手段を制御する」態様としては、例えば、払出情報で示される払い出された数に対応する補給時間に基づいて補給手段を制御し、遊技媒体貯留手段の貯留数が何らかの要因で補給開始設定値以下になると、払出情報に対応する補給時間には関係なく、補給手段を駆動して補給を行う態様を用いることができる。
【0018】
本発明の遊技媒体補給装置によれば、払出情報出力手段から出力される払出情報に対応する補給時間と、貯留情報出力手段から出力される貯留情報に基づいて補給手段を制御しているため、遊技媒体貯留手段に貯留されている遊技媒体が不足し、遊技機の入賞に対する賞球が払い出せなくなる事態を確実に防止することができる。
【0019】
(請求項8に記載の発明)
請求項8に記載の発明によれば、請求項6又は7に記載の遊技媒体補給装置において、さらに、補給手段から補給された遊技媒体の補給数を示す補給情報を出力する補給情報出力手段を備えている。
制御手段は、補給情報で示される補給数に基づいて前記補給時間を補正する。
「補給数に基づいて補給時間を補正する」方法としては、例えば、払出数と、払出数に対応する補給時間だけ補給装置を駆動した時の補給数との比較結果に基づいて、払出数に対応する補給時間を補正する方法(例えば、払出数10個に対応する補給時間10秒を、9.5秒に補正する方法等)や、払出数に対応する補給時間を算出する計算式のパラメータを補正する方法(例えば、払出数1個当たりの補給時間1秒を0.95秒に補正する方法等)等が用いられる。
本発明の遊技媒体補給装置によれば、所望の数の遊技媒体を補給するための補給時間を常に正確に決定することができ、一層確実に、遊技機から払い出された遊技媒体に対応する数の遊技媒体を補給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1の実施の形態)
以下に、本発明を実施するための最良の形態の一例につき、図1〜図4を参照して説明する。本実施の形態では、本発明の遊技媒体補給装置を、パチンコ機にパチンコ球を補給するパチンコ球補給装置に適用した場合について説明する。
本実施の形態のパチンコ球補給装置は、補給手段から補給されたパチンコ球の補給数と、パチンコ機から払い出されるパチンコ球の払い出し数との差(補給数から払出数を減じた値であり、球タンクに貯留されているパチンコ球の数、すなわち“ストック球数”を示す。)に基づいてパチンコ球の補給を行う。なお、本実施の形態の補給数を示す補給情報及び払い出し数を示す払出情報は、補給手段による補給動作が行われる毎にクリアされるものとする。
詳しくは、1回に10個(1セット「10」個)のパチンコ球を払い出すとともに、パチンコ球を10個払い出す毎にパルス信号(「球払出パルス信号」という)を出力するパチンコ機と、1回に10個(1セット「10」個)のパチンコ球を補給するとともに、パチンコ球を10個補給する毎にパルス信号(「球補給パルス信号」という)を出力する補給メータを用い、パチンコ機から出力される球払出パルス信号を10個カウントした時点(パチンコ機から100個のパチンコ球が払い出された、すなわち補給数が払出数より第1の設定値である“−100”以下になった時点)で、補給を開始し、補給メータから出力される球補給パルス信号を10個カウントした時点(補給メータから100個のパチンコ球が補給された、すなわち補給数が払出数より第2の設定値である“0”以上になった時点)で補給を停止し、各パルス信号のカウント値をクリアする場合について説明する。
【0021】
なお、上記したパチンコ球の補給の開始及び停止の動作は、パチンコ機の球タンクにパチンコ球が初期補給数として2000個補給した状態からスタートされる。例えば、球タンクに貯留されているパチンコ球が当初0個であれば、「球補給パルス信号」が200個出力された状態からスタートされる。なお、この初期補給数は、ストック球数を算出する際の補給数には入れないものとする。この場合、スタート信号によって「球補給パルス信号」を所定数(200個)カウントするまで、補給数と払出数との差により補給制御動作を禁止させる。
【0022】
複数のパチンコ機が設けられた遊技システムの全体概略構成図を図1に、各パチンコ機に対応して設けられ、各パチンコ機の球タンクにパチンコ球を補給する補給メータの構成を図2に示す。また、パチンコ機からパチンコ球が1セット「10個」払い出される毎にパチンコ機から出力される「球払出パルス信号」と、補給メータからパチンコ機の球タンクにパチンコ球が1セット「10」個補給される毎に補給メータから出力される「球補給パルス信号」のタイミングチャート図を図3に示す。また、各パチンコ機に対応して設けられ、「球払出パルス信号」及び「球補給パルス信号」が入力されるとともに、補給メータを制御する遊技機管理ユニットのCPUが実行する、パチンコ球の補給の開始及び補給の停止に関するプログラムのフローチャート図を図4に示す。
【0023】
まず、図1を用いて、遊技システムの概略構成について説明する。
遊技システムは、図1に示すように、島20毎に配設されている複数のパチンコ機40、41を有している。各パチンコ機40、41には、各パチンコ機に対応する遊技機管理ユニット40a、41aが設けられている。各遊技機管理ユニット40a,41aは、島毎に島管理ユニット30に接続されている。そして、各島の島管理ユニット30は、遊技場の本部や事務所等に設置されている管理装置(ホールコンピュータ)10に接続されている。
遊技機管理ユニット40aは、遊技機ID(例えば、「台番号」)とともにパチンコ機40の遊技情報、例えば、所定時間内のセーフ数(パチンコ球の払い出し数)、アウト数(パチンコ球の投入数)、特賞回数(入賞して特賞を引き当てた回数)等を、島管理ユニット30を介してホールコンピュータ10に送信する。この所定時間内のセーフ数は、パチンコ機40から出力される、前述した「球払出パルス信号」を用いて遊技機管理ユニット40aで算出される。また、遊技機管理ユニット40bも同様に、パチンコ機41の遊技情報を島管理ユニット30を介してホールコンピュータ10に送信する。
ホールコンピュータ10では、このように、各遊技機管理ユニット40a、41aから島管理ユニット30を介して送信される遊技情報に基づいて、各パチンコ機40、41の遊技情報を管理している。
【0024】
また、各パチンコ機40、41には、各パチンコ機に対応する遊技機管理ユニット40a、41aにより制御される補給メータ40b、41bが設けられている。補給メータ40b、41bが駆動されると、各島に設けられた補給樋50から対応するパチンコ機40、41の球タンク(特に図示していない。)にパチンコ球が補給される。一方、補給メータ40b、41bの駆動が停止されると、補給樋50から対応するパチンコ機40b、41bの球タンクへのパチンコ球の補給が停止される。
【0025】
次に、補給メータの構成を説明する。なお、補給メータ40b、41bは、同じ構成であるため、補給メータ40bの構成を説明する。
補給メータ40bには、補給球通路400、回転補給装置410、駆動装置420が設けられている。
補給球通路400には、図1に示す補給樋50からパチンコ球が流下し補給される。
回転補給装置410には、スプロケット411、突部412、磁石保持部材413、リードスイッチ414、錘415が設けられている。
リング状に構成されているスプロケット411には、外周部にパチンコ球を1個保持可能な凹部(特に図示していない。)が10箇所設けられている。スプロケット411が回転している場合には、この凹部に補給球通路400内を流下してきたパチンコ球を1個ずつ保持してパチンコ機40の球タンクに供給する。例えば、スプロケット411は、図2に示す下方向にパチンコ球を運ぶ。スプロケット411が回転していない場合には、補給球通路400内を流下してきたパチンコ球は、先頭のパチンコ球401がスプロケット411に当接する位置で停止するので、パチンコ球は、パチンコ機40の球タンクに供給されない。
また、突部412が、リング状のスプロケット411の内周面側に固定されている。また、磁石413aを保持している磁石保持部材413が、スプロケット411の内周面により形成される空間に、スプロケット411の回転軸に回転可能に取り付けられている。磁石保持部材413の外周部には、突部412と当接可能な爪部413bが形成されている。これにより、スプロケット411が回転(図2では、右回り)すると、突部412が磁石保持部材413の爪部413bに当接することによって、磁石保持部材413も共に(図2では、右回り)回転する。そして、磁石413aがリードスイッチ414に対向する位置まで回転すると、リードスイッチ414がオン状態となる。さらにスプロケット411が回転し続けると、磁石413aがリードスイッチ414と対向する位置から離間され、リードスイッチ414がオフ状態となる。
このように、スプロケット411が1回転すると、リードスイッチ414が1回オン状態となる。すなわち、リードスイッチ414は、遊技機管理ユニット40aに、スプロケット411が1回転する毎に「球補給パルス信号」を出力している。ここで、スプロケット411の外周部には10個の凹部が設けられているため、スプロケット411が1回転することで、10個のパチンコ球(1セット10個のパチンコ球)が補給される。したがって、遊技機管理ユニット40aは、リードスイッチ414から「球補給パルス信号」が1つ入力されると、補給メータ40bからパチンコ機40の球タンクに10個のパチンコ球が補給されたことを認識することができる。
なお、スプロケット411には、回転の際に所定の荷重がかかるように、錘415が設けられており、パチンコ球の重みでスプロケット411が不要に回転することが防止されている。
【0026】
また、駆動装置420には、スプロケット411を回転させるソレノイドが設けられている。遊技機管理ユニット40aが補給メータ40bを駆動する信号を駆動装置420に出力すると、ソレノイドがオン状態となり、回転補給装置410のスプロケット411が回転する。また、遊技機管理ユニット41aが補給メータ40bの駆動を停止する信号を駆動装置420に出力するとソレノイドがオフ状態となり、スプロケット411の回転が停止される。
なお、駆動装置420には、ストッパー421が設けられている。また、パチンコ機40の球タンクに貯留されているパチンコ球が満杯であることを検出し、満杯検出信号を駆動装置420に出力する満杯検出手段が設けられている。この満杯検出手段が動作すると、駆動装置420は、ストッパー421を作動させて、スプロケット411の回転を強制的に停止する。これにより、球タンクからパチンコ球が溢れることが防止されている。
本実施の形態のパチンコ機40が本発明の「遊技機」に対応し、遊技機40に設けられている球払出パルス信号出力装置(通常、遊技機40の主制御回路が出力する)が本発明の「払出情報出力手段」に対応し、スプロケット411が本発明の「補給手段」に対応し、リードスイッチ414が本発明の「補給情報出力手段」に対応し、遊技機管理ユニット40aが本発明の「制御手段」に対応し、本実施の形態の「球タンク」が本発明の「遊技媒体貯留手段」に対応する。
また、本実施の形態の遊技機40から出力される「球払出パルス信号」が本発明の「払出情報」に対応し、リードスイッチ414から出力される「球補給パルス信号」が本発明の「補給情報」に対応する。
【0027】
次に、遊技機管理ユニット40aでパチンコ機40のパチンコ球の払い出し数が100個になったことを判別したら(「球払出パルス信号」が10回出力されたことを判別したら)、補給メータ40b(詳しくは、スプロケット411)を駆動してパチンコ機40の球タンクへのパチンコ球の補給を開始し、パチンコ機40の球タンクへパチンコ球を100個補給したことを判別したら(「球補給パルス信号」が10回出力されたことを判別したら)、補給メータ40bの駆動を停止してパチンコ機40の球タンクへのパチンコ球の補給を停止する。すなわち、ストック球数を示す[(補給数0)−(払出数100)]が“−100”(第1の設定値)以下になった時点で補給を開始し、ストック球数を示す[(補給数100)−(払出数100)]が“0”(第2の設定値)以上になった時点で補給を停止する。この動作を図3、図4を用いて説明する。
【0028】
この動作を実現するために、遊技機管理ユニット40aに設けられているCPU(特に、図示していない。)は、図4に示すフローチャート図の処理を実行する。
まず、ステップS10で、パチンコ機40から「球払出パルス信号」が出力されたか否かが判別される。「球払出パルス信号」が出力されていれば(ステップS10のYES)、ステップS11の処理に進む。「球払出パルス信号」が出力されていなければ(ステップS10のNO)、待機する。
ステップS11では、「球払出パルス信号」をカウントして球払出パルス数Pを算出する。そして、CPUはステップS12の処理に進む。
【0029】
ステップS12では、球払出パルス数Pが“10”に達したか否か(パチンコ機40が100個のパチンコ球を払い出したか否か)が判別される。ステップS12で球払出パルス数Pが10に達していなければ(ステップS12のNO)、CPUはステップS10の処理に戻る。例えば、図3に示す時点t1では、球払出パルス数Pが“4”であり、“10”に達していないので、ステップS10の処理に戻る。ステップS12で球払出パルス数Pが10に達していれば(ステップS12のYES)、ステップS13の処理に進む。例えば、図3に示す時点t2では、球払出パルス数Pが“10”であり、“10”に達しているので、ステップS13の処理に進む。
【0030】
ステップS13では、補給メータ40bを駆動して(詳しくは、駆動装置420に駆動信号を出力してスプロケット411を回転させて)パチンコ機40の球タンクへのパチンコ球の補給を開始し、ステップS14の処理に進む。
ステップS14では、ステップS13で駆動された補給メータ40b(詳しくは、リードスイッチ414)から出力される「球補給パルス信号」をカウントして球補給パルス数Sを算出する。そして、ステップS15の処理に進む。
【0031】
ステップS15では、球補給パルス数Sが“10”に達したか否か(補給メータ40bから100個のパチンコ球が補給されたか否か)が判別される。ステップS15で球補給パルス数Sが“10”に達していなければ(ステップS15のNO)、ステップS13の処理に戻る。例えば、図3に示す時点t3では、球補給パルス数Sが“5”であり、“10”に達していないので、ステップS13の処理に戻る。ステップS15で球補給パルス数Sが10に達していれば(ステップS15のYES)、ステップS16の処理に進む。例えば、図3に示す時点t4では、球補給パルス数Sが“10”であり、“10”に達しているので、ステップS16の処理に進む。
ステップS16では、補給メータ40bの駆動を停止させて(詳しくは、駆動装置420への駆動信号の出力を停止してスプロケット411の回転を停止させて)、ステップS17に進む。
ステップS17では、球払出パルス数Pの値、及び球補給パルス数Sの値をクリアし終了する。
【0032】
本実施の形態によれば、補給メータ40bから出力される「球補給パルス信号」の数と、パチンコ機40から出力される「球払出パルス信号」の数との差に基づいて、パチンコ機40から払い出されたパチンコ球の数だけパチンコ球をパチンコ機40に補給している。これにより、パチンコ機から払い出されたパチンコ球の数に応じてパチンコ機の球タンクに適切にパチンコ球を補給することができる。また、従来例のように、機械式の貯留量検出スイッチを用いなくてもよいため、頻繁に保守・点検作業を行う必要がない。
また、「球払出パルス信号」を出力可能に構成されているパチンコ機が多用されているため、払出情報出力手段を別途設ける必要がない。さらに、「球補給パルス信号」を出力可能に構成されている補給メータが多用されているため、補給情報出力手段を別途設ける必要がない。したがって、本実施の形態の遊技媒体補給装置を簡単に構成することができる。
【0033】
また、本実施の形態のパチンコ球補給装置では、さらに、球タンク内に貯留量検出スイッチが設けられていてもよい。貯留量検出スイッチとしては、例えば、球タンクに貯留されているパチンコ球の貯留数が減少して補給開始設定値以下となるとオン状態(貯留開始設定値以下になったことを示す貯留情報)になり、オン状態になった後に貯留数が増加して補給停止設定値以上となるとオフ状態(貯留開始設定値以下になった後に補給停止設定値以上になったことを示す貯留情報)となるスイッチを用いることができる。このようなスイッチとしては、例えば、球タンク内のパチンコ球の重量を検出する重量検出スイッチや、球タンク内のパチンコ球の高さを検出するレベルスイッチ等を用いることができる。貯留量検出スイッチの補給開始設定値は、貯留数が、補給数と払出数に基づく補給開始条件である[(補給数)−(払出数)=第1の設定値]が満足された時のストック球数(下限値)より少ない数以下になった時にオン状態となるように設定するのが好ましい。なお、貯留量検出スイッチの補給停止設定値は、任意の値が設定される。これにより、貯留情報によって、払出情報と補給情報に基づく補給メータ40bの制御をバックアップすることができるので、球タンクに貯留されているパチンコ球が不足し、パチンコ機の入賞に対する賞球が払い出せなくなる事態を防止することができる。このように、貯留情報に基づいて補給する制御よりも、払出情報と補給情報との比較結果に基づいて補給する制御を優先してもよいし、貯留情報に基づいて補給する制御と、払出情報と補給情報との比較結果に基づいて補給する制御を同等の優先度で行ってもよい。いずれにしても、従来のように、貯留量検出スイッチのみを用いる場合と比較して遊技媒体貯留手段への遊技媒体の補給精度が高い。
【0034】
また、本実施の形態では、パチンコ機から球払出パルス信号が10個出力された時点で補給を開始し、補給メータから球補給パルス信号が10個出力された時点で補給を停止し、各パルス信号の出力個数をカウントしたカウント値をクリアしたが、球補給パルス信号が11個出力されてしまった時点で停止する可能性もある。これは、例えば、10個目の球補給パルス信号をカウントしている際に、スプロケット411がパチンコ球の重み等により、さらに1回転してしまった場合等に対応する。この場合には、スプロケットが余分に回転したために余分に出力された球補給パルス数“1”を記憶しておいて、次回補給を行う際に、球補給パルス信号が9個(10(個)−“1”(個))出力された時点で補給を停止し、補給数を調整すればよい。同様に、何らかの要因により、球補給パルス信号が9個出力された時点で補給を停止してしまった場合には、不足している球補給パルス数“1”を記憶しておいて、次回補給を行う際に、球補給パルス信号が11個(10(個)+“1”(個))出力された時点で補給を停止し、補給数を調整すればよい。これにより、払い出し数に対応するパチンコ球を正確に補給することができる。
また、本実施の形態の補給動作の最中(図3に示す時点t3〜時点t4)に、パチンコ球の払い出しが発生したことが判別されれば、当該期間に出力された球払出パルス数を記憶しておき、次回補給時の球払出パルス数に加算し補給する。
【0035】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態を、図5、図6を参照して説明する。
本実施の形態のパチンコ球補給装置は第1の実施の形態の変更例であり、第1の実施の形態のパチンコ球補給装置と同様、補給手段から補給されたパチンコ球の補給数とパチンコ機から払い出されるパチンコ球の払い出し数との差に基づいてパチンコ球の補給を行う。第1の実施の形態では、初期補給を行った以降の補給数と払出数の差を算出し、補給数と払出数は補給動作が1回終了する毎にクリアしたが、本実施の形態では、リセット時から遊技媒体を補給した数の総和と払い出した数の総和の差を算出している。
本実施の形態では、遊技機管理ユニット40a(併せて、図1参照)は、払出数としてパチンコ機40がリセットされてからの払出数の累積値を算出している。また、補給数としてパチンコ機40がリセットされてからの補給メータ40bのパチンコ球の補給数の累積値を算出している。そして、この累積値として算出した補給数及び払い出し数の差(=ストック球数)に基づいて補給メータ40bを制御する。以下では、ストック球数が1950個(第1の設定値)になったことを判別したら補給メータ40aを駆動し、ストック球数が2020個(第2の設定値)になったことを判別したら補給メータ40aの駆動を停止する場合について説明する。
累積値としての補給数と払出数との差を算出する方法としては、例えば、補給数をカウンタに加算し払出数をカウンタから減算する方法を用いることができる。この方法を用いる場合、カウンタのカウント値がストック球数を表している。
本実施の形態において、「球払出パルス信号」と「球補給パルス信号」が出力されるタイミングチャート図を図5に、遊技機管理ユニット40aのCPUが実行するパチンコ球の補給に関するプログラムのフローチャート図を図6に示す。
なお、本実施の形態の遊技システムの全体概略構成及び補給メータ40aの構成は、図1、図2に示す第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0036】
本実施の形態の動作を実現するために、遊技機管理ユニット40aのCPUは、図6に示すフローチャート図の処理を実行する。
なお、この処理を実行中、ストック球数(カウンタのカウント値)は変化がある毎に算出され更新されている。例えば、球払出パルス信号が1個出力されたら、ストック球数は、その時点でのストック球数から、球払出パルス信号1個に対応する払出数“10”を減じた値に更新する。また、球補給パルス信号が1個出力されたら、ストック球数は、その時点でのストック球数に球補給パルス信号1個に対応する補給数“10”を加えた値に更新する。
まず、ステップS20で、ストック球数が2020個以上であるか否かが判別される。ストック球数が2020個未満であれば(ステップS20のNO)ステップS21の処理に進む。ストック球数が2020個以上であれば(ステップS20のYES)ステップS22の処理に進む。
ステップS21では、補給メータ40bを駆動して(詳しくは、駆動装置420に駆動信号を出力してスプロケット411を回転させて)パチンコ機40の球タンクへのパチンコ球の補給を行い、ステップS20の処理に戻る。
一方、ステップS22では、補給メータ40bの駆動を停止させて(詳しくは、駆動装置420への駆動信号の出力を停止してスプロケット411の回転を停止させて)パチンコ機40の球タンクへのパチンコ球の補給を停止し、ステップS23の処理に進む。
ステップS23では、ストック球数が1950個以下であるか否かが判別される。ストック球数が1950個以下であれば(ステップS23のYES)ステップS24の処理に進む。ストック球数が1950個を越えていれば(ステップS23のNO)ステップS22の処理に戻る。
ステップS24では、補給メータ40bを駆動して(詳しくは、駆動装置420に駆動信号を出力してスプロケット411を回転させて)パチンコ機40の球タンクへのパチンコ球の補給を行い、ステップS25の処理に進む。
ステップS25では、ストック球数が2020個以上であるか否かが判別される。ストック球数が2020個未満であれば(ステップS25のNO)ステップS24の処理に進む。ストック球数が2020個以上であれば(ステップS25のYES)ステップS22の処理に戻る。
【0037】
本実施の形態によれば、まず、パチンコ機40に電源が投入されると、球タンクにパチンコ球が2020個補給される。その後、ストック球数が1950個以下になる毎にストック球数が2020個になるまで補給されながら、パチンコ機40で遊技動作が行われる。このようにして、パチンコ機40から払い出されたパチンコ球の数に応じてパチンコ機40の球タンクに適切にパチンコ球を補給することができる。
また、本実施の形態では、第1の実施の形態のように、パチンコ機の球タンクに初期補給数(第1の実施の形態では、2000個)のパチンコ球が補給されるまで待機(例えば、補給数と払出数の差に基づく補給制御を禁止する動作)しておかなくてもよく、遊技機管理ユニット40aの処理が容易である。
また、本実施の形態のパチンコ機40によれば、パチンコ機40の球タンクに貯留されるストック球数を容易に変更することができる。例えば、第1及び第2の設定値を大きい値に設定することによりストック球数を増やすことができる。
【0038】
なお、本実施の形態では、累積値としての補給数と払出数との差を算出する方法として、補給数をカウンタに加算し、払出数をカウンタから減算する方法を用いたが、補給数をカウンタから減算し、払出数をカウンタに加算する方法を用いてもよい。また、補給数の累積値及び払出数の累積値を其々算出して減算する方法を用いてもよい。
また、遊技機40から払出数の累積値が出力される場合には、遊技機管理ユニット40aで累積値を算出しなくてもよい。また、補給メータ40bから補給数の累積値が出力される場合には、遊技機管理ユニット40aで累積値を算出しなくてもよい。
【0039】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態を、図7を参照して説明する。
第1及び第2の実施の形態のパチンコ球補給装置は、補給手段から補給されたパチンコ球の補給数と、パチンコ機から払い出されるパチンコ球の払い出し数との差に基づいてパチンコ球の補給を制御したが、本実施の形態のパチンコ球補給装置では、払い出し数に基づいてパチンコ球の補給を行う。なお、本実施の形態の払い出し数を示す払出情報は、補給手段による補給動作が行われる毎にクリアされるものとする。
本実施の形態では、予め、補給するパチンコ球の数に対応する補給時間が設定され、補給時間テーブルとして記憶されている。そして、パチンコ機から出力された球払出パルス信号を10個カウントした時点(パチンコ機から100個のパチンコ球が払い出された時点)で、パチンコ球100個に対応する補給時間を決定し、決定した補給時間、補給手段を駆動してパチンコ球の補給を行った後、球払出パルス信号のカウント値をクリアする場合について説明する。
なお、上記したパチンコ球の補給制御は、パチンコ機の球タンクにパチンコ球が2000個貯留されてからスタートされる。例えば、球タンクに貯留されているパチンコ球が当初0個であれば、2000個に対応する補給時間、補給メータが駆動された後にスタートされる。
本実施の形態において、遊技機管理ユニットのCPUが実行するパチンコ球の補給に関するプログラムのフローチャート図を図7に示す。
【0040】
まず、遊技機管理ユニットのCPUは、ステップS30で、パチンコ機40から「球払出パルス信号」が出力されたか否かが判別される。「球払出パルス信号」が出力されていれば(ステップS30のYES)、ステップS31の処理に進む。「球払出パルス信号」が出力されていなければ(ステップS30のNO)、待機する。
ステップS31では、「球払出パルス信号」をカウントして球払出パルス数Pを算出すし、ステップS32の処理に進む。
【0041】
ステップS32では、球払出パルス数Pが“10”に達したか否か(パチンコ機が100個のパチンコ球を払い出したか否か)が判別される。ステップS32で球払出パルス数Pが10に達していなければ(ステップS32のNO)、ステップS30の処理に戻る。ステップS32で球払出パルス数Pが10に達していれば(ステップS32のYES)、ステップS13の処理に進む。
【0042】
ステップS33では、払出数(補給する数)“100個”(ステップS32で球払出パルス数Pが10に達していることが判別されたので、10×10(個))に対応する補給時間を決定する。本実施の形態では、遊技機管理ユニットは、予め記憶されている、補給数に対応する補給時間を示す補給時間テーブルから、払出数100個に対応する補給時間を読み出すことによって補給時間を決定する。そして、決定した補給時間、補給メータを駆動した後、ステップS34に進む。
ステップS34では、球払出パルス数Pの値をクリアし終了する。
本実施の形態によれば、遊技機管理ユニットは、払出数に対応する補給時間だけ補給手段を駆動すればよいため、補給手段の制御が容易である。
【0043】
なお、本実施の形態では、遊技機管理ユニットは、パチンコ球の払い出し数が100個になった時に補給手段を駆動して補給を行ったが、補給手段を駆動する時点は、これに限定されない。例えば、所定時間間隔でパチンコ球の払い出し数を検出し、検出した払い出し数に対応する補給時間を示す補給時間テーブルから読み出し、読み出した補給時間、補給手段を駆動するように構成することもできる。
また、補給時間を決定する方法は、補給時間テーブルを用いる方法に限定されない。例えば、払い出し数に対応する補給時間を算出する算出式と、検出した払い出し数により補給時間を算出する方法を用いることもできる。算出式は、例えば、パチンコ球を所定数(例えば、10個)補給するのに要する時間を用いる。
【0044】
また、補給手段の経年変化等によって、払出数に対応して決定された補給時間、補給手段を駆動したにも拘らず、予定した補給数と実際の補給された数が一致しなくなることがある。このような場合には、補給時間テーブルや算出式を補正(更新)することができるのが好ましい。例えば、補給時間テーブルに記憶されている払出数に対応する補給時間を補正する。あるいは、算出式中の数値(パラメータ)を補正してもよい。例えば、算出式が、[補給時間=球払出パルス数(払出数/10)×払出数10個当たりの補給時間]である場合には、払い出し数10個当たりの補給時間を補正する。
この補給時間を補正するためには、例えば、補給メータから補給されたパチンコ球の補給数を示す補給情報(「球補給パルス信号」)を出力する補給情報出力手段を設ける。そして、補給時間を決定するために用いられた払出数と、実際に補給されたパチンコ球の数に基づいて、払い出し数に対応する補給時間あるいは算出式の数値を変更する。これによれば、遊技機管理ユニットは、所望の数のパチンコ球を補給するための正確な補給時間を決定することができ、一層確実に、パチンコ機から払い出されたパチンコ球を、払い出された数だけ補給することが可能とされる。
【0045】
また、本実施の形態のパチンコ球補給装置では、さらに、球タンク内に貯留量検出スイッチが設けられていてもよい。これによれば、貯留情報に基づいて、払出情報に対応する補給時間に基づく補給メータ40bの制御をバックアップすることができるので、球タンクに貯留されているパチンコ球が不足し、パチンコ機の入賞に対する賞球が払い出せなくなる事態を防止することができる。
また、本実施の形態では、払出情報で示される払い出し数に基づいて補給手段を制御する方法として、払い出し数に対応する補給時間だけ補給手段を駆動する方法を用いたが、払い出し数に基づいて補給手段を制御する方法はこれに限定されない。例えば、補給手段を1ステップ駆動した時あるいは補給手段を1回転駆動した時に補給されるパチンコ球の数が定まっている場合には、払い出し数に対応するステップ数あるいは回転数だけ補給手段を駆動する方法を用いることができる。例えば、補給手段を1回転駆動することによりパチンコ球が10個払い出される場合、払出数「100個」に対応する回転数「10回転」だけ補給手段を補給する。
また、本実施の形態では、払い出し数のみに基づいてパチンコ球の補給を行ったが、他の情報と払い出し数との組合せに基づいてパチンコ球の補給を行ってもよい。
【0046】
なお、本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されず種々の変更、追加、削除が可能である。
実施の形態では、各パチンコ機に対応する遊技機管理ユニットを各パチンコ機に設けたが(併せて、図1参照)、複数のパチンコ機に1台設けてもよい。遊技機管理ユニットは、対応するパチンコ機にパチンコ球を補給する補給メータを制御することができればよい。
また、「球払出パルス信号」は、払い出したパチンコ球もしくは払い出すパチンコ球10個につき1パルス出力されるものに限定されない。同様に、「球補給パルス信号」は、補給したパチンコ球もしくは補給するパチンコ球10個につき1パルス出力されるものに限定されない。ただし、「球払出パルス信号」が出力されるためのパチンコ球の払い出し数と、「球補給パルス信号」が出力されるためのパチンコ球の補給数は同じ数である方が、前記した“ストック球数”や補給時間等の算出が容易であり好ましい。
また、第1、第2の実施の形態では、補給数と払出数の差を算出したが、球補給パルスのカウント数と球払出パルス数のカウント数との差を算出してもよい。また、差を算出する以外の比較方法を用い、比較結果に基づいて補給手段を制御することもできる。
また、前記したように、貯留情報を用いる場合には、貯留情報による補給手段の制御と、払出情報(もしくは、払出情報と補給情報)に基づく補給手段の制御のいずれか一方を優先して他方をバックアップとして、補給手段を制御してもよいし、一方を優先することなく(優先度を同等にする。)補給手段を制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の遊技媒体補給装置を適用した遊技システムの全体概略構成図である。
【図2】補給メータ40bの構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態における「球払出パルス信号」と「球補給パルス信号」が出力されるタイミングチャート図である。
【図4】第1の実施の形態における遊技機管理ユニット40aの補給処理を説明するフローチャート図である。
【図5】第2の実施の形態における「球払出パルス信号」と「球補給パルス信号」が出力されるタイミングチャート図である。
【図6】第2の実施の形態おける遊技機管理ユニット40aの補給処理を説明するフローチャート図である。
【図7】第3の実施の形態における遊技機管理ユニット41aの補給処理を説明するフローチャート図である。
【符号の説明】
【0048】
10 ホールコンピュータ
20 島
30 島管理ユニット
40,41 パチンコ機
40a,41a 遊技機管理ユニット
40b,41b 補給メータ
411 スプロケット
414 リードスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機から払い出される遊技媒体を貯留する遊技媒体貯留手段に遊技媒体を補給する遊技媒体補給装置であって、
遊技機から払い出される遊技媒体の払い出し数を示す払出情報を出力する払出情報出力手段と、
遊技媒体を前記遊技媒体貯留手段に補給する補給手段と、
前記払出情報出力手段から出力された払出情報に基づいて前記補給手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする遊技媒体補給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技媒体補給装置であって、
前記補給手段から補給された遊技媒体の補給数を示す補給情報を出力する補給情報出力手段を備え、
前記制御手段は、前記払出情報で示される遊技媒体の払い出し数と前記補給情報で示される遊技媒体の補給数との比較結果に基づいて前記補給手段を制御する、
ことを特徴とする遊技媒体補給装置。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技球補給装置であって、
前記制御手段は、前記補給情報で示される補給数が前記払出情報で示される払い出し数より第1の設定値以上小さくなったら、前記補給手段を作動させて補給を開始し、前記補給情報で示される補給数が前記払出情報で示される払い出し数より第2の設定値以上大きくなったら前記補給手段を停止させて補給を停止する、
ことを特徴とする遊技媒体補給装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の遊技媒体補給装置であって、
前記遊技媒体貯留手段に貯留されている遊技媒体の貯留数が補給開始設定値以下になったこと及び補給停止設定値以上になったことを示す貯留情報を出力する貯留情報出力手段を備え、
前記制御手段は、前記払出情報と、前記補給情報と、前記貯留情報に基づいて前記補給手段を制御する、
ことを特徴とする遊技媒体補給装置。
【請求項5】
請求項1に記載の遊技媒体補給装置であって、
前記遊技媒体貯留手段に貯留されている遊技媒体の貯留数が補給開始設定値以下になったこと及び補給停止設定値以上になったことを示す貯留情報を出力する貯留情報出力手段を備え、
前記制御手段は、前記払出情報と前記貯留情報に基づいて前記補給手段を制御する、
ことを特徴とする遊技媒体補給装置。
【請求項6】
請求項1に記載の遊技媒体補給装置であって、
前記制御手段は、前記払出情報出力手段から出力された払出情報で示される遊技媒体の払い出し数に基づいて補給時間を決定し、決定した補給時間、前記補給手段を駆動する、ことを特徴とする遊技媒体補給装置。
【請求項7】
請求項6に記載の遊技媒体補給装置であって、
前記遊技媒体貯留手段に貯留されている遊技媒体の貯留数が補給開始設定値以下になったこと及び補給停止設定値以上になったことを示す貯留情報を出力する貯留情報出力手段を備え、
前記制御手段は、前記払出情報に対応する補給時間と、前記貯留情報に基づいて前記補給手段を制御する、
ことを特徴とする遊技媒体補給装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の遊技媒体補給装置であって、
前記補給手段から補給された遊技媒体の補給数を示す補給情報を出力する補給情報出力手段を備え、
前記制御手段は、前記補給情報で示される補給数に基づいて前記補給時間を補正する、
ことを特徴とする遊技媒体補給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−6494(P2006−6494A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185596(P2004−185596)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000106690)サン電子株式会社 (161)
【Fターム(参考)】