説明

遊技媒体計数装置

【課題】 大量の遊技媒体が詰まることなく、高速に計数することができるコンパクトな遊技媒体計数装置を実現することができる。
【解決手段】 パチンコ玉を計数するパチンコ玉計数装置1であって、パチンコ玉が投入されるすり鉢状のホッパ2の底面部に設けられ、多数のパチンコ玉が積載された状態でスライド移動可能な歯付タイミングベルト4と、歯付タイミングベルト4のスライド移動方向側には、歯付タイミングベルト4からほぼパチンコ玉の高さ分開口し、歯付タイミングベルト4に接するパチンコ玉が取り入れ可能な取入口31と、取入口31のさらにスライド移動方向先方側には、パチンコ玉を計数する計数スイッチ6と、を備える構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機で使用されるパチンコ玉などの遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置に関し、特に、投入された遊技媒体が搬送されて計数スイッチに誘導される遊技媒体計数装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ機などの遊技機が設置されるホールには、遊技者が獲得したパチンコ玉などの遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置が備えられている。
この種の遊技媒体計数装置では、例えばパチンコ玉計数装置の場合、計数対象となるパチンコ玉をホッパに投入すると、パチンコ玉がホッパ底面の投入口から装置内部に順次流入するとともに、これらのパチンコ玉が装置内部の計数部を通過することにより、投入した玉数が順次計数されるようになっている。
【0003】
そして、パチンコ玉計数装置における計数結果は、チケット、カードなどの景品交換媒体に記録して遊技者に交付され、この景品交換媒体を遊技者が景品交換カウンタに提示することで、所定の景品と交換できるようになっている。
このようなパチンコ玉計数装置は、例えばパチンコ島の端部に設置されており、計数を終えたパチンコ玉は、パチンコ玉計数装置の回収口からパチンコ島内のパチンコ玉循環経路に還元されるようになっている。
【0004】
近年、遊技機の性能や営業形態の変化から、遊技者が大量の遊技媒体を獲得し、球箱等に保有することが多くなっており、このために、特に遊技場の閉店時において、遊技媒体計数装置の前に計数待ちの遊技者が長蛇の列をなす光景が多く見受けられる。
このようなことから、遊技媒体計数装置の計数処理能力の向上が求められている。
【0005】
以下に、従来の遊技媒体計数装置の構成を示す。
図6は、従来の遊技媒体計数装置の内部構成を示す断面図、図7は、遊技媒体計数装置のレーンユニットを示す斜視図であり、図8は、遊技媒体計数装置の単位時間当たりに計数される遊技媒体の数を示す図である。
これらの図に示すパチンコ玉計数装置(遊技媒体計数装置)101は、すり鉢形状のホッパ102と、ホッパ102の底面部に形成された投入口103と、投入口103に投入されたパチンコ玉を装置内部に導入する導入流路104と、導入流路104においてパチンコ玉を整列させるレーンユニット105と、レーンユニット105によって整列されたパチンコ玉を計数する計数部106と、計数されたパチンコ玉を排出口107に導く排出流路と、計数結果を表示する表示部109と、チケット,カードなどの景品交換媒体を発行する発行部(図示せず)等を備えている。
【0006】
レーンユニット105は、図7に示すように、仕切板105aによって仕切られた複数のレーン105bを備え、各レーン105bは、パチンコ玉が一列ずつに整列されて転動できる程度の幅を有している。なお、通常のパチンコ玉計数装置では、レーン数が16(16レーン)となるレーンユニットが一般的となっている。
このようなレーンユニット105を備えることにより、ホッパ102の投入口103から装置内部に流入する多数のパチンコ玉は、レーンユニット105の各レーン105bごとに一列に整列されて下流に導かれるとともに、下流に配置される計数部106において、各レーン105bごとに一個ずつ玉数が計数されるようになっている。
【0007】
このような構成からなるパチンコ玉計数装置は、パチンコ玉が自重により、転動することで、計数部106までたどり着くようになっている。このため、パチンコ玉が転動することで摩擦抵抗を受け、転がり速度は低下することはあっても、重力以外の力はパチンコ玉に加わらないため、単位時間当たりに計数されるパチンコ玉の数にもおのずと限界があった。
大量のパチンコ玉を分散させて一つのレーンに導いて計数することは、技術的な工夫が必要とされ、特に、パチンコ玉は後続するパチンコ玉の圧力により玉止まりを発生しやすい特性があり、後続するパチンコ玉の圧力を軽減する必要があった。そのために、パチンコ玉が転動する流路の傾斜角は、なるべく小さくなるように設定されている。
このことは、単位時間当たりに計数されるパチンコ玉の数を少なくする方向に作用し、計数処理能力を高める障害となっていた。
さらに、流路の傾斜角を小さくするほど、流路が長くなり、パチンコ玉計数装置の内部空間も大きくせざるを得ず、省スペース化の妨げとなっていた。
【0008】
ここで、図8に、一般的なパチンコ玉計数装置における200ms単位で1つのレーンで計数されるパチンコ玉の計数信号の発生状態を示す。同図では、200msの間に、5個のパチンコ玉が計数されている。その結果、1分間当りの計数処理能力は、1,500個であり、16レーンでは、24,000個となっている。
なお、この計数処理能力は、投入されるパチンコ玉が多くなるほど、後続するパチンコ玉の圧力により、パチンコ玉同士が噛み合って玉止まりが発生し易くなるため、益々低下する傾向にあった。
【0009】
また、この種の遊技媒体計数装置では、遊技媒体同士が噛み合って停滞してしまうことが多いため、噛み合って停滞する箇所に強制的に振動を加えて、停滞を解消させる技術が提案されている。これにより、円滑な遊技媒体の流動が図られるようになっている(例えば、特許文献1)。
【0010】
また、遊技媒体計数装置では、上述のような構造上の特性より、一旦計数部を通過した遊技媒体が、先行する遊技媒体に衝突することで、後退し、再度計数部を通過することで再計数されてしまうことがある。また、針金やセル等の先端部に遊技媒体を複数隣接して固着させた不正冶具を、流路から進入させて、計数部に到達させることで、計数させる不正行為が行われることがある。これらを防止するため、計数部に2つのセンサを隣接して設け、遊技媒体の流動方向を判定する技術も提唱されている。
【0011】
さらに、特許文献2には、パチンコ機から払出されたパチンコ玉を計数するとともに、当該パチンコ玉をパチンコ島内に高速に排出するために、コンベヤ等の増速装置を備えるパチンコ玉の計数装置の技術が開示されている。
これにより、パチンコ玉を前述の自重による転がり速度を超える高速度にすることができ、パチンコ島内への排出効率を高めることができる。
【0012】
また、この種の遊技媒体計数装置では、計数中に停電又は異常が発生した際の対策として、データバックアップ機能や遊技媒体排出規制機能を備えることが提唱されている。
データバックアップ機能は、停電又は異常の発生までに計数した計数データをバックアップメモリに記憶保存する機能であり、また、遊技媒体排出規制機能は、装置内部で遊技媒体の流路を閉じることにより、遊技媒体が未計数のまま排出されることを阻止する機能である(例えば、特許文献3参照)。
【0013】
【特許文献1】特開2006−150013号公報
【特許文献2】特開平11−033213号公報
【特許文献3】特開平11−156033号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、従来の遊技媒体計数装置においては、前述のような問題を十分に解決し得るものではなかった。
例えば、特許文献1に記載の発明では、遊技媒体同士が噛み合って停滞することを、解消できるものの、遊技媒体の転動速度を速め、計数効率を高めるまでには至ってはいなかった。
また、特許文献2に記載の発明では、パチンコ機の玉皿から落下されるパチンコ玉を計数部までの誘導する経路の一部に増速装置を設けるものであり、一般にパチンコ島端に設置されている一度に大量の遊技媒体を処理しなければならない遊技媒体計数装置に適用することは、困難であった。
さらに、当該発明では、パチンコ玉の流路を長く設けたものであるため、一般的な遊技媒体計数装置の大きさに収める必要があった。
【0015】
また、停電対策や異常対策は、短時間の停電又は異常を前提としており、復旧に長い時間を要する場合には、計数装置内部に導入された遊技媒体の取り出しが困難になるという問題がある。
例えば、長時間にわたる停電の場合や、遊技媒体計数装置が故障した場合には、計数途中の遊技媒体を遊技媒体計数装置から取り出して、手作業で計数したり、他の遊技媒体計数装置に移して計数することが想定される。このとき、ホッパ内の遊技媒体は、手で取り出すことが可能であるが、装置内部の遊技媒体は、そのまま放置せざるを得ないため、ホールとしては、放置分の個数を概算し、遊技者の損失を補填する必要があった。
【0016】
また、近年では遊技媒体の計数は、不正行為者による前述したような針金やセル等の先端部に遊技媒体を複数隣接して固着させた不正冶具を、流路から進入させて、計数部に到達させることで、計数させるような行為を排除するために、遊技場の店員が遊技媒体を計数するようになっている。
そのためには、許可なく遊技媒体を遊技媒体計数装置に投入しないように、投入口に蓋材で覆ったり、シャッターを設けたりすることで、このような不正を防止しているが、このような覆いを外して一旦投入された場合には、遊技媒体は自重により装置内部を転動してしまうため、計数されてしまう。
【0017】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、大量の遊技媒体が詰まることなく、高速に計数することができるコンパクトな遊技媒体計数装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の遊技媒体計数装置は、請求項1に記載するように、遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置であって、遊技媒体が投入されるすり鉢状のホッパの底面部に設けられ、多数の遊技媒体が積載された状態でスライド移動可能な受容面と、前記受容面のスライド移動方向側には、前記受容面からほぼ遊技媒体の高さ分開口し、当該受容面に接する遊技媒体が取り入れ可能な取入口と、前記取入口のさらにスライド移動方向先方側には、遊技媒体を計数する計数手段と、前記受容面をスライド移動させる駆動源と、前記駆動源を制御する制御部と、を備え、前記駆動源が駆動されることで、遊技媒体が、前記計数手段に誘導される構成としてある。
【0019】
このような構成からなる本発明の遊技媒体計数装置によれば、遊技媒体が投入されるすり鉢状のホッパの底面部に設けられ、多数の遊技媒体が積載された状態でスライド移動可能な受容面と、受容面からほぼ遊技媒体の高さ分開口し、当該受容面に接する遊技媒体が取り入れ可能な取入口を備えているため、受容面がスライド移動することで、積載された受容面に接する遊技媒体から順次、取入口にスライス状に取り込み、計数手段に遊技媒体を誘導することができる。
これより、山積み状態で積載された遊技媒体が、スライド移動に伴い、取入口によって崩されながら、一段の面状に均されるとともに、搬送されて強制的に計数手段に誘導されるため、自重による転動等で遊技媒体が計数手段まで誘導される従来の計数装置と異なり、単位時間当たりに計数される遊技媒体数を増大させることができるとともに、自重による詰まりも解消することができる。
【0020】
また、受容面は、遊技媒体が直接投入されるすり鉢状のホッパの底面部に設けられており、遊技媒体が積載された状態でスライド移動して、計数手段に誘導されるため、遊技媒体が計数手段に到達されるまでの流路を短く設定でき、遊技媒体計数装置の形状をコンパクトな大きさにすることができる。
【0021】
さらに、受容面をスライド移動させる駆動源と、駆動源を制御する制御部と、を備えることで、制御部が駆動源を高速制御することで、遊技媒体の計数処理速度を速めることもできるし、異物の混入や、遊技媒体の噛合い等により、駆動源に所定以上の負荷が加わったときに、駆動源を停止させたり、逆転させたりすることで、異物の混入や、遊技媒体の噛合いを解消することもできる。
また、制御部による駆動源の制御は、印加される電流(電圧)等をオン/オフする駆動/停止制御も含まれ、通常時は、制御部が駆動源を停止制御することにより、受容面がスライド移動されず、遊技媒体が計数手段に誘導されないことになる。つまり、受容面が、蓋材やシャッターの機能を果たし、店員の許可なく遊技媒体を投入する行為を排除することもできる。
【0022】
なお、受容面は、多数の遊技媒体が積載された状態でスライド移動可能な面状に形成され、遊技媒体と係合せずとも、一定の摩擦力をもって接することで、遊技媒体が積載された状態で搬送されれば足りる。
また、取入口の高さは、遊技媒体の形状に合わせて決定される。
例えば、遊技媒体がパチンコ玉ならば、高さは、パチンコ玉の球径となり、遊技媒体がメダルやコインならば、高さは、メダルやコインの直径又は厚みとなる。
【0023】
また、請求項2記載の遊技媒体計数装置は、前記取入口をほぼ遊技媒体の大きさに区画し、区画された各取入口から取り入れられた遊技媒体が整流される整流部を備える構成とすることができる。
このような構成とすることにより、取入口がほぼ遊技媒体の大きさに区画される整流部を備えるため、受容面のスライド移動に伴い、一段の面状に均された遊技媒体がさらに、整流部によって、区画された取入口毎に振り分けられ、取入口を通過した後には一列に整列される。
これにより、遊技媒体が計数手段よって計数されるために、一段かつ一列となるまで、従来の計数装置のように長い流路を設ける必要がなくなり、計数装置をコンパクトな大きさとすることができる。
なお、取入口が区画される大きさは、遊技媒体の形状に合わせて決定される。
例えば、遊技媒体がパチンコ玉ならば、大きさは、パチンコ玉の球径となり、遊技媒体がメダルやコインならば、大きさは、メダルやコインの直径又は厚みとなる。
【0024】
また、請求項3記載の遊技媒体計数装置は、前記計数手段が、前記区画された取入口毎に設けられた構成とすることができる。
このような構成とすることにより、計数手段が、区画された取入口毎に設けられるため、同時に大量の遊技媒体を計数することができる。
これにより、単位時間当たりの計数される遊技媒体の数を増加させることができ、計数効率の向上を図ることができる。
【0025】
また、請求項4記載の遊技媒体計数装置は、前記受容面に、遊技媒体を前記取入口に誘導する誘導部が複数設けられた構成とすることができる。
このような構成とすることにより、受容面に誘導部を設けることで、誘導部が、積載された遊技媒体を積極的に崩したり、攪拌したりするよう作用したり、遊技媒体が取入口に強制的に誘導されるように作用したりする。
【0026】
例えば、遊技媒体がパチンコ玉である場合において、誘導部を凸半球状に形成すると、パチンコ玉が受容面に山積み状態で積載されたときには、パチンコ玉を積極的に崩すよう作用するとともに、パチンコ玉が受容面に面状に積載されたときには、受容面上を転動するパチンコ玉を攪拌し、上記の区画された取入口に偏りなく振り分けることもできる。
また、誘導部に係止されたパチンコ玉を、取入口に強制的に誘導することができ、取入口付近で、停滞するパチンコ玉をなくすことができる。
また、遊技媒体がパチンコ玉である場合において、誘導部を凹半球状に形成すると、パチンコ玉が誘導部に収まって係止され、取入口に円滑に取り入れることができる。
このように、誘導部を複数備えることで、遊技媒体を取入口に円滑に誘導することができる。
【0027】
また、請求項5記載の遊技媒体計数装置は、前記複数の誘導部が、スライド移動方向に沿って、所定の間隔をもって配列された構成とすることができる。
このような構成とすることにより、複数の誘導部が、スライド移動方向に沿って、所定の間隔をもって配列されるため、各誘導部に係止された遊技媒体が所定の間隔で連なって、取入口に順次誘導される。
これにより、所定の間隔で列をなした状態で取入口に取り入れられた遊技媒体が、相互に干渉することなく、さらにスライド移動方向先方側の計数手段に順次誘導されるため、自重による転動等で遊技媒体が計数手段まで誘導される従来の計数装置で発生したような後続する遊技媒体が、先行する遊技媒体に衝突することで、後退し、再度計数手段により計数されてしまう事態が回避される。
さらに、前述した整流部によって取入口が区画された場合においては、複数の誘導部が、区画された各取入口に向かって、配列されることで、各取入口の手前で、事前に一列に整列されるようになり、各取入口に円滑に取り入れることができる。
なお、複数の誘導部が、スライド移動方向に沿って、配列される所定の間隔は、遊技媒体が誘導部に係止された状態で、前後する遊技媒体が重ならない間隔を有することが好ましい。
【0028】
また、請求項6記載の遊技媒体計数装置は、スライド移動方向に沿うとともに、前記受容面に対して所定の高さで立設される仕切板を備え、前記仕切板が、前記整流部と連接される構成とすることができる。
このような構成とすることにより、スライド移動方向に沿うとともに、受容面に対して所定の高さで立設される仕切板を備え、仕切板が、整流部と連接されるため、ポッパより投入された遊技媒体が、区画された各取入口に誘導されるように、あらかじめ分散することができる。
これにより、各取入口に誘導される遊技媒体の数の偏りをなくすことができ、区画された取入口毎に計数手段が設けられている場合には、均等に計数され、計数効率を向上させることができる。
【0029】
また、請求項7記載の遊技媒体計数装置は、前記受容面が、二方向にスライド移動し、スライド移動方向毎に前記取入口が設けられ、一のスライド移動方向側の前記取入口が、遊技媒体を回収する回収口に連通するとともに、他のスライド移動方向側の前記取入口が、遊技媒体を遊技者に返還する返還口に連通する構成とすることができる。
【0030】
このような構成とすることにより、受容面が、二方向にスライド移動し、一のスライド移動方向側の取入口が、遊技媒体を回収する回収口に連通するとともに、他のスライド移動方向側の取入口が、遊技媒体を遊技者に返還する返還口に連通するため、スライド移動の方向に応じて、遊技媒体の流出先を分けることができる。
その結果、通常時は、受容面を回収口側の取入口に向けてスライド移動させることで、ホッパより投入された遊技媒体を計数し、計数された遊技媒体を、回収口を介して、遊技機島等に回収することができる。
一方、停電した後の復旧時や異常時には、受容面を返還口側の取入口に向けてスライド移動させることで、遊技者に簡単に返還することができる。
また、遊技機島等が、遊技媒体で満杯状態にあり、循環装置が作動していないような場合には、非常用として、受容面を返還口側の取入口に向けてスライド移動させることで、計数処理を行うこともできる。
このように、遊技媒体計数装置等の状況に応じて、遊技媒体の流出先を分けることができるため、遊技媒体が受容面に積載された状態においては、回収又は返還のいずれの選択も可能となる。また、自重による転動等で、遊技媒体を計数スイッチまで誘導する従来の計数装置と異なり、遊技媒体が装置内部に放置され、取り出し不能となることがないため、停電時の復旧作業における労力を軽減することができる。
【0031】
また、請求項8記載の遊技媒体計数装置は、前記受容面に遊技媒体を誘導するとともに、当該受容面に積載される遊技媒体数を制限する制限板を備える構成とすることができる。
このような構成とすることにより、制限板を備えるため、大量の遊技媒体が投入された場合、受容面に加わる遊技媒体の重みを軽減することができる。
これにより、受容面の耐久性が向上するとともに、受容面をスライド移動させる駆動源や、駆動源から受容面に動力を伝達する部品等への負荷が軽減され、省力化が図られる。
【0032】
また、請求項9記載の遊技媒体計数装置は、前記制限板が、前記受容面の上面側に、当該受容面と所定の間隔をもって、当該受容面の一部を遮るように斜めに配置された構成とすることができる。
このような構成とすることにより、制限板が、受容面の上面側に、当該受容面と所定の間隔をもって、当該受容面の一部を遮るように斜めに配置されるため、大量の遊技媒体が投入された場合、遊技媒体の重みがすべて受容面に加わることを抑制しつつ、受容面に遊技媒体を誘導することができる。
これにより、受容面がスライド移動して、遊技媒体が取入口に取り込まれる際の負荷抵抗を軽減することができ、円滑に遊技媒体を計数処理することができる。
また、受容面と制限板との間隔は、遊技媒体が、この間で噛み合ってブリッジしないように設定されることが好ましい。
【0033】
また、請求項10記載の遊技媒体計数装置は、前記取入口の上端側が、鋭角の斜面で形成された構成とすることができる。
このような構成とすることにより、取入口の上端側が、鋭角の斜面で形成されるため、複数の段をなす遊技媒体が、受容面のスライド移動とともに、取入口の上端側と押し合うことなく、当該斜面に沿って押し上げられ、受容面に接している遊技媒体を、円滑に取入口に取り入れることができる。
これにより、遊技媒体を取入口に取り入れる際の抵抗を極力少なくすることができ、駆動源の負荷を軽減させることで、省力化が図られる。
【0034】
また、請求項11記載の遊技媒体計数装置は、前記誘導部が、前記受容面からほぼ前記取入口の高さを有し、当該取入口に対向する歯状に形成された構成とすることができる。
このような構成とすることにより、各誘導部が、受容面からほぼ取入口の高さを有し、前記取入口に対向する歯状に形成されるため、歯状の誘導部によって、取入口が遮られることになる。
これより、制御部が、駆動源を停止制御している場合には、歯状の誘導部によって、取入口からの侵入が妨げられる。
その結果、針金やセル等の先端部に遊技媒体を複数隣接して固着させた不正冶具を、取入口から進入させて、計数手段に到達させることで、計数させる不正行為を排除することができる。
【0035】
また、請求項12記載の遊技媒体計数装置は、前記計数手段の先方側に、遊技媒体の詰まりを検出する滞留検出手段を備える構成とすることができる。
このような構成とすることにより、滞留検出手段を備えることで、計数手段から先方側の遊技媒体の詰まりを検出することができる。
例えば、滞留検出手段が一定時間遊技媒体ありを検出した場合は、遊技媒体の詰まりと判断することができ、駆動源が、継続して受容面をスライド移動することで、いずれ遊技媒体が計数装置内に充満し、計数手段での計数も誤差を生じることが想定される。
そこで、滞留検出手段が遊技媒体の詰まりを検出した場合には、制御部が、駆動源を停止制御することができる。そして、遊技媒体の詰まりが解消され、滞留検出手段が遊技媒体の停滞なしを検出した場合は、駆動源の制御を再開させることができる。
その結果、遊技媒体の詰まりによって生じる計数の誤差や、受容面をスライド移動させる駆動源及び駆動源から受容面に動力を伝達する部品等に加わる機械的な噛み合いによる過負荷を未然に防止することができる。
【0036】
また、請求項13記載の遊技媒体計数装置は、前記駆動源に対する負荷を検出する負荷検出手段を備える構成とすることができる。
このような構成とすることにより、例えば、駆動源をモータとし、制御部が、モータを定速回転するように制御する場合において、モータに印加される電流を検出する検出回路を設けることで、モータに加わる負荷の増減を検出することができる。そして、モータに印加される電流値が所定の値を超えた場合には、計数装置への異物の混入や、遊技媒体の詰まり等に起因する異常負荷と判定し、制御部が駆動源を停止させたり、反転制御することで、異常事態を回避することができる。
また、所定の負荷以上が加わると、駆動源と動力が伝達される従動側の摩擦抵抗が少なくなり、スリップするスリップフリクション機構を採用することもできる。
【0037】
また、請求項14記載の遊技媒体計数装置は、前記制御部が、所定の異常を判定した場合において、前記駆動源を停止し、外部に異常を報知する構成とすることができる。
このような構成とすることにより、計数装置が異常状態となるような、例えば、前述した滞留検出手段が一定時間遊技媒体ありを検出する遊技媒体の詰まりや、過剰な負荷が加わることで、駆動源に印加される電流が所定の値を超える場合に、制御部が、異常と判定し、外部に異常を報知するため、計数装置が故障することを防止することができるのみならず、異常を解消する措置を早急に行うことができる。
この場合の報知は、ランプや音による報知のみならず、遊技場の管理装置等に所定の信号を出力することも含まれる。
【発明の効果】
【0038】
本発明の遊技媒体計数装置によれば、大量の遊技媒体が詰まることなく、高速に計数することができるコンパクトな遊技媒体計数装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明に係る遊技媒体計数装置の好ましい実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の外観を示す斜視図であり、図2は、本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の内部構成を示す概略断面図である。また、図3は、本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置のポッパを外した状態の受容面の正面図であり、図4は、同じく本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の制御構成を示すブロック図である。また、図5は、本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の計数手段で検出される単位時間当たりの計数信号の発生状態を示す図である。
【0040】
これらの図に示すように、本実施形態に係る遊技媒体計数装置は、パチンコ機の遊技媒体であるパチンコ玉を計数するためのパチンコ玉計数装置1であり、すり鉢形状のホッパ2と、ホッパ2の底面部に形成された投入口3と、投入口3の上面に設けられ、本発明の制限板として機能する圧力軽減板21と、本発明に係る受容面として機能する歯付タイミングベルト4と、歯付タイミングベルト4のスライド移動方向に設けられたパチンコ玉を取り入れる取入口31と、歯付タイミングベルト4を駆動させるモータ12と、モータ12の動力を伝達するタイミングベルト13,プーリー等の各種動力伝達部品と、パチンコ玉の計数や玉詰まりを検出するための各種スイッチ6,7と、パチンコ玉をパチンコ島に回収する回収口14と、遊技者に返還する返還口15と、計数結果を表示する表示部17と、チケット、カードなどの景品交換媒体の発行、又は所定の処理等を行う発行部18と、景品交換媒体の発行操作などを行う操作部16と、パチンコ玉計数装置1の各部を制御する制御部20等を備えている。
【0041】
ホッパ2は、計数対象となるパチンコ玉を受ける玉受け部であり、パチンコ玉が底面部に向かって転動可能なすり鉢部22が形成されている。
ここで、ホッパ2は、一定量のパチンコ玉が投入可能な大きさ,深さを有し、パチンコ玉が投入口3に向かって転動可能な形状であれば、どのような構成としてもよいが、一般には、計数装置の玉計数処理速度などに対応した玉容量となるように形成されている。
【0042】
投入口3は、ホッパ2に投入されたパチンコ玉を本発明に係る受容面として機能する歯付タイミングベルト4の上に積載させるための開口部となっており、例えば、ホッパ2のすり鉢部22の底部ほぼ中心に、ホッパ長手方向に沿って開口する長方形状に形成されている。これによって、ホッパ2に大量のパチンコ玉が投入されることで、大量のパチンコ玉が歯付タイミングベルト4の上に積載されるようになっている。
なお、投入口3の形状,大きさについても、ホッパ2と同様、計数装置の玉計数処理速度などに応じた態様に設定することができる。
【0043】
圧力軽減板21は、本発明の制限板として機能し、図2に示すように、歯付タイミングベルト4と所定の間隔をもって、歯付タイミングベルト4の一部を遮るように斜めに配置されている。
圧力軽減板21によって、パチンコ玉を歯付タイミングベルト4に誘導するとともに、大量のパチンコ玉が投入された場合に、歯付タイミングベルト4に積載されるパチンコ玉を制限するようになっている。
これにより、大量のパチンコ玉が投入された場合、パチンコ玉の重みがすべて歯付タイミングベルト4に加わることを抑制することができ、歯付タイミングベルト4がスライド移動して、パチンコ玉が後述する取入口に取り込まれる際の負荷抵抗を軽減することができ、円滑にパチンコ玉を計数処理することができる。
【0044】
なお、歯付タイミングベルト4と圧力軽減板21との間隔は、図2に示すように、歯付タイミングベルト4の底面より、少なくともパチンコ玉3個以上確保するように設定されている。これは、パチンコ玉は2個で玉詰まり(ブリッジ)することが多いため、歯付タイミングベルト4に一段分パチンコ玉が積載されている状態において、一段分のパチンコ玉の上面から圧力軽減板21の底面までに、パチンコ玉2個のスペースを確保するためである。
さらに、図2に示すように、ポッパ2のすり鉢部22と、圧力軽減板21との間隔もパチンコ玉2個以上の間隔をもって設置されている。これにより、パチンコ玉のブリッジを回避しつつ、歯付タイミングベルト4に加わるパチンコ玉の重みを軽減させることができる。
【0045】
取入口31は、図2に示すように、歯付タイミングベルト4のスライド移動方向に対して二箇所設けられている。
一方の取入口31aは、歯付タイミングベルト4を経て、パチンコ玉を図示しないパチンコ島に回収するための回収口14に連通し、他方の取入口31bは、歯付タイミングベルト4を経て、遊技者にパチンコ玉を返還するための返還口15に連通するようになっている。
各取入口31は、歯付タイミングベルト4のスライド移動方向に面し、歯付タイミングベルト4からパチンコ玉1個が取入可能な高さ分開口されている。
これにより、歯付タイミングベルト4にパチンコ玉が積載された状態(無作為な山積み状態)で歯付タイミングベルト4がスライド移動すると、歯付タイミングベルト4に接している一段分のパチンコ玉が、各取入口31に取り入れられるようになっている。
さらに、取入口31の上端側であり、すり鉢部22の投入口3の端部は、鋭角に形成されるとともに、すり鉢部22の傾斜角も小さく設定されている。
その結果、歯付タイミングベルト4のスライド移動とともに、パチンコ玉が、取入口31の上端側であるすり鉢部22の投入口3の端部と押し合うことなく、すり鉢部22に沿って押し上げられ、歯付タイミングベルト4に接しているパチンコ玉を、円滑に取入口31に取り入れることができる。
これにより、歯付タイミングベルト4に山積みされたパチンコ玉を取入口31に取り入れる際の抵抗を極力少なくすることができ、モータ12の負荷を軽減させることで、省力化が図られる。
【0046】
計数スイッチ6は、本発明に係る計数手段であり、導電体が近づくことで、渦電流によるインピーダンスの変化を検出する近接センサ等のスイッチからなり、取入口31aと回収口14が連通する流路と、取入口31bと返還口15が連通する流路に各々設けられている。
計数スイッチ6aは、回収口14側に連通する流路に設けられ、パチンコ玉が積載された歯付タイミングベルト4が取入口31aに向かってスライド移動し、搬送されたパチンコ玉が当該計数スイッチ6aを通過することでパチンコ玉が検出されるようになっている。
計数スイッチ6bは、返還口15側に連通する流路に設けられ、パチンコ玉が積載された歯付タイミングベルト4が取入口31bに向かってスライド移動し、搬送されたパチンコ玉が当該計数スイッチ6bを通過することでパチンコ玉が検出されるようになっている。
検出された各計数スイッチ6からの信号は計数信号として、制御部20に出力され、信号数をカウントすることで、計数スイッチ6を通過したパチンコ玉数が計数されるようになっている。
【0047】
滞留スイッチ7は、本発明に係る滞留検出手段であり、計数スイッチ6と同等な近接センサ等からなるスイッチで、各計数スイッチと所定の間隔をおいて、各計数スイッチよりさらに下流側に各々設けられ、回収口14側及び返還口15側における玉詰まりを検出することができるようになっている。
回収口14側又は返還口15側において玉詰まりが発生した場合に、継続して、パチンコ玉が積載された歯付タイミングベルト4が連通するいずれかの取入口31に向かってスライド移動すると、歯付タイミングベルト4に搬送されたパチンコ玉は、逃げ場を失い、その後、各取入口31から回収口14又は返還口15までの流路に、パチンコ玉が充満することになる。
その結果、歯付タイミングベルト4がスライド移動不能となり、歯付タイミングベルト4が損傷したり、モータ12が焼き付け等を起こしたりすることで、計数装置が故障するとともに、各計数スイッチ6も正確な計数が不能となる。
【0048】
このような事態を回避するために、各計数スイッチ6と所定の間隔をおいて、各計数スイッチ6よりさらに下流側に滞留スイッチ7を設けることで、回収口14側及び返還口15側における玉詰まりをいち早く検出することができる。
玉詰まりの検出により、制御部20がモータ12を制御して、スライド移動を停止したり、スライド移動の方向を逆転させたりすることもでき、玉詰まりによる不具合発生から計数装置を保護することができるとともに、計数スイッチ6の正確性を担保することができる。
具体的な滞留スイッチ7による玉詰まりの検出は、後述する制御部20が、滞留スイッチ7を通過するパチンコ玉のオン時間(滞留信号)を監視し、オン時間が所定時間を超えた場合には、「玉詰まり」と判定するようになっている。
なお、各計数スイッチ6と滞留スイッチ7との間隔は、滞留スイッチ7が「玉詰まり」を検出した時点で、計数スイッチ6内にパチンコ玉が滞留せずに、正常に通過する間隔を有することが好ましく、その間隔は、歯付タイミングベルト4のスライド移動速度を考慮して決定されることは言うまでもない。
【0049】
歯付タイミングベルト4は、本発明の受容面として機能し、パチンコ玉が積載された状態でスライド移動可能となっている。
図3に示すように、歯付タイミングベルト4は、8本のコンベアベルトからなり、各歯付タイミングベルト4は、異なる軸9a,9bに固着された各軸9a,9bの回転に伴い回転するプーリー5a,5bに水平に跨って張設され、同図中、左右方向いずれにも水平にスライド移動できるようになっている。
すなわち、一方の軸が主動軸となって回転することで、他方の軸が従動して回転され、歯付タイミングベルト4がベルトコンベアのようにスライド移動する構成となっている。
【0050】
各プーリー5a,5bには、各歯付タイミングベルト4の裏面に設けられた凸部42と歯合する図示しない凹部が設けられ、各歯付タイミングベルト4は、プーリー5a,5bの回転に追動するようになっている(図2参照)。
また、前述した計数スイッチ6a,6b及び滞留スイッチ7a,7bも、8本の各歯付タイミングベルト4と対をなすように設けられている。
なお、各歯付タイミングベルト4は、劣化による架け替え等が容易なように、また、計数装置内にけるパチンコ玉の玉詰まり等に起因するモータ12や各動力伝達部品に加わる過度の負荷を吸収するために、ゴム状の弾性素材で形成されている。
【0051】
各歯付タイミングベルト4の間には、本発明に係る整流部及び仕切板として機能する仕切板8が設けられている。
仕切板8は、各歯付タイミングベルト4のスライド移動方向に沿うとともに、ほぼパチンコ玉径の間隔で並行に設けられ、各取入口31から計数スイッチ6a,6b及び滞留スイッチ7a,7bに至るまで連接されている。
各取入口31a,31bから計数スイッチ6a,6b及び滞留スイッチ7a,7bに至るまでは、本発明に係る整流部として機能し、各取入口31がほぼパチンコ玉の大きさに区画されるようになっている。
また、投入口3の開口部においては、各歯付タイミングベルト4に対して、所定の高さをもって、当該投入口3の短方向両端に架設され、本発明に係る仕切板として機能し、整流部に連接されている。
【0052】
このように各取入口31がほぼパチンコ玉の大きさに区画される整流部として機能する仕切板8を設けることで、各歯付タイミングベルト4のスライド移動に伴い、一段の面状に均された遊技媒体がさらに、区画された取入口31毎に振り分けられ、各取入口31を通過した後には一列に整列される。
これにより、パチンコ玉が計数スイッチ6a,6bに計数されるために一段かつ一列となるまで、従来の計数装置のように長い流路を設ける必要がなくなり、計数装置をコンパクトな大きさとすることができる。
また、本発明の仕切板として機能する仕切板8を設けることで、ポッパ2より投入された大量のパチンコ玉を、整流部により区画された各取入口31に誘導されるように、あらかじめ分散することができる。
これにより、区画された各取入口31に誘導されるパチンコ玉の数の偏りをなくすことができ、区画された各取入口31毎に設けられた計数スイッチ6が、均等に計数され、計数効率を向上させることができる。
【0053】
また、各歯付タイミングベルト4には、本発明の誘導部として機能する歯状に形成された複数の歯41が立設されている。
また、歯41は、歯付タイミングベルト4の底面からほぼ取入口31の高さを有し、各取入口31に対向するとともに、歯付タイミングベルト4のスライド移動方向に沿って、パチンコ玉1個の間隔毎に配列されている。
その結果、パチンコ玉が複数の歯41に係止された状態で、区画された各取入口31に順次誘導されるようになっている。
この際には、前述の仕切板8も、誘導部として機能していることは言うまでもない。
このように、複数の歯41が、スライド移動方向に沿って、パチンコ玉1個の間隔をもって配列されるため、各歯41に係止されたがパチンコ玉が、一定間隔をもって連なり、区画された各取入口31に順次誘導される。
これにより、間隔をもって列をなした状態で、区画された各取入口31に取り入れられた遊技媒体が、相互に干渉することなく、さらにスライド移動方向先方側の計数スイッチ6a,6bに順次誘導されるため、自重による転動等で遊技媒体が計数手段まで誘導される従来の計数装置で発生したような、後続するパチンコ玉が先行するパチンコ玉に衝突することで後退し、再度計数スイッチにより計数されてしまう事態が回避され、計数結果の精度を向上させることができる。
また、従来技術で述べたような、計数スイッチを2つ隣接して設け、パチンコ球の流動方向を判定する必要がなくなるため、計数スイッチを一つとすることができるとともに、安価な計数スイッチを採用することができ、コストの低減が図られる。
【0054】
また、歯付タイミングベルト4の歯41は、歯付タイミングベルト4の底面からほぼ取入口31の高さを有し、各取入口31に対向するように設けられているため、各取入口31が、歯41によって遮られることになる。
このため、歯付タイミングベルト4が、スライド移動を停止している際には、歯41によって、取入口31からの侵入が妨げられる。
その結果、針金やセル等の先端部にパチンコ玉を複数隣接して固着させた不正冶具を、各取入口31から進入させて、計数スイッチ6に到達させることで、計数させる不正行為を排除することができるようになっている。
【0055】
また、歯付タイミングベルト4の裏面側には、歯付タイミングベルト4の凸部42に摺接するように支持板19が設けられ、歯付タイミングベルト4に加わる積載されたパチンコ玉の重みが軽減されるようになっている。
【0056】
そして、各歯付タイミングベルト4は、以下に示すような構成によってモータ12の駆動力が伝達されることで二方向にスライド移動されるようになっている。
具体的には、モータ12は、後述する制御部20によって駆動制御(正転/逆転制御も含む)されるサーボモータからなり、内蔵されたエンコーダから一回転毎に発生するパルス信号が制御部20に出力され、回転速度を検出できるようになっている。
モータ12の回転軸には、プーリー121が直結されている。
プーリー121には、軸9a側に設けられたプーリー11aと、軸9b側に設けられたプーリー11bとの3つにプーリーに跨って、張設されるタイミングベルト13が巻かれている。
これにより、モータ12の駆動力が、タイミングベルト13を介して、プーリー11a,11bに伝達されるようになっている。
【0057】
プーリー11a,11bから各軸9a,9bへの駆動力の伝達は、ワンウェイクラッチ10a,10bを介して、伝達されるようになっている。
各ワンウェイクラッチ10a,10bは、相反する回転方向(10aは、回収口方向、10bは、返還口方向)にのみ、各プーリー11a,11bからの駆動力を軸9a,9bへ伝達するようになっている。
すなわち、モータ12の正転又は逆転によって、プーリー11が、いずれかの方向に回転している場合には、一方のワンウェイクラッチ10が、対応する軸9にラッチ(歯合)することで、当該軸が主動軸となるとともに、他方のワンウェイクラッチ10が、対応する軸9にラッチ(歯合)されずに、空転状態となり、当該軸9が従動軸となって、各歯付タイミングベルト4が主動軸側の回転方向にスライド移動するようになっている。
なお、モータ12は、ホッパ2に投入可能なパチンコ玉容量に対応する負荷を十分許容できる起動トルクを発生するモータが選定されていることは言うまでもない。
【0058】
このようにいずれかの軸9が主動軸となることで、図2に示すように、区画された各取入口31によって、1段、1列に整列され歯付タイミングベルト4によって搬送されたパチンコ玉が、計数スイッチ6に誘導される。そして、プーリー5に巻きつく歯付タイミングベルト4が折り返す付近で、歯付タイミングベルト4の前後の歯41に収められたパチンコ玉が自重により落下・放出されることで、各計数スイッチ6及び滞留スイッチ7を通過するようになっている。
【0059】
次に、操作部16は、計数装置1のモータ12の正転/逆転始動・停止等を操作する操作スイッチや、景品交換媒体の発行操作などを行う発行スイッチなどが設けられ、各スイッチからの操作信号は、制御部20に伝送されるようになっている。
表示部17は、制御部20おける計数処理結果(総数,景品数,余り数)を表示するLED等の表示手段により構成され(図1参照)、制御部20によって駆動制御されるようになっている。
発行部18は、制御部20おける計数処理結果を、計数結果等を表示した券面(景品引換券)を発行する発券機や、会員カード等の挿入口を備えており、制御部20によって駆動制御されるようになっている。
【0060】
制御部20は、マイクロコンピュータで構成され、上記の操作部16の各スイッチ、発行部18の会員カード等の挿入に伴う信号、計数スイッチ6や滞留スイッチ7からの計数信号、滞留信号などの入力信号に基づき、前述したモータ12を駆動制御するとともに、パチンコ玉の計数処理を行い、計数結果等を、上記の表示部17及び発行部18に出力するようになっている。
制御部20の制御構成を図4に示す。
【0061】
制御部20は、本発明に係るパチンコ玉計数装置1の特徴として、以下のような処理を行うようになっている。
例えば、制御部20では、操作部16に設けられた所定の操作スイッチが操作されることで、歯付タイミングベルト4をスライド移動させるモータ12を、オン/オフ制御することができる。
これより、オフ時は、モータ12は停止されているため、歯付タイミングベルト4が、従来の計数装置に設けられていたような蓋材やシャッターの機能を果たし、店員の許可なくパチンコ玉を投入する行為を排除することもできる。
また、操作部16に設けられた所定の操作スイッチには、モータ12の回転速度を切替える機能も有しており、大量のパチンコ玉が投入された場合には、計数処理速度を変化することもでき、遊技者の計数待ちの時間を短縮できるようになっている。
さらに、操作部16には、モータ12の回転方向を切替える操作スイッチも設けられており、歯付タイミングベルト4のスライド移動方向を回収口14側又は遊技者にパチンコ玉を返還する返還口15側に変化させることができるようになっている。
これにより、停電復旧時や異常時等において、返還口15からパチンコ玉を遊技者に速やかに返還することができる。
【0062】
また、制御部20では、前述した滞留スイッチ7を通過するパチンコ玉のオン時間を監視し、オン時間が所定時間(例えば、数ミリ秒)を超えた場合には、「玉詰まり」と判定するようになっている。
「玉詰まり」の検出により、モータ12を停止するとともに、図示しない異常ランプやスピーカ等の報知手段が設けられた報知部22に対して、「玉詰まり信号」を出力することで、外部に玉詰まりを報知することができるようになっている。
これにより、店員が、回収口14側又は返還口15側において、玉詰まり等が発生していることを認識することができ、早急に復旧作業を行うことができる。
【0063】
さらに、制御部20では、モータ12に対する負荷を検出する負荷検出手段を備えている。
例えば、制御部20が、モータ12の加速期間経過後、定速回転をするようにモータ12を制御する場合において、モータに印加される電流を検出する検出回路を設けることで、モータに加わる負荷の増減を検出することができる。
具体的には、制御部20では、モータ12から出力されるモータ12が一回転毎に発生するパルス信号を監視し、モータ12の駆動開始から所定時間経過後(駆動開始から定速回転するまでのモータ加速期間経過後)に、モータ12を定速回転するように制御する。
さらに、制御部20では、所定の電流検出回路により、モータ12に印加される電流値を監視できるようになっている。
【0064】
そして、モータ12の駆動開始から所定時間経過後(駆動開始から定速回転するまでのモータ加速期間経過後)において、モータ12に印加される電流値を監視し、モータ加速期間に印加される電流値を超えるような過電流が所定時間継続して印加されている場合には、計数装置内の玉詰まりや異物の進入等に起因する異常負荷と判定し、モータ12を停止するとともに、異常ランプやスピーカ等の報知手段が設けられた報知部22に対して、「異常信号」を出力することで、外部に異常を報知することができるようになっている。
このように、モータ12を停止することで、計数装置が故障するような重大な事態を回避することができる。また、外部に異常を報知することで、異常に対する復旧作業を早期に開始することができる。
【0065】
また、負荷検出手段として、駆動開始から所定時間経過後のモータ12から出力されるモータ12が一回転毎に発生するパルス信号の単位時間当りのパルス数を監視し、パルス数が所定の数に満たない場合に、異常と判定することもできる。
また、モータ12にバイメタルを内蔵させ、過負荷による発熱により、自ら電源を遮断する構成とすることもできる。
その他にも、モータ12の動力を歯付タイミングベルト4に伝達する動力伝達部品において、所定の負荷以上が加わると、摩擦抵抗が少なくなり、スリップするスリップフリクション機構を採用することもできる。
【0066】
また、一定量のパチンコ玉が投入された場合において、パチンコ玉を検出し、自動的に歯付タイミングベルト4がスライド移動し、計数処理する自動処理手段を設けることもできる。
例えば、一定量のパチンコ玉の重みを検出する圧力センサを支持板19の裏面側に設け、または、一定量のパチンコ玉が投入されると導通されるスイッチとして機能させるように投入口3を設けることで、制御部20がこれらのセンサやスイッチを監視し、信号が検出された場合には、モータ12を駆動制御する。
これにより、一定量のパチンコ玉が投入された場合にパチンコ玉を自動的に計数処理することができる。
【0067】
そして、以上のような構成からなる本実施形態のパチンコ玉計数装置1では、従来のパチンコ玉計数装置より、パチンコ玉計数処理速度が高められている。
例えば、歯付タイミングベルト4の歯41の数を32個とし、歯付タイミングベルト4が毎分150回転した場合に、一つの歯付タイミングベルト4と対をなす計数スイッチ6で検出される200ms単位の計数信号の発生状態を図5に示す。
同図では、200msの間に、一定間隔で、16個のパチンコ玉が計数されている。その結果、1分間当りの計数処理能力は、4,800個であり、本実施形態の8本の歯付タイミングベルト4では、38,400個となっている。
このように、本実施形態のパチンコ玉計数装置1では、パチンコ玉が搬送されて計数スイッチ6に誘導されるため、パチンコ玉が自重により転動して計数される従来の計数装置における計数処理能力(24,000個)に比べ、パチンコ玉計数処理速度が飛躍的に向上することができるようになっている。また、定速で搬送されて計数スイッチに誘導されるため、安定して計数スイッチに誘導することができる。
【0068】
また、従来の計数装置のレーンユニット105に設けられた一のレーン105bに相当する歯付タイミングベルト4の本数も、従来のレーン数(16レーン)に対して、少ない本数で、計数処理速度を向上させることができるため、コンパクトな大きさとすることができるとともに、削減されたレーン数分の計数スイッチも不要となり、コストの低減も図ることができる。
なお、歯付タイミングベルト4の数を増設するとともに、これに伴い対をなす計数スイッチを増設することで、さらに計数処理能力を高めることができることは言うまでもない。
【0069】
以上のように構成された本実施形態のパチンコ玉計数装置1によれば、パチンコ玉が投入されるすり鉢状のホッパ2の底面部に設けられ、多数のパチンコ玉が積載された状態でスライド移動可能な歯付タイミングベルト4と、歯付タイミングベルト4からほぼパチンコ玉の高さ分開口し、当該歯付タイミングベルト4に接するパチンコ玉が取り入れ可能な取入口31を備えているため、歯付タイミングベルト4がスライド移動することで、積載された歯付タイミングベルト4に接するパチンコ玉から順次、取入口31にスライス状に取り込み、計数スイッチ6にパチンコ玉を誘導することができる。
これより、山積み状態で積載されたパチンコ玉が、スライド移動に伴い、取入口31によって崩されながら、一段の面状に均されるとともに、搬送されて強制的に計数スイッチ6に誘導されるため、自重による転動等でパチンコ玉が計数スイッチ6まで誘導される従来の計数装置と異なり、単位時間当たりに計数されるパチンコ玉数を増大させることができるとともに、自重による詰まりも解消することができる。
【0070】
また、歯付タイミングベルト4は、パチンコ玉が直接投入されるすり鉢状のホッパ2の底面部に設けられており、パチンコ玉が積載された状態でスライド移動して、計数スイッチ6に誘導されるため、パチンコ玉が計数スイッチ6に到達されるまでの流路を短く設定でき、パチンコ玉計数装置の形状をコンパクトな大きさにすることができる。
【0071】
さらに、歯付タイミングベルト4をスライド移動させるモータ12と、モータ12を制御する制御部20と、を備えることで、制御部20がモータ12を高速制御することで、パチンコ玉の計数処理速度を速めることもできるし、異物の混入や、パチンコ玉の噛合い等により、モータ12に所定以上の負荷が加わったときに、モータ12を停止又は逆転させることで、異物の混入や、パチンコ玉の噛合いを解消することもできる。
また、通常時は、制御部20がモータ12を停止制御することにより、歯付タイミングベルト4がスライド移動されず、パチンコ玉が計数スイッチ6に誘導されないことになる。つまり、歯付タイミングベルト4が、従来の計数装置の投入口に備えるような蓋材やシャッターの機能を果たし、店員の許可なくパチンコ玉を投入する行為を排除することもできる。
【0072】
以上、本発明の遊技媒体計数装置について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る遊技媒体計数装置は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、受容面として機能する歯付タイミングベルト4を本実施形態では、独立した8本のコンベアベルトとしたが、一つの面状に形成することもできる。
また、本発明の遊技媒体計数装置の一例としてパチンコ玉計数装置を示したが、本発明はパチンコ玉の計数装置に限らず、他の遊技媒体の計数装置であっても良い。すなわち、本発明に係る遊技媒体計数装置で計数できる遊技媒体は、特にパチンコ玉のみに限定されるものではなく、計数される遊技媒体の形状に対応して、取入口、整流部、誘導部、仕切板などを適宜変更することで、遊技メダルやコイン等の他の遊技媒体も計数することができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、パチンコ玉、メダルなどの遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置に適用することができる。特に、限られたスペースに設置する場合や、計数装置1台あたりの計数処理能力を向上させたい場合において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の外観を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の内部構成を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の受容面の外観図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の制御構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る遊技媒体計数装置の計数手段で検出される単位時間当たりの計数信号の発生状態を示す図である。
【図6】従来の遊技媒体計数装置の内部構成を示す断面図である。
【図7】従来の遊技媒体計数装置のレーンユニットを示す斜視図である。
【図8】従来の遊技媒体計数装置の計数部で検出される単位時間当たりの計数信号の発生状態を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1 パチンコ玉計数装置
2 ホッパ
3 投入口
4 歯付タイミングベルト
5 プーリー
6 計数スイッチ
7 滞留スイッチ
8 仕切板
9 軸
10 ワンウェイクラッチ
11 プーリー
12 モータ
13 タイミングベルト
14 回収口
15 返還口
16 操作部
17 表示部
18 発行部
19 支持板
20 制御部
21 圧力軽減板
22 報知部
31 取入口
41 歯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体を計数する遊技媒体計数装置であって、
遊技媒体が投入されるすり鉢状のホッパの底面部に設けられ、多数の遊技媒体が積載された状態でスライド移動可能な受容面と、
前記受容面のスライド移動方向側には、前記受容面からほぼ遊技媒体の高さ分開口し、当該受容面に接する遊技媒体が取り入れ可能な取入口と、
前記取入口のさらにスライド移動方向先方側には、遊技媒体を計数する計数手段と、
前記受容面をスライド移動させる駆動源と、
前記駆動源を制御する制御部と、を備え、
前記駆動源が駆動されることで、遊技媒体が、前記計数手段に誘導されることを特徴とする遊技媒体計数装置。
【請求項2】
前記取入口をほぼ遊技媒体の大きさに区画し、区画された各取入口から取り入れられた遊技媒体が整流される整流部を備える請求項1記載の遊技媒体計数装置。
【請求項3】
前記計数手段が、前記区画された取入口毎に設けられた請求項2記載の遊技媒体計数装置。
【請求項4】
前記受容面に、遊技媒体を前記取入口に誘導する誘導部が複数設けられた請求項1〜3のいずれか一項に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項5】
前記複数の誘導部が、スライド移動方向に沿って、所定の間隔をもって配列された請求項4記載の遊技媒体計数装置。
【請求項6】
スライド移動方向に沿うとともに、前記受容面に対して所定の高さで立設される仕切板を備え、前記仕切板が、前記整流部と連接される請求項2〜5のいずれか一項に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項7】
前記受容面が、二方向にスライド移動し、スライド移動方向毎に前記取入口が設けられ、
一のスライド移動方向側の前記取入口が、遊技媒体を回収する回収口に連通するとともに、他のスライド移動方向側の前記取入口が、遊技媒体を遊技者に返還する返還口に連通する請求項1〜6のいずれか一項に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項8】
前記受容面に遊技媒体を誘導するとともに、当該受容面に積載される遊技媒体数を制限する制限板を備える請求項1〜7のいずれか一項に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項9】
前記制限板が、前記受容面の上面側に、当該受容面と所定の間隔をもって、当該受容面の一部を遮るように斜めに配置された請求項8記載の遊技媒体計数装置。
【請求項10】
前記取入口の上端側が、鋭角の斜面で形成された請求項1〜9のいずれか一項に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項11】
前記誘導部が、前記受容面からほぼ前記取入口の高さを有し、当該取入口に対向する歯状に形成された請求項4〜10のいずれか一項に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項12】
前記計数手段の先方側に、遊技媒体の詰まりを検出する滞留検出手段を備える請求項1〜11のいずれか一項に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項13】
前記駆動源に対する負荷を検出する負荷検出手段を備える請求項1〜12のいずれか一項に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項14】
前記制御部が、所定の異常を判定した場合において、前記駆動源を停止し、外部に異常を報知する請求項1〜13のいずれか一項に記載の遊技媒体計数装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−89755(P2009−89755A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−260638(P2007−260638)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】