説明

遊技媒体貸出装置

【課題】遊技機に対して遊技媒体貸出装置が遊技媒体を貸し出す際の貸出単価に関する自由度を高める。
【解決手段】遊技球の投入を条件に所定の抽選契機成立ごとに当落抽選を行って抽選結果に応じた遊技球の払い出しを行うパチンコ機5に対して遊技球の貸出を行う遊技球貸出装置65が、遊技球の貸出に使用可能な価値情報に対応付けられたプリペイド媒体14が投入された場合に、このプリペイド媒体14に対応付けられた価値情報としてのプリペイド残価値を取得し、取得した残価値をプリペイド残価値記憶部83に記憶し、パチンコ機5に対して遊技球の貸出を行い、貸し出した遊技球の対価としてプリペイド残価値記憶部83に記憶された残価値を減算する構成とし、玉貸を行う際の、プリペイド媒体14に対応付けられた残価値に対する遊技球の貸出単価を変更可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に接続されて遊技媒体の貸出を行う遊技媒体貸出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技媒体の投入を条件に、所定の抽選契機が成立するごとに当落抽選を行い、当選により遊技者が遊技媒体を増やせるようにした遊技機が知られている。この種の遊技機には、例えばカード形態の媒体に価値付けられた金額と引き換えに遊技媒体の貸出を行う遊技媒体貸出装置、いわゆるCRユニットが接続されることがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−247489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、CRユニットが遊技媒体を貸し出す際の単価(貸出単価という)は、特許文献1に記載のように遊技機ごとに設定される。また、異なる単価の遊技媒体が混用されないように、貸出単価は例えば遊技機の島ごとに設定され、貸出単価の異なる遊技機が隣接するような配置はされない。このため、遊技機と貸出単価の組み合わせには制限があり、遊技者にとっては希望の貸出単価で遊技できる遊技機が限られる一方、遊技店にとっては遊技者のニーズに対応して各遊技機の貸出単価を適切に設定することが難しいという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、遊技機に対して遊技媒体貸出装置が遊技媒体を貸し出す際の貸出単価に関する自由度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、遊技媒体の投入を条件に所定の抽選契機成立ごとに当落抽選を行って抽選結果に応じた前記遊技媒体の払い出しを行う遊技機に対し、前記遊技媒体の貸出を行う遊技媒体貸出装置において、前記遊技媒体の貸出に使用可能な価値情報に対応付けられた価値媒体が投入された場合に、当該価値媒体に対応付けられた価値情報を取得する残価値取得部と、前記残価値取得部により取得された価値情報を記憶する残価値記憶部と、前記遊技機に対して前記遊技媒体の貸出を行い、貸し出した前記遊技媒体の対価として前記残価値記憶部に記憶された価値情報を減算する貸出制御部と、を備え、前記貸出制御部が貸出を行う際の、前記価値媒体に対応付けられた価値情報に対する前記遊技媒体の貸出単価を変更可能に構成されたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、上記の遊技媒体貸出装置において、使用可能な前記遊技媒体の数を記憶する遊技可能媒体数記憶部と、前記当落抽選を行う遊技機メイン基板と、前記遊技媒体の持玉への移行を制御する制御基板とを備えた前記遊技機に接続され、前記遊技機の前記制御基板によって、前記遊技機メイン基板による抽選の賞品としての前記遊技媒体及び前記遊技可能媒体数記憶部に記憶された前記遊技媒体の全てが持玉に移行された後に、前記貸出単価を変更可能になることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記の遊技媒体貸出装置において、前記遊技機は、抽選結果に応じて通常の遊技状態と特別遊技状態とを遷移するよう構成され、前記遊技機が特別遊技状態である場合には、前記貸出単価の変更が不可となるよう構成されたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記の遊技媒体貸出装置において、前記遊技機から払い出された前記遊技媒体の数を、前記遊技機に対して前記遊技媒体を貸し出した際の前記貸出単価ごとに、前記価値媒体に対応付けて記憶する遊技媒体数記憶部を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記遊技機の前面に設けられた表示部を備え、前記遊技媒体数記憶部に記憶した前記遊技媒体の数を、前記貸出単価ごとに前記表示部に表示することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記の遊技媒体貸出装置において、前記遊技機の前面に設けられた表示部を備え、前記貸出単価の変更が可能な状態か否かを前記表示部に表示することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記の遊技媒体貸出装置において、前記遊技機の前面に設けられた表示部を備え、現在設定されている前記貸出単価を前記表示部に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、遊技機に対して遊技媒体の貸出を行う際の遊技媒体の貸出単価を変更できるので、一つの遊技機において様々な貸出単価で遊技を行うことができ、貸出単価の設定に関する自由度が高まる。これにより、遊技者にとっては遊技機の選択の幅が広がることで興趣性が高められ、遊技機が設置された店舗にとっては遊技機と貸出単価の組み合わせを最適に設定できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る遊技サービスシステムの全体構成を示す図である。
【図2】遊技システムの機能的構成を示す図である。
【図3】遊技球貸出装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】遊技球貸出装置の動作の別の例を示すフローチャートである。
【図5】タッチ液晶モジュールに表示される画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る遊技サービスシステム1の構成を示す図である。
遊技サービスシステム1は、遊技店舗2に導入されている遊技管理システム3と、サービス提供サーバー群4とを備えている。遊技管理システム3は、遊技機の一例たるパチンコ機5から遊技情報を取得して管理するシステムであり、複数台のパチンコ機5及びCR(Card Reader)ユニット6等を備えて構成されている。サービス提供サーバー群4は、遊技管理システム3に対して各種サービスを提供するサーバー群である。
【0015】
サービス提供サーバー群4には、大別すると、ベンダー系に属するベンダー系サーバー群4Aと、データセンター系に属するデータセンター系サーバー群4Bとが含まれており、それぞれがインターネット等の広域網11を介して遊技管理システム3に通信可能に接続されている。
ベンダー系サーバー群4Aには、遊技機メーカーサーバー12Aと、販社・中古機業者サーバー12Bと、カード会社サーバー12Cと、コンテンツプロバイダーサーバー12Dとが含まれている。
遊技機メーカーサーバー12Aは、パチンコ機5を製造する遊技機メーカーが所有するサーバーであり、販社・中古機業者サーバー12Bは、パチンコ機5を販売する販売会社や中古のパチンコ機5を販売する中古機業者が所有するサーバーである。これら遊技機メーカーサーバー12A、及び販社・中古機業者サーバー12Bからは、製造、或いは販売したパチンコ機5の識別情報(例えば製造番号)と、認証用情報としての遊技機ID(例えば、遊技機メイン基板40のCPU固有ID61(図2))が遊技機ID管理センターサーバー13Dに送信され、当該遊技機ID管理センターサーバー13Dで管理される。
カード会社サーバー12Cは、遊技球の貸し出しに供する後述するプリペイド媒体14を製造販売するカード会社によって利用され、プリペイド媒体の製造番号やシリアル番号の照会サービスを提供するサーバーである。遊技店舗側は、かかる照会サービスを利用することで、偽造等された不正なプリペイド媒体を発見できる。
コンテンツプロバイダーサーバー12Dは、コンテンツを配信するプロバイダーによって利用され、各種コンテンツを配信するサーバーである。コンテンツの例としては、例えば遊技機メーカーによって登録されたパチンコ機5のPR(Public Relations)コンテンツや、遊技性能、遊技方法等の説明コンテンツなどが挙げられる。かかるコンテンツは、遊技管理システム3の例えば各CRユニット6に配信され、後述のタッチ液晶モジュール27などに表示されて遊技者に提供される。
【0016】
データセンター系サーバー群4Bには、コンテンツ配信データセンターサーバー13Aと、プリペイド管理データセンターサーバー13Bと、第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cと、遊技機ID管理センターサーバー13Dと、不正情報監視センターサーバー13Eとが含まれている。
コンテンツ配信データセンターサーバー13Aは、TVや映画などの動画や音楽等のエンターテイメントコンテンツを配信するサーバーであり、かかるコンテンツは、遊技管理システム3の各CRユニット6に配信されタッチ液晶モジュール27などに表示される。
プリペイド管理データセンターサーバー13Bは、遊技店舗2で利用されている各プリペイド媒体14の残価値の記録・照会サービスを提供するサーバーである。また第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cは、遊技店舗2の会員となった遊技者ごとに遊技球の貯玉数の記録・照会サービスを提供するサーバーである。遊技店舗側は、これらプリペイド管理データセンターサーバー13B、及び第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cが記録しているデータと遊技管理システム3で管理しているデータとの間の整合性を検証可能になっている。
【0017】
遊技機ID管理センターサーバー13Dは、パチンコ機5の識別情報と、上記遊技機IDと、当該パチンコ機5の出荷先の遊技店舗2とを対応付けたデータを管理し、また照会可能にするサーバーである。かかるデータは、遊技機メーカー、販社、或いは中古機業者がパチンコ機5を出荷するごとに遊技機メーカーサーバー12A、及び販社・中古機業者サーバー12Bから登録され、また遊技店舗2がパチンコ機5を撤去するごとに、対応するパチンコ機5のデータが抹消される。また、データ登録者以外にデータを参照できる者を出荷先の遊技店舗2に限定するために、出荷先の遊技店舗2には、当該出荷先に対応付けられた遊技機IDを参照するためのデータ参照用のID及びパスワードが付与されている。遊技店舗2側は、これらを用いて遊技機ID管理センターサーバー13Dにアクセスすることで、当該遊技店舗2のみが遊技機IDを取得可能になる。なお、遊技機ID管理センターサーバー13Dの管理データには、他に任意の情報を含めることができ、例えば遊技機メーカー名やパチンコ機5の機種名の情報等を含めても良い。
不正情報監視センターサーバー13Eは、何らかの理由で不正と認められたパチンコ機5の識別情報を照会可能に管理するサーバーであり、遊技店舗が、所有のパチンコ機5が不正なものでないかを不正情報監視センターサーバー13Eに問い合わせて確認できる。
【0018】
次いで、遊技管理システム3を構成する各装置について詳述する。
遊技管理システム3は、複数台のパチンコ機5及びCR(Card Reader)ユニット6と、精算機7と、管理コンピュータ群8とを備え、CRユニット6、精算機7及び管理コンピュータ群8のそれぞれが店内LAN9、或いは専用通信線10により通信可能に接続されている。
パチンコ機5は、遊技球を遊技媒体に使用する遊技機である。このパチンコ機5は、遊技者が、価値媒体たるプリペイド媒体14を購入、或いは、プリペイド媒体14に現金をチャージし、該プリペイド媒体14の残価値を代償として遊技球を借りて遊技する、いわゆるCR機と呼ばれる遊技機であり、パチンコ機5と、当該パチンコ機5と通信可能に接続され、プリペイド媒体14を読み取る上記CRユニット6とを備えて遊技システム15が構成され、パチンコ機5は、CRユニット6と電気的に接続されている(通電状態である)事を条件に遊技球を発射可能に構成されている。
【0019】
パチンコ機5は、遊技盤(ゲージ盤)16の前面に前面ガラス17を設け、該前面ガラス17を通じて遊技盤16の遊技領域を視認可能に構成したパチンコ機本体18を備えている。遊技盤16の遊技領域には、遊技球通過時に賞球が得られる始動口19や入賞口20、常閉状態の大入賞口(いわゆるアタッカー)21と、これら始動口19、入賞口20及び大入賞口21のいずれにも入賞しなかった遊技球(いわゆるアウト玉)を遊技領域から遊技盤16の裏側に導いて回収する回収口22と、多数の障害釘23と、始動口19への遊技球の入賞(通過)に伴い図柄を変動表示する図柄表示ユニットとしての遊技機液晶表示器24とが設けられている。
【0020】
パチンコ機本体18の正面には、遊技球の貸出操作用の貸出スイッチ25A、プリペイド媒体14の返却(遊技終了の指示)操作用の返却スイッチ25B、遊技機液晶表示器24での表示演出時などに操作入力するプッシュボタン25C等の各種操作ボタンが設けられている。
またパチンコ機本体18の右下には、遊技球を遊技盤16の遊技領域に1発ずつ所定の時間間隔で発射する遊技球発射ハンドル26が設けられ、この遊技球発射ハンドル26の操作が発射制御基板43によって検出されると、発射制御基板43の制御により遊技球が発射される。遊技球発射ハンドル26の操作に伴って発射された遊技球が始動口19を通過したことを契機にパチンコ機5は特賞の当落抽選を行うとともに、遊技機液晶表示器24に図柄を後述する表示演出を伴って変動表示し、停止図柄により当落抽選結果を遊技者に通知する。また当選時には、パチンコ機5は、大入賞口21を開放して遊技球が入賞し易い状態とすることで遊技者に持玉を増やす機会を与える。
【0021】
ここで、このパチンコ機5は、所定個数(例えば25個)の遊技球をパチンコ機本体18に封入し、これらの遊技球をパチンコ機本体18の中で循環利用する封入球式の遊技機として構成されている。具体的には、パチンコ機5は、遊技盤16に発射され、入賞口20等に入賞した遊技球(いわゆるセーフ玉)及び回収口22に回収された遊技球(いわゆるアウト玉)をそれぞれ遊技盤16の裏側に回収し、発射位置に還流する循環流路(図示せず)を有し、当該循環流路内に所定個数の遊技球を封入して、封入した遊技球を繰り返して遊技領域に発射することで遊技を行うように構成されている。封入球式のパチンコ機5においては、パチンコ機本体18の外部から遊技球を補充する必要がないため、パチンコ機本体18の正面に、遊技球を一時的に貯留するいわゆる上皿や、上皿からパチンコ機本体18の内部に遊技球を捕球する捕球口、上皿に賞球を排出する排出口等は設けられておらず、かかる上皿等が従来配設された箇所(すなわち、前面ガラス17の下)には、タッチ液晶モジュール27が設けられている。
タッチ液晶モジュール27は、パチンコ機本体18の台枠に組み込まれたタッチ操作可能な表示ユニットであり、CRユニット6の操作部及び表示部として機能し、かかる構成については、後に詳述する。
【0022】
CRユニット6は、各パチンコ機5の片側に配置され互いに通信可能に接続されており、プリペイド媒体14の残価値がゼロでない事を条件に、貸出スイッチ25Aの操作を示す貸出操作信号をパチンコ機5から受信した場合に遊技球の貸出指示信号を出力する。プリペイド媒体14の残価値は、管理コンピュータ群8(より正確には後述するプリペイド管理サーバー35B)に管理されており、CRユニット6は、玉貸完了時に、管理コンピュータ群8との間で貸出玉数に応じてプリペイド媒体14の残価値を減算する処理を行う。
【0023】
なお、CRユニット6は、玉貸時における残価値の使用単位(例えば100円単位、500円単位など)や、1個の遊技球あたりの貸出単価(例えば4円/玉、1円/玉など)を予め設定可能に構成されており、遊技場側が営業形態に応じて適宜に設定・変更可能に成されている。
さらに、本実施形態のCRユニット6は、遊技球の貸出単価の設定を、後述する遊技台計数管理装置35Aの制御により、或いはCRユニット6における操作により、変更可能に構成されている。以下の説明では一例として、CRユニット6が4円/玉と1円/玉の2種類の貸出単価で玉貸を行う場合について説明する。
【0024】
プリペイド媒体14にはICを内蔵した硬貨形状のICコイン14A及びカード型の会員カード14Bが用いられている。会員カード14Bは、遊技店に会員登録している顧客に貸与される記録媒体であり、ICコイン14Aは、それ以外の顧客(いわゆる、ビジター)に貸与される記録媒体である。プリペイド媒体14には、カード会社によって付された、一意に特定するための識別情報が付与されており、この識別情報と残価値とが対応付けられて管理コンピュータ群8により管理されている。
【0025】
このCRユニット6は、プリペイド媒体14の発行機能を有し、紙幣(例えば、「一万円」、「五千円」や「二千円」などの紙幣)を挿入する紙幣挿入口28、ICコイン14Aを投入するコイン投入口29、ICコイン14Aを排出するコイン排出口30、会員カード14Bを挿入する会員カード挿入口31が設けられている。
CRユニット6は、紙幣挿入口28に紙幣が挿入された場合、管理コンピュータ群8と通信して紙幣の額面に応じた価値をプリペイド媒体14に付与する処理を行う。具体的には、CRユニット6は、プリペイド媒体14として会員カード14Bが挿入されている場合には、会員カード14Bの残価値を管理する管理コンピュータ群8に対し、会員カード14Bの識別情報に投入金額分の価値を付与する旨を通知する。これにより、会員カード14Bへのプリペイド残高のチャージが行われる。また、会員カード14Bが挿入されていない場合には、CRユニット6は、新規にICコイン14Aを発行するとともに、ICコイン14Aの残価値を管理する管理コンピュータ群8に対し、このICコイン14Aの識別情報に投入金額分の価値を付与する旨を通知する。これにより、会員カード14Bを持たない遊技者に、プリペイド媒体14としてのICコイン14Aが新規に発行される。
【0026】
CRユニット6は、プリペイド媒体14が投入されている間、その残価値をタッチ液晶モジュール27に表示し、貸出スイッチ25Aの操作により玉貸が行われるごとに、残価値を減算更新し、また更新後の残価値をタッチ液晶モジュール27に表示する。また、CRユニット6は、返却スイッチ25Bが操作されたときには、プリペイド媒体14を排出するとともに、プリペイド媒体14の識別情報と残価値とを管理コンピュータ群8に送信し、これにより、CRユニット6から排出されたときのプリペイド媒体14の最終的な残価値が管理コンピュータ群8に記録される。
精算機7は、プリペイド媒体14の残価値を精算する装置であり、この精算機7には、ICコイン14Aのコイン投入口32及び会員カード14Bのカード挿入口33が設けられている。精算機7は、プリペイド媒体14が投入された場合、残価値を上記管理コンピュータ群8に問い合わせ、残価値に応じた金額を払い出す。精算機7は、金額払出完了後に、その旨を管理コンピュータ群8に通知し、管理コンピュータ群8が、そのプリペイド媒体14の残価値として記録している値をクリアすることで精算が完了する。
【0027】
この遊技管理システム3においては、パチンコ機5ごとにデータ表示器34を備えている。データ表示器34は、対応するパチンコ機5の過去営業日の大当たり情報や、当日の大当たり回数、前回大当たりからの図柄変動回数(スタート回数)といった遊技情報を表示する表示パネル34Aを有する。またデータ表示器34には、表示パネル34Aの他にも、遊技場のホールスタッフを呼び出す呼出ボタンや、パチンコ機5の大当たり状態や確率変動遊技状態、時短遊技状態等の所定の遊技状態を報知するランプ等が設けられている。各データ表示器34は、対応するパチンコ機5と通信するCRユニット6に接続され、パチンコ機5が出力する遊技情報をCRユニット6から取得して表示パネル34Aに表示する。
【0028】
管理コンピュータ群8は、遊技台計数管理装置35Aと、プリペイド管理サーバー35Bと、持玉管理サーバー35Cと、会員・景品管理サーバー35Dと、コンテンツサーバー35Eと、遊技機ID管理サーバー35Fとを備えている。
遊技台計数管理装置35Aは、いわゆるホールコンピュータ(図示では「ホールコン」)と呼ばれる装置であり、各パチンコ機5での出球や大当たり回数、エラー状況、パチンコ機5のパチンコ機本体18が備える扉の開放等の遊技機に係る遊技情報、並びに、各CRユニット6への入金や再プレイ、プリペイド残価値の消費等に関する情報をCRユニット6から取得して中枢的に管理する。遊技台計数管理装置35Aは、かかる各種の情報を、パチンコ機5からではなくCRユニット6から取得する。すなわち、遊技台計数管理装置35AとCRユニット6とはパラレル信号線10A、及び/或いはホールコンI/F装置36を中継器に備えたシリアル信号線10Bを介して接続されており、CRユニット6がパチンコ機5から逐次情報を受信して遊技台計数管理装置35Aに出力する。
【0029】
プリペイド管理サーバー35Bは、プリペイド媒体14としてのICコイン14A及び会員カード14Bの各識別情報と残価値を対応付けて記憶し、これらの残価値を管理するサーバーである。CRユニット6は、プリペイド媒体14が投入されたときには、当該プリペイド媒体14の識別情報に対応する残価値をプリペイド管理サーバー35Bに問い合わせ、応答により得られた残価値をタッチ液晶モジュール27に度数表示する。
プリペイド媒体14の残価値は、CRユニット6でのチャージによって増加し、また玉貸によって減少し、プリペイド管理サーバー35Bは、これらチャージ及び玉貸に応じて残価値を更新する。すなわち、CRユニット6が残価値をプリペイド媒体14にチャージした場合には、プリペイド管理サーバー35Bは、チャージされた残価値を識別情報とともに取得して残価値を加算更新する。貸出スイッチ25Aの操作に応じてCRユニット6が玉貸を行った場合には、プリペイド管理サーバー35Bは、かかる玉貸の代償価値をプリペイド媒体14の識別情報とともに取得して残価値を減算更新する。
このプリペイド管理サーバー35Bには、上述した精算機7が店内LAN9を介して接続されており、精算機7にプリペイド媒体14が投入されると、精算機7がプリペイド媒体14の残価値をプリペイド管理サーバー35Bに問い合わせて、残価値に応じた金額払い出し等の精算を行う。
【0030】
持玉管理サーバー35Cは、遊技者の持玉数を管理するサーバーである。具体的には、持玉管理サーバー35Cは、遊技者の持玉数を、投入されているプリペイド媒体14の識別情報とともに店内LAN9を介してCRユニット6から取得して管理する。遊技者は、獲得当日に限り、持玉を遊技に使用することができ、CRユニット6は、プリペイド媒体14が投入されたときには、当該プリペイド媒体14の識別情報に対応する持玉数を持玉管理サーバー35Cに問い合わせ、応答により得られた持玉数をタッチ液晶モジュール27に表示する。このときCRユニット6は、持玉を使って遊技球の払い出しを受けるための持玉使用ボタン(図示せず)をタッチ液晶モジュール27に表示し、当該持玉使用ボタンが操作された場合には、所定玉数の遊技球の払出指示信号をパチンコ機5に出力するとともに、持玉管理サーバー35Cに対してプリペイド媒体14の識別情報とともに使用持玉数を送信する。持玉管理サーバー35Cは、使用持玉数を取得すると、対応するプリペイド媒体14の持玉数を減算更新する。また、CRユニット6は、プリペイド媒体14の排出時には、持玉管理サーバー35Cに対してプリペイド媒体14の識別情報とともに最終的な持玉数を送信し、この持玉数が持玉管理サーバー35Cに記録される。なお、持玉管理サーバー35CとCRユニット6との間の通信障害に備え、遊技者の持玉数をプリペイド媒体14にも記録する構成としても良い。
【0031】
本実施形態では一つのプリペイド媒体14を用いてCRユニット6が複数の貸出単価(1円/玉、4円/玉)で玉貸を行うため、CRユニット6は、パチンコ機5の遊技により獲得された持玉を、その遊技前に玉貸を行ったときの貸出単価ごとに集計管理する。このため、CRユニット6からプリペイド管理サーバー35Bに対しては、持玉の使用時には貸出単価ごとに使用持玉数が送信され、プリペイド媒体14の排出時には、最終的な貸出単価ごとの持玉数が持玉管理サーバー35Cに送信される。持玉管理サーバー35Cは、CRユニット6から受信した貸出単価ごとの持玉数を、プリペイド媒体14の識別情報に基づいて管理する。
【0032】
会員・景品管理サーバー35Dは、顧客会員と景品交換の管理をするサーバーである。顧客会員の管理について詳述すると、顧客の氏名や年齢、性別、職業、携帯電話番号、会員番号、サービス利用のための暗証番号、会員カード14Bの識別情報、顧客が遊技場に預けている再遊技可能な遊技媒体数(いわゆる貯玉数)、遊技履歴に係る情報が管理される。顧客会員には、氏名や年齢等を通知して会員登録を済ました顧客のみならず、会員登録をせずに遊技を行う顧客、いわゆるビジター会員も含まれる。すなわち、ビジター会員には当日限り有効の専用の会員カード14Bが発行され、当該会員カード14BをCRユニット6に挿入して遊技を行うこととなる。
CRユニット6は、会員カード14Bが挿入された場合、タッチ液晶モジュール27に暗証番号入力画面を表示して入力を促し、入力された暗証番号及び会員カード14Bの識別情報の正当性を会員・景品管理サーバー35Dに問い合わせる。ただし、会員カード14Bがビジター会員用である場合には、かかる問い合わせは省略しても良い。CRユニット6は、これらの正当性が会員・景品管理サーバー35Dによって認められた場合に限り、当該会員・景品管理サーバー35Dから貯玉数を取得し、タッチ液晶モジュール27に表示する。またCRユニット6は貯玉が使用されるごとに会員・景品管理サーバー35Dに貯玉使用数を送信し、これにより会員・景品管理サーバー35Dが当該顧客の貯玉数を減算更新する。
なお、以下の説明では、プリペイド媒体14として遊技者が会員カード14Bを使用して遊技を行うものとして説明する。
【0033】
また、この遊技管理システム3においては、遊技者が持玉を景品や貯玉に交換可能になされており、会員・景品管理サーバー35Dは、この景品交換の管理機能を有する。
すなわち、遊技者が景品カウンター(図示せず)等で持玉を景品に交換した場合、当該景品カウンターに設置されたPOS端末を含むPOSシステム37から持玉を交換した旨が、プリペイド媒体14の識別情報とともに持玉管理サーバー35Cに入力され、持玉管理サーバー35Cがプリペイド媒体14の識別情報に対応する持玉数を減算更新することで交換が完了する。この際、POSシステム37では持玉の貸出単価を反映して景品交換が行われ、POSシステム37から持玉管理サーバー35Cに対して貸出単価ごとに交換した持玉数が入力される。持玉管理サーバー35Cは、貸出単価ごとに景品交換された持玉数を減算する。また、このとき、会員カード14Bを利用して遊技を行った顧客会員が景品交換した場合に、当該顧客会員が交換した景品を会員・景品管理サーバー35Dに記録して管理するようにしても良い。
また、顧客会員が持玉を貯玉に交換するときには、会員・景品管理サーバー35Dに、貯玉数がプリペイド媒体14の識別情報とともに送信され、顧客会員の会員カード14Bに対応付けて管理されている貯玉数が加算更新され、また同様に第3者貯玉データ管理センターサーバー13Cが管理する貯玉数のデータも更新される。ここで、プリペイド媒体14の識別情報に対応付けて複数の貸出単価ごとに持玉数が管理されている場合には、持玉管理サーバー35Cから会員・景品管理サーバー35Dに対して貸出単価ごとの持玉数が送信され、会員・景品管理サーバー35Dは、顧客会員の会員カード14Bに対応付けて、貸出単価ごとの貯玉数を管理する。
なお、遊技場の営業日の終了時に、持玉がゼロでない会員カード14Bが持玉管理サーバー35Cに記録されている場合に、当該持玉管理サーバー35Cが会員・景品管理サーバー35Dに記録を転送し、当該会員・景品管理サーバー35Dが管理する会員カード14Bの貯玉に持玉を加算することで、自動で振り替えるようにしても良い。
【0034】
コンテンツサーバー35Eは、上記コンテンツプロバイダーサーバー12D、及び上記コンテンツ配信データセンターサーバー13Aのそれぞれから各種コンテンツを取得し、各CRユニット6に配信する。
遊技機ID管理サーバー35Fは、所定のIDとパスワードを用いて遊技機ID管理センターサーバー13Dにアクセスし、パチンコ機5の識別情報(製造番号等)、遊技機ID、及び出荷先情報を上記遊技機ID管理センターサーバー13Dから取得して管理する。
【0035】
次いで、パチンコ機5及びCRユニット6の構成について詳述する。
図2は、パチンコ機5及びCRユニット6の機能的構成を示す図である。
パチンコ機5は、図2に示すように、主基板に分類される遊技機メイン基板40及び払出制御基板41と、主基板に対する周辺基板である演出用サブ基板42及び発射制御基板43とを備えている。主基板は、当落抽選及び遊技球の獲得に影響を及ぼし、又は及ぼすおそれがある機能を有する回路を実装した基板である。
遊技機メイン基板40は、入賞に伴う賞球の払出指示や特賞の当落を抽選する主制御CPU40Aを備えた基板である。具体的には、パチンコ機5は、始動口19、入賞口20及び大入賞口21のそれぞれに遊技球の入賞を検知する入賞検知センサ44を備え、検知信号が遊技機メイン基板40に出力される。遊技機メイン基板40、始動口19、入賞口20及び大入賞口21ごとに賞球数を対応付けて記憶する入賞口別賞球数記憶部45を備え、入賞口への入賞が検知されるごとに、当該入賞口に応じた数の賞球の払い出しを指示する賞球払出指示信号を払出制御基板41に出力し、また遊技盤16に賞球数別に設けた賞球通知灯46を点灯する。
【0036】
また遊技機メイン基板40は、始動口19への入賞の検知を契機として特賞の当落抽選を行い、当落抽選結果を図柄表示部(いわゆる、特別図柄表示器)47に表示する。特賞当選時には、遊技機メイン基板40は遊技状態を特別遊技状態(いわゆる大当たり遊技状態や確率変動状態、時間短縮遊技状態など)に移行させ、特別遊技状態の終了条件成立に伴って通常の遊技状態に移行する。図柄表示部47は、遊技盤16に視認可能に設けられ、例えば7セグメント表示器や多数のLEDランプにより構成されており、表示図柄(7セグ表示や点灯LEDランプの組み合わせ)によって当落抽選結果を表示する。図柄表示部47では、当落抽選結果を示す表示図柄が、遊技機メイン基板40が都度決定する時間の変動表示を経て表示される。また、遊技機メイン基板40は、遊技機液晶表示器24や音源、ランプ等により当落抽選結果に応じた遊技演出を行うべく、どういった演出を行うかを指定し、また図柄の変動時間(当落抽選結果の表示タイミング)等を指定する演出指示信号を、当落抽選結果を示す大当たり発生信号とともに演出用サブ基板42に出力する。さらに遊技機メイン基板40には、パチンコ機本体18に設けられた前面扉の開放等の各種異常情報が払出制御基板41から入力された場合には、音声やランプ、遊技機液晶表示器24などの演出に供する各種の手段を適宜用いて異常を報知する。
【0037】
払出制御基板41は、遊技球の払出及び発射を管理する払出制御CPU41Aを備えた基板であり、CRユニット6との通電状態に基づいて接続状態を監視し、正常に接続されていない場合は、遊技球の発射を禁止する。
ここで、このパチンコ機5は、上述の通り、封入球式の遊技機として構成されているため、遊技中にパチンコ機5の外から遊技球が投入されることはなく、当該遊技球の実際の投入に代えて、発射可能な遊技球の投入がデジタルデータ上で行われる。すなわち、払出制御基板41は、遊技者が発射可能な遊技球の残数(以下、「発射可能玉数」と言う)を記憶する遊技機管理発射可能玉数記憶部48(遊技可能媒体数記憶部)を備え、発射可能玉数が「ゼロ」でない事を条件に、遊技球の発射を許可する発射許可信号を後述する発射制御基板43に出力する。払出制御基板41は、CRユニット6から貸出指示信号が入力された場合、所定貸玉個数の遊技球の投入に代えて、当該所定貸玉個数分を発射可能玉数に加算し、加算結果をCRユニット6に返信する。
【0038】
また、払出制御基板41には、発射可能玉数の増減を管理可能にすべく、回収口22に回収されたアウト玉を検知するアウト玉検知センサ49、発射後遊技領域に到達しなかった遊技球であるファウル玉を検知するファウル玉検知センサ50、及び、発射された遊技球を検知する1或いは複数の発射球検知センサ51(図示例では1つ)のそれぞれの検知信号が入力される。そして、払出制御基板41は、遊技機メイン基板40から賞球払出指示信号を受けるごと、ファウル玉が検知されるごと、及びCRユニット6から貸出指示信号のいずれかが入力されるごとに発射可能玉数を加算更新し、また発射球検知センサ51の検知信号が入力されるごとに発射可能玉数を減算更新することで発射可能玉数を(すなわち遊技者の持玉数)を管理し、また、この発射可能玉数を遊技機管理発射可能玉数表示灯52に外部から視認可能に常時表示する。遊技中の発射可能玉数は、CRユニット6の制御の下、パチンコ機5に設けられたタッチ液晶モジュール27にも表示される。これに加え、遊技機管理発射可能玉数表示灯52を外部から視認可能に設けることで、タッチ液晶モジュール27が故障などしても、遊技者は遊技中の持玉数を把握できるようになっている。なお、アウト玉検知センサ49及びファウル玉検知センサ50の出力を遊技機メイン基板40に入力し、当該遊技機メイン基板40から払出制御基板41に出力する構成としても良い。また、上記貸出指示は、プリペイド媒体14の残価値を対価とした貸出に限らず、貯玉を用いた再プレイ、持玉の払い出しの利用に基づく指示も含む。このとき、不正防止を目的に1回の貸出あたりの玉数に上限をCRユニット6等に設定することもできる。
【0039】
払出制御基板41が管理する上記発射可能玉数は、遊技終了時に決済される。すなわち、遊技者が遊技を終了すべく、会員カード14Bの返却スイッチ25Bを操作すると、CRユニット6から発射可能玉数移行要求コマンドが払出制御基板41に出力される。払出制御基板41は、この発射可能玉数移行要求コマンドを受信した場合、発射可能玉数をCRユニット6に価値移行する処理(決済処理)を行い、発射可能玉数をゼロにクリアする。CRユニット6に移行した価値は、当該CRユニット6から持玉管理サーバー35Cに持玉数として出力され、そのパチンコ機5に玉貸が行われたときの遊技球の貸出単価に対応する持玉数として記録される。
【0040】
上記発射制御基板43は、発射許可信号が払出制御基板41から入力されている事を条件に遊技球の発射を制御する基板であり、また遊技球の発射が可能か否かを示す発射状態信号を払出制御基板41に出力する。この発射制御基板43により、図示せぬ発射装置が制御され、遊技球発射ハンドル26の操作量に応じた弾発力で遊技球が発射される。
また払出制御基板41には、球磨制御基板53が接続されている。球磨制御基板53は、パチンコ機5に封入されている遊技球の玉磨機構を制御する基板である。払出制御基板41は、遊技球発射時に打ち出し可能な遊技球が無くならないように球磨制御基板53から玉磨状態を取得しながら制御する。さらに、払出制御基板41には、パチンコ機本体18に設けられた各種センサ(前面扉開放センサ、玉数異常検知センサ等)の検知情報を異常情報として遊技機メイン基板40に出力する。
【0041】
演出用サブ基板42は、遊技機メイン基板40の演出指示信号に基づいて、遊技機液晶表示器24や図示せぬ音源、台枠ランプを制御して、当落抽選結果に応じた遊技演出を行う回路を搭載した基板であり、遊技機メイン基板40に対して信号を出力することはなく、その動作が遊技機メイン基板40の当落抽選結果に影響を及ぼす事がないように構成されている。演出用サブ基板42は、各表示演出に用いる画像データを記憶し、遊技機メイン基板40の演出指示信号及び演出の進行に合わせて画像データを順次読み出し、この画像データに基づく画像信号を遊技機液晶表示器24に出力して、遊技機液晶表示器24に表示する。
【0042】
またパチンコ機5は、上述した部材の他にも、図2に示すように、外部端子板54と、CR基板55と、遊技機搭載暗号基板56とを備え、さらに、パチンコ機本体18には上述したタッチ液晶モジュール27が組み込まれている。
外部端子板54は、遊技情報を示す外部端子出力信号SoutをCRユニット6に一方向に出力する端子板であり、CRユニット6から外部端子板54への信号入力は禁止されている。外部端子板54から出力される遊技情報は、遊技機メイン基板40及び払出制御基板41が管理する情報である。この遊技情報には、パチンコ機5での大当たり発生を示す大当たり信号、図柄表示部47での図柄の変動停止を示す図柄停止信号、賞球数を示す賞球信号、アウト玉数を示すアウト玉信号、ファウル玉数を示すファウル玉信号等が含まれている。この遊技情報をCRユニット6が取得することで、大当たり信号及び図柄変動停止信号に基づいて大当たり発生や大当たり発生回数、図柄変動回数を特定し、また、アウト玉信号、ファウル玉信号及び賞球信号に基づいて、払出制御基板41とは別に差玉を管理し、また、それらの情報を遊技台計数管理装置35Aに出力する。
【0043】
CR基板55は、上記貸出スイッチ25A及び返却スイッチ25Bのスイッチ操作信号をCRユニット6に出力する基板である。また、このCR基板55には、度数表示器57及び貸出可能ランプ58が接続されており、CR基板55は、CRユニット6から入力されたプリペイド媒体14の残価値を示す度数を度数表示器57に7セグメント等で表示するとともに、CRユニット6からの貸出許可信号の有無に応じて貸出可能ランプ58を点灯する。
【0044】
遊技機搭載暗号基板56は、パチンコ機5が備える各基板の中で、いわゆる主基板に分類される上記遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれを相互認証する認証基板である。遊技機搭載暗号基板56は、基板外部から内部の処理動作、処理内容等を特定不可能な、いわゆるブラックボックスとして構成され、各基板の相互認証を実行する専用の半導体チップであるセキュリティチップ60Aと、汎用CPU56Aとが実装されている。セキュリティチップ60Aは、遊技機ID管理センターサーバー13Dで管理されている遊技機IDを用いて各基板の相互認証を実行する。また、遊技機搭載暗号基板56は、セキュリティチップ60Aにより所定の暗号通信方式で上記遊技機IDを暗号鍵として通信データを暗号化/復号化する機能を備え、パチンコ機5とCRユニット6の間の通信データをセキュリティチップ60Aが暗号化/復号化することで暗号通信が行われる。遊技機搭載暗号基板56を通じてパチンコ機5とCRユニット6との間で送受される通信データは、主に、改ざん等により出球に影響を及ぼす虞があるデータであり、例えば、CRユニット6がパチンコ機5に入力する貸出指示信号(持玉使用時にあっては払出指示信号)や上記遊技機ID、払出制御基板41が出力する、玉貸/払出しが正常に完了したか否かを示す貸出(払出)結果信号、CR基板55がCRユニット6に出力する貸出スイッチ25A及び返却スイッチ25Bのスイッチ押下信号などである。なお、上記外部端子板54と遊技機搭載暗号基板56を1つの中継基板の上に設けてもよい。
【0045】
上記遊技機IDは、パチンコ機5ごとに固有に割り振られたIDであり、本実施形態では、遊技機メイン基板40に搭載されている主制御CPU40AのCPU固有ID61を用いる。遊技機メーカーは、パチンコ機5の製造出荷時に、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41のそれぞれに、当該CPU固有ID61を記録したセキュリティチップ60B、60Cを実装して出荷し、また、遊技機ID管理センターサーバー13Dに、パチンコ機5の識別情報、出荷先、及び遊技機IDを送信して記録し、出荷先の遊技店舗2の遊技機ID管理サーバー35Fから参照可能にする。そして、パチンコ機5の中で相互認証を行う時には、遊技機ID管理サーバー35Fが遊技機ID管理センターサーバー13Dから遊技機IDを取得し、CRユニット6を通じて遊技機搭載暗号基板56に出力することで、セキュリティチップ60Aに記録される。
【0046】
セキュリティチップ60Aは、遊技機IDを用いて遊技機メイン基板40のセキュリティチップ60B、及び払出制御基板41のセキュリティチップ60Cのそれぞれと主導的に相互認証を開始し、認証結果(成立/不成立)をCRユニット6に出力する。また、遊技機搭載暗号基板56は、遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の相互認証が不成立となった場合には、払出制御基板41とCRユニット6の導通状態を遮断する等して遊技球の発射を禁止することで強制的に遊技不能状態にする。
遊技機搭載暗号基板56からCRユニット6に出力された認証結果は、遊技台計数管理装置35A及びタッチ液晶モジュール27に出力されるとともに、パチンコ機5に設けたLEDランプ等に直接出力される。
【0047】
またパチンコ機5においては、遊技機メイン基板40を遊技盤16に取り付け、払出制御基板41をパチンコ機本体18の本体枠に取り付けて構成されている。この構成においては、パチンコ機本体18の本体枠を機種毎に共通に使用し、遊技盤16を機種毎に設けることで複数の機種が構成されており、実際に、遊技店舗2においてパチンコ機5を入れ替える時には、遊技盤16だけを取り替えるという運用が一般的である。このような場合に、パチンコ機本体18に、本来とは異なる他の遊技盤16を誤って取り付けてしまった場合、遊技機搭載暗号基板56により遊技機メイン基板40、及び払出制御基板41の相互認証が不成立となることから、作業者は、上記のような誤取付を容易に察知でき、誤った組み合わせでのパチンコ機5の稼働を防止できる。
【0048】
パチンコ機本体18に組み込まれたタッチ液晶モジュール27は、CRユニット6により制御されて当該CRユニット6の表示部として機能する。すなわち、CRユニット6が遊技球貸出装置の装置本体に、タッチ液晶モジュール27が遊技球貸出装置の表示部に相当し、これらによって遊技球貸出装置65(遊技媒体貸出装置)が構成される。
【0049】
タッチ液晶モジュール27は、遊技球貸出装置65の装置本体たるCRユニット6に互いに通信可能に接続されており、タッチパネルを備えた液晶表示部66を備え、この液晶表示部66の表示画像を制御する画像表示制御信号SgがCRユニット6から入力されている。液晶表示部66に対するタッチ操作は、CRユニット6にタッチ操作入力信号Stとして出力され、当該CRユニット6にタッチ操作が入力される。すなわち、このタッチ液晶モジュール27は、パチンコ機5に組み込まれているものの、その表示動作はCRユニット6によって制御され、なおかつ、入力操作はCRユニット6に出力されており、CRユニット6の表示部及び操作部として構成されている。
【0050】
また、CRユニット6からタッチ液晶モジュール27には、当該タッチ液晶モジュール27の電力供給線67を介して動作電力が供給されている。すなわち、タッチ液晶モジュール27は、CRユニット6との間でパチンコ機5を介さずに直接的に通信し、また、動作電力もCRユニット6から供給を受ける構成であるため、パチンコ機5が備える電気回路を変更する必要が無く、製造等が容易となる。
【0051】
CRユニット6は、貸出装置制御基板68と、プリペイド媒体14を読み書きする価値媒体R/W69と、所定の遊技者に対してコンテンツ配信等のサービスを提供すべく遊技者IDを記録した例えば電子決済機能付き携帯電話等に対し遊技者IDを読み書きするID識別媒体R/W70と、紙幣識別機71と、リモコン操作を受け付けるためのリモコン受光部72と、各種異常等を検知するためのセンサ類73と、貸出装置搭載暗号基板74と、電源モジュール75とを備えている。
電源モジュール75は、CRユニット6の各部に電源を供給するとともに、上記のように、タッチ液晶モジュール27にも電力を供給する。また、この電源モジュール75の電力が貸出I/F用電源として、パチンコ機5の遊技機搭載暗号基板56、払出制御基板41、及びCR基板55のそれぞれに出力されている。遊技機搭載暗号基板56、及びCR基板55は、この貸出I/F用電源を駆動電源とし駆動し、また、払出制御基板41は貸出I/F用電源の入力を検知することでCRユニット6との導通状態を検知する。すなわち、払出制御基板41への貸出I/F用電源の入力を遮蔽することでパチンコ機5とCRユニット6とが非導通状態となり、パチンコ機5での遊技球の発射が禁止される。なお、遊技機搭載暗号基板56、及びCR基板55は、貸出I/F用電源の供給を検知していれば、パチンコ機5が備える電源を駆動電源として駆動しても良い。
【0052】
貸出装置搭載暗号基板74と遊技機搭載暗号基板56とは、それぞれCRユニット6の電源モジュール75とパチンコ機5の電源とによって駆動されるが、相互間の通信路の電気的ノイズを低減するために、貸出装置搭載暗号基板74、及び遊技機搭載暗号基板56をCRユニット6、及びパチンコ機5から電気的に絶縁する構成としても良い。すなわち、貸出装置搭載暗号基板74、及び遊技機搭載暗号基板56の通信路用に供される専用の所定電圧の直流電源をCRユニット6に設ける構成としても良い。また、専用の直流電源に対して、所定電圧を生成するための電力をパチンコ機5側から電力線PLを介して供給する構成としても良い。
【0053】
このCRユニット6には、パチンコ機5との接続コネクタとして、外部端子板54及び遊技機搭載暗号基板56との間の通信線を接続するコネクタCAと、タッチ液晶モジュール27との間の通信線を接続するコネクタCBとが、それぞれ別々に設けられている。
【0054】
貸出装置制御基板68は、各部を制御する主制御用のCPU76Aと、高速I/O(Input/Output)用のCPU76Bとを、それぞれに別々に有している。CPU76Bは、主としてタッチ液晶モジュール27に各種情報を表示するための画像処理や、当該タッチ液晶モジュール27に対するタッチ操作の受付処理といった、高速なデータのI/Oを要求される処理の制御を主に実行するものである。すなわち、貸出装置制御基板68には、高速I/O部品として、コンテンツサーバー35Eとの通信インターフェースである高速I/F77と、ワンセグ放送(ワンセグ:携帯電話・移動体端末向けの1セグメント部分受信サービス)を受信してタッチ液晶モジュール27に表示するワンセグユニット78と、画像や動画のキャッシュとして機能する画像・動画一時記憶部79と、タッチ液晶モジュール27との間で画像表示制御信号Sgを送受する通信I/Fとである高速通信I/F80と、当該タッチ液晶モジュール27からのタッチ操作信号の入力インターフェースであるシリアル通信I/F81とが設けられており、これらがCPU76Bによって制御される。このように画像処理等のデータの高速I/Oが要求される処理用に専用のCPU76Bを設けることで処理の遅延が防止される。
【0055】
2つのCPU76AとCPU76Bとは、それぞれCPU間通信I/F82A、82Bによって相互にデータ通信可能に接続され、連携が図られている。
主制御用のCPU76Aは、プリペイド媒体14や会員カード14Bのデータの読み書き、管理コンピュータ群8、及びデータ表示器34とのデータ送受等の制御、パチンコ機5に対する玉貸制御の他、さらに遊技中におけるプリペイド媒体14の残価値、持玉及び再プレイ可能玉数(貯玉数)を管理する。このCPU76Aは、残価値取得部、貸出制御部として機能する。
詳述すると、CPU76Aは、キャッシュメモリを備え、当該キャッシュメモリを、プリペイド残価値記憶部83、貸出装置管理持玉数記憶部84、再プレイ可能玉数記憶部85、遊技機管理残玉数記憶部86として機能させる。
プリペイド残価値記憶部83(残価値記憶部)は、プリペイド媒体14の残価値を記憶するものであり、プリペイド媒体14の投入時、或いは発行時にプリペイド管理サーバー35Bから取得した残価値を初期値として記憶し、玉貸操作に伴って残価値を減算更新し、またチャージ操作に伴って加算更新する。
【0056】
貸出装置管理持玉数記憶部84(遊技媒体数記憶部)は、遊技者の持玉数を記憶する。すなわち、プリペイド媒体14がCRユニット6に投入されたときに、持玉管理サーバー35Cで管理されている持玉数が読み出されて貸出装置管理持玉数記憶部84に貸出装置管理持玉数として格納され、またタッチ液晶モジュール27に表示される。この貸出装置管理玉数は、遊技者が持玉を使用するごとに減算更新される。また、この貸出装置管理玉数は、パチンコ機5に記録されている遊技機管理発射可能玉数をパチンコ機5から持玉に移行する操作を遊技者が行った事を契機に加算更新される。本実施形態では、遊技終了のための返却スイッチ25Bの操作を移行操作とみなし、プリペイド媒体14の返却時に、貸出装置管理玉数を遊技機管理発射可能玉数で加算更新し、更新後の貸出装置管理玉数を持玉管理サーバー35Cに通知し、またプリペイド媒体14に記録する。この移行操作に伴い、遊技機管理発射可能玉数は「ゼロ」にクリアされる。
なお、持玉管理サーバー35Cで管理されている持玉数を貸出装置管理持玉数記憶部84に格納する構成に限らず、例えばプリペイド媒体14に記録されている持玉数や会員・景品管理サーバー35Dで管理されている貯玉数を貸出装置管理持玉数記憶部84に格納しても良い。
また、遊技機管理発射可能玉数から持玉への移行の契機としては、上記の他にも、例えばタッチ液晶モジュール27に設けた移行操作のためのボタンに対するタッチ操作や、休憩時にパチンコ機5をロックするための休憩ボタンが操作されたときなどが挙げられる。この休憩ボタン操作時のパチンコ機5のロック機能によれば、ロック時には、CRユニット6が貸出指示信号を送信しないようにすることでパチンコ機5での遊技球の貸出動作が行われないようになり、また遊技機管理発射可能玉数が持玉に移行して「ゼロ」にクリアされることで、遊技球を用いた遊技ができない状態(ロック状態)に維持される。
【0057】
CRユニット6は、上述のように貸出単価の設定を変更可能である。CRユニット6は、貸出装置管理持玉数記憶部84に記憶される貸出装置管理持玉数が、いくらの貸出単価に対応する持玉数であるかを区別するため、設定されている貸出単価を記憶部87に記憶している。CRユニット6は、パチンコ機5に記録されている遊技機管理発射可能玉数を持玉数に加算更新する際に、記憶部87に記憶している単価に対応する持玉として加算する。本実施形態では1円/玉と4円/玉の2種類の貸出単価を設定できるので、記憶部87に「4円フラグ」が設けられ、このフラグが貸出単価の設定(変更)とともに設定される。例えば、貸出単価が4円/玉に設定された場合に「4円フラグ」の値が「1」に設定され、貸出単価が1円/玉に設定されると「4円フラグ」の値が「0」に設定される。
【0058】
再プレイ可能玉数記憶部85は、遊技者の貯玉数を記憶するものであり、会員カード14Bの挿入後パスワード認証正常終了時に、会員・景品管理サーバー35Dから取得した貯玉数を初期値として記憶し、貯玉の払出操作に伴って貯玉数を減算更新する。この貯玉数は、タッチ液晶モジュール27に再プレイ可能玉数として表示され、返却スイッチ25Bの操作時に、再プレイ可能玉数記憶部85に記憶されている貯玉数が会員・景品管理サーバー35Dに送信されて記録される。なお、このキャッシュメモリは、その他、各種情報の記憶部87としても用いられる。
【0059】
またCPU76Aは、上記CPU76Bが高速I/O部品を制御したのに対して、それよりも低速で良いI/O部品を制御する。すなわち、貸出装置制御基板68には、店内LAN9を介した管理コンピュータ群8との通信インターフェースであるシリアル通信I/F88と、ホールコンI/F装置36を介した遊技台計数管理装置35Aとの通信インターフェースであるシリアル通信I/F89と、パチンコ機5の外部端子板54との通信インターフェースである入力専用のシリアル通信I/F90と、後述する貸出装置搭載暗号基板74との通信インターフェースであるシリアル通信I/F91とを備え、これらがCPU76Aによって制御されている。
また、貸出装置制御基板68には、パラレル信号線10Aを介して遊技台計数管理装置35Aと接続するためのパラレルポート92が設けられており、パラレルポート92からの出力が光MOSリレー等の駆動回路を備えた信号変換器93で信号変換され、パラレル出力用コネクタ94に接続されたパラレル信号線10Aを介して遊技台計数管理装置35Aに出力される。
【0060】
遊技システム15においては、CRユニット6からパチンコ機5へ玉貸を行う際の貸出単価の設定値を変更可能であり、これによって、一つのパチンコ機5において様々な貸出単価で遊技を行えるので、貸出単価に関する自由度を高めることができる。また、遊技者にとってはパチンコ機5の選択の幅が広がって興趣性が高められ、遊技店舗2にとってはパチンコ機5と貸出単価の組み合わせを細かく設定でき、遊技者のニーズに応えることができる。
この貸出単価の設定の変更は、遊技台計数管理装置35Aから店内LAN9を介してCRユニット6を制御して行う方法と、CRユニット6を直接操作して行う方法とがあり、遊技台計数管理装置35Aによる変更は遊技店舗の管理者が行い、CRユニット6を直接操作する方法では遊技者も貸出単価を変更できることとなる。遊技システム15では、遊技台計数管理装置35Aの制御により、CRユニット6の操作により貸出単価を変更できるかどうかを設定可能であり、CRユニット6を直接操作する方法では貸出単価を変更できないようにすることも可能である。
【0061】
また、CRユニット6の貸出単価が変更される場合には、パチンコ機5における遊技がいったん終了されることが必要である。
CRユニット6がいずれかの貸出単価が玉貸しした遊技球で遊技が行われ、この遊技で賞球が獲得された場合、この賞球がその後に持玉となるときの貸出単価は、この遊技のために玉貸された遊技球の貸出単価に合わせる必要がある。例えば、1円/玉で玉貸された後の遊技で獲得された賞球には、4円/玉で玉貸を行った場合の遊技で獲得された賞球とは異なる価値を持たせることが合理的かつ公平である。このため、本実施形態では、パチンコ機5の遊技機管理発射可能玉数記憶部48に記憶された発射可能玉数がゼロであることを、CRユニット6の貸出単価の変更が可能になるための条件としている。これにより、パチンコ機5において異なる価値の遊技球が混ざらないことが担保され、遊技の公平性を確保できる。
【0062】
さらに、パチンコ機5が遊技機メイン基板40の抽選による特別遊技状態でないこと、すなわち通常遊技状態であることを、貸出単価の変更が可能になる条件に加えてもよい。特別遊技状態では通常遊技状態より多くの遊技球を獲得できる可能性が高いことを考慮すれば、特別遊技状態に移行するまでに使用された遊技球の貸出単価と、移行後に獲得された賞球の貸出単価とを一致させることで、より厳密に公平性を確保できる。例えば、安価な貸出単価の遊技球で遊技を行い、特別遊技状態に移行した後で、貸出単価を高く変更して多数の遊技球を獲得し、この獲得した遊技球を高い貸出単価の持玉にするという行為を防止できる。
【0063】
図3は、貸出単価の変更に係るCRユニット6の動作を示すフローチャートである。
この図3に示す動作は、遊技台計数管理装置35Aの制御によって貸出単価を変更する場合の例であり、遊技店舗2の管理者が遊技台計数管理装置35Aを操作することで、図3の動作が開始される。
CRユニット6は、遊技台計数管理装置35Aから店内LAN9を介して単価変更の指示が入力されると(ステップS11)、パチンコ機5から入力される外部端子出力信号Soutに基づいてパチンコ機5の遊技状態を検出する(ステップS12)。ここで、CRユニット6は、パチンコ機5が通常遊技状態であるか否か、すなわち特別遊技状態でないか否かを判別し(ステップS13)、パチンコ機5が通常遊技状態でない場合には(ステップS13;No)、単価を変更できない状態であると判定する(ステップS14)。ここで、遊技台計数管理装置35Aを操作する管理者に対し、画面表示等によって、貸出単価の変更が不可である旨を報知しても良い。この場合、CRユニット6は、パチンコ機5が通常遊技状態に移行するまで待機するため、貸出単価の変更をキャンセルする操作が無ければ(ステップS15;No)、ステップS12に戻る。また、遊技台計数管理装置35Aにおいて貸出単価の変更をキャンセルする操作が行われた場合は(ステップS15;Yes)、本処理を終了する。
【0064】
パチンコ機5が通常遊技状態であると判別した場合(ステップS13;Yes)、CRユニット6は、外部端子出力信号Soutに基づいて、パチンコ機5が遊技機管理発射可能玉数記憶部48に記憶している発射可能玉数を検出する(ステップS16)。CRユニット6は、検出した発射可能玉数がゼロであるか否かを判別し(ステップS17)、発射可能玉数がゼロでない場合(ステップS17;No)、パチンコ機5に対して発射可能玉数移行要求コマンドを送信する(ステップS18)。発射可能玉数移行要求コマンドを受信した払出制御基板41は、遊技機管理発射可能玉数記憶部48に記憶している発射可能玉数をCRユニット6に価値移行する処理(決済処理)を行い、発射可能玉数をゼロにクリアするので、CRユニット6は、移行した価値を、記憶部87に記憶している貸出単価に基づいて持玉に移行し、貸出装置管理持玉数記憶部84の持玉数を加算する。このステップS18の処理の後、CRユニット6はステップS19に移行して、記憶部87に記憶している貸出単価を変更する。また、ステップS16で検出した発射可能玉数がゼロの場合には(ステップS17;Yes)、ステップS19に移行して貸出単価を変更する。
【0065】
また、CRユニット6を直接操作して貸出単価を変更する場合は、CRユニット6を操作する人(遊技者または遊技店舗の従業員)が視認できるように、単価変更の可否等をタッチ液晶モジュール27に表示しながら、処理が実行される。
図4は、CRユニット6を直接操作する方法により貸出単価を変更する場合のCRユニット6の動作を示すフローチャートである。CRユニット6に対する操作は、タッチ液晶モジュール27に表示されたボタン類への接触操作、或いは、図示しないリモコン装置によりリモコン受光部72へ赤外線信号を送信することで行われる。なお、図4中、図3に示した動作ステップと同じ動作については同ステップ番号を付す。
【0066】
CRユニット6は、タッチ液晶モジュール27への操作を検出し、或いはリモコン受光部72により赤外線信号を受光することにより、貸出単価の変更の指示を受けると(ステップS21)、パチンコ機5から入力される外部端子出力信号Soutに基づいてパチンコ機5の遊技状態を検出する(ステップS12)。
CRユニット6は、パチンコ機5が通常遊技状態であるか否かを判別し(ステップS13)、パチンコ機5が通常遊技状態でない場合には(ステップS13;No)、単価を変更できない状態であると判定して(ステップS14)、タッチ液晶モジュール27において貸出単価を変更できない旨を表示する(ステップS22)。CRユニット6は、パチンコ機5が通常遊技状態に移行するまで待機するため、貸出単価の変更をキャンセルする操作が無ければ(ステップS15;No)、ステップS12に戻る。また、CRユニット6に対して貸出単価の変更をキャンセルする操作が行われた場合は(ステップS15;Yes)、本処理を終了する。
【0067】
パチンコ機5が通常遊技状態であると判別した場合(ステップS13;Yes)、CRユニット6は、タッチ液晶モジュール27において貸出単価を変更可能である旨を表示し(ステップS23)、パチンコ機5が遊技機管理発射可能玉数記憶部48に記憶している発射可能玉数を検出する(ステップS16)。CRユニット6は、検出した発射可能玉数がゼロであるか否かを判別し(ステップS17)、発射可能玉数がゼロでない場合は(ステップS17;No)、貸出単価を変更するために遊技を終了するよう案内する表示をタッチ液晶モジュール27に表示するとともに、タッチ液晶モジュール27またはリモコン装置の操作により遊技終了が指示されるまで待機する(ステップS24)。
遊技の終了が指示された場合(ステップS24;Yes)、CRユニット6はパチンコ機5に発射可能玉数移行要求コマンドを送信し(ステップS18)、この発射可能玉数移行要求コマンドに応じてパチンコ機5が発射可能玉数をCRユニット6に価値移行すると、CRユニット6は、移行した価値を持玉に移行する。このステップS18の処理の後、CRユニット6はステップS25に移行して、タッチ液晶モジュール27の表示を更新して、単価変更が可能になった旨をタッチ液晶モジュール27に表示し、貸出単価を指定する操作が行われるまで待機する(ステップS26)。また、ステップS16で検出した発射可能玉数がゼロの場合には(ステップS17;Yes)、ステップS25に移行する。
貸出単価を指定する操作が行われた場合(ステップS26;Yes)、CRユニット6は、記憶部87に記憶している貸出単価を指定された単価に変更して、タッチ液晶モジュール27に変更後の貸出単価を表示し(ステップS27)、本処理を終了する。
【0068】
この図4に示す処理においては、貸出単価が変更可能となる条件として、パチンコ機5における遊技がいったん終了されること、及び、パチンコ機5が遊技機メイン基板40の抽選による特別遊技状態でない(=通常遊技状態である)ことを挙げていたが、本発明はこれに限定されず、遊技が終了していなくても貸出単価を変更可能にできる場合がある。
【0069】
具体的には、CRユニット6は、タッチ液晶モジュール27の操作等により貸出単価の変更が指示された場合に、パチンコ機5において既に発射された遊技球の入賞に対応する賞球が全て払い出されていること、遊技球発射ハンドル26の操作による遊技球の発射が停止していること、及び、遊技盤16を移動中の遊技球がないことの全てが満たされることを条件として、貸出単価の変更を可能としてもよい。遊技盤16上を移動中の遊技球は、発射された玉数、入賞球の数及びアウト球の数から算出できる。
この場合、遊技者は、入賞による払出が全て終了するまで遊技球発射ハンドル26を放して発射を休止していれば、その後に単価を変更することが可能となるので、遊技者にとっては選択肢が増え、利便性が高まる。
【0070】
この場合、遊技機管理発射可能玉数記憶部48に記憶された遊技球数の価値が単価変更の前後で混同されないように、以下の処理が行われる。
例えば、パチンコ機5が、遊技機管理発射可能玉数記憶部48において貸出単価ごとに発射可能玉数を記憶可能な構成とする。この構成では、CRユニット6からパチンコ機5へ玉貸が行われるごとに、CRユニット6が貸出指示信号とともに貸出単価を示す信号をパチンコ機5に出力する。パチンコ機5は、CRユニット6が出力した信号に基づいて、遊技機管理発射可能玉数記憶部48が記憶する発射可能玉数のうち、該当する貸出単価に対応付けられた発射可能玉数を加算する。そして、貸出単価が変更される場合には、CRユニット6からパチンコ機5に対して貸出単価の変更を示す信号が出力され、この信号に応じて、パチンコ機5は、遊技機管理発射可能玉数記憶部48において使用する貸出単価を切り換える。これにより、遊技機管理発射可能玉数記憶部48に記憶された貸出発射可能玉数のうち、対応する貸出単価の玉数に基づき、遊技が行われる。この構成によれば、パチンコ機5において発射可能玉数を貸出単価ごとに記憶することで、遊技機管理発射可能玉数記憶部48の発射可能玉数をゼロにしなくても貸出単価を変更できる。
また、この構成では、CRユニット6が遊技機管理発射可能玉数記憶部48に記憶されている貸出単価ごとの発射可能玉数を取得して、タッチ液晶モジュール27に常時表示する。これにより、遊技者が発射可能玉数を貸出単価ごとに容易に確認でき、利便性の向上を図ることができる。例えば、タッチ液晶モジュール27に貸出単価ごとの発射可能玉数を一覧表示すれば、異なる貸出単価の玉数を一見して容易に把握し、管理できるので、遊技者の負担を減らすことができる。また、CRユニット6は、例えば図5を参照して後述するように、貸出単価ごとの持玉数をタッチ液晶モジュール27に表示してもよく、この貸出単価ごとの持玉数とともに、貸出単価ごとの発射可能玉数を表示してもよい。この場合には遊技に使用可能な持玉数とパチンコ機5の残玉数を遊技者がより容易に、かつ詳細に認識できる。
【0071】
また、上記のように遊技機管理発射可能玉数記憶部48が貸出単価ごとの発射可能玉数を記憶する構成としない方法もある。例えば、遊技機管理発射可能玉数記憶部48の発射可能玉数がゼロでない状態で貸出単価の変更が指示された場合に、CRユニット6が、パチンコ機5に対して払出指示信号を出力して、遊技機管理発射可能玉数記憶部48の発射可能玉数を持玉に移行させる方法が挙げられる。この方法では、遊技機管理発射可能玉数記憶部48から払出が行われる際に、CRユニット6が貸出単価に対応して貸出装置管理持玉数記憶部84の持玉数を加算する。この方法によれば、遊技者が遊技機管理発射可能玉数記憶部48の発射可能玉数がゼロかどうかを確認しないで貸出単価の変更を要求しても、その後CRユニット6により自動的に発射可能玉数の持玉への移行が行われ、貸出単価が変更される。このため、遊技者の操作負担を増すことなく、貸出単価の混同を回避し、システムの信頼性を確保できる。この方法においても、例えば図5を参照して後述するように、CRユニット6はタッチ液晶モジュール27に貸出単価ごとの持玉数を表示し、これにより、遊技者は貸出単価を容易に把握できる。
【0072】
さらに、貸出単価の変更が容易になることで、遊技者が頻繁に貸出単価を変更し、CRユニット6の処理が煩雑になって処理負荷が増す可能性が考えられる。そこで、遊技台計数管理装置35A、プリペイド管理サーバー35B等によりCRユニット6に対して制御情報を送信し、貸出単価の変更回数や変更頻度を制限してもよい。例えば、遊技機管理発射可能玉数記憶部48をゼロにしないで貸出単価を変更できる回数に上限を設けてもよい。この場合、上限を超えて貸出単価を変更する場合には、いったんパチンコ機5によりCRユニット6への払出を行わせ、CRユニット6における処理負荷を軽減してもよい。
また、遊技台計数管理装置35A、プリペイド管理サーバー35B等によりCRユニット6に対して、貸出単価の変更を可能とする条件を設定できるようにしてもよい。例えば、パチンコ機5における遊技がいったん終了されること、及び、パチンコ機5が通常遊技状態であることを必須とするか、遊技球発射ハンドル26が停止していれば遊技終了しなくても貸出単価を変更可能とするかを設定できるようにしてもよい。
【0073】
図5は、図4に示す貸出単価の変更の処理においてタッチ液晶モジュール27に表示される画面の例を示す図である。
図5(A)には、図4の動作においてパチンコ機5が特別遊技状態であった場合に、ステップS22で表示される画面121の例を示す。この画面121には、CRユニット6にセットされているプリペイド媒体14としての会員カード14Bに基づき、会員番号、会員カード14Bの識別番号、プリペイド残価値記憶部83に記憶しているプリペイド残価値の金額、貸出単価(1円/玉、4円/玉)ごとの持玉数が表示される情報表示部122が配置されている。この情報表示部122は、貸出装置管理持玉数記憶部84が記憶している貸出単価ごとの持玉数を表示する。情報表示部122は、貸出単価の変更が指示された場合に限らず、CRユニット6にプリペイド媒体14が投入されている間はタッチ液晶モジュール27に表示され、プリペイド残価値や持玉数が変化するごとに情報表示部122の表示が更新される。
【0074】
画面121には、また、単価変更と変更後の単価を指示するためのボタン131、玉貸の実行を指示するためのボタン132、及び、遊技の終了を指示するためのボタン133が配置されている。ボタン131は、例えば、図4のステップS26で貸出単価を指定する際に操作され、ボタン132は、パチンコ機5において通常の遊技を実行または継続する場合に玉貸を指示する際に操作される。また、ボタン133は、パチンコ機5における遊技を終了して、パチンコ機5の発射可能玉数を全て持玉としてCRユニット6に移行する処理を指示するもので、例えば、図4のステップS24で操作される。ボタン133の操作により、CRユニット6からパチンコ機5へ発射可能玉数移行要求コマンドが送信される。図5(A)の画面121が表示された状態では貸出単価の変更ができないため、ボタン131の操作を受け付けないことが視認できるように、ボタン131のみ表示状態が変更されている。
【0075】
さらに、画面121の下部には現在の貸出単価の表示部135が配置され、画面121の中央には、操作者に対するメッセージを表示する案内表示部137が配置される。
図5(A)の例では、案内表示部137にはパチンコ機5が特別遊技状態にあるため貸出単価の変更ができない旨のメッセージが表示されている。
【0076】
図5(B)には、図4の動作においてパチンコ機5が通常遊技状態であり、かつ、パチンコ機5の発射可能玉数がゼロでない場合に、ステップS24で表示される画面123の例を示す。この画面123では、案内表示部137に、貸出単価を変更する場合はボタン133を操作して遊技を終了するよう案内するメッセージが表示されている。
【0077】
図5(C)には、図5(B)に示す状態でボタン133が操作され、パチンコ機5の発射可能玉数が持玉とされた後、すなわち、図4のステップS25で表示される画面125を示す。
この画面125では、パチンコ機5の発射可能玉数が、現在設定されている貸出単価に基づいて持玉にされたため、画面123と比較して、情報表示部122に表示される4円/玉の持玉数が加算されている。そして、ボタン131の操作によって貸出単価の指定が可能出あるため、案内表示部137には、貸出単価の変更を行えることを知らせるメッセージが表示されている。
【0078】
このように、本実施形態によれば、遊技球の投入を条件に所定の抽選契機成立ごとに当落抽選を行って抽選結果に応じた遊技球の払い出しを行うパチンコ機5に対し、遊技球の貸出を行う遊技球貸出装置65が、遊技球の貸出に使用可能な価値情報に対応付けられたプリペイド媒体14が投入された場合に、このプリペイド媒体14に対応付けられた価値情報としてのプリペイド残価値を取得するCPU76Aと、CPU76Aにより取得された残価値を記憶するプリペイド残価値記憶部83とを備え、CPU76Aがパチンコ機5に対して遊技球の貸出を行い、貸し出した遊技球の対価としてプリペイド残価値記憶部83に記憶された残価値を減算する構成とし、CPU76Aが玉貸を行う際の、プリペイド媒体14に対応付けられた残価値に対する遊技球の貸出単価を変更可能に構成されているので、一つのパチンコ機5において様々な貸出単価で遊技を行えるので、貸出単価に関する自由度を高めることができる。また、遊技者にとってはパチンコ機5の選択の幅が広がって興趣性が高められ、遊技店舗側にとってはパチンコ機5と貸出単価の組み合わせを容易に変更して遊技者のニーズに応えることができる。
【0079】
また、パチンコ機5は、使用可能な遊技球の数を記憶する遊技機管理発射可能玉数記憶部48と、当落抽選を行う遊技機メイン基板40と、遊技球の持玉への移行を制御する払出制御基板41とを備え、パチンコ機5の払出制御基板41によって、遊技機メイン基板40による抽選の賞品としての遊技球及び遊技機管理発射可能玉数記憶部48に記憶された遊技球の全てが持玉に移行された後に、遊技球貸出装置65のCRユニット6の貸出単価を変更可能になるので、貸出単価の変更により、CRユニット6からパチンコ機5に貸出または払い出されて遊技機管理発射可能玉数記憶部48に記憶されている遊技球の価値の混同を避けることができる。これにより、パチンコ機5において異なる価値の遊技球が混ざらないので、遊技の公平性を確保しながら貸出単価を変更可能とすることができる。
【0080】
さらに、遊技システム15においてはパチンコ機5が封入式の遊技機であり、パチンコ機5の遊技で獲得された賞球や、パチンコ機5に対してCRユニット6から玉貸された遊技球の数は、持玉としてプリペイド媒体14に対応付けられ、遊技球そのものがパチンコ機5の外に持ち出されることが無い。このため、異なる貸出単価で価値づけられる遊技球が混同して使用されるおそれが無いため、各CRユニット6における貸出単価すなわち各々のパチンコ機5に対する貸出単価が、隣接するパチンコ機5において異なっていても遊技の公平性を確保できる。このため、遊技店舗2におけるパチンコ機5の配置に束縛されることなく、自由に各CRユニット6の貸出単価を設定できる。
【0081】
さらに、パチンコ機5は、遊技機メイン基板40における抽選結果に応じて通常の遊技状態と特別遊技状態とを遷移するよう構成され、パチンコ機5が通常遊技状態でない場合には、貸出単価の変更が不可となるので、より厳密に公平性を確保できる。すなわち、特別遊技状態では通常遊技状態より多くの遊技球を獲得できる可能性が高いため、特別遊技状態に移行するまでに使用された遊技球の貸出単価と、移行後に獲得された賞球の貸出単価とを一致させることにより、遊技で獲得された遊技球を適正な価値で扱える。
また、CRユニット6は、パチンコ機5から払い出された遊技球の数を、パチンコ機5に対して遊技球を貸し出した際の貸出単価ごとに、プリペイド媒体14に対応付けて記憶する貸出装置管理持玉数記憶部84を備えるので、異なる価値の持玉を混同することなく管理でき、より一層厳密に公平性を確保できる。
そして、パチンコ機5の前面に設けられたタッチ液晶モジュール27に、貸出装置管理持玉数記憶部84が記憶する持玉数が、貸出単価ごとに表示されるので、遊技者が異なる価値の持玉を容易に確認できる。
【0082】
さらに、貸出単価を変更する動作において、タッチ液晶モジュール27に、現在設定されている単価を表示するので、CRユニット6を操作して貸出単価の変更を行う場合に、現在の貸出単価を速やかに確認できる。
また、貸出単価を変更する動作においては、タッチ液晶モジュール27に貸出単価の変更が可能か否かを表示するので、CRユニット6を操作して貸出単価の変更を行う場合に、貸出単価の変更の可否を速やかに視認でき、貸出単価が変更可能となる条件が詳細に規定されている場合であっても、操作者が容易に、正しく操作を行える。
【0083】
なお、上述した実施形態において、CRユニット6は、貸出単価の変更の指示が入力された場合にパチンコ機5が特別遊技状態か否かを判別し、特別遊技状態でなければ通常遊技状態として、貸出単価の変更を可能とするものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ機5において賞球の獲得に影響する遊技状態が複数存在する場合には、パチンコ機5の電源投入後、遊技開始前の初期状態あるいは賞球の獲得可能性が最も低い状態を「通常遊技状態」とし、この通常遊技状態であることを、貸出単価の変更が可能となる条件としても良い。
【0084】
また、上述した実施形態においては、プリペイド媒体14として会員カード14BがCRユニット6に投入された場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、ICコイン14Aのプリペイド残価値を対価として玉貸を行う場合にも本発明を勿論適用可能である。
【0085】
また、上記実施形態において、遊技球貸出装置65は、パチンコ機5が送信する外部端子出力信号Soutに基づいてパチンコ機5の遊技状態を検出し、パチンコ機5が大当たり中(特別遊技状態)など、通常遊技状態でない場合には、単価変更できないと判定して、通常遊技状態になるまで待機する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ機5が通常遊技状態でない場合に、遊技台計数管理装置35Aの制御またはCRユニット6における操作に従って、CRユニット6からパチンコ機5に対してリセットの指示を送信し、パチンコ機5の遊技機メイン基板40を通常遊技状態または遊技開始前の初期状態に移行させてもよい。
【0086】
また上述した実施形態及び各変形例では、遊技機の一例としてパチンコ機5を例示したが、これに限らず、遊技媒体の投入を条件に、所定の抽選契機成立時に当落抽選を行う遊技機であれば、任意の遊技機に本発明を適用できる。かかる遊技機には、例えば、遊技メダルを遊技媒体に使用し、遊技メダルの投入を条件に、操作レバーが操作された時に当落抽選を行うパチスロ機などが挙げられる。この場合には、本発明の遊技媒体貸出装置が遊技メダルをパチスロ機に貸し出す遊技メダル貸出装置に適用される。
【符号の説明】
【0087】
1 遊技サービスシステム
3 遊技管理システム
4 サービス提供サーバー群
5 パチンコ機(遊技機)
6 CRユニット
8 管理コンピュータ群
14 プリペイド媒体
15 遊技システム
16 遊技盤
18 パチンコ機本体
27 タッチ液晶モジュール(表示部)
40 遊技機メイン基板
41 払出制御基板(制御基板)
43 発射制御基板
48 遊技機管理発射可能玉数記憶部(遊技可能媒体数記憶部)
65 遊技球貸出装置(遊技媒体貸出装置)
76A CPU(残価値取得部、貸出制御部)
83 プリペイド残価値記憶部(残価値記憶部)
84 貸出装置管理持玉数記憶部(遊技媒体数記憶部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体の投入を条件に所定の抽選契機成立ごとに当落抽選を行って抽選結果に応じた前記遊技媒体の払い出しを行う遊技機に対し、前記遊技媒体の貸出を行う遊技媒体貸出装置において、
前記遊技媒体の貸出に使用可能な価値情報に対応付けられた価値媒体が投入された場合に、当該価値媒体に対応付けられた価値情報を取得する残価値取得部と、
前記残価値取得部により取得された価値情報を記憶する残価値記憶部と、
前記遊技機に対して前記遊技媒体の貸出を行い、貸し出した前記遊技媒体の対価として前記残価値記憶部に記憶された価値情報を減算する貸出制御部と、を備え、
前記貸出制御部が貸出を行う際の、前記価値媒体に対応付けられた価値情報に対する前記遊技媒体の貸出単価を変更可能に構成されたことを特徴とする遊技媒体貸出装置。
【請求項2】
使用可能な前記遊技媒体の数を記憶する遊技可能媒体数記憶部と、前記当落抽選を行う遊技機メイン基板と、前記遊技媒体の持玉への移行を制御する制御基板とを備えた前記遊技機に接続され、
前記遊技機の前記制御基板によって、前記遊技機メイン基板による抽選の賞品としての前記遊技媒体及び前記遊技可能媒体数記憶部に記憶された前記遊技媒体の全てが持玉に移行された後に、前記貸出単価を変更可能になることを特徴とする請求項1記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項3】
前記遊技機は、抽選結果に応じて通常の遊技状態と特別遊技状態とを遷移するよう構成され、
前記遊技機が特別遊技状態である場合には、前記貸出単価の変更が不可となるよう構成されたことを特徴とする請求項2記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項4】
前記遊技機から払い出された前記遊技媒体の数を、前記遊技機に対して前記遊技媒体を貸し出した際の前記貸出単価ごとに、前記価値媒体に対応付けて記憶する遊技媒体数記憶部を備えることを特徴とする請求項2または3記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項5】
前記遊技機の前面に設けられた表示部を備え、前記遊技媒体数記憶部に記憶した前記遊技媒体の数を、前記貸出単価ごとに前記表示部に表示することを特徴とする請求項4記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項6】
前記遊技機の前面に設けられた表示部を備え、前記貸出単価の変更が可能な状態か否かを前記表示部に表示することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項7】
前記遊技機の前面に設けられた表示部を備え、現在設定されている前記貸出単価を前記表示部に表示することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の遊技媒体貸出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−254884(P2011−254884A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129866(P2010−129866)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【出願人】(501468770)株式会社ジョイコシステムズ (66)
【Fターム(参考)】