説明

遊技情報提供システム及び遊技情報提供方法

【課題】遊技客のニーズに応じて自らの獲得遊技媒体数と他の遊技客の獲得遊技媒体数との関係に関する情報を客観的かつ効率良く提供することを課題とする。
【解決手段】計数機80は、遊技客により獲得された獲得玉数を計数処理した際に、少なくとも該玉数を示す情報及びサーバ100のアドレス情報を含むURLを遊技客が所持する携帯端末装置110に向け出力し、サーバ100は、携帯端末装置110からネットワークを介して受け付けた接続要求に基づいて、複数の遊技客の獲得玉数のランキングデータ104bを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技客のニーズに応じて自らの獲得遊技媒体数と他の遊技客の獲得遊技媒体数との関係に関する情報を客観的かつ効率良く提供することができる遊技情報提供システム及び遊技情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店等の遊技店が、遊技客に対して各遊技機の出玉情報を提供するサービスを行う技術が知られている。例えば、特許文献1には、パチンコ店に管理用コンピュータを設けておき、この管理用コンピュータで各パチンコ店の出玉情報を管理しておき、ネット用コンピュータが管理用コンピュータから所定時間経過ごとに出玉情報を取り出して遊技客の端末機からアクセス可能なホームページに公開する技術が開示されている。このため、かかる特許文献1によれば、遊技客が自宅に居ながら又はどこにいても、各パチンコ店の出玉情報を確認することができる。
【0003】
また、遊技店に配設された各遊技機の出玉情報のランキングを表示する技術も知られている。例えば、特許文献2には、各遊技機から出玉情報を収集し、収集した出玉情報に基づいてランキング情報を算出し、このランキング情報を各遊技機の表示装置に表示する技術が開示されている。かかる引用文献2によれば、遊技客は遊技機の前に座ったままで遊技機の出玉に関するランキング情報を閲覧することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−320754号公報
【特許文献2】特開2002−85778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び2のものは、あくまでも遊技機ごとの出玉情報又は出玉ランキングを遊技客の端末機又は遊技機の表示部に表示するものであり、各遊技客により獲得された獲得玉に関する情報を提供するものではないため、各遊技客によって獲得された獲得玉に関する情報を提供するサービスには対応することができない。
【0006】
この点を具体的に説明すると、遊技客の中には、ただ単にパチンコ遊技でより多くの獲得玉を獲得できればよいと考えるだけではなく、他の遊技客との競争心や他の遊技客との相対関係の把握を企図する遊技客も数多く存在する。例えば、ゲーム感覚でパチンコ遊技を行っている遊技客の場合には「自らが獲得した獲得玉が全遊技客の中でどのあたりに位置するか」の情報が重要となり、遊技店の新装開店時には「他の遊技客以上に獲得玉を獲得できたか否か」の情報が重要となる。したがって、かかる遊技客の獲得玉に関する情報を提供することは、遊技客の遊技へのインセンティブを高めるうえで重要となる。ただし、各遊技客の自己申告による獲得玉を根拠として上記情報を提供したとしても、その客観性が担保できない。
【0007】
一方、遊技客の中には、単純にパチンコ遊技でより多くの獲得玉を獲得したいと考える遊技客も多い。かかる遊技客にとっては、上述した自らの獲得玉と他の遊技客の獲得玉との関係に関する情報は無意味なものとなる。
【0008】
これらのことから、遊技客のニーズに応じて自らの獲得玉と他の遊技客の獲得玉との関係に関する情報をいかにして客観的かつ効率良く提供するかが重要な課題となる。かかる課題は、パチンコ遊技のみならず、パチスロ遊技を行う遊技客にとっても同様に生ずる課題である。
【0009】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、遊技客のニーズに応じて自らの獲得遊技媒体数と他の遊技客の獲得遊技媒体数との関係に関する情報を客観的かつ効率良く提供することができる遊技情報提供システム及び遊技情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、遊技店において遊技客に情報を提供するための遊技情報提供システムであって、前記遊技客により獲得された獲得遊技媒体数を計数処理する計数処理手段と、前記計数処理手段により前記獲得遊技媒体数が計数処理された際に、少なくとも該遊技媒体数を示す情報及び所定の端末識別子を含む接続先指定情報を前記遊技客が所持する携帯端末装置に向け出力する出力手段と、前記携帯端末装置から所定のネットワークを介して受け付けた接続要求に基づいて、複数の遊技客の獲得遊技媒体数の関係に関する情報を生成する機能を有し、前記端末識別子が示す情報に対応して設けられるサーバと手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記接続先指定情報を前記携帯端末装置に出力すべきか否かを判定する判定手段をさらに備え、前記出力手段は、前記計数処理手段により前記獲得遊技媒体数が計数処理された際に、前記判定手段により前記接続先指定情報を前記携帯端末装置に出力すべきと判定された場合に、前記遊技媒体数を示す情報及び所定の端末識別子を含む接続先指定情報を前記遊技客が所持する携帯端末装置に向け出力し、前記携帯端末装置は、前記出力手段により出力された接続先指定情報に基づいて前記サーバ手段に対して接続要求を行う接続要求手段と、前記サーバ手段から取得した複数の遊技客の獲得遊技媒体数の関係に関する情報を所定の表示部に表示制御する表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記判定手段は、前記獲得遊技媒体数、前記遊技店が閉店するまでの時間、前記遊技客の属性又は前記遊技客による所定の非通知操作の有無のいずれか一つ以上を条件として用いて前記接続先指定情報を前記携帯端末装置に通知すべきか否かを判定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記出力手段は、前記遊技客が遊技店に登録した会員である場合に、前記計数処理手段により前記獲得遊技媒体数が計数処理されたならば、該遊技媒体数を示す情報、前記会員の会員識別情報及び所定の端末識別子を含む接続先指定情報を前記遊技客が所持する携帯端末装置に向け出力し、前記サーバ手段は、前記携帯端末装置から接続要求を受け付けた場合に、該接続要求に前記会員識別情報が含まれたならば、該会員識別情報に対応付けて予め記憶した会員情報を前記獲得遊技媒体数の関係に関する情報の生成に用いることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記判定手段は、前記サーバ手段により生成された獲得遊技媒体数の関係に関する情報に基づいて前記接続先指定情報を前記携帯端末装置に出力すべきか否かを判定することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、遊技店において遊技客に情報を提供するための遊技情報提供システムの遊技情報提供方法であって、前記遊技客により獲得された獲得遊技媒体数を計数処理する計数処理工程と、前記計数処理工程により前記獲得遊技媒体数が計数処理された際に、少なくとも該遊技媒体数を示す情報及び所定の端末識別子を含む接続先指定情報を前記遊技客が所持する携帯端末装置に向け出力する出力工程と、前記端末識別子が示す情報に対応して設けられるサーバが、前記携帯端末装置から所定のネットワークを介して受け付けた接続要求に基づいて、複数の遊技客の獲得遊技媒体数の関係に関する情報を生成する関係情報生成工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、遊技客により獲得された獲得遊技媒体数が計数処理された際に、少なくとも該遊技媒体数を示す情報及び所定の端末識別子を含む接続先指定情報を遊技客が所持する携帯端末装置に向け出力し、端末識別子が示す情報に対応して設けられるサーバが携帯端末装置から所定のネットワークを介して受け付けた接続要求に基づいて複数の遊技客の獲得遊技媒体数の関係に関する情報を生成するよう構成したので、遊技客のニーズに応じて自らの獲得遊技媒体数と他の遊技客の獲得遊技媒体数との関係に関する情報を客観的かつ効率良く提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、実施例1に係る遊技情報提供システムの概念を説明するための説明図である。
【図2】図2は、図1に示した計数機を含む遊技システムのシステム構成を示す図である。
【図3】図3は、図1に示した計数機の外観構成を示す図である。
【図4】図4は、図1に示した計数機の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図5は、図4に示したURLデータが含む情報について説明するための説明図である。
【図6】図6は、図1に示した携帯端末装置の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図7】図7は、図1に示したサーバの内部構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、図7に示した会員データ及びランキングデータについて説明するための説明図である。
【図9】図9は、URLの生成及び出力の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、図9に示したURL出力判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図11】図11は、ランキングデータへの登録の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は、実施例2にかかるURLの生成及び出力の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】図13は、表示操作部に表示出力する確認画面について説明するための説明図である。
【図14】図14は、ランキングデータに基づいてしきい値データを設定する構成について説明するための説明図である。
【図15】図15は、本発明を適用可能な縦型の計数機の外観構成を示す外観構成図である。
【図16】図16は、景品管理装置に本発明を適用可能なリーダライタを接続した場合の外観構成を示す図である。
【図17】図17は、URLを2次元コードにより携帯端末装置に向けて出力する場合の動作について説明する説明図である。
【図18】図18は、URLを2次元コードとして印刷したレシートについて説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る遊技情報提供システム及び遊技情報提供方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例1では、遊技客の所持する携帯端末装置に獲得玉数及び接続先を含む情報を出力するか否かを自動的に判定する構成を示し、実施例2では遊技客の入力に基づいて獲得玉数及び接続先を含む情報を出力するか否かを判定する構成並びに各種変形例を示すこととする。
【0019】
本明細書中にあって持玉とは、遊技者が遊技において獲得した遊技媒体または当該遊技媒体数を示すデータであって、その当日中(閉店より前の時間)のみ遊技に再度供することができるものを言う。貯玉とは、遊技者が遊技において獲得した遊技媒体また当該遊技媒体数を示すデータであって、翌日以降(閉店より後の時間)も遊技に再度供することができるものを言う。持玉は、一般遊技者および会員遊技者の双方が使用可能であり、遊技台を移動した場合などに使用する。貯玉は通常、会員遊技者のみが使用可能であり、獲得した遊技媒体を翌日以降の遊技に用いる場合に使用する。貯玉の使用には所定の手数料が課される(手数料は遊技媒体数を減算することで徴収される)ことが通常であるが、時間帯や会員種別によって徴収しないこととしてもよい。
【実施例1】
【0020】
まず、本実施例1に係る遊技情報提供システムの概念について説明する。図1は、本実施例1に係る遊技情報提供システムの概念を説明するための説明図である。同図に示すように、計数機80は、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数処理部により計数すると、計数結果である玉数、サーバ100のアドレス情報及びユーザIDを含むURL(Uniform Resource Locator:統一資源位置)を生成する。該URLは、IC(Integrated Circuit)リーダライタにより出力される。
【0021】
携帯端末装置110は、IC通信部を備え、計数機80のICリーダライタと三者間通信を行う機能を有する。このため、携帯端末装置110を計数機80にかざすことで計数機80が出力したURLを受信可能である。携帯端末装置110は、受信したURLにより示されたアドレス情報を用いてサーバ100と通信し、サーバ100に持玉とユーザIDを登録することができる。
【0022】
サーバ100は、携帯端末装置110から登録された玉数とユーザIDとを用いて玉数のランキングデータを生成する。このランキングデータは、携帯端末装置120やコンピュータ130などから閲覧可能である。
【0023】
このように、遊技客により獲得された玉数を示す情報及びサーバ100のアドレスを含むURLを遊技客が所持する携帯端末装置110に向け出力し、サーバ100が携帯端末装置からネットワークを介して受け付けた接続要求に基づいて複数の遊技客の獲得玉数のランキングデータを生成するよう構成したので、遊技客のニーズに応じて自らの獲得玉数と他の遊技客の獲得玉数との関係に関する情報を客観的かつ効率良く提供することができる。
【0024】
次に、図1に示した計数機80を含む遊技システムのシステム構成について説明する。図2は、図1に示した計数機80を含む遊技システムのシステム構成を示す図である。同図に示すように、複数の遊技機20と、各遊技機20にそれぞれ対応して設けられた台間カード処理機10と、カード管理装置40と、会員管理装置50と、精算機60と、景品管理装置70とが通信回線90を介して接続されている。
【0025】
遊技機20は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置である。当該遊技領域には、複数の入賞領域(入賞口)が設けられており、当該入賞領域パチンコ玉が通過したことに基づいて所定個数のパチンコ玉を賞玉として付与するようになっている。また、遊技領域には、所定個数の始動領域(始動口)が設けられており、当該始動領域をパチンコ玉が通過したことに基づいて所定の抽選を行うこととなっている。当該抽選が当たりとなれば、所定の可動部材等の作動により、前述の入賞領域あるいは他の始動領域へのパチンコ玉の通過確率を向上する等、遊技上有利となる作動が行われる。なお、始動領域と入賞領域を兼ねた領域があってもよい。
【0026】
上記入賞領域には、当該入賞領域へのパチンコ玉の通過を検出するための所定の検出センサが設けられており、当該センサにより、入賞領域へ打ち込まれたパチンコ玉の通過(入賞)を検出するようになっている。また、遊技機の制御装置は、入賞領域ごとに何個のパチンコ玉を賞玉として付与するかを記憶する賞玉メモリを有している。
【0027】
したがって、打ち込んだパチンコ玉の特定の入賞領域への通過がセンサにより検出されると、賞玉メモリの記憶内容と、入賞領域を通過したパチンコ玉数から付与すべき賞玉を決定する。
【0028】
台間カード処理機10は、遊技客が投入した紙幣を受け付けたならば、この紙幣分のプリペイド価値を記憶するととともに、所定の玉貸し操作がなされたならば、所定数のプリペイド価値を減算しつつ、減算したプリペイド価値分に対応するパチンコ玉を貸し出す。
【0029】
また、台間カード処理機10は、カードを受け付けたならば、該カードに関連付けられたプリペイド価値を記憶するとともに、カード排出操作を受け付けたならば、プリペイド価値をカードに関連付けて排出する処理を行う。
【0030】
島コントローラ30は、遊技島に設けられた一群の遊技機20及び台間カード処理機10を束ねる中継装置である。また、計数機80は、遊技島毎に設けられ、遊技客が獲得したパチンコ玉数を計数する処理を行う。計数機80は、所定数の玉数を計数する度にパルス信号を図示しないホールコンピュータに対して送信する。計数終了後、計数機80は、計数結果である獲得玉数をレシートにバーコード印刷して発行処理する。
【0031】
さらに、計数機80は、計数結果、会員ID及びサーバ100のアドレスを含む情報を携帯端末装置110に出力する機能を有する。この携帯端末装置110に対する出力処理の詳細については後述する。
【0032】
カード管理装置40は、カードのプリペイド価値及び持玉数等をカードデータとして管理する管理装置である。会員管理装置50は、遊技店に会員登録された会員の会員データを管理する管理装置である。具体的には、会員に対して発行した会員カードIDに対応づけて、貯玉、ポイント、暗証番号及び氏名等を管理する。
【0033】
精算機60は、プリペイド価値が対応付けられたカードが挿入されると、このカードのカードIDをカード管理装置40に送信し、該カードに対応するプリペイド価値を取得し、取得したプリペイド価値に相当する現金の払出を行う。
【0034】
景品管理装置70は、遊技店内の景品交換カウンタに併設された景品交換用の端末装置であり貯玉、持玉及び計数玉の景品交換処理を行う。この景品管理装置70には、カードのカードIDを読み取るリーダライタ、計数機80が発行したレシートの読み取り等を行うバーコードリーダ並びに特殊景品を払い出す特殊景品払出装置が接続されている。景品管理装置70は、リーダライタが一般カード又は会員カードを受け付けた場合には、リーダライタで読み出したカードのカードIDをカード管理装置40に送信して、該カードの持玉数を要求する。また、貯玉を景品交換する場合は、会員管理装置50に対して貯玉数を要求する。
【0035】
次に、図1に示した計数機80の外観構成について説明する。図3は、図1に示した計数機80の外観構成を示す図である。図3に示した計数機80は、パチンコ玉を貯留するホッパユニット87の横に表示操作部81を設けた横型の計数機である。また、表示操作部81の下部に携帯端末装置110を挿入させる携帯端末挿入部86eを設けている。この携帯端末挿入部86eに携帯端末装置110を挿入すると、ICリーダライタ86dが携帯端末装置110と通信可能となる。また、ホッパユニット87の下部には、計数後に返却した余り玉を取り出す玉取出口87aが設けられている。
【0036】
表示操作部81は、パッチパネル式のカラー液晶ディスプレイ等からなる。例えば、この表示操作部81には、パチンコ玉を計数したパチンコ玉数を表示するとともに、レシート発行操作又は貯玉操作を受け付けるためのメニュー画面を表示する。レシート発行部85は、感熱式プリンタ等の印刷部である。例えば、遊技客が表示操作部81の表示画面上の「レシート発行」のタブを押下操作すると、レシート発行部85は、獲得玉数及びレート等をバーコード印刷したレシートを発行する。
【0037】
ホッパユニット87は、開閉可能なシャッタと、底部に開口部を有する受け皿と、この受け皿の開口部から流れ落ちるパチンコ玉を装置外部のバックヤードに搬送する搬送通路と、該搬送経路上に設けられた後述する計数センサ84とを有する。このホッパユニット87の受け皿に投入されたパチンコ玉は、開口部を経由して搬送通路上を搬送される過程で計数センサ84によって検知される。計数機80は、計数センサ84の検知結果を計数し、計数結果を表示操作部81に表示する。また、計数機80は、所定の玉数(例えば、10玉)を計数する度に、パルス信号を生成してホールコンピュータに送信する。
【0038】
次に、図3に示した計数機80の内部構成について説明する。図4は、図1に示した計数機80の内部構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、計数機80は、すでに説明した表示操作部81、レシート発行部85及びICリーダライタ86dに加えて、計時部82、シャッタ機構83、計数センサ84、パルス送信部86a、通信部86b、カードリーダライタ86c、記憶部88及び制御部89を有する。
【0039】
計時部82は、時刻を計時するタイマであり、具体的には、制御部89からの時刻問合せに応答してその問合せ時点における日時を送信する。シャッタ機構83は、ホッパユニットに開閉可能に設けられたシャッタの開閉制御を行う機構部であり、該シャッタの開閉駆動を行うシャッタ駆動モータと、シャッタの開閉状態を検知する開閉検知部とを有する。具体的には、このシャッタ機構83は、シャッタを開放させる場合には、シャッタが開状態であることが開閉検知部により検知されるまで、シャッタ駆動モータにシャッタを開駆動させる。また、計数終了後にシャッタを閉鎖する場合には、シャッタが閉状態であることが開閉検知部により検知されるまで、シャッタ駆動モータにシャッタを閉駆動させる。
【0040】
計数センサ84は、ホッパユニット87の搬送通路の近傍に設けられたセンサであり、搬送経路に赤外線等の発光及びその反射光の受光を行うことでパチンコ玉の通過を検知して制御部89に通知する。パルス送信部86aは、制御部89からの要求に応答してパルス信号を生成し、生成したパルス信号をホールコンピュータに送信する。通信部86bは、当該計数機80と他の装置(カード管理装置40、会員管理装置50等の他の装置)との間で各種通信を行うためのインタフェースである。
【0041】
カードリーダライタ86cは、会員カード及び一般カードに対するデータの読み書きを行うリーダライタである。カードリーダライタ86cに会員カードが挿入された場合には、該会員カードからの会員IDの読取りを行う。同様に、カードリーダライタ86cに一般カードが挿入された場合には、該一般カードからのカードIDの読取りを行う。
【0042】
記憶部88は、制御部89による各種処理に必要な情報及びプログラムを記憶する不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、計数ログ88a、URLデータ88b及びしきい値データ88cを記憶する。計数ログ88aは、計数機80による計数処理の履歴である。計数処理の結果は、レシートへの印字や会員管理装置50への送信によって出力されるが、かかる出力に加えて計数ログ88aを残すことで計数機80の動作状態を管理できる。
【0043】
URLデータ88bは、計数結果である玉数、サーバ100のアドレス情報及びユーザIDを含むURLである。しきい値データ88cは、URLデータ88bを携帯端末装置110に出力するか否かを判定するために、計数結果の玉数との比較に用いる値である。
【0044】
制御部89は、計数機80を全体制御する制御部であり、計数処理部89a、URL生成部89b、判定部89c及びURL出力部89dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、計数処理部89a、URL生成部89b、判定部89c及びURL出力部89dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0045】
計数処理部89aは、遊技客によって獲得されたパチンコ玉の計数制御を行う処理部である。具体的には、ホッパユニット87にパチンコ玉が投入されると、計数センサ84から獲得玉の通過を通知する信号が出力されるので、一定時間(例えば、3秒)についてかかる信号が検出されなくなるまでカウントアップを継続することでパチンコ玉の計数を行う。また、計数処理部89aは、所定の玉数(例えば、10玉)を計数する度に、パルス送信部86aにパルス信号の生成及び送信を要求する。計数センサ84から信号が検出されなくなってから一定時間が経過したならば、計数処理部89aは、計数結果の出力をレシートの発行によって行う場合には、レシート発行部85にレシートを印字させる。また、計数結果を貯玉する場合には、カードリーダライタ86cによって読み取った一般カードや会員カードのカードIDに計数結果を関連付けてカード管理装置40に送信する。
【0046】
URL生成部89bは、計数処理部89aにより計数された玉数、サーバ100のアドレス情報及びユーザIDを含むURLを生成する処理部である。サーバ100のアドレス情報は、予め計数機80に対して設定しておく。ユーザIDは、カードリーダライタ86cが会員カードから読み取った会員IDを用いる。
【0047】
判定部89cは、URL生成部89bにより生成されたURLデータ88bを携帯端末装置110に対して出力するか否かを判定する処理部である。この判定には、遊戯客の属性、計数処理部89aにより計数された玉数、遊戯店の閉店までの時間などを用いることができる。この判定部89cの処理動作については後述する。URL出力部89dは、判定部89cによりURLデータ88cを出力すると判定された場合に、URLデータ88cをICリーダライタ86cにより出力する処理を行う。
【0048】
つぎに、URLデータ88cが含む情報について説明する。図5は、図4に示したURLデータ88cが含む情報について説明するための説明図である。同図に示すように、URLデータ88cは、アドレス情報、バージョン、発行日、発行時刻、加盟店コード、端末略称、台番号、携帯IDm、タッチカウンタ、持玉数、累積計数玉数、種別、会員ID、予備、チェックSUM及び暗号キーの項目を有する。
【0049】
アドレス情報は、サーバ100のネットワーク上の位置を特定する24桁のデータである。バージョンは、サービスのバージョンを示す4桁のデータであり、図5の例では/V2/である。発行日は、計数処理を行った営業日付の年月日を示す6桁のデータであり、発行時刻は、計数処理を行った時分秒を24時間表記を示す6桁のデータである。
【0050】
加盟店コードは、8桁の英数字及び記号で遊技店を一意に特定するデータである。端末略称は、計数機80の機種を特定する4桁データであり、図5の例では「JCXX」である。台番号は、遊技店内において計数機80を特定する4桁の数字(0000〜9999のいずれか)である。
【0051】
携帯IDmは、携帯端末装置110を特定する16進数16桁のデータである。持玉数は、計数処理部89aにより計数された値を示す6桁のデータであり、会員IDは、会員カードから読み出した値を示す5桁のデータである。3桁のタッチカウンタ、8桁の累計計数玉数、1桁の種別及び3桁の予備は、サービスのバージョンアップに備えて設けられている。チェックSUMは、発行日から予備までのデータを加算して求めたデータの整合性を確認するための2桁のデータであり、暗号キーは暗号化されたデータの復号化方法を示す1桁のデータである。なお、暗号キーは0からfまでのいずれかの値を取り、0は暗号化しないことを示すとともに、0以外のデータにはそれぞれ復号化するための個別の演算式が規定されている。発行日から暗号キーまでのデータは合計で89桁となる。
【0052】
次に、図1に示した携帯端末装置110の内部構成について説明する。図6は、図1に示した携帯端末装置110の内部構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、携帯端末装置110は、表示部111、操作部112、通信部113、IC通信部114、記憶部115及び制御部116を有する。表示部111は、液晶パネルやディスプレイ装置などの表示デバイスであり、操作部112は、操作キー等の入力デバイスである。通信部113は、ネットワークを介してサーバ100と通信するためのインタフェース部である。
【0053】
IC通信部114は、計数機80のICリーダライタ86dと通信するインタフェースである。IC通信部114は、制御部116の通信アプリを起動し、制御部116、IC通信部114及びICリーダライタ86dの三者による三者間通信を実現する。
【0054】
記憶部55は、不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、携帯端末装置110の動作に必要な各種データやユーザ操作により生成された各種データに加え、計数機80から三者間通信により受信したURLデータ115aを記憶する。
【0055】
制御部116は、携帯端末装置110を全体制御する制御部であり、接続要求部116a及び表示制御部116bを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、接続要求部116a及び表示制御部116bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0056】
接続要求部116aは、記憶部115からURLデータ115aを読み出して、URLデータ115aのアドレス情報が示すサーバ100に対して接続要求を送信する処理部である。また、表示制御部116bは、サーバ100からランキングデータを取得し、表示部111に表示する処理部である。
【0057】
次に、図1に示したサーバ100の内部構成について説明する。図7は、図1に示したサーバ100の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、サーバ100は、表示機器接続部101と、入力機器接続部102と、通信部103と、記憶部104と、制御部105とを有する。表示機器接続部101は、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示機器を接続するインタフェース部であり、入力機器接続部102は、キーボードやマウス等の入力機器を接続するインタフェース部である。通信部103は、ネットワークを介して携帯端末装置110、120およびコンピュータ130と通信するためのインタフェース部である。
【0058】
記憶部104は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、会員データ104a及びランキングデータ104bを記憶する。図8は、図7に示した会員データ104a及びランキングデータ104bについて説明するための説明図である。
【0059】
図8に示したように、会員データ104aは、ユーザIDと登録名を対応付けたデータである。ユーザIDは、携帯端末装置110から送信されたURLに含まれる会員IDを使用する。登録名は、ランキングデータの表示に用いるデータである。登録名は、ユーザIDの初回登録時にユーザ入力により生成する。図8に示した例では、ユーザID「00001」に登録名「AAA」が対応付けられ、ユーザID「00103」に登録名「ABC」が対応付けられている。
【0060】
ランキングデータ104bは、登録された玉数の多い順から200位までの玉数と登録名を対応付けたデータである。図8の例では、登録名「ABC」が玉数「20000」で1位であり、登録名「BCD」が玉数「18000」で2位であり、登録名「AAA」が玉数「9000」で200位である。
【0061】
制御部105は、サーバ100を全体制御する制御部であり、接続要求処理部105a、データ生成部105b及びデータ提供部105cを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、接続要求処理部105a、データ生成部105b及びデータ提供部105cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0062】
接続要求処理部105aは、ネットワークを介して携帯端末装置110からの接続要求を受け付けて処理する。具体的には、携帯端末装置110が送信したURLからユーザIDと玉数のデータを読み出し、データ生成部105bに出力する。
【0063】
データ生成部105bは、接続要求処理部105aにより出力されたユーザID及び玉数に基づいてランキングデータ104bを生成し、記憶部104に格納する処理部である。具体的には、接続要求処理部105aにより出力された玉数がランキング圏内であるならば、ユーザIDから登録名を特定し、ランキングデータ104bを更新する。
【0064】
データ提供部105cは、携帯端末装置110、120又はコンピュータ130からランキングデータ104bの閲覧要求を受け付けた場合に、ランキングデータ104bを読み出して提供する処理部である。
【0065】
次に、URLの生成及び出力の処理手順について説明する。図9は、URLの生成及び出力の処理手順を示すフローチャートである。図9に示したように、計数機80は、計数処理を実行すると(ステップS101;Yes)、判定部89cがURL出力判定処理(ステップS102)を実行して、URLの出力が必要であるか否かを判定する。
【0066】
URL出力判定処理の結果、URLの出力が必要であると判定したならば(ステップS103;Yes)、URL生成部89dがURLデータ88bを生成して記憶部88に記憶する(ステップS104)。URL出力部89dは、記憶部88からURLデータ88cを読み出して、ICリーダライタ86dにより該URLデータ88cを携帯端末装置110に送信する(ステップS105)。携帯端末装置110は、IC通信部114によりURLデータを受信し(ステップS111)、記憶部115にURLデータ115aを格納する(ステップS112)。
【0067】
計数機80は、ステップS105によりURLデータ88bを送信した後、計数結果をバーコード印字したレシートを発行して(ステップS106)、処理を終了する。また、URL出力判定処理の結果、URLの出力が不要であると判定したならば(ステップS103;No)、計数機80は、URLの生成及び送信を行わずに、計数結果をバーコード印字したレシートを発行して(ステップS106)、処理を終了する。
【0068】
次に、図9に示したURL出力判定処理の詳細について説明する。図10は、図9に示したURL出力判定処理の詳細を示すフローチャートである。URL出力判定処理を開始すると、判定部89cは、まず、カードリーダライタ86dが会員カードを読み取ったか否かを判定する(ステップS201)。会員カードを読み取っていないならば(ステップS201;No)、判定部89cは、URL出力は不要であると判定し(ステップS205)、出力判定処理を終了する。
【0069】
カードリーダライタ86dが会員カードを読み取ったならば(ステップS201;No)、判定部89cは、計数処理によって計数した獲得玉数がしきい値データ88cによって示されるしきい値より大きいかを判定する(ステップS202)。獲得玉数がしきい値以下であるならば(ステップS202;No)、判定部89cは、URL出力は不要であると判定し(ステップS205)、出力判定処理を終了する。
【0070】
獲得玉数がしきい値より大きいならば(ステップS202;Yes)、判定部89cは、閉店までの時間が所定時間以上であるか否かを判定する(ステップS203)。閉店までの時間が所定時間未満であるならば(ステップS203;No)、判定部89cは、URL出力は不要であると判定し(ステップS205)、出力判定処理を終了する。一方、閉店までの時間が所定時間以上であるならば(ステップS203;Yes)、判定部89cは、URL出力が必要であると判定し(ステップS204)、出力判定処理を終了する。
【0071】
次に、ランキングデータへの登録の処理手順について説明する。図11は、ランキングデータへの登録の処理手順を示すフローチャートである。図11に示したように、携帯電話端末装置110は、操作部112によりサーバ100への接続操作を受け付けたならば(ステップS301;Yes)、記憶部115からURLデータ115aを読み出して、URLが示す接続先に接続要求を送信する(ステップS302)。
【0072】
サーバ100の接続要求処理部105aは、接続要求を待機しており、接続要求を受信すると、受信したデータに含まれる情報から要求元が携帯端末装置であることを特定する。携帯端末装置110から接続要求を受信すると(ステップS311)、接続要求に含まれる付加情報(発行日以下のデータ)を暗号キーを元に復号化する。サーバ100には、暗号キーごとに個別に演算式が記憶されており、復号化はこの演算式を元に行われる。接続要求処理部105aは、復号化により得たデータをもとにユーザID及び玉数の読取りを行う(ステップS312)。データ生成部10bは、接続要求処理部105aにより読み取られた玉数とランキングデータ104bの最下位(例えば200位)の玉数とを比較する。
【0073】
接続要求処理部105aにより読み取られた玉数がランキングデータ104bの最下位(例えば200位)の玉数以下である、すなわち、接続要求処理部105aにより読み取られた玉数がランキング圏外であれば(ステップS313;No)、データ生成部105bは、そのまま処理を終了する。
【0074】
一方、接続要求処理部105aにより読み取られた玉数がランキング圏内であれば(ステップS313;Yes)、データ生成部105bは、接続要求処理部105aにより読み取られたユーザIDに対応付けられた登録名を会員データ104aから特定して(ステップS314)、該登録名と玉数を用いてランキングデータ104bを更新し(ステップS315)、処理を終了する。
【0075】
上述してきたように、本実施例1では、遊技客により獲得された獲得玉数が計数処理された際に、少なくとも該玉数を示す情報及びサーバ100のアドレス情報を含むURLを遊技客が所持する携帯端末装置110に向け出力し、サーバ100は、携帯端末装置110からネットワークを介して受け付けた接続要求に基づいて、複数の遊技客の獲得玉数のランキングデータ104bを生成するよう構成したので、遊技客のニーズに応じて自らの獲得玉数と他の遊技客の獲得玉数との関係に関する情報を客観的かつ効率良く提供することができる。
【0076】
また、本実施例1では、獲得玉数、遊技店が閉店するまでの時間並びに遊技客が会員であるか否かに基づいて、URLを携帯端末装置110に出力すべきか否かを判定するよう構成した。獲得玉数を判断基準とすることで、獲得玉数の少ない遊技者にとって不要なURLの出力防止することができる。また、遊技店が閉店するまでの時間を判断基準とすることで、閉店時間前に多数の遊技客が計数を行う際には各遊技者へのURL出力を抑止して、計数に要する時間の短縮を図ることができる。さらに、遊技客が会員であるか否かを判断基準とすることで、会員限定の特典サービスとしてランキングへの登録を実施し、遊技客の会員登録を促進することができる。
【実施例2】
【0077】
ところで、上記実施例1では、遊技客の所持する携帯端末装置に獲得玉数及び接続先を含む情報を出力するか否かを自動的に判定する構成を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施例2では、遊技客の入力に基づいて獲得玉数及び接続先を含む情報を出力するか否かを判定する構成並びに各種変形例を示すこととする。
【0078】
遊技情報提供システムの構成、遊技システムの構成、計数機の構成、携帯端末装置の構成、サーバの構成については実施例1と同様であるので図示及び説明を省略し、本実施例2にかかるURLの生成及び出力の処理手順について説明する。
【0079】
図12は、本実施例2にかかるURLの生成及び出力の処理手順を示すフローチャートである。図12に示したように、本実施例2では、計数機が計数処理を実行すると(ステップS401;Yes)、判定部89cがURL出力判定処理(ステップS402)を実行して、URLの出力が必要であるか否かを判定する。
【0080】
URL出力判定処理の結果、URLの出力が必要であると判定したならば(ステップS403;Yes)、判定部89cは、URLの出力を行うか否かの操作入力を求める確認画面を表示操作部81に表示出力する。
【0081】
図13は、表示操作部81に表示出力する確認画面について説明するための説明図である。図13に示したように、確認画面では、表示操作部81に「ボタンを押してください」とのメッセージとともに、全部貯玉ボタン81a、端数貯玉ボタン81b及びランキングURL不要ボタン81cを表示している。
【0082】
全部貯玉ボタン81aが押下操作されると、計数機は計数した獲得玉を全て貯玉にする。一方、端数貯玉ボタン81bが押下操作されると、計数機は計数した獲得玉のうち、特殊景品に交換可能な玉数をレシート発行の対象とし、残った端数を貯玉にする。
【0083】
ランキングURL不要ボタン81cが押下操作された場合には、URLの出力は不要であると判定してランキングURL不要ボタン81cを消去し、全部貯玉ボタン81a又は端数貯玉ボタン81bの押下操作を待つ。
【0084】
ランキングURL不要ボタン81cが押下操作された上で全部貯玉ボタン81a又は端数貯玉ボタン81bが押下操作されたならば(ステップS405;No)、計数機はレシート発行を行って(ステップS408)、処理を終了する。
【0085】
ランキングURL不要ボタン81cが押下操作されることなく全部貯玉ボタン81a又は端数貯玉ボタン81bが押下操作されたならば(ステップS405;Yes)、URL生成部89dがURLデータ88bを生成して記憶部88に記憶する(ステップS406)。そして、URL出力部89dは、記憶部88からURLデータ88cを読み出して、ICリーダライタ86dにより該URLデータ88cを携帯端末装置110に送信する(ステップS407)。計数機は、ステップS407によりURLデータ88bを送信した後、計数結果をバーコード印字したレシートを発行して(ステップS408)、処理を終了する。
【0086】
つぎに、ランキングデータ104bに基づいてしきい値データ88cを設定する構成について説明する。しきい値データ88cを固定の値とすると、獲得玉数がランキング圏外であってもURLが携帯端末装置110に出力されてしまう。そこで、サーバ100からランキングの最下位の玉数を取得し、しきい値として用いることで、ランキング圏内である可能性がある場合にのみURLの出力を行うことができる。
【0087】
図14は、ランキングデータ104bに基づいてしきい値データ88cを設定する構成について説明するための説明図である。図14に示した例ではサーバ100のランキングデータの最下位の玉数は9000玉である。サーバ100は、この玉数を会員管理装置50に送信する。会員管理装置50は、受信した玉数をしきい値として計数機40に送信する。計数機80は、会員管理装置50から送信されたしきい値によりしきい値データ88cを更新する。したがって、以降の判定では、玉数が9000玉以下であればURL出力は不要であると判定されることとなる。
【0088】
これまでの説明では、横型の計数機を例示して説明を行ったが、本発明は縦型の計数機や各台計数ユニットを有する台間カード処理機として実施することもできる。また、景品管理装置や計数機に接続されたリーダライタとして実施してもよい。
【0089】
図15は、本発明を適用可能な縦型の計数機の外観構成を示す外観構成図である。同図に示すように、計数機140は、パチンコ玉を貯留するホッパユニット146と、計数後に返却した余り玉を取り出す玉取出口145と、ホッパユニット87の上部に設けられる表示操作部141との間にパチンコ玉を投入するための空間を有する。
【0090】
計数機140の筐体上部の前側には、遊技客や店員とのインタフェースが設けられている。具体的には、計数機140の筐体上部の前側には、表示操作部141、レシート発行部143、カードリーダライタ144及びICカードリーダライタ142が設けられている。このような縦型の計数機であっても、本発明を適用することで、遊技客のニーズに応じて自らの獲得玉数と他の遊技客の獲得玉数との関係に関する情報を客観的かつ効率良く提供することができる。
【0091】
図16は、景品管理装置70に本発明を適用可能なリーダライタ150を接続した場合の外観構成を示す図である。同図(a)には正面上方(景品カウンタの店員側)から見た景品管理装置70の斜視図を示し、同図(b)には景品管理装置70及びリーダライタ150の背面図(景品カウンタの遊技客側)を示している。
【0092】
図16(a)に示すように、景品管理装置70の前面には、店側表示部71、操作部72、レシート発行部73及びバーコードリーダ77が設けられている。ここでは、説明の便宜上図示省略したが、電源スイッチやメモリカード差込口なども設けられる。
【0093】
店員は、計数機80で発行されたレシートを遊技客から受け取ったならば、バーコードリーダ77でレシートに印字されたバーコードを読み取り、遊技客が獲得した玉数を特定する。また、リーダライタ150のカード挿入口153にカードが挿入された場合には、該カードに記憶された玉数を読み出して、遊技客が獲得した玉数を特定する。その後、特定した玉数を特殊景品又は一般景品に景品交換することになる。
【0094】
店側表示部71は、操作者である遊技店の店員用の表示部(兼、操作部)であり、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。この店側表示部71には、景品交換内容や操作ガイダンスなどが表示される。操作部72は、テンキー、専用キー及びモードキー等の複数のキーからなり、景品交換操作入力などを行う際に使用される。
【0095】
レシート発行部73は、登録リスト及び集計リスト等の各種レシートを発行処理する発行部であり、感熱式プリンタ等からなる。バーコードリーダ77は、レシートに印字されたバーコードを読み取って、情報内容を特定する。
【0096】
図16(b)に示すように、景品管理装置70の背面には、遊技客用の客側表示部74が設けられている。この客側表示部74は、蛍光表示管やタッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなる。遊技客は、この客側表示部74の表示内容を確認することにより、カードに対応付けられる現在玉数や端玉数を確認することができる。
【0097】
そして、この景品管理装置70にはリーダライタ150が接続されている。このリーダライタ150には、表示操作部151、かざし部152、カード挿入口153及び扉カギ154が設けられている。表示操作部151は、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなり、カードの読み取り状況等が表示される。なお、会員カードの場合には、この表示操作部151を用いて暗証番号が入力される。かざし部152は、非接触ICカード又は携帯端末装置110との間で非接触でデータの授受を行うためのかざし部である。カード挿入口153は、会員カード及び一般カードを挿入する挿入口である。このようなカードリーダライタ150であっても、本発明を適用することで、遊技客のニーズに応じて自らの獲得玉数と他の遊技客の獲得玉数との関係に関する情報を客観的かつ効率良く提供することができる。
【0098】
これまでの説明では、計数結果である玉数を示す情報及びサーバ100のアドレスを含むURLを三者間通信により携帯端末装置に向けて出力する構成を例示したが、URLの携帯端末装置に向けた出力の方法は、通信に限定されるものではなく、携帯端末装置の機能を用いて読取可能な任意の出力方法を用いることができる。そこで、図17及び図18を参照し、URLを2次元コードにより携帯端末装置に向けて出力する場合について説明する。
【0099】
図17は、URLを2次元コードにより携帯端末装置に向けて出力する場合の動作について説明する説明図である。同図に示すように、計数機80aは、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数処理部により計数すると、計数結果である玉数、サーバ100のアドレス情報及びユーザIDを含むURLを生成する。該URLは、レシート発行部により2次元コードとしてレシートに印刷される。
【0100】
携帯端末装置110aは、カメラを備え、カメラにより撮影した2次元コードを復号化する機能を有する。このため、2次元コードが印刷されたレシートを撮影することで、URLを読取り可能である。携帯端末装置110aは、読み取ったURLにより示されたアドレス情報を用いてサーバ100と通信し、サーバ100に持玉とユーザIDを登録することができる。
【0101】
URLを印刷したレシートを発行するか否かの判断は、会員管理装置50にURL通知の要否の情報を含む会員情報を登録しておき、URL通知が「要」のときは、2次元コードを印刷したレシートを発行する。なお、ICリーダライタによる通信と2次元コードを印刷したレシート発行とをボタン等で選択するよう構成してもよい。
【0102】
図18は、URLを2次元コードとして印刷したレシートについて説明するための説明図である。図18(a)は、ユーザ登録用のレシートであり、ユーザ登録用のレシートに印刷された2次元コードを携帯端末装置110aにより撮影して認識させることでサーバ100に対するユーザ登録用のURLを読み取ることができる。図18(b)は、計数結果である玉数を出玉として登録する際に用いるレシートであり、出玉登録用のレシートに印刷された2次元コードを携帯端末装置110aにより撮影して認識することで、サーバ100に対して計数結果を出玉として登録するためのURLを得ることができる。
【0103】
なお、ユーザ登録用のレシート及び出玉登録用のレシートは、計数結果をバーコード印刷したレシートと一体化してもよい。この場合には、レシートには計数結果を示すバーコードに加えて、URLの2次元コードが印刷されることとなる。
【0104】
上述してきたように、本実施例2では、遊技客の入力に基づいて獲得玉数及び接続先を含む情報を出力するか否かを判定するよう構成したので、ランキングへの登録を希望しない遊技客に対してはURLの出力を省略して処理を高速化するとともに、ランキングへの登録を希望する遊技客に対してはURLを出力してランキングへの登録を可能とすることで遊技客の遊技へのインセンティブを高めることができる。
【0105】
また、サーバ100のランキングデータに基づいてURLを出力するか否かを判定するしきい値を設定することにより、ランキング圏外の玉数である場合にはURLの出力を省略することが可能である。
【0106】
なお、上記実施例1及び2では、玉数、会員属性、遊技店の閉店までの時間を用いてURLの出力を行なうか否かを判定する場合を例示したが、これらの1又は複数の任意の組み合わせを用いて判定を行うことができる。
【0107】
また、上述の実施例1及び2では、遊技機として遊技球を用いるパチンコ遊技機を例にとって説明したが、本発明はこれに限らず、遊技機が遊技球を用いる回胴式遊技機および遊技メダルを用いる回胴式遊技機であっても適用することができる。つまり、回胴式遊技機においては、上記実施例における特定の遊技領域を遊技球が通過したことによる「入賞」の信号に代えて、複数の回胴上の図柄組み合わせのうち、特定の図柄組み合わせがライン上に揃ったことによる「入賞」の信号を各台間カード処理機が受信して処理を行うことで構成が実現できる。
【0108】
また、上述の実施例1及び2では、会員カードが挿入された場合にのみURLを出力する構成について例示したが、一般カードを挿入された場合やカードが挿入されていない(現物の玉のみで計数を行った)場合であってもURLの出力対象としても良い。会員カードを挿入された場合には、サーバ100は会員カードのIDを登録名と対応付けることができるが、会員カードを利用しないケースでは、サーバ100への接続時にユーザ名やパスワードを設定させ、登録名と対応付けるようにすればよい。
【0109】
また、単純な玉数の比較に留まらず、遊技店ごと、機種ごと、レートごと、地域ごとなどに応じてそれぞれランキングデータを作成し、ユーザから閲覧可能とすることで、多様なランキングをユーザに提示し、遊技へのインセンティブを高めるように構成することもできる。
【0110】
また、上述の実施例1及び2では、URLにサーバ100のアドレス情報、獲得玉数及びユーザIDを含める場合を例示したが、アドレス情報と獲得玉数及びユーザIDとを別のデータとしてもよい。この場合にはURLはサーバ100のアドレス情報のみを含み、携帯端末装置はURLに基づいてサーバ100に接続した上で、別途獲得玉数及びユーザIDを送信することとなる。
【0111】
さらに、少なくとも獲得玉数の情報については、暗号化しておくことが望ましい。URLデータを加工して獲得玉数を大きくする不正を防止するためである。
【0112】
また、図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、上述の実施例1及び2では、カード管理装置40と会員管理装置50とを個別に設ける構成を例示したが、カード管理装置40の機能と会員管理装置50の機能とを有する一体型の管理装置を設ける構成として実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0113】
以上のように、本発明に係る遊技情報提供システム及び遊技情報提供方法は遊技客のニーズに応じて自らの獲得遊技媒体数と他の遊技客の獲得遊技媒体数との関係に関する情報を客観的かつ効率良く提供することに適している。
【符号の説明】
【0114】
10 台間カード処理機
20 遊技機
30 島コントローラ
40 カード管理装置
50 会員管理装置
60 精算機
70 景品管理装置
71 店側表示部
72 操作部
73 レシート発行部
74 客側表示部
77 バーコードリーダ
80、80a、140 計数機
81、141 表示操作部
82 計時部
83 シャッタ機構
84 計数センサ
85、143 レシート発行部
86a パルス送信部
86b 通信部
86c、144 カードリーダライタ
86d、142 ICリーダライタ
87、146 ホッパユニット
87a、145 玉返却部
88 記憶部
88a 計数ログ
88b URLデータ
88c しきい値データ
89 制御部
89a 計数処理部
89b URL生成部
89c 判定部
89d URL出力部
90 通信回線
100 サーバ
101 表示機器接続部
102 入力機器接続部
103 通信部
104 記憶部
104a 会員データ
104b ランキングデータ
105 制御部
105a 接続要求処理部
105b データ生成部
105c データ提供部
110、110a、120 携帯端末装置
111 表示部
112 操作部
113 通信部
114 IC通信部
115 記憶部
115a URLデータ
116 制御部
116a 接続要求部
116b 表示制御部
130 コンピュータ
150 リーダライタ
151 表示操作部
152 かざし部
153 カード挿入口
154 扉カギ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技店において遊技客に情報を提供するための遊技情報提供システムであって、
前記遊技客により獲得された獲得遊技媒体数を計数処理する計数処理手段と、
前記計数処理手段により前記獲得遊技媒体数が計数処理された際に、少なくとも該遊技媒体数を示す情報及び所定の端末識別子を含む接続先指定情報を前記遊技客が所持する携帯端末装置に向け出力する出力手段と、
前記携帯端末装置から所定のネットワークを介して受け付けた接続要求に基づいて、複数の遊技客の獲得遊技媒体数の関係に関する情報を生成する機能を有し、前記端末識別子が示す情報に対応して設けられるサーバ手段と
を備えたことを特徴とする遊技情報提供システム。
【請求項2】
前記接続先指定情報を前記携帯端末装置に出力すべきか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記計数処理手段により前記獲得遊技媒体数が計数処理された際に、前記判定手段により前記接続先指定情報を前記携帯端末装置に出力すべきと判定された場合に、前記遊技媒体数を示す情報及び所定の端末識別子を含む接続先指定情報を前記遊技客が所持する携帯端末装置に向け出力し、
前記携帯端末装置は、
前記出力手段により出力された接続先指定情報に基づいて前記サーバ手段に対して接続要求を行う接続要求手段と、
前記サーバ手段から取得した複数の遊技客の獲得遊技媒体数の関係に関する情報を所定の表示部に表示制御する表示制御手段とを備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技情報提供システム。
【請求項3】
前記判定手段は、前記獲得遊技媒体数、前記遊技店が閉店するまでの時間、前記遊技客の属性又は前記遊技客による所定の非通知操作の有無のいずれか一つ以上を条件として用いて前記接続先指定情報を前記携帯端末装置に通知すべきか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の遊技情報提供システム。
【請求項4】
前記出力手段は、
前記遊技客が遊技店に登録した会員である場合に、前記計数処理手段により前記獲得遊技媒体数が計数処理されたならば、該遊技媒体数を示す情報、前記会員の会員識別情報及び所定の端末識別子を含む接続先指定情報を前記遊技客が所持する携帯端末装置に向け出力し、
前記サーバ手段は、
前記携帯端末装置から接続要求を受け付けた場合に、該接続要求に前記会員識別情報が含まれたならば、該会員識別情報に対応付けて予め記憶した会員情報を前記獲得遊技媒体数の関係に関する情報の生成に用いることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の遊技情報提供システム。
【請求項5】
前記判定手段は、前記サーバ手段により生成された獲得遊技媒体数の関係に関する情報に基づいて前記接続先指定情報を前記携帯端末装置に出力すべきか否かを判定することを特徴とする請求項2、3又は4に記載の遊技情報提供システム。
【請求項6】
遊技店において遊技客に情報を提供するための遊技情報提供システムの遊技情報提供方法であって、
前記遊技客により獲得された獲得遊技媒体数を計数処理する計数処理工程と、
前記計数処理工程により前記獲得遊技媒体数が計数処理された際に、少なくとも該遊技媒体数を示す情報及び所定の端末識別子を含む接続先指定情報を前記遊技客が所持する携帯端末装置に向け出力する出力工程と、
前記端末識別子が示す情報に対応して設けられるサーバが、前記携帯端末装置から所定のネットワークを介して受け付けた接続要求に基づいて、複数の遊技客の獲得遊技媒体数の関係に関する情報を生成する関係情報生成工程と
を含んだことを特徴とする遊技情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−66605(P2013−66605A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207617(P2011−207617)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】