説明

遊技情報管理装置

【課題】いわゆる台移動を認めない営業形態だけでなく台移動を許容する営業形態下においても有用な経営指針となり得る有効な遊技情報を算出可能な汎用性の高い遊技情報管理装置を提供すること。
【解決手段】遊技情報管理装置1は、遊技機毎の遊技期間を持込遊技による持込遊技期間又は売上遊技による売上遊技期間に区分する期間区分手段111と、売上遊技期間において貸し出された遊技媒体について1個当たりの対価が貸出単価であり、かつ、持込遊技期間において他の遊技機から持ち込まれた遊技媒体について1個当たりの対価が交換単価であるとみなして、売上遊技期間と持込遊技期間とよりなる全体の遊技期間である全遊技期間に渡る遊技媒体1個当たりの平均の対価である平均単価の交換単価に対する割合である合成損益分岐を算出する合成損益分岐算出手段112と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場における遊技情報を管理するための遊技情報管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技に使用された遊技媒体数であるアウトから遊技により払い出された遊技媒体数であるセーフを差し引いた差数と、遊技のために貸し出した遊技媒体数である貸出数を用いた(貸出数−差数)/貸出数なる演算式により算出される、いわゆる営業割数を経営指標として利用する遊技場がある。この演算式における分子部分の(貸出数−差数)は景品交換対象となる遊技媒体数である交換対象媒体数を表している。それ故、営業割数は、貸出数に対する交換対象媒体数の割合とも表現される。遊技場の遊技情報を管理するための遊技情報管理装置としては、前記営業割数を算出可能な装置が提案されている(特許文献1参照。)。
【0003】
近年、例えばパチンコ機の遊技に関し、大当たり等で獲得した遊技媒体(出玉)の大当たり毎の景品交換を強制せずに出玉による遊技継続を許容する、いわゆる無制限営業を採用する遊技場がある。さらには、このような無制限営業に加えて、出玉を他の遊技機に持ち込んで遊技する、いわゆる台移動による持込遊技を認める営業形態を採用する遊技場もある。
【0004】
しかしながら、前記従来の遊技情報管理装置では、次のような問題がある。すなわち、営業割数等の遊技情報を算出するに当たって現金等の支払いを対価とした遊技媒体の貸し出しのみが前記貸出数の対象となっているため、新たな遊技媒体の貸し出しが発生しない台移動による持込遊技が含まれると遊技情報を精度良く算出できないおそれがある。前記従来の遊技情報管理装置は、台移動を許容する営業形態下においては、貸出数に基づいて算出される売上額や利益額や客滞率等の遊技情報を精度良く算出できないおそれが高く、下記特許文献2に記載された補正割数等についても同様のおそれがある。
【0005】
【特許文献1】特許3629291号公報
【特許文献2】特許3727944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、いわゆる台移動を認めない営業形態だけでなく台移動を許容する営業形態下においても有用な経営指針となり得る有効な遊技情報を算出可能な汎用性の高い遊技情報管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技媒体1個当たりの貸出単価に基づく貸出対価の支払いに応じて貸し出された遊技媒体である貸出売上媒体を使用して遊技できる遊技機が複数設置されると共に、遊技媒体1個当たりの交換単価に基づいて遊技により獲得した遊技媒体に対応する交換対価物を受け取り可能であって、前記貸出売上媒体を使用する売上遊技のほか、遊技により獲得した遊技媒体を他の遊技機に持ち込んで前記貸出売上媒体の代わりに使用する持込遊技を許容する遊技場における遊技情報を管理するための遊技情報管理装置であって、
遊技情報を特定可能な遊技信号を遊技機側から受信する受信手段と、
該受信手段が受信した遊技信号、あるいは所定の操作入力に基づいて前記持込遊技が行われているか否かを判定する判定手段と、
該判定手段による判定結果に基づいて、遊技機毎の遊技期間を前記持込遊技による持込遊技期間又は前記売上遊技による売上遊技期間に区分する期間区分手段と、
前記売上遊技期間において貸し出された遊技媒体について1個当たりの対価が前記貸出単価であり、かつ、前記持込遊技期間において他の遊技機からの持ち込みにより前記貸出売上媒体の代わりに遊技に使用された遊技媒体である持込媒体について1個当たりの対価が前記交換単価であるとみなして、前記売上遊技期間と前記持込遊技期間とよりなる全体の遊技期間である全遊技期間に渡る遊技媒体1個当たりの平均の対価である平均単価と、前記交換単価との比率を表す合成損益分岐を算出する合成損益分岐算出手段と、を備えたことを特徴とする遊技情報管理装置にある(請求項1)。
【0008】
本発明の遊技情報管理装置では、前記期間区分手段が遊技機毎の遊技期間を前記持込遊技期間又は前記売上遊技期間に区分する。そして、前記合成損益分岐算出手段が、前記全遊技期間に渡る遊技媒体1個当たりの前記平均単価と前記交換単価との比率を表す前記合成損益分岐を算出する。前記全遊技期間を前記持込遊技期間又は前記売上遊技期間に区分できれば、当該持込遊技期間と当該売上遊技期間との比率等に応じて前記平均単価を把握可能である。
【0009】
以上のように、本発明の遊技情報管理装置によれば、台移動による持込遊技を考慮した遊技情報を算出可能な優れた特性の装置である。この遊技情報管理装置は、台移動を許容する営業形態下であっても、有用な経営指針となり得る有効な遊技情報を算出可能である。
【0010】
本発明においては、前記全遊技期間に渡る遊技媒体1個当たりの前記平均単価と前記交換単価との比率を表す遊技情報として前記合成損益分岐を特定している。この合成損益分岐の算出方法としては、上記のような特定方法に沿った算出方法には限定されず、様々な算出方法を採用することができる。特に、前記合成損益分岐を算出する過程において、前記平均単価を算出しても良いし、算出しなくても良い。
【0011】
また、前記期間区分手段としては、前記持込遊技期間及び前記売上遊技期間の両方を直接的に特定することにより遊技期間を区分する手段のほか、前記持込遊技期間と前記売上遊技期間とからなる前記全遊技期間のうちのいずれか一方の遊技期間を直接的に特定することにより、残りの遊技期間である他方の遊技期間を間接的に特定して遊技期間を区分する手段であっても良い。
【0012】
また、所定の遊技期間内に遊技に使用された遊技媒体の累計使用数から遊技により払い出された遊技媒体の累計払出数を差し引いた差数を算出する差数算出手段と、
前記持込遊技期間中において前記差数算出手段が算出する前記差数の経時的変化に基づいて当該持込遊技期間における前記持込媒体の数である持込売上媒体数を特定する持込媒体数特定手段と、
該持込媒体数特定手段が特定した前記持込遊技期間毎の持込媒体数を積算して持込売上媒体数を特定する持込売上媒体数特定手段と、
前記売上遊技期間に貸し出された遊技媒体数である貸出売上媒体数を特定する貸出売上媒体数特定手段と、
前記持込売上媒体数と前記貸出売上媒体数とを合算して合成売上媒体数を算出する合成売上媒体数算出手段と、
前記全遊技期間について前記差数算出手段が算出した差数を前記合成売上媒体数から減算した交換対象媒体数の前記合成売上媒体数に対する割合である合成割数を算出する合成割数算出手段と、を備えていることが好ましい(請求項2)。
【0013】
この場合には、台移動による持込遊技により使用された前記持込売上媒体数を特定することで、前記合成売上媒体数を精度高く算出できる。この合成売上媒体数を利用すれば、台移動による持込遊技を考慮した遊技情報である前記合成割数を精度高く算出できるようになる。
【0014】
また、所定の遊技期間内に遊技に使用された遊技媒体の累計使用数から遊技により払い出された遊技媒体の累計払出数を差し引いた差数を算出する差数算出手段と、
前記持込遊技期間中において前記差数算出手段が算出する前記差数の経時的変化に基づいて当該持込遊技期間における前記持込媒体の数である持込売上媒体数を特定する持込売上媒体数特定手段と、
前記売上遊技期間に遊技場側に支払われた貸出対価である貸出売上利益と、遊技媒体の持込使用に応じて前記持込売上媒体数に対応する前記交換対価物の提供を免れたことによる持込売上利益とを合算した合成売上額を算出する合成売上額算出手段と、
前記持込遊技期間について前記差数算出手段が算出した差数に前記交換単価を乗算した額と、前記売上遊技期間について前記差数算出手段が算出した差数に前記貸出単価を乗算した額との合計額を前記合成売上額から差し引いた交換対象額を算出する交換対象額算出手段と、
前記合成売上額に対する前記交換対象額の割合である合成割数を算出する合成割数算出手段と、を備えていることが好ましい(請求項3)。
【0015】
この場合には、台移動による持込遊技により使用された前記持込売上媒体数を特定することで、前記合成売上額を精度高く算出できるようになる。この合成売上額を利用すれば、台移動による持込遊技を考慮した遊技情報である前記合成割数を精度高く算出できるようになる。
【0016】
また、前記貸出単価から前記交換単価を差し引いた差単価を前記持込媒体数に乗じた持込損益を算出する持込損益算出手段を備えていることが好ましい(請求項4)。
この場合には、台移動による持込遊技により使用された前記持込媒体数を利用して、持込遊技による遊技場経営における影響度合いを表す前記持込損益を精度高く把握できるようになる。
【0017】
また、前記遊技機は、通常遊技状態のほかに、理論上の大当たり確率に基づく大当たり抽選での当選に応じた大当たり状態を発生するように構成されており、
少なくとも大当たり状態以外の遊技状態である通常遊技状態の発生期間について前記差数算出手段が算出した前記差数である通常差数を、前記持込売上媒体数と前記貸出売上媒体数とを合算した合成売上媒体数により除算してなる合成客滞率を算出する合成客滞率算出手段と、
前記合成客滞率及び前記大当たり確率を用いて、前記理論上の大当たり確率に沿って大当たりが発生した場合の遊技情報である補正遊技情報を計算するシミュレート手段と、を備えていることが好ましい(請求項5)。
【0018】
この場合には、台移動による持込遊技を考慮した前記合成客滞率により前記補正遊技情報を計算すれば、例えば、前記特許文献2に記載された補正割数のごとく、前記理論上の大当たり確率通りに大当たりが発生した場合における前記補正遊技情報を精度高く算出できるようになる。
【0019】
また、前記シミュレート手段は、前記合成売上媒体数に対応する補正合成売上媒体数、及び前記合成売上額に対応する補正合成売上額を前記補正遊技情報として計算するように構成されており、
前記補正合成売上媒体数に前記貸出単価を乗じた値から前記補正合成売上額を差し引いた補正持込損益を算出する補正持込損益算出手段を備えていることが好ましい。
【0020】
また、前記シミュレート手段は、前記持込売上媒体数に対応する補正持込売上媒体数を前記補正遊技情報として計算するように構成されており、
前記貸出単価から前記交換単価を差し引いた値に前記補正持込売上媒体数を乗算してなる補正持込損益を算出する補正持込損益算出手段を備えていることが好ましい(請求項6)。
【0021】
この場合には、前記理論上の大当たり確率通りに大当たりが発生した場合についての理論上の持込損益である前記補正持込損益を精度高く算出できるようになる。つまり、遊技機毎の実際の大当たり確率の偏りによる影響を抑制した前記補正持込損益は、非常に有用な経営情報となり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、台移動を許容する営業形態下においても有用な遊技情報管理装置1に関する例である。この内容について、図1〜図11を用いて説明する。
【0023】
本例の遊技情報管理装置1(適宜、管理装置1。)は、図1に示すごとく、遊技情報を管理するために遊技場に設置された装置である。管理装置1は、図1に示すごとく、遊技機2、玉回収装置(図示略)及び貸出装置3が接続された中継器4と共に通信ネットワーク40に接続されている。本例では、通信ネットワーク40としてCAN(Controller Area Network)を採用している。通信ネットワーク40としては、本例のCANに代えて、MOSTやイーサネット(R)など、様々なLAN規格等の仕様を採用可能である。
【0024】
遊技機2は、図1に示すごとく、いわゆるセブン機と呼ばれるパチンコ機である。遊技機は、始動口への入賞に応じて大当たり抽選を行い、抽選結果に応じた図柄変動を行い、その結果に応じて大当たり状態を発生させる。大当たり抽選の当選確率(大当たり確率)は、1/315.5に設定されている。さらに、大当たり後に大当たりが発生し易い状態である確変状態(確変)となる大当たり(確変大当たり)の割合は、大当たり全体のうちの54%となっている。なお、この遊技機2は、大当たり抽選を最大4つまで保留する、いわゆる保留機能を備えている。
【0025】
確変は、大当たり確率が1/31に向上すると共に、始動口への入賞率が高くなる時短状態(時短)となる遊技状態である。確変は、次回大当たりまで継続し、大当たりの終了に伴い大当たりでも確変でもない状態である通常遊技状態(通常状態)となる大当たり(通常大当たり)の発生をもって終了する。なお、通常大当たり終了後は100回の図柄変動を行うまで単独時短状態となり、その後、通常状態に復帰する。これら確変及び時短状態は、大当たりが発生し易いなど、通常状態よりも遊技者にとって有利である。本例では、これら確変及び時短状態を甘モードと定義している。この甘モードの発生中には、甘中フラグがオン状態に設定されると共に、確変信号が出力される。
【0026】
本例の遊技機2では、大当たり後、通常状態に復帰(すなわち、甘モードが終了)するまでに期待できる大当たり数である平均継続回数(K)は、初回の大当たりを含めて2.986回となり、理論上の甘モード中の平均大当たり抽選回数である理論TSAが1/85となる。なお、これらの理論値は、いずれも後述するスペック(図2)を利用して計算可能である。
【0027】
遊技機2で大当たりが発生すると、大入賞口26を開放するラウンド処理が15ラウンド(R)繰り返し実行される。なお、1Rの上限入賞数は10個、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数及び上限開放時間のいずれかが満たされた場合に1Rが終了する。この大当たり状態では、大当たりフラグがオン状態に設定される。なお、遊技機2は、中継器4を介して後述する各種の遊技信号を出力するように構成されている。
【0028】
貸出装置3は、図1に示すごとく、遊技に使用する玉(遊技媒体)を貸出玉として貸し出す(払い出す)装置である。貸出装置3は、各遊技機2に個別に対応するよう、隣り合う他の遊技機2との台間スペースに設置されている。貸出装置3は、現金を対価として所定数の玉(100円相当)を貸し出す毎の売上信号を遊技信号として出力する。
【0029】
貸出装置3は、貸出玉の代金としての紙幣や硬貨等を投入する貨幣投入口31と、遊技情報等を表示するタッチパネル式の液晶表示部32と、会員カードあるいは計数カードを挿入するカードスリット33を含むカード読取部(図示略)と、玉を払い出す払出ノズル35と、を備えている。
【0030】
中継器4は、図1に示すごとく、遊技機2、玉回収装置及び貸出装置3に接続され、貸出装置3を含む遊技機2側と管理装置1との中継処理(情報の送受信)を行う装置である。中継器4は、各遊技機2及び貸出装置3が出力する遊技信号に台番(遊技機ID)を関連付けて通信ネットワーク40に送出すると共に、台番が関連付けされた通信情報を通信ネットワーク40から取り込むように構成されている。
【0031】
中継器4は、以下の遊技信号を通信ネットワーク40に向けて送出する。
1)アウト信号:使用玉を回収する玉回収装置が出力する遊技信号。回収(使用、打込)玉10玉毎に1パルス。アウト(使用媒体数)は、アウト信号数×10玉となる。なお、アウト信号を出力可能な遊技機2であれば、玉回収装置を省略することも可能である。
2)セーフ信号:遊技機2が出力する遊技信号。払出玉10玉毎に1パルス。セーフ(払出媒体数)は、セーフ信号数×10玉となる。なお、玉補給装置からの補給信号をセーフ信号として利用することも可能である。
3)スタート信号:遊技機2が出力する遊技信号。始動ロ21への入賞、あるいは始動口21への入賞により変動(動作)する表示部25(役物)における図柄変動(役物作動、スタート処理)1回につき1パルス。
4)大当たり信号:遊技機2が出力する遊技信号。大当たり中にレベル出力される状態信号。
5)確変信号:遊技機2が出力する遊技信号。確変状態あるいは時短状態の発生中にレベル出力される特別遊技状態信号。なお、時短状態の単独発生中、あるいは確変状態の単独発生中を表す状態信号を特別遊技状態信号として設定しても良い。
6)売上信号:貸出装置3が出力する遊技信号。遊技者に貸し出された遊技媒体(以下、貸出玉。)のうち、現金等の有価価値を対価とした貸出玉25玉(100円分)毎に1パルス。
【0032】
管理装置1は、図1に示すごとく、液晶ディスプレイ150及び図示しないプリンタ等の出力部15と、各種の演算処理を実行する装置本体10と、キーボード160及び図示しないマウスを含む入力部16とを備えている。装置本体10は、演算処理を実行するCPUを含む制御部11のほか、ハードディスクドライブ(HDD)、ROM、RAM等を含む記憶部12、及び各種信号あるいは情報の入出力経路をなす通信ポート(図示略)を含む受信部13(I/O)を備えている。本例の管理装置1は、受信部13を介して通信ネットワーク40に接続され、受信部13を介して各遊技機2側から出力される遊技信号の受信等を行う。
【0033】
受信部13は、遊技機2毎の遊技信号等を受信する受信手段130としての機能を備えている。受信手段130は、10玉使用された旨を表すアウト信号、遊技により10玉払い出した旨を表すセーフ信号、100円を対価として25玉貸し出した旨を表す売上信号等の遊技信号を遊技機2毎に区別して受信する。
【0034】
出力部15は、各種の遊技情報を含む後述する帳票(図8、図9)を出力する出力手段151としての機能を備えている。出力手段151は、液晶ディスプレイ150に帳票を表示するほか、図示しないプリンタにより帳票をプリントアウトする。なお、図8、図9に示す帳票の内容については後で説明する。
【0035】
記憶部12は、管理対象の遊技機等のスペック(仕様)を記憶するスペック記憶手段121、各種の遊技情報を記憶する遊技情報記憶手段122を備えている。遊技情報記憶手段122は、図3〜図7に示すごとく各種の遊技情報を記憶している。各図の遊技情報の内容については後で説明する。
【0036】
スペック記憶手段121は、図2に示すごとく、管理対象の遊技機のスペックのほか、貸出単価及び交換単価などのレート情報を営業スペックとして記憶している。スペック記憶手段121が記憶するスペックとしては、以下の各スペックがある。
1)理論TS:理論上、大当たりを発生させるために必要な大当たり抽選回数(図柄変動数)の平均値。つまり、通常遊技状態における大当たり当選確率の逆数。
2)スタート賞球:始動ロ21へ入賞した場合の賞球数
3)貸出単価:貸出玉1玉当りの貸出額単価
4)交換単価:景品玉1玉当りの交換相当単価
なお、管理対象となる遊技機が複数種類である場合に対応するため、対応する遊技機毎、あるいは遊技機のグループ毎に対応するスペック情報を記憶する必要がある。また、前述した平均継続回数や、甘モード中の理論TSA等を適宜、遊技機のスペックとして記憶することも良い。
【0037】
制御部11は、図1に示すごとく、遊技機毎の遊技期間を持込遊技期間又は売上遊技期間に区分する期間区分手段111、合成損益分岐を算出する合成損益分岐算出手段112、所定の遊技期間内に使用されたアウト(累計使用数)からセーフ(累計払出数)を差し引いた差玉(差数)を算出する差数算出手段113、他の遊技機から持ち込まれた持込玉(持込媒体数)を持込遊技期間毎に特定する持込媒体数特定手段114、持込遊技期間毎の持込玉を積算して持込売上玉(持込売上媒体数)を特定する持込売上媒体数特定手段115と、売上遊技期間の貸出売上玉(貸出売上媒体数)を特定する貸出売上媒体数特定手段116、持込売上玉と貸出売上玉とを合算した合成総売上玉(合成売上媒体数)を算出する合成売上媒体数算出手段117、合成割数を算出する合成割数算出手段118、貸出売上玉に対応する貸出売上額(貸出売上利益)と持込売上玉に対応する持込売上額(持込売上利益)とを合算した合成総売上額(合成売上額)を算出する合成売上額算出手段119、交換対象額を算出する交換対象額算出手段141、持込損益を算出する持込損益算出手段142、合成客滞率を算出する合成客滞率算出手段143、合成客滞率及び大当たり確率等を用いて補正遊技情報を計算するシミュレート手段144、補正持込損益を算出する補正持込損益算出手段145、持込遊技が行われているか否かを判定する判定手段146としての機能を備えている。
【0038】
判定手段146は、持込遊技が行われているか否かを判定する手段である。判定手段146では、遊技機2毎の持込フラグが設定されている。持込フラグは、対応する遊技機2の客交代の検出に応じてオン状態に設定される一方、対応する遊技機の売上信号の受信に応じてゼロリセットされるフラグである。本例の判定手段146は、客交代に応じて暫定的に持込遊技と判定する一方、売上信号の受信に応じて持込遊技ではなく売上遊技であると判定する。
【0039】
期間区分手段111は、遊技機毎の遊技期間を持込遊技期間又は売上遊技期間に区分する手段である。本例の管理装置1では、持込遊技に対応する持込フラグが遊技機毎に規定されている。持込フラグは、客交代の検出に応じてオン状態となる一方、貸玉に対する現金等の支払いの検出、すなわち売上の検出に応じてゼロリセットされるフラグである。持込フラグは、遊技者が他の遊技機で獲得した玉を持ち込み、その遊技機で貸玉を受けていない状態でオン状態となる。期間区分手段111は、持込フラグがオン状態のときに持込遊技期間と判断し、持込フラグがゼロであるときに売上遊技期間と判断する。なお、本例では、従業員が携帯するリモコンが出力する客交代信号により客交代が検出される。すなわち、従業員の判断により遊技者毎の遊技終了を判定することになる。また、本例では、後述するように持込遊技期間を持込フラグにより特定し、全遊技期間の遊技情報から持込遊技期間の遊技情報を除外することで売上遊技期間の遊技情報を特定している。すなわち、持込遊技期間、及び売上遊技期間のうち、少なくとも一方を特定し両者を区分すれば良い。
【0040】
合成損益分岐算出手段112は、図6に示すごとく、持込遊技を考慮した損益分岐である合成損益分岐を算出する手段である。持込遊技がない場合の損益分岐は、貸出単価÷交換単価である。これに対して、合成損益分岐=(売上アウト×貸出単価+持込アウト×交換単価)÷(アウト×交換単価)となる。この演算式を変形すれば、合成損益分岐=((売上アウト×貸出単価+持込アウト×交換単価)÷アウト)÷交換単価となる。ここで、(売上アウト×貸出単価+持込アウト×交換単価)÷アウトの部分は、売上遊技期間における貸出玉1個当たりの対価を貸出単価とし、かつ、持込遊技期間において持込売上玉1個当たりの対価を交換単価とみなした際の全遊技期間に渡る玉1個当たりの平均の対価である平均単価となる。
【0041】
すなわち、売上遊技期間における遊技情報(売上遊技情報)である売上アウトと、持込遊技期間における遊技情報(持込遊技情報)である持込アウトとが、全遊技期間における遊技情報であるアウト(売上アウト+持込アウト、全遊技情報)に占める割合を、売上遊技期間と持込遊技期間とが全遊技期間に占める割合に相当するとみなし、さらに持込遊技期間において、持込売上玉を貸出玉、その単価である交換単価を貸出単価とみなした上で、売上遊技期間の貸出単価と持込遊技期間の貸出単価である交換単価とについて、各遊技期間が全遊技期間に占める割合に応じた加重平均貸出単価を全遊技期間に渡る平均単価と定義している。つまり、持込遊技を考慮した損益分岐である合成損益分岐は平均単価÷交換単価により示すことができ、その演算式を展開した上記演算式や、持込比率×(1−損益分岐)+損益分岐、(損益分岐−1)×売上比率+1、さらには損益分岐×(合成総売上額−持込損益)÷合成総売上額等の演算式によっても算出可能である。なお、持込比率=持込アウト÷アウト、売上比率=売上アウト÷アウトであり、合成総売上額、持込損益については後述する。
【0042】
差数算出手段113は、図3に示すごとく、所定の遊技期間内のアウト(累計使用数)からセーフ(累計払出数)を差し引いた差玉(差数)を算出する手段である。本例では、持込フラグがオン状態であるときに受信したアウト及びセーフを持込アウトあるいは持込セーフとして集計する。持込アウト、持込セーフによれば、持込遊技期間における差数である持込差玉を算出可能である。
【0043】
持込媒体数特定手段114は、図3に示すごとく、他の遊技機から持ち込まれた持込玉(持込媒体数)を持込遊技期間毎に特定する手段である。持込媒体数特定手段114は、進行中の持込遊技期間についての当該期間の開始後の持込差玉の経時的変化における最大値を、その持込遊技期間における持込玉(持込媒体数)として特定する。なお、持込差玉及び持込玉は、客交代検出時に初期化される。
【0044】
持込売上媒体数特定手段115は、図3に示すごとく、持込媒体数特定手段114が持込遊技期間毎に特定した持込玉を積算して持込売上玉(持込売上媒体数)を特定する手段である。この持込売上玉が、全遊技期間において持込遊技により他の遊技機から持ち込まれた玉の総数である。持込売上玉は、持込遊技期間において貸出玉に代えて遊技に使用された玉の数である。
【0045】
貸出売上媒体数特定手段116は、図3に示すごとく、売上遊技期間に売り上げた貸出売上玉(貸出売上媒体数)を特定する手段である。売上媒体数特定手段は、売上遊技期間における売上信号の受信回数に25玉を掛け合わせて貸出売上玉を特定する。貸出売上玉とは、現金等を対価とした貸し出しにより、売上が発生した玉数であり、前述した貸玉に相当している。
【0046】
合成売上媒体数算出手段117は、図6に示すごとく、持込売上玉と貸出売上玉とを合算した合成総売上玉(合成売上媒体数)を算出する手段である。合成総売上玉=貸出売上玉+持込売上玉である。
合成売上額算出手段119は、図6に示すごとく、貸出売上玉の対価である貸出売上額と、持込売上玉の対価である持込売上額とを合算した合成総売上額(合成売上額)を算出する手段である。ここで、貸出売上額=貸出売上玉×貸出単価であり、持込売上額=持込売上玉×交換単価である。合成総売上額とは、合成総売上玉の対価であると言い換えることができる。
【0047】
交換対象額算出手段141は、図6に示すごとく、平均単価基準での景品交換対象の金額である交換対象額を算出する手段である。交換対象額=合成総売上額−(売上アウト−売上セーフ)×貸出単価−(持込アウト−持込セーフ)×交換単価である。なお、本例では、後述する合成割数の算出過程において算出される交換対象額を出力対象としていないが、これに代えて、交換対象額を出力しても良い。
【0048】
合成割数算出手段118は、図6に示すごとく、合成総売上額に対する交換対象額の割合である合成割数を算出する手段である。合成割数とは、持込売上玉について対価が発生したとみなした場合の割数であると言い換えることができる。合成割数=(合成総売上額−(売上アウト−売上セーフ)×貸出単価−(持込アウト−持込セーフ)×交換単価)÷合成総売上額である。なお、本例に代えて、合成総売上玉に対する交換対象玉(交換対象媒体数=合成総売上玉−差玉)の割合を合成割数として算出することもできる。
【0049】
持込損益算出手段142は、図6に示すごとく、持込損益を算出する手段である。持込損益とは、持込遊技が行われたことで発生した遊技場側の逸失利益を意味している。持込損益=(貸出単価−交換単価)×持込売上玉=合成総売上玉×貸出単価−合成総売上額である。
合成客滞率算出手段143は、合成客滞率を算出する手段である。合成客滞率とは、持込売上玉について対価が発生したとみなした場合の客滞率である。合成客滞率=((Bアウト−Bセーフ)÷アウト)×(売上アウト×貸出単価+持込アウト×交換単価)÷合成総売上額、すなわち(Bアウト−Bセーフ)÷合成総売上玉である。ここで、Bアウトは、通常期間(通常遊技状態である遊技期間)のアウトであるBセーフは、通常期間のセーフである。
【0050】
シミュレート手段144は、図5及び図7に示すごとく、合成客滞率及び大当たり確率等を用いて、大当たり確率に沿って大当たりが発生した場合の補正遊技情報を計算する手段である。シミュレート手段144が計算する補正遊技情報の内容については後述する。
補正持込損益算出手段145は、図7に示すごとく、理論上の損益分岐である補正持込損益を算出する手段である。なお、補正持込損益の計算方法については、後で説明する。
【0051】
次に、以上のように構成された管理装置1の動作について、図10、図11のフロー図を用いて説明する。図10は、各種の遊技情報を特定する遊技情報特定処理の流れを示している。図11は、状態判定処理の流れを示している。
【0052】
まず、遊技情報特定処理の流れについて図10を用いて説明する。管理装置1は、まず、アウト信号の受信(S101)、セーフ信号の受信(S102)、売上信号の受信(S103)及び客交代の検出(S107)を判断する。
アウト信号を受信した場合には(S101:YES)、アウトを10玉加算した後(S121)、大当たりフラグ及び甘中フラグのフラグ状態を判断する(S122)。大当たりフラグ及び甘中フラグがいずれもゼロである場合には(S122:YES)、Bアウトを10玉加算する(S123)。一方、大当たりフラグ及び甘中フラグのいずれかが1である場合には(S122:NO)、ステップS123を迂回する。
【0053】
その後、持込フラグのフラグ状態を判断する(S124)。持込フラグが1である場合には(S124:YES)、持込アウトを10玉加算すると共に(S125)、持込差玉を10玉加算する(S126)。そして、持込差玉と持込玉との大小関係を比較する(S127)。持込差玉が持込玉よりも多い場合には(S127:YES)、(持込差玉−持込玉)を持込売上玉に加算し(S128)、持込玉に持込差玉を代入する(S129)。
【0054】
セーフ信号を受信した場合には(S102:YES)、セーフを10玉加算した後(S111)、大当たりフラグ及び甘中フラグのフラグ状態を判断する(S112)。大当たりフラグ及び甘中フラグがいずれもゼロである場合には(S112:YES)、Bセーフを10玉加算する(S113)。一方、大当たりフラグ及び甘中フラグのいずれかが1である場合には(S112:NO)、ステップS113を迂回する。続いて持込フラグのフラグ状態を判断する(S114)。持込フラグが1である場合には(S114:YES)、持込セーフを10玉加算する一方(S115)、持込差玉を10玉減算する(S116)。
【0055】
売上信号を受信した場合には(S103:YES)、貸出売上玉を25玉加算し(S104)、持込フラグのフラグ状態を判断する(S105)。持込フラグが1である場合には(S105:YES)、持込フラグをゼロリセットする(S106)。
客交代が検出された場合には(S107:YES)、持込フラグに1をセットすると共に(S108)、持込差玉及び持込玉を初期化する(S109)。
【0056】
次に、状態判定処理について図11を用いて説明する。ここでは、まず、大当たりフラグのフラグ状態を判断する(S201)。大当たりフラグが1である場合には(S201:YES)、大当たり信号の受信終了を判断する(S202)。大当たり信号の受信が終了した場合には(S202:YES)、大当たりフラグをゼロリセットすると共に(S203)、確変信号の受信が開始されたか否かを判断する(S204)。確変信号の受信が開始された場合には(S204:YES)、甘中フラグに1をセットする(S205)。
【0057】
前記ステップS201において大当たりフラグがゼロである場合には(S201:NO)、大当たり信号の受信が開始されたか否かを判断する(S211)。大当たり信号の受信が開始されていない場合には(S211:NO)、甘中フラグのフラグ状態を判断する(S212)。甘中フラグが1である場合には(S212:YES)、確変信号の受信終了を判断する(S213)。確変信号の受信が終了した場合には(S213:YES)、甘中フラグをゼロリセットする(S214)。
【0058】
一方、大当たり信号の受信が開始された場合には(S211:YES)、大当たりフラグに1をセットした後(S221)、甘中フラグのフラグ状態を判断する(S222)。甘中フラグがゼロである場合には(S222:YES)、通常大当たりを1回加算する(S223)。甘中フラグが1である場合には(S222:NO)、ステップS223を迂回する。
【0059】
以上のような処理を実行する本例の管理装置によれば、図3〜図7に示すような遊技情報を集計あるいは生成できる。
図3の各遊技情報は、以下の通りである。
1)アウト:遊技に使用された玉数(使用媒体数)
2)Bアウト:通常期間のアウト
3)持込アウト:遊技者が他の遊技機で獲得した遊技媒体(獲得玉)を利用した持込遊技期間中のアウト。すなわち、持込フラグがオン状態に設定されてからのアウト。
4)セーフ:遊技により払い出された玉数(払出媒体数)
5)Bセーフ:通常期間のセーフ
6)持込セーフ:持込遊技期間中のセーフ
7)貸出売上玉:現金等を対価とした貸玉により売上が発生した売上玉
8)持込差玉:遊技中の遊技者の持込遊技期間における差玉。持込差玉=持込アウト−持込セーフ。持込差玉は、客交代検出時に初期化されるため、持込遊技の開始時点の持込差玉はゼロとなる。
9)持込玉:遊技中の遊技者の持込遊技期間における持込差玉の最大値。持込遊技期間において他の遊技機から持ち込まれた玉数。
10)持込売上玉:各持込遊技期間についての持込玉を合計した玉数。すなわち、持込遊技期間における合計持込玉。
11)スタート:通常期間の図柄変動数。なお、前出のフローでは、省略している。
12)通常大当たり:通常期間に発生した大当たり回数
13)持込フラグ:持込遊技中を示すフラグ。客交代時に1(オン状態)となり貸玉発生時にゼロ(オフ状態)となるフラグ。
【0060】
図4に示す以下の各遊技情報は、図3の遊技情報に基づく周知の集計方法により集計される遊技情報である。
1)ベース:通常期間中の出玉率。ベース=Bセーフ÷Bアウト
2)平均S:通常期間中における単位アウト(1000玉)に対する平均スタート。平均S=スタート÷Bアウト×単位アウト
3)BY:有効スタート入賞(図柄変動を伴う始動口入賞)による払出を除いた通常期間中の出玉率。BY=ベース−平均S÷単位アウト×スタート賞球
4)TO:通常大当たりが発生してから通常期間となるまでの平均アウト。TO=(アウト−Bアウト)÷通常大当たり
5)TY:通常大当たりが発生してから通常期間となるまでの平均出玉。TY=((セーフ−Bセーフ)−(アウト−Bアウト))÷通常大当たり
6)出玉率:セーフ÷アウト
7)貸出売上額:貸出売上玉の対価の額。貸出売上額=貸出売上玉×貸出単価
8)客滞率:貸出売上玉に対する通常期間の差玉の割合。客滞率=(Bアウト−Bセーフ)÷貸出売上玉
9)粗利:遊技による遊技場側の利益。粗利=売上額−(売上玉−(アウト−セーフ))×交換単価
10)割数:貸出売上玉(売上額)に対する景品玉(貸出単価基準の景品額)の割合。割数=(貸出売上玉−(アウト−セーフ))÷貸出売上玉
11)玉単価:アウトに対する売上額の割合。玉単価=売上額÷アウト
12)玉粗利:アウトに対する粗利の割合。玉粗利=粗利÷アウト
【0061】
以下に示す図5の各遊技情報は、シミュレーション手段が理論上の大当たり確率に基づいて計算した遊技情報である。
1)補正BO:大当たり確率に沿って大当たりが発生した場合に通常期間において大当たりを発生させるために必要な理論上のアウト。すなわち、実際のスタートとBアウトとの対応関係、並びに設定された理論TSにより導かれる理論TS相当のスタートに対応するアウト。補正BO=理論TS÷平均S×単位アウト=理論TS÷スタート×Bアウト
2)補正Bサ:補正BOに対応する差玉。補正Bサ=(1−ベース)×補正BO
3)補正アウト:通常期間において大当たりが発生し、再び通常期間となるまでに必要な理論上のアウト。補正アウト=補正BO+TO
4)補正セーフ:補正アウトに対応するセーフ。補正セーフ=補正BO×ベース+TO+TY
5)補正出玉率:理論上の出玉率。補正出玉率=補正セーフ÷補正アウト
6)補正売上玉:補正アウトに対応する売上玉。補正売上玉=補正Bサ÷客滞率
7)補正玉単価:補正アウトに対応する玉単価。補正玉単価=補正売上玉×貸出単価÷補正アウト
8)補正総売上額:実際のアウトに対する理論上の売上額。補正総売上額=補正玉単価×アウト
9)補正割数:補正アウトに対応する割数。補正割数=(補正売上玉−(補正アウト−補正セーフ))÷補正売上玉)
10)補正玉粗利:補正アウトに対応する玉粗利。補正玉粗利=(補正売上玉×貸出単価−(補正売上玉−(補正アウト−補正セーフ))×交換単価)÷補正アウト
11)補正総粗利:実際のアウトに対する理論上の粗利。補正総粗利=補正玉粗利×アウト
【0062】
以下に示す図6の各遊技情報は、持込遊技を考慮した遊技情報の集計である。
1)売上アウト:現金等を投資して遊技した売上遊技期間におけるアウト。売上アウト=アウト−持込アウト
2)売上セーフ:現金等を投資して遊技した売上遊技期間におけるセーフ。売上セーフ=セーフ−持込セーフ
3)持込売上額:持込売上玉の対価額。持込売上額=持込売上玉×交換単価
4)合成総売上玉:貸出売上玉と持込売上玉の合計値。合成総売上玉=貸出売上玉+持込売上玉
5)合成総売上額:合成総売上玉の対価。合成総売上額=売上額+持込売上額。
6)合成総粗利:持込売上玉について対価が発生したとみなした場合の合計粗利。合成総粗利=合成総売上額−(合成総売上玉−(アウト−セーフ))×交換単価
7)合成損益分岐:持込遊技を考慮した損益分岐。合成損益分岐=(売上アウト×貸出単価+持込アウト×交換単価)÷(アウト×交換単価)
8)合成割数:持込売上玉について対価が発生したとみなした場合の割数。合成割数=(合成総売上額−(売上アウト−売上セーフ)×貸出単価−(持込アウト−持込セーフ)×交換単価)÷合成総売上額
9)参照割数:合成損益分岐を損益分岐に見立てた場合の合成割数。参照割数=合成割数÷合成損益分岐×損益分岐
10)合成客滞率:持込売上玉について対価が発生したとみなした場合の客滞率。合成客滞率=((Bアウト−Bセーフ)÷アウト)×(売上アウト×貸出単価+持込アウト×交換単価)÷合成総売上額=(Bアウト−Bセーフ)÷合成総売上玉
11)合成玉単価:合成総売上額に対応する玉単価。合成玉単価=合成総売上額÷アウト
12)合成玉粗利:合成総粗利に対応する玉粗利。合成玉粗利=合成総粗利÷アウト
13)持込損益:持込遊技が行われたことで発生した逸失利益額。持込損益=(貸出単価−交換単価)×持込売上玉=合成総売上玉×貸出単価−合成総売上額
【0063】
図7に示す遊技情報は、シミュレーション手段が理論上の大当たり確率に基づいて計算した補正遊技情報である。
1)補正合成客滞率:補正Bサに対応した合成客滞率。補正合成客滞率=補正Bサ÷補正アウト×(売上アウト×貸出単価+持込アウト×交換単価)÷合成総売上額=補正Bサ÷合成総売上玉×アウト÷補正アウト
2)補正合成総売上玉:理論上の合成総売上玉。補正合成総売上玉=(アウト×補正Bサ÷補正アウト)÷合成客滞率=補正合成総売上額÷平均単価=補正合成売上玉÷補正アウト×アウト。なお、平均単価=(売上アウト×貸出単価+持込アウト×交換単価)÷アウト、補正合成売上玉=補正Bサ÷合成客滞率
3)補正合成総売上額:理論上の合成総売上額。補正合成総売上額=(売上アウト×貸出単価+持込アウト×交換単価)×補正Bサ÷補正アウト÷合成客滞率=補正合成玉単価×アウト
4)補正合成割数:理論上の合成割数。補正合成割数=(補正合成総売上額−(売上アウト×貸出単価+持込アウト×交換単価)×(1−補正出玉率))÷補正合成総売上額=(補正合成売上玉−補正アウト×(1−補正出玉率))÷補正合成売上玉
5)補正参照割数:理論上の参照割数。補正参照割数=損益分岐×補正合成割数÷合成損益分岐
6)補正合成総粗利:理論上の合成総粗利。補正合成総粗利=補正合成総売上額−(補正合成総売上玉−アウト×(1−補正出玉率))×交換単価=補正合成玉粗利×アウト
7)補正持込損益:理論上の持込損益。補正持込損益=補正合成総売上玉×貸出単価−補正合成総売上額 なお、補正持込売上玉=(持込アウト×補正Bサ÷補正アウト)÷合成客滞率を用いれば、補正持込損益=(貸出単価−交換単価)×補正持込売上玉となる。
8)補正合成玉単価:理論上の合成玉単価。補正合成玉単価=補正合成総売上額÷アウト=補正合成売上玉÷補正アウト×平均単価
9)補正合成玉粗利:理論上の合成玉粗利。補正合成玉粗利=補正合成総粗利÷アウト=(補正合成売上額−(補正合成売上玉−補正アウト×(1−補正出玉率))×交換単価)÷補正アウト。なお、補正合成売上額=補正合成売上玉×平均単価。
【0064】
次に、従来の管理手法による集計を図8に示し、本案の管理手法による集計を図9に示した上で両者を対比説明する。
図8は、従来の帳票を表した図で、出玉率、玉単価等が同条件である一方、売上遊技と持込遊技の比率(アウトに対する持込アウトの割合=持込比率)が異なる遊技場における遊技情報の変動をシミュレートした帳票を示す図である。なお、従来は売上遊技と持込遊技とを区分して管理していなかったが、図8においては、図9の帳票との比較を容易にすべく説明上、売上遊技と持込遊技とを区分している。
【0065】
図8の帳票では、持込遊技については貸出売上玉が発生しないため、持込比率が高くなるにつれて貸出売上玉が減少して客滞率が高い値となっている。すなわち、遊技場における実質的な客滞率を特定できないため、ベース等の釘調整情報のみに左右されるはずの補正割数等の補正情報が、持込比率に応じて左右される客滞率によりバラバラな数値となってしまっている。
【0066】
ここで、図8の帳票における2段目、3段目、4段目の遊技情報(それぞれ、A、B、Cとする。)を比較してみる。遊技情報A、B、Cにおける持込アウトは、それぞれ、10000、25000、40000であり、持込比率が、それぞれ、20%、50%、80%となっている。持込アウトの差分については、遊技情報AとBの間も、遊技情報BとCの間もいずれも15000である。一方、補正割数、客滞率の差分については、遊技情報AとBの間の差分に比べて、遊技情報BとCの間の差分が非常に拡大している。すなわち、図8によれば、持込比率が大きくなるに従って客滞率や補正割数の変化度合いが拡大していることが解る。つまり、持込比率が小さい範囲では、持込比率が変動しても客滞率等がそれ程、変動しない一方、持込比率が大きい範囲では、持込比率が少し変動すると客滞率が大きく変動するおそれがある。このように持込比率が大きくなってくると、客滞率等の変動が拡大するため、本例の構成が特に有効となってくる。
【0067】
本例の管理装置1が出力可能な帳票を示す図9は、図8と同一条件にて本案における遊技情報を示しているが、合成客滞率はいずれの持込比率においても同一値となる。すなわち、釘調整情報が同一であれば、持込比率が変動しても補正遊技情報は常に一定となる。合成損益分岐は、持込比率が0%であれば従来の損益分岐を示す値であり、持込比率に連動する値である。例えば持込比率が100%であれば貸出単価=交換単価となることに対応した100%となる。
【0068】
なお、参照割数は、持込比率に連動する合成損益分岐が従来の損益分岐であった場合における割数を示す値である。したがって、どのような持込比率であっても、従来の損益分岐を基準値として割数を参照でき、従来と同様に割数を参照できる。例えば、図9の釘調整において持込比率が0%であれば、補正参照割数は粗利を多く取りすぎる程の割数であることが把握できるが、持込比率が50%であれば、適度な粗利の出る適正な値であることが分かる。この場合、実質的には適度な補正割数であっても、従来の図8の補正割数では、持込比率0%の割数と大きく変わりがないため、粗利が適正値であるにも関わらず、必要以上に出玉率の高い釘調整を行ってしまうおそれがあった。このように、持込比率に応じて損益分岐が異なる点に着目し、持込比率に応じた適切な(補正)情報を算出可能である点が本発明の技術的な特徴のひとつである。持込損益によれば持込遊技によりどれだけの売上高、すなわち粗利が減少したのかを把握できる。また、併せて合成損益分岐を参照することにより、持込遊技が遊技場の利益に与える影響を多面的に把握できる様になる。
【0069】
なお、図2〜図7までの定義、及び演算式によれば、例えば、「平均S」を釘調整により変更した場合に(「ベース」は平均S×スタート賞球÷単位アウト+BYにより特定する)、現在の持込遊技の状況で、どのような遊技情報となるのか等の各種シミュレートが可能になる。もちろん、演算式を逆算し、補正粗利等を特定した場合にどのような平均Sとすれば良いかもシミュレート計算可能である。
【0070】
貸出売上玉が発生しない持込遊技があった場合、現金の投資はないが、遊技場から見れば景品玉を交換する債務から解放されることになる。即ち、交換単価に対応する交換金額相当の売上があったとみなすことができる。そして、多くの遊技場では、貸出単価と交換単価は異なるから、全遊技期間に対する持込遊技期間の比率である持込比率に応じて平均単価が変動し、損益分岐(割数)も変動してしまう。
【0071】
本例の遊技情報管理装置1では、他の遊技台にて獲得した玉を台移動により持ち込んで遊技する持込遊技(アウト)の割合である持込比率に基づいて、基準となる営業割数の値である損益分岐を合成損益分岐として算出し、持込比率を考慮した遊技情報を算出している。持込比率を考慮した遊技情報に基づけば、台移動を許容する営業形態下において適切な経営的な判断が可能となる。
【0072】
以上のように、本例の遊技情報管理装置1によれば、台移動による持込遊技を考慮した遊技情報を算出可能な優れた特性の装置である。この遊技情報管理装置は、台移動を許容する営業形態下であっても、有用な経営指針となり得る有効な遊技情報を算出可能である。
【0073】
また、本例では、従業員の判断に基づくリモコン信号の受信に応じて客交代を検出している。これに代えて、例えば、計数装置にて計数した計数玉を持込玉として特定可能な計数カードや、会員カード等の記憶媒体がカード挿入口に挿入された場合や、遊技島毎の計数機による計数時に遊技機IDが指定された場合等に客交代を検出するように構成することもできる。
【0074】
さらに、同一機種等の同一グループ内にて台移動があった場合には客交代を検出しないように構成しても良い。この場合、例えば、計数カード等の記憶媒体を発行する場合にグループIDを記憶媒体に記録したり、管理装置1にて発行した記録媒体のIDとグループIDとを対応付けて管理するなどすれば良い。また、持込売上玉については、本例に代えて、貸出玉の払出単位等の所定の単位を、いわゆる再プレイ操作毎に加算しても良い。
【0075】
本例は、持込アウト、持込セーフを実データとして集計した例である。これに代えて、実データとして集計した貸出売上玉、持込玉、アウト、及びセーフに基づき、本案を適用しても良い。すなわち、持込遊技情報として採用した持込アウトの代わりに持込売上玉を、売上遊技情報として採用した売上アウトの代わりに貸出売上玉を、全遊技情報として採用したアウトの代わりに合成総売上玉を採用しても良い。なお、この場合であっても、持込比率を持込売上玉÷合成総売上玉なる演算式により算出し、持込アウト=アウト×持込比率、持込セーフ=セーフ×持込比率等の演算式により持込アウトや、持込セーフを算出できる。また、差玉については、アウト、セーフを集計せず、持込差玉のように直接的に集計することもできる。逆に、持込差玉等の差玉については、遊技信号の受信毎に特定しなくても、アウトが100玉加算される毎等、所定条件の成立に応じて特定したり、いわゆる差玉スランプグラフを作成して客交代時に間接的に特定することも良い。
【0076】
この場合、合成割数=(合成総売上額−(アウト−セーフ)×(1−持込比率)×貸出単価−(アウト−セーフ)×持込比率×交換単価)÷合成総売上額となるが、この演算式は、合成割数=(合成総売上玉−(アウト−セーフ))÷合成総売上玉なる演算式に展開できる。すなわち、この演算式により合成割数を求めることもできる。
【0077】
また、本例では、アウト(持込アウト、売上アウト)、貸出売上玉、及び持込玉を利用して合成損益分岐等の遊技情報を算出している。これに代えて、合成損益分岐等の遊技情報を算出するに当たってスタートや稼動時間を利用することもできる。すなわち、売上遊技情報や持込遊技情報としては、対応する期間をおおよそ特定できればどのような遊技情報を採用しても良い。
また、本例は、対象期間、及び対象遊技機を同一として合成損益分岐、及び合成割数、補正合成割数等の遊技情報を算出した例である。これに代えて、一方を複数日等の所定期間の平均値としたり、遊技機種毎などの遊技機グループの平均値とする等、合成損益分岐と、合成割数等の遊技情報とで対象期間、対象遊技機が異なるようにしても良い。もちろん、双方について対象期間や遊技機グループの平均を利用することも良い。
【0078】
また、本例では、補正アウトを補正BO+TOにより、補正セーフを補正BO×ベース+TO+TYにより算出する簡易的な構成を例示したが、これに代えて、大当たり毎の平均アウト(T1O)、及び平均出玉(T1Y)と、甘モード中のベース(BA)、及び平均S(SA)、及び上述したK、理論TSAに基づいて、補正TO=T1O×K+理論TSA÷SA×単位アウト×(K−1)、補正Tセーフ=(T1O+T1Y)×K+理論TSA÷SA×単位アウト×(K−1)×BAを特定し、補正アウト=補正BO+補正TO、補正セーフ=補正BO×ベース+補正Tセーフより算出しても良い。なお、T1O+T1Yは、大当たり毎の平均セーフにて代用可能である。すなわち、TOあるいはTセーフ(TO+TY)として実際の遊技情報、及びシミュレート上の遊技情報のうちのいずれかを採用しても良い。
【0079】
また、補正BO=理論TS÷スタート×Bアウトと同様に、補正TOあるいは補正Tセーフの演算式中の理論TSA÷SA×単位アウトなる演算式は、理論TSA÷甘モード中スタート×甘モード中アウトなる演算式で代用することも可能である。
【0080】
また、貸出単価や交換単価は、1玉当たりの単価を特定出来れば良い。それ故、本例のごとく直接的に単価を特定可能な貸出単価や交換単価ではなく、例えば、1000円250玉という設定情報や、5000円相当の景品の対価が1667玉という設定情報、或いは特定される一方の単価(例えば、貸出単価)に対して他方の単価(例えば、交換単価)が0.75倍である等の設定情報を採用することもできる。
なお、合成損益分岐の逆数(合成原価率)を合成損益分岐として採用することもできる。
【0081】
さらに、本例の管理装置1における処理を貸出装置や中継装置等で行っても良い。すなわち、本発明の遊技情報管理装置とは、管理装置のみの構成に限らない広義の遊技情報管理装置を意味している。
なお、管理対象となる遊技機は、パチスロ等どの様な遊技機であっても良く、対象となる遊技媒体もメダル等の遊技媒体であっても良い。
【0082】
なお、合成損益分岐は、台移動により獲得玉を他の遊技機に持ち込んで遊技する持込遊技におけるアウトを持込アウト、その他の遊技におけるアウトを売上アウトとして、次のいずれかの演算式により算出可能である。
1)(売上アウト×貸出単価+持込アウト×交換単価)÷(アウト×交換単価)
2) 持込比率×(1−損益分岐)+損益分岐
3)(損益分岐−1)×売上比率+1
4)損益分岐×(合成総売上額−持込損益)÷合成総売上額
ここで、持込比率=持込アウト÷アウト、売上比率=売上アウト÷アウト、損益分岐=貸出単価÷交換単価)である。
【0083】
以上のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】実施例1における、遊技情報管理装置のシステム構成を示すシステム図。
【図2】実施例1における、スペック記憶手段が記憶するスペックを示す説明図。
【図3】実施例1における、遊技情報管理装置が管理する遊技情報を示す説明図。
【図4】実施例1における、遊技情報管理装置が管理する遊技情報を示す説明図。
【図5】実施例1における、遊技情報管理装置が管理する補正遊技情報を示す説明図。
【図6】実施例1における、持込遊技を考慮した遊技情報を示す説明図。
【図7】実施例1における、補正遊技情報を示す説明図。
【図8】実施例1における、遊技情報管理装置が出力する帳票を示す正面図。
【図9】実施例1における、遊技情報管理装置が出力する帳票を示す正面図。
【図10】実施例1における、遊技情報特定処理の流れを示すフロー図。
【図11】実施例1における、状態判定処理の流れを示すフロー図。
【符号の説明】
【0085】
1 遊技情報管理装置
10 装置本体
11 制御部
111 期間区分手段
112 合成損益分岐算出手段
113 差数算出手段
114 持込媒体数特定手段
115 持込売上媒体数特定手段
116 貸出売上媒体数算出手段
117 合成売上媒体数算出手段
118 合成割数算出手段
119 合成売上額算出手段
141 交換対象額算出手段
142 持込損益算出手段
143 合成客滞率算出手段
144 シミュレート手段
145 補正持込損益算出手段
146 判定手段
12 記憶部
121 スペック記憶手段
122 遊技情報記憶手段
13 受信部
130 受信手段
15 出力部
151 出力手段
16 入力部
2 遊技機
3 貸出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体1個当たりの貸出単価に基づく貸出対価の支払いに応じて貸し出された遊技媒体である貸出売上媒体を使用して遊技できる遊技機が複数設置されると共に、遊技媒体1個当たりの交換単価に基づいて遊技により獲得した遊技媒体に対応する交換対価物を受け取り可能であって、前記貸出売上媒体を使用する売上遊技のほか、遊技により獲得した遊技媒体を他の遊技機に持ち込んで前記貸出売上媒体の代わりに使用する持込遊技を許容する遊技場における遊技情報を管理するための遊技情報管理装置であって、
遊技情報を特定可能な遊技信号を遊技機側から受信する受信手段と、
該受信手段が受信した遊技信号、あるいは所定の操作入力に基づいて前記持込遊技が行われているか否かを判定する判定手段と、
該判定手段による判定結果に基づいて、遊技機毎の遊技期間を前記持込遊技による持込遊技期間又は前記売上遊技による売上遊技期間に区分する期間区分手段と、
前記売上遊技期間において貸し出された遊技媒体について1個当たりの対価が前記貸出単価であり、かつ、前記持込遊技期間において他の遊技機からの持ち込みにより前記貸出売上媒体の代わりに遊技に使用された遊技媒体である持込媒体について1個当たりの対価が前記交換単価であるとみなして、前記売上遊技期間と前記持込遊技期間とよりなる全体の遊技期間である全遊技期間に渡る遊技媒体1個当たりの平均の対価である平均単価と、前記交換単価との比率を表す合成損益分岐を算出する合成損益分岐算出手段と、を備えたことを特徴とする遊技情報管理装置。
【請求項2】
所定の遊技期間内に遊技に使用された遊技媒体の累計使用数から遊技により払い出された遊技媒体の累計払出数を差し引いた差数を算出する差数算出手段と、
前記持込遊技期間中において前記差数算出手段が算出する前記差数の経時的変化に基づいて当該持込遊技期間における前記持込媒体の数である持込売上媒体数を特定する持込媒体数特定手段と、
該持込媒体数特定手段が特定した前記持込遊技期間毎の持込媒体数を積算して持込売上媒体数を特定する持込売上媒体数特定手段と、
前記売上遊技期間に貸し出された遊技媒体数である貸出売上媒体数を特定する貸出売上媒体数特定手段と、
前記持込売上媒体数と前記貸出売上媒体数とを合算して合成売上媒体数を算出する合成売上媒体数算出手段と、
前記全遊技期間について前記差数算出手段が算出した差数を前記合成売上媒体数から減算した交換対象媒体数の前記合成売上媒体数に対する割合である合成割数を算出する合成割数算出手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技情報管理装置。
【請求項3】
所定の遊技期間内に遊技に使用された遊技媒体の累計使用数から遊技により払い出された遊技媒体の累計払出数を差し引いた差数を算出する差数算出手段と、
前記持込遊技期間中において前記差数算出手段が算出する前記差数の経時的変化に基づいて当該持込遊技期間における前記持込媒体の数である持込売上媒体数を特定する持込売上媒体数特定手段と、
前記売上遊技期間に遊技場側に支払われた貸出対価である貸出売上利益と、遊技媒体の持込使用に応じて前記持込売上媒体数に対応する前記交換対価物の提供を免れたことによる持込売上利益とを合算した合成売上額を算出する合成売上額算出手段と、
前記持込遊技期間について前記差数算出手段が算出した差数に前記交換単価を乗算した額と、前記売上遊技期間について前記差数算出手段が算出した差数に前記貸出単価を乗算した額との合計額を前記合成売上額から差し引いた交換対象額を算出する交換対象額算出手段と、
前記合成売上額に対する前記交換対象額の割合である合成割数を算出する合成割数算出手段と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技情報管理装置。
【請求項4】
前記貸出単価から前記交換単価を差し引いた差単価を前記持込媒体数に乗じた持込損益を算出する持込損益算出手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載の遊技情報管理装置。
【請求項5】
前記遊技機は、通常遊技状態のほかに、理論上の大当たり確率に基づく大当たり抽選での当選に応じた大当たり状態を発生するように構成されており、
少なくとも大当たり状態以外の遊技状態である通常遊技状態の発生期間について前記差数算出手段が算出した前記差数である通常差数を、前記持込売上媒体数と前記貸出売上媒体数とを合算した合成売上媒体数により除算してなる合成客滞率を算出する合成客滞率算出手段と、
前記合成客滞率及び前記大当たり確率を用いて、前記理論上の大当たり確率に沿って大当たりが発生した場合の遊技情報である補正遊技情報を計算するシミュレート手段と、を備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載の遊技情報管理装置。
【請求項6】
前記シミュレート手段は、前記持込売上媒体数に対応する補正持込売上媒体数を前記補正遊技情報として計算するように構成されており、
前記貸出単価から前記交換単価を差し引いた値に前記補正持込売上媒体数を乗算してなる補正持込損益を算出する補正持込損益算出手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の遊技情報管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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