説明

遊技機のリール駆動機構

【課題】製造の容易な遊技機のリール駆動機構の提供。
【解決手段】サブベース51には、電動モーター52およびプーリーシャフト54が取り付けられている。電動モーター52の出力軸にはモータープーリー53が嵌着され、プーリーシャフト54にはリール側プーリー56が回転可能に取り付けられている。リール側プーリー56には、一体に回転可能なようにリールが連結される。モータープーリー53とリール側プーリー56との間には、ループ状の駆動ベルト58が架けられている。サブベース51上に、電動モーター52、プーリーシャフト54等が取り付けられ、リール駆動機構5がサブアッセンブリ化された後、リール側プーリー56にスペーサブロックを介してリールが連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数個のリールを回転させた後に停止させて、表示された図柄の組合せにより当たりとされる遊技機のリール駆動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
図6において、遊技機100を示す。遊技機100は、箱体101の中にそれぞれ外周面にフィルムが巻かれた3個のリール102を内蔵している。各々のリール102に巻かれたフィルムには、多種類の図柄が記載されている。
遊技者が遊技機100により遊興する場合、遊技機用コインをコイン投入口103に投入し作動レバー104を操作することにより、すべてのリール102を回転させる。その後、3つの停止ボタン105を操作してリール102を停止させる。この時に、前扉106の窓部107を介して表示される各リール102の図柄の組合せにより当たりとされた場合に、多くの遊技機用コインを得るようになっている。この遊技機100はスロットマシンと呼ばれることもあり、広く普及している。
【0003】
通常、この遊技機の各リールは、ステッピングモーター等により駆動されている。例えば、ステッピングモーターの出力軸をリールの回転中心に接続し、リールをステッピングモーターにより直接に駆動する遊技機のリール駆動機構があった(特許文献1参照)。これは、ステッピングモーターとリールとの間の伝達部材を不要とし、リール駆動機構を低コストにできるという特長を有していた。
【0004】
しかしながら、その一方で上述した従来技術によるリール駆動機構は、リールをステッピングモーターで直接に駆動するため、ステッピングモーターの回転を減速することが困難で、使用可能なステッピングモーターの種類に制約が発生する。
また、リールに対するステッピングモーターの取付位置も、その回転中心位置に拘束されるため、周辺の各部材のレイアウトの自由度が低下して構造が複雑化し、リール駆動機構の大型化を招くことがあった。
【0005】
これに対して、ステッピングモーターの出力軸に取り付けられた駆動プーリーと、リールに一体回転可能に取り付けられた従動プーリーとの間にベルトが張架され、ベルトを介してステッピングモーターの駆動力をリールに伝達しているリール駆動機構があった(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
これによれば、駆動プーリーと従動プーリーのベルトに対する噛み合い歯の数を変えることにより、ステッピングモーターの減速比を自由に変化させることができ、上述した課題を解消することができる。
また、ステッピングモーターの駆動力をベルトを介してリールに伝達しているため、リールに対するステッピングモーターの取付位置にも、ある程度の自由度が発生する。
さらに、ベルトが緩衝部材となって、ステッピングモーターの作動に起因する振動がリールに伝わりにくく、リールの滑らかな回転を可能にする。
【特許文献1】特開2003−190364号公報
【特許文献2】特開2003−190384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ベルトを介してステッピングモーターの駆動力をリールに伝達しているリール駆動機構においては、その製造に困難が伴うことがあった。すなわち、ステッピングモーターにより直接にリールを駆動する構造に比べて部品点数が増大し、組立工程が複雑化することが多かった。特に、リールはその外形が大きく、リールと連結された従動プーリーに対して、張力を与えた状態でベルトを架けることは困難であった。
【0008】
また、製造工程中の作動検査において、リール駆動機構が検査不良となった場合、従動プーリーからリールを取り外して手直しした後に、再びリールを従動プーリーに連結して製品化することになり、いっそう製造を困難にしている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造の容易な遊技機のリール駆動機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による遊技機のリール駆動機構は、モーター取付部およびプーリー取付部を有する基体と、モーター取付部に取り付けられた駆動モーターと、駆動モーターの出力軸に取り付けられ、出力軸とともに回転する駆動プーリーと、プーリー取付部に対して回転可能に取り付けられるとともに、リールに連結可能であって、回転することによりリールを回転させる従動プーリーと、駆動プーリーおよび従動プーリー間に張架され、駆動プーリーによる駆動力を従動プーリーへ伝達するループ状の伝達ベルトとを備え、従動プーリーにリールを連結する以前に、基体、駆動モーター、従動プーリーおよび伝達ベルトを互いに取り付け一体としている。
【0010】
これにより、基体、駆動モーター、従動プーリーおよび伝達ベルトを互いに取り付けて、リール駆動機構をサブアッセンブリ化した後に、従動プーリーにリールを連結できるため、大物であるリールにリール駆動機構の組立作業が妨げられることがなく、その製造が容易となる。
【0011】
また、リール駆動機構をサブアッセンブリ化した状態で作動検査を行えば、リール駆動機構が検査不良となった場合でも、リールの取り外しをせずに手直しができ、さらに製造を容易にできる。
また、本発明による遊技機のリール駆動機構は、従動プーリーには、リールと従動プーリーの取付部位の間の間隔を調整するスペース部材を介してリールを取り付ける。
これにより、スペース部材によってリールと従動プーリーの取付部位の間の間隔を調整できるため、あらゆる形状、大きさのリールに対して、サブアッセンブリ化したリール駆動機構を共通に使用することができる。
【0012】
また、本発明による遊技機のリール駆動機構は、基体および従動プーリーのうちの一方に被検出部材が設けられ、他方に被検出部材の通過を検出する検出体が設けられ、検出体による検出結果に基づき、従動プーリーの回転方向の位置を検出可能となっている。
これにより、従動プーリーにリールを連結する以前に、検出体による検出結果に基づいて、駆動モータのローターの回転方向の位置と従動プーリーの回転方向の位置とを合わせることができる。したがって、その後、従動プーリーにリールを連結する時点において、従動プーリーの回転方向の位置にリールに貼付されたフィルムの図柄の位置を合わせることにより、最終的に、駆動モータのローターの回転方向の位置と、リールの図柄の位置とを容易に合致させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1乃至図5に基づき、本発明の一実施形態による遊技機のリール駆動機構5について説明する。尚、図5は本実施形態によるリールユニット3の断面図であるが、図5における横方向がリールユニット3の回転軸方向であり、説明中において特に断らない場合、図5における上方をリールユニット3の上方とし、図5における下方をリールユニット3の下方とする。また、図5においてフィルム82は省略している。
【0014】
図1に示すように、遊技機の箱体1には、前扉11が左右の一側を中心に回動可能に取り付けられている。前扉11の内面には、後述するようにリール装置2の図柄が表示される3分割された窓部12が形成されている。また、窓部12の下方には、リール装置2の回転を開始する作動レバー13と、リール装置2の回転を止める停止ボタン14が設けられている。
【0015】
箱体1内にはリール装置2が収容されており、リール装置2は3個のリールユニット3を備えている。それぞれのリールユニット3は回転軸方向に並べられており、各々のベースプレート4の上端部を天板21により連結するとともに、下端部を底板22により連結して固定している。
【0016】
図2に示すように、ベースプレート4は金属製の板材をプレス成形して形成されている。ベースプレート4の上端には天板21に取り付けられる上部フランジ41が、リール8(本発明のリールに該当する)方向に折り曲げられて形成されている。また、ベースプレート4の下端には、同様にリール8方向に折り曲げられ、底板22に取り付けられる底部フランジ42が形成されている。
【0017】
次に、図2乃至図5に基づき、リール駆動機構5(本発明の遊技機のリール駆動機構に該当する)について詳述する。本実施形態においてリール駆動機構5は、サブベース51、電動モーター52、モータープーリー53、プーリーシャフト54、第1軸受55、リール側プーリー56、第2軸受57、駆動ベルト58、テンショナー60、回転センサ66を備えている。
【0018】
ベースプレート4の中央部には、絞られてリール8方向に突出した取付座面43が形成されている。取付座面43の突出面は平坦状に形成され、サブベース51(サブベース51およびプーリーシャフト54を包括することにより、本発明の基体に該当する)が取り付けられている。サブベース51は金属板により形成されており、電動モーター52による発生トルクに抗するように、十分な剛性を備えている。
【0019】
図3に示すように、サブベース51上には電動モーター52(本発明の駆動モーターに該当する)が取り付けられている(サブベース51上における電動モーター52の取付部位は、本発明のモーター取付部に該当する)。電動モーター52は、本実施形態においてはステッピングモータが使用されているが、これに限られるものではない。電動モーター52の出力軸52a(本発明の駆動モーターの出力軸に該当する)には、モータープーリー53(本発明の駆動プーリーに該当する)が嵌着されており、モータープーリー53は出力軸52aとともに回転可能とされている。モータープーリー53は概ね円柱状を呈しているが、外周面にはギヤ歯53aを備えた係合溝53bが形成されている。
【0020】
また、サブベース51上には、プーリーシャフト54(本発明のプーリー取付部に該当する)が回転不能に取り付けられている。プーリーシャフト54は、その端部をサブベース51のシャフト孔51aに圧入することにより取り付けられている。プーリーシャフト54は、大径部54aと大径部54aに連結した小径部54bとを備えており、大径部54aと小径部54bとの連結部位には段部54c(図2示)が形成されている。
プーリーシャフト54の小径部54bには、第1軸受55の内周面が嵌合している(図5示)。第1軸受55は公知の転がり軸受であり、図5における右端面をプーリーシャフト54の段部54cに当接させて、その軸方向の位置決めが成されている。
【0021】
さらに、プーリーシャフト54には、リール側プーリー56(本発明の従動プーリーに該当する)が取り付けられる。図5に示すように、リール側プーリー56は回転軸中心の取付部56aと、取付部56aから半径方向にプレート状に広がったフランジ部56bとを備えている。リール側プーリー56の取付部56aには内周孔56cが貫通しており、内周孔56cは、その内周面から半径方向内方に突出した仕切り壁56dにより分断されている。また、リール側プーリー56のフランジ部56bの外周面には、モータープーリー53のギヤ歯53aと同形状のギヤ歯56eが形成されている。さらに、取付部56aには複数の螺子孔56fが設けられている(図5示)。
【0022】
リール側プーリー56は、内周孔56cに第1軸受55の外周面を嵌入させることにより、プーリーシャフト54に対して回転可能に取り付けられる。リール側プーリー56は、内周孔56cと第1軸受55の外周面を当接させて半径方向の位置決めが成されるとともに、仕切り壁56dを第1軸受55の図5における左端面に当接させて、その軸方向の位置決めを行っている。
【0023】
図5に示すように、プーリーシャフト54に取り付けられたリール側プーリー56の内周孔56cには、さらに第2軸受57が圧入される。第2軸受57は第1軸受55と同様に、公知の転がり軸受であり、外周面を内周孔56cに圧入するとともに、内周面をプーリーシャフト54の小径部54bに嵌着させている。
【0024】
また、第2軸受57の図5における右端面は、リール側プーリー56の仕切り壁56dに当接させている。したがって、リール側プーリー56は第1軸受55および第2軸受57により、仕切り壁56dの両面から支承されるため、プーリーシャフト54に対して、がたつかず安定して回転することが可能となる。
【0025】
モータープーリー53とリール側プーリー56間には、駆動ベルト58(本発明の伝達ベルトに該当する)が所定の張力を発生した状態で架けられている。駆動ベルト58は伸長し難い合成ゴムまたは合成樹脂材料によりループ状に形成されており、モータープーリー53による駆動力をリール側プーリー56に伝達する。駆動ベルト58のループ内周面には、モータープーリー53およびリール側プーリー56のギヤ歯53a、56eと対応する歯形状(図示せず)が形成されており、これがモータープーリー53およびリール側プーリー56のギヤ歯53a、56eと係合することにより、駆動ベルト58のモータープーリー53およびリール側プーリー56に対する滑りを防止している。
【0026】
リール側プーリー56の図5における左端面56gには、スペーサブロック7(本発明のスペース部材に該当する)が当接されている。スペーサブロック7は、回転軸中心に形成されたボス部7aと、ボス部7aから半径方向外方へと広がったプレート部7bとを備え、概ねハット状を呈している。また、ボス部7aの回転軸中心には係合孔7cが設けられ、プレート部7bには複数の貫通孔7dが設けられている。
【0027】
スペーサブロック7は、リール側プーリー56に対してあらゆる寸法、形状のリール8を連結可能にするために設けられており、リール8の形状に応じて多種類のスペーサブロックの中から使い分け、リール側プーリー56のリール8への取付面である左端面56gと、リール8の取付部81aとの間の間隔(寸法)調整を行っている。また、リール8の形状に応じて、プーリーシャフト54の外周面と、リール8の取付部81aとの間の半径方向の間隔調整を行っている。
【0028】
スペーサブロック7は、係合孔7cがプーリーシャフト54の小径部54bに嵌合することにより、その半径方向の位置決めが成されるとともに、プレート部7bの図5における右端面がリール側プーリー56の左端面56gに当接することにより、その回転軸方向の位置決めを行っている。あるいは、スペーサブロック7の内周面をリール側プーリー56の外周面に嵌合させることにより、その半径方向の位置決めを行ってもよい。この場合スペーサブロック7は、リール8の形状に応じてリール側プーリー56と、リール8の取付部81aとの間の半径方向の間隔調整を行うことになる。
【0029】
リール8は、合成樹脂材料にて一体に成型されたホイール状のリールフレーム81と、リールフレーム81の外周面上に巻回貼付されたフィルム82とを備えている(図2示)。フィルム82は合成樹脂材料にて形成され、表面には複数の図柄が表示されている。
リールフレーム81は回転中心に形成された取付部81aと、フィルム82が貼付された外輪81bと、取付部81aから放射状に延び、外輪81bへと接続された複数のスポーク81cとを備えている。取付部81aの中心部は回転軸方向に突出することにより、突出した側の反対側に位置決め孔81dが形成されている。また、取付部81aには位置決め孔81dを囲むように取付孔81eが形成され、回転軸中心にはプーリーシャフト54が挿入される挿通孔81fが形成されている。
【0030】
リール8は、取付部81aの図5における右端面とリール側プーリー56の左端面56gとの間において、スペーサブロック7を狭持した状態でリール側プーリー56に取り付けられている。具体的には、リール8の位置決め孔81dにスペーサブロック7のボス部7aの外周面が嵌合し、挿通孔81fにプーリーシャフト54の先端部が隙間を有して挿通された状態で、取付孔81eに挿入した複数の取付螺子83を、スペーサブロック7の貫通孔7dを通過させた後、リール側プーリー56の螺子孔56fに締め付けて固定されている。
【0031】
したがって、位置決め孔81dにスペーサブロック7のボス部7aの外周面が嵌合することにより、リール8の半径方向の位置決めが成され、取付部81aの右端面がスペーサブロック7のプレート部7bの図5における左端面に当接することにより、リール8の回転軸方向の位置決めが行われている。
【0032】
図3に示すように、サブベース51上には駆動ベルト58の近傍に位置するように、テンショナー60が取り付けられている。テンショナー60は、サブベース51上に設けられた取付ブロック61に鉛直方向に圧入された枢支ピン62(図2示)と、枢支ピン62により回動可能に取り付けられた押圧体63と、取付ブロック61と押圧体63との間に介装された付勢バネ64とを備えている。
【0033】
取付ブロック61はサブベース51上に螺子固定され、その上部には駆動ベルト58と対向する立壁61aが形成されており、押圧体63は立壁61aと駆動ベルト58との間に位置している。押圧体63は枢支ピン62が挿通された後、止め具65を枢支ピン62に嵌着することにより、上下方向に移動不能かつ、枢支ピン62を中心に水平方向に回動可能に取り付けられる。押圧体63には駆動ベルト58と係合するベルト溝63aが形成されている(図3示)。
【0034】
押圧体63の背面にはバネ孔63bが形成されており、バネ孔63bには付勢バネ64の一端が収容されている。付勢バネ64の他端は、押圧体63の背後に位置する立壁61aに保持されており、付勢バネ64は立壁61aと押圧体63との間で圧縮されている。付勢バネ64の弾性力により、押圧体63は立壁61aに対して反発し、駆動ベルト58を一定の荷重で押圧している。押圧体63は、潤滑性に優れたポリアミド樹脂材料により形成され、駆動ベルト58との当接部は駆動ベルト58の移動を妨げないように、滑らかな曲面により形成されている。または、押圧体63を、摺動性の高いベアリングなどで形成してもよい。
【0035】
図3に示すように、テンショナー60の押圧体63は、駆動ベルト58がモータープーリー53およびリール側プーリー56と係合する部位の間を、駆動ベルト58のループ内方へ向けて押圧することにより、駆動ベルト58に張力を付与している。また、押圧体63は、駆動ベルト58のモータープーリー53からリール側プーリー56へ向けて移動する部位(駆動ベルト58のリール側プーリー56への入力側)を押圧している。
【0036】
図4に示すように、リール側プーリー56には、回転センサ66を構成する遮光体67(本発明の被検出部材に該当する)が取り付けられている。遮光体67は、リール側プーリー56の外周部下面にボルト締めされて固定され、リール側プーリー56と一体に回転可能とされている。遮光体67は概ねL字状を呈しており、リール側プーリー56への取付部67aと、取付部67aから、図4において下方へと延びた検出部67bとを備えている。尚、遮光体67は、リール側プーリー56に、一体成型または機械加工により設けてもよい。
【0037】
一方、遮光体67とともに回転センサ66を構成するフォトセンサ68(本発明の検出体に該当する)は、サブベース51の下面から螺子止めされることにより、サブベース51上に固定されている。フォトセンサ68は上部に凹部68aを備えており、リール側プーリー56とともに回転する遮光体67の検出部67bが凹部68aを通過可能とされている。
【0038】
遮光体67が凹部68aを通過する際に、凹部68aの発光部(一端)と受光部(他端)の光源からの光を遮ることにより、フォトセンサ68が遮光体67の通過を検出する。フォトセンサ68の検出結果により、リール側プーリー56の回転方向の位置を検出することができる。尚、回転センサ66は上述したものには限られず、ホール素子等を使用してもよい。
上述した遊技機の作動レバー13、停止ボタン14、電動モーター52およびフォトセンサ68は、遊技機の作動を制御するコントローラー(図示せず)と電気的に接続されている。
【0039】
次に、本実施形態によるリール駆動機構の作動方法について説明する。遊技機に遊技機用コインが投入され作動レバー13が操作されると、コントローラーが駆動電流を供給して、リール8に接続されたすべての電動モーター52を作動させる。電動モーター52の作動により、その駆動力がモータープーリー53および駆動ベルト58を介して、リール側プーリー56へと伝達される。
【0040】
リール側プーリー56の回転はリール8へと伝達され、リール8の回転により窓部12に表示されるすべてのリール8の図柄が変化していく。この時、コントローラーはフォトセンサ68による検出結果に基づき、リール側プーリー56の回転方向の位置を検出し、リール側プーリー56の回転方向の位置から各リール8の回転方向の位置を認識する。
【0041】
その後、停止ボタン14が各々操作されると、コントローラーは予め決定されている図柄の組合せが窓部12に表示されるように、回転センサ66によって検出された各リール8の回転方向の位置に基づき、それぞれの電動モーター52の停止タイミングを演算する。演算結果に基づき、コントローラーは各々の電動モーター52を、別々に停止させる。
【0042】
電動モーター52が停止した後も、リール側プーリー56はリール8等の慣性により回転を継続しようとするが、停止した電動モーター52が負荷となり、間もなくリール側プーリー56もリール8とともに停止する。各リール8の停止によって、窓部12に表示された図柄の組合せに基づき、遊技者に対して遊技機用コインが与えられる。
【0043】
次に、本実施形態によるリール駆動機構5の組立方法について説明する。最初に、サブベース51に対し、電動モーター52、プーリーシャフト54、テンショナー60およびフォトセンサ68を取り付ける。この時、サブベース51への取付前に、予め電動モーター52の出力軸52aに、モータープーリー53を取り付けておくことが望ましい。
【0044】
次に、第1軸受55が固着されたリール側プーリー56を、プーリーシャフト54の小径部54bに圧入する。この時、プーリーシャフト54への取付前に、予めリール側プーリー56に、回転センサ66の遮光体67を取り付けておくことが望ましい。その後、第2軸受57をリール側プーリー56の内周孔56cに圧入する。最後に、駆動ベルト58を張力を与えた状態で、モータープーリー53およびリール側プーリー56に架ける。
【0045】
これにより、サブベース51、電動モータ52、プーリーシャフト54、リール側プーリー56、駆動ベルト58、テンショナー60およびフォトセンサ68は一体となり、リール駆動機構5はサブアッセンブリ化される。サブアッセンブリ化されたリール駆動機構5は、ベースプレート4に取り付けられる。その後、リール側プーリー56の回転方向の位置とリール8の図柄の位置とを合わせた上で、リール側プーリー56にスペーサブロック7を介してリール8が連結される。
【0046】
尚、可能であれば、最初にサブベース51をベースプレート4に取り付けた後、電動モータ52等の構成部品の全部または一部を、サブベース51上に取り付けてもよい。また、リール駆動機構5がサブアッセンブリ化してから、リール側プーリー56にスペーサブロック7を介してリールを連結した後、ベースプレート4に取り付けてもよい。
【0047】
本実施形態によれば、モーター取付部位を含み、プーリーシャフト54が取り付けられるサブプレート51と、サブプレート51に取り付けられた電動モーター52と、電動モーター52の出力軸52aに取り付けられ、出力軸52aとともに回転するモータープーリー53と、プーリーシャフト54に対して回転可能に取り付けられるとともに、リール8に連結可能であって、回転することによりリール8を回転させるリール側プーリー56と、モータープーリー53およびリール側プーリー56間に張架され、モータープーリー53による駆動力をリール側プーリー56へ伝達するループ状の駆動ベルト58とを備え、リール側プーリー56にリール8を連結する以前に、サブプレート51、電動モーター52、リール側プーリー56および駆動ベルト58を互いに取り付け一体としている。
【0048】
これにより、サブプレート51、電動モーター52、リール側プーリー56および駆動ベルト58を互いに取り付けて、リール駆動機構5をサブアッセンブリ化した後に、リール側プーリー56にリール8を連結できるため、大物であるリール8にリール駆動機構5の組立作業が妨げられることがなく、その製造が容易となる。
【0049】
また、リール駆動機構5をサブアッセンブリ化した状態で作動検査を行えば、リール駆動機構5が検査不良となった場合でも、リール8の取り外しをせずに手直しができ、さらに製造を容易にできる。
【0050】
また、本発明による遊技機のリール駆動機構5は、リール側プーリー56に、リール8とリール側プーリー56の取付部位の間の間隔を調整するスペーサブロック7を介してリール8を取り付ける。
これにより、スペーサブロック7によってリール8とリール側プーリー56の取付部位の間の間隔を調整できるため、あらゆる形状、大きさのリール8に対して、サブアッセンブリ化したリール駆動機構5を共通に使用することができる。
【0051】
また、本発明による遊技機のリール駆動機構5は、リール側プーリー56に遮光体67が設けられ、サブベース51に遮光体67の通過を検出するフォトセンサ68が設けられ、フォトセンサ68による検出結果に基づき、リール側プーリー56の回転方向の位置を検出可能となっている。
【0052】
これにより、リール側プーリー56にリール8を連結する以前に、フォトセンサ68による検出結果に基づいて、電動モーター52のローターの回転方向の位置と、リール側プーリー56の回転方向の位置とを合わせることができる。その後、リール側プーリー56にリール8を連結する時点において、リール側プーリー56の回転方向の位置にリール8に貼付されたフィルム82の図柄の位置を合わせることにより、最終的に、電動モーター52のローターの回転方向の位置と、リール8の図柄の位置とを容易に合致させることができる。
【0053】
<他の実施形態>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
電動モーター52等のリール駆動機構5の構成部品は、サブベース51を介さずに、ベースプレート4に直接に取り付けてもよい。この場合、ベースプレート4およびプーリーシャフト54を包括したものが、本発明の基体に該当する。
回転センサ66の遮光体67をサブベース51上に取り付け、リール側プーリー56にフォトセンサ68を取り付けてもよい。
プーリーシャフト54を、軸受を介してサブベース51に回転可能に取り付け、リール側プーリー56をプーリーシャフト54に対し一体回転可能に固定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態による遊技機の内部斜視図
【図2】図1に示した遊技機のリールユニットの分解斜視図
【図3】図2に示したリール駆動機構の外観斜視図
【図4】図2に示したリール駆動機構の下方から見た場合の外観斜視図
【図5】図2に示したリールユニットの軸方向にカットした場合の断面図
【図6】一般的な遊技機の正面図
【符号の説明】
【0055】
図面中、5はリール駆動機構、7はスペーサブロック(スペース部材)、8はリール、51はサブベース(基体)、52は電動モーター(駆動モーター)、52aは出力軸、53はモータープーリー(駆動プーリー)、54はプーリーシャフト(プーリー取付部)、56はリール側プーリー(従動プーリー)、58は駆動ベルト(伝達ベルト)、67は遮光体(被検出部材)、68はフォトセンサ(検出体)を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーター取付部およびプーリー取付部を有する基体と、
前記モーター取付部に取り付けられた駆動モーターと、
該駆動モーターの出力軸に取り付けられ、前記出力軸とともに回転する駆動プーリーと、
前記プーリー取付部に対して回転可能に取り付けられるとともに、リールに連結可能であって、回転することにより前記リールを回転させる従動プーリーと、
前記駆動プーリーおよび前記従動プーリー間に張架され、前記駆動プーリーによる駆動力を前記従動プーリーへ伝達するループ状の伝達ベルトと、
を備え、
前記従動プーリーに前記リールを連結する以前に、前記基体、前記駆動モーター、前記従動プーリーおよび前記伝達ベルトを互いに取り付け一体としたことを特徴とする遊技機のリール駆動機構。
【請求項2】
前記従動プーリーには、前記リールと前記従動プーリーの取付部位の間の間隔を調整するスペース部材を介して前記リールを取り付けることを特徴とする請求項1に記載の遊技機のリール駆動機構。
【請求項3】
前記基体および前記従動プーリーのうちの一方に被検出部材が設けられ、他方に前記被検出部材の通過を検出する検出体が設けられ、前記検出体による検出結果に基づき、前記従動プーリーの回転方向の位置を検出可能なことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機のリール駆動機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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