遊技機の可動装飾装置
【課題】装置全体が小型であって、且つ複雑な運動をして遊技の興趣を持続することができる遊技機の可動装飾装置を提供する。
【解決手段】水平回動体44が枢設された摺動板3を一方向にスライド移動させるクランク機構5と、クランク機構5に接続されて水平回動体44を水平方向に往復回動させる回動用レバー6と、クランク機構5を作動させる駆動モータMと、により可動装飾装置を構成し、駆動源Mの一方向の駆動により摺動板3のスライド移動と水平回動体44の水平回動とを連続して行うようにした。さらに、レバー構造の垂直回動体45を水平回動体44に軸着し、水平回動体44の支軸43に垂直回動体45の一端を押圧可能な偏心カム47を設けて、垂直回動体45を垂直方向に回動可能とした。
【解決手段】水平回動体44が枢設された摺動板3を一方向にスライド移動させるクランク機構5と、クランク機構5に接続されて水平回動体44を水平方向に往復回動させる回動用レバー6と、クランク機構5を作動させる駆動モータMと、により可動装飾装置を構成し、駆動源Mの一方向の駆動により摺動板3のスライド移動と水平回動体44の水平回動とを連続して行うようにした。さらに、レバー構造の垂直回動体45を水平回動体44に軸着し、水平回動体44の支軸43に垂直回動体45の一端を押圧可能な偏心カム47を設けて、垂直回動体45を垂直方向に回動可能とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に用いる可動装飾装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機における演出手段としては、例えば特許文献1、2に開示されたものが知られている。特許文献1のものは、再生されるゲーム音楽の変化に連動して可動装飾部材を動かすようにしたものであるが、このものは駆動手段が複数必要であって、駆動手段の設置スペース確保のために装置全体が大型化するとともに、駆動制御も複雑になってしまう。
また、特許文献2のものは、単一の駆動手段を用いて複数の可動装飾部材を可動させるようにしたものであるが、一つのスライド部材により複数の可動部材を連繋させた構造のため、各々の可動部材が同時に単純に可動するのみであって、複雑な運動を行うことはできなかった。このため、遊技者が飽きやすいものであった。
【特許文献1】特開2003−126383号公報
【特許文献2】特開2004−129875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑み、装置全体が小型であって、且つ複雑な運動をして遊技の興趣を持続することができる遊技機の可動装飾装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するためになされた本発明の遊技機の可動装飾装置は、
水平方向に回動する水平回動体が枢設された装飾部品本体を、一方向にスライド移動させるクランク機構と、
クランク機構に接続されて前記水平回動体を水平方向に往復回動させる回動用レバーと、
クランク機構を作動させる駆動源とを備えて、
駆動源の一方向の駆動により装飾部品本体のスライド移動と水平回動体の水平回動とを連続して行うようにしたことを特徴とするものである。
【0005】
上記した発明において、回動用レバーを、装飾部品本体が支軸を介して固定された摺動板に軸着し、
装飾部品本体と摺動板との間には、前記支軸が移動可能に挿通される長孔を設けた装飾基板を介装するとともに、
摺動板を、装飾基板の裏面の一側に設けたガイド棒にスライド自在に装着したうえに、クランク機構を、前記回動用レバーの一端に接続することができる。
【0006】
本発明の遊技機の可動装飾装置は、
水平方向に回動する水平回動体が枢設された装飾部品本体を、一方向にスライド移動させるラックギアと、
水平回動体の回動軸に軸着された従動ギアと、
ラックギアを前後動させる駆動ギアと駆動源とを備えたうえに、
前記従動ギアを、ラックギアの後退方向に付勢してラックギアと歯合させて、
駆動源の一方向の駆動により装飾部品本体のスライド移動と水平回動体の水平回動とを連続して行うようにしたことを特徴とするものである。
【0007】
上記した発明において、従動ギアを、装飾部品本体が支軸を介して固定された摺動板に軸着し、装飾部品本体と摺動板との間には前記支軸が移動可能に挿通される長孔を設けた装飾基板を介装するとともに、
摺動板を、装飾基板の裏面の一側に設けたガイド棒にスライド自在に装着したうえに、ラックギアを、前記従動ギアと歯合させることができる。
【0008】
本発明の遊技機の可動装飾装置は、
水平方向に回動する水平回動体が枢設された装飾部品本体を、一方向にスライド移動させるクランク機構と、
クランク機構に接続されて前記水平回動体を水平方向に往復回動させるカム機構と、
クランク機構を作動させる駆動源とを備えて、
駆動源の一方向の駆動により装飾部品本体のスライド移動と水平回動体の水平回動とを連続して行うようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
上記した発明において、カム機構を、装飾部品本体が支軸を介して固定された摺動板に配設し、
装飾部品本体と摺動板との間には、前記支軸が移動可能に挿通される長孔を設けた装飾基板を介装するとともに、
摺動板を、装飾基板の裏面の一側に設けたガイド棒にスライド自在に装着したうえに、
クランク機構を、前記カム機構と接続することができる。
【0010】
上記カム機構は、クランク部材と、カム部材とからなり、
クランク部材は、水平回動体の回転軸に装着された扇状の基板部の一方の端部に設けられ連結棒と接続された突起と、他方の端部に設けられたコロとを有し、
カム部材は、摺動板のスライド方向に沿って形成された直線状の凹部と、水平回動体の回動方向に湾曲する円弧状の凹部とを有し、
前記カム部材は、凹部にコロが嵌めこまれた状態で、装飾基板の裏側に螺着されているものとすることができる。
【0011】
また、上記カム機構は、カム機構は、クランク部材と、カム部材とからなり、
クランク部材は、水平回動体の回転軸に装着された長円形状の基板部の先端に設けられ連結棒と接続されたコロを有し、
カム部材は、摺動板のスライド方向に沿って形成された直線状の凹部と、水平回動体を回動させる円弧状の凹部とを有し、
前記カム部材は、凹部にコロが嵌めこまれた状態で、装飾基板の裏側に螺着されているものとすることができる。
【0012】
なお、装飾部品本体は、支軸を介して摺動板に固定され、この支軸が遊技基板の長孔から上方に突出して、装飾部品本体が遊技基板の上面側に配設することができる。
【0013】
本発明の可動装飾装置は、水平回動体に軸着されて垂直方向に回動するレバー構造の垂直回動体と、水平回動体の支軸に遊嵌されて垂直回動体の一端を押圧可能な偏心カムとを備え、当該偏心カムは、摺動板の前後動に連動して回動されて垂直回動体を垂直方向に回動させることができる。
【0014】
垂直回動体の偏心カムと係合する端部と反対側の端部は、水平回動体に取り付けられたバネにより上方に付勢されているものとすることができる。
【0015】
可動装飾装置の遊技基板は、ヨー運動発生用の湾曲溝を有し、この湾曲溝に遊技部品本体の裏側に突設したヨーイング棒を挿入することができ、
また、遊技基板は、ローリング発生用の隆起を有し、遊技部品本体の裏側には、前記隆起上を摺動する突起を設けることができる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明は、クランク機構により装飾部品本体を一方向に往復してスライド移動させることができ、装飾部品の移動が停止されたときにクランク機構が回動用レバーを回動することができるので、水平回動体を水平方向に回動させることができる。
よって、駆動源の一方向の駆動により装飾部品本体のスライド移動と水平回動体の水平回動とを連続して行うことができる。
請求項2に係る発明は、摺動板を介して装飾部品本体を往復移動させることができ、摺動板に軸着した回動用レバーにより水平回動体を回動することができる。
【0017】
請求項3に係る発明は、ラックギアにより装飾部品本体を一方向に往復してスライド移動させることができ、装飾部品の移動が停止されたときにラックギアが従動ギアを回動することができるので、水平回動体を水平方向に回動させることができる
請求項4に係る発明は、摺動板を介して装飾部品本体を往復移動させることができ、摺動板に軸着した従動ギアにより水平回動体を回動することができる。
【0018】
請求項5に係る発明は、クランク機構により装飾部品本体を一方向に往復してスライド移動させることができ、装飾部品の移動が停止されたときにカム機構がクランク機構により作動されて、水平回動体を水平方向に回動させることができる
請求項6に係る発明は、摺動板を介して装飾部品本体を往復移動させることができ、摺動板に配設したカム機構により水平回動体を回動することができる。
請求項7に係る発明は、連結棒の押圧によって前進した摺動板がストッパーに当たって停止すると、コロは円弧状の凹部を移動可能となるので、水平回動体もともに水平回動することができる。
請求項8に係る発明は、摺動板がストッパーに衝突して停止させられると、コロは円弧状の凹部に沿って移動可能となるので、連結棒の押圧によって、クランク部材が回動され、これによって水平回動体もともに回動される。
【0019】
請求項9に係る発明は、装飾部品本体の支軸が遊技基板の長孔から上方に突出しているので、装飾部品本体は遊技基板の上面側をスライド移動することができる。
【0020】
請求項10に係る発明は、偏心カムが摺動板の前後動に連動して回動されて垂直回動体の一端を押圧するので、垂直回動体の他端を垂直方向に回動させることができる。よって。駆動源の一方向の駆動により装飾部品本体のスライド移動と水平回動体の水平回動と垂直回動体の垂直回動とを連続して行うことができる。
請求項11に係る発明は、偏心カムの押圧が解除されたときに、垂直回動体の先端を上方に向けさせることができる。
【0021】
請求項12に係る発明は、遊技部品をヨーイングさせることができ、請求項13に係る発明は、遊技部品をローリングさせることができる。よって、本発明に係る遊技部品は複雑な動作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
図1は本発明に係る遊技機の可動装飾装置を示す図、図2はその分解斜視図である。1は装飾基板であって、この装飾基板1は長方形の長孔11を有する。装飾基板1の裏面の一側には、一本のガイド棒2が配設され、このガイド棒2に摺動板3が一方向にスライド移動可能に取り付けられている。摺動板3には、摺動板3の移動を停止させるための係合突部94が配設されている。
【0023】
遊技基板1の上面には装飾部品4が配設されているが、この装飾部品4は、摺動板3に立設され、かつ長孔11から上方に突出する支柱41の内部に挿入された回転軸43に軸支された装飾部品本体42と、回転軸43に固設されて水平方向に回動可能な水平回動体44と、水平回動体44に取り付けられて垂直方向に回動可能なレバー構造の垂直回動体45とからなる。回転軸43は、摺動板3の裏側にまで挿通され、その端部には水平回動レバー6が固設されている。なお、遊技部品4はタンク模型であって、装飾部品本体42はタンク本体、水平回動体44は砲塔、垂直回動体45は砲身を模してある。
【0024】
5はクランク機構であって、このクランク機構5は、駆動モータMの回転軸に軸着されたクランク棒51と、連結棒52とを有する。連結棒52の一端は、摺動板3の裏側で回転軸43に固設された水平回動レバー6の一端に軸着され、水平回動レバー6の他端には、戻り操作を容易とするバネ61が取り付けられている。このバネ61の一端は装飾基板1の一側のガイド棒固定部材21に設けた係止爪12に掛けられている。
【0025】
以下に、上記した可動装飾装置における前進、回動機構を説明する。
図3、4は、装飾部品4が最もモータM側に引き付けられた状態を示す図であって、クランク棒51は、図において最大角度右方に回動されており連結棒52を介して水平回動レバー6を引っ張っている。水平回動レバー6は、その回動を装飾基板1に設けたストッパー62により規制されているので、バネ61の引張り力に抗して遊技部品4を摺動板3とともに最も右方に移動させている。
【0026】
図5、6に示すように、モータMが右回り(時計回り)方向に回動されると連結棒52はクランク棒51により前方(図では左方)に押圧されて、水平回動レバー6を介して摺動板3を前方に押し出す。即ち、水平回動レバー6は連結棒52により回動されることなく、連結棒52の前方押し出し力を摺動板3に伝達する。摺動板3はバネ61の引き付け力の援助もあって前方に容易に移動することができる。
【0027】
係合突部94が長孔11の端部に当接した場合には摺動板3の移動は停止されるが、クランク棒51の回転により連結棒52はさらに水平回動レバー6を押圧するので、連結棒52の押圧によって水平回動レバー6は右回り方向に水平回動されることとなる。よって、図7、8に示すように、水平回動レバー6に立設された回転軸43を介して、水平回動体44は右回り方向に回動される。このときバネ61は再び引き伸ばされる。
なお、図9には、図3、4に対応する斜視図、図10には、図5、6に対応する斜視図、図11には、図7、8に対応する斜視図を示す。
【0028】
本発明に係る可動装飾装置は、前記したとおり垂直回動体45を備えている。
垂直回動体45は、図2に示すように、水平回動体44の左右の側壁44aに嵌入される支軸45aと、支軸45aから一方に突出する棒状体45bと、棒状体45bとは反対側で棒状体45bとほぼ直交して下方に延出された係合突片45cとからなる。この垂直回動体45は折り曲げられた金属線によってできているバネ46が孔45dに差し込まれて、砲身に模した棒状体45bの先端は下向きに付勢されている。
【0029】
装飾部品本体42には、係合突片45c挿通用の湾曲孔42aが設けられている。湾曲孔42aは、水平回動体44の回動に対応して係合突片45cが移動可能に湾曲して設けられている。装飾部品本体42の下方においては、偏心カム47がボス48に嵌着され、このボス48内に回転軸43が挿通されている。偏心カム47は、筒部47aと、これに水平状に設けられた略矩形状のカム板47fとからなる。この偏心カム47はボス48に固定されたままで回動することはない。
【0030】
摺動板3が最も前進した図10に示す状態では、カム板47fは垂直回動体45の係合突片45cを押圧してはいないので、棒状体45bは略水平状態のままであるが、水平回動体44が回動されることによって垂直回動体45もともに水平方向に移動するので、係合突片45cがカム板47fによって押圧されることとなって、棒状体45bの先端は上方に向けられることとなる(図11)。
【0031】
以上のようにして、一連の動きが完了した後は、図示していない制御装置の指令により、モータMは逆回転、即ち左回りに回転されるので、バネ61の張力により、摺動板3が動き出すよりも前に水平回動レバー6はストッパー62に当接するまで回動される(図5)。水平回動レバー6がストッパー62に当接しても、連結棒52はさらに水平回動レバー6を後方(図では右方)に引っ張るので、摺動板3は元の図3、4に示す状態に戻されることになる。以上の動作を繰り返すことによって、装飾部品本体42は前後進し、水平回動体44は右回り、左回りの水平回動を繰り返すことができる。
【0032】
第2の実施形態の可動装飾装置の分解斜視図を図12に示すが、このものは摺動板3の前後進、および水平回動体44が水平回動する構造は、第1の実施形態のものと大きく変わるところはない。また、同じ構造の垂直回動体45を備えている。
【0033】
偏心カム47は、筒部47aと、これに水平状に設けられた略扇状のカム板47bと、偏心カム47回動用の下向きの係合突棒47cとからなり、摺動板3側の支柱41に装着され支柱41を中心に回動する。そして、遊技基板1の長孔11の一側には切り込み11aが設けられている。
【0034】
摺動板3が最も後退した図13、14に示す状態では、係合突棒47cは切り込み11aに嵌め込まれている。摺動板3が前進したときには、支柱41の前進により偏心カム47が左回りに回動されて、これによってカム板47bも回動されて垂直回動部材45の係合突片45cを押圧するので、バネ46の付勢力に抗して棒状体45bの先端を上方に持ち上げることができる(図15、16)。
【0035】
このとき、カム板47bの反対側の係合突棒47cも回動されて、切り込み11aから摺動板3に設けた凹部32に移動する(図17)。さらに、連結棒52の押圧によって水平回動レバー6が右回り方向に水平回動された場合には、棒状体45bの先端を持ち上げたまま水平回動体44は右回り方向に回動される(図17、18)。
【0036】
その後、モータMの逆回転により、連結棒52が後退するので、バネ61の張力により摺動板3が動き出すよりも前に水平回動体44が元の位置に回動される(図15)。さらに連結棒52が後退することにより摺動板3が後退すると、係合突棒47cは切り込み11aの一部をなす突起11b(図12)に引っかかって後退を規制され、やや湾曲した切り込み11aに沿って回動されるので、偏心カム47が右回りに回動されることになる。これによって、偏心カム47の係合突片45cに対する押圧が解除されるので、棒状体45bはバネ46の付勢により再び下向きに回動されることとなる。
以上のようにして、垂直回動体45は、摺動板3の移動、水平回動体44の回動に連動して垂直回動される。
図19には、図13、14に対応する斜視図、図20には、図15、16に対応する斜視図、図21には、図17、18に対応する斜視図を示す。
【0037】
図22、23には、第3の実施形態の遊技機の可動装飾装置を示す。この形態のものは、モータMに駆動ギア13が装着され、水平回動体44の回転軸43の下端には従動ギア14が装着されている。駆動ギア13と従動ギア14はラックギア15と歯合している。従動ギア14はバネ16により、図22(b)からみて左回り(反時計回り)に付勢された状態で回動を制止されている。なお、ラックギア15は装飾基板1に螺着された支持部材17により保持されている。
【0038】
図24に示す状態では、摺動板3は最もモータMよりに引き付けられている。
図24の状態においてモータMが駆動されると、駆動ギア13を介してラックギア15が前進される。従動ギア14は左回りに付勢されているので、ラックギア15の押圧力により摺動板3は前進させられる(図25)。係合突部94が長孔11の端部に突き当たると摺動板3は前進不可能となるので、バネ16の付勢力に抗してラックギア15は従動ギア14を回転させるので、水平回動体44は回動されることとなる(図26)。
【0039】
水平回動体44の回動後は、制御装置の指令により、モータMは逆回転されるので、バネ16の反力により、摺動板3が動き出すよりも前に従動ギア14は図25の状態にまで回動され水平回動体44も逆に回動される。従動ギア14の回動が停止されても、ラックギア15は従動ギア14を後方に引っ張るので、摺動板3は元の図24に示す状態に戻されることになる。以上の動作を繰り返すことによって、装飾部品本体42は前後進し、水平回動体44は右回り、左回りの水平回動を繰り返すことができる。
【0040】
図27,28に示す第4の実施形態においては、摺動板3の裏側にカム機構7が配設されている。このカム機構7は、クランク部材71と、カム部材72とからなる。クランク部材71は、水平回動体44の回転軸43に装着された略扇状の基板部73の一方の端部に垂設された突起74と、他方の端部に垂設されたコロ75とを有する。カム部材72は、装飾基板1の裏側にネジにより固定されるが、スライド方向に沿って形成された直線状の凹部76と水平回動体44の回動方向に湾曲する円弧状の凹部77とを有する。
【0041】
図29に示す状態では、摺動板3は最もモータMよりに引き付けられており、コロ75は直線状の凹部76に位置している。この状態においてモータMが駆動されると、連結棒52はクランク部材71の突起74を押圧するが、コロ75が直線状の凹部76に位置しているため、クランク部材71は回動することができない。よって、連結棒52の押圧によってコロ75が直線状の凹部76内を前進して摺動板3が前進させられる(図30)。
【0042】
やがて、コロ75が円弧状の凹部77内を移動すると、連結棒52の押圧によって、クランク部材71が回動されるので、水平回動体44もともに回動されることとなる(図31)。
【0043】
水平回動体44の回動後は、制御装置の指令により、モータMは逆回転されるので、コロ75は円弧状の凹部77内を逆に移動することができるので、摺動板3が動き出すよりも前にコロ75は図30の状態にまで回動され水平回動体44も逆に回動される。コロ75の回動が停止されても、連結棒52は突起74を後方に引っ張るので、摺動板3は元の図29に示す状態に戻されることになる。以上の動作を繰り返すことによって、装飾部品本体42は前後進し、水平回動体44は、右回り、左回りの水平回動を繰り返すことができる。
【0044】
図32に示す第5の実施形態のものも、摺動板3の裏側にカム機構8が配設されている。このカム機構8も、クランク部材81と、カム部材82とからなる。クランク部材81は、水平回動体44の回転軸43に装着された長円形状の基板部83の先端にコロ84が垂設されている。コロ84は連結棒52と接続されている。カム部材82は、装飾基板1の裏側にネジにより固定されるが、摺動板3のスライド方向に沿って形成された直線状の凹部85と円弧状の凹部86とを有する。
【0045】
図33の状態では、摺動板3は最もモータM側に引き付けられており、コロ84は直線状の凹部85に位置している。この状態においてモータMが駆動されると、連結棒52はクランク部材81のコロ84を押圧するが、コロ84は直線状の凹部85に位置しているため、クランク部材81は回動することができない。よって、連結棒52の押圧によってコロ84が直線状の凹部85内を前進するので、摺動板3が前進させられる(図34)。
【0046】
やがて、コロ84が円弧状の凹部86に沿って移動すると、連結棒52の押圧によって、クランク部材81が回動され、これによって水平回動体44もともに回動されることとなる(図35)。
【0047】
水平回動体44の回動後は、制御装置の指令により、モータMは逆回転されるので、コロ84は円弧状の凹部86内を逆に移動することができるので、摺動板3が動き出すよりも前にコロ84は図30の状態にまで回動され水平回動体44も逆に回動される。コロ84の回動が停止されても、連結棒52はコロ84を後方に引っ張るので、摺動板3は元の図33に示す状態に戻されることになる。以上の動作を繰り返すことによって、装飾部品本体42は前後進し、水平回動体44は、右回り、左回りの水平回動を繰り返すことができる。
なお、磁石Jについて、逆駆動時において水平回動体44が正駆動開始時の状態に戻った後に装飾部品本体42が後退を行うように、駆動の補助を行っている。よって、当該磁石Jを用いることでよりスムーズな逆駆動運転を行うことが可能となる。
【0048】
正駆動かつ/又は逆駆動を補助する駆動補助部材として、実施形態1〜3はバネ、実施形態5は永久磁石Jを用いている。しかし、本発明における駆動補助部材はこれらに限定されるものではなく、正駆動時においては、装飾部品本体42が規制された位置まで前進した後に水平回動体44が回動を行うように、かつ/又は、逆駆動時においては、水平回動体44が正駆動開始時の状態に戻った後に装飾部品本体42が後退を行うように補助する特性を持った部材であってもよい。
【0049】
なお、本発明の遊技機の稼動装飾装置は、ヨーイング機構とローリング機構とを備えている。
ヨーイング機構を図1、2により説明する。
遊技基板1には、ヨー運動発生用の左右方向にうねる湾曲溝91が設けられている。そして、装飾部品本体42の内部には、下向きのヨーイング棒92が設けられ、この棒92の先端は、湾曲溝91に差し込まれている。よって、摺動板3に軸着された装飾部品本体42は、前進または後退時に上下軸(Z軸)まわりに先頭を左右に振る運動、即ちヨー運動を発生させることができる。
【0050】
ローリング機構を図12により説明する。
摺動板3は、その端部がスライド方向に伸びるガイド棒2に挿通されているので、ガイド棒2を中心に回動することができる。そして、装飾基板1には摺動板3のスライド方向に伸びる隆起93が設けられ、摺動板3の一側には隆起93との係合突部94が設けられている。この係合突部94が隆起93を乗り越えて移動するたびに隆起93によって摺動板3の一側は持ち上げられるので、装飾部品本体42はガイド棒2まわりのローリング運動を行うことができる。
【0051】
また、本発明においては、装飾部品本体42が規制された位置まで前進した後に水平回動体44が回動を行うという、少なくとも2段階の動作を連続して行っている。よって、装飾部品本体42が規制された位置まで前進した後に水平回動体44が回動し終わるまで駆動する第1演出パターンや、装飾部品本体42が規制された位置まで前進するのみで水平回動体44の回動を行わない第2演出パターン等を行うことが可能となる。これらにより、複数の遊技状態、例えばリーチ予告や大当たり予告に合わせて、信頼度の高いリーチ予告や大当たり予告の場合は第1演出パターンを、信頼度の低いリーチ予告や大当たり予告の場合は第2演出パターンといった、一つの稼動装飾部材で従来にない斬新な演出を行うことが可能となる。もちろん、本発明における演出パターンはこれら2種類に限定されるものではなく、装飾部品本体42が途中までしか前進しない演出パターンや、装飾部品本体42が規制された位置まで前進した後に水平回動体44が途中までしか回動しない演出パターン等であってもよい。
【0052】
以上説明したように、本発明に係る遊技機の可動装飾装置は、駆動モータMの一方向の回転によって、装飾部品4のスライド移動、水平回動部材44の水平回動、垂直回動部材45の垂直回動、装飾部品4のヨーイング、および装飾部品4のローリングとを連続して行うという複雑な動作を行うことができる。さらに、連続した動作を最後まで行ったり、又は、途中で止めたりすることで、一つの可動装飾部材で複数種の演出を行うことができる。よって、複数の遊技状態それぞれに合わせた演出を行うことが可能となるので、遊技者が遊技に飽きることはない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1の実施形態の可動装飾装置を示す(a)正面図、(b)平面図、〔c〕側面図である。
【図2】第1の実施形態の可動装飾装置の分解斜視図である。
【図3】図1の可動装飾装置の装飾部品が駆動源側に位置する状態の平面図である。
【図4】図1の可動装飾装置の装飾部品が駆動源側に位置する状態の正面図である。
【図5】図1の可動装飾装置の装飾部品が前進中の状態の平面図である。
【図6】図1の可動装飾装置の装飾部品が前進中の状態の正面図である。
【図7】図1の可動装飾装置の水平回動体が回動された状態の平面図である。
【図8】図1の可動装飾装置の水平回動体が回動された状態の正面図である。
【図9】図1の可動装飾装置の装飾部品が駆動源側に位置する状態の斜視図である。
【図10】図1の可動装飾装置の装飾部品が前進中の状態の斜視図である。
【図11】図1の可動装飾装置の水平回動体が回動された状態の斜視図である。
【図12】第2の実施形態の可動装飾装置の分解斜視図である。
【図13】図12の可動装飾装置の装飾部品が駆動源側に位置する状態の平面図である。
【図14】図12の可動装飾装置の装飾部品が駆動源側に位置する状態の正面図である。
【図15】図12の可動装飾装置の偏心カムが回動中の状態の平面図である。
【図16】図12の可動装飾装置の偏心カムが垂直回動体を押圧した状態の正面図である。
【図17】図12の可動装飾装置の水平回動体が回動された状態の平面図である。
【図18】図12の可動装飾装置の水平回動体が回動された状態の正面図である。
【図19】図12の可動装飾装置の装飾部品が駆動源側に位置する状態の斜視図である。
【図20】図12の可動装飾装置の装飾部品が前進中の状態の斜視図である。
【図21】図12の可動装飾装置の水平回動体が回動された状態の斜視図である。
【図22】第3の実施形態の可動装飾装置を示す(a)正面図、(b)平面図、〔c〕側面図である。
【図23】第3の実施形態の可動装飾装置の分解斜視図である。
【図24】図22の可動装飾装置の装飾部品が駆動源側に位置する状態の斜視図である。
【図25】図22の可動装飾装置の装飾部品が前進中の状態の斜視図である。
【図26】図22の可動装飾装置の水平回動体が回動された状態の斜視図である。
【図27】第4の実施形態の可動装飾装置を示す(a)正面図、(b)平面図、〔c〕側面図である。
【図28】第4の実施形態の可動装飾装置の分解斜視図である。
【図29】図27の可動装飾装置の装飾部品が駆動源側に位置する状態の(a)正面図、(b)平面図である。
【図30】図27の可動装飾装置の装飾部品が前進中の状態の(a)正面図、(b)平面図である。
【図31】図27の可動装飾装置の水平回動体が回動された状態の(a)正面図、(b)平面図である。
【図32】第5の実施形態の可動装飾装置を示す(a)正面図、(b)平面図、(c)側面図である。
【図33】図32の可動装飾装置の装飾部品が駆動源側に位置する状態の(a)正面図、(b)平面図である。
【図34】図32の可動装飾装置の装飾部品が前進中の状態の(a)正面図、(b)平面図である。
【図35】図32の可動装飾装置の水平回動体が回動された状態の(a)正面図、(b)平面図である。
【符号の説明】
【0054】
3 摺動板、5 クランク機構、6 回動用レバー、43 支軸、44 水平回動体、45 垂直回動体、47 偏心カム、M 駆動モータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に用いる可動装飾装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機における演出手段としては、例えば特許文献1、2に開示されたものが知られている。特許文献1のものは、再生されるゲーム音楽の変化に連動して可動装飾部材を動かすようにしたものであるが、このものは駆動手段が複数必要であって、駆動手段の設置スペース確保のために装置全体が大型化するとともに、駆動制御も複雑になってしまう。
また、特許文献2のものは、単一の駆動手段を用いて複数の可動装飾部材を可動させるようにしたものであるが、一つのスライド部材により複数の可動部材を連繋させた構造のため、各々の可動部材が同時に単純に可動するのみであって、複雑な運動を行うことはできなかった。このため、遊技者が飽きやすいものであった。
【特許文献1】特開2003−126383号公報
【特許文献2】特開2004−129875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑み、装置全体が小型であって、且つ複雑な運動をして遊技の興趣を持続することができる遊技機の可動装飾装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するためになされた本発明の遊技機の可動装飾装置は、
水平方向に回動する水平回動体が枢設された装飾部品本体を、一方向にスライド移動させるクランク機構と、
クランク機構に接続されて前記水平回動体を水平方向に往復回動させる回動用レバーと、
クランク機構を作動させる駆動源とを備えて、
駆動源の一方向の駆動により装飾部品本体のスライド移動と水平回動体の水平回動とを連続して行うようにしたことを特徴とするものである。
【0005】
上記した発明において、回動用レバーを、装飾部品本体が支軸を介して固定された摺動板に軸着し、
装飾部品本体と摺動板との間には、前記支軸が移動可能に挿通される長孔を設けた装飾基板を介装するとともに、
摺動板を、装飾基板の裏面の一側に設けたガイド棒にスライド自在に装着したうえに、クランク機構を、前記回動用レバーの一端に接続することができる。
【0006】
本発明の遊技機の可動装飾装置は、
水平方向に回動する水平回動体が枢設された装飾部品本体を、一方向にスライド移動させるラックギアと、
水平回動体の回動軸に軸着された従動ギアと、
ラックギアを前後動させる駆動ギアと駆動源とを備えたうえに、
前記従動ギアを、ラックギアの後退方向に付勢してラックギアと歯合させて、
駆動源の一方向の駆動により装飾部品本体のスライド移動と水平回動体の水平回動とを連続して行うようにしたことを特徴とするものである。
【0007】
上記した発明において、従動ギアを、装飾部品本体が支軸を介して固定された摺動板に軸着し、装飾部品本体と摺動板との間には前記支軸が移動可能に挿通される長孔を設けた装飾基板を介装するとともに、
摺動板を、装飾基板の裏面の一側に設けたガイド棒にスライド自在に装着したうえに、ラックギアを、前記従動ギアと歯合させることができる。
【0008】
本発明の遊技機の可動装飾装置は、
水平方向に回動する水平回動体が枢設された装飾部品本体を、一方向にスライド移動させるクランク機構と、
クランク機構に接続されて前記水平回動体を水平方向に往復回動させるカム機構と、
クランク機構を作動させる駆動源とを備えて、
駆動源の一方向の駆動により装飾部品本体のスライド移動と水平回動体の水平回動とを連続して行うようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
上記した発明において、カム機構を、装飾部品本体が支軸を介して固定された摺動板に配設し、
装飾部品本体と摺動板との間には、前記支軸が移動可能に挿通される長孔を設けた装飾基板を介装するとともに、
摺動板を、装飾基板の裏面の一側に設けたガイド棒にスライド自在に装着したうえに、
クランク機構を、前記カム機構と接続することができる。
【0010】
上記カム機構は、クランク部材と、カム部材とからなり、
クランク部材は、水平回動体の回転軸に装着された扇状の基板部の一方の端部に設けられ連結棒と接続された突起と、他方の端部に設けられたコロとを有し、
カム部材は、摺動板のスライド方向に沿って形成された直線状の凹部と、水平回動体の回動方向に湾曲する円弧状の凹部とを有し、
前記カム部材は、凹部にコロが嵌めこまれた状態で、装飾基板の裏側に螺着されているものとすることができる。
【0011】
また、上記カム機構は、カム機構は、クランク部材と、カム部材とからなり、
クランク部材は、水平回動体の回転軸に装着された長円形状の基板部の先端に設けられ連結棒と接続されたコロを有し、
カム部材は、摺動板のスライド方向に沿って形成された直線状の凹部と、水平回動体を回動させる円弧状の凹部とを有し、
前記カム部材は、凹部にコロが嵌めこまれた状態で、装飾基板の裏側に螺着されているものとすることができる。
【0012】
なお、装飾部品本体は、支軸を介して摺動板に固定され、この支軸が遊技基板の長孔から上方に突出して、装飾部品本体が遊技基板の上面側に配設することができる。
【0013】
本発明の可動装飾装置は、水平回動体に軸着されて垂直方向に回動するレバー構造の垂直回動体と、水平回動体の支軸に遊嵌されて垂直回動体の一端を押圧可能な偏心カムとを備え、当該偏心カムは、摺動板の前後動に連動して回動されて垂直回動体を垂直方向に回動させることができる。
【0014】
垂直回動体の偏心カムと係合する端部と反対側の端部は、水平回動体に取り付けられたバネにより上方に付勢されているものとすることができる。
【0015】
可動装飾装置の遊技基板は、ヨー運動発生用の湾曲溝を有し、この湾曲溝に遊技部品本体の裏側に突設したヨーイング棒を挿入することができ、
また、遊技基板は、ローリング発生用の隆起を有し、遊技部品本体の裏側には、前記隆起上を摺動する突起を設けることができる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明は、クランク機構により装飾部品本体を一方向に往復してスライド移動させることができ、装飾部品の移動が停止されたときにクランク機構が回動用レバーを回動することができるので、水平回動体を水平方向に回動させることができる。
よって、駆動源の一方向の駆動により装飾部品本体のスライド移動と水平回動体の水平回動とを連続して行うことができる。
請求項2に係る発明は、摺動板を介して装飾部品本体を往復移動させることができ、摺動板に軸着した回動用レバーにより水平回動体を回動することができる。
【0017】
請求項3に係る発明は、ラックギアにより装飾部品本体を一方向に往復してスライド移動させることができ、装飾部品の移動が停止されたときにラックギアが従動ギアを回動することができるので、水平回動体を水平方向に回動させることができる
請求項4に係る発明は、摺動板を介して装飾部品本体を往復移動させることができ、摺動板に軸着した従動ギアにより水平回動体を回動することができる。
【0018】
請求項5に係る発明は、クランク機構により装飾部品本体を一方向に往復してスライド移動させることができ、装飾部品の移動が停止されたときにカム機構がクランク機構により作動されて、水平回動体を水平方向に回動させることができる
請求項6に係る発明は、摺動板を介して装飾部品本体を往復移動させることができ、摺動板に配設したカム機構により水平回動体を回動することができる。
請求項7に係る発明は、連結棒の押圧によって前進した摺動板がストッパーに当たって停止すると、コロは円弧状の凹部を移動可能となるので、水平回動体もともに水平回動することができる。
請求項8に係る発明は、摺動板がストッパーに衝突して停止させられると、コロは円弧状の凹部に沿って移動可能となるので、連結棒の押圧によって、クランク部材が回動され、これによって水平回動体もともに回動される。
【0019】
請求項9に係る発明は、装飾部品本体の支軸が遊技基板の長孔から上方に突出しているので、装飾部品本体は遊技基板の上面側をスライド移動することができる。
【0020】
請求項10に係る発明は、偏心カムが摺動板の前後動に連動して回動されて垂直回動体の一端を押圧するので、垂直回動体の他端を垂直方向に回動させることができる。よって。駆動源の一方向の駆動により装飾部品本体のスライド移動と水平回動体の水平回動と垂直回動体の垂直回動とを連続して行うことができる。
請求項11に係る発明は、偏心カムの押圧が解除されたときに、垂直回動体の先端を上方に向けさせることができる。
【0021】
請求項12に係る発明は、遊技部品をヨーイングさせることができ、請求項13に係る発明は、遊技部品をローリングさせることができる。よって、本発明に係る遊技部品は複雑な動作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
図1は本発明に係る遊技機の可動装飾装置を示す図、図2はその分解斜視図である。1は装飾基板であって、この装飾基板1は長方形の長孔11を有する。装飾基板1の裏面の一側には、一本のガイド棒2が配設され、このガイド棒2に摺動板3が一方向にスライド移動可能に取り付けられている。摺動板3には、摺動板3の移動を停止させるための係合突部94が配設されている。
【0023】
遊技基板1の上面には装飾部品4が配設されているが、この装飾部品4は、摺動板3に立設され、かつ長孔11から上方に突出する支柱41の内部に挿入された回転軸43に軸支された装飾部品本体42と、回転軸43に固設されて水平方向に回動可能な水平回動体44と、水平回動体44に取り付けられて垂直方向に回動可能なレバー構造の垂直回動体45とからなる。回転軸43は、摺動板3の裏側にまで挿通され、その端部には水平回動レバー6が固設されている。なお、遊技部品4はタンク模型であって、装飾部品本体42はタンク本体、水平回動体44は砲塔、垂直回動体45は砲身を模してある。
【0024】
5はクランク機構であって、このクランク機構5は、駆動モータMの回転軸に軸着されたクランク棒51と、連結棒52とを有する。連結棒52の一端は、摺動板3の裏側で回転軸43に固設された水平回動レバー6の一端に軸着され、水平回動レバー6の他端には、戻り操作を容易とするバネ61が取り付けられている。このバネ61の一端は装飾基板1の一側のガイド棒固定部材21に設けた係止爪12に掛けられている。
【0025】
以下に、上記した可動装飾装置における前進、回動機構を説明する。
図3、4は、装飾部品4が最もモータM側に引き付けられた状態を示す図であって、クランク棒51は、図において最大角度右方に回動されており連結棒52を介して水平回動レバー6を引っ張っている。水平回動レバー6は、その回動を装飾基板1に設けたストッパー62により規制されているので、バネ61の引張り力に抗して遊技部品4を摺動板3とともに最も右方に移動させている。
【0026】
図5、6に示すように、モータMが右回り(時計回り)方向に回動されると連結棒52はクランク棒51により前方(図では左方)に押圧されて、水平回動レバー6を介して摺動板3を前方に押し出す。即ち、水平回動レバー6は連結棒52により回動されることなく、連結棒52の前方押し出し力を摺動板3に伝達する。摺動板3はバネ61の引き付け力の援助もあって前方に容易に移動することができる。
【0027】
係合突部94が長孔11の端部に当接した場合には摺動板3の移動は停止されるが、クランク棒51の回転により連結棒52はさらに水平回動レバー6を押圧するので、連結棒52の押圧によって水平回動レバー6は右回り方向に水平回動されることとなる。よって、図7、8に示すように、水平回動レバー6に立設された回転軸43を介して、水平回動体44は右回り方向に回動される。このときバネ61は再び引き伸ばされる。
なお、図9には、図3、4に対応する斜視図、図10には、図5、6に対応する斜視図、図11には、図7、8に対応する斜視図を示す。
【0028】
本発明に係る可動装飾装置は、前記したとおり垂直回動体45を備えている。
垂直回動体45は、図2に示すように、水平回動体44の左右の側壁44aに嵌入される支軸45aと、支軸45aから一方に突出する棒状体45bと、棒状体45bとは反対側で棒状体45bとほぼ直交して下方に延出された係合突片45cとからなる。この垂直回動体45は折り曲げられた金属線によってできているバネ46が孔45dに差し込まれて、砲身に模した棒状体45bの先端は下向きに付勢されている。
【0029】
装飾部品本体42には、係合突片45c挿通用の湾曲孔42aが設けられている。湾曲孔42aは、水平回動体44の回動に対応して係合突片45cが移動可能に湾曲して設けられている。装飾部品本体42の下方においては、偏心カム47がボス48に嵌着され、このボス48内に回転軸43が挿通されている。偏心カム47は、筒部47aと、これに水平状に設けられた略矩形状のカム板47fとからなる。この偏心カム47はボス48に固定されたままで回動することはない。
【0030】
摺動板3が最も前進した図10に示す状態では、カム板47fは垂直回動体45の係合突片45cを押圧してはいないので、棒状体45bは略水平状態のままであるが、水平回動体44が回動されることによって垂直回動体45もともに水平方向に移動するので、係合突片45cがカム板47fによって押圧されることとなって、棒状体45bの先端は上方に向けられることとなる(図11)。
【0031】
以上のようにして、一連の動きが完了した後は、図示していない制御装置の指令により、モータMは逆回転、即ち左回りに回転されるので、バネ61の張力により、摺動板3が動き出すよりも前に水平回動レバー6はストッパー62に当接するまで回動される(図5)。水平回動レバー6がストッパー62に当接しても、連結棒52はさらに水平回動レバー6を後方(図では右方)に引っ張るので、摺動板3は元の図3、4に示す状態に戻されることになる。以上の動作を繰り返すことによって、装飾部品本体42は前後進し、水平回動体44は右回り、左回りの水平回動を繰り返すことができる。
【0032】
第2の実施形態の可動装飾装置の分解斜視図を図12に示すが、このものは摺動板3の前後進、および水平回動体44が水平回動する構造は、第1の実施形態のものと大きく変わるところはない。また、同じ構造の垂直回動体45を備えている。
【0033】
偏心カム47は、筒部47aと、これに水平状に設けられた略扇状のカム板47bと、偏心カム47回動用の下向きの係合突棒47cとからなり、摺動板3側の支柱41に装着され支柱41を中心に回動する。そして、遊技基板1の長孔11の一側には切り込み11aが設けられている。
【0034】
摺動板3が最も後退した図13、14に示す状態では、係合突棒47cは切り込み11aに嵌め込まれている。摺動板3が前進したときには、支柱41の前進により偏心カム47が左回りに回動されて、これによってカム板47bも回動されて垂直回動部材45の係合突片45cを押圧するので、バネ46の付勢力に抗して棒状体45bの先端を上方に持ち上げることができる(図15、16)。
【0035】
このとき、カム板47bの反対側の係合突棒47cも回動されて、切り込み11aから摺動板3に設けた凹部32に移動する(図17)。さらに、連結棒52の押圧によって水平回動レバー6が右回り方向に水平回動された場合には、棒状体45bの先端を持ち上げたまま水平回動体44は右回り方向に回動される(図17、18)。
【0036】
その後、モータMの逆回転により、連結棒52が後退するので、バネ61の張力により摺動板3が動き出すよりも前に水平回動体44が元の位置に回動される(図15)。さらに連結棒52が後退することにより摺動板3が後退すると、係合突棒47cは切り込み11aの一部をなす突起11b(図12)に引っかかって後退を規制され、やや湾曲した切り込み11aに沿って回動されるので、偏心カム47が右回りに回動されることになる。これによって、偏心カム47の係合突片45cに対する押圧が解除されるので、棒状体45bはバネ46の付勢により再び下向きに回動されることとなる。
以上のようにして、垂直回動体45は、摺動板3の移動、水平回動体44の回動に連動して垂直回動される。
図19には、図13、14に対応する斜視図、図20には、図15、16に対応する斜視図、図21には、図17、18に対応する斜視図を示す。
【0037】
図22、23には、第3の実施形態の遊技機の可動装飾装置を示す。この形態のものは、モータMに駆動ギア13が装着され、水平回動体44の回転軸43の下端には従動ギア14が装着されている。駆動ギア13と従動ギア14はラックギア15と歯合している。従動ギア14はバネ16により、図22(b)からみて左回り(反時計回り)に付勢された状態で回動を制止されている。なお、ラックギア15は装飾基板1に螺着された支持部材17により保持されている。
【0038】
図24に示す状態では、摺動板3は最もモータMよりに引き付けられている。
図24の状態においてモータMが駆動されると、駆動ギア13を介してラックギア15が前進される。従動ギア14は左回りに付勢されているので、ラックギア15の押圧力により摺動板3は前進させられる(図25)。係合突部94が長孔11の端部に突き当たると摺動板3は前進不可能となるので、バネ16の付勢力に抗してラックギア15は従動ギア14を回転させるので、水平回動体44は回動されることとなる(図26)。
【0039】
水平回動体44の回動後は、制御装置の指令により、モータMは逆回転されるので、バネ16の反力により、摺動板3が動き出すよりも前に従動ギア14は図25の状態にまで回動され水平回動体44も逆に回動される。従動ギア14の回動が停止されても、ラックギア15は従動ギア14を後方に引っ張るので、摺動板3は元の図24に示す状態に戻されることになる。以上の動作を繰り返すことによって、装飾部品本体42は前後進し、水平回動体44は右回り、左回りの水平回動を繰り返すことができる。
【0040】
図27,28に示す第4の実施形態においては、摺動板3の裏側にカム機構7が配設されている。このカム機構7は、クランク部材71と、カム部材72とからなる。クランク部材71は、水平回動体44の回転軸43に装着された略扇状の基板部73の一方の端部に垂設された突起74と、他方の端部に垂設されたコロ75とを有する。カム部材72は、装飾基板1の裏側にネジにより固定されるが、スライド方向に沿って形成された直線状の凹部76と水平回動体44の回動方向に湾曲する円弧状の凹部77とを有する。
【0041】
図29に示す状態では、摺動板3は最もモータMよりに引き付けられており、コロ75は直線状の凹部76に位置している。この状態においてモータMが駆動されると、連結棒52はクランク部材71の突起74を押圧するが、コロ75が直線状の凹部76に位置しているため、クランク部材71は回動することができない。よって、連結棒52の押圧によってコロ75が直線状の凹部76内を前進して摺動板3が前進させられる(図30)。
【0042】
やがて、コロ75が円弧状の凹部77内を移動すると、連結棒52の押圧によって、クランク部材71が回動されるので、水平回動体44もともに回動されることとなる(図31)。
【0043】
水平回動体44の回動後は、制御装置の指令により、モータMは逆回転されるので、コロ75は円弧状の凹部77内を逆に移動することができるので、摺動板3が動き出すよりも前にコロ75は図30の状態にまで回動され水平回動体44も逆に回動される。コロ75の回動が停止されても、連結棒52は突起74を後方に引っ張るので、摺動板3は元の図29に示す状態に戻されることになる。以上の動作を繰り返すことによって、装飾部品本体42は前後進し、水平回動体44は、右回り、左回りの水平回動を繰り返すことができる。
【0044】
図32に示す第5の実施形態のものも、摺動板3の裏側にカム機構8が配設されている。このカム機構8も、クランク部材81と、カム部材82とからなる。クランク部材81は、水平回動体44の回転軸43に装着された長円形状の基板部83の先端にコロ84が垂設されている。コロ84は連結棒52と接続されている。カム部材82は、装飾基板1の裏側にネジにより固定されるが、摺動板3のスライド方向に沿って形成された直線状の凹部85と円弧状の凹部86とを有する。
【0045】
図33の状態では、摺動板3は最もモータM側に引き付けられており、コロ84は直線状の凹部85に位置している。この状態においてモータMが駆動されると、連結棒52はクランク部材81のコロ84を押圧するが、コロ84は直線状の凹部85に位置しているため、クランク部材81は回動することができない。よって、連結棒52の押圧によってコロ84が直線状の凹部85内を前進するので、摺動板3が前進させられる(図34)。
【0046】
やがて、コロ84が円弧状の凹部86に沿って移動すると、連結棒52の押圧によって、クランク部材81が回動され、これによって水平回動体44もともに回動されることとなる(図35)。
【0047】
水平回動体44の回動後は、制御装置の指令により、モータMは逆回転されるので、コロ84は円弧状の凹部86内を逆に移動することができるので、摺動板3が動き出すよりも前にコロ84は図30の状態にまで回動され水平回動体44も逆に回動される。コロ84の回動が停止されても、連結棒52はコロ84を後方に引っ張るので、摺動板3は元の図33に示す状態に戻されることになる。以上の動作を繰り返すことによって、装飾部品本体42は前後進し、水平回動体44は、右回り、左回りの水平回動を繰り返すことができる。
なお、磁石Jについて、逆駆動時において水平回動体44が正駆動開始時の状態に戻った後に装飾部品本体42が後退を行うように、駆動の補助を行っている。よって、当該磁石Jを用いることでよりスムーズな逆駆動運転を行うことが可能となる。
【0048】
正駆動かつ/又は逆駆動を補助する駆動補助部材として、実施形態1〜3はバネ、実施形態5は永久磁石Jを用いている。しかし、本発明における駆動補助部材はこれらに限定されるものではなく、正駆動時においては、装飾部品本体42が規制された位置まで前進した後に水平回動体44が回動を行うように、かつ/又は、逆駆動時においては、水平回動体44が正駆動開始時の状態に戻った後に装飾部品本体42が後退を行うように補助する特性を持った部材であってもよい。
【0049】
なお、本発明の遊技機の稼動装飾装置は、ヨーイング機構とローリング機構とを備えている。
ヨーイング機構を図1、2により説明する。
遊技基板1には、ヨー運動発生用の左右方向にうねる湾曲溝91が設けられている。そして、装飾部品本体42の内部には、下向きのヨーイング棒92が設けられ、この棒92の先端は、湾曲溝91に差し込まれている。よって、摺動板3に軸着された装飾部品本体42は、前進または後退時に上下軸(Z軸)まわりに先頭を左右に振る運動、即ちヨー運動を発生させることができる。
【0050】
ローリング機構を図12により説明する。
摺動板3は、その端部がスライド方向に伸びるガイド棒2に挿通されているので、ガイド棒2を中心に回動することができる。そして、装飾基板1には摺動板3のスライド方向に伸びる隆起93が設けられ、摺動板3の一側には隆起93との係合突部94が設けられている。この係合突部94が隆起93を乗り越えて移動するたびに隆起93によって摺動板3の一側は持ち上げられるので、装飾部品本体42はガイド棒2まわりのローリング運動を行うことができる。
【0051】
また、本発明においては、装飾部品本体42が規制された位置まで前進した後に水平回動体44が回動を行うという、少なくとも2段階の動作を連続して行っている。よって、装飾部品本体42が規制された位置まで前進した後に水平回動体44が回動し終わるまで駆動する第1演出パターンや、装飾部品本体42が規制された位置まで前進するのみで水平回動体44の回動を行わない第2演出パターン等を行うことが可能となる。これらにより、複数の遊技状態、例えばリーチ予告や大当たり予告に合わせて、信頼度の高いリーチ予告や大当たり予告の場合は第1演出パターンを、信頼度の低いリーチ予告や大当たり予告の場合は第2演出パターンといった、一つの稼動装飾部材で従来にない斬新な演出を行うことが可能となる。もちろん、本発明における演出パターンはこれら2種類に限定されるものではなく、装飾部品本体42が途中までしか前進しない演出パターンや、装飾部品本体42が規制された位置まで前進した後に水平回動体44が途中までしか回動しない演出パターン等であってもよい。
【0052】
以上説明したように、本発明に係る遊技機の可動装飾装置は、駆動モータMの一方向の回転によって、装飾部品4のスライド移動、水平回動部材44の水平回動、垂直回動部材45の垂直回動、装飾部品4のヨーイング、および装飾部品4のローリングとを連続して行うという複雑な動作を行うことができる。さらに、連続した動作を最後まで行ったり、又は、途中で止めたりすることで、一つの可動装飾部材で複数種の演出を行うことができる。よって、複数の遊技状態それぞれに合わせた演出を行うことが可能となるので、遊技者が遊技に飽きることはない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1の実施形態の可動装飾装置を示す(a)正面図、(b)平面図、〔c〕側面図である。
【図2】第1の実施形態の可動装飾装置の分解斜視図である。
【図3】図1の可動装飾装置の装飾部品が駆動源側に位置する状態の平面図である。
【図4】図1の可動装飾装置の装飾部品が駆動源側に位置する状態の正面図である。
【図5】図1の可動装飾装置の装飾部品が前進中の状態の平面図である。
【図6】図1の可動装飾装置の装飾部品が前進中の状態の正面図である。
【図7】図1の可動装飾装置の水平回動体が回動された状態の平面図である。
【図8】図1の可動装飾装置の水平回動体が回動された状態の正面図である。
【図9】図1の可動装飾装置の装飾部品が駆動源側に位置する状態の斜視図である。
【図10】図1の可動装飾装置の装飾部品が前進中の状態の斜視図である。
【図11】図1の可動装飾装置の水平回動体が回動された状態の斜視図である。
【図12】第2の実施形態の可動装飾装置の分解斜視図である。
【図13】図12の可動装飾装置の装飾部品が駆動源側に位置する状態の平面図である。
【図14】図12の可動装飾装置の装飾部品が駆動源側に位置する状態の正面図である。
【図15】図12の可動装飾装置の偏心カムが回動中の状態の平面図である。
【図16】図12の可動装飾装置の偏心カムが垂直回動体を押圧した状態の正面図である。
【図17】図12の可動装飾装置の水平回動体が回動された状態の平面図である。
【図18】図12の可動装飾装置の水平回動体が回動された状態の正面図である。
【図19】図12の可動装飾装置の装飾部品が駆動源側に位置する状態の斜視図である。
【図20】図12の可動装飾装置の装飾部品が前進中の状態の斜視図である。
【図21】図12の可動装飾装置の水平回動体が回動された状態の斜視図である。
【図22】第3の実施形態の可動装飾装置を示す(a)正面図、(b)平面図、〔c〕側面図である。
【図23】第3の実施形態の可動装飾装置の分解斜視図である。
【図24】図22の可動装飾装置の装飾部品が駆動源側に位置する状態の斜視図である。
【図25】図22の可動装飾装置の装飾部品が前進中の状態の斜視図である。
【図26】図22の可動装飾装置の水平回動体が回動された状態の斜視図である。
【図27】第4の実施形態の可動装飾装置を示す(a)正面図、(b)平面図、〔c〕側面図である。
【図28】第4の実施形態の可動装飾装置の分解斜視図である。
【図29】図27の可動装飾装置の装飾部品が駆動源側に位置する状態の(a)正面図、(b)平面図である。
【図30】図27の可動装飾装置の装飾部品が前進中の状態の(a)正面図、(b)平面図である。
【図31】図27の可動装飾装置の水平回動体が回動された状態の(a)正面図、(b)平面図である。
【図32】第5の実施形態の可動装飾装置を示す(a)正面図、(b)平面図、(c)側面図である。
【図33】図32の可動装飾装置の装飾部品が駆動源側に位置する状態の(a)正面図、(b)平面図である。
【図34】図32の可動装飾装置の装飾部品が前進中の状態の(a)正面図、(b)平面図である。
【図35】図32の可動装飾装置の水平回動体が回動された状態の(a)正面図、(b)平面図である。
【符号の説明】
【0054】
3 摺動板、5 クランク機構、6 回動用レバー、43 支軸、44 水平回動体、45 垂直回動体、47 偏心カム、M 駆動モータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に回動する水平回動体が枢設された装飾部品本体を、一方向にスライド移動させるクランク機構と、
クランク機構に接続されて前記水平回動体を水平方向に往復回動させる回動用レバーと、
クランク機構を作動させる駆動源とを備えて、
駆動源の一方向の駆動により装飾部品本体のスライド移動と水平回動体の水平回動とを連続して行うようにしたことを特徴とする遊技機の可動装飾装置。
【請求項2】
回動用レバーを、装飾部品本体が支軸を介して固定された摺動板に軸着し、
装飾部品本体と摺動板との間には、前記支軸が移動可能に挿通される長孔を設けた装飾基板を介装するとともに、
摺動板を、装飾基板の裏面の一側に設けたガイド棒にスライド自在に装着したうえに、クランク機構を、前記回動用レバーの一端に接続したことを特徴とする請求項1に記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項3】
水平方向に回動する水平回動体が枢設された装飾部品本体を、一方向にスライド移動させるラックギアと、
水平回動体の回動軸に軸着された従動ギアと、
ラックギアを前後動させる駆動ギアと駆動源とを備えたうえに、
前記従動ギアを、ラックギアの後退方向に付勢してラックギアと歯合させて、
駆動源の一方向の駆動により装飾部品本体のスライド移動と水平回動体の水平回動とを連続して行うようにしたことを特徴とする遊技機の可動装飾装置。
【請求項4】
従動ギアを、装飾部品本体が支軸を介して固定された摺動板に軸着し、装飾部品本体と摺動板との間には前記支軸が移動可能に挿通される長孔を設けた装飾基板を介装するとともに、
摺動板を、装飾基板の裏面の一側に設けたガイド棒にスライド自在に装着したうえに、ラックギアを、前記従動ギアと歯合させたことを特徴とする請求項3に記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項5】
水平方向に回動する水平回動体が枢設された装飾部品本体を、一方向にスライド移動させるクランク機構と、
クランク機構に接続されて前記水平回動体を水平方向に往復回動させるカム機構と、
クランク機構を作動させる駆動源とを備えて、
駆動源の一方向の駆動により装飾部品本体のスライド移動と水平回動体の水平回動とを連続して行うようにしたことを特徴とする遊技機の可動装飾装置。
【請求項6】
カム機構を、装飾部品本体が支軸を介して固定された摺動板に配設し、
装飾部品本体と摺動板との間には、前記支軸が移動可能に挿通される長孔を設けた装飾基板を介装するとともに、
摺動板を、装飾基板の裏面の一側に設けたガイド棒にスライド自在に装着したうえに、
クランク機構を、前記カム機構と接続したことを特徴とする請求項5に記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項7】
カム機構は、クランク部材と、カム部材とからなり、
クランク部材は、水平回動体の回転軸に装着された扇状の基板部の一方の端部に設けられ連結棒と接続された突起と、他方の端部に設けられたコロとを有し、
カム部材は、摺動板のスライド方向に沿って形成された直線状の凹部と、水平回動体の回動方向に湾曲する円弧状の凹部とを有し、
前記カム部材は、凹部にコロが嵌めこまれた状態で、装飾基板の裏側に螺着されていることを特徴とする請求項5または6に記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項8】
カム機構は、クランク部材と、カム部材とからなり、
クランク部材は、水平回動体の回転軸に装着された長円形状の基板部の先端に設けられ連結棒と接続されたコロを有し、
カム部材は、摺動板のスライド方向に沿って形成された直線状の凹部と、水平回動体を回動させる円弧状の凹部とを有し、
前記カム部材は、凹部にコロが嵌めこまれた状態で、装飾基板の裏側に螺着されていることを特徴とする請求項5または6に記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項9】
装飾部品本体は、支軸を介して摺動板に固定され、この支軸が遊技基板の長孔から上方に突出して、装飾部品本体が遊技基板の上面側に配設されていることを特徴とする請求項2又は4又は6に記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項10】
水平回動体に軸着されて垂直方向に回動するレバー構造の垂直回動体と、水平回動体の支軸に遊嵌されて垂直回動体の一端を押圧可能な偏心カムとを備え、当該偏心カムは、摺動板の前後動に連動して回動されて垂直回動体を垂直方向に回動させることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項11】
垂直回動体の偏心カムと係合する端部と反対側の端部は、水平回動体に取り付けられたバネにより上方に付勢されていることを特徴とする請求項10に記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項12】
遊技基板は、ヨー運動発生用の湾曲溝を有し、この湾曲溝に遊技部品本体の裏側に突設したヨーイング棒が挿入されていることを特徴とする請求項2又は4又は6に記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項13】
遊技基板は、ローリング発生用の隆起を有し、遊技部品本体の裏側には、前記隆起上を摺動する突起が設けられていることを特徴とする請求項2又は4又は6又は12に記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項1】
水平方向に回動する水平回動体が枢設された装飾部品本体を、一方向にスライド移動させるクランク機構と、
クランク機構に接続されて前記水平回動体を水平方向に往復回動させる回動用レバーと、
クランク機構を作動させる駆動源とを備えて、
駆動源の一方向の駆動により装飾部品本体のスライド移動と水平回動体の水平回動とを連続して行うようにしたことを特徴とする遊技機の可動装飾装置。
【請求項2】
回動用レバーを、装飾部品本体が支軸を介して固定された摺動板に軸着し、
装飾部品本体と摺動板との間には、前記支軸が移動可能に挿通される長孔を設けた装飾基板を介装するとともに、
摺動板を、装飾基板の裏面の一側に設けたガイド棒にスライド自在に装着したうえに、クランク機構を、前記回動用レバーの一端に接続したことを特徴とする請求項1に記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項3】
水平方向に回動する水平回動体が枢設された装飾部品本体を、一方向にスライド移動させるラックギアと、
水平回動体の回動軸に軸着された従動ギアと、
ラックギアを前後動させる駆動ギアと駆動源とを備えたうえに、
前記従動ギアを、ラックギアの後退方向に付勢してラックギアと歯合させて、
駆動源の一方向の駆動により装飾部品本体のスライド移動と水平回動体の水平回動とを連続して行うようにしたことを特徴とする遊技機の可動装飾装置。
【請求項4】
従動ギアを、装飾部品本体が支軸を介して固定された摺動板に軸着し、装飾部品本体と摺動板との間には前記支軸が移動可能に挿通される長孔を設けた装飾基板を介装するとともに、
摺動板を、装飾基板の裏面の一側に設けたガイド棒にスライド自在に装着したうえに、ラックギアを、前記従動ギアと歯合させたことを特徴とする請求項3に記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項5】
水平方向に回動する水平回動体が枢設された装飾部品本体を、一方向にスライド移動させるクランク機構と、
クランク機構に接続されて前記水平回動体を水平方向に往復回動させるカム機構と、
クランク機構を作動させる駆動源とを備えて、
駆動源の一方向の駆動により装飾部品本体のスライド移動と水平回動体の水平回動とを連続して行うようにしたことを特徴とする遊技機の可動装飾装置。
【請求項6】
カム機構を、装飾部品本体が支軸を介して固定された摺動板に配設し、
装飾部品本体と摺動板との間には、前記支軸が移動可能に挿通される長孔を設けた装飾基板を介装するとともに、
摺動板を、装飾基板の裏面の一側に設けたガイド棒にスライド自在に装着したうえに、
クランク機構を、前記カム機構と接続したことを特徴とする請求項5に記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項7】
カム機構は、クランク部材と、カム部材とからなり、
クランク部材は、水平回動体の回転軸に装着された扇状の基板部の一方の端部に設けられ連結棒と接続された突起と、他方の端部に設けられたコロとを有し、
カム部材は、摺動板のスライド方向に沿って形成された直線状の凹部と、水平回動体の回動方向に湾曲する円弧状の凹部とを有し、
前記カム部材は、凹部にコロが嵌めこまれた状態で、装飾基板の裏側に螺着されていることを特徴とする請求項5または6に記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項8】
カム機構は、クランク部材と、カム部材とからなり、
クランク部材は、水平回動体の回転軸に装着された長円形状の基板部の先端に設けられ連結棒と接続されたコロを有し、
カム部材は、摺動板のスライド方向に沿って形成された直線状の凹部と、水平回動体を回動させる円弧状の凹部とを有し、
前記カム部材は、凹部にコロが嵌めこまれた状態で、装飾基板の裏側に螺着されていることを特徴とする請求項5または6に記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項9】
装飾部品本体は、支軸を介して摺動板に固定され、この支軸が遊技基板の長孔から上方に突出して、装飾部品本体が遊技基板の上面側に配設されていることを特徴とする請求項2又は4又は6に記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項10】
水平回動体に軸着されて垂直方向に回動するレバー構造の垂直回動体と、水平回動体の支軸に遊嵌されて垂直回動体の一端を押圧可能な偏心カムとを備え、当該偏心カムは、摺動板の前後動に連動して回動されて垂直回動体を垂直方向に回動させることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項11】
垂直回動体の偏心カムと係合する端部と反対側の端部は、水平回動体に取り付けられたバネにより上方に付勢されていることを特徴とする請求項10に記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項12】
遊技基板は、ヨー運動発生用の湾曲溝を有し、この湾曲溝に遊技部品本体の裏側に突設したヨーイング棒が挿入されていることを特徴とする請求項2又は4又は6に記載の遊技機の可動装飾装置。
【請求項13】
遊技基板は、ローリング発生用の隆起を有し、遊技部品本体の裏側には、前記隆起上を摺動する突起が設けられていることを特徴とする請求項2又は4又は6又は12に記載の遊技機の可動装飾装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【公開番号】特開2007−244406(P2007−244406A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67645(P2006−67645)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(000148287)株式会社浅間製作所 (114)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(000148287)株式会社浅間製作所 (114)
【Fターム(参考)】
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