説明

遊技機の皿揚球装置

【課題】遊技者が球に触れることなく、上球受皿や下球受皿から全ての球が抜き取れるようにする。
【解決手段】球揚送扉43が揚送球入口26を閉鎖し、上球抜取操作体19が操作され、球が上球受皿11から下球受皿12に抜き取られることによって揚送球入口26に取り込まれることなく下球受皿12に貯蔵され、その後、下球抜取操作体25が操作されると、球が下球受皿12から球箱37に抜き取られ、または、揚送操作体41が操作されると、扉モータ99の駆動によって球揚送扉43が揚送球入口26を開放するとともに揚送モータ32が駆動し、球が下球受皿12から上球受皿11に揚送されて上球受皿11に貯蔵され、その後、揚送操作体41が再操作されると、扉モータ99の駆動によって球揚送扉43が揚送球入口26を閉鎖してから規定時間後に揚送モータ32が停止し、球が揚送球導入路34から揚送球搬送体33の下部に残らないようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者が球に触れることなく、下球受皿や上球受皿から全ての球が抜き取れる遊技機の皿揚球装置に関する。
【背景技術】
【0002】
球を遊技媒体として使用するパチンコ遊技機などの遊技機では、下球受皿から上球受皿に球を搬送する皿揚球装置が知られている。図9および図10は、特許文献1で開示された皿揚球装置を備えたパチンコ遊技機を示す。
【0003】
図10において、パチンコ遊技機は、遊技機枠1の内部に図外の遊技盤を交換可能に取り付ける形態である。遊技機枠1は、固定枠2の前部に可動枠3を開閉可能に備え、可動枠3の前部に前扉4および皿構造体5を開閉可能に備える。固定枠2は、遊技機設置設備に固定される。遊技機設置設備は、パチンコ遊技機を設置する遊技店の島と呼ばれる設備である。可動枠3は、左側に位置するヒンジ6を中心とし、固定枠2の前で前方に開かれかつ後方に閉じられるように、片開き可能である。可動枠3には、図外の施錠装置、図外の遊技盤を交換可能に取り付けるための機構、図外の球発射機構、図外の球払出装置が設けられる。前扉4および皿構造体5は、個別に、左側に位置するヒンジ7を中心とし、可動枠3の前で前方に開かれかつ後方に閉じられるように、片開き可能である。
【0004】
前扉4には、窓9、前面パネル10が設けられる。窓9は、前後方向への貫通孔として構成される。前面パネル10は、窓9を後から塞ぐ大きさのガラスまたは合成樹脂からなる光透過性の有る無色な板状に構成される。皿構造体5は、前扉4よりも下部に配置される。皿構造体5の前部には、上球受皿11、下球受皿12、球発射操作機構13が設けられる。上球受皿11は、遊技に使用する球を貯蔵する容器である。下球受皿12は、上球受皿11から抜き取られる球を貯蔵する容器である。
【0005】
上球受皿11には、球払出口15、発射球供給口16、上抜取球入口17、上球抜取扉18、上球抜取操作体19、揚送球出口20が設けられる。上球受皿11における底部の球の接触する上面は、上球受皿11に取り込まれた球を発射球供給口16に向けて流下させる斜面を構成する。上球抜取扉18と上球抜取操作体19とは互いに図外の連結機構で連結されており、上球抜取操作体19がばねのばね力に抗し遊技者に操作されるのに伴い連結機構を介して上球抜取扉18が上抜取球入口17を開放するように動作し、上記上球抜取操作体19への遊技者からの操作が解除されるのに伴いばねのばね力で連結機構を介して上球抜取扉18が上抜取球入口17を閉鎖するように動作する。つまり、上球抜取扉18は上球抜取操作体19の操作に伴い機械式に開閉する構造になっている。
【0006】
下球受皿12には、下抜取球入口22、下抜取球出口23、下球抜取扉24、下球抜取操作体25、揚送球入口26、揚送操作体27が設けられる。下球受皿12における底部の球の接触する底面28は、下球受皿12の内部に取り込まれた球を揚送球入口26に向けて流下させる斜面を構成する。下球抜取扉24と下球抜取操作体25とは互いに図外の連結機構で連結されており、下球抜取操作体25が遊技者で操作されるのに伴い連結機構を介して下球抜取扉24が下抜取球出口23を開放するように動作し、上記下球抜取操作体25への遊技者からの操作が解除されるのに伴い連結機構を介して下球抜取扉24が下抜取球出口23を閉鎖するように動作する。つまり、下球抜取扉24は下球抜取操作体25の操作に伴い機械式に開閉する構造になっている。
【0007】
図9に示すように、上球受皿11および下球受皿12には、抜取球通路29および球揚送機構30が設けられる。球揚送機構30は、揚送筐体31、揚送モータ32、揚送球搬送体33、揚送球導入路34、揚送球導出路35が設けられる。
【0008】
図9において、皿揚球装置の動作について説明する。上抜取球入口17が上球抜取扉18で閉鎖され、球払出装置から賞球または貸球としての球が払い出された場合、当該球は、図10の球払出口15から上球受皿11に払い出され、上球受皿11の球と接触する底面を球発射球供給口16に向けて流下し上球抜取扉18に受け止められ上球受皿11に貯蔵される。
【0009】
図9に戻り、前記のように球が上球受皿11に貯蔵された状態において、遊技者が上球抜取操作体19を操作すると、上球抜取扉18が実線で示す位置から仮想線で示す位置に移動しかつ停止して上抜取球入口17を開放する。これによって、球が、矢印X1で示すように上球受皿11から上抜取球入口17と抜取球通路29および下抜取球入口22を経由して下球受皿12に排出された後に下球受皿12の底面28を揚送球入口26に向けて流下して下球受皿12に貯蔵されるとともに、矢印X2で示すように揚送球入口26を経由して揚送球導入路34に貯蔵される。
【0010】
そして、球が下球受皿12および揚送球導入路34に貯蔵され、球箱37が下球受皿12の真下に位置するように遊技機設置設備の棚38の上に置かれた状態において、遊技者が下球抜取操作体25を操作すると、下球抜取扉24が実線で示す位置から仮想線で示す位置に移動しかつ停止して下抜取球出口23を開放する。これによって、球が、矢印X3で示すように下抜取球出口23から落下して球箱37に取り込まれる。この場合、上記揚送球導入路34に貯蔵された球は、揚送球導入路34に残存されたままである。
【0011】
また、下球抜取扉24が仮想線で示す位置から実線で示す位置に移動しかつ停止して下抜取球出口23を閉鎖し、球が下球受皿12および揚送球導入路34に貯蔵された状態において、遊技者が揚送操作体27を操作すると、揚送モータ32が揚送球搬送体33を回転し、揚送球搬送体33が揚送球導入路34に残存する球および下球受皿12に貯蔵された球を上方に搬送する。この上方に搬送された球は矢印X4で示すように揚送球搬送体33の上部から揚送球導出路35を経由して揚送球出口20から上球受皿11に排出される。
【0012】
しかしながら、下球受皿12の底面28が球を揚送球入口26に向けて流下させる斜面を構成し、球が揚送球導入路34に残る構造になっている。このため、揚送球導入路34に残存する球を抜き取る場合、遊技者が、揚送球入口26を手などで塞ぎ、揚送操作体27および上球抜取操作体19を操作し、球を揚送操作体27で上球受皿11に揚送し、この球を上球受皿11から上球抜取扉18と抜取球通路29および下抜取球入口22を経由して下球受皿12に排出させ、この球を下球受皿12から下抜取球出口23を経由して球箱37に抜き取られる必要があり、遊技者が揚送球入口26を手で塞ぐことから、遊技者が球に触れなければならないという欠点がある。
【特許文献1】特開2001−353322号公報
【特許文献2】特開2003−340086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
発明が解決しようとする問題点は、揚送球導入路に残存する球を抜き取る場合、遊技者が球に触れなければならないという点である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る遊技機の皿揚球装置は、遊技に使用する球を貯蔵する上球受皿と、上球受皿から抜き取られる球を貯蔵する下球受皿と、上球受皿から下球受皿に球を抜き取る抜取球通路と、上球受皿から下球受皿に球を抜き取る開閉可能な上抜取球入口と、下球受皿から球揚送機構に球を取り込む開閉可能な揚送球入口とを備え、下球受皿の球と接触する底面が球を下抜取球出口に向けて流下させる斜面として構成され、揚送球入口が閉鎖すると球を下抜取球出口または下球受皿の球と接触する底面に向けて流下させる斜面として構成され、上抜取球入口が閉鎖すると球が上球受皿に貯蔵され、上抜取球入口が開放しかつ下抜取球出口および揚送球入口が閉鎖すると球が上球受皿から抜き取られて下球受皿に貯蔵され、揚送球入口が閉鎖しかつ下抜取球出口が開放すると球が上記底面を流下して下球受皿から下方外部に全て抜き取られ、下抜取球出口が閉鎖しかつ揚送球入口が開放すると球揚送機構が下球受皿から上球受皿に球を搬送するように駆動し、その球揚送機構の駆動中に揚送球入口が閉鎖するとその閉鎖から規定時間後に上記球揚送機構が停止するように、揚送球入口の開閉と球揚送機構の駆動とが制御され、揚送球入口の開閉が扉駆動機構によって行われる構成であることを最も主要な特徴とする。扉駆動機構の駆動源がモータで構成されてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る遊技機の皿揚球装置は、下抜取球出口および揚送球入口が閉鎖して球が下球受皿に貯蔵された状態において、下抜取球出口が開放すると球が下球受皿の球と接触する底面を流下して下球受皿から下方外部に全て抜き取られ、また、下抜取球出口および揚送球入口が閉鎖して球が下球受皿に貯蔵された状態において、下抜取球出口が閉鎖しかつ揚送球入口が開放すると球揚送機構が下球受皿から上球受皿に球を搬送するように駆動し、その球揚送機構の駆動中に揚送球入口が閉鎖するとその閉鎖から規定時間後に上記球揚送機構が停止し、球が揚送球入口から球揚送機構に残らないので、遊技者が揚送球入口を手などで塞ぐことが不要であって、遊技者が球に触れることがなく、下球受皿や上球受皿から全ての球が抜き取れるという利点がある。下抜取球出口が閉鎖すると球を揚送球入口に流下させる斜面として構成されれば、遊技者が球に触れることがなく、球が下球受皿から揚送球入口に全て取り込まれるという利点があるうえ、揚送球入口の開閉が扉駆動機構によって行われるので、揚送球入口を開閉する構造が簡単になるという利点がある。扉駆動機構の駆動源がモータで構成されれば、球揚送扉がゆっくりと開閉して球を下球受皿の外側に跳ね飛ばさないという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1乃至図7は、発明を実施するための最良の形態である。図1乃至図7において、従来と同一機能を有する部分には図9および図10の符号と同一符号を付し、重複説明を省略する。図1のa図は、下球抜取扉24および球揚送扉43の双方が閉鎖した下球受皿12を示す。図1のb図は、下球抜取扉24が閉鎖し球揚送扉43が開放した下球受皿12を示す。図2は、皿構造体5を分解して示す。図3は、下球受皿12を分解して示す。図4のa図は、球揚送扉43の閉鎖とカム109との関係を示す。図4のb図は、球揚送扉43の開放とカム109との関係を示す。図5は、皿構造体5に設けられた皿揚球装置の縦に切断した模式的な断面を示す。図6は、パチンコ遊技機の遊技機枠1を示す。図7は、皿揚球装置の制御の流れを示す。本明細書において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」の方向は、図6の状態に遊技機枠1を置いて矢印Aで示す前方から見た場合に特定される方向である。
【0017】
図6において、球払出口15が上球受皿11の右側に設けられたこと、発射球供給口16と上抜取球入口17および上球抜取扉18が上球受皿11の左側に設けられたこと、上球抜取操作体19および揚送操作体42が皿構造体5における上球受皿11の前を覆い隠す前面に設けられたこと、下球受皿12の底面28が下球受皿12の内部に取り込まれた球を下抜取球出口23に向けて流下させる斜面を構成したこと、揚送球入口26には球揚送扉43が設けられたこと、下球抜取扉24および球揚送扉43の双方が閉じた場合に球揚送扉43の上面が下球抜取扉24の上面よりも上方に配置され、下球抜取扉24が閉じた場合に下球抜取扉24の上面が球を揚送球入口26に向けて流下させる斜面を構成し、球揚送扉43が閉じた場合に球揚送扉43の上面が球を下抜取球出口23または底面28に向けて流下させる斜面を構成したこと、球揚送扉43が開いた場合に球揚送扉43の上面44が球を揚送球入口26から揚送球導入路34に向けて流下させる斜面を構成したことが図10と相違する。揚送操作体42は、遊技者に操作された場合、図5の扉モータ99と図5の揚送モータ32とが動くように構成されたことで、図9の揚送操作体27と機能が異なる。
【0018】
つまり、上記球揚送扉43が揚送球入口26に設けられたことは、揚送球入口26が開閉可能に構成されたことと、同義語である。下球抜取扉24および球揚送扉43の双方が閉じた場合に球揚送扉43の上面が下球抜取扉24の上面よりも上方に配置されたことは、揚送球入口26および下抜取球出口23の双方が閉鎖した場合に揚送球入口26が下抜取球出口23よりも上方に配置されたことと、同義語である。下球抜取扉24が閉じた場合に下球抜取扉24の上面が球を揚送球入口26に向けて流下させる斜面を構成することは、下抜取球出口23が閉鎖した場合に球を揚送球入口26に向けて流下させる斜面を構成することと、同義語である。球揚送扉43が閉じた場合に球揚送扉43の上面が球を下抜取球出口23または底面28に向けて流下させる斜面を構成したことは、揚送球入口26が閉鎖した場合に球を下抜取球出口23または底面28に向けて流下させる斜面を構成することと、同義語である。球揚送扉43が開いた場合に球揚送扉43の上面が球を揚送球導入路34に向けて流下させる斜面を構成したことは、揚送球入口26が開放した場合に球を揚送球入口26から揚送球導入路34の方に流下させる斜面を構成することと、同義語である。
【0019】
図1を参照し、球揚送扉43の開閉について説明する。図1のa図は、扉駆動機構68およびカム板69が下球受皿12の外側に位置して下球受皿12の後部に取り付けられ、扉駆動機構68の駆動源としてのモータを構成する扉モータ99の出力軸102(図3参照)に設けられた駆動歯車103がカム板69に設けられた従動歯車108に噛み合わされ、カム板69に設けられたカム109には球揚送扉43に設けられたカムフォロア77が嵌め合わされ、揚送モータ32(図5参照)が停止し、球揚送扉43が揚送球入口26を閉鎖し、下球抜取扉24が下抜取球出口23を閉鎖した状態である。このように、下球抜取扉24および球揚送扉43の双方が閉じた場合、球揚送扉43の上面が下球抜取扉24の上面よりも上方に配置され、下球抜取扉24が閉じた場合に下球抜取扉24の上面が球を揚送球入口26に向けて流下させる斜面を構成し、球揚送扉43が閉じた場合に球揚送扉43の上面が球を下抜取球出口23または底面28に向けて流下させる斜面を構成する。
【0020】
図1のa図の状態において、扉モータ99が駆動し、カム板69が回転するのに伴い、球揚送扉43が下降を開始する。そして、図1のb図に示すように、球揚送扉43が下降限度位置に到達すると、扉モータ99が停止するのに伴い、カム板69が停止し、球揚送扉43が下降限度位置に停止し、球揚送扉43の上面が下球抜取扉24の上面よりも下方になり、球揚送扉43が揚送球入口26を開放する。このように球揚送扉43が開いた場合、球揚送扉43の上面は球を揚送球入口26から揚送球導入路34の方に流下させる斜面を構成する。
【0021】
図1のb図の状態において、扉モータ99が再び駆動し、カム板69が回転するのに伴い、球揚送扉43が上昇を開始する。そして、図1のa図に示すように、球揚送扉43が上昇限度位置に到達すると、扉モータ99が停止するのに伴い、カム板69が停止し、球揚送扉43が上昇限度位置に停止し、球揚送扉43の上面が下球抜取扉24の上面よりも上方になり、球揚送扉43が揚送球入口26を閉鎖する。
【0022】
図1に示すように、球揚送扉43が扉駆動機構68で開閉するように構成されたので、球揚送扉43と揚送操作体42とを連結機構で連結した機械式に開閉する場合よりも、構造が簡単になるという利点がある。球揚送扉43が扉モータ99で開閉するように構成されたので、球揚送扉43を電磁ソレノイドで開閉する場合よりも、球揚送扉43がゆっくりと開閉して球を下球受皿12の外側に跳ね飛ばさないという利点がある。
【0023】
図2を参照し、皿構造体5の構造について説明する。皿構造体5は、上球受皿11、下球受皿12、後躯体51、前化粧体52を備える。後躯体51は、皿構造体5の全体を構造的に支える土台を構成し、球払出口15、発射球供給口16、ヒンジ53、中継球入口54、前球中継路55、中継連絡口56、後球中継路57、中継球出口58、球発射操作取付部59、配線孔60を備える。前化粧体52は、皿構造体5の美的形状を構成し、揚送操作体42、下皿開口61、操作逃避孔62;63;64を備える。
【0024】
図2において、皿構造体5の組立方について説明する。上球抜取操作体19が前化粧体52の後から操作逃避孔62に挿入され、図外のタッピングスクリューのような止ねじが上球受皿11の後から上球受皿11の図外の取付部を経由して前化粧体52に締結されることによって、上球受皿11が前化粧体52に取り付けられる。また、下球抜取操作体25が前化粧体52の後から操作逃避孔63に挿入され、図外のタッピングスクリューのような止ねじが下球受皿12の後から取付部89;96を経由して前化粧体52に締結されることによって、下球受皿12が前化粧体52に取り付けられる。次に、後躯体51が上球受皿11および下球受皿12を後から被覆し、図外のタッピングスクリューのような止ねじが後躯体51の後から後躯体51の図外の取付部を経由して前化粧体52に締結されることによって、後躯体51および前化粧体52が互いに固定される。
【0025】
このように皿構造体5が組み立てられた場合、上球抜取操作体19に連動する上球抜取扉18が発射球供給口16の下縁部の前方に配置され、上球抜取扉18よりも下流側における抜取球通路29が中継球入口54に接続され、下抜取球入口22と中継球出口58とが互いに接続される。したがって、上球抜取扉18が開放された場合、球が上球受皿11の抜取球通路29から中継球入口54、前球中継路55、中継連絡口56、後球中継路57、中継球出口58、下抜取球入口22を経由して下球受皿12に排出される。
【0026】
皿構造体5が組み立てられた後、球発射操作機構13(図6参照)の後部が前化粧体52の前から操作逃避孔64を経由して球発射操作取付部59に重ね合わされ、図外のタッピングスクリューのような止ねじが後躯体51の後から球発射操作取付部59を経由して球発射操作機構13に締結されることによって、球発射操作機構13が後躯体51に取り付けられる。これによって、皿構造体5が図6に示す形状に構成される。
【0027】
図3を参照し、下球受皿12の構造について説明する。下球受皿12は、下球抜取扉24、球揚送扉43、下皿基盤66、機構蓋67、扉駆動機構68、カム板69、扉閉鎖ばね70を備える。下球抜取扉24の下面には、ばね繋止部72が設けられる。下球抜取扉24の前部が孔閉鎖体73の後部に固定され、下球抜取扉24の上面と孔閉鎖体73の裏面とが互いに交差するような配置になる。孔閉鎖体73の前部には、下球抜取操作体25が固定されて孔閉鎖体73から前方に突出する。
【0028】
球揚送扉43の一側部には、左右方向に延びるレバー75が固定される。球揚送扉43とレバー75との連接部分には、垂幕逃避部76が、連接部分の上面から下方に窪み、上方および前後に開口した溝として設けられる。レバー75には、カムフォロア77および扉軸78が設けられる。カムフォロア77は、垂幕逃避部76の近くに位置し、レバー75から後方に突出した突起として構成される。扉軸78は、レバー75の垂幕逃避部76から遠い端部に位置し、レバー75から前後方向に突出する丸棒として構成される。
【0029】
下皿基盤66には、下抜取球入口22、球貯蔵室80、貯蔵球出口81、基盤揚送球導入路82、カム軸83、軸受部84、垂幕85、ばね取付部86、ばね繋止部87、フォロア逃避部88、取付部89;90;91が設けられる。下抜取球入口22は、前後方向への貫通孔として、下皿基盤66の後壁に形成される。球貯蔵室80は、上方に開口しかつ上方から下方に窪み、上球受皿11の球を収容する部屋を構成する。貯蔵球出口81は、上下方向への貫通孔として、球貯蔵室80の底部に形成される。基盤揚送球導入路82は、下方および左右に開口しかつ下から上に窪み、貯蔵球出口81に連なる溝として、下皿基盤66の下部に形成される。
【0030】
カム軸83は、下皿基盤66から後方に突出する円柱として、下皿基盤66の後壁に形成される。軸受部84は、下方および前後に開口しかつ下方から上方に窪む溝として、下皿基盤66の下部に形成される。垂幕85は、貯蔵球出口81における軸受部84の方の縁部から下方に突出する壁として構成される。ばね取付部86とばね繋止部87およびフォロア逃避部88は、下皿基盤66の下部に形成される。取付部89は、下球受皿12を図2の皿構造体5に図外の止ねじで取り付ける部分である。取付部90は、下皿基盤66と機構蓋67とを相互に取り付ける部分である。取付部91は、下皿基盤66と扉駆動機構68とを相互に取り付ける部分である。
【0031】
機構蓋67には、下抜取球出口23、揚送球入口26、フォロア逃避部93、蓋揚送球導入路94、取付部95;96が設けられる。下抜取球出口23および揚送球入口26は、上下方向への貫通孔として構成される。フォロア逃避部93は、機構蓋67の上部に形成される。蓋揚送球導入路94は、下方および左右に開口しかつ上から下に窪み、揚送球入口26に連なる溝として、機構蓋67の上部に形成される。取付部95は、下皿基盤66と機構蓋67と相互に取り付ける部分である。取付部96は、機構蓋67を図2の皿構造体5に図外の止ねじで取り付ける部分である。
【0032】
扉駆動機構68は、機構基盤98、扉モータ99、位置検出器100、取付部101を備える。機構基盤98は、扉駆動機構68の全体を構造的に支える土台を構成する。扉モータ99および位置検出器100は、機構基盤98の前部に取り付けられる。扉モータ99の出力軸102には、駆動歯車103が固定される。取付部101は、下皿基盤66と扉駆動機構68とを互いに取り付ける部分として、機構基盤98に設けられる。
【0033】
カム板69には、軸受部105、円形壁106、被検出部107、従動歯車108、カム109が設けられる。軸受部105は、前後方向に貫通した円形孔を構成する。円形壁106は、軸受部105を中心とする1つの円周上に位置し、カム板69から後方に突出する。被検出部107は、円形壁106の直径を通る直線と交差する2つの位置に位置し、後方および径方向に開口しかつ後から前に窪む溝として構成される。従動歯車108は、カム板69の軸受部105を中心とする1つの円周の全範囲にわたり形成された平歯車として、カム板69の周縁部に構成される。カム109は、カム板69の軸受部105と異なる位置における中心を中心とする1つの円周上に位置し、カム板69の前面に溝カムとして構成される。
【0034】
図3において、下球受皿12の組立方について説明する。下球抜取扉24および球揚送扉43が下皿基盤66の下から貯蔵球出口81に挿入され、孔閉鎖体73が下皿基盤66よりも前方に配置され、カムフォロア77がフォロア逃避部88に挿入され、扉軸78が軸受部84に嵌め込まれ、扉閉鎖ばね70のつるまき部がばね取付部86に嵌め込まれ、扉閉鎖ばね70のつるまき部から突出する一方の腕部がばね繋止部72に係留され、扉閉鎖ばね70のつるまき部から突出する他方の腕部がばね繋止部87に係留され、止ねじ111がばね取付部86に下方から締結されることによって、扉閉鎖ばね70が止ねじ111でばね取付部86に取り付けられる。その後、機構蓋67が下球抜取扉24や球揚送扉43および扉閉鎖ばね70などを被覆しつつ下皿基盤66の下部に重ね合わされ、下球抜取扉24が揚送球入口26の上に対応し、球揚送扉43が下抜取球出口23の上に対応し、フォロア逃避部93がフォロア逃避部88に接続され、止ねじ112が取付部95を経由して取付部90に締結されることによって、機構蓋67が下皿基盤66に固定される。
【0035】
このように機構蓋67が下皿基盤66に取り付けられた場合、下球抜取扉24が下皿基盤66と機構蓋67との間に形成された案内路に収容され、扉閉鎖ばね70がばね力を下球抜取扉24に閉じる方向に付与し、当該ばね力によって下球抜取扉24が貯蔵球出口81および揚送球入口26を閉鎖する。その状態において、下球抜取操作体25が人為操作によって下球抜取扉24を開くように扉閉鎖ばね70のばね力に抗し例えば右から左に直線的に操作されるのに伴い、孔閉鎖体73が下皿基盤66および機構蓋67の双方よりも前方で右から左に直線的に移動し、下球抜取扉24が上記案内路の内部を右から左に直線的に移動して貯蔵球出口81の前部および揚送球入口26を開放する。下球抜取扉24が開いた状態において、上記下球抜取操作体25から人為操作を解除すると、扉閉鎖ばね70のばね力によって、孔閉鎖体73が左から右に直線的に移動し、下球抜取扉24が上記案内路の内部を左から右に直線的に移動して貯蔵球出口81の前部および揚送球入口26を閉鎖する。
【0036】
また、カム板69のカム109がカムフォロア77のフォロア逃避部88から後方に突出した後部に収容され、軸受部105がカム軸83に嵌め込まれた後、扉駆動機構68の駆動歯車103が従動歯車108に噛み合わされ、円形壁106が位置検出器100の前部に形成された前および上下に開口した凹部に位置検出器100に接触しないように取り込まれ、止ねじ113が左の取付部101を経由して取付部91に締結され、止ねじ114が右の取付部101を経由してカム軸83に締結されることによって、扉駆動機構68およびカム板69が下皿基盤66に取り付けられる。
【0037】
このように扉駆動機構68およびカム板69が下皿基盤66に取り付けられ、位置検出器100が電力供給を受け、検出光が凹部の一側を形成する発光部から凹部の他側を形成する受光部に向けて照射された状態において、扉モータ99の駆動によってカム板69が回転し、円形壁106で遮られていた位置検出器100の検出光がカム板69の2分の1回転ごとに被検出部107を通過して受光部で受光される。これによって、位置検出器100がカム板69の回転位置をカム板69の2分の1回転ごとに1回検出して回転位置信号を図7の制御装置50に出力する。
【0038】
図4を参照し、球揚送扉43の開閉と扉駆動機構68との関係について説明する。図4のa図に示すように、カムフォロア77がカム109の軸受部105に最も接近した場所に位置した場合、球揚送扉43が揚送球入口26および貯蔵球出口81を閉鎖する。その状態において、扉モータ99が駆動し、カム板69がカム軸83を中心とし一方向に回転し、カムフォロア77がカム109の軸受部105から離れる場所に移動するに伴い、球揚送扉43が扉軸78を中心として下降する。
【0039】
そして、図4のb図に示すように、カムフォロア77がカム109の軸受部105から最も離れた場所に位置することによって、球揚送扉43が揚送球入口26および貯蔵球出口81を開放する。このように球揚送扉43が揚送球入口26および貯蔵球出口81を開放すると、球貯蔵室80の球が矢印X5で示すように底面28から貯蔵球出口81および揚送球入口26を経由して球揚送扉43の上面に落下した後、球揚送扉43の上面を流下して揚送球導入路34に取り込まれる。
【0040】
図5を参照し、皿揚球装置の動作について説明する。上球抜取扉18が上抜取球入口17を閉鎖した状態において、球が上球受皿11に貯蔵される場合、当該球は上球受皿11から球発射球供給口16と上球抜取扉18の上面を経由しつつ球発射球供給通路46から発射球送出口47に到達する。そして、遊技者が図6の球発射操作機構13を操作すると、発射球送出機構48における電磁ソレノイドのようなアクチュエータが発射球送出体を駆動し、発射球送出体が球を図外の球発射機構の発射動作に合わせて球発射機構に発射球として1個ずつ供給する。球発射機構は、球発射操作機構13(図6参照)から出力された操作量に応じた発射力で例えば1分間に1から100発未満までの規定数の間隔で駆動し、発射球送出機構48から供給された図外の遊技盤の前面に向けて発射する。
【0041】
前記のように球が上球受皿11に貯蔵された状態において、遊技者が上球抜取操作体19を操作すると、上球抜取扉18が例えば図5の紙面の表面から裏面の方に横移動して上抜取球入口17を開放する。これによって、上球受皿11から発射球送出口47に到達している球が、発射球送出口47に残ることなく、矢印X1で示すように球発射球供給通路46から抜取球通路29および下抜取球入口22を経由して下球受皿12に排出される。
【0042】
そして、下球抜取扉24が実線で示す位置に停止して下抜取球出口23を閉鎖し、球揚送扉43が実線で示す位置に停止して揚送球入口26を閉鎖した状態において、上記のように球が上球受皿11から下球受皿12に排出された場合、当該球は下球受皿12の底面28または球揚送扉43の上面44を下抜取球出口23に向けて流下して下球受皿12に貯蔵される。
【0043】
前記のように球が下球受皿12に貯蔵され、球箱37が下球受皿12の真下に位置するように遊技機設置設備の棚38の上に置かれた状態において、遊技者が下球抜取操作体25を操作すると、下球抜取扉24が実線で示す位置から仮想線で示す位置に移動しかつ停止して下抜取球出口23を開放し、球が矢印X3で示すように下球受皿12の下抜取球出口23から落下して球箱37に取り込まれる。
【0044】
下球抜取扉24が仮想線で示す位置から実線で示す位置に移動しかつ停止して下抜取球出口23を閉鎖し、球が下球受皿12に貯蔵された状態において、遊技者が揚送操作体42を操作すると、扉モータ99および揚送モータ32が駆動し、球揚送扉43が実線で示す位置から仮想線で示す位置に移動しかつ停止して揚送球入口26を開放し、球が矢印X2で示すように揚送球入口26から揚送球導入路34および揚送球搬送体33の下部に到達し、揚送モータ32が揚送球搬送体33を回転し、揚送球搬送体33が下球受皿12の方から揚送球導入路34に供給された球を上方に搬送する。この上方に搬送された球は矢印X4で示すように揚送球搬送体33の上部から揚送球導出路35を経由して揚送球出口20から上球受皿11に排出される。上記球揚送扉43が揚送球入口26を開放した場合、上記扉モータ99の駆動は停止される。上記揚送モータ32の駆動は、制御装置50(図7参照)により自己保持される。
【0045】
揚送モータ32の駆動に伴い、球が下球受皿12から上球受皿11に揚送されている最中において、遊技者が揚送操作体42を再操作すると、扉モータ99が駆動し、球揚送扉43が仮想線で示す位置から実線で示す位置に移動しかつ停止して揚送球入口26を閉鎖し、球が揚送球導入路34に進入することなく下球受皿12に貯蔵される。球揚送扉43が揚送球入口26を閉鎖してから規定時間を経過したら、揚送モータ32が停止する。これによって、上記球揚送扉43が揚送球入口26を閉鎖した時点において、揚送球導入路34から揚送球搬送体33の下部に残る球が、上記揚送モータ32の規定時間での駆動によって、上球受皿11に揚送される。つまり、球揚送機構30の駆動中に球揚送扉43が閉鎖された場合、球が揚送球入口26から球揚送機構30に残らない。
【0046】
前記揚送操作体42の再操作後に、遊技者が上球抜取操作体19を操作すると、上球抜取扉18が上抜取球入口17を開放し、球が矢印X1で示すように上球受皿11から下球受皿12に排出される。この場合、すでに、球揚送扉43が実線で示す位置に停止して揚送球入口26を閉鎖しているので、下抜取球入口22から下球受皿12に排出された球は、下球受皿12の底面28または球揚送扉43の上面44を下抜取球出口23に向けて流下して下球受皿12に貯蔵される。
【0047】
図7を参照し、皿揚球装置の制御の流れについて説明する。図7において、揚送操作体42が操作されるごとに揚送操作検出器49が揚送開始信号を制御装置50に出力し、制御装置50が揚送モータ32および扉モータ99を制御する。具体的には、制御装置50に内蔵されたコンピュータが、電気の供給を受けたことによって起動すると、制御装置50を示すブロックの中に図示したフローチャートにしたがった揚送モータ32および扉モータ99に対する処理を実行する。つまり、揚送操作体42が操作され、揚送操作検出器49が揚送開始信号を制御装置50に出力すると、ステップ201における揚送操作の判定がYESとなり、ステップ202に進む。
【0048】
ステップ202では、揚送操作中であることを示すフラグがコンピュータのRAMに設定されているか否かを判定する。ステップ202の判定において、フラグがRAMに設定されていなければ、揚送操作中ではなく、ステップ201で入力された揚送開始信号が再入力ではない揚送開始信号であり、ステップ202がNOであるので、ステップ203に進む。ステップ203では、揚送操作中であることを示すフラグをコンピュータのRAMに設定し、ステップ204に進む。ステップ204では、制御装置50が揚送モータ32および扉モータ99を駆動するとともに揚送モータ32に対する駆動を自己保持する。このステップ204での扉モータ99の駆動によって、球揚送扉43が下降する。その後、ステップ205に進む。
【0049】
ステップ205では、扉下降限度位置であるか否かを判定する。ステップ205の判定において、位置検出器100から1つの被検出部107を検出した信号としての扉下降限度位置検出信号が制御装置50に入力されていなければ、制御装置50が扉下降限度位置ではないと判定し、ステップ205がNOとなり、ステップ205の処理を繰り返す。ステップ205の判定において、位置検出器100から上記と同じ1つの被検出部107を検出した信号としての扉下降限度位置検出信号が制御装置50に入力された場合、制御装置50が扉下降限度位置であると判定し、ステップ205がYESとなり、ステップ206に進む、ステップ206では、扉モータ99を停止し、コンピュータによる処理の1サイクルを終わる。
【0050】
上記ステップ202の判定において、フラグがRAMに設定されていれば、揚送操作中であり、ステップ201で入力された揚送開始信号が再入力された揚送開始信号であり、ステップ202がYESであるので、ステップ207に進む。ステップ207では、扉モータ99を駆動する。このステップ207での扉モータ99の駆動よって、球揚送扉43が上昇し、ステップ208に進む。ステップ208では、扉上昇限度位置であるか否かを判定する。ステップ208の判定において、位置検出器100から上記と異なるもう1つの被検出部107を検出した信号としての扉上昇限度位置検出信号が制御装置50に入力されていなければ、制御装置50が扉上昇限度位置ではないと判定し、ステップ208がNOとなり、ステップ208の処理を繰り返す。ステップ208の判定において、位置検出器100から上記と同じもう1つの被検出部107を検出した信号としての扉上昇限度位置検出信号が制御装置50に入力された場合、制御装置50が扉上昇限度位置であると判定し、ステップ208がYESとなり、ステップ209に進む。
【0051】
ステップ209では、扉モータ99を停止し、ステップ210に進む。ステップ210では、揚送経過時間を計時し、ステップ211に進む。ステップ211では、ステップ210で計時した揚送経過時間が規定時間に到達したか否かを判定する。ステップ211の判定において、揚送経過時間が規定時間に到達していなければ、ステップ211がNOであり、ステップ210にジャンプする。ステップ211の判定において、揚送経過時間が規定時間に到達していれば、ステップ211がYESであり、ステップ212に進む。ステップ212では、制御装置50が揚送モータ32に対する駆動の自己保持を解除するとともに揚送モータ32を停止しかつ扉モータ99を駆動し、ステップ213に進む。ステップ213では、フラグをRAMから消去し、コンピュータによる処理の1サイクルを終わる。
【0052】
上記制御の処理によれば、揚送操作体42が操作されると、制御装置50が揚送モータ32および扉モータ99を駆動するともに揚送モータ32に対する駆動を自己保持し、位置検出器100からの扉下降限度位置検出信号が入力されると、制御装置50が扉モータ99を停止する。そして、制御装置50が揚送モータ32に対する駆動を自己保持した状態において、揚送操作体42が操作されると、制御装置50が揚送操作検出器49からの揚送開始信号の再入力を検出して扉モータ99を再び駆動し、位置検出器100からの扉上昇限度位置検出信号が入力されると、制御装置50が扉モータ99を停止する。また、制御装置50が上記揚送開始信号の再入力の検出から規定時間後に、制御装置50が揚送モータ32に対する駆動の自己保持を解除するとともに揚送モータ32を停止する。規定時間は、制御装置50の再入力を検出してから揚送球搬送体33が揚送球導入路34に残存する全ての球を揚送球導出路35に揚送するまでに要する時間として、経験則から求められ、制御装置50におけるコンピュータのROMに設定される。
【0053】
最良の形態によれば、図5に示すように、下球受皿12の底面28が球を下抜取球出口23に向けて流下させる斜面として構成され、揚送球入口26が扉駆動機構68によって開閉されるように開閉可能に構成され、揚送球入口26が閉鎖すると下抜取球出口23または底面28に向けて流下させる斜面として構成され、そして、下抜取球出口23および揚送球入口26が閉鎖して球が下球受皿12に貯蔵された状態において、下抜取球出口23が開放すると球が底面28を流下して下球受皿12から下方外部に全て抜き取られ、また、抜取球出口23および揚送球入口26が閉鎖して球が下球受皿12に貯蔵された状態において、下抜取球出口23が閉鎖しかつ揚送球入口26が開放すると球揚送機構30が下球受皿12から上球受皿11に球を搬送するように駆動し、その球揚送機構30の駆動中に揚送球入口26が閉鎖するとその閉鎖から規定時間後に球揚送機構30が停止し、球が揚送球入口26から球揚送機構30に残らないので、遊技者が揚送球入口を手などで塞ぐことが不要であって、遊技者が球に触れることがなく、下球受皿や上球受皿から全ての球が抜き取れるという利点がある。
【0054】
具体的には、球揚送扉43が揚送球入口26を閉鎖し、下球抜取扉24が下抜取球出口23を閉鎖した状態において、遊技者が上球抜取操作体19を操作した場合、球が上球受皿11から下球受皿12に抜き取られて貯蔵される。そして、球箱37が下球受皿12の真下に位置するように遊技機設置設備の棚38の上に置かれ、遊技者が下球抜取操作体25を操作すると、球が下球受皿12から下球受皿12の下方外部の球箱37に全て抜き取られる。また、上記のように球が下球受皿12に貯蔵された後、遊技者が下球抜取操作体25を操作しないで揚送操作体42を操作すると、揚送モータ32および扉モータ99が駆動し、扉モータ99の駆動で球揚送扉43が揚送球入口26を開放し、揚送モータ32の駆動で球が下球受皿12から上球受皿11に揚送されて上球受皿11に貯蔵される。上記扉モータ99の駆動は、球揚送扉43が揚送球入口26を開放した状態で停止する。上記揚送モータ32の駆動は自己保持される。その後、遊技者が下揚送操作体42を再操作すると、扉モータ99が再び駆動し、揚送モータ32の再駆動で球揚送扉43が揚送球入口26を閉鎖し、扉モータ99が停止する。また、球揚送扉43が閉鎖してから規定時間後に揚送モータ32が停止し、球が揚送球入口26から球揚送機構30に残らない。このため、遊技者が揚送球入口26を手などで塞ぐことが不要であり、遊技者が球に触れることがなく、下球受皿12から上球受皿11に球を揚送させたり、上球受皿11から下球受皿12に球を抜き取ったり、下球受皿12から球箱37に球を抜き取ったりすることができるという利点がある。つまり、遊技者が球に触れることがなく、下球受皿12や上球受皿11から全ての球が抜き取れるという利点がある。
【0055】
最良の形態によれば、図5に示すように、下球抜取扉24が閉じた場合に下球抜取扉24の上面45が球を揚送球入口26に向けて流下させる斜面を構成するというように、下抜取球出口23が閉鎖すると球を揚送球入口26に流下させる斜面として構成されているので、下抜取球出口23が閉鎖しかつ揚送球入口26が開放すると、遊技者が球に触れることがなく、球が下球受皿12から揚送球入口26に全て取り込まれ、球揚送機構30が球を下球受皿12から上球受皿11に全て搬送することができるという利点がある。
【0056】
図5において、閉じた下球抜取扉24と閉じた球揚送扉43との間の距離Dは、1個の球の半径よりも小さな寸法に設定され、下球抜取扉24が開放しかつ球揚送扉43が閉鎖した場合、球が距離Dの部分に滞留しないようになっている。
【産業上の利用可能性】
【0057】
カム板69に置換するリンク機構を使用し、扉モータ99の駆動によって球揚送扉43を開閉してもよい。球揚送扉43が、例えば図5の紙面の表面から裏面の方に横移動して揚送球入口26を開放するというように、揚送球入口26に対し左右方向または前後方向に横移動して揚送球入口26を開放するようにしてもよい。
【0058】
図6において、前扉4および皿構造体5は一体であってもよい。また、球揚送機構30は、図5の皿構造体5の後部ではなく、図2の後躯体51と前化粧体52との間に配置されるように皿構造体5の前部にも設けられてもよい。
【0059】
図6において、遊技機はパチンコ遊技機に限定されるものではなくスロットマシンでもよい。つまり、遊技盤を図柄表示器に置換し、球発射操作機構13を球取込操作機構に置換し、球発射機構を球取込機構に置換し、遊技開始操作機構および図柄停止操作機構を皿構造体5の前部または前扉4の前部に設ければ、皿揚球装置はスロットマシンにも適用できる。
【0060】
図8に示すように、球揚送扉43を構成してもよい。図8のa図では、球揚送扉43が実線で示す閉鎖位置と仮想線で示す開放位置とに軸116を中心として回転するようになっている。この場合、球揚送扉43は、片開きに限定されるものではなく、両開きであってもよい。図8のb図では、球揚送扉43が実線で示す閉鎖位置と仮想線で示す開放位置との軸117を中心として回転する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】下球受皿の斜視図(最良の形態)。
【図2】皿構造体の分解斜視図(最良の形態)。
【図3】下球受皿の分解斜視図(最良の形態)。
【図4】球揚送扉の開閉とカムとの関係の模式図(最良の形態)。
【図5】皿揚球装置の縦断面図に相当する模式図(最良の形態)。
【図6】遊技機枠の斜視図(最良の形態)。
【図7】皿揚球装置のフローチャート(最良の形態)。
【図8】球揚送扉を示す模式図(異なる形態)。
【図9】皿揚球装置の縦断面図に相当する模式図(従来)。
【図10】遊技機枠の斜視図(従来)。
【符号の説明】
【0062】
1は遊技機枠、2は固定枠、3は可動枠、4は前扉、5は皿構造体、6はヒンジ、7はヒンジ、8は欠番、9は窓、10は前面パネル、11は上球受皿、12は下球受皿、13は球発射操作機構、14は欠番、15は球払出口、16は発射球供給口、17は上抜取球入口、18は上球抜取扉、19は上球抜取操作体、20は揚送球出口、21は欠番、22は下抜取球入口、23は下抜取球出口、24は下球抜取扉、25は下球抜取操作体、26は揚送球入口、27は揚送操作体、28は下球受皿12の底面、29は抜取球通路、30は球揚送機構、31は揚送筐体、32は揚送モータ、33は揚送球搬送体、34は揚送球導入路、35は揚送球導出路、36は欠番、37は球箱、38は棚、39乃至41は欠番、42は揚送操作体、43は球揚送扉、44は球揚送扉43の上面、45は下球抜取扉24の上面、46は球発射球供給通路、47は発射球送出口、48は発射球送出機構、49は揚送操作検出器、50は制御装置、51は後躯体、52は前化粧体、53はヒンジ、54は中継球入口、55は前球中継路、56は中継連絡口、57は後球中継路、58は中継球出口、59は球発射操作取付部、60は配線孔、61は下皿開口、62は操作逃避孔、63は操作逃避孔、64は操作逃避孔、65は欠番、66は下皿基盤、67は機構蓋、68は扉駆動機構、69はカム板、70は扉閉鎖ばね、71は欠番、72はばね繋止部、73は孔閉鎖体、74は欠番、75はレバー、76は垂幕逃避部、77はカムフォロア、78は扉軸、79は欠番、80は球貯蔵室、81は貯蔵球出口、82は基盤揚送球導入路、83はカム軸、84は軸受部、85は垂幕、86はばね取付部、87はばね繋止部、88はフォロア逃避部、89は取付部、90は取付部、91は取付部、92は欠番、93はフォロア逃避部、94は蓋揚送球導入路、95は取付部、96は取付部、97は欠番、98は機構基盤、99は扉モータ、100は位置検出器、101は取付部、102は出力軸、103は駆動歯車、104は欠番、105は軸受部、106は円形壁、107は被検出部、108は従動歯車、109はカム、110は欠番、111乃至114は止ねじ、115は欠番、116;117は軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に使用する球を貯蔵する上球受皿と、上球受皿から抜き取られる球を貯蔵する下球受皿と、上球受皿から下球受皿に球を抜き取る抜取球通路と、上球受皿から下球受皿に球を抜き取る開閉可能な上抜取球入口と、下球受皿から球揚送機構に球を取り込む開閉可能な揚送球入口とを備え、下球受皿の球と接触する底面が球を下抜取球出口に向けて流下させる斜面として構成され、揚送球入口が閉鎖すると球を下抜取球出口または下球受皿の球と接触する底面に向けて流下させる斜面として構成され、上抜取球入口が閉鎖すると球が上球受皿に貯蔵され、上抜取球入口が開放しかつ下抜取球出口および揚送球入口が閉鎖すると球が上球受皿から抜き取られて下球受皿に貯蔵され、揚送球入口が閉鎖しかつ下抜取球出口が開放すると球が上記底面を流下して下球受皿から下方外部に全て抜き取られ、下抜取球出口が閉鎖しかつ揚送球入口が開放すると球揚送機構が下球受皿から上球受皿に球を搬送するように駆動し、その球揚送機構の駆動中に揚送球入口が閉鎖するとその閉鎖から規定時間後に上記球揚送機構が停止するように、揚送球入口の開閉と球揚送機構の駆動とが制御され、揚送球入口の開閉が扉駆動機構によって行われる構成であることを特徴とする遊技機の皿揚球装置。
【請求項2】
請求項1記載の扉駆動機構の駆動源がモータで構成されたことを特徴とする遊技機の皿揚球装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−132138(P2008−132138A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−320294(P2006−320294)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】