説明

遊技機の表示装置

【課題】 パチンコ機、スロット機等の遊技機に付設され、当該遊技機の遊技情報等を表示する表示装置であって、現在の作動状況の他に、過去の統計データを表示する統計データ表示エリアを、他の表示部と紛れがなく見易いように設けること。
【解決手段】
遊技機ごとに取り付けられている呼び出しランプ装置に、当該遊技機の作動状況(遊技情報)を表示する作動状況表示エリアを設けるとともに、該作動状況表示エリアとは別に、作動データの集計結果を表示する統計表示エリアを設け、前記統計表示エリアは、複数色のバックライトによる複数色のカラー表示を行うように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、スロット機等の遊技機に付設され、当該遊技機の遊技情報等を表示する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機、スロット機等の遊技機には、当該遊技機の稼働状況を店員(ホールスタッフ)に素早く知らせることを主たる目的とした呼び出しランプ装置が付設されている。この呼び出しランプ装置は、大当たりが出た場合にランプが点灯して客や店員に知らせるとともに、必要に応じて客がランプを点灯させることにより、玉詰まりや遊技機のトラブルを店員に知らせることができるもので、店員はこれを監視していることにより、直ちに各種のトラブルに対処することができる。
【0003】
さらに、上記呼び出しランプ装置には、遊技機の作動状況(遊技情報)等を表示する表示装置を設けたものもある。この表示装置には、それが取り付けられている遊技機の大当たり(特賞BB)回数(特賞状態となった回数)、確率変動(特賞状態が発生する確率)、スタート回数(特賞状態が終了してから現在までに電動役物が作動した回数)等の遊技情報を表示する機能も設けられていて、遊技者が各遊技機の当日の遊技情報を知ることができるようになっている。この種の遊技情報表示装置としては、例えば下記特許文献1、特許文献2に示すものが提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−18101号公報
【特許文献2】特開2004−121531号公報
【0005】
上記特許文献1に記載のものは、ゲーム履歴記憶手段と画面表示手段とを備え、前記ゲーム履歴記憶手段に記憶されたデータに基づき、大当たりが発生したことを示す大当たりマーク、確変が発生したことを示す確変マークを画面表示手段の所定位置に表示するとともに、これらマークの表示位置は、遊技の進行により新たに発生した分を所定方向に再表示することによりゲーム履歴を表示するようになっている。
【0006】
また、上記特許文献2に記載のものは、表示画面の面積に限度がある場合であっても、表示する遊技データの種類を増やすことができるようにするもので、7セグメント型の2色発光ダイオードを5桁分備えた大当たり及び確変回数表示エリアに、当該パチンコ遊技機の大当たり回数が左揃えで赤色表示されるとともに、パチンコ遊技機の確変回数が右揃えで橙色表示され、大当たり回数及び確変回数の合計桁数が5桁を超えた場合、大当たり及び確変回数表示エリアには、大当たり回数及び確変回数が時分割された状態で交互に異なる発光色(赤色及び橙色)で表示されるようにしたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、遊技機の遊技情報として、刻々変化する現在情報のほかに、過去の遊技データの集計結果、例えば過去最高大当たり数、累計スタート回数、過去最高確変回数等を同時に表示しておくと、遊技者は、各遊技機の傾向をさらに詳しく知ることができることになり、遊技機を選択するのに便利である。しかしながら、遊技機の表示装置は、表示のための面積をそれほど大きくすることができないので、このような統計データを表示しようとすると、表示画面がきわめて煩雑で見難いものとなる。
【0008】
そこで、本発明は、現在の作動状況の他に、過去の統計データを表示することができ、しかも、この統計データ表示エリアを、他の表示部と一目でわかるように区分して、紛れなく、しかも見易く表示できるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、次のような表示装置を提供する。すなわち、請求項1に記載の遊技機の表示装置は、パチンコ機等の遊技機ごとに取り付けられている呼び出しランプ装置に、当該遊技機の作動状況(遊技情報)を表示する作動状況表示エリアを設けるとともに、該作動状況表示エリアとは別に、作動データの集計結果を表示する統計表示エリアを設け、前記統計表示エリアは、複数色のバックライトによる複数色のカラー表示を行うように構成したことを特徴としている。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、統計表示エリアが、数字や文字をドットで表示するドット表示方式の表示部として構成されているものである。さらに請求項3に記載の発明は、上記請求項1、2に記載の発明において、統計表示エリアのバックライトの色彩が、時間とともに変化するように構成されているものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る遊技機の表示装置は、遊技機ごとに取り付けられている呼び出しランプ装置に、当該遊技機の作動状況を表示する作動状況表示エリアを設けるとともに、該作動状況表示エリアとは別に、作動状況のデータの集計結果を表示する統計表示エリアを設け、前記統計表示エリアは、複数色のバックライトにより複数色のカラー表示を行うように構成したものであるから、統計データを他のデータと明確に区分された状態で表示することが可能となった。統計表示エリアの表示は、数字や文字をドットで表示するドット式表示部としておくと、種々の文字や図柄を表示できるので好ましい。また、バックライトの色彩は、時間とともに変化するようにしておけば、単調にならず、イルミネーション効果を高めることができるので好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。図1は遊技機であるパチンコ機と、これに付設の呼び出しランプ装置の外観図、図2は本発明に係る表示装置を備えた表示システムの説明図である。各遊技機1の上部にはそれぞれ呼び出しランプ装置2が付設され、遊技機1の側部には、公知の玉貸機3が設けられている。呼び出しランプ装置2は、遊技者が必要に応じて呼び出しボタンを操作して呼び出しランプ4を点灯させ、遊技場の店員を呼び出すためのものであるとともに、上記のとおり、当該遊技機の作動状況を表示し、客の遊技機選択のための情報を提供する表示手段として構成されている。
【0013】
この呼び出しランプ装置2は、遊技機に対する影響を避けるため、遊技機からの電源供給は受けず、別途電源を供給されるようになっているが、制御部は遊技機の大当たり、確率変動、スタート等の情報端子に接続されていて、これらの情報が入力されるようになっている。なお、情報端子がない遊技機については、入賞時に動作するランプの光、リレーの磁気等をセンサで検出して作動させるようになっている。
【0014】
図2は、呼び出しランプ装置2の概略を表すブロック図で、遊技機1からの遊技データ(情報)が演算部を含む制御部(CPU)10に入力され、そこで演算処理されたデータが該制御部から呼び出しランプ装置2本体の液晶表示部20に当該遊技機の作動状況データ及び統計データとして出力されるとともに、外部の例えば集中管理装置に通信線(27)を通して出力される。また、この呼び出しランプ装置2には、点灯・点滅するランプ4が設けられ、必要に応じて表示ランプが点灯・点滅させられる。
【0015】
図3は、本発明の表示装置のシステムを表す図で、遊技機であるパチンコ機1の情報端末が呼び出しランプ装置2の入力ボード5に接続され、該入力ボードから入力回路7に当該遊技機の作動データ(遊技情報)と呼び出し信号が入力される。なお、入力回路7には不正検出装置9が接続されていて、不正電波等を検出した場合は警報を発するようになっている。
【0016】
入力回路7は、制御部であるCPU(マイコン)10に接続されている。このマイコン10に入力された遊技データは、所定の演算処理が施され、その結果がそれぞれ増幅回路12,…を通って外部コンピュータへの出力回路21、当該遊技台に付設の呼び出しランプ装置2に設けられている液晶式表示装置20にデータを表示するための表示回路23、大当たりの際にランプ4を点滅させるランプ回路24等に入力される。外部へデータを送るための通信回路22は、通信線27により集中管理装置等に接続されており、各遊技台の作動データを送信するようになっている。このように有線で通信する代りに、無線で通信するようにしてもよいことは言うまでもない。
【0017】
一方、トラブルが発生した場合の呼び出し信号は、上記マイコン10から増幅回路12を経て代表ランプ出力回路26に入力される。この場合は、代表ランプが点灯し、店員に何らかのトラブルがあったことを報知する。呼び出しランプ装置2には、呼び出しランプ点灯用のスイッチ(呼び出しボタン)28が設けられていて、遊技者がこれを操作することにより、適宜ランプ4を点灯させることができる。なお、図示例の装置には、表示装置20の表示内容を切り替える「累計」表示用スイッチ、「履歴」表示用スイッチも設けられている。
【0018】
図4は、上記表示装置20の表示部分の画面を例示するもので、この表示装置20には、作動状況表示エリア40が設けられ、この作動状況表示エリア40に、作動状況を表す種々の項目のデータを表示する部分、例えば、本日の大当たり回数(特賞回数)を表示する当日大当たり表示部分20a、前日の大当たり回数を表示する前日大当たり表示部分20b、前々日の大当たり回数を表示する前々日大当たり表示部分20c、本日の確率変動回数を表示する確変表示部分20d、前日の確率変動回数を表示する確変表示部分20e、前々日の確変表示部20f、本日のスタート回数を表示するスタート回数表示部分20g、当たり間スタート履歴グラフ表示部分20h等が設けられている。これら前部が必須であるわけではなく、必要に応じて表示部分を設けておけばよい。
【0019】
なお、上記表示装置20の当日大当たり表示部分20a、確変(確率変動)表示部分20d、スタート回数表示部分20gには、本日もしくは複数日間(図示例では7日間)の累計データ(順に、大当たり回数、確変回数、スタート回数)を表示するようにしてもよい。
【0020】
次に、遊技機1がパチスロ機である場合は、当該遊技機からの出力がマルチ基盤31を介して上記入力回路7に入力される一方、該マルチ基盤31から増幅回路32を経てコンピュータ出力回路33に入力され、図示を省略した遊技条件設定等のためのコンピュータに入力される。
【0021】
なお、パチスロ機用の表示装置30の場合は、本日の大当たり(BB)回数表示部分、前日及び前々日のBB回数表示部分、特役(RB)回数表示部分、ボーナス履歴バーグラフ表示部、本日当たり間ゲーム回数、獲得枚数表示部等を設けておけばよい。これらの表示部に、本日及び7日間累計データ、本日ゲーム回数平均、過去最高データを表示することも可能である。
【0022】
上記表示装置20(30)には、統計表示エリア50が設けられている。この統計表示エリア50は、上記作動状況表示エリア40の片隅に設けられ、図示例では、統計表示エリア50が角型のエリアとして形成されている。この統計表示エリア50は、所望の統計データ等を表示できるものであればよいが、図示例では、蛍光表示管で構成され、ドット方式によるシースルー表示が行われるようになっている。統計表示エリア50は、図5に示すように、表示部が例えば上下3段A,B,Cに分割されており、それぞれに異なる項目の表示が行われるようになっている。
【0023】
この統計表示エリア50に表示される表示内容としては、種々のデータがあり、これらを上記区分された表示部A,B,Cのいずれかに切り替え表示するようにすることができる。表示内容の例としては、例えば、上記表示部Aには、本日特役回数、本日最高継続回数、過去最高継続回数、過去最高大当たり(BB)回数等を切り替え表示し、表示部Bには、前日特役回数、過去最高継続回数、本日平均スタート回数、過去最高大当たり(BB)回数等を切り替え表示し、表示部Cには、前日特役回数、本日累計スタート回数、過去最高特役回数、過去最高差枚数等を切り替え表示するようにすることができる。
【0024】
さらに、上記統計表示エリア50には、上記統計データのほかに、種々のメッセージを表示することができる。メッセージの例としては、例えば「いらっしゃいませ」「新台コーナー」「明日定休日」「会員募集中」「不正監視中」等の定型文を固定表示することができるほか、例えば「18才未満の方は入場できません。」等のメッセージをスクロール表示することもできる。これらメッセージを表示するように構成した場合は、「統計表示エリア」というよりは、むしろ「総合情報表示エリア」と呼ぶ方が適していると考えられるが、ここでは、「統計表示エリア」と呼ぶことにする。
【0025】
上記統計表示エリア50には、複数色(例えば赤、青、黄、白)のバックライトが設けられており、これらのバックライトによって、例えば7色(赤、青、紫、黄、緑、水色、白)の照明が行われるようになっている。遊技機のイルミネーション効果を高め、変化に富んだものとするためには、これら照明の色を、適宜切り替えて照明することができるようにしておくのが好ましく、さらに、複数色が適当な間隔で自動的に順次切り替わるようにしておくのがより好ましい。
【0026】
この表示装置20(30)は、パチンコ機等の遊技機に設けられている既存の呼び出しランプ装置を利用して、種々の遊技データを表示することができるので、遊技者が遊技機を選択するために便利なものとなっている。また、統計データ表示エリア50は、複数色のバックライトによって照明されるようになっているので、他の表示部との区別が明確化され、大量のデータを表示しても見易いものとなっている。さらに、複数色の照明を切り替えることが出来るので、イルミネーション効果も高いものである。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明に係る遊技機の呼び出しランプ装置は、電気回路を組み合わせることにより構成されるもので、工業的に製造することができ、遊技機の分野できわめて効果的に採用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】遊技機であるパチンコ機の外観図である。
【図2】その表示装置のブロック図である。
【図3】呼び出しランプ装置のブロック図である。
【図4】パチンコ機用呼び出しランプ装置の外観図である。
【図5】その統計データ表示エリアの説明図である。
【符号の説明】
【0029】
1 遊技機
2 呼び出しランプ装置
3 玉貸し機
4 ランプ
7 入力回路
10 制御部(マイコン)
20 パチンコ機用表示部
27 通信線
28 呼び出しボタン
50 統計データ表示エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パチンコ機等の遊技機ごとに取り付けられている呼び出しランプ装置に、当該遊技機の作動状況を表示する作動状況表示エリアを設けるとともに、該作動状況表示エリアとは別に、作動状況を表すデータの集計結果を表示する統計表示エリアを設け、前記統計表示エリアは、複数色のバックライトによる複数色のカラー表示を行うように構成したことを特徴とする遊技機の表示装置。
【請求項2】
統計表示エリアは数字や文字をドットで表示するドット表示方式の表示部として構成されている請求項1に記載の遊技機の表示装置。
【請求項3】
統計表示エリアのバックライトの色彩が時間とともに変化するように構成されている請求項1又は2に記載の遊技機の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−23106(P2008−23106A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−199653(P2006−199653)
【出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(505212588)株式会社スターベックス (7)
【Fターム(参考)】