説明

遊技機制御用半導体デバイス並びにそのための検査装置及び検査方法

【課題】 比較的簡易に遊技機制御チップの偽造品や不正改造品を判別することができる遊技機制御チップ、そのための検査方法及び検査装置を提供する。
【解決手段】 パッケージの印字領域10には第一の識別情報であるロット番号(L)等が印字され、チェックコード印字領域12には第一の識別情報を変数として演算を行って得られるハッシュ関数の値が印字され、コード印字領域14には第一の識別情報及びチェックコードの文字や数字を符合化した、機械的に読み取ることができるコード(例えば二次元コード)が印字される。二次元コードは、一般的な印刷技術を用いて印字することができ、人間が一見しただけではどういう内容が含まれているかを認識することが難しい一方、光学的な読み取り装置によって正確かつ高速に読み取ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機制御用半導体デバイス、遊技機制御用半導体デバイスのための検査装置、及び遊技機制御用半導体デバイスの検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコやパチスロといった射幸心を煽る性質を有する遊技機には法令で種々の規制が課されている。遊技機制御用半導体デバイス(以下「遊技機制御チップ」という)は、遊技機が法令で定められた範囲内で適正に動作するように制御するための中心的な役割を果たす部品である。このような遊技機制御チップを、偽造品や不正改造したものと付け替えて、遊技機を遊技者に有利となるように意図的に動作させるといった犯罪行為が従来から問題となっている。
【0003】
従来は、半導体パッケージの表面に印刷される文字や記号が正規品と僅かに異なる特徴部分を見つけ出し、これを手掛かりに、偽造品や不正改造したチップを発見するといった努力がなされていた。このような方法は、一旦、正規品と異なる特徴部分さえ分かれば、比較的容易に偽造品や不正改造品を発見することができる。しかしながら、偽造技術や不正改造技術が巧妙になるにつれ、このような原始的な方法で偽造品や不正改造したチップを発見することは難しくなってきた。
【0004】
このような問題に対処するために従来から種々の対策が提案されているが、その一つに、個々の遊技機制御チップに対して、それぞれを個別に特定できるID番号を付与し、これをチップ内部の記憶手段に格納しておき、出荷後必要に応じて、所定の方法で外部からこのID番号を読み出すことによって、その遊技機制御チップが正規のチップであるかどうかを判別する方法が提案された(例えば特開2003−299862号公報)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
遊技機制御チップに個別のID番号を付与する方法は、偽造チップや不正に改造されたチップを確実に判別できる点で確かに有用である。しかしながら、この方法を実施するためには、チップ内部の記憶手段からID番号を読み出すことが必要であり、そのため、正規のチップか否かを判別するために常に専用の読み出し装置が必要となる。また、このような個別のID番号を記憶手段に記憶させておく偽造防止方法が知れ渡るにつれ、その裏をかくような偽造集団の出現も予想され、新たな偽造防止の方法が要求されてくる。
【0006】
本発明は、このような背景のもとになされたものであり、比較的簡易に遊技機制御チップの偽造品や不正改造品を判別することができる検査方法、そして、これまでにない検査方法を提供し、併せて、この方法を実施するための検査装置並びに遊技機制御チップを提供することを目的とする。
【0007】
【特許文献1】特願2002−109658号(特開2003−299862号公報)
【特許文献2】特願2003−370884号
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る遊技機制御用半導体デバイスは、パッケージの表面に、個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報が文字として印字されたものである。この第一の文字情報に加え、第一の識別情報を変数として生成される関数の値を、前記文字情報と併せて文字としてパッケージに印字することができる。
【0009】
さらに、これらに加え、前記第一の識別情報及び前記関数の値のいずれか一方又は両方を内容として含む機械読み取り可能なコードを、前記パッケージに印字することができる。前記機械読み取り可能なコードは、例えば二次元コードとすることができる。また、前記第一の識別情報又は前記関数の値のいずれか一方又は両方をラップ内部に格納することができる。
【0010】
本発明に係る遊技機制御用半導体デバイスは、パッケージの表面に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報が文字として印字され、チップ内部の記憶手段に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第二の識別情報が格納された遊技機制御用半導体デバイスにおいて、前記第一の識別情報を変数として生成される関数の値を、前記文字情報と併せて文字としてパッケージに印字したものである。
【0011】
本発明に係る遊技機制御用半導体デバイスのための検査装置は、パッケージの表面に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報が文字として印字され、前記第一の識別情報を内容として含む機械読み取り可能なコードが、前記パッケージに印字されている遊技機制御用半導体デバイスのための検査装置であって、
前記コードを読み取る機械読み取り手段と、
読み取った前記コードを復元する復元手段と、
復元された前記コードを文字として表示する表示手段とを備え、
前記表示手段に表示された文字と、パッケージの表面に印字されている前記第一の識別情報とを目視で比較することにより、前記遊技機制御用半導体デバイスの真贋を判定できるよにうしたことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る遊技機制御用半導体デバイスのための検査装置は、パッケージの表面に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報が文字として印字され、前記第一の識別情報を内容として含む機械読み取り可能なコードが、前記パッケージに印字され、チップ内部の記憶手段に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第二の識別情報が格納された遊技機制御用半導体デバイスのための検査装置であって、
前記第一の識別情報と前記第二の識別情報を関連づけた情報を、個々の遊技機制御用半導体デバイスごとに予め登録しておくデータベース手段と、
検査時に前記コードを読み取る機械読み取り手段と、
前記機械読み取り手段によって読み取った前記コードを復元する復元手段と、
検査時に前記チップ内部の記憶手段に格納されている情報を読み出す読み出し手段とを備え、
前記復元手段によって復元された情報及び前記読み出し手段によって読み出された情報のうちのいずれか一方又は両方に基づいて、前記データベース手段によって前記第一の識別情報と前記第二の識別情報を関連づけた情報を検索することにより、前記遊技機制御用半導体デバイスの真贋を判定できるようにしたことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る遊技機制御用半導体デバイスのための検査装置は、個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報と前記第一の識別情報を変数として生成される関数の値が文字としてパッケージ表面に印字され、前記第一の識別情報及び前記関数の値を内容として含む機械読み取り可能なコードが前記パッケージに印字され、チップ内部の記憶手段に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第二の識別情報が格納された遊技機制御用半導体デバイスのための検査装置であって、
前記第一の識別情報及び関数の値と前記第二の識別情報とを関連づけた情報を、個々の遊技機制御用半導体デバイスごとに予め登録しておくデータベース手段と、
検査時に前記コードを読み取る機械読み取り手段と、
前記機械読み取り手段によって読み取った前記コードを復元する復元手段と、
検査時に前記チップ内部の記憶手段に格納されている情報を読み出す読み出し手段とを備え、
前記復元手段によって復元された情報及び前記読み出し手段によって読み出された情報のうちのいずれか一方又は両方に基づいて、前記データベース手段によって前記第一の識別情報及び関数の値と前記第二の識別情報とを関連づけた情報を検索することにより、前記遊技機制御用半導体デバイスの真贋を判定できるようにしたことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る遊技機制御用半導体デバイスの検査方法は、パッケージの表面に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報が文字として印字される遊技機制御用半導体デバイスの検査方法において、
前記第一の識別情報を変数として生成される関数の値を、前記文字情報と併せて文字として予めパッケージに印字しておき、検査時に、前記第一の識別情報を変数として関数の値を生成し、その値と、予めパッケージに印字されている関数の値を比較することによって真贋を判定することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る遊技機制御用半導体デバイスの検査方法は、パッケージの表面に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報が文字として印字される遊技機制御用半導体デバイスの検査方法において、
前記第一の識別情報を変数として生成される関数の値を、前記文字情報と併せて文字としてパッケージに印字するとともに、前記第一の識別情報と前記関数の値とを内容として含む機械読み取り可能なコードを予め前記パッケージに印字しておき、検査時に、読み取り装置で前記機械読み取り可能なコードを読み取って元の第一の識別情報及び関数の値を復元し、復元後の値が、前記パッケージに実際に印字されている前記第一の情報及び前記関数の値のいずれか一方又は両方と比較することによって真贋を判定することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る遊技機制御用半導体デバイスの検査方法は、パッケージの表面に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報が文字として印字され、チップ内部の記憶手段に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第二の識別情報が格納された遊技機制御用半導体デバイスの検査方法において、
前記第一の識別情報と第二の識別情報を関連づけて予めデータベースに登録しておき、検査時に、パッケージの表面に印字されている前記第一の識別情報及びチップ内部の記憶手段から読み出した第二の識別情報のいずれか一方又は両方に基づいて、前記データベースを検索し、当該第一の識別情報及び第二の識別情報がペアとして登録されているか否かを調べることにより真贋を判定することを特徴とする。
【0017】
本発明に係る遊技機制御用半導体デバイスの検査方法は、パッケージの表面に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報が文字として印字され、チップ内部の記憶手段に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第二の識別情報が格納された遊技機制御用半導体デバイスの検査方法において、
前記第一の識別情報を変数として生成される関数の値を、前記文字情報と併せて文字としてパッケージに印字するとともに、前記第一の識別情報及び前記関数の値と第二の識別情報とを関連づけて予めデータベースに登録しておき、検査時に、パッケージの表面に印字されている前記第一の識別情報及び前記関数と、チップ内部の記憶手段から読み出した第二の識別情報とのいずれか一方又は両方に基づいて、前記データベースを検索し、当該第一の識別情報及び関数と、第二の識別情報とがペアとして登録されているか否かを調べることにより真贋を判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
遊技機制御用半導体デバイスのパッケージに第一の識別情報及び前記関数の値を内容として含む機械読み取り可能なコードを印字することにより、リーダで二次元コードを読み取ってその復元データを表示部(ディスプレー)に表示させたときに、検査者がその表示内容とパッケージに印字された内容を目視で比較することができ、真贋判定を行うことが可能となる。また、関数の値は第一の識別情報を変数とする所定の演算により求められるものであるから、検査対象のパッケージに印字された第一の識別情報に所定の演算を行って得られた値を本来の関数の値と比較することにより、文字や数字をそれらしく真似ただけの偽造品を容易に見つけ出すことができる。
【0019】
また、機械読み取り可能なコード(例えば二次元コードやバーコード等)を利用することによって、機械によって自動的、かつ正確に読み取ることができ、さらに第一の識別情報又は関数の値のいずれか一方又は両方をチップ内部に格納しておくことによって、これをチップの真贋判定に利用することができ、迅速かつ正確な検査が可能となる。
【0020】
さらに、パッケージの表面に印字された第一の識別情報と、チップ内部に格納された第二の識別情報を関連付けてデータベースに登録しておくことにより、いずれか一方に基づいて他方を検索することが可能となり、偽造された遊技機制御用半導体デバイスや不正改造された遊技機制御用半導体デバイスを確実に見つけ出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図面を参照しながら、発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の一形態に係る遊技機制御用半導体デバイス(以下「遊技機制御チップ」という)の外観表面に印字された情報を示した図である。
【0022】
図1において、符号10で示した印字領域には、特許請求の範囲に記載した「第一の識別情報」の一実施例である製品番号(N)、ロット番号(L)、製造日付(D)、シリアル番号(S)、その他の管理番号(K)が、数字やアルファベットなどからなる文字として印字されている。したがって、この製品の関係者が見れば、この印字領域10に印字された情報を見ることによって、この遊技機制御チップがどのようなものであるかを知ることができる。
【0023】
この第一の識別情報のうち、「シリアル番号(S)」は、各遊技機制御チップに個別に付与される番号である。このため、第一の識別情報も、全体として個々の遊技機制御チップに固有の情報となり、第一の識別情報によって個々の遊技機制御チップを一意的に特定することができる。
【0024】
図1において、符号12で示したチェックコード印字領域には、チェックコード(H)が印字される。このチェックコード(H)は、印字領域10に印字された第一の識別情報に基づいて生成されるものである。具体的には、第一の識別情報を変数とし、この変数に基づいてハッシュ関数を求める演算を行い、その結果得られた値を数値として表したものが、このチェックコード(H)である。
【0025】
このようなチェックコード(H)を印字することにより、例えば、遊技機制御チップを偽造した者がその外観を実物とそっくりなものとするために、パッケージ表面の印字領域10及びチェックコード印字領域12に数字やアルファベットをそれらしく印字したとしても、これらはハッシュ関数の演算によって前者から後者が生成される関係にはない。したがって、市場に出回っている遊技機制御チップの印字領域10に印字された値に基づいてハッシュ関数を求める演算を行い、得られた結果をチェックコード印字領域12に印字された値と比較することによって、印字データによる遊技機制御チップの真贋判定を行うことができる。
【0026】
図1において、符号14で示したコード印字領域には、文字や数字を符合化した、機械的に読み取ることができるコードが印字される。このようなコードとして、本実施形態では、二次元コード(「二次元バーコード」とも呼ばれる)を利用する。二次元コードは、半導体パッケージの表面へ印字する一般的な印刷技術を用いて印字することができる。また、人間が一見しただけではどういう内容が含まれているかを認識することが難しい一方、光学的な読み取り装置(以下「リーダ」という)によって正確かつ高速に読み取ることができるという特徴がある。
【0027】
なお、二次元コードの代わりに、同じく光学的に読み取ることができる一次元のバーコードを用いることもできる。また、バーコードや二次元コードのように光学的に読み取ることができるもの以外に、非接触ICチップのように電気的に読み取ることができる素子を遊技機制御チップに付与したり、磁気的に読み取ることができるものを遊技機制御チップに付着させてもよい。
【0028】
本実施形態では、二次元コードの元となるデータとして、印字領域10に印字された第一の識別情報とチェックコード(H)の両方を含める。その結果、リーダを用いて二次元コードを読み取り、これを人間が認識できる元の文字や数字のデータに戻してコンピュータ・ディスプレーなどに表示させると、第一の識別情報とチェックコード(H)の両方が現れる。これを実際に印字領域10に印字された第一の識別情報である製品番号(N)、ロット番号(L)、製造日付(D)、シリアル番号(S)、その他の管理番号(K)、そして、チェックコード印字領域12に印字されたチェックコード(H)と比較することによって、当該遊技機制御チップの真贋判定が可能となる。
【0029】
さらに、本実施形態に係る遊技機制御チップは、その内部メモリにID番号を書き込むことができるものである。このID番号は、特許請求の範囲に記載した「第二の識別情報」の一実施例である。
【0030】
図2は、本実施形態に係る遊技機制御チップの内部構成を示したブロック図である。同図に示すように、遊技機制御チップの内部には、内部メモリの記憶手段c11の中のID格納手段c11aが設けられており、ここに遊技機制御チップそれぞれを個別に特定するためのID番号を格納することができるようになっている。
【0031】
ID格納手段c11aへのID番号の書き込み、並びにID格納手段c11aからのID番号の読み出しは、外部入出力手段c14(SC端子及びBRC端子を含む)及びバスBUS1を介して行われ、一度書き込まれたID番号は、特殊な方法を用いる以外、消去したり書き換えたりできないようになっている。
【0032】
なお、ID番号については、本願出願人による特許出願、特願2002−109658号(特開2003−299862号公報)、特願2003−370884号の出願明細書に詳細に説明されているので、ここではその説明を省略する。
【0033】
このID番号を、遊技機制御チップの内部メモリに格納されるだけでなく、第一の識別情報と関連づけて、所定の管理データベースに登録する。すなわち、個々の遊技機制御チップは、第一の識別情報と第二の識別情報とが関連づけられて管理データベースに登録される。
【0034】
図3は、本実施形態に係る遊技機制御チップの製造から出荷までの作業の全体的な流れを示したフローチャートである。まず、従来の作業ステップと同様に、ウェハーを製造し(S301)、チップを組み立てる(S302)。チップの組み立てが済んだ段階で、印字データを作成する(S303)。ここで「印字データ」とは、図1に示した印字領域10に印字する製品番号(N)、ロット番号(L)、製造日付(D)、シリアル番号(S)、その他の管理番号(K)からなる第一の識別情報、並びにチェックコード印字領域12に印字するチェックコード(H)からなるデータである。
【0035】
次に、作成した印字データを、実際に遊技機制御チップのパッケージ表面に印字する(S304)。このステップでは、S303で作成された印字データから作成した二次元コードの印字も含まれる。
【0036】
印字が済んだら、この段階で印字データの検査を行う(S305)。すなわち、リーダで実際に二次元コードを読み取って元の情報を復元し、その内容を、印字領域10及びチェックコード印字領域12に印字した内容と比較する。そして、両者が一致した場合には合格とし、不一致の場合には不良品として廃棄する(S310)。
【0037】
続いて、遊技機制御チップの動作テストを行う(S306)。この作業ステップも、従来のものと同様である。そして、このテストに合格した遊技機制御チップのみについて、その内部メモリに、ID番号を書き込む処理を行う(S307)。チップ内部に第一の識別情報又は関数の値を格納する場合は、このステップでチップ内部に書き込む。
【0038】
ここまでで遊技機制御チップのパッケージ表面には第一の識別情報(製品番号(N)、ロット番号(L)、製造日付(D)、シリアル番号(S)、その他の管理番号(K)からなる)、チェックコード(H)、および光学読み取り可能なコード(ここでは「二次元コード」)が印字され、併せて、遊技機制御チップの内部に第二の識別情報が書き込まれたことになる。
【0039】
続いて、第一の識別情報と第二の識別情報とを紐付けたデータを作成し、これを一つのレコードとして後述の管理データベース30へ登録する(S308)。これによって、遊技機制御チップの表面に印字された第一の識別情報と、遊技機制御チップの内部に書き込まれた第二の識別情報とが関連付けられたことになり、今後は、この管理データベースにアクセスすることにより、一方から他方を特定することが可能となる。
【0040】
以上の処理が済んだ遊技機制御チップは、ユーザ、すなわちこの遊技機制御チップを用いて遊技機を製造する遊技機メーカへ出荷される(S309)。
【0041】
次に、遊技機制御チップが出荷され、実際に遊技機に搭載されて市場に流通した後の検査について説明する。
【0042】
図4は、本実施形態に係る遊技機検査システムの全体の概略を示した図である。このシステムは、遊技機制御チップに印字された二次元コード14を読み取る二次元コードリーダ(単に「リーダ」という)22と、遊技機制御チップが搭載された遊技機20に設けられた専用端子に接続して当該遊技機制御チップに固有のID番号を読み出すID番号読出装置24と、リーダ22及びID番号読出装置24が接続された計算機端末26と、計算機端末26とインターネット等のネットワーク28を介して接続された管理データベース端末30を含んでいる。
【0043】
図4に示したシステムのうち、リーダ22と計算機端末26だけでも後述の検査を行う検査装置を構成することができ、これにネットワーク28及び管理データベース30を加えて別の検査装置を構成することができる。また、ID番号読出装置24は、計算機端末26に接続せずに、単独で動作させることも可能であり、その場合はそれ自身の表示部24aに、読み出したID番号を表示する。
【0044】
ここで、リーダ26は、特許請求の範囲に記載した「機械読み取り手段」の一実施例であり、ID番号読出装置24は、特許請求の範囲に記載した「読み出し手段」の一実施例であり、計算機端末26は、特許請求の範囲に記載した「復元手段」及び「表示手段」の一実施例であり、管理データベース30は特許請求の範囲に記載した「データベース手段」の一実施例である。計算機端末26は、また、二次元コード14から復元された第一の識別情報を変数とするハッシュ関数を求める演算を行い、得られた結果をチェックコードと比較する機能を有している。
【0045】
図5は、二次元コードを用いた出荷後の真贋判定検査の処理手順を示したフローチャートである。
【0046】
まず、リーダ22で二次元コードを読み込む(S501)。すると、リーダが接続された計算機端末26その内容を復元し、第一の識別情報及びチェックコード(H)をディスプレー(表示部)26aに表示する(S502)。この段階で、もしも正常に二次元コードを復元できないとすれば、印字領域10及びチェックコード印字領域12の文字はどこかからコピーするなどして印字したものの、二次元コードについては適当にそれらしく印字したに過ぎないような偽造品を検出することができる。
【0047】
実際、商標や製品番号(N)等を真似て、一見すると本物そっくりに偽造されたとしても、二次元コードについては、各構成部分が非常に細かいため、ある程度高い複製技術がないと、リーダで適正に読み取ることができる程度まで細かい部分を正確に複製することが難しいので、このような検査を行うだけでも、偽造の抑止効果や偽造があった場合の検出が可能となる。
【0048】
二次元コードから印字領域10の第一の識別情報及びチェックコード印字領域12のチェックコードを復元したら、計算機端末26は、復元した第一の識別情報を変数としてハッシュ関数を求める演算を行い(S503)、これを同じく復元したチェックコード(H)と比較する(S504)。その結果、一致していれば印字された二次元コードの内容は正常であると判断し(S505)、不一致であれば異常であると判断する(S506)。ここで異常な場合というのは、何らかの文字情報に基づいて二次元コードを生成することはできても、その文字情報のある部分(ここでは第一の識別情報)に対してハッシュ関数を求める演算を行って別の部分(チェックコード)を求める演算を行っていることを知らなかったか、あるいはハッシュ関数の具体的な演算方法を知らなかった者がそのようなチップを偽造した場合に該当する。
【0049】
続いて、二次元コードを復元してディスプレー26aに表示されたデータと、実際に当該遊技機制御チップのパッケージ表面の印字領域10及びチェックコード印字領域12に表示されている内容とを、検査者が目視で比較する(S507)。そして、一致していれば、正常チップであるとし(S508)、不一致であれば偽造チップと判定する(S509)。目視による比較検査を行うことによって、製品番号(N)等はそれらしく真似たものの、複製が難しい二次元コードだけはどこかからそっくり持ってきて表面に貼り付けたような偽造チップを見つけ出すことができる。
【0050】
図6及び図7は、二次元コードのリーダ22とID番号読出装置24を用いた、遊技機制御チップのための真贋判定検査の処理を示したフローチャートである。この検査は、遊技機制御チップの二次元コードと、ID番号の両方を読み出すことができ、さらにこれらをネットワーク28を介して管理データベース30へ送信して検索処理を要求できる環境下において実行できる検査である。
【0051】
図6において、S601〜S606までは、図5のS501〜S506と同様である。S605において二次元コードとして印字された内容が正常に表示された場合には、ID番号読出装置24を用いて遊技機制御チップからID番号を読み出す処理を行う(S607)。
【0052】
ここで、ID番号を正常に読み出すことができるかどうかを判定する(S608)。この判定には、まず、遊技機制御チップとID番号読出装置24との間の通信のためのプロトコールが確立したかどうか、確立したとして読み出されたID番号が所定の書式(桁数その他)で内容が正常かどうかを判定する。そして、正常に読み出すことができない場合には、偽造された可能性があるのでID番号異常表示を行う(S613)。
【0053】
一方、S608において、正常に読み出すことができた場合には、計算機端末26はネットワーク28を介して、管理データベース30に対して検索要求を送信する(S609)。この検索要求の際には、二次元コードを復元したデータとID番号の両方が管理データベースへ送信される。管理データベースにおける検索処理は、後述の図7に示す。
【0054】
計算機端末26が管理データベース30から検索結果を受信すると(S610)、検索結果が正常かどうかを判定し(S611)、正常な場合には検索内容をディスプレー26aに表示し(S612)、異常とされた場合は異常とされたその内容を表示する(S614)。
【0055】
ここで異常な場合として、二次元コードを復元した内容とID番号のいずれもデータベースに存在しない場合、これらのいずれか一方だけが存在する場合、さらに、それぞれは確かにデータベースに存在するが、それらが互いに紐付けられて登録されてはいない場合が考えられる。
【0056】
なお、S612において正常な照合内容がディスプレー26aに表示されたときに、検査者は、図5のS507〜S509と同様に、ディスプレーに表示された内容と、実際に当該遊技機制御チップのパッケージ表面の印字領域10及びチェックコード印字領域12に表示されている内容とが一致していることを目視で確認する。ここでもし両者が不一致であれば、二次元コード及びID番号についてはどこかからそっくり持ってきたものの、印字領域10及びチェックコード印字領域12についてはそれらしく真似た偽造チップであると考えられる。
【0057】
次に、図7に示した、管理データベース30における検索処理について説明する。この処理は、図6に示したS609の検索要求によって開始される。まず、二次元コードのリーダ22及びID番号読出装置24が接続された計算機端末26から検索要求を受信すると(S701)、管理データベース30内を検索する。この検索は、遊技機制御チップのパッケージ表面に印字された二次元コードの復元情報と、ID番号のいずれか一方又は両方を用いて行われる。
【0058】
そして、データが存在するかどうか調べ(S703)、存在しない場合には該当するデータが存在ない旨を検索結果として、ネットワーク28を介して計算機端末26へ送信する(S710)。
【0059】
一方、二次元コードの復元データ又はID番号のいずれか一方が存在する場合には、紐付けデータから対応する他方のデータを引き出し、引き出されたデータのペアと、検索を求められたデータのペアとを照合する。その結果、照合結果が一致する場合は該当するレコードを送信バッファへセットし(S706)、照合結果が不一致の場合(二次元コードの復元データとID番号のいずれか一方しか一致しない場合)は、不一致ペアのレコードを送信バッファにセットする(S709)。送信バッファにセットされたデータは、所定のタイミングで、計算機端末26へ送信される(S710)。
【0060】
図8は、遊技店などで個々の遊技機に使用されている遊技機制御チップが正規のものであるか否かを検査する場合の標準的な作業手順を示したフローチャートである。検査者は専用のID番号読出装置24を有しており、これを用いてここでの検査を行う。
【0061】
まず、ID番号読出装置24を、検査しようとする遊技機の接続端子20aに接続し、内部メモリに格納されているID番号を読み出す。前述のように、ID番号を読み出すためには、ID番号読出装置24と遊技機制御チップとの間で所定のプロトコールを確立する必要があり、それが可能となって初めてID番号を読み出すことができる。
【0062】
S801では、ID番号を読み出すことができるかどうかを判定する。ID番号を読み出すことができた場合には、読み出したID番号に基づいて管理データベースに対して照会し、その遊技機制御チップがその遊技店にあるはずのものであるか等の確認を行うことができる。
【0063】
一方、プロトコールが確立しない等の理由でID番号を読み出すことができない場合には、遊技機制御チップの外観情報、すなわち第一の識別情報(製品番号(N)、ロット番号(L)、製造日付(D)、シリアル番号(S)、その他の管理番号(K)からなる)及びチェックコード(H)に基づいて、管理データベースを所有する関係機関へ電話等で問い合わせる(S803)。もし、このような外観情報がないのであれば(S804)、その遊技機制御チップは偽造品であるとして押収し、必要に応じて詳細な調査を行う(S812)。
【0064】
S804において外観情報が認識できる場合には、その外観情報に基づいて関係機関に問い合わせて、その遊技機制御チップが出荷された遊技機メーカを特定する(S805)。遊技機メーカは、通常、使用した遊技機制御チップのID番号を何らかの形で記録しておくので、そのメーカに対しID番号を問い合わせる(S806)。同時に、遊技機メーカは、各遊技機制御チップのID番号と、その遊技機制御チップを使った遊技機と、そしてその遊技機の出荷先の遊技店を関連づけて記録しておくので、出荷した遊技店を併せて問い合わせ、出荷先であるはずの遊技店と、実際にその遊技機が設置されている遊技店とが一致するかどうかを判定する(S807)。その結果、遊技店が一致している場合には、遊技機制御チップからID番号が読み取れない故障品か、外観をそっくり偽造されたもののいずれかであると考えられるので、詳細な調査を行う(S813)。
【0065】
一方、店舗が一致しない場合には、その遊技機制御チップは偽造された疑いがあるので、当該遊技機制御チップを押収するなどし(S808)、テスター等で遊技機制御チップの真贋を詳細に検査する(S808)。そして、正規品であると判定された場合には、無承認変更遊技機の故障品、すなわち、正規品ではあるが必要な承認を得ずに遊技機制御チップが別の遊技機に付け替えられたものであり、かつ故障していると判定する(S814)。S810において正規品ではないと判定された場合には、外観を偽造したチップであると判定し(S811)、必要な対応をとる。
【0066】
図9は、遊技機制御チップのパッケージに印字された外観情報に基づいて遊技機制御チップの真贋を判定する場合の標準的な作業手順を示したフローチャートである。
【0067】
まず、遊技機制御チップのパッケージに印字された外観情報、すなわちパッケージの印字領域10に印字されている第一の識別情報及びチェックコード印字領域12に印字されているチェックコード(H)を目視で読み取る(S901)。読み取った外観情報に基づいて、そのチップメーカ又はチップのデータベースを管理している検査機関又は遊技機制御チップのメーカに電話等で問い合わせ(S902)、そのような情報と共に登録されている遊技機制御チップが存在するかどうかを調べてもらう(S903)。そして、そのような情報と共に登録されたものがない場合には、偽造品であるとして当該遊技機制御チップを押収し、厳密に調査するなど、必要な対応をとる。
【0068】
一方、S903において、そのような情報と共に登録された遊技機制御チップが存在するとされた場合には、検査機関又は遊技機制御チップのメーカは、当該情報に基づいてその遊技機制御チップを出荷した遊技機メーカを特定する(S904)。
【0069】
そして、その関連づけられたID番号を、遊技機メーカに問い合わせる(S905)。そのID番号から分かる出荷先の遊技店が、実際にその遊技機が設置されている店舗と一致するかどうかを調べ(S906)、一致している場合には、当該遊技店に正規に設置されたものとして対応する(S912)。
【0070】
S906において、店舗が一致しない場合にはその遊技機制御チップは偽造品の疑いがあるので、チップを押収し(S907)、テスター等でチップの真贋を内部的に検査する(S908)。その結果、正規品であることが分かった場合には(S909)、無承認変更遊技機の故障品と判定する(S913)。一方、正規品ではないことが分かった場合には(S909)、外観が偽造されたチップであると判定し、必要な対応をとる。
【0071】
以上のように、遊技機制御チップのパッケージ表面に第一の識別情報を印字するとともに、この第一の識別情報を変数としてハッシュ関数を求める演算を行ってチェックコード(H)を作成し、これを併せてパッケージ表面に印字しておくことにより、かなりの偽造防止効果が得られる。
【0072】
また、第一の識別情報とチェックコード(H)に基づいて二次元コードを作成し、これを遊技機制御チップのパッケージ表面に併せて印字しておくことにより、リーダを用いて二次元コードを読み取り、元の情報に復元して直ちにチップのパッケージ表面に印字された第一の識別情報及びチェックコード(H)と比較して真贋判定を行うことができるので、より高い偽造防止効果が得られる。
【0073】
さらに、遊技機制御チップの内部メモリに、第二の識別情報として個々のチップを識別できるID番号を、必要に所定の方法で読み出し可能な状態で格納し、併せて、前記第一の識別情報とID番号とを関連づけて管理データベースに格納しておくことにより、市場に出回った後の遊技機制御チップ又はこれを搭載した遊技機が正規のものであるかどうか等の真贋判定を的確かつ確実に実行することができ、そして、このようなことかが可能になることによって、遊技機制御チップを複製したり偽造するといった犯罪行為を抑止する効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の一形態に係る遊技機制御用半導体デバイスの外観表面に印字された情報を示した図である。
【図2】本実施形態に係る遊技機制御チップの内部構成を示したブロック図である。
【図3】本実施形態に係る遊技機制御チップの製造から出荷までの作業の全体的な流れを示したフローチャートである。
【図4】本発明の実施の一形態に係る遊技機検査システムの全体の概略を示した図である。
【図5】二次元コードを用いた出荷後の真贋判定検査の処理手順を示したフローチャートである。
【図6】二次元コードのリーダとID番号読出装置を用いた遊技機制御チップのための真贋判定検査の処理を示したフローチャートである。
【図7】二次元コードのリーダとID番号読出装置を用いた遊技機制御チップのための真贋判定検査の処理を示したフローチャートである。
【図8】遊技店などで個々の遊技機に使用されている遊技機制御チップが正規のものであるか否かを検査する場合の標準的な作業手順を示したフローチャートである。
【図9】遊技機制御チップのパッケージに印字された外観情報に基づいて遊技機制御チップの真贋を判定する場合の標準的な作業手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
10 印字領域
12 チェックコード印字領域
14 コード印字領域
20 遊技機
22 二次元コードリーダ(リーダ)
24 ID番号読出装置
26 計算機端末
28 ネットワーク
30 管理データベース端末
c11 記憶手段
c11a ID格納手段
c14 外部入出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージの表面に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報が文字として印字される遊技機制御用半導体デバイスにおいて、
前記第一の識別情報を変数として生成される関数の値を、前記文字情報と併せて文字としてパッケージに印字したことを特徴とする遊技機制御用半導体デバイス。
【請求項2】
前記第一の識別情報と前記関数の値とを内容として含む機械読み取り可能なコードを、前記パッケージに印字したことを特徴とする請求項1に記載の遊技機制御用半導体デバイス。
【請求項3】
前記第一の識別情報又は前記関数の値のいずれか一方又は両方をチップ内部に格納したことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機制御用半導体デバイス。
【請求項4】
前記機械読み取り可能なコードは、二次元コードである、請求項2又は3に記載の遊技機制御用半導体デバイス。
【請求項5】
内部のチップが遊技機制御用のセキュリティチップである、請求項1乃至4のうちいずれが一項に記載の遊技機制御用半導体デバイス。
【請求項6】
パッケージの表面に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報が文字として印字され、チップ内部の記憶手段に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第二の識別情報が格納された遊技機制御用半導体デバイスにおいて、
前記第一の識別情報を変数として生成される関数の値を、前記文字情報と併せて文字としてパッケージに印字したことを特徴とする遊技機制御用半導体デバイス。
【請求項7】
前記第一の識別情報と前記関数の値とを内容として含む機械読み取り可能なコードを、前記パッケージに印字したことを特徴とする請求項6に記載の遊技機制御用半導体デバイス。
【請求項8】
前記第一の識別情報又は前記関数の値のいずれか一方又は両方をチップ内部に格納したことを特徴とする請求項6又は7に記載の遊技機制御用半導体デバイス。
【請求項9】
前記機械読み取り可能なコードは、二次元コードである、請求項7又は8に記載の遊技機制御用半導体デバイス。
【請求項10】
内部のチップが遊技機制御用のセキュリティチップである、請求項6乃至9のうちいずれか一項に記載の遊技機制御用半導体デバイス。
【請求項11】
パッケージの表面に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報が文字として印字され、前記第一の識別情報を内容として含む機械読み取り可能なコードが、前記パッケージに印字されている遊技機制御用半導体デバイスのための検査装置であって、
前記コードを読み取る機械読み取り手段と、
読み取った前記コードを復元する復元手段と、
復元された前記コードを文字として表示する表示手段とを備え、
前記表示手段に表示された文字と、パッケージの表面に印字されている前記第一の識別情報とを目視で比較できるようにしたことを特徴とする遊技機制御用半導体デバイスのための検査装置。
【請求項12】
パッケージの表面に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報が文字として印字され、前記第一の識別情報を内容として含む機械読み取り可能なコードが前記パッケージに印字され、前記第一の識別情報又は前記関数の値のいずれか一方又は両方がチップ内部に格納された遊技機制御用半導体デバイスのための検査装置であって、
前記コードを読み取る機械読み取り手段と、
読み取った前記コードを復元する復元手段と、
前記チップ内部に格納された第一の識別情報又は関数の値のいずれか一方又は両方を読み出す読み出し手段とを備え、
前記復元手段に復元された情報と、前記読み出し手段によって読み出された情報とを比較するする比較手段とを含むことを特徴とする遊技機制御用半導体デバイスのための検査装置。
【請求項13】
パッケージの表面に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報が文字として印字され、前記第一の識別情報を内容として含む機械読み取り可能なコードが前記パッケージに印字され、チップ内部の記憶手段に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第二の識別情報が格納された遊技機制御用半導体デバイスのための検査装置であって、
前記第一の識別情報と前記第二の識別情報を関連づけた情報を、個々の遊技機制御用半導体デバイスごとに予め登録しておくデータベース手段と、
検査時に前記コードを読み取る機械読み取り手段と、
前記機械読み取り手段によって読み取った前記コードを復元する復元手段と、
検査時に前記チップ内部の記憶手段に格納されている情報を読み出す読み出し手段とを備え、
前記復元手段によって復元された情報及び前記読み出し手段によって読み出された情報のうちのいずれか一方又は両方に基づいて、前記データベース手段によって前記第一の識別情報と前記第二の識別情報を関連づけた情報を検索できるようにしたことを特徴とする遊技機制御用半導体デバイスのための検査装置。
【請求項14】
個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報と前記第一の識別情報を変数として生成される関数の値が文字としてパッケージ表面に印字され、前記第一の識別情報及び前記関数の値を内容として含む機械読み取り可能なコードが前記パッケージに印字され、チップ内部の記憶手段に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第二の識別情報が格納された遊技機制御用半導体デバイスのための検査装置であって、
前記第一の識別情報及び関数の値と前記第二の識別情報とを関連づけた情報を、個々の遊技機制御用半導体デバイスごとに予め登録しておくデータベース手段と、
検査時に前記コードを読み取る機械読み取り手段と、
前記機械読み取り手段によって読み取った前記コードを復元する復元手段と、
検査時に前記チップ内部の記憶手段に格納されている情報を読み出す読み出し手段とを備え、
前記復元手段によって復元された情報及び前記読み出し手段によって読み出された情報のうちのいずれか一方又は両方に基づいて、前記データベース手段によって前記第一の識別情報及び関数の値と前記第二の識別情報とを関連づけた情報を検索できるようにしたことを特徴とする遊技機制御用半導体デバイスのための検査装置。
【請求項15】
前記機械読み取り可能なコードは、二次元コードである、請求項11乃至14のうちいずれか一項に記載の遊技機制御用半導体デバイスのための検査装置。
【請求項16】
内部のチップが遊技機制御用のセキュリティチップである、請求項11乃至15のうちいずれか一項に記載の遊技機制御用半導体デバイスのための検査装置。
【請求項17】
パッケージの表面に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報が文字として印字される遊技機制御用半導体デバイスの検査方法において、
前記第一の識別情報を変数として生成される関数の値を、前記文字情報と併せて文字として予めパッケージに印字しておき、検査時に、前記第一の識別情報を変数として関数の値を生成し、その値と、予めパッケージに印字されている関数の値を比較することを特徴とする遊技機制御用半導体デバイスの検査方法。
【請求項18】
パッケージの表面に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報が文字として印字される遊技機制御用半導体デバイスの検査方法において、
前記第一の識別情報を変数として生成される関数の値を、前記文字情報と併せて文字としてパッケージに印字するとともに、前記第一の識別情報と前記関数の値とを内容として含む機械読み取り可能なコードを予め前記パッケージに印字しておき、検査時に、読み取り装置で前記機械読み取り可能なコードを読み取って元の第一の識別情報及び関数の値を復元し、復元後の値が、前記パッケージに実際に印字されている前記第一の情報及び前記関数の値のいずれか一方又は両方と比較することを特徴とする遊技機制御用半導体デバイスの検査方法。
【請求項19】
パッケージの表面に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報が文字として印字され、チップ内部の記憶手段に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第二の識別情報が格納された遊技機制御用半導体デバイスの検査方法において、
前記第一の識別情報と第二の識別情報を関連づけて予めデータベースに登録しておき、検査時に、パッケージの表面に印字されている前記第一の識別情報及びチップ内部の記憶手段から読み出した第二の識別情報のいずれか一方又は両方に基づいて、前記データベースを検索し、当該第一の識別情報及び第二の識別情報がペアとして登録されているか否かを調べることを特徴とする遊技機制御用半導体デバイスの検査方法。
【請求項20】
パッケージの表面に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第一の識別情報が文字として印字され、チップ内部の記憶手段に個々の遊技機制御用半導体デバイスを識別する第二の識別情報が格納された遊技機制御用半導体デバイスの検査方法において、
前記第一の識別情報を変数として生成される関数の値を、前記文字情報と併せて文字としてパッケージに印字するとともに、前記第一の識別情報及び前記関数の値と第二の識別情報とを関連づけて予めデータベースに登録しておき、検査時に、パッケージの表面に印字されている前記第一の識別情報及び前記関数の値と、チップ内部の記憶手段から読み出した第二の識別情報とのいずれか一方又は両方に基づいて、前記データベースを検索し、当該第一の識別情報及び関数の値と、第二の識別情報とがペアとして登録されているか否かを調べることを特徴とする遊技機制御用半導体デバイスの検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−102364(P2006−102364A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−296275(P2004−296275)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【出願人】(591107481)株式会社エルイーテック (37)
【Fターム(参考)】