説明

遊技機用施錠装置

【課題】部品の多くを汎用し得る施錠装置を提供する。
【解決手段】遊技機用施錠装置1であって、前扉22に取付けられるベース2と、ベース2に移動可能に取付けられかつ筐体21側に解除可能に係合するラッチ3,4と、ラッチ3,4を操作するためのサブユニット1cを有する。サブユニット1cは、ベース2に取外し可能に取付けられるサブベース5と、サブベース5に取付けられかつ錠軸6aを備えるシリンダ錠6と、錠軸6aに取付けられかつ錠軸6aとともに第一方向に回転してラッチ3,4を移動させるカム7と、サブベース5に移動可能に取付けられかつ第一方向と反対方向に回転したカム7によって移動されるリセットスイッチ用スイッチ8と、サブベース5に取付けられかつスイッチ8の移動を検知して遊技機の制御装置に検知信号を発信するリセットスイッチ用センサ9を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の筐体に回転可能に取付けられた前扉を筐体に施錠するための遊技機用施錠装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の施錠装置は、遊技機(例えばスロットマシン)の前扉の裏面に取付けられる上下に長いベースと、ベースにスライド可能に取付けられるラッチ杆と、ベースに傾動可能に取付けられかつラッチ杆に連結されるラッチ部材と、ベースに取付けられるシリンダ錠ユニットを有する。シリンダ錠ユニットは、錠軸を有するシリンダ錠と、錠軸に取付けられるカムを有する。錠軸が回転すると、カムがラッチ杆を押し、ラッチ杆がラッチ部材を傾動させ、ラッチ部材が筐体側に対して係合解除される。施錠装置には、さらに遊技機の制御装置をリセットするためのリセットスイッチも設けられる。リセットスイッチは、ラッチ杆に設けられるスイッチ片と、ベースに取付けられてスイッチ片の移動を検知するセンサを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−222948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし施錠装置は、遊技機の筐体および前扉の変更によって形状が一般に変更される。そのため施錠装置は、筐体等の変更の度にリセットスイッチを含む多くの部品が変更される。したがって部品の多くを汎用し得る施錠装置が従来必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明は、各請求項に記載の通りの構成を備える遊技機用施錠装置であることを特徴とする。一つの特徴によると本発明は、前扉に取付けられるベースと、ベースに移動可能に取付けられかつ筐体側に解除可能に係合するラッチと、ラッチを操作するためのサブユニットを有する。サブユニットは、ベースに取外し可能に取付けられるサブベースと、サブベースに取付けられかつ錠軸を備えるシリンダ錠と、錠軸に取付けられかつ錠軸とともに第一方向に回転してラッチを移動させるカムと、サブベースに移動可能に取付けられかつ第一方向と反対方向に回転したカムによって移動されるリセットスイッチ用スイッチと、サブベースに取付けられかつスイッチの移動を検知して遊技機の制御装置に検知信号を発信するリセットスイッチ用センサを有する。
【0006】
したがって施錠装置は、種々な筐体および前扉に対してサブユニット(シリンダ錠、カム、リセットスイッチ)が共通部品として利用され得る。例えば施錠装置の上下長さの変更が必要な場合は、ベースとラッチの長さを変えることで対応できる。シリンダ錠の位置の変更が必要な場合は、ベースのサブユニットの取付位置を変えることで対応できる。またカムによって作動されるリセットスイッチは、サブユニットとしてカムと一体に設けられるため、カムとの位置関係を考慮して位置決定される必要がない。かくしてサブユニットの共通化によって金型費と開発費と組付作業が軽減されて、施錠装置が安価に構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】パチスロの筐体と前扉と施錠装置の斜視図である。
【図2】パチスロの筐体と前扉と施錠装置の斜視図である。
【図3】施錠装置の斜視図である。
【図4】施錠装置の分解斜視図である。
【図5】施錠装置の分解斜視図である。
【図6】施錠装置の一部分解斜視図である。
【図7】サブユニットの分解斜視図である。
【図8】施錠状態における施錠装置の一部斜視図である。
【図9】解錠状態における施錠装置の一部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一つの実施の形態を図1〜9にしたがって説明する。図1,2に示すように遊技機の一つであるパチスロ(回胴式遊技機)20は、パチンコ店に設置されるスロットマシンである。パチスロ20は、筐体21と前扉22と施錠装置1を有する。
【0009】
筐体21は、図1,2に示すように箱形状であって前側に開口部21aを有する。前扉22は、ヒンジ23によって筐体21に回転可能に取付けられ、開口部21aを開く開き位置と、開口部21aを閉じる閉じ位置の間を移動する。前扉22には、パチスロ20の制御を行う制御装置24が装着される。制御装置24は、リールの回転停止の制御、ボーナスの種類の決定など制御を行う。
【0010】
施錠装置1は、図1,2に示すように前扉側部材1aと筐体側部材1bを有する。前扉側部材1aは、前扉22の回動先端部の後側領域に取付けられる。筐体側部材1bは、筐体21の内周縁の一側領域に取付けられる。前扉側部材1aは、前扉22を閉じ位置にすることで筐体側部材1bに係合して、前扉22を筐体21に対してロックする。
【0011】
前扉側部材1aは、図3〜5に示すようにベース2とラッチ3,4とサブユニット1cを有する。ベース2は、上下に長く、ベース取付部2aとベース本体板部2bとカバー部2c,2dを一体に有する。ベース取付部2aは、図1に示す前扉22にねじ等によって取付けられて前扉22の後面に沿う。ベース本体板部2bは、ベース取付部2aの左縁から後方に延出する。カバー部2c,2dは、ベース本体板部2bの後縁からベース取付部2aと反対方向に延出する。ベース本体板部2bの下部には、ローラ10が回転可能に取付けられる。
【0012】
ラッチ3,4は、図4,6に示すように係合部3a,4aとラッチ杆3b,4bを一体に有する。ラッチ杆3b,4bは、板状であって、上下方向に延出する。ラッチ杆3b,4bに形成された長穴3c,3d,3h,4c,4hに挿入されたかしめピン12〜14によってラッチ杆3b,4bがベース本体板部2bに上下方向に移動可能に取付けられる。ラッチ杆4bには、ばね1の上端部が係止される爪4eが形成される。ラッチ杆3bには、爪3eが形成される。爪3eは、ラッチ杆4bに形成された開口部4fを貫通し、ばね11の下端部が係止される。したがってラッチ3は、ばね11によって上方に付勢され、ラッチ4は、ばね11によって下方に付勢される。
【0013】
ラッチ杆3b,4bの端部(上端部または下端部)には、図3,6に示すように係合部3a,4aが形成される。係合部3a,4aは、筐体側部材1bに形成された受部17,18に対して上下方向に移動して、受部17,18に解除可能に係合する。ラッチ3,4の略全体がベース本体板部2bによって右側から覆われ、係合部3a,4aがカバー部2c,2dによって後方から覆われる。
【0014】
ラッチ杆3bの下部前端縁には、図4〜6に示すように力受部3gが形成される。力受部3gは、ラッチ杆3bから右側へ延出し、ベース取付部2aの前方を延出する。ラッチ杆4bの上下中間部の前端縁には、力受部4gが形成される。力受部4gは、力受部3gよりも上側に位置し、ラッチ杆4bから左側へ延出する。
【0015】
サブユニット1cは、図5,7に示すようにサブベース5とリセットスイッチ1dとシリンダ錠6を有する。サブベース5は、第一板部5a〜第四板部5dと取付脚部5e,5fを一体に有する。第一板部5aには、シリンダ錠6が後方から挿入される取付孔5a1が形成される。第二板部5bは、図4に示すように第一板部5aの左端縁から後方に延出する。第四板部5dは、第二板部5bの下縁から下方に延出する。第三板部5cは、図5に示すように第一板部5aの右端縁から後方に延出する。
【0016】
リセットスイッチ1dは、図7に示すようにスイッチ8とセンサ9とばね15を有する。スイッチ8は、板状であって、本体部8aと作動片8bを一体に有する。本体部8aには、長穴8c,8dが形成され、長穴8c,8dに挿入されたかしめピンによって本体部8aが第二板部5bに上下方向に移動可能に取付けられる。作動片8bは、本体部8aの下部から下方に延出する第一部8b1と、第一部8b1の端縁からセンサ9に向けて延出する第二部8b2を有する。
【0017】
スイッチ8の本体部8aには、図7に示すようにばね15の下端部が係止される爪8eが形成される。第二板部5bには爪5gが形成される。爪5gは、本体部8aに形成された孔8fに挿入され、ばね15の上端部が係止される。スイッチ8は、ばね15によって上方に付勢され、作動片8bがセンサ9よりも上方に位置する。本体部8aの下部には、第一板部5aに向けて突出する力受部8gが形成される。スイッチ8は、力受部8gがカム7によって押されることでばね15に抗して下方へ移動される。
【0018】
センサ9は、図7に示すように第四板部5dに取付けられる。センサ9は、第四板部5dからスイッチ8に向けて突出する発光部9aと受光部9bを有する。発光部9aは、LED等の発光源を発光し、受光部9bが該光を受信する。発光部9aと受光部9bの隙間には、スイッチ8の第二部8b2が出入りされ得る。該隙間に第二部8b2が位置すると、発光部9aから受光部9bに光が到達せず、センサ9が検知信号を制御装置24に発信する。制御装置24は、センサ9からの検知信号に基づいてパチスロ20のプログラムを初期状態にリセットする。
【0019】
シリンダ錠6は、図7に示すようにシリンダ部6bと、シリンダ部6b内に軸回転可能に設けられる錠軸6aと、シリンダ部6bの後部に形成されるフランジ部6cを有する。フランジ部6cは、第一板部5aの後面にねじによって取付けられる。錠軸6aは、フランジ部6cよりも後方に延出し、該端部にカム7が回転不能に取付けられる。
【0020】
カム7は、図7,8に示すように中央部7aと第一爪7bと第二爪7cを一体に有する。中央部7aは、錠軸6aに回転不能に取付けられる。第一爪7bは、中央部7aから第三板部5cに向けて延出する。第二爪7cは、中央部7aから第二板部5bに向けて延出する。第一爪7bは、図8,9に示すようにラッチ3の力受部3gの上側に設置される。第二爪7cは、ラッチ4の力受部4gの下側に設置される。
【0021】
したがってカム7が時計回りに回転した場合、第一爪7bが力受部3gを押してラッチ3が下方に移動する。第二爪7cが力受部4gを押してラッチ4が上方に移動する。第二爪7cは、図7に示すスイッチ8の力受部8gの上方に設置される。したがってカム7が反時計回りに(図7では時計回り)回転した場合は、第二爪7cが力受部8gを押し、スイッチ8が下方に移動する。
【0022】
サブベース5は、図5,7に示すように取付脚部5e,5fを有する。取付脚部5eは、第一板部5aの上端部からベース2に向けて延出する。取付脚部5eには、取付孔5e1と凸部5e2が形成される。凸部5e2は、ベース取付部2aに形成された孔2a2に挿入され、取付脚部5eをベース取付部2aに位置決めする。取付孔5e1にねじが挿入され取付孔2a1に螺合されることで取付脚部5eがベース取付部2aに取付けられる。
【0023】
取付脚部5fは、図4,7に示すように第二板部5bの第一板部5aの反対側端縁から第一板部5aと略平行に延出する。取付脚部5fには、取付孔5f1,5f2と凸部5f3が形成される。凸部5f3は、カバー部2dに形成された孔2d3に挿入され、取付脚部5fをカバー部2dに位置決めする。取付孔5f1,5f2にねじが挿入され取付孔2d1,2d2に螺合されることで取付脚部5fがカバー部2dに取付けられる。
【0024】
筐体側部材1bは、図2,3に示すようにベース16と受部17,18とガイド部19を一体に有する。ベース16は、上下方向に延出し、筐体21の内側面に取付けられる。受部17は、ベース16の上部後縁に形成され、筒部17aと蓋部17bを有する。筒部17aは、ベース16と協働して筒状を形成し、蓋部17bが筒部17aの上部を覆う。受部17には、ラッチ3の係合部3aが下側から解除可能に挿入される。受部18は、ベース16の下部後縁に形成される。受部18は、ベース16と協働して筒状を形成する筒部18aを有する。受部18には、ラッチ4の係合部4aが上側から解除可能に挿入される。
【0025】
ガイド部19は、図3に示すようにベース16の下部から側方に延出し、かつ前後方向に延出する。ガイド部19の前端部には、傾斜面19aが形成される。前扉22を筐体21に対して開き位置から閉じ位置へ移動させることで、傾斜面19aにローラ10が当たり、ローラ10がガイド部19の上を転がる。これにより前扉側部材1aと筐体側部材1bが係合され得る。
【0026】
筐体側部材1bを筐体21に取付ける場合は、図1に示すように筐体21に対応する形状の筐体側部材1bを選択して筐体21に取付ける。前扉側部材1aを前扉22に取付ける場合は、前扉22に対応する形状のベース2とラッチ3,4を選択して、該ベース2にサブユニット1cを取付け、ベース2を前扉22に取付ける。したがってサブユニット1cは、前扉22の形状に係らずに同一のものが使用される。
【0027】
前扉22を開き位置から閉じ位置にする場合は、図3に示すようにローラ10がガイド部19の上を転がり、ベース本体板部2bがベース16の左側に位置する。ラッチ3,4が受部17,18に当たり、ラッチ3,4がばね11に抗して移動しかつ戻ることでラッチ4が受部17,18に係合する。これにより施錠装置1によって前扉22が筐体21に対して施錠される。
【0028】
前扉22を解錠する場合は、シリンダ錠6に鍵を挿入して、鍵を時計回りに回す。カム7が時計回りに回転し、図9に示すようにラッチ3がばね11に抗して下方に移動して受部17から外れる(図3参照),ラッチ4がばね11に抗して上方に移動して受部18から外れる。かくして前扉22が筐体21に対して解錠される。
【0029】
シリンダ錠6に鍵を挿入して、鍵を反時計回りに回した場合は、カム7が反時計回りに回転する。カム7が図7に示すようにスイッチ8をばね15に抗して下方に移動させ、スイッチ8の第二部8b2がセンサ9の発光部9aと受光部9bの間に移動する。センサ9がスイッチ8の移動を検知し、制御装置24に検知信号を発信する。制御装置24は、検知信号に基づいて初期状態にリセットされる。
【0030】
以上のように施錠装置1は、図3に示すように前扉22に取付けられるベース2と、ベース2に移動可能に取付けられかつ筐体21側に解除可能に係合するラッチ3,4と、ラッチ3,4を操作するためのサブユニット1cを有する。サブユニット1cは、ベース2に取外し可能に取付けられるサブベース5と、サブベース5に取付けられかつ錠軸6aを備えるシリンダ錠6と、錠軸6aに取付けられかつ錠軸6aとともに第一方向に回転してラッチ3,4を移動させるカム7と、サブベース5に移動可能に取付けられかつ第一方向と反対方向に回転したカム7によって移動されるリセットスイッチ用スイッチ8と、サブベース5に取付けられかつスイッチ8の移動を検知してパチスロ(遊技機)20の制御装置24(図1参照)に検知信号を発信するリセットスイッチ用センサ9を有する。
【0031】
したがって施錠装置1は、種々な筐体21および前扉22に対してサブユニット1c(シリンダ錠6、カム7、リセットスイッチ1d)が共通部品として利用され得る。例えば施錠装置1の上下長さの変更が必要な場合は、ラッチ3,4等の長さを変えることで対応できる。シリンダ錠6の位置の変更が必要な場合は、ベース2のサブユニット1cの取付位置を変えることで対応できる。またカム7によって作動されるリセットスイッチ1dは、サブユニット1cとしてカム7と一体に設けられるため、カム7との位置関係を考慮して位置決定される必要がない。かくしてサブユニット1cの共通化によって金型費と開発費と組付作業が軽減され、施錠装置1が安価に構成され得る。
【0032】
サブベース5は、図7に示すようにシリンダ錠6が取付けられかつカム7の前方を覆う第一板部5aと、第一板部5aからカム7の側方へ延出する第二板部5bと、第二板部5bと反対側にて第一板部5aからカム7の側方へ延出する第三板部5cを有する。ラッチ3,4は、図4,5に示すように第一板部5aと第二板部5bと第三板部5cによって囲われる領域においてカム7によって押される力受部3g,4gを有する。
【0033】
したがってラッチ3,4の力受部3g,4gは、前扉22と筐体21の隙間から不正に挿入される不正具(板部材、ワイヤー等)によって押されることが抑制され得る。かくして前扉22が筐体21に対して不正に解錠されることが抑制され得る。
【0034】
ベース2は、図3に示すように上下方向に延出しかつ前扉22の後面に沿うベース取付部2aと、ベース取付部2aから後方へ延出しかつ前扉22の回転先端側からラッチ3,4の全体を覆うベース本体板部2bを有する。サブベース5は、前扉22内において第一板部5aがベース取付部2aの前側に位置しかつベース取付部2aと第一板部5aの間にカム7が位置するようにベース2に取付く取付脚部5e,5fを有する。
【0035】
したがって筐体21と前扉22の隙間から挿入される不正具は、ベース本体板部2bによってラッチ3,4に到達することが規制される。そのためラッチ3,4が不正に操作されて前扉22が筐体21に対して不正に解錠されることが規制され得る。カム7は、第一板部5aとベース取付部2aによって前後から覆われるため、前後方向から不正に操作されることが規制され得る。そのためカム7が不正に操作されて前扉22が不正に筐体21に対して解錠されることが規制され得る。
【0036】
サブベース5は、図7に示すように第二板部5bから延出してセンサ9が取付けられる第四板部5dを有する。第二板部5bにスイッチ8が移動可能に取付けられる。したがってリセットスイッチ1dのセンサ9とスイッチ8が第二板部5bを利用して設けられる。そのためセンサ9とスイッチ8の位置が容易に決定され、リセットスイッチ1dが簡易に構成され得る。
【0037】
ラッチ3,4は、図3に示すように上下方向に直線的にスライドすることで受部17,18に係脱され得る。そのためラッチ3,4は、受部17,18に対して簡易な構造にて係合解除され得る。
【0038】
受部17,18は、図3を参照するようにラッチ3,4の係合部3a,4aが係合された際に係合部3a,4aをベース16と協働して前後方向と左右方向から覆う筒部17a,18aを有する。そのため不正具によってラッチ3,4が受部17,18から解除されることが筒部17a,18aによって効果的に規制され得る。
【0039】
本発明は、上記実施の形態に限定されず、以下の形態等であっても良い。例えば、図1に示す施錠装置1は、パチンコ店に設置されるパチスロ20に設けられても良いし、他の場所に設置されるスロットマシンに設けられても良い、あるいは他の遊技機に設けられても良い。
【0040】
ラッチ3,4は、ラッチ杆3b,4bと係合部3a,4aを一体に有していても良いし、ラッチ杆3b,4bとラッチ部材を別個に有し、ラッチ部材がベース2に回転可能に取付けられかつラッチ杆3b,4bに連結され、ラッチ杆3b,4bがベース2に対して上下動することでラッチ部材がベース2に対して傾動しても良い。
【0041】
スイッチ8は、図7に示すようにサブベース5にスライド可能に取付けられても良いが、サブベース5に傾動可能に取付けられても良い。
【0042】
センサ9は、発光と受光とによってスイッチ8の移動を検知しても良いが、赤外線の送受信あるいは磁力、磁気の変化等を検知してスイッチ8の移動を検知しても良い。
【符号の説明】
【0043】
1…施錠装置
1a…前扉側部材
1b…筐体側部材
1c…サブユニット
1d…リセットスイッチ
2,16…ベース
2a…ベース取付部
2b…ベース本体板部
3,4…ラッチ
3g,4g,8g…力受部
5…サブベース
5a…第一板部
5b…第二板部
5c…第三板部
5d…第四板部
5e,5f…取付脚部
6…シリンダ錠
6a…錠軸
7…カム
8…スイッチ
9…センサ
10…ローラ
17,18…受部
20…パチスロ(遊技機)
21…筐体
22…前扉
24…制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の筐体に回転可能に取付けられた前扉を前記筐体に施錠するための遊技機用施錠装置であって、
前記前扉に取付けられるベースと、前記ベースに移動可能に取付けられかつ前記筐体側に解除可能に係合するラッチと、前記ラッチを操作するためのサブユニットを有し、
前記サブユニットは、前記ベースに取外し可能に取付けられるサブベースと、前記サブベースに取付けられかつ錠軸を備えるシリンダ錠と、前記錠軸に取付けられかつ前記錠軸とともに第一方向に回転して前記ラッチを移動させるカムと、前記サブベースに移動可能に取付けられかつ前記第一方向と反対方向に回転した前記カムによって移動されるリセットスイッチ用スイッチと、前記サブベースに取付けられかつ前記スイッチの移動を検知して前記遊技機の制御装置に検知信号を発信するリセットスイッチ用センサを有する遊技機用施錠装置。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機用施錠装置であって、
前記サブベースは、前記シリンダ錠が取付けられかつ前記カムの前方を覆う第一板部と、前記第一板部から前記カムの側方へ延出する第二板部と、前記第二板部と反対側にて前記第一板部から前記カムの側方へ延出する第三板部を有し、
前記ラッチは、前記第一板部と前記第二板部と前記第三板部によって囲われる領域において前記カムによって押される力受部を有する遊技機用施錠装置。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技機用施錠装置であって、
前記ベースは、上下方向に延出しかつ前記前扉の後面に沿うベース取付部と、前記ベース取付部から後方へ延出しかつ前記前扉の回転先端側から前記ラッチの全体を覆うベース本体板部を有し、
前記サブベースは、前記前扉内において前記第一板部が前記ベース取付部の前側に位置しかつ前記ベース取付部と前記第一板部の間に前記カムが位置するように前記ベースに取付く取付脚部を有する遊技機用施錠装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の遊技機用施錠装置であって、
前記サブベースは、前記第二板部から延出して前記センサが取付けられる第四板部を有し、
前記第二板部に前記スイッチが移動可能に取付けられる遊技機用施錠装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−135447(P2012−135447A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290026(P2010−290026)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(390005120)株式会社森創 (89)
【Fターム(参考)】