説明

遊技機

【課題】
入賞口に至る遊技玉の動作に関連する演出を楽しむことができ、遊技玉の動作と画像演出の両方を楽しめる遊技機を提供し、遊技者に対するアミューズメント性の向上と満足度の向上を図る。
【解決手段】
遊技機に、ステージで転動する遊技玉を検出する検出手段を備え、記憶手段に記憶する画像としてオブジェクト画像を設定し、制御手段で実行する処理に、前記検出手段で検出した遊技玉の移動に連動して前記オブジェクト画像を変化させて表示する連動表示処理を設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばパチンコ玉を射出して入賞口に入賞させ、所定の条件によってパチンコ玉を払い出すようなパチンコ機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の演出方法としては、遊技盤の中央付近に液晶画面等の表示部を備え、該表示部にて遊技用の演出を行う遊技機が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
上記演出は、入賞口へ遊技玉が入賞したことをセンサによって検出した際に図柄表示を開始し、大当たりや確率変動等の内部状態によって異なる演出が行われた後、図柄の停止により大当たりやハズレを表示して1つの演出を完了する。
【0004】
従って、単に入賞口への遊技玉の入賞がトリガとなって、後は定められた演出が行われるのみとなっている。
【0005】
また、このような遊技機では、遊技者が大当たり等を得るためには、遊技玉を入賞口に入賞させる必要がある。しかし、この入賞口を狙おうとする、あるいは入賞口付近での遊技玉の動きに注目すると、少し離れた位置にある表示部が見れなくなり、演出を楽しむことができないという問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開2003−117163号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、上述の問題に鑑み、入賞口に至る遊技玉の動作に関連する演出を楽しむことができ、遊技玉の動作と画像演出の両方を楽しめる遊技機を提供し、遊技者に対するアミューズメント性の向上と満足度の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、遊技玉の入賞を受け付ける入賞口と、該入賞口へ遊技玉を誘導する前段部分で遊技玉の転動を許容するステージと、画像を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶した画像を表示する表示手段と該表示手段に表示する画像の制御を行う制御手段とを備えた遊技機であって、前記ステージで転動する遊技玉を検出する検出手段を備え、前記記憶手段に記憶する前記画像としてオブジェクト画像を設定し、前記制御手段で実行する処理に、前記検出手段で検出した遊技玉の移動に連動して前記オブジェクト画像を変化させて表示する連動表示処理を設定した遊技機であることを特徴とする。
【0009】
前記ステージは、遊技玉が一方向へ往復可能なレール状のステージ、又は、遊技玉が前後左右に自由に移動可能な面状のステージ等、遊技玉の転動を許容するステージで構成することを含む。
【0010】
前記オブジェクト画像は、人又は犬等の動物をアニメ画像や実写画像で表示するキャラクタ画像、花、シンボルマーク、ロゴマーク、乗り物、若しくは物品等の静物をアニメ画像や実写画像で表示するアイテム画像等、オブジェクトとして認識できる画像で構成することを含む。
【0011】
前記連動表示処理による変化は、オブジェクト画像の形、色、模様、大きさ等の表示形態を、連続的又は断続的に変化させる一連の変化に設定することを含む。
【0012】
前記構成により、遊技玉に連動してオブジェクト画像を変化させて表示することができ、遊技者に対して期待感のある演出をする等、アミューズメント性を向上させて満足度を向上させることができる。
【0013】
この発明の態様として、前記記憶手段に、遊技機の内部状態の種類に対応して異なる種類のオブジェクト画像を記憶し、前記制御手段で実行する連動表示処理を、前記内部状態に対応したオブジェクト画像を連動表示する処理に設定することができる。
【0014】
前記内部状態は、大当たり確定状態、リーチ状態、確率変動状態等、内部に保持する状態で構成することを含む。
【0015】
前記構成により、内部状態に関連付けた種類のオブジェクト画像を表示することができ、遊技者に期待感を与える演出を行うことができる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記連動表示処理を、前記ステージにて転動する遊技玉が複数存在する場合に、該複数の遊技玉のうち選択した遊技玉に連動して表示する処理に設定することができる。
【0017】
前記選択は、最初にステージに乗った遊技玉や最後にステージに乗った遊技玉等、複数の遊技玉のうちの1つを選択する、あるいは、制限された制限個数(例えば2つや3つ)までの所定個数を選択する構成とすることを含む。
【0018】
前記構成により、ステージ上の遊技玉の個数が増加した場合であっても、オブジェクト画像の存在数を制限して表示過多を防止し、遊技者にオブジェクト画像の変化を楽しませることができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記ステージを、前記表示手段の近傍に設けることができる。
これにより、転動する遊技玉とこれに連動するオブジェクト画像の位置が近くなり、両方の動作を同時に見て楽しむことができる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記ステージを、前記表示手段の手前側で、かつ、ステージにて転動する遊技玉が前記表示手段に表示する画像と重なって見える位置に設けることができる。
【0021】
これにより、表示手段で表示するオブジェクト画像等による演出に遊技玉を加えることができ、表示手段で表示する画像の一部を遊技玉が構成するような演出が可能となる。
【発明の効果】
【0022】
この発明により、遊技者は、入賞口に至る遊技玉の動作に関連する演出を楽しむことができ、遊技玉の動作と画像演出の両方を楽しむことができる。これにより、遊技者に対するアミューズメント性の向上と満足度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
まず、図1に示す正面図と共に、遊技機1の外観構成について説明する。
【0024】
遊技機1はパチンコ機であり、遊技盤3上に、複数の通常入賞口11、特別入賞口(Vチャッカ)12、液晶ディスプレイ14、ステージ空間20、センターケース21、遊技玉投入及び払い出し用の上皿4、排出された遊技玉を保持する下皿5、及び遊技者が操作するハンドル6を備えている。
【0025】
ステージ空間20は、センターケース21で囲われた内側部分でステージ22(後述)の上方部分を指し、特別入賞口12へ遊技玉を誘導する前段部分として、遊技玉が転動し得る空間を指す。
【0026】
センターケース21は、透明、半透明、又は不透明のプラスチック部材で形成し、液晶ディスプレイ14の周りを飾るように、中央をくり抜いた枠状に形成している。
【0027】
該センターケース21のくり抜き部底面は、ゆるやかなカーブを描くw字型に形成し、このw字型の部分を左右対称のステージ22として備えている。
【0028】
該ステージ22は、遊技玉の転動用のレールであり、その上で遊技玉が転動可能なように十分な前後幅を有し、遊技盤3の中央近辺に備えた液晶ディスプレイ14の下部手前側に位置するように近接させて設けている。
【0029】
これにより、遊技者がステージ空間20上での遊技玉の動作を見ると共に、液晶ディスプレイ14の画像表示を見ることができるようにしている。
【0030】
ステージ22の右横には、該転動用ガイドへ向かって遊技玉を送り出すステージ入場通路15を備えている。該ステージ入場通路15は、その入口部にステージ入場口15aを備えている。これにより、遊技盤3に存在する遊技玉の一部がステージ入場口15aに入ると、その遊技玉をステージ入場通路15からステージ空間20へ誘導するようにしている。
【0031】
ステージ22の中央部には、誘導路入口29aを設け、その下方に存在する特別入賞口12の直上に誘導路出口29bを設けている。これにより、ステージ22上を転動している遊技玉が誘導路入口29aに入ると、この遊技玉を誘導路出口29bから排出し、高確率(ほぼ100%)で特別入賞口12に入賞するようにしている。
【0032】
以上の構成により、遊技者は、上皿4から遊技玉を投入し、ハンドル6を操作して遊技玉を遊技盤3上に射出し、通常入賞口11や特別入賞口12に遊技玉を入賞させることが可能となる。
【0033】
特別入賞口12には、ステージ入場通路15に入った遊技玉が、誘導路入口29aに入った場合も遊技玉が入ることとなる。
【0034】
通常入賞口11に入賞した場合は、上皿4へ所定数の遊技玉を払い出し、特別入賞口12に入賞した場合は、通常より多くの遊技玉を上皿4へ払い出す。
【0035】
次に、図2、図3に示す斜視図、図4に示す正面図、図5に示す右側面図、及び図6に示す平面図と共に、ステージ空間20付近に備えるセンターケース21とセンサの構成について説明する。
【0036】
センターケース21には、奥側に液晶ディスプレイ14の外枠となる液晶枠23を備え、手前側に前述したステージ22を備えている。該ステージ22は、平面視横長の長方形で、正面視はゆるやかなカーブによるw字型となるレール状の面にて形成している。また、このステージ22の奥側に液晶枠23の一部が見えるように形成しており、遊技玉が液晶枠23より奥側へ移動することを防止して液晶ディスプレイ14を保護している。
【0037】
ステージ22は、手前側の辺が遊技盤3の盤面3a(図5)と繋がるように備え、ステージ空間20(図2)を盤面3aから奥まらせて構成している。
【0038】
ステージ22の中央には、図2に示すように誘導路入口29aに遊技玉100を誘導する凹部22aを形成している。この凹部22aは、遊技玉100の半径以下となる少しの凹部で、奥側の誘導路入口29aに向かって下りの傾斜に形成している。
【0039】
これにより、その上を通過する遊技玉100の通過速度が緩やかな場合、あるいは殆ど止まりそうな場合に、遊技玉100を誘導路入口29a(誘導路29の入口)に誘導し、それ以外は遊技玉100が誘導路入口29aに入らず素通りするようにしている。
【0040】
ステージ22は、図5に示すように全体を手前側を下方に少し傾斜させて形成している。これにより、遊技玉がステージ22上で左右にゆらゆら往復している間に盤面3aへ落ちるようにしており、誘導路入口29aに入る遊技玉を少なくしている。
【0041】
センターケース21の上部には、発光側のセンサ収納空間26を形成し、該センサ収納空間26の中にセンサ発光部35を格納する。該センサ発光部35の格納位置は、ステージ22の前後方向中央の直上位置に設定し、複数の発光素子35a(例えば20個)で構成する。
【0042】
センターケース21の下部には、受光側のセンサ収納空間27を形成し、該センサ収納空間27の中にセンサ受光部36を格納する。該センサ受光部36の格納位置は、ステージ22の前後方向中央の直下位置に設定し、複数の受光素子36a(例えば20個)で構成する。
【0043】
このセンサ発光部35とセンサ受光部36の配置により、発光素子35aから発する赤外線はセンターケース21を通過して受光素子36aが受光し、ステージ22上に遊技玉が存在した場合は赤外線が遮断されて受光素子36aが受光できず、遊技玉の存在を検出することができる。
【0044】
液晶枠23には、低部手前側に穴を空けて誘導路29を形成する。該誘導路29は、受光側のセンサ収納空間27を貫通して下方に続き、図5に示すように遊技機1内で正面側へカーブさせて誘導路出口29bに通じさせている。
【0045】
以上の構成により、ステージ22上で遊技玉100の転動を許容し、傾斜によって盤面3aに遊技玉を落とすことができる。
運良く誘導路入口29aに入った遊技玉は、誘導路29を通過して特別入賞口12に入賞する。
【0046】
ステージ22上の遊技玉は、センサ発光部35及びセンサ受光部36で構成するセンサにて、位置、移動方向、移動速度、及び検出範囲からの離脱(盤面3a側又は誘導路入口29aへの落下)を検出することができる。
【0047】
次に、図7に示すブロック図と共に、遊技機1の制御系の構成について説明する。
遊技機1には、検出部41、玉位置演算部42、主制御部43、表示制御部44、表示部45、及び記憶部46を備えている。
【0048】
検出部41は、前述したセンサ発光部35及びセンサ受光部36で構成し、遊技玉の有無を検出する。遊技玉が存在しなければOFF状態を検出しており、遊技玉が存在してONを検出すると、ONを検出した受光素子36aの番号を送信する。ONの後にOFFとなった場合も、OFFとなった受光素子36aの番号を送信する。
【0049】
玉位置演算部42は、検出部41から受光素子36aの番号を受け取り、遊技玉の存在する横方向の位置を演算する。このとき、その遊技玉が左右いずれの方向へ移動しているかも検出する。
【0050】
主制御部43は、リーチ、確率変動、大当たり、時間短縮などの内部状態(遊技状態)に関する制御を実行する。
表示制御部44は、表示部45に表示させる画像処理の制御を実行する。
【0051】
表示部45は、前述した液晶ディスプレイ14であり、表示制御部44の制御に従って画像の表示を行なう。この画像には、演出用のキャラクタ画像や、回転表示用の図柄画像等を含めている。
【0052】
なお、上記玉位置演算部42及び表示制御部44は、本実施形態のように別個に設けた方が負荷分散の観点から望ましいが、1つの制御手段(演算手段)で構成しても良い。
【0053】
記憶部46は、キャラクタ画像や図柄画像等、表示部45に表示する画像を記憶している。
【0054】
なお、図示省略しているが、遊技機1には、通常入賞口11や特別入賞口12への遊技玉の入賞を検出する入賞検出部、遊技者によるハンドル6の操作入力を検出する操作検出部、遊技玉100を射出する射出部、及び遊技玉を払い出す遊技玉払出部も備えている。
【0055】
以上の構成により、検出部41で遊技玉を検出すると、玉位置演算部42で遊技玉の位置を演算し、表示制御部44にてその位置に対応してキャラクタ画像を表示部45に表示し、遊技玉の動作に対応した演出を行うことができる。
【0056】
この演出の際には、主制御部43から内部状態が得られるため、内部状態に応じてキャラクタ画像や図柄画像等を変化させるといった演出もできる。
【0057】
次に、図8に示す処理フロー図と共に、図9のレジスタ説明図、図10、図11の遊技玉検出説明図を参照して、玉位置演算部42が遊技玉の移動を検出する玉移動検出処理について説明する。
【0058】
ここで、説明の便宜のため下記の記号を使用する。
d:遊技玉に割り与えたIDを格納する。
Pos(d):IDがdの遊技玉の位置(玉位置)を示す。
Dir:遊技玉の移動方向を示し、左方向を1、右方向を0で示す。
S(n):受光素子36aSの位置nを示す。
nは、右端の1から左端のkまで存在する。
R(d):IDがdの遊技玉の存在有無を格納するレジスタのビット位置を示す。
【0059】
なお、図10の(A)に示すように、隣り合う受光素子36aの間隔Lは、遊技玉100の直径R(10mm程度)よりも小さく設定し、L<Rが成り立つように配設している。
【0060】
図8に示すように、玉位置演算部42は、まず全てのレジスタのビットR(1〜k)について、図9の(A)に示すように0を格納してリセットする(ステップn1)。
【0061】
図10の(C)に示す右端の受光素子36aS(1)が遊技玉を検出したことによるS(1)のONの割り込みがあると(ステップn2)、玉位置演算部42はdが最大(=k)であるか判定する(ステップn3)。
【0062】
最大であれば(ステップn3:Yes)、ステップn1にリターンし、最大でなければ(ステップn3:No)、演算式「d=d*2(b)」を実行してdビットをシフトする(ステップn4)。ここで、「2(b)」の「(b)」はバイナリであることを示す。
【0063】
玉位置演算部42は、R(d)をセットする(ステップn5)。すなわち、遊技玉に割当てたIDであるdから、レジスタのdビット目に「1」をセットし、ID(d)の遊技玉がステージ22上にあることを格納する。
例えば、d=0040であれば、図9の(B)に示すように、d=0040のビットに「1」を格納する。
【0064】
玉位置演算部42は、演算式「Pos(d)=1」を実行し、ID(d)の遊技玉の位置をセットする(ステップn6)。
【0065】
玉位置演算部42は、図10の(C)に示すS(2)がONとなるまで待機し(ステップn7:No)、S(2)がONとなれば(ステップn7:Yes)、演算式「Dir(d)=1」を実行し、ID(d)の遊技玉の進行方向が左向きであることを格納する(ステップn8)。
【0066】
また、演算式「Pos(d)=2」を実行し、ID(d)の遊技玉の現在の位置が「2」であることを格納する(ステップn9)。
玉位置演算部42は、Dir(d)=1か、すなわち移動方向が左向きか否かを判定する(ステップn10)。
【0067】
左向きであれば(ステップn10:Yes)、現在の玉位置の左隣の受光素子36aであるS(n+1)が1か否か、すなわち遊技玉が検出できるか否かを判定する(ステップn11)。
【0068】
左隣の受光素子36aにて遊技玉を検出すれば(ステップn11:Yes)、図10の(D)に示すように遊技玉がD2位置からD3位置に移動したと判定できるため、Pos(d)=n+1を実行して現在の玉位置を1つ左に移動し(ステップn12)、ステップn10にリターンする。
【0069】
前記ステップn11で、現在の玉位置の左隣の受光素子36aで遊技玉が検出できなければ(ステップn11:No)、S(n)=1か否か、すなわち現在の玉位置で遊技玉が検出できるか否かを判定する(ステップn13)。
【0070】
遊技玉が検出できれば(ステップn13:Yes)、遊技玉はまだ左右に移動していないため、ステップn11にリターンする。
【0071】
遊技玉が検出できなくなれば(ステップn13:No)、S(n−1)=1か否か、すなわち現在の玉位置の右隣の受光素子36aで遊技玉が検出できるか否かを判定する(ステップn14)。
【0072】
遊技玉が検出できれば(ステップn14:Yes)、図11の(E)に示すように遊技玉がE2位置からE3位置に変化したと判定できるため、Dir(d)=0を実行して進行方向が右方向に変ったことを格納する(ステップn15)。
【0073】
また、Pos(n)=n−1を実行して現在の玉位置を右隣に移動し(ステップn16)、ステップn10にリターンする。
【0074】
前記ステップn14で右隣の受光素子36aが遊技玉を検出できなかった場合には(ステップn14:No)、その遊技玉は誘導路入口29aに入ったから手前に落ちたかいずれかによりステージ22上から消滅したと判定できるため、R(d)=0としてその遊技玉のレジスタのビットをリセットし(ステップn17)、処理を終了する。
【0075】
前記ステップn10でDir(d)=1でなかった場合、すなわち進行方向が右方向であった場合は(ステップn10:No)、上記ステップn11からn17と左右逆の処理を実行する。
【0076】
簡単に説明すると、まず現在の玉位置の右隣の受光素子36aで遊技玉が検出できるか判定する(ステップn18)。
【0077】
遊技玉が検出できれば(ステップn18:Yes)、進行方向そのままに右方向へ移動したと判定して玉位置をひとつ右へ移動し(ステップn19)、ステップn10にリターンする。
【0078】
前記ステップn18で遊技玉が検出できなければ(ステップn18:No)、現在の玉位置で遊技玉が検出できるか判定する(ステップn20)。
【0079】
遊技玉が検出できれば(ステップn20:Yes)、ステップn18にリターンし、検出できなければ(ステップn20:No)、現在の玉位置の左隣の受光素子36aで遊技玉が検出できるか判定する(ステップn21)。
【0080】
遊技玉が検出できた場合は(ステップn21:Yes)、移動方向を左方向に変更して格納し(ステップn22)、玉位置を左へ1つ移動して(ステップn23)、ステップn10にリターンする。
【0081】
前記ステップn21で遊技玉が検出できなかった場合には(ステップn21:No)、遊技玉がステージ22上から落ちたと判定してその遊技玉のレジスタのビットをリセットし(ステップn24)、処理を終了する。
【0082】
以上の動作により、遊技玉の移動方向と現在の玉位置、及びステージ22からの消滅をリアルタイムに把握することができる。
【0083】
これにより、ステージ22上で移動する遊技玉に連動して、液晶ディスプレイ14で演出を行うことが可能となる。
【0084】
次に、図12に示す表示制御部44の動作を示す処理フロー図と共に、ステージ22で転動する遊技玉に連動した演出処理について説明する。
【0085】
表示制御部44は、まず主制御部43の内部状態(大当たりや確率変動等)を把握する(ステップp1)。
【0086】
玉位置演算部42から受信する信号によって、ステージ22上に遊技玉が侵入したかいなかを判定し(ステップp2)、進入していなければ(ステップp2:No)ステップp1にリターンする。
【0087】
進入すれば(ステップp2:Yes)、遊技玉の追跡を開始する(ステップp3)。
【0088】
表示制御部44は、玉位置演算部42から受信する信号によって把握する遊技玉の玉位置、及び内部状態によって、表示する画像を確定し(ステップp4)、液晶ディスプレイ14に画像を表示する(ステップp5)。
【0089】
ここで、表示する画像には、演出用のキャラクタ画像と、回転表示用の図柄画像がある。
キャラクタ画像については、内部状態によって服装、俊敏さ、大きさ、動き方等の異なるキャラクタ画像からいずれを表示するか確定し、玉位置によって液晶ディスプレイ14上での表示位置を確定する。
【0090】
図柄画像については、色、模様、サイズ、表示アクション等の異なる図柄画像からいずれを表示するか確定する。
【0091】
該当する遊技玉が継続して存在していれば(ステップp6:Yes)、ステップp4にリターンし、該当する遊技玉が存在しなければ(ステップp6:No),最終画像を表示し(ステップp7)、処理を終了する。
【0092】
ここで最終画像は、図柄画像であれば、大当たりの確定画像かハズレ確定画像等に設定する。キャラクタ画像Kであれば、大当たりやハズレに対応した画像、若しくはステージ22から盤面3aに落ちた場合の残念画像やステージ22から誘導路入口29aに入ったおめでとう画像等に設定する。
【0093】
以上の動作により、遊技玉の転動と主制御部43の内部状態に連動した演出を行うことができる。
【0094】
これにより、例えば図13の説明図の(H)〜(L)に示すように、キャラクタ画像Kが遊技玉100に玉乗りしているような動画を表示し、液晶ディスプレイ14のキャラクタ画像Kと遊技玉100とによる一体的な画像演出で遊技者を楽しませることができる。
【0095】
すなわち、キャラクタ画像Kは、液晶ディスプレイ14上の位置座標と、遊技玉100を検出するセンサ受光部36の受光素子36aSの位置とをマッチングさせることで、遊技玉100の移動とキャラクタ画像Kの表示位置変更を同期させることができる。
【0096】
図示の例では、(H)から(L)の順で示すように、右端から左へ移動する遊技玉100に合わせて、キャラク画像Kが遊技玉100に玉乗りしている画像を連動表示している。
【0097】
この表示位置変更によるキャラクタ画像Kの動作は、滑らかに動く連続した一連の動画像とすることが望ましいが、断続的に動く一連の画像として玉位置演算部42及び表示制御部44への負荷を軽減しても良い。
【0098】
キャラクタ画像Kの表示位置変更は、左右方向だけとしても良いが、ステージ22の形状は予め解っているため、各受光素子36aSの存在位置でのステージ22の高さに対応させて上下方向にも表示位置を変更する設定としても良い。
これにより、遊技玉100の動作とより一体感のある画像演出を行うことができる。
【0099】
ステージ22に複数の遊技玉100が存在する場合は、最初に入った遊技玉100の動作とキャラクタ画像Kを連動させる、または最後に入った遊技玉100の動作とキャラクタ画像Kを連動させる設定としている。
【0100】
これにより、液晶ディスプレイ14に表示するキャラクタ画像Kが増えすぎて見苦しくなることを防止している。
【0101】
なお、以上に説明した実施形態において、遊技玉100がステージ22を移動する移動速度に対応したキャラクタ画像の演出を行う構成としても良い。
【0102】
この場合、例えば図14の説明図の(N)に示すように、所定位置でキャラクタ画像Kを表示しておき、(O)に示すように遊技玉100が近づいてきてキャラクタ画像Kの位置までくると、(P)に示すようにキャラクタ画像Kが遊技玉100で跳ね飛ばされるという演出ができる。
【0103】
このキャラクタ画像Kの跳ね飛ばされる距離や跳ね飛ばされ方を、遊技玉100の移動速度に対応して変化させることで、遊技者を楽しませることができる。
【0104】
移動速度の検出方法としては、受光素子36a間の間隔Lを均等にし、玉移動検知処理(図8)のサイクルをC回/秒とすると、1つの受光素子36aを遮光して隣の受光素子36aを遮光するまでの処理サイクル数をY回として、Y回処理するのに要した時間をY/C(秒)で表せる。
【0105】
従って、該当する遊技玉100の転動速度(移動速度)はLC/Yとして表すことができ、遊技玉100の速度を求めることができる。
【0106】
上記キャラクタ画像Kの跳ね飛ばされる表示は、右から左へ進む遊技玉100に対して、誘導路入口29aより左側に存在する右向きのキャラクタ画像Kが、誘導路入口29aの前を通り過ぎてしまった遊技玉100によって跳ね飛ばされる表示としたが、逆向きにも対応して表示する設定とする。
【0107】
すなわち、左から右へ進む遊技玉100に対しては、誘導路入口29aより右側に左向きのキャラクタ画像Kを表示し、このキャラクタ画像Kが跳ね飛ばされる表示とする。
【0108】
これにより、左右いずれの方向へ遊技玉100が移動していても、違和感のない演出を行うことができる。
【0109】
また、液晶ディスプレイ14に表示するキャラクタ画像Kを1つに限らず、ステージ22に複数の遊技玉100が存在する場合に、任意の所定個数の遊技玉100に対応させて複数のキャラクタ画像Kを連動表示する構成としても良い。
【0110】
この場合は、キャラクタ画像Kが増えすぎないように調整した上で、複数のキャラクタ画像Kによるそれぞれ独立した動作若しくは関連した動作による演出を行うことができる。
【0111】
また、キャラクタ画像Kの演出として、複数のキャラクタ画像Kを表示してキャラクタ同士で遊ぶような演出や、ステージ22上に存在する遊技玉数に応じてキャラクタ画像Kの大きさを変更する演出等、様々な演出を行うことができる。
【0112】
また、ステージ入場通路15(図1)にもセンサ発光部35及びセンサ受光部36で構成する検出部34と同様の検出部を配設し、遊技玉100がステージ22に侵入する進入速度や進入タイミングを事前に検出する構成としても良い。
【0113】
これにより、遊技玉100がステージ22に進入した際に遅滞無くキャラクタ画像Kを表示することが可能となる。
【0114】
また、液晶枠23を排除して、図13に示したように、ステージ22が液晶ディスプレイ14の手前側に重なるように設けても良い。これにより、遊技玉100とキャラクタ画像Kとの連動表示を、より一体感のある画像として見せることができる。
【0115】
また、演出効果を高めるために、液晶ディスプレイ14の代わりに立体的な画像を表示する立体表示手段を用いる構成としても良い。この場合、立体表示手段には、ハーフミラーやレンズアレイを用いる方式、左右の瞳に異なる画像情報を入力して立体的に表示する方式等を使用すると良い。
【0116】
ハーフミラーを使用する方法は、ハーフミラーを透過して図柄を表示するドットマトリクスLED表示体とハーフミラーの反射面を介して図柄を表示するドットマトリクスLED表示体の各々を、ハーフミラーの反射面からの距離を異ならせ、しかも、ドットマトリクスLED表示体の左図柄表示LEDとドットマトリクスLED表示体の左図柄表示LEDとが重複して視認されるような位置に配備し、左図柄表示LEDと左図柄表示LEDの各々に同一図柄を切替え表示して図柄を遠近に変動させる一方、左図柄表示LEDと左図柄表示LEDの各々に同一図柄を同時に表示して図柄を立体表示することで行うことができる。
【0117】
レンズアイを使用する方法は、立体像を含む画像を表示する画像表示面を有する表示部と、画像表示面に平行に離間して配置し表示部とは反対側の空間に画像表示面に表示された画像を結像する、両面にマトリクス状に互いに隣接して配列された複数の凸レンズを備える一対のマイクロレンズアレイと、各マイクロレンズアレイを互いの凸レンズの光軸が同軸となるよう配置した画像伝達パネルとで構成する画像表示装置を用いて、動的な画像を表示することで行うことができる。
【0118】
これにより、実物である遊技玉100に合わせて立体感のある画像演出を行うことができ、演出効果を高めることができる。
【0119】
また、図15、図16の斜視図、図17の正面図、図18の右側面図、図19の平面図に示すように、センサ発光部35及びセンサ受光部36を前後左右に平面状に配設し、センターケース21のステージ22を遊技玉が前後左右に転動できるように形成しても良い。
【0120】
この場合、誘導路入口29aはステージ22の中央に形成すると良い。
これにより、遊技玉が前後方向にも自由に移動することとなり、前後左右の移動をセンサ受光部36で検出することができる。
【0121】
この前後左右の検出に対応して、キャラクタ画像K(図13、図14)の表示を変更することができ、例えば前後方向の移動に対してはキャラクタ画像Kの表示サイズを手前では大きく、奥側では小さくして遠近感を出すといったことができる。
【0122】
また、センサ発光部35とセンサ受光部36の配置は、図20の側面断面図に示すように、ステージ22近傍に配設してもよい。
例えば、ステージ22の手前側に、奥側少し上方から赤外線を受光するセンサ受光部36を設け、液晶枠23の下方側(液晶ディスプレイ14の下方側の位置)に、赤外線の照射方向を手前少し下方向へ向けたセンサ発光部35を設けることができる。
これにより、外乱光による影響を少なくし、検出部34の小型化を図ることができる。
【0123】
またこの場合、ステージ22及び液晶枠23の替わりに側面視L字型のブラケットを設け、該ブラケットにセンサ発光部35とセンサ受光部36を設ける構成としてもよい。これにより、センサ発光部35とセンサ受光部36をステージ22に取り付けることを容易にすることができる。
【0124】
また、検出部41は、センサ発光部35及びセンサ受光部36に変えて、発光する光を走査して遊技玉100で反射する光を受光するタイプの検出装置、超音波を発してその反射を検出する検出装置、又は、デジタルカメラ等の撮影装置での撮影画増を解析して位置検出する装置等、様々な装置を用いて位置検出を行うことができる。
【0125】
また、図21の平面図、及び図22の正面図に示すように、w字型のステージ22を手前下方に傾斜させず水平に設け、w字型の2つの谷部に玉落とし凹部22bをそれぞれ形成しても良い。
この方法でも、玉落とし凹部22bによって遊技玉を残念玉として盤面3aに落とすことができる。
【0126】
また、ステージ入場通路15は、センターケース21の右横に限らず、センターケース21の左右両横に備える、あるいはセンターケース21の天頂部に備える等、様々な場所に備えることができる。
これにより、任意の部位から遊技玉100をステージ22に誘導することができる。
【0127】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の入賞口は、実施形態の特別入賞口12に対応し、
以下同様に、
検出手段は、検出部41に対応し、
制御手段は、表示制御部44に対応し、
表示手段は、表示部45に対応し、
記憶手段は、記憶部46に対応し、
画像は、キャラクタ画像及び図柄画像に対応し、
オブジェクト画像は、キャラクタ画像に対応し、
連動表示処理は、ステップp4〜p7に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】遊技機の外観構成を示す正面図。
【図2】センターケースの斜視図。
【図3】センターケースとセンサの斜視図。
【図4】センターケースとセンサの正面図。
【図5】センターケースとセンサの右側面図。
【図6】センターケースとセンサの平面図。
【図7】遊技機の構成を示すブロック図。
【図8】玉位置演算部が実行する玉移動検出処理の処理フロー図。
【図9】レジスタを示す説明図。
【図10】遊技玉の検出の説明図。
【図11】遊技玉の検出の説明図。
【図12】表示制御部が実行する演出処理の処理フロー図。
【図13】キャラクタ画像による動画演出の説明図。
【図14】他の実施例のキャラクタ画像による動画演出の説明図。
【図15】他の実施例のセンターケースの斜視図。
【図16】他の実施例のセンターケースとセンサの斜視図。
【図17】他の実施例のセンターケースとセンサの正面図。
【図18】他の実施例のセンターケースとセンサの右側面図。
【図19】他の実施例のセンターケースとセンサの平面図。
【図20】他の実施例のセンサ部分の側面断面図。
【図21】他の実施例のステージの平面図。
【図22】他の実施例のステージの正面図。
【符号の説明】
【0129】
1…遊技機
12…特別入賞口
22…ステージ
41…検出部
44…表示制御部
45…表示部
46…記憶部
100…遊技玉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技玉の入賞を受け付ける入賞口と、
該入賞口へ遊技玉を誘導する前段部分で遊技玉の転動を許容するステージと、
画像を記憶する記憶手段と、
該記憶手段に記憶した画像を表示する表示手段と
該表示手段に表示する画像の制御を行う制御手段とを備えた遊技機であって、
前記ステージで転動する遊技玉を検出する検出手段を備え、
前記記憶手段に記憶する前記画像としてオブジェクト画像を設定し、
前記制御手段で実行する処理に、
前記検出手段で検出した遊技玉の移動に連動して前記オブジェクト画像を変化させて表示する連動表示処理を設定した
遊技機。
【請求項2】
前記記憶手段に、遊技機の内部状態の種類に対応して異なる種類のオブジェクト画像を記憶し、
前記制御手段で実行する連動表示処理を、前記内部状態に対応したオブジェクト画像を連動表示する処理に設定した
請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記連動表示処理を、
前記ステージにて転動する遊技玉が複数存在する場合に、該複数の遊技玉のうち選択した遊技玉に連動して表示する処理に設定した
請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】
前記ステージを、前記表示手段の近傍に設けた
請求項1、2又は3記載の遊技機。
【請求項5】
前記ステージを、
前記表示手段の手前側で、かつ、ステージにて転動する遊技玉が前記表示手段に表示する画像と重なって見える位置に設けた
請求項1から4のいずれか1つに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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