説明

遊技機

【課題】遊技盤を前面枠に対して着脱自在に装着し、該遊技盤に開閉可能な可動部材を有するとともに該可動部材の開状態への変換により受け入れた遊技球が入賞可能な特別入賞領域と一般入賞領域を有する変動入賞装置を配設した遊技機において、興趣の高い入賞態様を実現する変動入賞装置を備え、遊技の興趣を向上させる。
【解決手段】変動入賞装置(第1変動入賞装置3)を、可動部材25,25を有するとともに遊技盤1の前面に配設される前方構成部材20と、特別入賞領域45aおよび一般入賞領域45bを備えた入賞空間41を形成するとともに遊技盤1の後面に配設される後方構成部材40とから構成する。さらに、後方構成部材40の所定部を透光性を有する部材で構成するとともに表示ユニット170の前方位置に配設して、遊技盤1及び後方構成部材40を透かして表示ユニット170の表示画像を遊技機前方から視認可能に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤を前面枠に対して着脱自在に装着し、該遊技盤に開閉可能な可動部材を有するとともに該可動部材の開状態への変換により受け入れた遊技球が入賞可能な特別入賞領域と一般入賞領域を有する変動入賞装置を配設した遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機は、遊技領域を形成する遊技盤と該遊技盤を取り付ける前面枠(本体枠)とが設けられている。前面枠には遊技盤を着脱自在に装着する遊技盤装着部が形成され、遊技盤を新たなものに交換可能に構成されている。そして、遊技盤を装着部に装着する場合には遊技領域が前面側に臨むように遊技盤が装着されていることとなる。この遊技盤には電気機器(液晶表示装置など)が配設されていて、該電気機器は遊技盤の裏面に取り付けられたり或いは貫通して取り付けられたりすることから遊技盤に取り付けられた状態では電気的機器が後方側に突出するようになっている。近年では、遊技盤に配設される電気機器、特に液晶表示装置の大型化に伴い、遊技盤の後方側の広範囲に電気機器が突出するようになっている。
【0003】
従来の遊技機においては、液晶表示装置などの画像表示装置が遊技盤に取り付けられていることから、遊技盤の交換毎に比較的高価な画像表示装置も同時に交換しなければならず、非常に無駄の多い構成であった。そこで、画像表示装置を前面枠側に配設するようにして遊技盤の交換の際に画像表示装置をそのまま前面枠に残せるようにした遊技機も考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−131329号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技機においては、遊技盤後方の近い距離に画像表示装置が配設されていることから、始動入賞口への遊技球の入賞により画像表示装置で変動表示ゲームを行うような所謂セブン機の性能を有する遊技盤しか装着することができない。遊技機にはその他、遊技盤に役物装置を備えて、遊技球の入賞の振分により遊技を行うような性能のものもあるが、従来の遊技機の場合には、そのような性能を有する遊技盤を装着することができない。
【0005】
本発明の目的は、遊技盤を前面枠に対して着脱自在に装着し、該遊技盤に開閉可能な可動部材を有するとともに該可動部材の開状態への変換により受け入れた遊技球が入賞可能な特別入賞領域と一般入賞領域を有する変動入賞装置を配設した遊技機において、興趣の高い入賞態様を実現する変動入賞装置を備え、遊技の興趣を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、前面側に遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を前面枠に対して着脱自在に装着し、該遊技盤に開状態と閉状態とに変換可能な可動部材を有するとともに該可動部材の開状態への変換により受け入れた遊技球が入賞可能な特別入賞領域と一般入賞領域を有する変動入賞装置を配設した遊技機において、
前記前面枠における前記遊技盤の後方位置であって該遊技盤と所定間隔を設けた状態で画像を表示する表示ユニットを配設するとともに、前記遊技盤を透明合成樹脂で形成することで、該遊技盤を透して該表示ユニットの表示画像を遊技機前方から視認可能に構成し、
前記変動入賞装置は、
前記可動部材を有するとともに前記遊技盤の前面に配設される前方構成部材と、
前記特別入賞領域および一般入賞領域を備えた入賞空間を形成するとともに前記遊技盤の後面に配設される後方構成部材と、
から構成され、
前記後方構成部材の所定部を透光性を有する部材で構成するとともに前記表示ユニットの前方位置に配設して、前記遊技盤及び後方構成部材を透かして前記表示ユニットの表示画像を遊技機前方から視認可能に構成したことを特徴とする。
【0007】
ここで、「後方構成部材の所定部を透光性を有する部材で構成」とは、後方構成部材を構成する部材の全てを透光性にするものと、一部の部材を非透光性にする場合も含む。なお、透光性を有する部材とは、透明合成樹脂や透明ガラスなどである。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、前面枠における遊技盤の後方位置に表示ゲームを表示する表示ユニットを配設するとともに、遊技盤を透明合成樹脂で形成することで、該遊技盤を透して表示ゲームを遊技機前方から視認可能に構成したので、遊技盤を交換する場合でも、表示ユニットは交換する必要がないので、表示ユニットを新たな遊技盤でも使用できるといった効果を奏する。また、遊技機の入れ替え時に遊技機全体を交換する場合でも、表示ユニットは遊技盤と別構成であるので、表示ユニットを簡単に取り外せることから、表示ユニットを再利用する際にも効果的である。また、遊技盤と所定間隔を設けた状態で表示ユニットを配設するようにしたので、遊技盤と表示ユニットの間の空部に変動入賞装置を備えることができ、この空部の間隔を大きくすれば大型の変動入賞装置の配設も可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
【0009】
また、変動入賞装置は、可動部材を有するとともに遊技盤の前面に配設される前方構成部材と、特別入賞領域および一般入賞領域を備えた入賞空間を形成するとともに遊技盤の後面に配設される後方構成部材とから構成されるので、興趣の高い入賞態様を実現することが可能となる。すなわち、前方構成部材により遊技領域を流下する遊技球を入賞させることができるとともに、後方構成部材は遊技盤と表示ユニットの間隙を利用して配設されることから大型化が可能であり興趣の高い入賞態様を実現することが可能となる。また、従来のように変動入賞装置を配設するために遊技盤に大型の開口を形成することも必要がなく、遊技盤の強度低下の防止や加工工程の省略化にもなる。
【0010】
さらに、後方構成部材の所定部を透光性を有する部材で構成するとともに表示ユニットの前方位置に配設して、遊技盤及び後方構成部材を透かして表示ユニットの表示画像を遊技機前方から視認可能に構成したので、遊技者は遊技領域での遊技球の流下態様、変動入賞装置での遊技球の入賞態様、表示ユニットでの表示態様を同時に見ることが可能となり、従来にない極めて斬新な遊技内容を実現でき興趣を高めることが可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機であって、前記後方構成部材は、前記入賞空間内における左右方向に延在して傾斜するとともに前記可動部材から受け入れられた遊技球が左右方向に流下可能な流下部を備え、該流下部を流下した遊技球が前記一般入賞領域あるいは特別入賞領域のいずれかに入賞するように構成したことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、後方構成部材は、入賞空間内における左右方向に延在して傾斜するとともに可動部材から受け入れられた遊技球が左右方向に流下可能な流下部を備え、該流下部を流下した遊技球が一般入賞領域あるいは特別入賞領域に入賞するように構成したので遊技の興趣を高めることができる。すなわち、従来にない斬新な遊技を行うことが可能となり、また、遊技盤の左右幅を大きく使用して遊技球を流下できるように構成することも可能であることから、遊技球の流下態様を長い時間遊技者に見せることができ興趣を高めることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機であって、前記流下部の前後幅を遊技球の直径の2倍以上に設定し、該流下部の下流側に前記一般入賞領域および特別入賞領域を前後に並べて配設したことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、流下部の前後幅を遊技球の直径の2倍以上に設定し、該流下部の下流側に一般入賞領域および特別入賞領域を前後に並べて配設したので遊技の興趣を高めることができる。すなわち、流下部において遊技球の流下方向を前後に変化でき、遊技球の流下態様を多彩にすることが可能となるし、流下部に誘導部材等の流下態様変更部材を設けることも可能であり興趣を高めることができる。また、遊技球の流下方向が前後方向へ変化することが、一般入賞領域および特別入賞領域の何れに入賞するかに影響するので、より興趣を高めることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の遊技機であって、前記遊技盤の前面に遊技球の接触により状態が変化するとともに遊技球の流下方向を変化可能な第1の流下方向変換部材を備え、
前記後方構成部材には、状態の変化により前記流下部を流下する遊技球の流下方向を変化可能な第2の流下方向変換部材を備え、
前記第1の流下方向変換部材と第2の流下方向変換部材を連結して、該第1の流下方向変換部材の状態変換に応じて第2の流下方向変換部材の状態が変換するように構成したことを特徴とする。
【0016】
ここで、「第1の流下方向変換部材」は、風車の他、上部を軸着して回動可能にぶら下がった状態の可動部材などを含み、遊技球が衝突することで自身の状態が変換する(回転や揺動)部材である。
また、「状態の変化により前記流下部を流下する遊技球の流下方向を変化」とは、状態の変化により遊技球との接触部が変化して遊技球との接触状態や誘導状態が変化することである。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、遊技盤の前面に第1の流下方向変換部材を備え、後方構成部材に第2の流下方向変換部材を備え、第1の流下方向変換部材と第2の流下方向変換部材を連結して、該第1の流下方向変換部材の状態変換に応じて第2の流下方向変換部材の状態が変換するように構成したので、遊技の興趣を高めることができる。すなわち、遊技領域を流下する遊技球の状態が変動入賞装置内部の流下状態に影響を与えるといった従来にない斬新な遊技が可能となり、興趣を極めて高めることができる。また、遊技領域の真後ろに入賞空間が配置されるので、両部材の伝達機構を簡単な構成にすることができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4の何れか一項に記載の遊技機であって、前記遊技盤の裏面における左右方向側方部に、前記後方構成部材に向けてレーザ光を照射可能なレーザ照射装置を配設したことを特徴とする。
【0019】
ここで、「遊技盤の裏面における左右方向側方部」とは、レーザ照射装置の位置が遊技盤の裏面側部であるという意味で、レーザ照射装置が遊技盤の裏面に配設されものに限られず、裏機構枠などの遊技盤の裏面側に配設される部材に配設されるものでもよい。
また、「レーザ照射装置」は、例えば、レーザ発振器、反射部材、反射部材の角度を変化させる駆動機構(駆動源)から構成される。なお、レーザ発振器は例えば半導体レーザを使用したものなどなんでもよい。また、所定の色のレーザ光を照射できるものが望ましい。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、遊技盤の裏面における左右方向側方部に、後方構成部材に向けてレーザ光を照射可能なレーザ照射装置を配設したので、遊技盤と表示ユニットの間に配設される後方構成部材を、リード線を設けずに発光させることが可能となり、遊技盤や透光性を有する部材で形成された後方構成部材に対する装飾効果、表示ゲームの演出の効果を高めることが可能となる。また、遊技盤と表示ユニットの間の空間を効率よく利用して、従来にない斬新な装飾や演出が行える。特に、レーザ光を使用するので、光を拡散させずに局所的に光らせることが可能となり、後方の画像表示に対する視認性を低下させることもない。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の遊技機であって、前記遊技盤の裏面上方部であって前記遊技領域の後方位置に、不透明な部材を有する装飾部を設け、
前記前方構成部材の後方に前記変動入賞装置の電気的機能部を、遊技盤の開口部を貫通した状態で該前方構成部材と一体的に備え、
前記電気的機能部が前記装飾部に隣設するように、前記前方構成部材を配設したことを特徴とする。
【0022】
ここで、「電気的機能部」とは、センサ、ソレノイドやモータなどの駆動源、動力を伝達するリンク機構などを備えた装置である。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、遊技盤の裏面上方部であって遊技領域の後方位置に、不透明な部材を有する装飾部を設け、前方構成部材の後方に変動入賞装置の電気的機能部を、遊技盤の開口部を貫通した状態で該前方構成部材と一体的に備え、電気的機能部が演出装置に隣設するように、前方構成部材を配設したので、遊技機の装飾性を向上できる。すなわち、電気的機能部から延びるリード線を装飾部の後方から引き回して処理することが可能となり、遊技機の前方からリード線が見えて見栄えが悪くなることを装飾部を利用して効率よく防止できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、前面枠における遊技盤の後方位置に表示ゲームを表示する表示ユニットを配設するとともに、遊技盤を透明合成樹脂で形成することで、該遊技盤を透して表示ゲームを遊技機前方から視認可能に構成したので、遊技盤を交換する場合でも、表示ユニットは交換する必要がないので、表示ユニットを新たな遊技盤でも使用できるといった効果を奏する。また、遊技機の入れ替え時に遊技機全体を交換する場合でも、表示ユニットは遊技盤と別構成であるので、表示ユニットを簡単に取り外せることから、表示ユニットを再利用する際にも効果的である。また、遊技盤と所定間隔を設けた状態で表示ユニットを配設するようにしたので、遊技盤と表示ユニットの間の空部に変動入賞装置を備えることができ、この空部の間隔を大きくすれば大型の変動入賞装置の配設も可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
【0025】
また、変動入賞装置は、可動部材を有するとともに遊技盤の前面に配設される前方構成部材と、特別入賞領域および一般入賞領域を備えた入賞空間を形成するとともに遊技盤の後面に配設される後方構成部材とから構成されるので、興趣の高い入賞態様を実現することが可能となる。すなわち、前方構成部材により遊技領域を流下する遊技球を入賞させることができるとともに、後方構成部材は遊技盤と表示ユニットの間隙を利用して配設されることから大型化が可能であり興趣の高い入賞態様を実現することが可能となる。また、従来のように変動入賞装置を配設するために遊技盤に大型の開口を形成することも必要がなく、遊技盤の強度低下の防止や加工工程の省略化にもなる。
【0026】
さらに、後方構成部材の所定部を透光性を有する部材で構成するとともに表示ユニットの前方位置に配設して、遊技盤及び後方構成部材を透かして表示ユニットの表示画像を遊技機前方から視認可能に構成したので、遊技者は遊技領域での遊技球の流下態様、変動入賞装置での遊技球の入賞態様、表示ユニットでの表示態様を同時に見ることが可能となり、従来にない極めて斬新な遊技内容を実現でき興趣を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について図1から図18を用いて説明を行う。
【0028】
図1から3に示すように、本実施形態の遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、機枠110の前面側には、該機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸着されている。なお、矩形枠状の機枠110は、裏面側から見て左側の一辺が金属製とされ、その他の辺は木製となっている。これによって、裏面側から見て左側の一辺においては、強度を保ったまま厚みを薄くでき、後述するように大型の表示ユニット170を備える裏機構枠160の配設を可能としている。
【0029】
前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、前面枠本体130の裏面側に回動可能に軸支され、表示ユニット170を備える裏機構枠160とを有する。
【0030】
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に後述する遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部131が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部131から前側に臨むようになっている。すなわち遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
【0031】
また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部131、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、図1に示すように、前面枠本体130の前側を覆うようにクリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面とクリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板141との間で、遊技盤1の前面に設けられた遊技領域区画壁9に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する遊技領域1aとされている。
【0032】
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の遊技領域1aの前側を開放可能となっている。クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部131をほぼ閉塞するように、該開口部131に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板141が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板141を介して遊技盤1の前面側の少なくとも遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板141が固定されて遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、枠装飾装置57としてのランプやLED、音声を出力するスピーカ58,58などが設けられている。
【0033】
また、前面枠本体130に軸着されたクリア部材保持枠140の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。この鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部であるとともに、クリア部材保持枠140の施錠装置の一部でもあって、鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば右回り)に回すとクリア部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
【0034】
また、前面枠本体130の前面側のクリア部材保持枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部を前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル151とその下の下部パネル152とからなる。開閉パネル151は、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置70(図7に図示)に遊技球を送る上皿153を有している。この上皿153の周囲には、遊技者が操作可能な演出用ボタン59(図7に図示)が設けられている。また、開閉パネル151の下側の下部パネル152には、上皿153に収容しきれない遊技球を収容する下皿154及び灰皿155と、遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うとともに、該遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル156、音声を出力するスピーカ58などが設けられている。
【0035】
また、図2に示すように、前面枠本体130の裏面側であって、遊技盤1が嵌め込まれた開口部131の上端部から中央より少し下側にわたる部分には、前面枠本体130の裏面側を覆うように裏機構枠160が配置されている。裏機構枠160の前面の左端部は、前面枠本体130の裏面であって遊技機100の裏面側から見て右側の側部に回動可能に軸支されて扉状に開閉自在とされ、裏機構枠160を開くことにより、遊技盤1の裏面側の上部を開放可能となっている。なお、裏機構枠160と前面枠本体130の連結部分は着脱自在であって、前面枠本体130、裏機構枠160はそれぞれユニット単位で交換やメンテナンスが可能となっている。
【0036】
また、図3に示すように、前面枠本体130の裏面側であって遊技盤1が嵌め込まれた開口部131の下方には、排出装置190による賞球の排出、発射装置70による遊技球の発射を制御する排出発射制御装置34、遊技機100内の各装置に電力を供給する電源回路としての電源供給装置37が取り付けられている。
その他、前面枠本体130には、各部材の取付位置に各部材を取り付けるための構造が設けられており、例えば、取り付けられた部材を囲むように補強用のリブが形成されていたり、ビス等による部材の取り付けのためのボス等が形成されている。
【0037】
図2,3に示すように、裏機構枠160は、裏機構枠本体161と、画像を表示する画像表示装置としての表示ユニット170を案内するためのガイド部162とを有し、表示ユニット170の他、表示ユニット170を制御する第1演出制御装置33、賞球などを排出する排出装置190と排出装置190に遊技球を供給する貯留タンク192が設けられている。
【0038】
上述したように、裏機構枠160の前から見て左側の端部は、前面枠本体130の裏面であって遊技機100の裏面側から見て右側の側部に回動可能に軸支されており、前面枠本体130に形成されて遊技盤1が嵌め込まれる開口部131を裏面側から覆って遊技盤1の裏面に臨む状態から、後方に扉状に回動して遊技盤1の裏面側を開放する状態との間で回動可能となっている。すなわち、裏機構枠160に表示ユニット170が配設されることで、表示ユニット170は該裏機構枠160を介して前面枠120側に配設された状態で遊技盤1の後方位置に配設されることとなる。そして、裏機構枠本体161において遊技盤1と平行に配され、遊技盤1の裏面側を覆うように配される部分が後面部161aとなる。
【0039】
裏機構枠本体161は所定の厚みを有し、この裏機構枠本体161の前後面に種々の機構体が取り付けられている。裏機構枠本体161の前面には、表示ユニット170を前側に付勢する表示ユニット付勢手段をなす付勢部材としての圧縮コイルばね(図示略)を収納する後側が閉鎖された筒状の付勢部材収納部181,181(裏面側のみを図示)や、裏機構枠本体161を補強するための補強リブが形成されている。また、裏機構枠本体161の後面部161aの背面には、第1演出制御装置配設部165や接続用凹部183、流路形成凹部184、排出装置配設凹部185などの前方に窪んで後方に開口した凹部が形成されており、裏機構枠本体161の前面の一部はこれら凹部の裏面によって形成されている。また、裏機構枠本体161の前面の周囲には、上下の一部を除いて前側に延出する周囲壁187が形成されており、裏機構枠本体161の前面側は全体が凹部となっている。
【0040】
また、図2に示すように、この裏機構枠本体161の前側には、それぞれコ字状のガイド部162,162が左右の側面を前側に延長するように取り付けられている。そして、後面部161aおよび周囲壁187、ガイド部162,162によって、所定の奥行きを有するとともに前面側(遊技盤1の裏面に臨む側)に開口した略矩形凹室形状の空間(少なくとも背面と左右側面とを囲まれた空間)が形成され、この空間が表示ユニット170を収納する表示ユニット収納部168となる。すなわち、ガイド部162,162は裏機構枠本体161における後面部161aの左右端部の各々に設けられ、周囲壁187とともに表示ユニット収納部168の側面部をなす。
【0041】
このように形成される表示ユニット収納部168には、画像表示面171が前側(開口した側)となるように表示ユニット170が配設されており、裏機構枠160を遊技盤1の裏面に臨むように配することで、遊技盤1の裏面側に表示ユニット170の画像表示面171が臨むようになっている。
【0042】
表示ユニット170は、前面側が開口した矩形箱状(額縁状)に形成された金属製の表示ユニットケース174と、この矩形箱状の表示ユニットケース174に収容された液晶表示パネル175(液晶表示器、バックライトを含む)とを有する。そして、表示ユニットケース174の前面側から液晶表示パネル175の画像表示面171を有する前面が露出している。
【0043】
表示ユニットケース174の上下の側部であって、左端部及び右端部の合わせて4ヶ所からは、側部に対して垂直に外側に突出する被案内部(図示略)が設けられている。この被案内部は、摩擦係数が低い材質(例えば、ポリアセタール、金属)からなる被案内部材を、表示ユニットケース174の上下部(上下面の左右両端)に固定することで形成されている。また、表示ユニット170の下面に設けられた被案内部は、その下部に滑動体として左右方向に沿った回転軸を有するローラを備えている。そして、表示ユニット収納部168には、この被案内部と対応する位置に前後に延在する溝状の案内部(図示略)が形成されており、表示ユニット170が表示ユニット収納部168内において前後動自在に配されることとなる。また、案内部に対して摩擦係数が低い材質からなる被案内部もしくは回転可能なローラが当接することとなり、被案内部と案内部との間の摩擦抵抗が軽減され、表示ユニット170を円滑に前後方向に移動することができるようになっている。
【0044】
表示ユニットケース174の裏面には、表示ユニットケース174に収納される液晶表示パネル175と、裏機構枠160の裏面側に配される演出制御装置33とを接続する配線を通すための、前後に貫通した図示しない配線用開口が形成されている。この配線用開口は、液晶表示パネル175の裏面側に設けられたコネクタ部の位置に対応して形成されており、液晶表示パネル175を表示ユニットケース174に収納すると、この配線用開口からコネクタ部が露出するようになっている。なお、この配線用開口が形成された位置は、表示ユニット170を表示ユニット収納部168に収納した際に、後面部161aに形成された第1演出制御装置配設部165に対応する位置となっており、第1演出制御装置配設部165にもこれに対応して配線を挿通する配線用開口が形成されている。
【0045】
液晶表示パネル175は、矩形板状であって表示ユニットケース174にちょうど収まる大きさとなっている。この液晶表示パネル175は、液晶表示器55とバックライト56などから構成され、液晶表示器55の画像表示面171が、前側に臨むように配されている。
【0046】
液晶表示器55の画像表示面171の面積は、前面枠本体130に形成された開口部131に嵌め込まれた遊技盤1の大部分を裏面側から覆うことができる面積となっており、後述する遊技盤裏面構成部材80に形成された、遊技盤本体1bを透して後方を視認可能な視認開口87よりも広いものである。すなわち、画像表示面171の面積が、少なくとも遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87よりも広く、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87の大きさが変化してもそれに対応できるようになっている。このように、液晶表示器55の画像表示面171が遊技盤1の裏面側を幅広く覆うようにすることで、遊技盤1を交換して遊技機100の遊技内容を変更する場合に、多種の遊技盤1に対応できるようになっている。
【0047】
また、液晶表示器55は、画像表示面171の面積が遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87よりも広いので、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87から露出する領域に所定の画像が表示されるように第1演出制御装置33によって制御されている。この画像表示領域を決定する遊技盤1の遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87の大きさや位置に関する初期情報や、変動表示ゲームの画像に関する情報は第2演出制御装置31の演出データ基板32に記憶されているが、第2演出制御装置31は遊技盤1に取り付けられており、遊技盤1と一緒に第2演出制御装置31も交換される。よって、遊技盤1の交換に伴い、例えば、これまでの遊技盤に対応した画像表示領域から、新たな遊技盤1に対応した画像表示領域に変更できるようになっている。
【0048】
また、表示ユニット収納部168の上下幅および左右幅は、表示ユニット170の上下幅および左右幅よりも大きくなっており、表示ユニット170の周囲に空間があいた状態とされる。これによって、表示ユニット170の前後方向への移動が容易になるとともに、表示ユニット170が表示ユニット収納部168内で僅かに傾斜した状態(遊技盤1の左右方向と非平行状態)になることも可能となる。なお、溝状の凹部となった案内部内に被案内部が収納された状態となっているので、表示ユニット170が非平行状態になっても被案内部が案内部から脱落することがない。
【0049】
また、表示ユニット170は、圧縮コイルばねからなる表示ユニット付勢手段により前方側に向かって付勢された状態となっており、裏機構枠160を開放した状態あるいは、遊技盤1を前面枠120から取り外した状態では、前後の移動範囲の最も前側の位置に配される。
【0050】
なお、遊技盤1が装着されて裏機構枠160を閉じた状態においては、後述する遊技盤裏面構成部材80の裏面に設けられて後方に突出する押圧部83,83,…が、表示ユニット170の前後方向の移動範囲における最も前側の位置より後方に位置するようになっている。よって、押圧部83の後端部にある押圧部材83bが表示ユニット170の前面に密着し、表示ユニット170は遊技盤裏面構成部材80の裏面から押圧部83,83,…の突出幅の分だけ後方側へ隔離した位置に配されるようになっている。以上のような構成によって、液晶表示器55を備えた表示ユニット170は、裏機構枠160に前後移動可能に保持されることとなる。
【0051】
図3に示すように、裏機構枠160の後面部161aの背面(裏面)には、前方に窪んで後方に開口した略矩形状の凹部である第1演出制御装置配設部165が形成され、ここに第1演出制御装置33が配設されている。この第1演出制御装置33はCPU33bなどを備えた演出制御基板を有し、画像表示装置をなす表示ユニット170における液晶表示器55の表示を制御する表示制御装置をなすものである。
【0052】
また、図2に示すように、第1演出制御装置33の上下幅は、第1演出制御装置配設部165の上下幅よりも広く、第1演出制御装置配設部165に第1演出制御装置33を収容すると、第1演出制御装置33の下部が第1演出制御装置配設部165の下方に形成された開口部163に延出するようになっている。そして、第1演出制御装置33の前面側であって開口部163に延出する部分からはコネクタ部33aが外側に露出している。
【0053】
後述するように、遊技盤1の裏面には第2演出制御装置31が取り付けられており、この第2演出制御装置31のコネクタ部(図示略)と第1演出制御装置33のコネクタ部33aが、互いに対向するように配され、第2演出制御装置31と第1演出制御装置33が直接接続できるようになっている。
【0054】
また、図3に示すように、後面部161aの背面であって、裏機構枠160の裏面側から見て、第1演出制御装置配設部165の右側には、第1演出制御装置33と他の装置等を接続する配線を収納する接続用凹部183が形成されている。この接続用凹部183の上半部はカバー部材166によって覆われ、下半部は遊技制御装置30によって覆われるようになっている。このように配線を接続用凹部183内に収納し、接続用凹部183の開口部分をカバー部材166および遊技制御装置30で覆って閉鎖することにより、配線が露出してばらけてしまうことを防止することができる。
【0055】
裏機構枠本体161の上面には、遊技機100が設置される図示しない島設備に設けられた供給装置から供給される遊技球を一時貯留し、排出装置190に供給する貯留タンク192が取り付けられるようになっている。
【0056】
貯留タンク192の底面は、裏機構枠本体161の後方に向かって下るとともに、裏機構枠本体161の裏面側から見て左方向に下る傾斜を有しており、この傾斜下流側に位置する貯留タンク192の底面には、貯留タンク192内の遊技球を外部に排出する排出口(図示略)が形成されている。
【0057】
貯留タンク192の排出口は後面部161aの背面に位置しており、後面部161aの背面に形成された流路形成凹部184には、この排出口に連通した導出流路を形成する導出流路形成部材195,196が取り付けられている。この導出流路は、排出口から排出された遊技球を裏機構枠160の右端部へ誘導するとともに、裏機構枠160の右端部においてさらに下方へ誘導するように形成されており、その下流側端部は裏機構枠160の裏面に設けられた排出装置190に接続している。
【0058】
排出装置190は、裏機構枠本体161の裏面側から見た右端部における上下方向の略中央に形成された排出装置配設凹部185に取り付けられている。この排出装置190は、上部に導出流路に接続する遊技球を受け入れる流入口を、下部に下部流路に接続する遊技球を排出する排出口を備えており、排出発射制御装置34が遊技制御装置30の制御の下で排出装置190を作動させることで、所定数の遊技球を下部流路に排出するようになっている。
【0059】
排出装置190の排出口に接続した下部流路は、裏機構枠160の裏面側から見た右端に沿って取り付けられた下部流路形成部材197によって形成されており、排出装置190から排出された遊技球を下方に誘導するようになっている。この下部流路の下流側端部は、発射操作ユニット150の前面に形成された上皿153に連通しており、排出装置190から排出された所定数の遊技球が上皿153排出されるようになっている。なお、貯留タンク192の排出口から排出装置190に至る導出流路内には、常に遊技球が待機している状態となっており、排出装置190によって導出流路内の遊技球が排出されることに伴って貯留タンク192から流路に遊技球が流入するようになっている。
【0060】
図4,5に示すように、前面枠本体130の開口部131に嵌め込まれる遊技盤1は、遊技盤本体1bと、遊技盤本体1bの裏面側に配される遊技盤裏面構成部材80とを備える。遊技盤本体1bは透明な合成樹脂(例えば、ポリカーボネートやアクリル)からなり、前面には、遊技領域区画壁9で囲まれた遊技領域1aを有し、この遊技領域1a内に発射装置(図示略)から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
【0061】
遊技盤本体1bの前面側には、遊技領域1aを区画する遊技領域区画壁9を備える遊技領域区画部材8,8,…が取り付けられている。この遊技領域区画部材8,8,…は所定の厚みを有し、遊技盤本体1bの前面の四隅に配されて遊技領域1aを区画するものであって、遊技盤1の中心側に配される側面が遊技領域1aを区画する遊技領域区画壁9をなしている。また、遊技領域区画部材8,8,…は不透明な材質からなり、遊技領域1a以外から遊技機100の内部が見えないようになっている。
【0062】
さらに、遊技盤本体1bの四隅に配された遊技領域区画部材8,8,…には、遊技盤1を前面枠本体130に形成された開口部131に対して着脱可能とする係合凹部8b、固定凹部8cが形成されている。前面側から見て左側の上下にある遊技領域区画部材8,8には、前面枠本体130に設けられた係合部材132,132が係合可能な係合凹部8bが形成され、遊技盤1の前面側から見て右側の上下にある遊技領域区画部材8,8には、前面枠本体130に設けられた固定部が係合可能な固定凹部8cが形成されている。そして、前面枠本体130に形成された開口部131に対して、前面側から係合凹部8b,8bを係合部材132,132に係合させ、この係合部分を軸として他端部を後方に回動させて開口部131に収容し、固定凹部8c,8cに固定部133,133を係合させることで遊技盤1が前面枠本体130に固定されるようになっている。
【0063】
図4に示すように、遊技盤1を構成する遊技盤本体1bの前面側に形成された遊技領域1a内には、第1変動入賞装置3の前方構成部材20および第2変動入賞装置4が設けられている。さらに、入賞口形成部材14,14に設けられた始動入賞口10,10、一般入賞口2,2、特別図柄表示器71、始動記憶表示器72と、風車と呼ばれる第1の流下方向変換部材11,11、多数の障害釘(図示略)、鎧部材7、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口5、遊技盤装飾装置54をなすランプ・LEDなどが設けられている。また、遊技盤本体1bの裏面側には、第1変動入賞装置3の後方構成部材40、演出装置15が設けられている。
【0064】
入賞口形成部材14,14は、遊技領域1aの下部に位置する遊技領域区画壁9に沿って、第2変動入賞装置4を挟んで左右に配されており、前面側には始動入賞口10,10、一般入賞口2,2、特別図柄表示器71、始動記憶表示器72が設けられている。
【0065】
各始動入賞口10の内部には遊技球の流入を検出する始動口センサ50(図7に図示)が設けられており、この始動口センサ50で遊技球が検出されることに基づき特図変動表示ゲームの始動条件が成立するようになっている。この特図変動表示ゲームは、入賞口形成部材14に設けられた特別図柄表示器71にて表示されるようになっている。また、入賞口形成部材14には、未処理となっている特図変動表示ゲームの回数をLEDの点滅で表示する始動記憶表示器72が設けられている。
【0066】
また、入賞口形成部材14には、一般入賞口2,2が設けられており、各一般入賞口2には流入した遊技球を検出するための一般入賞口センサ52(図7に図示)が配設されている。さらに、入賞口形成部材14,14は、遊技に関連した装飾が施されて一部が光を透過可能に構成されているとともにLEDなどを備えており、遊技盤1の装飾を行う遊技盤装飾装置54の一部をなしている。
【0067】
また、特図変動表示ゲームは、入賞口形成部材14に設けられた特別図柄表示器71で実行されるが、ここで実行される特図変動表示ゲームに対応する表示ゲームが表示ユニット170の画像表示面171に表示されるようになっている。この特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームの表示領域は、遊技盤本体1bの裏面側に配された後述する表示領域区画壁64,92、演出装置15によって区画された領域であって、透明な材質からなる遊技盤本体1b、後述する後方構成部材40を通して、その裏面側に配された表示ユニット170の画像表示面171を視認可能な領域となっている。なお、遊技機100に特別図柄表示器71を備えずに、表示ユニット170のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
【0068】
第2変動入賞装置4は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉4aによって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中(大当たり中)は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせる。なお、開閉扉4aは駆動手段としてのソレノイドにより駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するための大入賞口センサ(図示略)が配設されている。
【0069】
第1変動入賞装置3の前方構成部材20は、遊技領域1aの左右方向の中央における上部に設けられている。この前方構成部材20は、前面側に左右一対の可動部材25,25を備えている。この可動部材25,25は、所定条件の成立に基づき開閉するようになっており、これにより第1変動入賞装置3への入賞確率が変化するようになっている。なお、第1変動入賞装置3の詳細な構成については後述する。
【0070】
また、第1変動入賞装置3の前方構成部材20の下方には、遊技領域1aとなる遊技盤本体1bの前面に突出するように、鎧部材7が取り付けられている。この鎧部材7は透光性を有する材質からなる部材で上方に突出するような円弧状をしており、その上面が中央から左右に下るような傾斜面とされている。このように上面が円弧状となっていることで、遊技領域1aの上方に発射され、流下する遊技球を傾斜に沿って左右に振り分けることができるようになっている。これによって、遊技領域1aの中央部分における画像表示面171や、第1変動入賞装置3の後方構成部材40の視認性が保たれるようになっている。
【0071】
図5に示すように、遊技盤1を構成する遊技盤本体1bの裏面側には、遊技盤裏面構成部材80が取り付けられている。この遊技盤裏面構成部材80は、上部カバー部材81、下部カバー部材82、側部カバー部材84とから遊技盤本体1bの周囲に沿う矩形状に形成され、不透明又は半透明とされた合成樹脂(例えば、ポリカーボネートやABS)からなる。この遊技盤裏面構成部材80の略中央部には、遊技盤本体1bに形成された遊技領域1aの大部分と重なるように略矩形状の視認開口87が形成されている。
【0072】
上部カバー部材81は、遊技盤本体1bの裏面における上側部分を覆う板状の部材で、左右及び上側の周縁が遊技盤本体1bの上側部分における外周に沿うような形状をしている。また、下側の周縁は、遊技盤本体1bの前面側に形成された遊技領域1aの周縁をなす遊技領域区画壁9に略沿うように湾曲した形状とされている。この上部カバー部材81の裏面側には遊技盤装飾装置54の一部をなす演出装置15が取り付けられている。すなわち、上部カバー部材81は演出装置15の取り付けベースをなす。
【0073】
演出装置15はその大部分が、上部カバー部材81の下側の周縁よりも下側に配されるようになっていて、その前面は遊技盤1の前面側から遊技盤本体1bを透して視認可能となっている。この演出装置15の前面には、不透明なベース板の前面に機種名や装飾図柄などをかたどった装飾体を備えた装飾部15aが設けられている。
【0074】
この演出装置15は、内部に演出部材と、この演出部材を駆動する駆動装置が設けられており、遊技の進行に合わせて演出部材を視認開口87に現出させることで、遊技の演出を行うものである。すなわち演出部材は、通常時は演出装置15の内部に収納された状態となっていて、遊技者からは見えないように装飾部15aにより隠蔽されており、この状態から駆動装置により遊技領域1aの中央方向へ駆動されて視認開口87に現出し、遊技者から視認可能となることで演出を行うようになっている。また、この演出装置15は遊技盤装飾装置54の一部をなすものであって、第1演出制御装置33が第2演出制御装置31を介して制御するようになっている。また、演出装置15は所定の前後幅を有し、遊技盤1と表示ユニット170の間の上部の隙間から遊技機100の内部が見えないようにする機能も有する。
【0075】
下部カバー部材82は、遊技盤本体1bの裏面における下側部分を覆う板状の部材で、左右及び下側の周縁が遊技盤本体1bの下側部分における外周に沿うような形状をしている。また、上側の周縁は遊技領域1aに設けられた入賞口形成部材14,14、第2変動入賞装置4の後部を覆うことができるように、これらの配設部位における上縁部に沿う形状とされている。この下部カバー部材82の裏面側には、これらの後部を覆う下部覆い部材60が取り付けられるようになっている。すなわち、下部カバー部材82は下部覆い部材60の取り付けベースをなす。
【0076】
下部覆い部材60はその前面側に、始動入賞口10,10、一般入賞口2,2、第2変動入賞装置4、アウト口5に流入した遊技球を流下させる入賞球流路を備える。また、後述するように第1変動入賞装置3に流入した遊技球もこの下部覆い部材60に形成された入賞球流路に流入するようになっている。この入賞球流路は、遊技機100の外部(島設備の回収樋)に連通する図示しない流路に接続するようになっている。また、この下部覆い部材60の裏面側から見て左側の端部は、上下方向に沿って延在する回動軸を備える連結部62が形成されており、第2演出制御装置31が左右方向に扉状に回動可能に軸支されるようになっている。
【0077】
また、下部覆い部材60は透明な材質からなり、一部がレンズのように加工されていて、裏面側に配されたLED基板(図示略)に備えられたLEDからの光を入賞口形成部材14,14などに向けて誘導する機能も有する。さらに、下部覆い部材60の上部には着色されて半透明とされた板状の表示領域区画壁64が形成されており、表示領域を区画するとともに、遊技機100の内部が見えないようにしている。なお、表示領域区画壁64の形状は、下部覆い部材60の前面に配された部材に対応した形状(一部が曲面)とされている。また、表示領域区画壁64の下側には、LED基板63が表示領域区画壁64と平行になるように水平に配設されている。そして、このLED基板63の上面に配されたLEDにより表示領域区画壁64を下側から照らすことで、その光が半透明の表示領域区画壁64を介して遊技領域を装飾するようになっている。また、下部覆い部材60の裏面側には第2演出制御装置31が取り付けられ、該第2演出制御装置31の裏面側には遊技制御装置30が取り付けられている。
【0078】
第2演出制御装置31は、画像データなどを記憶したROMを備える演出データ基板32と、遊技盤装飾装置54を駆動するための盤装飾ドライバ35aを備えたドライバ基板35を備え、遊技制御装置30の制御の下で演出の制御を行うものである。この第2演出制御装置31の裏面側には、第1演出制御装置33のコネクタ部33aと直接接続するためのコネクタ部(図示略)が露出している。また、第2演出制御装置31の裏面側には、左右方向に沿って延在する回動軸を備える一対の支持部31a,31aが形成されており、遊技制御装置30を上下方向に扉状に回動可能に軸支するようになっている。また、遊技を制御する遊技制御装置30を軸支する支持部31a,31aの近傍には、遊技制御装置30が第1演出制御装置33の裏面に沿って配された状態、すなわち遊技制御装置30が起立した状態を保持する保持部材(図示略)が設けられている。すなわち、第2演出制御装置31の裏面は遊技制御装置30を取り付けるための台座をなす。
【0079】
すなわち、機種に依存する演出データ基板32を備えた第2演出制御装置31、遊技制御装置30は遊技盤1に取り付けられ、複数の機種で共通使用可能な第1演出制御装置33、排出発射制御装置34、電源供給装置37は前面枠本体130もしくは裏機構枠160に取り付けられている。よって、遊技盤1を変更することにより機種に依存する装置(基板)のみが交換され、遊技機100の遊技内容を変更することが可能である。
【0080】
側部カバー部材84は、遊技盤本体1bの左右それぞれの側端に沿って取り付けられており、上端部が上部カバー部材81の下端に接して連続するように配されるとともに、下端部が下部カバー部材82の上端部に接して連続するように配される。なお、図4に示すように、側部カバー部材84の一部は、遊技領域区画壁9よりも遊技盤1の中央側の位置にあって、この部分において透明な材質からなる遊技盤本体1bを透して、遊技盤1の前面側から側部カバー部材84の前面が視認可能となる。ただし、側部カバー部材84は不透明な材質からなり、側部カバー部材84を透して遊技機100の内部が見えないようになっている。
【0081】
そして、側部カバー部材84の遊技盤1の中央側に位置する端部に沿って、側部カバー部材84と一体に表示領域区画壁92を備える側壁部材90が取り付けられている。この側壁部材90は、表示領域を区画する表示領域区画壁92を備え、該表示領域区画壁92が遊技盤本体1bに対して上下方向に延在するとともに後方へ延出するような向きで配される。なお、左右の表示領域区画壁92は遊技盤本体1bに対して略垂直に配されるが、より詳細には、後方へ向かって間隔が狭くなるように若干斜めに配されるようになっている。
【0082】
この表示領域区画壁92は、表示領域区画壁92を通して遊技機100の内部が透けて見えない程度の半透明とされており、表示領域区画壁92の外側を前方から隠蔽するように構成されている。また、表示領域区画壁92の遊技盤本体1bの側端側に配される面には波状の凹凸が形成されており、さらに、表示領域区画壁92の遊技盤本体1bの中央側に配される面には、不透明な装飾用のシールが貼付されるようになっており、表示領域区画壁92を透して遊技機100の内部が見えないようになっている。すなわち、表示領域区画壁92は、遊技盤1と表示ユニット170の間隙を閉鎖してその外側を隠す間隙閉鎖壁としての機能を有する。
【0083】
以上のような構成を有する演出装置15、表示領域区画壁92,64によって、遊技盤本体1bの裏面側に前後方向に沿った筒状の空間が形成される。この表示領域区画壁92,64および演出装置15は、遊技盤1の後方に配される後述する表示ユニット170の画像表示面171に近接するように配され(当接はしない)、特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームなどの表示領域を区画するようになっている。すなわち、表示ユニット170の画像表示面171のうち、表示領域区画壁92,64および演出装置15で囲まれた領域が遊技盤1の前面側から視認可能な表示領域(視認領域)となる。これによって、遊技領域1aの大部分に表示ユニット170の画像が表示されることとなる。また後述するように、この遊技盤本体1bの裏面側における表示領域区画壁92,64および演出装置15で囲まれた領域内に、第1変動入賞装置3の後方構成部材40が配されるようになっている。
【0084】
なお、画像表示面171の面積は、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87よりも広いので、視認開口87から露出する領域に所定の画像が表示されるように第1演出制御装置33によって制御されている。また、上述したように、表示領域区画壁92,64と演出装置15は、遊技機100の内部が見えないようにする機能も有しており、これらで囲まれた視認開口87の外周部分となる領域は遊技盤1の前面側からは見えないようになっている。
【0085】
また、上部カバー部材81、下部カバー部材82の裏面には、遊技盤本体1bの左右端部に沿って配される周縁の近傍に後方へ突出する押圧部83,83,…が形成されている。この押圧部83,83,…は、遊技盤1の裏面側に配される表示ユニット170の前面(表示ユニット170の外枠をなす表示ユニットケース174の前面)に、その後端部が当接するようになっている。表示ユニット170は、表示ユニット付勢手段(圧縮コイルばね)によって前側に付勢されているので、押圧部83,83,…と表示ユニット170は密着した状態で保持されるようになっている。
【0086】
また、押圧部83,83,…は、所定の前後幅を有しており、押圧部83,83,…が表示ユニット170の前面に当接することで、遊技盤1と表示ユニット170は所定の間隔をおいて平行に配され、両者の間に空間部が形成されるようになっている。なお、押圧部83,83,…の前後幅は、上述した表示領域区画壁92の前後幅よりも若干広くされており、押圧部83,83,…が表示ユニット170の前面に当接することで、表示領域区画壁92が画像表示面171に近接した位置に配されるようになっている。
【0087】
このように、遊技盤1に対して表示ユニット170が所定の間隔をおいて遊技機100の奥側に配されるので、表示ユニット170と遊技者との距離を確保でき、奥行き感を出すことができるとともに、大型の表示ユニット170を用いた場合でも、遊技者にとって見やすい構成とすることができる。また、遊技盤側から入り込む外光によって画像表示面171における表示が見にくくなることを防止できる。
【0088】
また、押圧部83,83,…は上部カバー部材81の裏面、下部カバー部材82の裏面に形成された基部83aと、基部83aの後端部にねじによって取り付けられた摩擦係数が低い材質(例えば、ポリアセタール、金属)からなる押圧部材83bとを有している。さらに、上部カバー部材81、下部カバー部材82の裏面側から見て右側に位置する押圧部83,83の基部83aには、押圧部材83bに加え、上下方向に沿った軸を中心に回動可能なローラ83cが、外側に位置する角部に取り付けられている。
【0089】
表示ユニット170の前面に当接する押圧部83,83,…がこのような構成を有することで、押圧部83,83,…が表示ユニット170の前面に当接し、押圧した状態で、容易に適切な位置に移動することができるようになっている。
【0090】
ここで、遊技盤1に設けられた第1変動入賞装置3の詳細な構成について説明する。この第1変動入賞装置3は、可動部材25,25を有するとともに遊技盤1の前面に配設される前方構成部材20と、特別入賞領域45aおよび一般入賞領域45bを備えた入賞空間41を形成するとともに遊技盤1の後面に配設される後方構成部材40とからなる。
【0091】
前方構成部材20は、遊技盤本体1bに形成された開口部に前側から挿入することで取り付けられるようになっていて、図4,5に示すように、遊技領域1aの前面側に突出するように配される前方部21、遊技盤本体1bに形成された開口部に挿入され、遊技盤本体1bの後方に突出する後方部22、前方構成部材20を遊技盤本体1bに固定するための取付ベース23とを有する。
【0092】
取付ベース23は矩形板状の不透明な材質からなる部材で、その前面側に前方部21が形成され、裏面側に後方部22が形成されている。この取付ベース23は、後方部22を、遊技盤本体1bに形成された開口部に前側から挿入した際に、遊技盤本体1bの前面に当接して後方への移動を規制するようになっている。そして、この取付ベース23が適当な固定手段(ねじ止めや接着、係合部材による係合など)により遊技盤本体1bに固定されることで、前方構成部材20が遊技盤本体1bに固定されるようになっている。なお、この取付ベース23は遊技領域1aの前面側に配されることから遊技盤1の装飾に合わせた装飾がなされており、遊技領域1aにおける装飾部材としての機能も有している。
【0093】
前方部21には、遊技領域1aを流下する遊技球を受け入れる流入口24が形成されており、前方構成部材20は、この流入口24が上側に開口するように遊技盤本体1bに取り付けられている。また、取付ベース23には、この流入口24に流入した遊技球を後方へ流下案内する流路(図示略)が、前後に貫通するように形成されている。さらに、前方部21は、遊技領域1aの前面側に配されることから、遊技盤1の装飾に合わせた装飾がなされており、遊技領域1aにおける装飾部材としての機能も有している。
【0094】
上述したように、この前方部21には流入口24への遊技球の流入を規制する左右一対の可動部材25,25が備えられている。この可動部材25,25は、常時は遊技球が1個流入可能な程度の間隔で閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持するようになっている。この可動部材25,25の上部には障害部材26が設けられており、可動部材25,25の間に遊技球が1個流入可能な間隔があっても遊技球が流入できないようにされている。そして、可動部材25,25は、特図変動表示ゲームの結果が特定結果態様(例えば、「2」)となった場合(小当たりの場合)には、その先端部が互いに離れるように、逆「ハ」の字状に回動して遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化するようになっている。
【0095】
取付ベース23の裏面側に形成された後方部22は、遊技盤本体1bに形成された開口部にちょうど嵌るような断面形状をしており、前方構成部材20を所定位置に配した際に、遊技盤本体1bの後方に突出するように配される。なお、この後方部22の後端面は、押圧部83,83,…の後端部よりも前側に位置し、遊技盤1の後方に配される表示ユニット170に接触しないようにされている。また、後方部22は、前方構成部材20の前面側から見て不透明な材質からなる取付ベース23に隠れ、遊技者から見えないように形成されており、遊技機100の装飾性を損なわないようにされている。
【0096】
この後方部22の内部には、前方部21から連続する流路(図示略)が形成されており、後方部22の下端部にこの流路の流出口が形成されている。すなわち、前方構成部材20は、前方部21に形成された流入口24から遊技領域1aを流下する遊技球を受入可能であるとともに、前方部21から後方部22にかけて形成された流路によって、受け入れた遊技球を遊技盤1の裏面側に誘導するようになっている。なお、前方部21から後方部22にかけて連続する流路の底面は、後方に向かって下るような傾斜面とされており、前方部21の流入口24から流入した遊技球が円滑に後方へ流下するようになっている。
【0097】
また、後方部22に形成された流路には、流下する遊技球を検出可能なカウントセンサ51(図7に図示)が設けられており、このカウントセンサ51からの検出信号に基づき、第1変動入賞装置3に流入した遊技球の数を計数するようになっている。また、後方部22には、前方部21に設けられた可動部材25,25を駆動するための駆動源(例えば、ソレノイド)やリンク部材が設けられている。すなわち、後方部は第1変動入賞装置の電気的機能部をなす。
【0098】
なお、取付ベース23は演出装置15の装飾部15aの下端に上端が重なるように配されるようになっており、電気的機能部をなす後方部22の上端も演出装置15の下端に隣設して配されるようになっている。したがって、後方部22に設けられた駆動源やセンサなどの配線(図示略)を、上方に位置する演出装置15へ向けて配設することで、配線を遊技者から見えないように配設することができ、遊技機の装飾性を損なうことがないようになっている。
【0099】
以上のことから、遊技盤1の裏面上方部であって遊技領域1aの後方位置に、不透明な部材を有する装飾部15aを設け、前方構成部材20の後方に変動入賞装置(第1変動入賞装置3)の電気的機能部(後方部22)を、遊技盤1の開口部を貫通した状態で該前方構成部材20と一体的に備え、電気的機能部が装飾部15aに隣設するように、前方構成部材20を配設したこととなる。
【0100】
後方構成部材40は、図5,6に示すように、遊技球が転動する入賞空間41とその下方から延出する流路部42とを有し、遊技盤本体1bの裏面であって、前方構成部材20の後方部22の下方に配されている。この後方構成部材40は、前側に開口する箱状のケース部材43の内部に各種部材が配設されることで構成されている。なお、後方構成部材40の各部材は、透光性を有する材質(透明合成樹脂や透明ガラス)から構成されており、後方に位置する表示ユニット170における表示を、後方構成部材40を透して視認可能とされている。
【0101】
ケース部材43は、透明な材質からなり、入賞空間41を形成する矩形状の入賞空間形成部43aと、この矩形箱状の入賞空間形成部43aの下部であって、裏面側から見て左側端部から下方に延出する流路部42を形成する流路形成部43bとを有する。また、ケース部材43の側面の前端部には側方に突出するように複数の固定片43cが形成されており、遊技盤本体1bの裏面にケース部材43、すなわち、後方構成部材40を固定できるようになっている。なお、このケース部材43の後端面は、押圧部83,83,…の後端部よりも前側に位置し、遊技盤1の後方に配される表示ユニット170に接触しないようにされている。
【0102】
入賞空間形成部43aは、前側に開口した矩形状の空間であって、図6に示すように、この内部には遊技球が流下する誘導樋44および流下部45が形成されている。また、入賞空間形成部43aの上面には、外部から内部の入賞空間41に貫通する流入口46が形成されている。この流入口46には後方構成部材40を所定の位置に配設した際に、前方構成部材20の後方部22に形成された流路の下流側端部が接続し、流路を流下した遊技球がここから入賞空間41に流入するようになっている。
【0103】
誘導樋44は、透明な材質からなり、流入口46から入賞空間41内に流入した遊技球を入賞空間41の前面側から見た左端部に誘導するように、左側へ向かって下るように斜めに配されている。この誘導樋44の上流側端部となる裏面側から見た右端部は流入口46の下部右側に位置し、流入口46から流入した遊技球は誘導樋44の上面に至るようになっている。また、この誘導樋44の下流側端部となる前面側から見た左端部は、入賞空間41の左側壁から遊技球の直径以上の間隔をおいた位置にあって、傾斜に沿って流下した遊技球は下流側端部から下方に落下し、流下部45上に至るようになっている。
【0104】
流下部45は透明な材質からなり誘導樋44の下側にあって、入賞空間41内における左右方向に延在するとともに、上面が誘導樋44とは逆に裏面側から見て右側へ傾斜するように形成されている。この流下部45は、誘導樋44を流下した遊技球を受け入れるとともに特別入賞領域45aと一般入賞領域45bとに振り分ける機能を有する。このように、誘導樋44と流下部45が左右に延在するように配されていることで、遊技盤1の左右幅を大きく使用して遊技球を流下できるように構成でき、従来にない斬新な遊技を行うことが可能となる。また、遊技球の流下態様を長い時間遊技者に見せることができ興趣を高めることができる。
【0105】
流下部45の上面には複数の突起部45c,45c,…が形成されており、ここを流下する遊技球はこの突起部45c,45c,…に接触することでその流下方向が複雑に変更されるようになっている。また、流下部45は前後幅が遊技球の直径の2倍以上あり、その下流側端部には、特別入賞領域45aと一般入賞領域45bとが前後に並んで形成されている。さらに、流下部45の中央部分にも一般入賞領域45bが形成されている。そして、誘導樋44の下流側端部から下方に落下した遊技球は、流下部45の傾斜上流側端部に流入し、傾斜に沿って流下する。流下する遊技球は突起部45c,45c,…で流下方向が変更されながら中央部分に形成された一般入賞領域45bか、傾斜下流側に形成された特別入賞領域45a、一般入賞領域45bの何れかに入賞するようになっている。
【0106】
このように、流下部45の前後幅が遊技球の直径の2倍以上あり、下流側端部に一般入賞領域45bおよび特別入賞領域45aを前後に並べて配設したので、流下部45において遊技球の流下方向を前後に変化でき、遊技球の流下態様を多彩にすることが可能となる。そして、この遊技球の前後の変化が、一般入賞領域45bおよび特別入賞領域45aの何れに入賞するかに影響するので、より興趣を高めることができる。
【0107】
以上のことから、後方構成部材40は、入賞空間41内における左右方向に延在して傾斜するとともに可動部材25,25から受け入れられた遊技球が左右方向に流下可能な流下部45を備え、該流下部45を流下した遊技球が一般入賞領域45bあるいは特別入賞領域45aのいずれかに入賞するようにしたこととなる。
【0108】
また、流下部45の前後幅を遊技球の直径の2倍以上に設定し、該流下部45の下流側に一般入賞領域45bおよび特別入賞領域45aを前後に並べて配設したこととなる。
【0109】
図5に示すように、流路部42を形成する流路形成部43bには、流下部45の下流側端部に形成された特別入賞領域45a、一般入賞領域45bに対応するように、図示しない特別入賞流路と一般入賞流路とが前後に並ぶように形成されている。このうち特別入賞流路は、特別入賞領域45aに流入した遊技球が流下する流路で、その下流側端部には流下する遊技球を検出する特別入賞口センサ74が設けられている。また、一般入賞流路は、一般入賞領域45bに流入した遊技球が流下する流路で、その下流側端部には流下する遊技球を検出する確認センサ75が設けられている。なお、流下部45の中央部分に形成された一般入賞領域45bに流入した遊技球は、流下部45の下流側端部に形成された一般入賞領域45bに流入した遊技球と合流して一般入賞流路に流入するようになっている。
【0110】
また、この流路部42に形成された特別入賞流路、一般入賞流路の下流側端部は、下部覆い部材60に形成された入賞球流路に接続しており、第1変動入賞装置3に流入した遊技球は、ここから遊技機100の外部(島設備の回収樋)に排出されるようになっている。また、特別入賞口センサ74、確認センサ75は下部覆い部材60の後方に隠れるように配されており、遊技者からセンサや配線が見えないようにされ、遊技機100の装飾性を損なわないようにされている。
【0111】
以上のことから、前面側に遊技球が流下する遊技領域1aが形成された遊技盤1を前面枠120に対して着脱自在に装着し、該遊技盤1に開状態と閉状態とに変換可能な可動部材25,25を有するとともに該可動部材25,25の開状態への変換により受け入れた遊技球が入賞可能な特別入賞領域45aと一般入賞領域45bを有する変動入賞装置(第1変動入賞装置3)を配設した遊技機100において、前面枠120における遊技盤1の後方位置であって該遊技盤1と所定間隔を設けた状態で画像を表示する表示ユニット170を配設するとともに、遊技盤1を透明合成樹脂で形成することで、該遊技盤1を透して該表示ユニット170の表示画像を遊技機前方から視認可能に構成し、変動入賞装置は、可動部材25,25を有するとともに遊技盤1の前面に配設される前方構成部材20と、特別入賞領域45aおよび一般入賞領域45bを備えた入賞空間41を形成するとともに遊技盤1の後面に配設される後方構成部材40と、から構成され、後方構成部材40の所定部を透光性を有する部材で構成するとともに表示ユニット170の前方位置に配設して、遊技盤1及び後方構成部材40を透かして表示ユニット170の表示画像を遊技機前方から視認可能に構成したこととなる。
【0112】
なお、遊技盤1は、前面枠120に対して前側から取り付ける構成としたが、遊技盤1を前面枠120に後側から取り付ける(或いはサイドからスライド挿入する)構成としても良い。この場合は、前面枠120に遊技盤1を装着した後に裏機構枠160を閉鎖することとなる。
また、裏機構枠160を開閉可能としたが、遊技盤1を前側から取り付ける構成の場合は、開閉できない裏機構枠160であっても良い。また、裏機構枠160を別途設けずに、前面枠本体130の裏面側に表示ユニット170を前後動可能に配するようにしても良い。また、表示ユニット170が遊技盤1の後方の所定間隔を空けた位置に配されるように、前面枠120などに固定されている構成としても良い。
【0113】
次に、遊技機100の制御系について図7を参照して説明する。遊技機100は、その制御系として遊技の進行を制御する遊技制御装置30(主制御基板、主制御回路)、この遊技制御装置30の制御下で各種の演出に関する制御を行う第2演出制御装置31(演出データ基板32、ドライバ基板35)、第1演出制御装置33(演出制御基板)、排出装置190による賞球または貸球の払い出しの制御と、発射装置70による遊技球の発射の制御を行う排出発射制御装置34(排出発射制御基板、排出発射制御回路)、電力を供給する電源供給装置37(電源基板、電源回路)を備えている。
【0114】
遊技制御装置30は、CPU30b、RAM30c、ROM30d等を有する遊技用マイクロコンピュータを備えるとともに、図示しない入出力インタフェース、各種処理の同期やタイマ等のためのパルス信号を出力するクロック(発振器)等により構成されている。
【0115】
CPU30bは、制御部、演算部を備え、演算制御を行う他、特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値などの各種乱数値なども生成している。RAM30cは、始動入賞口10内に設けられた始動口センサ50のオン信号などを記憶する記憶領域や、前記各種乱数値の記憶領域、並びに、CPU30bの作業領域等を備えている。ROM30dには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、上述の各種乱数値に対応して、特図変動表示ゲームの大当り発生を判定するための特図変動表示ゲームの大当り判定値、変動パターン(リーチアクションの種類)の判定値などが記憶されている。
【0116】
また、入出力インタフェースには、ローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、始動入賞口10の始動口センサ50、第1変動入賞装置3のカウントセンサ51、一般入賞口2,2の一般入賞口センサ52、第1変動入賞装置3の特別入賞口センサ74および確認センサ75などが接続されており、これらからの各種信号が入力され、これら各種信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、CPU30bに対し出力される。
【0117】
さらに、入出力インタフェースには、CPU30bから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、第1変動入賞装置3(可動部材25,25の駆動手段)、第2変動入賞装置4(開閉扉4aの駆動手段)、特別図柄表示器71、始動記憶表示器72、第1演出制御装置33、賞球の排出や遊技球の発射を制御する排出発射制御装置34などに出力されている。
【0118】
第2演出制御装置31は遊技機固有のデータを記憶するデータ装置として、演出に関するデータを記憶したROMを備える演出データ基板32と、遊技盤1に配設された電気的機器の駆動機能を有する演出駆動基板をなすドライバ基板35とを有する。演出データ基板32は、演出の制御内容を記憶した制御ROM32c、画像や映像データが記憶されたキャラクタROM32b、音データが記憶された音声データROM32dを備えている。なお、この演出データ基板32に備えられた各種ROMの記憶内容は、遊技機の機種に依存するものである。ドライバ基板35は、ランプ・LED、装飾用役物(ソレノイド)などの遊技盤装飾装置54を駆動する盤装飾ドライバ35aを備え、第1演出制御装置33が遊技制御装置30から受信した制御信号(演出コマンド)に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)この盤装飾ドライバ35aを制御し、盤装飾を行うようになっている。
【0119】
また、第1演出制御装置33は、制御装置としてのCPU33b、RAM33cや、表示ユニット170(液晶表示パネル175)における表示を制御する画像用メモリとしてのRAMや、グラフィックプロセッサとしてのVDP33d(video display processor)、画像や映像データが記憶されたサブ画像ROM33eなどを含むビデオ回路、音の出力を制御する音声LSI33f、音量を調節する音声ボリューム33gを備えている。また、前面枠120に設けられたランプ、LEDなどの前面枠120を装飾する枠装飾装置57を駆動する枠装飾ドライバ33hを備えている。さらに、表示ユニット170の液晶表示パネル175における表示状態を調節するための、輝度調節器33i、コントラスト調節器33jが備えられている。
【0120】
第1演出制御装置33は図示しない入出力インタフェースを有し、この入出力インタフェースにはローパスフィルタ及びバッファーゲートを介して、遊技制御装置30、第2演出制御装置31の演出データ基板32、遊技機の前面(例えば、上皿153の周囲)に設けられた遊技者が操作可能な演出用ボタン59などが接続されており、これらからの各種信号が入力され、これら各種信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、CPU33bに対し出力される。この遊技制御装置30から出力される制御信号(各種コマンドなど)は中継基板73を介して第1演出制御装置33に送信されるようになっている。ここで、遊技制御装置30と第1演出制御装置33との間の接続を、中継基板73を介してリード線によって行っているが、第1演出制御装置33と直接接続される第2演出制御装置31を介して接続するようにしてもよい。なお、遊技制御装置30と第1演出制御装置33との間の通信においては、第2演出制御装置31は単に信号を通過させるのみ(スルー接続)としてもよい。
【0121】
さらに、入出力インタフェースには、CPU33bから出力される各種の制御信号が入力され、これら制御信号は、該入出力インタフェースにより中継されて、図示しない出力ポート及びドライバを介して、演出データ基板32、液晶表示パネル175のバックライト56、枠装飾装置57(枠装飾ドライバ33hを介して)などに出力されている。なお、CPU33bから出力される制御信号のうち、画像の制御に関する制御信号は、CPU33bからVDP33dに出力され、VDP33dから該制御信号に基づく画像データが液晶表示器55に出力される。また、音声の制御に関する制御信号は、CPU33bから音声LSI33fに出力され、音声LSI33fから該制御信号に基づく音声データがスピーカ58に出力される。
【0122】
そして、第1演出制御装置33は、遊技制御装置30から中継基板73を介して受信した制御信号(演出コマンド)に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)、枠装飾装置57による枠装飾の制御、表示ユニット170に備えられる液晶表示パネル175(液晶表示器55、バックライト56)の制御、スピーカ58による音の出力の制御を行う。さらに、遊技制御装置30から中継基板73を介して受信した制御信号(演出コマンド)に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)ドライバ基板35の盤装飾ドライバ35aを介して遊技盤装飾装置54の制御を行う。
【0123】
排出発射制御装置34は、CPU、RAM、ROM等を有するマイクロコンピュータを有し、遊技制御装置30からの制御信号(賞球コマンド)や、球貸機(図示略)からの制御信号(球貸しコマンド)に基づいて所要数の遊技球(賞球、貸球)を排出装置190から排出させる制御を行う。
【0124】
なお、遊技制御装置30のCPU30bには、遊技球が一般入賞口2,2、始動入賞口10,10、第1変動入賞装置3、第2変動入賞装置4等の入賞口の何れかに入賞することで、各種入賞口に設けられたセンサ(一般入賞口センサ52、始動口センサ50、カウントセンサ51、大入賞口センサ(図示略))から遊技球の検出信号が入力される。そして、この遊技球の検出信号に基づき、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球を払い出させる制御信号が排出発射制御装置34に出力されるようになっている。
【0125】
また、排出発射制御装置34は、発射装置70による遊技球の発射制御を行う。この排出発射制御装置34には、操作ハンドル156からの信号(操作ハンドル156に設けられたタッチセンサからの信号や、操作ハンドル156の回動角度を判断するための信号)が入力されるようになっており、この入力信号に基づき発射装置70を作動、停止する制御や発射勢を調節する制御を行う。
【0126】
そして、上述の各制御基板や、遊技機100に備えられた各装置には、前面枠本体130に設けられた電源供給装置37(電源回路、電源基板)から電力が供給されるようになっている。なお、第2演出制御装置31への電源供給は第1演出制御装置33を介して行われるようになっている。
【0127】
また、上述の各制御基板や各装置は、図5に示すように、画像表示面171における表示データなど、機種に依存するデータが記憶された演出データ基板32と、遊技盤1に備えられた電気的機器を駆動するためのドライバ基板35を備えた第2演出制御装置31が、遊技盤1の裏面側下方部に設けられた下部覆い部材60の裏面側であって、裏機構枠160の下縁からその下側に取り付けられている。そして、第2演出制御装置31の裏面側に露出したコネクタ部により、第1演出制御装置33と演出データ基板32、ドライバ基板35が接続される。また、第2演出制御装置31の前面側に露出したコネクタ部により、ドライバ基板35と遊技盤装飾装置54が接続される。また、第2演出制御装置31の裏面側には、遊技を制御する遊技制御装置30が取り付けられるようになっている。
【0128】
また、図3に示すように、複数の機種で共通使用可能な第1演出制御装置33は、前面枠本体130の裏面側に取り付けられた裏機構枠160に取り付けられ、前側の下部に設けられたコネクタ部33aが、演出データ基板32のコネクタ部と接続することで、第1演出制御装置33と演出データ基板32が直接接続されるようになっている。
【0129】
また、排出装置190による賞球の排出、発射装置70による遊技球の発射を制御する排出発射制御装置34、遊技機100内の各装置に電力を供給する電源回路としての電源供給装置37は、前面枠本体130の裏面側の遊技盤1より下側となる位置に取り付けられている。
【0130】
すなわち、機種に依存する演出データ基板32やドライバ基板35を備えた第2演出制御装置31、遊技制御装置30は遊技盤1に取り付けられ、複数の機種で共通使用可能な第1演出制御装置33、排出発射制御装置34、電源供給装置37は前面枠本体130もしくは裏機構枠160に取り付けられている。よって、遊技盤1を変更することにより機種に依存する装置(基板)のみが交換され、遊技機100の遊技内容を変更することが可能である。
【0131】
なお、機種に依存する演出に関するデータを記憶する演出データ基板32におけるデータを記憶する部分は、ハード的には遊技盤毎に変更することは少ないのに対して、遊技盤装飾装置54を駆動する盤装飾ドライバ35aを備えるドライバ基板35は、遊技盤毎に変更することが多い。よって、このように演出データ基板32とドライバ基板35を分割構成することで、遊技盤の種類によりハード的に変更するドライバ基板35のみの設計を変更したり開発したりできるので非常に効率のよい構成となる。
【0132】
次に、以上のような構成を有する遊技機100における遊技の流れについて、図7,8を参照して説明する。
発射装置70から発射された遊技球は、図1に示す遊技領域1aの遊技領域区画壁9に沿って遊技領域1aの上方へ誘導された後、下方へ流下する。そして、通常遊技状態A1において、遊技領域1aを流下する遊技球が、始動入賞口10,10に入賞(始動入賞)すると、始動口センサ50からの遊技球の検出信号が遊技制御装置30に入力される。遊技制御装置30では、この検出信号に基づき始動記憶を1加算する処理を行い、可変表示状態A2に移行する。なお、通常遊技状態A1とは、特別遊技状態中、特図変動表示ゲームの実行中、始動遊技状態中の何れでもない状態である。
【0133】
可変表示状態A2においては、遊技制御装置30が始動記憶を1減算する処理を行うとともに、始動入賞時に抽出した特図変動表示ゲームの大当たり判定用乱数値を判定値と比較し、特図変動表示ゲームの当たり外れを判定する処理を行う。そして、特図変動表示ゲームの判定結果に基づき、特別図柄表示器71に特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
【0134】
また、遊技制御装置30は、特図変動表示ゲームの判定の他に変動パターンの判定を行う処理などを行い、これらの結果を含む制御信号を、中継基板73を介して第1演出制御装置33に出力する。第1演出制御装置33とこれに接続した第2演出制御装置31では、遊技制御装置30からの制御信号に基づき、表示ユニット170の液晶表示パネル175で特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームを表示する処理を行う。この特図変動表示ゲームに対応する表示ゲームは、透明な材質からなる遊技盤本体1b、後方構成部材40を透して遊技盤の前方から視認可能となる。この他に、第1演出制御装置33とこれに接続した第2演出制御装置31では、スピーカ58からの音の出力、ランプ、LED、演出装置15などの遊技盤装飾装置54を制御する処理、ランプ、LEDなどの枠装飾装置57を制御する処理を行う。
【0135】
そして、特図変動表示ゲームの結果が大当たりの場合は、特別図柄表示器71に特別結果態様(たとえば「7」)を表示する。また、これに対応して画像表示面171における表示ゲームの表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等の奇数のゾロ目数字)となる。そして、特別遊技状態A3(いわゆる、大当たり状態)に移行する。
【0136】
また、特図変動表示ゲームの結果が小当たりの場合は、特別図柄表示器71に特定結果態様(たとえば「2」)を表示する。また、これに対応して画像表示面171における表示ゲームの表示態様も特定結果態様(例えば、「2,2,2」等の偶数のゾロ目数字)となる。そして、始動遊技状態A4に移行する。
【0137】
また、特図変動表示ゲームの結果が外れの場合は、特別図柄表示器71に外れ結果態様(特別結果態様、特定結果態様以外の結果態様)を表示する。また、これに対応して画像表示面171における表示ゲームの表示態様も外れ結果態様(特別結果態様、特定結果態様以外の結果態様)となる。そして、通常遊技状態A1に移行する。なお、特図変動表示ゲームの結果が外れで、通常遊技状態A1に移行した際に、未処理の始動記憶がある場合は、再び可変表示状態A2に移行し、上述の処理が行われる。
【0138】
特別遊技状態A3においては、遊技制御装置30が第2変動入賞装置4の開閉扉4aを駆動する駆動手段を制御し、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせる。そして、大入賞口に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば30秒)か経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば15回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。これにより遊技者は多量の遊技球を獲得できることとなる。この特別遊技状態A3においては、所定のラウンド回数を消化することで終了条件が成立し、通常遊技状態A1に移行する。
【0139】
また、始動遊技状態A4においては、遊技制御装置30が第1変動入賞装置3の可動部材25,25を駆動する駆動手段を制御し、可動部材25,25を逆「ハ」の字状に回動させて遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させる始動遊技が行われる。この始動遊技においては、可動部材25,25を開放動作させ、所定時間経過後(例えば0.5秒経過後)に再び閉鎖動作するといった所定の態様の開放動作を所定回数(例えば2回)行うようになっている。なお、小当たり図柄を複数設定し、小当たり図柄に応じて開放回数を変化(例えば2回と3回)させるようにしても良い。
【0140】
この始動遊技により第1変動入賞装置3に流入した遊技球は、カウントセンサ51で検出され、その検出信号が遊技制御装置30に入力される。遊技制御装置30では、この検出信号をカウントすることで第1変動入賞装置3に入賞した遊技球の数を計数するようになっている。
【0141】
そして、第1変動入賞装置3に流入した遊技球が特別入賞領域45aに入賞して、特別入賞口センサ74で検出されると、その検出信号が遊技制御装置30に入力される。遊技制御装置30ではこの検出信号の入力に基づき、特別遊技状態A3へ移行する処理を行う。なお、特図変動表示ゲームの結果が大当たりになって特別遊技状態A3に移行した場合と、遊技球が特別入賞領域45aに入賞することで特別遊技状態A3に移行した場合とで、実行可能なラウンド数が異なるようにしても良い。
【0142】
また、第1変動入賞装置3に入賞した遊技球がすべて一般入賞領域45bに入賞した場合は、通常遊技状態A1に移行する。上述したように遊技制御装置30では、カウントセンサ51からの検出信号に基づき第1変動入賞装置3に入賞した遊技球の数を計数している。そして、遊技制御装置30では、第1変動入賞装置3に入賞した遊技球の数から、確認センサ75からの検出信号に基づき検出した遊技球の数を減算する処理を行い、その結果が0になることですべての遊技球が一般入賞領域45bに入賞したことを検出し、通常遊技状態A1に移行するようになっている。すなわち、第1変動入賞装置3に入賞した遊技球がすべて排出されたことが確認された後、通常遊技状態A1に移行するようになっている。
【0143】
このように、通常遊技状態A1、特別遊技状態A3では遊技領域1aでの遊技球の流下態様、可変表示状態A2では表示ユニット170での表示態様、始動遊技状態A4では第1変動入賞装置3(後方構成部材40)での遊技球の入賞態様によって遊技が進行するので、遊技内容が多彩になり興趣を高めることが可能となる。また、遊技領域1aと第1変動入賞装置3の後方構成部材40、表示ユニット170は前後に重なっているとともに、遊技盤本体1b、後方構成部材40が透明な材質からなることから、これらを同時に見ることが可能となり、従来にない極めて斬新な遊技内容を実現でき興趣を高めることが可能となる。
【0144】
なお、後方構成部材40を構成する部材の全てを透光性の材質から構成しても良いし、一部の部材を非透光性の材質から構成しても良い。すなわち、後方構成部材40の所定部を透光性を有する部材で構成するようにすれば良い。
【0145】
また、後方構成部材40の入賞空間41内に、電気的駆動源の作動により動作する可動式の流下態様変更部材(例えば、回転体などで、遊技球受入部を円周部に設けた回転体でもよい)を設けるようにしてもよい。この場合、電気的駆動源は、遊技盤1の裏面で表示領域区画壁92の外側に設け、リンク機構(例えば、回転体の場合には、ベルト)により流下態様変更部材を作動させるようにすれば、遊技機前方から電気的駆動源が見えてしまうのを防止できる。
【0146】
また、後方構成部材40の入賞空間41内に、可動式の流下態様変更部材(例えば、回転体などで、遊技球受入部を円周部に設けた回転体でもよい)を設けて、該流下態様変更部材の作動用の電力を電磁誘導により供給可能な電力供給装置を前面枠120に設けるようにしてもよい。このような構成として、例えば、電源供給装置37に接続した送電用コイルを前面枠120に設け、流下態様変更部材の駆動源に接続した受電用コイルを後方構成部材40に設け、無線により電力を供給できるようにする。この場合、送電用コイルを遊技盤1の裏面で表示領域区画壁92の外側に設けようにすれば、遊技機前方から送電用コイルが見えてしまうのを防止できる。
【0147】
次に、上述した遊技機100における遊技盤1の第1変形例について図9を参照して説明する。なお、以下の説明では、上述した遊技機100と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。本変形例の遊技盤は第1変動入賞装置3の後方構成部材40に、流下部45を流下する遊技球の流下方向を変更可能な第2の流下方向変換部材200を備える。
【0148】
第2の流下方向変換部材200は、周面に複数の突起201,201,…が形成された円柱状の本体部202と、該円柱状の本体部202の中心軸に沿って、両端から延出するように形成された回動軸203とを有する。この第2の流下方向変換部材200は、流下部45の中央部分における下側に、回動軸203が前後方向に沿って回動可能に保持されることで配設されるようになっている。また、流下部45には、第2の流下方向変換部材200が配設する部分に上下に貫通する連通する開口45dが形成されており、この開口45dから複数の突起201,201,…が形成された本体部202の周面の一部が流下部45の上面に突出するようになっている。
【0149】
また、第2の流下方向変換部材200に形成された回動軸203のうち、一方の回動軸203は他方の回動軸(図示略)よりも長く形成されており、遊技盤本体1bにおける回動軸203と対応する位置に形成された前後に貫通する貫通孔を通じて、入賞空間41の前側に位置する遊技領域1aに突出するようになっている。また、この回動軸203の遊技領域1aに突出した部分には、第1の流下方向変換部材11としての風車が取り付けられている。
【0150】
このような構成を有する遊技盤1においては、第1の流下方向変換部材11としての風車に遊技領域1aを流下する遊技球が接触することで第1の流下方向変換部材11が回動(状態が変化)するとともに、遊技球の流下方向が変更される。さらに、第1の流下方向変換部材11の回動(状態の変化)に応じて、回動軸203を介して接続された第2の流下方向変換部材200も回動(状態が変化)することとなる。第2の流下方向変換部材200の本体部202は、遊技球が流下する流下部45の上面に一部が突出しているとともに、その周面に複数の突起201,201,…形成されていることから、流下部45を流下する遊技球の流下方向が変化することとなる。すなわち、第2の流下方向変換部材200が回動することにより、遊技球との接触部が変化して遊技球との接触状態や誘導状態が変化することとなる。
【0151】
これにより、遊技領域1aを流下する遊技球の状態が、第1変動入賞装置3の内部の流下状態に影響を与えるといった従来にない斬新な遊技が可能となり、興趣を極めて高めることができる。特に、遊技領域1aの真後ろに入賞空間41が位置しているので、第1の流下方向変換部材11と第2の流下方向変換部材200との間の伝達機構を簡単な構成のものにすることができる。
【0152】
以上のことから、遊技盤1の前面に遊技球の接触により状態が変化するとともに遊技球の流下方向を変化可能な第1の流下方向変換部材11を備え、後方構成部材40には、状態の変化により流下部45を流下する遊技球の流下方向を変化可能な第2の流下方向変換部材200を備え、第1の流下方向変換部材11と第2の流下方向変換部材200を連結して、該第1の流下方向変換部材11の状態変換に応じて第2の流下方向変換部材200の状態が変換するように構成したこととなる。
【0153】
なお、第1の流下方向変換部材11としての風車が、遊技領域1aにおける遊技球が頻繁に流下する位置に配されることが望ましい。ただし、第1の流下方向変換部材11は、遊技者が遊技球の発射を調整することで流下数を調整できないような位置に配し、入賞空間41内の遊技球の流下態様を調整できないようにすることが望ましい。また、第2の流下方向変換部材200が一方向(例えば、前面側から見て反時計回り方向)のみに回動するようにしても良い。
【0154】
また、第1の流下方向変換部材11は、風車の他、上部を軸着して回動可能にぶら下がった状態の可動部材などを含み、遊技球が衝突することで自身の状態が変換する(回転や揺動)部材であれば良い。
【0155】
次に、上述した遊技機100における遊技盤1の第2変形例について図10を参照して説明する。なお、以下の説明では、上述した遊技機100と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。本変形例の遊技盤は視認開口87の外側に、遊技盤装飾装置54としてレーザ照射装置210を備え、第1演出制御装置33が遊技制御装置30から受信した制御信号(演出コマンド)に基づいて(遊技制御装置30の制御の下に)ドライバ基板35を制御し、後方構成部材40にレーザ光を照射することで光による装飾を行うようになっている。
【0156】
図10(a)に示すように、左右の表示領域区画壁92の外側であって遊技盤1の前方から見えない位置には、主に後方構成部材40の流下部45に向けてレーザ光を照射可能なレーザ照射装置210が配されている。このレーザ照射装置210は、レーザ光を発生するレーザ発振器211、レーザ光を反射する反射部材212、反射部材212の角度を変化させる図示しない駆動機構などを備えている。また、左右の表示領域区画壁92にはレーザ照射装置が設けられる位置に左右に貫通した照射口92aが形成されており、レーザ照射装置210から発射されたレーザ光がこの照射口92aを通して流下部45に照射され、光による装飾がなされるようになっている。
【0157】
レーザ発振器211は、表示領域区画壁92に形成された照射口92aよりも下側の位置にあって、上方に向かってレーザ光を発射するように配されている。さらに、このレーザ発振器211からレーザ光が発射される方向であって、照射口92aに隣接する位置には反射部材212が配されている。
【0158】
反射部材212はレーザ光を反射可能な反射面212aを有しており、この反射面212aによって上方に発射されたレーザ光を照射口92aから流下部へ向けて反射するようになっている。また、反射部材212は反射面212aと平行な回動軸212bを有しており、この回動軸212bは遊技盤1の前後方向に略沿うように配されている。そして、この回動軸212bは、第1演出制御装置33が第2演出制御装置31のドライバ基板35を介して制御する図示しない駆動機構によって回動駆動されるようになっている。これにより、反射面212aの角度が変更されることとなり、レーザ光の照射角度が変更されるようになっている。すなわち、第1演出制御装置33が反射部材212の角度を変更可能な角度変更手段をなす。
【0159】
なお、回動軸212bは遊技盤1の前後方向に略沿うように配されているが、より詳細には、図10(b)に示すように、遊技盤1の前端側の端部が後端側の端部よりも遊技盤1の中央側に位置するように若干傾いて配されている。これにより、レーザ光が遊技盤1の前面側に位置する遊技者に照射されることを防止している。
【0160】
以上のような構成を有するレーザ照射装置210から後方構成部材40に照射されるレーザ光は、遊技の進行に合わせて角度変更手段により反射面212aの角度が変更されて、主に後方構成部材40の流下部45を照射するようになっている。流下部45は透明な材質からなるが、照射されたレーザ光が内部で反射、散乱するように表面に凹凸が形成(カット加工)されており、レーザ光が照射されることで光るようにされている。
【0161】
これにより、遊技盤1と表示ユニット170の間に配設される後方構成部材40を、リード線を設けずに発光させることが可能となり、遊技盤1や透光性を有する部材で形成された後方構成部材40に対する装飾効果、表示ゲームの演出の効果を高めることが可能となる。また、遊技盤1と表示ユニット170の間の空間を効率よく利用して、従来にない斬新な装飾や演出が行える。特に、レーザ光を使用するので、光を拡散させずに局所的に光らせることが可能となり、後方の画像表示に対する視認性を低下させることもない。
【0162】
以上のことから、遊技盤1の裏面における左右方向側方部に、後方構成部材40に向けてレーザ光を照射可能なレーザ照射装置210を配設したこととなる。
【0163】
なお、流下部45の下面に、矢印やその他の図形、文字などをかたどった凹部を形成し、ここにレーザ光が照射されることでこの領域が光るようにして、光による装飾を可能としても良い。また、流下部45以外の部分にカット加工を施し、レーザ光の照射により光るようにしても良い。また、レーザ光の照射角度を所定時間ごとに変更するようにしても良いし、特別遊技状態やリーチ状態の発生に応じて行っても良い。あるいは、第1変動入賞装置3への入賞を検出するカウントセンサ51による遊技球検出により後方構成部材40を照射するようにしても良い。
【0164】
また、反射部材212に設けられた回動軸212bの配設方向を、遊技盤1の前後方向に略沿うような方向としたが、これに限られるものではなく、所望の位置にレーザ光を反射できるような方向に設定すればよい。また、反射部材212に代えてプリズムを用いても良いし、反射部材212とプリズムを併用しても良い。すなわち、レーザ照射装置210は、反射部材212やプリズムのような光路変更部材を備え、後方構成部材40に照射されるレーザ光の照射態様を変更可能に構成されている。
【0165】
また、反射部材212を設けずに、レーザ発振器211から直接遊技装置にレーザ光を照射するようにしても良い。また、レーザ発振器211を駆動機構により駆動しレーザ光の照射位置を変化するようにしても良い。また、レーザ発振器211は例えば半導体レーザを使用したものなど何でも良い。また、所定の色のレーザ光を照射できるものが望ましい。
【0166】
また、レーザ照射装置210は、遊技盤1の裏面に設けられるとしたがこれに限られるものではなく、遊技盤1の裏面側に配される裏機構枠160に配設されていても良い。すなわち、遊技盤1の裏面側にあれば良い。また、レーザ照射装置210は遊技盤1の裏面側にある後方構成部材40にレーザ光を照射するとしたが、視認開口87の上端部を区画する演出装置15に設けられた演出部材(図示略)にレーザ光を照射して演出を行うようにしても良い。また、遊技領域1aにある遊技装置(鎧部材7など)にレーザ光を照射するようにしても良い。この場合は、遊技盤本体1bの側部において、遊技者に見えないように前面側にレーザ光を導いてから遊技盤1の後方へ向かってレーザ光を照射するようにすることが望ましい。
【0167】
以上のような遊技機100は、前面側に遊技球が流下する遊技領域1aが形成された遊技盤1を前面枠120に対して着脱自在に装着し、該遊技盤1に開状態と閉状態とに変換可能な可動部材25,25を有するとともに該可動部材25,25の開状態への変換により受け入れた遊技球が入賞可能な特別入賞領域45aと一般入賞領域45bを有する変動入賞装置(第1変動入賞装置3)を配設した遊技機100であって、前面枠120における遊技盤1の後方位置であって該遊技盤1と所定間隔を設けた状態で画像を表示する表示ユニット170を配設するとともに、遊技盤1を透明合成樹脂で形成することで、該遊技盤1を透して該表示ユニット170の表示画像を遊技機前方から視認可能に構成し、変動入賞装置は、可動部材25,25を有するとともに遊技盤1の前面に配設される前方構成部材20と、特別入賞領域45aおよび一般入賞領域45bを備えた入賞空間41を形成するとともに遊技盤1の後面に配設される後方構成部材40と、から構成され、後方構成部材40の所定部を透光性を有する部材で構成するとともに表示ユニット170の前方位置に配設して、遊技盤1及び後方構成部材40を透かして表示ユニット170の表示画像を遊技機前方から視認可能に構成している。
【0168】
したがって、前面枠120における遊技盤1の後方位置に表示ゲームを表示する表示ユニット170を配設するとともに、遊技盤1を透明合成樹脂で形成することで、該遊技盤1を透して表示ゲームを遊技機前方から視認可能に構成したので、遊技盤1を交換する場合でも、表示ユニット170は交換する必要がないので、表示ユニット170を新たな遊技盤でも使用できるといった効果を奏する。また、遊技機100の入れ替え時に遊技機全体を交換する場合でも、表示ユニット170は遊技盤1と別構成であるので、表示ユニット170を簡単に取り外せることから、表示ユニット170を再利用する際にも効果的である。また、遊技盤1と所定間隔を設けた状態で表示ユニット170を配設するようにしたので、遊技盤1と表示ユニット170の間の空部に変動入賞装置を備えることができ、この空部の間隔を大きくすれば大型の変動入賞装置の配設も可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
【0169】
また、変動入賞装置は、可動部材25,25を有するとともに遊技盤1の前面に配設される前方構成部材20と、特別入賞領域45aおよび一般入賞領域45bを備えた入賞空間41を形成するとともに遊技盤1の後面に配設される後方構成部材40とから構成されるので、興趣の高い入賞態様を実現することが可能となる。すなわち、前方構成部材20により遊技領域1aを流下する遊技球を入賞させることができるとともに、後方構成部材40は遊技盤1と表示ユニット170の間隙を利用して配設されることから大型化が可能であり興趣の高い入賞態様を実現することが可能となる。また、従来のように変動入賞装置を配設するために遊技盤1に大型の開口を形成することも必要がなく、遊技盤1の強度低下の防止や加工工程の省略化にもなる。
【0170】
さらに、後方構成部材40の所定部を透光性を有する部材で構成するとともに表示ユニット170の前方位置に配設して、遊技盤1及び後方構成部材40を透かして表示ユニット170の表示画像を遊技機100前方から視認可能に構成したので、遊技者は遊技領域1aでの遊技球の流下態様、変動入賞装置での遊技球の入賞態様、表示ユニット170での表示態様を同時に見ることが可能となり、従来にない極めて斬新な遊技内容を実現でき興趣を高めることが可能となる。
【0171】
また、後方構成部材40は、入賞空間41内における左右方向に延在して傾斜するとともに可動部材25,25から受け入れられた遊技球が左右方向に流下可能な流下部45を備え、該流下部45を流下した遊技球が一般入賞領域45bあるいは特別入賞領域45aのいずれかに入賞するようにしている。
【0172】
したがって、後方構成部材40は、入賞空間41内における左右方向に延在して傾斜するとともに可動部材25,25から受け入れられた遊技球が左右方向に流下可能な流下部45を備え、該流下部45を流下した遊技球が一般入賞領域45bあるいは特別入賞領域45aに入賞するように構成したので遊技の興趣を高めることができる。すなわち、従来にない斬新な遊技を行うことが可能となり、また、遊技盤1の左右幅を大きく使用して遊技球を流下できるように構成することも可能であることから、遊技球の流下態様を長い時間遊技者に見せることができ興趣を高めることができる。
【0173】
また、流下部45の前後幅を遊技球の直径の2倍以上に設定し、該流下部45の下流側に一般入賞領域45bおよび特別入賞領域45aを前後に並べて配設している。
【0174】
したがって、流下部45の前後幅を遊技球の直径の2倍以上に設定し、該流下部45の下流側に一般入賞領域45bおよび特別入賞領域45aを前後に並べて配設したので遊技の興趣を高めることができる。すなわち、流下部45において遊技球の流下方向を前後に変化でき、遊技球の流下態様を多彩にすることが可能となるし、流下部45に誘導部材等の流下態様変更部材を設けることも可能であり興趣を高めることができる。また、遊技球の流下方向が前後方向へ変化することが、一般入賞領域45bおよび特別入賞領域45aの何れに入賞するかに影響するので、より興趣を高めることができる。
【0175】
また、遊技盤1の前面に遊技球の接触により状態が変化するとともに遊技球の流下方向を変化可能な第1の流下方向変換部材11を備え、後方構成部材40には、状態の変化により流下部45を流下する遊技球の流下方向を変化可能な第2の流下方向変換部材200を備え、第1の流下方向変換部材11と第2の流下方向変換部材200を連結して、該第1の流下方向変換部材11の状態変換に応じて第2の流下方向変換部材200の状態が変換するように構成している。
【0176】
したがって、遊技盤1の前面に第1の流下方向変換部材11を備え、後方構成部材40に第2の流下方向変換部材200を備え、第1の流下方向変換部材11と第2の流下方向変換部材200を連結して、該第1の流下方向変換部材11の状態変換に応じて第2の流下方向変換部材200の状態が変換するように構成したので、遊技の興趣を高めることができる。すなわち、遊技領域1aを流下する遊技球の状態が変動入賞装置内部の流下状態に影響を与えるといった従来にない斬新な遊技が可能となり、興趣を極めて高めることができる。また、遊技領域1aの真後ろに入賞空間41が配置されるので、両部材の伝達機構を簡単な構成にすることができる。
【0177】
また、遊技盤1の裏面における左右方向側方部に、後方構成部材40に向けてレーザ光を照射可能なレーザ照射装置210を配設している。
【0178】
したがって、遊技盤1の裏面における左右方向側方部に、後方構成部材40に向けてレーザ光を照射可能なレーザ照射装置210を配設したので、遊技盤1と表示ユニット170の間に配設される後方構成部材40を、リード線を設けずに発光させることが可能となり、遊技盤1や透光性を有する部材で形成された後方構成部材40に対する装飾効果、表示ゲームの演出の効果を高めることが可能となる。また、遊技盤1と表示ユニット170の間の空間を効率よく利用して、従来にない斬新な装飾や演出が行える。特に、レーザ光を使用するので、光を拡散させずに局所的に光らせることが可能となり、後方の画像表示に対する視認性を低下させることもない。
【0179】
また、遊技盤1の裏面上方部であって遊技領域1aの後方位置に、不透明な部材を有する装飾部15aを設け、前方構成部材20の後方に変動入賞装置(第1変動入賞装置3)の電気的機能部(後方部22)を、遊技盤1の開口部を貫通した状態で該前方構成部材20と一体的に備え、電気的機能部が装飾部15aに隣設するように、前方構成部材20を配設している。
【0180】
したがって、遊技盤1の裏面上方部であって遊技領域1aの後方位置に、不透明な部材を有する装飾部15aを設け、前方構成部材20の後方に変動入賞装置の電気的機能部を、遊技盤1の開口部を貫通した状態で該前方構成部材20と一体的に備え、電気的機能部が装飾部15aに隣設するように、前方構成部材20を配設したので、遊技機100の装飾性を向上できる。すなわち、電気的機能部から延びるリード線を装飾部15aの後方から引き回して処理することが可能となり、遊技機100の前方からリード線が見えて見栄えが悪くなることを装飾部15aを利用して効率よく防止できる。
【0181】
なお、本発明の遊技機100は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
【0182】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の構成を示す遊技機の正面図である。
【図2】透明部材保持枠を取り外した状態の遊技機の斜視図である。
【図3】遊技機の裏面側から見た斜視図である。
【図4】遊技盤の正面図である。
【図5】遊技盤の裏面側から見た斜視図である。
【図6】後方構成部材の前面側から見た斜視図である。
【図7】遊技機の制御系の一部を示すブロック図である。
【図8】遊技状態を説明するための状態遷移図である。
【図9】第1変形例にかかる遊技機における後方構成部材の前面側から見た斜視図である。
【図10】第2変形例にかかる遊技機におけるレーザ照射装置が設けられた部分を示す断面図であって、(a)前面側から見た断面図、(b)上方から見た断面図である。
【符号の説明】
【0184】
1 遊技盤
1a 遊技領域
3 第1変動入賞装置(変動入賞装置)
11 第1の流下方向変換部材
15 演出装置
15a 装飾部
20 前方構成部材
22 後方部(電気的機能部)
25 可動部材
40 後方構成部材
41 入賞空間
45 流下部
45a 特別入賞領域
45b 一般入賞領域
100 遊技機
120 前面枠
170 表示ユニット
200 第2の流下方向変換部材
210 レーザ照射装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側に遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を前面枠に対して着脱自在に装着し、該遊技盤に開状態と閉状態とに変換可能な可動部材を有するとともに該可動部材の開状態への変換により受け入れた遊技球が入賞可能な特別入賞領域と一般入賞領域を有する変動入賞装置を配設した遊技機において、
前記前面枠における前記遊技盤の後方位置であって該遊技盤と所定間隔を設けた状態で画像を表示する表示ユニットを配設するとともに、前記遊技盤を透明合成樹脂で形成することで、該遊技盤を透して該表示ユニットの表示画像を遊技機前方から視認可能に構成し、
前記変動入賞装置は、
前記可動部材を有するとともに前記遊技盤の前面に配設される前方構成部材と、
前記特別入賞領域および一般入賞領域を備えた入賞空間を形成するとともに前記遊技盤の後面に配設される後方構成部材と、
から構成され、
前記後方構成部材の所定部を透光性を有する部材で構成するとともに前記表示ユニットの前方位置に配設して、前記遊技盤及び後方構成部材を透かして前記表示ユニットの表示画像を遊技機前方から視認可能に構成したことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記後方構成部材は、前記入賞空間内における左右方向に延在して傾斜するとともに前記可動部材から受け入れられた遊技球が左右方向に流下可能な流下部を備え、該流下部を流下した遊技球が前記一般入賞領域あるいは特別入賞領域のいずれかに入賞するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記流下部の前後幅を遊技球の直径の2倍以上に設定し、該流下部の下流側に前記一般入賞領域および特別入賞領域を前後に並べて配設したことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記遊技盤の前面に遊技球の接触により状態が変化するとともに遊技球の流下方向を変化可能な第1の流下方向変換部材を備え、
前記後方構成部材には、状態の変化により前記流下部を流下する遊技球の流下方向を変化可能な第2の流下方向変換部材を備え、
前記第1の流下方向変換部材と第2の流下方向変換部材を連結して、該第1の流下方向変換部材の状態変換に応じて第2の流下方向変換部材の状態が変換するように構成したことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記遊技盤の裏面における左右方向側方部に、前記後方構成部材に向けてレーザ光を照射可能なレーザ照射装置を配設したことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の遊技機。
【請求項6】
前記遊技盤の裏面上方部であって前記遊技領域の後方位置に、不透明な部材を有する装飾部を設け、
前記前方構成部材の後方に前記変動入賞装置の電気的機能部を、遊技盤の開口部を貫通した状態で該前方構成部材と一体的に備え、
前記電気的機能部が前記装飾部に隣設するように、前記前方構成部材を配設したことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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