説明

遊技機

【課題】発射装置の放出部材の発射方向を、どの方向にでも任意に変えることができるようにして興趣向上や遊技性向上を図り得るようにした遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機1では、発射装置72に備えた放出部材15を、発射操作装置の操作に対応して遊技領域に対し傾動動作するように連動手段を介して連動している。このため、発射操作装置を適宜操作しながら発射操作をするだけで、遊技領域にステージが設けられて奥行きがある場合でも、当該遊技領域のどの方向に対しても自在に遊技球を発射することができ、これにより、興趣が向上し、遊技性が向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機や雀球遊技機等の遊技機に係り、詳しくは、遊技領域の任意の方向に遊技球を打ち出し得るようにした遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機、例えばパチンコ機として、発射ソレノイド及び発射レールを装着したベース板が軸線を中心に回動可能に設けられ、調整摘みを回転操作すると、傘歯車、ピニオンギヤ、ラック等を介して回動し得るように構成された発射装置を備えるものが知られている(特許文献1参照)。このパチンコ遊技機では、発射する遊技球のガイドレールへの突入軌道をレール幅方向で調整することで、遊技盤の奥行き方向での遊技球落下位置が調整可能にされている。
【0003】
また、前面のガラス扉に面する前面遊技領域と、該前面遊技領域の後方に設けられた後面遊技領域と、前面遊技領域に対応して設けられた前面レールと、後面遊技領域に対応して設けられた後面レールと、1つの発射ハンマとを備え、発射方向切替用駆動モータによって発射ハンマの頭部を前面レール又は後面レールに対向した2つの打ち出し位置に変位させるようにしたパチンコ機が知られている(特許文献2参照)。このパチンコ機では、遊技球を打撃する頭部を変位可能にしたことで、1つの発射ハンマを用いて2つの発射レールに対して遊技球を打ち分けている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−177497号公報
【特許文献2】特開2006−122337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載のパチンコ機では、遊技球を打ち出す発射装置において、発射レールのガイドレールに対する角度を変えたり、発射ハンマの頭部の向きを前面レール又は後面レールに変えたりすることで、遊技領域に対する発射方向を変化させることはできるが、変化させ得る方向は限られており、興趣向上或いは遊技性向上の程度には限界があった。
【0006】
そこで本発明は、発射装置の放出部材の発射方向を、どの方向にでも任意に変えることができるようにして興趣向上や遊技性向上を図り得るように構成し、もって上述した課題を解決した遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る本発明は(例えば図1ないし図8参照)、遊技機本体(6,7又は68a,68b)に、遊技領域(35a)を有する遊技盤(35)と、該遊技領域(35a)に遊技球(Ba)を打ち出す発射装置(72)と、該発射装置(72)を操作する発射操作装置(2,115)と、を備えた遊技機(1,67)において、
前記発射装置(72)は、遊技球を打ち出す打出し手段(103)と、該打出し手段(103)により打ち出された遊技球を前記遊技領域(35a)に放出する放出部材(15)と、を有し、
該放出部材(15)は、前記発射操作装置(2,115)の操作に対応して前記遊技領域(35a)に対し傾動動作するように連動手段(106,108,109,118、又は113a,113b,114a,114b)を介して前記発射操作装置(2,115)に連動されてなる、
ことを特徴とする遊技機にある。
【0008】
請求項2に係る本発明は(例えば図1〜図3、図7及び図8参照)、前記発射操作装置(2)が、前記遊技機本体(6,7又は68a,68b)に対して傾動自在な握り部(3)と、該握り部(3)に配置されて前記打出し手段(104)を作動させる発射操作部(5)と、を有し、
前記連動手段(106,108,109,118)は、前記握り部(3)の傾動状態に対応して前記放出部材(15)の傾動状態を変更してなる、
請求項1記載の遊技機にある。
【0009】
請求項3に係る本発明は(例えば図2、図3及び図5参照)、前記連動手段が、前記握り部(3)の傾動状態を検出する検出手段(118)と、前記放出部材(15)を支持する回動自在な放出部材支持部(106)と、該放出部材支持部(106)を回動させる駆動源(108,109)と、を有し、
前記放出部材(15)は、自在に撓む材質からなり、かつその一端部(15d)が前記遊技機本体(6,7又は68a,68b)側に固定された状態で他端部(15a)が前記放出部材支持部(106)の回動動作で傾動されてなる、
請求項2記載の遊技機にある。
【0010】
請求項4に係る本発明は(例えば図8参照)、前記放出部材(15)が、自在に撓む材質からなり、かつその一端部(15d)が前記遊技機本体(6,7又は68a,68b)側に固定された状態で他端部(15a)が自由状態とされ、
前記連動手段は、前記握り部(3)の傾動動作を前記放出部材(15)の前記他端部(15a)に伝達部材(113a,113b,114a,114b)を介して伝達してなる、
請求項2記載の遊技機にある。
【0011】
請求項5に係る本発明は(例えば図1参照)、前記遊技機が、始動入賞口(23)及び一般入賞口(27,28,29)等の遊技部品を前記遊技領域(35a)に備え、前記始動入賞口(23)への入賞を契機として特別遊技状態に移行するか否かの抽選を行うように遊技し得るパチンコ機(1)である、
請求項1ないし4の何れか1項記載の遊技機にある。
【0012】
請求項6に係る本発明は(例えば図7参照)、前記遊技機が、複数の牌種からなる麻雀牌の図柄に対応する複数の入球口(99…)を前記遊技領域(35a)に備え、前記発射装置(72)から該遊技領域(35a)に打ち出された遊技球の前記入球口(99…)への入球で得られた手牌図柄の組合せにより、予め設定された複数の上がり役のうちの少なくとも1つを完成させるように遊技し得る雀球遊技機(67)である、
請求項1ないし4の何れか1項記載の遊技機にある。
【0013】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る本発明によると、発射装置に備えた放出部材を、発射操作装置の操作に対応して遊技領域に対し傾動動作するように連動手段を介して連動したので、発射操作装置を適宜操作しながら発射操作をするだけで、遊技領域に奥行きがある場合であっても、当該遊技領域のどの方向に対しても自在に遊技球を発射することができ、これにより、興趣を向上させ、遊技性を向上させることができる。
【0015】
請求項2に係る本発明によると、発射操作装置が、傾動自在な握り部と、打出し手段を作動させる発射操作部とを有し、連動手段が、握り部の傾動状態に対応して放出部材の傾動状態を変更するので、従来型の回動式発射ハンドルとは異なる操縦桿形式であっても、遊技者に違和感を与えることなく簡便に操作することができる。
【0016】
請求項3に係る本発明によると、自在に撓む材質で放出部材を構成し、その一端部を遊技機本体側に固定した状態で他端部を放出部材支持部の回動動作で傾動するので、検出手段によって検出した握り部の傾動状態に応じて駆動源を駆動するだけで、放出部材の傾動動作を、握り部の動きに対応させることができる。
【0017】
請求項4に係る本発明によると、自在に撓む材質で放出部材を構成し、該放出部材の自由状態の他端部に、伝達部材を介して握り部の傾動動作を伝えるように構成したので、極めて簡単な構造からなるものでありながら、握り部の傾動動作に的確に対応して放出部材を傾動動作させることができる。
【0018】
請求項5に係る本発明によると、遊技機が、始動入賞口への入賞を契機として特別遊技状態に移行するか否かの抽選を行うように遊技し得るパチンコ機であるので、遊技領域内の始動入賞口や一般入賞口を狙って遊技することができ、弾球遊技をより面白くすることができる。
【0019】
請求項6に係る本発明によると、遊技機が、発射装置から打ち出された遊技球の入球口への入球で得られた手牌図柄の組合せで、予め設定された複数の上がり役のうちの少なくとも1つを完成させるように遊技する雀球遊技機であるので、複数の入球口を狙って遊技球を打ち出すように遊技することができ、雀球遊技をより面白くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
<第1の実施形態>
本第1の実施形態では、本発明に係る遊技機を、所謂第1種特別電動役物を使用したパチンコ機として述べるが、本発明はこれに限らず、所謂第2種特別電動役物や所謂第3種特別電動役物等を使用したパチンコ機にも適用可能であることは勿論である。
【0021】
図1は、本第1の実施形態におけるパチンコ機1の外部構造を示す正面図である。本パチンコ機1は、同図に示すように、発射操作装置2の操作による発射装置72(図2参照)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤35の遊技領域35aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たりが発生した状態でアタッカー34に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当たり(「確変当たり」とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。
【0022】
本パチンコ機1は、開口を有する枠体状の筐体6と、遊技盤35を支持した形で筐体6に開閉可能に支持された前扉7とを有しており、前扉7の前面には、透明ガラス9を有するガラス枠10が、前扉7の遊技盤保持枠(図示せず)に対して開閉可能に取り付けられている。透明ガラス9の奥側には、遊技盤35が配設されている。前扉7における遊技盤35の左右には演出用照明装置11が配設されており、前扉7における上部左右、及び下部の皿ユニット16の左右には、スピーカー(図示せず)を有する放音装置12がそれぞれ配設されている。そして、前扉7の上部における放音装置12の間には、演出用照明装置8が配設されている。また、ガラス枠10における中央部右方には、施錠装置13が配設されている。なお、筐体6及び前扉7等から遊技機本体が構成されている。
【0023】
そして、前扉7における下部中央には皿ユニット16が設けられており、該皿ユニット16における右上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口17が設けられ、皿ユニット16における右上部壁面には、球貸ボタン19a及びプリペイドカード返却ボタン19bが設けられている。皿ユニット16の中央下部には、皿ユニット16上の遊技球を下方に排出するための球抜きボタン20が配設されている。また、前扉7における皿ユニット16の右方下部の前壁部88には、発射装置72を操作して、遊技球を遊技盤35に向けて打ち出すための発射操作装置2が設けられている。この発射操作装置2は、遊技機本体に対して傾動自在な握り部3と、該握り部3の上端部に配置されてハンマー104を作動させる発射ボタン(発射操作部)5と、を有している。更に、皿ユニット16の下部左方には灰皿21が配設されている。
【0024】
また、遊技領域35aの略々全域に、該遊技領域35aの一部をなすステージ14が配設されている。該ステージ14は、遊技領域35aの奥方向に膨出して全体的に略々ドーム形状を呈しており、発射装置72から発射された遊技球を受ける上面14aが湾曲状に形成され、かつ該上面14aから流下する遊技球を更に流下させる下面14bが平坦状に形成されている。ステージ14における上面14aと下面14bとが交わる部分には、液晶パネル等からなる図柄表示装置18が配置されている。
【0025】
ステージ14は、上面14aにおける左下側部に、チューリップ状の電動開閉羽根23aと入賞口23bとからなる始動チャッカー(始動入賞口)23が遊技部品として配置されている。下面14bには、一般入賞口27,28,29、アタッカー(大入賞口)34、障害物25,26、及び、普通図柄作動ゲート(スルーゲート)31,32等の遊技部品が配置されている。ステージ14の最下部には、左右から中央部に向かって下降するように傾斜する傾斜面33が形成されており、該傾斜面33の中央部に、ステージ14に打ち出されて流下してきた遊技球を排出するアウト口30が形成されている。本パチンコ機1には、ステージ14において入賞することなく落下してアウト口30に進入した遊技球を遊技盤35の背面側に導くアウト球通路(図示せず)が設けられている。
【0026】
ステージ14の左下部には、操作レバー状(操縦桿状)の発射操作装置2の傾動操作に応じて前後左右に傾動動作すると共に、発射ボタン5の押圧操作に応じて遊技球を、遊技領域35aの一部をなすステージ14に発射する発射装置72が配置されている。発射装置72は、発射ボタン5の押圧操作で放出部材15から遊技球を打ち出す際、当該遊技球の発射速度が略々均一になるように調整されている。例えば、上面14aの左右方向中間における最上部を狙った場合には、放物線を描いて該上面14aを上方から下方に舐めるように接しながら該上面14aを流下し、また、上面14aの左側下部の始動チャッカー23を狙った場合には、打ち出された遊技球が入賞口23bに直接的に跳び込むようになり、そのやや上方を狙った場合には、上面14aを転がりながら上昇し、速度を失った時点から該上面14aを流下するようになる。
【0027】
上記発射操作装置2は、前壁部88にレバー部4を介して連結された握り部3と、該握り部3の上部に設けられた発射ボタン5と、を有しており、握り部3は、前壁部88との平行状態から前方向に約40°の範囲内で、また前壁部88に対して平行で且つ図1のように直立した状態から右方向に約40°の範囲内で、自在に傾動動作し得るように構成されている。発射装置72の放出部材15は、握り部3の傾動動作に対応して前後方向及び左右方向に三次元的に傾動動作し得るように、後述する連動手段を介して連動されている。なお、本実施形態において、放出部材15は管状(円筒状)に構成されているが、管状に限らず、ステージ14に遊技球を支障なく放出できるものであれば、レール状等、他の構造を有するものでも良い。また、図1中の符号3aは、操作者が握り易いように握り部3に形成された凹部を示している。上記握り部3の上記傾動範囲は、上記数値に限定されるものではなく、設計に応じて適宜設定され得るものである。
【0028】
普通図柄作動ゲート31,32は、便宜上、単なる穴として描いているが、始動チャッカー23を開閉動作させるための抽選の契機となる遊技球通過が行われる遊技部品である。始動チャッカー23は、大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われるものであり、電動開閉羽根23aが、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように始動チャッカー開閉ソレノイド70(図5参照)によって作動させられる。該始動チャッカー23の直前方には、所謂命釘としての一対の障害釘(図示せず)が打ち込まれている。一般入賞口27,28,29は、大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる。障害物25,26は、ステージ14に打ち出されて流下してくる遊技球Baを当接させてその転動方向や速度を変化させる。
【0029】
また、アタッカー34は、大当たり発生時に開放され、ステージ14に打ち出されて転動する遊技球Baを入賞させるものであり、大当たり発生中、例えば、1回の開放で10個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を15回繰り返すように構成される。なお、これら入球数並びに開閉動作の回数は、10個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
【0030】
そして、上面14a及び下面14bにおける全域には、発射装置72から発射されて転動する遊技球Baを適宜散らし、或いは入球に導くようにするための多数の障害釘(図示せず)が打ち込まれている。
【0031】
ついで、本パチンコ機1の背面構造について図4を参照して説明する。同図は、本パチンコ機1の背面構造を示す背面図である。
【0032】
図4に示すように、パチンコ機1の前扉7の背面における上部左方には、賞球タンク43が取り付けられており、この賞球タンク43の下方に、副制御基板38、主制御基板48、及び払出し制御基板51がこの順に配置されている。また、前扉背面における上部右方には、外部端子板52が取り付けられており、この外部端子板52の下方に、整列待機通路45、賞球装置46、賞球排出通路47、電源ユニット41、及び発射装置72用の発射制御基板53がこの順に配置されている。パチンコ機1の前扉背面における左側部には、施錠装置13が配設されている。
【0033】
ここで、本発明の特徴である発射装置72の詳細な構造について、図2及び図3を参照して説明する。図2は、遊技球の打ち出し部分を示す正面図、図3は、放出部材15を傾動動作させるための支持構造を示す斜視図である。
【0034】
すなわち、発射装置72は、ロータリソレノイド112(図5も併せて参照)の作動で、矢印A方向に軸104を中心に回転して遊技球を打ち出すハンマー(打出し手段)103と、該ハンマー103により打ち出された遊技球を遊技領域35aのステージ14に放出するための放出部材15と、該放出部材15の一端部15dを遊技機本体側に固定している円筒部101と、皿ユニット16上に貯留された遊技球を該円筒部101に順次供給する球供給部100と、を有している。球供給部100の円筒部101との連結部分には、不図示のソレノイドが配置されており、該ソレノイドの作動により、円筒部101内の遊技球Baが発射される毎に球供給部100から遊技球Baが1個ずつ円筒部101に送られる。なお、符号105は、ハンマー103の先端部分に取り付けられて、打ち出し時のクッションとなるコイルスプリングである。
【0035】
放出部材15は、発射操作装置2の操作に対応して遊技領域35aに対し傾動動作するように、後述する連動手段を介して発射操作装置2に連動されている。放出部材15は、自在に撓む材質からなり、かつその一端部15dが遊技機本体側に固定された状態で他端部15aが放出部材支持部106の回動動作で傾動されるように構成されている。放出部材15は、円筒状の一端部15dや他端部15aと略々同径のコイルスプリング15bを有し、かつ該コイルスプリング15bの外周面がビニール等の可撓性を有するスリーブによって覆われている。これにより、放出部材15は、放出部材支持部106の回動動作に応じてフレキシブルに撓みながら、遊技球を円滑に放出することができる。
【0036】
なお、この構成に代えて、ビニール等の可撓性スリーブを用いずにコイルスプリング15bのみを用いる構成、或いは、コイルスプリング15bを上記よりやや太めに構成しその内周面をビニール等の可撓性スリーブで覆うように構成することもできる。内周面を可撓性スリーブで覆う場合、コイルスプリング15bの凹凸が内周面に露出しないので、遊技球の放出状態がより滑らかになる。また、放出部材15を、可撓性スリーブのみで構成することも可能である。
【0037】
上記連動手段は、握り部3の傾動状態に対応して放出部材15の傾動状態を変更するように構成されており、握り部3の傾動状態を検出する傾動状態検出センサ(検出手段)118(図5参照)と、放出部材15を支持する回動自在な球状の放出部材支持部106と、該放出部材支持部106を回動させる第1及び第2モータ(駆動源)108,109と、を有している。
【0038】
図3に示すように、放出部材支持部106は、内部が中空な球体からなり、その外面106aを、遊技機本体側に固定された半球体状の回動支持部107内に嵌め込んだ状態で、回動自在に支持されている。回動支持部107は、その内面107aと放出部材支持部106の外面106aとの間に介在され、互いに交差する方向の軸121や軸122でそれぞれ回転自在に支持された複数個の回転球体120により、放出部材支持部106を、矢印B方向、矢印C方向を含む全ての方向に回動自在になるように支持している。回転球体120は、摩擦係数があまり高くなく、放出部材支持部106の外面106aを滑り状態で支持し得る硬質のプラスチック等から構成されている。
【0039】
また、放出部材支持部106の上側を向いた面には、放出部材15と略々同径の円形孔106cが貫通形成され、かつ放出部材支持部106の下側を向いた面には、放出部材15より充分に大径の円形孔106bが貫通形成されている。更に、回動支持部107の下側を向いた面には、放出部材15と略々同径の円形孔107dが貫通形成されている。放出部材15は、他端部15aが円形孔106cに嵌合された状態で該円形孔106cに内周面に固定されると共に、一端部15dが円形孔106bと円形孔107dとを貫通した状態で円筒部101(図2参照)に固定されている。
【0040】
回動支持部107は、互いに直交する方向を向くように形成された矩形状の貫通孔107b及び貫通孔107cを有している。遊技機本体側には、第1及び第2モータ108,109のモータ本体108b,109bが固定されており、これらモータ108,109の回転軸108a,109aに固定されたローラ110,111が、貫通孔107b,107cから挿入されて、放出部材支持部106の外面106aにそれぞれ当接されている。ローラ110,111は、それぞれ摩擦係数が比較的高いゴム等の弾性体からなり、外周面に、回転軸108a,109aの軸方向に沿うギザギザ状の凹凸が形成されている。ローラ110,111は、ギザギザ状の凹凸を互いに直交する方向に向けていることで、ローラ110の回転で放出部材支持部106が矢印D方向に回転する際には、ローラ111は外面106aに対して大きな摩擦力は作用させず、また、ローラ111の回転で放出部材支持部106が矢印E方向に回転する際には、これと逆の関係となるように構成される。
【0041】
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の制御系を図5に沿って説明する。なお、同図は本パチンコ機の制御系を示すブロック図である。
【0042】
本制御系は、遊技制御装置54と、該遊技制御装置54に電気的に接続された、始動チャッカー開閉ソレノイド70、アタッカー開閉ソレノイド71、放音装置12、演出用照明装置8,11、図柄表示装置18、発射操作装置2、及び発射装置72と、を備えている。
【0043】
遊技制御装置54は、図4に示した主制御基板48や副制御基板38等から構成されている。主制御基板48は、本パチンコ機1の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機1の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部(図示せず)と、これらのプログラムを実行する不図示のマイクロプロセッサ(MPU)とを備えている。また、副制御基板38は、主に画像表示、効果音等の演出、効果光等の表示制御を行うように構成されている。
【0044】
遊技制御装置54は、入賞判定手段55、入賞信号出力手段56、抽選手段57、遊技制御手段59、保留手段60、作動制御手段61、作動判定手段62、作動決定手段63、演出制御手段64、表示制御手段65、及び発射制御手段66を備えている。
【0045】
入賞判定手段55は、発射操作装置2の操作に応じて作動する発射装置72から発射された遊技球が始動チャッカー23、一般入賞口27,28,29、アタッカー34等の何れかに入賞したとき、当該入賞があった旨を判定する。
【0046】
入賞信号出力手段56は、入賞判定手段55によって入賞が判定されたとき、対応する始動チャッカー23、一般入賞口27,28,29、アタッカー34等に入賞した旨の入賞信号を出力する。
【0047】
抽選手段57は、入賞信号出力手段56からの始動チャッカー23に対応する入賞信号の入力時、最大保留球数(例えば4個)未満での入賞を契機として、次なる大当たりを当選させるまで遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態となる確率変動当たり、及び上記特殊状態とならない通常当たりのうちの何れか一方に当選するように、乱数値を取得して大当たり抽選を実行する。
【0048】
そして、抽選手段57は、大当たり抽選で確変当たりに当選した場合、不図示の演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、確変当たりに対応する「111」、「333」や「777」等の図柄が図柄表示装置18の大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。なお、上記「大当たり有効ライン」は、大当たりを得るため図柄が一列に並ぶべき位置(ライン)を意味する。
【0049】
抽選手段57はまた、抽選手段57での大当たり抽選で通常当たりが当選した場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、通常当たりに対応する「222」、「444」や「888」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。抽選手段57は更に、抽選手段57での大当たり抽選で外れた場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する「252」、「464」や「838」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。
【0050】
遊技制御手段59は、放音装置12、及び演出用照明装置8,11に放音、発光の演出をさせる契機となる指令を演出制御手段64に送る。また、遊技制御手段59は、予め設定された演出データや、抽選手段57での抽選結果に応じて、図柄表示装置18に表示すべき演出内容に関する信号を表示制御手段65に送る。
【0051】
保留手段60は、抽選手段57から出力された変動パターン信号を入力し、変動パターンを、始動チャッカー23への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。当該記憶状況は、大当たり抽選保留表示装置(図示せず)に、最大4個の保留球として点灯表示される。保留手段60は、例えば保留球数Hが0<H<5であるか否かを常時判定している。これにより、保留球数Hが4個表示されている間は、始動チャッカー23への入賞に拘わらず抽選手段57による大当たり抽選は行われない。なお、保留球として点灯表示される保留球数は上記「最大4個」に限らず、例えば3個以下、又は5個以上として適宜設定することも可能である。
【0052】
作動制御手段61は、作動決定手段63の作動開始決定の旨の信号に基づき、始動チャッカー開閉ソレノイド70に駆動信号を送って該ソレノイド70を作動させ、始動チャッカー23を開放又は閉塞動作させる。更に作動制御手段61は、アタッカー開閉ソレノイド71に駆動信号を送って該ソレノイド71を作動させ、抽選手段57での抽選による大当たり発生時にアタッカー34を開放して所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返すように制御する。
【0053】
作動判定手段62は、始動チャッカー開閉ソレノイド70及びアタッカー開閉ソレノイド71を作動させるための条件を満たすか否かを判定する。つまり、始動チャッカー開閉ソレノイド70にあって、始動チャッカー23の開閉の「条件を満たす」時とは、抽選手段57の大当たり抽選とは別途行われる抽選で当選した場合である。アタッカー開閉ソレノイド71にあって、アタッカー34の開放の「条件を満たす」時とは、所謂リーチ(所謂スーパーリーチ、ノーマルリーチを含む)の状態から3つの同じ図柄が大当たり有効ライン上で揃って大当たりが発生した場合であり、アタッカー34の閉塞の「条件を満たす」時とは、大当たり発生時における全ての入賞を完了した場合である。
【0054】
作動決定手段63は、作動判定手段62からの判定信号を受けて、始動チャッカー開閉ソレノイド70、アタッカー開閉ソレノイド71の作動開始を夫々に決定する。
【0055】
演出制御手段64は、遊技制御手段59からの指令に応答して、放音装置12を放音駆動し、演出用照明装置8,11を発光させ、遊技者の聴覚や視覚に訴える演出を行う。
【0056】
表示制御手段65は、遊技制御手段59からの信号に従って、図柄表示装置18を駆動し、大当たり抽選結果を中心とした内容等の演出を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。
【0057】
発射制御手段66は、発射操作装置2が操作されて発射ボタン5が押圧された際、該発射ボタン5から送信された操作信号に応答して、発射装置72に備えたロータリソレノイド112を作動させてハンマー104を回転駆動し、一定の時間間隔(例えば0.6秒間隔)で遊技球を打ち出し、放出部材15から遊技領域35aのステージ14に順次発射する。
【0058】
また、始動チャッカー開閉ソレノイド70は、作動制御手段61から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、始動チャッカー23の電動開閉羽根23aを開閉動作させる。アタッカー開閉ソレノイド71は、作動制御手段61から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させてアタッカー34を開閉動作させる。
【0059】
発射操作装置2は、発射ボタン5と、傾動状態検出センサ118と、を有している。発射ボタン5は、押圧操作されると、発射制御手段66に操作信号を出力する。また、傾動状態検出センサ118は、握り部3の前壁部88に対する傾動を、レバー部4に接して互いに直交するX軸、Y軸方向の2本のシャフト(図示せず)の回転に置き換え、これらシャフトの回転量から移動方向と移動量(つまり、傾動状態)を検出する。シャフトの回転数の検出は、シャフトに設けた光学式ロータリエンコーダを使用して行い、単位時間当たりの遮光回数を計測して回転量を検出し、X軸側とY軸側の回転量を合成することで、移動量と移動方向を割り出す。なお、放出部材15を、握り部3の傾動方向に拘わらず周期的に傾動動作するように連動させることも可能である。その場合、握り部3の例えば右方向への傾動に応じて、発射ボタン5を押した際の打出し力が強くなるように構成することもできる。
【0060】
発射装置72は、第1及び第2モータ108,109と、ロータリソレノイド112と、傾動状態検出センサ119と、を有している。第1及び第2モータ108,109は、いずれもステッピングモータからなり、発射制御手段66から受信したパルス信号に従い、所要の角度だけ回転駆動するように構成されている。傾動状態検出センサ119は、傾動状態検出センサ118と同様の構造からなるもので、放出部材支持部106の回動支持部107に対する傾動を、放出部材支持部106に接して互いに直交するX軸、Y軸方向の2本のシャフト(図示せず)の回転に置き換え、当該回転量から移動方向と移動量(つまり、傾動状態)を検出する。
【0061】
次に、本パチンコ機1による作用について、図6のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。
【0062】
すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射操作装置2の握り部3を把持して傾動操作しつつ発射ボタン5を押圧すると(ステップS1)、発射制御手段66が、握り部3の傾動状態に対応した傾動状態となっている発射装置72においてロータリソレノイド112を作動させ、遊技球を所定の時間間隔で連続的に発射させる。すると、遊技領域35aのステージ14に打ち出される遊技球は、飛ぶ方向やタイミングにより始動チャッカー23に入賞し、或いは、上面14aに当たって流下する際に一般入賞口27,28,29に入賞する。または、これらに関与せずに流下し、ステージ14最下部のアウト口30から遊技盤35の背面側に排出される。
【0063】
ところで、上述したように始動チャッカー23や一般入賞口27,28,29の何れかに遊技球Baが入賞した場合、入賞判定手段55が当該入賞を判定し、且つ入賞信号出力手段56が入賞信号を出力する(ステップS2)。この際、保留手段60は、保留球数を常時判定しており、0<H<5を満たすと判定したときは、保留している変動パターンに係る信号を、遊技制御手段59を介して表示制御手段65に順次送信し、図柄変動禁止フラグをオンすると共に、図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段60は、当該保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、抽選手段57で行われる始動チャッカー23への入賞に応じた大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
【0064】
そして、ステップS3において、大当たり抽選で当選した場合、抽選手段57が当たりフラグをオンすると、抽選手段57が、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、大当たりの種別、つまり確変当たり又は通常当たりに対応する変動パターンを決定する。
【0065】
これにより、ステップS4において、図柄表示装置18に表示されるべき当たり図柄がセットされ、抽選手段57は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、当該変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
【0066】
一方、ステップS3において大当たり抽選で外れた場合には、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定される。これにより、図柄表示装置18に表示される外れ図柄がセットされ、抽選手段57は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、図柄変動禁止フラグをオンし、図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
【0067】
以上のようにして、遊技制御手段59が、図柄表示装置18に表示すべき演出内容に関する信号を、表示制御手段65に送信することに基づき、表示制御手段65は、図柄表示装置18を適時駆動し、大当たり抽選結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示することとなる(ステップS5)。
【0068】
そして、図柄表示装置18の画面上に表れた抽選結果が大当たり決定である場合、作動制御手段61は、作動決定手段63の作動開始決定の旨の信号に基づき、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド71に駆動信号を送り、当該ソレノイド71を作動させてアタッカー34を開放し、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返させる。これにより、アタッカー34に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が球供給口17から皿ユニット16に払い出されることとなる(ステップS6)。
【0069】
以上説明したように、第1実施形態では、発射装置72に備えた放出部材15を、発射操作装置2の操作に対応して遊技領域35aに対し傾動動作するように連動手段を介して連動している。このため、発射操作装置2を適宜操作しながら発射操作をするだけで、遊技領域35aにステージ14が設けられて奥行きがある場合でも、当該遊技領域35aのどの方向に対しても自在に遊技球を発射することができる。これにより、興趣が向上し、遊技性が向上できる。
【0070】
また、本実施形態においては、発射操作装置2が、傾動自在な握り部3と、ハンマー104を作動させる発射ボタン5とを有し、上記連動手段が、握り部3の傾動状態に対応して放出部材15の傾動状態を変更するので、従来型の回動式発射ハンドルとは異なる操縦桿形式であっても、遊技者に違和感を与えることなく簡便に操作できる。更に、自在に撓む材質で放出部材15を構成し、その一端部15dを遊技機本体側に固定した状態で他端部15aを放出部材支持部106の回動動作で傾動するので、傾動状態検出センサ118によって検出した握り部3の傾動状態に応じて第1及び第2モータ108,109を駆動するだけで、放出部材15の傾動動作を、握り部3の動きに確実に対応させることができる。
【0071】
また、本実施形態では、本発明に係る遊技機をパチンコ機1に適用したので、遊技領域35a内の始動チャッカー23や一般入賞口27,28,29を三次元的に狙って遊技することができ、これにより、弾球遊技がより面白くされている。
【0072】
<第2の実施形態>
ついで、本発明に係る遊技機を雀球遊技機に適用した第2の実施形態について説明する。図7は、第2の実施形態における雀球遊技機67を示す斜視図である。
【0073】
図7に示すように、雀球遊技機67は、筐体68b及び該筐体68bに開閉可能に支持された前扉68a等からなる遊技機本体の前面部に、遊技領域35a、操作パネル74、該操作パネル74の右側下部の前壁部98に位置する発射操作装置2、メダル受け皿91、音声や効果音(以下、一括して音声という)を出力する放音装置90、ランプ装置85を有している。なお、符号86はメダル投入部を、符号87はリジェクトボタンを、符号89は、画像表示装置75上に表示される手牌としての麻雀牌図柄を捨て牌操作等するための操作ボタンを、それぞれ示している。
【0074】
遊技領域35aには、ステージ14の上面14a及び下面14bの双方が湾曲状に形成されたステージ14が配置されている。そして、該ステージ14の下部には、複数の牌種からなる麻雀牌の図柄に対応する複数の入球口99…が配設されている。これら入球口99…には、「一萬」、「二萬」、「三萬」というように、所要の麻雀牌図柄が順次表示されている。また、ステージ14には、入球口99…のうちの定められたものに対して直接的に遊技球を導く複数の導入口92,93,94,95,96,97が形成されている。
【0075】
このような雀球遊技機67では、遊技領域35aに打ち出された遊技球の入球口99への入球で得られた手牌図柄の組合せにより、予め設定された複数の上がり役のうちの少なくとも1つを完成させるように遊技される。
【0076】
本雀球遊技機67においても、前述したパチンコ機1と同様、発射操作装置2の発射ボタン5を押込み操作しつつ握り部3を傾動操作することで、発射装置72の放出部材15の遊技領域35a(即ち、ステージ14)に対する角度を変更しながら遊技球を打ち出す。これにより、上面14aに当てて流下させ、導入口92〜97の何れかを介して入球口99…に入球させ、或いは、上面14a及び下面14bを流下させて入球口99…に入球させて、雀球遊技を進める。
【0077】
本雀球遊技機67によっても、前述したパチンコ機1の場合と略々同様の効果を得ることができると共に、複数の入球口99…を三次元的に狙って遊技球を打ち出すように遊技できることで、雀球遊技がより面白くなる。
【0078】
なお、以上説明した第1及び第2実施形態では、図3で説明したように、放出部材15の傾動状態を第1及び第2モータ108,109の作動で調節したが、これに限らず、ワイヤを介して放出部材15の傾動状態を調節するように構成することもできる。
【0079】
すなわち、図8に示すように、前述と同じ材質からなり、同様の構成を有する放出部材15を、その一端部15dを遊技機本体側に固定した状態で、自由状態の他端部15aにワイヤ(連動手段、伝達部材)113a,113b,114a,114bを介して握り部3の傾動動作を伝えるように構成する。これにより、極めて簡単な構造を有しながらも、握り部3の傾動動作に的確に対応して放出部材15を傾動動作させ得る構造が得られる。
【0080】
ここで、図9を参照して、放出部材や発射操作装置の変形例について説明する。同図(a)は、円筒部との連結部である放出部材の一端部を変形した変形例を示す正面図、同図(b)は、発射操作装置の変形例を示す正面図である。
【0081】
すなわち、円筒部101との連結部である一端部15’dを、図9(a)に示すように、下方に広がるような所謂ラッパ状にした放出部材15’として構成することもできる。この場合、ラッパ状の一端部15’dは、その内周面15’eの内径が円筒部101の外径より大きく構成されており、当該放出部材15’の他端部が図3のように放出部材支持部106に支持された状態で該支持部106とともに傾動するとき、ラッパ状の一端部15’dが円筒部101に対する連通状態を維持したままで傾動動作できる。このようにすると、放出部材15’をフレキシブルに構成しなくても、当該放出部材15’の円滑な傾動動作を実現することができる。
【0082】
また、前述の第1及び第2実施形態では、握り部3を有する発射操作装置2で発射装置72を操作したが、これに代えて、図9(b)に示すような十字キーを用いて発射装置72を操作するように構成することも可能である。当該十字キーを用いる発射操作装置115は、皿ユニット16の左下部(図1参照)や操作パネル74の左下部(図7参照)等に、互いに直交する方向に向いてそれぞれに押圧操作し得るキースイッチ116a,116b,117a,117bを配置することになる。そして、皿ユニット16の右下部(図1参照)や操作パネル74の右下部(図7参照)にある発射操作装置2を、従来のパチンコ機の発射ハンドルに代えれば、右手で該発射ハンドルを回動して放出部材15から遊技球を発射しつつ、左手でキースイッチ116a,116b,117a,117bを適宜操作して放出部材15の発射方向を変えるように操作することができる。
【0083】
なお、前述の第1及び第2実施形態では、発射操作装置2の発射ボタン5の操作で遊技球を自動的に発射するように構成されていたが、これに限らず、例えば発射ボタン5を無くした握り部3を、皿ユニット16の左下部(図1参照)や操作パネル74の左下部(図7参照)に配置すると共に、手動式の発射レバーを、皿ユニット16の右下部や操作パネル74の右下部に配置すれば、握り部3の操作で発射方向を変えつつ発射レバーの操作で1球ずつ遊技球を打ち出すように遊技することが可能になる。また、前述の第1及び第2実施形態において、遊技領域全体をステージ14で構成することも可能である。
【0084】
以上、本発明をその好適な実施形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態及び変形例の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態及び変形例の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明に係る第1の実施形態におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図である。
【図2】遊技球の打ち出し部分を示す正面図である。
【図3】放出部材を傾動動作させるための支持構造を示す斜視図である。
【図4】本実施形態におけるパチンコ機の背面構造を示す背面図である。
【図5】本パチンコ機の制御系を示すブロック図である。
【図6】本パチンコ機の作用を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明に係る第2の実施形態における雀球遊技機の外部構造を示す斜視図である。
【図8】同図(a),(b)は、放出部材を傾動動作させるための変形例を示す斜視図である。
【図9】同図(a)は、円筒部との連結部である放出部材の一端部を変形した変形例を示す正面図、同図(b)は、発射操作装置の変形例を示す正面図である。
【符号の説明】
【0086】
1,67 遊技機(パチンコ機、雀球遊技機)
2,115 発射操作装置
3 握り部
5 発射操作部(発射ボタン)
6,7 遊技機本体(筐体、前扉)
15 放出部材
15a 放出部材の他端部
15d 放出部材の一端部
23 始動入賞口(始動チャッカー)
27,28,29 一般入賞口
35 遊技盤
35a 遊技領域
68a,68b 遊技機本体(前扉、筐体)
72 発射装置
99 入球口
103 打出し手段(ハンマー)
106 連動手段(放出部材支持部)
108,109 連動手段、駆動源(第1及び第2モータ)
113a,113b,114a,114b 連動手段、伝達部材(ワイヤ)
118 連動手段、検出手段(傾動状態検出センサ)
Ba 遊技球

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機本体に、遊技領域を有する遊技盤と、該遊技領域に遊技球を打ち出す発射装置と、該発射装置を操作する発射操作装置と、を備えた遊技機において、
前記発射装置は、遊技球を打ち出す打出し手段と、該打出し手段により打ち出された遊技球を前記遊技領域に放出する放出部材と、を有し、
該放出部材は、前記発射操作装置の操作に対応して前記遊技領域に対し傾動動作するように連動手段を介して前記発射操作装置に連動されてなる、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記発射操作装置は、前記遊技機本体に対して傾動自在な握り部と、該握り部に配置されて前記打出し手段を作動させる発射操作部と、を有し、
前記連動手段は、前記握り部の傾動状態に対応して前記放出部材の傾動状態を変更してなる、
請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記連動手段は、前記握り部の傾動状態を検出する検出手段と、前記放出部材を支持する回動自在な放出部材支持部と、該放出部材支持部を回動させる駆動源と、を有し、
前記放出部材は、自在に撓む材質からなり、かつその一端部が前記遊技機本体側に固定された状態で他端部が前記放出部材支持部の回動動作で傾動されてなる、
請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記放出部材は、自在に撓む材質からなり、かつその一端部が前記遊技機本体側に固定された状態で他端部が自由状態とされ、
前記連動手段は、前記握り部の傾動動作を前記放出部材の前記他端部に伝達部材を介して伝達してなる、
請求項2記載の遊技機。
【請求項5】
前記遊技機は、始動入賞口及び一般入賞口等の遊技部品を前記遊技領域に備え、前記始動入賞口への入賞を契機として特別遊技状態に移行するか否かの抽選を行うように遊技し得るパチンコ機である、
請求項1ないし4の何れか1項記載の遊技機。
【請求項6】
前記遊技機は、複数の牌種からなる麻雀牌の図柄に対応する複数の入球口を前記遊技領域に備え、前記発射装置から該遊技領域に打ち出された遊技球の前記入球口への入球で得られた手牌図柄の組合せにより、予め設定された複数の上がり役のうちの少なくとも1つを完成させるように遊技し得る雀球遊技機である、
請求項1ないし4の何れか1項記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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