説明

遊技機

【課題】図柄表示装置の視認性低下を防止しつつ、枠状装飾体に形成した球通路を転動する遊技球の残留を防止する。
【解決手段】遊技領域を流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞装置と、該特別入賞装置に入賞したパチンコ球が転動する球案内通路94と、球案内通路94の下流端側に設けられて球回収部に連通し、球案内通路94を転動したパチンコ球が流入可能な第1の球回収通路と、球案内通路94と図柄表示装置との間に揺動可能に配設され、回転軸から一方側へ傾倒した第1位置および回転軸から他方側へ傾倒した第2位置の間を移動する可動部材70と、第1位置にある可動部材70の前側に設けられ、球回収部に連通する第2の球回収通路RB2と、球案内通路94と図柄表示装置との間に設けられて球回収部に連通し、第2位置にある可動部材70が収容される第3の球回収通路RB3とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤に設けられた遊技領域を遊技球が流下することで遊技が行なわれる遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やアレンジボール機等の遊技機では、機内にセットされる遊技盤の盤面に画成した遊技領域の略中央位置に枠状装飾体が配設されており、この枠状装飾体の開口部を介して複数の図柄を変動表示して図柄変動演出を行なう液晶式やドラム式等の図柄表示装置を後方から臨ませると共に、該遊技盤における枠状装飾体の下方位置に、パチンコ球(遊技球)の入賞により図柄表示装置での変動を開始させる始動入賞装置を配設するよう構成したものが多数提案されている。すなわち、この種の遊技機では、前記遊技領域に打ち出されたパチンコ球が前記始動入賞装置に入賞することにより、前記図柄表示装置で図柄変動演出に伴うリーチ演出等の各種の遊技演出がなされ、該図柄表示装置に図柄が所定の組合わせで停止すると、遊技者に有利な所謂大当りが発生するようになっている。
【0003】
このように、大当りが発生するためには、前記始動入賞装置へのパチンコ球の入賞が必要とされることから、遊技者は、前記図柄表示装置での図柄変動演出と同様に、始動入賞装置へのパチンコ球の入賞にも大きな関心を持って遊技を楽しんでいる。そこで、前記枠状装飾体にパチンコ球が左右方向に転動可能な球通路を前側から視認可能に設けて、遊技領域を流下するパチンコ球を球通路に受け入れて、該球通路上で転動させた後に遊技領域へ排出させることで、パチンコ球の動きに対する遊技者の興味を高めるよう構成されたパチンコ機も多数提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、前記枠状装飾体に、パチンコ球が転動する転動面が上下に起伏する波状に湾曲したステージ(球通路)が形成されている。このステージには、左右方向中央に位置する上方に盛り上がった隆起状部分に後方へ向けて傾斜した第1傾斜部が形成されると共に、該隆起状部分の左右両側に位置する窪み状部分に、前方へ傾斜した第2傾斜部が形成されている。前記第1傾斜部は、前記始動入賞装置の直上方で開口する球通路に連通すると共に、前記第2傾斜部は、始動入賞装置の左右側方に位置するよう形成され、該第1傾斜部から球通路に移動したパチンコ球は始動入賞装置に高確率で入賞する一方、第2傾斜部から排出されたパチンコ球は始動入賞装置に入賞し難くなるよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−54140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年では、前記枠状装飾体に所要動作を行なう可動部材を設けて、前記図柄表示装置での図柄変動演出に合わせて可動部材を動作させることにより演出効果を向上させるよう構成されたパチンコ機が多数提案されている。例えば、前述した特許文献1には、前記枠状装飾体の上方位置に大型の可動部材が配設されている。しかしながら、特許文献1のように、ステージの形成位置と可動部材の配設位置とが離れていると、遊技者の注意が分散され、ステージを形成したことによる効果と可動部材を配設したことによる効果が夫々低下してしまう欠点が指摘される。すなわち、可動部材に遊技者の注意が惹き付けられている場合には、ステージ上を転動するパチンコ球に対する遊技者の注意が薄れてしまい、反対に、ステージ上を転動しているパチンコ球に遊技者の注意が惹き付けられている場合には、可動部材に対する遊技者の注意が薄れる。このため、ステージ上を転動するパチンコ球の動きと、可動部材の動きとの相乗的な演出効果はあまり期待し得ないものとなっていた。
【0007】
また、ステージ上を転動するパチンコ球と可動部材とを近接させることで、パチンコ球の動きと可動部材の動きとの相乗的な演出効果を期待し得るものの、パチンコ球がステージから外れて可動部材の可動領域に進入すると、パチンコ球がそのまま滞留して見栄えが低下するばかりでなく、可動部材の動作不良を招来することにも繋がるため、ステージと可動体との間に透明な仕切り部材が配設されている。しかしながら、図柄表示装置に重なるよう仕切り部材が位置するため、パチンコ球の接触等により生じた擦り傷や汚れの付着等により仕切り部材の透明度が低下し、図柄表示装置の視認性が低下に繋がっていた。
【0008】
すなわち本発明は、従来の技術に係る遊技機に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、枠状装飾体に形成した球通路を転動する遊技球の滞留を防止すると共に、図柄表示装置の視認性低下を防止可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る遊技機は、
遊技球が流下可能な遊技領域(23)を画成した遊技盤(20)に、前後に開口する枠状装飾体(90)が設けられると共に、該遊技盤(20)の裏側に、図柄を変動表示可能な図柄表示装置(17)が配設されて、該図柄表示装置(17)が枠状装飾体(90)の開口部を介して後方から臨み、機裏側には遊技盤(20)に打ち出された遊技球を回収する球回収部が設けられた遊技機において、
前記枠状装飾体(90)に設けられ、前記図柄表示装置(17)での図柄の変動結果に応じて入賞口(93a)が開放して前記遊技領域(23)を流下する遊技球が入賞可能な入賞装置(93)と、
前記枠状装飾体(90)の開口内縁に設けられて前記入賞装置(93)に連通し、該入賞装置(93)に入賞した遊技球が前側から視認可能な状態で転動する球案内通路(94)と、
前記球案内通路(94)における前記入賞装置(93)から離間した下流端側に設けられて前記球回収部に連通し、球通入口(102a)を介して球案内通路(94)を転動した遊技球が流入可能な第1の球回収通路(RA)と、
前記球案内通路(94)と図柄表示装置(17)との間に揺動可能に配設され、回転軸から一方側へ傾倒した第1位置および回転軸から他方側へ傾倒した第2位置の間を移動する可動部材(70)と、
前記球案内通路(94)と図柄表示装置(17)との間に設けられると共に、該球案内通路(94)に対して壁部(95a)により区画され、前記第1位置にある前記可動部材(70側に到来した遊技球を前記球回収部に案内する第2の球回収通路(RB2)と、
前記球案内通路(94)と図柄表示装置(17)との間に設けられて前記第2位置にある前記可動部材(70)が収容されると共に、該球案内通路(94)に対して壁部(95a,98b)により区画され、該第2位置にある可動部材(70)側に到来した遊技球を前記球回収部に案内する第3の球回収通路(RB3)とを備え、
前記球案内通路(94)から遊技球が可動部材(70)側に移動した際には、前記第2の球回収通路(RB2)および第3の球回収通路(RB3)を介して遊技球を前記球回収部に案内するよう構成されたことを要旨とする。
【0010】
このように、入賞装置に入賞した遊技球が通過する球案内通路を枠状装飾体の開口内縁に形成すると共に、該球案内通路と図柄表示装置との間に可動部材を配設したことで、球案内通路上を転動する遊技球の動きに遊技者の注意を惹き付けつつ、可動部材の動きに対しても遊技者の注意を惹き付けることができる。球案内通路を転動する遊技球が可動部材側に零れたとしても、第2の球回収通路および第3の球回収通路を介して遊技球を球回収部に回収できるから、可動部材の配設領域に遊技球が滞るのを防止できる。また、可動部材の配設領域と球案内通路とを区画する仕切り部材を設ける必要がないから、図柄表示装置の視認性低下を防止できる。
【0011】
請求項2に係る遊技機は、前記第1の球回収通路(RA)は、前記球案内通路(94)の下流端部から離間するよう設けられて、該第1の球回収通路(RA)と球案内通路(94)の下流端部との間に、第1の球回収通路(RA)の球通入口(102a)を開閉可能な別の可動体(120)を有する演出装置(110)が配設されると共に、前記球案内通路(94)に対して経路途中から分岐するよう接続する球排出通路(RB1)が形成され、
前記球案内通路(94)において前記入賞装置(93)から球排出通路(RB1)との分岐位置までの領域と前記図柄表示装置(17)との間に前記第2の球回収通路(RB2)が設けられ、該球排出通路(RB1)と図柄表示装置(17)との間に前記第3の球回収通路(RB3)が設けられたことを要旨とする。
このように、入賞装置に入賞した遊技球が通過する球案内通路を枠状装飾体の開口内縁に形成すると共に、該球案内通路の下流端部に、当該球案内通路を転動した遊技球が通過可能な球通入口を備えた第1の球回収通路を設けたことで、入賞装置に入賞した遊技球を利用した演出が可能となる。このとき、前記球案内通路や演出装置が、図柄表示装置が臨む枠状装飾体の開口内縁に位置することになるから、図柄表示装置で行なわれる演出や球案内通路を転動する遊技球の動き、演出装置における別の可動体の動作を、視線を大きく移動することなく視界に捉えることができる。また、図柄表示装置が臨む枠状装飾体に入賞装置を配設することで、入賞装置への遊技球の入賞状況を直接目視する際の視線移動も少なくできる。そして、前記演出装置に接触して弾かれた遊技球が可動部材側に移動したとしても、第2の球回収通路や第3の球回収通路を介して遊技球を排出できるから、可動部材の動作領域に遊技球が滞るのを防止できる。
【0012】
請求項3に係る遊技機は、前記第1の球回収通路(RA)には、該第1の球回収通路(RA)の球通入口(102a)を通過した遊技球を検出可能な球検出手段(106)が設けられて、前記球排出通路(RB1)、第2の球回収通路(RB2)および第3の球回収通路(RB3)の夫々が、前記球検出手段(106)による遊技球の検出位置よりも下流側で第1の球回収通路(RA)に接続するよう構成されたことを要旨とする。
このように、球通入口を介して球回収通路に流入した遊技球を球検出手段で検出するよう構成したことで、球通入口を通過して第1の球回収通路に流入した遊技球と、球排出通路や第2および第3の球回収通路を介して排出された遊技球とを区別可能になる。これにより、可動体が開放したタイミングで演出装置まで到達した遊技球が球通入口を通過して第1の球回収通路を流下した場合に限った遊技演出(例えば効果音や図柄表示装置における表示)を行なうことができ、球案内通路を転動する遊技球や可動体の開閉動作に対する注意を高め、遊技の興趣の向上を図り得る。
【0013】
請求項4に係る遊技機は、前記遊技盤(20)は、前記遊技領域(23)が画成された透明板(21)と、該透明板(21)の裏側に設けられて前記図柄表示装置(17)が配設される裏部材(35)とから構成され、
前記透明板(21)に前記枠状装飾体(90)が設けられて前記球案内通路(94)が形成されると共に、前記裏部材(35)に前記可動部材(70)が配設されて、前記第2の球回収通路(RB2)の側端部には、前記透明板(21)と裏部材(35)との間への遊技球の進入を規制する規制部(92a)が設けられていることを要旨とする。
このように、規制部を形成することで、第2の球回収通路に流入した遊技球が、透明板と裏部材との間に進入するのを防止でき、該第2の球回収通路に流入した遊技球を球回収部に確実に排出することができる。
【0014】
請求項5に係る遊技機は、前記演出装置(110)における別の可動体(120)の下方には、前記第1の球回収通路(RA)に連通する第4の球回収通路(RB4)が形成されたことを要旨とする。
これにより、第1の球回収通路の球通入口を別の可動体が閉鎖している状態で球案内通路を転動した遊技球が、別の可動体の下方位置に滞るのを防止できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る遊技機によれば、図柄表示装置の視認性を低下させることなく枠状装飾体に形成した球通路を転動した遊技球の残留を効率的に阻止し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例に係るパチンコ機を示す正面図である。
【図2】実施例に係るパチンコ機の遊技盤を示す正面図である。
【図3】実施例に係る遊技盤の分解斜視図である。
【図4】実施例に係る遊技盤の裏ユニットを示す正面図であって、可動演出装置、球排出装置および装飾部材の一部を取り付けた状態で示す。
【図5】実施例に係る可動演出装置を示す正面図であって、可動部材が初期位置にある状態を実線で示し、可動部材が可動位置にある状態を2点鎖線で示す。
【図6】実施例に係る可動演出装置の分解斜視図である。
【図7】実施例に係る区画部材を示す斜視図であって、(a)は正面側から視た状態を示し、(b)は背面側から視た状態を示す。
【図8】実施例に係る可動演出装置を、可動部材を取り外した状態で示す正面図である。
【図9】実施例に係る可動演出装置の可動部材の動作を示す背面図であって、(a)は可動部材が初期位置にある状態を示し、(b)は可動部材が可動位置にある状態を示す。
【図10】実施例に係る可動部材と、第1および第2反射部材と、透明部材との関係を正面側から視た状態で示す分解斜視図である。
【図11】実施例に係る可動部材と、第1および第2反射部材と、透明部材との関係を背面側から視た状態で示す分解斜視図である。
【図12】(a)は、可動部材の正面図であり、(b)は、可動部材に第1反射部材を取り付けた状態で示す背面図であって、(c)は、(a)に示すA−A線断面図である。
【図13】実施例に係る可動部材と、第1および第2反射部材と、透明部材とを分解して示す断面図である。
【図14】実施例に係る第2可動部材を拡大して示す断面図である。
【図15】実施例に係る第1反射面と第1のLEDとの関係を、可動部材の回転位置の関係で示す要部拡大図であって、可動部材が初期位置にある状態を2点鎖線で示す。
【図16】実施例に係る第1反射面と第1のLEDとの関係を、可動部材の回転位置の関係で示す要部拡大図であって、可動部材が可動位置にある状態を2点鎖線で示す。
【図17】実施例に係る第1反射面と第1のLEDとの関係を、可動部材の回転位置の関係で示す要部拡大図であって、可動部材が初期位置と可動位置との中間位置にある状態を2点鎖線で示す。
【図18】実施例に係る第1反射面と第1のLEDとの関係を、可動部材の回転位置の関係で示す要部拡大図であって、第1反射面が仕切り壁と前後に重なる位置に可動部材が回転した状態を2点鎖線で示す。
【図19】実施例に係る可動部材が初期位置と可動位置との中間位置にある状態で縦断した要部拡大断面図である。
【図20】実施例に係る枠状装飾体の正面図である。
【図21】実施例に係る枠状装飾体を正面側から視た状態で示す斜視図である。
【図22】(a)は実施例に係る枠状装飾体における球案内通路の排出球演出領域を示す平面図であって、(b)は(a)に示した球案内通路と、可動演出装置と、第1および第2の装飾部材との関係を概略で示す平面図である。
【図23】実施例に係る枠状装飾体の球案内通路と排出球演出装置との関係を示す要部拡大斜視図であって、該球案内通路の下流端部から放出されたパチンコ球が排出球演出装置の球通過口を介して球回収通路を流下する状態を表す。
【図24】実施例に係る枠状装飾体の球案内通路と排出球演出装置との関係を示す要部拡大斜視図であって、該球案内通路の下流端部から放出されたパチンコ球が排出球演出装置の第1の可動体に接触して跳ね返される様子を表す。
【図25】実施例に係る裏ユニットに枠状装飾体のみを重ねた状態を示す要部拡大正面図であって、球案内通路の下流端部から放出されたパチンコ球が球回収通路および第1の球排出通路を介して排出される様子を表す。
【図26】実施例に係る排出球演出装置を通路形成部材に組み付けた状態を示す斜視図である。
【図27】実施例に係る排出球演出装置の分解斜視図である。
【図28】実施例に係る排出球演出装置の要部を示す分解斜視図である。
【図29】実施例に係る排出球演出装置の動作を示す説明図であって、(a)は第1の可動体が閉鎖位置にある状態を示し、(b)は第1の可動体が開放位置にある状態を示す。
【図30】実施例に係る排出球演出装置を組み付けた通路形成部材を裏ユニットに取り付けると共に、該通路形成部材を縦断した状態を示す斜視図である。
【図31】実施例に係る排出球演出装置の第1の可動体の動作を示す説明図であって、(a)は作動部材が原位置に位置すると共に第1の可動体が閉鎖位置に位置する状態を示し、(b)は作動部材の回転に伴って第1の可動体が開放位置に変位した状態を示し、(c)は作動部材が原位置に位置した状態で第1の可動体に作用した外力により第1の可動体が揺動する状態を示す。
【図32】実施例に係る通路形成部材を示す正面図である。
【図33】実施例に係る排出球演出装置と、通路形成部材と、第2の装飾部材との関係を示す正面図である。
【図34】実施例に係る第1の装飾部材および第2の装飾部材を示す斜視図である。
【図35】実施例に係る第1の装飾部材および第2の装飾部材を示す背面図である。
【図36】実施例に係る可動演出装置と、第1の装飾部材に形成される湾曲面部と、第2の装飾部材に設けられる第3の球通路および傾斜案内片との関係を正面から視た状態で示す説明図である。
【図37】実施例に係る可動演出装置と、第1の装飾部材に形成される湾曲面部と、第2の装飾部材に設けられる第3の球通路と、枠状装飾体の球誘導路との関係を示す斜視図である。
【図38】実施例に係る第2の装飾部材と通路部材とを分解した状態で示す斜視図である。
【図39】実施例に係る第2の装飾部材を正面側から視た状態で示す斜視図である。
【図40】変更例に係る可動部材が初期位置と可動位置との中間位置にある状態で縦断した要部拡大断面図である。
【図41】変更例に係る可動部材が初期位置と可動位置との中間位置にある状態で縦断した要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行なうパチンコ機10を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
【実施例】
【0018】
(パチンコ機について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、後述する遊技盤20(図2または図3参照)を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に対して、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板(図示せず)を備えた装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられており、該操作ハンドル16の操作により打球発射装置が作動することで、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
【0019】
(遊技盤20について)
前記中枠12の遊技盤保持部に配設される前記遊技盤20は、図2〜図3に示すように、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材からなる平板状の透明板21と、該透明板21の後面に組み付けられると共に裏側に前記図柄表示装置17が着脱可能に配設される不透明な合成樹脂材で形成された裏ユニット35とから構成され、該裏ユニット35に形成された前後に開口する開口部35a(図3または図4参照)を介して図柄表示装置17を前面側から視認し得るよう構成されている。ここで、裏ユニット35に形成される開口部35aは、該裏ユニット35の上下および左右幅の大部分が開口する大型の開口であって、該開口部35aの周囲に、各種の装飾部材150,155,164,166や排出球演出装置110、可動演出装置40(後述)等が配設されている。なお、実施例の透明板21は、アクリル樹脂により一定の厚み寸法の平板状に形成されている。ここで、前記透明板21および裏ユニット35は、外郭形状が略整合する大きさおよび形状に形成されて、該透明板21と裏ユニット35とを組み付けた状態で透明板21の後面を裏ユニット35で全面的に覆うよう構成され、前側から遊技盤20(裏ユニット35)の裏側を視認し得ないようになっている。
【0020】
(透明板21について)
図1または図2に示すように、前記透明板21の前面には、外レール22aと内レール22bとが配設されており、両レール22a,22bより画成される略円形の遊技領域23内に、前記中枠12に配設された前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されて、打ち出されたパチンコ球が遊技領域23を流下することで遊技が行なわれるようになっている。なお、打球発射装置から発射されたパチンコ球は、両レール22a,22bに誘導されて遊技領域23の左上部位置に打ち出されるようになっている。また、前記透明板21には、前記裏ユニット35に形成された開口部35aの前方位置に、前後に貫通する貫通口21a(図3参照)が形成されており、該貫通口21aに対して前後に開口する枠状に形成された枠状装飾体90が配設されている。
【0021】
すなわち、前記裏ユニット35の開口部35aから臨む前記図柄表示装置17は、前記枠状装飾体90の開口を介して透明板21の前側に露出して、該図柄表示装置17に表示される図柄変動演出や各種の表示演出をパチンコ機10の前側から視認し得るようになっている。また透明板21には、図3に示す如く、前記貫通口21a(枠状装飾体90の配設位置)の下方位置における透明板21の左右方向の略中央位置に、前後に開口する装着口21bが開設されており、前記遊技領域23を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置24や第1の特別入賞装置25が、該装着口21bを介して透明板21に取り付けられている。なお、実施例では、前記始動入賞装置24の下方に第1の特別入賞装置25が位置している。
【0022】
(始動入賞装置24について)
前記始動入賞装置24は、上方に開口する上入賞口24aと、該上入賞口24aの下方に位置する下入賞口24bと、該下入賞口24bを挟む左右両側に設けられ、当該下入賞口24bを開閉する一対の羽根部材24c,24cとを備えて、上下の入賞口24a,24bにパチンコ球が入賞することで、前記図柄表示装置17において図柄変動演出が開始されるよう構成される。なお、実施例では、前記上下の入賞口24a,24bにパチンコ球が入賞した場合には、所定数(例えば3〜5個)のパチンコ球が賞球として前記上下の球受け皿14,15に払い出されるようになっている。そして、図柄変動演出の結果、図柄表示装置17に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃い等)で図柄が停止表示されることで所謂「大当り」が発生し、これにより第1の特別入賞装置25や第2の特別入賞装置93(後述)が開放されて多数の賞球を獲得する機会が遊技者に付与されると共に、前記図柄表示装置17において所要の大当り演出が行なわれるようになっている。
【0023】
(第1の特別入賞装置25について)
前記第1の特別入賞装置25は、特別入賞口25aが開閉扉25bにより常には閉鎖されており、前記図柄表示装置17での図柄変動の結果「大当り」が発生した際に開閉扉25bが開放して(図2参照)、特別入賞口25aへの入賞により多数の賞球を獲得し得るようになっている。実施例では、前記第1の特別入賞装置25では、前記図柄表示装置17に所定の図柄組み合わせが停止して大当りが発生すると、所定時間(例えば30秒)の開放を1回とするラウンド遊技を複数回(例えば15回)繰り返すよう作動制御される。
【0024】
(枠状装飾体90について)
図2、図3、図20、図21に示すように、前記枠状装飾体90は、前後に開口する枠状に形成されて、前記遊技盤20(透明板21)に開設した前記貫通口21aに取り付けられており、前記裏ユニット35に配設された図柄表示装置17が枠状装飾体90の開口に臨んで前側から視認し得るようになっている。そして、前記枠状装飾体90の内周下縁部に、パチンコ球が転動するステージ91が形成されており、該枠状装飾体90の左側部に形成された球入口90aに通入して球誘導路92を通過したパチンコ球がステージ91に案内され、該ステージ91を転動した後にパチンコ球が遊技領域23に排出落下されるよう構成されている。なお、前記球入口90aおよび球誘導路92は、透明な合成樹脂材により形成されて、該球入口90aや球誘導路92を通過するパチンコ球を前側から視認し得るようになっている。また、図1〜図3に示すように、前記枠状装飾体90の上部位置には、前記図柄表示装置17での図柄の変動結果に応じて開放することで前記遊技領域23を流下するパチンコ球が入賞可能な第2の特別入賞装置93が設けられている。また、前記球誘導路92の後端部には、図21、図22、図37に示すように、後方に突出する第1の球規制片92aが上下方向に延在するよう形成されており、該第1の球規制片92aに接触したパチンコ球を、裏ユニット35に設けられた後述する湾曲面部151(第2の球排出通路RB2)に案内して透明板21と裏ユニット35との間に進入するのを規制するようになっている。
【0025】
(第2の特別入賞装置93について)
前記第2の特別入賞装置93は、前記枠状装飾体90の上部位置に、左方向に開口するよう開設された特別入賞口93aをフラップ状の開閉部材93bにより閉鎖するよう構成されており、該開閉部材93bが左方向に傾倒することで、該特別入賞口93aが遊技領域23内に開口するようになっている。前記第2の特別入賞装置93の特別入賞口93aは、前記開閉部材93bにより常には閉鎖されており、前記図柄表示装置17での図柄変動の結果、前記第1の特別入賞装置25の開閉扉25bを開放させる前記所定の図柄組み合わせ以外の特定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の三つ揃いや予め設定された特定の図柄の停止表示等)が図柄表示装置17に停止表示されることで発生する「大当り」により、該開閉部材93bを開放するよう作動制御されて、入賞口へのパチンコ球の入賞を許容するようになっている。そして、前記第2の特別入賞装置93の特別入賞口93aに入賞したパチンコ球を球検出センサ(図示せず)が検出することで、遊技者が多数の賞球を獲得し得るようになっている。また、大当り(後述する特別開放大当り)が発生すると、前記図柄表示装置17の表示面において、前記第1の特別入賞装置25が開放する大当りの時とは異なった特別開放大当り演出が表示されるよう表示制御されている。
【0026】
すなわち、実施例に係るパチンコ機10では、「大当り」の発生時に開放可能な2つの特別入賞装置25,93が配設されており、「大当り」の発生条件に応じて、第1の特別入賞装置25および第2の特別入賞装置93の何れかの入賞口が開放されるようになっている。例えば、「大当り」の発生時における図柄組み合わせの種類(偶数、奇数)に応じて第1の特別入賞装置25および第2の特別入賞装置93の何れかの入賞口が開放するよう作動制御される。ここで、前記第2の特別入賞装置93は、枠状装飾体90の左上部位置に設けられていることから、前記第1の特別入賞装置25に較べて、遊技領域23の左上部に打ち出されたパチンコ球が入賞し易くなっている。また、第2の特別入賞装置93に入賞せずに、遊技領域23の最下部まで流下して回収されるパチンコ球も減少する。
【0027】
また、前記第2の特別入賞装置93が開放される大当りとして、所定時間(例えば2.6秒)の開放を連続して複数回(例えば16回)行なうラウンド遊技を1〜3回の内の何れか回数だけ実行される「特別開放大当り」と、短時間(例えば0.5秒)の開放を2回だけ行なう「2ラウンド大当り」とが設定されている。従って、実施例では、大当りにおける第2の特別入賞装置93の開放回数は、2回、16回、32回、48回の何れかとなる。なお、「特別開放大当り」の発生時に、第2の特別入賞装置93の開放回数が16回となるか32回となるか、48回となるかは、図柄表示装置17の表示態様から区別することは困難または不可能としてある。また、「特別開放大当り」の発生と、「2ラウンド大当り」の発生については、図柄表示装置17に表示される表示態様により区別し得るよう設定されている。なお、「特別開放大当り」では、ラウンド遊技の間に所定時間(例えば1秒)のインターバルが設定されている。ここで、前記図柄表示装置17は、前記ラウンド遊技間のインターバル中にラウンド遊技の継続を演出するラウンド継続演出が特別開放大当り演出として表示されるよう表示制御される。なお、特別開放大当り時のラウンド遊技の回数としては、1〜3回に限られないことは当然である。また、第2の特別入賞装置93では、短時間(例えば0.5秒)の開放を2回だけ行なう「小当り」が別に設定されている。なお、「2ラウンド大当り」が発生する際に図柄表示装置17に表示される表示態様と、「小当り」が発生する際に図柄表示装置17に表示される表示態様とを同一または近似させるよう設定されており、図柄表示装置17の表示態様から区別することは困難または不可能となるようしてある。
【0028】
(球案内通路94について)
前記枠状装飾体90には、図1〜図3に示すように、前記第2の特別入賞装置93の特別入賞口93aに連通する球案内通路94が、該枠状装飾体90の内周側に形成されている。そして、前記枠状装飾体90の開口上縁部には、前記球案内通路94を通過するパチンコ球を検出する球検出センサが設けられており、該球検出センサがパチンコ球を検出することで、所定数(例えば10個)のパチンコ球が賞球として払い出されるようになっている。すなわち、前記第2の特別入賞装置93の特別入賞口93aに入賞したパチンコ球は、前記球案内通路94を通過する過程で球検出センサに検出される。
【0029】
前記球案内通路94は、前記第2の特別入賞装置93の特別入賞口93aに連通して前記枠状装飾体90の開口左側縁部に沿って延在すると共に、前記ステージ91の上方において枠状装飾体90の開口左下部から開口右下部に向けて延在する湾曲形状に形成されている。そして、前記第2の特別入賞装置93の特別入賞口93aに入賞して前記球案内通路94に沿って転動したパチンコ球が、該枠状装飾体90の開口右下部に位置する球案内通路94の下流端部から放出されて、前記裏ユニット35に設けられた後述の球回収通路RA(図25等参照)に流入し、パチンコ機10の裏側に設けられた球回収部に回収されるようになっている。以下の説明では、前記球案内通路94において、左側縁部に沿って略上下方向に延在する部分を排出球案内領域94aと称し、前記枠状装飾体90の開口下縁側に位置して前記ステージ91の上方に位置する部分を、特に排出球演出領域94bと称するものとする。なお、前記球案内通路94は、緩やかに湾曲するよう形成されており、前記排出球案内領域94aと排出球演出領域94bとの境界位置が厳然と区別されている必要はない。また、前記球案内通路94の排出球案内領域94aは、透明な合成樹脂材により筒状に形成されると共に、該球案内通路94の排出球演出領域94bは上方に開放して、該排出球案内領域94aや排出球演出領域94bを転動するパチンコ球を前側から視認し得るよう構成されている。
【0030】
前記球案内通路94は、図1、図20、図21等に示すように、前記排出球演出領域94bにおいて排出球案内領域94aから離間するにつれて下方傾斜すると共に、前記始動入賞装置24の上方右寄り位置において最下点となり、該最下点から枠状装飾体90の開口右下部に向かうにつれて上方傾斜するよう形成された全体として一様に下に凸となる湾曲形状に形成されている。ここで、前記球案内通路94の下流端部は、該球案内通路94の球入口90aとなる前記第2の特別入賞装置93の特別入賞口93aの形成位置よりも下方に位置して、該特別入賞口93aに入賞したパチンコ球が球案内通路94を自重で流下するだけで下端部から放物線を描くように右斜め上方へ向けて放出され得るようになっている。
【0031】
また、前記枠状装飾体90における前記球案内通路94の最下点部には、該球案内通路94の後面を画成する後壁面に、前後に開口する球排出口96が形成されると共に、該球排出口96の開口に対応する位置に、前記パチンコ機10の裏側に設けられた球回収部に連通する第1の球排出通路RB1(球排出通路)を形成する球排出通路形成部材98が配設されている。すなわち、前記第1の球排出通路RB1は、前記球案内通路94に対して経路途中から分岐するよう接続している。そして、前記球案内通路94の下流端部から前記裏ユニット35の球回収通路RA(図25、図30、図33等参照)に流入し得なかったパチンコ球を、前記球排出通路形成部材98が形成する第1の球排出通路RB1を介して前記パチンコ機10の裏側の球回収部に回収し得るようになっている。なお、第1の球排出通路RB1は、後述のように前記球検出センサ106によるパチンコ球の検出位置よりも下流側で前記球回収通路RA(第2の球通路157)に接続している。また、前記球案内通路94の最下点部には、後方に向けて下方傾斜する排出凹部96aが形成されており、球案内通路94を転動するパチンコ球を球排出通路形成部材98(第1の球排出通路RB1)に向けて誘導して、球案内通路94上にパチンコ球が滞らないようになっている。
【0032】
ここで、前記球排出通路形成部材98は、右方向に向かうにつれて下方傾斜する球転動面98aと、該球転動面98aの後端部に設けられて上方に突出する後規制板98bと、当該球転動面98aの左端部に設けられて上方に突出し、前記球排出口96の開口左端縁と前後に略整列する側部規制板98cとから構成されており、前記球案内通路94を転動して球排出口96から球転動面98a(第1の球排出通路RB1)に移動したパチンコ球を、右方向(排出球演出装置110の配設方向)に案内するようになっている。また、前記後規制板98bは、後述する可動演出装置40のベース部材41を被覆可能な大きさ・形状に形成されて、該後規制板98bが前記図柄表示装置17に直接前後に重ならないよう構成されている。
【0033】
また、前記球案内通路94(排出球演出領域94b)の前面壁95bは、図22(a),(b)に示すように、前記排出球案内領域94aから球案内通路94の下流端部に向かうにつれて通路の前後幅が変化するよう構成される。具体的には、前記球案内通路94の排出球演出領域94bでは、前記前面壁95bが前方に変位するよう形成されて、通路の前後幅が徐々に拡大すると共に、前記球案内通路94の傾斜が下方傾斜から上方傾斜に変化する領域(球案内通路94の最下点部より右側の領域)において、該前面壁95bが後方に変位するよう形成されて、通路の前後幅が徐々に縮小するよう形成される。ここで、前記球案内通路94(排出球演出領域94b)は、前後幅が最大となる部分でパチンコ球の直径2個分以上となるよう設定される。これにより、前記球案内通路94を下流端部に向けて移動するパチンコ球と、排出球演出装置110に接触して球案内通路94に跳ね返されたパチンコ球(特に戻り球という)とが、球案内通路94上ですれ違い可能になっている。なお、前記案内通路94の下流端部では、通路の前後幅がパチンコ球の直径略1個分程度になっている。
【0034】
球案内通路94の後面壁95aには、図21、図22に示すように、前記排出球案内領域94aから球排出口96に至る部分(通路の前後幅が拡大する部分)に、下流端部に向かうにつれて前方に突出するよう傾斜した誘導部97が形成されている。従って、前記排出球案内領域94aから排出球演出領域94bに到来して前記球案内通路94の下流端部に向けて移動するパチンコ球は、前記誘導部97により通路前方側を通過するようになる。ここで、前述のように、前記球案内通路94は、通路の前後幅が最大となる部分から下流端部に近接するにつれて、通路の前後幅が縮小するよう形成されている。このため、前記球案内通路94の下流端部からは、右斜め後方へ向けてパチンコ球が放出されることから、前記排出球演出装置110(第1の可動体120)に接触したパチンコ球が通路後方側に跳ね返され易くなり、球案内通路94上でパチンコ球同士が接触するのを防止し得るようになる。
【0035】
また、前記枠状装飾体90には、図21、図23、図24等に示すように、前記球案内通路94の下流端部より右方側に、後方に向けて下方傾斜する傾斜案内部99が形成されている。前記傾斜案内部99は、前記排出球演出装置110(後述する第1の可動体120)の下方に位置すると共に、該傾斜案内部99の傾斜下端が後述する第2の球通路157の上方開口に臨むよう形成されている。すなわち、前記球案内通路94の下流端部から放出されて排出球演出装置110(第1の可動体120)に接触したパチンコ球が球案内通路94に跳ね返らずに排出球演出装置110の下方に落下した場合に、該傾斜案内部99を介して落下したパチンコ球を第2の球通路157(後述)に案内して前記パチンコ機10の裏側の球回収部に回収し得るようになっている。すなわち、前記傾斜案内部99は、パチンコ球を球回収部に排出する第4の球排出通路RB4の一部を構成している。
【0036】
また、図2に示すように、前記枠状装飾体90の下部位置には、前記ステージ91および球案内通路94の後端部に連設する遮蔽板90cが、該ステージ91と球案内通路94とが上下に重なる領域全体に設けられている。ここで、前記遮蔽板90cは、透明な合成樹脂材により形成されると共に略全面に光拡散加工が施されており、前記ステージ91と球案内通路94との間から透明板21の裏側を視認し得ないよう構成されると共に、前記裏ユニット35に配設された可動演出装置40のLED基板58(後述)の光が遮蔽板90cに照射されて明輝されるようになっている。
【0037】
(裏ユニット35について)
前記裏ユニット35は、図3または図4に示すように、前記透明板21の外郭形状と略整合する大きさおよび形状に形成されると共に前方に開口する箱枠状に形成されて、該裏ユニット35の開口前端部を透明板21の裏面に当接させた状態で、透明板21と裏ユニット35とが連結固定される。そして、前記裏ユニット35には、前記透明板21との間に画成される空間に、各種の装飾部材150,155,164,166や排出球演出装置110、可動演出装置40が配設されている。また、前記裏ユニット35には、前記球回収部に連通する通路(後述の球回収通路RA、第1〜第3の球排出通路RB2,RB3)が形成されており、前記枠状装飾体90に配設された前記第2の特別入賞装置93の特別入賞口93aに入賞したパチンコ球を、裏ユニット35に形成した通路(球回収通路RA、第1〜第4の球排出通路RB1〜RB4)を介して球回収部に回収するようになっている。前記裏ユニット35には、略矩形状の開口部35aが前後に開口するよう開設されると共に、該裏ユニット35の裏側に前記図柄表示装置17が着脱自在に取り付けられており、該開口部35aを介して図柄表示装置17が透明板21の前側から視認し得るようになっている。なお、図柄表示装置17としては、液晶表示装置やドラム式の表示装置、ベルト式の表示装置等の各種図柄を変動表示可能な従来公知の表示装置を用いることができる。
【0038】
なお、実施例の裏ユニット35には、前記装飾部材として、前記開口部35aの開口左下部に配設される第1の装飾部材150と、開口部35aの開口右下部に配設される第2の装飾部材155と、開口部35aの開口左側部に配設される第3の装飾部材164と、開口部35aの開口上部に配設される第4の装飾部材166とが配設されて、前記透明板21を介して前方から視認可能な領域を各装飾部材で装飾するようになっている。また、各装飾部材150,155,164,166の裏側には、LEDを備えたLED基板(図示せず)が配設されており、LEDを発光させることで対応の装飾部材150,155,164,166を明輝して遊技盤20の装飾性を高めるよう構成されている。
【0039】
(可動演出装置40について)
前記可動演出装置40は、図4〜図6に示すように、前記裏ユニット35に取り付けられるベース部材41と、該ベース部材41の前面側に回転可能に支持された可動部材70と、当該ベース部材41に設けられて可動部材70を駆動する駆動モータ(駆動手段)50と、該駆動モータ50および可動部材70を連繋接続する伝達手段52,53,54とを備え、該駆動モータ50を駆動することで、伝達手段52,53,54を介して可動部材70が回転動作されるようになっている。ここで、前記ベース部材41は、後方に開口する前ケース体42と、該前ケース体42の後方開口を閉成する後ケース体47とから内部に収容空間48(図5または図19参照)が画成された横長箱状に形成されて、前記裏ユニット35に開設された開口部35aの下方に位置するようベース部材41が配設されている。このとき、前記ベース部材41の前ケース体42が、前記枠状装飾体90に設けられた遮蔽板90cに対向するよう構成される。なお、前記ベース部材41は、透明な合成樹脂材により形成されて、該ベース部材41の内部(すなわち収容空間48)を前側から視認し得るよう構成されている。
【0040】
前記ベース部材41の前ケース体42には、図6に示すように、前後に貫通する軸孔42aが形成されており、該軸孔42aに前記可動部材70の回転軸70aを挿通することで、可動部材70がベース部材41に対して回転可能に支持されている。また、前記後ケース体47には、前記軸孔42aよりも左下方に離間した位置に前後に貫通する通孔47aが形成され、該通孔47aに駆動軸50aを後方から挿通する姿勢で、前記駆動モータ50が後ケース体47の後面側に取り付けられている。なお、前記軸孔42aは、前記ベース部材41を裏ユニット35に取り付けた状態で、前記始動入賞装置24の入賞口の上方に位置している。
【0041】
前記伝達手段52,53,54は、前記後ケース体47に形成した通孔47aに挿通された前記駆動モータ50の駆動軸50aに取り付けられる駆動歯車52と、前記ベース部材41に軸支されて該駆動歯車52に噛合する従動歯車53と、前記前ケース体42に形成した軸孔42aに挿通された前記可動部材70の回転軸70aに取り付けられ、該従動歯車53に噛合する回転軸歯車54とからなり、駆動モータ50の駆動により駆動歯車52を正逆回転させることで、従動歯車53および回転軸歯車54を介して可動部材70が回転軸70aを中心として正逆回転するよう構成されている。また、前記従動歯車53の外周面には、図6または図9に示すように、該従動歯車53の回転支軸53aを中心として径方向外方に扇状に延出する位置検出片55が形成されると共に、前記ベース部材41の収容空間48には、該位置検出片55を検出する位置検出センサ56が配設されており、該位置検出片55の回転位置を位置検出センサ56で検出することで、前記可動部材70の初期位置(図5の実線または図9(a)参照)および可動位置(図5の2点鎖線または図9(b)参照)を識別するようになっている。具体的には、従動歯車53の回転に伴って回転する位置検出片55の回転方向の一方の端部を前記位置検出センサ56が検出することで可動部材70の初期位置が識別され、従動歯車53の回転に伴って回転する位置検出片55の回転方向の他方の端部を位置検出センサ56が検出することで可動部材70の可動位置が識別されるよう構成されている(図9参照)。なお、前記可動演出装置40の駆動モータ50は、前記可動部材70に所定の制御条件下で回転動作を行なわせた後に、該可動部材70を初期位置に復帰させるよう駆動制御される。
【0042】
図6または図8に示すように、前記ベース部材41には、前記軸孔42aの上方側に、該軸孔42aと同心となる円弧状の開口部43(以下円弧状開口部という)が開設されている。前記円弧状開口部43は、前記軸孔42aの左方から上方、更に右方へ至る間に亘って形成されている。また、前記前ケース体42の前面には、前記可動部材70を初期位置で位置規制する初期位置規制突部45および可動部材70を可動位置で位置規制する可動位置規制突部46が夫々突設されている。なお、前記初期位置規制突部45は、図5または図8において前記軸孔42aの左下方に位置し、前記可動位置規制突部46は、軸孔42aの右下方に位置している。
【0043】
(LED基板58について)
また、図6に示すように、前記ベース部材41に画成される収容空間48には、前面にLED(発光体)59,60が実装されたLED基板58が配設されると共に、該LED基板58に実装されたLED59,60の光の照射範囲を区画する区画部材61が配設される。前記LED基板58は、前記ベース部材41(前ケース体42)に形成された前記円弧状開口部43を介してベース部材41の前方に露出する円弧状部58aと、該円弧状部58aの左右端部に連続して形成され前記前ケース体42に対向する本体板部58bとを一体に備え、該円弧状部58aおよび本体板部58bの夫々に前記LED59,60が設けられている。なお、前記円弧状部58aに設けられたLEDを第1のLED59と指称し、本体板部58bに設けられたLEDを第2のLED60と指称する。
【0044】
前記第1および第2のLED59,60の夫々は、前記可動部材70の回転軸70aの延在方向(すなわち前方)に光を照射するよう実装されており、第1のLED59からの光は、前記円弧状開口部43を介してベース部材41の前方に照射されると共に(図8または図15〜図19参照)、前記第2のLED60からの光は、前記前ケース体42を透過してベース部材41の前方に照射されるようになっている。すなわち、前記円弧状開口部43を介してベース部材41の前方に照射された第1のLED59からの光は、前記可動部材70(後述の基部71)に照射されると共に、前記前ケース体42を透過した第2のLED60からの光は、前記可動演出装置40(ベース部材41)の前方に位置する前記遮蔽板90cに照射されて、該遮蔽板90cを明輝するようになっている。
【0045】
(区画部材61について)
前記区画部材61は、図6または図7に示すように、前記ベース部材41(前ケース体42)に形成された円弧状開口部43に嵌合可能な円弧形状に湾曲形成された円弧状本体部62と、該円弧状本体部62の外周面に形成され、該外周面から径方向外方に突出する第1支持突部63,63と、当該円弧状本体部62の円弧内周面に形成され、該内周面から径方向内方に突出する第2支持突部64と、該円弧状本体部62の後端部に形成されて後方に突出し、前記LED基板58の前面に当接する支持片65とを備えている。すなわち、前記区画部材61は、前記ベース部材41(前ケース体42)の円弧状開口部43に前記円弧状本体部62を後方から嵌合させて、円弧状開口部43の外周縁部に前記第1支持突部63,63を当接させると共に、当該円弧状開口部43の内周縁部に前記第2支持突部64を当接させた状態で前記LED基板58を前ケース体42に固定することで、LED基板58の前面に前記支持片65が当接して、区画部材61が前ケース体42とLED基板58との間に挟持固定されるようになっている。なお、実施例では、前記円弧状本体部62の後端部よりも後方まで前記第1支持突部63,63が突出しており、該第1支持突部63もLED基板58の前面に当接するようになっている。
【0046】
更に、図6〜8、図15〜図19に示すように、前記区画部材61の円弧状本体部62には、前記可動部材70の回転軸70aの延在方向(前後方向)に開口する複数の発光体収容部67が開設されている。具体的には、前記円弧状本体部62には、前記可動部材70の回転方向に離間して設けられた2つの仕切り壁66,66によって区画された3つの発光体収容部67が形成されており、前ケース体42とLED基板58との間に区画部材61を挟持固定した状態で、該LED基板58の円弧状部に設けられた前記第1のLED59が各発光体収容部67の後方開口部に1個ずつ臨むようになっている(図8等参照)。
【0047】
すなわち、前記LED基板58の第1のLED59を発光した際に、各第1のLED59に対応した発光体収容部67の開口を介して、前方(具体的には、後述する可動部材70の第1反射面78)に向けて光が照射される。ここで、図19に示すように、前記各仕切り壁66,66は、前記第1のLED59よりも前方に位置して、各第1のLED59の発光時に、隣接する発光体収容部67に光が入射し得るようになっている。
【0048】
(可動部材70について)
前記可動部材70は、図6、図10〜図13に示すように、後方に開口する円筒状の基部71と、該基部71から径方向外方に延在すると共に後方に開口し、所要の装飾がなされた装飾体としての針状部72と、当該基部71の裏側に設けられて前記第1のLED59からの光を針状部72の延在方向に向けて反射する第1反射部材75と、当該針状部72の裏側に設けられて第1反射部材75で反射された光を針状部72の前面裏側に向けて反射する第2反射部材80と備えている。すなわち、前記基部71および針状部72の夫々は、前面を向く前面部71a,72aと、各前面部71a,72aの外周縁から後方に演出した外側面71b,72bとから形成されて、該基部71aの前面部71aに、所要の意匠を表した略円板状の非光透過性の装飾板79が取り付けられている。なお、前記装飾板79には、前後に貫通する通孔79aが形成されている。また、前記基部71の外周面71bおよび針状部72の外側面72bは、後方に向けて拡開するよう形成されている。更に、前記基部71と針状部72とは、切欠部71cを介して連通している。
【0049】
また、前記基部71および針状部72の夫々は、透明な合成樹脂により形成されると共に、該基部71および針状部72の前面部71a,72aの一部および外側面71b,72bの表面全体が遮光性の塗装等により形成された非光透過部74が設けられている。すなわち、前記基部71の前面部71aにおいて前記装飾板79で覆われていない透明な樹脂部分が露出した領域および針状部72の前面部72aにおいて非光透過部74が形成されていない透明な樹脂部分が露出した領域が光透過部73として機能し、該基部71の前面部71aに設けられた光透過部73を介して前記第1のLED59からの光の一部が可動部材70の前方に透過され、該針状部72の前面部72aの光透過部73を介して前記第2反射部材80で反射された光が可動部材70の前方に透過させるようになっている。具体的には、前記基部71では、前記装飾板79の外周部および該装飾板79の通孔79aを介して透明な樹脂部分が露出して光透過部73を形成するよう構成され、前記針状部73では、長手方向に延在する3本の光透過部73が略平行に延在するよう形成されている。なお、図12(a)には、実施例において前記可動部材70(基部71および針状部72)の光透過部73となる部分に斜線を付してある。
【0050】
図11または図12に示すように、前記ベース部材41の軸孔42aに挿通される前記回転軸70aは、前記可動部材70の基部71の前面部71aの中央位置に、後方に延在するよう固定されており、前記駆動モータ50の駆動により針状部72が回転軸70aを中心として回転するようになっている。ここで、前記可動部材70が初期位置にある姿勢では、図5に実線で示すように前記針状部72が左方向に傾倒して略水平に延在すると共に、可動位置にある姿勢では、図5に2点鎖線で示すように、針状部72が右方向に傾倒して略水平に延在するようになっており、前記駆動モータ50の駆動に伴って可動部材70が図5の右回りに回転することで初期位置から可動位置に姿勢変化し、反対に図5の左回りに可動部材70が回転することで可動位置から初期位置に姿勢変化するよう構成されている。また、前記初期位置では、前記ベース部材41に形成された前記初期位置規制突部45の上端部に針状部72の外側面72bが当接して図5における左回りへの可動部材70の回転が規制され(図5または図15参照)、前記可動位置では、ベース部材41に形成された可動位置規制突部46の上端部に針状部72の外側面72bが当接して図5における右回りへの可動部材70の回転が規制されるようになっている(図5または図16参照)。
【0051】
前記第1反射部材75は、図10〜図12に示すように、前記基部71に固定される固定部76と、前記切欠部71cに臨み、可動部材70の回転方向に離間して対向位置する一対の位置決め片77,77と、該位置決め片77,77の間に形成された第1反射面(第1反射部)78とから構成されている。ここで、前記基部71の前面部71aの半径は、前記回転軸70aから前記円弧状開口部43の外周側開口縁までの寸法よりも大きく設定され、該円弧状開口部43(区画部材61)が基部71で常に覆われており、円弧状開口部43(区画部材61)と前後に整列する位置に、前記第1反射面78が設けられている(図17参照)。すなわち、前記可動部材70の回転に伴って第1反射面78が前記区画部材61に形成された各発光体収容部67の開口部の前方に順次臨むことで、各発光体収容部67の開口部を透過した第1のLED59の光を第1反射面78で反射し得るようになっている。
【0052】
ここで、前記第1反射面78は、前記第1反射部材75の後端部から前方に向かうにつれて回転軸70aから一様に離間するよう傾斜する平面状に形成された傾斜部75aに設けられて、回転軸70aの後方側から入射した光を、当該回転軸70aの交差方向に反射するよう構成されている。ここで、前記第1反射面78は、前記可動部材70の切欠部71cに臨んでおり、前記第1のLED59からの第1反射面78に照射された光を、該切欠部71cを介して前記針状部72(第2反射部材80)に向けて可動部材70の回転軸70aに交差する方向(回転軸70aに略直交する方向)へ反射される。また、前記第1反射面78は、前記回転軸70aの後端側から視た状態で、前記区画部材61に形成された1つの発光体収容部67の開口部に略整合する大きさに形成されており、前記可動部材70が回転動作することで、発光体収容部67の開口部に個別的に順次臨んで、各発光体収容部67に臨む第1のLED59からの光を前記針状部72(第2反射部材80)に向けて反射する。すなわち、前記可動部材70が回転時に、前記第1反射面78の後方に位置する第1のLED59(例えば図17では中央に位置する第1のLED59)からの光が針状部72(第2反射部材80)に向けて反射され、該第1反射面78の後方に位置していない第1のLED59(例えば図17では左右に位置する第1のLED59)からの光が前記基部71の前面部71aの裏側に照射されて、該前面部71aの各光透過部73を介して前方に光が透過するようになっている。なお、前記第1反射面78は、前記傾斜部75aに反射シートを貼付することで形成されている。
【0053】
図10、図11または図13に示すように、前記第2反射部材80は、前記針状部72の前面裏側に略整合する形状に形成されて前記光透過部に対向する後板部81と、該後板部81の外周縁から前方に向けて延出する外壁部83と、当該後板部81の前面に設けられ、前記第1反射部材75の第1反射面78で反射された光を光透過部73に向けて反射する反射面部(第2反射部)82とを備えた前方に開口する箱状に形成されている。そして、前記第2反射部材80は、該第2反射部材80における回転軸70a側の端部を、前記第1反射部材75の位置決め片77,77の間に嵌合させた状態で、前記針状部72の裏側に固定されるようになっている。
【0054】
ここで、前記第2反射部材80は、透明な合成樹脂材により形成されて、前記後板部81の外面側(後面)および外壁部83において前記針状部72の外側面72bに対向する外面に、内側に向けて光を反射する光反射加工が施されている。すなわち、前記第2反射部材80の外壁部83において、前記第1反射部材75(第1反射面78)との対向面には光反射加工が施されておらず、第1反射面78で反射された光が第2反射部材80の内側(針状部72の前面裏側と第2反射部材80の反射面部82との間)に入射し得るようになっている。なお、前記光反射加工としては、白色塗装や金属メッキ加工、鏡面状のシール貼付、その他光を反射可能な従来公知の加工を採用し得る。以下の説明において、前記第1反射部材75(第1反射面78)に対向する第2反射部材80の外周壁部を透過壁部83aと指称する。
【0055】
また、図10、図13、図14または図19に示すように、前記第2反射部材80に形成される反射面部82には、前記第1反射面78から離間するにつれて前記光透過部73側に近接するよう傾斜した第2反射面(反射面)82aが複数形成されており、前記第1反射面78で反射された光を、前記光透過部73に向けて各第2反射面82aで反射するようになっている。すなわち、前記各第2反射面82aは、前記第1反射面78からの反射光の照射方向との交差方向に延在すると共に、該反射光の照射方向に並列に形成される。従って、前記反射面部82は、図13、図14または図19に示すように、前記第1反射面78からの反射光の照射方向に破断した断面が鋸刃状を呈している。
【0056】
前記第2反射部材80の後板部81は、図13または図14に示すように、前記第1反射部材75(第1反射面78)側の端部から離間するにつれて前記光透過部73側に近接するよう傾斜している。そして、前記第1反射部材75(第1反射面78)から離間するにつれて、前記第2反射面82aの前端部から光透過部73までの距離L(図14参照)が漸減するよう形成される。これにより、前記第2反射部材80において第1反射部材75(第1反射面78)から離間する端部に位置する反射面部82(各第2反射面82a)まで第1反射面78からの反射光が到達し、前記反射面部82(各第2反射面82a)の全体で光を反射し得るようになっており、前記光透過部73の全体を略均一な明るさで明輝させ得るようになっている。
【0057】
また、図10、図11または図13に示すように、前記第2反射部材80の内側(光透過部73と反射面部82との間)には、該第2反射部材80の内部形状に略整合する形状に形成された板状の透明部材85が配設されている。前記透明部材85には、前記第2反射部材80の反射面部82(第2反射面82a)との対向面の全体に光拡散部85aが形成されると共に、該透明部材85の端面が第2反射部材80の透過壁部83aに対向するよう構成されている。すなわち、前記第2反射部材80の透過壁部83aを介して前記第1反射面78に前記透明部材85の端面が対向し、該第1反射面78で反射されて透過壁部83aを透過した光が透明部材85に入射するようになっている。なお、前記光拡散部85aとしては、前記透明部材85に対してダイヤカットやローレット加工等の光拡散加工を施してもよく、また透明部材85に対して光拡散シートを貼付するようにしてもよい。
【0058】
また、前記透明部材85における光拡散部85aの形成面は、図13に示すように、前記第1反射面78に近接する端部から離間するにつれて前記光透過部73側に近接するよう傾斜形成されており、該透明部材85における光拡散部85aの形成面が、前記第2反射面82aの前端部を結んだ線と略平行になるよう構成される。従って、前記透過壁部83aを透過して透明部材85に入射した光が、光拡散部85aで拡散されて反射面部82(各第2反射面82a)の全体に照射されるようになっている。
【0059】
従って、前記可動部材70では、前記透明部材85に入射して前記光拡散部85aで拡散された光が前記第2反射部材80の反射面部82(第2反射面82a)で反射され、更に反射面部82(第2反射面82a)からの反射光が光拡散部85aで拡散された後に前記針状部72の光透過部73に照射されるようになっている。これにより、前記第1反射面78からの反射光が、第2反射部材80の反射面部82(第2反射面82a)の全体に照射され、前記光透過部73の全体が略均一な明るさで明輝される。
【0060】
(排出球演出装置110について)
図23〜図25等に示すように、前記排出球演出装置110は、前記球案内通路94の下流端部と、前記球案内通路94の下流端部から放出されたパチンコ球が通入する通路形成部材101(後述)の球通入口102aとの間に位置するよう裏ユニット35に配設されて、該排出球演出装置110が備える第1の可動体120を開閉させることで、該球案内通路94の下流端部から放出されたパチンコ球が球通入口102aに通入するのを規制または許容するよう構成される。ここで、前記排出球演出装置110は、図26、図27に示すように前記球案内通路94の下流端部および前記通路形成部材101(第1の球通路104)の球通入口102aの間に配置される装置本体111と、該装置本体111に揺動可能に支持された第1の可動体120と、当該装置本体111に設けられた駆動モータ(駆動手段)115と、該駆動モータ115に接続されて当該駆動モータ115の駆動により第1の可動体120を回転動作させる作動部材(作動手段)137と、該装置本体111に揺動可能に支持され、第1の可動体120の動作に連動して揺動される第2の可動体142を備えて、当該駆動モータ115の駆動に伴って第1および第2の可動体120,142が揺動するよう構成される。
【0061】
なお、前記排出球演出装置110は、前記装置本体111に対して動物(具体的には狼)の上顎および顔を模した形状を呈する本体装飾カバー116a,116bが取り付けられると共に、第1の可動体120に対して動物の下顎を模した形状を呈する可動体装飾カバー117a,117bが取り付けられて、該装置全体として動物の頭部を模した形状を呈するよう形成されており、前記駆動モータ115の駆動に伴って前記第1の可動体120が回転動作することで「口」が開閉する。
【0062】
(装置本体111について)
前記装置本体111は、前後のカバー体112,113から構成されて、両カバー体112,113の間に前記駆動モータ115が配設されると共に、前カバー体112に形成した通孔112bに挿通した駆動モータ115の駆動軸115aに駆動歯車115bが取り付けられている。また、前記前カバー体112および後カバー体113には、前後に整列する位置に軸孔112a,113aが夫々開設されており、前後のカバー体112,113の各軸孔112a,113aに対して、前記第1の可動体120を揺動可能に支持する第1シャフト(回転軸)140を挿通するようになっている。また、前記前カバー体112の右上部位置には、前記第1の可動体120を閉鎖位置(後述)に向けて付勢する引張りバネ(付勢手段)128の一端部を固定する掛止部114が形成されている。
【0063】
(第1の可動体120について)
前記第1の可動体120は、図27に示すように、前記装置本体111の前カバー体112に揺動可能に支持される前側半体121と、装置本体111の後カバー体113に揺動可能に支持される後側半体131とから構成されている。そして、前記前後のカバー体112,113の外面側に配設された前記本体装飾カバー116a,116bにより装飾されている。前記前側半体121は、前記前カバー体112の軸孔112aと整列する位置に挿通孔122aが形成された前側支持板部122と、該前側支持板部122から第1の可動体120の径方向外方(球案内通路94側)に延在する前側基体部123と、該前側基体部123の先端部側(前側支持板部122から離間する球案内通路94側の端部)に設けられて、後方に延出する前側球受け片124とを備えている。
【0064】
そして、図27に示すように、前記前側支持板部122の外面(前カバー体112との対向面とは反対側の面)に前側固定板125が固定されると共に、該前側固定板125において前記前カバー体112の軸孔112aおよび前側支持板部122の挿通孔122aと整列する位置に挿通孔125aが形成されており、該軸孔112aおよび挿通孔122aに挿通した前記第1シャフト140が前側固定板125の挿通孔125aに挿通されている。図27または図28に示すように、前記前側半体121の前側支持板部122には、前方に突出する係合突部(第1係合部)122bが突設されると共に、前記前側固定板125の対応位置に形成された挿通孔125bを介して係合突部122bが前側固定板125の前方へ突出するよう構成されている。なお、前記係合突部122bの端部は、前側半体121に取り付けられる可動体装飾カバー117aに連結される。
【0065】
一方、前記後側半体131の基本的な形態は、前記前側半体121と略対称に形成されている。すなわち、図27に示すように、前記後側半体131は、前記後カバー体113の軸孔と整列する位置に挿通孔132aが形成された後側支持板部132と、該後側支持板部132から第1の可動体120の径方向外方(球案内通路94側)に延在する後側基体部133と、該後側基体部133の先端部側に設けられて前方に延出し、前記前側球受け片124の後端部に当接する後側球受け片134とを備えている。また、前記後側支持板部132の外面(後カバー体113との対向面とは反対側の面)に後側固定板135が固定されると共に、該後側固定板135において前記後カバー体113の軸孔113aおよび後側支持板部132の挿通孔132aと整列する位置に挿通孔135aが形成されており、該軸孔113aおよび挿通孔132aに挿通した前記第1シャフト140が後側固定板135の挿通孔135aに挿通されて固定されている。すなわち、前記第1の可動体120では、前記前側半体121に形成された前側球受け片124の後端部と、後側半体131に形成された後側球受け片134の後端部とが当接することで、単一の平板状の球受け片120aを形成している。
【0066】
すなわち、前記第1の可動体120(前側半体121および後側半体131)は、前記第1シャフト140を中心として揺動し得るようになっている。ここで、前記第1の可動体120は、該第1の可動体120の先端部が前記装置本体111の底面に近接して、該先端部と装置本体111の底面との間をパチンコ球が通過不能な閉鎖位置(第1位置、図26、図29(a)、図33等参照)と、該第1の可動体120の先端部が装置本体111の底面から離間して、先端部と装置本体111の底面との間をパチンコ球が通過可能な開放位置(第2位置、図25、図29(b)、図30等参照)との間を揺動するよう構成される。前記第1の可動体120の球受け片120aは、図29、図30に示すように、前記開放位置において前記第1シャフト140側の端部が前記装置本体111の底面から離間するよう形成されており、装置本体111の底面と球受け片120aとの間にパチンコ球が通過可能な通過口120bを画成するようになっている。ここで、前記第1の可動体120が開放位置にある状態では、前記通路形成部材101に形成された前記球通入口102aに前記通過口120bが臨むようになっており、該通過口120bを通過したパチンコ球が球通入口102aに通入し得るよう構成される。
【0067】
すなわち、前記枠状装飾体90に配設された前記第2の特別入賞装置93の特別入賞口93aに入賞して前記球案内通路94を転動したパチンコ球は、該球案内通路94の下流端部から放出された際に前記排出球演出装置110の第1の可動体120が開放位置にある場合には、該第1の可動体120の球受け片120aと装置本体111とにより画成される前記通過口120bを介して前記通路形成部材101の球通入口102aを通過して前記第1の球通路104(球回収通路RA)を流下する。一方、前記球案内通路94の下流端部からパチンコ球が放出された際に前記排出球演出装置110の第1の可動体120が閉鎖位置にある場合には、該第1の可動体120の球受け片120aと装置本体111とにより画成される前記通過口120bをパチンコ球が通過できず、第1の可動体120に接触して球案内通路94に跳ね返される。また、前記第1の可動体120に対するパチンコ球の接触角度や、パチンコ球が接触する際の第1の可動体120の動作位置との関係等によって、第1の可動体120に接触したパチンコ球が球案内通路94に跳ね返されず、当該第1の可動体120の下方に落下した場合には、前記枠状装飾体90に形成された傾斜案内部99や球受け凹部162(後述)を介してパチンコ機裏側の球回収部に回収されるようになっている。
【0068】
また、前記前側固定板125の外周部には、図28に示すように、前側固定板125の径方向外方へ突出する連結突部126が前記装置本体111(前カバー体112)の上部側へ延出するよう形成されている。この連結突部126には、前記装置本体111(前カバー体112)に形成された前記掛止部114に一端部が固定された前記引張りバネ128の他端部が固定されており、該引張りバネ128の付勢力により記第1の可動体120を閉鎖位置に向けて常時付勢するよう構成されている。また、前記連結突部126の突出端部には、後方に向けて延出するアーム部(連繋部)126aが形成されており、前記第2の可動体142を揺動する揺動アーム部材143(後述)の長孔143aにアーム部126aが挿通される。
【0069】
前記作動部材137は、図28、図31等に示すように、前記前側固定板125に略整合する円盤状に形成されて、該前側固定板125の挿通孔125aと整列する作動部材137の中心位置に挿通孔137aが形成されて、該前側固定板125の挿通孔125aに挿通された第1シャフト140の端部を作動部材137の挿通孔137aに挿通するよう構成されている。すなわち、前記作動部材137は、前記装置本体111に対して前記第1の可動体120と同軸位置で回転可能に枢支されている。ここで、前記作動部材137の挿通孔137aは、前記第1シャフト140よりも大径に形成されて、該挿通孔137aに対して第1シャフト140が遊嵌されるようになっており、前記前側固定板125と作動部材137とが分離して回転するよう構成されている。また、前記作動部材137の外周面には、前記駆動歯車115bと噛合する歯車部137bが形成されている。従って、前記駆動モータ115の駆動により前記駆動歯車115bが回転することで、前記第1シャフト140を中心に作動部材137が単独で揺動されるようになっている。
【0070】
また、前記作動部材137には、図28、図31に示すように、回転中心(第1シャフト140)から径方向外方に向かうにつれて扇状に拡開する扇状切欠部138が形成されており、該扇状切欠部138の内側に、前記前側固定板125の挿通孔125bに挿通された前記係合突部122bが位置している。従って、前記駆動モータ115の駆動により前記作動部材137が回転された際に、前記扇状切欠部138を画成する作動部材137の端面(第2係合部)138aが係合突部122bに当接して押圧する。なお、前記係合突部122bは、前記扇状切欠部138の開口よりも小径に形成されて、該扇状切欠部138を画成する作動部材137の一方の端面138aのみが係合突部122bに当接し、他方の端面138bは係合突部122bから離間するようになっている。以下の説明では、前記作動部材137において扇状切欠部138を画成する端面の内、前記係合突部122bを押圧する端面を押圧端面138aと指称し、係合突部122bから離間する端面を離間端面138bと指称する。
【0071】
また、前記作動部材137の外周面には、径方向外方に向けて扇状に延出する位置検出片137cが形成されると共に、前記装置本体111(前カバー体112)には、該位置検出片137cを検出する位置検出センサ139(位置検出手段)が設けられており、該位置検出センサ139が作動部材137の位置検出片137cを検出することで、作動部材137の原位置(図29(a)参照)が検出されるようになっている。ここで、前記位置検出センサ139が作動部材137の位置検出片137cを検出する原位置では、前記引張りバネ128の付勢力により第1の可動体120が閉鎖位置に保持された状態での前記係合突部122bの上部側に、作動部材137の押圧端面138aが当接するよう構成されている。
【0072】
すなわち、前記駆動モータ115の駆動時には、前記作動部材137の押圧端面138aが係合突部122bを下方に押し下げるように作動部材137が回転(図29の反時計回り)され、作動部材137の回転に伴って押圧端面138aが係合突部122bを押し下げるよう押圧することで、前記引張りバネ128の付勢力に抗して第1の可動体120が閉鎖位置から開放位置に向けて回転される。反対に、前記押圧端面138aが係合突部122bから離間する方向(図29の時計回り)に作動部材137が回転されることで、引張りバネ128の付勢力により第1の可動体120が開放位置から閉鎖位置に向けて回転される。そして、前記位置検出センサ139が位置検出片137cを検出して作動部材137が原位置に復帰することで駆動モータ115が停止される。このとき、前記第1の可動体120は、前記引張りバネ128の付勢力により閉鎖位置に保持される。すなわち、前記作動部材137の原位置(位置検出片137c)を位置検出センサ139で検出することで、前記第1の可動体120の回転位置を直接的に検出することなく、該第1の可動体120が閉鎖位置にあることが間接的に検出されるようになっている。
【0073】
ここで、図31(a)〜(c)に示すように、前記第1の可動体120が閉鎖位置にある状態では、該第1の可動体120(係合突部122b)が閉鎖位置から開放位置に回転する方向に前記作動部材137の離間端面137bが離間している。従って、前記第1の可動体120が閉鎖位置にある状態では、外的な力の作用により第1の可動体120を閉鎖位置から開放位置に向けて回転させることが可能となっている。これにより、前記第1の可動体120が閉鎖位置にある状態では、前記球案内通路94の下流端部から放出されて第1の可動体120に接触した衝撃(すなわち外力)により第1の可動体120が開放位置に向けて揺動され得ると共に(図31(c)参照)、第1の可動体120が開放位置に向けて僅かに揺動された際に、前記係合突部122bが押圧端面138aから離間することで、第1の可動体120に作用する外力の消失に伴い前記引張りバネ128の付勢力により第1の可動体120が閉鎖位置に復帰するようになっている。なお、外的な力の作用により第1の可動体120が閉鎖位置から開放位置に向けて回転されたとしても、前記作動部材137が回転されることはなく、前記位置検出センサ139による位置検出片137cの検出状態が維持されて、作動部材137は駆動モータ115を停止させたまま原位置に保持される。
【0074】
(第2の可動体142について)
前記第2の可動体142は、図27〜図29等に示すように、「耳」を模した装飾が施された可動体であって、前記前カバー体112に取り付けられる本体装飾カバー116aの右上端部に前後に貫通するよう形成された通孔(図示せず)に挿通させた第2シャフト144の前端部に、該第2の可動体142が固定されている。そして、前記第2シャフト144の後端部に、揺動アーム部材(連繋部)143の一端部が固定されている。また、前記揺動アーム部材143の他端部には、該揺動アーム部材143の延在方向に沿って延在する長孔143aが前後に開口するよう形成されて、当該揺動アーム部材143の長孔143aに、前記第1の可動体120の前側固定板125に形成された前記アーム部126aが挿通されている。従って、前記駆動モータ115の駆動により前記前側固定板125(アーム部126a)が揺動されることで、前記揺動アーム部材143が第2シャフト144を中心に揺動されると共に、該揺動アーム部材143の揺動に伴って第2シャフト144に連結された前記第2の可動体142が揺動するようになっている。すなわち、駆動モータ115の駆動により第1の可動体120と第2の可動体142とが一体的に揺動されるよう構成されている。
【0075】
(パチンコ球の排出経路について)
次に、前記透明板21の枠状装飾体90に配設された第2の特別入賞装置93に入賞したパチンコ球の排出経路に関する構成に関して説明する。具体的には、図2、図3、図32〜図39に示すように、前記裏ユニット35に配設された前記排出球演出装置110が固定される通路形成部材101と、前記可動演出装置40の左下部に配設された第1の装飾部材150と、該可動演出装置40の右下部に配設された第2の装飾部材155とに対して、パチンコ球を球回収部に回収する球回収通路RAや第1〜第4球排出通路RB1〜RB4が形成される。すなわち、前記第1の装飾部材150および第2の装飾部材155は、パチンコ球の球排出通路を形成する通路形成部材としても機能している。
【0076】
(通路形成部材101について)
図26、図30、図32、図33に示すように、前記裏ユニット35の開口右側部には、前記球案内通路94の下流端部から放出されたパチンコ球を受け入れて、前記球回収部に排出する球回収通路RAを画成する通路形成部材101が配設されている。前記通路形成部材101は、後方に開口する箱状に形成された箱状部102と、該箱状部102の後端上部から上方へ延出する取付板部103とを備えており、該通路形成部材101の後端部を裏ユニット35に配設した際に、箱状部102の後方開口が裏ユニット35で閉成されることで、パチンコ球が流下可能な第1の球通路104を画成するようになっている。ここで、前記通路形成部材101により画成される前記第1の球通路104は、前記球回収通路RAの一部を構成するものである。また、前記取付板部103には、図26に示すように、前記排出球演出装置110がねじ固定され、前記通路形成部材101と排出球演出装置110とを一体のユニットとして取り扱い得るようになっている。
【0077】
そして、前記通路形成部材101の取付板部103に前記装置本体111をねじ止めした状態で、該通路形成部材101を裏ユニット35に固定することで、前記排出球演出装置110が裏ユニット35に配設される。すなわち、前記通路形成部材101は、前記排出球演出装置110の装置本体111を取り付ける取付ベースとして機能している。なお、前記装置本体111は、前記通路形成部材101の取付板部103に対して、後方から前方に向かうにつれて右方向に延在するよう傾斜した傾斜姿勢で取り付けられて、前記第1の可動体120が前記球案内通路94の下流端部から放出されたパチンコ球が描く放物線軌道上に位置している。
【0078】
また、前記通路形成部材101(箱状部102)の左側面102d(球案内通路94側の側面)の上端部には、前記第1の球通路104に連通する球通入口102aが左方向(球案内通路94側)に開口するよう形成されている。すなわち、前記排出球演出装置110の第1の可動体120が開放位置にある状態で前記球案内通路94の下流端部から放物線を描くよう放出されたパチンコ球が、前記球通入口102aを介して第1の球通路104内に通入し得るようになっている。前記第1の球通路104は、前記球通入口102aから下方に向けて延在するよう形成されると共に、前記箱状部102における第1の球通路104の下部側に、前記裏ユニット35に形成されたホルダ105(図30参照)に取り付けられた球検出センサ106が臨むセンサ収容部102bが形成されており、該第1の球通路104を流下したパチンコ球を球検出センサ106で検出するよう構成される。なお、実施例では、前記球検出センサ106がパチンコ球を検出することで、前記図柄表示装置17で行なわれる大当り演出の内容が変化するよう設定されると共に、パチンコ機10に備えたスピーカから出力される効果音を変化させたり、前記可動演出装置40の第1および第2LED59,60やその他パチンコ機10が備える発光手段の発光色や発光強度を変化させるよう構成されている。
【0079】
また、前記通路形成部材101(箱状部102)の左側面102dの下部位置には、左右方向に開口する球通出口102eが形成されると共に、前記裏ユニット35には、前記ホルダ105の下方に、前記球検出センサ106で検出されたパチンコ球を球通出口102dへ誘導する誘導片107が形成されている。ここで、前記球通出口102dは、前記第2の装飾部材155に形成される第2の球通路157(後述)に連通するよう形成されている。すなわち、前記第1の球通路104を流下したパチンコ球は、第2の球通路157に向けて案内されている。なお、前記通路形成部材101には、前記センサ収容部102bの前端部側から下方に延出する規制板部102cが形成されて、該規制板部102cが前記誘導片107の前端部に当接して、誘導片107の前側にパチンコ球が移動しないよう構成されている。換言すると、前記第1の球通路104は、前記通路形成部材101および誘導片107により形成され、第1の球通路104の経路途中に前記球検出センサ106が配置されている。
【0080】
(第1の装飾部材150)
前記第1の装飾部材150は、図2〜図4に示すように、前記裏ユニット35の開口左下部に配設されると共に、前記可動演出装置40の前側に位置するよう配置されている。そして、前記第1の装飾部材150の上端部には、図34〜図37に示すように、前記可動演出装置40の前面左下部位置に、円弧状に凹むよう湾曲した湾曲面部151が設けられている。ここで、前記湾曲面部151の前端部が前記透明板21の裏面に当接するよう構成されて、該湾曲面部151上をパチンコ球が左右方向に転動し得るようになっている。また、前記湾曲面部151は、右端部(第2の装飾部材155側の端部)に向かうにつれて下方傾斜するよう湾曲形成されており、該湾曲面部151上に到来したパチンコ球を、第2の装飾部材155に形成される通路部材160(後述)に向けて転動させるよう構成される。すなわち、前記湾曲面部151は、パチンコ球を球回収部に回収する前記第2の球排出通路RB2の一部を構成している。
【0081】
また、図34に示すように、前記第1の装飾部材150には、前記湾曲面部151の後端部に、上方に延出する突出板152が形成されると共に、該湾曲面部151の左端部に、上方に向けて延出する立上がり壁153が形成されている。そして、前記突出板152の上端面152aには、前記可動演出装置40の可動部材70が前記初期位置にある状態で、該可動部材70の下面となる外側面72bが対向すると共に、該突出板152の前面が可動部材70の前面(針状部72の前面部)と略同一平面上に位置するよう構成されており、初期位置にある可動部材70の針状部72の上面側に到来したパチンコ球を、該針状部72の外側面72bの傾斜により湾曲面部151上に落下させ得るよう構成されている。また、前記突出板152の上端面152aも、前方へ向けて下方傾斜するよう形成されており、該突出板152の上端面152a上に到来したパチンコ球を湾曲面部151上に落下させるようになっている。
【0082】
(第2の装飾部材155)
前記第2の装飾部材155は、図2〜図4に示すように、前記裏ユニット35の開口右下部に配設されて、前記通路形成部材101の前面を第2の装飾部材155で覆って装飾するよう構成されている。また、前記第2の装飾部材155は、前記可動演出装置40の前側に位置するよう配置される。前記第2の装飾部材155の前面側には、図33、図34、図38、図39に示すように、上方および前方に開口する凹状部156が所要の屈曲形状に形成されており、該凹状部156の前方開口を前記透明板21で塞ぐよう構成され、パチンコ球が通過可能な第2の球通路157が画成されるようになっている。なお、前記第2の球通路157は、パチンコ球が自重で流下し得るよう経路が上方から下方に延在する屈曲形状となっている。なお、前記凹状部156(第2の球通路157)の下流端部は、下方に開口する球通出口155cが開設されると共に、前記裏ユニット35における凹状部156(第2の球通路157)の球通出口155cと整列する位置に、前記球回収部に連通する球出口35b(図3参照)が上下に貫通するよう開設されており、第2の球通路157を通過して球通出口155cから排出されたパチンコ球が裏ユニット35の球出口35bを介して球回収部に排出されるようになっている。
【0083】
また、前記第2の装飾部材155には、前記凹状部156(第2の球通路157)の上端部位置に、第2の球通路157に連通する第1の連通口155aが前後に開口するよう形成されると共に、該第1の連通口155aの開口下縁から後方へ向けて突出する突出片158が形成されている。この突出片158は、前記通路形成部材101に形成された第1の球通路104の球通出口102eの開口下方に臨むと共に、前方(第1の連通口155a)に向けて下方傾斜するよう形成されており、該第1の球通路104の球通出口102eを通入したパチンコ球を突出片158で受止めて、前記第1の連通口155aを介して第2の球通路157に案内するようになっている。そして、前記第2の球通路157を流下したパチンコ球は、該第2の球通路157の球通出口155cを介して裏ユニット35の球出口35bを介して遊技盤20の下方に排出されて前記球回収部に回収される。すなわち、前記第2の球通路157は、球回収部に連通してパチンコ球を球回収部に排出する球回収通路RAの一部を構成し、実施例では、前記通路形成部材101に形成された第1の球通路104と、前記第2の装飾部材155に形成された第2の球通路157とにより球回収通路RAが形成されている。
【0084】
また、図33、図34、図38、図39に示すように、前記第2の装飾部材155の前面上部には、前記枠状装飾体90に設けられた球排出通路形成部材98の球転動面98aの傾斜下端部と整合する位置に、前方に突出する傾斜片159が形成されている。この傾斜片159は、前記枠状装飾体90に設けられた球排出通路形成部材98の球転動面98aの傾斜下端部に臨むと共に、該球転動面98aの傾斜下端部から前記第2の球通路157に向けて下方傾斜するよう形成されている。また、前記傾斜片159の前端部には、前記透明板21の裏面が当接するよう構成されて、該傾斜片159上をパチンコ球が右方向(第2の球通路157)に向けて転動し得るようになっている。
【0085】
ここで、前記傾斜片159の傾斜下端部は、前記第2の球通路157の上方開口端部に臨むよう構成されており、前記球案内通路94から球排出通路形成部材98の球転動面98aに移動したパチンコ球が、前記傾斜片159上を転動して第2の球通路157に案内され、該第2の球通路157を介して前記パチンコ機裏側の球回収部に回収されるようになっている。すなわち、前記球排出通路形成部材98の球転動面98aおよび傾斜片159の夫々により形成される通路が、パチンコ球を球回収部に排出する第1の球排出通路RB1を構成している。ここで、前記第1の球排出通路RB1は、前記球回収通路RA(第1の球通路104)を通過するパチンコ球を検出する球検出センサ106の配設位置よりも下流側となる位置で、該球回収通路RAに連通接続されており、該第1の球排出通路RB1を通過するパチンコ球が球検出センサ106で検出されることはない。
【0086】
また、前記第2の装飾部材155の裏面側には、図35〜図38に示すように、前方に開口すると共に前記第1の装飾部材150側に開口する断面略コ字状の通路部材160が配設されており、該通路部材160の前方開口が第2の装飾部材155で塞がれることでパチンコ球が通過可能な第3の球通路160aが画成されている。前記通路部材160の底面は、前記第1の装飾部材150側の端部から離間するにつれて下方傾斜すると共に、該通路部材160の底面の傾斜上端部が前記第1の装飾部材150に形成された前記湾曲面部151の傾斜下端部に整合するよう構成されて、該湾曲面部151を転動したパチンコ球が第3の球通路160aに移動するようになっている。また、前記通路部材160は、前記第1の連通口155aの形成位置近傍で下方に屈曲するよう折り曲げ形成されている。
【0087】
また、前記第2の装飾部材155における前記第3の球通路160aの下流端部位置には、前記第2の球通路157に連通する第2の連通口155bが前後に開口するよう開設されている。前記第2の連通口155bは、前記第2の装飾部材155の前面側に形成された前記第2の球通路157に連通されている。すなわち、前記湾曲面部151から前記通路部材160の第3の球通路160aに転動したパチンコ球は、前記第2の連通口155bを介して前記第2の球通路157に案内され、該第2の球通路157を介して前記パチンコ機裏側の球回収部に回収されるようになっている。すなわち、前記第1の装飾部材150の湾曲面部151および第2の装飾部材155の第3の球通路160aの夫々により形成される通路が、パチンコ球を球回収部に排出する第2の球排出通路RB2を構成している。ここで、前記第2の球排出通路RB2は、前記球回収通路RA(第1の球通路104)を通過するパチンコ球を検出する球検出センサ106の配設位置よりも下流側となる位置で、該球回収通路RAに連通接続されており、該第2の球排出通路RB2を通過するパチンコ球が球検出センサ106で検出されることはない。
【0088】
更に、前記第2の装飾部材155の裏側には、図35、図39等に示すように、前記通路部材160の上方位置に、前記第1の装飾部材150から離間するにつれて下方傾斜する傾斜案内片161が後方に突出するよう形成されている。前記傾斜案内片161の傾斜上端部(第1の装飾部材150側の端部)は、前記可動演出装置40のベース部材41(前ケース体42)に形成された可動位置規制突部46の右端部に近接位置すると共に、該傾斜案内片161の後端部にベース部材41(前ケース体42)の前面が当接するよう構成されて、該傾斜案内片161上をパチンコ球が右方向に向けて転動し得るようになっている(図22または図35参照)。すなわち、前記可動演出装置40の可動部材70(針状部72)が可動位置まで回転された際には、該可動部材70(針状部72)が傾斜案内片161に上下に重なるよう位置すると共に、第2の装飾部材155により可動部材70(針状部72)の前側が覆われて収容されるようになっている。
【0089】
また、前記傾斜案内片161の傾斜下端部は、図35に示すように、前記突出片158の上方に臨むよう構成されており、該傾斜案内片161上に到来したパチンコ球は、当該傾斜案内片161上を転動して傾斜下端部から突出片158上に落下し、該突出片158の傾斜によって前記第1の連通口155aを介して第2の球通路157に案内され、該第2の球通路157を介して前記パチンコ機裏側の球回収部に回収されるようになっている。すなわち、前記傾斜案内片161により形成される通路が、パチンコ球を球回収部に排出する第3の球排出通路RB3を構成している。ここで、前記第3の球排出通路RB3は、前記球回収通路RA(第1の球通路104)を通過するパチンコ球を検出する球検出センサ106の配設位置よりも下流側となる位置で、該球回収通路RAに連通接続されており、該第3の球排出通路RB3を通過するパチンコ球が球検出センサ106で検出されることはない。
【0090】
図33、図34に示すように、前記第2の装飾部材155における前記第1の連通口155aの上方位置には、後方へ凹む球受け凹部162が形成されている。そして、前記球受け凹部162の上方に、前記排出球演出装置110(第1の可動体120)が配置されており、閉鎖位置から開放位置に揺動した第1の可動体120が球受け凹部162の内部に臨むことで、該第1の可動体120の動作を阻害しないようになっている。また、前記球受け凹部162の下端部は、前記第2の球通路157の上方開口に臨むよう構成されており、前記球案内通路94の下流端部から放出されて前記第1の可動体120に接触したパチンコ球が球案内通路94に跳ね返らず落下した際に、前記枠状装飾体90の傾斜案内部99や球受け凹部162を介して第2の球通路157に案内され、該第2の球通路157を介して前記パチンコ機裏側の球回収部に回収されるようになっている。すなわち、前記枠状装飾体90の傾斜案内部99や前記第2の装飾部材155の球受け凹部162は、前記第1の可動体120との接触時に球案内通路94に跳ね返らず落下したパチンコ球を排出する第4の球排出通路RB4を構成している。なお、前記枠状装飾体90の傾斜案内部99や前記第2の装飾部材155の球受け凹部162からのパチンコ球は、前記球回収通路RA(第1の球通路104)を通過するパチンコ球を検出する球検出センサ106の配設位置よりも下流側となる第2の球通路157に落下するから、該傾斜案内部99や球受け凹部162から落下したパチンコ球が球検出センサ106で検出されることはない。
【0091】
(第3の装飾部材164)
また、図3、図37に示すように、前記裏ユニット35の開口部35aの開口左側部に配設された前記第3の装飾部材164には、右下端部に上方に延出する第2の球規制片165が形成されている。前記第2の球規制片165は、前記可動演出装置40のベース部材41の左端部に対向すると共に、該ベース部材41の上端部より上方へ延出するよう形成されている。また、前記枠状装飾体90の球誘導路92に形成された前記第1の球規制片92aの下端部が、前記第2の球規制片165の上端部に対向すると共に、両端部間をパチンコ球が通過不能となるよう近接位置している。従って、前記第1および第2の球規制片92a,165に当接したパチンコ球は、前記可動演出装置40側に誘導されて、前記第1の装飾部材150の湾曲面部151に移動するよう構成され、前記第2の球排出通路RB2(湾曲面部151および第3の球通路160a)および第2の球通路157を介して前記パチンコ機裏側の球回収部に回収されるようになっている。
【0092】
〔実施例の作用〕
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
【0093】
前記遊技盤20に設けた内外のレール22a,22bに沿って遊技領域23に打ち出されたパチンコ球は、遊技盤20上に設けた遊技釘等に接触して流下方向を変更しながら流下する。そして、前記遊技領域23を流下するパチンコ球が前記始動入賞装置24に入賞すると、前記図柄表示装置17において所要の図柄変動演出が開始され、図柄変動演出の結果、図柄表示装置17に所定の図柄組み合わせが表示されると大当りが発生する。大当りが発生すると、図柄表示装置17に表示された図柄組み合わせに応じて、前記遊技盤20の下方に設けられた第1の特別入賞装置25および前記枠状装飾体90の上部位置に設けられた第2の特別入賞装置93の何れかが開放されると共に、図柄表示装置17において大当り演出が行なわれる。このように、大当りの発生時に開放する特別入賞装置25,93を2つ設けたことで、遊技演出の多様化が図られる。更に、図柄変動演出の結果、図柄表示装置17に小当りを発生する図柄組み合わせが表示されると小当りが発生して、第2の特別入賞装置93の特別入賞口93aが開放されると共に、図柄表示装置17において小当り演出が行なわれる。すなわち、大当りとは別に小当りを設けることで、遊技演出の更なる多様化を図り得る。
【0094】
(可動演出装置40による演出に関して)
そして、前記図柄表示装置17で展開される図柄変動演出や大当り演出、小当り演出等に応じて前記裏ユニット35に配設された前記可動演出装置40が作動されて可動部材70の動作による演出が行なわれる。すなわち、前記可動演出装置40に設けられた駆動モータ50が駆動されることで、前記可動部材70が初期位置から可動位置に向けて回転動作され、動作終了時に駆動モータ50の駆動により初期位置に可動部材70が復帰するようになっている。このとき、図柄表示装置17で展開される演出内容に応じて初期位置からの可動部材70の回転角度を適宜変更するよう駆動モータ50が作動制御されて、可動部材70の動作による遊技性の多様化を図り、遊技の興趣を高めている。ここで、前記可動部材70が初期位置にある状態では、前記ベース部材41の初期位置規制突部45に当接して位置規制され、可動部材70が可動位置にある状態では、ベース部材41の可動位置規制突部46に当接して位置規制されることで、可動部材70を所定の初期位置および可動位置で確実に停止させ得るようになっている。
【0095】
また、前記可動演出装置40は、前記ベース部材41の収容空間48に収容したLED基板58に実装した第1のLED59が前記区画部材61に形成された各発光体収容部67の後方開口に臨むと共に、該LED基板58に実装された第2のLED60がベース部材41の前ケース体42を介して前記枠状装飾体90の遮蔽板90cに対向している。従って、前記区画部材61の各発光体収容部67の開口部を覆う前記可動部材70に向けて第1のLED59の光が照射されると共に、前記ベース部材41の前ケース体42を透過した第2のLED60の光が遮蔽板90cに照射される。これにより、前記遮蔽板90cが明輝されて、パチンコ機10の装飾性が向上される。
【0096】
また、前記発光体収容部67の開口部の前方には、前記可動部材70に設けられた第1反射部材75の第1反射面78が位置しているから、該発光体収容部67を透過した第1のLED59からの光は、該第1反射面78により針状部72の形成方向(可動部材70の回転軸70aに交差する方向)に向けて反射される。そして、前記第1反射面78で反射された反射光が、前記第2反射部材80の透過壁部83aを透過して前記透明部材85に入射し、該透明部材85の光拡散部85aで拡散された拡散光が第2反射部材80の反射面部82(各第2反射面82a)で前記針状部72の光透過部73に向けて反射される。このとき、この反射面部82(各第2反射面82a)で反射された反射光は、該反射面部82(各第2反射面82a)に対向する前記透明部材85の光拡散部85aで拡散されつつ、前記光透過部73に照射される。
【0097】
前記透明部材85に入射した第1反射面78で反射された反射光は、該透明部材85の光拡散部85aで拡散されて第2反射部材80の反射面部82(各第2反射面82a)に照射される。このため、前記反射面部82(各第2反射面82a)に対して全面的に光が照射されるから、反射面部82(各第2反射面82a)の全体で光を反射することになる。更に、前記反射面部82(各第2反射面82a)からの反射光を透明部材85の光拡散部85aで更に拡散されることで、可動部材70の光透過部73の全体を照明することが可能となる。すなわち、第1のLED59により可動部材70の光透過部73の全体を照明することができ、光透過部73に照明斑が現れるのを防止して、略均一の明るさで明輝させることができる。
【0098】
そして、前記発光体収容部67は、図15〜図18に示すように、前記区画部材61に対して可動部材70の回転方向に離間する複数箇所(実施例では3つ)に形成され、可動部材70の回転に伴って前記第1反射面78が発光体収容部67の開口部に順次臨むよう構成したから、可動部材70を回転させたとしても、第1反射面78が臨む発光体収容部67に収容された第1のLED59を発光させることで可動部材70の光透過部73を明輝させることができる。すなわち、可動部材70自体にLED等の発光体を設けることなく該可動部材70の光透過部73を発光させ得るから、可動部材70の軽量化や小型化を図り得る。また、可動部材70に発光体を備えた場合には、発光体に接続する配線の絡まりや断線を防止するために、可動部材70の動作や配線の取り回しに制約を受けることになるが、実施例のように、ベース部材41側に設けた第1のLED59からの光により光透過部73を発光させることで、配線の絡まりや断線が生ずることはなく、可動部材70の動作が制限されることはない。
【0099】
また、図18に示すように、前記可動部材70の回転に伴い、前記第1反射面78が前記区画部材61の仕切り壁66,66の前方に位置した場合には、隣接する2つの発光体収容部67の開口前方に第1反射面78が臨む。このため、前記第1反射面78が前記区画部材61の仕切り壁66,66の前方に位置に可動部材70が回転移動した場合に、前記光透過部73の輝度が低下するのを防止することができる。更に、前記区画部材61は、前記発光体収容部67を区画する仕切り壁66,66を、前記LED基板58の前面から離間するよう構成されているから、仕切り壁66,66とLED基板58との間の隙間から第1のLED59の光が隣接する発光体収容部67にも入射され、前記可動部材70の回転に伴った光透過部73の輝度の低下を防止できる。
【0100】
そして、前記第2反射部材80の後板部81を、前記第1反射部材75の第1反射面78に近接する端部から離間するにつれて前記光透過部73側に近接するよう傾斜させると共に、反射面部82を構成する第2反射面82aの光透過部73側の端部から光透過部73までの距離Lを、第1反射面78から離間するにつれて漸減させたことで、第1反射面78で反射された反射光を、反射面部82の第1反射面78から離間する端部側(すなわち針状部72の先端側)に位置する第2反射面82aまで到達させることができる。これにより、前記第1反射面78で反射された光を反射面部82の全体に照射することができ、該反射面部82で反射された光により光拡散部85aの全体を均一な明るさで照明し得るようになる。また、実施例では、前記光透過部73と反射面部82との間に配置された透明部材85も、前記第1反射部材75の第1反射面78に近接する端部から離間するにつれて前記光透過部73側に近接するよう傾斜させてあるから、該透明部材85の光拡散部85aで拡散された光を反射面部82に対して略均一に照射され、可動部材70の光透過部73の全体を、より均一な明るさで明輝することが可能となる。
【0101】
また、前記第2反射部材80を透明な合成樹脂により形成したことで、前記第2反射面82aに照射された光は、該第2反射面82aで反射される一方で、一部は第2反射面82aを透過することになる。これにより、前記第1反射面78から離間する端部側(すなわち針状部72の先端側)に位置する第2反射面82aに対して十分な光量で光を照射できるようになる。更に、前記第2反射部材80の外面(後板部81および外周壁83の外面)に光反射加工を施したことで、反射面部82(第2反射面82a)を透過した光が第2反射部材80の外部に漏れ出ることを防止すると共に、第1反射面78からの反射光の全量を光透過部73に向けて反射することができ、反射効率の向上を図り得る。
【0102】
(排出球演出装置110による演出に関して)
また、前記図柄表示装置17で展開される図柄変動演出や大当り演出、小当り演出等に応じて前記裏ユニット35に配設された前記排出球演出装置110が作動されて第1および第2の可動体120,142の動作による演出が行なわれる。すなわち、前記第1の可動体120が閉鎖位置にある状態では、前記排出球演出装置110の駆動モータ115が駆動され、前記作動部材137が前記第1の可動体120の開放方向(図31の反時計回り)に回転されると、該作動部材137の扇状切欠部138を画成する押圧端面138aが第1の可動体120に設けた係合突部122bに当接して下方に押し下げるよう押圧する。すなわち、前記押圧端面138aが係合突部122bを押圧する方向(図31の反時計回り)に前記作動部材137が回転することで、前記引張りバネ128の付勢力に抗して第1の可動体120が閉鎖位置から開放位置に向けて回転される。
【0103】
反対に、前記第1の可動体120が開放位置にある状態で前記排出球演出装置110の駆動モータ115が駆動されて、前記作動部材137が前記第1の可動体120の閉鎖方向(図31の時計回り)に回転されると、該押圧端面138aが係合突部122bから離間する方向に移動する。従って、前記押圧端面138aが係合突部122bから離間する方向(図31の時計回り)に前記作動部材137が回転することで、前記引張りバネ128の付勢力により第1の可動体120が開放位置から閉鎖位置に向けて回転される。そして、前記作動部材137が原位置に復帰すると、該作動部材137に設けた位置検出片137cを前記位置検出センサ139が検出して駆動モータ115が停止される。このとき、前記第1の可動体120は、前記引張りバネ128の付勢力により初期位置に復帰することになる。すなわち、前記作動部材137の原位置を位置検出センサ139が検出することで、該作動部材137の動作に追従して閉鎖位置と開放位置との間を動作される第1の可動体120を閉鎖位置に保持することができる。
【0104】
また、前記第1の可動体120には、前記係合突部122bが形成された前側固定板125にアーム部126aが一体形成されて、前記第2の可動体142を枢支する第2シャフト144に連結された揺動アーム部材143の長孔143aに挿入するよう構成されている。このため、前記駆動モータ115の駆動に伴って前記第1の可動体120が揺動されると前記アーム部126aが一体的に揺動され、これに伴って前記揺動アーム部材143も揺動されて第2の可動体142も揺動することになる。すなわち、前記排出球演出装置110の駆動モータ115を正逆回転することで、前記第1の可動体120および第2の可動体142を一度に揺動して演出を行なうことができ、可動演出装置40による演出態様が多様化して遊技の興趣の向上を図り得る。そして、前記第1の可動体120および第2の可動体142を動作させる駆動モータ115を個別に設ける必要がなく、排出球演出装置110を小型化し得ると共に、コスト削減を図り得る利点がある。
【0105】
また、前記第2の特別入賞装置93を開放する大当りが発生すると、該第2の特別入賞装置93の特別入賞口93aに入賞したパチンコ球が球案内通路94を流下して、該球案内通路94の下流端部から放出される。ここで、前記球案内通路94や可動演出装置40、排出球演出装置110の夫々が、図柄表示装置17が臨む枠状装飾体90の開口内縁に位置することになるから、図柄表示装置17で行なわれる演出や球案内通路94を転動するパチンコ球の動き、可動演出装置40における可動部材70の動作、更には排出球演出装置110の第1および第2の可動体120,142の動作を、視線を大きく移動することなく視界に捉えることができるから、図柄表示装置17で行なわれる演出や、パチンコ球の動きによる演出、可動部材70や各可動体120,142の動作による演出の夫々の演出に対して遊技者の注意を惹き付けることができ、遊技の興趣の向上を図り得る。また、図柄表示装置17が臨む枠状装飾体90に第2の特別入賞装置93を配設することで、該第2の特別入賞装置93へのパチンコ球の入賞状況を直接目視する際の視線移動も少なくできる。
【0106】
ところで、前記排出球演出装置110は、前記球案内通路94の下流端部から放出されるパチンコ球の軌跡上に位置しているから、第2の特別入賞装置93にパチンコ球が入賞すると多数のパチンコ球が排出球演出装置110の第1の可動体120に向けて放出されることになる。ここで、前記第1の可動体120が前記通路形成部材101に形成された球通入口102aを閉鎖する閉鎖位置にある状態では、前記作動部材137における扇状切欠部138の内側に前記係合突部122bが臨み、該係合突部122bが押圧端面138aに対して離間する方向(すなわち第1の可動体120が開放位置に向けて揺動する方向)に移動可能に当接している。このため、前記球案内通路94の下流端部から放出されたパチンコ球が、前記球通入口102aを閉鎖する第1の可動体120に接触した際には、パチンコ球が接触した衝撃により押圧端面138aから係合突部122bが離間するように閉鎖位置から開放位置に向けて第1の可動体120が移動され得る。これにより、パチンコ球が第1の可動体120に接触した衝撃を緩和でき、係合突部122bや作動部材137が損傷するのを防止できる。また、前記第1の可動体120は、引張りバネ128により閉鎖位置に向けて付勢されているから、パチンコ球が接触した衝撃により第1の可動体120が押圧端面138aから係合突部122bが離間するように開放位置に向けて回転されたとしても、該引張りバネ128の付勢力により第1の可動体120を閉鎖位置に復帰でき、第1の可動体120が位置ずれした姿勢のまま保持されることはない。
【0107】
このように、簡単な構成で第1の可動体120や作動部材137を構成することで、パチンコ球が第1の可動体120に接触する衝撃を効果的に緩和し、第1の可動体120を動作させる機構の損傷や、第1の可動体120の位置ずれを防止できる。同様に、第1の可動体120に連動して第2の可動体142が動作するから、第1の可動体120が閉鎖位置にある状態で第2の可動体142に衝撃が作用した際には、押圧端面138aから係合突部122bが離間する方向に第1の可動体120が移動され、第2の可動体142に作用する衝撃を緩和でき、第1の可動体120に設けたアーム部126aや揺動アーム部材143が損傷したり、第2の可動体142の位置ずれを防止できる。
【0108】
ここで、前述のように、パチンコ球が接触した衝撃により前記押圧端面138aから係合突部122bが離間するように閉鎖位置から開放位置に向けて第1の可動体120が揺動されたとしても、前記作動部材137は回転することなく原位置に保持される。従って、前記作動部材137の原位置を位置検出センサ139が検出することで、パチンコ球の接触により第1の可動体120が揺動されたとしても、作動部材137に設けられた位置検出片137cの位置検出センサ139による検出状態が変化しないから、パチンコ球の接触により動作した第1の可動体120を閉鎖位置に復帰させるための特別な制御を不要にでき、制御系の負荷軽減を図り得る。
【0109】
(第2の特別入賞装置93に入賞したパチンコ球の排出に関して)
次に、前記第2の特別入賞装置93に入賞したパチンコ球の排出に関して説明する。前記第2の特別入賞装置93の特別入賞口93aに入賞したパチンコ球は、前記球案内通路94を流下して下流端部から放出される。このとき、前記排出球演出装置110の第1の可動体120が開放位置にある場合には、放出されたパチンコ球は、第1の可動体120と装置本体111とにより画成される通過口120bを介して前記通路形成部材101の球通入口102aに通入する。前記球通入口102aに通入したパチンコ球は、前記通路形成部材101に形成される第1の球通路104を流下する過程で裏ユニット35のホルダ105に保持された球検出センサ106で検出された後に、該裏ユニット35に形成された誘導片107および前記第2の装飾部材155に形成された突出片158を転動して前記第2の球通路157に案内され、該第2の球通路157を流下したパチンコ球が前記パチンコ機10の裏側に設けられた球回収部に回収される。すなわち、前記排出球演出装置110の第1の可動体120が開放位置にある状態で前記球案内通路94を流下して下流端部から放出されたパチンコ球は、前記球回収通路RA(第1の球通路104および第2の球通路157)を介して球回収部に回収される。
【0110】
一方、前記排出球演出装置110の第1の可動体120が閉鎖位置にある状態で前記球案内通路94の下流端部から放出されたパチンコ球は、該第1の可動体120に接触して球案内通路94に跳ね返される。前記球案内通路94に跳ね返されたパチンコ球は、該球案内通路94の最下点に形成された球排出口96を介して前記球排出通路形成部材98に形成される第1の球排出通路RB1(球排出通路形成部材98の球転動面98aおよび第2の装飾部材155の第3の球通路160a)を転動する。そして、前記第1の球排出通路RB1は、前記第2の球通路157の上方開口に連通していることから、前記球案内通路94に跳ね返されたパチンコ球は、前記第1の球排出通路RB1から第2の球通路157(球回収通路RA)に案内され、該第2の球通路157を流下したパチンコ球が前記パチンコ機10の裏側に設けられた球回収部に回収される。
【0111】
ここで、前記通路形成部材101には、前記裏ユニット35に形成されたホルダ105に保持された球検出センサ106を収容するセンサ収容部102bが形成されて、前記第1の球通路104を流下するパチンコ球を検出するようになっている。また、前記第1の球排出通路RB1は、前記球回収通路RAにおいて前記球検出センサ106の下流側となる第2の球通路157に連通するから、該第1の球排出通路RB1を流下するパチンコ球が球検出センサ106で検出されることはない。すなわち、前記球通入口102aを介して球回収通路RA(第1の球通路104)を通過するパチンコ球を、前記第1の球排出通路RB1を介して球回収通路RA(第2の球通路157)を通過するパチンコ球と区別し得る。これにより、第1の可動体120が開放したタイミングで排出球演出装置110まで到達したパチンコ球が球通入口102aを通過して球回収通路RAを流下した場合と、第1の可動体120が閉鎖したタイミングでパチンコ球が可動演出装置40まで到達した結果、第1の球排出通路RB1を介して球回収通路RAに流下した場合とで、遊技の演出内容(例えば効果音や図柄表示装置17における表示)を変化させることができ、球案内通路94を転動するパチンコ球や可動部材70の開閉動作に対する注意を高め、遊技の興趣を向上し得る。
【0112】
また、前記球案内通路94には、前記第1の球排出通路RB1が連通する前記球排出口96よりも上流側に、下流側に向かうにつれて前方に突出する誘導部97を形成し、球案内通路94上を前記排出球演出装置110に向けて転動するパチンコ球を誘導部97に沿って球排出口96から離間する方向(前方)に誘導するようにしたことで、第2の特別入賞装置93に入賞したパチンコ球が排出球演出装置110まで転動する途中で球排出口96から第1の球排出通路RB1に排出されるのを防止できる。従って、第2の特別入賞装置93に入賞したパチンコ球と、排出球演出装置110の第1の可動体120の動作とを利用した演出を効果的に行なうことができる。
【0113】
そして、前記球案内通路94(排出球演出領域94b)の前面壁95bを前記排出球案内領域94aから球案内通路94の下流端部に向かうにつれて前方に傾斜させて、該球案内通路94の前後幅を拡大すると共に、球案内通路94の前後幅を最大でパチンコ球の直径2個分以上に設定したことで、当該球案内通路94を排出球演出装置110に向けて転動するパチンコ球と、該排出球演出装置110で跳ね返されて球案内通路94を転動する戻り球との球案内通路94上での衝突を回避でき、排出球演出装置110に向けて転動するパチンコ球が減勢されるのを防止し得る。従って、第2の特別入賞装置93に入賞したパチンコ球が球案内通路94の下流端部まで効率よく流下し、球案内通路94の下流端部まで到来したパチンコ球と、前記排出球演出装置110の動作とを利用した演出を行なうことができる。また、前記球案内通路94の前後幅がパチンコ球の直径2個分以上となっていない位置に、排出球演出装置110に向けて転動するパチンコ球と、該排出球演出装置110で跳ね返されて球案内通路94を転動する戻り球とが同時に到来した場合には、該球案内通路94上でのパチンコ球の衝突が発生する。このように、球案内通路94上でのパチンコ球がすれ違ったり衝突したりしてパチンコ球の動きが複雑になり、該球案内通路94を転動するパチンコ球に対する遊技者の注意が高められ、遊技の演出効果の向上が図られる。
【0114】
また、前記球案内通路94を転動するパチンコ球(戻り球も含む)は、パチンコ球同士の接触や、前記排出球演出装置110の第1の可動体120との接触等に起因して、前記球案内通路94の後面壁95aや球排出通路形成部材98の後規制板98b、あるいは球排出通路形成部材98の側部規制板98cを飛び越えて、前記可動演出装置40の配設領域(裏ユニット35側)に移動することがあり得る。ここで、前記可動演出装置40の配設領域において、前記可動部材70の基部71よりも左側の領域(初期位置にある可動部材70が位置する領域)に移動したパチンコ球は、初期位置の可動部材70上か、前記第1の装飾部材150の突出板152の上端面152aあるいは第1の装飾部材150の湾曲面部151上に落下することになる。このとき、初期位置にある可動部材70の上面となる針状部72の外側面72bおよび第1の装飾部材150の突出板152の上端面152aは、何れも前方に向けて下方傾斜しているから、最終的にパチンコ球が第1の装飾部材150の湾曲面部151上に落下する。
【0115】
すなわち、前記可動部材70の基部71よりも左側の領域(初期位置にある可動部材70が位置する領域)に移動したパチンコ球は、第2の球排出通路RB2(第1の装飾部材150の湾曲面部151および第3の球通路160a)を転動する。前記第2の球排出通路RB2は、前記第3の球通路160aの下流端部において第2の連通口155bを介して前記第2の球通路157(球回収通路RA)に案内され、該第2の球通路157を流下したパチンコ球が前記パチンコ機10の裏側に設けられた球回収部に回収される。ここで、前記第2の球排出通路RB2は、前記球回収通路RAにおいて前記球検出センサ106の下流側となる第2の球通路157に連通するから、該第2の球排出通路RB2を流下するパチンコ球が球検出センサ106で検出されることはない。従って、第2の球排出通路RB2を介して球回収通路RA(第2の球通路157)を通過するパチンコ球を、球通入口102aを介して球回収通路RA(第1の球通路104)を通過するパチンコ球と区別することができる。
【0116】
また、前記可動演出装置40の配設領域において、前記可動部材70の基部71よりも右側の領域(可動位置にある可動部材70が位置する領域)に到来したパチンコ球は、可動部材70が初期位置にある状態では前記第2の装飾部材155に形成された傾斜案内片161(第3の球排出通路RB3)上に落下する。前記第3の球排出通路RB3は、前記第2の装飾部材155に形成された突出片158の上方で開口することから、該第3の球排出通路RB3を転動したパチンコ球が突出片158上に落下し、前記第1の連通口155aを介して第2の球通路157(球回収通路RA)に案内され、該第2の球通路157を流下したパチンコ球が前記パチンコ機10の裏側に設けられた球回収部に回収される。ここで、前記第3の球排出通路RB3は、前記球回収通路RAにおいて前記球検出センサ106の下流側となる第2の球通路157に連通するから、該第3の球排出通路RB3を流下するパチンコ球が球検出センサ106で検出されることはない。従って、第3の球排出通路RB3を介して球回収通路RA(第2の球通路157)を通過するパチンコ球を、球通入口102aを介して球回収通路RA(第1の球通路104)を通過するパチンコ球と区別することができる。
【0117】
一方、前記可動演出装置40の可動部材70が可動位置にある状態では、可動部材70の基部71よりも右側の領域に移動したパチンコ球は、可動位置にある可動部材70の上面となっている外側面72b上に停留することになる。ここで、前記可動部材70は、所定の動作が終了すると初期位置に復帰するよう回転されるから、可動部材70の傾斜方向が基部71に対して左側に傾倒したタイミングで、可動部材70の外側面72b上にあるパチンコ球が前記第1の装飾部材150の突出板152の上端部152a上に誘導され、前述と同様に前記第2の球排出通路RB2(湾曲面部151および通路部材160の第3の球通路160a)を介して第2の球通路157に案内されることになる。すなわち、前記可動部材70の基部71よりも右側の領域(可動位置にある可動部材70が位置する領域)に到来したパチンコ球は、前記可動部材70の回動位置に応じて前記第2の球排出通路RB2または第3の球排出通路RB3を介して前記第2の球通路157(球回収通路RA)に案内され、該第2の球通路157(球回収通路RA)を介してパチンコ機10の球回収部に回収される。ここで、前記第2の球排出通路RB2は、前記球回収通路RAにおいて前記球検出センサ106の下流側となる第2の球通路157に連通するから、該第2の球排出通路RB2を流下するパチンコ球が球検出センサ106で検出されることはない。
【0118】
また、前記球案内通路94の下流端部から放出されて排出球演出装置110(第1の可動体120)に接触したパチンコ球が球案内通路94に跳ね返らずに排出球演出装置110(第1の可動体120)の下方に落下した場合には、前記枠状装飾体90の傾斜案内部99か、前記第2の装飾部材155の球受け凹部162にパチンコ球が落下する。ここで、前記傾斜案内部99の傾斜下端部および球受け凹部162の下端部は、何れも前記第2の球通路157の上方開口に臨むよう構成されているから、排出球演出装置110(第1の可動体120)の下方に落下したパチンコ球は、前記第2の球通路157(球回収通路RA)に案内され、該第2の球通路157を流下したパチンコ球が前記パチンコ機10の裏側に設けられた球回収部に回収される。ここで、前記第2の球排出通路RB2は、前記球回収通路RAにおいて前記球検出センサ106の下流側となる第2の球通路157に連通するから、該第2の球排出通路RB2を流下するパチンコ球が球検出センサ106で検出されることはない。
【0119】
すなわち、前記球案内通路94や第1の球排出通路RB1を転動するパチンコ球が可動演出装置40(可動部材70)の配設側に零れたとしても、第2の球排出通路RB2や第3の球排出通路RB3を介して球回収部に回収できるから、可動演出装置40(可動部材70)の配設領域にパチンコ球が残留するのを防止でき、パチンコ機10の見栄えが低下するのを防止できる。同様に、球案内通路94の下流端部から放出されて第1の可動体120に接触したパチンコ球が該球案内通路94に跳ね返らず落下したとしても、傾斜案内部99や球受け凹部162を介して球回収部に回収でき、可動演出装置40(可動部材70)の配設領域にパチンコ球が残留するのを防止し得る。また、可動演出装置40(可動部材70)の配設領域にパチンコ球が残留しないから、可動部材70の動作時にパチンコ球の挟み込み等の不具合が発生するのを好適に防止でき、可動演出装置40の故障等を防ぐことができる。更に、前記第2の球排出通路RB2や第3の球排出通路RB3を介してパチンコ球を球回収部に回収し得るようにしたことで、可動演出装置40の配設領域と球案内通路94および第1の球排出通路RB1とを区画する仕切り部材を必要以上に大きくする必要がない。すなわち、実施例のように、可動演出装置40の配設領域と第1の球排出通路RB1とを区画する後規制板98bを、可動演出装置40を覆う形状に形成して図柄表示装置17と重ならないようにでき、図柄表示装置17の視認性低下を防止できる。
【0120】
また、前記枠状装飾体90の球誘導路92に、枠状装飾体90と裏ユニット35との間の隙間を遮蔽する第1の球規制片92aを形成すると共に、該球規制片92aの下端部側に、該端部との間をパチンコ球が通過不能となるよう近接させて前記第2の球規制片165を形成してある。従って、前記第1および第2の球規制片92a,165に当接したパチンコ球は、該第1および第2の球規制片92a,165に沿って前記第2の球排出通路RB2(湾曲面部151および第3の球通路160a)に落下して、前述と同様に前記第2の連通口155bを介して前記第2の球通路157(球回収通路RA)に案内されてパチンコ機10の裏側の球回収部に回収される。これにより、パチンコ球同士の接触や、前記排出球演出装置110の第1の可動体120との接触等に起因して、前記球案内通路94の後面壁95aや球排出通路形成部材98の後規制板98b、あるいは球排出通路形成部材98の側部規制板98cを飛び越えて、前記可動演出装置40の配設領域(裏ユニット35側)に移動したとしても、透明板21(枠状装飾体90)と裏ユニット35との間の空間にパチンコ球が進入するのを確実に防止すると共に、パチンコ球をパチンコ機10の裏側の球回収部に回収することが可能となる。すなわち、実施例に係るパチンコ機では、前記第2の特別入賞装置93に入賞したパチンコ球を、球回収部まで確実に回収することができる。
【0121】
〔変更例〕
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず、種々の変更が可能であり、以下にその一例を示す。
(1) 実施例では、前記第2反射部材の反射面部に、前記第1反射部から離間するにつれて前記光透過部側に近接するよう傾斜する第2反射面を、該第1反射部からの反射光の照射方向に複数形成し、該第2反射面の光透過部側の端部から光透過部までの距離を、第1反射部から離間するにつれて漸減させるよう構成したが、これに限られるものではない。例えば、図40に示すように反射面部82を平面状に形成すると共に、該反射面部82自体が第1反射面78に近接する端部から離間するにつれて光透過部73側に近接するよう傾斜するよう構成することもできる。この場合も、実施例と同様に、光透過部73の全体を略均一な明るさで照明することができる。
(2) 実施例では、透明部材における光拡散部の形成面を、第2反射部材の反射面部(第2反射面)に近接させて、該透明部材の光拡散部で拡散された光が反射面部に照射されるよう構成したが、図41に示すように、透明部材85における光拡散部85aの形成面を、第2反射部材80の反射面部82(第2反射面82a)から離間させて、前記第1反射面78からの反射光を反射面部82(第2反射面82a)に直接照射させ、該反射面部82(第2反射面82a)からの反射光を透明部材85の光拡散部85aで拡散して光透過部73に照射するよう構成することもできる。この場合も、実施例と同様に、光透過部73の全体を略均一な明るさで照明することができる。
(3) 実施例では、可動演出装置に設けられる区画部材に、3つの発光体収容部を設けるよう構成したが、2つあるいは4つ以上の発光体収容部を形成するようにしてもよい。
(4) 実施例では、区画部材の各発光体収容部に臨む発光体(LED)の発光色を同じにしたが、これに限らず、各発光体収容部に臨む発光体の発光色を異ならせるようにしてもよい。この場合には、可動部材の回転角度に応じて可動部材の光透過部に照射される発光色が変化するから、遊技性をより一層多様化して遊技の興趣を向上することが可能となる。また、可動部材に設けられた第1反射部(第1反射面)が発光体収容部を区画する仕切り壁の前側に位置して、該第1反射部が2つの発光体収容部に臨む場合には、各発光体収容部に臨む発光体の発光色が混ざり合った状態で光透過部に照射することができる。
(5) 実施例では、区画部材の各仕切り壁を発光体よりも前方に位置させて、各発光の発光時に隣接する発光体収容部に光が入射し得るよう構成したが、これに限らず、該仕切り壁を発光体基板に当接させる等により発光体収容部を発光体毎に完全に区画して、隣接する発光体収容部に光が入射し得ないよう構成することもできる。これにより、各発光体収容部の開口部から照射される光の強度を高めることができ、可動部材の光透過部からより強い光を透過させることが可能となる。
(6) 実施例では、可動演出装置を裏ユニットの開口下部に配設するようにしたが、これに限られるものではなく、裏ユニットの開口上部や開口側部に配設してもよく、また、透明板に設けられた枠状装飾体に配設するようにしてもよい。すなわち、可動演出装置は、可動部材の動作を遊技機の前方から視認可能な位置に配設されていればよい。
(7) 実施例では、遊技盤を透明板と裏ユニットとから構成したが、ベニヤ板等により遊技盤を形成してもよい。
(8) 駆動手段の駆動により可動部材を回転させる伝達手段としては、実施例に示した歯車機構に限られるものではなく、ベルト機構やリンク機構、その他従来公知の各種機構を採用し得ることは当然である。
(9) 実施例では、可動部材に対して第1反射部を設けた反射部材(第1反射部材)を取り付けるようにしたが、可動部材に第1反射部を直接設けることも可能である。
(10) 実施例では、可動部材を支持装置等の指針を模した形状に形成したが、これに限られるものではなく、任意の形状に形成することができる。
(11) 実施例では、第1の可動体に第1係合部として係合突部を突設すると共に、作動部材における扇状切欠部を画成する端面を第2係合部として設けるよう構成したが、第1係合部および第2係合部の形状・構成がこれに限られるものではなく、第1の可動体に設けられる第1係合部および作動部材側に設けられる第2係合部が離間可能に当接して、作動部材の回転に伴って第2係合部が第1係合部を押圧して第1の可動体を閉鎖位置から開放位置に向けて移動させるよう構成すればよい。例えば、第1係合部として孔を第1の可動体に形成し、第2係合部として該孔より小径な突起部を形成して、突起部を孔に挿入するようにしても実施例と同様の作用効果を期待し得る
(12) 実施例では、第1の可動体を回転(揺動)するよう構成したが、これに限られるものではなく、例えばスライド移動するよう形成してもよく、球通入口を閉鎖する閉鎖位置と該球通入口を開放する開放位置との間を往復移動可能に形成すれば、第1の可動体の動作態様が限定されるものではない。
(13) 実施例では、作動手段として作動部材を回転させることで第2係合部が第1係合部を押圧するよう構成したが、これに限らず、作動部材をスライド移動するよう構成してもよい。また、作動手段としては、実施例のような回転板に限られるものではなく、各種のリンク機構やカム機構等、従来公知の機構を採用できる。
(14) 実施例では、枠状装飾体の上部に、入賞口を開閉部材で開閉する形態の入賞装置(第2の特別入賞装置)を配設したが、これに限らず、開閉部材を備えずに入賞口を常時開放する形態の入賞装置を設けるようにしてよい。
(15) 実施例では、排出球演出装置を枠状装飾体の開口右下部に位置するよう配設したが、前記枠状装飾体に設けられる入賞装置の入賞口よりも下方に排出球演出装置が位置していればよい。
(16) 実施例では、第1〜第3の球排出通路を球案内通路の下流端部から放出された遊技球が通入する球回収通路に合流させるよう構成したが、これに限られるものではく、第1〜第3の球排出通路を球回収通路から完全に独立した通路としてもよい。
(17) 第1の球排出通路(球排出通路)の形状・構成は、実施例のものに限られるものではなく、球案内通路から分岐するよう形成されれば、任意の形状・構成とすることができる。同様に、第2の球排出通路(第2の球回収通路)に関しても、前記第1位置にある前記可動部材側(すなわち球案内通路において入賞装置から第1の球排出通路との分岐位置までの領域と図柄表示装置との間)に到来した遊技球を前記球回収部に排出し得る形状・構成に形成すればよく、第3の球排出通路(第3の球回収通路)に関しても、前記第2位置にある前記可動部材側(球案内通路において第1の球排出通路との分岐位置から球案内通路の下流端部までの領域と図柄表示装置との間)に到来した遊技球を前記球回収部に排出し得る形状・構成であればよい。
(18) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。
【符号の説明】
【0122】
17 図柄表示装置
20 遊技盤
21 透明板
35 裏ユニット(裏部材)
23 遊技領域
70 可動部材
90 枠状装飾体
92a 第1の球規制片(規制部)
93 第2の特別入賞装置(入賞装置)
93a 特別入賞口(入賞口)
94 球案内通路
95a 後面壁(壁部)
96a 球排出口(接続口)
98b 後規制版(壁部)
102a 球通入口
106 球検出センサ(球検出手段)
110 排出球演出装置
120 第1の可動体(可動体)
RA 球回収通路(第1の球回収通路)
RB1 第1の球排出通路(球排出通路)
RB2 第2の球排出通路(第2の球回収通路)
RB3 第3の球排出通路(第3の球回収通路)
RB4 第4の球排出通路(第3の球回収通路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能な遊技領域を画成した遊技盤に、前後に開口する枠状装飾体が設けられると共に、該遊技盤の裏側に、図柄を変動表示可能な図柄表示装置が配設されて、該図柄表示装置が枠状装飾体の開口部を介して後方から臨み、機裏側には遊技盤に打ち出された遊技球を回収する球回収部が設けられた遊技機において、
前記枠状装飾体に設けられ、前記図柄表示装置での図柄の変動結果に応じて入賞口が開放して前記遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な入賞装置と、
前記枠状装飾体の開口内に設けられて前記入賞装置に連通し、該入賞装置に入賞した遊技球が前側から視認可能な状態で転動する球案内通路と、
前記球案内通路における前記入賞装置から離間した下流端側に設けられて前記球回収部に連通し、球案内通路を転動した遊技球が球通入口を介して流入可能な第1の球回収通路と、
前記球案内通路と図柄表示装置との間に揺動可能に配設され、回転軸から一方側へ傾倒した第1位置および回転軸から他方側へ傾倒した第2位置の間を移動する可動部材と、
前記球案内通路と図柄表示装置との間に設けられると共に、該球案内通路に対して壁部により区画され、前記第1位置にある前記可動部材側に到来した遊技球を前記球回収部に案内する第2の球回収通路と、
前記球案内通路と図柄表示装置との間に設けられて前記第2位置にある前記可動部材が収容されると共に、該球案内通路に対して壁部により区画され、該第2位置にある可動部材側に到来した遊技球を前記球回収部に案内する第3の球回収通路とを備え、
前記球案内通路から遊技球が可動部材側に移動した際には、前記第2の球回収通路および第3の球回収通路を介して遊技球を前記球回収部に案内するよう構成された
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記第1の球回収通路は、前記球案内通路の下流端部から離間するよう設けられて、該第1の球回収通路と球案内通路の下流端部との間に、第1の球回収通路の球通入口を開閉可能な別の可動体を有する演出装置が配設されると共に、前記球案内通路に対して経路途中から分岐するよう接続する球排出通路が形成され、
前記球案内通路において前記入賞装置から球排出通路との分岐位置までの領域と前記図柄表示装置との間に前記第2の球回収通路が設けられ、該球排出通路と図柄表示装置との間に前記第3の球回収通路が設けられた請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1の球回収通路には、該第1の球回収通路の球通入口を通過した遊技球を検出可能な球検出手段が設けられて、前記球排出通路、第2の球回収通路および第3の球回収通路の夫々が、前記球検出手段による遊技球の検出位置よりも下流側で第1の球回収通路に接続するよう構成された請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記遊技盤は、前記遊技領域が画成された透明板と、該透明板の裏側に設けられて前記図柄表示装置が配設される裏部材とから構成され、
前記透明板に前記枠状装飾体が設けられて前記球案内通路が形成されると共に、前記裏部材に前記可動部材が配設されて、前記第2の球回収通路の側端部には、前記透明板と裏部材との間への遊技球の進入を規制する規制部が設けられている請求項2または3記載の遊技機。
【請求項5】
前記演出装置における別の可動体の下方には、前記第1の球回収通路に連通する第4の球回収通路が形成された請求項2〜4の何れか一項に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2011−15759(P2011−15759A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161215(P2009−161215)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(000135210)株式会社ニューギン (1,935)
【Fターム(参考)】