説明

遊技機

【課題】主制御部と、主制御部からの指令に基づいて副次的な制御を行う複数の別の制御部とを備えたパチンコ機等の遊技機において、演出内容をより充実させることができ、もって飛躍的な興趣の向上を図る。
【解決手段】パチンコ機1の遊技盤2には作動口3及び大入賞口4が設けられ、遊技盤2には表示部13aを備えた表示装置13が組込まれる。表示部13aには複数の図柄列が表示され、図柄列は複数種類の図柄によって構成されている。主基板24は所定の契機発生に基づき、図柄の変動表示を開始させ、所定時間後に所定の図柄にて確定表示させるべく、コマンドを表示装置13の表示制御基板、ランプ制御基板、音声制御基板等の副制御部に出力する。各副制御部は、所定コマンドに応じた制御態様を、複数の中から選択して実行可能なように記憶し、各副制御部において実行される制御態様が互いに対応しあうものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主制御部と、主制御部からの指令に基づいて副次的な制御を行う別の制御部とを備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種として、例えばパチンコ機が知られている。かかるパチンコ機においては、主たる制御を行うための主基板が搭載されている。また、パチンコ機には、主基板の外に、各種部材や各種装置を制御するための各種の制御基板が搭載されている。そして、例えば、遊技球が作動口に入賞すること等に基づいて、前記主基板から各種制御基板にコマンドが送信される。
【0003】
近年、主基板にかかる負担を軽減するべく、主基板とは別の制御基板において副次的な制御を司ることが行われるようになってきている。具体的には、上述した各種コマンドが送信されてきた各種制御基板側では、そのコマンドに基づいて演出制御内容が選択され、その決定された内容に基づく演出制御が実行される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記従来技術においては、次に記すような課題があった。すなわち、主基板側は、1の制御基板に対してコマンドを出力するのみならず、複数の制御基板に対して、ほぼ一斉に同様の(同一の又は同種の)コマンドを出力する。そして、これを受けた各制御基板側では、コマンドに応じた演出制御を実行する。
【0005】
しかし、この場合において、各制御基板間で、どのような演出制御内容が選択されたのかを互いに把握しあうことができない。そのため、所定の制御基板において、所定の演出制御内容が選択されたとしても、その選択内容を把握できていない他の制御基板においては、共通かつ無難な演出制御内容を行わざるを得ない。従って、前記他の制御基板において行われる演出にバリエーションを持たせることが困難となってしまうおそれがあった。
【0006】
なお、かかる問題は、パチンコ機に限られるものではなく、スロットマシン等の遊技機においても同様に内在するものである。
【0007】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、主制御部と、主制御部からの指令に基づいて副次的な制御を行う複数の別の制御部とを備えたパチンコ機等の遊技機において、演出内容をより充実させることができ、もって飛躍的な興趣の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等についても説明する。
【0009】
手段1.主たる制御を行う主制御部と、前記主制御部からの指令に基づいて副次的な制御を行う複数の副制御部とを備えた遊技機であって、前記各副制御部のうち少なくとも2つは、所定の指令に応じた制御態様を、複数の中から選択して実行可能なように記憶してなるとともに、各副制御部において実行される制御態様は、互いに対応しあうものとなるよう構成したことを特徴とする遊技機。なお、前記「指令」は、複数の副制御部に対してほぼ同期して出力されるものであり、一連の(共通した)演出や動作等を副制御部に対し命令する性質を有するものであって、代表例としては、コマンドが挙げられる(以下同様)。
【0010】
手段1によれば、主制御部によって主たる制御が行われる。また、主制御部からの指令に基づいて複数の副制御部では、副次的な制御が行われる。かかる遊技機にあって、各副制御部のうち少なくとも2つは、所定の指令に応じた制御態様を、複数の中から選択して実行可能なように記憶しており、しかも各副制御部において実行される制御態様は、互いに対応しあうものとなる。このため、所定の副制御部が複数の中から選択した制御態様を実行した場合、別の副制御部についても、複数の中から選択した制御態様を実行することとなるが、その制御態様は前記所定の副制御部にて実行される制御態様に対応したものとなる。このため、制御態様にバリエーションを持たせることができるとともに、各副制御部間での制御態様に対応関係が無いことによる不具合の発生を抑制できる。
【0011】
手段2.主たる制御を行う主制御部と、前記主制御部からの指令に基づいて副次的な制御を行う複数の副制御部とを備えた遊技機であって、前記各副制御部のうち少なくとも2つは、所定の指令が入力されることを必要条件に、複数種類ある制御態様のうちの1つが所定順序で実行されるよう構成されているとともに、各副制御部において実行される制御態様が互いに対応しあうものとなるように設定されていることを特徴とする遊技機。
【0012】
手段2によれば、主制御部によって主たる制御が行われる。また、主制御部からの指令に基づいて複数の副制御部では、副次的な制御が行われる。かかる遊技機にあって、各副制御部のうち少なくとも2つは、所定の指令が入力されることを必要条件に、複数種類ある制御態様のうちの1つを所定順序で実行する。このとき、各副制御部において実行される制御態様が互いに対応しあうものとなる。このため、所定の副制御部が複数の中から所定順序に基づいて所定の制御態様を実行した場合、別の副制御部についても、複数の中から所定順序に基づいた制御態様を実行することとなるが、その制御態様は前記所定の副制御部にて実行される前記所定の制御態様に対応したものとなる。このため、制御態様にバリエーションを持たせることができるとともに、各副制御部間での制御態様に対応関係が無いことによる不具合の発生を抑制できる。
【0013】
手段3.主たる制御を行う主制御部と、前記主制御部からの指令に基づいて副次的、かつ、固有の制御を行う複数の副制御部とを備えた遊技機であって、前記各副制御部のうち少なくとも2つは、所定の指令が入力されることを必要条件に計数値を更新する計数更新手段と、各計数値に対応して実行されるべき制御態様を記憶する記憶手段とを備えており、前記記憶手段にて記憶されている制御態様は、複数種類あり、かつ、各副制御部間で計数値毎に互いに対応しあうものであることを特徴とする遊技機。なお、「各副制御部間における各計数値が等しくなるようにしたこと」としてもよい。
【0014】
また、「前記計数更新手段により更新される計数値は」、「所定のタイミングで決定されランダムな値をとりうる乱数値」であってもよいし、「所定値(例えば1)ずつ加算更新されるカウント値」であってもよい。前者の場合には、実行される制御態様がランダムなものとなりうるため、遊技者が制御態様を予見しにくくなるというメリットがある。後者の場合には、各副制御部間の計数値に誤りが生じにくいというメリットがある。
【0015】
さらに、後者の場合には、「前記カウント値の幅(範囲数)は、所定のビット数よりなるカウンタを用いた場合の前記ビット数が表現できる最大値に設定されている」こととしてもよい。この場合、加算により所定ビット数が表現できる最大値をオーバーする場合には所定桁数を超えることがないため、減算処理等を行わなくて済む。また、後者の場合には、「前記所定値は、前記カウント値の範囲数に対して素の値であること」としてもよい。この場合、そのときどきにとりうるカウント値がランダムなものとなりうる。その結果、遊技者にとって制御態様を予見しにくいものとすることができる。
【0016】
手段3によれば、主制御部によって主たる制御が行われる。また、主制御部からの指令に基づいて複数の副制御部では、副次的、かつ固有の制御が行われる。かかる遊技機にあって、各副制御部のうち少なくとも2つは、計数値更新手段及び記憶手段を備えている。そして、計数値更新手段においては、所定の指令が入力されることを必要条件に計数値が更新され、記憶手段においては、各計数値に対応して実行されるべき制御態様が記憶されている。また、記憶手段にて記憶されている制御態様は、複数種類あり、かつ、各副制御部間で計数値毎に互いに対応しあうものである。このため、所定の副制御部が計数値に基づいて記憶手段にて記憶されている複数の中から所定の制御態様を実行した場合、別の副制御部についても、記憶された複数の中から制御態様を実行することとなるが、その制御態様は前記所定の副制御部にて実行される制御態様に対応したものとなる。このため、制御態様にバリエーションを持たせることができるとともに、各副制御部間での制御態様に対応関係が無いことによる不具合の発生を抑制できる。
【0017】
手段4.前記主制御部からの指令には、前記計数値が適正なものであることを確認するための情報が含まれていることを特徴とする手段3に記載の遊技機。
【0018】
手段4によれば、前記主制御部からの指令には計数値が適正なものであることを確認するための情報が含まれているため、該情報に基づいて、副制御部では計数値が適正なものか否かを確認することができる。そのため、各副制御部間で計数値が相違する等して適正なものとなっていないことによる制御態様の不対応という不具合の抑制を図ることができる。
【0019】
手段5.前記副制御部は、所定の条件が成立した場合に計数値を修正する計数値修正手段を備えていることを特徴とする手段4に記載の遊技機。ここで、所定の条件としては、例えば、「前記情報と計数値とが対比されることにより計数値が適正なものでないと判定された場合」、「特定の指令(例えば電源投入に関する指令、特別遊技状態を開始又は終了させるための指令)を受けた場合」、「所定時間が経過した場合」、「実際に電源が投入された時の場合」、「実際に特別遊技状態が発生した時(特別遊技状態開始時、或いは終了時)」、「識別情報の変動回数が所定回数に達した場合」、「所定のリーチ演出回数が所定回数に達した場合」等が挙げられる。また、「修正」には、「各計数値を互いに同一の値に揃えること(例えば一斉に「0」にクリヤする等)」が含まれる。
【0020】
手段5によれば、さらに、所定条件が成立した場合に、副制御部に備えられた計数値修正手段によって、計数値が修正される。このため、各副制御部間で計数値が相違する等して適正なものとなっていない場合であっても、計数値が適正なものに修正されるため、制御態様が対応しないという不具合を確実に防止することができる。
【0021】
手段6.前記副制御部は、さらに、少なくとも前記主制御部からの指令を契機に実行されるべき制御態様を決定し、該決定された制御態様に基づいて副次的な制御の実行を開始させる開始制御手段を備えていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
【0022】
手段6によれば、前記副制御部に備えられた開始制御手段により、少なくとも主制御部からの指令を契機に実行されるべき制御態様が決定され、該決定された制御態様に基づいて副次的な制御の実行が開始させられる。
【0023】
手段7.各副制御部において実行される制御態様が互いにほぼ同期して対応しあうようにしたことを特徴とする手段1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
【0024】
手段7によれば、各副制御部において実行される制御態様が互いにほぼ同期して対応しあうため、各副制御部間での制御態様の実行のタイミングのばらつきによる違和感が払拭される。
【0025】
手段8.各副制御部において実行される制御態様が互いにほぼ同期して終了するようにしたことを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の遊技機。
【0026】
手段8によれば、各副制御部において実行される制御態様が互いにほぼ同期して終了するため、終了タイミングのずれによる違和感が払拭される。
【0027】
手段9.前記各副制御部のうち少なくとも2つのうちの1つは、副次的な制御として表示制御を行いうる表示制御部であることを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載の遊技機。
【0028】
手段9によれば、表示制御部における表示制御態様にバリエーションを付与することができ、しかも該表示制御態様と、それ以外の副制御部にて実行される制御態様とが対応したものとなる。
【0029】
手段10.前記各副制御部のうち少なくとも2つのうちの1つは、副次的な制御として発光制御を行いうる発光制御部であることを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の遊技機。
【0030】
手段10によれば、発光制御部における発光制御態様にバリエーションを付与することができ、しかも該発光制御態様と、それ以外の副制御部にて実行される制御態様とが対応したものとなる。
【0031】
手段11.前記各副制御部のうち少なくとも2つのうちの1つは、副次的な制御として音声制御を行いうる音声制御部であることを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機。
【0032】
手段11によれば、音声制御部における音声制御態様にバリエーションを付与することができ、しかも該音声制御態様と、それ以外の副制御部にて実行される制御態様とが対応したものとなる。
【0033】
手段12.前記制御態様は、演出パターンを含んでいることを特徴とする手段1乃至11のいずれかに記載の遊技機。なお、「前記制御態様は、遊技者にとっての興趣を高めることに貢献しうる演出パターンを含んでいること」としてもよい。また、「前記演出パターンは、リーチパターン、識別情報変動パターン、遊技者に有利な特別遊技状態演出パターン、予告演出パターンの少なくとも1つであること」としてもよい。ここで、「予告」とあるのは、演出によって所定の遊技状態が発生しやすくなることを示唆可能であればよい、或いは、演出によって所定の遊技状態の発生率に影響が生じるという趣旨であって、所定の遊技状態が発生しない場合があっても差し支えない(後述する手段19においても同様)。
【0034】
手段12によれば、各副制御部にて実行される各演出パターンにバリエーションが付与されることとなり、しかも各演出パターンが対応したものとなる。
【0035】
手段13.各副制御部において、実行されるべき制御態様がランダムに決定されるよう構成されていることを特徴とする手段1乃至12のいずれかに記載の遊技機。
【0036】
手段13によれば、どの制御態様が実行されるのかが遊技者に予見されにくくなり、制御態様が予見されてしまうことよる興趣の低下を抑制することができる。
【0037】
手段14.主たる制御を行う主制御部と、前記主制御部からの指令に基づいて表示装置において表示制御を行いうる表示制御部と、前記主制御部からの指令に基づいて発光装置において発光制御を行いうる発光制御部と、前記主制御部からの指令に基づいて音声装置において音声制御を行いうる音声制御部とを備えた遊技機であって、少なくとも前記表示制御部及び発光制御部、少なくとも前記表示制御部及び音声制御部、又は少なくとも発光制御部及び音声制御部は、前記主制御部から所定の指令が入力されることを必要条件に、各制御部間で互いに同じ値となるよう計数値を更新する計数更新手段と、各計数値に対応して実行されるべき制御態様を記憶してなる記憶手段とをそれぞれ備えており、前記記憶手段にて記憶されている制御態様は複数種類あり、かつ、各制御部間で互いに対応しあうものであることを特徴とする遊技機。
【0038】
ここで、「所定の指令」は、「前記記憶手段に記憶されているいずれかの制御態様を実行すべき旨を含む指令」であってもよいし、「前記記憶手段に記憶されている制御態様、及び、その他の制御態様のうち、いずれかを実行すべき旨を含む指令」であってもよい。後者の場合には、「識別情報の変動開始指令」が代表例として挙げられる。この場合、比較的頻繁に計数値が更新されることとなり、実際に実行される制御態様にランダム性を付与することができる。
【0039】
また、「前記計数更新手段により更新される計数値は」、「所定のタイミングで決定されランダムな値をとりうる乱数値」であってもよいし、「所定値(例えば1)ずつ加算更新されるカウント値」であってもよい。前者の場合には、実行される制御態様がランダムなものとなりうるため、遊技者が制御態様を予見しにくくなるというメリットがある。後者の場合には、各制御部間の計数値に誤りが生じにくいというメリットがある。
【0040】
さらに、後者の場合には、「前記カウント値の幅(範囲数)は、所定のビット数よりなるカウンタを用いた場合の前記ビット数が表現できる最大値に設定されている」こととしてもよい。この場合、加算により所定ビット数が表現できる最大値をオーバーする場合には所定桁数を超えることがないため、減算処理等を行わなくて済む。また、後者の場合には、「前記所定値は、前記カウント値の範囲数に対して素の値であること」としてもよい。この場合、そのときどきにとりうるカウント値がランダムなものとなりうる。その結果、遊技者にとって制御態様を予見しにくいものとすることができる。
【0041】
手段14によれば、主制御部にて主たる制御が行われ、その主制御部からの指令に基づいて表示制御部では表示装置において表示制御が行われる。また、主制御部からの指令に基づいて発光制御部では発光装置において発光制御が行われ、主制御部からの指令に基づいて音声制御部では音声装置において音声制御が行われる。かかる遊技機にあって、少なくとも前記表示制御部及び発光制御部、少なくとも前記表示制御部及び音声制御部、又は少なくとも発光制御部及び音声制御部は、計数更新手段及び記憶手段を備えており、計数記憶手段では主制御部から所定の指令が入力されることを必要条件に、各制御部間で互いに同じ値となるよう計数値が更新される。また、記憶手段では、各計数値に対応して実行されるべき制御態様が記憶されている。そして、記憶手段にて記憶されている制御態様は複数種類あり、かつ、各制御部間で互いに対応しあうものである。このため、例えば表示制御部が計数値に基づいて記憶手段にて記憶されている複数の中から所定の制御態様を実行した場合、別の制御部(発光制御部、音声制御部、或いは表示制御部)についても、記憶された複数の中から制御態様を実行することとなるが、その制御態様は前記表示制御部にて実行される制御態様に対応したものとなる。このため、制御態様にバリエーションを持たせることができるとともに、各制御部間での制御態様に対応関係が無いことによる不具合の発生を抑制できる。
【0042】
手段15.少なくとも前記表示制御部及び発光制御部において実行される表示制御及び発光制御、少なくとも前記表示制御部及び音声制御部において実行される表示制御及び音声制御、又は、少なくとも前記発光制御部及び音声制御部において実行される発光制御及び音声制御、の各制御態様は、互いにほぼ同期して対応しあうようにしたことを特徴とする手段14に記載の遊技機。
【0043】
手段15によれば、少なくとも表示制御及び発光制御、少なくとも表示制御及び音声制御、又は、発光制御及び音声制御の各制御態様は、互いにほぼ同期して対応しあうため、各制御態様の実行のタイミングのばらつきによる違和感が払拭される。
【0044】
手段16.少なくとも前記表示制御部及び発光制御部において実行される表示制御及び発光制御、少なくとも前記表示制御部及び音声制御部において実行される表示制御及び音声制御、又は、少なくとも前記発光制御部及び音声制御部において実行される発光制御及び音声制御、の各制御態様は、互いにほぼ同期して終了するようにしたことを特徴とする手段14又は15に記載の遊技機。
【0045】
手段16によれば、少なくとも表示制御及び発光制御、少なくとも表示制御及び音声制御、又は、発光制御及び音声制御の各制御態様は、互いにほぼ同期して終了するため、各制御態様の終了タイミングのばらつきによる違和感が払拭される。
【0046】
手段17.前記表示装置において確定表示される識別情報が所定条件を具備することを必要条件に遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能とし、前記表示制御部は、前記表示装置において確定表示されるべき識別情報に応じた制御態様を実行することを特徴とする手段14乃至16のいずれかに記載の遊技機。
【0047】
手段17によれば、表示装置において確定表示される識別情報が所定条件を具備することを必要条件に遊技者に有利な特別遊技状態が発生させられる。また、表示制御部では、前記表示装置において確定表示されるべき識別情報に応じた制御態様が実行される。このため、確定表示されるべき識別情報が前記所定条件を具備するものであったり、或いは、それに近い惜しいものであったりする場合には、表示制御態様も遊技者にわくわくさせるものとすることができる。すなわち、識別情報に応じた臨機応変な演出を行うことが可能となる。
【0048】
手段18.少なくとも前記表示制御部及び発光制御部、少なくとも前記表示制御部及び音声制御部、又は少なくとも前記発光制御部及び音声制御部は、所定の条件が成立した場合に計数値を修正する計数値修正手段を備えていることを特徴とする手段14乃至17のいずれかに記載の遊技機。ここで、所定の条件としては、例えば、所定の条件としては、例えば、「前記情報と計数値とが対比されることにより計数値が適正なものでないと判定された場合」、「特定の指令(例えば電源投入に関する指令、特別遊技状態を開始又は終了させるための指令)を受けた場合」、「所定時間が経過した場合」、「実際に電源が投入された時の場合」、「実際に特別遊技状態が発生した時(特別遊技状態開始時、或いは終了時)」、「識別情報の変動回数が所定回数に達した場合」、「所定のリーチ演出回数が所定回数に達した場合」等が挙げられる。また、「修正」には、「各計数値を互いに同一の値に揃えること(例えば一斉に「0」にクリヤする等)」が含まれる。
【0049】
手段18によれば、さらに、所定条件が成立した場合に、各制御部に備えられた計数値修正手段によって、計数値が修正される。このため、各制御部間で計数値が相違する等して適正なものとなっていない場合であっても、計数値が適正なものに修正されるため、制御態様が対応しないという不具合を確実に防止することができる。
【0050】
手段19.前記記憶手段は同一又は同種の指令に対して複数種類用意されており、そのうちの一つの記憶手段が選択された上で制御態様が実行されるようにしたことを特徴とする手段14乃至18のいずれかに記載の遊技機。
【0051】
手段19によれば、同一又は同種の指令に対して複数種類用意されたうちの一つの記憶手段が選択された上で制御態様が実行される。このため、どの記憶手段が選択されるかによって、制御態様にランダム性を持たせることができ、遊技者にとってどの制御態様が実行されるのかが予見しにくいものとなる。
【0052】
手段20.前記記憶手段にて記憶されている複数種類の制御態様の数には偏りがあることを特徴とする手段14乃至19のいずれかに記載の遊技機。なお、「実行される制御態様の確率に軽重をもたせたことを特徴とする手段14乃至19のいずれかに記載の遊技機」としてもよい。また、「前記記憶手段にて記憶されている複数種類の制御態様には偏りがないことを特徴とする手段14乃至19のいずれかに記載の遊技機」としてもよく、さらに「実行される制御態様の確率を均等としたことを特徴とする手段14乃至19のいずれかに記載の遊技機」としてもよい。
【0053】
手段20によれば、記憶手段にて記憶されている複数種類の制御態様の数には偏りがあるため(実行される制御態様の確率に軽重をもたせたため)、ある制御態様が実行されやすく、別のある制御態様が実行されにくかったりする。従って、実行される制御態様に軽重を付与することができ、場合によっては稀少価値が生じることから、面白味がさらに増す。
【0054】
手段21.前記制御態様は、遊技者にとっての興趣を高めることに貢献しうる演出パターンを含んでいることを特徴とする手段14乃至20のいずれかに記載の遊技機。なお、「前記演出パターンは、リーチパターン、識別情報変動パターン、遊技者に有利な特別遊技状態演出パターン、又は、予告演出パターンであること」としてもよい。また、「前記演出パターンは、リーチパターン及び識別情報変動パターン、リーチパターン及び特別遊技状態演出パターン、リーチパターン及び予告演出パターン、識別情報変動パターン及び特別遊技状態演出パターン、識別情報変動パターン及び予告演出パターン、特別遊技状態演出パターン及び予告演出パターン、リーチパターン、識別情報変動パターン及び特別遊技状態演出パターン、リーチパターン、識別情報変動パターン及び予告演出パターン、又は、識別情報変動パターン、特別遊技状態演出パターン及び予告演出パターンであること」としてもよい。
【0055】
手段21によれば、各制御部にて実行される各演出パターンにバリエーションが付与されることとなり、しかも各演出パターンが対応したものとなる。
【0056】
手段22.少なくとも前記表示制御部及び発光制御部、少なくとも前記表示制御部及び音声制御部において、又は、少なくとも前記発光制御部及び音声制御部において、実行されるべき制御態様がランダムに決定されるよう構成されていることを特徴とする手段14乃至21のいずれかに記載の遊技機。
【0057】
手段22によれば、どの制御態様が実行されるのかが遊技者に予見されにくくなり、制御態様が予見されてしまうことよる興趣の低下を抑制することができる。
【0058】
手段23.手段1乃至22のいずれかにおいて、遊技機はパチンコ遊技機であること。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては、操作ハンドルを備えていてそのハンドル操作に応じて遊技球を所定の遊技領域に発射させ、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配置された作動口に入賞することを必要条件として可変表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されることが挙げられる。また、特別遊技状態発生時には遊技領域内の所定の位置に配置された可変入賞装置が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへの書き込み等も含む)が付与されることが挙げられる。
【0059】
手段24.手段1乃至22のいずれかにおいて、遊技機は回胴式遊技機であること。ここで、回胴式遊技機の構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的にはリールであり、識別情報はリールに付されたシンボルである)を変動表示(具体的にはリールの回動である)した後に識別情報を確定表示する可変表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備えた回胴式遊技機」となる。
【0060】
手段25.手段1乃至22のいずれかにおいて、遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機であること。中でも、前記融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的にはリールであり、識別情報はリールに付されたシンボルである)を変動表示(具体的にはリールの回動である)した後に識別情報を確定表示する可変表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として遊技球を使用するとともに、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の遊技球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの遊技球が払い出されるよう構成されてなる遊技機」となる。
【発明の効果】
【0061】
本発明によれば、主制御部と、主制御部からの指令に基づいて副次的な制御を行う複数の別の制御部とを備えたパチンコ機等の遊技機において、演出内容をより充実させることができ、もって飛躍的な興趣の向上を図ることができるという優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】第1の実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】表示部の表示状態の例を示す模式図である。
【図3】表示部に表示されうる図柄の種類を説明する図である。
【図4】(a)は表示部における図柄列の変動状態を示す図であり、(b)は表示部における大当たり報知画面を示す図である。
【図5】(a)は表示部におけるノーマルリーチ状態を、(b)は握りリーチ状態を、(c)は仕入れリーチ状態を、(d)は出前リーチ状態をそれぞれ示す図である。
【図6】主基板及び可変表示装置の表示制御基板の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】各制御基板のCPUにより実行される「演出制御ルーチン」を示すフローチャートである。
【図8】表示制御基板、ランプ制御基板、音声制御基板に記憶されているカウント値に対する各種パターンの関係を示すテーブルである。
【図9】別の例において大当たり時及び外れリーチ時における表示制御基板、ランプ制御基板、音声制御基板に記憶されているカウント値に対する各種パターンの関係を示すテーブルである。
【図10】第2の実施の形態において各制御基板のCPUにより実行される「演出制御ルーチン」を部分的に示すフローチャートである。
【図11】表示制御基板、ランプ制御基板、音声制御基板に記憶されているカウント値に対する各種パターンの関係を示すコマンド毎のテーブルである。
【図12】第3の実施の形態において表示制御基板、ランプ制御基板、音声制御基板のCPUによって実行される「パターン決定ルーチン」を示すフローチャートである。
【図13】リーチパターン決定カウンタのとる値と予告パターン決定カウンタのとる値との組合せ関係を説明するための図表である。
【図14】(a)はリーチパターン決定カウンタの値に対する表示制御基板、ランプ制御基板及び音声制御基板によってそれぞれ実行されるリーチパターンの関係を示す図表であり、(b)は予告パターン決定カウンタの値に対する表示制御基板、ランプ制御基板及び音声制御基板によってそれぞれ実行される予告パターンの関係を示す図表である。
【図15】第4の実施の形態において表示制御基板、ランプ制御基板、音声制御基板のCPUによって実行される「パターン決定ルーチン」を示すフローチャートである。
【図16】リーチ・予告決定カウンタの値に対する表示制御基板、ランプ制御基板及び音声制御基板によってそれぞれ実行されるリーチパターン及び予告パターンの関係を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
(第1の実施の形態)
以下に、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を具体化した第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0064】
なお、周知のように、パチンコ機1は、外枠と、該外枠の前部に設けられ外枠の一側部にて開閉可能に設けられた前面枠とを備えている。また、その前面枠の前面側にはガラス扉枠が開閉自在に設けられている。前面枠の後側(ガラス扉枠の奥、外枠の内側)には、遊技盤2が着脱可能に装着されている。この遊技盤2は内レール、外レール等を備え、これらのレールは、遊技球発射装置によって発射された遊技球5を、遊技盤2の上部に案内する。また、ガラス扉枠の下側において、前面枠には前飾枠が開閉可能に設けられ、前飾枠には、上受皿が設けられている。一方、前面枠の下部には、前記上受皿よりも下方位置にて下受皿が設けられているとともに、遊技球発射装置を構成するハンドルが設けられている。
【0065】
図1に示すように、パチンコ機1の遊技盤2には、作動口3及び大入賞口4が設けられている。作動口3は、遊技球5の通路を備えており、その通路入口には羽根6が開閉可能に支持されている。大入賞口4の奥には、シーソー7が設けられており、その右側にはVゾーン8が、左側には入賞通路9が設けられている(左右逆でもよい)。そして、大入賞口4に入賞した遊技球5は、シーソー7上を転がって、Vゾーン8又は入賞通路9のいずれか一方を通って図示しない入賞球処理装置の方へと導かれる。また、大入賞口4の前には、シャッタ11が設けられている。このシャッタ11は、大入賞口4の側部に設けられた大入賞口用ソレノイド12により作動させられ、大入賞口4を開閉する。詳しくは、当該ソレノイド12が励磁状態となることにより、シャッタ11が略水平に傾き、これにより大入賞口4が開かれる。また、ソレノイド12が非励磁状態となることにより、シャッタ11が略垂直状態となり、これにより大入賞口4は閉鎖される。
【0066】
前記大入賞口4の一側部には、シーソー用ソレノイド10が設けられている。シーソー用ソレノイド10は通常、非励磁状態となっており、この状態においては、遊技球5がVゾーン8を通過するようにシーソー7を傾けている。また、シーソー用ソレノイド10が励磁状態となることにより、シーソー7は、遊技球5が入賞通路9を通過するように傾動させられる。本実施の形態では、シャッタ11が開状態において、遊技球5が1つでもVゾーン8を通過した場合には、シーソー用ソレノイド10が励磁される。そして、シャッタ11が閉じられることにより、シーソー用ソレノイド10が非励磁状態となる。
【0067】
遊技盤2の中央部分には、特別図柄表示装置(以下、単に「表示装置」という)13が組込まれている。表示装置13は、液晶ディスプレイ(LCD)(=液晶モニタ)よりなる表示部13aを備えており、ここに複数の図柄列が表示される。
【0068】
また、図1に示すように、表示装置13の上部には普通図柄表示装置51が併設されている。普通図柄表示装置51は、発光ダイオード(LED)よりなる4つの保留ランプ52と、普通図柄表示部たるLEDよりなる7セグ表示部53とを有している。
【0069】
さらに、前記特別図柄表示装置13の左右両側方には一対の通過ゲート54が配設されている。同通過ゲート54を遊技球5が通過すると前記普通図柄表示装置51が作動する。本実施の形態では、普通図柄表示装置51は、「0」から「9」までの数字を可変表示して7セグ表示部53にセグメント表示させ、その数字が所定値(本実施の形態では「7」)で停止した場合に、作動口3の羽根6を所定秒数開放させる。この開放により、作動口3への入賞が比較的容易なものとなる。普通図柄表示装置51は、遊技球5の通過ゲート54の通過回数を4回まで記憶することができ、保留ランプ52でその保留数を表示する。従って、4つの保留ランプ52が点灯している状態で遊技球5が通過ゲート54を通過しても保留球としてカウントされず、保留ランプ52が点灯している限り、遊技球5が通過ゲート54を通過しなくとも保留数に応じた回数だけ普通図柄表示装置51は作動するようになっている。
【0070】
さて、本実施の形態では、前記表示装置13においては、回転寿司店をモチーフにした表示が行われるようになっている。詳しくは、図2に示すように、上記図柄列として左図柄列14、中図柄列15及び右図柄列16の3つの図柄列が表示される。前記表示部13aには、その下部において、大当たりラインを構成する表示領域が備えられている。
【0071】
各図柄列14〜16は、基本的には、図2,3に示すように、識別情報としての複数種類(12種類)の図柄17A〜17Lによって構成されている。各図柄17A〜17Lは、基本的には皿に盛られた魚等の絵と、「一」〜「十二」の数字との組合せによって構成されており、「一」〜「十二」の数字は、昇順に配列されている。より詳しくは、「一」が「タイ」の絵と、「二」が「ウズラ」の絵と、「三」が「カッパ」の絵と、「四」がヒラメの絵と、「五」が「プリン」の絵と、「六」が「サザエ」の絵と、「七」が「女の子」の絵と、「八」が「タコ」の絵と、「九」が「キツネ」の絵と、「十」が「クジラ」の絵と、「十一」が「タケノコ」の絵と、「十二」が「カニ」の絵と組み合わされている。これらの図柄17A〜17Lは、特別遊技図柄としての大当たり図柄、外れリーチ図柄及び外れ図柄のいずれかになりうる(これらについては後述する)。
【0072】
各々の図柄列14〜16においては、あたかも回転寿司店における複数の(3つの)回転テーブル上に載置されたように表示される図柄17A〜17Lが、テーブルとともに回転可能に表示される。なお、回転表示される都合上、各図柄列14〜16には、大当たりラインに配置表示される図柄17A〜17L以外にも、大当たりラインとは無関係の複数の図柄17A〜17Lが表示されるようになっている(例えば次に大当たりラインに並びうる図柄17A〜17Lや、既に大当たりラインに並んだ後の図柄17A〜17L等)。しかし、このような表示態様に何ら限定されるものではなく、例えば各図柄列14〜16に1つずつの図柄17A〜17Lが表示される態様であってもよい。
【0073】
図4(a)に示すように、表示装置13の表示部13aでは、各図柄列14〜16の図柄変動(回転変動)が、遊技球5の作動口3への入賞に基づいて開始させられる。また、大当たり図柄、外れリーチ図柄、外れ図柄の中から1つが選択され、これが停止図柄(確定図柄)として設定される。停止図柄とは、各図柄列14〜16が図柄変動を停止したときに表示される図柄である。本実施の形態では、図柄変動は、左図柄列14、右図柄列16、中図柄列15の順に停止させられるが、これはあくまでも1例にすぎず、別の順序で停止させられるようにしてもよい。
【0074】
図4(b)は、表示部13aにおける大当たり報知画面を示す図であって、大当たり状態が発生したときに、それを再度遊技者に報知するものである。同図に示すように、大当たり図柄は、リーチ状態を経た後、遊技者に有利な特別遊技状態としての大当たり状態を発生させるための図柄である。詳しくは、全ての図柄列14〜16の変動が停止させられたとき、表示されている図柄17A〜17Lの組合せが、予め定められた大当たりの組合せ、すなわち、同一種類の図柄17A〜17Lが大当たりラインに沿って並んでいるときの同図柄17A〜17Lの組合せ(例えば、同図に示すように、「一」、「一」、「一」の図柄17A)となる場合がある。この組合せを構成する図柄が「大当たり図柄」である。大当たりの組合せが成立すると、特別電動役物が作動し(大入賞口4が開かれ)、遊技者にとって有利な大当たり状態の到来、すなわち、より多くの賞球を獲得することが可能となる。本実施の形態では、一旦大当たり状態が発生すると、大入賞口4の開放後、(1)遊技球5が大入賞口4へ10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で大入賞口4が閉鎖される。この大入賞口4の開閉のサイクルが遊技球5のVゾーン8への入賞を条件に最大で16回(16ラウンド)繰り返されることとなる。
【0075】
また、図5(a)〜(d)に示すように、リーチ状態とは、大当たり直前の状態をいう(もちろん大当たり状態に至らない場合もある)。リーチ状態には、右図柄列16の図柄変動が、大当たりライン上において左図柄列14の停止図柄と同一種類の図柄で停止する状態が含まれる。図に示す例では、大当たりラインが、表示部13aの下部において水平方向へ延びるように位置しており、かつ、同ライン上で停止している左・右両図柄列14,16の図柄17A〜17Lが共に「一」の付された図柄17Aとなっている。
【0076】
前述したように、上記のリーチ状態には、中図柄列15の図柄変動が、最終的に左・右両図柄列14,16の停止図柄と同一種類の図柄(大当たり図柄)で停止して大当たり状態になるもの以外にも、異なる種類の図柄(これを「外れリーチ図柄」という)で停止して、大当たり状態とならないもの(以下、「外れリーチ状態」という)が含まれる。さらには、同一種類の図柄17A〜17Lが大当たりラインに沿って並んだ状態で、全図柄列が一斉に変動し、その後全図柄列14〜16の図柄17A〜17Lが同時に停止するような場合(全回転リーチとも称される)も含むこととしてもよい。
【0077】
さらに、前述した各図柄列14〜16での図柄変動に加え、図2(a)に示すように、図柄17A〜17Lとは別に、キャラクタが表示部13aに表示される。本実施の形態におけるキャラクタとしては、寿司屋の源さんGCが設定されている。
【0078】
上記リーチ状態においては、種々のリーチパターンが設定されている。リーチパターンとしては、図5に示すように、「ノーマルリーチ(図5(a)参照)」、「握りリーチ(図5(b)参照)」、「仕入れリーチ(図5(c)参照)」、「出前リーチ(図5(d)参照)」が設定されている。これらリーチパターンのうち、「ノーマルリーチ」以外のリーチパターンは、いわゆる「スーパーリーチ」と称されるものである。「スーパーリーチ」の動作が開始された場合には、「ノーマルリーチ」の場合に比べて、大当たり状態が発生する期待値(大当たり期待値)が高くなるようになっている。これらのリーチパターンは、リーチ種別決定カウンタに基づいて決定される。なお、上記各リーチパターンの具体的な処理動作(演出内容)等については、本実施の形態の特徴部分ではないため、これ以上の説明は省略することとする。
【0079】
遊技球5の作動口3への入賞に基づいて各図柄列14〜16の図柄変動が開始させられることはすでに説明したが、この変動表示中にさらに遊技球5が作動口3に入賞した場合には、通過ゲート54を通過した場合と同様、その分の変動表示は、現在行われている変動表示の終了後に行われる。つまり、変動表示が待機(保留)される。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められている。本実施の形態では保留最大回数が4回に設定されているが、これに限られるものではない。
【0080】
図1に示すように、表示装置13において、表示部13aの上方には、発光ダイオード(LED)からなる保留ランプ18a,18b,18c,18dが組み込まれている。当該保留ランプ18a〜18dの数は、前述した保留最大回数と同じ(この場合4個)である。保留ランプ18a〜18dは、変動表示の保留毎に点灯させられ、その保留に対応した変動表示の実行に伴い消灯させられる。
【0081】
なお、このほかにも、パチンコ機1の複数箇所には、遊技効果を高めるための他の各種演出用ランプや電飾部材が取付けられている。これらの演出用ランプや電飾部材等(これらは発光装置を構成する。以下単に「ランプ」と称する)は、遊技の進行に応じて点灯状態(消灯、点灯、点滅等)が変えられる。さらに、パチンコ機1には、遊技の進行に応じて効果音を発生する図示しないスピーカ(音声装置を構成する)が設けられている。
【0082】
遊技者の操作に応じて変化するパチンコ機1の遊技状態を検出するべく、本実施の形態では、遊技盤2には、スルースイッチ20、作動口用スイッチ21、Vゾーン用スイッチ22及びカウントスイッチ23等がそれぞれ取付けられている。スルースイッチ20は、遊技球の通過ゲート54の通過を検出し、作動口用スイッチ21は、遊技球5の作動口3への入賞を検出する。また、Vゾーン用スイッチ22は遊技球5の大入賞口4のうちのVゾーン8への入賞を検出し、カウントスイッチ23は、遊技球5の大入賞口4への入賞を検出する。
【0083】
本実施の形態では、各スイッチ20〜23の検出結果に基づきソレノイド10,12、表示装置13、各保留ランプ18a〜18d、スピーカ、普通図柄表示装置51(7セグ表示部53及び保留ランプ52)、羽根6等をそれぞれ駆動制御するために主制御部を構成する制御装置(主基板)24が設けられている。主基板24は、読み出し専用メモリ(ROM)、主として主制御部を構成する中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。ROMは所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPUはROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。RAMは、CPUによる演算結果を、図柄乱数バッファ、図柄乱数エリア、停止図柄エリア等に一時的に記憶する。
【0084】
また、本実施の形態においては、CPU(主基板24)による制御の1つとして、モード切換制御がある。本実施の形態では、遊技モード(遊技状態)として通常モード及び確率変動モード(=高確率モード。以下、「確変モード」と称する)が用意されている。すなわち、例えば300分の1程度の比較的低確率で大当たり遊技状態を発生させる通常モードと、その約5倍である60分の1程度の高確率で大当たり遊技状態を発生させる確変モードとがある。
【0085】
一般的に、確変モードの概念としては、(1)7セグ表示部53に「7」が表示される確率を通常時に比べて高め、作動口3の羽根6を開放させる機会を増やすこと、(2)7セグ表示部53における数字の変動時間を短くすること、(3)羽根6の開放時間を長くすること(及び/又は入賞個数を多くすること)、(4)特別図柄表示装置13の表示部13aの図柄17A〜17Lの変動時間を短くすること、(5)大当たり確率が通常モードに比べて高くなること等が挙げられるが、本実施の形態における確変モードにおいては、これら(1)〜(5)のうち、全てが実行される。
【0086】
本実施の形態では、パチンコ機1の電源投入時においては、通常モードに設定される。また、その後は、大当たり遊技状態となった際に、確変モード又は通常モードのいずれかが選択される。そして、大当たり状態終了後において、当該選択されたモードが実行される。より詳しくは、本実施の形態では、大当たり遊技状態となったときの確定表示図柄17A〜17L(大当たり図柄)が奇数(「一」、「三」、「五」、「七」、「九」、「十一」)の場合には、大当たり状態終了後の遊技モードが確変モードに設定され、大当たり遊技状態となったときの確定表示図柄17A〜17H(大当たり図柄)が偶数(「二」、「四」、「六」、「八」、「十」、「十二」)の場合に、大当たり状態終了後の遊技モードが通常モードに設定される。
【0087】
また、疑似的に大当たり図柄が一旦表示された後、再度全図柄17A〜17Lが揃った状態で変動する再変動処理(再抽選処理)が行われるよう構成してもよい。これは、全図柄が一旦停止表示されたときに、それが大当たり状態を発生させる図柄であった場合であって、上述したように偶数の図柄であった場合には、再度変動表示を行うことで、奇数の図柄で確定表示される機会が与えられるよう、遊技者にとっての見かけ上のチャンスを付与するものである。当該処理は、大当たり時であって、所定の条件が成立した場合にのみ実行される。もちろん、再変動処理が行われた場合であっても、結果的に偶数の図柄で確定表示される場合もありうる。
【0088】
さて、本実施の形態では、主たる制御を行う主基板24ではなく、主として前記表示装置13の表示制御基板110(副制御部及び表示制御部を構成する)側において、表示部13aにおける各種表示が司られるような構成となっている。ここで、当該表示制御基板110の電気的構成について、図6のブロック図に従って説明する。同図に示すように、表示制御基板110は、主基板24から送られてくるコマンドを順次受信するインターフェイス81と、プログラムROM82に記憶された制御プログラム及び各種の情報に基づいて、通常変動やリーチ演出や大当たり報知等の画面構成情報を生成するCPU83と、該CPU83での処理結果等を一時的に記憶するワークRAM84と、CPU83で生成された画面構成情報を記憶するビデオRAM85と、ビデオRAM85の画面構成情報に基づいて画像データROM86から画像データを取り出し、通常変動やリーチ状態や大当たり報知状態等の画面全体の画像を表示する表示部(液晶モニタ)13aとを備えている。
【0089】
前記インターフェイス81は、主基板24から送信されてくるコマンド(指令)を受信する。また、それらのコマンドは、CPU83によってワークRAM84に設けられたコマンドバッファ領域84aに記憶される。
【0090】
CPU83は、プログラムROM82に記憶された制御プログラムに従って動作する。具体的には、前記コマンドを監視して、該コマンドに応じたタスクを生成し、ワークRAM84に記憶する。そのタスクを実行することで、ワークRAM84内に通常変動やリーチ状態や大当たり状態等の画面構成情報を生成し、この画面構成情報をビデオRAM85に書き込む、なお、画面構成情報は、表示部(液晶モニタ)13aの垂直操作信号(VSYNC)ごとに生成される。
【0091】
ワークRAM84には、主基板24からのコマンドを記憶するための前記コマンドバッファ領域84aをはじめ、生成されたタスクが記憶されるタスクバッファ領域84bや、通常変動時やリーチ状態時の図柄画像の指示や、その配置位置や表示優先順位等を一括してビデオRAM85に書き込むために情報が記憶されるスプライトチェーン領域84cが設定される。
【0092】
また、VDP87は、いわゆるスプライド回路、スクリーン回路及びパレット回路等を備えた画像処理を行う画像データプロセッサである。つまり、ビデオRAM85に記憶された画像構成情報に基づいて、画像データROM86に記憶されている画像データを呼び出して画面に表示するため画像を生成するためのものである。この生成された画像が表示部13aに出力されるのである。なお、前記画像データROM86には、いわゆる背景画像、前記図柄17A〜17Lの画像、キャラクタ画像等の各種画像が記憶されている。
【0093】
さらに、本実施の形態においては、各種(演出用の)ランプの点灯、点滅制御についても、前記主基板24ではなく、主としてランプ制御基板120(副制御部及び表示制御部を構成する)において、司られるような構成となっている。併せて、スピーカから発せられる音声の制御についても、前記主基板24ではなく、主として音声制御基板130(副制御部及び表示制御部を構成する)において、司られるようになっている。
【0094】
次に、前記のように構成されたパチンコ機1の作用及び効果について説明する。制御装置(主基板24)は、上記作動口用スイッチ21からの検出信号に基づき、遊技球5が作動口3へ入賞した旨を検出した場合、そのことに基づいて、対応する保留ランプ18a〜18d(例えば、それまで2つの保留ランプ18a及び18bの2つの保留ランプが点灯されていた場合には3つ目の保留ランプ18c)を点灯させ、保留カウンタの値を「1」ずつインクリメントする。但し、保留ランプ18a〜18dが全て点灯している場合は除かれる。
【0095】
また、制御装置(主基板)24は、内部乱数カウンタ、大当たり図柄カウンタ、外れリーチ図柄カウンタ、外れ図柄カウンタ等の各カウンタの値を各乱数エリアに格納する。そして、所定のタイミングにおいて(それまで図柄変動が行われていなかった場合には速やかに、また、それまで図柄変動や大当たり時制御が行われていた場合には、当該変動等が終了した後所定時間(数秒)経過後)、対応する保留ランプ18a〜18dを消灯させるとともに、保留カウンタの値をデクリメントし、各エリア等に格納されたデータに基づき図柄変動を実行する。
【0096】
このとき、主基板24は、当該変動に際し、指令としてのコマンド(変動開始コマンド)を表示装置13の表示制御基板110、ランプ制御基板120、音声制御基板130等へと出力(送信)する。さて、このコマンドには、(1)変動開始から所定時間後に図柄17A〜17Lを確定表示させる旨の時間情報及び各リーチパターンに代表される変動パターンからなるパターン情報、並びに、(2)いかなる図柄17A〜17Lで確定表示させるかという図柄情報が含まれる。ここで、図柄情報としては、大当たり図柄、外れリーチ図柄、外れ図柄が含まれ、これらは、上述した内部乱数カウンタ、大当たり図柄カウンタ、外れリーチ図柄カウンタ、外れ図柄カウンタ等に基づいて決定されるものである。
【0097】
本実施の形態における上記コマンドは、2バイト構成からなっており、順次連続的に表示制御基板110等へと送信される。2バイト構成からなるコマンドのうち、先頭の1バイト目は、これからいかなる情報が送信されてくるかというキーワード情報によって構成されている。また、後半の1バイトは、具体的な指示内容に該当するパターンコード等の内容情報によって構成されている。
【0098】
例えば、本実施の形態において、まず最初に送信されるコマンドはパターン情報である。この場合、1バイト目は、これからパターン情報(時間情報及び変動パターンを示唆する)が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、「00」、「01」等のパターンコード情報により構成されている。ここで、「00」、「01」等のパターンコード情報は、図柄の変動時間を例えば「10秒」とする、或いは、「30秒」とするといった内容を示唆する時間情報と、どのような変動パターン(又は変動パターン群のうちいずれか)を実行するといった変動パターンを示唆する情報とからなる。
【0099】
続いて送信されるのは図柄情報である。すなわち、本実施の形態のように左→右→中の順に3つの図柄列14〜16の図柄が確定させられる場合においては、まず、パターン情報に続いて2番目に送信されるコマンドたる図柄情報として、1バイト目は、これから左図柄列14の図柄情報が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、確定表示される図柄を示唆するパターンコード情報により構成されている。また、3番目に送信されるコマンドたる図柄情報として、1バイト目は、これから右図柄列16の図柄情報が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、確定表示される図柄を示唆するパターンコード情報により構成されている。併せて、4番目に送信されるコマンドたる図柄情報として、1バイト目は、これから中図柄列15の図柄情報が送信される旨のキーワード情報により構成され、2バイト目は、確定表示される図柄を示唆するパターンコード情報により構成されている。このように、確定図柄に関する3つの表示情報がたて続けに送信される。すなわち、1回の図柄変動に際して、2バイト構成からなるデータが1バイトずつ送信されることにより、合計8(1×2+3×2)回のデータ送信が行われることとなる。
【0100】
なお、上記実施の形態では、左、右、中の各図柄列14〜16に対応した図柄情報が送信されることとなっているが、例えば9つの図柄を確定表示させる必要がある場合には、1×2+9×2=20回のデータ送信が行われるといった具合に、図柄数を適宜変更した場合であっても適用することができる。
【0101】
さて、本実施の形態では、コマンド(一群のコマンド)が、表示制御基板110に対してのみならず、ランプ制御基板120、音声制御基板130にも同期して出力されるようになっている(厳密な意味で全く同時でなくてよい)。勿論、このときに出力されるコマンドは、前記表示制御基板110に出力されるコマンドに対応したものである。
【0102】
これに対し、一群のコマンド(1回の図柄変動に際して送られてくるデータ群)を受信した表示制御基板110のCPU83は、当該コマンドに基づき図柄変動を開始するとともに、変動停止に至るまでの間、前記変動パターンに基づく種々の演出を行う。当該演出としては、例えばリーチ演出が主として挙げられる。
【0103】
すなわち、上記コマンドのうち、パターン情報に基づき、表示制御基板110のCPU83は、テーブルを参酌して、上述した各変動パターンの中から所定のパターンを選択決定するとともに、当該決定したパターンに基づく演出を、変動開始から確定表示までの間、別途設定された時間データの秒数分だけ実行する。
【0104】
また、同様に、一群のコマンドを受信したランプ制御基板120、音声制御基板130の各CPUは、当該コマンドに基づき点滅演出及び音声演出を開始するとともに、停止に至るまでの間、各種演出データに基づく種々の演出を行う。すなわち、上記コマンドのうち、パターン情報に基づき、表示制御基板110のCPU83、ランプ制御基板120のCPU及び音声制御基板130のCPUは、それぞれROMに記憶されているテーブルを参酌して、各パターンの中から所定のパターンを選択決定するとともに、当該決定したパターンに基づく演出を、変動開始から確定停止までの間、別途設定された時間データの秒数分だけ実行する。
【0105】
例えば、主基板24から一群のコマンドとして表示制御基板110に対し「コマンドX」が出力されたとする。ここで、コマンドXは、上述したリーチパターンのうち、「仕入れリーチ」又は「出前リーチ」のいずれかを実行するべき旨の情報を含んでいるものとする。この場合、当該コマンドXを受信した表示制御基板110のCPU83、並びにコマンドXに対応するコマンドをそれぞれ受信したランプ制御基板120のCPU及び音声制御基板130のCPUは、それぞれ次のような制御を実行する。
【0106】
すなわち、図7は、表示制御基板110のCPU83、ランプ制御基板120のCPU及び音声制御基板130のCPUにより、それぞれ実行される「演出制御ルーチン」を示すフローチャートである。処理がこのルーチンに移行すると、各CPUはステップS101においてまず、現在電源が投入された直後であるか否かを判定する。そして、否定判定された場合にはステップS103へ移行する。これに対し、肯定判定された場合には、ステップS102において、テーブル用カウンタのカウント値Cを「0」にクリヤし、ステップS103へ移行する。
【0107】
ステップS101又は102から移行してステップS103においては、前記コマンドX(ランプ制御基板120、音声制御基板130の場合にはコマンドXに対応するコマンド:以下便宜上単に「コマンドXという」)を受信したか否かを判定する。そして、否定判定された場合には、その後の処理を一旦終了する。これに対し、肯定判定された場合、つまりコマンドXを受信した場合には、ステップS104において、コマンドX用テーブルを参酌することにより現在のカウント値Cに応じたパターンを取得する。
【0108】
より詳しくは、表示制御基板110のCPU83は、図8(a)に示すようなカウント値Cに対する表示パターンを予め定めてなるテーブルを参酌することにより、表示パターンを決定する。また、ランプ制御基板120のCPUは、図8(b)に示すようなカウント値Cに対するランプ点滅パターンを予め定めてなるテーブルを参酌することにより、ランプ点滅パターンを決定する。さらに、音声制御基板130のCPUは、図8(c)に示すようなカウント値Cに対する音声パターンを予め定めてなるテーブルを参酌することにより、音声パターンを決定する。ここで、各制御基板110,120,130間において、各パターンはそれぞれ対応して設定されている。例えば、カウント値Cが「0」の場合には、決定される表示パターン、ランプ点滅パターン及び音声パターンはそれぞれ「仕入れリーチ」に関するものとなり、カウント値Cが「1」の場合には、決定される表示パターン、ランプ点滅パターン及び音声パターンはそれぞれ「出前リーチ」に関するものとなる。
【0109】
そして、ステップS105においては、今回取得したパターンに基づき、演出制御を実行する。より詳しくは、今回取得したパターンが「仕入れリーチ」に関するものである場合には、表示制御基板110のCPU83は、図5(c)に示すように表示部13a上において、「仕入れリーチ」の演出表示を実行し、ランプ制御基板120のCPU及び音声制御基板130のCPUは、該「仕入れリーチ」に関連づけられたランプ点滅演出、音声演出をそれぞれ実行する。一方、今回取得したパターンが「出前リーチ」に関するものである場合には、表示制御基板110のCPU83は、図5(d)に示すように表示部13a上において、「出前リーチ」の演出表示を実行し、ランプ制御基板120のCPU及び音声制御基板130のCPUは、該「出前リーチ」に関連づけられたランプ点滅演出、音声演出をそれぞれ実行する。このとき、(1)各制御基板110,120,130側が主基板24側から受信するコマンドはほぼ同期していること、(2)表示演出時間、ランプ演出時間、音声演出時間は互いに対応したほぼ同一時間に設定されていること、(3)表示演出、ランプ演出、音声演出の内容は互いに対応するよう設定されていること(例えば仕入れリーチなら該リーチ動作に関し、表示内容、ランプ点滅内容、音声内容が矛盾することなく対応すること)から、制御基板110,120,130のCPUにより実行される表示演出、ランプ演出、音声演出はそれぞれ互いに対応しほぼ同期したものとなる。
【0110】
次に、ステップS106においては、次回参照のためにテーブル用カウンタのカウント値Cを「1」ずつインクリメントする。また、次のステップS107においては、現在のカウント値Cが「10」となったか否かを判定し、肯定判定された場合には、ステップS108においてカウント値Cを「0」にクリヤし、その後の処理を一旦終了する。これに対し、ステップS107で否定判定された場合には何らの処理をもすることなくその後の処理を一旦終了する。
【0111】
なお、本実施の形態では説明の都合上、パターン情報のうち変動パターン情報について詳述する一方で、時間情報についての説明を省略している。当該時間情報については、前記パターンコード毎に設定されている変動パターンに対応して、通常モード時の通常変動であれば変動時間が「10秒」、通常モード時のノーマルリーチ変動であれば変動時間が「20秒」、・・・といった具合に設定されていてもよい。また、図8の各テーブルに関連して、別途パターンコードに対応する時間情報を定めてなるテーブルが参酌されるような構成となっていてもよい。
【0112】
そして、表示制御基板110のCPU83は、変動開始から所定時間後に図柄を一旦停止させ、これに同期させてランプ制御基板120のCPU及び音声制御基板130のCPUは演出開始から所定時間後にランプ演出、音声演出を停止させる。この停止のタイミングは、前記変動パターン情報に応じて一義的に定められていてもよいし、また、主基板24とは無関係に各制御基板110,120,130側で決定されるものであってもよい。
【0113】
さらにその後、主基板24側のCPUは、自身が有するタイマに基づき、前記所定時間に応じたタイミングで、表示制御基板110に対し、確定コマンドを出力する。なお、これに同期して、主基板24側のCPUランプが制御基板120、音声制御基板130に対しても、消灯コマンド、消音コマンドをそれぞれ出力することとしてもよい。
【0114】
一方、表示制御基板110のCPU83は前記一旦停止からさらに所定時間後において(時間情報に基づく変動を完了した時点で)、前記図柄情報に応じた図柄を確定停止表示させる。このとき、結果的に前記出力された確定コマンドに同期して、図柄が確定表示させられることとなる。同様に、ランプ制御基板120、音声制御基板130の各CPUも、前記タイミングにおいて、ランプ演出、音声演出を確定停止させる。このとき、前記なお書きにある消灯コマンド、消音コマンドが出力された場合には、当該コマンドにほぼ同期して、ランプ、音声が確定停止させられることとしてもよい。
【0115】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、表示制御基板110、ランプ制御基板120、音声制御基板130は、それぞれ同期して更新されるテーブル用カウンタを備えているとともに、テーブルを備えている。そして、テーブル用カウンタにおいては、コマンドXが入力されることを必要条件にカウント値Cが更新される。また、テーブルにおいては、カウント値Cに対応して実行されるべきリーチパターンの態様(仕入れリーチの態様及び出前リーチの態様)がそれぞれ記憶されている。そして、そのときどきのカウント値Cに応じて実際に実行されるリーチ態様は、各制御基板110,120,130間で互いに対応しあうものとなる。このため、例えば表示制御基板110のCPU83がカウント値Cに基づいてテーブルに記憶されているリーチパターンの中から所定のリーチ態様を実行した場合、別の制御基板120,130についても、同一値をとるカウント値Cに対応したリーチ態様(ランプ点滅制御、音声制御)を実行することとなるが、その制御態様は前記表示制御基板110のCPU83にて実行される制御態様に対応したものとなる。このため、表示部13a上で演出表示される各リーチパターン毎に異なったランプ演出、音声演出が行われることとなり、制御態様にバリエーションを持たせることができる。これとともに、各制御基板110,120,130間での制御態様に対応関係が無いことによる不具合の発生を抑制できる。その結果、飛躍的な興趣の向上を図ることができる。
【0116】
特に、各制御基板110,120,130において実行される制御態様が互いに同期して対応しあうものであり、しかも同期して終了するものであるため、各制御基板110,120,130間での制御態様の実行のタイミングや終了タイミングのばらつきによる違和感を払拭することができる。
【0117】
さらに、本実施の形態では、1回の図柄変動に際して主基板24から一群のコマンドのみが出力される(結果的に、変動開始時と確定時との2度のコマンドしか送信されない)という構成であっても、各制御基板110,120,130自身が各種演出制御を実行するため、遊技者は、違和感を感じることなく遊技を堪能することができる。その結果、遊技者にとっての興趣の低下を招くことなく、制御内容の著しい簡素化を図ることができる。特に、1回の図柄変動に際して変動開始時のみに1群のコマンドを送信するだけで済むため、主基板24側の制御内容の著しい簡素化を図ることができ、主基板24の負担軽減を図ることができる。
【0118】
なお、変動パターンに関し、リーチ演出以外の演出に関しても、上記と同様の制御を行うこととしてもよい。リーチ演出以外の演出としては、すべり変動、再変動、リーチ予告、大当たり予告等の演出が挙げられる。ここで、「予告」とあるのは、演出によって、所定の遊技状態が発生しやすくなることを示唆可能であればよい、或いは、演出によって所定の遊技状態の発生率に影響が生じるという趣旨であって、所定の遊技状態が発生しない場合があっても差し支えない。
【0119】
また、上記例では特に言及しなかったが、確定表示される図柄に応じた制御態様を実行することとしてもよいし、図柄とは無関係に制御態様を実行することとしてもよい。前者の場合には、確定図柄が外れリーチ図柄又は大当たり図柄の場合にのみ、リーチ演出が行われることとなり、後者の場合には、確定図柄にかかわらず、リーチ演出が行われる場合が生じる。特に、前者の場合には確定図柄に応じた臨機応変な演出を行うことが可能となる。一方、後者の場合には、リーチ演出の頻度を高めたり、低くしたりでき、遊技に意外性を持たせることも可能となる。

さらに、上記例では、主基板24からコマンドXが送信された場合、「仕入れリーチ」に関する演出と、「出前リーチ」に関する演出とが、それぞれ均等の割合(2分の1の確率)で行われるよう構成した。これに対し、そのときどきに応じて選択されるパターンに偏りをもたせてもよい。
【0120】
例えば、コマンドXのなかに、今回が大当たり時である旨の情報が含まれている場合には、図9(a)に示すテーブルを参酌することとし、今回が外れリーチ時である旨の情報が含まれている場合には、図9(b)に示すテーブルを参酌することとしてもよい。この場合、大当たり時には「仕入れリーチ」(表中パターンA)に関する演出と、「出前リーチ」(表中パターンB)に関する演出とが、それぞれ均等の割合で行われるのに対し、外れリーチ時には、「仕入れリーチ」(表中パターンA)に関する演出の方が、「出前リーチ」(表中パターンB)に関する演出よりも行われやすいものとなる。すなわち、結果として、「出前リーチ」に関する演出が行われた場合の方が、「仕入れリーチ」の場合よりも大当たり発生に関する期待度が高められることとなる。そのため、各パターン毎に、期待度を可変とすることができ、かかる点で興趣の一層飛躍的な向上を図ることができる。
【0121】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態を、図面に基づいて説明する。但し、本実施の形態において、上記第1の実施の形態と重複する部分についてはその説明を省略するとともに、以下には、主として相違点を中心に説明することとする。
【0122】
上記第1の実施の形態では、「コマンドX」を受信する毎に各制御基板110,120,130のCPUは、カウント値Cを1ずつインクリメントするようになっていた。これに対し、本実施の形態では、各制御基板110,120,130には、図11(a),(b),(c)に示すように、「仕入れリーチ(A1,A2,A3)」、「出前リーチ(B1,B2,B3)」、「握りリーチ(C1,C2,C3)」の演出に関するテーブルが記憶されており、表示制御基板110に関しては主基板24から「コマンドX」又は「コマンドY」のいずれかを受信する毎に、またランプ制御基板120、音声制御基板130に関しては「コマンドX」に対応するコマンド、又は「コマンドY」に対応するコマンドのいずれかを受信する毎に、該テーブルが参酌されカウント値Cがインクリメントされるように設定されている。また、本実施の形態では、主基板24側においても、上記テーブル用カウンタと同様にチェック用カウンタ(カウント値CCがカウントアップされる)を備えており、主基板24側は、該チェック用カウンタのカウント値CCに関する情報も「コマンドX」又は「コマンドY」に含めて出力するようになっている。チェック用カウンタのカウント値CCは、上記カウント値Cと同様「0」〜「9」までの値をとり、電源立ち上げ時に「0」にリセットされる。また、主基板24側から、「コマンドX」又は「コマンドY」(及びこれらに対応するコマンド)が出力される毎に、「1」ずつインクリメントされる。
【0123】
例えば、主基板24から一群のコマンドとして「コマンドX」又は「コマンドY」等のいずれかが出力されたとする。ここで、これらのコマンドは、上述したリーチパターンのうち、「仕入れリーチ」、「出前リーチ」、「握りリーチ」のいずれかを実行するべき旨の情報を含んでいるものとする。この場合、当該コマンドX,Y等のいずれかを受信した表示制御基板110のCPU83、ランプ制御基板120のCPU及び音声制御基板130のCPUは、それぞれ次のような制御を実行する。
【0124】
すなわち、図10は、表示制御基板110のCPU83、ランプ制御基板120のCPU及び音声制御基板130のCPUにより、それぞれ実行される「演出制御ルーチン」を示すフローチャートである。各CPUは上記第1の実施の形態で説明したステップS101又は102を経た後、ステップS201において、コマンドX又はYを受信したか否かを判定する。そして、否定判定された場合には、その後の処理を一旦終了する。これに対し、肯定判定された場合、つまりコマンドX,Y等のいずれかを受信した場合には、ステップS202において、現在のテーブル用カウンタのカウント値Cが主基板24からのチェック用カウンタのカウント値CCと一致するか否かを判定する。そして、肯定判定された場合(通常は肯定判定される)には、ステップS204へ移行する。これに対し、ステップS202で否定判定された場合にはステップS203において、チェック用カウンタのカウント値CCを優先させるべく、現在のチェック用カウンタのカウント値CCをテーブル用カウンタのカウント値Cとして設定する。すなわち、チェック用カウンタのカウント値CCは、現在のテーブル用カウンタのカウント値Cが適正なものであることを確認するための情報を含んでおり、各制御基板110,120,130のCPUは、チェック用カウンタのカウント値CCとテーブル用カウンタのカウント値Cとを対比することにより、カウント値Cを修正する計数値修正手段を備えているといえる。
【0125】
さて、ステップS202又は203から移行して、ステップS204において、各制御基板110,120,130のCPUは、今回送信されたコマンド及び現在のカウント値Cに応じたパターンを取得する。
【0126】
より詳しくは、表示制御基板110のCPU83は、図11(a)に示すように、カウント値Cに対する表示パターンをコマンドの種別毎に予め定めてなるテーブルを参酌することにより、表示パターンを決定する。また、ランプ制御基板120のCPUは、図11(b)に示すようにカウント値Cに対するランプ点滅パターンをコマンドの種別毎に予め定めてなるテーブルを参酌することにより、ランプ点滅パターンを決定する。さらに、音声制御基板130のCPUは、図11(c)に示すようにカウント値Cに対する音声パターンをコマンドの種別毎に予め定めてなるテーブルを参酌することにより、音声パターンを決定する。ここで、各制御基板110,120,130間において、各パターンはそれぞれ対応して設定されている。
【0127】
例えば、受信したコマンドが「コマンドX」であり、かつ、カウント値Cが「0」の場合には、決定される表示パターン、ランプ点滅パターン及び音声パターンはそれぞれ「仕入れリーチ」に関するもの(A1,A2,A3)となる。一方、同じくカウント値Cが「0」の場合であっても受信したコマンドが「コマンドY」の場合には、決定される表示パターン、ランプ点滅パターン及び音声パターンはそれぞれ「出前リーチ」に関するもの(B1,B2,B3)となる。
【0128】
同様に、受信したコマンドが「コマンドX」であり、かつ、カウント値Cが「1」の場合には、決定される表示パターン、ランプ点滅パターン及び音声パターンはそれぞれ「出前リーチ」に関するものとなる。一方、同じくカウント値Cが「1」の場合であっても受信したコマンドが「コマンドY」の場合には、決定される表示パターン、ランプ点滅パターン及び音声パターンはそれぞれ「握りリーチ」に関するもの(C1,C2,C3)となる。
【0129】
そして、上記第1の実施の形態と同様、ステップS105において、今回取得したパターンに基づき、演出制御を実行するとともに、その後は第1の実施の形態と同様の処理を実行する。
【0130】
このように、第2の実施の形態によれば、上記第1の実施の形態の作用効果に加えて、主基板24からのコマンドには、カウント値Cが適正なものであることを確認するための情報が含まれているため、該情報に基づいて、各制御基板110,120,130側ではカウント値Cが適正なものか否かを確認することができる。特に、カウント値Cが適正なものでないと判定された場合には、カウント値Cがチェック用カウンタのカウント値CCに基づいて適正な値に修正される。このため、例えば各制御基板110,120,130のいずれかが受信に関するエラーをしたとき(何らかの原因で受信をし損なったとき)、或いは、配線が一時的に外れたりしたとき等、各制御基板110,120,130間でカウント値Cが相違してしまって適正なものとならない場合が発生したとしても、それが適正なものに修正されるため、リーチ演出に際しての制御態様が対応しないという不具合を確実に防止することができる。
【0131】
なお、適正でないと判定された場合に、報知(エラー報知)を行うこととしてもよい。この場合、「前記副制御部は、前記情報と計数値とを対比することにより計数値が適正なものでないと判定した場合に報知を行う報知手段を備えていること」が特徴点となる。なお、前記報知は、表示装置13において行うこととしてもよいし、ランプや音声等により行うこととしてもよい。
【0132】
また、第2の実施の形態によれば、同種のコマンド(コマンドX,Y等)に対して複数のテーブルが用意されており、そのうちの一つのテーブルが選択された上で制御態様が実行される。このため、どのテーブルが選択されるかによって、制御態様にランダム性を持たせることができ、遊技者にとってどの制御態様が実行されるのかを予見しにくいものすることができる。かかる点でより一層の興趣の向上を図ることができる。
【0133】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態を、図面に基づいて説明する。但し、本実施の形態において、上記第1、第2の実施の形態と重複する部分についてはその説明を省略するとともに、以下には、主として相違点を中心に説明することとする。
【0134】
上記第1の実施の形態では「コマンドX」を受信する毎に、第2の実施の形態では「コマンドX又はY」を受信する毎に、各制御基板110,120,130のCPUは、カウント値Cを1ずつインクリメントするようになっていた。これに対し、本実施の形態では、各リーチの選択決定に関し、さらにランダム性を持たせるべく、「変動開始コマンド」を受信する毎に、後述するカウント値(CSR、CY)を変更させてゆくようになっている。そして、次のような方法を採用することで演出パターンを選択決定しているという点で特徴を有している。
【0135】
すなわち、本実施の形態では、所定のスーパーリーチ(「仕入れリーチ(A1,A2,A3)」、「出前リーチ(B1,B2,B3)」、「握りリーチ(C1,C2,C3)」)のリーチパターンを決定するためのカウンタとしてリーチパターン決定カウンタCSRが用意されている。該カウンタCSRは、「0」〜「16」までの17通りの値をとるように設定されており、所定値として例えば「5(前記17に対して素の数)」ずつ加算されるようになっている。また、本実施の形態では、所定の予告演出(「予告なし(X1,X2,X3)」、「背景画面のフラッシュ(Y1,Y2,Y3)」、「キャラクタとして、寿司屋の源さんGCに代えて、カンナちゃんKC(図2(b)参照)を表示する予告(Z1,Z2,Z3)」)の予告パターンを決定するためのカウンタとして予告パターン決定カウンタCYが用意されている。該カウンタCYは、「0」〜「6」までの7(前記17に対して素の数)通りの値をとるように設定されており、「3(前記7に対して素の数)」ずつ加算されるようになっている。
【0136】
さて、図12は、表示制御基板110のCPU83、ランプ制御基板120のCPU及び音声制御基板130のCPUにより、それぞれ実行される「パターン決定ルーチン」を示すフローチャートである。各CPUは、まず、ステップS201において、予め定められたクリヤ条件が成立しているか否かを判定する。ここで、本実施の形態におけるクリヤ条件としては、特定のコマンドを受信したこと、より具体的には(1)電源立ち上げコマンドを受信したこと(電源立ち上げ時であること)、(2)大当たり状態を発生させるためのオープニングコマンドを受信したこと(大当たり状態発生時)又は大当たり状態を終了させるためのエンディングコマンド(大当たり状態終了時)であること等が挙げられる。しかし、これ以外にも、例えば所定回数変動が行われた場合、所定時間が経過した場合、外れリーチの演出された回数が所定回数に達した場合等、任意に設定することができる。そして、クリヤ条件が成立している場合には、ステップS202において、リーチパターン決定カウンタCSR及び予告パターン決定カウンタCYの各値を共に「0」にクリヤする。一方、クリヤ条件が成立していない場合には、ステップS203へ移行する。
【0137】
ステップS203において、CPUは、主基板24から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合には、その後の処理を一旦終了する。これに対し、変動開始コマンドを受信した場合には、ステップS204において、リーチパターン決定カウンタCSR及び予告パターン決定カウンタCYをそれぞれ所定値ずつ加算する。つまり、それまでのリーチパターン決定カウンタCSRの値に対し「5」を加算した値を、新たなリーチパターン決定カウンタCSRとして設定する。また、それまでの予告パターン決定カウンタCYの値に対し「3」を加算した値を、新たな予告パターン決定カウンタCYとして設定する。
【0138】
次に、ステップS205において、CPUは、リーチパターン決定カウンタCSRの値が、「17」以上となっているか否かを判定する。そして、否定判定された場合には、ステップS207へと移行する。これに対し、肯定判定された場合には、当該リーチパターン決定カウンタCSRから「17」を減算した値を、新たなリーチパターン決定カウンタCSRとして設定する。従って、上記ステップS204で「5」が加算されることで、例えば「18」となった場合には、このステップS206において減算処理が行われることとなり、新たなリーチパターン決定カウンタCSRの値は「1」(18−17)に設定される。
【0139】
続いて、ステップS207において、CPUは、予告パターン決定カウンタCYの値が、「7」以上となっているか否かを判定する。そして、否定判定された場合には、ステップS209へと移行する。これに対し、肯定判定された場合には、当該予告パターン決定カウンタCYから「7」を減算した値を、新たな予告パターン決定カウンタCYとして設定する。従って、上記ステップS204で「3」が加算されることで、例えば「9」となった場合には、このステップS208において減算処理が行われることとなり、新たな予告パターン決定カウンタCYの値は「2」(9−7)に設定される。
【0140】
このようにステップS204〜ステップS208の処理を経ることで、リーチパターン決定カウンタCSR及び予告パターン決定カウンタCYは、それぞれ図13に示すような値を順にとることとなる。つまり、上記のクリヤ処理が行われない限り、リーチパターン決定カウンタCSR及び予告パターン決定カウンタCYは、17通り×7通り=119通り(17と7とは互いに素なので、全ての組合せたる119通り)の組合せを順にとることとなる。
【0141】
次に、ステップS209において、CPUは、前記受信した変動開始コマンドが所定のコマンド{所定のスーパーリーチ(仕入れリーチ、出前リーチ、握りリーチのいずれか)を実行すべき旨のコマンド}であるか否かを判定する。そして、否定判定された場合には、今回の変動については、当該処理での決定を行う必要がないものとしてその後の処理を一旦終了する。これに対し、肯定判定された場合には、ステップS210において、現在設定されているリーチパターン決定カウンタCSRに基づいてリーチパターンを決定し、現在設定されている予告パターン決定カウンタCYに基づいて予告パターンを決定し、その後の処理を一旦終了する。
【0142】
より詳しくは、図14(a)に示すように、現在のリーチパターン決定カウンタCSRの値が「0」〜「7」の範囲内にある場合には、仕入れリーチ(A1,A2,A3)の演出を行うこととする。また、リーチパターン決定カウンタCSRの値が「8」〜「14」の範囲内にある場合には、出前リーチ(B1,B2,B3)の演出を行うこととする。さらに、リーチパターン決定カウンタCSRの値が「15」又は「16」である場合には、握りリーチ(C1,C2,C3)の演出を行うこととする。
【0143】
また、図14(b)に示すように、現在の予告パターン決定カウンタCYの値が「0」〜「3」の範囲内にある場合には、予告を行わない(X1,X2,X3)こととする。さらに、予告パターン決定カウンタCYの値が「4」又は「5」である場合には、図柄変動中において背景画面のフラッシュ予告(Y1,Y2,Y3)を行うこととする。併せて、予告パターン決定カウンタCYの値が「6」である場合には、寿司屋の源さんGCに代えて、カンナちゃんKC(図2(b)参照)を表示する予告(Z1,Z2,Z3)を行うこととする。
【0144】
このように、第3の実施の形態によれば、上記第1、第2の実施の形態の作用効果に加えて、変動開始コマンドが送信される毎にリーチパターン決定カウンタCSR及び予告パターン決定カウンタCYが更新される。しかも、更新に際しては、各カウンタCSR,CYのとりうる範囲数に対して素の数がそれぞれ加算されることから、それぞれがランダムな値をとりやすい。しかも、各演出パターンの決定に際しては、所定の範囲毎に定められたリーチパターン等の中から決定される。これらのことから、仮に連続して前記所定コマンド(所定のスーパーリーチを実行すべき旨のコマンド)が送信されたとしても、ランダムに演出内容が決定されることとなり、遊技者にとって、いかなる演出パターンが行われるのかを予見することができない。その結果、演出パターンが予測されてしまうことによる不具合を払拭でき、一層の興趣の向上を図ることができる。
【0145】
また、電源立ち上げ時のみならず、所定のクリヤ条件が成立する毎に、各カウンタCSR,CYの値がクリヤされる。このため、例えば各制御基板110,120,130のいずれかが受信に関するエラーをしたとき(ノイズ等何らかの原因で受信をし損なったとき)、或いは、配線が一時的に外れたりしたとき等、各制御基板110,120,130間でカウント値CSR,CYが相違してしまって適正なものとならない場合が発生したとしても、それが一旦クリヤされて適正なものに修正される。その結果、リーチ演出、予告演出に際しての制御態様が対応しないという不具合を確実に防止することができる。
【0146】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態を、図面に基づいて説明する。但し、本実施の形態においては、上記第3の実施の形態との間で、相違する点を中心に説明することとする。
【0147】
上記第3の実施の形態では便宜上10進数を用いて説明することとした。これに対し、本実施の形態では、16進数を用いた説明がなされているという点に特徴を有している。一般に、16進数は、2進数を4ビット単位で区切り、その4ビットの2進数を0〜Fの16種類の数字及び文字(アルファベット)で表すようにしたものである。例えば、10進数の「45」は、2進数では、[00101101]で表され、16進数では[2D]で表される。
【0148】
また、本実施の形態では、リーチパターン及び予告パターンを決定するための共通のカウンタとしてリーチ・予告決定カウンタCSRYが用いられる。このリーチ・予告決定カウンタCSRYは、0〜255(16進数では[0]〜[FF])まで256通りの値(8ビットに相当)をとり、「変動開始コマンド」を受信する毎に、256に対する素の値であるところの所定値たる37(16進数では[25])ずつ加算されるようになっている。本実施の形態では、2進数の8ビットが、16進数では2桁までで表現され、[FF]の次は、[0]に自動的に戻るようになっている。これは、所定ビット(ここでは8ビット)のカウンタを用いて、リーチ・予告決定カウンタCSRYの幅をそのビット数が表現できる最大値に設定した(0〜255)ことによるものである。
【0149】
さて、図15は、表示制御基板110のCPU83、ランプ制御基板120のCPU及び音声制御基板130のCPUにより、それぞれ実行される「パターン決定ルーチン」を示すフローチャートである。各CPUは、まず、ステップS301において、上記第3の実施の形態と同様、予め定められたクリヤ条件が成立しているか否かを判定する。そして、クリヤ条件が成立している場合には、ステップS302において、リーチ・予告決定カウンタCSRYの値を「0」にクリヤする。一方、クリヤ条件が成立していない場合には、ステップS303へ移行する。

ステップS303において、CPUは、主基板24から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し、受信していない場合には、その後の処理を一旦終了する。これに対し、変動開始コマンドを受信した場合には、ステップS304において、リーチ・予告決定カウンタCSRYに対し所定値を加算する。つまり、それまでのリーチ・予告決定カウンタCSRYの値に対し、「37(16進数では[25])」を加算した値を、新たなリーチ・予告決定カウンタCSRYとして設定する。ここで、上述したように、リーチ・予告決定カウンタCSRYの値が255を超えた場合には、8ビット単位での扱い上、「256」分減算された格好となり、[0]からまたカウントされることとなる。例えば、それまでのリーチ・予告決定カウンタCSRYの値が「254(16進数では[FE])」である場合には、今回「37(16進数では[25])」が加算されることで、「35(16進数では[23])」となる。従って、本実施の形態では、上記第3の実施の形態で説明したような減算処理(ステップS205〜208のような処理)を必要としない。
【0150】
次に、ステップS305において、CPUは、所定コマンド{所定のスーパーリーチ(仕入れリーチ、出前リーチ、握りリーチのいずれか)を実行すべき旨のコマンド}を受信したか否かを判定する。そして、否定判定された場合には、今回の変動については、当該処理での決定を行う必要がないものとしてその後の処理を一旦終了する。これに対し、肯定判定された場合には、ステップS306において、現在設定されているリーチ・予告決定カウンタCSRYに基づいてリーチパターン及び予告パターンを決定し、その後の処理を一旦終了する。
【0151】
より詳しくは、図16に示すように、リーチ・予告決定カウンタCSRYの値が[0]〜「3B」(以降、16進数で説明する)の範囲内にある場合には、予告を行うことなく(X1,X2,X3)、仕入れリーチ(A1,A2,A3)の演出を行うこととする。また、リーチ・予告決定カウンタCSRYの値が[3C]〜「44」の範囲内にある場合には、フラッシュ予告を伴った上で(Y1,Y2,Y3)、仕入れリーチ(A1,A2,A3)の演出を行うこととする。さらに、リーチ・予告決定カウンタCSRYの値が[45]の場合には、カンナちゃんKCを出現させる予告を伴った上で(Z1,Z2,Z3)、仕入れリーチ(A1,A2,A3)の演出を行うこととする。
【0152】
また、リーチ・予告決定カウンタCSRYの値が[46]〜「A9」の範囲内にある場合には、予告を行うことなく(X1,X2,X3)、出前リーチ(B1,B2,B3)の演出を行い、[AA]〜「B2」の範囲内にある場合には、フラッシュ予告を伴った上で(Y1,Y2,Y3)、出前リーチ(B1,B2,B3)の演出を行い、[B3]の場合には、カンナちゃんKCを出現させる予告を伴った上で(Z1,Z2,Z3)、出前リーチ(B1,B2,B3)の演出を行うこととする。さらに、リーチ・予告決定カウンタCSRYの値が[B4]〜「EF」の範囲内にある場合には、予告を行うことなく(X1,X2,X3)、握りリーチ(C1,C2,C3)の演出を行い、[F0]〜「FE」の範囲内にある場合には、フラッシュ予告を伴った上で(Y1,Y2,Y3)、握りリーチ(C1,C2,C3)の演出を行い、[FF]の場合には、カンナちゃんKCを出現させる予告を伴った上で(Z1,Z2,Z3)、握りリーチ(C1,C2,C3)の演出を行うこととする。
【0153】
このように、第4の実施の形態によれば、上記第3の実施の形態の作用効果に加えて、上記減算処理を必要としない分、演算速度が早められ、かつ、プログラムの簡素化が図られるというメリットが生じる。
【0154】
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0155】
(a)上記第1、第2の各実施の形態では、テーブルを参酌することにより、制御態様を選択決定することとしたが、例えば、1回目のコマンドXを受信した場合には仕入れリーチ演出を実行し、2回目のコマンドXを受信した場合には出前リーチ演出を実行するといった具合に、単純に制御態様を順序づけておき、その順序に従って制御態様を実行することとしてもよい。
【0156】
(b)上記第1、第2の実施の形態では、カウンタのカウント値C,CCは「0」〜「9」の値をとり、所定コマンドを受信する毎に「1」ずつインクリメントされる構成となっていたが、例えば「0」〜「999」の値をとり、所定時間(例えば「2ms」)毎に自動的にインクリメントされてゆき、前記所定コマンドを受信したタイミングにおいて決定される(かかる決定がここでいう「更新」に該当する)カウンタの値(いわゆる乱数値=更新値)に基づいて制御態様が決定されるような構成となっていてもよい。
【0157】
(c)上記実施の形態では、確変モードの概念として、(1)7セグ表示部53に「7」が表示される確率を通常時に比べて高め、作動口3の羽根6を開放させる機会を増やすこと、(2)7セグ表示部53における数字の変動時間を短くすること、(3)羽根6の開放時間を長くすること(及び/又は入賞個数を多くすること)、(4)特別図柄表示装置13の表示部13aの図柄17A〜17Lの変動時間を短くすること、(5)大当たり期待値が通常モードに比べて高くなることのうち、(1)〜(5)の全てが実行されることとした。
【0158】
これに対し、(5)のみ、或いは、(5)を含む(1)〜(4)のうちの少なくとも1つを満たすことを、確変モードとしてとらえてもよい。すなわち、(1)〜(4)の任意の組合せ(例えば(1)と(2)、(1)と(3)、(1)と(4)、(2)と(3)、(2)と(4)、(3)と(4)、(1)と(2)と(3)、(1)と(2)と(4)、(1)と(3)と(4)、(2)と(3)と(4))と(5)を組み合わせたものを確変モードとしてとらえてもよい。
【0159】
(d)また、確変モードとして、次回の大当たり時まで継続されるもの以外にも、次々回の大当たり時まで継続されるものや、所定回数の図柄17A〜17Lの変動停止が行われるまで継続されるもの等を採用することもできる。
【0160】
(e)さらに、確変モードに加えて、或いは代えて、時間短縮モード(上記(b)の(1)〜(4)の任意の組み合わせからなるモード)を採りうる遊技機にも適用可能である。例えば、偶数図柄で大当たりになると通常モードが付与され、奇数図柄で大当たりになると時間短縮モードが付与されるようなパチンコ機にも適用することができる。また、遊技モードの切換を行わないタイプのパチンコ機にも具体化してもよい。
【0161】
(f)表示装置13としては、上述した液晶ディスプレイ以外にも、CRT、ドットマトリックス、LED、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示菅等を用いてもよい。
【0162】
(g)本発明は、上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等にも適用できる。例えば、大当たり図柄が表示された後に所定の領域に遊技球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、表示装置19のないパチンコ機(例えば大羽根やクルーンといった役物が搭載されているタイプや、いわゆる多くのチューリップが搭載されているタイプ等)にも応用できる。また、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン等の各種遊技機として実施することも可能である。なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0163】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、遊技球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく、所定量の遊技球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して或いは所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の遊技球が払い出されるものである。
【符号の説明】
【0164】
1…パチンコ機、2…遊技盤、3…作動口、4…大入賞口、5…遊技球、13…表示装置、13a…表示部、14…左図柄列、15…中図柄列、16…右図柄列、17A〜17L…識別情報としての図柄、24…制御装置(主基板)、83…(表示制御基板の)CPU、110…表示制御基板、120…ランプ制御基板、130…音声制御基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主たる制御を行う主制御部と、
前記主制御部からの指令に基づいて副次的な制御を行う複数の副制御部と
を備えた遊技機であって、
前記各副制御部のうち少なくとも2つは、所定の指令に応じた制御態様を、複数の中から選択して実行可能なように記憶してなるとともに、各副制御部において実行される制御態様が、互いに対応しあうものとなるよう構成したことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−19947(P2011−19947A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243409(P2010−243409)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【分割の表示】特願2000−315699(P2000−315699)の分割
【原出願日】平成12年10月16日(2000.10.16)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】