説明

遊技機

【課題】仕切専用の部材を設けることなく発光演出手段の内部を複数の発光室に仕切ることができ、また各発光室に十分な数の発光体を配置でき、しかも発光室内で複数の方向に光を照射することが可能遊技機を提供する。
【解決手段】少なくとも片側の発光体配置面32aに複数の発光体52が配置されたベース発光基板32と、このベース発光基板32の発光体配置面32a側を覆う発光カバー42と、複数の発光体52を複数の発光室61,62に振り分けるようにベース発光基板32と発光カバー42との間の空間を仕切る仕切部材33〜35とを有する発光演出手段28を備えた遊技機で、仕切部材33〜35を、少なくとも片側の発光体配置面33a〜35aに発光体71が配置され且つベース発光基板32の発光体配置面32aに立設された仕切発光基板33〜35により構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面側に複数の発光体が配置されたベース発光基板と、該ベース発光基板の前記表面側を覆う発光カバーと、前記複数の発光体を複数の発光室に振り分けるように前記発光基板と前記発光カバーとの間の空間を仕切る仕切部材とを有する発光演出手段を備えた遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機に代表される遊技機では、遊技盤に装着された各種遊技部品や遊技機本体の前面側等に発光演出手段が多数配置されている。この発光演出手段は、表面側に発光体が配置されたベース発光基板と、このベース発光基板の表面側を覆う発光カバーとを備え、遊技球の入賞等の一定の条件が満たされたときにそれら発光体を所定のパターンで発光させて発光カバーを光らせることにより、音声や画像表示による演出と共に遊技を盛り上げるようになっている。
【0003】
ところで、例えば一つの発光演出手段において、発光カバー上の複数箇所を個別に光らせたい場合があるが、このような場合には、例えば特許文献1に記載された遊技機のように、発光演出手段内に一つの発光基板を配置すると共に、その発光基板と発光カバーとの間の空間を仕切部材により複数の発光室に仕切り、各発光室に振り分けられた発光体を夫々独立して発光させるようにすることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−334105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された遊技機のように、一つの発光基板の前面側を仕切部材により複数の発光室に仕切ることにより発光カバー上の複数箇所を個別に光らせる場合、発光基板上の配置スペースの関係で、各発光室に十分な数の発光体を割り当てることができず、光量が不足したり発光状態が不均一になる等の問題があった。
【0006】
また、全ての発光体が同一方向に向けて配置されるため、光の照射方向が単一となり、例えば発光カバーの外周側等を十分に発光させることができないという問題もあった。更に、発光演出手段の内部を仕切るためだけに用いる仕切部材を別途、或いは発光カバー等に一体に設けなければならないという問題もあった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、仕切専用の部材を設けることなく発光演出手段の内部を複数の発光室に仕切ることができ、また各発光室に十分な数の発光体を配置でき、しかも発光室内で複数の方向に光を照射することが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、少なくとも片側の発光体配置面32aに複数の発光体52が配置されたベース発光基板32と、該ベース発光基板32の前記発光体配置面32a側を覆う発光カバー42と、前記複数の発光体52を複数の発光室61,62に振り分けるように前記ベース発光基板32と前記発光カバー42との間の空間を仕切る仕切部材33〜35とを有する発光演出手段28を備えた遊技機において、前記仕切部材33〜35を、少なくとも片側の発光体配置面33a〜35aに発光体71が配置され且つ前記ベース発光基板32の前記発光体配置面32aに立設された仕切発光基板33〜35により構成したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、仕切専用の部材を設けることなく発光演出手段28の内部を複数の発光室に仕切ることができ、またベース発光基板32側だけでなく仕切発光基板33〜35側に発光体71が設けられているため、仕切発光基板33〜35側の発光体71が配置される発光室側に十分な光量を確保できる。しかも、仕切発光基板33〜35側の発光体71の照射方向は、ベース発光基板32側の発光体52の照射方向と略直交するため、一つの発光室内で異なる二方向に光を照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態を示すパチンコ機の全体斜視図である。
【図2】遊技盤の正面図である。
【図3】センターケースの後構造体の正面図である。
【図4】発光カバーを除く発光演出手段の正面図である。
【図5】発光カバーを除く発光演出手段の側面図である。
【図6】発光カバーを除く発光演出手段の平面断面図である。
【図7】発光演出手段の分解斜視図である。
【図8】発光カバーを除く発光演出手段の分解斜視図である。
【図9】発光カバーを除く発光演出手段の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図9は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の左右一側、例えば左側のヒンジ3を介して縦軸心廻りに開閉及び着脱自在に枢着された内枠4とを備えている。
【0012】
内枠4には、その上部側に図2に示す遊技盤5等が、下部側に発射手段(図示省略)等が夫々配置されており、その内枠4の前側には、遊技盤5の前側を覆うガラス扉6と、そのガラス扉6の下側で発射手段等の前側を覆う下部開閉扉7とがヒンジ3と同じ側のヒンジ8により開閉及び着脱自在に枢着されている。ガラス扉6には、遊技盤5側の遊技領域5aに対応するガラス窓9が設けられ、また下部開閉扉7には、発射手段に供給するための遊技球を貯留する貯留皿10、発射手段を作動させるための発射ハンドル11等が設けられている。
【0013】
遊技盤5の前側には、図2に示すように、発射手段により発射された遊技球を案内するガイドレール12が略環状に装着されると共に、そのガイドレール12内の遊技領域5aには、その略中央にセンターケース13が配置され、更にそのセンターケース13の左側に通過ゲート14が、下側に開閉式入賞手段15及び大入賞手段16が配置される他、普通入賞手段17等の各種遊技部品が装着されている。
【0014】
センターケース13は、図2,図3に示すように、遊技盤5に対して前側から着脱自在に装着される表示枠体21と、後側に液晶表示ユニット等の画像表示手段22が装着され且つ表示枠体21に対応して遊技盤5の裏側に着脱自在に装着される後構造体23とを備えている。
【0015】
表示枠体21は、図2に示すように、画像表示手段22の表示画面22a等に対応する開口状の装飾窓24を備え、その下部側には、左右の入球口25に入球した遊技球を左右方向に自由に転動させて前側に落下させるステージ26が設けられている。
【0016】
後構造体23は、図3に示すように、例えば前側が開放した略箱形に形成され、表示枠体21の後側に対応して遊技盤5の裏面側に着脱自在に固定されており、後側に装着される画像表示手段22の表示画面22aに対応する表示窓27と、その表示窓27の前側に配置され且つ表示画面22aの前側の被覆位置(図3に一点鎖線で示す)と表示画面22aの外側の待避位置(図3に実線で示す)との間で左右方向に移動可能な左右一対の発光演出手段28と、この発光演出手段28を図示しない連動機構を介して駆動する駆動モータ29等を備えている。
【0017】
左右の発光演出手段28は、例えば大砲の砲口を備えた船首部分をモチーフにした立体形状を左右に二分した鏡対称の形態を有し、表示画面22aの前側の被覆位置では互いの対向面を略当接させてその船首形状の略全体を装飾窓24内に現し、左右に分かれて夫々待避位置に移動した状態ではそれらの略全体が遊技盤5の後側に隠れるようになっており、図7等に示すように、ケース体31と、このケース体31内に配置された複数、例えば四枚の発光基板32〜35等を備えている。
【0018】
ケース体31は、例えば合成樹脂製で、図7〜図9に示すように、表示画面22aに平行なベース板41と、このベース板41を前側から覆う発光カバー42とで構成されている。ベース板41は、例えば正面視略矩形状で、対向側縁部41aには、砲口部分に対応する切り欠き部43が外側縁部41b側に向けて凹入状に形成されている。また、ベース板41には、発光カバー42を固定するためのねじ挿通部44が、例えばその外縁部近傍に複数設けられている。
【0019】
発光カバー42は、図3及び図7に示すように、例えば二つの第1,第2発光カバー42a,42bにより構成され、ベース板41の裏側からねじ挿通部44を介して固定ねじ44aをねじ込むことによりベース板41に着脱自在に固定されている。第1発光カバー42aは、他方の発光演出手段28に対向する側の壁面を構成するもので、図7に示すように、ベース板41側の切り欠き部43に沿って前向き突出状に設けられた内レンズ部45と、この内レンズ部45の上下両端側からベース板41側の対向側縁部41aに沿って上下に延設された対向壁部46とを一体に備えている。
【0020】
この第1発光カバー42aのうち、少なくとも内レンズ部45は透光性を有しており、その内レンズ部45の外面側には前後方向の突条部47が周方向に所定間隔で配置され、内面側には例えば凹凸による乱反射処理(図示省略)が施されている。なお、内レンズ部45は、後端側よりも前端側の方が大きい前広がり状に形成されている。
【0021】
第2発光カバー42bは、左右方向外側から前側及び上下両側の壁面を構成するもので、図7に示すように、ベース板41側の外側縁部41bと第1発光カバー42aの前縁側とを連結する略円筒面状の外レンズ部49と、ベース板41,第1発光カバー42a及び外レンズ部49の各上縁部を連結する略水平な上壁部50と、第1発光カバー42a及び外レンズ部49の各下縁部を連結する略水平な底壁部51とを一体に備えている。この第2発光カバー42bのうち、少なくとも外レンズ部49は透光性を有しており、例えば内レンズ部45とは異なる色で不透明に着色されている。
【0022】
四枚の発光基板32〜35のうち、32はベース発光基板、33〜35は仕切発光基板となっている。ベース発光基板32は、図4〜図9に示すように、その表面(発光体配置面)32aに多数のLED(発光体)52が配置されており、表面32aを前側に向けた状態で固定ねじ53によりベース板41の前面側に着脱自在に固定されている。ベース発光基板32には、その外縁部近傍に複数の位置決め孔54が形成されており、ベース板41側の位置決め突起55をこの位置決め孔54に嵌合させることにより所定位置に位置決めされるようになっている。なお、ベース発光基板32は、ベース板41の前面側の略全体を覆う形状及び大きさに形成されている。
【0023】
第1〜第3仕切発光基板33〜35は、ベース発光基板32と発光カバー42との間の空間を内レンズ部45側の内発光室61と外レンズ部49側の外発光室62とに仕切る仕切部材を構成するもので、夫々ベース発光基板32の表面32a側に略直角に立設されると共にベース板41側の切り欠き部43の外側を略一定距離で取り囲むように直列状に配列され、第1,第2保持レール63,64及び第1,第2保持部材65,66によりベース板41に固定されている。これにより、ベース発光基板32側の全てのLED52は、内発光室61側と外発光室62側とに振り分けられている。
【0024】
第1仕切発光基板33は、内レンズ部45の上面45aに沿ってその上側に略水平に配置され、その一端側を第1保持レール63により、他端側を第1保持部材65により夫々保持されている。また、第2仕切発光基板34及び第3仕切発光基板35は、内レンズ部45の側面45bに沿ってその側方に略「く」の字状に配置され、第2仕切発光基板34はその両端側を第1保持部材65と第2保持部材66とにより保持され、第3仕切発光基板35はその一端側を第2保持部材66により、他端側を第2保持レール64により夫々保持されている。
【0025】
なお、第1〜第3仕切発光基板33〜35は、例えば図4〜図6に示すように、発光カバー42側の縁部が内レンズ部45と外レンズ部49との境界に沿うように配置されているが、内発光室61と外発光室62との間でなるべく光が漏れないように、発光カバー42側の縁部を発光カバー42の内面に沿った形状とすることが望ましい。また、発光カバー42の内面側に、第1〜第3仕切発光基板33〜35の縁部を保持する保持部を突設して発光カバー42と第1〜第3仕切発光基板33〜35との隙間を埋めるように構成してもよい。
【0026】
また、第1〜第3仕切発光基板33〜35には、内発光室61側を向いている表面(発光体配置面)33a〜35aにLED(発光体)71が夫々多数配置され、外発光室62側の裏面33b〜35bには、ベース発光基板32側の縁部近傍に、その裏面33b〜35bに沿ってベース発光基板32側に向けて仕切側コネクタ72a〜74aが固定されている。そして、ベース発光基板32の表面32a側には、第1〜第3仕切発光基板33〜35側の仕切側コネクタ72a〜74aに対応してベース側コネクタ72b〜74bが前向き、即ち表面32aに対して略直角方向に固定されており、第1〜第3仕切発光基板33〜35は、その仕切側コネクタ72a〜74aをベース発光基板32側のベース側コネクタ72b〜74bに直接結合することによりベース発光基板32に対して電気的に接続されている。
【0027】
更に、第2仕切発光基板34の上端側には、引出用コネクタ75が第2仕切発光基板34の裏面34bに沿ってベース発光基板32に略平行となるように上向きに固定されており、この引出用コネクタ75に、外部の給電手段側に連結されるハーネス76のコネクタ77が上側から結合されている。なお、ハーネス76は例えばフラットケーブルにより構成されている。
【0028】
第1,第2保持レール63,64は、第1仕切発光基板33及び第3仕切発光基板35の端縁をベース発光基板32に略垂直な方向に摺動自在に保持するもので、断面略コの字型に形成され、ベース板41の前面側から垂直に突設されている。
【0029】
第1保持部材65は、第1,第2仕切発光基板33,34の互いに近接する各端縁を同時にベース板41側に固定すると共に、第2仕切発光基板34から引き出されるハーネス76を保持して所定方向に案内するハーネス案内部材78をベース板41側に固定するもので、第1,第2仕切発光基板33,34の各端縁を保持する例えば溝状の基板保持部81,82と、ベース板41側のハーネス案内部材保持レール83a,83bに着脱自在に装着されたハーネス案内部材78を離脱不能に押さえる案内部材押さえ部84a,84bと、基板保持部81,82及び案内部材押さえ部84a,84bをベース板41側の固定基部85に固定するための固定部86とを一体に備えている。
【0030】
ハーネス案内部材78は、図8,図9に示すように、第2仕切発光基板34側から略上向きに引き出されたハーネス76を左右方向外向きに案内する略平板状の案内板87と、この案内板87の片面側に沿って案内されたハーネス76を案内板87側に挟み込んで固定するハーネス固定部材88とを備え、案内板87が略水平となるように、ベース板41から前向きに突設された一対のハーネス案内部材保持レール83a,83bに前側から着脱自在に装着されている。
【0031】
案内板87には、その左右方向内側の端部近傍にハーネス76の両側を規制する一対の案内突起89が、左右方向外側の端部近傍にハーネス76を板厚方向に挿通させるための切り欠き状のハーネス挿通部90が、夫々設けられており、第2仕切発光基板34側の引出用コネクタ75から略上向きに引き出されたハーネス76は、図9に示すように一対の案内突起89の間を通過するように案内板87の下面側に沿って左右方向内側から外側に向けて案内され、ハーネス挿通部90から案内板87の上側に挿通されるようになっている。なお、第2発光カバー42bには、図7に示すように例えば上壁部50側にハーネス挿通部90に対応する切り欠き部50aが形成されており、ハーネス挿通部90から案内板87の上側に挿通されたハーネス76はこの切り欠き部50aから上側に引き出されるようになっている。
【0032】
なお、案内板87の左右方向外側縁部には、例えば下向きに突設された屈折部87aが一体に設けられており、ハーネス案内部材保持レール83aは案内板87の左右方向内側端部を、ハーネス案内部材保持レール83bは屈折部87aの下端部を夫々前後方向摺動自在に保持するようになっている。
【0033】
ハーネス固定部材88は、案内突起89とハーネス挿通部90との間でハーネス76をハーネス固定部材88の下面側に押さえつけるように案内板87の下面側に固定ねじ88a等により着脱自在に固定されている。
【0034】
第1保持部材65の基板保持部81,82は、第1仕切発光基板33の左右方向外側縁部と、第2仕切発光基板34の上端側縁部とに沿って設けられ且つ前端側が閉じた溝状に形成されている。案内部材押さえ部84a,84bは、ハーネス案内部材保持レール83aにより保持された案内板87の左右方向内側端部と、ハーネス案内部材保持レール83bにより保持された屈折部87aの下端部とに夫々前側から係合するように設けられている。
【0035】
固定部86は、基板保持部81,82及び案内部材押さえ部84a,84bを連結するようにベース板41に平行な板状に形成されており、その裏側にはベース板41側の固定基部85に対応してこの固定基部85側に向けて突設された筒状のねじ挿通孔91が一体に設けられており、このねじ挿通孔91を介して固定基部85に固定ねじ92をねじ込むことによりベース板41側に着脱自在に固定されている。なお、固定基部85は、ハーネス案内部材78の下側に沿って例えば左右方向に二つ配置されており、ベース板41から前向きに突設されている。
【0036】
第2保持部材66は、第2,第3仕切発光基板34,35の互いに近接する各端縁を同時にベース板41側に固定するもので、第2,第3仕切発光基板34,35の各端縁を保持する例えば溝状の基板保持部93,94と、それら基板保持部93,94をベース板41側の固定基部95に固定するための固定部96とを一体に備えている。基板保持部93,94は、第2仕切発光基板34の下端側縁部と、第3仕切発光基板35の上端側縁部とに沿って設けられ且つ前端側が閉じた溝状に形成されている。
【0037】
固定部96は、基板保持部93,94に一体に形成され、固定基部95に対応してねじ挿通孔97が設けられており、このねじ挿通孔97を介して固定基部95に固定ねじ98をねじ込むことによりベース板41側に着脱自在に固定されている。なお、固定基部95は、ベース板41の前面側に垂直に突設され、ベース発光基板32に設けられた挿通孔99を介してベース発光基板32の前側に突出している。
【0038】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機に搭載された発光演出手段28は、例えば一面側に発光体71を備えた仕切発光基板33〜35を、ベース発光基板32の表面32a側に略垂直に立設させることにより、この仕切発光基板33〜35を、ベース発光基板32と発光カバー42との間の空間を内発光室61と外発光室62とに仕切る仕切部材として利用しているため、仕切専用の部材を設ける必要がない。また、ベース発光基板32側だけでなく仕切発光基板33〜35側にLED71が設けられているため、仕切発光基板33〜35側のLED71が配置される内発光室61側に十分な光量を確保できる。しかも、仕切発光基板33〜35側のLED71の照射方向は、ベース発光基板32側のLED52の照射方向と略直交しているため、内発光室61内で異なる二方向に光を照射することができる。特に第1発光カバー42aの内レンズ部45は、前広がり状の筒状面を構成しているため、ベース発光基板32と仕切発光基板33〜35とによる異なる二方向の光照射でより効果的に発光させることができる。
【0039】
また、仕切発光基板33〜35の一面側に沿って固定された仕切側コネクタ72a〜74aを、ベース発光基板32の表面32a側に略垂直に固定されたベース側コネクタ72b〜74bに直接結合することにより両者が電気的に接続されているため、組み立て作業が容易で配線も簡略化できる。なお、仕切側コネクタ72a〜74aとベース側コネクタ72b〜74bとは、仕切発光基板33〜35とベース発光基板32とを互いに固定する固定手段としても機能している。
【0040】
更に、第2仕切発光基板34に、外部の給電手段側に連結されるハーネス76が接続されているため、この第2仕切発光基板34を介して全ての発光基板32〜35と外部の給電手段とを電気的に接続できる。しかも、発光演出手段28は、ベース発光基板32に平行な左右方向に移動可能に構成されており、フラットケーブルよりなるハーネス76は第2仕切発光基板34に対してベース発光基板32に平行となるように接続されているため、図4に示すように、ハーネス76の余裕長さ分を発光演出手段28の上側に捻れなく配置して発光演出手段28の左右方向の移動にスムーズに追従させることができる。
【0041】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、仕切発光基板には、その両面に発光体を配置してもよいし、二枚の仕切発光基板を背中合わせに配置してもよい。なお、仕切発光基板として、屈曲自在なフレキシブル基板を使用してもよい。
【0042】
ベース発光基板32の両面側を発光体配置面32aとしてもよい。この場合、各発光体配置面32aに夫々仕切発光基板を配置してもよいし、片側の発光体配置面32aにのみ仕切発光基板を配置してもよい。
【0043】
ベース発光基板32に対して仕切発光基板を複数列配置して三つ以上の発光室に仕切ってもよい。また、複数の仕切発光基板のベース発光基板32上での配置は任意であり、直列状の他、例えば互いに交差方向に配置してもよい。
【0044】
また、第1仕切発光基板の発光体配置面に、更に別の第2仕切発光基板を略垂直に立設してもよい。この場合、第2仕切発光基板は、ベース発光基板にも略垂直となる向きに配置してもよいし、第1仕切発光基板にのみ略垂直でベース発光基板に対しては略平行となる向きに配置してもよい。
【0045】
ベース発光基板に対する仕切発光基板の立設角度、或いは仕切発光基板に別の仕切発光基板を立設する際の立設角度は任意であり、垂直に限るものではない。
【0046】
ベース側コネクタに対する仕切側コネクタの抜け止めロック機構を備えた場合には、このベース側コネクタと仕切側コネクタとの結合のみで仕切発光基板をベース発光基板に固定するようにしてもよいし、例えばその抜け止めロック機構と、仕切発光基板をベース発光基板32の板面方向に保持する保持レールとを併用して仕切発光基板をベース発光基板に固定するようにしてもよい。
【0047】
なお、実施形態ではパチンコ機について例示したが、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機はもちろん、スロットマシン等の弾球遊技機以外の各種遊技機でも同様に実施可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0048】
28 発光演出手段
32 ベース発光基板
32a 発光体配置面
33 第1仕切発光基板(仕切発光基板,仕切部材)
33a 発光体配置面
34 第2仕切発光基板(仕切発光基板,仕切部材)
34a 発光体配置面
35 第3仕切発光基板(仕切発光基板,仕切部材)
35a 発光体配置面
42 発光カバー
52 発光体
61 内発光室(発光室)
62 外発光室(発光室)
65 第1保持部材(保持部材)
66 第2保持部材(保持部材)
71 発光体
72a 仕切側コネクタ
72b ベース側コネクタ
73a 仕切側コネクタ
73b ベース側コネクタ
74a 仕切側コネクタ
74b ベース側コネクタ
76 ハーネス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも片側の発光体配置面(32a)に複数の発光体(52)が配置されたベース発光基板(32)と、該ベース発光基板(32)の前記発光体配置面(32a)側を覆う発光カバー(42)と、前記複数の発光体(52)を複数の発光室(61,62)に振り分けるように前記ベース発光基板(32)と前記発光カバー(42)との間の空間を仕切る仕切部材(33〜35)とを有する発光演出手段(28)を備えた遊技機において、前記仕切部材(33〜35)を、少なくとも片側の発光体配置面(33a〜35a)に発光体(71)が配置され且つ前記ベース発光基板(32)の前記発光体配置面(32a)に立設された仕切発光基板(33〜35)により構成したことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記仕切発光基板(33〜35)の一面側に沿って固定された仕切側コネクタ(72a〜74a)を、前記ベース発光基板(32)の前記発光体配置面(32a)に固定されたベース側コネクタ(72b〜74b)に直接結合することにより両者が電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記ベース発光基板(32)と一又は複数の前記仕切発光基板(33〜35)との何れかに、外部の給電手段側に連結されるハーネス(76)が接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記発光演出手段(28)は、前記ベース発光基板(32)に平行な方向に移動可能に構成されており、前記ハーネス(76)はフラットケーブルで構成され且つ前記仕切発光基板(33〜35)の何れかに対して前記ベース発光基板(32)に平行となるように接続されていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
複数の前記仕切発光基板(33〜35)を直列状に配置し、各仕切発光基板(33〜35)の間に、互いに隣接する仕切発光基板(33〜35)の端部を同時に保持する保持部材(65,66)を配置したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−130782(P2012−130782A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−87732(P2012−87732)
【出願日】平成24年4月6日(2012.4.6)
【分割の表示】特願2010−175181(P2010−175181)の分割
【原出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】