説明

遊技機

【課題】制御装置等を効率良く設置できる構成を実現し、しかもかかる構成において不正対策を講じる。
【解決手段】遊技盤の裏面には、主制御装置ユニット700と音声ランプ制御装置ユニット800が上下方向に並ぶようにして取り付けられている。主制御装置ユニット700と音声ランプ制御装置ユニット800は、パチンコ機10の前後方向のほぼ同じ位置であって防護カバー82と近接する位置に配置されている。主制御装置701と音声ランプ制御装置801を搭載する各制御取付台711,811は、遊技盤16の裏面から離間されるように構成されている。各制御取付台711,811の背面側には、格子状に複数のリブ742,842が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機として例えばパチンコ機では、遊技盤等よりなる遊技機本体に形成された遊技領域に対して遊技球が発射され、当該遊技領域内の各種入賞口に遊技球が入賞されるとそれに伴い所定個数の遊技球が払い出される。また、例えば遊技領域の中央部には液晶表示装置等よりなる図柄表示ユニットが設置され、この図柄表示ユニットにより複数列の図柄が変動表示される。この場合、所定入賞口(始動入賞口)への入賞をトリガとして図柄表示ユニットによる図柄の変動表示が開始され、その後、所定の変動パターンによる変動表示を経て図柄の変動表示が停止される。そして、各図柄列の停止図柄が確定した際にその図柄が同一図柄であれば、特別遊技状態(大当たり状態)に移行し多量の遊技球が払い出される。特別遊技状態に移行する確率は比較的低確率で設定され、特別遊技状態に移行しない場合には通常状態のままとされる。
【0003】
パチンコ機は、その遊技機本体の背面側に、遊技に関する主要な制御を司る主基板を有しており、当該主基板により、入賞に伴う遊技球の払出や、その都度の遊技状態を通常状態又は特別遊技状態のいずれにするかなどが制御される。パチンコ機には、前記主基板の他、遊技球の払出を制御する払出制御基板、図柄表示ユニットにおける図柄の変動表示を制御する表示制御基板、遊技機に設置された音声装置やランプ装置による補助演出を実施する音声ランプ制御基板などが搭載されている。
【0004】
前記の如く遊技機本体の背面側には、主基板をはじめ複数の制御基板(制御装置)が搭載されており、これら制御基板を台座部材を介して遊技機本体に搭載するものも具体化されている。この場合、制御基板が安定した状態で取り付けられるなどの利点がある。
【0005】
また近年の遊技機においては、興趣向上などを図るべく遊技演出を多様化するなどの工夫がなされており、遊技機本体の背面側には種々の役物や、中継基板等の基板装置類が多数配設される。そのため、台座部材を遊技機本体から離間させるようにして設けると共に、台座部材と遊技機本体の間に形成される隙間領域を利用して各種役物や基板装置類を効率良く配置することが検討されている。一方、台座部材と遊技機本体の間に隙間領域が形成されると、その隙間領域に外部から手や工具等を差し入れてパチンコ機を誤動作させる等の不正行為が行われる可能性が生じる。そのため、隙間領域に手や工具等が差し入れられることを阻止すべく、台座部材に遮蔽部を設ける技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
また、台座部材と遊技機本体の間に隙間領域が形成されるように台座部材を設けた場合、この隙間領域を不正目的で悪用されることも懸念される。具体的には、隙間領域に不正基板などを取り付けられることが懸念される。かかる懸念は、台座部材に遮蔽部を設ける構成としても依然残されたままである。したがって、その不正対策が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−275553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上例示した事情等に鑑みてなされたものであり、制御装置等を効率良く設置できる構成を実現し、しかもかかる構成において不正対策を講じることができる遊技機を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、
取付対象に開閉可能に支持される支持部を有する遊技機本体と、
遊技に関する制御を司る制御基板を基板ケースに収容してなる制御装置と、
前記遊技機本体の背面側に取り付けられると共に、前記制御装置を前記遊技機本体の背面側から装着可能な装着部を有する台座部材と、
前記遊技機本体の少なくとも一部を背面側から覆い、前記遊技機本体の背面側に取り付けられる遊技部品に遊技球が衝突することを抑制し得る被覆部材と
を備えた遊技機において、
前記制御装置が前記被覆部材と近接するよう、前記遊技機本体又は前記台座部材の少なくとも一方に、前記遊技機本体と前記装着部との間に所定の隙間領域を形成する脚部を形成し、
前記台座部材の前記遊技機本体と相対する側に、前記隙間領域を細分化する細分化部材を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、制御装置等を効率良く設置できる構成を実現し、しかもかかる構成において不正対策を講じることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す正面図である。
【図2】パチンコ機の構成を示す背面図である。
【図3】遊技盤の構成を示す正面図である。
【図4】遊技盤の構成を示す右側面図である。
【図5】遊技盤の構成を示す背面図である。
【図6】パチンコ機の要部断面図である。
【図7】主制御装置ユニットの構成を示す正面図である。
【図8】主制御装置ユニットの構成を示す斜視図である。
【図9】主制御取付台の構成を示す斜視図である。
【図10】表示制御取付台の構成を示す斜視図である。
【図11】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図12】主制御取付台の別の構成を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明群を手段n(n=1,2,3…)として区分して示し、それらを必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、本実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0013】
手段1.取付対象(外枠11)に開閉可能に支持される支持部(支持機構13)を有する遊技機本体(本体枠12、前扉枠14、遊技盤16等)と、
遊技に関する制御を司る制御基板(主基板等)を基板ケース(基板ボックス702等)に収容してなる制御装置(主制御装置701等)と、
前記遊技機本体の背面側に取り付けられると共に、前記制御装置を前記遊技機本体の背面側から装着可能な装着部(基板装着部712等)を有する台座部材(主制御取付台711等)と、
前記遊技機本体の少なくとも一部を背面側から覆い、前記遊技機本体の背面側に取り付けられる遊技部品(第1図柄表示装置41等)に遊技球が衝突することを抑制し得る被覆部材(防護カバー82)と
を備えた遊技機において、
前記制御装置が前記被覆部材と近接するよう、前記遊技機本体又は前記台座部材の少なくとも一方に、前記遊技機本体と前記装着部との間に所定の隙間領域を形成する脚部(脚部721等)を形成し、
前記台座部材の前記遊技機本体と相対する側に、前記隙間領域を細分化する細分化部材(リブ742等)を設けたことを特徴とする遊技機。
【0014】
手段1によれば、台座部材の装着部に制御装置が装着され、その状態で台座部材が遊技機本体の背面側に取り付けられている。遊技機本体又は台座部材の少なくとも一方には脚部が設けられており、台座部材を遊技機本体の背面側に取り付けた状態では、装着部と遊技機本体との間に所定の隙間領域が形成されるようになっている。かかる構成とすることにより、この隙間領域に例えば各種役物や、中継基板等の基板装置などを設置することが可能となり、各種遊技部品の配置に関する設計自由度を高めることが可能となる。ただし、この隙間領域が悪用されて不正部品等が設置されることなどが懸念されている。
【0015】
上記懸念は、台座部材が遊技機本体に当接するように、或いは遊技機本体の背面側に設けられる遊技部品に台座部材が当接するように台座部材を取り付ける構成とすれば、好適に解消することが可能である。しかしながら、かかる構成とした場合、台座部材の配置位置を機種毎に見直す必要が生じ、設計負荷や製造負荷が高まる可能性が新たに懸念されることとなる。
【0016】
一方、本構成では、台座部材に装着された制御装置が被覆部材と近接するように脚部を形成し、台座部材の遊技機本体と相対する側に、隙間領域を細分化する細分化部材を設けた。これにより、台座部材を可能な限り遊技機の奥寄りに配置することが可能となり、十分な隙間領域を確保することが可能となる。故に、台座部材の配置位置を見直す機会を低減させることが可能となり、上記懸念を好適に解消することが可能となる。また、単に隙間領域の開口部を遮蔽するような既存の構成等とは異なり、隙間領域そのものを細分化部材により縮小させることができ、この隙間領域を利用して不正基板等を設置する不正行為などが抑制できる。以上の結果、制御装置等を効率良く設置できる構成を実現し、しかもかかる構成における十分な不正対策を講じることができる。なお、「隙間領域を細分化」とは、隙間領域を複数の小さな領域に区画するものの他、隙間領域を遮るものをも含む。また、「制御装置が被覆部材と近接するように」とは、制御装置が被覆部材に覆われている場合、制御装置が遊技機本体より被覆部材に近い位置に配置されることを意味し、より詳しくは、制御装置と被覆部材が所定の隙間を以って配置されることやこれらが当接して配置されることを意味する。また、制御装置が被覆部材に覆われていない又はその一部が被覆部材から露出している場合、遊技機本体の前後方向における制御装置の後面と被覆部材の後面とがほぼ同じ位置となるように配置されることを意味する。以下も同じである。
【0017】
手段2.上記手段1において、前記細分化部材又は前記細分化部材の一部として、複数の仕切り板部(リブ742等)を設けたことを特徴とする遊技機。
【0018】
手段2によれば、台座部材の遊技機本体と相対する側には、複数の仕切り板部が設けられている。かかる構成とすることにより、隙間領域を細分化することが可能となり、各領域の一つ一つを比較的小さなものに区画することが可能となる。故に、遊技機本体と台座部材の間に不正基板を設置するための領域を確保することが困難なものとなり、不正行為を抑止することが可能となる。また、仕切り板部を設けることにより、台座部材の剛性を確保することも可能となる。
【0019】
手段3.上記手段2において、前記複数の仕切り板部を格子状に設けたことを特徴とする遊技機。
【0020】
手段3によれば、複数の仕切り板部は格子状に設けられている。かかる構成とすることにより、隙間領域を格子状に細分化することが可能となり、各領域の一つ一つを比較的小さなものに区画することが可能となる。故に、遊技機本体と台座部材の間に不正基板を設置するための領域を確保することが困難なものとなり、不正行為を抑止することが可能となる。
【0021】
手段4.上記手段1乃至手段3のいずれかにおいて、前記細分化部材又は前記細分化部材の一部として、前記遊技機本体に向けて延びる複数の柱部材(ボス761)を点在させて設けたことを特徴とする遊技機。
【0022】
手段4によれば、台座部材の遊技機本体と相対する側には、遊技機本体に向けて延びる複数の柱部材が点在して設けられている。かかる構成とすることにより、不正基板を設置するために必要な領域を柱部材によって遮ることが可能となる。故に、遊技機本体と台座部材の間に不正基板を設置するための領域を確保することが困難なものとなり、不正行為を抑止することが可能となる。
【0023】
手段5.上記手段1乃至手段4のいずれかにおいて、前記細分化部材を、前記遊技機本体又は前記遊技機本体から後方に突出するようにして取り付けられる遊技部品(集合板ユニット68等)と近接するように、前記台座部材から延設したことを特徴とする遊技機。
【0024】
手段5によれば、細分化部材は、遊技機本体又は遊技機本体から後方に突出するようにして取り付けられる遊技部品と近接するように、台座部材から延設されている。かかる構成とすることにより、遊技機本体と台座部材の間に不正基板を設置するための領域を確保することが困難なものとなり、不正行為を抑止することが可能となる。
【0025】
手段6.上記手段1乃至手段5のいずれかにおいて、前記脚部を、前記隙間領域を囲むように設けたことを特徴とする遊技機。
【0026】
手段6によれば、脚部は、隙間領域を囲むように設けられている。かかる構成とすることにより、隙間領域への外部からの侵入を脚部によって阻害することが可能となる。故に、不正行為を好適に抑止することが可能となる。
【0027】
手段7.上記手段1乃至手段5のいずれかにおいて、前記脚部を、前記隙間領域の全周を囲むように設けたことを特徴とする遊技機。
【0028】
手段7によれば、脚部は、隙間領域の全周を囲むように設けられている。かかる構成とすることにより、隙間領域への外部からの侵入を脚部によって阻害することが可能となる。故に、不正行為を好適に抑止することが可能となる。
【0029】
手段8.上記手段1乃至手段5のいずれかにおいて、前記隙間領域の内外を区画する区画壁(脚部721等)を設けたことを特徴とする遊技機。
【0030】
手段8によれば、隙間領域の内外を区画するようにして区画壁が設けられている。かかる構成とすることにより、隙間領域への外部からの侵入を区画壁によって遮蔽することが可能となる。故に、不正行為を好適に抑止することが可能となる。
【0031】
手段9.上記手段8において、前記区画壁を前記隙間領域の全周を囲むように設けたことを特徴とする遊技機。
【0032】
手段9によれば、区画壁は、隙間領域の全周を囲むように設けられている。かかる構成とすることにより、隙間領域への外部からの侵入を区画壁によって遮蔽することが可能となる。故に、不正行為を好適に抑止することが可能となる。
【0033】
手段10.上記手段8又は手段9において、前記区画壁は前記脚部であることを特徴とする遊技機。
【0034】
手段10によれば、脚部は隙間領域の内外を区画する壁として形成されている。かかる構成とすることにより、区画壁を脚部と別に設けずとも隙間領域の内外を区画することが可能となり、不正行為を好適に抑止することが可能となる。
【0035】
手段11.上記手段1乃至手段10のいずれかにおいて、前記脚部を、前記制御装置が前記被覆部材より後方に突出しないように形成したことを特徴とする遊技機。
【0036】
手段11によれば、脚部は、制御装置が被覆部材より後方に突出しないように形成されている。かかる構成とすることにより、制御装置に遊技球が衝突することを好適に回避することが可能となる。
【0037】
手段12.上記手段1乃至手段11のいずれかにおいて、前記台座部材を透明な合成樹脂材料にて形成したことを特徴とする遊技機。
【0038】
手段12によれば、台座部材は透明な合成樹脂材料にて形成されている。かかる構成とすることにより、仮に隙間領域に不正基板等を設置する不正行為がなされたとしても、これを比較的容易に発見することができる。故に、遊技機を設置する遊技場等が不利益を被る機会を低減することが可能となる。なお、ここに言う透明とは、無色透明に限らず有色透明をも含む。
【0039】
手段13.上記手段1乃至手段12のいずれかにおいて、前記細分化部材と前記台座部材とを一体成形したことを特徴とする遊技機。
【0040】
手段13によれば、台座部材と細分化部材は一体成形されている。かかる構成とすることにより、台座部材に細分化部材を組み付ける作業等が不要となり、作業効率を高めることが可能となる。
【0041】
手段14.上記手段1乃至手段13のいずれかにおいて、前記脚部を前記台座部材に一体成形したことを特徴とする遊技機。
【0042】
手段14によれば、脚部は台座部材に一体成形されている。かかる構成とすることにより、遊技機本体側に脚部を設ける必要がないため、台座部材の汎用性を高めることが可能となる。また、手段13の特徴的構成にかかる構成を適用した場合には、細分化部材を台座部材に一体成形しているため、脚部を台座部材に設けたとしても成形型が大型化する可能性は低い。故に、遊技機のコストアップをより好適に抑制することが期待できる。
【0043】
手段15.上記手段1乃至手段14のいずれかにおいて、前記制御装置は、遊技を統括管理する主制御基板(主基板)を基板ケース(基板ボックス702)に収容してなる主制御装置(主制御装置701)であることを特徴とする遊技機。
【0044】
手段15によれば、主制御装置を装着する台座部材には、遊技機本体と相対する側に細分化部材が設けられている。主制御装置は、遊技を統括管理する制御装置であるため、不正部品等による不正行為を行われる可能性が高い。そこで、主制御装置を装着する台座部材に細分化部材を設けることにより、主制御装置に不正行為が行われることを抑止することが可能となり、遊技機を設置する遊技場等が不利益を被ることを回避することが可能となる。
【0045】
手段16.上記手段15において、前記台座部材を、前記被覆部材の下方であって前記主制御装置が前記被覆部材から露出する位置に取り付けたことを特徴とする遊技機。
【0046】
手段16によれば、台座部材は、被覆部材の下方であって主制御装置が被覆部材から露出する位置に取り付けられている。かかる構成とすることにより、主制御装置の視認性を高めることが可能となる。故に、遊技機を設置する遊技場等において、主制御装置に不正行為がなされていないか否かを確認する作業を容易なものとすることが可能となる。さらにいうと、主制御装置が被覆部材から露出する位置に取り付けられている場合、例えば主制御装置が被覆部材等により覆われている場合と比して、隙間領域が不正基板等を設置するための領域として狙われる可能性が高くなる。故に、かかる構成に、隙間領域を細分化部材により細分化する構成を適用することにより、主制御装置に不正行為が行われることを好適に抑止することが可能となる。
【0047】
手段17.上記手段15において、前記台座部材を、前記主制御装置の一部が前記被覆部材と前後方向に重なる位置に取り付けたことを特徴とする遊技機。
【0048】
手段17によれば、台座部材は、主制御装置の一部が被覆部材と前後方向に重なる位置に取り付けられている。かかる場合、主制御装置を台座部材から取り外すためには、主制御装置の全体が露出するように被覆部材を移動させる必要が生じる。故に、主制御装置を不正基盤に交換する不正行為を困難なものとすることが可能となり、主制御装置の視認性を確保しつつ十分な不正対策を講じることができる。
【0049】
手段18.上記手段15乃至手段17のいずれかにおいて、前記主制御装置からの制御指令に基づいて駆動装置(スピーカ23b等)の制御を行う従制御基板(音声ランプ制御基板)を従基板ケース(基板ボックス)に収容してなる従制御装置(音声ランプ制御装置801)と、
前記遊技機本体の背面側に取り付けられると共に、前記従制御装置を前記遊技機本体の背面側から装着可能な従装着部(基板装着部812等)を有する従台座部材(音声ランプ制御取付台811)と、
前記遊技機本体又は前記従台座部材の少なくとも一方に、前記遊技機本体と前記従装着部との間に所定の従隙間領域を形成する従脚部(脚部821)を、前記主制御装置と前記従制御装置の位置が前後方向にほぼ同じ位置となるように形成し、
前記従台座部材の前記遊技機本体と相対する側に、前記従隙間領域を細分化する従細分化部材(リブ842)を設けたことを特徴とする遊技機。
【0050】
手段18によれば、主制御装置を装着する台座部材に加えて、主制御装置の制御指令に基づいて駆動装置の制御を行う従制御装置の台座部材にも従細分化部材が設けられている。かかる構成とすることにより、複数の制御装置を遊技機本体の背面側に設置する構成であっても、各種遊技部品の配置に関する設計自由度を高めつつ十分な不正対策を講じることが可能となる。なお、「主制御装置と従制御装置の位置が前後方向にほぼ同じ位置」とは、遊技機本体の前後方向における主制御装置の後面と従制御装置の後面とがほぼ同じ位置に加え、装着部の後面と従装着部の後面とがほぼ同じ位置となることをも含む。
【0051】
手段19.上記手段1乃至手段14のいずれかにおいて、遊技を統括管理する主制御基板(主基板)を基板ケース(基板ボックス702)に収容してなる主制御装置(主制御装置701)と、該主制御装置からの制御指令に基づいて駆動装置(スピーカ23b等)の制御を行う従制御基板(音声ランプ制御基板)を従基板ケース(基板ボックス)に収容してなる従制御装置(音声ランプ制御装置801)とを備え、前記制御装置は、前記従制御装置であることを特徴とする遊技機。
【0052】
手段19によれば、主制御装置の制御指令に基づいて駆動装置の制御を行う従制御装置の台座部材に細分化部材が設けられている。かかる構成とすることにより、複数の制御装置を遊技機本体の背面側に設置する構成であっても、各種遊技部品の配置に関する設計自由度を高めつつ十分な不正対策を講じることが可能となる。
【0053】
手段20.上記手段18又は手段19において、前記従台座部材を、前記従制御装置が前記被覆部材に覆われる位置に配置したことを特徴とする遊技機。
【0054】
手段20によれば、従制御装置は被覆部材に覆われている。かかる場合、従制御装置の視認性の低下が懸念されることとなるが、被覆部材と従制御装置が近接配置される本構成においては、従制御装置の視認性が低下することを抑制することが可能となる。さらにいうと、従制御装置が被覆部材に覆われる位置に配置されている場合、従台座部材と遊技機本体との間に形成される従隙間領域に不正基板等を配置して主制御装置に不正を行うことが考えられ、かかる場合には不正行為の発見が遅れる可能性が生じ得る。故に、かかる構成に上記各手段を適用することにより、十分な不正対策を講じることが可能となる。
【0055】
なお、上記手段2乃至手段14の特徴的構成を、上記手段15乃至手段20に適用することもでき、その場合には相乗効果が期待できる。
【0056】
手段21.取付対象(外枠11)に開閉可能に支持される支持部(支持機構13)を有する遊技機本体(本体枠12、前扉枠14、遊技盤16等)と、
遊技に関する制御を司る制御基板(主基板等)を基板ケース(基板ボックス702等)に収容してなる制御装置(主制御装置701等)と、
前記遊技機本体の背面側に取り付けられると共に、前記制御装置を前記遊技機本体の背面側から装着可能な装着部(基板装着部712等)を有する台座部材(主制御取付台711等)と、
前記遊技機本体の少なくとも一部を背面側から覆い、前記制御装置に遊技球が衝突することを抑制し得る被覆部材(防護カバー82)と
を備えた遊技機において、
前記制御装置が前記被覆部材と近接するよう、前記遊技機本体又は前記台座部材の少なくとも一方に、前記遊技機本体と前記装着部との間に所定の隙間領域を形成する脚部(脚部721等)を形成し、
前記台座部材の前記遊技機本体と相対する側に、前記隙間領域を細分化する複数の仕切り板部(リブ742)を設けたことを特徴とする遊技機。
【0057】
手段21によれば、台座部材の装着部に制御装置が装着され、その状態で台座部材が遊技機本体の背面側に取り付けられている。遊技機本体又は台座部材の少なくとも一方には脚部が設けられており、台座部材を遊技機本体の背面側に取り付けた状態では、装着部と遊技機本体との間に所定の隙間領域が形成されるようになっている。かかる構成とすることにより、この隙間領域に例えば各種役物や、中継基板等の基板装置などを設置することが可能となり、各種遊技部品の配置に関する設計自由度を高めることが可能となる。ただし、この隙間領域が悪用されて不正部品等が設置されることなどが懸念されている。
【0058】
上記懸念は、台座部材が遊技機本体に当接するように、或いは遊技機本体の背面側に設けられる遊技部品に台座部材が当接するように台座部材を取り付ける構成とすれば、好適に解消することが可能である。しかしながら、かかる構成とした場合、台座部材の配置位置を機種毎に見直す必要が生じ、設計負荷や製造負荷が高まる可能性が新たに懸念されることとなる。
【0059】
一方、本構成では、台座部材に装着された制御装置が被覆部材と近接するように脚部を形成し、台座部材の遊技機本体と相対する側に、隙間領域を細分化する複数の仕切り板部を設けた。これにより、台座部材を可能な限り遊技機の奥寄りに配置することが可能となり、十分な隙間領域を確保することが可能となる。故に、台座部材の配置位置を見直す機会を低減させることが可能となり、上記懸念を好適に解消することが可能となる。また、単に隙間領域の開口部を遮蔽するような既存の構成等とは異なり、隙間領域を比較的小さな複数の領域に区画することが可能となる。故に、遊技機本体と台座部材の間に不正基板を設置するための領域を確保することが困難なものとなり、不正行為を抑止することが可能となる。また、仕切り板部を台座部材と一体成形する構成とすれば、台座部材の剛性を確保することも可能となる。以上の結果、制御装置等を効率良く設置できる構成を実現し、しかもかかる構成における十分な不正対策を講じることができる。
【0060】
なお、上記手段3乃至手段20の特徴的構成を、上記手段21に適用することもでき、その場合には相乗効果が期待できる。
【0061】
手段22.取付対象(外枠11)に開閉可能に支持される支持部(支持機構13)を有する遊技機本体(本体枠12、前扉枠14、遊技盤16等)と、
遊技に関する制御を司る制御基板(主基板等)を基板ケース(基板ボックス702等)に収容してなる制御装置(主制御装置701等)と、
前記遊技機本体の背面側に取り付けられると共に、前記制御装置を前記遊技機本体の背面側から装着可能な装着部(基板装着部712等)を有する台座部材(主制御取付台711等)と、
前記遊技機本体の少なくとも一部を背面側から覆い、前記遊技機本体の背面側に取り付けられる遊技部品(第1図柄表示装置41等)に遊技球が衝突することを抑制し得る被覆部材(防護カバー82)と
を備えた遊技機において、
前記制御装置が前記被覆部材と近接するよう、前記遊技機本体又は前記台座部材の少なくとも一方に、前記遊技機本体と前記装着部との間に所定の隙間領域を形成する脚部(脚部721等)を形成し、
前記台座部材の前記遊技機本体と相対する側に、前記遊技機本体に向けて延びる複数の柱部材(ボス761)を点在させて設けたことを特徴とする遊技機。
【0062】
手段22によれば、台座部材の装着部に制御装置が装着され、その状態で台座部材が遊技機本体の背面側に取り付けられている。遊技機本体又は台座部材の少なくとも一方には脚部が設けられており、台座部材を遊技機本体の背面側に取り付けた状態では、装着部と遊技機本体との間に所定の隙間領域が形成されるようになっている。かかる構成とすることにより、この隙間領域に例えば各種役物や、中継基板等の基板装置などを設置することが可能となり、各種遊技部品の配置に関する設計自由度を高めることが可能となる。ただし、この隙間領域が悪用されて不正部品等が設置されることなどが懸念されている。
【0063】
上記懸念は、台座部材が遊技機本体に当接するように、或いは遊技機本体の背面側に設けられる遊技部品に台座部材が当接するように台座部材を取り付ける構成とすれば、好適に解消することが可能である。しかしながら、かかる構成とした場合、台座部材の配置位置を機種毎に見直す必要が生じ、設計負荷や製造負荷が高まる可能性が新たに懸念されることとなる。
【0064】
一方、本構成では、台座部材に装着された制御装置が被覆部材と近接するように脚部を形成し、台座部材の遊技機本体と相対する側に、遊技機本体に向けて延びる複数の柱部材を点在させて設けた。これにより、台座部材を可能な限り遊技機の奥寄りに配置することが可能となり、十分な隙間領域を確保することが可能となる。故に、台座部材の配置位置を見直す機会を低減させることが可能となり、上記懸念を好適に解消することが可能となる。また、単に隙間領域の開口部を遮蔽するような既存の構成等とは異なり、不正基板を設置するために必要な領域を柱部材によって遮ることが可能となる。故に、遊技機本体と台座部材の間に不正基板を設置するための領域を確保することが困難なものとなり、不正行為を抑止することが可能となる。以上の結果、制御装置等を効率良く設置できる構成を実現し、しかもかかる構成における十分な不正対策を講じることができる。
【0065】
なお、上記手段5乃至手段20の特徴的構成を、上記手段22に適用することもでき、その場合には相乗効果が期待できる。
【0066】
以下に、以上の各手段を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
【0067】
弾球遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル111)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(遊技球発射装置61)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(球発射通路53)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、可変表示ユニット35等)とを備えた遊技機。
【0068】
可変表示装置を備えた弾球遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル111)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する球発射手段(遊技球発射装置61)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(球発射通路53)と、遊技領域内に配置された作動口(作動口33)、可変表示装置(第1図柄表示装置41)及び可変入賞装置(可変入賞装置32)とを備え、作動口への遊技球の入球を検知すると可変表示装置に表示される図柄を可変表示し、その停止時の図柄が特定図柄である場合に可変入賞装置を所定態様で開放させるようにした遊技機。
【0069】
球使用回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列(具体的には図柄が付されたリール)を変動表示(具体的にはリールの回動)した後に図柄列を確定停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
【0070】
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の背面図、図3は遊技領域を形成する遊技盤16の正面図、図4は遊技盤16の右側面図、図5は遊技盤16の背面図、図6は遊技盤16の要部断面図である。なお、図1では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を空白としている。
【0071】
図1に示すように、パチンコ機10は、取付対象としての外枠11と、該外枠11の前部に設けられた本体枠12とを備えている。外枠11及び本体枠12には、パチンコ機10正面から見て左側の上下両端部に支持機構13が設けられており、本体枠12は、この支持機構13の中心軸線を軸心にして外枠11に対して開閉可能に支持されている。なお、外枠11に代わる構成として設置枠体を遊技ホール側に予め設けておき、遊技ホールへのパチンコ機10の設置に際しては本体枠12を前記設置枠体に組み付ける構成とすることも可能である。
【0072】
本体枠12の前面側には、開閉部材としての前扉枠14が設けられている。前扉枠14の中央部には略円形状の窓部15が形成されている。本体枠12の後部、すなわち前扉枠14の奥側であって外枠11の内側となる部位には、遊技盤16が着脱可能に装着されている。そして、遊技盤16の前面部の略中央部分だけが前扉枠14の窓部15を通じて本体枠12の前面側から視認可能な状態となっている。本実施の形態では、これら本体枠12、前扉枠14、遊技盤16等により遊技機本体が構成されている。
【0073】
前扉枠14の中央下部であって窓部15の下方には、遊技球を貯留するための上皿17が設けられている。また、本体枠12の前面下部には、左右方向ほぼ中央部において下皿18が設けられている。下皿18の側部には、遊技球発射ハンドル19が設けられている。遊技球発射ハンドル19は図2に示されている遊技球発射装置20に連結されており、遊技者が遊技球発射ハンドル19を回転させることにより、遊技球が遊技盤16に形成された遊技領域に向けて発射される。
【0074】
次に、遊技盤16の構成を図3に基づいて説明する。遊技盤16には、遊技球発射装置20により発射された遊技球を遊技盤16上部に案内する内レール21及び外レール22が設けられている。内レール21は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成され、外レール22は内レール21の上方開放領域を囲むようにかつ内レール21の左側部と並行するように略半円環状に形成されている。本実施の形態では、遊技盤16のうち内レール21及び外レール22によって囲まれた領域が、遊技球の流下可能な遊技領域となっている。
【0075】
遊技盤16には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35等がそれぞれ設けられている。実際には、一般入賞口31、可変入賞装置32、作動口33、スルーゲート34及び可変表示ユニット35は木ねじ等により遊技盤表面に取り付けられており、特に可変入賞装置32及び可変表示ユニット35は、例えば図6に示すように遊技盤16の背面側に突出するようにして取り付けられている。本実施の形態では、可変表示ユニット35が遊技盤30の略中央に配置され、その下方に作動口33が配置され、さらにその下方に可変入賞装置32が配置されている。また、可変表示ユニット35の左右両側にスルーゲート34が配置され、遊技盤30の下部両側に一般入賞口31がそれぞれ複数配置されている。作動口33には、所定の条件下で作動状態(開放状態)となる電動役物が付随的に設けられている。この電動役物も図6に示すように遊技盤16の背面側に突出するようにして取り付けられている。前記一般入賞口31、可変入賞装置32及び作動口33に遊技球が入ると、それぞれに設けられた検出スイッチにより検出され、その検出結果に基づいて上皿17又は下皿18に対し所定数の遊技球が払い出される。その他に、遊技領域の最下部にはアウト口36が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。また、遊技領域には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されていると共に、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
【0076】
可変表示ユニット35には、作動口33への入賞をトリガとして第1図柄(特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置41が設けられている。可変表示ユニット35には、第1図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム43が配設されている。センターフレーム43の上部には、第1図柄表示装置41に対応した保留ランプ44が設けられている。遊技球が作動口33を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ44の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ44は、第1図柄表示装置41の一部で変動表示される構成等であっても良い。また、センターフレーム43の上部中央には、スルーゲート34の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置42が設けられている。センターフレーム43の下部には、第2図柄表示装置42に対応した保留ランプ46が設けられている。遊技球がスルーゲート34を通過した回数は最大4回まで保留され、保留ランプ46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、保留ランプ46は、前記保留ランプ44と同様に、第1図柄表示装置41の一部で変動表示される構成等であっても良い。
【0077】
第1図柄表示装置41は液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。第1図柄表示装置41には、例えば左、中及び右に並べて第1図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして可変表示されるようになっている。なお、第1図柄表示装置41は、液晶ディスプレイ以外に、CRT,ドットマトリックス,7セグメント等その他のタイプにより表示画面を構成したものであってもよい。
【0078】
第2図柄表示装置42は、例えば「○」、「×」の2種類の第2図柄を表示する表示部45を備えている。そして、遊技球がスルーゲート34を通過する毎に表示部45の表示図柄(第2図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄(例えば「○」図柄)で停止した場合に、作動口33に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となるよう構成されている。具体的な変動態様は、遊技球がスルーゲート34を通過すると、「○」と「×」の表示が付された部分の背面に内蔵された各LEDが交互に点灯され、最終的に「○」か「×」の一方に対応したLEDのみが点灯されるというものである。なお、表示部45は、複数のランプ(LED)を交互に点灯させることにより変動表示される構成の他、第1図柄表示装置41(液晶表示装置)の一部で変動表示される構成等であってもよい。
【0079】
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、特別遊技状態(以下、大当たりという)の際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。より詳しくは、作動口33に遊技球が入賞すると第1図柄表示装置41で第1図柄が変動表示され、その停止後の確定図柄が予め設定した特定の図柄の組合せとなった場合に大当たりが発生する。そして、可変入賞装置32が所定の開放状態となり、遊技球が入賞し易い状態になるよう構成されている。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放されるものが一般的である。
【0080】
前扉枠14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、図柄の変動表示時や大当たり時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御されることにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部15の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部51が左右対称に設けられ、環状電飾部51の中央であってパチンコ機10の最上部にはLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部52が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部52が大当たりランプとして機能し、大当たり状態時に点灯や点滅を行うことにより大当たり中であることを報知する。また、上皿17周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部53が設けられている。その他、中央電飾部52の左右側方には、遊技球払出中に点灯する賞球ランプ54と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ55とがそれぞれ設けられている。また、下皿18の奥壁部には、多数の小孔が集合したスピーカカバー部23aが形成されており、その後方に設置されたスピーカ23bの出力音がスピーカカバー部23aを通じて前方に発せられるようになっている。
【0081】
次に、パチンコ機10の背面の構成を説明する。なお、理解を容易なものとするため、先ず遊技盤16の背面の構成を説明する。
【0082】
遊技盤16の中央に配置される可変表示ユニット35には、図4〜図6に示すように、センターフレーム43(図6参照)を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー61が後方に突出して設けられており、そのフレームカバー61の後端に、第1図柄表示装置41と表示制御手段としての表示制御装置272とが前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。また、フレームカバー61には、表示制御装置272を覆うようにして、音声ランプ制御装置ユニット800が設けられている。この音声ランプ制御装置ユニット800は、音声ランプ制御装置801と、台座部材としての音声ランプ制御取付台811とを具備する構成となっており、音声ランプ制御取付台811上に音声ランプ制御装置801が装着されている。音声ランプ制御装置ユニット800は、何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて遊技盤16の裏面に対して展開できる構成となっている。これは、音声ランプ制御装置ユニット800によって覆われることとなる表示制御装置272等を容易に確認することを可能とするための工夫である。具体的に説明すると、音声ランプ制御装置ユニット800には遊技盤16の背面から見て右端部に支軸部66が設けられ、その支軸部66による軸線を中心に音声ランプ制御装置ユニット800が回動可能となっている。また、音声ランプ制御装置ユニット800には、その右端部すなわち支軸部66の反対側となる開放端側に、ナイラッチ(登録商標)等よりなる締結部67が設けられており、この締結部67によって音声ランプ制御装置ユニット800がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。
【0083】
遊技盤16の裏面であって可変表示ユニット35の下方には、集合板ユニット68が設けられている。集合板ユニット68は、薄板状の枠体として例えばABS樹脂等の合成樹脂により成形されるベースを有し、そのベース面が遊技盤16の裏面に当接されるようにして取り付けられている。集合板ユニット68には、各種入賞口に入賞した遊技球やアウト口36を通過した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
【0084】
集合板ユニット68の裏面には、主制御装置ユニット700が設けられている。この主制御装置ユニット700は、主制御装置701と、台座部材としての主制御取付台711とを具備する構成となっており、主制御取付台711上に主制御装置701が装着されている。主制御装置ユニット700は、何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されるとともに、一部に支軸部を設けて遊技盤16の裏面に対して展開できる構成となっている。具体的に説明すると、主制御装置ユニット700には遊技盤16の背面から見て左端部に支軸部74が設けられ、その支軸部74による軸線を中心に主制御装置ユニット700が回動可能となっている。また、主制御装置ユニット700には、その右端部すなわち支軸部74の反対側となる開放端側に、ナイラッチ(登録商標)等よりなる締結部75が設けられており、この締結部75によって主制御装置ユニット700がパチンコ機10本体の裏面に沿った状態に保持されるようになっている。主制御装置ユニット700は、図4及び図5に示すように、音声ランプ制御装置ユニット800と上下に並ぶように、且つ遊技盤16からの奥行き方向の位置が音声ランプ制御装置ユニット800とほぼ同じとなるように設けられている。より具体的には、主制御装置701の表面(パチンコ機10への設置状態で言えば裏面)と音声ランプ制御装置801の表面(パチンコ機10への設置状態で言えば裏面)とが、遊技盤16の奥行き方向に対してほぼ同じ位置となるように設けられている。
【0085】
図2に示すように、遊技盤16の背面側には裏セット機構81が設けられている。裏セット機構81には、遊技盤16の背面側の一部を覆うようにして、より具体的には、音声ランプ制御装置ユニット800と主制御装置ユニット700の一部を覆うようにして、透明樹脂材料にて成形された防護カバー82が設けられている。裏セット機構81には、防護カバー82の周囲を囲むようにして、遊技球を貯留するための遊技球貯留タンク83をはじめ、タンクレール84、払出通路85、及び、該払出通路85の途中に設けられ、モータ等を具備してなる払出装置86等が設けられている。主制御装置ユニット700の下方には、払出制御装置311と、発射制御装置312及び電源装置313が前後に重なるようにして取付台90に搭載された払出制御装置ユニット91が設けられている。
【0086】
払出制御装置311及び発射制御装置312は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備している。上述した可変入賞装置32や各入賞口に遊技球が入賞した場合、上記入賞検知機構にて各々検出されると共にその検出結果が主制御装置701に取り込まれ、該主制御装置701よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信される。そして、払出制御装置311によって払出装置86が駆動制御され、上皿17又は下皿18に対し所定数の遊技球が払い出されるようになっている。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル19の操作に従い遊技球発射装置20の制御が行われる。電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。
【0087】
ここで、主制御装置ユニット700の構成を図7〜図9を用いて説明する。図7は主制御装置ユニット700の正面図、図8は同ユニット700を2方向(表側上方及び表側下方)から示す斜視図である。また、主制御装置ユニット700を構成する各部材のうち、主制御取付台711の構成を図9に示す。
【0088】
主制御装置ユニット700は、台座部材としての主制御取付台711を有し、主制御取付台711に主制御装置701が搭載されている。主制御装置701は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックス702に収容されて構成されている。基板ボックス702は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)と該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部704によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス702が封印されている。封印部704は、基板ボックス702の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
【0089】
封印部704はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部704による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合発生の際や主基板の検査の際など基板ボックス702を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス702のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス702の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス702に残しておけば、基板ボックス702を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
【0090】
また、基板ボックス702において、封印部704と反対側の長辺部には、その封印部704とは別に基板ボックス702を封印するための封印部705が左右2カ所に設けられている。この封印部705は、本パチンコ機10が工場で製造された後、遊技ホール等まで搬送されるまでの不正行為を抑止するための搬送用封印部であり、パチンコ機10の工場出荷時に同封印部705に対する封印処理が施される。そして、同パチンコ機10のホール搬送後において主制御装置701の検査確認等の目的で封印部705の封印が解除され基板ボックス702が開放された場合には、再度使われることはなくそのまま放置される。遊技ホールでの設置後は、前述の封印部704で封印処理が行われることによって基板ボックス702の不正な開封が防止される。
【0091】
基板ボックス702の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数(本実施の形態では4つ)の結合片706が設けられている。詳細は後述するが、この結合片706は、基板ボックス702と主制御取付台711との間で封印処理を施すために用いられる。
【0092】
図示は省略するが、基板ボックス702の背面は平坦面となっており、その背面には、円柱状の突起が1カ所に設けられるとともに、締結部材としての回動操作式の係止具が1カ所に設けられている。突起は、機種毎に存在する主制御装置701に個別の特定位置(例えば、10カ所の規定ポジションのうちいずれか)に形成されている。また、係止具は、基板ボックス702の裏面に立設された支軸により回動可能となっており、該係止具は90度の角度範囲内で回動となっている。この場合、係止具は、横一文字状となる位置と縦一文字状となる位置との間で回動される。
【0093】
次に、主制御取付台711の構成を図9に基づいて説明する。主制御取付台711はポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製であり、全体に無色透明となっている。ただし、主制御取付台711は緑や青等に着色されて不透明又は半透明であっても良い。主制御取付台711には平坦板状をなす基板装着部712が設けられている。基板装着部712は、主制御装置701を装着するための主制御装置装着部に相当し、主制御装置701の基板ボックス702の形状に合わせて横長の略矩形状に形成されている。基板装着部712では、主制御取付台711の表側(パチンコ機10への設置状態で言えばパチンコ機背面側)が基板搭載面712aとなっている。
【0094】
基板装着部712には、その上下各端部に基板搭載面712a側に起立した起立部713,714が形成されるとともに、左右の各端部に同じく基板搭載面712a側に起立した起立部715,716が形成されている。左右の各起立部715,716の先端部には、それぞれ内側を向くようにして爪部が形成されている。基板装着部712において起立部715,716の基端部には、細幅のスリット孔717,718が形成されている。
【0095】
また、基板装着部712には、複数(本実施の形態では10個)の位置合わせ孔719が形成されている。位置合わせ孔719はそれぞれ切除可能な切除片を有する孔部となっており、都度使用される主制御装置701に応じて複数の位置合わせ孔719のうち1つの切除片が打ち抜かれ開放される。本構成によれば、基板装着部712に本来装着されるべき主制御装置701を装着しようとする場合には、同主制御装置701の基板ボックス背面に設けた突起の位置と、開放された位置合わせ孔719の位置とが一致し、主制御装置701が支障なく装着できる。これに対し、基板装着部712に間違った主制御装置701を装着しようとする場合には、同主制御装置701の突起の位置と、開放された位置合わせ孔719の位置とが不一致となり、主制御装置701の装着が不可となっている。これにより、基板装着部712に装着されるべき主制御装置701の組み付け間違いが防止されるようになっている(機種間違い、型式間違いを含む)。
【0096】
また、基板装着部712には横長形状の貫通孔720が形成されている。この貫通孔720は、主制御装置701の背面に設けられた係止具を挿通させるための孔部である。
【0097】
主制御装置701を基板装着部712に搭載する際には、横長となる向きに主制御装置701が配置される。このとき、主制御装置701の下辺側を起立部714上に載せた状態で、基板装着部712の貫通孔720に主制御装置701の係止具を挿通させるとともに、位置合わせ孔719(複数の同孔のうち開放された孔)に主制御装置701の突起を挿通させるようにして主制御装置701を基板装着部712上に装着する。そして、基板装着部712の背後にて係止具を90度回動させてロック位置に操作する。この係止具の回動操作によって、基板装着部712上にて取り外し不能に主制御装置701が装着できる。この場合、主制御装置ユニット700の裏面側から再び係止具を回動操作してアンロック位置に戻さなければ(ロック解除しなければ)、主制御装置701を取り外すことができないため、基板取り外し等の不正行為に対して抑止効果が得られる。
【0098】
基板装着部712には、基板搭載面712aとは逆側(主制御取付台711の背面側)に延びる脚部721が設けられている。この脚部721は、左右の側辺部721a,721bとその側辺部721a,721b間に設けられる下辺部721c及び上辺部721dとからなる。脚部721は、図6及び図9に示すように、各辺部721a〜721dが壁状に形成されると共に主制御装置701の表面が防護カバー82と近接するように設けられており、基板装着部712の背後部分への侵入を阻止するための遮蔽部ともなっている。つまり、本主制御取付台711を遊技盤16の背面側に取り付けた状態では、図6に示すように基板装着部712の背後に隙間領域A1が形成されるが、脚部721によって隙間領域A1の内外が区画されており、その隙間領域A1に対する不正道具等の侵入が阻止されるようになっている。また、基板装着部712の隙間領域A1における不正基板等の取り付けも阻止できる。
【0099】
脚部721において、一方の側辺部721aには、上下一対の軸受け部724が設けられており、この軸受け部724が本主制御取付台711の装着相手側(遊技盤16側)の支軸部74によって軸支されることで、本主制御取付台711(主制御装置ユニット700)が遊技盤16に対して回動可能に片持ち支持されるようになっている。また、同じく側辺部721aには、基板装着部712側の端部に複数(本実施の形態では4つ)の被結合片725が形成されている。被結合片725は易破断部を有しており、その易破断部が破断されることで主制御取付台711から切除されるようになっている。同側辺部721aは、主制御装置ユニット700を片持ち支持するための部位であるため、その補強を目的の1つとして側辺部721aの内側面には複数のリブ726が設けられている。また、主制御取付台711の図9における左部には、電気配線等を本主制御取付台711から上下に案内するための切欠部728が形成されている。
【0100】
ここで、基板装着部712上に主制御装置701を装着した状態では、主制御装置701の結合片706と主制御取付台711側の被結合片725とが前後で重なるようにして合致する。この場合、4組の結合片706及び被結合片725のうち、1つに封印ネジがねじ込まれることで、主制御装置701(基板ボックス702)と主制御取付台711との間で封印処理が施される。図示は省略するが、封印ネジは、ドライバ等の締付け工具による締付け時に所定の締付け力以上の負荷がかかると頭部が破断される、いわゆる破断ネジであり、結合片706及び被結合片725の封印時にネジ頭部が破断されることで、その後はドライバ等によるネジの緩め作業が不可となる。この場合、封印を解除するには、被結合片725の易破断部を破断しなければならず、その破断により封印解除の履歴が残るようになっている。
【0101】
破断ネジに代えて、所定の締付け方向にはねじ回しができるが、その逆の緩め方向にはねじ回しができない、いわゆる一方向ネジ(ワンウェイネジとも称される)を用いることも可能である。なお、基板装着部712には、封印ネジのストックを備えておくための封印ネジ備蓄部729が設けられている。
【0102】
他方の側辺部721bには、締結具としてのナイラッチ732(図5参照)を取り付けるためのナイラッチ取付部731が上下2カ所に設けられている。このナイラッチ取付部731に取り付けられるナイラッチ732によって、遊技盤16に対する本主制御取付台711(主制御装置ユニット700)の締結がなされるようになっている。
【0103】
主制御取付台711の背面側、より詳しくは基板装着部712と脚部721とによって囲まれる領域には、格子状の多数のリブ742が主制御取付台711と一体成形されている。そして、その多数のリブ742により、空間状の一つ一つの領域が比較的大きくならないようになっている。つまり、隙間領域A1(図6参照)がリブ742によって区画されている、或いは細分化されているとも言える。また、多数のリブ742を一体成形することにより、隙間領域A1の細分化といった所望とする効果を得つつ、横長に形成された基板装着部712の剛性を確保することが可能となる。この場合、主制御取付台711が透明材料により成形されているために、仮にリブ742の一部が切除されたとしても、その発見が容易となっている。
【0104】
図9の(a)に示すように、主制御取付台711の背面側には矩形状の凹部751が形成されている。この凹部751は、本ユニット700の装着相手側(遊技盤16側)との兼ね合いで設けられるものであり、同凹部751によって遊技盤16背面の突起状の部位又は部材との干渉が回避できるようになっている。具体的には、図6に示すように、遊技盤16に設けられた電動役物を覆うようにして形成された集合板ユニット68や、その背面側に設けられた中継基板及びコネクタとの干渉を凹部751により回避している。また、凹部751と対応する位置に形成されたリブ742も同様に、集合板ユニット68との干渉を回避する高さで形成されている。なお、凹部751及びリブ742は、隙間領域A1に不正基板を配置することができない程度に集合板ユニット68と近接するように形成されている。具体的には、集合板ユニット68との間隔は約5mmとなるように、中継基板及びコネクタとの間隔は約10mmとなるように形成されている。中継基板及びコネクタとの間隔を集合板ユニット68との間隔と比して大きくすることにより、コネクタに接続される電気配線等の取り回しを比較的容易なものとすることが可能となる。さらにいうと、主制御取付台711の背面側は、中継基板及びコネクタとの干渉を回避させつつ、その左右両側部を集合板ユニット68に向けて張出形成されているとも言える。かかる構成とすることにより、本体枠12を外枠11から開放させた際に中継基板等により死角となる部位(すなわち中継基板より開閉中心側の領域)に不正基板等を配置されることを回避することが可能となり、好適に不正行為を抑止することができる。ちなみに、リブ742は、コネクタの挿入部を避けるようにして形成されている。加えて、図示は省略するが、主制御取付台711の背面側には、主制御取付台711に主制御装置701を装着した際において主制御装置701側の係止具との干渉を回避し、かつ当該係止具の回動操作を可能とするための切欠部が形成されている。
【0105】
また、主制御装置701を主制御取付台711の基板装着部712に装着した状態において、基板装着部712の背面側では、主制御装置701の基板ボックス702に設けた係止具の回動操作が行われる。したがって、この係止具による係止作用によって、主制御装置701の取り外しが不可能となっている。更に、主制御装置701を基板装着部712上に装着した状態では、主制御装置701の結合片706と主制御取付台711側の被結合片725とが前後で重なるようにして合致する。この場合、4組の結合片706及び被結合片725のうち、1つに封印ネジがねじ込まれることで、主制御装置701と主制御取付台711との間で封印処理が施される。
【0106】
主制御装置ユニット700を遊技盤16に装着する際には、上記の如く主制御装置701、主制御取付台711を一体化した後、主制御取付台711の軸受け部724を遊技盤16側の支軸部74に軸支させるとともに、その支軸部74を中心に同ユニット700を回動させ、主制御取付台711の脚部721の先端部を遊技盤16の背面側(より詳しくは集合板ユニット68)に当接させる。そして、ナイラッチ732によって主制御装置ユニット700を遊技盤16に固定する。その装着状態が図5に示す状態である。つまり、主制御装置701は、遊技盤16の背面と主基板の電子部品搭載面とがほぼ平行となるように、遊技盤16に対して取り付けられている。
【0107】
次に、音声ランプ制御装置ユニット800のうち、音声ランプ制御取付台811の構成を図10に基づいて説明する。
【0108】
音声ランプ制御取付台811の説明に先立ち音声ランプ制御装置801の概略を説明すると、音声ランプ制御装置801は、主たる制御を司るCPU、スピーカ23aやランプ類の駆動データを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)と該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。但し、音声ランプ制御装置801は、主制御装置701と異なり封印手段を備えておらず、封印処理がなされていない。
【0109】
音声ランプ制御取付台811はポリカーボネート樹脂等の合成樹脂製であり、全体に無色透明となっている。ただし、音声ランプ制御取付台811は緑や青等に着色されて不透明又は半透明であっても良い。音声ランプ制御取付台811には平坦板状をなす基板装着部812が設けられている。基板装着部812は、音声ランプ制御装置801を装着するための音声ランプ制御装置装着部に相当し、音声ランプ制御装置801の基板ボックスの形状に合わせて横長の略矩形状に形成されている。基板装着部812では、音声ランプ制御取付台811の表側(パチンコ機10への設置状態で言えばパチンコ機背面側)が基板搭載面812aとなっている。
【0110】
基板装着部812には、基板搭載面812aとは逆側(表示制御取付台811の背面側)に延びる脚部821が設けられている。この脚部821は、左右の側辺部821a,821bとその側辺部821a,821b間に設けられる下辺部821c及び上辺部821dとからなる。脚部821は、図6及び図10に示すように、各辺部821a〜821dが壁状に形成されると共に音声ランプ制御装置801の表面が防護カバー82と近接するように設けられており、さらには、音声ランプ制御装置801の表面と主制御装置701の表面がパチンコ機10の前後方向においてほぼ同じ位置となるように設けられている。換言すれば、脚部821は、基板装着部812の背後部分への侵入を阻止するための遮蔽部ともなっている。つまり、本音声ランプ制御取付台811を遊技盤16の背面側に取り付けた状態では、図6に示すように基板装着部812の背後に隙間領域A2が形成されるが、脚部821によってその隙間領域A2の内外が区画されており、その隙間領域A2に対する不正道具等の侵入が阻止されるようになっている。また、基板装着部812の隙間領域A2における不正基板等の取り付けも阻止できる。
【0111】
脚部821において、一方の側辺部821bには、上下一対の軸受け部824が設けられており、この軸受け部824が本音声ランプ制御取付台811の装着相手側(遊技盤16側)の支軸部66によって軸支されることで、本音声ランプ制御取付台811(音声ランプ制御装置ユニット800)が遊技盤16に対して回動可能に片持ち支持されるようになっている。
【0112】
他方の側辺部821aには、締結具としてのナイラッチ832(図5参照)を取り付けるためのナイラッチ取付部831が上下2カ所に設けられている。このナイラッチ取付部831に取り付けられるナイラッチ832によって、遊技盤16に対する本音声ランプ制御取付台811(音声ランプ制御装置ユニット800)の締結がなされるようになっている。
【0113】
音声ランプ制御取付台811の背面側、より詳しくは基板装着部812と脚部821とによって囲まれる領域には、格子状の多数のリブ842が音声ランプ制御取付台811と一体成形されており、その多数のリブ842により、空間状の一つ一つの領域が比較的大きくならないようになっている。つまり、隙間領域A2(図6参照)がリブ842によって区画されている、或いは細分化されているとも言える。また、多数のリブ842を一体成形することにより、隙間領域A2の細分化といった所望とする効果を得つつ、横長に形成された基板装着部812の剛性を確保することが可能となる。この場合、音声ランプ制御取付台811が透明材料により成形されているために、仮にリブ842の一部が切除されたとしても、その発見が容易となっている。
【0114】
図10の(a)に示すように、音声ランプ制御取付台811の背面側には矩形状の凹部851が形成されている。この凹部851は、本ユニット800の装着相手側(遊技盤16側)との兼ね合いで設けられるものであり、同凹部851によって遊技盤16背面の突起状の部位又は部材との干渉が回避できるようになっている。具体的には、図6に示すように、遊技盤16に設けられた表示制御装置272との干渉を凹部851により回避している。また、凹部851と対応する位置に形成されたリブ842も同様に、表示制御装置272との干渉を回避する高さで形成されている。なお、凹部851及びリブ842は、隙間領域A2に不正基板を配置することができない程度に表示制御装置272と近接するように形成されている。さらにいうと、音声ランプ制御取付台811の背面側は、表示制御装置272との干渉を回避させつつ、その左右両側部を遊技盤16に向けて張出形成されているとも言える。かかる構成とすることにより、本体枠12を外枠11から開放させた際に表示制御装置272により死角となる部位(すなわち表示制御装置272より開閉中心側の領域)に不正基板等を配置されることを回避することが可能となり、好適に不正行為を抑止することができる。
【0115】
音声ランプ制御装置ユニット800を遊技盤16に装着する際には、音声ランプ制御装置801と音声ランプ制御取付台811を一体化した後、音声ランプ制御取付台811の軸受け部824を遊技盤16側の支軸部66に軸支させるとともに、その支軸部66を中心に同ユニット800を回動させ、音声ランプ制御取付台811の脚部821の先端部を遊技盤16の背面側(より詳しくはフレームカバー61)に当接させる。そして、ナイラッチ832によって音声ランプ制御装置ユニット800を遊技盤16に固定する。その装着状態が図5に示す状態である。つまり、音声ランプ制御装置801は、遊技盤16の背面と音声ランプ制御基板の電子部品搭載面とがほぼ平行となるように、遊技盤16に対して取り付けられている。
【0116】
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図11のブロック図に基づいて説明する。
【0117】
主制御装置701には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置701は、本パチンコ機10における主要な制御(利益に絡む演算処理全般)を実施するためのメインコントローラであり、その動作主体たるCPU501は、遊技球の入賞判定処理、所定の始動入賞をトリガとする大当たり抽選処理、大当たり当選時の可変入賞装置32(いわゆる大入賞アタッカ)の開放処理、遊技球の払出指令を出力する払出指令処理等を適宜実行する。つまり、主制御装置701は、遊技を統括管理する制御装置であると言える。
【0118】
RAM503は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
【0119】
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込み処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路542からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、停電の発生により停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
【0120】
主制御装置701のCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、表示制御装置272や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。
【0121】
払出制御装置311は、払出装置86に内蔵された払出モータにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
【0122】
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置701のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
【0123】
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込み処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置701のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SG1が入力されるように構成されており、停電の発生により、NMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
【0124】
払出制御装置311のCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置701、発射制御装置312、払出装置86などがそれぞれ接続されている。
【0125】
発射制御装置312は、遊技球発射装置20による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、遊技球発射装置20は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者が遊技球発射ハンドル19に触れていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、遊技球発射装置20が駆動され、遊技球発射ハンドル19の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
【0126】
表示制御装置272は、第1図柄表示装置41における第1図柄(特別図柄)の変動表示と、第2図柄表示装置42における第2図柄(普通図柄)の変動表示とを制御するものである。表示制御装置272は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、2つの出力ポート528,529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力側には主制御装置701の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されると共にバスライン530を介して出力ポート528が接続されている。出力ポート528の出力側には第2図柄表示装置42(表示部45)や、音声ランプ制御装置801が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力側には第1図柄表示装置41が接続されている。
【0127】
表示制御装置272のCPU521は、主制御装置701から送信される図柄表示コマンドに基づいて第1図柄表示装置41及び第2図柄表示装置42の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
【0128】
ビデオRAM524は、第1図柄表示装置41に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第1図柄表示装置41の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第1図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第1図柄表示装置41に表示させるものである。
【0129】
電源装置313は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、図示しないRAM消去スイッチに接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置701や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置701や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
【0130】
停電監視回路542は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置701のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置701及び払出制御装置311へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置701及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、NMI割込み処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込み処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置701及び払出制御装置311は、NMI割込み処理を正常に実行し完了することができる。
【0131】
RAM消去スイッチ回路543は、図示しないRAM消去スイッチのスイッチ信号を取り込み、そのスイッチの状態に応じて主制御装置701及び払出制御装置311のバックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。RAM消去スイッチが押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、主制御装置701及び払出制御装置311に対してRAM消去信号SG2を出力する。これにより、RAM消去スイッチが押された状態でパチンコ機10の電源が投入されると、主制御装置701及び払出制御装置311においてそれぞれのバックアップエリア503a,513aのデータがクリアされる。
【0132】
以上本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0133】
主制御取付台711の基板搭載面712aに主制御装置701が装着され、その状態で主制御取付台711が遊技盤16の背面側に取り付けられており、音声ランプ制御取付台811の基板搭載面812aに音声ランプ制御装置801が装着され、その状態で音声ランプ制御取付台811が遊技盤16の背面側に取り付けられている。また、各制御取付台711,811の背面側には脚部721,821が設けられており、各制御取付台711,811を遊技盤16に取り付けた状態では、基板装着部712,812と遊技盤16との間に所定の隙間領域A1,A2が形成されるようになっている。かかる構成とすることにより、この隙間領域A1,A2に例えば可変入賞装置32や電動役物等の各種役物や、中継基板等の基板装置などを設置することが可能となり、各種遊技部品の配置に関する設計自由度を高めることが可能となる。ただし、この隙間領域A1,A2が悪用されて不正部品等が設置されることなどが懸念されている。
【0134】
上記懸念は、各制御装置701,801が遊技盤16の背面に当接するように、或いは遊技盤16の背面側に設けられる遊技部品に各制御装置701,801が当接するように各制御装置701,801を取り付ける構成とすれば、好適に解消することが可能である。しかしながら、かかる構成とした場合、各制御装置701,801の配置位置を機種毎に見直す必要が生じ、設計負荷や製造負荷が高まる可能性が新たに懸念されることとなる。
【0135】
一方、本構成では、各制御取付台711,811に装着された制御装置701,801が防護カバー82と近接するように脚部721,821を形成し、各制御取付台711,811の遊技盤16と相対する側に、隙間領域A1,A2を細分化するリブ742,842を設けた。これにより、各制御取付台711,811を可能な限りパチンコ機10の奥寄りに配置することが可能となり、十分な隙間領域A1,A2を確保することが可能となる。故に、各制御取付台711,811の配置位置を見直す機会を低減させることが可能となり、上記懸念を好適に解消することが可能となる。また、各制御装置701,801をパチンコ機10の奥寄りに配置することにより、遊技球の移動等によって生じるノイズの影響を各制御装置701,801が受けることを抑制することが可能となる。さらに、単に隙間領域A1,A2の開口部を遮蔽するような既存の構成等とは異なり、隙間領域A1,A2そのものをリブ742,842により縮小させることができ、これら隙間領域A1,A2を利用して不正基板等を設置する不正行為などが抑制できる。上記既存の構成においては、各制御取付台を遊技盤16から開放した後にその隙間領域に不正基板等を設置される可能性があるからである。以上の結果、制御装置等を効率良く設置できる構成を実現し、しかもかかる構成における十分な不正対策を講じることができる。さらにいうと、防護カバー82を透明樹脂材料にて成形すると共に表示制御装置801が防護カバー82と近接するように脚部821を形成することにより、防護カバー82により表示制御装置801を覆う構成にあって、表示制御装置801の視認性が低下することを抑制することも可能となる。
【0136】
各制御取付台711,811の背面側には、複数のリブ742,842が格子状に設けられている。かかる構成とすることにより、隙間領域A1,A2を細分化することが可能となり、各領域の一つ一つを比較的小さなものに区画することが可能となる。故に、遊技盤16と各制御取付台711,811の間に不正基板を設置するための領域を確保することが困難なものとなり、不正行為を抑止することが可能となる。また、リブ742,842を設けることにより、横長に形成された基板装着部712,812の剛性を確保することも可能となる。
【0137】
遊技盤16の背面側にはフレームカバー61や表示制御装置272、集合板ユニット68などの役物や制御装置などが設けられるが、各制御取付台711,811に凹部751,851を設けると共に、リブ742,842をこれら凹部751,851に応じた形で設けることにより、各制御取付台711,811とこれら遊技部品との干渉が回避できるようになっている。また、このようにリブ742,842や凹部751,851を遊技部品と近接するように設けることにより、遊技盤16と各制御取付台711,811の間に不正基板を設置するための領域を確保することが困難なものとなり、不正行為を抑止することが可能となる。
【0138】
脚部721,821を隙間領域A1,A2を囲むように設けることにより、隙間領域A1,A2への外部からの侵入を脚部721,821によって阻害することが可能となる。脚部721,821により隙間領域A1,A2の内外を区画することができるからである。故に、不正行為を好適に抑止することが可能となる。また、主制御装置701と音声ランプ制御装置801が防護カバー82と近接するように脚部721,821の高さを調節して設け、防護カバー82より後方に各制御装置701,801が突出しないようにすることにより、仮に遊技球貯留タンク83から遊技球が下方にこぼれ落ちたとしても、防護カバー82によって各制御装置701,801に遊技球が衝突することを好適に回避することが可能となる。
【0139】
各制御取付部711,811を透明な合成樹脂材料により成形することにより、仮に隙間領域A1,A2に不正基板等を設置する不正行為やリブ742,842の一部を切除する不正行為がなされたとしても、これを比較的容易に発見することができる。故に、パチンコ機10を設置する遊技場等が不利益を被る機会を低減することが可能となる。
【0140】
リブ742,842を各制御取付部711,811に一体成形することにより、各制御取付部711,811にリブ742,842を組み付ける作業等が不要となり、作業効率を高めることが可能となる。さらに、脚部721,821を各制御取付部711,811に一体成形することにより、遊技盤16側(より具体的にはフレームカバー61,集合板ユニット68)に脚部721,821を設ける必要がないため、各制御取付部711,811の汎用性を高めつつパチンコ機10のコストアップを抑制することが可能となる。例えば各制御取付部711,811とリブ742,842を一体成形し、遊技盤16側の遊技部品と脚部721,821を一体成形する構成とした場合、各部材を成形するための成形型が大型化することとなり、これはパチンコ機10のコストアップに繋がるからである。
【0141】
主制御装置701の背面側に形成される隙間領域A1がリブ742により区画されている。主制御装置701は、特別遊技状態への移行有無や遊技球の払出等を管理する制御装置であるため、不正部品等による不正行為を行われる可能性が高く、不正基板から主制御装置701への電気配線が短くなるよう主制御取付台711の背面側に不正基板を設置する不正行為を行われる可能性が高い。故に、隙間領域A1をリブ742により区画する構成とすることにより、主制御装置701に不正行為が行われることを抑止することが可能となり、パチンコ機10を設置する遊技場等が不利益を被ることを回避することが可能となる。
【0142】
主制御取付台711は、主制御装置701を前後方向に着脱可能な構成であって、主制御装置701の一部が防護カバー82と前後方向に重なる位置に取り付けられている。かかる場合、主制御装置701を主制御取付台711から取り外すためには、主制御装置701の全体が露出するように防護カバー82を移動させる必要が生じる。故に、主制御装置701を不正基盤に交換する不正行為を困難なものとすることが可能となり、十分な不正対策を講じることができる。
【0143】
主制御取付台711の背面側に加えて音声ランプ制御取付台811の背面側にもリブ842を設けることにより、複数の制御装置を遊技盤16の背面側に設置する構成であっても、各種遊技部品の配置に関する設計自由度を高めつつ十分な不正対策を講じることが可能となる。また、主制御取付台711の背面側に不正基板を設置せずとも、音声ランプ制御取付台811の背面側に不正基板を設けて主制御装置701と電気的に接続する不正行為も考えられる。かかる場合、音声ランプ制御装置801が防護カバー82に覆われているために不正基板やその電気配線の発見が遅れる可能性が懸念され、主制御装置701の上部も防護カバー82に覆われている構成においては、さらに発見が遅れる可能性が懸念される。そこで、音声ランプ制御取付台811の背面側にもリブ842を設けることにより、十分な不正対策を講じることができる。
【0144】
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0145】
(a)上記実施の形態では、各隙間領域A1,A2を格子状の複数のリブ742,842を用いて区画する構成としたが、図12のような構成としても良い。図12には、主制御取付台711についての変形例を示す。図12の(a)では、格子状の多数のリブ742に代えて、柱部材として円柱状をなす複数のボス761を点在させて設けている。本構成においても、隙間領域A1を遮る部材を適宜配することができる。これにより、不正基板の設置等を抑止する上で好適なる構成が実現できる。また、成形終了後に型から取り出す型抜き作業が、リブを設ける構成と比して容易となるという効果も期待できる。なお、柱部材として、多角形状、断面十字状、断面T字状、クランク状、断面ドーナツ状などをなす柱部材を設けても良い。かかる構成においても、主制御取付台711の背後空間を遮る部材を適宜配することができる。例えば、円柱状をなすボス761を点在させて設ける場合、その外径寸法は大きい方が良い。外径寸法が大きくなれば、不正道具等を直線的に差し入れることが困難になるためである(特に、ボス761が千鳥パターンで配置される場合に有効)。外径寸法を大きくするには、断面ドーナツ状の中空形状とするのが望ましい。
【0146】
図12の(b)では、多数のリブ742を格子状に設けることは同じであるが、区画された領域の間に円柱状をなすボス761を点在させて設けている。かかる構成とすれば、隙間領域A1を区画しつつ適宜遮ることができるため、不正基板の設置等を抑止する上で好適なる構成が実現できる。また、ボス761は周囲を支持されていないため、外力によってたわむことが懸念されるが、リブ742によって囲まれた領域にボス761を点在させることにより、たわみ量を規制することが可能となる。
【0147】
図12の(c)では、スペーサ部材285に多数のリブ742を設けることは同じであるが、リブ742の設置域を一部にのみ限定している。つまり、隙間領域A1を細分化する細分化領域と、隙間領域A1を細分化しない非細分化領域とを設けている。かかる構成としても、不正基板を設置できない大きさに隙間領域A1を区画するのであれば、不正基板の設置等を抑止する上で好適なる構成が実現できる。なお、表示制御取付台811を同様の構成としてもよいことは言うまでもない。
【0148】
(b)上記実施の形態では、各制御取付台711,811の背面側に格子状の多数のリブ742,842を設け、それらリブ742,842により区画された各領域(細分化された領域)が前後方向に延びるように構成したが、これを変更する。同領域(細分化された領域)は左右方向又は上下方向に延びるものであっても良い。すなわち、上記実施の形態では、各隙間領域A1,A2がパチンコ機10の前後方向に細分化される構成としたが、左右方向又は上下方向に細分化される構成としてもよい。
【0149】
(c)上記実施の形態では、各制御取付台711,811とリブ742,842とを一体成形する構成としたが、別体構成であってもよい。但し、かかる構成とした場合には、区画部材としてのリブ742,842を各制御取付台711,811に組み付ける作業工程が必要となる。なお、別体構成とする場合には、各制御取付台711,811にリブ742,842を取り外し不可能に固定する。又は、取り外された場合にその痕跡が残るように固定することが不正防止の観点から望ましい。これら固定を実現する方法としては、一方向ネジによる固定、破断ネジによる固定、固定部に封印シールを貼付する、超音波溶着等の方法が挙げられる。
【0150】
(d)上記実施の形態では、主制御装置ユニット700と音声ランプ制御装置ユニット800とを別構成としたが、主制御装置701と音声ランプ制御装置801とを1つの台座部材に搭載する構成としてもよいことは言うまでもない。かかる構成においても、台座部材を防護カバーに近接させる構成とし、台座部材と遊技盤の間に形成される隙間領域をリブにより区画する構成とすれば、上記実施形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
【0151】
(e)上記実施の形態では、主制御取付台711と音声ランプ制御取付台811の背面側に共にリブ742,842を設ける構成としたが、主制御取付台711と遊技盤16との間に隙間領域が形成されない、すなわち主制御取付台711が遊技盤16に当接する構成であれば、音声ランプ制御取付台811の背面側にのみ隙間領域を細分化する部材を設ける構成としてもよい。
【0152】
(f)上記実施の形態では、脚部721,821を各制御取付台711,811側に形成する構成としたが、これを変更し、遊技盤16又は遊技盤16に取り付けられる遊技部品に設ける構成としても良い。本構成においても、各制御取付台711,811と遊技盤16との間に隙間領域を形成することができる。
【0153】
(g)上記実施の形態では、防護カバー82が主制御装置701の一部を覆う構成としたが、防護カバー82より下方に主制御装置701を配置し、この主制御装置701が防護カバー82から露出する構成としても良い。かかる構成とした場合、主制御装置701の視認性を高めることが可能となる。故に、パチンコ機10を設置する遊技場等において、主制御装置701に不正行為がなされていないか否かを確認する作業を容易なものとすることが可能となる。なお、かかる場合には、パチンコ機10の前後方向において、主制御装置701の後面と防護カバー82の後面とがほぼ同じ位置となるように主制御取付台711の配置位置を設定することが望ましい。
【0154】
(h)上記実施の形態では、主制御装置701と防護カバー82、及び音声ランプ制御装置801と防護カバー82との間に所定の隙間を設ける構成としたが、これらが当接する構成であってもよい。また、主制御装置701及び音声ランプ制御装置801のパチンコ機10の前後方向における配置位置は、防護カバー82と遊技盤16との間隔の中で、これら各制御装置701,801が防護カバー82寄りに位置する構成であればよい。
【0155】
(i)上記実施の形態では、各基板装着部712,812を横長平板状に形成したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば中空板状であってもよいし、脚部721,821の先端面にて各制御装置701,801を装着支持する構成としてもよい。
【0156】
(j)上記実施の形態では、各制御取付台711,811の周縁部に脚部721,821を設ける構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば脚部721,821を設けることなく例えばリブ742,842の一部で各制御取付台711,811と遊技盤16との間に隙間領域を形成する構成としてもよい。つまり、細分化部材の一部に隙間領域を形成する脚部としての機能を兼用させてもよい。或いは、各制御取付台711,811の略中央部に隙間領域を形成するための柱状の脚部を設ける構成としてもよい。
【0157】
(k)上記実施の形態では、主制御装置701と音声ランプ制御装置801とを上下方向に並ぶように配置したが、かかる構成に限定されるものではなく、払出制御装置311等の他の制御装置も含め、その配置位置は任意である。但し、パチンコ機10の前後方向において、各制御装置の後面がほぼ同じ位置となるように並んでいることが望ましい。
【0158】
(l)制御取付台に搭載される制御装置を、音声ランプ制御装置801から別の制御装置に変更してもよい。又は、音声ランプ制御装置801に更に加えて別の制御装置を制御取付台に搭載してもよい。別の制御装置としては、図柄の表示制御を実施するための表示制御装置272などが考えられる。
【0159】
(m)脚部721,821を各制御取付台711,811とは別体で設ける構成としてもよい。例えば、遊技盤16の裏面に取り付けた集合板ユニット68に、板部を後方に起立させて設け、この板部を脚部及び遮蔽部とする。或いは、集合板ユニット68に、主制御取付台711に向かって延びる区画部材を設け、隙間領域を細分化する構成としてもよい。
【0160】
(n)上記実施の形態では、遊技盤16の裏面に主制御装置ユニット700と音声ランプ制御装置ユニット800を取り付ける構成としていたが、これを変更し、遊技機本体の裏面においてこれら各ユニット700,800を別部材に取り付ける構成としてもよい。例えば、主制御装置ユニット700(主制御取付台711)を、遊技機本体を構成する本体枠12に取り付ける。
【0161】
(o)上記実施の形態では、主制御装置701の表面と音声ランプ制御装置801の表面の位置が前後方向においてほぼ同じ位置となるように脚部721,821を形成したが、かかる位置関係に限定されるものではなく、主制御装置701のみが防護カバー82と近接する位置関係、或いは音声ランプ制御装置801のみが防護カバー82と近接する位置関係であってもよい。
【0162】
(p)上記各実施の形態では、各基板装着部712,812とリブ742,842とを合成樹脂にて一体成形したが、これ以外に、各部材をアルミニウム等の軽金属により作製したり、セラミックス等の陶磁器により作製したりしても良い。ただし、合成樹脂にて一体成形した方が、成型の容易さ、軽量化、低コスト化の観点で言って有利であると言える。
【0163】
(q)上記実施の形態とは異なる他のタイプの弾球遊技機、例えば他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機や、メダルに代えて遊技球(パチンコ球)を使用する球使用タイプの回胴式遊技機にも適用できる。
【0164】
球使用タイプの回胴式遊技機では、外周に複数の図柄が付されたリール装置(回胴装置)、遊技者により操作されるベットスイッチやスタートレバー等の装置類、遊技球の取込を許可又は禁止すると共に順次取り込まれる遊技球をカウントするための取込装置などが設けられる。この場合、球受皿に貯留された遊技球は、整列通路部及び取込口を介して取込装置に導かれる。そして、遊技者によるベットスイッチの操作に伴い取込装置で遊技球の取込が行われ、その取り込まれた遊技球数に応じて毎回の遊技の開始(スタートレバー操作に伴うリール回転)が許容される。
【符号の説明】
【0165】
10…パチンコ機、11…外枠、12…本体枠、13…支持機構、14…前扉枠、15…窓部、16…遊技盤、17…上皿、18…下皿、19…遊技球発射ハンドル、20…遊技球発射装置、21…内レール、22…外レール、32…可変入賞装置、33…作動口、35…可変表示ユニット、36…アウト口、41…第1図柄表示装置、42…第2図柄表示装置、43…センターフレーム、61…フレームカバー、66…支軸部、67…締結部、68…集合板ユニット、82…防護カバー、272…表示制御装置、700…主制御装置ユニット、701…主制御装置、702…基板ボックス、704…封印部、711…主制御取付台、712…基板装着部、712a…基板搭載面、721…脚部、742…リブ、751…凹部、800…音声ランプ制御装置ユニット、801…音声ランプ制御装置、811…音声ランプ制御取付台、812…基板装着部、812a…基板搭載面、821…脚部、842…リブ、851…凹部、A1,A2…隙間領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付対象に開閉可能に支持される支持部を有する遊技機本体と、
遊技に関する制御を司る制御基板を基板ケースに収容してなる制御装置と、
前記遊技機本体の背面側に取り付けられると共に、前記制御装置を前記遊技機本体の背面側から装着可能な装着部を有する台座部材と、
前記遊技機本体の少なくとも一部を背面側から覆い、前記遊技機本体の背面側に取り付けられる遊技部品に遊技球が衝突することを抑制し得る被覆部材と
を備えた遊技機において、
前記制御装置が前記被覆部材と近接するよう、前記遊技機本体又は前記台座部材の少なくとも一方に、前記遊技機本体と前記装着部との間に所定の隙間領域を形成する脚部を形成し、
前記台座部材の前記遊技機本体と相対する側に、前記隙間領域を細分化する細分化部材を設けたことを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−250096(P2012−250096A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−212199(P2012−212199)
【出願日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【分割の表示】特願2010−183913(P2010−183913)の分割
【原出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】