説明

遊技機

【課題】 エラー情報を適時かつ簡易に提示することができる遊技機を提供する。
【解決手段】 遊技機は、遊技盤に備えられて遊技情報を表示する表示手段の表示制御を行う表示制御基板と、遊技機における遊技の進行を電気的に制御する主制御基板とをユニット化した遊技盤ユニットと、この遊技盤ユニットを取り付け可能な本体枠とを備える。本体枠は、主電源基板と、主電源投入中に発生した所定のエラー情報を記憶する枠制御基板とを備え、表示制御基板は、表示手段に表示する情報を、遊技情報と枠制御基板に記憶された所定のエラー情報との間で切替表示する切替表示手段を備える。切替表示手段は、主電源投入から主制御基板により遊技の進行が開始される前の所定の待ち時間の間、および主電源切断後の所定時間の間、表示する情報を所定のエラー情報に切替表示することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特に、パチンコ遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパチンコ遊技機には、たとえば特許文献1に開示されたものがある。同文献に開示されたパチンコ遊技機は、台上に固定された本体枠(据え置きユニット)から遊技盤(交換ユニット)を取り外し、新たな遊技盤を本体枠に対して取り付け可能に構成されている。本体枠は、遊技盤を収容可能に前面が開口された収容部と、この収容部の前面に開閉自在に設けられた扉とを有する。本体枠には、遊技球の発射装置や発射ハンドル、ならび賞球の払出装置が設けられている。遊技盤には、制御基板や演出画像表示用の液晶表示装置などが設けられている。本体枠と遊技盤とは、互いに電気的に接続されている。
【0003】
上記パチンコ遊技機は、たとえば機種を入れ替える場合、本体枠を台上に固定したまま遊技盤を交換するだけでよいので、コストダウンおよびリサイクルの観点から有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−230144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、上記パチンコ遊技機は、遊技盤が交換される一方で本体枠の継続的な使用期間が長くなりやすい。そのため、遊技盤の交換可能なパチンコ遊技機においては、たとえば発射装置の発射強度ばらつきが大きくなったり、扉の開閉不具合が多くなるおそれがある。遊技盤の交換履歴とともに発射強度ばらつきや扉開閉不具合といった情報は、遊技機の管理者やサービスエンジニアにとってメンテナンス時に有用なエラー情報となる。しかしながら、上記パチンコ遊技機では、この種のエラー情報を自動的に作成するわけでもなく、管理者などに対してエラー情報を適時かつ簡易に提示することができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エラー情報を適時かつ簡易に提示することができる遊技機を提供することにある。
【0007】
本発明の実施の形態に係る特徴は、遊技部材が装着された遊技盤と前記遊技盤に備えられて遊技情報を表示する表示手段と前記表示手段の表示制御を行う表示制御基板と遊技機における遊技の進行を電気的に制御する主制御基板とをユニット化した遊技盤ユニットと、前記遊技盤ユニットを取り付け可能な本体枠とを備えた遊技機において、前記本体枠は、遊技機に電力を供給する主電源基板と、主電源投入中に発生した所定のエラー情報を記憶する枠制御基板とを備え、前記表示制御基板は、前記表示手段に表示する情報を、遊技情報と前記枠制御基板に記憶された所定のエラー情報との間で切替表示する切替表示手段を備え、前記切替表示手段は、主電源投入から前記主制御基板により遊技の進行が開始される前の所定の待ち時間の間、および主電源切断後の所定時間の間、表示する情報を所定のエラー情報に切替表示することである。
【0008】
この構成によれば、たとえば本体枠から遊技盤ユニットを取り外す際や閉店時における主電源切断時、あるいは遊技盤ユニットを取り付ける際や開店時における主電源投入時において、その前に発生していたエラー情報は、遊技情報より優先して所定の時間にわたり表示手段に表示される。表示手段は、遊技情報の表示にも兼用される。これにより、上記遊技機では、遊技盤ユニットの交換時などといった適時にエラー情報を簡易に提示することができる。
【0009】
また、本発明の実施の形態に係る特徴は、前記遊技盤ユニットに設けられ、主電源が切断されている時に前記表示手段に予備的に電力を供給する予備電源基板と、前記遊技盤の前記本体枠に対する取付状態を検出する遊技盤検出手段とをさらに備え、前記表示制御基板は、前記遊技盤検出手段により前記遊技盤が取付状態にあることが検出されなかった場合に、前記予備電源基板から電力の供給を受けて、前記表示手段に所定のエラー情報を表示することである。
【0010】
この構成によれば、予備電源基板から表示手段に予備的に電力が供給されるので、本体枠から取り外された状態の遊技盤ユニットでも、表示手段にエラー情報を表示させることができる。これにより、遊技機の管理者やサービスエンジニアは、遊技盤の交換時だけでなく、交換により回収した遊技盤からでもエラー情報を確認することができる。
【0011】
また、本発明の実施の形態に係る特徴は、前記表示制御基板は、主電源投入時の所定の待ち時間において、前記枠制御基板からのエラー情報表示コマンドに基づき所定のエラー情報を前記表示手段に表示し、前記切替表示手段は、所定の待ち時間経過後に送信されるよう設定された前記主制御基板からの遊技情報表示コマンドに基づき表示する情報を遊技情報に切替表示し、主電源切断時においては、主電源切断時の所定時間において、前記枠制御基板からのエラー情報表示コマンドに基づき表示する表示情報を遊技情報から所定のエラー情報に切替表示し、前記枠制御基板は、前記所定時間が経過してから電断時処理をする一方、前記主制御基板は、前記所定時間を待たずに電断時処理を実行することである。
【0012】
この構成によれば、主電源投入時には、所定の待ち時間の間にエラー情報が表示され、その後、遊技情報が切替表示される。主電源切断時には、たとえばその直後の所定時間の間に遊技情報からエラー情報に切替表示される。また、主電源切断時、表示以外の処理については、電断時処理が速やかに実行される一方、表示に係る処理については、エラー情報を表示させた所定時間経過後に電断時処理が実行される。これにより、主電源投入時や主電源切断時には、確実にエラー情報を表示させることができる。
【0013】
また、本発明の実施の形態に係る特徴は、前記本体枠は、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技者によって前記操作手段が操作された操作量に応じた発射強度で遊技媒体を前記遊技盤上に発射する発射手段とを備え、前記枠制御基板は、前記所定のエラー情報を作成するエラー情報作成手段を備えており、前記エラー情報作成手段は、前記操作手段の操作量に基づき前記発射手段の発射強度ばらつきに関する情報を作成することである。
【0014】
この構成によれば、本体枠の使用期間が延びると大きくなりがちとなる発射強度ばらつきに関する情報をエラー情報として提示することができる。これにより、遊技機の管理者やサービスエンジニアは、発射強度ばらつきを目安に本体枠の使用期間に注意を払い、遊技機に備えられた各種機器の調整や盤面の開発を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、エラー情報を適時かつ簡易に提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の機能フローを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の概観を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の概観を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の概観を示す正面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の盤面表示器を示す正面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の基板構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の盤面表示を説明するための説明図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の盤面表示を説明するための説明図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の盤面表示を説明するための説明図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の盤面表示を説明するための説明図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の盤面表示を説明するための説明図である。
【図12】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の盤面表示を説明するための説明図である。
【図13】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の盤面表示を説明するための説明図である。
【図14】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機のコマンドシーケンスを示すシーケンス図である。
【図15】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機のコマンドシーケンスを示すシーケンス図である。
【図16】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の動作手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の動作手順を示すフローチャートである。
【図18】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の動作手順を示すフローチャートである。
【図19】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の動作手順を示すフローチャートである。
【図20】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の動作手順を示すフローチャートである。
【図21】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の動作手順を示すフローチャートである。
【図22】本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の処理を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0018】
本発明に係るパチンコ遊技機の一実施形態について、以下図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明による一つの実施形態であるパチンコ遊技機の機能の概略を示すブロック図である。この図1を用いてパチンコ遊技機の機能を説明する。
【0020】
図1に示すように、パチンコ遊技機は、遊技部材が装着された遊技盤(後述の図3に示される遊技盤14Aに相当)と、この遊技盤に備えられて遊技情報を表示する表示手段としての盤面表示器(後述の図に示される、盤面表示器53に相当)と、この盤面表示器の表示制御を行う表示制御基板(後述の図6に示される表示制御基板76に相当)と、遊技機における遊技の進行を電気的に制御する主制御基板(後述の図6に示される主制御基板60に相当)とをユニット化した遊技盤ユニット(後述の図3に示される遊技盤ユニット14に相当)、及び、遊技盤ユニットを取り付け可能な本体枠(後述の図3に示される本体枠12に相当)を備えている。
【0021】
本体枠は、遊技機に電力を供給する主電源基板(後述の図6に示される主電源基板90に相当)と、主電源投入中に発生した所定のエラー情報を記憶する枠制御基板(後述の図6に示される枠制御基板126に相当)と、所定のエラー情報を作成するエラー情報作成手段(後述の図6に示される枠制御基板126のCPU126Aに相当)と、遊技者が操作可能な操作手段(後述の図2や図6などに示される発射ハンドル26に相当)と、遊技者によって操作手段が操作された操作量に応じた発射強度で遊技媒体を遊技盤上に発射する発射手段(後述の図6に示される発射装置130に相当)と、遊技媒体を払い出す払出手段(後述の図6に示される払出装置128に相当)とを備えている。枠制御基板は、所定のエラー情報を記憶するメモリ(後述の図6に示される枠制御基板126のRAM126Bに相当)を備えている。
【0022】
遊技盤ユニットはさらに、主電源が切断されている時に表示手段に予備的に電力を供給する予備電源基板(後述の図6に示される予備電源基板79に相当)と、遊技盤の本体枠に対する取付状態を検出する遊技盤検出手段(後述の図6に示される表示制御基板76の表示制御用CPU76Aに相当)と、主電源投入や主電源切断といった電源の入切を判定する電源入切判定手段(後述の図6に示される表示制御基板76の表示制御用CPU76Aに相当)とを備えている。また、遊技盤ユニットに備えられた表示制御基板は、盤面表示器に表示する情報を、遊技情報と枠制御基板に記憶された所定のエラー情報との間で切替表示する切替表示手段(後述の図6に示される表示制御基板76の表示制御用CPU76Aに相当)と、所定のエラー情報を記憶するメモリ(後述の図6に示される表示制御基板76の表示制御用RAM76Bに相当)とを備えている。すなわち、本実施形態において、盤面表示器は、所定のエラー情報を表示する表示手段としても兼用される。
【0023】
枠制御基板は、主として、パチンコゲームの基本的な動作機構(発射手段および払出手段)を制御する。パチンコゲームは、操作手段を介した遊技者の操作に応じて発射手段により遊技球が遊技盤ユニット上の遊技領域に発射され、その遊技球が各種の入賞口や始動口などに入賞したときに、入賞口の種類に応じた数の遊技球(賞球)が払出手段により払い出されるゲームである。このパチンコゲームには、特別図柄を用いた特別図柄ゲームや、普通図柄を用いた普通図柄ゲームも含まれる。枠制御基板のメモリには、発射手段の発射強度や賞球に関するデータが記憶される。また、枠制御基板のメモリには、後述のエラー情報が記憶される。この枠制御基板は、後述の図15に示すように、主電源切断時においては、所定時間が経過してから電断時処理(シャットダウン処理)を実行する。
【0024】
エラー情報作成手段は、たとえば本体枠や遊技盤ユニットに関して主電源投入中に発生したエラー情報を作成する。具体的に、エラー情報には、所定時間内に変動する操作手段の操作量に応じて求められる発射手段の発射強度ばらつきに関する情報(発射強度ばらつき情報)、後述する扉の開閉頻度から求められる扉開閉不具合に関する情報(扉開閉不具合情報)が含まれる。また、エラー情報作成手段は、本体枠の設置日数に関する情報(枠設置日数情報)、遊技盤ユニットの交換回数に関する情報(盤交換回数情報)も作成する。以下の説明では、発射強度ばらつき情報、扉開閉不具合情報、枠設置日数情報、盤交換回数情報をまとめて「メンテナンス情報」と称する。メンテナンス情報は、枠制御基板のメモリに記憶されるとともに、遊技盤ユニットに転送されて表示制御基板のメモリにも記憶される。すなわち、エラー情報作成手段は、操作手段の操作量に基づき発射手段の発射強度ばらつきに関する情報を作成する機能を実現している。
【0025】
主電源基板は、本体枠に遊技盤ユニットが電気的に接続された状態において、本体枠と遊技盤ユニットとの双方に電源電力を供給する。主電源基板は、本体枠から取り外された状態の遊技盤ユニットには電源電力を供給することができない。
【0026】
盤面表示器は、後述するように、特別図柄表示装置、普通図柄表示装置、特別図柄保留ランプ、及び普通図柄保留ランプを有する。特別図柄表示装置は、特別図柄ゲームに関連した遊技情報としての特別図柄を表示する。普通図柄表示装置は、普通図柄ゲームに関連した遊技情報としての普通図柄を表示する。特別図柄保留ランプは、特別図柄ゲームに関する遊技情報としての保留数を表示する。普通図柄保留ランプは、普通図柄ゲームに関する遊技情報としての保留数を表示する。これらのうち、特別図柄表示装置、普通図柄表示装置、特別図柄保留ランプは、遊技情報からメンテナンス情報に切替表示可能なものとして用いられる。
【0027】
表示制御基板は、パチンコゲームを実行中の遊技状態において、遊技盤ユニットに設けられた各種機器からの信号に応じて表示手段としての盤面表示器を制御する。一方、遊技盤ユニットが本体枠に対して取り付け・接続された状態にあって電源オンの状態にあるとき、電源切断操作がなされた場合、表示制御基板の切替表示手段は、盤面表示器を通じて遊技情報からメンテナンス情報の表示に切り替え、その表示を所定時間後に終える。また、電源オフの状態において電源投入操作がなされた場合、切替表示手段は、盤面表示器を通じて遊技情報を表示させる前、所定の待ち時間の間に限ってメンテナンス情報を表示させる。すなわち、切替表示手段は、主電源投入から主制御基板により遊技の進行が開始される前の所定の待ち時間の間、および主電源切断後の所定時間の間、表示する情報を所定のエラー情報に切替表示する機能を実現している。より具体的にいえば、表示制御基板は、主電源投入時の所定の待ち時間において、枠制御基板からのエラー情報表示コマンドに基づき所定のエラー情報を表示手段に表示させ、切替表示手段は、所定の待ち時間経過後に送信されるよう設定された主制御基板からの遊技情報表示コマンドに基づき表示する情報を遊技情報に切替表示し、主電源切断時においては、主電源切断時の所定時間において、枠制御基板からのエラー情報表示コマンドに基づき表示する表示情報を遊技情報から所定のエラー情報に切替表示している(後述の図14及び図15参照)。なお、主電源切断時、主制御基板は、所定時間を待たずに電断時処理を実行している(後述の図15参照)。
【0028】
また、遊技盤ユニットが本体枠から取り外された状態にあっても、表示制御基板は、メモリからメンテナンス情報を読み出し、そのメンテナンス情報を盤面表示器に表示させることができる。その際、予備電源基板は、表示制御基板および盤面表示器に対して電源電力を供給する。すなわち、表示制御基板は、遊技盤検出手段により遊技盤が取付状態にあることが検出されなかった場合に、予備電源基板から電力の供給を受けて、表示手段に所定のエラー情報を表示する機能を実現している。
【0029】
電源入切判定手段は、たとえば管理者によってパチンコ遊技機の電源スイッチがオン操作(電源投入操作)されたか、あるいはオフ操作(電源切断操作)されたかを判定する。遊技盤検出手段は、たとえば本体枠と遊技盤ユニットとの間でコマンドをやり取りした結果に基づき、本体枠に対して遊技盤ユニットが取り付けられた状態か否かを検出する。
【0030】
[遊技機の構成]
パチンコ遊技機について、図2〜図5を用いて説明する。図2は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す斜視図、図3は、同パチンコ遊技機10の概観を示す分解斜視図、図4は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す正面図である。また、図5は、盤面表示器53の説明図である。
【0031】
図2および図3に示すように、パチンコ遊技機10は、前面に開口12aが形成された本体枠12と、その本体枠12における開口12aの内部に配設される各種の部品と、本体枠12の前方に開閉自在に軸着された前面扉11とから構成される。前面扉11の上部略半分は、開閉自在に軸着された扉11aが設けられている。図2に示すように、通常の遊技状態では、前面扉11が開口12aを前面から閉鎖し、扉11aも閉鎖された状態で遊技が行われる。一方、扉11aは、たとえば後述する遊技領域15において遊技球の球詰まりなどが生じた場合に開放され、その後再び閉鎖される。この扉11aは、たとえば軸着部分を管理者などが適宜調整することにより、開閉時のがたつきなどといった扉開閉不具合を解消可能に構成されている。前面扉11の下方前面には、上皿20、下皿22、発射ハンドル26などが配設されている。
【0032】
本体枠12の開口12a内部には、液晶表示装置32、遊技盤ユニット14、およびスペーサ31が配設されている。また、開口12aの周縁部には、扉11aの開放状態を検出する扉開放センサ102が設けられている。
【0033】
本実施形態に係る遊技盤ユニット14は、透光性を有する板形状の樹脂部材からなる遊技盤14Aと、この遊技盤14Aに設けられた各種の遊技部材(電子部品を含む)とにより構成されている。遊技盤14Aを構成する樹脂部材としては、たとえばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。また、遊技盤14Aは、その正面(前面)側に、発射された遊技球が転動する遊技領域15を有している。この遊技領域15はガイドレール30に囲まれ、遊技球が転動可能な領域であり、ガイドレール30の外側には遊技領域外域16が形成されている。なお、遊技領域15には図3に示すように、複数の遊技釘13が打ちこまれている。遊技釘13およびガイドレール30は、遊技部材に含まれる。
【0034】
液晶表示装置32は、遊技に関する演出画像を表示するものである。液晶表示装置32は、前記スペーサ31を挟んで遊技盤ユニット14の背後に設けられている。液晶表示装置32は、液晶ディスプレイパネルにより構成され、遊技に関する映像を表示可能とする表示領域32aを有しており、この表示領域32aは、スペーサ31および遊技領域15の全部または一部、あるいは遊技領域外域16の全部または一部を透して遊技者側から視認可能となっている。なお、表示領域32aに表示される遊技に関する映像とは、演出用の演出画像、装飾用の装飾画像などの各種の画像を指す。
【0035】
スペーサ31は、これも前述の透光性を有する樹脂部材で形成されているが、前記液晶表示装置32の視認性を向上させるために、少なくとも遊技盤ユニット14の遊技領域15に相当する大きさの孔部31aを形成している。
【0036】
このように、本実施形態においては、遊技盤ユニット14における透光性領域の背後に液晶表示装置32などを一体に設けており、たとえば、遊技釘13の植設領域や役物、装飾部材といった遊技部材を設ける領域を大きくできるため、レイアウトの自由度も更に大きくすることが可能となっている。
【0037】
遊技盤ユニット14の外側となる扉11aの所定位置には、装飾ランプ133a,133bが配設されており、遊技状態に合わせた所定の発光態様の表示を行う。扉11aには、ガラス板などからなる透光性を有する保護板19が取付けられている。この保護板19は、扉11aが閉鎖された状態で遊技盤ユニット14の前面に対面するように配設されている。また、保護板19の上方位置には、スピーカ46R,46Lが左右に配設されている。液晶表示装置32は、遊技盤ユニット14と一体に交換可能である一方、装飾ランプ133a,133bおよびスピーカ46R,46Lは、遊技盤ユニット14の交換に際してこれとは別体に取り替え可能である。なお、装飾ランプ133a,133bおよびスピーカ46R,46Lは、本体枠12に一体化された構成であってもよい。
【0038】
発射ハンドル26は、本体枠12に対して回動自在に設けられている。また、発射ハンドル26の裏側には、駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。さらに、発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ122(図6参照)が設けられている。このタッチセンサ122が遊技者により触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知される。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が遊技盤ユニット14の盤面上に順次発射され、遊技が進められる。
【0039】
上皿20の側方には、遊技者によって操作可能な操作パネル27が設けられており、遊技に関する各種指示を入力し得るようになされている。
【0040】
次に、図4および図5を参照しながら、パチンコ遊技機10の構成についてさらに詳細に説明する。なお、図4を用いたパチンコ遊技機10の概観の以下の説明では、図2および図3を用いた説明と重複する部分を省略することがある。なお、図4においては遊技釘13を省略している。
【0041】
図4に示すように、遊技盤ユニット14は、本体枠12に対して取り付け・取り外し可能に構成されている。本体枠12に取り付けられた遊技盤ユニット14は、接続ケーブル(図示せず)を介して本体枠12と電気的に接続される。
【0042】
遊技盤ユニット14には、2つのガイドレール30(30a,30b)、第1遊技部材57、第2遊技部材55、通過ゲート54a,54b、羽根部材23a,23bが付設された始動口25a,25b、開閉自在のシャッタ(アタッカー)40a,40bを備えた大入賞口39a,39b、アウト口38が設けられている。なお、図4において、一般入賞口の記載は省略している。
【0043】
遊技盤ユニット14の左側に設けられている2つのガイドレール30は、遊技領域15を区画(画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤ユニット14上に設けられたガイドレール30に案内されて、遊技領域15の上部に移動し、複数の遊技釘13(図2参照)、遊技領域15上に設けられた第1遊技部材57などとの衝突により、その進行方向を変えながら遊技領域15の下方に向かって流下する。そして、遊技領域15に設けられた各種入賞口(始動口25a,25b、大入賞口39a,39bなど)に入賞しなかった遊技球は、遊技領域15の下端中央に設けられたアウト口38で回収されて遊技盤ユニット14の外部に排出される。
【0044】
第1遊技部材57は、その左右端が中央付近よりも下方に位置する傘状に形成されている。一方、第2遊技部材55は、その左右端が中央付近よりも僅かに上方に位置して湾曲形成されたステージ状に構成されている。遊技領域15を転動した遊技球の一部は、第2遊技部材55に一旦受け止められて、第2遊技部材55の中央部に凹状に形成された案内溝55aを通過して流下するようになっている。
【0045】
始動口25a,25bは、特定領域を有する入賞口であり、遊技領域15の左右に設けられるとともに、ソレノイドなどで駆動する可変部材としての羽根部材23a,23bが付設されている。
【0046】
遊技領域15に設置された第2遊技部材55や遊技釘13との衝突しながら転動した遊技球がこの始動口25a,25bへ入賞(特定領域を通過)すると、特別図柄ゲーム(可変表示ゲーム)および大当たり抽選が開始される。すなわち、始動口25a,25bは、特別図柄ゲームおよび大当たり抽選の契機となる特定の入賞口である。
【0047】
また、始動口25a,25bの下部に設けられた大入賞口39a,39bには、その前面側(前方)に開閉自在なシャッタ40a,40bが設けられている。このシャッタ40a,40bは、後述する特別図柄表示装置33A,33B(図5参照)において特別図柄として特定の数字図柄や記号図柄がそれぞれ停止表示され、停止表示態様が、遊技状態が特別遊技である大当たり遊技に移行されることを示す態様であった場合に、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口39a,39bは、遊技球を受け入れやすい開放状態となる。
【0048】
一方、シャッタ40a,40bの背面側(後方)に設けられた大入賞口39a,39bの内部には、カウントセンサ104(図6参照)が設けられ、遊技球をカウントする。シャッタ40a,40bは、大当たり遊技に応じて、複数の開閉パターンの中から選択された開閉パターンにより開閉制御される。
【0049】
なお、大入賞口39a,39bが遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態と大入賞口39a,39bが遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態との所定サイクルをラウンドゲームと呼び、シャッタ40a,40bは、ラウンドゲーム時に所定パターンで開閉制御され、各ラウンドゲーム間では閉鎖状態を維持することになる。
【0050】
また、前述した始動口25a,25b、一般入賞口、大入賞口39a,39bにおける特定領域および一般領域に遊技球が入賞または通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が遊技球貯留部である上皿20または下皿22に賞球として払い出される。
【0051】
遊技盤ユニット14の下方には、盤面表示器が一体に設けられている。本実施形態における盤面表示器53は、図5に示すように、その中央に配置された表示器ケース37に、始動口25a,25bに対応した特別図柄表示装置33A,33Bおよび普通図柄表示装置35を収容している。特別図柄表示装置33A,33Bは、普通図柄表示装置35の左右両側に配置されている。
【0052】
特別図柄表示装置33A,33Bは、たとえば7セグメントLEDで構成されている。特別図柄表示装置33Aは、始動口25a,25bに遊技球が入賞した場合、“0”から“9”までの10個の数字図柄を特別図柄として変動表示する。特別図柄表示装置33Bは、特別図柄表示装置33Aの表示に連動し、たとえば“○”や“×”などの記号図柄を特別図柄として変動表示する。このように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が異なってくるゲームを、本実施形態では「特別図柄ゲーム」という。
【0053】
表示器ケース37の左右両側には、始動口25a,25bに対応した特別図柄保留ランプ33a〜33dが設けられている。特別図柄保留ランプ33a〜33dは、たとえば発光色として緑色や赤色を点灯表示可能なLEDモジュールで構成されている。この特別図柄保留ランプ33a〜33dは、特別図柄表示装置33A,33Bにおいて、既に特別図柄の変動表示中に遊技球が始動口25a,25bへ入賞した場合に、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、始動口25a,25bへの遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行を保留する回数(いわゆる「可変表示ゲームの保留数」)を緑色点灯によって表示するものである。そして、変動表示していた特別図柄が停止表示されると、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。
【0054】
特別図柄保留ランプ33a〜33dは、特別図柄の変動表示の実行が保留された回数に対応して左から順番に点灯され、特別図柄の変動表示が一旦停止表示され、次の保留されていた特別図柄の変動表示が開始されると、それに対応した特別図柄保留ランプは消灯される。なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には、上限が設定されており、たとえば始動口25a,25bへの遊技球の入賞に対して4回(個)を上限として特別図柄の変動表示は保留される。
【0055】
普通図柄表示装置35は、たとえば7セグメントLEDで構成されている。普通図柄表示装置35は、遊技領域15の略中央の左側に設けられた通過ゲート54a,54b(図4参照)を遊技球が通過すると、“0”から“9”までの10個の数字図柄を普通図柄として変動表示する。
【0056】
さらに、普通図柄保留ランプ35a〜35dは、表示器ケース37の下側に設けられている。この普通図柄保留ランプ35a〜35dは、前述した普通図柄の変動中に、通過ゲート54a,54bを遊技球が通過した場合に、点灯または消灯によって、保留されている普通図柄の変動表示の実行可能な回数(いわゆる「普通図柄の保留球数」)を表示する。すなわち、普通図柄保留ランプ35a〜35dは、保留された普通図柄の変動表示の実行回数に対応して、左から順番に点灯され、変動が停止表示されると、次の保留されていた普通図柄の変動表示が開始され、それに対応した普通図柄保留ランプは消灯される。なお、普通図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、たとえば、4回(個)を上限として保留される。
【0057】
この普通図柄が所定の数字図柄として停止表示されたときには、始動口25a,25bの左右の両側に可変部材として設けられた羽根部材(いわゆる「普通電動役物」)23a,23bが所定のパターンで開閉制御され、始動口25a,25bに遊技球が入りやすくなる。以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって羽根部材23a,23bの開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
【0058】
以上説明したように、本実施形態に係るパチンコ遊技機10では、始動口25a,25bへ遊技球が入賞したことを契機として、大当たり遊技へ移行するか否かの大当たり抽選処理が行なわれるとともに、その抽選結果に基づいて、特別図柄表示装置33A,33Bにおいて特別図柄の変動表示および停止表示が行われる。また、通過ゲート54a,54bにおける遊技球の通過を契機として、始動口25a,25bに遊技球を入りやすくするか否かの抽選処理が行なわれるとともに、その抽選結果に基づいて、普通図柄表示装置335において普通図柄の変動表示および停止表示が行われる。
【0059】
一方、特別図柄表示装置33A,33B、普通図柄表示装置35、および特別図柄保留ランプ33a〜33dは、後述するようにメンテナンス情報を表示する表示手段としても機能する。特別図柄表示装置33Aは、発射強度ばらつきの検出回数に対応して予め定められている記号パターンにより発射強度ばらつき情報を表示する。特別図柄表示装置33Bは、扉11aの開閉不具合の検出回数に対応して予め定められている記号パターンにより扉開閉不具合情報を表示する。普通図柄表示装置35は、本体枠12をはじめて設置してからの経過日数に対応して予め定められている記号パターンにより本体枠12の設置日数(枠設置日数情報)を表示する。特別図柄保留ランプ33a〜33dは、遊技盤ユニット14の交換回数に対応して予め定められている発光色点灯パターンにより遊技盤ユニット14の交換回数(盤交換回数情報)を表示する。
【0060】
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の基板構成について、図6を用いて説明する。図6は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御基板を示すブロック図である。
【0061】
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御基板は、主制御基板60、表示制御基板76、副制御基板200、および枠制御基板126から構成される。主制御基板60、表示制御基板76、副制御基板200は、遊技盤ユニット14に組み込まれており、枠制御基板126は、本体枠12に組み込まれている。
【0062】
主制御基板60と副制御基板200とは、コマンド通信用の入出力ポート(72,202)を介して互いに接続されている。主制御基板60と表示制御基板76とは、遊技盤ユニット14に組み込まれた中継基板80を介して互いに接続されている。中継基板80には、接続ケーブルを介して枠制御基板126が着脱自在に接続される。すなわち、主制御基板60および表示制御基板76は、中継基板80を介して枠制御基板126に接続される。また、主制御基板60は、中継基板80を迂回する接続ケーブルを介しても枠制御基板126に対して着脱自在に接続される。主制御基板60および表示制御基板76、ならびに中継基板80は、本体枠12から遊技盤ユニット14が取り外されて接続ケーブルによる外部との接続状態が解除された場合、枠制御基板126に対して電気的に非接続状態となる。遊技盤ユニット14が本体枠12に取り付けられ、これらが接続ケーブルを介して互いに接続された場合、主制御基板60、表示制御基板76、副制御基板200、および枠制御基板126は、互いに電気的に接続された状態となる。
【0063】
主電源基板90は、電源スイッチ91とともに本体枠12に備えられている。主電源基板90は、遊技盤ユニット14が本体枠12に電気的に接続された状態において、電源スイッチ91を介して電源オンの操作がなされると、主制御基板60、副制御基板200、表示制御基板76、および枠制御基板126に電源電力を供給する。一方、予備電源基板79は、遊技盤ユニット14に備えられている。予備電源基板79は、遊技盤ユニット14が本体枠12から取り外されて電気的な接続状態が解除された場合、表示制御基板76に対して予備的に電源電力を供給する。
【0064】
主制御基板60は、主として、パチンコゲーム全般の制御を行うものである。表示制御基板76は、主として、特別図柄ゲームや普通図柄ゲームに関する遊技情報(特別図柄、普通図柄、特別図柄ゲームラウンド数、普通図柄ゲームラウンド数)の表示制御を行うものである。副制御基板200は、パチンコゲームの進行に応じた演出の制御(たとえば、画像表示制御、音声出音制御、装飾ランプ制御など)を行うものに位置付けられている。枠制御基板126は、主として、遊技球の貸出制御、発射制御、および払出制御を行うものである。
【0065】
主制御基板60は、図示するように、メインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70が接続されている。メインCPU66は、は、主としてパチンコゲームの進行を制御する。
【0066】
メインCPU66は、メインROM68に記憶されたプログラムに従い、各種の処理を実行する。たとえば、メインCPU66は、遊技状態において遊技情報を表示する旨のコマンドを表示制御基板76に供給する。
【0067】
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10におけるゲームの進行を制御するためのプログラムが記憶されている。
【0068】
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70には、たとえば遊技情報が記憶される。
【0069】
主制御基板60は、各種のセンサやソレノイドとの間で信号をやり取りするためのI/Oポート62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する表示制御基板76や副制御基板200と通信するためのコマンド出力ポート72を備えている。I/Oポート62、初期リセット回路64、コマンド出力ポート72は、メインCPU66に接続されている。
【0070】
図6に示すように、I/Oポート62には、各種のセンサやソレノイドなどが接続されている。たとえば、図示するように、I/Oポート62には、扉開放センサ102、カウントセンサ104、Vカウントセンサ105、一般入賞口センサ106、通過ゲートセンサ114、始動入賞口センサ117、始動口ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、シーソーソレノイド121、タッチセンサ122、盤バックアップクリアスイッチ123、電源スイッチ91が接続されている。扉開放センサ102、タッチセンサ122、盤バックアップクリアスイッチ123、電源スイッチ91は、本体枠12に設けられており、その他のものは、遊技盤ユニット14に設けられている。
【0071】
扉開放センサ102は、扉11aが開状態となった場合に、所定の検知信号を主制御基板60に供給する。扉開放センサ102からの検知信号は、中継基板80を経由して枠制御基板126にも供給される。
【0072】
カウントセンサ104は、大入賞口39a,39bにおける一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御基板60に供給する。
【0073】
Vカウントセンサ105は、大入賞口39a,39bにおける特定領域(いわゆるVゾーン)を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御基板60に供給する。
【0074】
一般入賞口センサ106は、一般入賞口の各々へ遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御基板60に供給する。
【0075】
通過ゲートセンサ114は、通過ゲート54a,54bを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御基板60に供給する。
【0076】
始動入賞口センサ117は、始動口25a,25bに遊技球が入賞したことを検知して、所定の検知信号を主制御基板60に供給する。
【0077】
始動口ソレノイド118は、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材23a,23bを個別に開放状態または閉鎖状態とする。
【0078】
大入賞口ソレノイド120は、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40a,40bを個別に駆動させ、大入賞口39a,39bを開放状態または閉鎖状態とする。
【0079】
シーソーソレノイド121は、シャッタ40a,40b内部に設けられているシーソー(図示せず)に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シーソーの傾斜を変更する。このシーソーが傾斜された結果、遊技球が特定領域を通過しやすくなるように、または一般領域を通過しやすくなるように切り替えることとなる。
【0080】
タッチセンサ122は、遊技者が発射ハンドル26に触接した状態を検知し、所定の検知信号を主制御基板60に供給する。タッチセンサ122からの検知信号は、中継基板80を経由して表示制御基板76にも供給される。
【0081】
盤バックアップクリアスイッチ123は、管理者やサービスエンジニアの操作に応じてバックアップクリア信号を出力する。バックアップクリア信号は、メインRAM70のメモリ内容をクリアするための信号である。
【0082】
電源スイッチ91は、管理者やサービスエンジニアの操作に応じて所定の操作信号(電源投入や電源切断を指示する信号)を主制御基板60に供給する。この電源スイッチ91からの操作信号は、中継基板80を経由して表示制御基板76にも供給される。
【0083】
表示制御基板76は、図示するように、表示制御用CPU76A、表示制御用ROM(読み出し専用メモリ)(図示せず)、表示制御用RAM(読み書き可能メモリ)76Bを備えている。表示制御用CPU76Aには、表示制御用ROMおよび表示制御用RAM76Bが接続されている。表示制御用RAM76Bは、電源を切ってもデータが消えない不揮発性の半導体メモリ、たとえばEEPROM、フラッシュメモリ、あるいは磁気抵抗RAMにより構成される。表示制御基板76には、特別図柄表示装置33A,33B、普通図柄表示装置35、特別図柄保留ランプ33a〜33d、普通図柄保留ランプ35a〜35dが接続されている。また、表示制御基板76には、表示操作スイッチ36が接続されている。表示操作スイッチ36は、遊技盤ユニット14に設けられている。この表示操作スイッチ36は、遊技盤ユニット14が本体枠12から取り外された状態において、電源スイッチとしての機能を果たし、所定の操作信号を表示制御基板76に供給する。
【0084】
表示制御用CPU76Aは、パチンコ遊技機10の遊技状態において、主制御基板60のメインCPU66からの指示に従い、特別図柄表示装置33A,33B、普通図柄表示装置35の変動の制御を行うとともに、特別図柄保留ランプ33a〜33d、普通図柄保留ランプ35a〜35dの点灯および消灯の制御を行う。
【0085】
また、表示制御用CPU76Aは、パチンコ遊技機10の電源投入時や電源切断時に、枠制御基板126からの指示に従い、特別図柄表示装置33A,33B、普通図柄表示装置35、特別図柄保留ランプ33a〜33dにメンテナンス情報を表示させる。表示制御用CPU76Aは、電源スイッチ91からの所定の操作信号に基づき、電源入切操作状態を判定する。表示制御用CPU76Aは、中継基板80を介して枠制御基板126との間でコマンドやメンテナンス情報をやり取りする。
【0086】
たとえば、表示制御用CPU76Aは、所定のコマンドを送信後に枠制御基板126から所定のコマンドの返信があるか否かに基づき、枠制御基板126と接続された状態か否か(遊技盤ユニット14が本体枠12に取り付けられた状態か否か)を判定する。なお、遊技状態の判定は、たとえば払出装置128や発射装置130の動作を継続的に監視することにより行ってもよい。また、遊技盤ユニット14の取り付け状態の判定は、本体枠12と遊技盤ユニット14とを電気的に接続する接続ポートの信号レベルに基づいて行ってもよく、あるいは物理的なセンサを介して行ってもよい。
【0087】
表示制御用CPU76Aは、遊技盤ユニット14が本体枠12から取り外された状態と判定し、かつ、表示操作スイッチ36から所定の操作信号を受信したときにも、特別図柄表示装置33A,33B、普通図柄表示装置35、特別図柄保留ランプ33a〜33dにメンテナンス情報を表示させる。
【0088】
表示制御用ROMには、遊技情報やメンテナンス情報の表示制御に関するプログラムなどが記憶されている。たとえば、表示制御用ROMには、発射強度ばらつき情報に対応する記号パターン、扉開閉不具合情報に対応する記号パターン、枠設置日数情報に対応する記号パターン、盤交換回数情報に対応する発光色点灯パターンが記憶されている。また、表示制御用ROMには、枠制御基板126との間で所定のコマンドシーケンスを実行するためのプログラム(プロトコル)が記憶されている。表示制御用RAM76Bは、表示制御用CPU76Aの一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。表示制御用RAM76Bには、枠制御基板126からの指示に従い、この枠制御基板126に保持されたものと同一内容のメンテナンス情報が書き込まれる。
【0089】
すなわち、表示制御用CPU76Aは、遊技情報とメンテナンス情報との間で切替表示を行う切替表示手段として機能する。また、表示制御用CPU76Aは、電源入切判定手段および遊技盤検出手段としても機能する。表示制御用RAM76Bは、遊技情報とともにメンテナンス情報を記憶するメモリとして機能する。
【0090】
副制御基板200は、コマンド入力ポート202を介して主制御基板60のコマンド出力ポート72に接続される。副制御基板200は、主制御基板60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46R,46Lから発生させる音声に関する制御、装飾ランプ133a,133bの制御などを行なう。副制御基板200は、図示するように、サブCPU206、プログラムROM(読み出し専用メモリ)208、ワークRAM(読み書き可能メモリ)210、音声制御基板230、ランプ制御基板240、画像制御基板250を備えている。サブCPU206には、コマンド入力ポート202、プログラムROM208、ワークRAM210、音声制御基板230、ランプ制御基板240、画像制御基板250が接続されている。音声制御基板230には、スピーカ46R,46Lが接続されている。ランプ制御基板240には、装飾ランプ133a,133bが接続されている。画像制御基板250には、液晶表示装置32が接続されている。
【0091】
副制御基板200では、主制御基板60において大当たり判定結果や当り判定結果に基づいて決定された、始動口25a,25bに設けられた羽根部材23a、23bの開閉パターンや、大入賞口39a,39bに設けられたシャッタ40a,40bの開閉パターンを基に、始動口25a,25bや大入賞口39a,39bを狙うための発射装置130の発射強度やタイミングを液晶表示装置32が表示するようになされている。
【0092】
サブCPU206は、プログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。サブCPU206は、主制御基板60から供給される各種コマンド信号に従って、各種演出制御を行う。
【0093】
プログラムROM208には、特別図柄の変動表示に関連してサブCPU206により実行される液晶表示装置32の画像表示に伴う複数種類の演出画像データや、大当たり遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出画像データが記憶されている。
【0094】
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。たとえば、リーチ演出時間を制御するためのタイマ変数、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタなど、各種の変数などが位置付けられている。
【0095】
画像制御基板250は、サブCPU206から供給される、特別図柄の変動表示に関連して実行される演出表示の進行に伴う複数種類の演出パターンや、大当たり遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出パターンなどの演出画像データなどを、液晶表示装置32に画像を表示させる制御を行うものである。
【0096】
音声制御基板230は、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、スピーカ46R,46Lから音声を発生させるものである。
【0097】
ランプ制御基板240は、サブCPU206から供給されるプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、装飾ランプ133a,133bの発光制御を行うものである。
【0098】
なお、副制御基板200のサブCPU206やプログラムROM208、液晶表示装置32などには、メンテナンス情報を表示するための機能を設けてもよい。ワークRAM210は、電源を切ってもデータが消えない不揮発性の半導体メモリ、たとえばEEPROM、フラッシュメモリ、あるいは磁気抵抗RAMにより構成し、メンテナンス情報を記憶する記憶手段として用いてもよい。
【0099】
枠制御基板126は、CPU126A、ROM(図示せず)、およびRAM126Bを備えている。CPU126Aには、ROMおよびRAM126Bが接続されている。RAM126Bは、電源を切ってもデータが消えない不揮発性の半導体メモリ、たとえばEEPROM、フラッシュメモリ、あるいは磁気抵抗RAMにより構成される。枠制御基板126には、枠バックアップクリアスイッチ140、メンテナンス情報リセットスイッチ142、払出装置128、発射装置130、カードユニット150が接続されている。発射装置130には、発射ハンドル26が接続されている。発射装置130および発射ハンドル26は、操作量に応じて適切な発射強度となるように調整可能に構成されている。カードユニット150には、球貸し操作パネル152が接続されている。枠バックアップクリアスイッチ140、メンテナンス情報リセットスイッチ142、払出装置128、発射装置130、発射ハンドル26、カードユニット150、球貸し操作パネル152は、本体枠12に設けられている。
【0100】
枠制御基板126は、主として、遊技カードまたは紙幣などの現金をカードユニット150に投入して、遊技者が球貸し操作パネル152を操作すると、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に所定金額(たとえば、千円単位)の貸し玉をパチンコ遊技機10の上皿20に払い出させるものである。また、枠制御基板126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御も行なうものである。
【0101】
発射装置130には、前述した発射ソレノイド、タッチセンサなどの遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その操作量となる回動角度に応じて発射ソレノイドに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射ソレノイドにより遊技盤ユニット14上の遊技領域15に順次発射される。
【0102】
枠制御基板126のCPU126Aは、発射ハンドル26の操作量(回動角度)を検出しており、この操作量から発射強度ばらつきを検出している。また、CPU126Aは、扉開放センサ102からの所定の検知信号に基づき、扉開閉不具合を検出している。さらに、CPU126Aは、たとえば枠制御基板126に内蔵されたリアルタイムクロック回路(図示せず)から供給される信号に基づき、パチンコ遊技機10(本体枠12)がホールなどに設置された日時をタイムスタンプ情報として取得する。そして、CPU126Aは、設置日時のタイムスタンプ情報とリアルタイムクロック回路からの信号に基づき、本体枠12が設置されてからの設置日数を、電源投入時ごとに検出している。さらにまた、CPU126Aは、表示制御基板76の表示制御用CPU76Aとの間で所定のコマンドやメンテナンス情報をやり取りし、互いに保持するメンテナンス情報の内容が整合しているか否かを判定する機能を有する。この判定結果に基づき、CPU126Aは、遊技盤ユニット14の交換回数を検出している。これらの情報(発射強度ばらつき情報、扉開閉不具合情報、枠設置日数情報、盤交換回数情報)は、メンテナンス情報として枠制御基板126のRAM126Bに書き込まれる。
【0103】
また、CPU126Aは、枠バックアップクリアスイッチ140が操作されると、この枠バックアップクリアスイッチ140からバックアップクリア信号を受信し、それに応じてRAM126Bのメモリ全内容をクリアする。
【0104】
また、CPU126Aは、発射装置130や発射ハンドル26の発射強度調整後や扉11aの開閉具合調整後、管理者やサービスエンジニアなどがメンテナンス情報リセットスイッチ142を用いて所定の操作を行うと、それに応じてRAM126Bに記憶されたメンテナンス情報の一部をリセットする。たとえば、メンテナンス情報リセットスイッチ142を1回だけ押下すると、メンテナンス情報に含まれる発射強度ばらつき情報の内容がリセットされ、メンテナンス情報リセットスイッチ142をいわゆる長押し状態とすると、メンテナンス情報に含まれる扉開閉不具合情報の内容がリセットされる。
【0105】
枠制御基板126のROMには、メンテナンス情報の作成に関するプログラムや、表示制御基板76の表示制御用CPU76Aとの間で所定のコマンドシーケンスを実行するためのプログラム(プロトコル)などが記憶されている。RAM126Bは、CPU126Aの一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。RAM126Bには、メンテナンス情報が記憶される。
【0106】
すなわち、枠制御基板126のCPU126Aは、エラー情報作成手段として機能する。枠制御基板126のRAM126Bは、メンテナンス情報を記憶するメモリとして機能する。
【0107】
図7は、遊技状態における盤面表示器53の表示態様を説明するための説明図である。同図に示すように、遊技状態における盤面表示器53においては、特別図柄表示装置33A,33Bに所定の特別図柄が表示され、普通図柄表示装置35に所定の普通図柄が表示され、特別図柄保留ランプ33a〜33dに特別図柄ゲームの保留数が表示される。
【0108】
図8は、パチンコ遊技機10を設置して最初に電源投入した場合における、枠制御基板126および表示制御基板76のメモリ保持情報と盤面表示器53の表示態様を説明するための説明図である。同図に示すように、パチンコ遊技機10をホールなどに設置して最初に電源投入した場合、枠制御基板126および表示制御基板76は、たとえばメーカ出荷時のデフォルト設定状態にあるため、これらのRAM126および表示制御用RAM76Aには、メンテナンス情報として、検出回数の値が全て“0”となった発射強度ばらつき情報、扉不具合情報、枠設置日数情報、盤交換回数情報が記憶されている。これにより、特別図柄表示装置33Aには、所定の記号パターンにより発射強度ばらつき情報が“0”と表示され、特別図柄表示装置33Bには、所定の記号パターンにより扉不具合情報が“0”と表示され、普通図柄表示装置35には、所定の記号パターンにより枠設置日数情報が“0”と表示され、特別図柄保留ランプ33a〜33dには、所定の発光色点灯パターンにより盤交換回数情報が“0”と表示される。
【0109】
図9は、ホールの閉店時にパチンコ遊技機10を電源切断した場合における、枠制御基板126および表示制御基板76のメモリ保持情報と盤面表示器53の表示態様を説明するための説明図である。ホールの閉店時とは、パチンコ遊技機10がホールにおいて運用された後を意味する。同図に示すように、ホールに設置されたパチンコ遊技機10を運用後に電源切断する際、枠制御基板126のRAM126には、たとえばメンテナンス情報として、検出回数の値が“2”の発射強度ばらつき情報、検出回数の値が“1”の扉不具合情報、検出回数の値が“0”の枠設置日数情報、検出回数の値が“0”の盤交換回数情報が記憶されている。枠制御基板126のCPU126Aは、電源切断操作に応じてシャットダウン処理(電断時処理)を行う前、上記各種のメンテナンス情報の値を表示制御基板76の表示制御用CPU76Aに伝え、表示制御基板76の表示制御用RAM76Bにおけるメンテナンス情報の値を書き換える旨を指示する。これにより、表示制御基板76のRAM76Bには、上記各種の値と同一値をもつメンテナンス情報(発射強度ばらつき情報、扉不具合情報、枠設置日数情報、盤交換回数情報)が記憶される。そして、表示制御基板76の表示制御用CPU76Aは、電源切断操作に応じてシャットダウン処理(電断時処理)を行う前、これらのメンテナンス情報を特別図柄表示装置33A,33B、普通図柄表示装置35、特別図柄保留ランプ33a〜33dに表示させる。すなわち、電源切断時、特別図柄表示装置33Aには、所定の記号パターンにより発射強度ばらつき情報が“2”と表示され、特別図柄表示装置33Bには、所定の記号パターンにより扉不具合情報が“1”と表示され、普通図柄表示装置35には、所定の記号パターンにより枠設置日数情報が“0”と表示され、特別図柄保留ランプ33a〜33dには、所定の発光色点灯パターンにより盤交換回数情報が“0”と表示される。なお、ホールの閉店時などに図9に示す状態で電源切断し、その後、開店時に電源投入した場合、枠設置日数情報以外は図9に示すものと同一の表示態様で表示される。
【0110】
図10は、遊技盤ユニット14の交換前にパチンコ遊技機10を電源切断した場合における、枠制御基板126および表示制御基板76のメモリ保持情報と盤面表示器53の表示態様を説明するための説明図である。これは、パチンコ遊技機10がある程度の日数にわたって運用された後、機種入れ替えなどによる遊技盤ユニット14の交換に際してパチンコ遊技機10を電源切断する場合に該当する。同図に示すように、遊技盤ユニット14の交換に際してパチンコ遊技機10を電源切断する際、枠制御基板126のRAM126には、たとえばメンテナンス情報として、検出回数の値が“20”の発射強度ばらつき情報、検出回数の値が“10”の扉不具合情報、検出回数の値が“60”の枠設置日数情報、検出回数の値が“0”の盤交換回数情報が記憶されている。図9の場合と同様に、枠制御基板126のCPU126Aは、電源切断操作に応じてシャットダウン処理(電源断時処理)を行う前、表示制御基板76のCPU76Aに対してメンテナンス情報の値を書き換える旨を指示する。これにより、表示制御基板76のRAM76Bには、枠制御基板126のRAM126と同一値をもつメンテナンス情報(発射強度ばらつき情報、扉不具合情報、枠設置日数情報、盤交換回数情報)が記憶される。そして、表示制御基板76の表示制御用CPU76Aは、電源切断操作に応じてシャットダウン処理(電源断時処理)を行う前、これらのメンテナンス情報を特別図柄表示装置33A,33B、普通図柄表示装置35、特別図柄保留ランプ33a〜33dに表示させる。すなわち、電源切断時、特別図柄表示装置33Aには、所定の記号パターンにより発射強度ばらつき情報が“20”と表示され、特別図柄表示装置33Bには、所定の記号パターンにより扉不具合情報が“10”と表示され、普通図柄表示装置35には、所定の記号パターンにより枠設置日数情報が“60”と表示され、特別図柄保留ランプ33a〜33dには、所定の発光色点灯パターンにより盤交換回数情報が“0”と表示される。また、本体枠12から遊技盤ユニット14を取り外してこれらの接続状態を解除しても、表示制御基板76のRAM76Bには、各種メンテナンス情報の値が保持され、盤面表示器53には、図10に示すものと同一の表示態様でメンテナンス情報が表示される。
【0111】
図11は、交換前の遊技盤ユニット14における表示制御基板76のメモリ保持情報と盤面表示器53の表示態様を説明するための説明図である。これは、機種入れ替えなどに際して用意された新規の遊技盤ユニット14に関し、この遊技盤ユニット14を本体枠12に取り付ける前の状態に該当する。同図に示すように、交換前の新規の遊技盤ユニット14における表示制御基板76は、たとえばメーカ出荷時のデフォルト設定状態にあるため、表示制御基板76の表示制御用RAM76Bには、メンテナンス情報として、検出回数の値が全て“0”となった発射強度ばらつき情報、扉不具合情報、枠設置日数情報、盤交換回数情報が記憶されている。これにより、たとえば表示操作スイッチ36が操作されると、本体枠12に接続前の遊技盤ユニット14にあっても、特別図柄表示装置33Aには、所定の記号パターンにより発射強度ばらつき情報が“0”と表示され、特別図柄表示装置33Bには、所定の記号パターンにより扉不具合情報が“0”と表示され、普通図柄表示装置35には、所定の記号パターンにより枠設置日数情報が“0”と表示され、特別図柄保留ランプ33a〜33dには、所定の発光色点灯パターンにより盤交換回数情報が“0”と表示される。
【0112】
図12は、遊技盤ユニット14の交換後に電源投入した場合における、枠制御基板126のメモリ保持情報と盤面表示器53の表示態様を説明するための説明図である。これは、ある程度の日数にわたり使用された状態の本体枠12と新規の遊技盤ユニット14とをはじめて接続した状態で電源投入した場合に該当する。ただし、本体枠12においては、発射強度ばらつきや扉不具合のメンテナンスがなされていない場合とする。この場合、電源投入される前、枠制御基板126のRAM126Bには、たとえば図10に示すものと同一内容のメンテナンス情報が保持されている。一方、電源投入される前、表示制御基板76の表示制御用RAM76Bには、図11に示すものと同一内容のメンテナンス情報が保持されている。そして、枠制御基板126のCPU126Aは、電源投入の操作に応じて所定の電源投入時処理を実行することにより、表示制御基板76の表示制御用CPU76Aとの間で所定のコマンドやメンテナンス情報をやり取りし、互いに保持するメンテナンス情報の値に相違があるか否かをチェックする。具体的には、枠設置日数情報の値がチェック対象とされる。互いに保持するメンテナンス情報の値(枠設置日数情報の値)に相違がある場合、枠制御基板126のCPU126Aは、RAM126Bに保持されている盤交換回数情報の値を+1とする。これにより、図示するように、枠制御基板126のRAM126Bには、検出回数の値が“20”の発射強度ばらつき情報、検出回数の値が“10”の扉不具合情報、検出回数の値が“61”の枠設置日数情報、検出回数の値が+1だけ増えた“1”の盤交換回数情報が記憶される。そして、CPU126Aは、表示制御基板76の表示制御用RAM76Bにおけるメンテナンス情報の値を書き換える旨を指示する。その結果、表示制御用RAM76Bにも、枠制御基板126のRAM126Bと同一値のメンテナンス情報が記憶される。これにより、特別図柄表示装置33Aには、所定の記号パターンにより発射強度ばらつき情報が“20”と表示され、特別図柄表示装置33Bには、所定の記号パターンにより扉不具合情報が“10”と表示され、普通図柄表示装置35には、所定の記号パターンにより枠設置日数情報が“61”と表示され、特別図柄保留ランプ33a〜33dには、所定の発光色点灯パターンにより盤交換回数情報が“1”と表示される。
【0113】
図13は、遊技盤ユニット14の交換後に電源投入した場合における、枠制御基板126のメモリ保持情報と盤面表示器53の表示態様を説明するための説明図である。これは、図12と同様に、ある程度の日数にわたり使用された状態の本体枠12と新規の遊技盤ユニット14とをはじめて接続した状態で電源投入した場合に該当するが、本体枠12においては、発射強度ばらつきや扉不具合のメンテナンスが管理者やサービスエンジニアにより行われ、過去にメンテナンス情報リセットスイッチ142が操作された場合に相当する。この場合、電源投入される前の枠制御基板126のRAM126Bには、リセット処理により発射強度ばらつき情報および扉不具合情報の値が“0”として保持されている。たとえば、他のメンテナンス情報として、枠設置日数情報の値は、“61”として保持されており、盤交換回数情報の値は、“0”として保持されているとする。一方、電源投入される前、表示制御基板76の表示制御用RAM76Bには、図11に示すものと同一内容のメンテナンス情報が保持されている。そして、枠制御基板126のCPU126Aは、図12において説明した内容と同様に、電源投入操作に応じて所定の電源投入時処理を実行する。これにより、図示するように、枠制御基板126のRAM126Bには、検出回数の値が“0”の発射強度ばらつき情報、検出回数の値が“0”の扉不具合情報、検出回数の値が“61”の枠設置日数情報、検出回数の値が+1だけ増えた“1”の盤交換回数情報が記憶されるとともに、これらと同一値のメンテナンス情報が表示制御基板76の表示制御用RAM76Bにも記憶される。特別図柄表示装置33Aには、所定の記号パターンにより発射強度ばらつき情報が“0”と表示され、特別図柄表示装置33Bには、所定の記号パターンにより扉不具合情報が“0”と表示され、普通図柄表示装置35には、所定の記号パターンにより枠設置日数情報が“61”と表示され、特別図柄保留ランプ33a〜33dには、所定の発光色点灯パターンにより盤交換回数情報が“1”と表示される。
【0114】
図7〜図13を参照して説明したように、遊技状態における特別図柄表示装置33A,33B、普通図柄表示装置35、特別図柄保留ランプ33a〜33dには、遊技情報が表示される一方、パチンコ遊技機10の電源投入時や電源切断時、あるいは本体枠12から遊技盤ユニット14が取り外された状態においては、特別図柄表示装置33A,33B、普通図柄表示装置35、特別図柄保留ランプ33a〜33dに各種のメンテナンス情報が表示される。特別図柄および普通図柄(図示せず)は、遊技者にとってわかりやすい数字図柄および記号図柄として表示される一方、メンテナンス情報は、管理者やサービスエンジニアなどが認識可能な表示パターンにより表示される。すなわち、特別図柄表示装置33A,33B、普通図柄表示装置35、特別図柄保留ランプ33a〜33dは、遊技情報を表示するとともに、メンテナンス情報の表示にも兼用される表示手段として機能する。
【0115】
[遊技機の動作]
次に、パチンコ遊技機10の動作について説明する。図14および図15は、電源投入時および電源切断時において枠制御基板126と表示制御基板76との間でやり取りされるコマンドシーケンスを示すシーケンス図である。図16は、電源投入時の枠制御基板126のCPU126Aにより実行されるメンテナンス情報チェック処理を示すフローチャートである。図17および図18は、枠制御基板126のCPU126Aにより実行される電源投入時処理を示すフローチャートである。図19は、枠制御基板126のCPU126Aにより実行される電源切断時処理を示すフローチャートである。図20は、枠制御基板126のCPU126Aにより実行される扉開閉不具合検知処理を示すフローチャートである。図21は、枠制御基板126のCPU126Aにより実行される発射強度ばらつき検出処理を示すフローチャートである。なお、図19の電源切断時処理は、先述したシャットダウン処理(電断時処理)の前に実行されるものであり、シャットダウン処理とは異なるものである。
【0116】
<電源投入時コマンドシーケンス>
図14に示すように、電源投入操作がなされた場合、枠制御基板126は、表示制御基板76に対して接続確認コマンドを送信する。
【0117】
接続確認コマンドを受信した表示制御基板76は、枠制御基板126に対して接続完了確認コマンドを送信する。
【0118】
接続完了確認コマンドを受信した枠制御基板126は、表示制御基板76に対して盤表示終了要求コマンドを送信する。
【0119】
盤表示終了要求コマンドを受信した表示制御基板76では、予備電源基板79からの電力供給を受けてメンテナンス情報が表示されている場合、表示制御用CPU76Aの制御によりメンテナンス情報の表示が終了される。その後、あるいは何も表示していない場合、表示制御基板76は、枠制御基板126に対して盤表示終了確認コマンドを送信する。
【0120】
次に、表示制御基板76は、盤保持のメンテナンス情報(表示制御基板76の表示制御用RAM76Bに記憶されたメンテナンス情報)をコマンドAとして枠制御基板126に送信する。
【0121】
コマンドAを受信した枠制御基板126は、後述のメンテナンス情報チェック処理を実行する。このチェック処理は、枠設置日数情報に基づき、電源投入前に遊技盤ユニット14が交換されているか否かを判定するために行われる。たとえば、チェック処理を行った結果、コマンドAのメンテナンス情報に含まれる枠設置日数情報の値と、枠制御基板126のRAM126Bに記憶されたメンテナンス情報に含まれる枠設置日数情報の値とが相違する場合、枠制御基板126のCPU126Aは、遊技盤ユニット14の交換後に電源投入操作がなされたと判断し、RAM126Bに記憶された盤交換回数情報の値を+1として更新する。また、メンテナンス情報チェック処理において、CPU126Aは、リアルタイムクロック回路から供給される信号に基づき、RAM126Bに記憶された枠設置日数情報の値を更新している。これにより、RAM126Bには、電源投入ごとに正しい盤交換回数情報や枠設置日数情報が記憶される。ただし、コマンドAのメンテナンス情報に含まれる枠設置日数情報の値と、枠制御基板126のRAM126Bに記憶されたメンテナンス情報に含まれる枠設置日数情報の値とが同一の場合、CPU126Aは、盤交換回数情報を更新することなく、枠設置日数情報のみを更新してこれをRAM126Bに記憶させる。
【0122】
その後、枠制御基板126は、枠保持のメンテナンス情報(枠制御基板126のRAM126Bに記憶されたメンテナンス情報)とともにこれを表示する旨のコマンドBを表示制御基板76に送信する。これにより、表示制御基板76の表示制御用RAM76Bには、RAM126Bに記憶されたものと同一の内容からなるメンテナンス情報が書き込まれ、盤面表示器53には、メンテナンス情報が表示される。
【0123】
そして、コマンドBを送信してから所定時間経過後、枠制御基板126は、表示制御基板76に対して情報表示終了要求コマンドを送信する。これにより、表示制御用CPU76は、メンテナンス情報の表示を終了させる。このメンテナンス情報の表示は、たとえば60秒を限度として行われる。
【0124】
さらに、所定の待ち時間経過後、主制御基板60は、表示制御基板76に対して遊技状態表示設定要求コマンドを送信する。このとき、主制御基板60には、所定の待ち時間として、電源投入操作がなされてからメンテナンス情報の表示が終了するまでの時間より十分長い待ち時間が設定されている。そのため、必ずメンテナンス情報の表示が終了した後に主制御基板60からのコマンドが表示制御基板76に送信される。
【0125】
その後、主制御基板60は、表示制御基板76に対して遊技状態コマンドを送信する。これにより、表示制御用CPU76Aは、遊技情報の表示制御を行う。すなわち、パチンコ遊技機10の設置時やホールの開店時、あるいは遊技盤ユニット14の交換後に電源投入操作がなされたとき、遊技盤ユニット14の盤面表示器53には、所定時間にわたりメンテナンス情報が表示され(図8、図9、図12、図13参照)、その後、遊技情報が表示されることとなる(図7参照)。
<電源切断時コマンドシーケンス>
図15に示すように、電源切断操作がなされた場合、枠制御基板126および表示制御基板76は、電源切断時処理によりメンテナンス情報の保存を行う。まず、枠制御基板126は、表示制御基板76に対して接続確認コマンドを送信する。なお、主制御基板60は、電源切断操作に応じて即座に所定のシャットダウン処理を実行する。
【0126】
接続確認コマンドを受信した表示制御基板76は、枠制御基板126に対して接続OKコマンドを送信する。
【0127】
接続OKコマンドを受信した枠制御基板126は、表示制御基板76に対して初期化要求コマンドを送信する。
【0128】
さらに、枠制御基板126は、表示制御基板76に対して書換要求コマンドを送信する。このとき、書換要求コマンドには、枠保持のメンテナンス情報(枠制御基板126のRAM126Bに記憶されたメンテナンス情報)が含まれる。
【0129】
初期化要求コマンドおよび書換要求コマンドを受信した表示制御基板76では、表示制御用CPU76Aの制御により、盤保持のメンテナンス情報(表示制御基板76の表示制御用RAM76Bに記憶されたメンテナンス情報)の内容が枠保持のメンテナンス情報の内容に書き換えられる。その後、表示制御基板76は、枠制御基板126に対して書換終了確認コマンドを送信する。
【0130】
書換終了確認コマンドを受信した枠制御基板126は、表示制御基板76に対して盤表示要求コマンドを送信する。
【0131】
盤表示要求コマンドを受信した表示制御基板76では、電力供給系統が主電源基板90から予備電源基板79に切り替えられる。これにより、表示制御用CPU76Aは、予備電源基板79から電源電力の供給を受け、表示制御用RAM76Bに記憶されたメンテナンス情報(書き換えられたメンテナンス情報)を盤面表示器53に表示させる。
【0132】
その後、表示制御基板76は、枠制御基板126に対して盤表示完了確認コマンドを送信する。これにより、枠制御基板126は、所定のシャットダウン処理を実行する。すなわち、ホールの閉店時や遊技盤ユニット14の交換時に電源切断操作がなされた場合においても、遊技盤ユニット14の盤面表示器53には、所定時間にわたってメンテナンス情報が表示される(図9、図10参照)。
【0133】
<メンテナンス情報チェック処理>
図16に示すように、電源投入時のコマンドシーケンスにおけるメンテナンス情報チェック処理は、枠制御基板126のCPU126Aにより実行される。まず、このCPU126Aは、表示制御基板76から表示制御用RAM76Bに記憶されたメンテナンス情報を受信する(ステップS11)。
【0134】
その後、CPU126Aは、RAM126Bに記憶されたメンテナンス情報に含まれる枠設置日数情報の値と、表示制御基板76から受信したメンテナンス情報に含まれる枠設置日数情報の値とが同一か否かを判定する(ステップS12)。
【0135】
CPU126Aは、枠設置日数情報の値が同一でないと判別したとき、(ステップS12:NO)、RAM126Bに記憶された盤交換回数情報の値を+1として更新する(ステップS13)。
【0136】
次に、CPU126Aは、設置日時のタイムスタンプ情報とリアルタイムクロック回路からの信号に基づき、RAM126Bに記憶された枠設置日数情報の値を更新する(ステップS14)。
【0137】
その後、CPU126Aは、更新後の盤交換回数情報や枠設置日数情報を含むメンテナンス情報を表示制御基板76に送信する(ステップS15)。
【0138】
ステップS12において、RAM126Bに記憶されたメンテナンス情報に含まれる枠設置日数情報の値と、表示制御基板76から受信したメンテナンス情報に含まれる枠設置日数情報の値とが同一の場合(ステップS12:YES)、CPU126Aは、ステップS13の処理を実行することなくステップS14の処理に移行する。この場合、ステップS15において、CPU126Aは、枠設置日数情報のみが更新されたメンテナンス情報を表示制御基板76に送信することとなる。
【0139】
上記メンテナンス情報チェック処理が実行されることにより、電源投入時には、正しい内容のメンテナンス情報が表示される。
<電源投入時処理>
図17に示すように、電源投入時、枠制御基板126のCPU126Aは、各種の初期設定を行った後、RAM126Bへの書き込みを許可する(ステップS21)。
【0140】
次に、CPU126Aは、枠バックアップクリアスイッチ140がオンであるか否かを判断する(ステップS22)。
【0141】
CPU126Aは、枠バックアップクリアスイッチ140がオンでないと判別したとき(ステップS22:NO)、電断検知フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS23)。電断検知フラグは、たとえば後述する電源切断時処理(図19参照)を実行したことを示すフラグである。電断検知フラグは、図19のステップS60の処理でセットされる。
【0142】
CPU126Aは、電断検知フラグがセットされていると判別したとき(ステップS23:YES)、RAM126Bの作業領域の損傷をチェックし(ステップS24)、作業領域が損傷しているか否かを判断する(ステップS25)。
【0143】
CPU126Aは、作業領域が損傷していないと判別したとき(ステップS25:NO)、電断前スタックポインタを復帰する(ステップS26)。この処理は、たとえば、電源切断時にスタックポインタをRAM126Bに退避させたような場合には、そのスタックポインタを復帰する処理である。
【0144】
次に、CPU126Aは、受信データ書き込み処理を実行する(ステップS27)。この処理は、電源切断時に取得した賞球に関する制御データやメンテナンス情報をRAM126Bに格納する処理である。
【0145】
次に、CPU126Aは、賞球の払出禁止状態を設定する(ステップS28)。
【0146】
次に、CPU126Aは、復電時の作業領域の初期設定をする(ステップS29)。このステップS29の処理によって、電源投入時における作業領域の初期設定が行われる。
【0147】
次に、CPU126Aは、盤面表示処理1を実行する(ステップS30)。この処理は、図14のコマンドシーケンスに示される接続確認コマンドから情報表示終了要求コマンドまでの一連のコマンドをやり取りし、表示制御基板76を通じてメンテナンス情報を表示させる処理である。これにより、特別図柄表示装置33A,33B、普通図柄表示装置35、特別図柄保留ランプ33a〜33dには、各種のメンテナンス情報が表示される(図8、図9参照)。このとき、遊技盤ユニット14の交換に伴い管理者やサービスエンジニアによってメンテナンス作業が行われ、メンテナンス情報リセットスイッチ142が操作されたことを示すフラグがセットされていることがある。この場合、特別図柄表示装置33A,33Bには、初期値“0”となった発射強度ばらつき情報および扉不具合情報が表示される(図13参照)。一方、枠設置日数情報や盤交換回数情報については、先述したメンテナンス情報チェック処理が実行されるため、メンテナンス情報リセットスイッチ142の操作によってもクリアされない。これにより、普通図柄表示装置35、特別図柄保留ランプ33a〜33dには、正しい枠設置日数情報や盤交換回数情報が表示される(図13参照)。
【0148】
次に、CPU126Aは、電源切断前に割込み許可が設定されていたか否か判断する(ステップS31)。
【0149】
CPU126Aは、電源切断前に割込み許可が設定されていないと判断したとき(ステップS31:NO)、割込み許可を設定する(ステップS32)。
【0150】
その後、CPU126Aは、電源切断前のアドレスに復帰する(ステップS33)。
【0151】
そして、図18に続いて示すように、CPU126Aは、遊技状態に移行して払出制御処理を実行する(ステップS45)。
【0152】
また、遊技状態中、CPU126Aは、後述する扉開閉不具合検知処理を実行する(ステップS46)。
【0153】
さらに、遊技状態中、CPU126Aは、後述する発射強度ばらつき検出処理を実行する(ステップS47)。
【0154】
さらにまた、CPU126Aは、ポート出力処理を実行する(ステップS48)。その後、CPU126Aは、所定のサイクルタイムでステップS45〜ステップS48の一連の処理を所定のサイクルタイムで繰り返し実行する。
【0155】
ステップS31において、電源切断前に割込み許可が設定されているとき(ステップS31:YES)、CPU126Aは、ステップS32の処理を実行することなくステップS33の処理に移行する。
【0156】
ステップS25において作業領域が損傷しているとき(ステップS25:YES)、ステップS23において電断検知フラグが設定されていないとき(ステップS23:NO)、ステップS22において枠バックアップクリアスイッチ140がオンであるとき(ステップS22:YES)、CPU126Aは、図18に示す一連の処理を実行する。
【0157】
図18に示す処理において最初に、CPU126Aは、スタックポインタを初期アドアドレスに設定する(ステップS41)。
【0158】
次に、CPU126Aは、RAM126Bの全作業領域をクリアする初期設定を行う(ステップS42)。
【0159】
次に、CPU126Aは、盤面表示処理2を実行する(ステップS43)。この処理も、ステップS30の盤面表示処理1と同様であり、図14のコマンドシーケンスに示される接続確認コマンドから情報表示終了要求コマンドまでの一連のコマンドをやり取りし、表示制御基板76を通じてメンテナンス情報を表示させる処理である。ただし、ステップS43の盤面表示処理2では、その前のステップS42においてRAM126Bの全作業領域がクリアされているため、特別図柄表示装置33A,33B、普通図柄表示装置35、特別図柄保留ランプ33a〜33dには、各種のメンテナンス情報の値がすべて“0”として表示される(図8参照)。
【0160】
次に、CPU126Aは、割込みを許可する(ステップS44)。これにより、割り込みの禁止状態が解除されて各種の割り込みが許可される。具体的に、この割込み許可により、CPU126Aは、遊技状態に移行してステップS45〜ステップS48の一連の処理を所定のサイクルタイムで繰り返し実行する。
【0161】
<電源切断時処理>
図19に示すように、電源切断時において、枠制御基板126のCPU126Aは、使用レジスタ、電源切断時の割込み許可/禁止状態をRAM126Bに退避させる(ステップS51)。
【0162】
次に、CPU126Aは、スタックポインタをRAM126Bに退避させることにより保存する(ステップS52)。
【0163】
次に、CPU126Aは、賞球の払出を禁止する(ステップS53)。
【0164】
次に、CPU126Aは、受信データステータスに異常がないか否か判断する(ステップS54)。「受信データステータス」とは、電源切断時に取得した賞球に関する制御データの内容状態を示す情報である。
【0165】
CPU126Aは、受信データステータスに異常がないと判断したとき(ステップS54:YES)、賞球制御データを取得し、このデータをRAM126Bに保存する(ステップS55)。
【0166】
次に、CPU126Aは、残存落下球を監視する(ステップS56)。残存落下球は、アウト口38に設けられた球センサ(図示せず)により検出されるものである。残存落下球を監視する処理は、予め設定された時間(落下球監視時間)を限度に実行される。
【0167】
CPU126Aは、残存落下球の監視を終了する場合(ステップS57:YES)、メンテナンス情報保存/表示処理を実行する(ステップS58)。この処理は、図15のコマンドシーケンスに示される接続確認コマンドから盤表示完了確認コマンドまでの一連のコマンドをやり取りする処理である。これにより、枠制御基板126のRAM126Bに保持されているメンテナンス情報は、表示制御基板76に転送され、表示制御基板76の表示制御用RAM76Bに同一のメンテナンス情報が書き込まれる。そして、特別図柄表示装置33A,33B、普通図柄表示装置35、特別図柄保留ランプ33a〜33dには、シャットダウン処理が始まる前の所定時間に限って各種のメンテナンス情報が表示される(図9、図10参照)。
【0168】
次に、CPU126Aは、作業領域損傷チェック値を算出し、この値をRAM126Bに保存する(ステップS59)。
【0169】
次に、CPU126Aは、電断検知フラグを設定する(ステップS60)。電断検知フラグは、電源切断操作に応じてこの電源切断時処理を実行したことを示すフラグである。電断検知フラグは、電源投入時処理のステップS23で参照される。
【0170】
次に、CPU126Aは、RAM126Bへの書き込みを禁止し(ステップS61)、無限ループを実行する。
【0171】
ステップS57において、残存落下球の監視を終了しない場合(ステップS57:NO)、CPU126Aは、ステップS56の処理を繰り返し行う。すなわち、CPU126Aは、所定の落下球監視時間が経過するまで残存落下球の監視を行う。
【0172】
ステップS54において、受信データステータスに異常があると判断したとき(ステップS54:NO)、CPU126Aは、ステップS55の処理を実行することなくステップS56の処理に移行する。
【0173】
<扉開閉不具合検知処理>
この処理は、電源投入時処理のステップS46で扉開閉不具合情報を求めるための処理であり、具体的には次のようにして行われる。
【0174】
図20に示すように、CPU126Aは、扉開放センサ102からの検知信号(扉11の開状態を示す信号)が所定時間内(たとえば5秒間)に所定回数(たとえば2回あるいは3回)以上入力されたかを監視している(ステップS71)。
【0175】
ステップS71において、たとえば所定時間内に所定回数以上の検知信号の入力があると(ステップS71:YES)、CPU126Aは、RAM126Bに記憶された扉開閉不具合情報の値を+1として更新する(ステップS72)。
【0176】
その後、CPU126Aは、更新後の扉開閉不具合情報を表示制御基板76に送信する(ステップS73)。これにより、表示制御基板76の表示制御用RAM76Bに記憶された扉開閉不具合情報の値も更新される。
【0177】
ステップS71において、所定時間内に所定回数以上の検知信号の入力がない場合(ステップS71:NO)、CPU126Aは、この処理を繰り返し実行する。
【0178】
上記扉開閉不具合検知処理が実行されることにより、枠制御基板126および表示制御基板76の双方には、同一内容の扉開閉不具合情報が随時記憶される。
【0179】
<発射強度ばらつき検出処理>
この処理は、電源投入時処理のステップS47で発射強度ばらつき情報を求めるための処理であり、具体的には次のようにして行われる。
【0180】
図21に示すように、発射強度レンジを確認する(ステップS81)。「発射強度レンジ」とは、発射装置130の発射強度を数段階に分けて予め設定されているものであり、図22の縦軸に示されるものである。なお、本実施形態において、「発射強度」は、CPU126Aが所定のサイクルタイムで発射ハンドル26の操作量を検出することにより、この検出値に応じたものとして求められる。また、CPU126Aは、発射開始時の発射強度ばらつきを無視すべく、低レンジ(発射強度レンジ0)から所定時間が経過するまでは発射強度レンジの確認を行わない。
【0181】
次に、CPU126Aは、レンジ継続回数を確認する(ステップS82)。「レンジ継続回数」とは、所定のサイクルタイムで得られる発射強度が同一のレンジにおいて継続する回数を意味する。たとえば、図22に示すように、中央の円内に示される発射強度は、左から時系列順位に、レンジ2の継続回数が3回、レンジ1の継続回数が4回、レンジ4の継続回数が3回、レンジ3の継続回数が5回、レンジ2の継続回数が3回となる。この処理において、CPU126Aは、レンジ継続回数がたとえば6回以上続けばNGフラグを設定せず、レンジ継続回数が5回数以下の場合にNGフラグを設定する。
【0182】
ステップS82の処理においてNGフラグを設定した場合、CPU126Aは、タイマをセットする(ステップS83)。このタイマは、所定期間内の発射強度ばらつきの有無を検出するために用いられる。
【0183】
次に、CPU126Aは、タイマにより計時される時間内においてレンジ移行回数を確認する(ステップS84)。「レンジ移行回数」とは、たとえば、図22の中央の円内に示されるように、発射強度のレンジが“2”→“1”→“4”→“3”→“2”というように変化する回数を意味し、この例では「レンジ移行回数」が4回となる。
【0184】
次に、CPU126Aは、ばらつき判定処理を実行する(ステップS85)。この処理では、CPU126Aによりレンジ移行回数が4回以上であることが検出されると、発射強度ばらつきの検出回数が1回としてカウントされる。レンジ移行回数が3回以下の場合、CPU126Aは、発射強度ばらつきの検出回数をカウントしない。
【0185】
次に、CPU126Aは、カウンタ更新処理を実行する(ステップS86)。この処理では、発射強度ばらつきの検出回数が1回以上カウントされると、RAM126Bに設定された発射強度ばらつき用カウンタの値が更新される。これと同時に、RAM126Bに記憶された発射強度ばらつき情報の値が+1として更新される。また、発射強度ばらつき情報を更新すると、CPU126Aは、発射強度ばらつき情報を表示制御基板76に送信するための送信フラグをセットする。その後、CPU126Aは、発射強度ばらつき用カウンタをリセットする。
【0186】
次に、CPU126Aは、送信フラグがセットされている場合、発射強度ばらつき情報を表示制御基板76に送信する(ステップS87)。
【0187】
このような発射強度ばらつき検出処理が実行されることにより、枠制御基板126および表示制御基板76の双方には、同一内容の発射強度ばらつき情報が逐次記憶される。
【0188】
上述したように、本実施形態におけるパチンコ遊技機10では、電源投入時や遊技盤ユニット14の交換時などにおける電源切断時、遊技盤ユニット14の盤面表示器53にメンテナンス情報が表示される。メンテナンス情報は、盤面表示器53の表示制御用RAM76Bにも記憶され、また、盤面表示器53には予備電源基板79も備えられているので、本体枠12から遊技盤ユニット14を取り外した状態においても、盤面表示器53にメンテナンス情報を表示させることができる。
【0189】
したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、管理者などにとって有用なメンテナンス情報を、遊技盤ユニット14の交換時などといった適時に盤面表示器53を用いて簡易に表示させることができる。
【0190】
交換時に回収された古い遊技盤ユニット14でも、その遊技盤ユニット14の盤面表示器53にメンテナンス情報を表示させることができるので、サービスエンジニアなどが必要なメンテナンス情報を容易に確認することができる。
【符号の説明】
【0191】
10 パチンコ遊技機
12 本体枠
14 遊技盤ユニット
14A 遊技盤
26 発射ハンドル(操作手段)
53 盤面表示器(表示手段)
33A,33B 特別図柄表示装置
35 普通図柄表示装置
33a〜33d 特別図柄保留ランプ
35a〜35d 普通図柄保留ランプ
60 主制御基板
76 表示制御基板
76A 表示制御用CPU(切替表示手段、電源入切判定手段、遊技盤検出手段)
76B 表示制御用RAM(メモリ)
79 予備電源基板
90 主電源基板
91 電源スイッチ
126 枠制御基板
126A CPU(エラー情報作成手段)
126B RAM(メモリ)
130 発射装置(発射手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技部材が装着された遊技盤と
前記遊技盤に備えられて遊技情報を表示する表示手段と
前記表示手段の表示制御を行う表示制御基板と
遊技機における遊技の進行を電気的に制御する主制御基板とをユニット化した遊技盤ユニットと、
前記遊技盤ユニットを取り付け可能な本体枠とを備えた遊技機において、
前記本体枠は、
遊技機に電力を供給する主電源基板と、
主電源投入中に発生した所定のエラー情報を記憶する枠制御基板とを備え、
前記表示制御基板は、
前記表示手段に表示する情報を、遊技情報と前記枠制御基板に記憶された所定のエラー情報との間で切替表示する切替表示手段を備え、
前記切替表示手段は、
主電源投入から前記主制御基板により遊技の進行が開始される前の所定の待ち時間の間、および主電源切断後の所定時間の間、表示する情報を所定のエラー情報に切替表示することを特徴とする、遊技機。
【請求項2】
前記遊技盤ユニットに設けられ、主電源が切断されている時に前記表示手段に予備的に電力を供給する予備電源基板と、
前記遊技盤の前記本体枠に対する取付状態を検出する遊技盤検出手段とをさらに備え、
前記表示制御基板は、前記遊技盤検出手段により前記遊技盤が取付状態にあることが検出されなかった場合に、前記予備電源基板から電力の供給を受けて、前記表示手段に所定のエラー情報を表示することを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記表示制御基板は、
主電源投入時の所定の待ち時間において、前記枠制御基板からのエラー情報表示コマンドに基づき所定のエラー情報を前記表示手段に表示し、
前記切替表示手段は、
所定の待ち時間経過後に送信されるよう設定された前記主制御基板からの遊技情報表示コマンドに基づき表示する情報を遊技情報に切替表示し、
主電源切断時においては、
主電源切断時の所定時間において、前記枠制御基板からのエラー情報表示コマンドに基づき表示する表示情報を遊技情報から所定のエラー情報に切替表示し、
前記枠制御基板は、前記所定時間が経過してから電断時処理を実行する一方、前記主制御基板は、前記所定時間を待たずに電断時処理を実行することを特徴とする、請求項1または2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記本体枠は、
遊技者が操作可能な操作手段と、
遊技者によって前記操作手段が操作された操作量に応じた発射強度で遊技媒体を前記遊技盤上に発射する発射手段とを備え、
前記枠制御基板は、前記所定のエラー情報を作成するエラー情報作成手段を備えており、
前記エラー情報作成手段は、前記操作手段の操作量に基づき前記発射手段の発射強度ばらつきに関する情報を作成することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−106724(P2013−106724A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253287(P2011−253287)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【Fターム(参考)】