説明

遊技機

【課題】可動役物の破損を抑止することができ、可動役物を安定して使用すること。
【解決手段】位置判定部1701は、可動役物130が停止している際の所定のタイミングで、センサ280による検出結果を用いて、可動役物130が原点位置に位置しているか、または非原点位置に位置しているかのレベル判定をおこなう。変化判定部1703は、動作制御部1702によって可動役物130に対して所定の動作が制御されているときに、原点位置から非原点位置または非原点位置から原点位置への位置の変化があることを示す通常状態であるか、または位置の変化がないことを示す非通常状態であるかのエッジ判定をおこなう。動作制御部1702は、変化判定部1703によって非通常状態であると判定された場合、位置判定部1701の判定結果にかかわらず、可動役物130の動作を規制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤に対して動作する可動役物を用いて演出をおこなう遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機として、遊技盤の遊技領域に打ち出した遊技球が特定の始動口に入賞すると、始動入賞したタイミングにて取得した乱数が予め定められた大当たり乱数と一致するか否かの当たり判定をおこなうぱちんこ遊技機が知られている。当たり判定の結果、大当たりであると判定した場合には、大当たりを示す図柄を停止させて、遊技者にとって有利な遊技状態である大当たり遊技状態に移行させる。当たり判定をおこなう際には、大当たりの種別の判定や、図柄の変動時間を示す変動態様の判定もおこなう。
【0003】
ぱちんこ遊技機は、当たり判定や変動態様の判定結果に基づいて、画像表示部等を用いて演出をおこなう。演出には、たとえば、大当たりに至る前段階でおこなうリーチ演出がある。リーチ演出とは、たとえば3つ図柄(第1図柄、第2図柄、第3図柄)を変動させる場合、第1図柄および第2図柄を有効ライン上に関連性のある図柄(たとえば同一の図柄)で揃えた後に、第3図柄のみを変動表示させ、演出時間を通常よりも長くして、大当たりへの期待を高めるようにした演出である。
【0004】
ぱちんこ遊技機は、大当たりの場合には、第1図柄および第2図柄と関連性のある図柄で第3図柄を停止させる。一方、ハズレの場合には、リーチ演出をおこなった場合には、第1図柄および第2図柄と関連性のない図柄で第3図柄を停止させ、また、リーチ演出をおこなわない場合に第1図柄と第2図柄とを関連性のない図柄で停止させる、いわゆるバラケ目で停止させる。
【0005】
また、ぱちんこ遊技機は、リーチ演出のほかにも、図柄の変動中に遊技者の期待感を高めさせるために、様々な演出をおこなう。たとえば、リーチ演出を示唆する予告演出や、複数のランプを用いた点滅や点灯などによるランプ演出のほか、いわゆるギミックと称される可動役物を点灯させたり動作させたりする役物演出などもおこなっている。
【0006】
可動役物を用いた演出では、可動役物を退避位置から進出位置へ移動させたりする。特に、近年のぱちんこ遊技機では、可動役物を用いた機械的な動作は遊技者に与えるインパクトが大きく、演出上、大きな役割を担っている。たとえば、可動役物を用いた演出は、大当たりに至る場合の前兆として用いられ、言い換えれば、信頼度の高い演出の一つとなっている。
【0007】
可動役物は、原点位置(退避位置)を検出する原点センサや、駆動源となる駆動モータや、遊技盤上に設けられる装飾体などを備えている。たとえば、可動役物を進出移動させる際には、ぱちんこ遊技機は駆動モータを駆動回転させる。そして、原点センサが可動役物を検出しなくなると、可動役物が正常に動作しているものと判定して、所定回転分、駆動モータを駆動回転させて、所定の進出位置まで移動させるようにしている。
【0008】
ぱちんこ遊技機は、変動開始時などの所定のタイミングで可動役物が原点位置にあるか否かの位置検出をおこなって、復帰処理をおこなう技術が知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。たとえば、ぱちんこ遊技機は、位置検出によるレベル判定(High、Low判定)をおこなう。ぱちんこ遊技機は、可動役物が原点位置にある場合には、たとえば「High」を検出して、可動役物を動作させる演出を選択可能にする一方、可動役物が原点位置にない場合には「Low」を検出して、可動役物を原点位置に復帰させる復帰処理をおこなう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2004−254974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上述した従来技術では、可動役物が退避した状態において、原点センサの故障により「High」が検出され続けた場合や、可動役物が引っ掛かって原点位置に居続けるといった動作不良がある場合に、レベル判定では原点位置にある正常状態として判定されることがある。また、可動役物が動作している状態においても同様であり、原点センサの故障により「Low」が検出され続けた場合や、可動役物が引っ掛かって非原点位置に居続けるといった動作不良があるにもかかわらず、レベル判定では可動役物が動作をしている正常状態として判定されることがある。
【0011】
そのため、原点センサが故障している状態や、可動役物が引っ掛かった状態であるにもかかわらず、可動役物を動作させる演出を選択してしまうという事態が生じる。このような事態が生じると、駆動モータが駆動回転することにより、駆動モータに過度の負荷がかかり、可動役物を構成する駆動モータ、ギア、装飾体などの破損を招くといった、問題があった。
【0012】
本発明は、上記の従来技術による問題点を解消するため、可動役物の破損を抑止することができ、可動役物を安定して使用することができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用した。括弧内の参照符号は、本発明の理解を容易にするために実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。本発明にかかる遊技機(100)は、遊技盤(101)に対して動作する可動役物(130)と、前記可動役物(130)の位置を検出する検出手段(280)と、前記検出手段(280)による検出結果に基づいて、前記可動役物(130)を制御する役物制御手段(1700)と、を備え、前記役物制御手段(1700)は、前記可動役物(130)が停止している際の所定のタイミングで、前記検出手段(280)による検出結果を用いて、前記可動役物(130)が原点位置に位置しているか、または前記原点位置を除く非原点位置に位置しているかの位置判定をおこなう位置判定手段(1701)と、前記位置判定手段(1701)による判定結果に基づいて、前記可動役物(130)の動作を制御する動作制御手段(1702)と、前記動作制御手段(1702)によって前記可動役物(130)に対して所定の動作が制御されているときに、前記検出手段(280)による検出結果を用いて、前記原点位置から前記非原点位置または前記非原点位置から前記原点位置への位置の変化があることを示す通常状態であるか、または前記位置の変化がないことを示す非通常状態であるかの変化判定をおこなう変化判定手段(1703)と、を有し、前記動作制御手段(1702)は、前記変化判定手段(1703)によって前記非通常状態であると判定された場合、前記位置判定手段(1701)の判定結果にかかわらず、前記可動役物(130)の動作を規制することを特徴とする。
【0014】
すなわち、本発明は、可動役物(130)が原点位置に位置しているか否かの位置判定と、原点位置から非原点位置または非原点位置から原点位置への位置の変化があるか否かを判定する変化判定と、をおこない、可動役物(130)に対する所定の動作制御時に変化判定にて位置の変化がないと判定した場合には、位置判定の結果にかかわらず、可動役物(130)の動作を規制させるようにした。具体的には、変化判定によって位置の変化がない場合、つまり、可動役物(130)が動作していない場合に、位置判定の結果にかかわらず、可動役物(130)の動作を規制させるようにした。
【0015】
また、上記発明において、前記変化判定手段(1703)は、前記検出手段(280)による検出結果を用いて、前記変化判定として、前記位置の変化後、当該変化後の移行位置に継続して前記可動役物(130)が位置していることを示す前記通常状態であるか、または前記移行位置に継続して前記可動役物(130が位置しないことを示す前記非通常状態であるかの継続判定をおこない、前記動作制御手段(1702)は、前記変化判定手段(1703)による前記継続判定にて前記非通常状態であると判定された場合、前記位置判定手段(1701)の判定結果にかかわらず、前記可動役物(130)の動作を規制することを特徴とする。
【0016】
また、上記発明において、前記変化判定手段(1703)は、前記継続判定として、当該位置の変化後、前記移行位置に継続して前記可動役物(130)が位置している期間が、所定期間内であることを示す前記通常状態であるかまたは前記所定期間内ではないことを示す前記非通常状態であるかの期間判定をおこない、前記動作制御手段(1702)は、前記変化判定手段(1703)による前記期間判定にて前記非通常状態であると判定された場合、前記位置判定手段(1701)の判定結果にかかわらず、前記可動役物(130)の動作を規制することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、可動役物の破損を抑止することができ、可動役物を安定して使用することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の一例を示す説明図である。
【図2】本実施の形態の可動役物の構成例を示す正面図である。
【図3】本実施の形態の可動役物の構成例を示す側面図である。
【図4】本実施の形態の可動役物の構成例を示す分解斜視図である。
【図5】本実施の形態の可動役物の動作を示す側面図である。
【図6】本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図である。
【図7】当たり判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図8】図柄判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図9】非時短遊技状態において用いられる特図変動パターン判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図10】時短遊技状態において用いられる特図変動パターン判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図11−1】ハズレ時に用いる変動演出パターンテーブルの一例を示す説明図である。
【図11−2】大当たり時に用いる変動演出パターンテーブルの一例を示す説明図である。
【図12】可動役物の初動時に用いられる初動駆動データの一例を示す説明図である。
【図13】初動終了後に用いられる進出駆動データの一例を示す説明図である。
【図14】退避駆動データの一例を示す説明図である。
【図15】可動役物の停止時に用いられる停止駆動データの一例を示す説明図である。
【図16】可動役物の復帰処理時に用いられる復帰処理データの一例を示す説明図である。
【図17】本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の機能的構成を示すブロック図である。
【図18】メイン処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図19】タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図20】始動口スイッチ処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図21】特別図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図22】演出メイン処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図23】演出タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図24】コマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図25】特図コマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図26】変動演出選択処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図27】ランプコマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図28】可動役物処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図29】ランプ制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図30】起動時復帰処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図31−1】復帰動作処理の処理内容を示すフローチャート(その1)である。
【図31−2】復帰動作処理の処理内容を示すフローチャート(その2)である。
【図32】可動役物制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図33−1】演出開始時復帰処理の処理内容を示すフローチャート(その1)である。
【図33−2】演出開始時復帰処理の処理内容を示すフローチャート(その2)である。
【図34】レベルエラー時復帰処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図35】可動役物演出中処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図36】進出動作時処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図37】進出動作完了時処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図38】退避動作時処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図39】退避動作完了時処理の処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、本発明にかかる遊技機を、旧第一種に属するぱちんこ遊技機(いわゆる「デジパチ」)に適用した例である。
【0020】
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の一例を示す説明図である。図1に示すように、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機(本体)100は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、遊技球を発射する不図示の発射部が配置されている。
【0021】
発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下するようになっている。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域103において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口(始動口や大入賞口など)が配設されている。
【0022】
遊技盤101の略中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)などが用いられる。画像表示部104の下方には、第1始動口105と、第2始動口106とが配設されている。第1始動口105、第2始動口106は、始動入賞させるための入賞口である。
【0023】
第2始動口106の近傍には、普通電動役物(後述する普通図柄抽選の抽選結果に基づき動作する役物)としての電動チューリップ107が設けられている。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞し難くさせる閉状態(閉口された状態)と、閉状態よりも入賞しやすくさせる開状態(開放された状態)とを有する。これらの状態の制御は、電動チューリップ107が備えるソレノイドによっておこなわれる。
【0024】
電動チューリップ107は、画像表示部104の左側に配設されたゲート108を遊技球が通過したことによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。ゲート108は、画像表示部104の左側(図示の位置)に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。
【0025】
第2始動口106の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、大当たり状態となったときに開放され、遊技球の入賞により所定個数(たとえば15個)の賞球を払い出すための入賞口である。
【0026】
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口110が配設されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(たとえば10個)の賞球を払い出すための入賞口である。普通入賞口110は、図示の位置に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
【0027】
また、遊技盤101には、盤ランプが設けられ、演出内容に応じて点滅、点灯色等が点灯制御されている。遊技盤101の右下部分には、特別図柄が表示される特別図柄表示部112が配置されている。特別図柄表示部112は、第1特別図柄が表示される第1特別図柄表示部と、第2特別図柄が表示される第2特別図柄表示部とを有する。
【0028】
ここで、第1特別図柄は、遊技球が第1始動口105へ入賞することによりおこなう大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。第2特別図柄は、遊技球が第2始動口106へ入賞することによりおこなう大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。これらの大当たり抽選で大当たりに当選した場合に、ぱちんこ遊技機100は大当たり遊技状態となる。
【0029】
また、遊技盤101の右下部分には、普通図柄が表示される普通図柄表示部113が配置されている。ここで、普通図柄は、普通図柄抽選の抽選結果をあらわす図柄である。普通図柄抽選で当たりに当選した場合、上述したように、所定期間、電動チューリップ107は開状態となる。特別図柄表示部112や普通図柄表示部113としては、7セグメントディスプレイなどを採用することができる。
【0030】
特別図柄表示部112および普通図柄表示部113の左側には、特別図柄または普通図柄に対する保留球の数(以下「保留球数」という)を表示する保留球数表示部114が配置されている。たとえば、保留球数表示部114としてはLEDが用いられる。この保留球数表示部114としては、複数のLEDを備えるLED表示器などを採用することができる。
【0031】
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材115が設けられている。枠部材115は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材115は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
【0032】
枠部材115において遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部(枠ランプ)116が設けられている。演出ライト部116は、それぞれ複数のランプとモータ(不図示)とを有する。各ランプは、ぱちんこ遊技機100の正面にいる遊技者を照射する。また、各ランプは、モータの駆動により光の照射方向を上下方向・左右方向に変更することができる。また、各ランプは、ぱちんこ遊技機100の周囲を照射し、その照射位置がぱちんこ遊技機100を基準にして円をなすように、光の照射方向を回転させることもできる。
【0033】
枠部材115の下部位置には、操作ハンドル117が配置されている。操作ハンドル117は、上記の発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル117は、上記の枠部材115と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
【0034】
操作ハンドル117は、発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材118を備えている。発射指示部材118は、操作ハンドル117の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、操作ハンドル117には、遊技者が発射指示部材118を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。これにより、発射部は、発射指示部材118が遊技者によって直接操作されているときに遊技球を発射させる。
【0035】
枠部材115において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付ける演出ボタン119、カーソルキー120が設けられている。演出ボタン119、カーソルキー120は、ぱちんこ遊技機100において遊技者からの操作を受け付ける操作受付部を構成している。また、枠部材115には、音声を出力するスピーカ121が組み込まれている。
【0036】
画像表示部104の遊技者から見て前面となる位置には、可動役物130が配置されている。可動役物130は、駆動モータなどの駆動部を備え、画像表示部104の前面を移動自在にする。可動役物130は、所定の演出時に画像表示部104の上方から画像表示部104の前面中央に高速に移動(落下)するものである。図1では、所定の演出時ではない退避した状態を示している。可動役物130の詳細な構成については、図2などを用いて後述する。
【0037】
(ぱちんこ遊技機の基本動作)
つぎに、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100の基本動作の一例について説明する。ぱちんこ遊技機100は、遊技球が第1始動口105や第2始動口106へ入賞すると、入賞した始動口に応じた大当たり抽選をおこなう。第1始動口105へ遊技球が入賞して大当たり抽選をおこなうと、ぱちんこ遊技機100は第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動表示する。第2始動口106へ遊技球が入賞して大当たり抽選をおこなうと、ぱちんこ遊技機100は第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を変動表示する。
【0038】
特別図柄表示部112にて特別図柄の変動表示を開始すると、これに合わせて、画像表示部104にて3つの装飾図柄(演出用の図柄)の変動表示を開始する。その後、特別図柄の変動表示を開始して所定期間が経過したときには、ぱちんこ遊技機100は、変動表示開始時におこなった大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で、変動表示中の特別図柄を停止表示する。
【0039】
また、これに合わせて、3つの装飾図柄を大当たり抽選の抽選結果を示す組み合わせで停止表示する。たとえば、大当たりを示す組み合わせとしては、3つの装飾図柄が同一図柄を示す組み合わせ、いわゆる「ゾロ目」などがある。
【0040】
大当たりを示す図柄で特別図柄を停止表示すると、ぱちんこ遊技機100は、遊技状態を大当たり遊技状態として、当選した大当たりに応じたラウンド数分(たとえば15ラウンド)、大入賞口109を開放する。この開放中に、遊技球が大入賞口109へ入賞すると、ぱちんこ遊技機100は所定個数の賞球を払い出す。大当たりが終了すると、ぱちんこ遊技機100は、所定の変動回数(たとえば70変動)が経過するまで、大当たりに当選しやすい高確率遊技状態となる。
【0041】
また、たとえば、高確率遊技状態が設定されている期間、時短遊技状態とする。時短遊技状態とは、電動チューリップ107の開閉による遊技サポート機能(以下「電チューサポート機能」)が付与される遊技状態である。電チューサポート機能の具体的な内容としては、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、たとえば、普通図柄の変動時間の短縮および普通図柄当たりの当選確率の向上(電動チューリップ107の開放頻度の増加)や、電動チューリップ107の開放時間の長時間化などが挙げられる。
【0042】
(可動役物の構成)
つぎに、図2〜図4を用いて、可動役物の構成について説明する。図2は、本実施の形態の可動役物の構成例を示す正面図である。図3は、本実施の形態の可動役物の構成例を示す側面図である。図4は、本実施の形態の可動役物の構成例を示す分解斜視図である。可動役物130は、図1に示した画像表示部104の上方に設けられるものである。
【0043】
図2および図3は、可動役物130が退避した退避状態を示している。図2および図3において、可動役物130の正面部201は、ヨーヨーを形取った円形状をなし、固定配置されている。この正面部201の背部には、駆動部210の駆動により下降自在な円形状のヨーヨーを形取った装飾体202(可動役物130)が設けられている。
【0044】
図3に示すように、可動役物130は、駆動モータ211を具備する駆動部210を有している。駆動モータ211は、複数のギアからなるギア機構200を動作させる。ギア機構200は、以下に説明する各ギアである。駆動モータ211の回転軸には、第1ギア機構212が連結されている。第1ギア機構212は、ウォームギア220を有する。ウォームギア220は、駆動モータ211の出力軸に固定されたウォーム220aと、ウォーム220aに歯合連結するウォームホイール220bとからなる。
【0045】
つぎに、可動役物130のスライド機構について説明する。スライド機構は、可動役物130を鉛直方向に退避位置から進出位置へ移動させる機構である。第1ギア機構212は、中間体214に連結されている。図4に示すように、中間体214は、固定部材214aと、第1可動体214bと、第2可動体214cとからなる。固定部材214aは、第1ギア機構212が駆動した場合であっても動作せず、すなわち、ぱちんこ遊技機100の筐体に対して固定された状態を保持する。
【0046】
固定部材214aには、開口231が設けられている。第1ギア機構212は、この開口231を介して、第1可動体214bに設けられる第1ラックギア240に歯合連結している。また、固定部材214aには、長孔233が設けられている。この長孔233には、第1可動体214bに設けられる係止突起243が遊嵌している。係止突起243には、係止突起243が長孔233から脱落することを防止するための係止部材244がビス留めにより固定されている。これにより、駆動モータ211の回転にともなって、第1可動体214bは、固定部材214aに対して上下移動できるようになっている。
【0047】
また、第1可動体214bには、複数のギアからなる第2ギア機構242が設けられている。第2ギア機構242のうち一端のギア242aは、第1可動体214bの開口241を介して、固定部材214aに設けられる第2ラックギア232に歯合連結している。さらに、第2ギア機構242のうち他端のギア242bは、第2可動体214cに設けられる第3ラックギア230に歯合連結している。
【0048】
これにより、第2可動体214cは、第1可動体214bの上下移動にともなって第1可動体214bとともに上下移動するとともに、第2ギア機構242の回転により固定部材214aに対する変位にともなって、第1可動体214bに対しても変位(昇降)するようになっている。
【0049】
また、駆動モータ211を支持するモータ支持部250にセンサ280が設けられている。センサ280は、コの字状に形成され、発光部と受光部が対向して配置される光学センサ(フォトインタラプタ)からなる。センサ280は、係止部材244に設けられる被検出部245を検出する。
【0050】
具体的には、発光部と受光部との間に被検出部245が位置し、センサ280が被検出部245を検出している場合、第1可動体214bが退避位置付近に位置していることが検出されることになる。一方、発光部と受光部との間に、被検出部245が位置せず、センサ280が被検出部245を検出しない場合、第1可動体214bが退避位置付近に位置していないことが検出されることになる。
【0051】
図5は、本実施の形態の可動役物の動作を示す側面図である。駆動モータ211が回転すると、この回転にともなって、第1ギア機構212が回転する。第1ギア機構212が回転すると、第1ラックギア240によって第1可動体214bが下降する。このとき第1可動体214bに設けられる第2ギア機構242は、固定部材214aの第2ラックギア232に対して回転し、この回転力を第2可動体214cの第3ラックギア230に伝達し、第2可動体214cを下降させる。
【0052】
すなわち、第2可動体214cは、駆動モータ211によって直接駆動されるのではなく、固定部材214aに設けられる第2ラックギア232に歯合する第2ギア機構242を介して駆動力を得る構成となっている。
【0053】
このように、第1可動体214bは、固定部材214aに対してのみ上下移動するものである。一方、第2可動体214cは、第1可動体214bとともに固定部材214aに対して上下移動するとともに、第1可動体214bに対しても上下移動するようになっている。このような構成により、可動役物130は、移動距離を長くし、インパクトのある演出をおこなえるようになっている。
【0054】
(ぱちんこ遊技機の内部構成)
つぎに、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100の内部構成について説明する。図6は、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図である。図6に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部600は、ぱちんこ遊技機100における遊技の進行を制御する主制御部601と、ぱちんこ遊技機100がおこなう演出の演出内容を制御する演出制御部602と、ぱちんこ遊技機100がおこなう賞球の払い出しを制御する賞球制御部603とを備えている。以下にそれぞれの制御部について詳細に説明する。
【0055】
(1.主制御部)
主制御部601は、CPU(Central Processing Unit)611と、ROM(Read Only Memory)612と、RAM(Random Access Memory)613と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
【0056】
CPU611は、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行に関する各種プログラムを実行する。ROM612には、CPU611が上記の処理を実行するために必要となる各種プログラムや当該プログラム実行時に用いる各種テーブルなどが記憶されている。RAM613は、CPU611のワークエリアとして機能する。なお、CPU611が上記のプログラムを実行することによりRAM613に設定されたデータは、所定のタイミングで主制御部601に接続された各構成に対して送信される。
【0057】
すなわち、主制御部601は、CPU611がRAM613をワークエリアとして使用しながら、ROM612に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行を制御するように機能する。たとえば、主制御部601は、主制御基板(公知の技術のため詳細な説明は省略する)によって実現される。
【0058】
主制御部601には、遊技球を検出する検出手段として機能する各種スイッチ(SW)、大入賞口109などの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、上記の第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113、保留球数表示部114などが接続される。
【0059】
具体的に、上記の各種SWとしては、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW621と、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW622と、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW623と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW624と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW625とが主制御部601に接続される。
【0060】
それぞれのSW(621〜625)による検出結果は主制御部601へ入力される。これらのSWには、近接スイッチなどを用いることができる。なお、普通入賞口SW625は、普通入賞口110の配置位置別に複数個設けてもよい。
【0061】
また、上記のソレノイドとしては、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド631と、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド632とが主制御部601に接続される。主制御部601は、それぞれのソレノイド(631,632)に対する駆動を制御する。たとえば、主制御部601は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて電動チューリップソレノイド631の駆動を、大当たり抽選の抽選結果に基づいて大入賞口ソレノイド632の駆動を、それぞれ制御する。
【0062】
また、主制御部601は、大当たり抽選(第1大当たり抽選、第2大当たり抽選)、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて、第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113の表示内容を制御する。たとえば、主制御部601は、第1大当たり抽選をおこなうと第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動表示させる。そして、所定期間経過後に、第1大当たり抽選の抽選結果を示す図柄にて第1特別図柄を停止表示させる。
【0063】
同様に、主制御部601は、第2大当たり抽選をおこなうと第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を、普通図柄抽選をおこなうと普通図柄表示部113の普通図柄を、変動/停止表示させる。
【0064】
さらに、主制御部601は、演出制御部602および賞球制御部603にも接続され、それぞれに対して各種コマンドを送信する。たとえば、主制御部601は、大当たり抽選をおこなうと、演出制御部602に対して変動開始コマンドを送信する。ここで、変動開始コマンドには、大当たり抽選の抽選結果(停止表示させる特別図柄の種類)、現在の遊技状態、大当たり抽選の抽選結果を示すまでに特別図柄を変動表示させる時間(以下「特図変動パターン」という)などを示す情報が含まれている。
【0065】
また、主制御部601は、各入賞口(始動口105,106、大入賞口109、普通入賞口110)へ入賞した遊技球を検出すると、賞球制御部603に対して賞球コマンドを送信する。ここで、賞球コマンドには、払い出させる賞球の個数などを示す情報が含まれている。
【0066】
(2.演出制御部)
演出制御部602は、演出統括部602aと、画像・音声制御部602bと、ランプ制御部602cとによって構成され、ぱちんこ遊技機100がおこなう演出の演出内容を制御する機能を有する。ここで、演出統括部602aは、主制御部601から受信したコマンド(たとえば変動開始コマンド)に基づいて演出制御部602全体を統括する機能を有している。画像・音声制御部602bは、演出統括部602aからの指示に基づき、画像および音声の制御をおこなう機能を有している。ランプ制御部602cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯を制御する機能を有している。
【0067】
(2−1.演出統括部)
まず、演出統括部602aの構成について説明する。演出統括部602aは、CPU641と、ROM642と、RAM643と、リアルタイムクロック(以下「RTC」という)644と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
【0068】
CPU641は、ぱちんこ遊技機100において演出をおこなう演出制御部602全体を統括するための各種プログラムを実行する。ROM642には、CPU641が上記の処理を実行するために必要となるプログラムなどが記憶されている。RAM643は、CPU641のワークエリアとして機能する。CPU641がプログラムを実行することによりRAM643にセットされたデータは、所定のタイミングで画像・音声制御部602bおよびランプ制御部602cに対して送信される。
【0069】
すなわち、演出統括部602aは、CPU641がRAM643をワークエリアとして使用しながら、ROM642に記憶されたプログラムを実行することによって、演出制御部602全体を統括するように機能する。たとえば、演出統括部602aは、変動開始コマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて実行する演出を決定し、画像・音声制御部602b、ランプ制御部602cに所定の処理を実行するように指示出力して、演出制御部602全体を統括する。
【0070】
RTC644は、実時間を計時出力する計時手段として機能する。RTC644は、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されてもバックアップ電源(不図示)により計時動作を継続する。また、演出統括部602aには演出ボタン119などが接続されている。演出ボタン119は、操作されたボタンやキーに対応する信号を演出統括部602aへ入力する。
【0071】
(2−2.画像・音声制御部)
つぎに、画像・音声制御部602bの構成について説明する。画像・音声制御部602bは、CPU651と、ROM652と、RAM653と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
【0072】
CPU651は、画像表示部104の表示制御に関する処理や、スピーカ121からの音声出力に関する処理をおこなうためのプログラムを実行する。また、CPU651は、有効期間を設定するためのプログラムを実行する。ROM652には、上記の処理をおこなうためのプログラム、当該処理に必要となる背景画像・装飾図柄画像・キャラクタ画像などの画像データなどの演出用データが記憶されている。
【0073】
RAM653は、CPU651のワークエリアとして機能するとともに、画像表示部104に表示させる画像の表示データやスピーカ121から出力させる音声データが一時的に格納される。たとえば、RAM653には、画像表示部104に表示させる画像をあらわす画像データが一時的に格納されるVRAM(Video RAM)などが含まれる。
【0074】
すなわち、画像・音声制御部602bは、CPU651がRAM653をワークエリアとして使用しながら、ROM652に記憶されたプログラムを実行することによって、演出統括部602aからの指示に基づき、画像表示部104に表示させる画像や、スピーカ121から出力させる音声の制御をおこなうように機能する。
【0075】
たとえば、CPU651は、演出統括部602aから指示された指示内容に基づいて、画像表示部104に表示する表示内容を制御する表示制御処理(不図示)、スピーカ121から出力される音声内容を制御する音声制御処理(不図示)などを実行する。このときには、CPU651は、処理に必要な画像データおよび音声データをROM652から読み出してRAM653に書き込む。
【0076】
RAM653に書き込まれた背景画像や装飾図柄などの画像データは、VRAM(Video RAM)に格納され、所定のタイミングで画像表示部104に対して出力され、画像表示部104の表示画面上において重畳表示される。たとえば、装飾図柄は、背景画像よりも手前に見えるように表示される。表示画面上において、同一位置に背景画像と装飾図柄が重なる場合などには、画像を階層構造に重ねたレイヤを設定することにより、装飾図柄を背景画像よりも手前に見えるように表示させる。たとえば、下層のレイヤには背景画像を設定し、その上の階層に装飾図柄を設定し、さらにその上の階層に予告画像を設定したりする。
【0077】
また、RAM653に書き込まれた音声データは、画像・音声制御部602bに接続されたスピーカ121に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ121から出力される。
【0078】
(2−3.ランプ制御部)
つぎに、ランプ制御部602cの構成について説明する。ランプ制御部602cは、CPU661と、ROM662と、RAM663と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU661は、演出ライト部116や盤ランプ664などのランプの点灯を制御したり、可動役物130の駆動を制御したりするための処理を実行する。
【0079】
ROM662には、上記の処理を実行するために必要となる各種プログラム、当該処理に必要となるデータや、可動役物130を動作させるための駆動データ(たとえば、図12〜図16を用いて後述する可動役物130の駆動データ)などが記憶されている。RAM663は、CPU661のワークエリアとして機能する。
【0080】
ランプ制御部602cは、演出ライト部(枠ランプ)116、可動役物130が有するランプ、盤ランプ664などに接続され、各種ランプの点灯を制御する。このほか、可動役物130の動作を制御する。たとえば、可動役物130に対しては、センサ280の検出結果を用いて、駆動モータ211を制御する。
【0081】
たとえば、ランプ制御部602cは、可動役物130が原点位置に位置しているか否かのレベル判定と、非原点位置から原点位置への位置の変化があるか否かを判定するエッジ判定と、をおこない、可動役物130に対する所定の動作制御時にエッジ判定にて位置の変化がないと判定した場合には、レベル判定の結果にかかわらず、可動役物130の動作を規制させる。
【0082】
本実施の形態では、演出制御部602は、演出統括部602aと画像・音声制御部602bとランプ制御部602cとがそれぞれ異なる基板機能として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しているものとする。
【0083】
(3.賞球制御部)
つぎに、賞球制御部603の構成について説明する。賞球制御部603は、CPU681と、ROM682と、RAM683と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU681は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ROM682には、当該処理に必要となるプログラムなどが記憶されている。RAM683は、CPU681のワークエリアとして機能する。
【0084】
また、賞球制御部603は、払出部(払出駆動モータ)691と、発射部692と、定位置検出SW693と、払出球検出SW694と、球有り検出SW695と、満タン検出SW696と接続される。
【0085】
賞球制御部603は、払出部691に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部691は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。具体的には、賞球制御部603は、払出部691に対して各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
【0086】
また、賞球制御部603は、発射部692に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部692は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部603は、発射部692のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
【0087】
また、この賞球制御部603には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出SW693、払出球検出SW694、球有り検出SW695、満タン検出SW696などがある。たとえば、賞球制御部603は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
【0088】
上記構成の主制御部601と、演出制御部602と、賞球制御部603は、それぞれ異なるプリント基板(主制御基板、演出制御基板、賞球制御基板)に設けられる。これに限らず、たとえば、賞球制御部603は、主制御部601と同一のプリント基板上に設けることもできる。
【0089】
また、主制御部601には、盤用外部情報端子基板697が接続されており、主制御部601が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部603についても、枠用外部情報端子基板698が接続されており、賞球制御部603が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
【0090】
(当たり判定テーブルの一例)
つぎに、図7を用いて、主制御部601がおこなう大当たり抽選時に用いられる当たり判定テーブルについて説明する。図7は、当たり判定テーブルの一例を示す説明図である。図7に示すように、当たり判定テーブルAtは、低確率当たり判定テーブルAt1と、高確率当たり判定テーブルAt2とから構成される。低確率当たり判定テーブルAt1および高確率当たり判定テーブルAt2は、大当たりに対して、所定の判定値を対応づけて構成される。
【0091】
本実施の形態では、始動入賞時に取得可能な当たり乱数のとり得る「範囲」は「0〜199」のうち、いずれか一つの数値となっている。当たり判定では、始動入賞時に取得した乱数が、判定値と一致するか否かの判定がおこなわれる。当たり判定において、大当たりに対する「割合(当選確率)」は、それぞれに対応づけられた判定値の個数によって定められる。低確率当たり判定テーブルAt1では大当たりに対して判定値「0(1個)」を割り当てている。一方、高確率当たり判定テーブルAt2では大当たりに対して判定値「0〜4(5個)」を割り当てている。
【0092】
ぱちんこ遊技機100は、高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがOFFに設定されていた場合には、低確率当たり判定テーブルAt1を用いて当たり判定をおこなう。当たり判定時に高確遊技フラグがONに設定されていた場合には、高確率当たり判定テーブルAt2を用いて当たり判定をおこなう。そして、始動入賞時に取得した当たり乱数が「判定値」と一致した場合には大当たりに当選したと判定し、そして、当たり乱数が「判定値」に一致しない場合にはハズレであると判定する。
【0093】
高確遊技フラグがOFF(低確率遊技状態)に設定されて低確率当たり判定テーブルAt1を用いて当たり判定をおこなった場合、「割合(当選確率)」は、「1/200」となる。一方、高確遊技フラグがON(高確率遊技状態)に設定されて高確率当たり判定テーブルAt2を用いて当たり判定をおこなった場合、「割合(当選確率)」は、1/40(=5/200)となる。つまり、高確遊技フラグがONに設定されているときには、高確遊技フラグがOFFに設定されているときよりも、5倍程度、大当たりに当選しやすくなっている。
【0094】
(図柄判定テーブルの一例)
つぎに、図8を用いて、主制御部601がおこなう大当たり抽選時に用いられる図柄判定テーブルについて説明する。図8は、図柄判定テーブルの一例を示す説明図である。図柄判定テーブルは、当たり判定の結果、大当たりに当選した場合に、大当たりの種別(大当たり図柄)を判定するために用いられるテーブルである。
【0095】
図8に示すように、図柄判定テーブルZtは、第1図柄判定テーブルZt1と、第2図柄判定テーブルZt2とから構成される。第1図柄判定テーブルZt1および第2図柄判定テーブルZt2は、各大当たりの種別(図示の例では16R短当たり、16R長当たり、4R当たり)に対して、所定の判定値を対応づけて構成される。第1図柄判定テーブルZt1は、第1始動口105へ入賞した遊技球の図柄判定に用いられる。第2図柄判定テーブルZt2は、第2始動口106へ入賞した遊技球の図柄判定に用いられる。
【0096】
ここで、第1図柄判定テーブルZt1および第2図柄判定テーブルZt2の判定値は、図柄判定における各大当たりの種別に対する当選確率を定めている。具体的に、図柄判定において、大当たりの種別に対する当選確率は、それぞれに対応づけられた判定値の個数によって定められる。第1図柄判定テーブルZt1では、「0〜99」の範囲のうち、16R長当たりに対して判定値「0〜4(5個)」を割り当てている。つまり、大当たりに当選した場合、16R長当たりとなる割合(確率)は、5%(=5/100)になっている。
【0097】
また、第1図柄判定テーブルZt1では16R短当たりに対して判定値「5〜39(35個)」を割り当てている。つまり、大当たりに当選した場合、16R短当たりとなる割合(確率)は、35%(=35/100)になっている。さらに、第1図柄判定テーブルZt1では4R当たりに対して判定値「40〜99(60個)」を割り当てている。つまり、大当たりに当選した場合、4R当たりとなる割合(確率)は、60%(=60/100)になっている。
【0098】
一方、第2図柄判定テーブルZt2では16R長当たりに対して判定値「0〜39(40個)」を割り当てている。つまり、大当たりのうち、16R長当たりとなる割合(確率)は、40%(=40/100)になっている。また、第2図柄判定テーブルZt2では16R短当たりに対して判定値の割り当てがなく、4R当たりに対して判定値「40〜99(60個)」を割り当てている。つまり、大当たりのうち、16R短当たりとなる割合(確率)は、0%(=0/100)になっており、4R当たりとなる割合(確率)は、60%(=60/100)になっている。
【0099】
第2始動口106への入賞による図柄判定では、第1始動口105への入賞による図柄判定よりも16R長当たりに当選しやすい傾向としている。つまり、第2始動口106への入賞による図柄判定は、第1始動口105への入賞による図柄判定よりも遊技者にとって有利なものとなっている。
【0100】
(特図変動パターン判定テーブルの一例)
つぎに、図9および図10を用いて、主制御部601がおこなう大当たり抽選時に用いられる特図変動パターン判定テーブルについて説明する。図9は、非時短遊技状態において用いられる特図変動パターン判定テーブルの一例を示す説明図である。図9に示すように、特図変動パターン判定テーブルHtは、第1特図変動パターン判定テーブルHt1と、第2特図変動パターン判定テーブルHt2とを有している。第1特図変動パターン判定テーブルHt1および第2特図変動パターン判定テーブルHt2は、各特図変動パターンHp1〜Hp6に対して、所定の判定値を対応づけて構成される。
【0101】
特図変動パターンHp1〜Hp6は、特別図柄の変動態様を定義したものであり、たとえば、特別図柄を変動させる期間(以下「変動時間」という)を定義している。特図変動パターンHp1は、ノーマルハズレ演出がおこなわれる特図変動パターンであり、特図変動パターンHp2〜Hp6はリーチ演出がおこなわれる特図変動パターンである。
【0102】
第1特図変動パターン判定テーブルHt1および第2特図変動パターン判定テーブルHt2の判定値は、特図変動パターン判定における各特図変動パターンHp1〜Hp6に対する当選確率を定めている。具体的に、特図変動パターン判定において、各特図変動パターンHp1〜Hp6の当選確率は、それぞれに対応づけられた判定値の個数によって定められる。たとえば、特図変動パターンHp1は、12秒の変動時間を有し、ノーマルハズレ演出がおこなわれる特図変動パターンであり、判定値が「0〜80」の場合に当選する。
【0103】
なお、特図変動パターンHp6は、大当たり確定を示す演出をおこなうためのものであり、第1特図変動パターン判定テーブルHt1では選択されないようになっている。また、特図変動パターンHp1は、ノーマルハズレ演出をおこなうためのものであり、第2特図変動パターン判定テーブルHt2では選択されないようになっている。
【0104】
第2特図変動パターン判定テーブルHt2において、特図変動パターンHp2〜Hp6は、大当たり時に、いずれか一つが選択されるようになっている。ぱちんこ遊技機100は、非時短遊技状態における当たり判定の判定結果がハズレの場合には、第1特図変動パターン判定テーブルHt1を用いて特図変動パターン判定をおこなう。また、非時短遊技状態における当たり判定の判定結果が大当たりの場合には、第2特図変動パターン判定テーブルHt2を用いて特図変動パターン判定をおこなう。
【0105】
第1特図変動パターン判定テーブルHt1および第2特図変動パターン判定テーブルHt2に示すように、変動時間が長い特図変動パターンほど大当たり時に判定されやすく、ハズレ時に選択されにくくなっており、つまり、変動時間が長い特図変動パターンほど大当たりに対する信頼度が高くなるように、各特図変動パターンHp1〜Hp6の判定値が定められている。
【0106】
図10は、時短遊技状態において用いられる特図変動パターン判定テーブルの一例を示す説明図である。図10に示すように、特図変動パターン判定テーブルDHtは、第3特図変動パターン判定テーブルHt3と、第4特図変動パターン判定テーブルHt4とを有している。第3特図変動パターン判定テーブルHt3は、時短遊技状態(電チューサポート機能付き遊技状態)におけるハズレ時に用いられる。第4特図変動パターン判定テーブルHt4は、時短遊技状態における大当たり時に用いられる。
【0107】
第3特図変動パターン判定テーブルHt3は、各特図変動パターンHp1,Hp4,Hp5,Hp7に対して、所定の判定値を対応づけて構成される。第3特図変動パターン判定テーブルHt3は、判定値が「0〜89」の場合、第2始動口106への入賞による保留情報(特2保留)の有無によって、特図変動パターンHp1またはHp7が選択されるようになっている。
【0108】
具体的には、特図変動パターンHp1は、12秒の変動時間を有し、ノーマルハズレ演出がおこなわれる特図変動パターンであり、判定値が「0〜89」の場合であり、且つ、第2始動口106への入賞による保留情報(特2保留)がない(0)場合に当選する。また、特図変動パターンHp7は、1秒の変動時間を有し、ノーマルハズレ演出がおこなわれる特図変動パターンであり、判定値が「0〜89」の場合であり、且つ、第2始動口106への入賞による保留情報(特2保留)がある(1以上)場合に当選する。このように、判定値が「0〜89」の場合、特2保留の有無によって、特図変動パターンHp1またはHp7のいずれか一方が選択されるようになっている。
【0109】
ここで、特図変動パターンHp7の変動をおこなうようにしている点について補足しておく。本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100は、第1始動口105への入賞による保留情報(特1保留)よりも特2保留を優先して変動させるようにしている。時短遊技状態においては、電チューサポート機能により特2保留が1以上記憶される状態が往々にして発生するようになっており、このような状態において、特図変動パターンHp7の変動により、迅速な遊技を可能にしている。
【0110】
また、時短遊技状態において、特2保留がない場合には、12秒の変動時間を有する特図変動パターンHp1の変動をおこなうことにより、遊技球を第2始動口106へ入賞させるための時間を稼ぐとともに、特1保留が記憶されている場合における特1保留による遊技者にとって不利な変動をおこないにくくしている。
【0111】
具体的には、特2保留がない状態において、特2保留による特図変動パターンHp1の変動が終了したとき、第1始動口105への入賞による遊技者にとって不利な保留情報(特1保留)が記憶されている場合には、この特1保留による遊技者にとって不利な変動が開始されてしまう。本実施の形態では、時短遊技状態における特1保留による変動では、保留数にかかわらず、判定値が「0〜89」の場合、特図変動パターンHp1を用いた12秒の変動をおこなうようにしている。これにより、時短遊技状態において、特1保留による遊技者にとって不利な変動がおこなわれにくくしている。すなわち、第2始動口106へ入賞させるための時間を稼ぐようにし、遊技者にとって不利な特1保留による変動をおこないにくくしている。
【0112】
また、第3特図変動パターン判定テーブルHt3では、第1特図変動パターン判定テーブルHt1(図9参照)に比べて、ハズレ用の特図変動パターンHp1,Hp7の選択される割合が高くなっており、リーチ演出をおこないにくくして、迅速な遊技をおこなわせるようにしている。
【0113】
第4特図変動パターン判定テーブルHt4は、各特図変動パターンHp4〜Hp6に対して、所定の判定値を対応づけて構成される。第4特図変動パターン判定テーブルHt4では、判定値が「0〜29」の場合に特図変動パターンHp4が選択され、判定値が「30〜89」の場合に特図変動パターンHp5が選択され、判定値が「90〜99」の場合に特図変動パターンHp6が選択されるようになっている。
【0114】
第3特図変動パターン判定テーブルHt3および第4特図変動パターン判定テーブルHt4では、リーチ演出用の特図変動パターンHpとして、特図変動パターンHp2,Hp3が選択されないようにし、すなわち、信頼度の高い特図変動パターンHp4,Hp5のみが選択可能になっている。つまり、遊技者に有利な時短遊技状態においては、遊技者をより高揚させることができる信頼度の高いリーチのみをおこなうようにしている。
【0115】
(変動演出パターンテーブルの一例)
つぎに、図11−1および図11−2を用いて、演出統括部602aが変動演出パターンを選択する際に用いる変動演出パターンテーブルの一例について説明する。図11−1は、ハズレ時に用いる変動演出パターンテーブルの一例を示す説明図である。図11−1に示すように、変動演出パターンテーブルEt1は、特図変動パターンHp1〜Hp5,Hp7に対して、各変動演出パターンEp11〜Ep51,Ep71を対応づけて構成される。ここで、変動演出パターンEp11〜Ep51,Ep71は、ノーマルハズレ演出やリーチ演出などの変動演出の演出内容を定義したものである。
【0116】
ノーマルハズレ演出(変動演出パターンEp11,Ep71)は、特図変動パターンHp1(非時短遊技状態におけるハズレ変動)および特図変動パターンHp7(時短遊技状態におけるハズレ変動)に対応づけられ、最も頻出する通常のハズレ演出である。リーチ演出とは、たとえば3つ演出図柄(第1演出図柄〜第3演出図柄)を変動させる場合、第1演出図柄および第2演出図柄を有効ライン上に同一のものを揃えた後に、第3演出図柄のみを変動させ、演出時間を通常よりも長くして、大当たりへの期待を高めるようにした演出である。
【0117】
リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、低信頼度リーチ演出、中信頼度リーチ演出、高信頼度リーチ演出、プレミアリーチ演出(図11−2の変動演出パターンEp61,Ep62)がある。たとえば、特図変動パターンHp4の場合、変動演出パターンEp41,Ep42が対応づけられている。可動役物130がエラー状態ではない場合には、変動演出パターンEp42が用いられ、可動役物130を併用する(動作させる)中信頼度リーチ演出2がおこなわれる。
【0118】
可動役物130がエラー状態である場合には、変動演出パターンEp41が用いられ、可動役物130を併用しない(動作させない)中信頼度リーチ演出1がおこなわれる。特図変動パターンHp5の場合の高信頼度リーチ演出についても同様に、可動役物130を用いる変動演出パターンEp51と、可動役物130を用いる変動演出パターンEp52とをとり得るようになっている。
【0119】
変動演出パターンEp11〜Ep51にしたがって、大当たりに対する信頼度が高くなっている。なお、信頼度の高いリーチ演出である変動演出パターンEp42,Ep52では、可動役物130を用いた(動作させる)演出がおこなわれる。言い換えれば、可動役物130が動作すると信頼度の高い変動演出となるようにしている。
【0120】
図11−2は、大当たり時に用いる変動演出パターンテーブルの一例を示す説明図である。図11−2に示すように、変動演出パターンテーブルEt2は、特図変動パターンHp2〜Hp6に対して、各変動演出パターンEp21〜Ep62を対応づけて構成される。各特図変動パターンHp2〜Hp6に対して、それぞれ、可動役物130のエラー状態に応じて、可動役物130を用いない変動演出パターンEp21,Ep31,Ep41,Ep51,Ep61と、可動役物130を用いる変動演出パターンEp22,Ep32,Ep42,Ep52,Ep62とをとり得るようになっている。
【0121】
なお、変動演出パターンEp21〜Ep62は、全て大当たりに至るリーチ演出である。変動演出パターンEp61,Ep62のプレミアリーチ演出1,2は、大当たり確定を示す演出であり、たとえば、第1演出図柄〜第3演出図柄を全て同一の図柄で変動させる、いわゆる全回転リーチなどである。
【0122】
(駆動データの一例)
つぎに、図12〜図16を用いて、可動役物130に用いられる駆動モータ211の駆動データの一例について説明する。図12は、可動役物の初動時に用いられる初動駆動データの一例を示す説明図である。図12に示す初動駆動データ1200は、可動役物130を進出動作させる際に、センサ280によって可動役物130に設けられる被検出部245(図3〜図5参照)が検出されなくなる位置(以下「非検出位置」という)に到達するまでの間(いわゆる「フォト抜け」までの間)、用いられるデータである。
【0123】
つまり、初動駆動データ1200は、可動役物130がわずかに下方へ移動するまでの間、用いられるデータである。初動駆動データ1200は、ランプ制御部602cのROM662に記憶されている。初動駆動データ1200は、ステップ数と回転速度(パルス)との関係を示している。具体的に説明すると、たとえば、最初の10ステップは450ppsで回転(正転)させ、つぎの10ステップは550ppsで回転させるデータとなっている。すなわち、20ステップ程度で、可動役物130がフォト抜けするようになっている。可動役物130(第1可動体214b)が下方へ移動することによって、センサ280によって被検出部245が検出されなくなると、図13に示す進出駆動データに切り替えられる。
【0124】
図13は、初動終了後に用いられる進出駆動データの一例を示す説明図である。図13において、進出駆動データ1300は、非検出位置に到達した初動終了後(フォト抜け後)に用いられる。具体的には、進出駆動データ1300は、最初の20ステップは700ppsで回転させ、つぎの2ステップは801ステップで回転させ、以降、所定ステップ毎に回転速度がそれぞれ対応づけられている。このような進出駆動データ1300は、可動役物130が進出位置に到達するまで、各ステップ数と回転速度とが対応づけられている。進出駆動データ1300は、ランプ制御部602cのROM662に記憶されている。
【0125】
符号xに示す間の駆動データは、ステップ数の増加(切り替え)にともなって、回転速度も上がるようになっており、可動役物130の落下速度に相当する速度データである。なお、符号xに示す間の駆動データは、可動役物130の落下速度よりも遅い速度とならないものであればよく、たとえば、可動役物130の落下速度よりも速い速度となるデータとしてもよい。
【0126】
符号yに示す駆動データは、回転速度を落として、大きなトルクを得るようにしている。これについて、補足しておく。本実施の形態においては、可動役物130が進出方向へ移動すると、これにともなって、可動役物130のLEDを点灯させるための信号線(フレキシブルケーブル)も進出方向へ移動する。フレキシブルケーブルには、可動役物130の退避移動時にケーブルのタワミやヨレを抑えるために、フレキシブルケーブルを退避方向に付勢する付勢バネが接続されている。
【0127】
そのため、フレキシブルケーブルが進出方向へ移動すると、付勢バネが伸張するようになっている。付勢バネが伸張すると、退避方向への付勢力(弾性力)が強く作用し、所定の位置(以下「釣合い位置」という)に至ると、付勢バネの付勢力と、進出方向の重力とが釣合うこととなる。
【0128】
本実施の形態では、所定の演出時に、可動役物130を退避位置から進出方向へ向けて高速移動させるようにしており、すなわち、可動役物130を低トルクで移動させるようにしている。そのため、仮に、釣合い位置付近において、それまでの速度と同等の速度で動作させたとすると、駆動モータ211のトルクに対して付勢バネによる付勢力が強くなりすぎ、円滑な高速動作ができなくなるおそれがある。
【0129】
そこで、本実施の形態では、釣合い位置付近において、符号yに示す駆動データを用いて、駆動モータ211の回転速度を、釣合い位置付近に至るまでの可動役物130の速度よりも低速にすることによって、大きなトルクを得るようにし、可動役物130の円滑な移動を可能にしている。
【0130】
なお、符号yに示す駆動データは、回転速度を落としているものの、この減速は、可動役物130が高速に動作しているため、遊技者が減速を視認できるほどの速度ではない。また、符号zに示す駆動データは、釣合い位置を過ぎてから高速に動作させるデータを示している。そして、可動役物130が進出位置に到達すると、図14に示す退避駆動データに切り替えられる。
【0131】
図14は、退避駆動データの一例を示す説明図である。図14において、退避駆動データ1400は、可動役物130が進出位置から退避する際に用いられる。具体的には、退避駆動データ1400は、たとえば、最初の10ステップは500ppsで逆転させ、つぎの10ステップは520ステップで逆転させ、以降、所定ステップ毎に回転速度がそれぞれ対応づけられている。なお、退避させる際には、駆動モータ211を逆転させるためステップ数はマイナスとなっている。
【0132】
このような退避駆動データ1400は、センサ280によって可動役物130に設けられる被検出部245(図3〜図5参照)が検出される位置(以下「検出位置」という)に到達するまで、各ステップ数と回転速度とが対応づけられている。退避駆動データ1400は、ランプ制御部602cのROM662に記憶されている。可動役物130(第1可動体214b)が上方へ移動することによって、センサ280によって被検出部245が検出されると、図15に示す停止駆動データに切り替えられる。
【0133】
図15は、可動役物の停止時に用いられる停止駆動データの一例を示す説明図である。図15に示す停止駆動データ1500は、可動役物130が検出位置に到達した後(原点位置に到達した後)に、停止させるまでの間、用いられるデータである。停止駆動データ1500は、ランプ制御部602cのROM662に記憶されている。停止駆動データ1500は、ステップ数と回転速度(パルス)との関係を示している。
【0134】
具体的に説明すると、たとえば、最初の10ステップは350ppsで逆転させ、つぎの10ステップは330ppsで逆転させるデータとなっている。このような停止駆動データ1500は、可動役物130の退避動作時に、可動役物130が原点位置に位置した後に、可動役物130を停止させるために用いられる。
【0135】
図16は、可動役物の復帰処理時に用いられる復帰処理データの一例を示す説明図である。図16に示す復帰処理データ1600は、電源投入時、復旧時、変動開始時などにおこなう復帰処理時に用いられるデータである。復帰処理データ1600は、ランプ制御部602cのROM662に記憶されている。復帰処理データ1600は、ステップ数と回転速度(パルス)との関係を示している。
【0136】
具体的に説明すると、たとえば、最初の60ステップは400ppsで正転させることによりフォト抜けさせ、つぎの40ステップは400ppsで逆転させて退避位置に戻らせるデータとなっている。なお、正転が60ステップであるに対して逆転が40ステップとなっているが、元の位置に戻すための残りの逆転20ステップについては、停止駆動データ1500(図15参照)が用いられる。
【0137】
復帰処理データ1600は、進出方向に60ステップしか進出させず、つまり、フォト抜け後に、すぐに元の位置に戻らせるデータとしている。なお、本実施の形態では、電源投入時、復旧時および変動開始時に、同一の復帰処理データ1600を用いるようにしているが、可動役物130を最大限進出させてから退避させるデータを別途用意しておき、電源投入時には当該データを用いるようにしてもよい。
【0138】
(ぱちんこ遊技機の機能的構成)
つぎに、図17を用いて、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100の機能的構成について説明する。図17は、本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の機能的構成を示すブロック図である。図17において、ぱちんこ遊技機100は、センサ280と、可動役物130と、役物制御部1700とを備えている。
【0139】
可動役物130は、遊技盤101に対して予め定めた移動範囲内を進退自在に動作する。具体的には、可動役物130は、退避した退避位置と進出した進出位置との間を移動するものである。本実施の形態では、可動役物130は、上下方向の移動をおこなうものであるが、これに限らず、横方向や斜め方向などに移動するものであってもよい。
【0140】
センサ280は、本発明の検出手段に相当し、可動役物130の位置を検出する。具体的には、センサ280は、可動役物130の移動範囲内に配置されて、可動役物130が原点位置に位置したことを検出する。センサ280は、可動役物130が原点位置に位置している場合に「H(High)」を検出し、非原点位置に位置している場合に「L(Low)」を検出する。
【0141】
センサ280は、進出動作時に初動駆動データ1200(図12参照)から進出駆動データ1300(図13参照)に切り替えるためのものであるとともに、退避動作時に退避駆動データ1400(図14参照)から停止駆動データ1500(図15参照)に切り替えるためのものである。なお、センサ280によって可動役物130が検出されている位置が原点位置となる。
【0142】
役物制御部1700は、センサ280による検出結果に基づいて、可動役物130を制御する。役物制御部1700は、位置判定部1701と、動作制御部1702と、変化判定部1703と、を有している。位置判定部1701は、可動役物130が停止している際の所定のタイミングで、センサ280による検出結果を用いて、可動役物130が原点位置に位置しているか(センサ280がHを検出しているか)、または原点位置を除く非原点位置に位置しているか(センサ280がLを検出しているか)の位置判定をおこなう。
【0143】
以下において、位置判定をレベル判定という。所定のタイミングとは、たとえば、電源投入時、復旧時、変動開始時、演出動作時などである。たとえば、位置判定部1701は、可動役物130が停止している際の所定のタイミングで、原点位置に位置している場合には正常状態であるものと判定し、非原点位置に位置している場合にはエラー状態であるものと判定する。
【0144】
動作制御部1702は、位置判定部1701による判定結果に基づいて、可動役物130の動作を制御する。具体的には、動作制御部1702は、位置判定部1701によって所定のタイミングでおこなわれたレベル判定の結果、非原点位置に位置している場合(エラー状態である場合)には、可動役物130を原点位置に復帰させる復帰処理をおこなう。
【0145】
変化判定部1703は、動作制御部1702によって可動役物130に対して所定の動作が制御されているときに、センサ280の検出結果を用いて、変化判定をおこなう。変化判定とは、原点位置から非原点位置または非原点位置から原点位置への位置の変化があることを示す通常状態であるか、または位置の変化がないことを示す非通常状態であるかの判定であり、可動役物130の動作状態の判定である。動作制御部1702によって制御される可動役物130の所定の動作とは、演出時、電源投入時、復帰時などにおける動作である。また、位置の変化とは、具体的には、「H」から「L」(または「L」から「H」)への切り替わりであり、いわゆるエッジである。以下において、変化判定をエッジ判定という。
【0146】
変化判定部1703は、具体的には、可動役物130が原点位置に戻る退避動作をしているときや、可動役物130が進出位置に移動する進出動作をしているときに、通常状態であるか非通常状態であるかを判定する。通常状態とは、エッジのある状態であり、つまり、可動役物が動作している正常状態である。非通常状態とは、エッジのない状態であり、つまり、可動役物が動作していないエラー状態である。なお、非通常状態は、エラー状態に限らず、可動役物130を退避位置と進出位置との間で意図的に停止させるようにした特定の状態としてもよい。
【0147】
動作制御部1702は、変化判定部1703によってエラー状態であると判定された場合、位置判定部1701の判定結果にかかわらず、可動役物130の動作を規制する。具体的には、動作制御部1702は、変化判定部1703によって正常状態であると判定された場合であっても、変化判定部1703によってエラー状態であると判定された場合には、可動役物130の動作を規制する。
【0148】
可動役物130の動作を規制するとは、たとえば可動役物130を動作させないようにすることであり、具体的には、可動役物130を用いた演出を禁止したり、復帰動作を禁止したりすることである。なお、可動役物130の動作の規制は、これに限らず、たとえば、退避方向のみの移動を許容する規制としたり、駆動モータ211の回転速度を所定の速度以下とする規制としたりしてもよい。
【0149】
また、本実施の形態において、センサ280は、所定タイミング毎に、可動役物130の位置を検出するものである。所定タイミングとは、たとえば、500μsecである。センサ280による検出結果は、たとえば、バッファやRAM663などの記憶領域に一時的に記憶される。
【0150】
変化判定部1703は、センサ280による検出結果を用いて、エッジ判定として、継続判定をおこなう。継続判定は、位置の変化後、当該変化後の移行位置(たとえば原点位置)に継続して可動役物130が位置していることを示す通常状態であるか、または移行位置に継続して可動役物130が位置しないことを示す非通常状態であるかの判定である。
【0151】
変化判定部1703は、たとえば、センサ280によって検出された検出結果を所定タイミング毎にRAM663などの記憶領域から読み込む。この所定タイミングは、センサ280が可動役物130の位置を検出するタイミング(500μsec)よりも長いスパンを有し、具体的には、たとえば、可動役物130を動作させる際におけるデータ切替えタイミングである。なお、所定タイミングは、これに限らず、たとえば、ランプ制御部602cが処理をおこなう所定の周期(たとえば20msec)としてもよい。
【0152】
ここで、継続判定について、可動役物130を原点位置に戻す場合を一例として説明する。この場合、変化判定部1703は、継続して可動役物130が移行位置(原点位置)に位置しているか否かの判定をおこなう。具体的には、変化判定部1703は、所定のデータ切替えタイミングとなると、RAM663に記憶されているセンサ280の検出結果を参照して、可動役物130が原点位置に戻ったものの(「L」から「H」のエッジがあるものの)、原点位置に戻ってから(エッジが検出されてから)、連続して3回「H」が検出されているか否かの継続判定をおこなう。
【0153】
変化判定部1703は、連続して3回「H」が検出されている場合には通常状態(正常状態)であると判定し、連続して3回「H」が検出されていない場合には非通常状態(エラー状態)であると判定する。連続して3回「H」が検出されたか否かとしているのは、チャタリングやノイズのほか、センサ280の故障などによる誤検出によって1回だけ「H」が検出された場合に、正常状態であると判定してしまうことを防止するためである。
【0154】
そのため、継続判定では、3回連続して「H」が検出された場合に、通常状態(正常状態)であると判定するようにしている。なお、本実施の形態にかかる継続判定において正常状態であると判定するのは、3回連続して「H」が検出された場合としているが、これに限らず、少なくとも2回連続して「H」が検出された場合とすればよい。
【0155】
また、動作制御部1702は、変化判定部1703による継続判定にてエラー状態であると判定された場合、位置判定部1701の判定結果にかかわらず、可動役物130の動作を規制する。一方、動作制御部1702は、変化判定部1703による継続判定にて正常状態であると判定された場合には、可動役物130の動作を規制させずに、可動役物130の動作を切り替えるための駆動データを切り替える。
【0156】
なお、可動役物130を原点位置から進出位置に移動させる場合の継続判定も、可動役物130を原点位置に戻す場合と同様である。可動役物130を原点位置から進出位置に移動させる場合、変化判定部1703は、継続して可動役物130が移行位置(非原点位置)に位置しているか否かの判定をおこなう。具体的には、変化判定部1703は、所定のデータ切替えタイミングとなると、RAM663に記憶されているセンサ280の検出結果を参照して、可動役物130が非原点位置に位置したものの(「H」から「L」のエッジがあるものの)、非原点位置に位置してから(エッジが検出されてから)、連続して3回「L」が検出されているか否かの継続判定をおこなう。
【0157】
また、本実施の形態において、変化判定部1703は、継続判定として、期間判定をおこなう。期間判定は、位置の変化後、移行位置に継続して可動役物130が位置している期間が、所定期間内であることを示す正常状態であるかまたは所定期間内ではないことを示す非通常状態であるかの判定である。具体的には、期間判定は、可動役物130が移行位置(原点位置や非原点位置)に位置したタイミングが予め定めた期間内にあるか否かの判定である。期間判定では、可動役物130が移行位置(原点位置や非原点位置)に位置したタイミングが、早かったり遅かったりし予め定めた期間内にない場合に、非通常状態(エラー状態)であると判定する。
【0158】
ここで、可動役物130を原点位置に戻す際を例に挙げて説明する。たとえば、可動役物130が途中で引っ掛かり可動役物130が進出位置まで出きっていない場合や、センサ280に異常がある場合には、退避動作時に可動役物130が移行位置(原点位置)に位置するタイミングが正常時よりも早くなる。また、たとえば、可動役物130が進出位置で引っ掛かった場合や、駆動モータ211やセンサ280に異常がある場合には、退避動作時に可動役物130が移行位置(原点位置)に位置するタイミングが正常時よりも遅くなる。期間判定では、このような場合に、エラー状態であると判定する。
【0159】
具体的な期間判定の手法の一例としては、動作終了時に、RAM663に記憶されているセンサ280の検出結果を参照して、一定間隔毎に検出された「H」の個数が所定範囲内の個数であるか否かに基づいておこなわれる。たとえば、「H」が多すぎると、正常時よりも早く戻ったエラー状態であることを意味し、「H」が少なすぎると、正常時よりも遅く戻ったエラー状態であることを意味することとなる。
【0160】
なお、可動役物130を原点位置から進出位置に移動させる場合の期間判定も、可動役物130を原点位置に戻す場合と同様である。可動役物130が自重によって非原点位置の近くに位置している場合や、センサ280に異常がある場合には、進出動作時に可動役物130が移行位置(非原点位置)に位置するタイミングが正常時よりも早くなる。また、たとえば、可動役物130が原点位置で引っ掛かった場合や、駆動モータ211やセンサ280に異常がある場合には、進出動作時に可動役物130が移行位置(非原点位置)に位置するタイミングが正常時よりも遅くなる。期間判定では、このような場合に、エラー状態であると判定する。
【0161】
また、期間判定による判定結果を解析して報知するようにしてもよい。具体的には、たとえば、可動役物130の退避動作時において、非原点位置に位置したタイミングが早い場合には、可動役物130が引っ掛かって進出位置まで出きっていないものと解析し、エラー状態を報知するようにしてもよい。また、可動役物130の退避動作時において、非原点位置に位置したタイミングが遅い場合には、たとえば、駆動モータ211の回転速度が低下しているものと解析し、エラー状態を報知するようにしてもよい。
【0162】
また、可動役物130の進出動作時において、非原点位置に位置したタイミングが早い場合には、たとえば、当初から可動役物130が非原点位置に近い位置にあるもの(自重によって下がっているもの)と解析し、エラー状態を報知するようにしてもよい。また、可動役物130の進出動作時において、非原点位置に位置したタイミングが遅い場合には、駆動モータ211の回転速度が低下しているものと解析し、エラー状態を報知するようにしてもよい。
【0163】
上述した、役物制御部1700と、位置判定部1701と、動作制御部1702と、変化判定部1703とは、ランプ制御部602cのCPU661によって実現される。すなわち、ランプ制御部602cがROM662に記憶されている各種プログラムを実行することにより、駆動制御部1003の機能を実現する。また、記憶部1010は、ランプ制御部602cのROM662によって実現される。
【0164】
(1.主制御部がおこなう処理)
つぎに、上述した動作を実現するためにぱちんこ遊技機100がおこなう詳細な処理の一例について説明する。まず、ぱちんこ遊技機100の主制御部601がおこなう処理について説明する。なお、以下に説明する主制御部601の各処理は、たとえば、主制御部601のCPU611がROM612に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
【0165】
(メイン処理)
まず、図18を用いて、主制御部601がおこなうメイン処理の処理内容について説明する。図18は、メイン処理の処理内容を示すフローチャートである。主制御部601は、ぱちんこ遊技機100へ電源の供給が開始されると、図18に示すメイン処理の実行を開始し、この処理をぱちんこ遊技機100の起動中継続的に実行する。
【0166】
メイン処理において、主制御部601は、まず、1000ms待機し(ステップS1801)、その後、RAM613へのアクセスを許可する(ステップS1802)。RAM613へのアクセスを許可すると、RAMクリアスイッチがONであるか否かを判定する(ステップS1803)。
【0167】
RAMクリアスイッチがONであれば(ステップS1803:Yes)、RAMクリアをおこなう(ステップS1804)。ここで、RAMクリアとは、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、RAM613に蓄積されている各種情報(たとえば遊技状態を示す情報や、時短遊技フラグおよび高確遊技フラグのON/OFFの情報)を所定の初期状態とすることである。
【0168】
RAMクリアをおこなった後、クリア時の作業領域を設定し(ステップS1805)、周辺部の初期設定をおこなう(ステップS1806)。たとえば、ステップS1806では、賞球制御部603や演出制御部602(たとえば演出統括部602a)などの各周辺部に対して、所定の初期設定処理の実行を指示する初期設定コマンドを出力する。
【0169】
一方、RAMクリアスイッチがONでなければ(ステップS1803:No)、バックアップフラグがONであるか否かを判定する(ステップS1807)。バックアップフラグがONであれば(ステップS1807:Yes)、チェックサムが正常であるか否かを判定する(ステップS1808)。
【0170】
チェックサムが正常であれば(ステップS1808:Yes)、所定の復旧処理を実行する(ステップS1809)。この復旧処理では、たとえば、RAM613のバックアップ記憶領域に記憶されたバックアップ情報に基づき、電源遮断前の状態への復旧がおこなわれる。また、この復旧処理では、バックアップ情報をあらわす復旧コマンドが演出制御部602(たとえば演出統括部602a)へ出力される。
【0171】
ステップS1807において、バックアップフラグがONでなければ(ステップS1807:No)、またはチェックサムが正常でなければ(ステップS1808:No)、ステップS1804へ移行してRAMクリアをおこなう。
【0172】
つぎに、内蔵されているCTC(タイマカウンタ)の周期(たとえば4ms)を設定し(ステップS1810)、設定記憶領域を更新する。なお、主制御部601は、ここで設定された周期を用いて後述するタイマ割込処理(図18参照)を実行する。ステップS1810においてCTCの周期を設定すると、電源遮断を監視する電源遮断監視処理を実行する(ステップS1811)。
【0173】
電源遮断監視処理を実行すると、特図変動パターン乱数を更新し(ステップS1812)、タイマ割込処理の割込禁止設定をおこなう(ステップS1813)。そして、初期値乱数を更新し(ステップS1814)、タイマ割込処理の割込許可設定をおこない(ステップS1815)、ステップS1811へ移行する。以降、主制御部601は、ステップS1811からステップS1815の処理を繰り返し実行する。
【0174】
(タイマ割込処理)
つぎに、図19を用いて、タイマ割込処理の処理内容について説明する。図19は、タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。主制御部601は、電源が供給されている間、図18に示したメイン処理を継続的に実行するが、このメイン処理に対して、図19に示すタイマ割込処理を所定周期(たとえば4ms)で割り込み実行する。
【0175】
図19に示すように、タイマ割込処理において、主制御部601は、主制御部601がおこなう各種抽選に用いる乱数の更新をおこなう乱数更新処理を実行する(ステップS1901)。この乱数更新処理では、当たり乱数、図柄乱数、特図変動パターン乱数などの更新がおこなわれる。
【0176】
つぎに、主制御部601は、各種スイッチにより検出をおこなうスイッチ処理を実行する(ステップS1902)。このスイッチ処理では、始動口(第1始動口105、第2始動口106)に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ処理(図20参照)、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ処理(詳細な説明および図示は省略)、大入賞口109に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ処理(詳細な説明および図示は省略)、普通入賞口110に入賞した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ処理(詳細な説明および図示は省略)などがおこなわれる。
【0177】
つづいて、主制御部601は、特別図柄および普通図柄に関する図柄処理を実行する(ステップS1903)。図柄処理では、特別図柄に関する特別図柄処理(図21参照)や、普通図柄に関する普通図柄処理(詳細な説明および図示は省略)がおこなわれる。特別図柄処理では、主制御部601は、大当たり抽選をおこなって特別図柄の表示制御をおこなう。普通図柄処理では、主制御部601は、普通図柄抽選をおこなって普通図柄の表示制御をおこなう。
【0178】
つづいて、主制御部601は、大入賞口109および電動チューリップ107の動作制御に関する電動役物制御処理を実行する(ステップS1904)。電動役物制御処理では、大入賞口109の動作を制御する大入賞口処理(詳細な説明および図示は省略)や、電動チューリップ107の動作を制御する電動チューリップ処理(詳細な説明および図示は省略)がおこなわれる。大入賞口処理では、主制御部601は、大当たり抽選の抽選結果に基づき大入賞口109の動作制御をおこなう。電動チューリップ処理では、主制御部601は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき電動チューリップの動作制御をおこなう。
【0179】
つづいて、主制御部601は、賞球の払い出し制御に関する賞球処理を実行する(ステップS1905)。賞球処理では、主制御部601は、大入賞口109や普通入賞口110に遊技球が入賞した際に所定個数の賞球を払い出すように賞球制御部603に指示する賞球コマンドを主制御部601のRAM613に設定する。
【0180】
つづいて、主制御部601は、ステップS1901〜ステップS1905の各処理によりRAM613に設定されたコマンドを賞球制御部603や演出制御部602などに対して出力する出力処理を実行し(ステップS1906)、タイマ割込処理を終了する。タイマ割込処理を終了すると、主制御部601はメイン処理へ戻る。
【0181】
(始動口スイッチ処理)
つぎに、図20を用いて、タイマ割込処理のスイッチ処理(図19のステップS1902参照)に含まれる始動口スイッチ処理について説明する。図20は、始動口スイッチ処理の処理内容を示すフローチャートである。始動口スイッチ処理において、主制御部601は、まず、第1始動口SW621がONになったか否かを判定する(ステップS2001)。第1始動口SW621がONになっていない場合(ステップS2001:No)、ステップS2006へ移行する。
【0182】
第1始動口SW621がONになっている場合(ステップS2001:Yes)、第1始動口105に入賞した遊技球に対して取得された第1特図保留情報数U1が4未満であるか(U1<4)を判定する(ステップS2002)。第1特図保留情報数U1が4未満でなければ(ステップS2002:No)、すなわち、第1特図保留情報数U1が4以上であればステップS2006へ移行する。
【0183】
第1特図保留情報数U1が4未満であれば(ステップS2002:Yes)、主制御部601は、第1特図保留情報数U1に「1」を加算した値を、新たな第1特図保留情報数U1の値とする(ステップS2003)。そして、当たり乱数、図柄乱数および特図変動パターン乱数などの各種乱数を特図保留情報として取得し、これをRAM613に記憶する(ステップS2004)。
【0184】
この後、記憶した保留情報に基づいて事前判定処理をおこなう(ステップS2005)。事前判定処理は、特別図柄の変動開始前に、事前に当たり判定や特図変動パターン判定などをおこなう処理である。つづいて、主制御部601は、第2始動口SW622がONになったか否かを判定する(ステップS2006)。第2始動口SW622がONになっていない場合(ステップS2006:No)、そのまま始動口スイッチ処理を終了する。
【0185】
第2始動口SW622がONになっていれば(ステップS2006:Yes)、主制御部601は、第2始動口106に入賞した遊技球に対して取得された第2特図保留情報数U2が4未満であるか(U2<4)を判定する(ステップS2007)。第2特図保留情報数U2が4未満でなければ(ステップS2007:No)、すなわち、第2特図保留情報数U2が4以上であれば、そのまま始動口スイッチ処理を終了する。
【0186】
第2特図保留情報数U2が4未満であれば(ステップS2007:Yes)、主制御部601は、第2特図保留情報数U2に「1」を加算した値を、新たな第2特図保留情報数U2の値とする(ステップS2008)。そして、当たり乱数や図柄乱数および特図変動パターン乱数などの各種乱数を特図保留情報として取得し、これをRAM613に記憶する(ステップS2009)。この後、記憶した保留情報に基づいて事前判定処理をおこない(ステップS2010)、始動口スイッチ処理を終了する。
【0187】
(特別図柄処理)
つぎに、図21を用いて、タイマ割込処理の図柄処理(図19のステップS1903参照)に含まれる特別図柄処理について説明する。図21は、特別図柄処理の処理内容を示すフローチャートである。特別図柄処理において、主制御部601は、大当たり遊技状態であることを示す大当たり遊技フラグがONに設定されているか否かを判定する(ステップS2101)。大当たり遊技フラグがONに設定されていれば(ステップS2101:Yes)、つまり、大当たり遊技状態であれば、特別図柄処理を終了する。
【0188】
大当たり遊技フラグがOFFに設定されていれば(ステップS2101:No)、特別図柄が変動中であるか否かを判定する(ステップS2102)。特別図柄が変動中であれば(ステップS2102:Yes)、ステップS2111へ移行する。特別図柄を変動中でなければ(ステップS2102:No)、第2始動口106に入賞した遊技球に対して取得された第2特図保留情報数U2が1以上であるか否かを判定する(ステップS2103)。
【0189】
第2特図保留情報数U2が1以上であれば(U2≧1)(ステップS2103:Yes)、第2特図保留情報数U2から「1」を減算した値を、新たな第2特図保留情報数U2の値とし(ステップS2104)、ステップS2107へ移行する。第2特図保留情報数U2が1以上でなければ(ステップS2103:No)、第1始動口105に入賞した遊技球に対して取得された第1特図保留情報数U1が1以上であるか否かを判定する(ステップS2105)。
【0190】
第1特図保留情報数U1が1以上であれば(U1≧1)(ステップS2105:Yes)、第1特図保留情報数U1から「1」を減算した値を、新たな第1特図保留情報数U1の値とし(ステップS2106)、ステップS2107へ移行する。第1特図保留情報数U1が1以上でなければ(ステップS2105:No)、特別図柄処理を終了する。
【0191】
つづいて、主制御部601は、大当たり抽選処理をおこなって大当たり抽選の抽選結果を導出する(ステップS2107)。ここで、大当たり抽選処理について補足する。大当たり抽選処理において、主制御部601は、遊技状態に応じて、図7に示した、低確率当たり判定テーブルAt1、または高確率当たり判定テーブルAt2のいずれか一方を用いて、大当たり判定をおこなう。大当たり判定は、低確率当たり判定テーブルAt1または高確率当たり判定テーブルAt2の大当たりとなる判定値と、始動口SW処理において取得した当たり乱数(図20のステップS2004およびステップS2009参照)とが、一致するか否かの判定である。
【0192】
一致しない場合は、ハズレとなる。一致する場合は、大当たりとなり、図8に示した、第1保留情報であるか第2保留情報であるかに応じて、第1図柄判定テーブルZt1、または第2図柄判定テーブルZt2を用いて、大当たり図柄判定をおこなう。大当たり図柄判定は、始動口SW処理において取得した図柄乱数(図20のステップS2004およびステップS2009参照)が、第1図柄判定テーブルZt1内の判定値または第2図柄判定テーブルZt2内の判定位置と一致する大当たり図柄を選択するための判定である。
【0193】
つづいて、主制御部601は、さらに、特図変動パターン判定処理をおこなって特図変動パターン判定の判定結果を導出する(ステップS2108)。特図変動パターン判定処理では、主制御部601は、非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかに応じて、図9および図10に示した特図変動パターン判定テーブルHt,DHtを用いるとともに、各特図変動パターンテーブルHt,DHtにおいて、ハズレであるか大当たりであるかに応じて、特図変動パターンテーブルHt1,Ht2,Ht3,Ht4のいずれか一つのテーブルを用いる。
【0194】
そして、主制御部601は、一の特図変動パターンテーブルHt1,Ht2,Ht3,Ht4を用いて、始動口SW処理において取得した特図変動パターン乱数(図20のステップS2004およびステップS2009参照)が、用いる特図変動パターンテーブルHt1,Ht2,Ht3,Ht4内の判定値と一致する特図変動パターンを選択する。
【0195】
この後、主制御部601は、ステップS2107およびステップS2108の処理結果に基づき、特別図柄表示部112に特別図柄の変動表示を開始させる(ステップS2109)。ステップS2109で特別図柄を変動させる際に、ステップS2107で第2始動口106に入賞した遊技球に対する大当たり抽選をおこなっていれば第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を変動させる。ステップS2108で第1始動口105に入賞した遊技球に対する大当たり抽選をおこなっていれば第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動させる。
【0196】
つづいて、主制御部601は、変動開始コマンドをRAM613に設定する(ステップS2110)。ここで、設定される変動開始コマンドは、たとえば、ステップS2107でおこなった大当たり抽選の抽選結果や、ステップS2108でおこなった特図変動パターン判定の判定結果を示す情報を含むコマンドである。主制御部601は、出力処理(図19のステップS1906)を実行する際に、この変動開始コマンドを演出統括部602aに出力する。
【0197】
そして、主制御部601は、特別図柄の変動を開始してから変動時間により定められた期間が経過したか否かを判定する(ステップS2111)。ステップS2111では、変動開始時に判定された特図変動パターンにより定められた変動時間に相当する期間が経過したか否かを判定する。変動時間が経過していない場合には(ステップS2111:No)、特別図柄処理を終了する。
【0198】
変動時間が経過している場合には(ステップS2111:Yes)、主制御部601は、変動開始時におこなった大当たり抽選の抽選結果を示すように特別図柄を停止させて(ステップS2112)、変動停止コマンドをRAM613に設定する(ステップS2113)。ここで、設定される変動停止コマンドは、たとえば、変動開始時におこなった大当たり抽選の抽選結果や、特図変動パターン判定の判定結果を示す情報を含むコマンドとすることができる。
【0199】
主制御部601は、出力処理(図19のステップS1906)を実行する際に、この変動停止コマンドを演出統括部602aに出力する。そして、時短遊技状態の残余回数や高確率遊技状態の残余回数に基づいて遊技状態の変更をおこなう停止中処理を実行し(ステップS2114)、特別図柄処理を終了する。
【0200】
(2.演出統括部がおこなう処理)
つぎに、演出制御部602がおこなう処理について詳細に説明する。まず、演出制御部602の演出統括部602aがおこなう処理から説明する。なお、以下に説明する演出統括部602aがおこなう各処理は、たとえば、演出統括部602aのCPU641がROM642に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
【0201】
(演出メイン処理)
まず、図22を用いて、演出メイン処理の処理内容について説明する。図22は、演出メイン処理の処理内容を示すフローチャートである。演出統括部602aは、ぱちんこ遊技機100へ電源の供給が開始されると図22に示す演出メイン処理の実行を開始し、この処理をぱちんこ遊技機100の起動中継続的に実行する。演出メイン処理において、演出統括部602aは、主制御部601から起動時に出力される初期設定コマンドまたは復旧コマンドを受信するまで待機する(ステップS2201:Noのループ)。初期設定コマンドおよび復旧コマンドは、主制御部601のメイン処理において主制御部601から送信されるコマンドである(図18のステップS1806,ステップS1809参照)。
【0202】
初期設定コマンドまたは復旧コマンドを受信すると(ステップS2201:Yes)、初期設定処理をおこなう(ステップS2202)。この初期設定処理において、たとえば、演出統括部602aは、後述する演出タイマ割込処理の割り込み周期(たとえば4msec)などを設定する。また、初期設定処理において、演出統括部602aは、遊技を開始させる演出モードなどを設定してもよい。
【0203】
つづいて、演出統括部602aは、初期設定コマンドまたは復旧コマンドをランプ制御部602cや画像・音声制御部602bへ出力し(ステップS2203)、演出用乱数更新処理をおこなって(ステップS2204)、以降、演出用乱数更新処理を繰り返す。たとえば、演出用乱数更新処理において、演出統括部602aは、演出用乱数カウンタのカウント値を「1」カウントアップし、演出用乱数カウンタのカウント値が所定値に達したときには「0」に戻す処理をおこなう。
【0204】
(演出タイマ割込処理)
つぎに、図23を用いて、演出タイマ割込処理の処理内容について説明する。図23は、演出タイマ割込処理の処理内容を示すフローチャートである。演出統括部602aは図22に示した演出メイン処理に対して、図23の演出タイマ割込処理を、所定の周期(たとえば4ms)で割り込み実行する。
【0205】
演出タイマ割込処理において、演出統括部602aは、まず、コマンド受信処理(図24参照)をおこなう(ステップS2301)。コマンド受信処理をおこなった後、演出統括部602aは、つづいて、演出ボタン119などにより遊技者からの操作を受け付けた際に操作コマンドを設定する操作受付処理をおこなう(ステップS2302)。
【0206】
つづいて、演出統括部602aは、可動役物130の動作を制御する可動役物処理をおこなう(ステップS2303)。可動役物処理の詳細については、図28を用いて後述する。コマンド出力処理をおこなう(ステップS2304)。コマンド出力処理では、コマンド受信処理、操作受付処理などによりRAM643の各記憶領域に設定された情報を示すコマンドを、ランプ制御部602cや画像・音声制御部602bに対して出力する処理がおこなわれる。
【0207】
(コマンド受信処理)
つぎに、図24を用いて図23のステップS2301に示したコマンド受信処理について説明する図24は、コマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。コマンド受信処理において、演出統括部602aは、まず、主制御部601から特別図柄に関するコマンド(以下「特図コマンド」という)を受信したかを判定する(ステップS2401)。ここで、特図コマンドは、たとえば、上述した変動開始コマンドや変動停止コマンドである。
【0208】
特図コマンドを受信していれば(ステップS2401:Yes)、演出統括部602aは、特別図柄の演出に関する特図コマンド受信処理をおこなって(ステップS2402)、ステップS2403へ移行する。特図コマンド受信処理の詳細については、図25を用いて後述する。特図コマンドを受信していなければ(ステップS2401:No)、ステップS2403へ移行する。
【0209】
つづいて、演出統括部602aは、ランプ制御部602cからのコマンド(以下「ランプコマンド」という)を受信したかを判定する(ステップS2403)。ここで、ランプコマンドとしては、たとえば、可動役物130にエラーが生じた旨を示すエラーコマンドや、当該エラーを解除させるためのエラー解除コマンドが挙げられる。
【0210】
ステップS2403において、ランプコマンドを受信していれば(ステップS2403:Yes)、ランプコマンド受信処理をおこなって(ステップS2404)、コマンド受信処理を終了する。ランプコマンド受信処理の詳細については、図27を用いて後述する。ランプコマンドを受信していなければ(ステップS2403:No)、そのままコマンド受信処理を終了する。
【0211】
(特図コマンド受信処理)
つぎに、図25を用いて、図24のステップS2402に示した特図コマンド受信処理について説明する。図25は、特図コマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。特図コマンド受信処理において、演出統括部602aは、まず、変動開始コマンドを受信したかを判定する(ステップS2501)。変動開始コマンドは、主制御部601の特別図柄処理において設定されるコマンドである(図21のステップS2110参照)。変動開始コマンドを受信していなければ(ステップS2501:No)、ステップS2507へ移行する。
【0212】
変動開始コマンドを受信していれば(ステップS2501:Yes)、演出統括部602aは受信した変動開始コマンドを解析して(ステップS2502)、大当たり抽選の抽選結果を示す情報、特図変動パターン(特別図柄の変動時間)を示す情報、遊技状態を示す情報などを取得する。
【0213】
つづいて、演出用乱数取得用のカウンタのカウント値を参照して演出用乱数を取得する(ステップS2503)。そして、演出統括部602aは、変動演出パターンを選択するための、変動演出選択処理を実行し(ステップS2504)、この判定結果(変動演出パターン)をRAM643に設定する。変動演出選択処理の詳細については図26を用いて後述する。
【0214】
つづいて、演出統括部602aは、ステップS2503において取得した演出用乱数と予告演出パターンテーブル(不図示)とを用いて予告演出パターンを判定し(ステップS2505)、この判定結果をRAM643に設定する。そして、ステップS2503で設定された変動演出パターンや装飾図柄の組み合わせ、ステップS2505で設定された予告演出パターンが示す予告演出を開始させるための演出開始コマンドをRAM643に設定して(ステップS2506)、ステップS2507へ移行する。
【0215】
なお、演出モード毎にそれぞれ異なる演出が用意されている場合、演出統括部602aは、変動演出パターンや予告演出パターンを判定する際に現在の演出モードを示す情報を参照し、現在の演出モードに合致した演出を選択するようにすることにより、演出のバリエーションを増加させて、興趣性の高い演出をおこなうことができる。
【0216】
つづいて、演出統括部602aは、変動停止コマンドを受信したかを判定する(ステップS2507)。変動停止コマンドは、主制御部601の特別図柄処理において設定されるコマンドである(図21のステップS2113参照)。
変動停止コマンドを受信していれば(ステップS2507:Yes)、実行中の演出を終了させる演出終了コマンドをRAM643に設定して(ステップS2508)、特図コマンド受信処理を終了する。変動停止コマンドを受信していなければ(ステップS2507:No)、そのまま特図コマンド受信処理を終了する。
【0217】
(変動演出選択処理)
つぎに、図26を用いて、図25のステップS2504に示した変動演出選択処理について説明する。図26は、変動演出選択処理の処理内容を示すフローチャートである。変動演出選択処理において、演出統括部602aは、可動役物130がエラー中であることを示す、役物エラーフラグがONであるか否かを判定する(ステップS2601)。役物エラーフラグは、図27を用いて後述する、ランプコマンド受信処理においてONに設定されるフラグである。
【0218】
役物エラーフラグがOFFである場合(ステップS2601:No)、変動開始コマンドが示す特図変動パターンに対応づけられた変動演出パターンを選択し(ステップS2602)、変動演出選択処理を終了する。この場合の変動演出パターンの選択では、可動役物130を併用する変動演出パターンが選択され、具体的には、たとえば、特図変動パターンHp4の場合、可動役物130を併用する変動演出パターンEp42が選択される(図11−1および図11−2参照)。
【0219】
一方、ステップS2601において、役物エラーフラグがONである場合(ステップS2601:Yes)、可動役物併用演出禁則処理を実行し(ステップS2603)、ステップS2602に移行する。可動役物併用演出禁則処理とは、可動役物130を用いたリーチ演出、具体的には、図11−1に示した変動演出パターンEp42,Ep52や、図11−2に示したEp22,Ep32,Ep42,Ep52,Ep62を選択しないようにする処理である。
【0220】
可動役物130に対する禁則がおこなわれると、可動役物130を用いることが可能な特図変動パターンであっても、ステップS2602における変動演出パターンの選択では、変動演出パターンEp21,Ep31,Ep41,Ep51,Ep61など、可動役物130を併用しない演出が選択されることとなる。
【0221】
(ランプコマンド受信処理)
つぎに、図27を用いて図24のステップS2404に示したランプコマンド受信処理について説明する。図27は、ランプコマンド受信処理の処理内容を示すフローチャートである。図27において、演出統括部602aは、ランプ制御部602cから、可動役物130エラー中である場合に送信されるエラーコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2701)。エラーコマンドは、ランプ制御部602cがおこなう、復帰動作処理(図31−1および図31−2参照)、レベルエラー時復帰処理(図34参照)、進出動作時処理(図36参照)などにおいて設定されるコマンドである。
【0222】
エラーコマンドを受信しない場合(ステップS2701:No)、ステップS2703に移行する。エラーコマンドを受信した場合(ステップS2701:Yes)、可動役物130を用いた変動演出パターンを選択しないようにするために、役物エラーフラグをONにする(ステップS2702)。そして、演出統括部602aは、ランプ制御部602cから、可動役物130のエラーが解除して正常状態になった旨を示すエラー解除コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS2703)。エラー解除コマンドは、ランプ制御部602cがおこなう復帰動作処理(図31−1および図31−2参照)、レベルエラー時復帰処理(図34参照)、進出動作時処理(図36参照)などにおいて設定されるコマンドである。
【0223】
エラー解除コマンドを受信しない場合(ステップS2703:No)、そのままランプコマンド受信処理を終了する。エラー解除コマンドを受信した場合(ステップS2703:Yes)、役物エラーフラグをOFFにし(ステップS2704)、ランプコマンド受信処理を終了する。
【0224】
(可動役物処理)
つぎに、図28を用いて、図23のステップS2303に示した可動役物処理について説明する。図28は、可動役物処理の処理内容を示すフローチャートである。可動役物処理において、演出統括部602aは、動作開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS2801)。動作開始タイミングとは、たとえば、変動演出中に可動役物130を動作させるタイミングであり、予め設定されたタイミングである。
【0225】
動作開始タイミングではない場合(ステップS2801:No)、そのまま可動役物処理を終了する。動作開始タイミングである場合(ステップS2801:Yes)、可動役物130を動作させるための動作開始コマンドをRAM643に設定し(ステップS2802)、可動役物処理を終了する。
【0226】
(3.ランプ制御部がおこなう処理)
つぎに、ランプ制御部602cがおこなう処理について詳細に説明する。なお、以下に説明するランプ制御部602cがおこなう各処理は、たとえば、ランプ制御部602cのCPU661がROM662に記憶されたプログラムを実行することによりおこなう。
【0227】
(ランプ制御処理)
図29は、ランプ制御処理の処理内容を示すフローチャートである。ランプ制御部602cは、ぱちんこ遊技機100へ電源の供給が開始されると、図29に示すランプ制御処理の実行を開始し、この処理をぱちんこ遊技機100の起動中継続的に実行する。ランプ制御処理において、ランプ制御部602cは、まず、可動役物130を初期運転させるための起動時復帰処理をおこなう(ステップS2901)。起動時復帰処理の詳細については、図30を用いて後述する。
【0228】
つづいて、ランプ制御部602cは、可動役物130を制御するための可動役物制御処理をおこなう(ステップS2902)。可動役物制御処理の詳細については、図32を用いて後述する。そして、各種ランプ(たとえば盤ランプ664の各ランプ、演出ライト部116の各ランプ)の点灯を制御するための点灯制御処理をおこなう(ステップS2903)。
【0229】
この後、ステップS2901〜ステップS2903で設定された各種コマンドを演出統括部602aへ出力したり、ステップS2901〜ステップS2903で設定された各種データを各種ランプや可動役物130へ出力したりするための出力処理を実行し(ステップS2904)、ランプ制御処理を終了する。
【0230】
(起動時復帰処理)
つぎに、図30を用いて、図29のステップS2901に示した起動時復帰処理について説明する。図30は、起動時復帰処理の処理内容を示すフローチャートである。起動復帰処理において、ランプ制御部602cは、演出統括部602aから初期設定コマンドまたは復旧コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS3001)。初期設定コマンドおよび復旧コマンドは、演出統括部602aの演出メイン処理において演出統括部602aから送信されるコマンドである(図18のステップS1806、ステップS1809参照)。
【0231】
初期設定コマンドまたは復旧コマンドを受信した場合(ステップS3001:Yes)、初期運転としての復帰動作をおこなわせるための復帰動作処理を実行し(ステップS3002)、起動時復帰処理を終了する。復帰動作処理の詳細については、図31−1および図31−2を用いて後述する。初期設定コマンドまたは復旧コマンドを受信しない場合(ステップS3001:No)、可動役物130がエラー状態であることを示すエラーフラグがONであるか否かを判定する(ステップS3003)。
【0232】
エラーフラグには、エッジエラーフラグおよびレベルエラーフラグがあり、ステップS3003におけるエラーフラグのONとは、エッジエラーフラグおよびレベルエラーフラグのうち、少なくともいずれか一方のフラグがONになっていることである。各エラーフラグは、復帰動作処理(図31−1および図31−2参照)、演出開始時復帰処理(図33−1および図33−2参照)、レベルエラー時復帰処理(図34参照)、進出動作時処理(図36参照)などにおいてONに設定される。
【0233】
エラーフラグがOFFの場合(ステップS3003:No)、そのまま起動時復帰処理を終了する。エラーフラグがONである場合(ステップS3003:Yes)、リトライが完了したか否かを判定する(ステップS3004)。リトライが完了していない場合(ステップS3004:No)、ステップS3002に移行して、再度、復帰動作処理を実行する。リトライが完了している場合には(ステップS3004:Yes)、そのまま起動時復帰処理を終了する。なお、ここでは、エラー時にリトライを1回のみおこなうようにしているが、複数回おこなうようにしてもよい。
【0234】
(復帰動作処理)
つぎに、図31−1および図31−2を用いて、図30のステップS3002に示した復帰動作処理について説明する。図31−1は、復帰動作処理の処理内容を示すフローチャート(その1)である。図31−2は、復帰動作処理の処理内容を示すフローチャート(その2)である。復帰動作処理において、ランプ制御部602cは、復帰動作中であるか否かを判定する(ステップS3101)。復帰動作中である場合(ステップS3101:Yes)、ステップS3103に移行する。復帰動作中ではない場合(ステップS3101:No)、復帰処理をおこなわせるための復帰処理データ1600(図16参照)をRAM663に設定する(ステップS3102)。
【0235】
可動役物130の退避動作時における、センサ検出結果参照タイミングであるか否かを判定する(ステップS3103)。センサ検出結果参照タイミングとは、具体的には、復帰処理データ1600(図16参照)によって40ステップの逆転が完了し、停止駆動データ1500(図15参照)に切り替えるタイミングである。センサ検出結果参照タイミングではない場合(ステップS3103:No)、そのまま復帰動作処理を終了する。センサ検出結果参照タイミングである場合(ステップS3103:Yes)、RAM663などの記憶領域に記憶されているセンサ検出結果を参照する(ステップS3104)。
【0236】
そして、センサ検出結果を用いて、少なくとも「H(High)」が連続して3回検出されたか否かを判定する(ステップS3105)。なお、センサ280は、可動役物130が原点位置に位置している場合に「H(High)」を検出し、非原点位置に位置している場合に「L(Low)」を検出する。連続して「H」が3回検出された場合(ステップS3105:Yes)、「L」から「H」への切り替わりであるエッジがあるか否かを判定する(ステップS3106)。
【0237】
エッジがある場合(ステップS3106:Yes)、エラーフラグ(エッジエラーフラグおよびレベルエラーフラグのうち、少なくともいずれか一方)がONであるか否かを判定する(ステップS3107)。エッジエラーフラグは、「L」から「H」への切り替わりがない(可動役物130が原点位置に居続けた)エラー状態であることを示すフラグであり、ステップS3112においてONに設定される。レベルエラーフラグは、可動役物130が原点位置に位置していないエラー状態であることを示すフラグであり、ステップS3117においてONに設定される。なお、エラーフラグがONになっている場合とは、1回目の復帰動作処理においてエラー状態であると判定されたことを意味する。
【0238】
エラーフラグがOFFである場合(ステップS3107:No)、ステップS3111に移行する。エラーフラグがONである場合(ステップS3107:Yes)、ONになっているエラーフラグ(エッジエラーフラグまたはレベルエラーフラグ)をOFFにする(ステップS3108)。
【0239】
そして、可動役物130の全ての動作を規制するための規制フラグがONである場合には当該規制フラグをOFFにし(ステップS3109)、演出統括部602aへ送信するためのエラー解除コマンドをRAM663に設定する(ステップS3110)。この後、停止駆動データ1500(図15参照)をRAM663に設定し(ステップS3111)、復帰動作処理を終了する。ステップS3106において、エッジがない場合(ステップS3106:No)、つまり、可動役物130が原点位置に留まっていたことにより、「H」が検出され続けた場合、エッジエラーを示すエッジエラーフラグをONにする(ステップS3112)。
【0240】
そして、可動役物130の全ての動作を規制するための規制フラグをONにする(ステップS3112)。規制フラグがONになっているときには、レベルエラー時における復帰処理(図34のレベルエラー時復帰処理)を含む可動役物130の全ての動作が規制されることとなる。この後、ランプ制御部602cは、演出統括部602aへ送信するためのエラーコマンドを設定するとともに(ステップS3114)、駆動モータ211を停止させ(ステップS3115)、復帰動作処理を終了する。
【0241】
ステップS3105において、連続して「H」が3回検出されない場合(ステップS3105:No)、つまり、可動役物130が原点位置に戻っていない場合、所定時間経過したか否かを判定する(ステップS3116)。所定時間とは、たとえば、数秒程度の時間である。所定時間が経過していない場合(ステップS3116:No)、そのまま復帰動作処理を終了する。
【0242】
所定時間が経過した場合(ステップS3116:Yes)、具体的には、可動役物130が原点位置に戻って来ないことにより「L」が検出され続けた場合や、当初から可動役物130が原点位置に位置しないことにより「L」が検出され続けた場合、可動役物130が原点位置に位置していないエラー状態であることを示すレベルエラーフラグをONにし(ステップS3117)、ステップS3114に移行する。
【0243】
(可動役物制御処理)
つぎに、図32を用いて、図29のステップS2902に示した可動役物制御処理について説明する。図32は、可動役物制御処理の処理内容を示すフローチャートである。可動役物制御処理において、ランプ制御部602cは、演出開始時復帰処理をおこなう(ステップS3201)。演出開始時復帰処理の詳細については図33−1および図33−2を用いて後述する。そして、可動役物演出中処理をおこない(ステップS3202)、可動役物制御処理を終了する。可動役物演出中処理の詳細については、図35を用いて後述する。
【0244】
(演出開始時復帰処理)
つぎに、図33−1および図33−2を用いて、図32のステップS3201に示した演出開始時復帰処理について説明する。図33−1は、演出開始時復帰処理の処理内容を示すフローチャート(その1)である。図33−2は、演出開始時復帰処理の処理内容を示すフローチャート(その2)である。演出開始時復帰処理において、ランプ制御部602cは、可動役物130の動作を規制するための規制フラグがONであるか否かを判定する(ステップS3301)。
【0245】
なお、規制フラグがONになっているときには、レベルエラー時復帰処理を含む可動役物130の全ての動作が規制されることとなる。規制フラグは、復帰動作処理(図31−2のステップS3113参照)や後述するステップS3306においてONに設定される。規制フラグがONである場合(ステップS3301:Yes)、そのまま演出開始時復帰処理を終了する。規制フラグがOFFの場合(ステップS3301:No)、演出統括部602aから演出開始コマンドを受信したかを判定する(ステップS3302)。
【0246】
演出開始コマンドを受信すると(ステップS3302:Yes)、「L」から「H」への切り替わりがない(可動役物130が原点位置に居続けた)エラー状態であることを示すエッジエラーフラグがONであるか否かを判定する(ステップS3303)。エッジエラーフラグがONである場合(ステップS3303:Yes)、つまり、エッジエラーの状態である場合、直近の所定変動回数が経過したか否かを判定する(ステップS3304)。所定変動回数とは、たとえば、3変動(演出開始コマンドを受信する回数が3回)である。
【0247】
所定変動回数が経過していない場合(ステップS3304:No)、図31−1および図31−2に示した復帰動作処理を実行し(ステップS3305)、演出開始時復帰処理を終了する。所定変動回数が経過した場合(ステップS3304:Yes)、つまり、直近3変動の間におこなわれた復帰動作処理(リトライを含めて6回の復帰動作処理)において、エッジエラーが解消しなかった場合、規制フラグをONにし(ステップS3306)、演出開始時復帰処理を終了する。
【0248】
ステップS3303において、エッジエラーフラグがOFFの場合(ステップS3303:No)、センサ280の検出結果を参照して、センサ280が「L」を検出しているか否かを判定する(ステップS3307)。センサ280が「L」を検出していない場合(ステップS3307:No)、つまり、可動役物130が原点位置に位置しており、センサ280が「H」を検出している正常状態である場合、そのまま演出開始時復帰処理を終了する。
【0249】
センサ280が「L」を検出している場合(ステップS3307:Yes)、つまり、変動開始時に可動役物130が原点位置に位置していない場合、可動役物130を原点位置に復帰させるためのレベルエラー時復帰処理を実行し(ステップS3308)、演出開始時復帰処理を終了する。レベルエラー時復帰処理の詳細については、図34を用いて後述する。
【0250】
ステップS3302において、演出開始コマンドを受信しない場合(ステップS3302:No)、可動役物130が原点位置に位置していないエラー状態であることを示すレベルエラーフラグがONであるか否かを判定する(ステップS3309)。レベルエラーフラグがOFFである場合(ステップS3309:No)、ステップS3311に移行する。
【0251】
レベルエラーフラグがONである場合(ステップS3309:Yes)、レベルエラー時復帰処理のリトライが完了したか否かを判定する(ステップS3310)。リトライが完了していない場合(ステップS3310:No)、ステップS3308に移行して、再度レベルエラー時復帰処理を実行する。リトライが完了した場合(ステップS3310:Yes)、エッジエラーフラグがONであるか否かを判定する(ステップS3311)。
【0252】
エッジエラーフラグがOFFの場合(ステップS3311:No)、そのまま演出開始時復帰処理を終了する。エッジエラーフラグがONである場合(ステップS3311:Yes)、復帰動作処理のリトライが完了したか否かを判定する(ステップS3312)。リトライが完了していない場合(ステップS3312:No)、ステップS3305に移行して、再度、復帰動作処理を実行する。リトライが完了した場合(ステップS3312:Yes)、そのまま演出開始時復帰処理を終了する。
【0253】
本フローチャートは、演出開始時(変動開始時)における処理を示しており、演出開始時にエッジ判定(ステップS3303およびステップS3311参照)と、レベル判定(ステップS3307およびステップS3310参照)とをおこなうようにしている。なお、演出開始時には、少なくともレベル判定のみをおこなうようにしてもよく、たとえば、ステップS3303〜ステップS3306、ステップS3311、およびステップS3312の各処理をおこなわないようにしてもよい。
【0254】
(レベルエラー時復帰処理)
つぎに、図34を用いて、図33−1のステップS3308に示したレベルエラー時復帰処理について説明する。図34は、レベルエラー時復帰処理の処理内容を示すフローチャートである。レベルエラー時復帰処理において、ランプ制御部602cは、可動役物130を原点位置に復帰させるための原点位置復帰動作中であるか否かを判定する(ステップS3401)。原点位置復帰動作中である場合(ステップS3401:Yes)、ステップS3403に移行する。
【0255】
原点位置復帰動作中ではない場合(ステップS3401:No)、駆動モータ211の駆動を開始させる(ステップS3402)。駆動モータ211の駆動とは、退避方向への回転であり、具体的には、駆動モータ211を逆転させることである。そして、センサ280の検出結果を参照して、センサ280が「H」を検出しているか否かを判定する(ステップS3403)。センサ280が「H」を検出していない場合(ステップS3403:No)、つまり、可動役物130が原点位置に位置していない場合、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS3404)。
【0256】
所定時間が経過していない場合(ステップS3404:No)、そのままレベルエラー時復帰処理を終了する。所定時間が経過した場合(ステップS3404:Yes)、レベルエラーフラグがONであるか否かを判定する(ステップS3405)。レベルエラーフラグがONである場合(ステップS3405:Yes)、ステップS3408に移行する。レベルエラーフラグがOFFである場合(ステップS3405:No)、レベルエラーフラグをONにし(ステップS3406)、演出統括部602aへ送信するためのエラーコマンドをRAM663に設定する(ステップS3407)。この後、駆動モータ211を停止させ(ステップS3408)、レベルエラー時復帰処理を終了する。
【0257】
ステップS3403において、センサ280が「H」を検出した場合(ステップS3403:Yes)、つまり、可動役物130が原点位置に位置している場合、レベルエラーフラグがONであるか否かを判定する(ステップS3409)。レベルエラーフラグがOFFである場合(ステップS3409:No)、ステップS3408に移行する。レベルエラーフラグがONである場合(ステップS3409:Yes)、レベルエラーフラグをOFFにする(ステップS3410)。そして、演出統括部602aへ送信するためのエラー解除コマンドをRAM663に設定し(ステップS3411)、ステップS3408に移行する。
【0258】
(可動役物演出中処理)
つぎに、図35を用いて、図32のステップS3202に示した可動役物演出中処理について説明する。図35は、可動役物演出中処理の処理内容を示すフローチャートである。可動役物演出中処理において、ランプ制御部602cは、演出統括部602aから駆動開始コマンドを受信したかを判定する(ステップS3501)。駆動開始コマンドは、図28の可動役物処理において設定されるコマンドである(図28のステップS2802参照)。
【0259】
駆動開始コマンドを受信していなければ(ステップS3501:No)、ステップS3503へ移行する。駆動開始コマンドを受信すると(ステップS3501:Yes)、初動駆動データ1200(図12参照)をRAM663に設定する(ステップS3502)。そして、ランプ制御部602cは、可動役物130の進出動作中であるか否かを判定する(ステップS3503)。進出動作中ではない場合(ステップS3503:No)、ステップS3505に移行する。
【0260】
進出動作中である場合(ステップS3503:Yes)、可動役物130の進出動作時におこなう進出動作時処理を実行する(ステップS3504)。進出動作時処理の詳細については、図36を用いて後述する。この後、退避動作開始タイミングとなったか否かを判定する(ステップS3505)。退避動作開始タイミングではない場合(ステップS3505:No)、ステップS3507に移行する。退避動作開始タイミングとなった場合(ステップS3505:Yes)、退避駆動データ1400(図14参照)をRAM663に設定する(ステップS3506)。
【0261】
この後、退避動作中であるか否かを判定する(ステップS3507)。退避動作中ではない場合(ステップS3507:No)、そのまま可動役物演出中処理を終了する。退避動作中である場合(ステップS3507:Yes)、可動役物130の退避動作時におこなう退避動作時処理を実行し(ステップS3508)、可動役物演出中処理を終了する。
【0262】
(進出動作時処理)
つぎに、図36を用いて、図35のステップS3504に示した進出動作時処理について説明する。図36は、進出動作時処理の処理内容を示すフローチャートである。進出動作時処理において、ランプ制御部602cは、可動役物130の進出動作時における、センサ検出結果参照タイミングであるか否かを判定する(ステップS3601)。センサ検出結果参照タイミングとは、具体的には、初動駆動データ1200(図12参照)から、進出駆動データ1300(図13参照)へ切り替えるタイミングである。
【0263】
センサ検出結果参照タイミングではない場合(ステップS3601:No)、ステップS3613に移行する。センサ検出結果参照タイミングである場合(ステップS3601:Yes)、RAM663などの記憶領域に記憶されているセンサ検出結果を参照する(ステップS3602)。
【0264】
そして、センサ検出結果を用いて、少なくとも「L(Low)」が連続して3回検出されたか否かを判定する(ステップS3603)。なお、センサ280は、可動役物130が原点位置に位置している場合に「H(High)」を検出し、非原点位置に位置している場合に「L(Low)」を検出する。
【0265】
連続して「L」が3回検出された場合(ステップS3603:Yes)、「H」から「L」への切り替わりであるエッジがあるか否かを判定する(ステップS3604)。エッジがある場合(ステップS3604:Yes)、進出駆動データ1300(図13参照)をRAM663に設定し(ステップS3605)、ステップS3613に移行する。
【0266】
エッジがない場合(ステップS3604:No)、つまり、当初から可動役物130が非原点位置に位置していた場合、エッジエラーフラグをONにするとともに(ステップS3606)、規制フラグをONにする(ステップS3607)。
【0267】
なお、本フローチャートの進出動作時処理(可動役物130を併用する演出時におこなう処理)は、レベルエラーやエッジエラーがOFFである場合(正常状態である場合)に実行されるため、演出開始時におけるセンサ280の検出結果は「H」になっている。ステップS3604:Noのエッジがない場合とは、たとえば、変動開始時には可動役物130が原点位置に位置していたものの、可動役物130を用いる演出の開始タイミングまでの間に、可動役物130の重みによって可動役物130がわずかに進出方向に移動して非原点位置に位置した場合などに起こり得る。
【0268】
この後、ランプ制御部602cは、駆動モータ211を所定量逆転させる(ステップS3608)。この後、演出統括部602aへ送信するためのエラーコマンドをRAM663に設定し(ステップS3609)、ステップS3613に移行する。
【0269】
ステップS3603において、連続して「L」が3回検出されない場合(ステップS3603:No)、つまり、可動役物130が原点位置に位置し続けた場合、所定時間経過したか否かを判定する(ステップS3610)。所定時間とは、たとえば、数秒程度の時間である。所定時間が経過していない場合(ステップS3610:No)、ステップS3613に移行する。
【0270】
所定時間が経過した場合(ステップS3610:Yes)、レベルエラーフラグをONにするとともに(ステップS3611)、駆動モータ211を停止し(ステップS3612)、ステップS3609に移行する。ステップS3613では、ランプ制御部602cは、進出動作完了タイミングとなったか否かを判定する(ステップS3613)。進出動作完了タイミングとなっていない場合には(ステップS3613:No)、そのまま進出動作時処理を終了する。進出動作完了タイミングとなった場合には(ステップS3613:Yes)、進出動作完了時処理を実行し(ステップS3614)、進出動作時処理を終了する。進出動作完了時処理の詳細については、図37を用いて後述する。
【0271】
(進出動作完了時処理)
つぎに、図37を用いて、図36のステップS3614に示した進出動作完了時処理について説明する。図37は、進出動作完了時処理の処理内容を示すフローチャートである。図37において、ランプ制御部602cは、RAM663などの記憶領域に記憶されているセンサ検出結果を参照する(ステップS3701)。そして、「L」の個数が所定範囲内であるか否かを判定する(ステップS3702)。ステップS3702の判定は、可動役物130が非原点位置に位置したタイミングが正常なタイミングであるか否かの期間判定に相当する。
【0272】
「L」の個数が所定範囲内である場合(ステップS3702:Yes)、すなわち正常状態である場合、そのまま進出動作完了時処理を終了する。「L」の個数が所定範囲内ではない場合(ステップS3702:No)、すなわち、可動役物130が非原点位置に位置したタイミングが早かったり遅かったりし、「L」の個数が所定範囲内にないエラー状態である場合、エッジエラーフラグをONにする(ステップS3703)。
【0273】
そして、可動役物130の全ての動作を規制させるための規制フラグをONにする(ステップS3704)。この後、演出統括部602aへ送信するためのエラーコマンドをRAM663に設定し(ステップS3705)、進出動作完了時処理を終了する。
【0274】
(退避動作時処理)
つぎに、図38を用いて、図35のステップS3508に示した退避動作時処理について説明する。図38は、退避動作時処理の処理内容を示すフローチャートである。退避動作時処理において、ランプ制御部602cは、可動役物130の退避動作時における、センサ検出結果参照タイミングであるか否かを判定する(ステップS3801)。センサ検出結果参照タイミングとは、具体的には、退避駆動データ1400(図14参照)から、停止駆動データ1500(図15参照)へ切り替えるタイミングである。
【0275】
センサ検出結果参照タイミングではない場合(ステップS3801:No)、ステップS3812に移行する。センサ検出結果参照タイミングである場合(ステップS3801:Yes)、RAM663などの記憶領域に記憶されているセンサ検出結果を参照する(ステップS3802)。
【0276】
そして、センサ検出結果を用いて、少なくとも「H(High)」が連続して3回検出されたか否かを判定する(ステップS3803)。連続して「H」が3回検出された場合(ステップS3803:Yes)、「L」から「H」への切り替わりであるエッジがあるか否かを判定する(ステップS3804)。エッジがある場合(ステップS3804:Yes)、停止駆動データ1500(図15参照)をRAM663に設定し(ステップS3805)、ステップS3812に移行する。
【0277】
エッジがない場合(ステップS3804:No)、つまり、当初から可動役物130が非原点位置に位置していた場合、エッジエラーフラグをONにするとともに(ステップS3806)、規制フラグをONにする(ステップS3807)。そして、ランプ制御部602cは、演出統括部602aへ送信するためのエラーコマンドをRAM663に設定するとともに(ステップS3808)、駆動モータ211を停止させ(ステップS3809)、ステップS3812に移行する。
【0278】
ステップS3803において、連続して「H」が3回検出されない場合(ステップS3803:No)、つまり、可動役物130が原点位置に位置し続けた場合、所定時間経過したか否かを判定する(ステップS3810)。所定時間とは、たとえば、数秒程度の時間である。所定時間が経過した場合(ステップS3810:Yes)、レベルエラーフラグをONにして(ステップS3811)、ステップS3808に移行する。
【0279】
所定時間が経過していない場合(ステップS3810:No)、退避動作完了タイミングとなったか否かを判定する(ステップS3812)。退避動作完了タイミングとなっていない場合には(ステップS3812:No)、そのまま退避動作時処理を終了する。退避動作完了タイミングとなった場合には(ステップS3812:Yes)、退避動作完了時処理を実行し(ステップS3813)、退避動作時処理を終了する。退避動作完了時処理の詳細については、図39を用いて後述する。
【0280】
(退避動作完了時処理)
つぎに、図39を用いて、図38のステップS3813に示した退避動作完了時処理について説明する。図39は、退避動作完了時処理の処理内容を示すフローチャートである。図39において、ランプ制御部602cは、RAM663などの記憶領域に記憶されているセンサ検出結果を参照する(ステップS3901)。そして、「H」の個数が所定範囲内であるか否かを判定する(ステップS3902)。ステップS3902の判定は、可動役物130が原点位置に位置したタイミングが正常なタイミングであるか否かの期間判定に相当する。
【0281】
「H」の個数が所定範囲内である場合(ステップS3902:Yes)、すなわち正常状態である場合、ステップS3906に移行する。「H」の個数が所定範囲内ではない場合(ステップS3902:No)、すなわち、可動役物130が原点位置に位置したタイミングが早かったり遅かったりし、「H」の個数が所定範囲内にないエラー状態である場合、エッジエラーフラグをONにする(ステップS3903)。
【0282】
そして、可動役物130の全ての動作を規制させるための規制フラグをONにする(ステップS3904)。この後、演出統括部602aへ送信するためのエラーコマンドをRAM663に設定する(ステップS3905)。この後、レベルエラーフラグがONであるか否かを判定する(ステップS3906)。ここでONに設定されているレベルエラーフラグは、進出動作時処理(図36のステップS3611参照)または退避動作時処理(図38のステップS3811参照)において、ONに設定されたものである。
【0283】
レベルエラーフラグがOFFである場合(ステップS3906:No)、ステップS3908に移行する。レベルエラーフラグがONである場合(ステップS3906:Yes)、図34に示したレベルエラー時復帰処理をおこなう(ステップS3907)。この後、エッジエラーフラグがONであるか否かを判定する(ステップS3908)。ここでONに設定されているエッジエラーフラグは、進出動作時処理(図36のステップS3606参照)、退避動作時処理(図38のステップS3806参照)、または、上記ステップS3903において、ONに設定されたものである。
【0284】
エッジエラーフラグがOFFである場合(ステップS3908:No)、退避動作完了時処理を終了する。エッジエラーフラグがONである場合(ステップS3908:Yes)、図31−1および図31−2に示した復帰動作処理を実行し(ステップS3909)、退避動作完了時処理を終了する。
【0285】
本フローチャートは、可動役物130の動作完了時における処理を示しており、動作完了時にエッジ判定(ステップS3908参照)と、レベル判定(ステップS3906参照)とをおこなうようにしている。なお、可動役物130の動作完了時には、少なくともエッジ判定のみをおこなうようにしてもよく、たとえば、ステップS3906およびステップS3907の各処理をおこなわないようにしてもよい。
【0286】
つまり、レベル判定については、電源投入時や電源復旧時を除いて、演出開始時にのみ(図33−1および図33−2参照)おこなうようにしてもよい。また、エッジ判定については、電源投入時や電源復旧時を除いて、可動役物130の動作時にのみ(図39参照)おこなうようにしてもよい。このような構成にすれば、演出開始時には見栄え上最も重要な可動役物130が原点位置に位置しているか否かというレベル判定をおこなうことができ、また、可動役物130の動作が完了する際にこの動作の完了を利用して、動作状態の判定であるエッジ判定をおこなうことができるので、効率的に各処理をおこなうことができる。
【0287】
以上、説明したように、本実施の形態では、可動役物130が原点位置に位置しているか否かのレベル判定と、原点位置から非原点位置または非原点位置から原点位置への位置の変化があるか否かを判定するエッジ判定と、をおこない、エッジ判定にてエラー状態であると判定した場合には、レベル判定の結果にかかわらず、可動役物130の動作を規制させるようにした。したがって、本実施の形態では、センサ280が故障した場合や、可動役物130が引っ掛かって原点位置に居続けるといった動作不良がある場合に、可動役物130を規制することができ、よって、駆動モータ211や可動役物130の破損を防止することができる。これにより、可動役物130を安定して使用することができる。
【0288】
また、エッジ判定では、エッジ検出後に継続して可動役物130が移行位置に位置しているか否かの継続判定をおこなうようにし、継続判定において可動役物130が継続して移行位置に位置していないエラー状態であると判定した場合、レベル判定の結果にかかわらず、可動役物130の動作を規制させるようにした。具体的には、3回連続して「H」または「L」が検出されているか否かの継続判定をおこなうようにし、3回連続して「H」または「L」が検出されていない場合には、エラー状態であると判定し、可動役物130の動作を規制させるようにした。
【0289】
したがって、チャタリングやノイズ、センサ280の故障などによる誤検出によって1回だけ「H」が検出された場合に、正常状態であるものと判定することなく、正確なエッジ判定をおこなうことができる。これにより、駆動モータ211や可動役物130の破損を効果的に防止することができる。
【0290】
また、本実施の形態において、継続判定(エッジ判定)として、エッジ検出後に継続して可動役物130が移行位置に位置している期間が、所定期間内にあるか否かの期間判定をおこなうようにし、期間判定において所定期間内にないエラー状態であると判定した場合、レベル判定の結果にかかわらず、可動役物130の動作を規制させるようにした。具体的には、可動役物130が移行位置(原点位置や非原点位置)に位置したタイミングが、早かったり遅かったりし予め定めた期間内にない場合に、エラー状態であると判定し、可動役物130の動作を規制させるようにした。したがって、可動役物130のエラー状態を、より厳密に判定することができ、駆動モータ211や可動役物130の破損を効果的に防止することができる。
【0291】
また、期間判定による判定結果(エラー状態)を解析して、報知するようにしてもよい。このような構成とすれば、ぱちんこ遊技機100の管理者は、早期に駆動モータ211や可動役物130のエラー状態を把握でき、駆動モータ211や可動役物130を早期にメンテナンスすることができ、修理費用の削減や修理期間の短縮を図ることができる。
【0292】
本実施の形態では、本発明をぱちんこ遊技機100に適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明を回動式遊技機など他の遊技機に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0293】
100 ぱちんこ遊技機
130 可動役物
200 ギア機構
210 駆動部
211 駆動モータ(駆動手段)
212 第1ギア機構
214 中間体
214a 固定部材
214b 第1可動体
214c 第2可動体
220 ウォームギア
220a ウォーム
220b ウォームホイール
230 第3ラックギア
232 第2ラックギア
240 第1ラックギア
242 第2ギア機構
245 被検出部
280 センサ(検出手段)
601 主制御部
602 演出制御部
602a 演出統括部
602b 画像・音声制御部
602c ランプ制御部
641 CPU
642 ROM
643 RAM
661 CPU
662 ROM
663 RAM
1700 役物制御部(役物制御手段)
1701 位置判定部(位置判定手段)
1702 動作制御部(動作制御手段)
1703 変化判定部(変化判定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤に対して動作する可動役物と、
前記可動役物の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果に基づいて、前記可動役物を制御する役物制御手段と、
を備え、
前記役物制御手段は、
前記可動役物が停止している際の所定のタイミングで、前記検出手段による検出結果を用いて、前記可動役物が原点位置に位置しているか、または前記原点位置を除く非原点位置に位置しているかの位置判定をおこなう位置判定手段と、
前記位置判定手段による判定結果に基づいて、前記可動役物の動作を制御する動作制御手段と、
前記動作制御手段によって前記可動役物に対して所定の動作が制御されているときに、前記検出手段による検出結果を用いて、前記原点位置から前記非原点位置または前記非原点位置から前記原点位置への位置の変化があることを示す通常状態であるか、または前記位置の変化がないことを示す非通常状態であるかの変化判定をおこなう変化判定手段と、
を有し、
前記動作制御手段は、前記変化判定手段によって前記非通常状態であると判定された場合、前記位置判定手段の判定結果にかかわらず、前記可動役物の動作を規制することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記変化判定手段は、前記検出手段による検出結果を用いて、前記変化判定として、前記位置の変化後、当該変化後の移行位置に継続して前記可動役物が位置していることを示す前記通常状態であるか、または前記移行位置に継続して前記可動役物が位置しないことを示す前記非通常状態であるかの継続判定をおこない、
前記動作制御手段は、前記変化判定手段による前記継続判定にて前記非通常状態であると判定された場合、前記位置判定手段の判定結果にかかわらず、前記可動役物の動作を規制することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記変化判定手段は、前記継続判定として、当該位置の変化後、前記移行位置に継続して前記可動役物が位置している期間が、所定期間内であることを示す前記通常状態であるかまたは前記所定期間内ではないことを示す前記非通常状態であるかの期間判定をおこない、
前記動作制御手段は、前記変化判定手段による前記期間判定にて前記非通常状態であると判定された場合、前記位置判定手段の判定結果にかかわらず、前記可動役物の動作を規制することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31−1】
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【図31−2】
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【図32】
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【図33−1】
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【図33−2】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【公開番号】特開2013−85841(P2013−85841A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231114(P2011−231114)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】