説明

遊技用装置及び交換管理システム

【課題】所望の景品の交換に満たない遊技媒体の不足分を知らせ、不足分の遊技媒体を補うことができるようにする。
【解決手段】所定の計数手段で計数された遊技媒体の計数値にもとづき景品交換に関する所定の処理を行う遊技用装置10であって、記録媒体から読み出したIDにもとづいて前記計数値を取得する制御部1Aと、取得した計数値及び所定の景品との交換に必要な遊技媒体必要数にもとづいて前記遊技媒体必要数に満たない不足遊技媒体数を算出する演算部13と、前記不足遊技媒体数を表示する出力表示部14とを備え、演算部13は、新たな計数値を追加計数値として取得し、この追加計数値を前記取得した計数値に加算して計数値を更新するとともに、この更新された計数値及び前記遊技媒体必要数にもとづいて、前記不足遊技媒体数を再算出する構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、景品交換に際し、遊技媒体数の不足分の調整を可能とする遊技用装置と、この遊技用装置によって行われた調整結果に基づいて景品交換処理を行う交換管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やパチスロなどの遊技機が設置されてある遊技場においては、遊技球やメダル(以下、遊技媒体という。)を遊技場が用意した景品と交換する所謂景品交換処理が行われている。景品交換処理は、獲得した遊技媒体数の範囲内で遊技者が希望する景品との交換が可能である。対象となる景品としては、例えば、現金との交換が可能な特殊景品と、音楽CDやゲームソフトなどの一般景品とがある。
具体的には、まず、遊技者が獲得した遊技媒体を所定の計数装置に投入して計数させ、計数装置は、その計数値を、レシートや磁気カード等の記録媒体に記録して発行する。
次いで、発行された記録媒体を景品交換カウンタ内の店員に渡し、店員は、記録媒体に記録された計数値を景品交換装置に読み込ませる。
ここで、例えば、遊技者が、特殊景品との交換を望む場合、景品交換装置はその計数値にもとづいて交換可能な特殊景品の景品数を求め、これを排出する。
そして、遊技者は、この排出された特殊景品を受け取ることによって景品交換が成立する。
【0003】
ところで、通常、獲得した遊技媒体を所望の景品と交換する際、景品との交換には満たない余りの遊技媒体(以下、端数遊技媒体という。)が発生する。
このような端数遊技媒体に対する処理としては、クッキー、たばこ、ライターなどの低額な景品と交換する場合が多い。
ところが、例えば、特殊景品との交換を望む遊技者にとってこのような景品は無用なものであり、また、遊技場の店員にとっても煩わしく、混雑の要因にもなっていた。
また、遊技場の会員であれば、会員が所有する会員カード等に端数遊技媒体数を貯留登録することができる。ところが、非会員の遊技者は、獲得した遊技媒体を貯留することができないため、端数遊技媒体を有効に活用することができなかった。
【0004】
このような問題に対し、遊技中に端数遊技媒体の計数値を遊技台上に表示する端球処理装置の発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
この端球処理装置によれば、遊技者が保有する遊技球の個数と景品類の交換比率にもとづく所定の演算方法によって保有球の端数を算出し、算出した端数を端数表示手段が表示するようにしている。
このため、遊技者は、この端数を確認しながら遊技を行うことができ、この端数を使い切るように保有球を調整しながら遊技を終了することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−7479号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されている端球処理装置によれば、遊技者は端球を知ったうえで、これを使い切ることを可能とするものである。
つまり、遊技者は、端球を費やすことによってのみ、端球処理を行うようにしていた。
その結果、遊技者は、あとどれだけの遊技球数を獲得すると所望の景品と交換することができるのか、といった遊技球の不足数を直接的に知ることはできなかった。
したがって、実際には、あと数個の遊技球を足せば所定の景品と交換できるにも拘わらず、これを見過ごさざるを得ず、結果、無用に端球を消費する問題を生じていた。
【0007】
本発明は、上記のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、景品交換の際に生ずる遊技媒体の不足数を求めてその不足分の遊技媒体の追加を促し、また、追加された遊技媒体を計数値に加算することにより効果的に景品交換処理を行う遊技用装置と交換管理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の遊技用装置は、所定の計数手段で計数された遊技媒体の計数値にもとづき景品交換に関する処理を行う遊技用装置であって、前記計数値を取得する計数値取得手段と、前記取得した計数値及び所定の景品の交換に必要な遊技媒体必要数にもとづいて、前記遊技媒体必要数に満たない不足遊技媒体数を算出する不足数算出手段と、前記不足遊技媒体数を表示する表示手段と、新たな計数値を追加計数値として取得する計数値追加手段と、を備え、前記不足数算出手段は、前記追加計数値を前記取得した計数値に加算して計数値を更新するとともに、この更新された計数値及び前記遊技媒体必要数にもとづいて、前記不足遊技媒体数を再算出するようにしてある。
【0009】
また、本発明の交換管理システムは、所定の遊技機で獲得した遊技媒体を計数する計数装置と、計数された遊技媒体の計数値にもとづき所定の景品交換処理を行う景品交換装置と、遊技媒体の計数値の調整処理を行う遊技用装置と、を有する交換管理システムであって、前記遊技用装置が本発明の上記遊技用装置からなる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、端数遊技媒体の発生を効果的に抑え、景品交換を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第一実施形態に係る交換管理システムの全体構成を示す説明図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る遊技用装置の外観を示す外観図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る遊技用装置の構成を示すブロック図である。
【図4】遊技媒体の計数値調整に関する特殊景品の景品交換情報の表示例を示す図である。
【図5】遊技媒体の計数値調整に関する一般景品の景品交換情報の表示例を示す図である。
【図6】本発明の第一実施形態における遊技媒体の計数値の調整方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第二実施形態に係る遊技用装置の外観を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る遊技用装置と、この遊技用装置を含む交換管理システムの好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
[第一実施形態]
本発明の遊技用装置及び交換管理システムの第一実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、図1を参照して、本発明の交換管理システムの構成について説明する。
【0014】
図1に示すように、第一実施形態に係る交換管理システム1は、複数の遊技機70が設置される遊技場(ホール)に備えられ、景品交換に関する種々の情報を表示し、遊技者の操作に応じ計数装置で計数された計数値の調整を可能とする遊技用装置10,遊技球を計数する遊技球計数装置20a又は遊技メダルを計数する遊技メダル計数装置20bからなる計数装置20,計数装置20に付属されるチケット発行機201,端数遊技媒体の処理結果にもとづく景品交換処理を可能とする景品交換装置30,各装置を統括管理するホールコンピュータ40,各島管理装置を管理する親島管理装置50,各島に属する遊技機及び他の付属機器等を管理する島管理装置60,パチンコ機70a又はスロットマシン70bからなる遊技機70,遊技機70に付属する遊技媒体貸出機80及び台管理装置90によって構成されている。
各装置は、CPU,ROM,RAMなどの記憶手段、入出力ポート、及び、外部通信用インターフェイスなどの通信ポートが搭載されたコンピュータで構成されるとともに、各装置は、所定のネットワーク(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク)で双方向通信可能に接続される。
【0015】
このうち、遊技用装置10は、計数装置20で計数された計数値や景品等を表示して、景品交換の前に交換する景品を選択する機会を提供するものである。
一般に、遊技媒体を所望の景品と交換する際、景品との交換には満たない余りの遊技媒体(以下、端数遊技媒体という。)が発生することがある。
このような場合、遊技用装置10は、遊技媒体を貸し出して追加することにより遊技媒体数を更新する機会を遊技者に提供することができる。
例えば、遊技用装置10は、計数装置20によって計数された獲得遊技媒体の計数値にもとづき、交換可能な景品やその景品数からなる景品交換情報を表示する動作を基本処理として行う。
【0016】
また、遊技用装置10は、特殊景品であれば、あとどれだけのメダルが追加されればさらに特殊景品と交換でき、また、あとどれだけの遊技玉が追加されれば所望の一般景品と交換できる、といった遊技媒体の不足数(以下、不足遊技媒体数という。)を表示することができる。
さらに、遊技用装置10は、不足数に相応する遊技媒体が追加された場合にはその追加された遊技媒体の計数値(以下、追加計数値という。)を加算して元の計数値を更新することができる。
また、遊技用装置10は、更新後の計数値にもとづいて、再度、景品交換情報を求めることができる。
そして、求めた景品交換情報を景品交換装置30に通知することで、実際の景品交換を円滑に行うことができる。
【0017】
以下、本実施形態の遊技用装置について図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は、本実施形態に係る遊技用装置の外観を示す外観図であり、図3は、遊技用装置の構成を示す機能ブロック図である。
【0018】
図2に示すように、本実施形態の遊技用装置10は、ICカード等、所定の記録媒体を受け付ける記録媒体受付部11aと、紙幣を受け付ける紙幣受付部及び硬貨を受け付ける硬貨受付部(以下、貨幣受付部16aと総称する。)、所定の場合に返却される紙幣の返却口となる紙幣返却部又は硬貨の返却口となる硬貨返却部(以下、貨幣返却部16bと総称する。)、受け付けた貨幣の範囲内で払い出された遊技媒体を受け取る遊技媒体排出口17aと、任意の数の遊技媒体を投入する遊技媒体投入口18aと、タッチパネル付き液晶表示器の表示画面Pとを各機構として備える。
【0019】
また、図3に示すように、本実施形態の遊技用装置10は、記録媒体受付部11aによって受け付けられた記録媒体を読み取る記録媒体読取部11と、外部装置との間で必要な情報の送受信を行う通信部12と、獲得した遊技媒体の計数値にもとづき所定の演算処理を行う演算部13と、演算結果として所定の景品交換情報を表示する出力表示部14と、操作手段である入力操作部15と、貨幣受付部16aによって受け付けられた貨幣を識別する貨幣識別部16と、遊技媒体を払い出す遊技媒体払出部(遊技媒体払出手段)17と、遊技媒体投入口18aに投入された遊技媒体を計数する遊技媒体計数部(計数手段)18と、所定の実行プログラム等が記憶された記憶部19と、コンピュータからなる制御部1Aとを各機能ブロックとして備える。
制御部1Aは、CPU、制御プログラムやデータが記憶されたROM、ワークメモリとして機能するRAM、I/Oポートなどのマイクロコンピュータで構成され、記憶された制御プログラムにもとづき、遊技用装置10の構成各部を制御することで、各部が以下のように動作処理を行う。
【0020】
記録媒体読取部11は、記録媒体受付部11aに挿入された記録媒体を読み取るものである。
読取対象となる記録媒体は、遊技媒体の計数の際に計数装置20が発行したICカード等であり、記録媒体読取部11は、このような記録媒体を読み取ることにより、遊技者が獲得した遊技媒体の計数値を取得することができる(本発明の計数値取得手段)。
具体的には、計数装置20がICカードに対し獲得した遊技媒体の計数値を記録し、これを景品交換装置30が読み取って景品交換処理を行う場合には、遊技用装置10の記録媒体読取部11は、同様にしてICカードから獲得遊技媒体の計数値を取得することができる。
ただし、本実施形態の場合、計数装置20は、計数値を、ネットワークを介して所定のIDとともに景品交換装置30に送信するとともに、そのIDと同一IDをICカードに記録して発行する態様を採っている。
このため、本実施形態に係る記録媒体受付部11aは、ICカードからIDを読み出し、制御部1Aがこの読み出したIDにもとづき、このIDをインデックスとして獲得遊技媒体の計数値を景品交換装置30から取得する。
これにより、記録媒体自体には計数値を記録されないため、遊技者等が計数値を改竄する不正を防止することができる。
【0021】
通信部12は、上述のローカル・エリア・ネットワーク等を介し、外部の各種装置との間で必要なデータや信号の送受信を行う。
例えば、通信部12は、遊技者が獲得した遊技媒体の計数値を取得するため、ICカードから読み取ったIDを含む所定の問い合わせ信号を景品交換装置30に送信し、また、このような問い合わせ信号に応答して景品交換装置30から返信される計数値を受信する動作を行う。
また、通信部12は、景品の種類や景品ごと設定されている遊技媒体必要数(又は景品交換レート)等、景品交換の演算に関する各種データを外部装置から受信することもできる。
【0022】
演算部13は、獲得遊技媒体の計数値にもとづき景品交換に必要な演算処理を行って所定の景品交換情報を取得する。
具体的には、演算部13は、景品交換装置30から取得した獲得遊技媒体の計数値及び景品に関する遊技媒体必要数を用い、交換可能な景品、景品数及び所定の景品と交換した場合に発生する遊技媒体の端数を求める。
また、演算部13は、端数遊技媒体が発生する場合等、所定の景品との交換に足りない不足遊技媒体数を求める(本発明の不足数算出手段)。
【0023】
例えば、遊技者が、特殊景品との交換を望む場合、演算部13は、獲得遊技媒体の計数値と、各特殊景品(大、中、小)の遊技媒体必要数にもとづき、特殊景品ごとに交換可能な景品数と端数を算出する。
この場合の演算方式としては、獲得遊技媒体の計数値から特殊景品(大)の遊技媒体必要数を除算して商と余りを算出し、その商を特殊景品(大)の景品数とする景品交換情報を求める。
次いで、その余りから特殊景品(中)の遊技媒体必要数を除算して商と余りを算出し、その商を特殊景品(中)の景品数とする景品交換情報を求める。
続いて、その余りから特殊景品(小)の遊技媒体必要数を除算して商と余りを算出し、その商を特殊景品(小)の景品数として求めるとともに、その余りを遊技媒体の端数とした景品交換情報を求める。
そして、特殊景品(小)の遊技媒体必要数から端数を差し引くことにより、特殊景品(小)との交換に必要な不足遊技媒体数を景品交換情報として求める。
【0024】
以下、上述した景品交換情報について具体例を挙げて説明する。
例えば、遊技球1玉を現金に交換するときの交換レートが1玉当たり4円であり、特殊景品(大)の遊技媒体必要数が1250玉(5000円相当)、特殊景品(中)の遊技媒体必要数が250玉(1000円相当)、特殊景品(小)の遊技媒体必要数が125玉(500円相当)である場合について説明する。
ここで、獲得玉数が5695玉である場合、特殊景品(大)の景品数は4個となり(獲得玉数5695÷遊技媒体必要数1250=4 余り695となるため。)、特殊景品(中)の景品数は2個となり(上記余り695÷遊技媒体必要数250=2 余り195となるため。)、特殊景品(小)の景品数は1個となり(上記余り195÷遊技媒体必要数125=1 余り70となるため。)、端数遊技媒体数は70となる。
結果、不足遊技媒体数は55玉(=遊技媒体必要数125−余り70)となるため、仮に、この不足分の計数値が加算された場合、特殊景品(小)の景品数は2個となることがわかる。(実際には、追加遊技媒体数の加算後の計数値にもとづいて再演算が行われるため、70玉相当の計数値が加算された場合、各景品数は、特殊景品(大):4個、特殊景品(中):3個、特殊景品(小)0となる(図4参照))。
【0025】
また、他の例として、例えば、特殊景品(小)との交換のみを行う場合、獲得玉数から特殊景品(小)の遊技媒体必要数を除算し、その商を景品数として求め、余りを端数遊技媒体数として求める。そして、特殊景品(小)の遊技媒体必要数からその余りを差し引いた値を不足遊技媒体数として求めることができる。
例えば、上記例の場合、特殊景品(小)の景品数は45個、端数遊技媒体数は70となる(獲得玉数5695÷遊技媒体必要数125=45 余り70となるため)。このため、不足遊技媒体数は55個(=遊技媒体必要数125−余り70)となる。
なお、交換レートを変更した場合、遊技媒体必要数は変わるため、上記例の景品数や不足遊技媒体数も当然変わることとなる。
【0026】
また、遊技者が、一般景品(例えば、たばこ、ゲームソフト、音楽CD等)との交換を望む場合、演算部13は、獲得遊技媒体の計数値と、一般景品の遊技媒体必要数にもとづき、所望の一般景品の交換に足りない不足遊技媒体数などの景品交換情報を求めることができる。
この場合の演算方式としては、例えば、遊技者がたばことの交換を望む場合、演算部13は、獲得遊技媒体の計数値からたばこの遊技媒体必要数を除算したときの商とその余りを求める。
つまり、演算部13は、その商を交換可能なたばこの景品数とした景品交換情報を求める。
また、演算部13は、その余りをたばこの遊技媒体必要数から差し引くことにより、更にたばこを一つ交換するのに必要な不足遊技媒体数とする景品交換情報を求める。
【0027】
遊技者が、ゲームソフト1個との交換を望む場合、演算部13は、遊技者の選択操作に応じて抽出されたゲームソフトの遊技媒体必要数を、獲得遊技媒体の計数値から減じた減算値を求める。
演算部13は、求めた減算値が負である場合、ゲームソフトとの交換を許容しない判断を行う(例えば、ゲームソフトの景品数を0のままとする)とともに、減算値とゲームソフトの遊技媒体必要数との差分を、ゲームソフトを交換するのに必要な不足遊技媒体数とする景品交換情報を求める。
【0028】
演算部13は、求めた減算値が正(0を含む)である場合、ゲームソフトの交換を許容する判断を行う(例えば、ゲームソフトの景品数を1とする)とともに、その減算値を元の獲得遊技媒体の計数値として更新する。
ここで、遊技者が、さらに、たばこ1個との景品交換を望む場合、演算部13は、たばこの遊技媒体必要数を、その更新後の遊技媒体の計数値から減じた減算値を求め、上述と同様、所定の景品交換情報を求める。
【0029】
なお、遊技者が、遊技媒体必要数が同じである景品の複数交換を望む場合、演算部13は、獲得遊技媒体数からその景品の遊技媒体必要数を除算した商を景品数、その余りを端数遊技媒体数、遊技媒体必要数から余りを差し引いた値を不足遊技媒体数として各景品交換情報を求めることができる。
例えば、獲得玉数が1000玉であり、たばこの遊技媒体必要数が75玉である場合、たばこの景品数は13個、端数遊技媒体数は25となる(獲得玉数1000玉÷遊技媒体必要数75=13 余り25であるため。)。このため、不足遊技媒体数は50玉(=遊技媒体必要数75−余り25)となる。
【0030】
景品交換情報の取得後、演算部13は、遊技媒体投入口18aにより投入され、遊技媒体計数部18によりその計数処理が行われた追加遊技媒体の計数値を取得し(本発明の計数値追加手段)、獲得遊技媒体の計数値に加算して更新し、再度、この更新後の計数値にもとづき上記演算方式を用いた演算処理を行う。
つまり、演算部13は、不足遊技媒体数を補う遊技媒体の追加が確認された場合、対象景品の景品数を追加する演算処理を行う。
そして、演算部13は、このような演算処理を介して取得した景品交換情報を、出力表示部14や景品交換装置30に出力する。
【0031】
出力表示部(表示手段)14は、景品交換に関する種々の情報を表示する。例えば、遊技者が獲得した遊技媒体の計数値、対象の景品名、交換可能な景品数、端数及び不足遊技媒体数等であり、主に演算部13から出力された景品交換情報を表示する。
入力操作部15は、物理キー又はソフトウエアキーにより構成することができ、遊技者の操作に応じて必要な情報を入力するものである。
なお、図2に示すように遊技用装置10の前面にはタッチパネル付き液晶表示器の表示画面Pが備えられており、出力表示部14は、この表示画面Pに必要な情報を表示することでその機能を発揮し、また、入力操作部15は、この表示画面Pに示される選択キー等のタッチ操作に応じて必要情報を入力することでその機能を発揮する。
【0032】
以下、遊技媒体の計数値の調整処理について、景品交換情報の表示例を参照しながら詳細に説明する。
図4は、遊技媒体の計数値調整に関する特殊景品の景品交換情報の表示例を示す図であり、図5は、遊技媒体の計数値調整に関する一般景品の景品交換情報の表示例を示す図である。
【0033】
<特殊景品の場合>
出力表示部14は、獲得遊技媒体の計数値(獲得玉数)を表示する。
例えば、図4(a)は、記録媒体読取部11が遊技者のICカードから読み出したIDにもとづいて特定される遊技玉の獲得玉数が5695玉である場合に、出力表示部14が、表示画面Pの計数値表示区分P1に「獲得玉数 5695玉」と表示した例を示すものである。
また、出力表示部14は、演算部13が所定の演算方式にもとづいて求めた特殊景品(大)の景品数、特殊景品(中)の景品数及び特殊景品(小)の景品数をそれぞれ表示する。例えば、出力表示部14は、表示画面Pの景品表示区分P2に「特殊景品 大 4個」「特殊景品 中 2個」「特殊景品 小 1個」と表示する。
これにより、遊技者は、当初の獲得遊技媒体の計数値の範囲において交換可能な特殊景品をその数量とともに認識することができる。
【0034】
さらに、出力表示部14は、演算部13が求めた遊技媒体の端数を表示する。例えば、上記例の場合、出力表示部14は、表示画面Pの端数表示区分P3に「端数玉 70玉」と表示する。
また、出力表示部14は、演算部13が算出した不足遊技媒体数を表示する。例えば、上記例の場合、出力表示部14は、表示画面Pの不足数表示区分P4に「特殊景品小まであと55玉」と表示する。
このため、遊技者は、あと55玉の遊技媒体を獲得すれば特殊景品(小)と交換できることを認識することができる。
つまり、遊技用装置10は、表示画面Pの不足数表示区分P4を介し、特殊景品と交換するために必要な遊技媒体数の不足数を遊技者に知らせることができる。
これにより、遊技者に対し、不足遊技媒体数を補う遊技媒体の貸し出しを促すことができる。
【0035】
さらに、出力表示部14は、表示画面Pの操作区分P5に、遊技媒体の貸出数を指定するためのテンキーや貸出キーなどの操作キーを表示することで入力操作部15を構成する。
【0036】
操作キーの選択によって遊技媒体の貸出が決定されると、出力表示部14は、貸出数と所定の貸出レートにもとづき必要な貸出額を表示する。
例えば、図4(b)に示すように、不足数(貸出数)が55玉である場合には所定の貸出レート(1玉当たりの貸出単価4円)と貸出数との関係にもとづき、出力表示部14は、貸出情報表示区分P6に「55玉貸出220円です」と表示する。
なお、所定操作により貸出レートを変更すると、出力表示部14は、貸出情報表示区分P6の内容を変更して表示することができる。具体的には、現在の貸出レート(1玉当たりの貸出単価4円)を他の貸出レート(例えば、1玉当たりの貸出単価2円)に変更した場合、貸出情報表示区分P6には「55玉貸出110円です」と表示する。
これにより、遊技者は、不足遊技媒体数を払い出すために必要な金額を即座に知ることが出来る。
【0037】
その後、貨幣受付部16aにおいて貨幣の受け付けが確認されると、貨幣識別部16は、受け付けた貨幣を識別する。
そして、受け付けた貨幣の金額が不足数の遊技媒体の価値以上であることが認識されると、遊技媒体払出部17は、この貸出額に応じた貸出数の遊技媒体を遊技媒体排出口17aに払い出す。なお、貸出数の対価を超過する金額が認識された場合や、キャンセル操作等が確認された場合には、受け付けた貨幣の一部又は全部が、貨幣返却部16bに返却される。
【0038】
払い出された遊技媒体は、遊技者によって取り出され、遊技媒体投入口18aに投入することができ、遊技媒体計数部18は、この投入された遊技媒体(以下、追加遊技媒体という。)を計数する。
そして、演算部13は、追加遊技媒体の計数値を、獲得遊技媒体の計数値に加算して更新し、その更新後の計数値にもとづき、再度、演算方式によりあらためて景品交換情報を求める。
そして、遊技媒体計数部18が、投入された遊技媒体の計数値が55であることを確認すると、演算部13は、獲得遊技媒体数の計数値(5695)に追加遊技媒体の計数値(55)を加算し、この加算後の計数値(5750)にもとづき所定の演算方式を用いて特殊景品の景品数、端数及び不足遊技媒体数を算出する。
この結果、演算部13は、特殊景品(大)の景品数は4個、特殊景品(中)の景品数は3個、特殊景品(小)の景品数は0個で、遊技媒体の端数は0、不足数は0と算出することができる。
なお、追加遊技媒体の投入・計数に応じて即座に上記演算処理を行い、その都度、端数玉が増え、不足数が減る様子を表示画面Pに表示するようにしてもよい。
これにより、遊技者は、不足する遊技媒体をリアルタイムに確認しながら追加遊技媒体を投入することができる。
演算部13は、このような景品交換情報を出力表示部14に出力する。
【0039】
出力表示部14は、演算部13からの景品交換情報にもとづき表示画面Pの表示内容を更新する。
具体的には、図4(c)に示すように、計数値表示区分P1に、「計数値55玉合計6750玉です」と、景品表示区分P2に「特殊景品 大 4個」「特殊景品 中 3個」「特殊景品 小 0個」と、端数表示区分P3には「0玉」と表示し、不足数表示区分P4の情報は表示しないようにする。
そして、出力表示部14は、画面上の所定箇所に確認キーP7を表示するとともに、調整内容の確認を促すメッセージ(例えば、「宜しければ確認ボタンを押して下さい」)を表示する。
次いで、遊技者の操作により確認キーP7が選択されると、各特殊景品ごとの数量を示す景品交換データが確定し、この確定後の景品交換データがICカードから読み出したIDとともに景品交換装置30に送信される。
その後、ICカードは排出され、遊技媒体の計数値の調整処理は終了する。
【0040】
なお、遊技用装置10から送信されたIDが付された景品交換データは、景品交換装置30で受け取られると、IDをインデックスとして保持される。
そして、遊技媒体の計数値の調整処理を終えた遊技者が、景品交換の際、ICカードを景品交換装置30のICカードリーダ301に読み取らせると、景品交換装置30はICカードからIDを読み出し、これと同一のIDをインデックスとする景品交換データを抽出し、その景品交換データの内容に応じた数量の特殊景品を排出する。排出された特殊景品を遊技者が受け取ることにより景品交換は成立する。
つまり、本実施形態に係る交換管理システム1によれば、遊技用装置10による遊技媒体数の調整処理を行うことで、景品交換の際に端数処理を行う必要が無く、また、事前に特殊景品ごとの景品数を予め確定することにより、景品交換処理を円滑に行うことができる。
【0041】
<一般景品の場合>
出力表示部14は、獲得遊技媒体の計数値(獲得玉)を表示する。
例えば、図5(a)に示すように、遊技者のICカードから取り出したIDにもとづいて特定される遊技玉の計数玉数が1695玉である場合、出力表示部14は、表示画面Pの計数値表示区分P1に「獲得玉数 1695玉」と表示する。
また、出力表示部14は、所定の一般景品を選択可能に表示するとともに、演算部13が、演算方式にもとづいて求めた遊技媒体の不足遊技媒体数を景品ごとに表示する。
【0042】
例えば、上記例のように獲得遊技媒体の計数値が1695玉である場合、出力表示部14は、表示画面Pの景品表示区分P2の表示範囲内において「オイルライターまであと305玉」「ゲームソフトまであと190玉」「CD(aaa)まであと100玉」など、景品ごとに不足する遊技媒体数を表示する。なお、景品表示区分P2の範囲に表すことができない景品についてはスクロールバーSの操作を介して他の景品を表示することができる。
これにより、遊技者は、CDと交換するにはあと100玉不足し、遊技媒体をその不足分取得する必要があることを認識することができる。
したがって、遊技用装置10は、表示画像Pを介して、所望の一般景品と交換するために必要な遊技媒体数の不足数を遊技者に知らせることができ、遊技者に対し、その不足遊技媒体数を補う遊技媒体の貸し出しを促すことができる。
【0043】
ここで、遊技者がCDとの交換を望む場合、景品表示区分P2のうちCDが示されている区分を選択する。
遊技者によるCDの選択操作に応じ、出力表示部14は、表示画面Pの景品表示区分P2に、選択されたCDに関する区分を特定して表示するとともに、操作区分P5に、テンキーや貸出キーからなる操作キーを表示する。
【0044】
また、出力表示部14は、選択された一般景品に関する遊技媒体の不足遊技媒体数と所定の貸出レートにもとづき必要な貸出額を表示する。
例えば、図5(b)に示すように、不足数(貸出数)が100玉である場合には、所定の貸出レート(1玉当たりの貸出単価4円)と貸出数100との関係にもとづき、出力表示部14は、貸出情報表示区分P6に「100玉貸出400円です」と表示する。
これにより、遊技者は、不足遊技媒体数を取得するために必要な金額を即座に知ることが出来る。
【0045】
その後、貨幣受付部16aにおいて貨幣の受け付けが確認されると、貨幣識別部16は、受け付けた貨幣を識別する。
そして、受け付けた貨幣の金額が不足数の遊技媒体の価値以上であることが認識されると、遊技媒体払出部17は、この貸出額に応じた貸出数の遊技媒体を遊技媒体排出口17aに払い出す。貸出数の対価以上する金額が認識された場合や、キャンセル操作等が確認された場合には、受け付けた貨幣の一部又は全部が、貨幣返却部16bに返却される。
【0046】
払い出された遊技媒体は、遊技者によって取り出され、遊技媒体投入口18aに投入することができ、遊技媒体計数部18は、この投入された追加遊技媒体を計数する。
そして、演算部13は、追加遊技媒体の計数値を、獲得遊技媒体の計数値に加算して更新し、その更新後の計数値にもとづき、再度、演算方式によりあらためて景品交換情報を求める。
例えば、遊技媒体計数部18が、投入された遊技媒体の計数値が100であることを確認すると、演算部13は、獲得遊技媒体の計数値(1695)に追加遊技媒体の計数値(100)を加算し、この加算後の計数値(1795)にもとづき不足遊技媒体数を算出する。
演算部13は、このような景品交換情報を出力表示部14に出力する。
【0047】
出力表示部14は、演算部13からの景品交換情報にもとづき、遊技媒体計数部18が計数した計数値(100)と新たな計数値(1795)とを表示する。例えば、出力表示部14は、図5(c)に示すように、景品表示区分P2の所定区分に、「計数値100玉 合計1795玉です」と表示する。
演算部13は、所定の演算方式を用いて対象の一般景品に関する不足遊技媒体数を算出する。
この結果、不足数が0と算出された場合、出力表示部14は、画面上の所定箇所に確認キーP7を表示するとともに、調整内容の確認を促すメッセージ(例えば、「宜しければ確認ボタンを押して下さい」)を表示する。
次いで、確認キーP7が選択されると、選択した一般景品を示す景品交換データが確定し、この確定後の景品交換データがICカードから読み出したIDとともに景品交換装置30に送信される。
その後、ICカードは排出され、遊技媒体の計数値の調整処理は終了する。
【0048】
なお、遊技用装置10から送信されたIDが付された景品交換データは、景品交換装置30で受け取られると、IDをインデックスとして保持される。
そして、遊技媒体数の調整処理を終えた遊技者が、景品交換の際、ICカードを景品交換装置30に読み取らせると、景品交換装置30のICカードリーダ301はICカードからIDを読み出し、これと同一のIDをインデックスとする景品交換データを抽出し、その内容を表示し又は印字する。景品交換を担当する遊技場の店員は、その景品を遊技者に受け渡すことで景品交換は成立する。
【0049】
つまり、本実施形態に係る交換管理システム1によれば、景品交換に先立って、遊技用装置10において不足遊技媒体数を表示し、その不足遊技媒体数に応じた遊技媒体の払い出しとその追加計数を可能とし、この追加計数値が加算された計数値によって景品交換情報を求めることを可能とすることによって、端数玉を有効に活用させ遊技者が望む景品交換を実現することができる。
【0050】
次に、遊技媒体の計数値の調整方法について図6を参照して説明する。
図6は、本実施形態における遊技媒体の計数値の調整方法を説明するためのフローチャートである。
なお、遊技者が獲得した遊技媒体は計数装置20によって計数され、計数値と所定のIDが所定のネットワークを介して景品交換装置30に送信されているものとする。
また、計数値を受け取った景品交換装置30は、その計数値に付されるIDをインデックスとして計数値を保持しているものとする。
そして、計数装置20は、このIDと同一のIDをICカードに記録して発行し、遊技者はこの発行されたICカードを取り出して保有しているものとする。
【0051】
このような状況において、遊技用装置10の記録媒体受付部11aがICカードを受け付けたことを確認すると(S10:YES)、制御部1Aが、景品交換装置30に遊技者の獲得玉を問い合わせる(S11)。具体的には、記録媒体読取部11がICカードからIDを読み出し、このIDを含む所定の問い合わせ信号を、通信部12を介して景品交換装置30に送信する。
この結果、遊技用装置10は、景品交換装置30から獲得玉数(計数値)を受信し、また、景品交換玉数(遊技媒体必要数)を受信する(S12)。
次いで、遊技用装置10の出力表示部14は、景品交換装置30から受け取った獲得玉の計数値を表示する(S13)。
【0052】
ここで、制御部1Aは、獲得玉を特殊景品に交換する操作の有無を判断する(S14)。
特殊景品に交換する操作が確認された場合(S14:YES)、出力表示部14は、図4(a)に示すように、特殊景品数、端数玉及び不足分を表示する(S15)。具体的には、演算部13が、獲得玉と特殊景品の景品交換玉数にもとづき所定の演算方式を用いて求めた特殊景品数、端数玉(遊技媒体の端数)及び不足分(不足遊技媒体数)を出力表示部14が表示画面Pに表示する。
【0053】
その後、制御部1Aは、遊技媒体の貸出操作の有無を確認する(S16)。
貸出操作が確認されると(S16:YES)、制御部1Aは、不足する遊技媒体の対価以上の貨幣受付があったか否かを判断する(S17)。例えば、制御部1Aは、不足数と貸し出しレートから導き出される遊技媒体の対価以上の貨幣額が貨幣識別部16によって確認されたか否かによってこのような判断を行う。
【0054】
遊技媒体価値以上の貨幣受付があったことが確認された場合(S17:YES)、遊技媒体払出部17が、遊技媒体の払い出しを行う(S18)とともに、貨幣返却部16bに超過分の貨幣を返却する。
なお、遊技媒体払出口17aに払い出された遊技媒体は、遊技者により遊技媒体投入口18aに投入される。
次に、遊技媒体計数部18が投入された遊技媒体の計数処理を行い(S19:YES)、演算部13が、その計数値(追加計数値)を獲得遊技媒体の計数値に加算して計数値を更新し、この更新された計数値にもとづいて再演算して特殊景品数ごとの景品数と端数玉を求め、出力表示部14が、これら特殊景品数ごとの景品数と端数玉を表示する。(S20)。
【0055】
ここで、確認キーP7の選択に応じた確定操作が確認されると(S21:YES)、制御部1Aは、通信部12を介し、演算部13が求めた特殊景品数及び端数玉の情報をICカードから読み取ったIDとともに景品交換装置30に送信する(S22)。
そして、記録媒体受付部11aは、受け付けたICカードを排出する(S23)。
【0056】
なお、ステップS16において、遊技媒体の貸出操作が確認されなかった場合(S16:NO)、制御部1Aは、キャンセル操作が確認されない場合(S24:NO)には、ステップS14に戻り、キャンセル操作が確認された場合(S24:YES)には、記録媒体受付部11aがICカードを排出する(S23)。
【0057】
他方、ステップS14において、特殊景品に交換する操作が確認されなかった場合(S14:NO)、次に、制御部1Aは、獲得玉を一般景品に交換する操作の有無を判断する(S25)。
一般景品に交換する操作が確認された場合(S25:YES)、出力表示部14は、図5(a)に示すように、一般景品数と不足数とを対比して表示する(S26)。
その後、制御部1Aは、遊技媒体の貸出操作の有無を確認する(S27)。
【0058】
貸出操作が確認されると(S27:YES)、制御部1Aは、遊技媒体価値以上の貨幣受付があったか否かを判断する(S28)。
遊技媒体価値以上の貨幣受付があったことを確認した場合(S28:YES)、遊技媒体払出部17が、遊技媒体の払い出しを行う(S29)とともに、貨幣返却部16bに超過分の貨幣を返却する。
なお、遊技媒体払出口17aに払い出された遊技媒体は、遊技者により遊技媒体投入口18aに投入される。
次に、遊技媒体計数部18が投入された遊技媒体の計数処理を行い(S30:YES)、演算部13が、その計数値(追加計数値)を獲得遊技媒体の計数値に加算して計数値を更新し、出力表示部14は、この更新された計数値(合計値)を表示する。(S31)。
【0059】
ここで、確認キーP7の選択に応じた確定操作が確認されると(S32:YES)、制御部1Aは、通信部12を介し、演算部13が求めた一般景品の情報をICカードから読み取ったIDとともに景品交換装置30に送信する(S22)。
そして、記録媒体受付部11aは、受け付けたICカードを排出する(S23)。
【0060】
なお、ステップS25において、一般景品に交換する操作が確認されなかった場合(S25:NO)、キャンセル操作が確認されない場合(S33:NO)には、ステップS14に戻り、キャンセル操作が確認された場合(S33:YES)には、記録媒体受付部11aがICカードを排出する(S23)。
また、ステップS27において、遊技媒体の貸出操作が確認されなかった場合(S27:NO)、キャンセル操作が確認されない場合(S34:NO)には、ステップS27に戻り、キャンセル操作が確認された場合(S34:YES)には、記録媒体受付部11aがICカードを排出する(S23)。
【0061】
以上説明したように、本実施形態の交換管理システム1によれば、遊技用装置10が、遊技媒体の計数値にもとづいて不足遊技媒体数、景品数その他の景品交換情報を演算により求め、求めた景品交換情報を表示し、また、不足遊技媒体数を補うべく計数値の調整を可能としている。
これにより、従来生じていた端数遊技媒体の発生を抑え、端数処理の機会を減らすことができる。
このため、店員及び遊技者は、端数処理に伴う煩わしさから開放されるだけでなく、従来、端数遊技媒体を店側に無償譲渡する際に生じていた横領等の不正行為を未然に防止することができる。
また、求めた景品交換情報を景品交換装置30に予め通知することにより、実際の景品交換処理を迅速に行うことができる。
つまり、景品交換業務の効率を向上させることにより、景品交換の際の混雑や遅延を防ぎ、遊技者や遊技場にとっても満足いく新たな景品交換の態様を提供することができる。
【0062】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について図面を参照しながら説明する。
図7は、本発明の第二実施形態に係る遊技用装置の外観を示す外観図である。
本実施形態に係る遊技用装置は、第一実施形態と同様、獲得した遊技媒体数や景品等を表示して、景品交換の前に交換する景品を選択する機会を提供することができ、端数遊技媒体が発生する場合等、遊技媒体を貸し出して追加することにより遊技媒体数を更新する機会を遊技者に提供することができる。
しかしながら、本実施形態の遊技用装置10は、図7に示すように、計数装置101と遊技媒体貸出機102とによって構成される点において第一実施形態と異なる。つまり、本実施形態に係る遊技用装置10は、計数装置101と遊技媒体貸出機102との組み合わせによって実現するものである。
また、これら計数装置101及び遊技媒体貸出機102は、従来、遊技場における遊技媒体の計数手段として用いられる計数装置や有価物の投入に応じて遊技媒体を払い出す手段として用いられる遊技媒体貸出機(例えば、図1に示す遊技メダル計数装置20bや遊技媒体貸出機80)を用いることができる。
その他、各構成部については、第一実施形態に係る遊技用装置10と同様である。このため、対応する構成部については、図2や図3に示す同一の符号を付して適宜説明を省略する。
【0063】
計数装置101は、図7(a)に示すように、会員カード受付部11bと、記録媒体受付部11aと、遊技媒体投入口18aとを備える。
会員カード受付部11bは、会員に対して発行される会員カードを受け付ける。会員カードは、ICカードなどの記録媒体からなり、会員は獲得した遊技媒体を貯留する場合には、その貯留数を記録することができる。
また、計数装置101は、記録媒体読取部11と、遊技媒体計数部18と、通信部12と、演算部13と、記憶部19と、制御部1Aとを備える。
記録媒体読取部11は、記録媒体受付部11a又は会員カード受付部11bによって受け付けられた記録媒体を読み取ることで、獲得遊技媒体の計数値や貯留数を読み取るものである。
【0064】
遊技媒体貸出機102は、図7(b)に示すように、紙幣受付部及び硬貨を受け付ける硬貨受付部からなる貨幣受付部16aと、紙幣返却部又は硬貨返却部からなる貨幣返却部16bと、遊技媒体排出口17aと、表示画面Pとを備える。
また、遊技媒体貸出機102は、計数装置101との間で必要な情報の送受信を行う通信部12と、出力表示部14と、入力操作部15と、貨幣識別部16と、遊技媒体払出部17と、記憶部19と、制御部1Aとを備える。
【0065】
つまり、本実施形態に係る計数装置101及び遊技媒体貸出機102は、第一実施形態に係る遊技用装置10の各構成要素をそれぞれ備えている。
このため、計数装置101及び遊技用媒体貸出機102は、情報を相互に送受信して必要な処理を行うなど、相互に所定の連携動作を行うことによって、第一実施形態と同様の遊技用装置10を実現する。
【0066】
例えば、計数装置101は、記録媒体受付部11aを介して読み取った獲得遊技媒体の計数値、会員カード受付部10bを介して読み取った貯留玉数、又は、遊技媒体投入口18aに投入された遊技媒体を計数した計数値を、通信部12を介して遊技媒体貸出機102に送信することができ、遊技媒体貸出機102の演算部13は、通信部12を介して受信した獲得遊技媒体の計数値又は貯留玉数の情報にもとづいて、交換対象の景品、景品数、端数、不足遊技媒体数などの景品交換情報を求めることができる。
また、遊技媒体貸出機102で払い出された遊技媒体を、計数装置101の遊技媒体投入口18aに投入すると遊技媒体計数部18が計数処理を行い、その計数値である追加計数値が通信部12を介して遊技媒体貸出機102に送られ、遊技媒体貸出機102の演算部13ではこの追加計数値を加算して獲得遊技媒体数を更新し、更新された獲得遊技媒体の計数値にもとづく再計算を行うことによってあらためて景品交換情報を求めることができる。
さらに、遊技媒体貸出機102において、遊技者の操作により景品交換の内訳が確定すると、その景品交換情報が通信部12を介して景品交換装置30に送られる。
【0067】
このように、本実施形態の遊技用装置10によれば、第一実施形態と異なる態様によっても本発明を実現することができる。
しかも、本実施形態の遊技用装置10は、計数装置101と遊技媒体貸出機102との組み合わせによって実現することができる。このため、装置単体の構成を簡略化することができ、製造コストや販売価格を抑えることができる。また、故障の切り分けや交換を容易にできるため、運用上においても有用である。
さらに、遊技用装置10を構成する計数装置101及び遊技媒体貸出機102は、従来、遊技場において用いられる計数装置や遊技媒体貸出機を利用することができるため、新製品に関する設計コストや製造コストを大幅に低減することができる。
【0068】
以上、本発明の遊技用装置10、及びこの遊技用装置10を含む交換管理システム1について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明の遊技用装置10、及びこの遊技用装置10を含む交換管理システム1は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
【0069】
例えば、上述の実施形態においては、所定の貸出操作によって必要な遊技媒体を遊技媒体払出口17aに払い出し、遊技者がこれを遊技媒体投入口18aに投入することによって追加計数値を求めるようにしているが、遊技媒体払出口17aと遊技媒体投入口18aとを繋いで自動的又は遊技者の操作により半自動的に遊技媒体が移動するような構造とすることもできる。
また、遊技用装置10は、追加計数値の取得のために遊技媒体を実際に払い出すのではなく、クレジット表示させ、遊技者による所定操作に応じてクレジット数を追加計数値として求めるようにしてもよい。
さらに、他の計数装置で計数した計数値を追加計数値として求めることもできる。例えば、他の計数装置で計数した計数値が、所定のIDとともに記録された記録媒体を記録媒体読取部11により読み取らせた後、遊技者がテンキー入力したIDと記録IDとの照合が一致した場合に、その記録媒体に記録されている計数値を追加計数値として取得することができる。
【0070】
このような構成により、遊技者が遊技媒体を触れることなく移動させて計数させることができるため、遊技者の手間を大幅に軽減することができる。
また、遊技媒体の排出機構(遊技媒体払出部17及び遊技媒体払出口17a)及び計数機構(遊技媒体計数部18及び遊技媒体投入口18a)を無くすことができるため、機器の小型化、簡易化、及び、製造コストの低減を図ることができる。
【0071】
さらに、計数装置20で計数された計数値は、景品交換装置30に送信され、景品交換装置30が保持するようにしているが、例えば、計数値をホールコンピュータ40など他の装置で保持するようにしてもよい。そして、ホールコンピュータ40で計数値を保持する場合、遊技用装置10からの獲得計数値の問い合わせは、ホールコンピュータ40に対して行えば良い。
なお、景品ごとの景品交換玉数(遊技媒体必要数)についても、景品交換装置30以外の装置(例えば、ホールコンピュータ40)から遊技用装置10に通知するようにしてもよい。
【0072】
加えて、本発明の各実施形態においては、遊技用装置10が読取可能な記録媒体をICカードとしたが、ICチップが埋め込まれたICコインや携帯端末、磁気カード等に代替することもできる。また、計数装置20が、図1に示すようなチケット発行機201等を有する場合、IDとしてのQRコード等を記録可能な紙のチケットによって代替することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、景品交換に関する情報を表示可能な遊技用の装置に有用である。
また、遊技媒体の計数手段を有する計数装置や遊技媒体の払い出し手段を有する遊技媒体貸出機に有用である。
【符号の説明】
【0074】
1 交換管理システム
10 遊技用装置
11 記録媒体読取部
11a 記録媒体受付部
12 通信部
13 演算部
14 出力表示部
15 入力操作部
16 貨幣識別部
16a 貨幣受付部
16b 貨幣返却部
17 遊技媒体払出部
17a 遊技媒体払出口
18 遊技媒体計数部
18a 遊技媒体投入口
19 記憶部
1A 制御部
P 表示画面(タッチパネル付き液晶表示器)
20 計数装置
30 景品交換装置
70 遊技機
80 遊技媒体貸出機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の計数手段で計数された遊技媒体の計数値にもとづき景品交換に関する所定の処理を行う遊技用装置であって、
前記計数値を取得する計数値取得手段と、
前記取得した計数値及び所定の景品との交換に必要な遊技媒体必要数にもとづいて、前記遊技媒体必要数に満たない不足遊技媒体数を算出する不足数算出手段と、
前記不足遊技媒体数を表示する表示手段と、
新たな計数値を追加計数値として取得する計数値追加手段と、を備え、
前記不足数算出手段は、前記追加計数値を前記取得した計数値に加算して計数値を更新するとともに、この更新された計数値及び前記遊技媒体必要数にもとづいて、前記不足遊技媒体数を再算出することを特徴とする遊技用装置。
【請求項2】
所定の有価物の投入に応じて遊技媒体を払い出す遊技媒体払出手段と、
機外から投入された遊技媒体を計数する計数手段と、を備え、
前記計数値追加手段は、この計数手段で計数された計数値を追加計数値として取得する請求項1記載の遊技用装置。
【請求項3】
前記計数値取得手段が、遊技媒体の計数値が記録された所定の記録媒体又は外部の記憶装置を介して前記計数値を取得する請求項1又は2記載の遊技用装置。
【請求項4】
前記遊技媒体必要数の等しい複数の景品と景品交換を行う場合であって、
前記不足数算出手段が、前記取得した計数値を前記遊技媒体必要数で除算した余りを算出し、前記遊技媒体必要数から前記余りを減算した値を前記不足遊技媒体数として算出する請求項1〜3のいずれか一項記載の遊技用装置。
【請求項5】
前記表示手段が、遊技媒体の単位数あたりの対価情報にもとづき前記不足遊技媒体数の遊技媒体の対価を表示する請求項1〜4のいずれか一項記載の遊技用装置。
【請求項6】
所定の遊技機で獲得した遊技媒体を計数する計数装置と、計数された遊技媒体の計数値にもとづき所定の景品交換処理を行う景品交換装置と、遊技媒体の計数値の調整処理を行う遊技用装置と、を有する交換管理システムであって、
前記遊技用装置が、請求項1〜5のいずれか一項記載の交換管理システム。
【請求項7】
前記計数装置が、遊技媒体の計数値と所定の識別子とを景品交換装置に出力するとともに、前記識別子を所定の記録媒体に記録して発行し、
前記景品交換装置が、入力した遊技媒体の計数値と所定の識別子とを対応付けて保持するとともに、その識別子を含む所定の問い合わせに応じて対応する計数値を遊技用装置に出力し、
前記遊技用装置が、前記記録媒体から識別子を抽出し、この識別子を含む前記問い合わせを前記景品交換装置に対して行い、前記識別子に対応する計数値を前記景品交換装置から入力することを特徴とする交換管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−251064(P2011−251064A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128484(P2010−128484)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】