説明

遊技管理装置

【課題】遊技客個々のアウト媒体数、遊技客個々の売上、遊技客個々の獲得景品、遊技客個々の媒体単価、遊技客個々の媒体景品、遊技客個々の媒体粗利を求めることにより、遊技客個々に対するきめ細かなサービスを行うことができるようにする。
【解決手段】個客玉粗利KAと個客玉単価KTと個客玉景品KKとの組み合わせにおいて個々の遊技客がABCの指標の中でそれぞれどのグループに位置しているかを診断結果として可視化して表示することにより、項番1と項番8と項番9とに属する遊技客をできるだけ少なくし、項番2乃至項番7に属する遊技客を増やすことが安定的な営業となり、このような営業状態の安定性、健全性を診断し遊技客に反映することが可能になる。ABCの分類は、遊技客の客層別、例えば、(1)来店頻度の高い客、低い客、(2)男女別、(3)年代別などに求めることによって客層分析にも用いることも可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者個々の遊技内容を分析する遊技管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で開示された遊技客管理システムは、遊技客の顔を認証して、全ての遊技客の遊技履歴情報、客層別遊技情報、保有遊技媒体数順位情報を作成して表示するものであるが、遊技客個々のアウト玉数、遊技客個々の売上、遊技客個々の獲得景品、遊技客個々の玉単価、遊技客個々の玉景品、遊技客個々の玉粗利がわからないため、遊技客個々に対するきめ細かなサービスを行うことができないという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−41764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、遊技客個々のアウト媒体数、遊技客個々の売上、遊技客個々の獲得景品、遊技客個々の媒体単価、遊技客個々の媒体景品、遊技客個々の媒体粗利を求めて、遊技客個々に対するきめ細かなサービスを行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る遊技管理装置は、顧客認証装置と店内設置機器と情報処理装置と出力機器とを備えて遊技者個々の遊技内容を分析することができるようにした遊技管理装置であって、顧客認証装置が店内設置機器を稼働する遊技者個々の識別情報及び当該稼働する店内設置機器個々の識別情報を情報処理装置に出力し、店内設置機器個々が稼働状況に対応する稼働情報及び当該稼働する店内設置機器個々の識別情報を情報処理装置に出力することにより、情報処理装置が上記遊技者個々の識別情報と上記店内設置機器個々の識別情報と上記店内設置機器個々の稼働情報と上記稼働する店内設置機器個々の識別情報とから遊技者個々のアウト媒体数である個客アウト媒体数と遊技者個々の消費金額である個客売上と遊技者個々の獲得景品媒体数である個客景品媒体数とを求め、また、情報処理装置が上記求められた個客アウト媒体数と個客売上と個客景品媒体数とから遊技者個々の消費度を示す個客媒体単価と遊技者個々の獲得度を示す個客媒体景品と遊技者個々の勝ち負けを示す個客媒体粗利とを求め、また、情報処理装置が上記求められた個客媒体単価を個客媒体単価に対する第1診断データベースでどのグループに属するかの診断結果を求めて出力機器に出力し、また、情報処理装置が上記求められた個客媒体景品を個客媒体景品に対する第2診断データベースでどのグループに属するかの診断結果を求めて出力機器に出力し、さらに、情報処理装置が上記求められた個客媒体粗利を個客媒体粗利に対する第3診断データベースでどのグループに属するかの診断結果を求めて出力機器に出力し、出力機器が上記求められた診断結果を可視化して表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る遊技管理装置は、遊技客個々のアウト媒体数、遊技客個々の売上、遊技客個々の獲得景品、遊技客個々の媒体単価、遊技客個々の媒体景品、遊技客個々の媒体粗利を求めることにより、遊技客個々に対するきめ細かなサービスを行うことができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態に係る遊技管理装置を示す構成図。
【図2】実施形態に係る個客玉単価に対する第1診断データベースを示す図表。
【図3】実施形態に係る個客玉景品に対する第2診断データベースを示す図表。
【図4】実施形態に係る個客玉粗利に対する第3診断データベースを示す図表。
【図5】実施形態に係る個客玉粗利と個客玉単価と個客玉景品との組み合わせ例を示す図表。
【図6】実施形態に係る顧客認証装置を示す構成図。
【図7】実施形態に係る会員管理データベースを示す図表。
【図8】実施形態に係る顔画像データベースを示す図表。
【図9】実施形態に係るIDデータベースを示す図表。
【図10】実施形態に係る遊技管理データベースを示す図表。
【図11】実施形態に係る遊技店内設置機器を示す構成図。
【図12】実施形態に係る遊技管理データベース例を示す図表。
【図13】実施形態に係る図12の遊技管理データベース例からの基本分析例を示す図表。
【図14】実施形態に係る図12の遊技管理データベース例からの新機種およびメイン機種の稼働と客層の推移分析例を示す図表。
【図15】実施形態に係る図12の遊技管理データベース例からのイベント前後の稼働と客層の推移分析例を示す図表。
【図16】実施形態に係る図12の遊技管理データベース例からの遊技客の個別玉単価&個別玉粗利の推移とばらつきの分析例を示す図表。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照し、実施形態に係る遊技管理装置について説明する。遊技管理装置としては、玉を遊技媒体として使用するパチンコ機に対する場合を例として説明する。よって、以下の説明においては、段落0005における個客アウト媒体数を個客アウト玉数ΣOと表現し、段落0005における個客景品媒体数を個客景品玉数ΣKと表現し、段落0005における個客媒体単価を個客玉単価KTと表現し、段落0005における個客媒体景品を個客玉景品KKと表現し、段落0005における個客媒体粗利を個客玉粗利KAとを表現する。なお、遊技管理装置がメダルを遊技媒体として使用するスロットマシンを対象に対する場合は、上記個客アウト玉数ΣOを個客アウトメダル数と読み替え、個客景品玉数ΣKを個客景品メダル数と読み替え、上記個客玉単価KTを個客メダル単価と読み替え、上記個客玉景品KKを個客メダル景品と読み替え、上記個客玉粗利KAを個客メダル粗利と読み替えることにより適用できる。
【0009】
図1に示すように、遊技管理装置は、入力機器1、情報処理装置2、出力機器3を備え、遊技者個々の遊技内容を分析することができるようにした装置である。入力機器1は、顧客認証装置4及び店内設置機器5を備える。情報処理装置2は、コンピューターにより構成され、第1演算手段6と第2演算手段7と診断手段8と遊技管理手段9とを備える。第1演算手段6と第2演算手段7と診断手段8及び遊技管理手段9は、情報処理装置2を構成するコンピューターを動作するコンピュータープログラムにより具現化される。出力機器3は、ディスプレイ10又はプリンター11により構成される。
【0010】
遊技管理装置は、次のように動作する。先ず、顧客認証装置4が店内設置機器5を稼働する遊技者個々の識別情報及び当該稼働する店内設置機器5個々の識別情報を情報処理装置2に出力し、店内設置機器5個々が稼働状況に対応する稼働情報及び当該稼働する店内設置機器5個々の識別情報を情報処理装置2に出力することにより、情報処理装置2の第1演算手段6が上記遊技者個々の識別情報と上記店内設置機器5個々の識別情報と上記店内設置機器5個々の稼働情報と上記稼働する店内設置機器5個々の識別情報とから第1遊技情報としての個客アウト玉数ΣOと個客売上ΣUと個客景品玉数ΣKとを求める。
【0011】
個客アウト玉数ΣOは、遊技者個々のアウト玉数であり、特定の遊技客が遊技を行った単数又は複数の遊技台及び単数又は複数の遊技回数から集計される。個客売上ΣUは、遊技者個々の消費金額であり、特定の遊技客が遊技をした単数または複数の遊技台および単数または複数の遊技回数から集計される。個客景品玉数ΣKは、遊技者個々の獲得景品玉数であり、特定の遊技客が遊技をした単数または複数の遊技台および単数または複数の遊技回数から集計される。なお、個客アウト玉数ΣOと個客売上ΣUと個客景品玉数ΣKのファクターは、個々の遊技客に対して求めることができるが、その他に遊技客の客層別、例えば、(1)来店頻度の高い客、低い客、(2)男女別、(3)年代別などに求めることによって客層分析にも用いることが可能である。
【0012】
次に、情報処理装置2の第2演算手段7が第1遊技情報から第2遊技情報としての個客玉単価KTと個客玉景品KKと個客玉粗利KAとを求める。個客玉単価KT=個客売上ΣU/個客アウト玉数ΣO(円/玉)である。個客玉単価KTからは、遊技者の消費度が分かる。個客玉景品KK=個客景品玉数ΣK・交換率/個客アウト玉数ΣOである。個客玉景品KKからは、遊技者の獲得度が分かる。個客玉粗利KA=(個客売上ΣU−個客景品玉数ΣK・交換率)/個客アウト玉数ΣOである。個客玉粗利KAからは、遊技者の勝ち負けが分かる。
【0013】
また、遊技店の運営者が遊技者個々の遊技内容を遊技店の営業上の観点から分析しやすいように、情報処理装置2の診断手段8が上記求められた個客玉単価KTと個客玉景品KKと個客玉粗利KAとから営業の診断情報を求める。具体的には、診断手段8は、上記求められた個客玉単価KTを個客玉単価KTに対する第1診断データベース12のどのグループに属するかの診断結果を求め、上記求められた個客玉景品KKを個客玉景品KKに対する第2診断データベース13のどのグループに属するかの診断結果を求め、上記求められた個客玉粗利KAを個客玉粗利KAに対する第3診断データベース14のどのグループに属するかの診断結果を求め、これらの診断結果を出力機器3であるディスプレイ10又はプリンター11に出力し、ディスプレイ10又はプリンター11が上記の診断結果を可視化して表示する。
【0014】
図2を参照し、個客玉単価KTに対する第1診断データベース12について説明する。第1診断データベース12は、個客玉単価KTを指標A1;A2;A3で示す3グループに分けた形になっている。指標A1は、KT>2であって消費度大と区分されるグループである。指標A2は、KT=1乃至2であって消費度中と区分されるグループである。指標A3は、KT<1であって消費度小と区分されるグループである。上記のKT=1とか2は、固定された数字ではなく、ホールの営業状態、遊技機の仕様ならびに交換率その他によって変更可能な数字である。
【0015】
図3を参照し、個客玉景品KKに対する第2診断データベース13について説明する。第2診断データベース13は、個客玉景品KKを指標B1;B2;B3で示す3グループに分けた形になっている。指標B1は、KK<1であって獲得度小と区分されるグループである。指標B2は、KK=1乃至2であって獲得度中と区分されるグループである。指標B3は、KK>2であって獲得度大と区分されるグループである。上記のKK=1とか2は、固定された数字ではなく、ホールの営業状態、遊技機の仕様ならびに交換率その他によって変更可能な数字である。
【0016】
図4を参照し、個客玉粗利KAに対する第3診断データベース14について説明する。第3診断データベース14は、個客玉粗利KAを指標C1;C2;C3で示す3グループに分けた形になっている。指標C1は、KA<0であって客の勝ちと区分されるグループである。指標C2は、KA≒0であってイーブンと区分されるグループである。指標C3は、KA>0であって客の負けと区分されるグループである。
【0017】
図5を参照し、図2乃至図4による分類によって、個々の遊技客がABCの指標の中でそれぞれどのグループに位置しているか、また、それぞれのグループの割合などを勘案することにより、個々の遊技客に対するサービスをピンポイントで行うことができるということを説明する。図5に示す図表は、個客玉粗利KAと個客玉単価KTと個客玉景品KKとの組み合わせ例を示したものである。よって、図2乃至図4による分類によって、個々の遊技客がABCの指標の中でそれぞれどのグループに位置しているかを診断結果として可視化して表示した場合において、図5の項番1に入っていると遊技店の赤字が大きくなりこのような出玉サービスは避けるべきであり、項番2乃至項番7の範囲に入っていれば安定した営業状態であり、項番8及び項番9に入っていると遊技店の黒字が大きくなりこのような利益の取り方は避けるべきである。よって、図5を考察すると、項番1と項番8と項番9とに属する遊技客をできるだけ少なくし、項番2乃至項番7に属する遊技客を増やすことが安定的な営業といえる。このような営業状態の安定性、健全性を診断し遊技客に反映することを可能にすることが本実施形態の有意な点である。なお、ABCの分類は、個々の遊技客に対して求めることができるが、その他に遊技客の客層別、例えば、(1)来店頻度の高い客、低い客、(2)男女別、(3)年代別などに求めることによって客層分析にも用いることが可能である。
【0018】
図6を参照し、実施形態に係る顧客認証装置4について説明する。顧客認証装置4は、会員認証装置21及び顔認証装置22を備え、遊技台個々や玉計数機個々に対応して設けられ、遊技店で遊技を行う会員や非会員よりなる全ての遊技客個々を個別に認証できるようにした装置である。
【0019】
会員認証装置21に用いられる会員カード23は、遊技店と遊技者個々との間で正規に締結された契約に基づいて当該遊技者個々が会員として登録された場合に、その登録した遊技店がICカードよりなる会員カード23を会員としての遊技者個々に発行する。会員カード23が遊技店から会員に発行される際、会員認証装置21の会員データベース24には、会員個々に関する種々の情報として、会員個々を表す利用者識別情報としての会員ID(Identificationの略号)、会員から申告された会員個々の住所、会員から申告された会員個々の電話番号や電子メールアドレス、会員から申告された会員個々の年齢、会員から申告された会員個々の性別、会員から申告された会員個々の趣味などが記録される。
【0020】
会員カード23の記憶部分には、会員IDが書き替え不可能に記録され、貯玉数が書き換え可能に記録されている。貯玉数は、会員IDに対応する会員により遊技店に貯玉として貯蓄された玉数を表す情報である。よって、会員は、会員カード23の記憶部分に記録された貯玉数の範囲内の玉数の玉を遊技のために遊技店から借りることができる。このように遊技店が遊技者に玉を貸す場合、遊技に使用される遊技媒体としの玉が遊技台に供給される際に、会員認証装置21が当該貸玉数を会員カード23に記録された貯玉数から減算し、その減算された数値を新たな貯玉数として会員認証装置21が会員カード23の記憶部分に書き替える。この借りた玉で行われる遊技が再プレイである。
【0021】
会員認証装置21の動作について説明する。会員認証装置21が電力の供給を受けて起動した状態において、会員が会員カード23を会員認証装置21に供給すると、会員認証装置21が会員カード23から会員IDを読み取り、読み取った会員IDが会員認証装置21の会員データベース24に記録されているかいないかにより、会員認証装置21に供給された会員カード23が正規なものであるかどうかを判断する。具体的には、上記読み取った会員IDが会員データベース24に記録されていれば正規に会員登録された会員カード23であり、上記読み取った会員IDが会員データベース24に記録されていなければ正規に会員登録されていない会員カード23であるというように判断して、会員カード23の誤使用又は不正使用を防止するようになっている。
【0022】
そして、会員カード23が会員登録されている正規なものである場合は、会員認証装置21が会員カード23から読み取った店内設置機器5を稼働する遊技者個々の識別情報としての個人情報と会員認証装置21に対応して設けられた当該稼働する店内設置機器5個々の識別情報としての機器情報とを情報処理装置2に出力する。個人情報としては、会員ID、書替前貯玉数、貸玉数、書替後貯玉数である。機器情報としては、会員認証装置21に対応して設けられた遊技台番号又は会員認証装置21に対応して設けられた玉計数機番号である。よって、情報処理装置2が、会員ID、遊技台番号又は玉計数機番号、書き換え前の貯玉数、貸玉数情報、書き換え後の貯玉数のそれぞれを、情報処理装置2の記憶部分に設けられた会員管理データベース25に書き換え可能に記録日時と共に記録する。
【0023】
図7を参照し、会員管理データベース25について説明する。会員管理データベース25には、記録日時欄、個人情報欄、機器情報欄が設けられる。個人情報欄としては、会員ID欄、書替前貯玉数欄、書替後貯玉数欄が設けられ、機器情報欄としては、遊技台番号欄が設けられる。機器情報欄としては、遊技台番号欄に加えて玉計数機番号欄を設けることも考えられる。よって、情報処理装置2が会員管理データベース25から例えば個々の会員IDに関する記録日時、書替前貯玉数、書替後貯玉数、遊技台番号を抽出して、会員個々に対する図1に示す個客アウト玉数ΣO、個客売上ΣU、個客景品玉数ΣK、個客玉単価KT、個客玉景品KK、個客玉粗利KAを求めて、図2示す個客玉単価KTに対する第1診断データベース12、図3に示す個客玉景品KKに対する第2診断データベース13、図4に示す個客玉粗利KAに対する第3診断データベース14、図5に示す図表を使用して、会員個々に対するきめ細かなサービスを行うことができる。尚、図7には図示していないが、貸玉数情報欄を設け、その貸球数情報欄に貸玉数情報を記録するようにしてもよい。
【0024】
図6に戻り、顔認証装置22について説明する。顔認証装置22は、遊技店の営業中の全ての時間又は営業中の一定時間間隔ごとに、遊技台個々やカードユニット個々及び玉貸機個々或いは玉計数機個々に対応する遊技者個々の顔26をデジタルカメラ機能により撮影するようになっている。例えば、一定時間間隔としては、遊技台個々やカードユニット個々及び玉貸機個々に対しては10分、玉計数機個々に対しては3分というように替えることが考えられる。一定時間間隔ごとに撮影可能になっている場合、顔認証装置22に一定時間間隔を計数する機能を持たせてもよいが、顔認証装置22の設置される個数が多数であることから、情報処理装置2が一定時間間隔を計算する機能を有し、情報処理装置2が一定時間間隔ごとに画像取得指示を顔認証装置22に出力し、その出力を入力した顔認証装置22が撮影を開始して画像を情報処理装置2に出力するように、顔認証装置22と情報処理装置2とが相互にデータをやり取りできるようになっている。
【0025】
また、情報処理装置2が一定時間間隔ごとに出力する画像取得指示は、遊技台個々やカードユニット個々及び玉貸機個々に対応する顔認証装置22或いは玉計数機個々に対応する顔認証装置22に一斉に報知するのではなく、遊技台個々やカードユニット個々及び玉貸機個々に対応する顔認証装置22或いは玉計数機個々に対応する顔認証装置22の1台ずつに順番に数秒のような時間間隔で報知するようにして、情報処理装置2でのデータ処理を分散させて円滑に実行できるようになっている。
【0026】
上記顔認証装置22から情報処理装置2に供給される画像は、静止画像データとしてのスチル画像データであってもよいが、撮影開始から数秒のような一定時間だけ動画データとしてのムービー画像データになっている。そして、情報処理装置2の顔画像抽象化手段27は、情報処理装置2を構成するコンピューターを動作するコンピュータープログラムにより具現化されるものであって、顔認証装置22から入力されたムービー画像データの定形領域に顔画像が含まれているかいないかを判断し、顔画像が定形領域に存在する場合、その時点におけるムービー画像データを一こまの静止画像データとしてスチル画像データに変換する。上記ムービー画像データの終了までに顔画像が定形領域に存在しない場合、顔画像抽象化手段27は、その後の抽象化の処理を行うことなく、次のムービー画像データが送られてくるのを待つ。ムービー画像データからスチル画像データへの変換が終了すると、顔画像抽象化手段27は顔画像の抽象化の処理を実行し、遊技者ID付与手段28が遊技者ID付与の処理を実行する。
【0027】
顔画像抽象化手段27による顔画像の抽象化の処理は、スチル画像データの定形領域から顔画像を切り出し、その顔画像の特定部分の抽出を情報処理装置2のコンピューターにプログラミングされた抽象化の処理手順に従って実行して情報処理装置2の記憶部分に一時的に記録する。この情報処理装置2の記憶部分に記録される顔画像の特定部分としては、例えば、左右の目の間隔、唇の横幅、唇の上下幅、髪形、顔の輪郭、口の形、目の形、鼻の形などの中の1個又は2個以上を用いることが考えられる。これにより、顔認証装置22で撮影された遊技者個々の顔画像をそのまま使用しないで、抽象化された顔画像を使用することにより、遊技客個々の顔画像をそのまま使用することに対する抵抗感を和らげることができ、個人情報保護も図ることができる。
【0028】
遊技者ID付与手段28による遊技者ID付与の処理は、上記情報処理装置2の記憶部分に一時的に記録された抽象化後の顔画像を情報処理装置2の顔画像データベース29に照合し、抽象化後の顔画像として例えば左右の目の間隔又は唇の横幅又は唇の上下幅が顔画像データベース29に存在しない場合は情報処理装置2が抽象化後の顔画像個々を表す利用者識別情報としての遊技者IDを情報処理装置2の記憶部分におけるIDデータベース30から取得し、取得した遊技者IDと上記抽象化後の顔画像個々とを対として店内設置機器5を稼働する新規な遊技者個々の識別情報である個人情報として顔画像データベース29に記録し、この記録した新規の遊技者IDを遊技管理データベース31に記録日時と共に記録する。また、抽象化後の顔画像が顔画像データベース29に存在する場合は、遊技者ID付与手段28が顔画像データベース29から抽象化後の顔画像に対応する遊技者IDを抽出して遊技管理データベース31に記録日時と共に記録する。
【0029】
図8乃至図10を参照し、遊技者ID付与手段28による遊技者ID付与の処理について説明する。遊技者ID付与手段28が情報処理装置2の記憶部分に一時的に記録された抽象化後の顔画像を図8に示す顔画像データベース29の顔画像欄に照合する。上記抽象化後の顔画像が例えば三角笑い顔形であると仮定した場合、当該抽象化後の三角笑い顔形なる顔画像が図8に示す顔画像データベース29の顔画像欄に存在しないので、遊技者ID付与手段28が図9に示すIDデータベース30の付与チェック欄を検索してチェック印(図9では○印)の付いていない直下の遊技者IDをIDデータベース30の遊技者ID欄から取得する。図9では、遊技者ID付与手段28が遊技者ID「1101010004」を取得すると共に付与チェック欄の当該遊技者ID「1101010004」に対応する部分にチェック印としての○印を書き込む。その後、取得した遊技者ID「1101010004」と上記抽象化後の三角笑い顔形なる顔画像個々とを対として新規の遊技者個々の個人情報として図8に示す顔画像データベース29の遊技者ID欄の「1101010003」の直下の空白部分と顔画像欄の空白部分とに記録し、この記録した新規の遊技者IDを図10に示す遊技管理データベース31に記録日時と共に記録する。この記録の態様は、図10に示す遊技管理データベース31の欄を含む3行目を参照願いたい。
【0030】
また、遊技者ID付与手段28が情報処理装置2の記憶部分に一時的に記録された抽象化後の顔画像を図8に示す顔画像データベース29の顔画像欄に照合した場合の上記抽象化後の顔画像が例えば四角笑い顔形であると仮定した場合、当該抽象化後の四角笑い顔形なる顔画像が図8に示す顔画像データベース29の顔画像欄に存在するので、遊技者ID付与手段28が図9に示すIDデータベース30を検索することなく図8に示す顔画像データベース29から抽象化後の顔画像に対応する遊技者ID「1101010001」を抽出して図10に示す遊技管理データベース31に記録日時と共に記録する。この記録の態様は、図10に示す遊技管理データベース31の欄を含む4行目を参照願いたい。
【0031】
図11を参照し、遊技店内設置機器5について説明する。遊技店内設置機器5は、パチンコ遊技機のような遊技台35、玉計数機36、カードユニット37、玉貸機38を備える。遊技台35の制御部は、電力の供給を受けた稼動中において、その稼働状況に対応する稼働情報として、アウト玉数、スタート回数、大当たり回数、出玉数などを遊技台35又はホールコンピューター39より情報処理装置2に出力する。玉計数機36は、遊技者個々が遊技で獲得した玉の数を数える機械であり、ジェットカウンターと呼ばれることもある。玉計数機36の制御部は、電力の供給を受けた稼動中において、その稼働状況に対応する稼働情報として、計数した玉数を玉計数機36のプリンターで紙に印字して遊技者に提供するとともに上記玉数を景品玉数としてホールコンピューター39より情報処理装置2に出力する。遊技者は、玉計数機36のプリンターから出力された紙を持って店内の景品交換受付で景品と交換する。
【0032】
カードユニット37および玉貸機38は、遊技台35の個々に対応して設置されて遊技者個々に玉を貸し出す機械である。カードユニット37が貸し出す玉の数を遊技台35に出力し、遊技台35が後部の玉払出機構から遊技台35の玉受皿に貸与する玉として供給するに対し、玉貸機38が貸し出す玉の数を数えつつ貸し出す玉を遊技台35の玉受皿に供給することが、カードユニット37と玉貸機38との相違点である。よって、カードユニット37は、電力の供給を受けた稼動中において、その稼働状況に対応する稼働情報として、貸出玉数及び貸出玉数に等しい金額に相当する有価情報をホールコンピューター39より情報処理装置2に出力する。玉貸機38は、電力の供給を受けた稼動中において、その稼働状況に対応する稼働情報として、貸出玉の数をホールコンピューター39より情報処理装置2に出力する。
【0033】
情報処理装置2では、遊技管理手段9が遊技店内設置機器5からホールコンピューター39を経由して情報処理装置2に供給され遊技情報の履歴を図12に示すように遊技管理データベース31の遊技履歴欄に書き込むことにより、遊技者個々の時々刻々と変化する遊技情報を適切にデータ収集することができる。図12に示すようにデータ収集された遊技管理データベース31から図13に示す基本分析図表を作成する。また、図12に示すようにデータ収集された遊技管理データベース31から図14乃至図16に示す目的別分析図表を作成する。例えば、遊技者ID「1101010001」により図12に示す遊技管理データベース31が遊技者個々の遊技履歴として特定された場合には、図1に示す第1演算手段6により求められる個客アウト玉数ΣOが図12の遊技管理データベース31における項番8の「遊技アウト玉数欄の数値に相当し、図1に示す第1演算手段6により求められる個客売上ΣUが図12の遊技管理データベース31における項番9の遊技客の投資額欄の数値に相当し、図1に示す第1演算手段6により求められる個客景品玉数ΣKが図12の遊技管理データベース31における項番10の景品数及び景品玉数欄の数値に相当し、図1に示す第2演算手段6により求められる個客玉単価KTが図12の遊技管理データベース31における項番16に記載される数値に相当し、図1に示す第2演算手段6により求められる個客玉景品KKが図12の遊技管理データベース31における項番17に記載される数値に相当し、図1に示す第2演算手段6により求められる個客玉粗利KAが図12の遊技管理データベース31における項番18に記載される数値に相当する。また、個客玉景品KKを求める際の交換率は4円と仮定した。
【符号の説明】
【0034】
1は入力機器、2は情報処理装置、3は出力機器、4は顧客認証装置、5は店内設置機器、6は第1演算手段、7は第2演算手段、8は診断手段、9は遊技管理手段、10はディスプレイ、11はプリンター、12は第1診断データベース、13は第2診断データベース、14は第3診断データベース、15乃至20は欠番、21は会員認証装置、22は顔認証装置、23は会員カード、24は会員データベース、25は会員管理データベース、26は顔、27は顔画像抽象化手段、28は遊技者ID付与手段、29は顔画像データベース、30はIDデータベース、31は遊技管理データベース、35は遊技台、36は玉計数機、37はカードユニット、38は玉貸機、39はホールコンピューター、ΣOは個客アウト玉数、ΣUは個客売上、ΣKは個客景品玉数、KTは個客玉単価、KKは個客玉景品、KAは個客玉粗利。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客認証装置と店内設置機器と情報処理装置と出力機器とを備えて遊技者個々の遊技内容を分析することができるようにした遊技管理装置であって、顧客認証装置が店内設置機器を稼働する遊技者個々の識別情報及び当該稼働する店内設置機器個々の識別情報を情報処理装置に出力し、店内設置機器個々が稼働状況に対応する稼働情報及び当該稼働する店内設置機器個々の識別情報を情報処理装置に出力することにより、情報処理装置が上記遊技者個々の識別情報と上記店内設置機器個々の識別情報と上記店内設置機器個々の稼働情報と上記稼働する店内設置機器個々の識別情報とから遊技者個々のアウト媒体数である個客アウト媒体数と遊技者個々の消費金額である個客売上と遊技者個々の獲得景品媒体数である個客景品媒体数とを求め、また、情報処理装置が上記求められた個客アウト媒体数と個客売上と個客景品媒体数とから遊技者個々の消費度を示す個客媒体単価と遊技者個々の獲得度を示す個客媒体景品と遊技者個々の勝ち負けを示す個客媒体粗利とを求め、また、情報処理装置が上記求められた個客媒体単価を個客媒体単価に対する第1診断データベースでどのグループに属するかの診断結果を求めて出力機器に出力し、また、情報処理装置が上記求められた個客媒体景品を個客媒体景品に対する第2診断データベースでどのグループに属するかの診断結果を求めて出力機器に出力し、さらに、情報処理装置が上記求められた個客媒体粗利を個客媒体粗利に対する第3診断データベースでどのグループに属するかの診断結果を求めて出力機器に出力し、出力機器が上記求められた診断結果を可視化して表示することを特徴とする遊技管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−52106(P2013−52106A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192158(P2011−192158)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(510306856)株式会社ヌーベル (2)
【Fターム(参考)】