運用支援方法および運用支援装置
【課題】ハンドリング量と積載状態とを考慮しつつ、今後製品置場に到着する鉄鋼製品の保管に必要な製品置場の区画の変更をともなう運用を実現すること。
【解決手段】運用支援装置3は、製品情報ファイル41と、在庫状況ファイル42と、置場設定マップファイル43と、置場運用制約ファイル44と、探索条件ファイル45とを入力し、在庫状況を予測して、製品置場に出荷ロットが到着する際にこの出荷ロットを搬入可能な製品置場を探索し、搬入可能な製品置場を確保できない場合に、段積みされた出荷ロットを統合する配替のパターンと搬入可能となる製品置場とを探索し、探索された複数パターンの配替のそれぞれについて、ハンドリング量と鉄鋼製品の積載状態とに基づく評価値を算出し、評価値に基づいて最適な配替のパターンとこの配替により確保される製品置場とを決定し、置場設定マップファイル43を変更する。
【解決手段】運用支援装置3は、製品情報ファイル41と、在庫状況ファイル42と、置場設定マップファイル43と、置場運用制約ファイル44と、探索条件ファイル45とを入力し、在庫状況を予測して、製品置場に出荷ロットが到着する際にこの出荷ロットを搬入可能な製品置場を探索し、搬入可能な製品置場を確保できない場合に、段積みされた出荷ロットを統合する配替のパターンと搬入可能となる製品置場とを探索し、探索された複数パターンの配替のそれぞれについて、ハンドリング量と鉄鋼製品の積載状態とに基づく評価値を算出し、評価値に基づいて最適な配替のパターンとこの配替により確保される製品置場とを決定し、置場設定マップファイル43を変更する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼製品の製造設備に設けられ、鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の運用支援方法および運用支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼製品の製造設備では、工場内に設けられた製品置場において、最終的に製造された鉄鋼製品を出荷までの間保管する置場運用が行われている。一般に、製品置場は、その床面積を有効活用するため、製品の寸法に応じた広さに区画することで寸法別の製品置場を設けている。この寸法別の製品置場の面積割合は、例えば、各寸法の製品比率(プロダクトミックス)を前提に決定される。しかしながら、このプロダクトミックスは、市場ニーズによって変化するため、ある寸法の製品置場が一時的に足りなくなったり、逆に余ったりといったことが発生し得る。
【0003】
そこで、効率的な置場運用を行う方法が提案されている。例えば、特許文献1には、寸法の異なる切板製品を同一の置場に混載させる際に、段積みされた製品の山の高さ(山高さ)の制限値やクレーンの仕様や製品のサイズ等を考慮して、クレーンによるハンドリング操作の量(ハンドリング量)と製品置場とを決定することにより、ハンドリング量と置場運用との効率化を図る方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−179525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、板状の鉄鋼製品(厚鋼板)は、幅や長さが多様でその範囲が非常に大きいため、区画を限定した置場運用を行うのでは効率が悪い。そこで、幅および長さを基本の寸法の区画で区切り、板状の鉄鋼製品の搬入の都度、1つまたは複数の区画を組み合わせることで、製品の寸法に応じた広さの製品置場を区画している。
【0006】
従来、このような区画の変更をともなう置場運用は、作業者の経験や勘に頼っている。既定の区画の置場運用を想定する特許文献1に記載された方法によっても、このような区画の変更をともなう置場運用の効率化は期待できないばかりか、却って、製品置場を確保できずに製品が滞留するおそれがある。そうすると、しだいに鉄鋼製品の製造の上流工程にまで滞留が伝播し、しまいには製造自体が停止してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ハンドリング量と積載状態とを考慮しつつ、区画の変更をともなう製品置場の運用を実現することができる運用支援方法および運用支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る運用支援方法は、鉄鋼製品の製造設備に設けられ、前記鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の運用支援方法であって、前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品の出荷ロットと当該出荷ロットの寸法に関する情報とを少なくとも含む製品情報と、前記製品置場における前記鉄鋼製品の現在の在庫状況と、前記製品置場の区画を規定する区画設定情報と、前記製品置場の運用の制約条件と、前記製品置場の探索の制約条件とを入力するデータ入力工程と、出荷ロット毎に鉄鋼製品を段積みした場合の在庫状況を予測して、前記出荷ロットの寸法と前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とに基づいて、前記製品置場に出荷ロットが到着する際に当該出荷ロットを搬入可能な製品置場を探索する受入置場探索工程と、前記受入置場探索工程において前記出荷ロットを搬入可能な製品置場を確保できない場合に、前記出荷ロットの寸法と前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とに基づいて、段積みされた出荷ロット毎の鉄鋼製品を段積みされた他の出荷ロットに統合する配替のパターンと、当該配替により前記出荷ロットを搬入可能となる製品置場とを探索する配替置場探索工程と、前記配替置場探索工程において探索された複数パターンの配替のそれぞれについて、ハンドリング量と鉄鋼製品の積載状態とに基づく評価値を算出する評価工程と、前記評価値に基づいて最適な配替のパターンと当該配替により確保される製品置場とを決定し、前記区画設定情報を変更する決定工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る運用支援方法は、上記の発明において、前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とを変更する制約条件変更工程を含み、前記受入置場探索工程は、前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とが変更された場合に、該変更後の製品置場の運用の制約条件と製品置場の探索の制約条件に基づいて前記製品置場に到着する出荷ロットを搬入する製品置場を探索することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る運用支援方法は、上記の発明において、配替置場探索工程は、前記出荷ロットを搬入可能な製品置場を確保できない場合に、エラー情報と、前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件との変更要否の選択依頼の通知を表示出力し、前記制約条件変更工程は、前記選択依頼の通知に対する選択操作に応じて前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とを変更することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る運用支援方法は、上記の発明において、前記製品置場の探索の制約条件は、前記配替のパターンから前記評価工程における評価の対象を抽出する際の抽出条件と、前記評価工程における評価の対象の抽出の上限数であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る運用支援方法は、上記の発明において、前記製品置場の運用の制約条件は、前記区画設定情報に規定される製品置場の全体の寸法と、前記製品置場に段積みされる前記鉄鋼製品の上限枚数であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る運用支援装置は、鉄鋼製品の製造設備に設けられ、前記鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の運用支援装置であって、前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品の出荷ロットと当該出荷ロットの寸法に関する情報とを少なくとも含む製品情報と、前記製品置場における前記鉄鋼製品の現在の在庫状況と、前記製品置場の区画を規定する区画設定情報と、前記製品置場の運用の制約条件と、前記製品置場の探索の制約条件とを入力するデータ入力手段と、出荷ロット毎に鉄鋼製品を段積みした場合の在庫状況を予測して、前記出荷ロットの寸法と前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とに基づいて、前記製品置場に出荷ロットが到着する際に当該出荷ロットを搬入可能な製品置場を探索する受入置場探索手段と、前記受入置場探索手段により前記出荷ロットを搬入可能な製品置場を確保できない場合に、前記出荷ロットの寸法と前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とに基づいて、段積みされた出荷ロット毎の鉄鋼製品を段積みされた他の出荷ロットに統合する配替のパターンと、当該配替により前記出荷ロットを搬入可能となる製品置場とを探索する配替置場探索手段と、前記配替置場探索手段により探索された複数パターンの配替のそれぞれについて、ハンドリング量と鉄鋼製品の積載状態とに基づく評価値を算出する評価手段と、前記評価値に基づいて最適な配替のパターンと当該配替により確保される製品置場とを決定し、前記区画設定情報を変更する決定手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ハンドリング量と積載状態を表す評価値に基づいて複数の寸法の異なる出荷ロットを1つの山に寄せて、区画の変更をともなう製品置場を確保できるので、ハンドリング量と積載状態とを考慮しつつ区画の変更をともなう製品置場の運用を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、鉄鋼製品の製造設備の設備概要を示す図である。
【図2】図2は、本実施の形態の運用支援処理の概要を説明するための説明図である。
【図3】図3は、製品置場運用システムの全体構成例を示すブロック図である。
【図4】図4は、製品情報ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図5】図5は、製品別状況ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図6】図6は、置場別状況ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図7】図7は、置場設定マップファイルのデータ構成例を示す図である。
【図8】図8は、製品置場の設定状況を説明するための説明図である。
【図9】図9は、置場運用制約ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図10】図10は、探索条件ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図11】図11は、運用指示ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図12】図12は、運用支援装置が行う運用支援処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】図13は、置場設定マップファイルの配替後のデータ構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の製品置場の運用支援方法および運用支援装置を実施するための形態について説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
【0017】
本実施の形態に係る製品置場の運用支援方法および運用支援装置は、例えば、需要家や中継基地等の目的地(出荷先)と、出荷予定日とが同じである同種(同一寸法)の板状製品群を1つの出荷ロットとして製品置場に保管する際に、クレーン等のハンドリング設備のハンドリング量と製品の積載状態とを考慮しつつ、寸法の異なる複数の出荷ロットを1つの山に寄せる(配替)ことにより空の製品置場を確保する。隣り合う複数の空の製品置場を統合し、製品置場の区画を変更することにより、搬入される製品の寸法に応じた製品置場(受入置場)を確保する。
【0018】
まず、本実施の形態の製品置場の運用支援方法および運用支援装置を適用する鉄鋼製品の製造設備について説明する。図1は、鉄鋼製品の製造設備1の設備概要を示す図である。図1に示すように、鉄鋼製品の製造設備1は、鋼板を圧延する圧延機11と、この圧延機11によって圧延された鋼板を所定の寸法に切断する切断機13と、この切断機13によって切断された鉄鋼製品の検査を行う検査装置15と、検査装置15での検査に合格した鉄鋼製品を保管する製品置場17とがこの順番に直列に設置されて構成され、鉄鋼製品(厚鋼板;以下、「板状製品」と呼ぶ。)の製造を行う。
【0019】
製品置場17は、検査装置15から到着した板状製品を、その板状製品が出荷されるまでの間保管する。製品置場17は、そのスペースが複数に区画され、区画された複数の製品置場17のそれぞれにおいて、この製品置場17に搬入される板状製品は、出荷ロット毎の別々の山として段積みされて保管される。
【0020】
次に、図2を参照して、本実施の形態の運用支援処理の概要を説明する。本実施の形態において、製品置場17は基本寸法の区画を単位として表される。図2の製品置場の全体は、段積みされる板状製品の幅方向に12、長さ方向に2の基本寸法の区画(図の細線枠)が組み合わされて構成される。初期の状態において、5つの製品置場(図の太線枠)が設定されている。図中の数字は、各製品置場に段積みされている板状製品の枚数を表す。ここで、各製品置場に段積みできる板状製品の枚数の上限は20枚とし、寸法の異なる出荷ロットを重ねる場合に、原則として、寸法が小さい出荷ロットの上に寸法が大きい出荷ロットを積載させないこととする。
【0021】
この製品置場に13枚の板状製品からなる出荷ロットを搬入する場合に、まず、空きの製品置場はない。また、この搬入される出荷ロットを段積みできるのは、幅方向の寸法が3区画の製品置場であるが、上限枚数20枚の制限条件から、既に段積みされている出荷ロットの上に、さらに13枚を重ねる余裕はない。そこで、いずれかの製品置場の出荷ロットの配替により空きの製品置場を確保して、搬入される出荷ロットの受入置場を設定する。なお、製品置場の寸法の検証について、図2に例示する製品置場は、長さ方向の寸法はいずれも2区画であるので、長さ方向の寸法の検証は省略する。
【0022】
図2は、後述する運用支援処理により抽出された、2パターンの配替例(配替置場候補)を例示する。配替置場候補1は、隣り合う8枚の出荷ロットと7枚の出荷ロットとをそれぞれ10枚の出荷ロットと3枚の出荷ロットの上に移動する配替を実行し、幅方向の寸法が4区画の空きの製品置場を確保して、幅方向が3区画の受入置場を設定(製品置場の区画を変更)するものである。また、配替置場候補2は、隣り合う3枚の出荷ロットと8枚の出荷ロットを7枚の出荷ロットの上に積載する配替を実行し、幅方向が4区画の空きの製品置場を確保して、幅方向が3区画の受入置場を設定するものである。
【0023】
さらに、運用支援処理は、抽出された複数の配替置場候補を、ハンドリング量(移動枚数)の観点と積載状態(上下の出荷ロットの寸法の制限)の観点から評価して、最適な配替置場候補を決定する。評価の具体例については後述する。
【0024】
次に、図3を参照して、本実施の形態の製品置場運用システム2の構成について説明する。図3は、本実施の形態における製品置場運用システム2の全体構成例を示すブロック図である。図3に示すように、製品置場運用システム2は、運用支援装置3と、データベース4と、端末5と、物流機器6とを含み、データベース4、端末5および物流機器6が運用支援装置3と接続されて互いにデータの送受が可能に構成されている。
【0025】
運用支援装置3は、CPU、更新記録可能なフラッシュメモリ等のROMやRAM等の各種ICメモリ、ハードディスク、CD−ROM等の記憶媒体といった各種記憶装置、通信装置、表示装置や印刷装置等の出力装置、入力装置、各部を接続し、あるいは外部入力を接続するインターフェース装置等を備えた公知のハードウェア構成で実現でき、例えばワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータを用いることができる。この運用支援装置3は、製品置場17における板状製品の搬入に際して、製品の在庫を移動させるシミュレーションを行って製品置場17の設定の推移を予測し、後述するクレーン等のハンドリング設備のハンドリング量や製品の積載状態を考慮しつつ、区画の変更をともなう製品置場17の運用を提案するための処理(運用支援処理)を行う。なお、運用支援装置3は、運用支援処理を実現するためのプログラムを記憶装置に記憶しておき、このプログラムを読み出して実行することで実現できる。
【0026】
データベース4は、運用支援処理に用いるデータを記憶・管理する。このデータベース4には、後述する製品情報ファイル41、在庫状況ファイル42、置場設定マップファイル43、置場運用制約ファイル44、探索条件ファイル45、運用指示ファイル46が記憶される。
【0027】
図4は、製品情報ファイル41のデータ構成例を示す図である。図4に示すように、製品情報ファイル41には、製品置場17に到着する板状製品に固有に割り当てられる製品IDと対応付けて、該当する板状製品の板厚(mm)と、幅(m)と、長さ(m)と、出荷予定日と、出荷ロットの識別番号と、この出荷ロットの目的地に割り当てられた目的地コードとが設定されて登録される。
【0028】
また、図3に示すように、在庫状況ファイル42には、製品別状況ファイル421と、置場別状況ファイル422とが記憶される。図5は、製品別状況ファイル421のデータ構成例を示す図である。この製品別状況ファイル421は、現時点で製品置場17内に保管されている板状製品の在庫状況を記憶する。具体的には、図5に示すように、製品別状況ファイル421には、製品置場17のそれぞれに固有に割り当てられた置場IDと対応付けて、該当する製品置場17に段積みされている板状製品の製品IDと、該当する板状製品の出荷ロットと、板厚(mm)と、幅(m)と、長さ(m)とが設定されて登録される。
【0029】
また、図6は、置場別状況ファイル422のデータ構成例を示す図である。この置場別状況ファイル422は、複数の製品置場17毎に、該当する製品置場17に現時点で段積みされている板状製品の在庫状況を記憶する。具体的には、図6に示すように、置場別状況ファイル422は、置場IDと対応付けて、該当する製品置場17に段積みされている板状製品の合計枚数と、該当する製品置場17に段積みされている板状製品の板厚の合計(山高さ)と、該当する製品置場17に段積みされている板状製品の幅の最大値(最大幅)と、該当する製品置場17に段積みされている板状製品の長さの最大値(最大長)とが設定されて登録される。
【0030】
また、図7は、置場設定マップファイル43のデータ構成例を示す図である。この置場設定マップファイル43は、現時点での製品置場17の設定状況を記憶する。具体的には、図7に示すように、置場設定マップファイル43は、置場IDと対応付けて、該当する製品置場17の寸法(幅および長さ)が設定されて登録される。
【0031】
なお、本実施の形態において、前述したように、製品置場17は基本寸法の区画を単位として表される。図8は、製品置場17の設定例とその設定状況の表示方法を説明するための図である。図8に示すように、本実施の形態において、製品置場17の全体は、幅方向に12、長さ方向に2の基本寸法の区画が組み合わされて構成される。そして、各製品置場17の置場IDは該当の製品置場17の左上の区画の位置で表される。ここで、位置は、基本寸法の区画を単位とした幅方向の値(図8の例では1,2,・・・,12のいずれか)と長さ方向の値(図8の例ではA,Bのいずれか)とで表される。また、各製品置場17の寸法は、基本寸法の区画の幅方向の数と長さ方向の数とで表される。図8は、置場IDがそれぞれ1A,4A,6A,8A,10Aである5つの製品置場17の設定状況(図8中の太線枠)を示している。例えば、置場ID=1A、寸法が幅=3、長さ=2の製品置場17は、1Aで表される位置から幅(右)方向に3つ、長さ(下)方向に2つの、合計6つの基本寸法の区画が組み合わされて設定された区画であることを示す。
【0032】
図9は、置場運用制約ファイル44のデータ構成例を示す図である。この置場運用制約ファイル44は、製品置場17に対する板状製品の段積みに関する制約条件を記憶する。具体的には、図9に示すように、置場運用制約ファイル44には、製品置場17の全体についての幅方向の基本寸法の区画数(置場区画数(幅))、長さ方向の基本寸法の区画数(置場区画数(長さ))および山高さ上限枚数の項目毎に、その数値が設定され登録されている。具体的には、製品置場17の運用の制約条件として用いる運用可能な製品置場17の範囲(基本寸法の区画の幅方向の数と長さ方向の数)と、製品置場17に段積み可能な板状製品の上限枚数とが設定されて登録される。
【0033】
また、図10は、探索条件ファイル45のデータ構成例を示す図である。この探索条件ファイル45は、後述する第1配替置場候補探索処理および第2配替置場候補探索処理における制約条件を記憶する。具体的には、図10に示すように、探索条件ファイル45には、第1配替置場候補探索処理および第2配替置場候補探索処理によって抽出する配替の候補の上限数(候補数上限)と、配替の候補を抽出する際の制約条件(候補抽出条件)とが設定されて登録される。
【0034】
図11は、運用指示ファイル46のデータ構成例を示す図である。この運用指示ファイル46は、後述する結果出力処理により記録される。具体的には、図11に示すように、運用指示ファイル46は、製品IDと、出荷予定日と、目的地コードと、出荷ロットと、置場IDと、配置日とが対応付けられたデータテーブルである。置場IDには、該当する板状製品を置く製品置場17の置場IDが設定される。配置日には、該当する板状製品を配置する日付が設定される。配替の指示は、同一の製品IDに複数の置場IDと配置日とを対応付けて設定することで表す。
【0035】
端末5は、運用支援装置3との間でデータ通信を行い、運用支援装置3が行った運用支援処理の結果等を表示する。この端末5は、例えばパソコン等で実現される。
【0036】
物流機器6は、検査装置15での検査を終えて製品置場17に到着した板状製品を製品置場17に搬入して段積みするためのクレーン等のハンドリング設備を含む。この物流機器6は、検査装置15に到着した板状製品をハンドリング設備によって製品置場17に搬入して段積みする。
【0037】
次に、図12のフローチャートを参照して、本実施の形態の運用支援装置3が行う運用支援処理の処理手順について説明する。図12に示すフローチャートは、例えばオペレータが端末5を操作することによって、搬入する出荷ロットを指定して運用支援装置3に運用支援処理の実行を指示したタイミングで開始となり、運用支援処理はステップS1の処理に進む。
【0038】
ステップS1の処理では、運用支援装置3は、先ず、データ入力手段として、データ入力処理を実行し、データベース4から製品情報ファイル41、在庫状況ファイル42および置場設定マップファイル43、置場運用制約ファイル44および探索条件ファイル45を読み出して入力する。これにより、ステップS1の処理は完了し、運用支援処理はステップS2の処理に進む。
【0039】
ステップS2の処理では、運用支援装置3は、受入置場探索処理を実行し、搬入する出荷ロットを段積み可能な製品置場17の有無を探索する。まず、運用支援装置3は、製品情報ファイル41を参照して、搬入する出荷ロットを構成する板状製品の情報を抽出し、それらの板状製品群の寸法の最大値(幅の最大値と長さの最大値)から、搬入する出荷ロットを段積みするために必要な製品置場17の寸法(必要寸法)を算出する。その際に、運用支援装置3は、必要寸法として、板状製品群の寸法(m)以上となる基本寸法の区画の数を算出する。
【0040】
そして、運用支援装置3は、置場設定マップファイル43を参照して、算出した必要寸法以上の寸法の製品置場17を抽出し、各製品置場17に出荷ロットを搬入可能か否かを検証する。すなわち、置場別状況ファイル422を参照し、抽出した各製品置場17についての合計枚数の情報に基づいて、山高さ上限枚数(置場運用制約ファイル44を参照)までの枚数の余裕(山高さ余裕枚数)が、搬入する出荷ロットの枚数以上であるか否かを検証する。これにより、ステップS2の処理は完了し、運用支援処理はステップS3の処理に進む。
【0041】
なお、運用支援装置3は、製品置場17の合計枚数が多い順に、置場設定マップファイル43の全製品置場17についてこの検証を実施する。製品置場17の合計枚数が多いほど、出荷ロットを搬入した場合にその製品置場17に段積みされる板状製品の枚数が山高さ上限枚数に近づくので、置場運用の効率がよくなるからである。
【0042】
ステップS3の処理では、運用支援装置3は、上記したステップS2の受入置場探索処理の結果に基づいて、搬入する出荷ロットを受入可能な製品置場17の有無を判定する。搬入する出荷ロットの合計枚数以上の山高さ余裕枚数の製品置場17がなければ、運用支援処理はステップS4の処理に進む。一方、搬入する出荷ロットの合計枚数以上の山高さ余裕枚数の製品置場17があれば、運用支援装置3は該当の製品置場17の情報を抽出し、運用支援処理はステップS11の処理に進む。
【0043】
ステップS4の処理では、運用支援装置3は、第1配替置場候補探索処理を実行し、いずれか1箇所の製品置場17の出荷ロットを他の製品置場17に移動させて(配替)、空の製品置場17を確保することが可能になるかを探索する。運用支援装置3は、置場別状況ファイル422を参照し、各製品置場17に段積みされている出荷ロットを移動できる製品置場17(配替先)があるか否かを検証する。すなわち、運用支援装置3は、山高さ余裕枚数が移動対象の出荷ロットの合計枚数以上である製品置場17(配替先)の有無を検証する。これにより、ステップS4の処理は完了し、運用支援処理はステップS5の処理に進む。
【0044】
なお、運用支援装置3は、製品置場17の寸法が大きい順に、また製品置場17の板状製品の合計枚数が少ない順に、置場設定マップファイル43の全製品置場17についてこの検証を実施する。これは、製品置場17の寸法が大きいほど、そこに段積みされる出荷ロットを移動させてできる空の製品置場17の寸法が大きくなるので、検証の効率がよくなるからである。また、これは、製品置場17の板状製品の合計枚数が少ないほど、移動する板状製品の枚数(ハンドリング量)が少なくなるからである。
【0045】
ステップS5の処理では、運用支援装置3は、上記したステップS4の第1配替置場候補探索処理の結果に基づいて、1つの出荷ロットの配替により空きの製品置場17を確保可能か否かを判定する。配替先がある(配替対象の)製品置場17がある場合には、運用支援装置3は該当の製品置場17の情報を抽出し、運用支援処理はステップS6の処理に進む。一方、配替先がある(配替対象の)製品置場17がない場合には、運用支援処理はステップS12の処理に進む。
【0046】
ステップS6の処理では、運用支援装置3は、配替先がある(配替対象の)製品置場17について、そこに段積みされる出荷ロットを移動させてできる空の製品置場17に、出荷ロットを搬入可能か否かを検証する。すなわち、運用支援装置3は、置場設定マップファイル43を参照して、配替対象の製品置場17の寸法が搬入する出荷ロットの必要寸法以上か否かを検証する。空となる製品置場17の寸法が搬入する出荷ロットの必要寸法より小さい場合には、運用支援装置3は該当の製品置場17に出荷ロットを搬入不可能と判定し、配替対象の製品置場17の情報と配替先の製品置場17の情報とを抽出して、運用支援処理はステップS7の処理に進む。一方、空の製品置場17の寸法が出荷ロットの必要寸法以上である場合には、運用支援装置3は該当の製品置場17に出荷ロットを搬入可能と判定し、配替対象の製品置場17の情報と配替先の製品置場17の情報とを抽出し、運用支援処理はステップS9の処理に進む。
【0047】
ステップS7の処理では、運用支援装置3は、第2配替置場候補探索処理を実行し、ステップS5の処理で配替先がある(配替対象)と判定された製品置場17に隣接する製品置場17のうち、その製品置場17の出荷ロットを他の製品置場17に移動させて(配替)、空の製品置場17を確保することが可能になる製品置場17を探索する。運用支援装置3は、ステップS4と同様に、置場別状況ファイル422を参照し、各製品置場17に段積みされている出荷ロットを移動可能な製品置場17(配替先)があるか否かを検証する。すなわち、運用支援装置3は、山高さ余裕枚数が移動対象の合計枚数以上である製品置場17(配替先)の有無を検証する。これにより、ステップS7の処理は完了し、運用支援処理はステップS8の処理に進む。
【0048】
なお、運用支援装置3は、ステップS5の処理で配替対象と判定された全ての製品置場17に隣接する製品置場17について、製品置場17の寸法が大きい順に、また製品置場17の板状製品の合計枚数が少ない順に、この検証を実施する。これは、製品置場17の寸法が大きいほど、そこに段積みされる出荷ロットを移動させてできる空の製品置場17の寸法が大きくなるので、検証の効率がよくなるからである。また、これは、製品置場17の板状製品の合計枚数が少ないほど、移動する板状製品の枚数(ハンドリング量)が少なくなるからである。
【0049】
ステップS8の処理では、運用支援装置3は、ステップS7の処理で配替先がある(配替対象の)製品置場17について、そこに段積みされる出荷ロットを移動させてできる空の製品置場17と、該当の製品置場17に隣接し、ステップS5の処理で配替対象と判定され空にできる製品置場17とを合わせた製品置場17に、出荷ロットを搬入可能か否かを検証する。すなわち、置場設定マップファイル43を参照して、2つの配替対象の製品置場17の寸法が、出荷ロットの必要寸法以上か否かを検証する。空となる2つの製品置場17の寸法の合計が出荷ロットの必要寸法より小さい場合には、運用支援装置3は該当の製品置場17に出荷ロットを搬入不可能と判定し、運用支援処理はステップS12の処理に進む。一方、2つの空の製品置場17の寸法の合計が出荷ロットの必要寸法以上である場合には、運用支援装置3は該当の製品置場17に出荷ロットを搬入可能と判定し、2組の配替対象の製品置場17の情報と配替先の製品置場17の情報とを抽出し、運用支援処理はステップS9の処理に進む。
【0050】
ステップS9の処理では、運用支援装置3は、配替置場候補抽出処理を行なって、以上の処理により抽出された配替対象の製品置場17の情報と配替先の製品置場17との情報の組み合わせ(配替のパターン)を、配替の候補(配替置場候補)として抽出する。なお、この配替置場候補の抽出の際には、運用支援装置3は、探索条件ファイル45を参照して候補抽出条件を適用する。すなわち、運用支援装置3は、配替対象の出荷ロットの寸法の最大値が配替先の出荷ロットの最大寸法(置場別状況ファイル422を参照)より大きい場合には、他に配替置場候補がない場合を除き、配替置場候補から外す。また、配替置場候補の数が候補数上限を超える場合には、運用支援装置3は、ステップS4およびステップS7の処理にて探索(検証)された順に、候補数上限までを配替置場候補とする。これにより、ステップS9の処理は完了し、運用支援処理はステップS10の処理に進む。
【0051】
ステップS10の処理では、運用支援装置3は、ステップS9の処理で抽出された配替置場候補について、評価処理を行なって、評価値を算出する。本実施の形態では、運用支援装置3は、ハンドリング量(移動枚数)の観点と、積載状態(上下の出荷ロットの寸法の制限)の観点から評価を行なう。例えば、運用支援装置3は、ハンドリング量の観点から、各配替置場候補における板状製品の移動枚数の総数を評価値に計上する。また、運用支援装置3は、積載状態の観点から、配替対象の出荷ロットの寸法が配替先の出荷ロットの寸法より大きい場合に、配替対象の出荷ロットの枚数(積載状態の制限に違反している板状製品の枚数)を評価値に計上する。これらの評価値が低いほど、好適な配替置場候補ということができる。これにより、ステップS10の処理は完了し、運用支援処理はステップS11の処理に進む。
【0052】
ここで、図2を参照して、評価処理の具体例について説明する。図2に示す2パターンの配替置場候補にこの評価処理を適用すると、配替置場候補1について、ハンドリング量の評価値は15(枚)であり、積載状態の評価値は0(枚)であることから、総合した評価値は15(枚)となる。一方、配替置場候補2について、ハンドリング量の評価値は11(枚)であり、積載状態の評価値は11(枚)であることから、総合した評価値は22(枚)となる。したがって、配替置場候補1の方が好適と評価できる。
【0053】
ステップS11の処理では、運用支援装置3は、受入置場決定処理を行なって、ステップS10の評価処理の結果に基づいて、最適な配替置場候補を決定し、搬入される出荷ロットの受入置場を決定する。また、運用支援装置3は、決定した配替置場候補に基づいて、置場設定マップファイル43を変更する。これにより、ステップS11の処理は完了し、運用支援処理はステップS12の処理に進む。
【0054】
図13は、図7の置場設定マップファイル43の変更例を示す。図13は、図7に示す5つの製品置場17のうち、置場ID=6A,8Aの2つの製品置場17を統合して、置場ID=7Aの製品置場17に区画の設定を変更したことを示す。
【0055】
ステップS12の処理では、運用支援装置3は、結果出力処理を行なって、以上の結果をデータベース4に出力し、運用指示ファイル46として記録する。また、ステップS5およびステップS8にて受入置場を確保できない場合には、エラー表示を出力する。これにより、ステップS12の処理は完了し、一連の運用支援処理は完了する。
【0056】
なお、図11に示す運用指示ファイル46において、配替の指示は、同一の製品IDに複数の置場IDと配置日とが対応付けられて設定されることでわかる。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ハンドリング量と積載状態を表す評価値に基づいて複数の寸法の異なる出荷ロットを1つの山に寄せて、区画の変更をともなう製品置場17を確保できるので、ハンドリング量と積載状態とを考慮しつつ区画の変更をともなう製品置場17の運用を実現することが可能となる。
【0058】
なお、上記の実施の形態では、ステップS7〜S8の処理で、2組の配替を行って2つの空きの製品置場17を統合して受入置場を確保する例を示しているが、3組以上の配替を行って3つ以上の製品置場17を統合することにより受入置場を確保してもよい。
【0059】
また、上記の実施の形態では、ハンドリング量を表す評価値として、製品置場17の高さ余裕を適用し、移動枚数を評価することとした。これに加えて、移動元の製品置場17と移動先の製品置場17との距離を適用し、ハンドリング作業時間を加味して評価するようにしてもよい。
【0060】
また、ステップS12の処理でエラー表示を出力した後に、置場運用制約ファイル44や探索条件ファイル45の制約条件を変更可能とするように構成してもよい。例えば、ステップS12のエラー表示とともに、製品置場17の運用や配替の探索の制約条件の変更の要否を選択するよう依頼するメッセージを端末5に表示させ、ユーザの選択指示を受け付けるようにして、ユーザ操作に従ってこれらの制約条件を変更するステップを加え、制約条件が変更された後にステップS2の処理に戻るように構成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
以上のように、本発明の製品置場の運用支援方法および運用支援装置は、ハンドリング量および積載状態を考慮しつつ、今後製品置場に到着する鉄鋼製品の保管に必要な製品置場の区画の変更をともなう運用を実現するのに適している。
【符号の説明】
【0062】
1 製造設備
11 圧延機
13 切断機
15 検査装置
17 製品置場
2 製品置場運用システム
3 運用支援装置
4 データベース
41 製品情報ファイル
42 在庫状況ファイル
421 製品別状況ファイル
422 置場別状況ファイル
43 置場設定マップファイル
44 置場運用制約ファイル
45 探索条件ファイル
46 運用指示ファイル
5 端末
6 物流機器
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼製品の製造設備に設けられ、鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の運用支援方法および運用支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄鋼製品の製造設備では、工場内に設けられた製品置場において、最終的に製造された鉄鋼製品を出荷までの間保管する置場運用が行われている。一般に、製品置場は、その床面積を有効活用するため、製品の寸法に応じた広さに区画することで寸法別の製品置場を設けている。この寸法別の製品置場の面積割合は、例えば、各寸法の製品比率(プロダクトミックス)を前提に決定される。しかしながら、このプロダクトミックスは、市場ニーズによって変化するため、ある寸法の製品置場が一時的に足りなくなったり、逆に余ったりといったことが発生し得る。
【0003】
そこで、効率的な置場運用を行う方法が提案されている。例えば、特許文献1には、寸法の異なる切板製品を同一の置場に混載させる際に、段積みされた製品の山の高さ(山高さ)の制限値やクレーンの仕様や製品のサイズ等を考慮して、クレーンによるハンドリング操作の量(ハンドリング量)と製品置場とを決定することにより、ハンドリング量と置場運用との効率化を図る方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−179525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、板状の鉄鋼製品(厚鋼板)は、幅や長さが多様でその範囲が非常に大きいため、区画を限定した置場運用を行うのでは効率が悪い。そこで、幅および長さを基本の寸法の区画で区切り、板状の鉄鋼製品の搬入の都度、1つまたは複数の区画を組み合わせることで、製品の寸法に応じた広さの製品置場を区画している。
【0006】
従来、このような区画の変更をともなう置場運用は、作業者の経験や勘に頼っている。既定の区画の置場運用を想定する特許文献1に記載された方法によっても、このような区画の変更をともなう置場運用の効率化は期待できないばかりか、却って、製品置場を確保できずに製品が滞留するおそれがある。そうすると、しだいに鉄鋼製品の製造の上流工程にまで滞留が伝播し、しまいには製造自体が停止してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ハンドリング量と積載状態とを考慮しつつ、区画の変更をともなう製品置場の運用を実現することができる運用支援方法および運用支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る運用支援方法は、鉄鋼製品の製造設備に設けられ、前記鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の運用支援方法であって、前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品の出荷ロットと当該出荷ロットの寸法に関する情報とを少なくとも含む製品情報と、前記製品置場における前記鉄鋼製品の現在の在庫状況と、前記製品置場の区画を規定する区画設定情報と、前記製品置場の運用の制約条件と、前記製品置場の探索の制約条件とを入力するデータ入力工程と、出荷ロット毎に鉄鋼製品を段積みした場合の在庫状況を予測して、前記出荷ロットの寸法と前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とに基づいて、前記製品置場に出荷ロットが到着する際に当該出荷ロットを搬入可能な製品置場を探索する受入置場探索工程と、前記受入置場探索工程において前記出荷ロットを搬入可能な製品置場を確保できない場合に、前記出荷ロットの寸法と前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とに基づいて、段積みされた出荷ロット毎の鉄鋼製品を段積みされた他の出荷ロットに統合する配替のパターンと、当該配替により前記出荷ロットを搬入可能となる製品置場とを探索する配替置場探索工程と、前記配替置場探索工程において探索された複数パターンの配替のそれぞれについて、ハンドリング量と鉄鋼製品の積載状態とに基づく評価値を算出する評価工程と、前記評価値に基づいて最適な配替のパターンと当該配替により確保される製品置場とを決定し、前記区画設定情報を変更する決定工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る運用支援方法は、上記の発明において、前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とを変更する制約条件変更工程を含み、前記受入置場探索工程は、前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とが変更された場合に、該変更後の製品置場の運用の制約条件と製品置場の探索の制約条件に基づいて前記製品置場に到着する出荷ロットを搬入する製品置場を探索することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る運用支援方法は、上記の発明において、配替置場探索工程は、前記出荷ロットを搬入可能な製品置場を確保できない場合に、エラー情報と、前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件との変更要否の選択依頼の通知を表示出力し、前記制約条件変更工程は、前記選択依頼の通知に対する選択操作に応じて前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とを変更することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る運用支援方法は、上記の発明において、前記製品置場の探索の制約条件は、前記配替のパターンから前記評価工程における評価の対象を抽出する際の抽出条件と、前記評価工程における評価の対象の抽出の上限数であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る運用支援方法は、上記の発明において、前記製品置場の運用の制約条件は、前記区画設定情報に規定される製品置場の全体の寸法と、前記製品置場に段積みされる前記鉄鋼製品の上限枚数であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る運用支援装置は、鉄鋼製品の製造設備に設けられ、前記鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の運用支援装置であって、前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品の出荷ロットと当該出荷ロットの寸法に関する情報とを少なくとも含む製品情報と、前記製品置場における前記鉄鋼製品の現在の在庫状況と、前記製品置場の区画を規定する区画設定情報と、前記製品置場の運用の制約条件と、前記製品置場の探索の制約条件とを入力するデータ入力手段と、出荷ロット毎に鉄鋼製品を段積みした場合の在庫状況を予測して、前記出荷ロットの寸法と前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とに基づいて、前記製品置場に出荷ロットが到着する際に当該出荷ロットを搬入可能な製品置場を探索する受入置場探索手段と、前記受入置場探索手段により前記出荷ロットを搬入可能な製品置場を確保できない場合に、前記出荷ロットの寸法と前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とに基づいて、段積みされた出荷ロット毎の鉄鋼製品を段積みされた他の出荷ロットに統合する配替のパターンと、当該配替により前記出荷ロットを搬入可能となる製品置場とを探索する配替置場探索手段と、前記配替置場探索手段により探索された複数パターンの配替のそれぞれについて、ハンドリング量と鉄鋼製品の積載状態とに基づく評価値を算出する評価手段と、前記評価値に基づいて最適な配替のパターンと当該配替により確保される製品置場とを決定し、前記区画設定情報を変更する決定手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ハンドリング量と積載状態を表す評価値に基づいて複数の寸法の異なる出荷ロットを1つの山に寄せて、区画の変更をともなう製品置場を確保できるので、ハンドリング量と積載状態とを考慮しつつ区画の変更をともなう製品置場の運用を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、鉄鋼製品の製造設備の設備概要を示す図である。
【図2】図2は、本実施の形態の運用支援処理の概要を説明するための説明図である。
【図3】図3は、製品置場運用システムの全体構成例を示すブロック図である。
【図4】図4は、製品情報ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図5】図5は、製品別状況ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図6】図6は、置場別状況ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図7】図7は、置場設定マップファイルのデータ構成例を示す図である。
【図8】図8は、製品置場の設定状況を説明するための説明図である。
【図9】図9は、置場運用制約ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図10】図10は、探索条件ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図11】図11は、運用指示ファイルのデータ構成例を示す図である。
【図12】図12は、運用支援装置が行う運用支援処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】図13は、置場設定マップファイルの配替後のデータ構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の製品置場の運用支援方法および運用支援装置を実施するための形態について説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
【0017】
本実施の形態に係る製品置場の運用支援方法および運用支援装置は、例えば、需要家や中継基地等の目的地(出荷先)と、出荷予定日とが同じである同種(同一寸法)の板状製品群を1つの出荷ロットとして製品置場に保管する際に、クレーン等のハンドリング設備のハンドリング量と製品の積載状態とを考慮しつつ、寸法の異なる複数の出荷ロットを1つの山に寄せる(配替)ことにより空の製品置場を確保する。隣り合う複数の空の製品置場を統合し、製品置場の区画を変更することにより、搬入される製品の寸法に応じた製品置場(受入置場)を確保する。
【0018】
まず、本実施の形態の製品置場の運用支援方法および運用支援装置を適用する鉄鋼製品の製造設備について説明する。図1は、鉄鋼製品の製造設備1の設備概要を示す図である。図1に示すように、鉄鋼製品の製造設備1は、鋼板を圧延する圧延機11と、この圧延機11によって圧延された鋼板を所定の寸法に切断する切断機13と、この切断機13によって切断された鉄鋼製品の検査を行う検査装置15と、検査装置15での検査に合格した鉄鋼製品を保管する製品置場17とがこの順番に直列に設置されて構成され、鉄鋼製品(厚鋼板;以下、「板状製品」と呼ぶ。)の製造を行う。
【0019】
製品置場17は、検査装置15から到着した板状製品を、その板状製品が出荷されるまでの間保管する。製品置場17は、そのスペースが複数に区画され、区画された複数の製品置場17のそれぞれにおいて、この製品置場17に搬入される板状製品は、出荷ロット毎の別々の山として段積みされて保管される。
【0020】
次に、図2を参照して、本実施の形態の運用支援処理の概要を説明する。本実施の形態において、製品置場17は基本寸法の区画を単位として表される。図2の製品置場の全体は、段積みされる板状製品の幅方向に12、長さ方向に2の基本寸法の区画(図の細線枠)が組み合わされて構成される。初期の状態において、5つの製品置場(図の太線枠)が設定されている。図中の数字は、各製品置場に段積みされている板状製品の枚数を表す。ここで、各製品置場に段積みできる板状製品の枚数の上限は20枚とし、寸法の異なる出荷ロットを重ねる場合に、原則として、寸法が小さい出荷ロットの上に寸法が大きい出荷ロットを積載させないこととする。
【0021】
この製品置場に13枚の板状製品からなる出荷ロットを搬入する場合に、まず、空きの製品置場はない。また、この搬入される出荷ロットを段積みできるのは、幅方向の寸法が3区画の製品置場であるが、上限枚数20枚の制限条件から、既に段積みされている出荷ロットの上に、さらに13枚を重ねる余裕はない。そこで、いずれかの製品置場の出荷ロットの配替により空きの製品置場を確保して、搬入される出荷ロットの受入置場を設定する。なお、製品置場の寸法の検証について、図2に例示する製品置場は、長さ方向の寸法はいずれも2区画であるので、長さ方向の寸法の検証は省略する。
【0022】
図2は、後述する運用支援処理により抽出された、2パターンの配替例(配替置場候補)を例示する。配替置場候補1は、隣り合う8枚の出荷ロットと7枚の出荷ロットとをそれぞれ10枚の出荷ロットと3枚の出荷ロットの上に移動する配替を実行し、幅方向の寸法が4区画の空きの製品置場を確保して、幅方向が3区画の受入置場を設定(製品置場の区画を変更)するものである。また、配替置場候補2は、隣り合う3枚の出荷ロットと8枚の出荷ロットを7枚の出荷ロットの上に積載する配替を実行し、幅方向が4区画の空きの製品置場を確保して、幅方向が3区画の受入置場を設定するものである。
【0023】
さらに、運用支援処理は、抽出された複数の配替置場候補を、ハンドリング量(移動枚数)の観点と積載状態(上下の出荷ロットの寸法の制限)の観点から評価して、最適な配替置場候補を決定する。評価の具体例については後述する。
【0024】
次に、図3を参照して、本実施の形態の製品置場運用システム2の構成について説明する。図3は、本実施の形態における製品置場運用システム2の全体構成例を示すブロック図である。図3に示すように、製品置場運用システム2は、運用支援装置3と、データベース4と、端末5と、物流機器6とを含み、データベース4、端末5および物流機器6が運用支援装置3と接続されて互いにデータの送受が可能に構成されている。
【0025】
運用支援装置3は、CPU、更新記録可能なフラッシュメモリ等のROMやRAM等の各種ICメモリ、ハードディスク、CD−ROM等の記憶媒体といった各種記憶装置、通信装置、表示装置や印刷装置等の出力装置、入力装置、各部を接続し、あるいは外部入力を接続するインターフェース装置等を備えた公知のハードウェア構成で実現でき、例えばワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータを用いることができる。この運用支援装置3は、製品置場17における板状製品の搬入に際して、製品の在庫を移動させるシミュレーションを行って製品置場17の設定の推移を予測し、後述するクレーン等のハンドリング設備のハンドリング量や製品の積載状態を考慮しつつ、区画の変更をともなう製品置場17の運用を提案するための処理(運用支援処理)を行う。なお、運用支援装置3は、運用支援処理を実現するためのプログラムを記憶装置に記憶しておき、このプログラムを読み出して実行することで実現できる。
【0026】
データベース4は、運用支援処理に用いるデータを記憶・管理する。このデータベース4には、後述する製品情報ファイル41、在庫状況ファイル42、置場設定マップファイル43、置場運用制約ファイル44、探索条件ファイル45、運用指示ファイル46が記憶される。
【0027】
図4は、製品情報ファイル41のデータ構成例を示す図である。図4に示すように、製品情報ファイル41には、製品置場17に到着する板状製品に固有に割り当てられる製品IDと対応付けて、該当する板状製品の板厚(mm)と、幅(m)と、長さ(m)と、出荷予定日と、出荷ロットの識別番号と、この出荷ロットの目的地に割り当てられた目的地コードとが設定されて登録される。
【0028】
また、図3に示すように、在庫状況ファイル42には、製品別状況ファイル421と、置場別状況ファイル422とが記憶される。図5は、製品別状況ファイル421のデータ構成例を示す図である。この製品別状況ファイル421は、現時点で製品置場17内に保管されている板状製品の在庫状況を記憶する。具体的には、図5に示すように、製品別状況ファイル421には、製品置場17のそれぞれに固有に割り当てられた置場IDと対応付けて、該当する製品置場17に段積みされている板状製品の製品IDと、該当する板状製品の出荷ロットと、板厚(mm)と、幅(m)と、長さ(m)とが設定されて登録される。
【0029】
また、図6は、置場別状況ファイル422のデータ構成例を示す図である。この置場別状況ファイル422は、複数の製品置場17毎に、該当する製品置場17に現時点で段積みされている板状製品の在庫状況を記憶する。具体的には、図6に示すように、置場別状況ファイル422は、置場IDと対応付けて、該当する製品置場17に段積みされている板状製品の合計枚数と、該当する製品置場17に段積みされている板状製品の板厚の合計(山高さ)と、該当する製品置場17に段積みされている板状製品の幅の最大値(最大幅)と、該当する製品置場17に段積みされている板状製品の長さの最大値(最大長)とが設定されて登録される。
【0030】
また、図7は、置場設定マップファイル43のデータ構成例を示す図である。この置場設定マップファイル43は、現時点での製品置場17の設定状況を記憶する。具体的には、図7に示すように、置場設定マップファイル43は、置場IDと対応付けて、該当する製品置場17の寸法(幅および長さ)が設定されて登録される。
【0031】
なお、本実施の形態において、前述したように、製品置場17は基本寸法の区画を単位として表される。図8は、製品置場17の設定例とその設定状況の表示方法を説明するための図である。図8に示すように、本実施の形態において、製品置場17の全体は、幅方向に12、長さ方向に2の基本寸法の区画が組み合わされて構成される。そして、各製品置場17の置場IDは該当の製品置場17の左上の区画の位置で表される。ここで、位置は、基本寸法の区画を単位とした幅方向の値(図8の例では1,2,・・・,12のいずれか)と長さ方向の値(図8の例ではA,Bのいずれか)とで表される。また、各製品置場17の寸法は、基本寸法の区画の幅方向の数と長さ方向の数とで表される。図8は、置場IDがそれぞれ1A,4A,6A,8A,10Aである5つの製品置場17の設定状況(図8中の太線枠)を示している。例えば、置場ID=1A、寸法が幅=3、長さ=2の製品置場17は、1Aで表される位置から幅(右)方向に3つ、長さ(下)方向に2つの、合計6つの基本寸法の区画が組み合わされて設定された区画であることを示す。
【0032】
図9は、置場運用制約ファイル44のデータ構成例を示す図である。この置場運用制約ファイル44は、製品置場17に対する板状製品の段積みに関する制約条件を記憶する。具体的には、図9に示すように、置場運用制約ファイル44には、製品置場17の全体についての幅方向の基本寸法の区画数(置場区画数(幅))、長さ方向の基本寸法の区画数(置場区画数(長さ))および山高さ上限枚数の項目毎に、その数値が設定され登録されている。具体的には、製品置場17の運用の制約条件として用いる運用可能な製品置場17の範囲(基本寸法の区画の幅方向の数と長さ方向の数)と、製品置場17に段積み可能な板状製品の上限枚数とが設定されて登録される。
【0033】
また、図10は、探索条件ファイル45のデータ構成例を示す図である。この探索条件ファイル45は、後述する第1配替置場候補探索処理および第2配替置場候補探索処理における制約条件を記憶する。具体的には、図10に示すように、探索条件ファイル45には、第1配替置場候補探索処理および第2配替置場候補探索処理によって抽出する配替の候補の上限数(候補数上限)と、配替の候補を抽出する際の制約条件(候補抽出条件)とが設定されて登録される。
【0034】
図11は、運用指示ファイル46のデータ構成例を示す図である。この運用指示ファイル46は、後述する結果出力処理により記録される。具体的には、図11に示すように、運用指示ファイル46は、製品IDと、出荷予定日と、目的地コードと、出荷ロットと、置場IDと、配置日とが対応付けられたデータテーブルである。置場IDには、該当する板状製品を置く製品置場17の置場IDが設定される。配置日には、該当する板状製品を配置する日付が設定される。配替の指示は、同一の製品IDに複数の置場IDと配置日とを対応付けて設定することで表す。
【0035】
端末5は、運用支援装置3との間でデータ通信を行い、運用支援装置3が行った運用支援処理の結果等を表示する。この端末5は、例えばパソコン等で実現される。
【0036】
物流機器6は、検査装置15での検査を終えて製品置場17に到着した板状製品を製品置場17に搬入して段積みするためのクレーン等のハンドリング設備を含む。この物流機器6は、検査装置15に到着した板状製品をハンドリング設備によって製品置場17に搬入して段積みする。
【0037】
次に、図12のフローチャートを参照して、本実施の形態の運用支援装置3が行う運用支援処理の処理手順について説明する。図12に示すフローチャートは、例えばオペレータが端末5を操作することによって、搬入する出荷ロットを指定して運用支援装置3に運用支援処理の実行を指示したタイミングで開始となり、運用支援処理はステップS1の処理に進む。
【0038】
ステップS1の処理では、運用支援装置3は、先ず、データ入力手段として、データ入力処理を実行し、データベース4から製品情報ファイル41、在庫状況ファイル42および置場設定マップファイル43、置場運用制約ファイル44および探索条件ファイル45を読み出して入力する。これにより、ステップS1の処理は完了し、運用支援処理はステップS2の処理に進む。
【0039】
ステップS2の処理では、運用支援装置3は、受入置場探索処理を実行し、搬入する出荷ロットを段積み可能な製品置場17の有無を探索する。まず、運用支援装置3は、製品情報ファイル41を参照して、搬入する出荷ロットを構成する板状製品の情報を抽出し、それらの板状製品群の寸法の最大値(幅の最大値と長さの最大値)から、搬入する出荷ロットを段積みするために必要な製品置場17の寸法(必要寸法)を算出する。その際に、運用支援装置3は、必要寸法として、板状製品群の寸法(m)以上となる基本寸法の区画の数を算出する。
【0040】
そして、運用支援装置3は、置場設定マップファイル43を参照して、算出した必要寸法以上の寸法の製品置場17を抽出し、各製品置場17に出荷ロットを搬入可能か否かを検証する。すなわち、置場別状況ファイル422を参照し、抽出した各製品置場17についての合計枚数の情報に基づいて、山高さ上限枚数(置場運用制約ファイル44を参照)までの枚数の余裕(山高さ余裕枚数)が、搬入する出荷ロットの枚数以上であるか否かを検証する。これにより、ステップS2の処理は完了し、運用支援処理はステップS3の処理に進む。
【0041】
なお、運用支援装置3は、製品置場17の合計枚数が多い順に、置場設定マップファイル43の全製品置場17についてこの検証を実施する。製品置場17の合計枚数が多いほど、出荷ロットを搬入した場合にその製品置場17に段積みされる板状製品の枚数が山高さ上限枚数に近づくので、置場運用の効率がよくなるからである。
【0042】
ステップS3の処理では、運用支援装置3は、上記したステップS2の受入置場探索処理の結果に基づいて、搬入する出荷ロットを受入可能な製品置場17の有無を判定する。搬入する出荷ロットの合計枚数以上の山高さ余裕枚数の製品置場17がなければ、運用支援処理はステップS4の処理に進む。一方、搬入する出荷ロットの合計枚数以上の山高さ余裕枚数の製品置場17があれば、運用支援装置3は該当の製品置場17の情報を抽出し、運用支援処理はステップS11の処理に進む。
【0043】
ステップS4の処理では、運用支援装置3は、第1配替置場候補探索処理を実行し、いずれか1箇所の製品置場17の出荷ロットを他の製品置場17に移動させて(配替)、空の製品置場17を確保することが可能になるかを探索する。運用支援装置3は、置場別状況ファイル422を参照し、各製品置場17に段積みされている出荷ロットを移動できる製品置場17(配替先)があるか否かを検証する。すなわち、運用支援装置3は、山高さ余裕枚数が移動対象の出荷ロットの合計枚数以上である製品置場17(配替先)の有無を検証する。これにより、ステップS4の処理は完了し、運用支援処理はステップS5の処理に進む。
【0044】
なお、運用支援装置3は、製品置場17の寸法が大きい順に、また製品置場17の板状製品の合計枚数が少ない順に、置場設定マップファイル43の全製品置場17についてこの検証を実施する。これは、製品置場17の寸法が大きいほど、そこに段積みされる出荷ロットを移動させてできる空の製品置場17の寸法が大きくなるので、検証の効率がよくなるからである。また、これは、製品置場17の板状製品の合計枚数が少ないほど、移動する板状製品の枚数(ハンドリング量)が少なくなるからである。
【0045】
ステップS5の処理では、運用支援装置3は、上記したステップS4の第1配替置場候補探索処理の結果に基づいて、1つの出荷ロットの配替により空きの製品置場17を確保可能か否かを判定する。配替先がある(配替対象の)製品置場17がある場合には、運用支援装置3は該当の製品置場17の情報を抽出し、運用支援処理はステップS6の処理に進む。一方、配替先がある(配替対象の)製品置場17がない場合には、運用支援処理はステップS12の処理に進む。
【0046】
ステップS6の処理では、運用支援装置3は、配替先がある(配替対象の)製品置場17について、そこに段積みされる出荷ロットを移動させてできる空の製品置場17に、出荷ロットを搬入可能か否かを検証する。すなわち、運用支援装置3は、置場設定マップファイル43を参照して、配替対象の製品置場17の寸法が搬入する出荷ロットの必要寸法以上か否かを検証する。空となる製品置場17の寸法が搬入する出荷ロットの必要寸法より小さい場合には、運用支援装置3は該当の製品置場17に出荷ロットを搬入不可能と判定し、配替対象の製品置場17の情報と配替先の製品置場17の情報とを抽出して、運用支援処理はステップS7の処理に進む。一方、空の製品置場17の寸法が出荷ロットの必要寸法以上である場合には、運用支援装置3は該当の製品置場17に出荷ロットを搬入可能と判定し、配替対象の製品置場17の情報と配替先の製品置場17の情報とを抽出し、運用支援処理はステップS9の処理に進む。
【0047】
ステップS7の処理では、運用支援装置3は、第2配替置場候補探索処理を実行し、ステップS5の処理で配替先がある(配替対象)と判定された製品置場17に隣接する製品置場17のうち、その製品置場17の出荷ロットを他の製品置場17に移動させて(配替)、空の製品置場17を確保することが可能になる製品置場17を探索する。運用支援装置3は、ステップS4と同様に、置場別状況ファイル422を参照し、各製品置場17に段積みされている出荷ロットを移動可能な製品置場17(配替先)があるか否かを検証する。すなわち、運用支援装置3は、山高さ余裕枚数が移動対象の合計枚数以上である製品置場17(配替先)の有無を検証する。これにより、ステップS7の処理は完了し、運用支援処理はステップS8の処理に進む。
【0048】
なお、運用支援装置3は、ステップS5の処理で配替対象と判定された全ての製品置場17に隣接する製品置場17について、製品置場17の寸法が大きい順に、また製品置場17の板状製品の合計枚数が少ない順に、この検証を実施する。これは、製品置場17の寸法が大きいほど、そこに段積みされる出荷ロットを移動させてできる空の製品置場17の寸法が大きくなるので、検証の効率がよくなるからである。また、これは、製品置場17の板状製品の合計枚数が少ないほど、移動する板状製品の枚数(ハンドリング量)が少なくなるからである。
【0049】
ステップS8の処理では、運用支援装置3は、ステップS7の処理で配替先がある(配替対象の)製品置場17について、そこに段積みされる出荷ロットを移動させてできる空の製品置場17と、該当の製品置場17に隣接し、ステップS5の処理で配替対象と判定され空にできる製品置場17とを合わせた製品置場17に、出荷ロットを搬入可能か否かを検証する。すなわち、置場設定マップファイル43を参照して、2つの配替対象の製品置場17の寸法が、出荷ロットの必要寸法以上か否かを検証する。空となる2つの製品置場17の寸法の合計が出荷ロットの必要寸法より小さい場合には、運用支援装置3は該当の製品置場17に出荷ロットを搬入不可能と判定し、運用支援処理はステップS12の処理に進む。一方、2つの空の製品置場17の寸法の合計が出荷ロットの必要寸法以上である場合には、運用支援装置3は該当の製品置場17に出荷ロットを搬入可能と判定し、2組の配替対象の製品置場17の情報と配替先の製品置場17の情報とを抽出し、運用支援処理はステップS9の処理に進む。
【0050】
ステップS9の処理では、運用支援装置3は、配替置場候補抽出処理を行なって、以上の処理により抽出された配替対象の製品置場17の情報と配替先の製品置場17との情報の組み合わせ(配替のパターン)を、配替の候補(配替置場候補)として抽出する。なお、この配替置場候補の抽出の際には、運用支援装置3は、探索条件ファイル45を参照して候補抽出条件を適用する。すなわち、運用支援装置3は、配替対象の出荷ロットの寸法の最大値が配替先の出荷ロットの最大寸法(置場別状況ファイル422を参照)より大きい場合には、他に配替置場候補がない場合を除き、配替置場候補から外す。また、配替置場候補の数が候補数上限を超える場合には、運用支援装置3は、ステップS4およびステップS7の処理にて探索(検証)された順に、候補数上限までを配替置場候補とする。これにより、ステップS9の処理は完了し、運用支援処理はステップS10の処理に進む。
【0051】
ステップS10の処理では、運用支援装置3は、ステップS9の処理で抽出された配替置場候補について、評価処理を行なって、評価値を算出する。本実施の形態では、運用支援装置3は、ハンドリング量(移動枚数)の観点と、積載状態(上下の出荷ロットの寸法の制限)の観点から評価を行なう。例えば、運用支援装置3は、ハンドリング量の観点から、各配替置場候補における板状製品の移動枚数の総数を評価値に計上する。また、運用支援装置3は、積載状態の観点から、配替対象の出荷ロットの寸法が配替先の出荷ロットの寸法より大きい場合に、配替対象の出荷ロットの枚数(積載状態の制限に違反している板状製品の枚数)を評価値に計上する。これらの評価値が低いほど、好適な配替置場候補ということができる。これにより、ステップS10の処理は完了し、運用支援処理はステップS11の処理に進む。
【0052】
ここで、図2を参照して、評価処理の具体例について説明する。図2に示す2パターンの配替置場候補にこの評価処理を適用すると、配替置場候補1について、ハンドリング量の評価値は15(枚)であり、積載状態の評価値は0(枚)であることから、総合した評価値は15(枚)となる。一方、配替置場候補2について、ハンドリング量の評価値は11(枚)であり、積載状態の評価値は11(枚)であることから、総合した評価値は22(枚)となる。したがって、配替置場候補1の方が好適と評価できる。
【0053】
ステップS11の処理では、運用支援装置3は、受入置場決定処理を行なって、ステップS10の評価処理の結果に基づいて、最適な配替置場候補を決定し、搬入される出荷ロットの受入置場を決定する。また、運用支援装置3は、決定した配替置場候補に基づいて、置場設定マップファイル43を変更する。これにより、ステップS11の処理は完了し、運用支援処理はステップS12の処理に進む。
【0054】
図13は、図7の置場設定マップファイル43の変更例を示す。図13は、図7に示す5つの製品置場17のうち、置場ID=6A,8Aの2つの製品置場17を統合して、置場ID=7Aの製品置場17に区画の設定を変更したことを示す。
【0055】
ステップS12の処理では、運用支援装置3は、結果出力処理を行なって、以上の結果をデータベース4に出力し、運用指示ファイル46として記録する。また、ステップS5およびステップS8にて受入置場を確保できない場合には、エラー表示を出力する。これにより、ステップS12の処理は完了し、一連の運用支援処理は完了する。
【0056】
なお、図11に示す運用指示ファイル46において、配替の指示は、同一の製品IDに複数の置場IDと配置日とが対応付けられて設定されることでわかる。
【0057】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ハンドリング量と積載状態を表す評価値に基づいて複数の寸法の異なる出荷ロットを1つの山に寄せて、区画の変更をともなう製品置場17を確保できるので、ハンドリング量と積載状態とを考慮しつつ区画の変更をともなう製品置場17の運用を実現することが可能となる。
【0058】
なお、上記の実施の形態では、ステップS7〜S8の処理で、2組の配替を行って2つの空きの製品置場17を統合して受入置場を確保する例を示しているが、3組以上の配替を行って3つ以上の製品置場17を統合することにより受入置場を確保してもよい。
【0059】
また、上記の実施の形態では、ハンドリング量を表す評価値として、製品置場17の高さ余裕を適用し、移動枚数を評価することとした。これに加えて、移動元の製品置場17と移動先の製品置場17との距離を適用し、ハンドリング作業時間を加味して評価するようにしてもよい。
【0060】
また、ステップS12の処理でエラー表示を出力した後に、置場運用制約ファイル44や探索条件ファイル45の制約条件を変更可能とするように構成してもよい。例えば、ステップS12のエラー表示とともに、製品置場17の運用や配替の探索の制約条件の変更の要否を選択するよう依頼するメッセージを端末5に表示させ、ユーザの選択指示を受け付けるようにして、ユーザ操作に従ってこれらの制約条件を変更するステップを加え、制約条件が変更された後にステップS2の処理に戻るように構成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
以上のように、本発明の製品置場の運用支援方法および運用支援装置は、ハンドリング量および積載状態を考慮しつつ、今後製品置場に到着する鉄鋼製品の保管に必要な製品置場の区画の変更をともなう運用を実現するのに適している。
【符号の説明】
【0062】
1 製造設備
11 圧延機
13 切断機
15 検査装置
17 製品置場
2 製品置場運用システム
3 運用支援装置
4 データベース
41 製品情報ファイル
42 在庫状況ファイル
421 製品別状況ファイル
422 置場別状況ファイル
43 置場設定マップファイル
44 置場運用制約ファイル
45 探索条件ファイル
46 運用指示ファイル
5 端末
6 物流機器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄鋼製品の製造設備に設けられ、前記鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の運用支援方法であって、
前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品の出荷ロットと当該出荷ロットの寸法に関する情報とを少なくとも含む製品情報と、前記製品置場における前記鉄鋼製品の現在の在庫状況と、前記製品置場の区画を規定する区画設定情報と、前記製品置場の運用の制約条件と、前記製品置場の探索の制約条件とを入力するデータ入力工程と、
出荷ロット毎に鉄鋼製品を段積みした場合の在庫状況を予測して、前記出荷ロットの寸法と前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とに基づいて、前記製品置場に出荷ロットが到着する際に当該出荷ロットを搬入可能な製品置場を探索する受入置場探索工程と、
前記受入置場探索工程において前記出荷ロットを搬入可能な製品置場を確保できない場合に、前記出荷ロットの寸法と前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とに基づいて、段積みされた出荷ロット毎の鉄鋼製品を段積みされた他の出荷ロットに統合する配替のパターンと、当該配替により前記出荷ロットを搬入可能となる製品置場とを探索する配替置場探索工程と、
前記配替置場探索工程において探索された複数パターンの配替のそれぞれについて、ハンドリング量と鉄鋼製品の積載状態とに基づく評価値を算出する評価工程と、
前記評価値に基づいて最適な配替のパターンと当該配替により確保される製品置場とを決定し、前記区画設定情報を変更する決定工程と、
を含むことを特徴とする運用支援方法。
【請求項2】
前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とを変更する制約条件変更工程を含み、
前記受入置場探索工程は、前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とが変更された場合に、該変更後の製品置場の運用の制約条件と製品置場の探索の制約条件に基づいて前記製品置場に到着する出荷ロットを搬入する製品置場を探索することを特徴とする請求項1に記載の運用支援方法。
【請求項3】
配替置場探索工程は、前記出荷ロットを搬入可能な製品置場を確保できない場合に、エラー情報と、前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件との変更要否の選択依頼の通知を表示出力し、
前記制約条件変更工程は、前記選択依頼の通知に対する選択操作に応じて前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とを変更することを特徴とする請求項2に記載の運用支援方法。
【請求項4】
前記製品置場の探索の制約条件は、前記配替のパターンから前記評価工程における評価の対象を抽出する際の抽出条件と、前記評価工程における評価の対象の抽出の上限数であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の運用支援方法。
【請求項5】
前記製品置場の運用の制約条件は、前記区画設定情報に規定される製品置場の全体の寸法と、前記製品置場に段積みされる前記鉄鋼製品の上限枚数であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の運用支援方法。
【請求項6】
鉄鋼製品の製造設備に設けられ、前記鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の運用支援装置であって、
前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品の出荷ロットと当該出荷ロットの寸法に関する情報とを少なくとも含む製品情報と、前記製品置場における前記鉄鋼製品の現在の在庫状況と、前記製品置場の区画を規定する区画設定情報と、前記製品置場の運用の制約条件と、前記製品置場の探索の制約条件とを入力するデータ入力手段と、
出荷ロット毎に鉄鋼製品を段積みした場合の在庫状況を予測して、前記出荷ロットの寸法と前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とに基づいて、前記製品置場に出荷ロットが到着する際に当該出荷ロットを搬入可能な製品置場を探索する受入置場探索手段と、
前記受入置場探索手段により前記出荷ロットを搬入可能な製品置場を確保できない場合に、前記出荷ロットの寸法と前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とに基づいて、段積みされた出荷ロット毎の鉄鋼製品を段積みされた他の出荷ロットに統合する配替のパターンと、当該配替により前記出荷ロットを搬入可能となる製品置場とを探索する配替置場探索手段と、
前記配替置場探索手段により探索された複数パターンの配替のそれぞれについて、ハンドリング量と鉄鋼製品の積載状態とに基づく評価値を算出する評価手段と、
前記評価値に基づいて最適な配替のパターンと当該配替により確保される製品置場とを決定し、前記区画設定情報を変更する決定手段と、
を備えることを特徴とする運用支援装置。
【請求項1】
鉄鋼製品の製造設備に設けられ、前記鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の運用支援方法であって、
前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品の出荷ロットと当該出荷ロットの寸法に関する情報とを少なくとも含む製品情報と、前記製品置場における前記鉄鋼製品の現在の在庫状況と、前記製品置場の区画を規定する区画設定情報と、前記製品置場の運用の制約条件と、前記製品置場の探索の制約条件とを入力するデータ入力工程と、
出荷ロット毎に鉄鋼製品を段積みした場合の在庫状況を予測して、前記出荷ロットの寸法と前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とに基づいて、前記製品置場に出荷ロットが到着する際に当該出荷ロットを搬入可能な製品置場を探索する受入置場探索工程と、
前記受入置場探索工程において前記出荷ロットを搬入可能な製品置場を確保できない場合に、前記出荷ロットの寸法と前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とに基づいて、段積みされた出荷ロット毎の鉄鋼製品を段積みされた他の出荷ロットに統合する配替のパターンと、当該配替により前記出荷ロットを搬入可能となる製品置場とを探索する配替置場探索工程と、
前記配替置場探索工程において探索された複数パターンの配替のそれぞれについて、ハンドリング量と鉄鋼製品の積載状態とに基づく評価値を算出する評価工程と、
前記評価値に基づいて最適な配替のパターンと当該配替により確保される製品置場とを決定し、前記区画設定情報を変更する決定工程と、
を含むことを特徴とする運用支援方法。
【請求項2】
前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とを変更する制約条件変更工程を含み、
前記受入置場探索工程は、前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とが変更された場合に、該変更後の製品置場の運用の制約条件と製品置場の探索の制約条件に基づいて前記製品置場に到着する出荷ロットを搬入する製品置場を探索することを特徴とする請求項1に記載の運用支援方法。
【請求項3】
配替置場探索工程は、前記出荷ロットを搬入可能な製品置場を確保できない場合に、エラー情報と、前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件との変更要否の選択依頼の通知を表示出力し、
前記制約条件変更工程は、前記選択依頼の通知に対する選択操作に応じて前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とを変更することを特徴とする請求項2に記載の運用支援方法。
【請求項4】
前記製品置場の探索の制約条件は、前記配替のパターンから前記評価工程における評価の対象を抽出する際の抽出条件と、前記評価工程における評価の対象の抽出の上限数であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の運用支援方法。
【請求項5】
前記製品置場の運用の制約条件は、前記区画設定情報に規定される製品置場の全体の寸法と、前記製品置場に段積みされる前記鉄鋼製品の上限枚数であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の運用支援方法。
【請求項6】
鉄鋼製品の製造設備に設けられ、前記鉄鋼製品が出荷されるまでの間段積みされて保管される製品置場の運用支援装置であって、
前記製品置場に到着する前記鉄鋼製品の出荷ロットと当該出荷ロットの寸法に関する情報とを少なくとも含む製品情報と、前記製品置場における前記鉄鋼製品の現在の在庫状況と、前記製品置場の区画を規定する区画設定情報と、前記製品置場の運用の制約条件と、前記製品置場の探索の制約条件とを入力するデータ入力手段と、
出荷ロット毎に鉄鋼製品を段積みした場合の在庫状況を予測して、前記出荷ロットの寸法と前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とに基づいて、前記製品置場に出荷ロットが到着する際に当該出荷ロットを搬入可能な製品置場を探索する受入置場探索手段と、
前記受入置場探索手段により前記出荷ロットを搬入可能な製品置場を確保できない場合に、前記出荷ロットの寸法と前記製品置場の運用の制約条件と前記製品置場の探索の制約条件とに基づいて、段積みされた出荷ロット毎の鉄鋼製品を段積みされた他の出荷ロットに統合する配替のパターンと、当該配替により前記出荷ロットを搬入可能となる製品置場とを探索する配替置場探索手段と、
前記配替置場探索手段により探索された複数パターンの配替のそれぞれについて、ハンドリング量と鉄鋼製品の積載状態とに基づく評価値を算出する評価手段と、
前記評価値に基づいて最適な配替のパターンと当該配替により確保される製品置場とを決定し、前記区画設定情報を変更する決定手段と、
を備えることを特徴とする運用支援装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−100179(P2013−100179A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245889(P2011−245889)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
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