説明

運行情報記録装置

【課題】運行情報を解析するためのコストを低減することができる運行情報記録装置を提供する。
【解決手段】可搬型の記録媒体Cを装填して、この装填した記録媒体Cに車両の運行情報を記録する運行情報記録装置10であって、運行情報のデータを解析する運行情報解析手段21と、運行情報解析手段21の解析結果を示す運行情報画像のデータをカーナビゲーション装置35のディスプレイ35aで表示可能なデータ形式で生成する画像データ生成手段21と、画像データ生成手段21により生成した運行情報画像のデータを記録媒体Cへ記録する運行情報記録手段21とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に車両の運行情報を記録する運行情報記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載して走行速度や加減速等の走行状態を運行情報として記録媒体に記録する運行情報記録装置として、例えば、特開2000−194895号公報(特許文献1)及び特開2007−264944号公報(特許文献2)に記載された運行情報記録装置が提案されている。
【0003】
上記運行情報記録装置では、走行速度や加減速等の車両の走行状態を運行情報として収集して、この収集した運行情報のデータを充填した可搬型の記録媒体(メモリカード)に記録している。
【0004】
そして、メモリカードに記録された運行情報のデータは、例えば、車両の管理事務所等に設置した運行情報解析装置で運行情報のデータを読み出して、この読み出した運行情報のデータを解析して安全運転の支援等に利用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−194895号公報
【特許文献2】特開2007−264944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したような運行情報記録装置によりメモリカードに記録された運行情報のデータは、管理事務所等に設置されたリーダ/ライタを介して読み出される。この読み出した運行情報のデータは、解析用のソフトウェアにより解析されて、解析された結果は運行情報解析装置のディスプレイ等に表示される。
【0007】
このため、運行情報の解析結果をディスプレイ等に表示するためには、リーダ/ライタでメモリカードから読み出したデータを解析するソフトウェアとこれをインストールしたコンピュータ等を準備しなければならず、運行情報を解析するためのコストが高くなるという問題が発生する。
【0008】
そこで、本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、運行情報を解析するためのコストを低減することができる運行情報記録装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載した本発明の運行情報記録装置は、可搬型の記録媒体を装填して、この装填した記録媒体に車両の運行情報を記録する運行情報記録装置であって、前記運行情報のデータを解析する運行情報解析手段と、前記運行情報解析手段の解析結果を示す運行情報画像のデータを外部機器で表示可能なデータ形式で生成する画像データ生成手段と、前記画像データ生成手段により生成した運行情報画像のデータを前記記録媒体へ記録する運行情報記録手段とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載した本発明の運行情報記録装置は、請求項1に記載の運行情報記録装置において、前記画像データ生成手段は、複数の運行情報画像のデータと、この複数の運行情報画像から一の運行情報画像を前記外部機器に表示するために選択される選択画像のデータを生成し、前記運行情報記録手段は、前記複数の運行情報画像のデータと前記選択画像のデータとを前記記録媒体へ記録することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載した本発明の運行情報記録装置は、請求項1又は請求項2に記載の運行情報記録装置において、前記記録媒体には、前記運行情報画像を前記外部機器に表示するためのブラウザソフトウェアが記録されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載した本発明の運行情報記録装置によれば、解析結果を示す運行情報画像のデータを外部機器で表示可能なデータ形式で生成して記録媒体へ記録する。このため、外部機器で運行情報の解析処理を改めて行わなくても、運行情報画像を表示することができる。
【0013】
また、外部機器に記録媒体を充填させることで運行情報画像を表示することができるため、リーダ/ライタで記録媒体から読み出した運行情報のデータを解析するソフトウェアとこれをインストールしたコンピュータ等が不要となる。
【0014】
従って、運行情報を解析するためのコストを低減することができる運行情報記録装置を提供することができる。
【0015】
請求項2に記載した本発明の運行情報記録装置によれば、外部機器に表示された選択画像を選択することにより所望の運行情報画像を表示することができる。このため、複数の運行情報画像を効率良く確認することができる。
【0016】
請求項3に記載した本発明の運行情報記録装置によれば、記録媒体には、運行情報画像のデータを外部機器に表示するための表示用ソフトウェアのデータが記録されている。このため、運行情報画像を表示する表示用ソフトウェアがインストールされていない外部機器においても、記録媒体をリーダ/ライタに装填しデータを読み出すだけで運行情報画像を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る運行情報記録装置と外部機器を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る運行情報記録装置の正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る運行情報記録装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る運行情報記録装置の運行情報記録処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る外部機器に表示された運転日報画像を示す画面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る外部機器に表示された速度データ画像を示す画面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る外部機器に表示された散布図画像を示す画面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る外部機器に表示された省エネ報告書画像を示す画面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る外部機器に表示されたガントチャート画像を示す画面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る外部機器に表示されたレーダーチャート画像と診断チャート画像を示す画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。はじめに、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係る運行情報記録装置の構成について詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る運行情報記録装置と外部機器を示す図である。
【0019】
また、図2(a)は、本発明の実施形態に係る運行情報記録装置のカバーの閉状態時を示す正面図である。図2(b)は、本発明の実施形態に係る運行情報記録装置のカバーの開状態時を示す正面図である。
【0020】
本発明の実施形態に係る運行情報記録装置(デジタルタコグラフ)は、可搬型の記録媒体(メモリカード)を装填して、この装填したメモリカードに車両の運行情報を記録する装置である。
【0021】
この運行情報記録装置(デジタルタコグラフ)は、車両の運行情報のデータを解析し、この解析した解析結果を示す運行情報画像のデータを外部機器で表示可能なデータ形式で生成する。そして、生成した運行情報画像のデータを記録媒体(メモリカード)へ記録する。
【0022】
なお、本実施形態では、車両が荷室を有するトラック等の輸送車である場合を例に取って説明する。
【0023】
図1及び図2に示すように、運行情報記録装置(デジタルタコグラフ)10は、開閉されるカバー11と、図2(a)に示す閉状態時のカバー11の右側に配置されたディスプレイ12と、カバー11の図中左側に配置された開スイッチ13とを有している。
【0024】
また、デジタルタコグラフ10は、図2(a)に示すようにディスプレイ12の下側に配置された切替スイッチ14と、作業入力を行うための作業スイッチ(実/空スイッチ15、高速スイッチ16、及び、専用道スイッチ17)とを有している。
【0025】
カバー11は、図2(a)に示す閉状態と図2(b)に示す開状態との間で図中の矢印F方向にスライド開閉できるように構成されており、バネ等の不図示の付勢手段により開方向に付勢されている。
【0026】
なお、図2(a)に示すカバー11の閉状態は、デジタルタコグラフ10のハウジング側の不図示の係止片と、閉状態の位置にあるカバー11の係止片との係止によって維持することができる。両係止片の係止は、開スイッチ13の操作によって解除することができる。
【0027】
図2(b)に示すカバー11の開状態時には、閉状態時にカバー11で隠されていたカードスロット18が露出する。このカードスロット18には、運行情報の画像データ等が記録された記録媒体(メモリカード)Cが抜き差しされる。
【0028】
このメモリカードCは、SDメモリーカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)カード等の可搬型カードであり、メモリカードCをカードスロット18に挿入して開スイッチ13を操作すると、後述するリーダ/ライタ24によるメモリカードCへの運行情報等の記録が開始される。
【0029】
記録の開始後に開スイッチ13を操作すると、デジタルタコグラフ10は、車両の運行情報のデータを解析した解析結果を示す運行情報画像のデータを生成して、この生成した運行情報画像のデータをメモリカードCへ記録する。
【0030】
メモリカードCへの運行情報の記録が終了され、運行情報画像等のデータが記録されたメモリカードCはカードスロット18から排出される。
【0031】
切替スイッチ14は、ディスプレイ12に表示される情報画像等の表示画面を切り替える際等に操作される。
【0032】
実/空スイッチ15は、不図示の荷室の実車/空車の状態を切り替える際に操作される。実車とは、積荷がある積載状態のことを言い、空車とは、積荷がない非積載状態のことを言う。
【0033】
実/空スイッチ15を操作すると、ディスプレイ12の表示が、デフォルトの時刻表示から、不図示の荷室の実車、空車の設定状態表示に切り替わる。この状態で実/空スイッチ15を再び操作すると、ディスプレイ12に表示される実車、空車の設定状態が実車から空車に、又は、空車から実車に切り替わる。
【0034】
なお、実/空スイッチ15を一定時間操作しないと、その時点でディスプレイ12が表示している荷室の実車、空車の設定状態が保存され、ディスプレイ12の表示がデフォルトの時刻表示に戻る。
【0035】
また、高速スイッチ16は、不図示の車両が走行する道路の設定を一般道から高速道に、又はその反対に切り替える際に操作される。通常機能のときに専用道スイッチ17は、車両が走行する道路の設定を一般道から専用道(自動車専用道路)に、又はその反対に切り替える際に操作される。
【0036】
上記のように構成されたデジタルタコグラフ10は、例えば、不図示の車両のダッシュボードに設置される。そして、このデジタルタコグラフ10では、周期的に、又は、イベントが発生する毎に、その時点における車両の走行速度等の運行情報が記録される。
【0037】
ここで、イベントとは、例えば高速道路や専用道への乗り降りの際や、荷物の積み込み、積み卸しの際等がある。これらのイベントは、デジタルタコグラフ10に接続した他の機器から自動的に入力される信号や、車両の運転者によるデジタルタコグラフ10の実/空スイッチ15、高速スイッチ16、専用道スイッチ17等の操作によって特定される。
【0038】
また、本実施例のデジタルタコグラフ10ではさらに、後述する図5乃至図10の各運行情報画像51〜56をカーナビゲーション装置35(請求項中の外部機器に相当)のディスプレイ35a等に汎用的なブラウザソフトウェアを用いて表示させるためのデータが、運行情報とは区別して確保したメモリカードCの別エリアに記録される。
【0039】
なお、ブラウザソフトウェアもメモリカードCの専用エリアに記録させておき、これを必要時に起動させて、図5乃至図10の各画像51〜56をカーナビゲーション装置35のディスプレイ35a等に表示させるようにすることもできる。
【0040】
上述した図5乃至図10の各画像51〜56の表示用データは、メモリカードCに記録された運行情報の時系列変化から特定した車両の加速度や走行距離、ブレーキやアクセルの操作等の時系列データから生成することができる。したがって、本実施形態のデジタルタコグラフ10は、メモリカードCに記録した運行情報を用いて上述した各画像51〜56の表示用データを生成する処理を、運行情報の記録処理と並行して行うか、又は、運行終了時に一括して行う。
【0041】
なお、メモリカードCに記録した表示用データ等を、図1に示すように、車両の事務所等に配置される管理装置1において読み出すことにより、図5乃至図10の各画像51〜56を管理装置1において表示することもできる。
【0042】
管理装置1は、キーボード3aと、運行情報画像を表示するディスプレイ3bと、メモリカードCが挿入されるカードスロット3cを有するパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」と略記する。)3と、パソコン3に接続したプリンタ5とを有している。
【0043】
パソコン3は、CPU、RAM、ROM、及び、ハードディスク等(いずれも図示せず)を内蔵しており、ハードディスクには、運行情報画像51〜56(後述する図5から図10参照)を管理装置1のディスプレイ3bに表示するためのブラウザソフトウェア(例えば、JPEG形式のデータによる画像のブラウザソフトウェア)がインストールされている。
【0044】
なお、上述したように、メモリカードCにブラウザソフトウェアが記録されている場合は、パソコン3のハードディスクにブラウザソフトウェアがインストールされていなくても、メモリカードCのブラウザソフトウェアを用いて運行情報画像をディスプレイ3bに表示することができる。
【0045】
プリンタ5は、パソコン3のディスプレイ3bで表示した運行情報画像等をプリントアウトする際に用いられる。
【0046】
次に、図3を参照して、本発明の実施形態に係るデジタルタコグラフ10の電気的構成について説明する。図3は、図1に示すデジタルタコグラフ10の電気的構成を示すブロック図である。図3中引用符号20は、デジタルタコグラフ10の全体制御を行う制御ユニットである。
【0047】
制御ユニット20は、CPU(Central Processing Unit)21と、RAM(random access memory)22と、ROM(read only memory)23とを有している。
【0048】
CPU21は、ROM23に記憶されている各種制御プログラムにしたがって、本実施形態に係る制御を含む各種の処理を実行する。
【0049】
本発明の実施形態では、CPU21は、運行情報のデータを解析する運行情報解析手段、運行情報の解析結果を示す運行情報画像51〜56(後述する図5から図10参照)の表示用データをカーナビゲーション装置35や管理装置1で表示可能なデータ形式(JPEG形式)で生成する画像データ生成手段、生成した運行情報画像51〜56の表示用データをメモリカードCへ記録する運行情報記録手段として機能する。
【0050】
RAM22は、CPU21の処理に使用する作業領域等として利用される。ROM23は、メモリカードCをフォーマットするプログラム、運行情報を解析するプログラム、運行情報画像51〜56(後述する図5から図10参照)の表示用データを生成するプログラム等、CPU21が実行する制御プログラム等を記憶する。
【0051】
このCPU21には、ディスプレイ12と、開スイッチ13、切替スイッチ14、実/空スイッチ15、高速スイッチ16、及び、専用道スイッチ17と、カードスロット18に挿入されたメモリカードCに対するデータの読み書きを行うリーダ/ライタ24と、車両の車速に応じた周期で車速パルスを出力する車速センサ41とが接続されている。
【0052】
車速センサ41から入力された車速パルス等の運行情報は、RAM22の作業領域及びメモリカードCに記録される。そして、CPU21は、RAM22及びメモリカードCに記録された運行情報のデータを解析して、複数の運行情報画像51〜56(後述する図6から図10参照)のデータを生成する。
【0053】
また、CPU21は、複数の運行情報画像51〜56(後述する図6から図10参照)から一の運行情報画像をカーナビゲーション装置35や管理装置1に表示するために選択される選択画像61(後述する図6、図7、図10参照)のデータを生成する。
【0054】
CPU21により生成された複数の運行情報画像51〜56(後述する図6から図10参照)のデータ及び選択画像61(後述する図6、図7、図10参照)のデータは、リーダ/ライタ24を介してメモリカードCに記録される。
【0055】
次に、図4から図10を参照して、本発明の実施形態に係るデジタルタコグラフ10のCPU21(図3参照)がROM23(図3参照)に記憶されたプログラムにしたがって実行する、運行情報記録処理の手順について説明する。
【0056】
図4は、本発明の実施形態に係る運行情報記録装置の運行情報記録処理を示すフローチャートである。図5は、本発明の実施形態に係る外部機器に表示された運転日報画像を示す画面図である。図6は、本発明の実施形態に係る外部機器に表示された速度データ画像を示す画面図である。図7は、本発明の実施形態に係る外部機器に表示された散布図画像を示す画面図である。
【0057】
また、図8は、本発明の実施形態に係る外部機器に表示された省エネ報告書画像を示す画面図である。図9は、本発明の実施形態に係る外部機器に表示されたガントチャート画像を示す画面図である。図10は、本発明の実施形態に係る外部機器に表示されたレーダーチャート画像と診断チャート画像を示す画面図である。
【0058】
はじめに、デジタルタコグラフ10のCPU21は、RAM22(図3参照)の作業領域及びメモリカードC(図1参照)への運行情報の記録が開始された後に運行終了ボタン(開スイッチ13、図1参照)が操作されたか否かを判断する(ステップS101)。
【0059】
CPU21は、開スイッチ13(図1参照)を操作されていないと判断したときには(ステップS101)、開スイッチ13が操作されるまで待機する。
【0060】
一方、CPU21は、開スイッチ13(図1参照)が操作されたと判断したときには(ステップS101:YES)、RAM22の作業領域及びメモリカードC(図3参照)に記録された運行情報(車両速度、エンジン回転数等の運行データ)があるか否かを判断する(ステップS102)。
【0061】
CPU21は、運行情報(運行データ)があると判断したときには(ステップS102:YES)、メモリカードCがカードスロット18(図1参照)に挿入されており、メモリカードCの記録容量(カードデータ)があるか否かを判断する(ステップS103)。
【0062】
CPU21は、運行情報(運行データ)がないと判断したとき(ステップS102:NO)、カードデータがないと判断したときには(ステップS103:NO)、処理をステップS108へ移す。
【0063】
一方、CPU21は、カードデータがあると判断したときには(ステップS103:YES)、RAM22の作業領域及びメモリカードC(図3参照)に記録された運行情報(運行データ)に基づいて運行情報のデータを解析する(ステップS104)。
【0064】
次に、CPU21は、ステップS104の処理で解析した解析結果を示す運行情報画像51〜56(図5から図10参照)等のデータをBMP(ビットマップ)形式で作成する(ステップS105)。
【0065】
このステップS105の処理では、運転日報画像51(図5参照)、速度データ画像52(図6参照)、散布図画像53(図7参照)、省エネ報告書画像54(図8参照)、ガントチャート画像55(図9参照)、レーダーチャート及び診断チャート画像56(図10参照)等、複数の運行情報画像のデータをBMP形式で生成する。
【0066】
また、ステップS105の処理では、複数の運行情報画像51〜56から一の運行情報画像をカーナビゲーション装置35や管理装置1のディスプレイ35a,3b(図1参照)に表示するために選択される選択画像61(図6、図7、図10参照)のデータをBMP形式で生成する。
【0067】
次に、CPU21は、ステップS105の処理において作成された運行情報画像51〜56のデータ及び選択画像61のデータをBMP形式からカーナビゲーション装置35や管理装置1(図1参照)で表示可能なJPEG形式に変換する(ステップS106)。
【0068】
このように、汎用性の高いJPEG形式に変換することにより、カーナビゲーション装置35や管理装置1(パソコン3)以外の機器(他に、例えば、車両に搭載された車載モニター、車両の外部にある液晶テレビやデジタルカメラ等)に運行情報画像51〜56等を表示することができる。
【0069】
次に、CPU21は、ステップS106の処理において変換したJPEG形式の運行情報画像51〜56のデータ及び選択画像61のデータをメモリカードC(図3参照)へ出力する(ステップS107)。
【0070】
次に、CPU21は、RAM22(図3参照)の作業領域に一時的に保存した運行情報等のデータを消去する運行終了処理を実行する(ステップS108)。CPU21は、この処理を終了すると、運行情報記録処理を終了する。
【0071】
このようにして、解析結果を示す運行情報画像51〜56のデータをカーナビゲーション装置35や管理装置1(図1参照)で表示可能なデータ形式(JPEG形式)で生成してメモリカードCへ記録する(ステップS107)。
【0072】
カーナビゲーション装置35のディスプレイ35aで運行情報画像51〜56を表示させる場合は、カーナビゲーション装置35のメニューから外部入力画面表示に関するメニューを選択し、その後、運行情報画像51〜56のいずれを表示させるかを選択する。これらの選択は、ディスプレイ35aの選択メニュー画面の表示内容にしたがって、カーナビゲーション装置35のスイッチ類を操作する等によって行うことができる。管理装置1のパソコン3のカードスロット3cにメモリカードCを装填し、パソコン3のディスプレイ3bで運行情報画像51〜56を表示させる場合も、おおよそ同様である。
【0073】
上述した運行情報記録処理を終了した後、カーナビゲーション装置35(図1参照)のディスプレイ35aのメニュー画面にしたがってスイッチ類を操作すると、ディスプレイ35aには、図5から図10に示すように、運転日報画像51、速度データ画像52、散布図画像53、省エネ報告書画像54、ガントチャート画像55、レーダーチャート及び診断チャート画像56等の運行情報画像51〜56が表示される。
【0074】
また、複数の運行情報画像51〜56から一の運行情報画像をカーナビゲーション装置35(図1参照)のディスプレイ35aに表示するために選択される選択画像61(図6、図7、図10参照)が運行情報画像51〜56と共に表示される。
【0075】
この選択画像61にカーソルを移動して選択すると、所望の選択画像がディスプレイ35aに表示される(図6、図7、図10参照)。
【0076】
このように、カーナビゲーション装置35のディスプレイ35a(図1参照)に表示された選択画像61を選択することにより所望の運行情報画像51〜56を表示することができるため、複数の運行情報画像51〜56を効率良く確認することができる。
【0077】
このようにして、本発明の実施形態に係る運行情報記録装置(デジタルタコグラフ)10は、可搬型の記録媒体(メモリカード)Cを装填して、この装填した記録媒体Cに車両の運行情報を記録する運行情報記録装置10であって、運行情報のデータを解析する運行情報解析手段(例えば、CPU21、ステップS104の処理)と、運行情報解析手段の解析結果を示す運行情報画像のデータをカーナビゲーション装置35のディスプレイ35aで表示可能なデータ形式(JPEG形式)で生成する画像データ生成手段(例えば、CPU21、ステップS106の処理)と、画像データ生成手段により生成した運行情報画像51〜56のデータを記録媒体Cへ記録する運行情報記録手段(例えば、CPU21、ステップS107の処理)とを有する。
【0078】
また、本発明の実施形態に係る運行情報記録装置(デジタルタコグラフ)10は、画像データ生成手段(例えば、CPU21)は、複数の運行情報画像51〜56のデータと、この複数の運行情報画像51〜56から一の運行情報画像を管理装置1に表示するために選択される選択画像61のデータを生成し、運行情報記録手段(例えば、CPU21)は、複数の運行情報画像51〜56のデータと選択画像61のデータとを記録媒体Cへ記録する。
【0079】
さらに、本発明の実施形態に係る運行情報記録装置(デジタルタコグラフ)10は、記録媒体Cには、デジタルタコグラフ10にECU(エンジンコントロールユニット)30を介して接続されているカーナビゲーション装置35のディスプレイ35aに運行情報画像51〜56を表示するための、ブラウザソフトウェアが記録されている。
【0080】
そして、本発明の実施形態に係る運行情報記録装置(デジタルタコグラフ)10によれば、解析結果を示す運行情報画像51〜56のデータをカーナビゲーション装置35のディスプレイ35aで表示可能なデータ形式(JPEG形式)で生成してメモリカードCへ記録する。このため、カーナビゲーション装置35のディスプレイ35aで運行情報画像51〜56を表示することができる。
【0081】
また、カーナビゲーション装置35のディスプレイ35aで運行情報画像51〜56を表示することができるため、メモリカードCから運行情報のデータを読み出して解析するためのソフトウェアやそれをインストールしたコンピュータ等が不要となる。
【0082】
従って、運行情報を解析するためのコストを低減することができる運行情報記録装置(デジタルタコグラフ)10を提供することができる。
【0083】
また、本発明の運行情報記録装置(デジタルタコグラフ)10によれば、カーナビゲーション装置35のディスプレイ35aに表示された選択画像61を選択することにより所望の運行情報画像51〜56を表示することができるため、複数の運行情報画像51〜56を効率良く確認することができる。
【0084】
さらに、本発明の運行情報記録装置(デジタルタコグラフ)10によれば、メモリカードCには、運行情報画像51〜56(後述する図5から図10参照)の表示用データをカーナビゲーション装置35のディスプレイ35aに表示するためのブラウザソフトウェアが記録されている。このため、運行情報画像51〜56を表示するためのブラウザソフトウェアがインストールされていないカーナビゲーション装置35においても、メモリカードCの表示用データを読み出すだけで運行情報画像51〜56を表示させることができる。
【0085】
以上、本発明の運行情報記録装置(デジタルタコグラフ)10を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【0086】
例えば、上述した実施形態では、カーナビゲーション装置35や管理装置1が請求項中の外部機器である場合について説明したが、車両に搭載された車載モニターや車外の液晶テレビ、デジタルカメラ等でも良い。
【0087】
また、上述した実施形態では、運行情報は、RAMの作業領域及びメモリカードCに記録される場合について説明したが、RAMの作業領域又はメモリカードCのいずれか一方に記録されるように構成しても良い。
【0088】
さらに、上述した実施形態では、運行情報画像51〜56等をJPEG形式のデータに変換する場合について説明したが、汎用性の高い形式であれば他の形式のデータに適宜変更しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、運行情報を解析するためのコストを低減することができる運行情報記録装置を提供する上で極めて有用である。
【符号の説明】
【0090】
1 外部機器
3 パーソナルコンピュータ
3a キーボード
3b ディスプレイ
3c カードスロット
5 プリンタ
10 デジタルタコグラフ(運行情報記録装置)
11 カバー
12 ディスプレイ
13 開スイッチ
14 切替スイッチ
15 実/空スイッチ
16 高速スイッチ
17 専用道スイッチ
18 カードスロット
20 制御ユニット
21 CPU(運行情報解析手段、画像データ生成手段、運行情報記録手段)
22 RAM
23 ROM
24 リーダ/ライタ
30 ECU(エンジンコントロールユニット)
35 カーナビゲーション装置
35a ディスプレイ
41 車速センサ
51〜56 運行情報画像
61 選択画像
C メモリカード(可搬型の記録媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬型の記録媒体を装填して、この装填した記録媒体に車両の運行情報を記録する運行情報記録装置であって、
前記運行情報のデータを解析する運行情報解析手段と、
前記運行情報解析手段の解析結果を示す運行情報画像のデータを外部機器で表示可能なデータ形式で生成する画像データ生成手段と、
前記画像データ生成手段により生成した運行情報画像のデータを前記記録媒体へ記録する運行情報記録手段とを有することを特徴とする運行情報記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運行情報記録装置において、
前記画像データ生成手段は、複数の運行情報画像のデータと、この複数の運行情報画像から一の運行情報画像を前記外部機器に表示するために選択される選択画像のデータを生成し、
前記運行情報記録手段は、前記複数の運行情報画像のデータと前記選択画像のデータとを前記記録媒体へ記録することを特徴とする運行情報記録装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の運行情報記録装置において、
前記記録媒体には、前記運行情報画像を前記外部機器に表示するためのブラウザソフトウェアが記録されていることを特徴とする運行情報記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−243186(P2012−243186A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114465(P2011−114465)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】