説明

運行状況通知方法および運行状況取得方法

【課題】利用者が運行情報の通知を希望する通知時刻における運行状況の変化しか得ることができない。そのため、同じ通知時刻であっても通知を希望する日毎に登録する必要があるなど、利便性に欠けるという問題があった。
【解決手段】本発明の運行状況通知方法は、端末装置を識別する端末情報と、少なくとも交通機関利用区間、通知時刻、通知日を含む通知情報を取得し、取得した通知情報を通知情報データベースに登録し、通知情報データベースから登録した通知情報を取り出し、取り出した通知情報の内容を確認し、確認内容に基づいて交通機関利用区間における交通機関情報を検索するか否かを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電車、バス等の交通機関の運行状況を通知するための運行状況通知方法、運行状況取得方法、運行状況通知システム、運行状況処理装置、端末装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電車、バス等の交通機関において、事故などにより運行状況に変化が生じる場合がある。この場合、交通機関利用者は利用駅に到着してから、駅員からの情報、電光掲示板の表示あるいは駅内の放送などにより電車等に事故が発生したことを知ることができる。近年では、携帯電話の通信網と連携した電車事故通知システムにより、携帯電話を用いて電車事故情報を検索が出来るようになったが、この場合には携帯電話のパケット通信料金が発生することになる。
【0003】
そこで、特許文献1に記載された事故情報通知システムでは、事故情報および電子メールの送信機能などを備えた情報配信サーバが、携帯電話機へ電子メールで電車事故通知を送信することとしている。また、特許文献2に記載された移動時間管理方法においては、ユーザから予め入力された目的地と目標到達時間に応じて電車の経路を探索し、ユーザが携帯する移動通信手段に対し経路上で発生している電車事故等の情報に応じて迂回経路を送信することとしている。
【0004】
しかし、特許文献1に記載された事故情報通知システムの場合、ユーザーの乗車区間、乗車時刻とまったく関係ない電車事故情報がユーザーに送信されてしまうという問題があった。また、特許文献2に記載された移動時間管理方法の場合、電車事故に応じた迂回経路を得るために毎回検索情報を入力しなければならないという問題があった。
【0005】
このような問題を解決する技術が特許文献3に記載されている。特許文献3に記載された運行情報通知装置は、利用者情報管理サーバと、運行情報管理サーバと、運行情報通知サーバとから構成される。この運行情報通知装置ではまず、利用者が携帯電話端末情報、利用する交通機関の出発地、到着地、通知時刻等の登録を携帯電話端末などから運行情報通知装置に対し要求し、利用者情報管理サーバがこれらのデータを登録する。通知時刻になったとき、運行情報通知サーバは運行情報管理サーバに運行状況に変化が発生していないかを確認し、運行状況に変化が生じている場合は、運行情報通知サーバが利用者に対して運行状況の変化を通知することとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−242218号公報(段落〔0007〕〔0008〕、図1)
【特許文献2】特開2001−325393号公報(段落〔0012〕〔0037〕〔0038〕)
【特許文献3】特開2005−221340号公報(段落〔0036〕〜〔0038〕)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献3に記載された運行情報通知装置においては、利用者が運行情報の通知を希望する通知時刻における運行状況の変化しか得ることができない。そのため、同じ通知時刻であっても通知を希望する日毎に登録する必要があるなど、利便性に欠けるという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、上述した課題である利用者の利便性に欠けるという課題を解決する運行状況通知方法、運行状況取得方法、運行状況通知システム、運行状況処理装置、端末装置およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の運行状況通知方法は、端末装置を識別する端末情報と、少なくとも交通機関利用区間、通知時刻、通知日を含む通知情報を取得し、取得した通知情報を通知情報データベースに登録し、通知情報データベースから登録した通知情報を取り出し、取り出した通知情報の内容を確認し、確認内容に基づいて交通機関利用区間における交通機関情報を検索するか否かを決定する。
【0010】
本発明の運行状況取得方法は、少なくとも交通機関利用区間、通知時刻、通知日を含む通知情報を受付け、受付けた通知情報の内容を確認し、確認の結果、通知情報が適正ではないと判断した場合、通知情報の再入力を求め、確認の結果、通知情報が適正であると判断した場合、通知情報を運行状況処理装置に送出し、送出した通知情報に含まれる交通機関利用区間における交通機関情報を運行状況処理装置から取得し、取得した交通機関利用区間における交通機関情報を表示する。
【0011】
本発明の運行状況通知システムは、運行状況処理装置と端末装置とを含み、運行状況処理装置は、端末装置を識別する端末情報と、少なくとも交通機関利用区間、通知時刻、通知日を含む通知情報を取得する第1の通信部と、取得した通知情報を通知情報データベースに登録する通知情報登録部と、通知情報データベースから登録した通知情報を取り出し、取り出した通知情報の内容を確認し、確認内容に基づいて交通機関利用区間における交通機関情報を検索するか否かを決定する検索処理部を有し、端末装置は、入力部と、端末制御部と、通信部と、表示部を有し、入力部は、通知情報を受付け、端末制御部は、受付けた通知情報の内容を確認し、確認の結果、通知情報が適正ではないと判断した場合、表示部を介して通知情報の再入力を求め、確認の結果、通知情報が適正であると判断した場合、通知情報を通信部を介して運行状況処理装置に送出し、送出した通知情報に含まれる交通機関利用区間における交通機関情報を通信部を介して運行状況処理装置から取得し、取得した交通機関利用区間における交通機関情報を表示部に表示する。
【0012】
本発明の運行状況処理装置は、端末装置を識別する端末情報と、少なくとも交通機関利用区間、通知時刻、通知日を含む通知情報を取得する第1の通信部と、取得した通知情報を通知情報データベースに登録する通知情報登録部と、通知情報データベースから登録した通知情報を取り出し、取り出した通知情報の内容を確認し、確認内容に基づいて交通機関利用区間における交通機関情報を検索するか否かを決定する検索処理部を有する。
【0013】
本発明の端末装置は、入力部と、端末制御部と、通信部と、表示部を有し、入力部は、少なくとも交通機関利用区間、通知時刻、通知日を含む通知情報を受付け、端末制御部は、受付けた通知情報の内容を確認し、確認の結果、通知情報が適正ではないと判断した場合、表示部を介して通知情報の再入力を求め、確認の結果、通知情報が適正であると判断した場合、通知情報を通信部を介して運行状況処理装置に送出し、送出した通知情報に含まれる交通機関利用区間における交通機関情報を通信部を介して運行状況処理装置から取得し、取得した交通機関利用区間における交通機関情報を表示部に表示する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、交通機関の運行状況に関する通知を受ける利用者の利便性が向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態における運行状況通知システムの構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施形態における別の運行状況処理装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施形態における通知情報データベースの登録内容を模式的に示した概略図
【図4】本発明の実施形態における端末装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施形態における端末装置の表示部における表示内容の一例を模式的に示した概略図
【図6】本発明の実施形態における端末装置の通知情報入力処理を示すフローチャート
【図7】本発明の実施形態における端末装置の運行状況データ取得処理を示すフローチャート
【図8】本発明の実施形態における運行状況処理装置の交通機関情報通知処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る運行状況通知システムの構成を示すブロック図である。図1において、運行状況通知システム10は運行状況処理装置20と端末装置30からなり、端末装置30は、交通機関利用区間及び通知時刻を含む通知情報とを取得する入力部31と、端末装置30を識別する端末情報と通知情報を運行状況処理装置20に送出する通信部32を備えている。また運行状況処理装置20は、端末情報と通知情報を端末装置30から取得する第1の通信部21と、運行状況データを含む交通機関情報が登録された交通機関情報を検索し運行状況データを抽出する検索処理部22と、抽出した運行状況データを端末情報に基づき端末装置30に送出する第2の通信部23とを有する。ここで検索処理部22は、通知時刻を含む所定の時間範囲を設定し、この時間範囲内に、例えば交通機関情報データベース40を継続して検索し、交通機関利用区間において運行状況データが新たに発生または変更された場合に運行状況データを抽出する。なお、交通機関情報の検索は、交通機関情報データベースに限らず、他のサイトから検索し取得してもよいし、無線LANや他の通信ネットワークを通して検索するようにしてもよい。
【0017】
次に、本実施形態の運行状況通知システム10について、さらに詳細に説明する。端末装置30は、利用者が利用する交通機関の「乗車区間」、交通機関の運用状況の通知を希望する「通知日」、「通知時刻」、または運用状況の通知頻度を定める「繰返し指定」などからなる通知情報を、利用者からの入力部31への入力により取得する。ここで「通知時刻」は、例えば利用者が利用駅に到着する予定時刻、または利用駅に向かって自宅を出発する予定時間などとすることができる。また端末装置30としては、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)端末など、通信機能を備えた端末装置を用いることができる。次に端末装置30は通信部32を介して、取得した通知情報と端末情報を運行状況処理装置20に送信する。
【0018】
運行状況処理装置20はこの通知情報と端末情報を第1の通信部21で受信する。検索処理部22は、取得した通知情報から「乗車区間」、「通知時刻」を抽出し、通知時刻を含む所定の時間範囲を設定する。この時間範囲は、例えば「通知時刻」が利用駅に到着する予定時刻の場合は、利用者が自宅を出発してから利用駅に到着するまでの時間、「通知時刻」が自宅を出発する予定時間の場合は、利用者の起床時間から自宅出発時間までの時間、にそれぞれ対応する時間範囲とすることができる。この時間範囲は既定値(例えば1時間)として予め検索処理部22に設定しておくことができるが、これに限らず利用者が通知情報として設定することとしてもよい。また、既定値を利用者が通知情報入力時に変更できることとしてもよい。
【0019】
検索処理部22はデータベースの検索エンジンを備えており、通知情報から抽出した乗車区間について、設定した時間範囲内において継続して交通機関情報データベース40の検索を行う。ここで、交通機関情報データベース40は電車、バス等の各交通機関の運用状況データ、迂回路線情報等の交通機関情報が登録されたデータベースであり、交通機関等により提供されている。抽出した乗車区間において、電車事故の発生などによって運行状況データが新たに付加された場合、または事故の復旧などにより運行状況データに変更が生じた場合には、検索処理部22はこの運行状況データを抽出する。
【0020】
検索処理部22は、抽出した運行状況データを端末情報に基づき第2の通信部23を介して端末装置30に送信する。
【0021】
このように本実施形態の運行状況通知システムは、利用者が希望する通知日、通知時刻における交通機関の運用状況を継続して監視することができる。したがって、利用者が通知を希望する日毎に登録する必要がなく、また、電車事故の発生など一回の運行状況の変化だけでなく、例えばその後に事故が復旧した場合など、運行状況の変化が複数回生じた場合であっても、利用者はそれらを事前に知ることができるので、利用者の利便性が向上する。
【0022】
本実施の形態では、検索処理部22は運行状況データを抽出することとしたが、これに限らず、運行状況データとそれに対応する迂回路線情報を交通機関情報データベース40から抽出し、端末装置30に送信することとしてもよい。この場合利用者は、端末装置により運行状況データに加えて、これと対応する迂回路線情報も得られるので、利便性がさらに向上する。
【0023】
次に、運行状況処理装置の別の実施形態を示す。図2は運行状況処理装置50の構成を示すブロック図である。運行状況処理装置50は、第1の通信部51と検索処理部52の間に、通知情報データベース54と、第1の通信部51が受信した端末情報と通知情報を抽出し通知情報データベース54に登録する通知情報登録部55とを備えている。ここで検索処理部52は、通知時刻を含む所定の時間範囲を設定し、この時間範囲内に、例えば交通機関情報データベース40を継続して検索し、交通機関利用区間において運行状況データが新たに発生または変更された場合に運行状況データを抽出する。なお、交通機関情報の検索は、交通機関情報データベースに限らず、他のサイトから検索し取得してもよいし、無線LANや他の通信ネットワークを通して検索するようにしてもよい。
【0024】
図3に、通知情報データベース54の登録内容の一例を模式的に示す。通知情報データベース54には、利用者が利用する交通機関の「乗車区間」、利用者が交通機関の運用状況の通知を希望する「通知日」、「通知時刻」、運用状況の通知頻度を定める「繰返し指定」からなる通知情報が、端末装置を識別する端末情報と関連付けて記録されている。ここで端末情報には、端末装置に固有の識別番号、または端末装置が携帯電話機である場合は、その電話番号、メールアドレスなどを用いることができる。
【0025】
通知情報データベース54は、「繰返し指定」が「OFF」に指定された通知情報については、1回の検索が行われた後にデータを削除するなど、登録された通知情報のメンテナンスを行う。検索処理部52は通知情報データベース54から通知情報を取り出し、この通知情報に基づいて交通機関情報データベース40を検索する。本実施形態によれば、利用者数が増加した場合にも対応可能である。
【0026】
次に、端末装置の別の実施形態を示す。図4は端末装置60の構成を示すブロック図である。端末装置60は、交通機関利用区間及び通知時刻を含む通知情報を取得する入力部61と、通知情報と端末識別情報を運行状況処理装置に送出するとともに、運行状況処理装置が抽出した運行状況データを取得する通信部62と、通知情報及び運行状況データを制御する端末制御部63と、運行状況データを表示する表示部64とからなる。ここで、運行状況データは、通知時刻を含む所定の時間範囲内に、運行状況データを含む交通機関情報が登録された交通機関情報データベースを運行状況処理装置が継続して検索し、交通機関利用区間において運行状況データが新たに発生または変更された場合に抽出したものである。
【0027】
端末制御部63は、入力部61から通知情報を取得し、入力された通知情報が適正であるか確認し、適正であれば通信部62を介して通知情報を運行状況処理装置に送信する。通知情報に不備がある場合は、表示部64に利用者に再入力を求めるメッセージを表示する。また、端末制御部63は通信部62を介して運行状況処理装置から運行状況データを取得し、取得した運行状況データを表示部64に表示する。このとき、運行状況処理装置から迂回路線情報も取得している場合には、迂回路線情報もあわせて表示する。図5に、このときの表示部64の表示内容の一例を模式的に示す。
【0028】
端末装置60は、入力部61で取得した通知情報を一時的に記憶する入力情報記憶装置を備えることとしてもよい。また端末装置60は、振動装置(バイブレータ)をさらに備え、通信部62が運行状況データを取得したことを契機として振動させることとしてもよい。この場合には、運行状況データが通知されたことを利用者に確実に伝達できるので、利用者が表示部を見過ごすことを防止でき、利用者の利便性がさらに向上する。
【0029】
次に、本発明の実施形態の運行状況通知システムを構成する各装置の動作を図2乃至図6を参照して説明する。
【0030】
図6は、本発明の実施形態における端末装置60の通知情報入力処理を示すフローチャートである。まず、端末制御部63は、入力部61を介して入力された通知情報を受け入れ(ステップS11)、通知情報に含まれる通知日を確認する(ステップS12)。通知日が通知情報の入力日よりも前に設定されている場合(例えば、通知日は前日の月曜日に設定されているが、入力日は火曜日である場合)、繰返し指定がされているか否かを確認する(ステップS13)。指定されている場合は(ステップS13/YES)、適正な通知情報であると判断し、端末情報とともに通信部62を介して運行状況処理装置50に送信する(ステップS18)。繰返し指定がされていない場合は(ステップS13/NO)、通知日の入力ミスであると判断し、表示部64に表示して利用者に再入力を要求する(ステップS14)。次に端末制御部63は通知日と入力日が同日か否かを確認する(ステップS15)。通知日が入力日と同日ではなく、入力日の後に設定(例えば、入力日は月曜日であり、通知日は火曜日に設定)されている場合(ステップS15/NO)、端末制御部63は入力された通知情報は適正であると判断し、通知情報と端末情報を通信部62を介して運行状況処理装置50に送信する(ステップS18)。通知日と入力日が同日である場合(ステップS15/YES)、端末制御部63は通知情報に含まれる通知時刻が入力時刻の一定時間後か否かを確認する(ステップS16)。通知時刻が入力時刻から一定時間(例えば、1時間)後である場合(ステップS16/YES)、端末制御部63は適正な通知情報と判断し、通知情報と端末情報を通信部62を介して運行状況処理装置50に送信する(ステップS18)。例えば、通知時刻が8:00に設定され、同日の6:30に入力された場合、通知時刻(8:00)は入力時刻(6:30)の一定時間(1時間)より後であるので、適正な通知情報と判断される。これに対して、通知時刻が入力時刻から一定時間(例えば、1時間)後ではない場合(ステップS16/NO)、例えば通知時刻が入力時刻より前に設定されている場合(一例として、通知時刻は8:00に設定されているが、同日の9:30に入力された場合)、端末制御部63は通知時刻の入力ミスであると判断し、表示部64に表示して利用者に再入力を要求する(ステップS17)。
【0031】
このように本実施形態によれば、利用者による通知情報の入力ミスを防止することができるので、利用者の利便性が向上する。
【0032】
図7は、本発明の実施形態における端末装置60の運行状況データ取得処理を示すフローチャートである。運行状況処理装置50から通信部62を介して運行状況データを受信した場合(ステップS21)、端末制御部63は運行状況データを表示部64に表示し(ステップS22)、振動装置(バイブレータ)を振動させる(ステップS23)。
【0033】
図8は、本発明の実施形態における運行状況処理装置50の交通機関情報通知処理を示すフローチャートである。図2における通知情報登録部55は、端末装置60から通知情報と端末情報を受信し(ステップS31)、通知情報データベース54に登録する(ステップS32)。
【0034】
次に検索処理部52は、端末情報に基づき、通知情報データベース54から図3に示す通知情報を個々に取り出し(ステップS33)、通知情報に含まれる通知日確認し検索日(交通機関情報データベースの検索を実行する日)と比較する(ステップS34)。通知日が検索日より後である場合、検索処理部52は直ちに検索する必要がない通知情報であると判断し、通知情報データベース54から次の通知情報を取り出す(ステップS33)。通知日が検索日より前である場合、検索処理部52は繰返し指定がされているか否かを確認する(ステップS35)。指定されてなければ(ステップS35/OFF)、今後検索を行う必要がない通知情報であるから、検索処理部52は、この通知情報を通知情報データベース54から削除し、通知情報データベースの更新を行う(ステップS36)。これに対して、繰返し指定が設定されている場合は(ステップS35/ON)、直ちに検索する必要がない通知情報であると判断し、通知情報データベース54から次の通知情報を取り出す(ステップS33)。
【0035】
通知日と検索日が同じ日である場合、検索処理部52は、検索時刻が通知情報に含まれる通知時刻を基準として所定の時間範囲内か否かを確認する(ステップS37)。検索時刻が通知時刻を基準として所定の時間範囲(例えば、1時間)以内である場合(ステップS37/YES)、検索処理部52は通知情報から乗車区間を抽出し、交通機関情報データベース40の検索を行い(ステップS38)、運行状況データが新たに発生または変更されたか否かを確認する(ステップS39)。運行状況データが新たに発生または変更された場合(ステップS39/YES)、検索処理部52は、さらに迂回路線情報を検索し(ステップS40)、乗車区間における電車事故等による運行状況データ及び対応する迂回路線情報を、第2の通信部53を介して端末装置60に送信する(ステップS41)。また、検索処理部52は利用者が利用駅に到着するまで電車事故の発生または復旧を引き継ぎ監視するため、交通機関情報データベース40から検索時刻が通知時刻に到達するまで乗車区間における運行状況データの検索を行う。そして、さらに運行状況データが新たに発生または変更された場合には、運行状況データを端末装置60に送信するとともに(ステップS41)、通知情報データベース54から次の通知情報を取り出して検索処理を行う(ステップS33〜S41)。一方、検索時刻が通知時刻を基準として所定の時間範囲を越えている場合(ステップS37/NO)、検索処理部52は直ちに検索する必要がない通知情報であると判断し、通知情報データベース54から次の通知情報を取り出す。
【0036】
このように本実施形態における運行状況処理装置50によれば、利用者が希望する通知日、通知時刻における交通機関の運用状況を継続して監視することができる。したがって、利用者が通知を希望する日毎に登録する必要がなく、また、電車事故の発生など一回の運行状況の変化だけでなく、例えばその後に事故が復旧した場合など、運行状況の変化が複数回生じた場合であっても、利用者はそれらを事前に知ることができるので、利用者の利便性が向上する。また、利用者は運行状況データに加えて、これと対応する迂回路線情報も得られるので、利用者の利便性がさらに向上する。
【0037】
また、上述の各ステップをコンピュータに実行させることとしてもよい。すなわち、コンピュータに、端末装置を識別する端末情報と、少なくとも交通機関利用区間、通知時刻、通知日を含む通知情報を取得する手順と、取得した通知情報を通知情報データベースに登録する手順と、通知情報データベースから登録した通知情報を取り出す手順と、取り出した通知情報の内容を確認し、確認内容に基づいて交通機関利用区間における交通機関情報を検索するか否かを判断する手順、を実行させることができる。
【0038】
また、コンピュータに、少なくとも交通機関利用区間、通知時刻、通知日を含む通知情報を受付ける手順と、受付けた通知情報の内容を確認する手順と、確認の結果、通知情報が適正ではないと判断した場合、通知情報の再入力を求める手順と、確認の結果、通知情報が適正であると判断した場合、通知情報を運行状況処理装置に送出する手順と、送出した通知情報に含まれる交通機関利用区間における交通機関情報を運行状況処理装置から取得する手順と、取得した交通機関利用区間における交通機関情報を表示する手順を実行させることとしてもよい。
【0039】
本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明による運行状況通知方法および運行状況取得方法は、電車、バス等の交通機関の運行状況を検索し利用者に通知する用途に適用できる。
【符号の説明】
【0041】
10 運行状況通知システム
20、50 運行状況処理装置
21、51 第1の通信部
22、52 検索処理部
23、53 第2の通信部
30、60 端末装置
31、61 入力部
32、62 通信部
40 交通機関情報データベース
54 通知情報データベース
55 通知情報登録部
63 端末制御部
64 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置を識別する端末情報と、少なくとも交通機関利用区間、通知時刻、通知日を含む通知情報を取得し、
取得した前記通知情報を通知情報データベースに登録し、
前記通知情報データベースから登録した前記通知情報を取り出し、
取り出した前記通知情報の内容を確認し、前記確認内容に基づいて前記交通機関利用区間における交通機関情報を検索するか否かを決定する、
ことを特徴とする運行状況通知方法。
【請求項2】
前記通知情報データベースから取り出した前記通知情報に含まれる通知日と検索日が同日である場合、前記通知情報に含まれる通知時刻を確認し、
検索時刻が前記通知時刻を基準として所定の時間範囲内である場合、前記時間範囲内に、運行状況データを含む交通機関情報を継続して検索し、
前記交通機関利用区間において前記運行状況データが新たに発生または変更された場合に当該運行状況データを抽出し、
前記抽出した運行状況データを前記端末情報に基づき前記端末装置に送出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の運行状況通知方法。
【請求項3】
前記通知情報データベースから取り出した前記通知情報に含まれる通知日と検索日が同日である場合、前記通知情報に含まれる通知時刻を確認し、検索時刻が通知時刻を基準として所定の時間範囲内である場合、前記交通機関利用区間における交通機関情報の検索を実行し、前記交通機関利用区間において前記交通機関情報に含まれる運行状況データが新たに発生または変更された場合に当該運行状況データを抽出し、
前記抽出した運行状況データを前記端末情報に基づき前記端末装置に送出し、
前記送出が完了した後に、検索時刻が通知時刻に到達するまで前記交通機関利用区間における交通機関情報の検索を継続して実行し、前記交通機関利用区間において前記運行状況データが新たに発生または変更された場合に当該運行状況データを前記端末装置に送出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の運行状況通知方法。
【請求項4】
前記通知情報データベースから取り出した前記通知情報に含まれる通知日と検索日が同日である場合、前記通知情報に含まれる通知時刻を確認し、検索時刻が通知時刻を基準として所定の時間範囲を越えている場合、前記交通機関利用区間における交通機関情報の検索を実行せず、前記通知情報データベースから次の通知情報を取り出す
ことを特徴とする請求項1に記載の運行状況通知方法。
【請求項5】
前記通知情報は繰返し指定を含み、前記通知情報データベースから取り出した前記通知情報に含まれる通知日が検索日より前の日である場合、前記繰返し指定が設定されているか否かを確認し、
繰返し指定が設定されていない場合、当該通知情報を前記通知情報データベースから削除し、
繰返し指定が設定されている場合、前記交通機関利用区間における交通機関情報の検索を実行せず、前記通知情報データベースから次の通知情報を取り出す
ことを特徴とする請求項1に記載の運行状況通知方法。
【請求項6】
前記通知情報データベースから取り出した前記通知情報に含まれる通知日を確認し、通知日が検索日より後の日である場合、前記交通機関利用区間における交通機関情報の検索を実行せず、前記通知情報データベースから次の通知情報を取り出すことを特徴とする請求項1に記載の運行状況通知方法。
【請求項7】
少なくとも交通機関利用区間、通知時刻、通知日を含む通知情報を受付け、
受付けた前記通知情報の内容を確認し、
前記確認の結果、前記通知情報が適正ではないと判断した場合、通知情報の再入力を求め、
前記確認の結果、前記通知情報が適正であると判断した場合、前記通知情報を運行状況処理装置に送出し、
前記送出した通知情報に含まれる前記交通機関利用区間における交通機関情報を前記運行状況処理装置から取得し、
取得した前記交通機関利用区間における交通機関情報を表示する
ことを特徴とする運行状況取得方法。
【請求項8】
前記通知情報は繰返し指定を含み、受付けた前記通知情報に含まれる通知日が受付日よりも前である場合、前記通知情報に含まれる繰返し指定が設定されているか否かを確認し、
繰返し指定が設定されている場合、前記通知情報は適正であると判断し、前記通知情報を運行状況処理装置に送出し、
繰返し指定が設定されていない場合、通知情報の再入力を求める
ことを特徴とする請求項7に記載の運行状況取得方法。
【請求項9】
受付けた前記通知情報に含まれる通知日が受付日と同日である場合、前記通知情報に含まれる通知時刻を確認し、
前記通知時刻が受付け時刻から一定時間後である場合、前記通知情報は適正であると判断し、前記通知情報を運行状況処理装置に送出し、
前記通知時刻が受付け時刻から一定時間後でない場合、通知情報の再入力を求める
ことを特徴とする請求項7に記載の運行状況取得方法。
【請求項10】
受付けた前記通知情報に含まれる通知日が受付日よりも後である場合、前記通知情報を運行状況処理装置に送出する
ことを特徴とする請求項7に記載の運行状況取得方法。
【請求項11】
前記送出した通知情報に含まれる前記交通機関利用区間における交通機関情報を前記運行状況処理装置から取得した場合、振動装置を振動させる
ことを特徴とする請求項7に記載の運行状況取得方法。
【請求項12】
運行状況処理装置と端末装置とを含み、
前記運行状況処理装置は、前記端末装置を識別する端末情報と、少なくとも交通機関利用区間、通知時刻、通知日を含む通知情報を取得する第1の通信部と、
取得した前記通知情報を通知情報データベースに登録する通知情報登録部と、
前記通知情報データベースから登録した前記通知情報を取り出し、取り出した前記通知情報の内容を確認し、前記確認内容に基づいて前記交通機関利用区間における交通機関情報を検索するか否かを決定する検索処理部を有し、
前記端末装置は、入力部と、端末制御部と、通信部と、表示部を有し、
前記入力部は、前記通知情報を受付け、
前記端末制御部は、受付けた前記通知情報の内容を確認し、前記確認の結果、前記通知情報が適正ではないと判断した場合、前記表示部を介して通知情報の再入力を求め、前記確認の結果、前記通知情報が適正であると判断した場合、前記通知情報を前記通信部を介して運行状況処理装置に送出し、前記送出した通知情報に含まれる前記交通機関利用区間における交通機関情報を前記通信部を介して前記運行状況処理装置から取得し、取得した前記交通機関利用区間における交通機関情報を前記表示部に表示する
ことを特徴とする運行状況通知システム。
【請求項13】
端末装置を識別する端末情報と、少なくとも交通機関利用区間、通知時刻、通知日を含む通知情報を取得する第1の通信部と、
取得した前記通知情報を通知情報データベースに登録する通知情報登録部と、
前記通知情報データベースから登録した前記通知情報を取り出し、取り出した前記通知情報の内容を確認し、前記確認内容に基づいて前記交通機関利用区間における交通機関情報を検索するか否かを決定する検索処理部
を有することを特徴とする運行状況処理装置。
【請求項14】
入力部と、端末制御部と、通信部と、表示部を有し、
前記入力部は、少なくとも交通機関利用区間、通知時刻、通知日を含む通知情報を受付け、
前記端末制御部は、受付けた前記通知情報の内容を確認し、前記確認の結果、前記通知情報が適正ではないと判断した場合、前記表示部を介して通知情報の再入力を求め、前記確認の結果、前記通知情報が適正であると判断した場合、前記通知情報を前記通信部を介して運行状況処理装置に送出し、前記送出した通知情報に含まれる前記交通機関利用区間における交通機関情報を前記通信部を介して前記運行状況処理装置から取得し、取得した前記交通機関利用区間における交通機関情報を前記表示部に表示する
ことを特徴とする端末装置。
【請求項15】
コンピュータに、
端末装置を識別する端末情報と、少なくとも交通機関利用区間、通知時刻、通知日を含む通知情報を取得する手順と、
取得した前記通知情報を通知情報データベースに登録する手順と、
前記通知情報データベースから登録した前記通知情報を取り出す手順と、
取り出した前記通知情報の内容を確認し、前記確認内容に基づいて前記交通機関利用区間における交通機関情報を検索するか否かを判断する手順、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
コンピュータに、
少なくとも交通機関利用区間、通知時刻、通知日を含む通知情報を受付ける手順と、
受付けた前記通知情報の内容を確認する手順と、
前記確認の結果、前記通知情報が適正ではないと判断した場合、通知情報の再入力を求める手順と、
前記確認の結果、前記通知情報が適正であると判断した場合、前記通知情報を運行状況処理装置に送出する手順と、
前記送出した通知情報に含まれる前記交通機関利用区間における交通機関情報を前記運行状況処理装置から取得する手順と、
取得した前記交通機関利用区間における交通機関情報を表示する手順
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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