説明

過活動膀胱を治療するためのフェノキシ酢酸誘導体の使用

本発明は、欧州特許出願公開第1095932号明細書に記載のフェノキシ酢酸誘導体に対する新規適応分野に関する。当該記載の化合物が、過活動性膀胱(過活動膀胱:Overactive Bladder)の治療用薬剤の製造に適することがこの度見出された。従って、当該活性物質を用いた、当該泌尿器症候群の治療法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、欧州特許出願公開第1095932号明細書に開示されているフェノキシ酢酸誘導体の新規適応領域に関するものである。今回、当該明細書記載の化合物が、過活動膀胱(Overactive Bladder:OAB)の治療薬として好適であることを見出した。それ故、当該化合物を用いることにより、当該泌尿器疾患の治療方法を提供することができる。
【背景技術】
【0002】
膀胱機能障害であるOABは、慢性の広範にみられる疾患であり、先進工業国で約五千万人以上が罹患していると推計されている。OABは、国際禁制学会が2002年に発表した新しい用語法によると、症候に基づいて診断される。OABの症状としては、尿意切迫感が必須であり、尿失禁の有無は問わず、一般に頻尿や夜間頻尿を伴うが、必須ではない。また、OABは、何らかの刺激により誘発されるか、又は自然発生的に発生する排尿筋の不随意収縮を特徴とする。排尿筋過活動は、2種類に分類することができ、排尿筋過活動が神経学的原因に基づく場合(例えば、パーキンソン病、脳卒中、ある種の多発性硬化症又は脊髄損傷等)は神経因性の排尿筋過活動として知られている。また、原因が不明な場合は、特発性の排尿筋過活動として知られている。OABは、類似の症状を呈する他の疾患とは区別される固有の臨床像を有しており、他の疾患群、例えば、下部尿路感染症、尿路上皮性悪性腫瘍、尿排出障害などと混同されるべきではない。
【0003】
治療方法はあまり確立されていないが、抗ムスカリン作用薬を活性成分とする薬物療法がある。いくつかのこの種の活性物質は、膀胱に対する選択性に乏しいために、忍容性が不十分であったり、口腔乾燥を招くことがある。このような副作用により、治療が制限されることがある。
【0004】
欧州特許出願公開第1095932号明細書は、カテコールアミン類である、種々のフェノキシ酢酸誘導体を開示している。これらの化合物は、ベンジル位の水酸基とホモベンジル位のアミノ基が不斉炭素原子に結合している点を除き、ノルアドレナリンに類似した側鎖を有している。これらの化合物は、尿失禁の治療に効果を有することが記載されている。しかしながら、過活動膀胱の治療に効果におけるこれらの化合物の効果については、何ら具体的な記載はない。
【0005】
この度、これらの化合物が過活動膀胱の泌尿器症状の治療にも好適であることを見出した。
【発明の開示】
【0006】
1.発明の詳細
本発明の一つの目的は、過活動膀胱の治療のための薬物を提供することである。
【0007】
また本発明の更なる目的としては、過活動膀胱の治療のための新たな治療選択肢を提供することである。
本発明の更なる目的は、カテコールアミン由来のフェノキシ酢酸誘導体の新たな医学的・医薬的用途を見出すことである。
本発明の更なる目的は、泌尿器疾患、それも機能障害又は機能過剰の患者、特に過活動膀胱患者の生活の質を、カテコールアミン類由来のフェノキシ酢酸誘導体を用いて、改善することである。
更に、関連する生理学的機能障害を特異的に治療し、患者の生活の質を損なうような不要な副作用を持たない薬剤を提供することも、本発明の目的である。
【0008】
2.発明の詳細な説明
本発明は、過活動膀胱の治療用の薬剤を製造するための、欧州特許出願公開第1095932号明細書に記載のフェノキシ酢酸誘導体の使用、及び欧州特許出願公開第1095932号明細書に記載のフェノキシ酢酸誘導体を有効成分として含有する過活動膀胱の治療のための医薬製剤に関する。当該明細書に拠れば、本発明の使用及び製剤の基礎をなす化合物は、β−アドレナリン受容体アゴニスト薬である。特に、これらの化合物は、神経因性膀胱過活動及び神経因性排尿筋過活動の治療の他、特発性膀胱過活動及び特発性排尿筋過活動の治療においても使用することができる。
【0009】
本発明の使用及び製剤の基礎をなす化合物は、下記一般式(I)により表される化合物又はその薬理学的に許容される塩である。
【化1】


式中、Xは、R-又はS-配置、好ましくは、S-配置である不斉炭素原子であり;Yは、R-又はS-配置、好ましくは、R-配置である不斉炭素原子であり;2つの立体中心X及びYは、好ましくは逆の配置、すなわち、(R;S)又は(S;R)であり;R1は水酸基、C-Cアルコキシ基、アリール(C-Cアルコキシ)基、一級アミノ基又はモノ又はジ(C-Cアルキル)アミノ基であり;R2及びR3の一方の基(好ましくはR2)は水素原子であり、他方の基は水素原子、ハロゲン原子、C-Cアルキル基、トリフルオロメチル基又はC-Cアルコキシ基であり;R4は、ハロゲン原子、C-Cアルキル基、ハロ(C-Cアルキル)基、水酸基、C-Cアルコキシ基、アリール(C-Cアルコキシ)基、C-Cアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、モノ又はジ(C-Cアルキル)アミノ基、カルバモイル基、モノ又はジ(C-Cアルキル)カルバモイル基又は−NHCOR5基に相当する基(式中、R5は水素原子又はC-Cアルキル基である)である。
【0010】
本発明の明細書中で使用される用語の意味は以下の通りである。ハロゲン原子とは、フッ素原子(F)、塩素原子(Cl)、臭素原子(Br)又はヨウ素原子(I)を意味し;C-Cアルキルとは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル等の炭素数1〜6の分岐状又は直鎖状のアルキル基を意味し;C-Cアルコキシとは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等の炭素数1〜6の分岐状又は直鎖状のアルコキシ基を意味し;アリールとは、フェニル又はナフチルを意味し;モノ又はジ(C-Cアルキル)アミノ基とは、1又は2個の同種又は異種の上記C-Cアルキル基をもつアミノ基を意味し;モノ又はジ(C-Cアルキル)カルバモイル基とは、1又は2個の同種又は異種の上記C-Cアルキル基をもつ窒素官能基上に有するカルバモイル基を意味する。
【0011】
前記化合物の製造方法は、欧州特許出願公開第1095932号明細書に開示されている。類似の製造方法をトリフルオロメチル誘導体の合成に使用することができる。
【0012】
前記一般式(I)の化合物において、好ましい化合物は、Xが、S-配置である不斉炭素原子であり;Yが、R-配置である不斉炭素原子であり;R1が水酸基、C-Cアルコキシ基又はアリール(C-Cアルコキシ)基であり;R2及びR3の一方の基(好ましくはR2)が水素原子であり、他方がC-Cアルキル基であり;R4がC-Cアルキル基である化合物、又はその薬理学的に許容される塩である。
【0013】
本発明において、下記一般式(II)の化合物又はその薬理学的に許容される塩が、特に好ましい。
【化2】


式中、Xは、R-又はS-配置である不斉炭素原子であり、好ましくは、S-配置である不斉炭素原子であり;Yは、R-又はS-配置である不斉炭素原子であり、好ましくは、R-配置である不斉炭素原子であり;2つの立体中心X及びYは、好ましくは逆の配置、すなわち、(R;S)又は(S;R)であり;Rは水酸基、メトキシ基又はエトキシ基、好ましくは水酸基又はエトキシ基である。
【0014】
最も好ましい化合物は、エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2,5−ジメチルフェノキシ]酢酸;及び(−)−2−[4−(2−{[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2,5−ジメチルフェノキシ]酢酸である。
【0015】
本発明の使用及び製剤は、遊離化合物を用いても、酸付加塩或いは溶媒和化合物を用いても実施可能である。例えば、そのような塩として、塩酸、臭化水素、硫酸、リン酸などの無機酸、又は酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、乳酸、アスコルビン酸などの有機酸との塩が挙げられる。これらの塩は、遊離化合物から公知の方法に従って製造することができる。
【0016】
最も好ましい塩は、塩酸塩である。この点については、特に、国際公開第2003/024916号パンフレットを挙げ、参照することができる。上記塩のうち、国際公開第2003/024916号パンフレットに記載の、エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S,2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2,5−ジメチルフェノキシ]酢酸・塩酸塩が、本発明の範囲において特に好ましい。
【0017】
前記一般式(I)又は(II)により特徴付けられる化合物は、本発明の医薬製剤又は薬剤の構成要素である。本発明により、本発明の化合物、医薬製剤又は薬剤を投与することにより過活動膀胱を治療することができる。
【0018】
本発明の薬剤は、経口、吸入、静脈内もしくは経皮的経路又は坐薬として投与することができる。経口投与が好ましい。
【0019】
本発明の使用及び製剤について有効成分の最適用量を決定するためには、例えば、患者の年齢や体重、病気の素因や状態など様々な諸要因を考慮しなければならない。ヒトに対して好ましい用量は、一日当たり0.001mg〜1gであり、好ましくは10mg〜500mgである。ある場合は減量してもよく、また増量が必要な場合もある。一日用量は、治療計画により、一回で、又は数回に分けて投与することができる。この治療計画は、一日を越える服用間隔で処方することも可能である。
【0020】
経口投与のためには様々な医薬製剤を用いることができ、それらは、例えば、固形剤、液剤、粉末剤、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、コート錠、顆粒剤、懸濁液、溶液、シロップ剤、舌下錠剤又はその他の剤形である。
【0021】
散剤は、例えば、有効成分の粒子を適当な大きさに粉砕することにより製造することができる。希釈散剤は、粉末状の有効成分を、例えば乳糖等の無毒性担体と共に細かく粉砕し、粉末化することによって製造することができる。その他の適用可能な担体物質としては、デンプン又はマンニトール等の他の炭水化物が挙げられる。これらの粉末は、適宜、矯味剤、保存剤、分散剤、着色剤およびその他の医薬品添加物を含むことが可能である。
【0022】
カプセル剤は、上述の各種粉末、又は他の粉末を用いて、これをカプセル、好ましくはゼラチンカプセル内に充填し、その後このカプセルを閉じることによって製造することができる。先行技術から公知の滑沢剤を、このカプセル内に充填したり又は二つのカプセル部を閉じるために使用することも可能である。経口服用でのカプセル剤の有効性は、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム等の崩壊剤又は溶解補助剤を添加することによって増強することができる。有効成分は、カルシウム中で、固体としてのみならず、界面活性剤などを用いて、例えば植物油、ポリエチレングリコール、グリセリン中の懸濁状態として存在することも可能である。
【0023】
錠剤は、粉末化した混合物を圧縮して、続いて例えば顆粒へとさらに加工することで製造することができる。錠剤には、例えば、デンプン、乳糖、ショ糖、ブドウ糖(例えば膣用錠剤用)、塩化ナトリウム、注射用錠剤用もしくは溶解用尿素、アミロース、上述のような異なる種々のタイプのセルロース類等の種々の医薬品添加物を含むことができる。保湿剤としては、例えばグリセリン又はデンプンを使用することができる。崩壊剤としては、例えば、デンプン、アルギン酸、アルギン酸カルシウム、ペクチン酸、粉末にした寒天、ホルムアルデヒドゼラチン、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、過酸化マグネシウム及びアミロース等を使用することができる。崩壊抑制剤又は溶解遅延剤としては、例えば、ショ糖、ステアリン、固体パラフィン(好ましくは50〜52℃の溶融範囲を有するもの)、カカオ脂、硬化油等が挙げられる。吸収促進剤には、とりわけ第四級アンモニウム化合物、ラウリル硫酸ナトリウム、サポニンが適する。結合剤としては、例えばエーテルを使用することができ、親水化剤又は崩壊促進剤としてはセチルアルコール、モノステアリン酸グリセリン、デンプン、乳糖、湿潤剤(例えばエアロゾルOT(Aerosol OT)、プルロニクス(Pluronics)、ツウィンズ(Tweens))などを使用することができる。
【0024】
その他、一般的に使用され得る医薬品添加物として、エアロシル(+Aerosil)、エアロゾルOTエチルセルロース(Aerosol OT ethylcellulose)、アンバーライト樹脂、XE-88、アミジェル(Amijel)、アミステロール、アミロース、アビセル微結晶セルロース(Avicel microcrystalline-cellulose)、ベントナイト、硫酸カルシウム、カーボワックス4000及び6000(Carbowax 4000, 6000)、カラギーナン、カスター蝋、セルロース、微結晶セルロース、デキストラン、デキストリン、医薬錠剤用基剤、カオリン、噴霧乾燥乳糖(USP)、ラクトシル、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、顆粒マンニトールN.F.メチルセルロース、ミグリオール812中性油(Miglyol 812 neutral oil)、粉ミルク、乳糖、nal-tab、ネポール−アミロース(Nepol-amylose)、Pofizer結晶ソルビトール、プラスドン(Plasdone)、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、プレシロール(Precirol)、牛脚油(硬化油)、口腔内溶解錠基剤、シリコン、スタビリン(Stabiline)、Sta-rx1500、サイロイド(Syloid)、Waldhof錠剤基剤、タブレトール(tablettol)、タルカムセチラタム及びステアラタム(talcum cetylatum, stearatum)、Tego金属石けん、フルクトース及びチロースが挙げられる。中でも錠剤化補助物質K(M25)は特に適しており、以下の薬局方(DAB、Ph、Eur、BP及びNF)の必要要件も満たす。また、従来から知られているその他の医薬品添加物も使用することができる。
【0025】
錠剤は、例えば直接圧縮によって製造することができる。溶液、シロップ剤、エリキシール剤等の経口投与用の他の剤形も製造できる。場合によっては、この化合物をマイクロカプセル化することができる。
【0026】
非経口投与は、化合物を液体に溶解し、皮下、筋肉内又は静脈内経路により注射することにより行うことができる。溶媒として、例えば、水又は油性媒体が適する。
【0027】
坐薬、例えば膣用坐薬を製造するためには、化合物をポリエチレングリコール、カカオ脂、高級エステル(例えばメリスチル、パルミチン酸エステル)又はそれらの混合物等の低融点の水溶性又は非水溶性の物質を用いて製剤化することができる。
【0028】
経皮製剤を製造するためには、軟膏、クリーム又は硬膏を使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸の活性代謝物である、新規β3刺激薬、(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸のサル単離排尿筋及びラット膀胱に対する作用について
【0030】
本実験は、(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸のサル単離排尿筋及びラット膀胱に対する作用を裏付けるものである。
【実施例】
【0031】
実施例1
サル摘出排尿筋の張力に対する作用
〔方法〕
カニクイザル(雌雄)の排尿筋を摘出し、標本を作製した。気管、心房および尿道の標本も作製した。次いで、(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸の排尿筋標本の張力に対する作用を試験した。同じく気管標本のカルバコール誘発緊張性収縮、心房標本の心拍数および尿道標本のエンドセリン-1誘発緊張性収縮について、マグヌス法を用いて評価した。
〔結果〕
(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸及びイソプロテレノールは、いずれもサル摘出排尿筋の張力を低下させた。両物質のEC50値はそれぞれ8.2×10-7M及び1.9×10-7Mであった。抗ムスカリン作用物質であるプロピベリン又はオキシブチニンではいずれも有意な弛緩は認められなかった。イソプロテレノールは、それぞれ濃度依存的に、摘出気管のカルバコール誘発緊張性収縮(β2-AR刺激機能)を低下させ、摘出心房の心拍数(β1-AR刺激機能)を上昇させた。一方、(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸の、気管及び心房に対する作用は弱かった。(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸の排尿筋選択性は、(気管に対して)約1200倍、(心房に対して)約80倍高かった。(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸は、摘出尿道のエンドセリン-1-誘発緊張性収縮に対して作用を示さなかった。
【0032】
実施例2
プロスタグランジン(PG)E誘発ラット過活動膀胱モデルにおける作用
〔方法〕
ラットをペントバルビタールナトリウムで麻酔し、膀胱内及び胃内にそれぞれカニューレを挿入し、皮下を通して頸背部に結紮して栓をした。カニューレ挿入7日後に覚醒無拘束ラットにてシストメトリーを行った。生理食塩液を毎時6mLの速度で膀胱内に持続注入した。膀胱内圧曲線が安定化した後に、生理食塩液に代えて、PGE(60μmol/L)含有生理食塩水を持続注入した。その条件下で、安定した排尿間隔の短縮が確認された後にエチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸・塩酸塩(フリー体換算用量として0(溶媒)、0.1、1又は10mg/kg)を胃内投与した。投与後4 時間まで排尿動態を測定し、投与前(0時)値に対する百分率で示した。
〔結果〕
PGEの膀胱内注入により、排尿間隔の短縮及び排尿量の減少が認められた。エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸・塩酸塩は、PGE誘発ラット過活動膀胱モデルにおいて、用量依存的に、排尿間隔を延長し、排尿量を増加させた(図1〜6)。
【0033】
実施例3
脊髄損傷誘発過活動膀胱モデルにおける作用
〔方法〕
エーテル麻酔下、ラットのTh9とTh10間の部位で、脊損手術を行った。各ラットは、アミカシン(amicasin)10mg/body筋注で7日間処置し、膀胱の過伸展を防ぐため術後2週間、1日2回の排尿管理を行った。脊髄手術約6週間後、ラットをペントバルビタールナトリウムにて麻酔し,膀胱及び胃内にそれぞれカテーテル(PE-50:日本ベクトンディッキンソン)を挿入し、皮下を通して頸背部に結紮して栓をした。カニューレ挿入7日後にシストメトリーを行った。生理食塩水を毎時12mLの速度で膀胱内に注入し、1回排尿毎に注入を止めた。蓄尿時の不随意収縮が安定して確認された後に、エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸・塩酸塩を胃内投与した。エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸・塩酸塩の投与1時間後の排尿動態を測定し、投与前(0時)値に対する百分率で示した。
〔結果〕
脊髄損傷ラットにおいて、蓄尿時の不随意収縮が認められた。エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸・塩酸塩は、当該脊損誘発過活動膀胱モデルにおいて、蓄尿時の不随意膀胱収縮の頻度を低下させた。
【0034】
実施例4
下部尿路部分閉塞ラット過活動膀胱モデルにおける作用
〔方法〕
ラットをペントバルビタールナトリウムにて麻酔し、太さ1mmのチューブを尿道とともに縫合糸で結紮した後、チューブを引き抜いた。下部尿路術の6週間後に、留置されていた縫合糸を抜糸し、膀胱内および胃内にそれぞれカテーテルを挿入し、皮下を通して頸背部に結紮して栓をした。翌日、覚醒無拘束のラットにてシストメトリーを行った。生理食塩水を毎時12mLの速度で膀胱内に持続注入し、1回排尿毎に注入を止めた。蓄尿時に生じる不随意収縮が安定して確認された後に、エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸・塩酸塩を胃内投与した。エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸・塩酸塩又はトルテロジンの投与1時間の排尿動態を測定し、投与前(0時)値に対する百分率で示した。
〔結果〕
下部尿路部分閉塞6週間後のラットでは、蓄尿時に不随意収縮が認められた。エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸・塩酸塩の胃内投与は、不随意収縮の大きさおよび頻度を用量依存的に減少させた。エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸・塩酸塩の作用は、抗ムスカリン薬であるトルテロジンよりも強かった(図8及び9)。一方、エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸・塩酸塩は、排尿時収縮圧には影響しなかった(図10)。これらの結果から、エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸・塩酸塩は、蓄尿時の不随意収縮を、排尿時収縮圧に影響せずに抑制することが示され、当該化合物は過活動膀胱の予防及び治療に有効であることが示唆された。
【0035】
〔結論〕
(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸は、排尿筋選択性を示した。また、エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸・塩酸塩の胃内投与は、用量依存的に、排尿間隔を延長し、排尿量を増加させ、不随意収縮の大きさ及び頻度を低下させた。これらのことから、エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸は、過活動膀胱治療のための治療薬としての(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸の「プロドラッグ」として使用することができ、また、既存の活性物質より副作用が少ないことが示された。
【産業上の利用可能性】
【0036】
上述のように、上記一般式(I)で表される化合物及びその薬理学的に許容される塩は、過活動膀胱の治療に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸・塩酸塩(化合物1)の胃内投与による、覚醒下のPGE誘発膀胱過活動ラットの排尿間隔に対する投与1時間後の作用を示すグラフである。縦軸は、排尿間隔(投与前値に対する%)、横軸は薬物及びその投与量(mg/kg)を示す。図中、記号*は、溶媒投与群に対して有意差(p<0.05)があることを示す。
【図2】図2は、化合物1の胃内投与による、覚醒下のPGE誘発膀胱過活動ラットの排尿間隔に対する投与2時間後の作用を示すグラフである。縦軸は、排尿間隔(投与前値に対する%)、横軸は薬物及びその投与量(mg/kg)を示す。図中、記号*は、溶媒投与群に対して有意差(p<0.05)があることを示す。
【図3】図3は、化合物1の胃内投与による、覚醒下のPGE誘発膀胱過活動ラットの排尿間隔に対する投与4時間後の作用を示すグラフである。縦軸は、排尿間隔(投与前値に対する%)、横軸は薬物及びその投与量(mg/kg)を示す。図中、記号*は、溶媒投与群に対して有意差(p<0.05)があることを示す。
【図4】図4は、化合物1の胃内投与による、覚醒下のPGE誘発膀胱過活動ラットの排尿量に対する投与1時間後の作用を示すグラフである。縦軸は、排尿量(投与前値に対する%)、横軸は薬物及びその投与量(mg/kg)を示す。図中、記号*は、溶媒投与群に対して有意差(p<0.05)があることを示す。
【図5】図5は、化合物1の胃内投与による、覚醒下のPGE誘発膀胱過活動ラットの排尿量に対する投与2時間後の作用を示すグラフである。縦軸は、排尿量(投与前値に対する%)、横軸は薬物及びその投与量(mg/kg)を示す。図中、記号*は、溶媒投与群に対して有意差(p<0.05)があることを示す。
【図6】図6は、化合物1の胃内投与による、覚醒下のPGE誘発膀胱過活動ラットの排尿量に対する投与4時間後の作用を示すグラフである。縦軸は、排尿量(投与前値に対する%)、横軸は薬物及びその投与量(mg/kg)を示す。図中、記号*は、溶媒投与群に対して有意差(p<0.05)があることを示す。
【図7】図7は、化合物1の胃内投与による、脊髄損傷誘発過活動膀胱モデルにおける蓄尿時の不随意収縮の頻度に対する作用を示すグラフである。縦軸は、自発活動の頻度(投与前値に対する%)、横軸は薬物を示す。
【図8】図8は、化合物1の胃内投与による、下部尿路部分閉塞過活動膀胱モデルにおける蓄尿時の不随意収縮の大きさに対する作用を示すグラフである。縦軸は、自発活動の大きさ(投与前値に対する%)、横軸は薬物及びその投与量(mg/kg)を示す。図中、記号*は、溶媒投与群に対して有意差(p<0.05)があることを示す。
【図9】図9は、化合物1の胃内投与による、下部尿路部分閉塞過活動膀胱モデルにおける蓄尿時の不随意収縮の頻度に対する作用を示すグラフである。縦軸は、自発活動の頻度(投与前値に対する%)、横軸は薬物及びその投与量(mg/kg)を示す。図中、記号*は、溶媒投与群に対して有意差(p<0.05)があることを示す。
【図10】図10は、化合物1の胃内投与による、下部尿路部分閉塞過活動膀胱モデルにおける蓄尿時の不随意収縮の排尿時収縮圧に対する作用を示すグラフである。縦軸は、排尿時収縮圧(投与前値に対する%)、横軸は薬物及びその投与量(mg/kg)を示す。図中、記号*は、溶媒投与群に対して有意差(p<0.05)があることを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過活動膀胱を治療する薬剤を製造するための、下記一般式(I)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩の使用:
【化1】


式中、Xは、R-又はS-配置である不斉炭素原子であり;
Yは、R-又はS-配置である不斉炭素原子であり;
R1は水酸基、C-Cアルコキシ基、アリール(C-Cアルコキシ)基、一級アミノ基又はモノ又はジ(C-Cアルキル)アミノ基であり;
R2及びR3の一方の基は水素原子であり、他方の基は水素原子、ハロゲン原子、C-Cアルキル基、トリフルオロメチル基又はC-Cアルコキシ基であり;及び、
R4は、ハロゲン原子、C-Cアルキル基、ハロ(C-Cアルキル)基、水酸基、C-Cアルコキシ基、アリール(C-Cアルコキシ)基、C-Cアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、モノ又はジ(C-Cアルキル)アミノ基、カルバモイル基、モノ又はジ(C-Cアルキル)カルバモイル基又は、-NHCOR5基に相当する基(式中、R5は水素原子又はC-Cアルキル基)である。
【請求項2】
2つの立体中心X及びYが互いに逆の配置であることを特徴とする、請求項1記載の使用。
【請求項3】
アミノ基が結合した立体中心XがS-配置であり、水酸基が結合した立体中心YがR-配置であることを特徴とする、請求項2記載の使用。
【請求項4】
R1が水酸基、C-Cアルコキシ基又はアリール(C-Cアルコキシ)基であり;R2及びR3の一方の基が水素原子であり、他方の基がC-Cアルコキシ基であり;R4がC-Cアルキル基である化合物、又はその薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
R1が水酸基、メトキシ基又はエトキシ基であり;R2が水素原子であり;R3がメチル基であり;R4がメチル基である化合物、又はその薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項4記載の使用。
【請求項6】
R1が水酸基又はエトキシ基である化合物、又はその薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項5記載の使用。
【請求項7】
化合物が、塩酸、臭化水素、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、乳酸又はアスコルビン酸の群から選択される酸との薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
化合物が、エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸、エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸・塩酸塩、又は(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸であることを特徴とする、請求項1記載の使用。
【請求項9】
薬剤が、経口投与剤であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
薬剤が、坐剤であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項11】
薬剤が、経皮硬膏であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
神経因性膀胱過活動の治療用薬剤を製造するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項13】
特発性膀胱過活動の治療用薬剤を製造するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
下記一般式(I)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する、過活動膀胱の治療用医薬製剤:
【化2】


式中、Xは、R-又はS-配置である不斉炭素原子であり;
Yは、R-又はS-配置である不斉炭素原子であり;
R1は、水酸基、C-Cアルコキシ基、アリール(C-Cアルコキシ)基、一級アミノ基又はモノ又はジ(C-Cアルキル)アミノ基であり;
R2及びR3の一方の基は水素原子であり、他方の基は水素原子、ハロゲン原子、C-Cアルキル基、トリフルオロメチル基又はC-Cアルコキシ基であり;
R4は、ハロゲン原子、C-Cアルキル基、ハロ(C-Cアルキル)基、水酸基、C-Cアルコキシ基、アリール(C-Cアルコキシ)基、C-Cアルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、モノ又はジ(C-Cアルキル)アミノ基、カルバモイル基、モノ又はジ(C-Cアルキル)カルバモイル基又は、-NHCOR5基に相当する基(式中、R5は水素原子又はC-Cアルキル基)である。
【請求項15】
2つの立体中心X及びYが互いに逆の配置である化合物を含有することを特徴とする、請求項14記載の医薬製剤。
【請求項16】
アミノ基が結合した立体中心XがS-配置であり、水酸基が結合した立体中心YがR-配置であることを特徴とする、請求項15記載の医薬製剤。
【請求項17】
R1が水酸基、C-Cアルコキシ基又はアリール(C-Cアルコキシ)基であり;R2及びR3の一方の基が水素原子であり、他方の基がC-Cアルキル基であり;R4がC-Cアルキル基である化合物、又はその薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項14〜16のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項18】
R1が水酸基、メトキシ基又はエトキシ基であり;R2が水素原子であり;R3がメチル基であり;R4がメチル基である化合物、又はその薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項17記載の医薬製剤。
【請求項19】
R1が水酸基又はエトキシ基である化合物、又はその薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項18記載の医薬製剤。
【請求項20】
化合物が、塩酸、臭化水素、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、乳酸又はアスコルビン酸の群から選択される酸との薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項14〜19のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項21】
化合物が、エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸、エチル(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸・塩酸塩、又は(−)−2−[4−(2−{[(1S、2R)−2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]アミノ}エチル)−2、5−ジメチルフェノキシ]酢酸であることを特徴とする、請求項14記載の医薬製剤。
【請求項22】
製剤が、経口剤であることを特徴とする、請求項14〜21のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項23】
製剤が、坐剤であることを特徴とする、請求項14〜21のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項24】
製剤が、経皮硬膏であることを特徴とする、請求項14〜21のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項25】
過活動膀胱が、神経因性膀胱過活動であることを特徴とする、請求項14〜24のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項26】
過活動膀胱が、特発性膀胱過活動であることを特徴とする、請求項14〜24のいずれか一項に記載の使用。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−525318(P2006−525318A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507687(P2006−507687)
【出願日】平成16年3月24日(2004.3.24)
【国際出願番号】PCT/JP2004/004048
【国際公開番号】WO2004/098586
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(000104560)キッセイ薬品工業株式会社 (78)
【Fターム(参考)】