説明

過熱液体用スプレーノズル

【課題】 本発明は、ミキサヘッドと、拡散・速度達成ノズル(5)へ放出されるいくつかの噴射器(16)へ続くノズル本体(1)を含む、過熱液体を超高速において超微小液滴でスプレーすることのできる装置に関連する。
【解決手段】 本発明はまた、拡散ノズル(5)の軸に沿って摺動するとともに、その位置に応じて、ノズルの流出区分を調整してスプレーされる液滴の最高排出速度を維持することのできる特定輪郭コア(11)を追加することにより、ノズルの流出区分を調整するように設計された付属品に関連する。装置は本質的に、化学およびエネルギー産業用に設計されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非常に重要であるとともに非常に広い範囲で調整可能である液体の流れのため、平均寸法が5ミクロン未満である超微小液滴の「過熱液体」を、音速をはるかに超える超高速でスプレーするように設計されたノズルに関連し、圧縮ガスまたは超音波の助けを借りずにこれらの結果が得られる。「過熱液体」という語は、温度Toと、Toに対応する飽和蒸気圧Psよりも高い圧力Poの液体を指し、蒸気圧Psそのものは、液体がスプレーされるガス媒体の圧力よりも高い。
【0002】
本発明はまた、スプレーされる液体の圧力または温度が変化する時あるいは液体がスプレーされる周囲媒体の圧力が変化する時に、スプレーされる液滴の最高超音速を維持するため、ノズルの流出区分を調整するように設計された付属品にも関連する。
【0003】
この装置は、液体スプレーによりガスを非常に急速に冷却する必要があり、そのため超高速で超微小の液体の液滴を形成することに関わる工業設備に用途を持つ。
【背景技術】
【0004】
先行技術では、らせん形部材により、または他の部材により、ノズルから出る時に粉砕される液体ジェットを形成することにより未加熱液体をスプレーするためのスプレーノズルが設計されている。本発明による装置は、このような部材の使用を必要とせず、液体の過圧の作用を受けてジェットは自ら粉砕する。
【0005】
さらに従来のノズルでは、音速を超える速度で液体をスプレーできることはまれであり、スプレーされる液滴の平均的な大きさが20または50ミクロンを下回ることはまれであり、液滴の大きさと速度に関する最高性能は、スプレー動作を補助する圧縮ガスを用いることによって、あるいは低流量ノズルのための超音波によって得られる。最後に、スプレーされる液体の圧力または温度が変化する時、あるいは液体がスプレーされる周囲媒体の圧力が変化する時に液滴の最高超音速を維持するため流出区分を調整するように設計された装置を、これらのノズルは備えていない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による装置は、かなりの流量の液体が超微小液滴の形で超高速でスプレーされなければならず、スプレーされる液体の流れと圧力と温度とが高い比率で変化し、液体がスプレーされる媒体の圧力も高い比率で変化するという特定の場合において、これらの短所を改善できる。
【0007】
そのため、本発明の目的は、以下に説明される規定による装置である。
【0008】
本発明はまた、変形例で説明される実施例の特徴的な点および形態に関連する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
[例1]
支持体(0)に固定されたノズル本体(1)を含む図1に示された装置は、「過熱液体」の供給を可能にする。ノズル本体は、過熱液体が循環する導管(3)を含み、その後でミキサヘッドといくつかの噴射器を通る際に、過熱液体は、拡散ノズル膨張・速度達成ノズル(5)へ放出される速度に達する。このノズルへ流入すると、液体ジェットは一部が蒸発してそれ自身の蒸気圧の作用により瞬時に粉砕し、微小液滴と蒸気との混合気となる。
【0010】
拡散ノズル(5)の母線は不連続性を示す、つまり噴射器(4)との交点において角度を成し、その流出区分は、拡散ノズル(5)に圧力波を形成せずに外部媒体の圧力P1で混合気がノズルから排出されるような大きさである。そのため混合気の排出速度は、最高排出速度に相当する。
【0011】
混合気が拡散ノズル(5)を流れる間に圧力は低下して、混合気の温度の低下と、液体の連続的な蒸発と、流量の増大による蒸気速度の連続的な達成とが行われる。蒸気との摩擦作用を受けて、液滴も速度を達成して、この過程は流出開口部(6)まで続き、ここで混合気の圧力P1が、液体がスプレーされる周囲媒体の圧力と平衡になる。
【0012】
装置における「過熱液体」の流れを数学的にシミュレーションすると、噴射器(4)の流出圧力は飽和蒸気圧Psに等しいことが分かる。液体の流れは、拡散ノズルへ流入すると冷却されて瞬時に沸点に達し、液体内部の蒸気圧の力の作用を受けて粒子に分離される。粒子の大きさは、この分離力に関連し、分離力そのものは、液体の導電性と、熱交換係数および拡散係数と、噴射器(4)との接合部における拡散ノズル(5)の母線の傾斜とに左右される。この傾斜が垂直に近づくにつれて、これらの力はさらに大きく、粒子サイズはさらに小さくなる。
【0013】
既定の用途のための大きさを持つ装置では、ノズルへ流入する際の液体の圧力Poと温度Toとを修正することによりスプレーされる液体の流れが修正される。対になったこの値が拡散ノズル(5)の流出区分に対応する時に、装置を出る際の最高粒子速度が得られることが理想的である。
【0014】
装置の性能を改良するため、図1に見られるように、拡散ノズル(5)の母線傾斜はその端部において、噴射器(4)との接合点で垂直であるとよい。そのため、拡散ノズル(5)は、噴射器(4)との接合部に平坦部分を持つ。高圧変化をもたらすこの平坦部分により、非常に微小な液滴が得られ、ノズルの機械加工を容易にする。
【0015】
必要であれば、図2に見られるように、拡散ノズルは外部支持体(0)と部分的または全体的に統合されてもよい。
【0016】
実施例を挙げると、長さ20mmのステンレス鋼の本体と直径0.5mmの9個の噴射器と流出部直径が8mmの拡散ノズルとを含む図1によるスプレーノズルは、540m/s付近の排出速度において、200k/hの「過熱水」を60バールかつ270℃で大気へスプレーすることができ、スプレーされる粒子のサイズは5ミクロンに近く、その温度は100℃に等しい。流入する「加熱水」のおよそ30%が、ノズルを出る際に蒸気の形となる。
【0017】
[変形例2]
図3に見られる装置では、円筒形噴射器(4)を環状噴射器(16)で置き換えることにより、スプレーノズルの設計概念を単純化し、容量を増大し、製造を容易にすることができる。
【0018】
本発明による装置は、支持体(0)に固定されて「過熱液体」の供給を可能にするノズル本体(1)を含む。ノズル本体は、「過熱液体」が循環する導管(3)を含み、過熱流体はその後、ミキサヘッドと、我々が「環状噴射器」と呼ぶ環状通路(16)の一区分とを通り、ここで「過熱液体」は拡散膨張・速度達成ノズル(5)へ放出される速度に達する。このノズルへ流入すると、液体ジェットは一部が蒸発して、それ自身の蒸気圧の作用により瞬時に粉砕して、微小液滴と蒸気の混合気となる。
【0019】
拡散ノズル(5)の母線は、環状噴射器(16)との交点において不連続性を示す、つまり角度を成し、その流出区分は、拡散ノズル(5)に圧力波を形成せずに混合気が外部媒体の圧力P1でノズルから排出されるような大きさを持つ。そのため混合気の排出速度は、最高排出速度に相当する。
【0020】
環状噴射器は、例えば円筒形の空洞(16)と噴射コア(8)との間に自由空間を含む。噴射コアをノズル本体に固定する方法により、ノズルでスプレーされる液体の循環を可能にする。非網羅的な例を挙げると、図3には、通路穴(10)を含む基部(9)を備える円筒形噴射ノズル(8)が示され、基部そのものは流入導管(3)に固定されている。
【0021】
拡散ノズル(5)を混合気が流れる間に圧力は低下して、混合気の温度低下と、液体の連続的蒸発と、流量の増加による蒸気速度の連続的達成とが生じ、蒸気との摩擦の作用を受けて、液滴も速度を達成し、このプロセスは流出開口部まで続き、ここで、混合気の圧力P1は、液体がスプレーされる周囲媒体の圧力と平衡になる。
【0022】
装置における「過熱液体」の流れを数学的にシミュレーションすることにより、噴射器(16)の流出圧力は飽和蒸気圧Psと等しいことが分かる。拡散ノズルへ流入すると、液体の流れは冷却され、瞬時に沸点に達し、液体内部の蒸気圧の作用を受けて粒子に分離される。粒子の大きさは、液体の導電性と、熱交換係数および拡散係数と、噴射器(16)との接合部における拡散ノズル(5)の母線の傾斜とに左右されるこのような分離力に関連する。この傾斜が垂直に近づくと、これらの力はさらに大きくなり、粒子の大きさはさらに小さくなる。
【0023】
規定の用途のための大きさを持つ装置では、ノズルへ流入する際の液体の圧力Poと温度Toを修正することにより、スプレーされる液体の流れが修正される。対になったこの値が拡散ノズル(5)の流出区分に対応する時に、装置から出る際の最高粒子速度が得られることが理想的である。
【0024】
装置の性能を改良するには、図1に見られるように、拡散ノズル(5)の母線の傾斜は、空洞(16)の母線との接合部において、この空洞の軸に対して垂直な端であればよい。そのため、拡散ノズル(5)は、噴射器(16)の流出部に対して断面が急激に増大する。この断面の急激な増大により高圧変化が生じて、超微小液滴が得られる。そのうえ、ノズルの機械加工を容易にする。
【0025】
必要であれば、拡散ノズルは図2に見られるように、外部支持体(0)と部分的または全体的に統合されるとよい。
【0026】
実施例を挙げると、直径5mmの穴と直径4mmの噴射コアとを含む環状噴射器の長さ50mmのステンレス鋼本体と、流出部直径が16mmに等しい拡散ノズルとを含む、図3によるスプレーノズルは、540m/sに近い噴射速度で、800k/hの過熱水を60バール、270℃で大気へスプレーすることができ、スプレーされる粒子の大きさは、5ミクロンに近く、その温度は100℃に等しい。流入する過熱水の流れの30%近くが、ノズルを出る際には、蒸気の形となる。
【0027】
[変形例3]
図4に示された装置は、同じスプレーノズルについて、装置からスプレーされる液滴の最高排出速度を維持しながら、流入時の過熱液体の流量または圧力Poまたは温度Toを、液体がスプレーされるガス媒体の圧力P1とともに、必要に応じて修正することができる。この結果は、特定輪郭コア(11)を拡散ノズル(5)へ制御して挿入することによって得られる。
【0028】
本発明による装置は、過熱液体の供給を可能にする支持体(0)に固定されたノズル(1)を含む。ノズル本体は、過熱液体が循環する導管(3)を含み、過熱液体はミキサヘッドと1個以上の噴射器(4)を通って、ここで速度を達成して拡散膨張速度達成ノズル(5)へ放出される。液体ジェットはこのノズルへ流入すると、一部が蒸発し、それ自身の蒸気圧の作用を受けて瞬時に粉砕して、微小液滴と蒸気の混合気を含む。
【0029】
特定輪郭コア(11)は拡散ノズル(5)の軸上で摺動し、その位置に応じて、このノズルの流出区分の調整を可能にする。拡散ノズル(5)とコア(11)の母線が連続した単調な輪郭を持つことにより、コア(11)がどのような位置にあっても、(5)と(11)の間の拡張通路の断面積がノズルの軸に沿って維持される。非網羅的な例を挙げると、線形または放物線状の断面積の変化に対応する母線の輪郭は、この要件を満たすことができる。
【0030】
コア(11)の下流側の母線(12B)の形状は無関係で、平坦である、つまり平坦な底面を含むか、スプレーノズルからの流出後に混合気の圧力損失を制限するための空気力学的輪郭を有するか、ノズル環境からの他の制約に適応するかのいずれかである。
【0031】
拡散ノズル(5)の母線は、噴射器(4)の母線との交点において不連続性を示す、つまり角度を成す。
【0032】
ノズル(5)に対する相対的な位置を調整することのできる機構により、コア(11)は支持されている。この機構は、ノズルと外部のいずれかに設けられる。図4の非網羅的な例では、スプレーノズルを通る軸(13)によって支持されるとともに、スプレーされる液体を通過させるための穴(10)を備える基部(9)を先端に含むコアが示されている。この基部と導管(3)とのねじ山(17)により、コアとノズルとの相対的な位置を調整できる。
【0033】
スプレーされる液体の流れがどのようなものであっても、その圧力Poと温度Toがどのようなものであっても、液体がスプレーされるガス媒体の圧力P1がどのようなものであっても、拡散ノズル(5)に圧力波を形成せずに、混合気が圧力P1でノズルから排出されるように、ノズルの流出区分は調整される。混合気の排出速度は、最高排出速度に相当する。
【0034】
混合気の流れが拡散ノズル(5)を通る間に圧力が低下して、混合気の温度の低下と、液体の連続的蒸発と、流量の増大による蒸気の連続的な速度達成が起こる。蒸気との摩擦の作用を受けて、液滴も速度を達成して、流出口までこのプロセスが続き、ここで混合気の圧力P1は、液体がスプレーされる周囲媒体の圧力と平衡になる。
【0035】
装置における過熱液体の流れを数学的にシミュレーションすると、噴射器(16)の流出圧力は飽和蒸気圧Psと等しいことが分かる。拡散ノズルへ流入してしまうと、液体の流れが冷却され、瞬時に沸点に達し、液体内部の蒸気圧の作用を受けて粒子に分離する。粒子の大きさは、液体の導電性と、熱交換係数および拡散係数と、噴射器(16)との接合点における拡散ノズル(5)の母線の傾斜とにそれ自体は左右される分離力に関連する。この傾斜が垂直に近づくにつれて、これらの力はさらに大きく、粒子の大きさはさらに小さくなる。
【0036】
規定の用途に適した大きさを持つ装置では、ノズルへ流入する際の液体の圧力Poと温度Toとを修正することによりスプレーされる液体の流れが修正される。
【0037】
装置の性能を改良するため、拡散ノズル(5)の母線の傾斜は、空洞(16)の母線との接合部において、図4に見られるように、この空洞の軸に対して垂直な端であればよい。そのため、拡散ノズル(5)は、噴射器(16)の流出口に対して断面が急激に増大する。この断面の急激な増大は、高圧変動を生み、超微小液滴が得られる。そのうえ、ノズルの機械加工を容易にする。
【0038】
必要であれば、図2に見られるように、拡散ノズルは部分的または全体的に外部支持体(0)と統合される。
【0039】
実施例を挙げると、長さ80mmのステンレス鋼本体と、直径0.5mmの9個の噴射器と、流出部直径が23mmに等しい拡散ノズルと、最大直径80mmのコアとを含む図3によるスプレーノズルは、圧力P1が大気圧から0.1バールAまで変化する空気中に、200k/hの過熱水を60バール、270℃でスプレーすることができ、極値な排出条件は、
空気が大気圧の場合:排出速度は540m/sに近く、スプレーされる粒子の大きさは100℃に等しい温度で5ミクロンに近づく。流入する過熱水の流れの30%近くが、ノズルから出る際に蒸気の形で見られる。
空気の圧力が0.1バールAの場合:排出速度は700m/sに近く、スプレーされる粒子の大きさは46℃に等しい温度で5ミクロンに近づく。流入する過熱水の流れの31%近くが、ノズルから出る際に蒸気の形で見られる。
【0040】
[変形例4]
図5に示された装置では、拡散ノズル(5)におけるコア(11)の配置を自動化することによって変形例3の動作を改良できる。
【0041】
ノズルの流出区分が流入時の過熱水の流れと圧力Poと温度Toと、さらに液体がスプレーされるガス媒体の圧力P1とに対応するように、自動化システムは支持機構とコア(11)の配置とに作用するため、装置から出るスプレー液滴の排出速度は最高である。これは、スプレーノズルと外部のいずれかに統合される。
【0042】
図5の非網羅的な例は、スプレーノズルに一体化された自動化システムを備える装置を表す。このシステムを含む部材は、コアの一体的部分を形成する平坦部分(9)のねじ山(18)が取り除かれて拡散ノズル(5)のコア(11)を突出させようとする戻りばね(14)で置き換えられることを除いて、図4のものと同一である。ねじ山とねじ(18)により、戻りばね(11)の張力を調整できる。
【0043】
ノズルの動作中、コア(11)は、ノズル(5)にコアを挿入しようとするばね(11)からの力と、混合気の流れの静的および動的な圧力とを受ける。後者は、ノズルへの流入時の過熱水の流れおよび温度Toと、流出時の圧力P1と、(5)と(11)の母線の流出部傾斜とに関連する。これらは、拡散ノズル(5)からコア(11)を引き出そうとする。
【0044】
所与のコアの位置について、これらの対向する力は均等である。この位置は、拡散ノズル(5)に圧力波を形成せずに混合気が流出圧力P1でノズルから排出されるように、所与の動作の場合にねじ(18)によって調整される。そのため、混合気の排出速度は最高排出速度に相当する。
【0045】
戻りばね(11)とノズル(5)の流出部傾斜との剛性は、ねじ(18)を再調整する必要なく、他のすべてのノズル動作の場合についてこれらの最適排出条件が得られるように定められる。
【0046】
実施例を挙げると、変形例3と同じ部材を含むが上記のようなコア(11)の位置を自動化するための手段を含む図5によるスプレーノズルでは、ノズルの流量が変化する時または液体がスプレーされるガス媒体の圧力が変化する時に介入を必要とせずに、同じ性能が得られる。
【0047】
[変形例5]
図6に見られる装置では、円筒形噴射器を環状噴射器(16)で置き換えることにより、容量を増大させるとともに製造を容易にするように、変形例3と4を改良できる。
【0048】
環状噴射器は、例えば円筒形の空洞(16)と、噴射コア(8)との間に自由空間を含む。噴射コアをノズル本体に固定する方法により、スプレーされる液体はノズル内で循環できる。図6の非網羅的な例は、スプレーされる液体の循環を可能にする通路穴(10)を含む基部(9)を備える円筒形噴射コア(8)を示す。
【0049】
実施例を挙げると、長さ50mmのステンレス鋼本体と、直径5mmの穴と直径4mmのコアとを含む環状噴射器と、流出直径が16mmに等しい拡散ノズルとを含む図6によるスプレーノズルは、800k/hの過熱水を60バール、270℃で空気中にスプレーできる。
【0050】
圧力P1が1バールAから0.1バールAまで変化する空気中では、極値排出条件は、
空気が1バールAの場合:排出速度は540m/sに近づき、スプレーされる粒子の大きさは、100℃に等しい温度で5ミクロンに近づく。流入する過熱水の流れの30%近くが、ノズルを流出する際に蒸気の形となる。
空気が0.1バールAの圧力の場合:排出速度は700m/sに近づき、スプレーされる粒子の大きさは、46℃に等しい温度で5ミクロンに近づく。流入する過熱水の流れの31%近くが、ノズルを流出する際に蒸気の形となる。
【0051】
[変形例6]
図7に示された装置は、環状噴射器の噴射コア(8)を前記空洞(4)の軸上で摺動する、流れ方向に増大する可変断面を持つ特定輪郭の噴射コア(15)で置き換えることにより柔軟な使用を増やすように変形例2と5を改良することができ、噴射器の流出区分は、特定輪郭噴射コア(15)の位置を空洞(4)に対して調整することにより調整される。
【0052】
図7の非網羅的な例は、円錐形の輪郭を持つ噴射コア(15)を表す。図8の非網羅的な例は、長さの異なる(15)の軸と平行な外側半円筒形凹部(19)を備える円筒形輪郭の噴射コア(15)を表し、凹部の各々が、スプレーされる液体の通路部を含む。ノズル(5)へ開口する凹部(19)そして噴射器の通路区分の数は、ノズル(5)のコア(11)の位置に直接関連する。
【0053】
実施例を挙げると、変形例5の実施例と同一の寸法を持つとともに4mmと5mmの極値直径を持つ円錐形輪郭の噴射コアを含む、図7によるスプレーノズルは、変形例5と同じ性能を持つが、スプレーされる水の流量は、100から800kg/hまで調整される。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明による装置は、以下の工程に用途を持つ。
工業用ガスの非常に急速な冷却を必要とする化学工程。
超微小粒子の形のスプレー液体の使用を必要とする化学・農業・食品システム工程。
超高速でスプレーされる液体の使用を必要とする工程。試験設備、エネルギー設備、熱動力学コンプレッサなど。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る装置の断面図で、(A)は拡大断面図、(B)は(A)の端面図である。
【図2】本発明に係る装置の他の実施例の断面図で、(A)は拡大断面図、(B)は(A)の端面図である。
【図3】本発明の変形例を示す図で、(A)は拡大断面図、(B)は(A)の端面図である。
【図4】本発明の他の変形例を示す拡大断面図である。
【図5】本発明の非網羅的な例の拡大断面図である。
【図6】本発明のさらに他の変形例を示す拡大断面図である。
【図7】本発明のさらに別の変形例を示す拡大断面図である。
【図8】本発明に係る装置のさらに他の実施例の断面図で、(A)は拡大断面図、(B)は(A)の端面図である。
【符号の説明】
【0056】
0 支持体
1 ノズル本体
3 導管
4 噴射器
5 拡散ノズル
6 流出口
8 円筒形噴射ノズル
9 基部/平坦部
10 通路穴
11 特定輪郭コア
12B 下流側母線
13 軸
14 戻りばね
16 環状噴射器
17、18 ねじ山
19 凹部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
超微小液滴の形の過熱液体を超高速でスプレーするように設計された装置であって、該過熱液体は、温度Toの液体と、Toに対応する飽和蒸気圧Psよりも高い圧力Poとに関連し、該蒸気圧Psそのものは、液体がスプレーされるガス媒体の圧力P1よりも高い装置において、支持体(0)に固定されて過熱液体の供給を可能にするノズル本体(1)を装置が含み、該ノズル本体が、該過熱液体が循環する導管(3)を含み、該過熱液体が1個以上のミキサヘッドと1個以上の噴射器(4)とを通過して、該噴射器において、該過熱流体が、拡散膨張・速度達成ノズル(5)へ放出される速度を達成し、該液体と該ノズルの周囲媒体との間の差圧の作用を受けて液体ジェットが部分的に蒸発するとともに瞬時に粉砕して、微小液滴と蒸気の混合気を含み、該拡散ノズル(5)の母線が、該噴射器(4)との交点において不連続性を示す、つまり角度を成し、該ノズルの流出区分は、該拡散ノズル(5)に圧力波を形成せずに混合気が外部媒体の圧力P1でノズルから排出されるような大きさを持ち、そのため、混合気の排出速度は最高排出速度に相当することを特徴とする装置。
【請求項2】
前記拡散ノズル(5)の母線と前記噴射器との角度が、該噴射器(4)との接合部に対して垂直であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記拡散ノズルが前記外部支持体(0)と部分的または全体的に統合されることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
微小液滴の形の過熱液体を超高速でスプレーするように設計された装置であって、該過熱液体は、温度ToとToに対応する飽和蒸気圧Psよりも高い圧力Poとに関連し、該蒸気圧Psそのものは、液体がスプレーされるガス媒体の圧力P1よりも高い装置において、支持体(0)に固定されて過熱液体の供給を可能にするノズル本体(1)を装置が含み、該ノズル本体が、該過熱液体が循環する導管(3)を含み、該過熱液体がミキサヘッドと環状噴射器通路部(16)とを通過して、該噴射器通路部において、該過熱流体が、拡散・速度達成ノズル(5)へ放出される速度に達し、該液体と該ノズルの周囲媒体との間の差圧の作用を受けて液体ジェットが一部蒸発するとともに瞬時に粉砕して、微小液滴と蒸気の混合気を含み、該拡散ノズル(5)の母線が、該環状噴射器(16)との交点において不連続性を示す、つまり角度を成し、このノズルの流出区分は、該拡散ノズル(5)に圧力波を形成せずに外部媒体の圧力P1で混合気がノズルから排出されるような大きさを持ち、そのため、混合気の排出速度が最高排出速度に相当することを特徴とする装置。
【請求項5】
前記環状噴射器が、例えば円筒形の空洞(16)と噴射コア(8)との間に自由空間を含み、該噴射コアを該ノズル本体へ固定する方法により、スプレーされる液体を該ノズルで循環させられることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
空洞(16)の母線との接合部において、前記拡散ノズル(5)の母線と前記噴射器との角度が該空洞の軸に対して垂直であることを特徴とする請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
前記拡散ノズルが前記外部支持体(0)に部分的または全体的に統合されることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
同じスプレーノズルについて、装置から出るスプレー液滴の最高排出速度を維持しながら、流入時に圧力Poまたは温度Toの過熱液体の流れとともに液体がスプレーされるガス媒体の圧力が必要に応じて修正されるように、
前記拡散ノズル(5)の軸上を摺動するとともに、自身の位置に応じて該ノズルの該流出区分を調整できる、該拡散ノズル(5)に収容された特定輪郭コア(11)であって、該拡散ノズル(5)と該コア(11)の母線の連続的で単調な輪郭により、該コアの位置がどのようなものであっても、該ノズルの該軸に沿って該ノズル(5)と該コア(11)との間に拡張通路区分が維持される、特定輪郭コアと、
前記コア(11)の支持を可能にするとともに、前記ノズル(11)に対する該コアの相対位置を外部から調整することのできる機構と、
を含む、
ことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
流入時の過熱液体の流量と圧力Poと温度Toと、さらに液体がスプレーされるガス媒体の圧力P1に対応するように前記ノズルの前記流出区分を調整して、装置の外部にスプレーされる液滴の排出速度が常に最高となるように、前記拡散ノズル(5)の前記コア(11)の配置が自動化を含むことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記環状噴射器の前記噴射コア(8)を、前記空洞(4)の軸上で摺動する、流れ方向に増大する可変断面を持つ特定輪郭噴射コア(15)で置き換えることにより、前記ノズルの柔軟性のある使用を増加させることができ、そのため、該空洞(4)に対する該特定輪郭噴射コア(15)の位置を調整することにより、該噴射器の流出区分が調整されることを特徴とする請求項4〜9のいずれか1に項記載の装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超微小液滴の形の過熱液体を超高速でスプレーするように設計された装置であって、該過熱液体は、温度Toの液体と、Toに対応する飽和蒸気圧Psよりも高い圧力Poとに関連し、該蒸気圧Psそのものは、液体がスプレーされるガス媒体の圧力P1よりも高い装置において、支持体(0)に固定されて過熱液体の供給を可能にするノズル本体(1)を装置が含み、該ノズル本体が、該過熱液体が循環する導管(3)を含み、該過熱液体が1個以上の収束ヘッドと1個以上の噴射器(4)とを通過して、該噴射器において、該過熱流体が、液体を部分的に蒸発しかつ瞬時に液体とノズルの周囲媒体との間の差圧の作用を受けて粉砕する拡散膨張・速度達成ノズル(5)へ放出される速度を達成し、微小液滴と蒸気の混合気を形成し、該拡散ノズル(5)の母線が、該噴射器(4)との交点において不連続性を示す、つまり角度を成し、該ノズルの流出区分は、該拡散ノズル(5)に圧力波を形成せずに混合気が外部媒体の圧力P1でノズルから排出されるような大きさを持ち、そのため、ノズルから混合物は最高排出速度における外部媒体の圧力P1でノズルで排出されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記噴射器の出力において、前記拡散ノズル(5)の母線と前記噴射器の壁との角度が、直角であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記拡散ノズルが前記外部支持体(0)と部分的または全体的と一体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
微小液滴の形の過熱液体を超高速でスプレーするように設計された装置であって、該過熱液体は、温度ToとToに対応する飽和蒸気圧Psよりも高い圧力Poとに関連し、該蒸気圧Psそのものは、液体がスプレーされるガス媒体の圧力P1よりも高い装置において、支持体(0)に固定されて過熱液体の供給を可能にするノズル本体(1)を装置が含み、該ノズル本体が、該過熱液体が循環する導管(3)を含み、該過熱液体が収束ヘッドと環状噴射器通路部(16)とを通過して、該噴射器通路部において、該過熱流体が、液体を部分的に蒸発しかつ瞬時に液体とノズルの周囲媒体との差圧の作用を受けて粉砕する拡散・速度達成ノズル(5)へ放出される速度に達し、微小液滴と蒸気の混合気を形成し、該拡散ノズル(5)の母線が、該環状噴射器(16)との交点において不連続性を示す、つまり角度を成し、このノズルの流出区分は、該拡散ノズル(5)に圧力波を形成せずに外部媒体の圧力P1で混合気がノズルから排出されるような大きさを持ち、そのため、圧力P1でのノズルから混合物は最高排出速度で排出することを特徴とする装置。
【請求項5】
前記環状噴射器が、例えば円筒形の空洞(16)と噴射コア(8)との間に自由空間を含み、該噴射コアを該ノズル本体へ固定する方法により、該ノズルにスプレーされる液体を循環させることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
空洞(16)の母線との接合部において、前記拡散ノズル(5)の母線と前記噴射器との角度が該空洞の壁が直交していることを特徴とする請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
前記噴射器の軸に対して滑動する流れ方向において増加した可変区画を有する噴射コア(15)として輪郭を有する噴射器の噴射コア(8)を有することによってノズルを容易に利用でき、前記噴射器の流出区分を輪郭噴射コア(15)の位置を調整することによって調整することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記拡散ノズルは、外部支持体(0)と部分的または全体的に一体であることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
同じくスプレーノズルについて、装置から出るスプレー液滴の最高排出速度を維持しながら、流入時に圧力Poまたは温度Toの過熱液体の流れとともに液体がスプレーされるガス媒体の圧力P1が必要に応じて修正されるように、
前記拡散ノズル(5)の軸上を滑動するとともに、自身の位置に応じて該ノズルの該流出区分を調整できる、該拡散ノズル(5)に収容された特定輪郭コア(11)であって、ノズルの該拡散ノズル(5)と該コア(11)の間を維持して通路区分を拡張し、該ノズル(5)の母線と該コア(11)との間の連続的で単調な輪郭が維持される、特定輪郭コア(11)と、
前記コア(11)の支持を可能にするとともに、前記ノズル(11)に対する該コアの相対位置を外部から調整することのできる機構と、
を含む、
ことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
拡散ノズル(5)におけるコア(11)の位置決めの際に、ノズルの流出区分を調整するために設計されているので、流入時に圧力Poまたは温度Toの過熱液体の流れとともに液体がスプレーされるガス状媒体の圧力P1が必要に応じて修正されるように、装置からスプレーされた小滴の噴射速度が常に最大であることを特徴とする請求項9に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−521199(P2006−521199A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505723(P2006−505723)
【出願日】平成16年3月12日(2004.3.12)
【国際出願番号】PCT/FR2004/000604
【国際公開番号】WO2004/085073
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(505356033)
【Fターム(参考)】