説明

遠隔コリオリ流量計サイズ決定・発注システム

【課題】質量流量を測定する際に使用すべきコリオリ流量計の適切なモデルを決定する。
【解決手段】流量計の遠隔発注システムを提供するシステム。システムはサーバによって具体化される。サーバは、遠隔クライアント・コンピュータから入力フロー・ストリーム・パラメータを受信する(415)。次いで、サーバは、遠隔クライアント・コンピュータから受信された入力フロー・ストリーム・パラメータから流量計パラメータを決定する(420)。次いで、サーバは、流量計パラメータに適切な流量計の少なくとも1つのモデルを決定する(425)。次いで、適切なモデルの流量計(440)が遠隔コンピュータに送信され、顧客は流量計パラメータに適切なモデルの1つを発注する(460)。流量計はコリオリ流量計であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコリオリ質量流量計に関する。より詳細には、本発明は、コリオリ流量計についての顧客の発注を受け取るためのコンピュータ・システムに関する。更に、より詳細には、本発明は、顧客が遠隔システムからアクセスして所望のフロー・パラメータを入力し、発注のためにコリオリ質量流量計の選択を顧客に与えることができる、サーバによって実行されるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コリオリ質量流量計は、流量計内の導管を通って流れる材料の質量流量及び他の情報を測定する。コリオリ流量計の例は、J.E.Smithらによる米国特許第4,109,524号(1978年8月29日)、第4,491,025号(1985年1月1日)、第31,450号(1982年2月11日)に開示されている。これらの流量計は、直線状又は彎曲した構成の1つ又は複数の導管を備える。それぞれの導管構成は、単純な曲げ、ねじり又は結合型であり得る、1組の固有振動モードを有する。それぞれの導管が、これらの固有モードの1つで共振して振動するよう駆動される。材料は流量計の入口側に接続されたパイプラインから流量計内へ流入し、1つ又は複数の導管を通るよう方向付けられ、流量計の出口側を通って流量計を出る。パイプラインを通って流れる材料は、気体、液体、固体、及びこれらの3つの任意の組合せであり得る。材料が詰まった振動しているシステムの固有振動モードは、部分的に、導管と導管内を流れる材料とを組み合わせた質量によって規定される。
【0003】
流量計を通る流れがない時は、導管に沿った全ての点が同相又は小さい初期固定位相オフセットで、ドライバから加えられた力により振動する。材料が流れ始めると、コリオリの力により、導管に沿ったそれぞれの点が異なる位相を有するようになる。導管の入口側の位相はドライバより遅れ、導管の出口側の位相はドライバより進む。1つ又は複数の導管上のピックオフ・センサが、1つ又は複数の導管の運動を表す正弦波信号を発生する。ピックオフ・センサからの信号出力は、ピックオフ・センサ間の位相差を決定するよう処理される。2つのピックオフ・センサ信号間の位相差は、1つ又は複数の導管を通る材料の質量流量に比例する。
【0004】
コリオリ流量計には多くの異なるモデルがある。コロラド州ボールダのマイクロ・モーション社は多くのタイプのコリオリ流量計を販売している。ユーザにとっての1つの問題は、パイプラインを通る質量流量を測定する際に使用すべきコリオリ流量計の適切なモデルを決定することである。
【0005】
パイプラインのための適切なサイズ及びパラメータの流量計モデルを決定するためには、そのパイプラインのためのフロー・ストリーム(flow stream)・パラメータを知る必要がある。フロー・ストリーム・パラメータには、材料流量、材料密度、材料粘性、材料温度、材料動作圧が含まれる。これらのフロー・ストリーム・パラメータから、パイプライン内に挿入する流量計のためのパラメータを決定することができる。流量計パラメータには、計器精度、圧力損失及び材料速度が含まれる。流量計パラメータ及びフロー・ストリーム・パラメータは、パイプライン内の質量流量を測定するために使用できる流量計のモデルを決定するのに使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
コンピュータによって実行されるソフトウェア・プログラムを使用して、適切なモデルを決定することが一般的である。しかし、これには、ソフトウェアを実行するコンピュータが常駐する所で計器の選択及びサイズ決定を行うことが必要である。これまで、人間のオペレータが介入せずに、ユーザがコンピュータにログオンして、遠隔でサイズ決定ソフトウェアにアクセスし、所望の流量計を発注するための方法がなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の及び他の問題は、本発明によるコリオリ流量計のための遠隔サイズ決定・発注システムにより解決され、当技術分野の進歩がなされる。本発明は、ユーザがネットワーク接続を介してログインできるようにする。ネットワーク接続は、モデム、インターネット、イントラネット又は他の任意のネットワーク接続を介して行い得る。そこで、ユーザは、流量計を挿入すべきパイプラインの仕様に合う流量計を発注することができる。これにより、ユーザは、いつでも、また世界中のどこからでも発注ができるようになる。
【0008】
本発明によれば、サーバ・コンピュータは、本発明による遠隔サイズ決定・発注システムを提供するソフトウェアを蓄積し実行する。サーバはユーザが使用する遠隔コンピュータ又はクライアント・コンピュータに接続される。次いで、サーバはユーザから入力フロー・ストリーム・パラメータを受信する。入力フロー・ストリーム・パラメータは流量計パラメータを決定するためにサーバによって使用される。流量計パラメータは、少なくとも1つのモデルの流量計が当該流量計パラメータに適切であるかどうかを決定するために、サーバによって使用される。
【0009】
サーバは、流量計パラメータに適切な少なくとも1つのモデルを含む表示を生成し得る。その表示は遠隔コンピュータに送信されて顧客に表示される。次いで、ユーザは、少なくとも1つのモデルのうちの1つを選択し、その選択の要求をサーバに送信する。サーバは、少なくとも1つのモデルの要求を受信する。
【0010】
次いで、サーバは、構成オプションの表示を遠隔コンピュータに送信し得る。ユーザは構成オプションを選択し、選択したオプションをサーバに送信する。サーバは構成オプションをユーザから受信する。構成オプションはプロセス接続形式、プロセス接続サイズ、交流(AC)又は直流(DC)を含み得る電力供給形式、及び、ローカル表示を有するか否かを含む。
【0011】
サーバは、以下の入力フロー・ストリーム・パラメータ、即ち、材料流量、材料密度、材料粘性、材料温度及び材料動作圧を受信し得る。サーバは入力フロー・ストリーム・パラメータから以下の流量計パラメータを計算する。流量計パラメータは計器精度、圧力損失及び流体速度を含む。
【0012】
ユーザが流量計を構成してしまうと、その流量計構成が電子ショッピング・カートに蓄積され得る。次いで、顧客は、ショッピング・カートにおける構成された流量計から流量計を発注する。サーバはメッセージを生成し、その発注を流量計を製造して顧客に出荷する製造部門に送信する。
【0013】
本発明の一つの態様は、
ユーザから入力フロー・ストリーム・パラメータを受信するステップと、
前記入力フロー・ストリーム・パラメータから流量計パラメータを決定するステップと、
少なくとも1つのモデルの流量計が前記流量計パラメータに適切であるかどうかを決定するステップと、
を含む、流量計の遠隔発注システムを提供するための方法である。
【0014】
好ましくは、本方法は、
前記少なくとも1つのモデルの流量計を表示するステップと、
前記少なくとも1つのモデルのうちの1つの選択項目を受信するステップと、
を更に含む。
【0015】
好ましくは、本方法は、前記ユーザから少なくとも1つの構成オプションを受信するステップを更に含む。
好ましくは、本方法は、構成オプションを前記ユーザに表示するステップを更に含む。
【0016】
好ましくは、前記少なくとも1つの構成オプションを受信する前記ステップは、前記流量計に取り付けるためのプロセス接続形式を受信するステップを含む。
好ましくは、プロセス接続形式を受信する前記ステップは、前記プロセス接続形式に対するプロセス接続サイズを受信するステップを含む。
【0017】
好ましくは、前記少なくとも1つの構成オプションを受信する前記ステップは、前記流量計のための電力供給形式を受信するステップを含む。
好ましくは、前記電力供給形式を受信する前記ステップは、交流(AC)電力供給の要求を受信するステップを含む。
【0018】
好ましくは、前記電力供給形式を受信する前記ステップは、直流(DC)電力供給からの要求を受信するステップを含む。
好ましくは、前記少なくとも1つの構成オプションを受信する前記ステップは、ユーザへのローカル表示の要求を受信するステップを含む。
【0019】
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信する前記ステップは、材料流量を受信するステップを含む。
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信する前記ステップは、材料密度を受信するステップを含む。
【0020】
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信する前記ステップは、材料粘性を受信するステップを含む。
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信する前記ステップは、材料温度を受信するステップを含む。
【0021】
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信する前記ステップは、材料動作圧を受信するステップを含む。
好ましくは、流量計はコリオリ流量計であり得る。
【0022】
好ましくは、本方法は、前記フロー・ストリーム・パラメータの要求を前記ユーザに表示するステップを更に含む。
好ましくは、本方法は、前記選択された流量計を電子ショッピング・カートに追加するステップを更に含む。
【0023】
好ましくは、本方法は、選択されたモデルの流量計の発注を受信するステップを更に含む。
好ましくは、本方法は、前記発注を製造部門に送信するステップを更に含む。
【0024】
好ましくは、送信する前記ステップは、
前記発注の電子メールを生成するステップと、
前記電子メールを前記製造部門に送信するステップと、
を含む。
【0025】
好ましくは、前記流量計パラメータを決定する前記ステップは、流量計精度を計算するステップを含む。
好ましくは、前記流量計パラメータを決定する前記ステップは、圧力損失を計算するステップを含む。
【0026】
好ましくは、前記流量計パラメータを決定する前記ステップは、流体速度を計算するステップを含む。
別の態様は、
遠隔処理システムから入力フロー・ストリーム・パラメータを受信し、前記入力フロー・ストリーム・パラメータから流量計パラメータを決定し、前記流量計パラメータに適切な少なくとも1つのモデルの流量計を決定するよう処理ユニットに指示するための命令と、
前記処理ユニットによって読取り可能であって前記命令を蓄積する媒体と、
を有する、リンクされた処理システムを介する流量計の遠隔発注システムを提供するための製品である。
【0027】
好ましくは、前記命令は、
前記少なくとも1つのモデルの流量計の表示を生成し、前記表示を前記遠隔処理システムに送信するよう前記処理ユニットに指示するための命令
を更に有する。
【0028】
好ましくは、前記命令は、前記遠隔処理システムのユーザから前記少なくとも1つのモデルのうちの1つの選択項目を受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を更に有する。
【0029】
好ましくは、前記命令は、前記遠隔処理システムから少なくとも1つの構成オプションを受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を更に有する。
好ましくは、前記命令は、
構成オプションの表示を生成し、前記表示を前記遠隔処理システムに送信するよう前記処理ユニットに指示するための命令
を更に有する。
【0030】
好ましくは、前記少なくとも1つの構成オプションを受信するための前記命令は、前記流量計に取り付けるためのプロセス接続形式を前記遠隔処理システムから受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を有する。
【0031】
好ましくは、プロセス接続形式を受信するための前記命令は、前記プロセス接続形式のためのフランジ・サイズを受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を有する。
【0032】
好ましくは、前記少なくとも1つの構成オプションを受信するための前記命令は、前記遠隔処理システムから前記流量計のための電力供給形式を受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を有する。
【0033】
好ましくは、前記電力供給形式を受信するための前記命令は、AC電力供給の要求を受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を有する。
好ましくは、前記流量計はコリオリ流量計である。
【0034】
好ましくは、前記少なくとも1つの構成オプションを受信するための前記命令は、ローカル表示の要求を受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を有する。
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信するための前記命令は、前記遠隔処理システムから材料流量を受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を有する。
【0035】
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信するための前記命令は、遠隔処理システムから材料密度を受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を有する。
【0036】
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信するための前記命令は、前記遠隔処理システムから材料粘性を受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を有する。
【0037】
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信するための前記命令は、材料温度を受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を有する。
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信するための前記命令は、前記遠隔処理システムから材料動作圧を受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を有する。
【0038】
好ましくは、前記命令は、
前記フロー・ストリーム・パラメータの要求の表示を生成し、前記表示を前記遠隔処理システムに送信するよう前記処理ユニットに指示するための命令
を更に有する。
【0039】
好ましくは、前記命令は、選択された流量計を電子ショッピング・カートに追加するよう前記処理ユニットに指示するための命令を更に有する。
好ましくは、前記命令は、前記遠隔処理システムから前記モデルの流量計の発注を受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を更に有する。
【0040】
好ましくは、前記命令は、前記発注を製造部門に送信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を更に有する。
好ましくは、前記発注を送信するための前記命令は、
前記発注の電子メールを生成し、前記電子メールを前記製造部門に送信するよう前記処理ユニットに指示するための命令
を有する。
【0041】
好ましくは、前記流量計パラメータを決定するための前記命令は、流量計精度を計算するよう前記処理ユニットに指示するための命令を有する。
好ましくは、前記流量計パラメータを決定するための前記命令は、圧力損失を計算するよう前記処理ユニットに指示するための命令を有する。
【0042】
好ましくは、前記流量計パラメータを決定するための前記命令は、流体速度を計算するよう前記処理ユニットに指示するための命令を有する。
別の態様は、
遠隔処理システムからの入力フロー・ストリーム・パラメータから流量計精度を計算し、入力フロー・ストリーム・パラメータから圧力損失を計算し、流体速度を計算し、計算された流量計精度、圧力損失及び流体速度が許容差内にある、該許容差を有するモデルの流量計を決定するよう前記処理ユニットに指示するための命令と、
前記処理ユニットによって読取可能であって前記命令を蓄積する媒体と、
を具備する、コリオリ流量計のサイズ決定をするための製品を備える。
【0043】
好ましくは、前記命令は、前記遠隔処理システムから入力フロー・ストリーム・パラメータを受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を更に有する。
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信するための前記命令は、前記遠隔処理システムから材料流量を受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を有する。
【0044】
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信するための前記命令は、遠隔処理システムから材料密度を受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を有する。
【0045】
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信するための前記命令は、前記遠隔処理システムから材料粘性を受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を有する。
【0046】
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信するための前記命令は、材料温度を受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を有する。
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信するための前記命令は、前記遠隔処理システムから材料動作圧を受信するよう前記処理ユニットに指示するための命令を有する。
【0047】
別の態様は、
遠隔ユーザから受信された入力フロー・ストリーム・パラメータから流量計精度を計算するステップと、
入力フロー・ストリーム・パラメータから圧力損失を計算するステップと、
材料速度を計算するステップと、
計算された流量計精度、圧力損失及び材料速度が許容差内にある、該許容差を有するモデルの流量計を決定するステップと、
を含む、流量計のサイズ決定をするための方法である。
【0048】
好ましくは、本方法は、遠隔処理システムから入力フロー・ストリーム・パラメータを受信するステップを更に含む。
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信する前記ステップは、前記遠隔処理システムから材料流量を受信するステップを含む。
【0049】
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信するステップは、遠隔処理システムから材料密度を受信するステップを含む。
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信する前記ステップは、前記遠隔処理システムから材料粘性を受信するステップを含む。
【0050】
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信する前記ステップは、材料温度を受信するステップを含む。
好ましくは、前記入力フロー・ストリーム・パラメータを受信する前記ステップは、前記遠隔処理システムから材料動作圧を受信するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】コリオリ効果質量流量計の例を示す図である。
【図2】典型的なインターネット接続を示す図である。
【図3】処理システムの例を示す図である。
【図4】本発明のプロセスの例を示す図である。
【図5】入力ストリーム・パラメータを受信するプロセスの例を示す図である。
【図6】流量計パラメータを決定するプロセスの例を示す図である。
【図7】構成オプションを受信するプロセスの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明の上記の及び他の特徴は、以下の詳細な説明及び図面に記述される。
本発明は、コリオリ流量計のために遠隔発注及びサイズ決定を提供するためのシステムに関する。図1は、質量流量又は他のプロセス・パラメータを提供し得るコリオリ流量計の例を示す図である。コリオリ流量計は流量計アセンブリ110と計器電子装置150を備える。計器電子装置150は、経路175を介して密度、質量流量、体積流量及び総質量流量情報を提供するよう、リード線120を介して流量計アセンブリ110に接続される。
【0053】
コリオリ流量計構造について記述するが、当業者には自明のように、本発明は、導管を通って流れる材料の特性を測定するための振動導管を備えた任意の装置と組み合わされて実用され得る。このような装置の第2の例は、コリオリ質量流量計によって提供される追加測定機能を有さない振動管濃度計である。
【0054】
流量計アセンブリ110は、1対のフランジ101、101’、マニホールド102及び導管103A、103Bを備える。ドライバ104、ピックオフ・センサ105、105’及び温度センサ107が導管103A、103Bに接続される。ブレース・バー106、106’は、各導管が振動する軸W、W’を規定するよう働く。
【0055】
被測定プロセス材料を運ぶパイプライン・システム(図示せず)にコリオリ流量計100が挿入された場合、材料はフランジ101を通って流量計アセンブリ110に入り、マニホールド102を通過して導管103A、103Bに入るよう方向付けられる。次いで、材料は、導管103A、103Bを通って流れ、マニホールド102に戻り、そこからフランジ101’を通って流量計アセンブリ110を出る。
【0056】
導管103A、103Bは、曲げ軸W〜W、W’〜W’に関して実質的に同じ質量分布、慣性モーメント及び弾性係数を有するように選択され、適切にマニホールド102に取り付けられる。導管103A〜103Bは、マニホールドから外に向かって実質的に平行に延びる。
【0057】
導管103A〜103Bは、流量計の各曲げ軸W、W’に関して反対方向に、いわゆる第1の位相ずれ曲げモードで、ドライバ104によって駆動される。ドライバ104は、導管103Aに取り付けられた磁石と導管103Bに取り付けられていて交流が両導管を振動させるよう流れる対向するコイルとのような、多くの周知の配置のうちの任意のものを備えることができる。適切な駆動信号が、計器電子装置150によって経路112を介してドライバ104に印加される。
【0058】
ピックオフ・センサ105、105’は、導管の振動を測定するために、導管103A、103Bの対向する上端のうちの少なくとも1つに固定される。導管103A〜103Bが振動すると、ピックオフ・センサ105〜105’は第1のピックオフ信号及び第2のピックオフ信号を生成する。第1のピックオフ信号は経路111に印加され、第2のピックオフ信号は経路111’に印加される。ドライバ信号は経路112に印加される。
【0059】
温度センサ107は、少なくとも1つの導管103A及び/又は103Bに固定される。温度センサ107は、システムの温度のための方程式を修正するために、導管の温度を測定する。経路111’’は、温度信号を温度センサ107から計器電子装置150に運ぶ。
【0060】
計器電子装置150は、それぞれ経路111、111’上で第1のピックオフ信号及び第2のピックオフ信号を受信する。景気電子装置150は、第1の速度信号及び第2の速度信号を処理して、流量計アセンブリ110を通る材料の質量流量、密度又は他の特性を計算する。この計算された情報が計器電子装置150によって経路125を介して利用手段(図示せず)に適用される。コリオリ流量計100が構造上は振動管濃度計と同じであることは、当業者には公知である。振動管濃度計も、流体が流れる振動管、又は、サンプル・タイプの濃度計の場合には流体が保持される振動管を利用する。振動管濃度計はまた、導管を励振して振動させるための駆動システムを用いる。濃度測定には周波数の測定しか必要とせず、位相測定は必要でないために、振動管濃度計は、典型的には、単一のフィードバック信号のみを利用する。本明細書における本発明の記述は、振動管濃度計にも等しく適用される。
【0061】
コリオリ流量計100においては、計器電子装置150は、物理的には2つの構成要素、すなわち、ホスト・システム170と信号調整装置160とに分けられる。従来の計器電子装置においては、これらの構成要素は1つのユニットに収容される。
【0062】
信号調整装置160は、駆動回路163とセンサ信号調整回路161とを備える。当業者は理解するところであるが、実際には駆動回路163及びピックオフ調整回路161は、個別のアナログ回路であっても、ディジタル信号プロセッサ又は他のディジタル構成要素によって提供される個別の機能であってもよい。駆動回路163は、駆動信号を生成し、経路120の経路112を介して交流駆動電流をドライバ104に印加する。本発明の回路は駆動回路163に含まれ、交流をドライバ104に提供する。
【0063】
経路112は第1のリード線及び第2のリード線を含む。駆動回路163は、経路162を介してセンサ信号調整回路161に通信可能に接続される。駆動回路は、経路162により、到来ピックオフ信号を監視して駆動信号を調整することができる。駆動回路163及びセンサ信号調整回路161を操作するための電力は、第1の経路173及び第2の経路174を介してホスト・システム170から供給される。これは、従来の2線ケーブル、4線ケーブルの一部でも、マルチペア・ケーブルの一部分であってもよい。
【0064】
センサ信号調整回路161は、経路111、111’、111’’を介して第1のピックオフ・センサ105、第2のピックオフ・センサ105’及び温度センサ107から信号を受信する。センサ信号調整回路160はピックオフ信号の周波数を決定し、また、導管103A〜103Bを通る材料の特性を決定し得る。ピックオフ・センサ105〜105’からの入力信号の周波数及び材料の特性が決定された後、この情報を運ぶパラメータ信号が生成され、経路176を介してホスト・システム170の二次処理ユニット171に伝送される。
【0065】
ホスト・システム170は、電源172と二次処理ユニット171とを備える。電源172は、電力源から電気を受け取り、受け取った電気をシステムが必要とする適切な電力に変換する。二次処理ユニット171は、ピックオフ信号調整回路161からパラメータ信号を受信し、ユーザが必要とする、導管103A〜103Bを流れる材料の特性を提供するのに必要なプロセスを実施し得る。このような特性は密度、質量流量及び体積流量を含むが、それらに限定されるものではない。
【0066】
図2は、本発明を具体化するのに使用し得る典型的なインターネット接続を示す。図2において、遠隔クライアント・コンピュータ・システム210は顧客のサイトにある。遠隔クライアント・コンピュータ210は、サーバ230に接続するためにモデム又は他のネットワーク・デバイスを使用する。モデムを使用した場合は、遠隔クライアント・コンピュータ210は、サーバ230にダイヤルアップ接続を提供する電話網210に接続される。サーバ230は遠隔クライアント・コンピュータ210のためのインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)である。サーバ230はインターネット240を介してサーバ250に接続される。当業者は理解するところであるが、インターネット240は通信可能に接続されたコンピュータ・ネットワークである。サーバ250は、本発明に従ってプロセスを実行する、本発明のプロバイダのサーバである。
【0067】
図3は、遠隔クライアント・コンピュータ210及びサーバ250、230等のコンピュータ・システムの例である処理システム300を示すブロック図である。
処理システム300は、CPU301に取り付けられたメモリに格納された命令を実行することが可能な中央処理ユニット(CPU)301を備える。CPU301は、経路303を介してメモリ・バス310に取り付けられる。メモリ・バス310は、経路321を介して読取り専用メモリ(ROM)320に接続されるとともに、経路331を介してランダム・アクセス・メモリ(RAM)330に接続される。ROM320は、処理システム300によって実施される機能を制御するためにCPU301によって使用される命令を格納する。RAM330は、CPU301によって実行されるべき、オペレーティング・システム及び現在動作中のアプリケーション等の命令や命令を実施するのに必要なデータを格納する。CPU301は、経路303及びバス310を介してRAM303とのデータの読み書きを行う。
【0068】
CPU301は、経路304を介してI/Oバス340に接続される。I/Oバス340は、CPU301と周辺デバイスとの間でデータを送信するよう、CPU301を周辺デバイスに接続する。好ましい実施の形態の例においては、I/Oバス340に接続される周辺デバイスは、キーボード350、マウス360、表示装置370、不揮発性メモリ(ディスク・ドライブ)380及びモデム390を含む。キーボード350は経路341を介してI/Oバス340に接続され、ユーザがデータを入力できるようにする。マウス360は経路342を介してI/Oバス340に接続され、ユーザは表示装置370上でアイコンを動かすようマウス160を移動させることによってデータを入力することができる。表示装置370は、ユーザに対して画像を表示するよう経路343を介してI/Oバス340に接続されたビデオ・モニタ及び関連のドライバである。不揮発性メモリ380は、将来に使用するためにデータを格納するようディスク又は他のタイプの媒体との間でデータの読み書きを行うディスク・ドライブであり、経路344を介してI/Oバス340に接続される。モデム390は、インターネット接続のためのサーバなどの他のコンピュータとの通信のために電話回線391への処理システム300の接続を容易にするデバイスである。モデム390は経路345を介してI/Oバス340に接続される。
【0069】
プロセス400は、コリオリ流量計の遠隔サイズ決定及び発注を提供するためにサーバによって実行されるプロセスである。プロセス400は、コンピュータ間の通信を容易にするジャバ又は他の言語などの言語で書かれたプログラムである。プロセス400は、顧客からフロー・ストリーム・パラメータを要求する表示を生成することによってステップ405から開始する。表示装置は、顧客によって記入されるべきフィールドを有するスクリーン又はページであってよい。ステップ410において、サーバは、表示をクライアント遠隔コンピュータ・システムに送信する。
【0070】
ステップ415において、サーバは、顧客から入力フロー・ストリーム・パラメータを受信する。顧客が遠隔コンピュータに入力フロー・ストリーム・パラメータを入力すると、遠隔コンピュータは該パラメータをサーバに送信する
図5は、入力フロー・ストリーム・パラメータを受信するためのプロセス500を示す。プロセス500は、遠隔コンピュータから流量計を流れる材料の流量を受信することによって、ステップ505から開始する。ステップ510において、サーバは、流量計を流れる材料の粘性を受信する。次いで、サーバは、ステップ515において、流量計を流れる材料の温度を受信する。ステップ517において、サーバは、流量計を流れる材料の密度を受信する。プロセス500は、サーバが流量計を流れる材料の動作圧を受信するステップ520で終了する。当業者は認識するように、他のフロー・ストリーム・パラメータを追加することができるが、これは当業者に任される。
【0071】
再び図4を参照すると、プロセス400は、ステップ420において入力フロー・ストリーム・パラメータから流量計パラメータを決定することによって続行する。図6は、流量計パラメータを計算するためにサーバによって実行されるプロセス600を示す。
【0072】
プロセス600は、入力フロー・ストリーム・パラメータのための流量計精度を計算することによってステップ605から開始する。ステップ610において、サーバは、入力フロー・ストリーム・パラメータに基づいて流量計における流れの圧力損失を計算する。ステップ615において、サーバとしてのプロセス600は入力フロー・ストリーム・パラメータから流体速度を計算する。
【0073】
再び図4を参照すると、プロセス400は、ステップ425において、決定された流量計パラメータに受容可能な許容差を有する流量計の少なくとも1つのモデルを決定することによって続行する。決定されたモデルのすべてを含む表示が、ステップ430において生成され、ステップ435において遠隔クライアント・システムに送信される。ステップ440において、サーバは、決定されたモデルの1つの選択を受信する。
【0074】
選択の受信に応答して、サーバは、ステップ445において遠隔クライアント・コンピュータ・システムに構成オプションの表示を送信する。ステップ450において、サーバは、遠隔クライアント・コンピュータ・システムを介して顧客から構成オプションを受信する。図7は、遠隔クライアント・コンピュータから構成オプションを受信するプロセス700の例を示す。
【0075】
プロセス700は、プロセス接続の形式及びサイズを受信することによってステップ705から開始する。当業者は理解するように、プロセス接続は流量計をパイプラインに接続するのに使用されるフランジ又は他の装置である。ステップ710において、サーバは流量計に接続するための1つの型の電力供給を受信する。当業者は理解するように、これはAC又はDCの電力供給を含み、任意の異なる範囲の電流を供給し得る。これらは流量計の設計者に任せられる。プロセス700はステップ715で終了し、サーバはローカル表示の要求を受信する。当業者は理解するように、システムの設計者に依存して、この構成のうちの任意のものを除外し又は他のものを追加し得る。
【0076】
再び図4を参照すると、プロセス400は、構成された流量計を電子ショッピング・カートに格納することにより、ステップ455において続行する。電子ショッピング・カートは、構成された流量計を蓄積しておいて発注の際に顧客がそこから選択するデータベースである。なお、ステップ405から455は、異なる使用のために多くの異なる流量計を設計し及び/又は多くの流量計を発注するために、ユーザにより、プロセス400のほぼ任意のステップから任意の回数だけ繰り返し得る。
【0077】
ステップ460において、サーバは、構成された流量計のための発注を受信する。これは、ユーザが電子ショッピング・カートに蓄積された流量計の1つを選択することによって行い得、又は、顧客が流量計を構成することを終了した時に受信される。発注の受信に応答して、サーバは、ステップ465において、顧客からの料金請求情報を要求する表示を送信する。要求は、料金請求アドレス、クレジットカード・アカウント、又はアカウントを作成し及び及び/又は貸方に記入する他の形式であり得る。
【0078】
ステップ470において、サーバは料金請求情報を受信し、この情報を将来の料金請求に使用するために蓄積する。ステップ475において、サーバは、流量計を製造し流量計を顧客に出荷する製造部門に発注を送信する。発注は、流量計のための構成データのすべてを有するように電子メール・メッセージその他で送信され得る。
【0079】
流量計が顧客に送出された後、ステップ477において、流量計に接続された遠隔コンピュータをサーバに接続することにより、流量計は遠隔で構成され得る。次いで、プロセス500が終了する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量計の遠隔発注を提供し且つ流量計を構成するための方法であって、
サーバにおいて、
前記サーバから遠隔に位置する顧客コンピュータからネットワークを介して入力フロー・ストリーム・パラメータを受信するステップと、
前記サーバが前記入力フロー・ストリーム・パラメータを処理して、前記入力フロー・ストリーム・パラメータから流量計パラメータを決定するステップと、
前記サーバが、少なくとも1つの流量計が前記流量計パラメータに適しているかどうかを決定するステップと、
前記少なくとも1つの流量計に関する情報を前記ネットワークを介して前記顧客コンピュータに送信するステップと、
前記ネットワークを介して前記顧客の構成オプションを送信するステップと、
前記ネットワークを介して前記顧客コンピュータから、前記少なくとも1つの流量計のうちの1つの選択と前記構成オプションのうちの少なくとも1つの選択とを受信するステップと、
が行われることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記入力フロー・ストリーム・パラメータが、前記流量計を流れる材料の少なくとも流量と粘性と温度と密度と動作圧とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記入力フロー・ストリーム・パラメータが、前記流量計における前記材料の流れの少なくとも流量計精度と流体速度と圧力損失とを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの選択された構成オプションを受信する前記ステップが、前記流量計に取り付けるためのプロセス接続形式を受信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの選択された構成オプションを受信する前記ステップが、前記流量計に取り付けるためのプロセス接続サイズを受信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの選択された構成オプションを受信する前記ステップが、前記流量計のための電力供給形式を受信するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記電力供給形式を受信する前記ステップが、交流(AC)電力供給の要求を受信するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記電力供給形式を受信する前記ステップが、直流(DC)電力供給の要求を受信するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
選択されたモデルの流量計の発注を前記顧客コンピュータから受信するステップと、
前記発注を製造部門に送信するステップと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記の選択された流量計を前記ネットワークを介して前記サーバに接続することにより、前記の選択された流量計を遠隔的に構成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−150901(P2009−150901A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32196(P2009−32196)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【分割の表示】特願2002−546164(P2002−546164)の分割
【原出願日】平成13年11月14日(2001.11.14)
【出願人】(592225504)マイクロ・モーション・インコーポレーテッド (95)
【氏名又は名称原語表記】Micro Motion Incorporated
【Fターム(参考)】