説明

遠隔制御システムおよびその方法、遠隔制御装置ならびに制御対象機器

【課題】 1台のホスト端末で、複数のターゲット装置を遠隔操作し得るようにする。
【解決手段】 利用者が携帯型のホスト装置1をターゲット装置2に向けて検索指示すると、指向性アンテナ142からユニークな識別子(UID)を含む検索信号が送信される。ターゲット装置2は、受信した検索信号に含まれるUIDを記憶部211に記憶し、自装置の機器情報を含む応答信号をアンテナ201から送信する。ホスト装置1は、応答信号に含まれる機器情報に基づいてターゲット装置2を特定し、特定したターゲット装置2の制御プログラムを起動し、表示部122に操作画面を表示する。利用者が操作画面上で遠隔操作を指示すると、ホスト装置1は、UIDを含む遠隔制御信号を無指向性アンテナ143から送信する。ターゲット装置2は、記憶部211に記憶されたUIDと一致するUIDを含む遠隔制御信号を受信すると、その遠隔制御信号に従って機能部204を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線信号による遠隔制御システムに関し、特に1台の遠隔制御装置を使用して複数の制御対象機器の中の1つの機器を無線信号により選択的に遠隔操作するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の遠隔制御システムの一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された遠隔制御システムでは、遠隔制御装置に指向性アンテナと無指向性アンテナの2つのアンテナが設けられている。利用者が或る制御対象機器を遠隔操作するために、指向性アンテナの最も感度の良い方向に希望の制御対象機器が位置するように遠隔制御装置の向きを定めてリモコンキーを押下すると、遠隔制御装置は、接続要求信号を無指向性アンテナを通じて送信した後、指向性アンテナに切り替えて応答を待つ。接続要求信号を受信した各制御対象機器は自機器の機器属性情報を含む応答信号を送信するが、指向性アンテナの最も感度の良い方向に位置する制御対象機器以外の機器から送信されてくる応答信号は遠隔制御装置で受信できないか、受信できても受信レベルが低くなる。このことを利用して遠隔制御装置は、1つの制御対象機器を今回の制御対象に特定する。また、有効な応答が複数あった場合、応答のあった制御対象機器のリストを表示し、利用者に選択させることで、1つの制御対象機器を今回の制御対象に特定する。次に、特定した制御対象機器を遠隔制御するためのプログラムを起動して表示部に操作画面を表示し、無指向性アンテナ側に再び切り替える。以後、遠隔制御装置は、操作画面を通じて利用者から指示された操作に対応する遠隔制御信号を無指向性アンテナから制御対象機器に送信する。
【0003】
従来の他の遠隔制御システムの例が特許文献2に記載されている。この特許文献2に記載される遠隔制御システムでは、遠隔制御装置の表示画面上に、周囲に存在する制御対象機器の配置状況をアイコンを使って表示し、アイコンに対する操作指示に応じてそのアイコンに対応する機器に対して、その機器に予め設定された識別子(機器ID)を指定した遠隔制御信号を送信する。
【特許文献1】特開2002−330483号公報
【特許文献2】特開2004−320209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された従来技術によれば、複数の制御対象機器に対する遠隔操作を1台の遠隔制御装置で行うことができ、また選択したい制御対象機器に向けて遠隔制御装置のリモコンキーを押すといった直感的な操作で複数の制御対象機器の中から遠隔制御したい機器を選択することができ、さらに制御対象機器選択後は無指向性アンテナから遠隔制御信号が送信されるので、遠隔操作中に利用者は遠隔制御装置を制御対象機器の方に向けておく必要がないという利点がある。しかしながら、以下のような課題がある。
【0005】
遠隔制御装置においてアンテナの切り替えを頻繁に行う必要がある。その理由は、接続要求を無指向性アンテナで送信した後、その応答を指向性アンテナで受信し、制御対象機器の特定後は再び無指向性アンテナに切り替えるためである。
【0006】
予期せぬ別の制御対象機器が遠隔操作されてしまう危険性がある。その理由は、或る遠隔制御プログラムで生成される信号は、一般的にはそのプログラムに対応する或る特定の制御対象機器にしか作用しないはずであるが、すべてのメーカのすべての種類の機器に対して全く作用しないという保証はないからである。この問題を改善するために特許文献2に示されるように、機器に予め設定された識別子(機器ID)を遠隔制御信号に含め、同じ識別子を持つ機器のみがその遠隔制御信号を受け付けるようにしても、あらゆる機器に統一的な識別子を割り当てる機関が存在しない以上、すべてのメーカのすべての機器に唯一無二の識別子を事前に割り当てることは不可能である。また、仮にすべてのメーカのすべての種類の機器に唯一無二の識別子を事前に割り当てることができたとしても、そのような識別子はビット数の非常に長いデータになり、遠隔制御信号に含めて送信するには無駄が多い。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みて提案されたものであり、その目的は、特許文献1に記載される従来技術の課題を解消し、アンテナの切り替え頻度を少なくでき、また予期せぬ別の制御対象機器が遠隔制御されてしまう危険性を効率良く解消することのできる遠隔制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の遠隔制御システムは、遠隔制御装置と1以上の制御対象機器とで構成され、前記遠隔制御装置は、指向性アンテナと無指向性アンテナとに切り替えることができるアンテナ部と、該アンテナ部に接続された無線通信部と、利用者入出力部と、前記利用者入出力部から入力されるターゲット検索指示に応答して、前記アンテナ部を指向性アンテナに切り替えた状態でユニークな識別子を含む検索信号を前記無線通信部により送信し、前記無線通信部で受信された前記識別子および機器情報を含む応答信号に基づいて、遠隔制御装置が割り当てた前記識別子と制御対象機器から受信した機器情報を関連付けて制御対象情報記憶部に記憶し、前記記憶情報に基づいて、制御対象機器を特定するターゲット検索部と、前記特定された制御対象機器を遠隔制御するための信号であって前記識別子を含む遠隔制御信号を、前記アンテナ部を無指向性アンテナに切り替えた状態で前記無線通信部により送信するターゲット制御部とを備え、前記制御対象機器は、アンテナと、該アンテナに接続された無線通信部と、自装置の機器情報を記憶する機器情報記憶部と、自装置に割り当てられる識別子を記憶する識別子記憶部と、前記遠隔制御装置から送信された前記検索信号が前記無線通信部で受信されたとき、前記検索信号に含まれる前記識別子を前記識別子記憶部に記憶し、前記識別子と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報を含む応答信号を前記無線通信部を通じて前記遠隔制御装置へ送信する検索応答部と、前記遠隔制御装置から送信された前記遠隔制御信号が前記無線通信部で受信されたとき、前記遠隔制御信号に含まれる前記識別子と前記識別子記憶部に記憶された識別子とを比較し、一致したときに前記遠隔制御信号で指示された処理を実行する機能制御部とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の遠隔制御システムは、第1の遠隔制御システムにおいて、前記遠隔制御装置は、前記ターゲット検索部により送信された前記検索信号に対して複数の制御対象機器から前記応答信号が送信されてきた場合に、該複数の制御対象機器のうちの1つの制御対象機器を除く残りのすべての制御対象機器に対し、新たに生成した識別子と前記応答信号に含まれる機器情報とを含む識別子再割当信号を送信して識別子の再割当を行い、それぞれ異なる識別子を割り当てた前記複数の制御対象機器のリストを前記利用者入出力部に表示し、前記利用者入出力部からの入力によって1つの制御対象機器を特定するターゲット分離部を備え、前記制御対象機器は、前記遠隔制御装置から送信された前記識別子再割当信号が前記無線通信部で受信されたとき、前記識別子再割当信号に含まれる前記機器情報と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報とを比較し、一致したときに前記識別子再割当信号に含まれる前記新たな識別子で前記識別子記憶部を更新する識別子書換部を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の第3の遠隔制御システムは、第1の遠隔制御システムにおいて、前記遠隔制御装置は、前記ターゲット検索部により送信された前記検索信号に対して複数の制御対象機器から前記応答信号が送信されてきた場合に、前記応答信号が送信されてきた前記複数の制御対象機器のリストを前記利用者入出力部に表示して前記利用者入出力部からの入力によって1つの制御対象機器を特定し、該特定した制御対象機器に対し、新たに生成した識別子と前記応答信号に含まれる機器情報とを含む識別子再割当信号を送信して識別子の再割当を行うターゲット絞込部を備え、前記制御対象機器は、前記遠隔制御装置から送信された前記識別子再割当信号が前記無線通信部で受信されたとき、前記識別子再割当信号に含まれる前記機器情報と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報とを比較し、一致したときに前記識別子再割当信号に含まれる前記新たな識別子で前記識別子記憶部を更新する識別子書換部を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第4の遠隔制御システムは、第1、第2または第3の遠隔制御システムにおいて、前記アンテナ部は、指向性アンテナと、無指向性アンテナと、前記指向性アンテナおよび前記無指向性アンテナと前記無線通信部との接続を切り替えるアンテナ切替部とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第5の遠隔制御システムは、第1、第2または第3の遠隔制御システムにおいて、前記アンテナ部は、アンテナ特性を指向性アンテナと同等なアンテナ特性と無指向性アンテナと同等なアンテナ特性とに切り替えることができるアレイアンテナと、該アレイアンテナのアンテナ特性を切り替える指向性切替部とを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の第6の遠隔制御システムは、第1、第2または第3の遠隔制御システムにおいて、前記遠隔制御装置から前記制御対象機器への前記無指向性アンテナを使用した遠隔制御信号の送信は無線中継局を経由して行われることを特徴とする。
【0014】
本発明の第1の遠隔制御方法は、指向性アンテナと無指向性アンテナとに切り替えることができるアンテナ部と、該アンテナ部に接続された無線通信部と、利用者入出力部と、制御対象情報記憶部とを備えた遠隔制御装置を使用して、アンテナと、該アンテナに接続された無線通信部と、制御対象情報記憶部と、自装置の機器情報を記憶する機器情報記憶部と、自装置に割り当てられる識別子を記憶する識別子記憶部とを備えた制御対象機器を遠隔操作する方法であって、前記遠隔制御装置のターゲット検索部が、前記利用者入出力部から入力されるターゲット検索指示に応答して、前記アンテナ部を指向性アンテナに切り替えた状態でユニークな識別子を含む検索信号を前記無線通信部により送信するステップ、前記検索信号を受信した前記制御対象機器の検索応答部が、前記検索信号に含まれる前記識別子を前記識別子記憶部に記憶し、前記識別子と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報を含む応答信号を前記無線通信部を通じて前記遠隔制御装置へ送信するステップ、前記遠隔制御装置の前記ターゲット検索部が、前記無線通信部で受信された前記識別子および機器情報を含む応答信号に基づいて、前記制御対象情報記憶部に各制御対象機器ごとの識別子と機器情報を関連付けて記憶し、前記記憶情報に基づいて、制御対象機器を特定するステップ、前記遠隔制御装置のターゲット制御部が、前記特定された制御対象機器を遠隔制御するための信号であって前記識別子を含む遠隔制御信号を、前記アンテナ部を無指向性アンテナに切り替えた状態で前記無線通信部により送信するステップ、前記遠隔制御信号を受信した前記制御対象機器の機能制御部が、前記遠隔制御信号に含まれる前記識別子と前記識別子記憶部に記憶された識別子とを比較し、一致したときに前記遠隔制御信号で指示された処理を実行するステップ、を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の第2の遠隔制御方法は、指向性アンテナと無指向性アンテナとに切り替えることができるアンテナ部と、該アンテナ部に接続された無線通信部と、利用者入出力部とを備えた遠隔制御装置を使用して、アンテナと、該アンテナに接続された無線通信部と、自装置の機器情報を記憶する機器情報記憶部と、自装置に割り当てられる識別子を記憶する識別子記憶部とを備えた制御対象機器を遠隔操作する方法であって、前記遠隔制御装置のターゲット検索部が、前記利用者入出力部から入力されるターゲット検索指示に応答して、前記アンテナ部を指向性アンテナに切り替えた状態でユニークな識別子を含む検索信号を前記無線通信部により送信するステップ、前記検索信号を受信した前記制御対象機器の検索応答部が、前記検索信号に含まれる前記識別子を前記識別子記憶部に記憶し、前記識別子と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報を含む応答信号を前記無線通信部を通じて前記遠隔制御装置へ送信するステップ、前記遠隔制御装置のターゲット分離部が、前記ターゲット検索部により送信された前記検索信号に対して複数の制御対象機器から前記応答信号が送信されてきた場合に、該複数の制御対象機器のうちの1つの制御対象機器を除く残りのすべての制御対象機器に対し、新たに生成した識別子と前記応答信号に含まれる機器情報とを含む識別子再割当信号を送信するステップ、前記識別子再割当信号を受信した前記制御対象機器の識別子書換え部が、前記識別子再割当信号に含まれる前記機器情報と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報とを比較し、一致したときに前記識別子再割当信号に含まれる前記新たな識別子で前記識別子記憶部を更新するステップ、前記遠隔制御装置の前記ターゲット分離部が、それぞれ異なる識別子を割り当てた前記複数の制御対象機器のリストを前記利用者入出力部に表示し、前記利用者入出力部からの入力によって1つの制御対象機器を特定するステップ、前記遠隔制御装置のターゲット制御部が、前記特定された制御対象機器を遠隔制御するための信号であって前記識別子を含む遠隔制御信号を、前記アンテナ部を無指向性アンテナに切り替えた状態で前記無線通信部により送信するステップ、前記遠隔制御信号を受信した前記制御対象機器の機能制御部が、前記遠隔制御信号に含まれる前記識別子と前記識別子記憶部に記憶された識別子とを比較し、一致したときに前記遠隔制御信号で指示された処理を実行するステップ、を含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の第3の遠隔制御方法は、指向性アンテナと無指向性アンテナとに切り替えることができるアンテナ部と、該アンテナ部に接続された無線通信部と、利用者入出力部とを備えた遠隔制御装置を使用して、アンテナと、該アンテナに接続された無線通信部と、自装置の機器情報を記憶する機器情報記憶部と、自装置に割り当てられる識別子を記憶する識別子記憶部とを備えた制御対象機器を遠隔操作する方法であって、前記遠隔制御装置のターゲット検索部が、前記利用者入出力部から入力されるターゲット検索指示に応答して、前記アンテナ部を指向性アンテナに切り替えた状態でユニークな識別子を含む検索信号を前記無線通信部により送信するステップ、前記検索信号を受信した前記制御対象機器の検索応答部が、前記検索信号に含まれる前記識別子を前記識別子記憶部に記憶し、前記識別子と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報を含む応答信号を前記無線通信部を通じて前記遠隔制御装置へ送信するステップ、前記遠隔制御装置のターゲット絞込部が、前記ターゲット検索部により送信された前記検索信号に対して複数の制御対象機器から前記応答信号が送信されてきた場合に、前記応答信号が送信されてきた前記複数の制御対象機器のリストを前記利用者入出力部に表示して前記利用者入出力部からの入力によって1つの制御対象機器を特定し、該特定した制御対象機器に対し、新たに生成した識別子と前記応答信号に含まれる機器情報とを含む識別子再割当信号を送信するステップ、前記識別子再割当信号を受信した前記制御対象機器の識別子書換え部が、前記識別子再割当信号に含まれる前記機器情報と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報とを比較し、一致したときに前記識別子再割当信号に含まれる前記新たな識別子で前記識別子記憶部を更新するステップ、前記遠隔制御装置のターゲット制御部が、前記特定された制御対象機器を遠隔制御するための信号であって前記再割当された識別子を含む遠隔制御信号を、前記アンテナ部を無指向性アンテナに切り替えた状態で前記無線通信部により送信するステップ、前記遠隔制御信号を受信した前記制御対象機器の機能制御部が、前記遠隔制御信号に含まれる前記識別子と前記識別子記憶部に記憶された識別子とを比較し、一致したときに前記遠隔制御信号で指示された処理を実行するステップ、を含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の第1の遠隔制御装置は、指向性アンテナと無指向性アンテナとに切り替えることができるアンテナ部と、該アンテナ部に接続された無線通信部と、利用者入出力部と、制御対象情報記憶部と、前記利用者入出力部から入力されるターゲット検索指示に応答して、前記アンテナ部を指向性アンテナに切り替えた状態でユニークな識別子を含む検索信号を前記無線通信部により制御対象機器へ送信し、前記無線通信部で受信された前記識別子および機器情報を含む応答信号に基づいて、前記制御対象情報記憶部に各制御対象機器ごとの識別子と機器情報を関連付けて記憶し、前記記憶情報に基づいて、制御対象機器を特定するターゲット検索部と、前記特定された制御対象機器を遠隔制御するための信号であって前記識別子を含む遠隔制御信号を、前記アンテナ部を無指向性アンテナに切り替えた状態で前記無線通信部により送信するターゲット制御部とを備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明の第2の遠隔制御装置は、第1の遠隔制御装置において、前記ターゲット検索部により送信された前記検索信号に対して複数の制御対象機器から前記応答信号が送信されてきた場合に、該複数の制御対象機器のうちの1つの制御対象機器を除く残りのすべての制御対象機器に対し、新たに生成した識別子と前記応答信号に含まれる機器情報とを含む識別子再割当信号を送信して識別子の再割当を行い、それぞれ異なる識別子を割り当てた前記複数の制御対象機器のリストを前記利用者入出力部に表示し、前記利用者入出力部からの入力によって1つの制御対象機器を特定するターゲット分離部を備えたことを特徴とする。
【0019】
本発明の第3の遠隔制御装置は、第1の遠隔制御装置において、前記ターゲット検索部により送信された前記検索信号に対して複数の制御対象機器から前記応答信号が送信されてきた場合に、前記応答信号が送信されてきた前記複数の制御対象機器のリストを前記利用者入出力部に表示して前記利用者入出力部からの入力によって1つの制御対象機器を特定し、該特定した制御対象機器に対し、新たに生成した識別子と前記応答信号に含まれる機器情報とを含む識別子再割当信号を送信して識別子の再割当を行うターゲット絞込部を備えたことを特徴とする。
【0020】
本発明の第1の制御対象機器は、アンテナと、該アンテナに接続された無線通信部と、自装置の機器情報を記憶する機器情報記憶部と、自装置に割り当てられる識別子を記憶する識別子記憶部と、遠隔制御装置から送信されたユニークな識別子を含む検索信号が前記無線通信部で受信されたとき、前記検索信号に含まれる前記識別子を前記識別子記憶部に記憶し、前記識別子と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報を含む応答信号を前記無線通信部を通じて前記遠隔制御装置へ送信する検索応答部と、前記遠隔制御装置から送信された前記遠隔制御信号が前記無線通信部で受信されたとき、前記遠隔制御信号に含まれる前記識別子と前記識別子記憶部に記憶された識別子とを比較し、一致したときに前記遠隔制御信号で指示された処理を実行する機能制御部とを備えることを特徴とする。
【0021】
本発明の第2の制御対象機器は、前記遠隔制御装置から送信された再割当識別子と機器情報を含む識別子再割当信号が前記無線通信部で受信されたとき、前記識別子再割当信号に含まれる前記機器情報と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報とを比較し、一致したときに前記識別子再割当信号に含まれる前記再割当識別子で前記識別子記憶部を更新する識別子書換部を備えることを特徴とする。
【0022】
『作用』
本発明にあっては、利用者が遠隔制御装置の入力部からターゲット検索指示を入力すると、アンテナ部が指向性アンテナに切り替えられてユニークな識別子を含む検索信号が無線通信部により外部に送信されるため、指向性アンテナの電波出射方向に存在する制御対象機器ではこの検索信号が容易に受信され、電波出射方向以外に存在する制御対象機器では検索信号の受信が困難になる。検索信号を受信した制御対象機器では、検索信号に含まれる識別子が識別子記憶部に記憶された後、自装置の機器情報を含む応答信号が無線により遠隔制御装置へ送信され、遠隔制御装置では、この応答信号の機器情報に基づいて制御対象機器を特定する。若し、複数の制御対象機器から応答信号が返ってきた場合、その複数の制御対象機器のうち少なくとも利用者が選択した1つの制御対象機器に残りの制御対象機器とは異なるユニークな識別子が割り当てられるように、識別子の再割当が行われる。特定の制御対象機器にユニークな識別子が割り当てられた後、利用者が遠隔制御装置の入力部を操作して何らかの遠隔操作を指示すると、遠隔制御装置から前記識別子を含む遠隔制御信号がアンテナ部を無指向性アンテナに切り替えた状態で無線により送信され、この遠隔制御信号を受信した制御対象機器において、遠隔制御信号に含まれる識別子と自装置の識別子記憶部に記憶された識別子とが一致した場合に限り、遠隔制御信号で指示された処理が実行される。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、複数の制御対象機器に対する遠隔操作を1台の遠隔制御装置で行うことができ、また指向性アンテナにより利用者が指定した方向に存在する制御対象機器を直感的に選択することができ、さらに制御対象機器の選択後は無指向性アンテナにより遠隔制御信号を送信するので、遠隔操作中に遠隔制御装置を制御対象機器の方に向けておく必要がない。
【0024】
また本発明によれば、検索信号を指向性アンテナで送信した後、無指向性アンテナに切り替えて遠隔制御信号の送信を行うため、遠隔制御装置におけるアンテナの切り替え頻度を少なくすることができる。
【0025】
また本発明によれば、遠隔制御装置が制御対象機器を選択する際にユニークな識別子を動的に割り当て、遠隔制御時にはその割り当てた識別子を遠隔制御信号に含めて送信し、遠隔制御信号を受信した制御対象機器では自装置に割り当てられた識別子と遠隔制御信号中の識別子とを比較して、一致した場合に限って遠隔制御信号で指示された処理を実行するため、予期せぬ別の制御対象機器が遠隔制御されてしまう危険性を解消することができる。
【0026】
また本発明によれば、動的に割り当てる識別子は、すべてのメーカのすべての機器を唯一無二に識別可能にする必要がないため、少ないビット数で足りる。このため、遠隔制御信号自体のデータ長をその分短くでき、電波の使用効率および識別子を記憶するためのメモリ使用効率を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
「第1の実施の形態」
図1−1を参照すると、本発明の第1の実施の形態にかかる遠隔制御システムは、遠隔制御装置であるホスト装置1と、制御対象機器である複数のターゲット装置2とを含んで構成される。
【0029】
ホスト装置1は、記憶部101、UID(Unique IDentity)生成部102、利用者入出力部103、情報処理部104、無線通信部105およびアンテナ部106から構成される。また、記憶部101は、ターゲット制御プログラム群記憶部111とその他記憶部112とを備え、利用者入出力部103は入力部121と表示部122とを備え、情報処理部104はターゲット検索部131とターゲット制御部132とを備え、アンテナ部106はアンテナ切替部141と指向性アンテナ142と無指向性アンテナ143とを備えている。
【0030】
指向性アンテナ142は、或る特定方向のアンテナ感度がそれ以外の方向のアンテナ感度に比べて著しく高いアンテナであり、例えば特許文献1に示されるような指向性アンテナやその他各種方式の指向性アンテナを使用することができる。また無指向性アンテナ143は、或る平面における全方向のアンテナ感度が等しいアンテナである。アンテナ切替部141は、情報処理部104から送出されるアンテナ切替信号151が指向性アンテナへの切替を指示する場合、指向性アンテナ142および無指向性アンテナ143のうち指向性アンテナ142を無線通信部105に電気的に接続し、アンテナ切替信号151が無指向性アンテナへの切替を指示する場合は無指向性アンテナ143を無線通信部105に電気的に接続する。無線通信部105は、アンテナ部106を通じてターゲット装置2との間で無線信号の送受信を行う。
【0031】
入力部121はキーボード等の入力装置で構成され、表示部122はLCD等の表示装置で構成される。入力部121と表示部122とで、マンマシンインタフェース(MMI:Man Machine Interface)である利用者入出力部103が構成される。
【0032】
UID生成部102は、ターゲット装置2に対して動的に割り当てるユニークな識別子を生成する。UID生成部102は、例えばカウンタや乱数生成器などで構成される。識別子は、すべてのメーカのすべての機器を唯一無二に識別可能にする必要はなく、ローカルネット内に接続される装置を考慮すればよいため、少ないビット数で良い。
【0033】
記憶部101は、例えばコンピュータの主記憶や外部記憶装置で構成される。記憶部101のターゲット情報記憶部110は、ホスト装置1がターゲット装置2に割り当てたUIDとターゲット装置2から受信した機器情報を関連付けて記憶する。ターゲット制御プログラム群記憶部111は、ターゲット装置2の機器情報に対応してそのターゲット装置2の制御プログラムを予め記憶している。また、その他記憶部112は、情報処理部104で実行されるプログラムやこのプログラムの処理結果などを記憶する。
【0034】
情報処理部104は、例えばコンピュータの中央処理装置で構成される。本実施の形態の場合、情報処理部104は、ホスト装置1の周囲に存在する1以上のターゲット装置2の中から制御対象とするターゲット装置を選択するターゲット検索部131と、このターゲット検索部131で選択されたターゲット装置2を遠隔制御するターゲット制御部132とを備えている。
【0035】
ターゲット検索部131は、利用者入出力部103から入力されるターゲット検索指示に応答して、アンテナ切替信号151によりアンテナ部106を指向性アンテナ142側に切り替え、UID生成部102で生成されたユニークな識別子と検索コマンドを含む検索信号を無線通信部105により1以上のターゲット装置2に送信し、無線通信部105で受信された前記識別子および機器情報を含む応答信号に基づいて、ターゲット情報記憶部110に各ターゲット装置2ごとの識別子と機器情報を関連付けて記憶し、この記憶情報に基づいて、制御対象機器を特定する。
【0036】
ターゲット制御部132は、ターゲット検索部131により制御対象機器として特定されたターゲット装置2を遠隔制御するための制御プログラムを、応答信号に含まれる機器情報を検索キーにしてターゲット制御プログラム群記憶部111から検索して実行することにより、特定されたターゲット装置2のリモートコントロール装置として本ホスト装置1を機能させる。具体的には、ターゲット装置2の操作画面を表示部122に表示し、入力部121の操作によってターゲット装置2に対する遠隔操作が指示されると、ターゲット装置2に割り当てられた識別子を含む遠隔制御信号を、アンテナ部106を無指向性アンテナ143側に切り替えた状態で無線通信部105によりターゲット装置2に送信する。
【0037】
他方、各ターゲット装置2は、アンテナ201、無線通信部202、情報処理部203、機能部204および記憶部205を含んで構成される。また、記憶部205はUID記憶部211と機器情報記憶部212とその他記憶部213とを備え、情報処理部203は検索応答部221と機能制御部222とを備えている。
【0038】
機能部204は、ターゲット装置2本来の機能を実現する部分であり、その構成はターゲット装置2の種類によって相違する。例えば、ターゲット装置2がテレビジョン受像機である場合、機能部204はテレビジョン受像機に必要な一切の機器や機能が含まれる。またターゲット装置2がビデオレコーダである場合、機能部204はビデオレコーダに必要な一切の機器や機能が含まれる。
【0039】
アンテナ201は無指向性のアンテナである。無線通信部202はアンテナ201を通じてホスト装置1との間で無線信号の送受信を行う。
【0040】
記憶部205は、例えばターゲット装置2を構成するコンピュータの主記憶や外部記憶装置で構成される。記憶部205内のUID記憶部211は、ホスト装置1から自装置に割り当てられたユニークな識別子を書き換え可能に保持する。機器情報記憶部212は、自装置の種別を示す機器情報を記憶する。機器情報は、例えば製造メーカコード、機器種別コードおよび機器型番などで構成される。その他記憶部213は、情報処理部203で実行されるプログラムやこのプログラムの処理結果などを記憶する。
【0041】
情報処理部203は、例えばコンピュータの中央処理装置で構成される。本実施の形態の場合、情報処理部203は、ホスト装置1から送信されてくる検索信号を処理する検索応答部221と、ホスト装置1から送信されてくる遠隔制御信号を処理する機能制御部222とを備えている。
【0042】
検索応答部221は、ホスト装置1から受信した検索信号を無線通信部202から受け取り、その検索信号に含まれる識別子をUID記憶部211に記憶し、その記識別子と機器情報記憶部212に記憶された機器情報を含む応答信号を無線通信部202を通じてホスト装置1へ送信する。
【0043】
機能制御部222は、ホスト装置1から受信した遠隔制御信号を無線通信部202から受け取り、その遠隔制御信号に含まれる識別子とUID記憶部211に記憶された識別子とを比較し、一致したときに限って当該遠隔制御信号で指示された処理を機能部204に対して実行する。
【0044】
図1−2にホスト装置1の外観と利用者がホスト装置1を把持している様子を示す。ホスト装置1はターゲット装置2を遠隔制御する際に使用するリモートコントロール装置であるため、図1−2に示されるように持ち運びに便利なように小型かつ軽量に作られている。ホスト装置1の上面の上部には表示部122が、また上面の下部には入力部121がそれぞれ配設され、例えば左手でホスト装置1を持ち、表示部122の表示を見ながら右手で入力操作が行えるようになっている。また、指向性アンテナ142は、ホスト装置1の上面の下部から上部に向かう矢印161の方向のアンテナ感度が他の方向よりも高くなっている。
【0045】
次に、本実施の形態において、利用者がホスト装置1を使用して複数のターゲット装置2の中の1つを選択的に遠隔操作する際の動作を図3を参照して説明する。
【0046】
利用者は、自身の周囲に存在する複数のターゲット装置2のうち、或るターゲット装置Aを遠隔操作する場合、まず、ホスト装置1を図1−2に示したように把持して、矢印161の方向を遠隔操作したいターゲット装置2に向け、入力部121を操作してターゲット装置検索指示を入力する(図2のステップ2004)。
【0047】
ホスト装置1の情報処理部104におけるターゲット検索部131は、入力部121からターゲット装置検索指示が入力されると、UID生成部102を起動してユニークな識別子UID1を1つ生成すると共に、自身で検索コマンドを生成し(ステップ2005)、アンテナ切替信号151を指向性アンテナ142側に切り替え(ステップ2006)、前記生成した識別子UID1と検索コマンドを含むターゲット装置検索信号を無線通信部105を通じて指向性アンテナ142から放射する(ステップ2007)。指向性アンテナ142には指向性があるため、図1−2の矢印161の方向にあるターゲット装置2では感度良く受信されるが、その方向以外に位置するターゲット装置2ではターゲット装置検索信号が受信されないか、受信感度が悪くなる。ターゲット装置検索信号の送信が完了すると、ターゲット検索部131は、アンテナ切替信号151を無指向性アンテナ143側に切り替え(ステップ2008)、ターゲット装置検索信号に対する応答メッセージを待ち合わせる。
【0048】
ターゲット装置検索信号を受信したターゲット装置2では、アンテナ201で受信されたターゲット装置検索信号が無線通信部202を通じて情報処理部203に送られ、検索応答部221に渡される(ステップ2009)。検索応答部221は、ターゲット装置検索信号に含まれる識別子UID1をUID記憶部211に記憶し、機器情報記憶部212から機器情報を読み出し、この読み出した機器情報と識別子UID1とを含む応答メッセージを生成し(ステップ2010)、無線通信部202を通じてホスト装置1へ送信する(ステップ2011)。
【0049】
ターゲット装置2から送信された応答メッセージは、無指向性アンテナ143を通じて無線通信部105で受信され、情報処理部104のターゲット検索部131に渡される。ターゲット検索部131は、受信された応答メッセージに含まれる識別子UID1がターゲット装置検索信号に含めた識別子と一致することを確認し、応答ターゲット装置数を1だけカウントアップする。そして、所定の待ち合わせ時間後、応答ターゲット装置数が1か否かを判定し(ステップ2012)、応答が1つもないか或いは2台以上のターゲット装置が応答した場合、ターゲット検索部131は、例えば「ターゲット装置の選択に失敗しました。希望する1つのターゲット装置だけが選択されるように再操作してください」といったメッセージを表示部122に表示し(ステップ2013)、利用者に再操作を促す。他方、応答ターゲット装置数が1の場合、ターゲット検索部131は、応答メッセージに含まれる機器情報の全部あるいは一部を含むターゲット装置リストを生成し(ステップ2014)、表示部122に表示する(ステップ2015)。利用者はこの表示をみて、所望のターゲット装置が選択されていれば入力部121から了解した旨を入力し(ステップ2016)、所望のターゲット装置以外が選択されていれば再度ステップ2004から操作をやり直す。ターゲット検索部131は、ターゲット装置リストの表示に対して利用者から了解した旨が入力されると、選択されたターゲット装置の機器情報および識別子UID1をターゲット制御部132に伝達する。なお、ステップ2014〜2016は省略しても良い。
【0050】
ターゲット制御部132は、伝達された機器情報を検索キーとして、ターゲット制御プログラム群記憶部111中からターゲット制御プログラムを読み出し、この読み出したターゲット制御プログラムを起動する(ステップ2017)。つまり、ターゲット制御部132でこのターゲット制御プログラムの実行を開始する。これにより、表示部122にターゲット装置の操作画面が表示される(ステップ2018)。例えば、選択されたターゲット装置2がテレビジョン受像機の場合、チャネル選局操作を行うためのソフトキーや音量調整用のソフトキーなどが表示部122に表示され、入力部121の対応するキーの操作によってターゲット装置2に対する遠隔操作が可能になる。
【0051】
利用者が入力部121の操作によってターゲット装置2に対する操作を指示すると(ステップ2019)、ターゲット制御部132は、指示された操作に対応するターゲット制御コマンドを生成し(ステップ2020)、この生成したコマンドおよび識別子UID1を含むターゲット装置操作信号を無線通信部105により無指向性アンテナ143を通じてターゲット装置2へ送信する(ステップ2021)。
【0052】
ターゲット装置操作信号を受信したターゲット装置2では、アンテナ201で受信されたターゲット装置操作信号が無線通信部202を通じて情報処理部203に送られ、機能制御部222に渡される(ステップ2022)。機能制御部222は、ターゲット装置操作信号に含まれる識別子UID1とUID記憶部211に記憶されている識別子とを比較し、一致した場合に限って、ターゲット装置操作信号で指示された操作を機能部204に対して実行する(ステップ2023)。そして、操作完了後、機能制御部222は操作結果と識別子UID1を含む応答メッセージを生成し(ステップ2024)、無線通信部202を通じてホスト装置1へ送信する(ステップ2025)。
【0053】
ホスト装置1のターゲット制御部132は、無線通信部105を通じて応答メッセージを受信すると、それに含まれる識別子UID1が現制御対象機器に割り当てられた識別子と一致していることを確認し、その応答メッセージに含まれる操作結果を表示部122に表示する(ステップ2026)。
【0054】
以上のようにして利用者は、ホスト装置1を使用して複数のターゲット装置2の中の1つを選択的に遠隔操作することができる。
【0055】
次に本実施の形態において使用するターゲット装置検索信号、応答メッセージ信号およびターゲット装置操作信号のフォーマットについて説明する。
【0056】
図3を参照すると、ターゲット装置検索信号のフォーマットの一例は、プリアンブル3001、同期ビット3002、データ長3003、UID3004、データ種別3005、検索コマンド3006、終了ビット3007から構成され、それぞれ予め決められたビット数で構成されている。プリアンブル3001は、データ送信の開始ビットとして働き、同期ビット3002は、送信されたデータを受信する際にタイミングを合わせるためのビットであり、データ長3003は、UID3004、データ種別3005、検索コマンド3006を合計したビット数を示し、UID3004は、ターゲット装置2に対しユニークに割り当てる識別子であり、データ種別3005は、後に続くデータがコマンドあるいはデータであることを示す。検索コマンド3006は、ターゲット装置2に対して存在を確認するコマンドであり、終了ビット3007は、本信号の終了を示す。
【0057】
図4を参照すると、ターゲット装置検索信号に対してターゲット装置が応答する際に使用する応答メッセージ信号のフォーマットの一例は、プリアンブル4001、同期ビット4002、データ長4003、UID4004、データ種別4005、機器情報4006、終了ビット4007から構成され、機器情報4006以外は予め決められたビット数で構成されている。プリアンブル4001、同期ビット4002、データ長4003、UID4004、データ種別4005、終了ビット4007は、図3で説明したものと同様である。機器情報4006には、ターゲット装置2の機器情報記憶部212に記憶された機器情報がセットされる。図4の例では、機器情報4006は、製造社コード40061、機器種別40062、機器型番40063および製造番号40064で構成されている。製造社コード40061はターゲット装置2を製造した会社を判別するためのコードであり、機器種別40062は例えばターゲット装置2がビデオ、テレビといった機器の種類を判別するためのコードであり、機器型番40063はターゲット装置2の型番である。これらは例えばホスト装置1がターゲット制御プログラムをターゲット制御プログラム群記憶部111から階層的に検索するときのキーとなる。製造番号40064は、個々のターゲット装置2に振られたシリアル番号である。なお、機器情報4006は、ホスト装置1がターゲット装置2を操作する上で必要なターゲット制御プログラムを選択できる程度の判別情報があればよいため、場合によっては例えば製造番号40064はなくとも構わない。
【0058】
図5を参照すると、ターゲット装置操作信号のフォーマットの一例は、プリアンブル5001、同期ビット5002、データ長5003、UID5004、データ種別5005、データ5006、終了ビット5007から構成され、データ5006以外は予め決められたビット数で構成されている。プリアンブル5001、同期ビット5002、データ長5003、UID5004、データ種別5005、終了ビット5007は、図3で説明したものと同様である。データ5006は、ターゲット装置2を操作するコマンド50062あるいはターゲット装置2に設定するパラメータ50063と、次に続くデータが操作コマンド50062および設定パラメータ50063の何れであるかを示すターゲットコマンド種別50061とで構成される。操作コマンド50062および設定パラメータ50063には、ホスト装置1で起動されたターゲット制御プログラムが出力した操作コマンドや設定パラメータがセットされる。
【0059】
以上説明したように本実施の形態によれば、複数のターゲット装置2に対する遠隔操作を1台のホスト装置1で行うことができ、また選択したいターゲット装置2に指向性アンテナ142を向けてホスト装置1を操作するといった直感的な操作で複数のターゲット装置2の中から遠隔制御したい機器を選択することができ、さらにターゲット装置2の選択後は無指向性アンテナ143から遠隔制御信号を送信するので、利用者は遠隔操作中にホスト装置1をターゲット装置2の方に向けておく必要がないという効果が得られるのに加え、以下のような効果が得られる。
【0060】
ホスト装置1におけるアンテナの切り替え頻度を少なくできる。その理由は、ターゲット装置検索信号を指向性アンテナで送信した後、無指向性アンテナに切り替えて、ターゲット装置検索信号に対する応答信号の受信とターゲット装置2に対する遠隔制御信号の送信を行うためである。
【0061】
予期せぬ別のターゲット装置2が遠隔制御されてしまう危険性を解消することができる。その理由は、ホスト装置1がターゲット装置2を選択する際にユニークな識別子を動的に割り当て、遠隔制御時には、前記割り当てた識別子を遠隔制御信号に含めてホスト装置1から送信し、遠隔制御信号を受信したターゲット装置2では自装置に割り当てられた識別子と遠隔制御信号中の識別子とを比較し、一致した場合に限って遠隔制御信号で指示された処理を実行するためである。
【0062】
ターゲット装置2に割り当てるユニークな識別子のビット数が少なくて済むため、遠隔制御信号自体のデータ長もその分短くなり、電波の使用効率が改善する。その理由は、動的に割り当てる識別子は、すべてのメーカのすべての機器を唯一無二に識別可能にする必要がないためである。
【0063】
次に本実施の形態の変形例について説明する。
【0064】
本実施の形態では、ホスト装置1は、指向性アンテナ142によりターゲット装置検索信号を送信した後、無指向性アンテナ143に切り替えて、ターゲット装置2からの応答信号を受信するようにしたが、指向性アンテナ142から無指向性アンテナ143への切り替えをターゲット装置2からの応答信号の受信後に行い、ターゲット装置2からの応答信号を指向性アンテナ142で受信するようにしても良い。
【0065】
「第2の実施の形態」
図6を参照すると、本発明の第2の実施の形態にかかる遠隔制御システムは、ホスト装置1の情報処理部104がターゲット分離部133を備え、各ターゲット装置2の情報処理部203がUID書換部223を備え、ホスト装置1による指向性アンテナ142を使用したターゲット装置2の検索時、複数のターゲット装置2から応答信号が返ってきた場合に、それら複数のターゲット装置2にそれぞれ異なるUIDが割り当てられるようにUIDの再割当を行った後、利用者に何れか1つのターゲット装置2を選択させるようにした点で、第1の実施の形態と相違する。
【0066】
ターゲット分離部133は、ターゲット検索部131により送信されたターゲット装置検索信号に対し複数のターゲット装置2から応答信号が返ってきた場合に、ターゲット検索部131から処理を引き継ぎ、まず、応答信号のあった複数のターゲット装置2のうちの1つのターゲット装置2を除く残りのすべてのターゲット装置2に対して順に、UID生成部102で新たに生成したユニークな識別子と前記応答信号に含まれる機器情報とを含む識別子再割当信号を送信して識別子の再割当を行い、次に、それぞれ異なる識別子を割り当てた前記複数のターゲット装置2のリストを表示部122に表示し、入力部121からの入力によって1つのターゲット装置2を利用者に選択させる。ターゲット制御部132は、この選択されたターゲット装置2について第1の実施の形態と同じ処理を実施する。
【0067】
各ターゲット装置2の情報処理部203におけるUID書換部223は、無線通信部202で受信されたホスト装置1からの識別子再割当信号を受け取り、この識別子再割当信号に含まれる機器情報と機器情報記憶部212に記憶された機器情報とを比較し、一致したときに識別子再割当信号に含まれる新たな識別子でUID記憶部211に記憶されている識別子を上書きする。
【0068】
次に、本実施の形態において、利用者がホスト装置1を使用して複数のターゲット装置2の中の1つを選択的に遠隔操作する際の動作を図7を参照して説明する。
【0069】
利用者は、自身の周囲に存在する複数のターゲット装置2のうち、或るターゲット装置2を遠隔操作する場合、まず、ホスト装置1を図1−2に示したように把持して、矢印161の方向を選択したいターゲット装置2に向けて、入力部121を操作してターゲット装置検索指示を入力する(図7のステップ7005)。
【0070】
ホスト装置1の情報処理部104におけるターゲット検索部131は、入力部121からターゲット装置検索指示が入力されると、UID生成部102を起動してユニークな識別子UID1を1つ生成すると共に、自身で検索コマンドを生成し(ステップ7006)、アンテナ切替信号151を指向性アンテナ142側に切り替え(ステップ7007)、前記生成した識別子UID1と検索コマンドを含むターゲット装置検索信号を無線通信部105を通じて指向性アンテナ142から放射する(ステップ7009)。指向性アンテナ142には指向性があるため、図1−2の矢印161の方向にあるターゲット装置2では感度良く受信されるが、その方向以外に位置するターゲット装置2ではターゲット装置検索信号が受信されないか、受信感度が悪くなる。今の場合、ターゲット装置Aとターゲット装置Bの2つのターゲット装置2が矢印161の方向に存在しており、これら2つのターゲット装置2でターゲット装置検索信号が受信されたものとする。
【0071】
ターゲット装置検索信号の送信が完了すると、ターゲット検索部131は、アンテナ切替信号151を無指向性アンテナ143側に切り替え(ステップ7010)、ターゲット装置検索信号に対する応答メッセージを待ち合わせる。
【0072】
ターゲット装置検索信号を受信したターゲット装置Aでは、アンテナ201で受信されたターゲット装置検索信号が無線通信部202を通じて情報処理部203に送られ、検索応答部221に渡される(ステップ7011)。検索応答部221は、ターゲット装置検索信号に含まれる識別子UID1をUID記憶部211に記憶し、機器情報記憶部212から機器情報を読み出し、この読み出した機器情報と識別子UID1とを含む応答メッセージを生成し(ステップ7012)、無線通信部202を通じてホスト装置1へ送信する(ステップ7015)。また、ターゲット装置検索信号を受信したターゲット装置Bにおいてもターゲット装置Aと同様に、アンテナ201で受信されたターゲット装置検索信号が無線通信部202を通じて情報処理部203の検索応答部221に渡され(ステップ7013)、検索応答部221は、ターゲット装置検索信号に含まれる識別子UID1をUID記憶部211に記憶し、機器情報記憶部212から機器情報を読み出し、この読み出した機器情報と識別子UID1とを含む応答メッセージを生成し(ステップ7014)、無線通信部202を通じてホスト装置1へ送信する(ステップ7016)。
【0073】
ターゲット装置Aから送信された応答メッセージは、無指向性アンテナ143を通じて無線通信部105で受信され、情報処理部104のターゲット検索部131に渡される。ターゲット検索部131は、受信された応答メッセージに含まれる識別子UID1がターゲット装置検索信号に含めた識別子と一致することを確認し、応答ターゲット装置数を1だけカウントアップする。同様にターゲット装置Bから送信された応答メッセージは、無指向性アンテナ143を通じて無線通信部105で受信され、情報処理部104のターゲット検索部131に渡される。ターゲット検索部131は、受信された応答メッセージに含まれる識別子UID1がターゲット装置検索信号に含めた識別子と一致することを確認し、応答ターゲット装置数を1だけカウントアップする。今の場合、最終的に応答ターゲット装置数は2になる。このため、ターゲット検索部131は受信した応答メッセージをターゲット分離部133に渡して処理を依頼する。
【0074】
ターゲット分離部133は、ターゲット検索部131から処理を引き継ぐと、ターゲット装置A、Bのうちの1つ、例えばターゲット装置Aを除く残りのターゲット装置Bについてユニークな識別子の再割当を行う。すなわち、ターゲット分離部133は、UID生成部102により新たな識別子UID2を生成すると共に、自ら再検索コマンドを生成し(ステップ7017)、前記生成した識別子UID2とターゲット装置Bの機器情報と再検索コマンドを含む識別子再割当信号を無線通信部105を通じて無指向性アンテナ143から放射する(ステップ7018)。
【0075】
識別子再割当信号を受信したターゲット装置Bでは、アンテナ201で受信された識別子再割当信号が無線通信部202を通じて情報処理部203に送られ、UID書換部223に渡される(ステップ7019)。UID書換部223は、識別子再割当信号に含まれる機器情報と機器情報記憶部212に記憶されている自装置の機器情報とが一致するので、識別子再割当信号に含まれるUID2でUID記憶部211を更新する(ステップ7020)。そして、再割当されたUID2と自装置の機器情報を含む応答メッセージを生成し(ステップ7021)、無線通信部202を通じてホスト装置1へ送信する(ステップ7022)。他方、識別子再割当信号を受信したターゲット装置Aでは、アンテナ201で受信された識別子再割当信号が無線通信部202を通じて情報処理部203のUID書換部223に渡され(ステップ7022)、UID書換部223により識別子再割当信号に含まれる機器情報と機器情報記憶部212に記憶されている自装置の機器情報との不一致が検出されて、識別子再割当信号が破棄される(ステップ7023)。この結果、ターゲット装置AにはUID1が割当られたままになり、ターゲット装置BにはUID1に代わってUID2が再割当されたことになる。
【0076】
続いてターゲット分離部133は、応答メッセージに含まれる機器情報の全部あるいは一部を含むターゲット装置リストを生成し(ステップ7025)、表示部122に表示する(ステップ7026)。利用者は入力部121の操作によって、リスト中から今回操作したい1つのターゲット装置2を選択する(ステップ7027)。今の場合、利用者はターゲット装置Bを選択したものとする。ターゲット検索部131は、ターゲット装置リストからターゲット装置Bが選択されると、選択されたターゲット装置の機器情報および識別子UID2をターゲット制御部132に伝達する。
【0077】
ターゲット制御部132は、伝達された機器情報を検索キーとして、ターゲット制御プログラム群記憶部111中からターゲット制御プログラムを読み出し、この読み出したターゲット制御プログラムを起動する(ステップ7028)。これにより、表示部122にターゲット装置Bの操作画面が表示される(ステップ7029)。この後、利用者が入力部121の操作によってターゲット装置Bに対する操作を指示すると(ステップ7030)、ターゲット制御部132は、指示された操作に対応するターゲット制御コマンドを生成し(ステップ7031)、この生成したコマンドおよび識別子UID2を含むターゲット装置操作信号を無線通信部105により無指向性アンテナ143を通じてターゲット装置2へ送信する(ステップ7032)。
【0078】
ターゲット装置操作信号を受信したターゲット装置Bでは、アンテナ201で受信されたターゲット装置操作信号が無線通信部202を通じて情報処理部203に送られ、機能制御部222に渡される(ステップ7033)。機能制御部222は、ターゲット装置操作信号に含まれる識別子UID2とUID記憶部211に記憶されている識別子UID2とが一致するので、ターゲット装置操作信号で指示された操作を機能部204に対して実行する(ステップ7034)。そして、操作完了後、機能制御部222は操作結果と識別子UID2を含む応答メッセージを生成し(ステップ7035)、無線通信部202を通じてホスト装置1へ送信する(ステップ7036)。
【0079】
ホスト装置1のターゲット制御部132は、無線通信部105を通じて応答メッセージを受信すると、それに含まれる識別子UID2が現制御対象機器に割り当てられた識別子と一致していることを確認し、その応答メッセージに含まれる操作結果を表示部122に表示する(ステップ7037)。
【0080】
図7には示されていないが、入力部121を操作して表示部122にターゲット装置リストを再表示し、ターゲット装置Aを選択すれば、ステップ7028以降の処理と同様な処理がターゲット装置Aについて実行される。これにより、ターゲット装置Aに対する遠隔操作も可能となる。
【0081】
以上のようにして利用者は、ホスト装置1を使用して複数のターゲット装置2の中の1つを選択的に遠隔操作することができる。
【0082】
以上の動作説明では、ホスト装置1の指向性アンテナ142から送信したターゲット装置検索信号に対して2つのターゲット装置2が応答した場合を例にしたが、3つ以上のターゲット装置2が応答した場合には、1つ目のターゲット装置2には最初に割り当てたUID1をそのまま割り当てておき、2つ目のターゲット装置2にはUID2を、3つ目のターゲット装置2にはUID3をそれぞれ割り当てる。つまり、n個のターゲット装置が応答した場合、n−1個のターゲット装置に対してUIDの再割当を行う。
【0083】
次に本実施の形態において使用する識別子再割当信号のフォーマットについて説明する。
【0084】
図8を参照すると、識別子再割当信号のフォーマットの一例は、プリアンブル8001、同期ビット8002、データ長8003、UID8004、データ種別8005、再検索コマンド8006、終了ビット8007から構成され、再検索コマンド8006以外は予め決められたビット数で構成されている。プリアンブル8001、同期ビット8002、データ長8003、UID8004、データ種別8005、終了ビット8007は、図3で説明したものと同様である。再検索コマンド8006には、再割当する新たなUID80061および機器情報80062が設定される。
【0085】
以上説明したように本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られると共に、指向性アンテナ142で送信したターゲット装置検索信号に対して複数のターゲット装置2が応答する場合であっても、その中の所望の1つのターゲット装置を利用者が選択して遠隔操作することができる効果がある。
【0086】
次に本実施の形態の変形例について説明する。
【0087】
本実施の形態では、ホスト装置1は、指向性アンテナ142によりターゲット装置検索信号を送信した後、無指向性アンテナ143に切り替えて、ターゲット装置からの応答信号を受信するようにしたが、指向性アンテナ142から無指向性アンテナ143への切り替えを識別子再割当信号に対するターゲット装置からの応答信号の受信後に行い、ターゲット装置からの応答信号を指向性アンテナ142で受信するようにしても良い。
【0088】
「第3の実施の形態」
図9を参照すると、本発明の第3の実施の形態にかかる遠隔制御システムは、ホスト装置1の情報処理部104がターゲット分離部133の代わりにターゲット絞込部134を備えている点で、図6に示した第2の実施の形態と相違する。
【0089】
ターゲット絞込部134は、ターゲット検索部131により送信されたターゲット装置検索信号に対し複数のターゲット装置2から応答信号が返ってきた場合に、ターゲット検索部131から処理を引き継ぎ、まず、応答信号を送信してきた複数のターゲット装置2のリストを表示部122に表示して入力部121からの入力によって利用者に1つのターゲット装置2を選択させ、次に、この選択されたターゲット装置2に対し、UID生成部102で新たに生成したユニークな識別子と前記応答信号に含まれる機器情報とを含む識別子再割当信号を送信して識別子の再割当を行う。ターゲット制御部132は、この選択されたターゲット装置2について前述した処理を実施する。
【0090】
次に、本実施の形態において、利用者がホスト装置1を使用して複数のターゲット装置2の中の1つを選択的に遠隔操作する際の動作を図10を参照して説明する。
【0091】
利用者が入力部121を操作してターゲット装置検索指示を入力してから、複数のターゲット装置A、Bから応答信号が返ってくるまでの動作は、図10に示した第2の実施の形態と同じである(ステップ7005〜7016)。本実施の形態の場合、以下で説明するように、図10のステップ7025〜7027の動作が図10のステップ7017〜7024の動作の前に実行される。
【0092】
ターゲット絞込部134は、ターゲット検索部131から処理を引き継ぐと、応答メッセージに含まれる機器情報の全部あるいは一部を含むターゲット装置リストを生成し(ステップ7025)、表示部122に表示する(ステップ7026)。利用者は入力部121の操作によって、リスト中から今回操作したい1つのターゲット装置2を選択する(ステップ7027)。今の場合、利用者はターゲット装置Bを選択したものとする。
【0093】
ターゲット絞込部134は、利用者によってターゲット装置Bが選択されると、選択されたターゲット装置Bについてユニークな識別子の再割当を行う。すなわち、ターゲット絞込部134は、UID生成部102により新たな識別子UID2を生成すると共に、自ら再検索コマンドを生成し(ステップ7017)、前記生成した識別子UID2とターゲット装置Bの機器情報と再検索コマンドを含む識別子再割当信号を無線通信部105を通じて無指向性アンテナ143から放射する(ステップ7018)。
【0094】
識別子再割当信号を受信したターゲット装置Bでは、アンテナ201で受信された識別子再割当信号が無線通信部202を通じて情報処理部203に送られ、UID書換部223に渡される(ステップ7019)。UID書換部223は、識別子再割当信号に含まれる機器情報と機器情報記憶部212に記憶されている自装置の機器情報とが一致するので、識別子再割当信号に含まれるUID2でUID記憶部211を更新する(ステップ7020)。そして、再割当されたUID2と自装置の機器情報を含む応答メッセージを生成し(ステップ7021)、無線通信部202を通じてホスト装置1へ送信する(ステップ7022)。他方、識別子再割当信号を受信したターゲット装置Aでは、アンテナ201で受信された識別子再割当信号が無線通信部202を通じて情報処理部203のUID書換部223に渡され(ステップ7022)、UID書換部223により識別子再割当信号に含まれる機器情報と機器情報記憶部212に記憶されている自装置の機器情報との不一致が検出されて、識別子再割当信号が破棄される(ステップ7023)。この結果、ターゲット装置AにはUID1が割当られたままになり、ターゲット装置BにはUID1に代わってUID2が再割当されたことになる。この後、ターゲット絞込部134は、再割当したターゲット装置BのUID2と機器情報をターゲット制御部132に伝達する。以降、ターゲット制御部132において、第2の実施の形態と同様の動作が行われる(ステップ7028〜7037)。
【0095】
以上のようにして利用者は、ホスト装置1を使用して複数のターゲット装置2の中の1つを選択的に遠隔操作することができる。
【0096】
以上の動作説明では、ホスト装置1の指向性アンテナ142から送信したターゲット装置検索信号に対して2つのターゲット装置2が応答した場合を例にしたが、3つ以上のターゲット装置2が応答した場合も動作は同じであり、利用者によって選択された1つのターゲット装置2に対してUIDの再割当が行われる。
【0097】
以上説明したように本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られると共に、指向性アンテナ142で送信したターゲット装置検索信号に対して複数のターゲット装置2が応答する場合であっても、その中の所望の1つのターゲット装置を利用者が選択して遠隔操作することができる効果がある。
【0098】
次に本実施の形態の変形例について説明する。
【0099】
本実施の形態では、ホスト装置1は、指向性アンテナ142によりターゲット装置検索信号を送信した後、無指向性アンテナ143に切り替えて、ターゲット装置からの応答信号を受信するようにしたが、指向性アンテナ142から無指向性アンテナ143への切り替えを識別子再割当信号に対するターゲット装置からの応答信号の受信後に行い、ターゲット装置からの応答信号を指向性アンテナ142で受信するようにしても良い。
【0100】
「第4の実施の形態」
図11を参照すると、本発明の第4の実施の形態にかかる遠隔制御システムは、第1、第2または第3の実施の形態にかかる遠隔制御システムのホスト装置1に備わるアンテナ部106に代えて、アンテナ部106Aを備える点で相違する。
【0101】
アンテナ部106Aは、アレイアンテナ144と指向性切替部141Aとで構成される。アレイアンテナ144は、複数のアンテナ素子で構成されており、各アンテナ素子の特性を変化させることで、アンテナ特性を、指向性アンテナ142と同様な特性に切り替えることができ、また無指向性アンテナ143と同様な特性に切り替えることができる。指向性切替部141は、情報処理部104から送出されるアンテナ切替信号151に従って、アレイアンテナ144のアンテナ特性を指向性アンテナの特性または無指向性アンテナの特性に切り替える。
【0102】
「第5の実施の形態」
図12を参照すると、本発明の第5の実施の形態にかかる遠隔制御システムは、ホスト装置1からターゲット装置2への無指向性アンテナ143を使用した遠隔制御信号の送信が、無線中継局である無線LANアクセスポイント3を経由して行われる点で、第1、第2または第3の実施の形態にかかる遠隔制御システムと相違する。
【0103】
本実施の形態においては、ターゲット装置2の無線通信部202Aは、無線LANのアドホックモードおよびインフラモード(アクセスポイント帰属モード)の同時通信が可能になっている。また、ホスト装置1の無線通信部105Aは、無線LANのアドホックモードとインフラモードを備え、情報処理部104に通信モード切替部135が設けられている。通信モード切替部135は、無線通信部105Aを無線LANのアドホックモードとインフラモードに切り替える機能を備える。具体的には、ターゲット装置指定終了後からターゲット装置の操作状態に移行する間にアンテナ切替信号151によりアンテナ切替部141により無指向性アンテナ143へ切り替えるタイミングで、通信モード切替部135により無線通信部105Aをアドホックモードからインフラモードに切り替える。つまり、ホスト装置1は、ターゲット装置2を選択する際は無線LANの通信モードをアドホックモードに設定および指向性アンテナ142を選択し、ターゲット装置2を操作する際は無線LANの通信モードをインフラモードに設定および無指向性アンテナ143を選択する機能を備える。
【0104】
またターゲット装置2は、その表示部2Aがターゲット装置本体と分離して別の場所に設置されており、無線LANアクセスポイント3を経由してターゲット装置2の本体から表示部2Aへ表示信号を送信することで、表示を行う構成となっている。例えば、ターゲット装置2がテレビジョン受像機の場合、ターゲット装置本体はチューナなどが内蔵された装置に相当し、表示部2Aは表示パネルに相当する。このようなターゲット装置2の場合、利用者は操作するターゲット装置の指定を指向性アンテナ142によりターゲット機器本体と相対して行うが、その後、利用者がターゲット装置の表示部2Aが存在する場所に移動した状態で、無指向性アンテナ143を利用し、無線LANアクセスポイント3を通してターゲット装置2を遠隔操作することができる。
【0105】
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明は以上の例に限定されず、その他各種の付加変更が可能である。また、本発明の遠隔制御装置を構成するホスト装置1が備えるUID生成部、ターゲット検索部、ターゲット制御部、ターゲット分離部、ターゲット絞込部、通信モード切替部、無線通信部、アンテナ切替部、指向性切替部などの機能部はハードウェア的に実現できることは勿論、コンピュータとホストプログラムとで実現することができる。ホストプログラムは、磁気ディスクや半導体メモリ等のコンピュータ可読記録媒体に記録されて提供され、コンピュータの立ち上げ時などにコンピュータに読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータを前述した各機能部として機能させる。同様に、本発明の遠隔制御機器を構成するターゲット装置2が備える検索応答部、機能制御部、UID書換部、無線通信部などの機能部はハードウェア的に実現できることは勿論、コンピュータとターゲットプログラムとで実現することができる。ターゲットプログラムは、磁気ディスクや半導体メモリ等のコンピュータ可読記録媒体に記録されて提供され、コンピュータの立ち上げ時などにコンピュータに読み取られ、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータを前述した各機能部として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1−1】本発明の第1の実施の形態のブロック図である。
【図1−2】ホスト装置の外観と利用者がホスト装置を把持している様子を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の動作シーケンスを示す図である。
【図3】ターゲット装置検索信号のフォーマット例を示す図である。
【図4】応答メッセージ信号のフォーマット例を示す図である。
【図5】ターゲット装置操作信号のフォーマット例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態のブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の動作シーケンスを示す図である。
【図8】識別子再割当信号のフォーマット例を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態のブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態の動作シーケンスを示す図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態の要部ブロック図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態の要部ブロック図である。
【符号の説明】
【0107】
1…ホスト装置
2…ターゲット装置
101…記憶部
102…UID生成部
103…利用者入出力部
104…情報処理部
105…無線通信部
106…アンテナ部
110…ターゲット情報記憶部
111…ターゲット制御プログラム群記憶部
112…その他記憶部
121…入力部
122…表示部
131…ターゲット検索部
132…ターゲット制御部
133…ターゲット分離部
134…ターゲット絞込部
141…アンテナ切替部
142…指向性アンテナ
143…無指向性アンテナ
151…アンテナ切替信号
201…アンテナ
202…無線通信部
203…情報処理部
204…機能部
205…記憶部
211…UID記憶部
212…機器情報記憶部
213…その他記憶部
221…検索応答部
222…機能制御部
223…UID書換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔制御装置と1以上の制御対象機器とで構成され、
前記遠隔制御装置は、指向性アンテナと無指向性アンテナとに切り替えることができるアンテナ部と、該アンテナ部に接続された無線通信部と、利用者入出力部と、前記利用者入出力部から入力されるターゲット検索指示に応答して、前記アンテナ部を指向性アンテナに切り替えた状態でユニークな識別子を含む検索信号を前記無線通信部により送信し、前記無線通信部で受信された前記識別子および機器情報を含む応答信号に基づいて制御対象機器を特定するターゲット検索部と、前記特定された制御対象機器を遠隔制御するための信号であって前記識別子を含む遠隔制御信号を、前記アンテナ部を無指向性アンテナに切り替えた状態で前記無線通信部により送信するターゲット制御部とを備え、
前記制御対象機器は、アンテナと、該アンテナに接続された無線通信部と、自装置の機器情報を記憶する機器情報記憶部と、自装置に割り当てられる識別子を記憶する識別子記憶部と、前記遠隔制御装置から送信された前記検索信号が前記無線通信部で受信されたとき、前記検索信号に含まれる前記識別子を前記識別子記憶部に記憶し、前記識別子と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報を含む応答信号を前記無線通信部を通じて前記遠隔制御装置へ送信する検索応答部と、前記遠隔制御装置から送信された前記遠隔制御信号が前記無線通信部で受信されたとき、前記遠隔制御信号に含まれる前記識別子と前記識別子記憶部に記憶された識別子とを比較し、一致したときに前記遠隔制御信号で指示された処理を実行する機能制御部とを備えることを特徴とする遠隔制御システム。
【請求項2】
前記遠隔制御装置は、前記ターゲット検索部により送信された前記検索信号に対して複数の制御対象機器から前記応答信号が送信されてきた場合に、該複数の制御対象機器のうちの1つの制御対象機器を除く残りのすべての制御対象機器に対し、新たに生成した識別子と前記応答信号に含まれる機器情報とを含む識別子再割当信号を送信して識別子の再割当を行い、それぞれ異なる識別子を割り当てた前記複数の制御対象機器のリストを前記利用者入出力部に表示し、前記利用者入出力部からの入力によって1つの制御対象機器を特定するターゲット分離部を備え、
前記制御対象機器は、前記遠隔制御装置から送信された前記識別子再割当信号が前記無線通信部で受信されたとき、前記識別子再割当信号に含まれる前記機器情報と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報とを比較し、一致したときに前記識別子再割当信号に含まれる前記新たな識別子で前記識別子記憶部を更新する識別子書換部を備えることを特徴とする請求項1記載の遠隔制御システム。
【請求項3】
前記遠隔制御装置は、前記ターゲット検索部により送信された前記検索信号に対して複数の制御対象機器から前記応答信号が送信されてきた場合に、前記応答信号が送信されてきた前記複数の制御対象機器のリストを前記利用者入出力部に表示して前記利用者入出力部からの入力によって1つの制御対象機器を特定し、該特定した制御対象機器に対し、新たに生成した識別子と前記応答信号に含まれる機器情報とを含む識別子再割当信号を送信して識別子の再割当を行うターゲット絞込部を備え、
前記制御対象機器は、前記遠隔制御装置から送信された前記識別子再割当信号が前記無線通信部で受信されたとき、前記識別子再割当信号に含まれる前記機器情報と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報とを比較し、一致したときに前記識別子再割当信号に含まれる前記新たな識別子で前記識別子記憶部を更新する識別子書換部を備えることを特徴とする請求項1記載の遠隔制御システム。
【請求項4】
前記アンテナ部は、指向性アンテナと、無指向性アンテナと、前記指向性アンテナおよび前記無指向性アンテナと前記無線通信部との接続を切り替えるアンテナ切替部とを備えることを特徴とする請求項1、2または3記載の遠隔制御システム。
【請求項5】
前記アンテナ部は、アンテナ特性を指向性アンテナと同等なアンテナ特性と無指向性アンテナと同等なアンテナ特性とに切り替えることができるアレイアンテナと、該アレイアンテナのアンテナ特性を切り替える指向性切替部とを備えることを特徴とする請求項1、2または3記載の遠隔制御システム。
【請求項6】
前記遠隔制御装置から前記制御対象機器への前記無指向性アンテナを使用した遠隔制御信号の送信は無線中継局を経由して行われることを特徴とする請求項1、2または3記載の遠隔制御システム。
【請求項7】
指向性アンテナと無指向性アンテナとに切り替えることができるアンテナ部と、該アンテナ部に接続された無線通信部と、利用者入出力部とを備えた遠隔制御装置を使用して、アンテナと、該アンテナに接続された無線通信部と、自装置の機器情報を記憶する機器情報記憶部と、自装置に割り当てられる識別子を記憶する識別子記憶部とを備えた制御対象機器を遠隔操作する方法であって、
前記遠隔制御装置のターゲット検索部が、前記利用者入出力部から入力されるターゲット検索指示に応答して、前記アンテナ部を指向性アンテナに切り替えた状態でユニークな識別子を含む検索信号を前記無線通信部により送信するステップ、
前記検索信号を受信した前記制御対象機器の検索応答部が、前記検索信号に含まれる前記識別子を前記識別子記憶部に記憶し、前記識別子と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報を含む応答信号を前記無線通信部を通じて前記遠隔制御装置へ送信するステップ、
前記遠隔制御装置の前記ターゲット検索部が、前記無線通信部で受信された前記識別子および機器情報を含む応答信号に基づいて制御対象機器を特定するステップ、
前記遠隔制御装置のターゲット制御部が、前記特定された制御対象機器を遠隔制御するための信号であって前記識別子を含む遠隔制御信号を、前記アンテナ部を無指向性アンテナに切り替えた状態で前記無線通信部により送信するステップ、
前記遠隔制御信号を受信した前記制御対象機器の機能制御部が、前記遠隔制御信号に含まれる前記識別子と前記識別子記憶部に記憶された識別子とを比較し、一致したときに前記遠隔制御信号で指示された処理を実行するステップ、
を含むことを特徴とする遠隔制御方法。
【請求項8】
指向性アンテナと無指向性アンテナとに切り替えることができるアンテナ部と、該アンテナ部に接続された無線通信部と、利用者入出力部とを備えた遠隔制御装置を使用して、アンテナと、該アンテナに接続された無線通信部と、自装置の機器情報を記憶する機器情報記憶部と、自装置に割り当てられる識別子を記憶する識別子記憶部とを備えた制御対象機器を遠隔操作する方法であって、
前記遠隔制御装置のターゲット検索部が、前記利用者入出力部から入力されるターゲット検索指示に応答して、前記アンテナ部を指向性アンテナに切り替えた状態でユニークな識別子を含む検索信号を前記無線通信部により送信するステップ、
前記検索信号を受信した前記制御対象機器の検索応答部が、前記検索信号に含まれる前記識別子を前記識別子記憶部に記憶し、前記識別子と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報を含む応答信号を前記無線通信部を通じて前記遠隔制御装置へ送信するステップ、
前記遠隔制御装置のターゲット分離部が、前記ターゲット検索部により送信された前記検索信号に対して複数の制御対象機器から前記応答信号が送信されてきた場合に、該複数の制御対象機器のうちの1つの制御対象機器を除く残りのすべての制御対象機器に対し、新たに生成した識別子と前記応答信号に含まれる機器情報とを含む識別子再割当信号を送信するステップ、
前記識別子再割当信号を受信した前記制御対象機器の識別子書換え部が、前記識別子再割当信号に含まれる前記機器情報と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報とを比較し、一致したときに前記識別子再割当信号に含まれる前記新たな識別子で前記識別子記憶部を更新するステップ、
前記遠隔制御装置の前記ターゲット分離部が、それぞれ異なる識別子を割り当てた前記複数の制御対象機器のリストを前記利用者入出力部に表示し、前記利用者入出力部からの入力によって1つの制御対象機器を特定するステップ、
前記遠隔制御装置のターゲット制御部が、前記特定された制御対象機器を遠隔制御するための信号であって前記識別子を含む遠隔制御信号を、前記アンテナ部を無指向性アンテナに切り替えた状態で前記無線通信部により送信するステップ、
前記遠隔制御信号を受信した前記制御対象機器の機能制御部が、前記遠隔制御信号に含まれる前記識別子と前記識別子記憶部に記憶された識別子とを比較し、一致したときに前記遠隔制御信号で指示された処理を実行するステップ、
を含むことを特徴とする遠隔制御方法。
【請求項9】
指向性アンテナと無指向性アンテナとに切り替えることができるアンテナ部と、該アンテナ部に接続された無線通信部と、利用者入出力部とを備えた遠隔制御装置を使用して、アンテナと、該アンテナに接続された無線通信部と、自装置の機器情報を記憶する機器情報記憶部と、自装置に割り当てられる識別子を記憶する識別子記憶部とを備えた制御対象機器を遠隔操作する方法であって、
前記遠隔制御装置のターゲット検索部が、前記利用者入出力部から入力されるターゲット検索指示に応答して、前記アンテナ部を指向性アンテナに切り替えた状態でユニークな識別子を含む検索信号を前記無線通信部により送信するステップ、
前記検索信号を受信した前記制御対象機器の検索応答部が、前記検索信号に含まれる前記識別子を前記識別子記憶部に記憶し、前記識別子と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報を含む応答信号を前記無線通信部を通じて前記遠隔制御装置へ送信するステップ、
前記遠隔制御装置のターゲット絞込部が、前記ターゲット検索部により送信された前記検索信号に対して複数の制御対象機器から前記応答信号が送信されてきた場合に、前記応答信号が送信されてきた前記複数の制御対象機器のリストを前記利用者入出力部に表示して前記利用者入出力部からの入力によって1つの制御対象機器を特定し、該特定した制御対象機器に対し、新たに生成した識別子と前記応答信号に含まれる機器情報とを含む識別子再割当信号を送信するステップ、
前記識別子再割当信号を受信した前記制御対象機器の識別子書換え部が、前記識別子再割当信号に含まれる前記機器情報と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報とを比較し、一致したときに前記識別子再割当信号に含まれる前記新たな識別子で前記識別子記憶部を更新するステップ、
前記遠隔制御装置のターゲット制御部が、前記特定された制御対象機器を遠隔制御するための信号であって前記再割当された識別子を含む遠隔制御信号を、前記アンテナ部を無指向性アンテナに切り替えた状態で前記無線通信部により送信するステップ、
前記遠隔制御信号を受信した前記制御対象機器の機能制御部が、前記遠隔制御信号に含まれる前記識別子と前記識別子記憶部に記憶された識別子とを比較し、一致したときに前記遠隔制御信号で指示された処理を実行するステップ、
を含むことを特徴とする遠隔制御方法。
【請求項10】
指向性アンテナと無指向性アンテナとに切り替えることができるアンテナ部と、該アンテナ部に接続された無線通信部と、利用者入出力部と、前記利用者入出力部から入力されるターゲット検索指示に応答して、前記アンテナ部を指向性アンテナに切り替えた状態でユニークな識別子を含む検索信号を前記無線通信部により制御対象機器へ送信し、前記無線通信部で受信された前記識別子および機器情報を含む応答信号に基づいて制御対象機器を特定するターゲット検索部と、前記特定された制御対象機器を遠隔制御するための信号であって前記識別子を含む遠隔制御信号を、前記アンテナ部を無指向性アンテナに切り替えた状態で前記無線通信部により送信するターゲット制御部とを備えたことを特徴とする遠隔制御装置。
【請求項11】
前記ターゲット検索部により送信された前記検索信号に対して複数の制御対象機器から前記応答信号が送信されてきた場合に、該複数の制御対象機器のうちの1つの制御対象機器を除く残りのすべての制御対象機器に対し、新たに生成した識別子と前記応答信号に含まれる機器情報とを含む識別子再割当信号を送信して識別子の再割当を行い、それぞれ異なる識別子を割り当てた前記複数の制御対象機器のリストを前記利用者入出力部に表示し、前記利用者入出力部からの入力によって1つの制御対象機器を特定するターゲット分離部を備えたことを特徴とする請求項10記載の遠隔制御装置。
【請求項12】
前記ターゲット検索部により送信された前記検索信号に対して複数の制御対象機器から前記応答信号が送信されてきた場合に、前記応答信号が送信されてきた前記複数の制御対象機器のリストを前記利用者入出力部に表示して前記利用者入出力部からの入力によって1つの制御対象機器を特定し、該特定した制御対象機器に対し、新たに生成した識別子と前記応答信号に含まれる機器情報とを含む識別子再割当信号を送信して識別子の再割当を行うターゲット絞込部を備えたことを特徴とする請求項10記載の遠隔制御装置。
【請求項13】
アンテナと、該アンテナに接続された無線通信部と、自装置の機器情報を記憶する機器情報記憶部と、自装置に割り当てられる識別子を記憶する識別子記憶部と、遠隔制御装置から送信されたユニークな識別子を含む検索信号が前記無線通信部で受信されたとき、前記検索信号に含まれる前記識別子を前記識別子記憶部に記憶し、前記識別子と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報を含む応答信号を前記無線通信部を通じて前記遠隔制御装置へ送信する検索応答部と、前記遠隔制御装置から送信された前記遠隔制御信号が前記無線通信部で受信されたとき、前記遠隔制御信号に含まれる前記識別子と前記識別子記憶部に記憶された識別子とを比較し、一致したときに前記遠隔制御信号で指示された処理を実行する機能制御部とを備えることを特徴とする制御対象機器。
【請求項14】
前記遠隔制御装置から送信された再割当識別子と機器情報を含む識別子再割当信号が前記無線通信部で受信されたとき、前記識別子再割当信号に含まれる前記機器情報と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報とを比較し、一致したときに前記識別子再割当信号に含まれる前記再割当識別子で前記識別子記憶部を更新する識別子書換部を備えることを特徴とする請求項13記載の制御対象機器。
【請求項15】
指向性アンテナと無指向性アンテナとに切り替えることができるアンテナ部と、該アンテナ部に接続された無線通信部と、利用者入出力部とを備えた遠隔制御装置を構成するコンピュータを、前記利用者入出力部から入力されるターゲット検索指示に応答して、前記アンテナ部を指向性アンテナに切り替えた状態でユニークな識別子を含む検索信号を前記無線通信部により制御対象機器へ送信し、前記無線通信部で受信された前記識別子および機器情報を含む応答信号に基づいて制御対象機器を特定するターゲット検索部、前記特定された制御対象機器を遠隔制御するための信号であって前記識別子を含む遠隔制御信号を、前記アンテナ部を無指向性アンテナに切り替えた状態で前記無線通信部により送信するターゲット制御部、として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
前記コンピュータを、さらに、前記ターゲット検索部により送信された前記検索信号に対して複数の制御対象機器から前記応答信号が送信されてきた場合に、該複数の制御対象機器のうちの1つの制御対象機器を除く残りのすべての制御対象機器に対し、新たに生成した識別子と前記応答信号に含まれる機器情報とを含む識別子再割当信号を送信して識別子の再割当を行い、それぞれ異なる識別子を割り当てた前記複数の制御対象機器のリストを前記利用者入出力部に表示し、前記利用者入出力部からの入力によって1つの制御対象機器を特定するターゲット分離部、として機能させるための請求項15記載のプログラム。
【請求項17】
前記コンピュータを、さらに、前記ターゲット検索部により送信された前記検索信号に対して複数の制御対象機器から前記応答信号が送信されてきた場合に、前記応答信号が送信されてきた前記複数の制御対象機器のリストを前記利用者入出力部に表示して前記利用者入出力部からの入力によって1つの制御対象機器を特定し、該特定した制御対象機器に対し、新たに生成した識別子と前記応答信号に含まれる機器情報とを含む識別子再割当信号を送信して識別子の再割当を行うターゲット絞込部、として機能させるための請求項15記載のプログラム。
【請求項18】
アンテナと、該アンテナに接続された無線通信部と、自装置の機器情報を記憶する機器情報記憶部と、自装置に割り当てられる識別子を記憶する識別子記憶部とを備えた制御対象機器を構成するコンピュータを、遠隔制御装置から送信されたユニークな識別子を含む検索信号が前記無線通信部で受信されたとき、前記検索信号に含まれる前記識別子を前記識別子記憶部に記憶し、前記識別子と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報を含む応答信号を前記無線通信部を通じて前記遠隔制御装置へ送信する検索応答部、前記遠隔制御装置から送信された前記遠隔制御信号が前記無線通信部で受信されたとき、前記遠隔制御信号に含まれる前記識別子と前記識別子記憶部に記憶された識別子とを比較し、一致したときに前記遠隔制御信号で指示された処理を実行する機能制御部、として機能させるためのプログラム。
【請求項19】
前記コンピュータを、さらに、前記遠隔制御装置から送信された再割当識別子と機器情報を含む識別子再割当信号が前記無線通信部で受信されたとき、前記識別子再割当信号に含まれる前記機器情報と前記機器情報記憶部に記憶された機器情報とを比較し、一致したときに前記識別子再割当信号に含まれる前記再割当識別子で前記識別子記憶部を更新する識別子書換部、として機能させるための請求項18記載のプログラム。

【図1−1】
image rotate

【図1−2】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate