説明

遠隔制御装置及び遠隔制御方法

【課題】機器が可能な動作を参照することができ、対応する動作を簡単かつ迅速に実行させることが可能な遠隔制御装置及び遠隔制御方法を提供すること。
【解決手段】ネットワークに接続された1又は複数の機器のマニュアルに関するマニュアルデータと、マニュアルの表示内容に対応した操作信号データを読み出すデータ読み出し部102と、マニュアルデータに基づいて画面にマニュアルを表示する表示部124と、ユーザーからの操作を受け付け、画面に表示されたマニュアルの表示項目の少なくとも1つが選択されたとき、選択された表示項目に対応する操作信号を操作信号データに基づいて生成する操作部122と、生成された操作信号を、画面に表示されたマニュアルと対応した機器にネットワークを介して送信する送信部132とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔制御装置及び遠隔制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リモートコントローラ(遠隔制御装置)は、家庭用電気機器などの機器を制御するために用いられ、無線通信などを用いて各種機器を遠隔制御する。特許文献1〜4には、1つのリモートコントローラに対して複数の機器を制御することができる技術が開示されている。また、特許文献5、6には、タッチパネルを備えた表示部を有するリモートコントローラに関する技術が開示されている。
【0003】
【特許文献1】国際公開第WO/2003/098960号パンフレット
【特許文献2】特許第4036823号公報
【特許文献3】特開2004−254093号公報
【特許文献4】特開2007−110629号公報
【特許文献5】特開2007−295584号公報
【特許文献6】特開2008−153732号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、家庭用電気機器などの電気機器は、近年、多機能化の傾向にある。そのため、1つの電気機器を操作するために、リモートコントローラには多数のボタンが配置されなければならない場合がある。一方、1つのリモートコントローラで複数の機器を操作可能にする場合、1つのリモートコントローラに全ての機能を集約化しようとすると、リモートコントローラのボタンの配置が複雑化するという問題があった。この問題を解消しようとすると、反対にリモートコントローラの機能を単純化する必要性が生じるという問題があった。
【0005】
また、機器の多機能化の影響によって、取り扱い説明が記載されたマニュアルが厚くなったり、ユーザーにとって参照しにくくなったりしているという問題があった。更に、ユーザーがマニュアルの該当部分にたどりついたとしても、操作が複雑なため、希望する動作を簡単に実行させることができないという問題もあった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、機器が可能な動作を参照することができ、対応する動作を簡単かつ迅速に実行させることが可能な、新規かつ改良された遠隔制御装置及び遠隔制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ネットワークに接続された1又は複数の機器のマニュアルに関するマニュアルデータと、マニュアルの表示内容に対応した操作信号データを読み出すデータ読み出し部と、マニュアルデータに基づいて画面にマニュアルを表示する表示部と、ユーザーからの操作を受け付け、画面に表示されたマニュアルの表示項目の少なくとも1つが選択されたとき、選択された表示項目に対応する操作信号を操作信号データに基づいて生成する操作部と、生成された操作信号を、画面に表示されたマニュアルと対応した機器にネットワークを介して送信する送信部とを有する遠隔制御装置が提供される。
【0008】
この構成により、ネットワークに接続された1又は複数の機器のマニュアルに関するマニュアルデータと、マニュアルの表示内容に対応した操作信号データが読み出され、マニュアルデータに基づいて画面にマニュアルが表示され、更に、画面に表示されたマニュアルの表示項目の少なくとも1つが選択されたとき、選択された表示項目に対応する操作信号が操作信号データに基づいて生成される。生成された操作信号は、画面に表示されたマニュアルと対応した機器にネットワークを介して送信される。
【0009】
上記マニュアルデータの文字情報の少なくともいずれかが認識され、認識された内容に対応する操作信号が操作信号データから検出される。
【0010】
上記機器から機器の状態に関する情報を受信する受信部を更に備え、表示部は、受信した機器状態情報に基づいて、画面に機器の状態を表示する。
【0011】
上記表示部は、光を反射する素材が配置され、表示内容を電気的に並び替えることで反射する色を調整する電子ペーパーである。
【0012】
上記操作部は、表示部の画面に重畳して設けられ、透明部材である。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ネットワークに接続された1又は複数の機器のマニュアルに関するマニュアルデータと、マニュアルの表示内容に対応した操作信号データを読み出すステップと、マニュアルデータに基づいて画面にマニュアルを表示するステップと、画面に表示されたマニュアルの表示項目の少なくとも1つが選択されたとき、選択された表示項目に対応する操作信号を操作信号データに基づいて生成するステップと、生成された操作信号を、画面に表示されたマニュアルと対応した機器にネットワークを介して送信するステップとを有する遠隔制御方法が提供される。
【0014】
上記機器から機器の状態に関する情報を受信するステップと、受信した機器状態情報に基づいて、画面に機器の状態を表示するステップとを更に有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、機器が可能な動作を参照することができ、対応する動作を簡単かつ迅速に実行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
(一実施形態の構成)
まず、本発明の一実施形態に係る遠隔制御システムについて説明する。図1は、本実施形態に係る遠隔制御システムの構成を示す説明図である。
【0018】
本実施形態では、1つのリモートコントローラ100に対して複数の機器を操作することができる。リモートコントローラ100は遠隔制御装置の一例である。図1に示す例では、操作対象機器として、例えば、テレビ受像機40、照明器具50、エアコン(エアーコンディショナー)60、DVDやハードディスクドライブなどのメディアにデータを記録することが可能なメディアレコーダー80など、1つの家庭内に設置される機器の例を示した。なお、操作対象機器は、この例に限定されない。また、設置場所についても、本実施形態は企業や店舗など様々な場所に適用することができる。
【0019】
そして、リモートコントローラ100は、無線通信装置30を介してネットワーク10(例えば家庭内LAN)に接続される。また、操作対象機器もそれぞれネットワーク10に接続される。各操作対象機器は、例えばIPアドレスなどによって、それぞれの機器が判別される。ここでIPアドレスはLAN等のプライベートネットワークのアドレスとして用いられる。
【0020】
操作信号は、リモートコントローラ100からネットワーク10を介して各操作対象機器に送信され、操作対象機器は、操作信号に基づいて動作を実行する。また、機器の状態に関する情報は、各操作対象機器からネットワーク10を介してリモートコントローラ100に送信され、リモートコントローラ100は、その機器状態情報に基づいて、操作対象機器の状態を画面に表示する。
【0021】
次に、図2を参照して、本実施形態に係るリモートコントローラ100の構成を説明する。図2は、本実施形態に係るリモートコントローラ100の構成を示すブロック図である。
【0022】
リモートコントローラ100は、例えば、制御部102と、メモリ104と、ストレージ106と、カードI/F108と、画像信号処理部110と、タッチパネル112と、表示制御部126と、無線通信部132などからなる。
【0023】
制御部102は、例えば、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部102は、プログラムによって演算処理装置及び制御装置として機能し、リモートコントローラ100における上記各構成要素などを制御する。また、制御部102は、データ読み出し部の一例であり、ストレージ106や、メモリカード20に記録されたマニュアルデータと、マニュアルの表示内容に対応した操作信号データを読み出す。
【0024】
マニュアルデータとは、機器の取り扱い説明が記録された文書データや図表データからなる電子データである。また、操作信号データは、機器を動作させるための各種操作信号からなり、操作信号データにおいてテーブルデータ等で、それぞれの操作信号は、マニュアルに記載された内容と対応付けされている。あるいは、マニュアルデータの文字情報の少なくともいずれかが認識され、認識された内容に対応する操作信号が操作信号データから検出されるとしてもよい。
【0025】
メモリ104は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、キャッシュメモリなどの記憶部で構成されており、制御部102のCPUの処理に関するデータ、CPUの動作プログラムなどを一時的に記憶する機能を有する。
【0026】
ストレージ106は、例えばハードディスク、フラッシュメモリ等の不揮発性半導体メモリである。ストレージ106は、上述した各機器のマニュアルデータや、操作信号データを保持する。また、各機器の動作状態に関する情報や、各機器の動作状態と画面への表示内容が対応付けされた情報などからなる動作状態データを保持する。
【0027】
カードI/F108は、メモリカード20と接続され、各データをメモリカード20から読み出す。読み出されたデータは、ストレージ106に記録されたり、直接制御部102で用いられたりする。例えば、メモリカード20は機器ごとに用意される。そして、機器がネットワーク10に新たに接続される際、メモリカード20をリモートコントローラ100に接続して、メモリカード20から各機器特有のマニュアルデータ、操作信号データ、動作状態データをストレージ106に記録する。
【0028】
画像信号処理部110は、画像信号を復号処理したり、復号処理した画像信号を信号処理したりする。画像信号処理部110は、画像信号について、表示部124の画素数に変換する解像度変換、輝度補正、色補正、ガンマ補正など各種所要の信号処理を実行する。
【0029】
タッチパネル112は、タッチセンサー122と、表示部124などからなり、タッチセンサー122が接触を検知することで、ユーザーの操作を受け付ける。そして、タッチパネル112は、接触動作や接触位置に応じて、画面に表示された項目を選択したり、画面のスクロール、拡大又は縮小表示など表示を変化させたりする。
【0030】
表示部124は、例えば、液晶方式などによる電子ペーパーである。電子ペーパーは、光を反射する素材が配置され、表示内容を電気的に並び替えることで反射する色が調整される。電子ペーパーは、例えば、表紙する内容が切り替わった場合のみ通電され、表示情報を書き換える。書き換え後、次に書き換え要求が発生するまでは、通電されない。
【0031】
電子ペーパーを用いることで、リモートコントローラ100の消費電力を抑制することができる。表示部124は、表示制御部126によって制御される。表示部124は、データのタイトルなどを表示するメニュー画面や、各機器のマニュアルなどを表示する。表示制御部126は、入力された画像信号を利用して表示部124を駆動する。これによって、表示部124の画面には、画像信号に応じた画像が表示される。
【0032】
タッチセンサー122は、表示部124の画面上に重畳して設けられる面状の透明部材であり、ユーザーの指やスタイラスペンなどによる接触や、接触位置を検出する。タッチセンサー122によって検出した接触位置と、表示部124に表示される画面の内容とは対応付けされる。タッチパネル112の構成、動作方式には、抵抗膜方式、静電容量方式などがある。タッチパネル112は、通常の技術で実現可能な構成とすることができ、ここでは詳細な説明は省略する。
【0033】
タッチパネル112は、接触位置などに基づいて操作信号を生成し、生成した操作信号を制御部102に送る。例えば、タッチパネル112は、ユーザーからの操作を受け付け、画面に表示されたマニュアルの表示項目の少なくとも1つが選択されたとき、選択された表示項目に対応する操作信号を上述した操作信号データに基づいて生成する。
【0034】
無線通信部132は、例えば無線通信装置30との無線通信を確立する。そして、無線通信部132は、送信部の一例であり、操作信号を無線通信装置30、ネットワーク10を介して各操作対象機器に送信する。また、無線通信部132は、受信部の一例であり、ネットワーク10、無線通信装置30を介して機器状態情報を各操作対象機器から受信する。
【0035】
次に、図3及び図4を参照して、本実施形態に係るリモートコントローラ100の外観及び画面の表示例、表示に対応する機器の動作例を説明する。図3及び図4は、本実施形態に係るリモートコントローラ100を示す正面図である。
【0036】
リモートコントローラ100は、例えば板状の装置であり、タッチパネル112が一面に設けられる。タッチパネル112は、マニュアルを全画面表示してもマニュアル上の文字を判別可能な大きさで表示できる画面を有する。図3に示す例では、画面上にマニュアルのタイトル151と、マニュアルの目次161と、各機器を選択するためのボタン152a、152b、152c、152d、152eが表示されている。マニュアル上の文字は選択可能に表示され、例えば、目次のうち1項目が選択されると、図4に示すようにリンク付けされたページが次に表示される。また、ボタン152a、152b、152c、152d、152eのうち、1つのボタンがユーザーによって選択されると、そのボタンに対応する機器のマニュアルが表示される。図3及び図4に示す例では、エアコンが選択されている。
【0037】
また、図4に示す例では、マニュアル内の任意のページ162が表示されている。そして、マニュアル上の文字や図表が選択されることによって、対応付けされた操作信号が生成される。これにより、希望する動作を機器に簡単に実行させることができる。例えば、図4に示す例では、「人のいるエリアを設定して空調する」という取り扱い説明のページが開かれている。従来、ユーザーは、マニュアルに記載された操作方法を読んで、それにならって操作を行う必要があった。一方、本実施形態によれば、マニュアル上の文字や図表が操作信号と対応付けられているため、文字や図表を選択するだけで、ユーザーが希望する動作を機器に実行させることができる。図4に示す例では、マニュアルに「設置例と風向き」の図表が示されているが、設置例と風向きの1つの例(例えば図4のA)をユーザーが選択することで、選択された図表のとおりに機器に動作を開始させることができる。
【0038】
(一実施形態の動作)
次に、本実施形態に係るリモートコントローラ100の動作について説明する。まず、図5を参照して、マニュアルデータなどの読み込み処理について説明する。図5は、本実施形態に係るリモートコントローラ100の動作を示すフローチャートである。
【0039】
まず、メモリカード20がリモートコントローラ100に接続される(ステップS101)。例えば、操作対象機器がネットワーク10に新たに接続される際、メモリカード20をリモートコントローラ100に接続する。そして、制御部102が、メモリカード20に記録された機器特有のマニュアルデータ、操作信号データ、動作状態データを読み込む(ステップS102)。
【0040】
その後、読み込まれたマニュアルデータなどは、内蔵されたストレージ106に書き込まれる(ステップS103)。その結果、メモリカード20がリモートコントローラ100に接続されていない場合でも、マニュアルを表示したり、操作信号を生成したりすることができる。マニュアルデータなどの読み込み及び書き込みが完了したとき、表示部124に書き込みが完了した旨を表示して(ステップS104)、一連の動作を終了する。
【0041】
次に、図6を参照して、操作対象機器を動作させるとき、及び操作対象機器の状態を表示するときのリモートコントローラ100の処理動作を説明する。図6は、本実施形態に係るリモートコントローラ100の動作を示すフローチャートである。
【0042】
まず、ユーザーによってタッチパネル112が接触されることによって、通電が開始され、表示が開始される(ステップS111)。画面には、リモートコントローラ100によって操作することが可能な複数の機器が表示される。そして、ユーザーによって、操作対象とする機器が選択される(ステップS112)。機器が選択されると、選択された機器に対応したマニュアルを画面に表示する(ステップS113)。このとき、例えばマニュアルの目次が表示される。
【0043】
そして、ユーザーによって、選択可能になった項目が選択されると(ステップS114)、その項目に対応するページが画面に表示される(ステップS115)。また、ページめくりに対応する項目が選択されるとページが送られたり、任意のページに飛んだりする。
【0044】
ユーザーが任意のページにおいて表示された内容に対応する操作を希望する場合、ページ上でその内容が選択されると(ステップS116)、リモートコントローラ100は内容に対応する操作信号を送信する(ステップS117)。その結果、操作信号が操作対象機器に到達したとき、機器は操作信号に対応した動作を実行する。
【0045】
また、リモートコントローラ100は、ネットワーク10に接続されている1又は複数の機器から機器状態情報を受信する(ステップS118)。そして、例えば機器からの認証コードに基づいて認証処理を行なう(ステップS119)。認証処理によって、機器のリモートコントローラ100へのアクセスが承認されたか否かを判定する(ステップS120)。この認証処理によって、機器状態情報を送信している機器がリモートコントローラ100にアクセス権限があるか否かを判断することができる。
【0046】
リモートコントローラ100へのアクセスが承認された場合は、受信した機器状態情報に基づいて、リモートコントローラ100の画面に機器の状態を表示する(ステップS121)。一方、リモートコントローラ100へのアクセスが承認されなかった場合は、リモートコントローラ100の画面にエラー表示する(ステップS122)。又は、全く表示を行なわなくてもよい。
【0047】
次に、図7を参照して、リモートコントローラ100からの操作信号を受けて操作対象機器が動作するとき、及び操作対象機器の状態をリモートコントローラ100に送信するときの操作対象機器の処理動作を説明する。図7は、本実施形態に係る操作対象機器の動作を示すフローチャートである。
【0048】
まず、図6で示したリモートコントローラ100のステップS117の動作に対応して、機器は、操作信号を受信する(ステップS131)。このとき、例えばリモートコントローラ100からの認証コードに基づいて認証処理を行なう(ステップS132)。認証処理によって、リモートコントローラ100の操作対象機器へのアクセスが承認されたか否かを判定する(ステップS133)。この認証処理によって、機器が受信した操作信号は、機器へのアクセス権限のあるリモートコントローラ100からの信号であるか否かを判断することができる。また、信号を受信した機器は、他の機器への操作信号であるか、又は自分への操作信号であるか否かを判断することができる。
【0049】
機器へのアクセスが承認された場合は、機器は操作信号に基づいて動作を実行する(ステップS134)。一方、機器へのアクセスが承認されなかった場合は、動作の実行処理は行なわれない。
【0050】
また、機器は、内部の動作状態(電源、運転状況、エラー状況等)を確認している(ステップS135)。そして、機器は、動作状態に基づいて、機器状態情報をリモートコントローラ100に送信する(ステップS136)。これに対応して、リモートコントローラ100は、図6のステップS118以降の動作を実行する。
【0051】
(本実施形態のデータ構造)
次に、本実施形態の遠隔制御システムで用いられるデータのデータ構造の一例について説明する。図8は、本実施形態に係るデータ構造の一例を示す説明図である。
【0052】
まず、個々の操作対象機器特有の情報を送受信する場合のデータについて説明する。図8(A)は、個々の操作対象機器特有の情報を有するデータに関するデータ構造である。
【0053】
図8(A)に示すデータは、例えば、操作対象機器特有のメモリカード20からリモートコントローラ100のストレージ106に移行するデータである。例えば、操作対象機器がネットワーク10に新たに接続される際、メモリカード20をリモートコントローラ100に接続して移行するデータである。又は、操作対象機器がこれらのデータを保持しており、操作対象機器がネットワーク10に初めて接続されたとき、ネットワーク10を介してリモートコントローラ100にデータが移行してもよい。
【0054】
このデータには、例えば、メーカID、メーカ名、機器ID、機器名、マニュアルデータ、操作信号データ(コード)、状態通知情報(コード)が含まれている。メーカID、メーカ名、機器ID、機器名は、機器を特定する情報である。マニュアルデータは、機器の取り扱い説明等が記載されている。マニュアルデータは、文書データ、図表データなどからなり、画面に表示するためのレイアウトや素材に関する情報も含んでいる。
【0055】
操作信号データ(コード)は、操作信号データの一例であり、機器を動作させるための操作信号に関する情報である。操作信号データ(コード)は、画面上にマニュアルを表示したときの選択可能な文字やボタンの配置と、それらの文字やボタンがユーザーによって選択されたときの操作信号の関係をテーブルデータ等で有する。
【0056】
状態通知情報(コード)は、機器が内部の動作を確認して、リモートコントローラ100に機器の状態を通知するときの情報である。例えば、状態通知情報(コード)は、機器がリモートコントローラ100に動作状態を通知するための通知信号と、通知信号に基づいて動作状態を画面に表示するための表示内容を有する。
【0057】
次に、リモートコントローラ100が操作対象機器に操作信号を送信するときのデータについて説明する。図8(B)は、リモートコントローラ100が操作対象機器に操作信号を送信するときのデータに関するデータ構造である。
【0058】
このデータには、例えば、メーカID、機器ID、認証コード、操作信号が含まれている。メーカID、機器IDは、操作信号がどの機器を動作させるための信号であるかを特定することができる。また、認証コードは、リモートコントローラ100からの操作信号がアクセス権限のある信号であることを示す。操作信号は、ユーザーによって選択された項目に基づいて生成された信号であり、図8(A)で示した操作信号データ(コード)から抽出されて生成される。
【0059】
更に、操作対象機器がリモートコントローラ100に動作状態を送信するときのデータについて説明する。図8(C)は、操作対象機器がリモートコントローラ100に動作状態情報を送信するときのデータに関するデータ構造である。
【0060】
このデータには、例えば、メーカID、機器ID、認証コード、通知信号が含まれている。メーカID、機器IDは、どの機器からの状態情報であるかを特定することができる。また、認証コードは、機器からの通知信号がリモートコントローラ100へのアクセス権限がある信号であることを示す。通知信号は、機器の動作状態に基づいて生成された信号であり、図8(A)で示した状態通知情報に含まれる情報と同一種類の信号である。
【0061】
上述した通り、本実施形態によれば、操作対象機器毎のマニュアルがリモートコントローラ100に表示され、ユーザーが選択した表示項目に対応した操作信号が機器に送信される。そのため、ユーザーはマニュアルを読んで複雑な操作を行なう必要はなく、機器を簡単かつ迅速に動作させることができる。
【0062】
また、本実施形態のリモートコントローラ100は、電子ペーパーが用いられることで消費電力を抑制することができる。そして、リモートコントローラ100はタッチパネル112が用いられることで、ユーザーが直感的にリモートコントローラ100を操作することができる。更に、リモートコントローラ100は、機器の動作状態も表示することができ、ユーザーは機器が現在どのように動作しているか、エラーが発生していないかを確認することができる。
【0063】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態に係る遠隔制御システムの構成を示す説明図である。
【図2】同実施形態に係るリモートコントローラの構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態に係るリモートコントローラを示す正面図である。
【図4】同実施形態に係るリモートコントローラを示す正面図である。
【図5】同実施形態に係るリモートコントローラの動作を示すフローチャートである。
【図6】同実施形態に係るリモートコントローラの動作を示すフローチャートである。
【図7】同実施形態に係る操作対象機器の動作を示すフローチャートである。
【図8】同実施形態に係るデータ構造の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0065】
10 ネットワーク
20 メモリカード
30 無線通信装置
100 リモートコントローラ
102 制御部
104 メモリ
106 ストレージ
108 カードI/F
110 画像信号処理部
112 タッチパネル
122 タッチセンサー
124 表示部
126 表示制御部
132 無線通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された1又は複数の機器のマニュアルに関するマニュアルデータと、前記マニュアルの表示内容に対応した操作信号データを読み出すデータ読み出し部と、
前記マニュアルデータに基づいて画面に前記マニュアルを表示する表示部と、
ユーザーからの操作を受け付け、前記画面に表示された前記マニュアルの表示項目の少なくとも1つが選択されたとき、前記選択された表示項目に対応する操作信号を前記操作信号データに基づいて生成する操作部と、
前記生成された操作信号を、前記画面に表示された前記マニュアルと対応した前記機器に前記ネットワークを介して送信する送信部と、
を有する、遠隔制御装置。
【請求項2】
前記マニュアルデータの文字情報の少なくともいずれかが認識され、認識された内容に対応する操作信号が前記操作信号データから検出される、請求項1に記載の遠隔制御装置。
【請求項3】
前記機器から前記機器の状態に関する情報を受信する受信部を更に備え、
前記表示部は、前記受信した機器状態情報に基づいて、前記画面に前記機器の状態を表示する、請求項1又は2に記載の遠隔制御装置。
【請求項4】
前記表示部は、光を反射する素材が配置され、表示内容を電気的に並び替えることで反射する色を調整する電子ペーパーである、請求項1〜3のいずれかに記載の遠隔制御装置。
【請求項5】
前記操作部は、前記表示部の画面に重畳して設けられ、透明部材である、請求項1〜4のいずれかに記載の遠隔制御装置。
【請求項6】
ネットワークに接続された1又は複数の機器のマニュアルに関するマニュアルデータと、前記マニュアルの表示内容に対応した操作信号データを読み出すステップと、
前記マニュアルデータに基づいて画面に前記マニュアルを表示するステップと、
前記画面に表示された前記マニュアルの表示項目の少なくとも1つが選択されたとき、前記選択された表示項目に対応する操作信号を前記操作信号データに基づいて生成するステップと、
前記生成された操作信号を、前記画面に表示された前記マニュアルと対応した前記機器に前記ネットワークを介して送信するステップと、
を有する、遠隔制御方法。
【請求項7】
前記機器から前記機器の状態に関する情報を受信するステップと、
前記受信した機器状態情報に基づいて、前記画面に前記機器の状態を表示するステップと、
を更に有する、請求項6に記載の遠隔制御方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−154273(P2010−154273A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330688(P2008−330688)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(598045058)株式会社サムスン横浜研究所 (294)
【Fターム(参考)】