説明

遠隔式生理学的モニタリング

遠隔式生理学的モニタリングのためのシステムは、通信装置と、パッチとを備えている。パッチは、生物有機体の身体に取り外し可能に固定できるように構成されており、更に、生物有機体の生理学的パラメータをモニターするように構成されている。通信装置は、パッチからの通信信号を受信するように構成されている。通信装置は更に、遠隔地に通信信号を送信するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2010年1月19日に出願された米国特許出願第12/689,259号の利益を主張するものである。この出願は本明細書において、参照することにより全体として援用されている。
【技術分野】
【0002】
開示の発明は、全般的に遠隔式生理学的モニタリングの分野に関し、より詳細には、種々のパラメータを測定することによって得られる被検体又は患者の生理学的状態を、無線周波数(Radio Frequency:RF)装置等の通信装置を使用して伝達するようにした遠隔式生理学的モニタリングに関する。
【背景技術】
【0003】
医療専門家は、患者又は被検体の健康状態又は健全性を判断するために、患者又は被検体の生理学的状態をモニターする場合がある。かかる生理学的モニタリングは、典型的には、患者の観察又はテストを直接的に行なっている医療専門家によって実施される。かかる直接的観察及びテストでは、医療専門家及び患者は、物理的に同じ場所に居合わせている必要がある。かかる面会は、通常は、患者が医師の診療所若しくは他の医療施設を訪れるか、又は医療専門家が患者の住居を訪れるかのいずれかによって実現される。医療専門家及び患者はどちらも時間的な制約があるため、同じ場所に集合する必要があるとなると、患者の生理学的状態をモニターする機会の頻度は限定されることになり、そのために、かかる生理学的状態が見過ごされている場合も少なくない。このように取り組みが停滞すると、結果として治療が十分に行われなくなり、患者の体調はますます後退しかねない。加えて、健康管理専門家と患者との間の交流がない状態が長引くと、状況は更に深刻なものになって介護が緊急に必要になる可能性が高まり、したがって、運営機関に関連する費用が増加するとともに、患者の不快感とリスクが増大することになる。
【発明の概要】
【0004】
以下で説明する本発明の実施形態は、網羅的であることは意図されておらず、本発明を、後述される詳細な説明で開示されているまさにその形態に限定することも意図されていない。むしろ、それらの実施形態は、当業者が本発明の原理及び実施方法を正しく認識し理解できるように選択され、説明されている。
【0005】
遠隔式生理学的モニタリングのためのシステムは、通信装置と、パッチとを備えている。パッチは、皮膚又は外皮といった生物有機体の身体に取り外し可能に固定できるように構成されており、更に、生物有機体の生理学的パラメータをモニターするように構成されている。通信装置は、パッチからの通信信号を受信するように構成されている。通信装置は更に、遠隔地に通信信号を送信するように構成されている。
【0006】
遠隔式生理学的モニタリングのための別のシステムは、通信装置と、パッチとを備えている。パッチは、生物有機体の身体の一部分に取り外し可能に固定できるように構成されており、更に、生物有機体の身体上の傷を覆うように構成されている。パッチは、その傷の視認を可能にする観察窓を備えている。通信装置は、傷の画像を受信するとともに、その画像を遠隔地に送信するように構成されている。
【0007】
遠隔式生理学的モニタリングのための別のシステムは、通信装置と、パッチとを備えている。パッチは、生物有機体の身体の一部分に取り外し可能に固定できるように構成されており、更に、生物有機体の身体上の傷を覆うように構成されている。パッチは、その傷へ音響的に到達可能にする音響経路を備えている。通信装置は、音響信号を傷の方に向けるとともに、その音響信号が傷によって反射された後の音響信号を受信するように構成されている。通信装置は更に、その反射音響信号を遠隔地に送信するように構成されている。
【0008】
更に別の例示実施形態では、生理学的パラメータを遠隔式にモニターする方法が説明されており、患者の生理学的パラメータをモニターするように、最初にRFID機器及び通信装置を設けるステップを含んで構成されている。健康管理施設等の遠隔地から通信装置に、生理学的パラメータの測定を要求するメッセージが送出される。その要求に係るメッセージは、通信装置によって受信され、RFID機器に信号が送信される。生理学的パラメータの測定は、RFID機器によって開始され、要求メッセージを受けて、生理学的パラメータが測定される。次いで、生理学的パラメータの測定結果を含んだ信号が、通信装置に送信される。生理学的パラメータを含んだその信号は、通信から遠隔地に送出され、遠隔地で受信される。
【0009】
上記の実施形態において、パラメータの測定結果を含んだ信号がひとたび遠隔地で受信されれば、可能性としては1回目の信号に含まれる測定値を再確認するために、2回目の要求信号を送出することができる。或いは、例えば2回目の生理学的パラメータを使った更なる明確化が1回目の信号の測定値に必要な場合、又は患者に治療を施すのに他のパラメータが必要とされる場合に、1回目の信号を使って、2回目の信号の送出を開始させることができる。
【0010】
更に別の例示実施形態では、生理学的パラメータを遠隔式にモニターする方法が説明されており、最初に遠隔地において患者の生理学的パラメータ測定値を評価し、次いで患者に治療を施すべきかどうかを判定するとともに、患者を治療するという指示を乗せて、通信装置に信号を送出するステップを含んで構成されている。次に、その信号は患者の所で受信され、RFID構体に送信される。患者の治療は、通信装置からの信号を受信することによって開始され、治療を行わせるために、RFIDによって内蔵型治療装置に電力が供給され、患者に治療が施される。最後に、患者に治療が施されたことが確認される。
【0011】
上記の実施形態において、治療を施すことは、薬を放出すること、植え込み可能な装置に刺激を与えること、又は患者の介護に必要な他の適切な治療を行うことを含むことができる。
【0012】
当業者であれば、以下の詳細な説明から、本発明の他の特徴及び利点が明らかになるであろう。但し、種々の実施形態及び具体例の詳細な説明は、本発明の好適な実施形態及び他の実施形態を表しているものの、例示を目的に与えられているのであって限定するものではないことを理解されたい。本発明の精神から逸脱することなく、本発明の範囲内で多くの改変及び変更を行うことが可能であり、本発明は、かかる変更形態を全て包含している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
付属図面と併せて、以下の、本発明の目下の好適な例示実施形態についてのより詳細な説明を参照することにより、本発明のこれら並びに他の諸目的及び利点について、より理解が深まるであろう。
【0014】
【図1】通信装置及び人間の前腕に付設されたパッチを含む、遠隔式生理学的モニタリングのためのシステムを表す概略図である。
【0015】
【図2】遠隔式生理学的モニタリングのためのシステムで使用する、センサーを備えたパッチを表す概略図である。
【0016】
【図3】遠隔式生理学的モニタリングのためのシステムで使用する、センサー及び治療装置を備えたパッチを表す概略図である。
【0017】
【図4】遠隔式生理学的モニタリングのためのシステムで使用する、光学経路を備えたパッチを表す概略図である。
【0018】
【図5】遠隔式生理学的モニタリングのためのシステムで使用する、音響経路を備えたパッチを表す概略図である。
【0019】
【図6】遠隔式生理学的モニタリングのためのシステムで使用するパッチであって、パッチを貫通する通路を覆う舌片を備えたパッチを表す概略図である。
【0020】
【図7】遠隔式に生理学的パラメータをモニターする方法を示すフローチャートである。
【0021】
【図8】遠隔式に患者を治療する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本文献に開示の機器及び方法は、例示を目的に、図面に沿って詳細に説明される。特に明記しない限り、図中の類似する番号は、図面全体において、同一、同様、又は対応の要素と関連があることを意味している。自明であるが、開示され記載されている例、配置、構成、コンポーネント、要素、機器、方法、材料、等に対して変更を加えることは可能であり、特定の用途においてはそれが必要とされる場合もある。本開示において、具体的な形状、材料、技法、配置、等の特定はどれも、提示している具体例に関連している場合もあれば、かかる形状、材料、技法、配置、等の汎用的な表現に過ぎない場合もある。具体的な細部の特定又は例は、特に明記しない限り、必須又は限定的であるようには意図されておらず、そのようなものとして解釈されるべきでもない。本明細書では、人間等の生物有機体に対する生理学的モニタリングを遠隔式に行なうための機器及び方法の精選された例が開示され、図1〜8を参照しながら詳細に説明される。
【0023】
生理学的モニタリングは、人間等の生物有機体に属する諸々の生理学的パラメータのうちの少なくとも一部をモニターすることを含むことができる。生理学的パラメータの例として、特に、心拍数、体温、発汗速度、バクテリアレベル、グルコースレベル、化学的指標の有無、及び血液酸素レベルといったものが挙げられる。人間の生理学的モニタリングは、いくつもの目的において有用なものとなり得る。例えば、生理学的モニタリングは、患者の健康度及び健全度を評価し又は病気若しくは体調を診断する際に、医師又は他の医療専門家を助けることができる。患者を治療している医療専門家にとって関心の高い生理学的パラメータをモニターすることによって、その医療専門家は、患者の健康、病気、又は体調に対処するのに適した一連の薬物治療を推奨し、又は開始することができる。
【0024】
別の例では、生理学的モニタリングは、患者が処方された服薬計画を遵守しているかどうかを判断する際に、医療専門家を助けることができる。薬物の代謝によって、患者の汗又は血液をモニターすることによって検出可能な、決定的化学的指標が発生する場合がある。その決定的化学的指標が検出されない場合、これは、患者が処方された薬物を服用していないことを表している可能性がある。患者が処方された服薬計画を遵守していないと判断された場合、医療又は健康管理の専門家は、考えられる危険を患者に警告するとともに、処方された服薬計画を遵守するように患者を励ますことができる。或いは、健康管理専門家は、治療の他の選択肢を提言することができる。
【0025】
別の例では、後見人又は捜査当局は、生理学的モニタリングを使って、ある人物が違法な薬物又は物質を使用したかどうかを判断することができる。違法な薬物の使用は、人の汗、血液、又は呼気をモニターすることによって検出することができる。人が違法な薬物を摂取したものと判定された場合、後見人又は捜査当局は、適切な措置を講じることができる。同様に、トキシン又は毒物といった不法又は危険な物質も検出することができ、例えば、自殺の状況が想定されるものとして注意を促すことができる。
【0026】
遠隔地から人間の生理学的パラメータをモニターすれば、かかるモニタリングの頻度、効率、及び有用性を高めることができる。例えば、もしかかるモニタリングを遠隔式に行なえるならば、医療専門家は、患者の健康又は服薬計画若しくは治療計画を患者が厳守していることを、より高い頻度でモニターすることができる。遠隔式モニタリングは、医師又は健康管理専門家と患者が同じ場所に集合する必要性を低減する。
【0027】
別の例は、子供又は高齢者のグルコースレベルが不安定になっている場合に、介護者が、レベルが確実に許容範囲内に入っているように、その子供又は高齢者のグルコースレベルを頻繁にモニターするものである。もし介護者が遠隔地からグルコースレベルをモニターできるならば、介護者が子供又は高齢者と同じ場所に居ることの必要性は減少する。
【0028】
1つの例において、人間の生理学的パラメータを遠隔式にモニターするためのシステムは、生理学的パラメータを感知し又は読み取るように、センサーを人体に接して又は人体付近に配設することを含む。センサーからの通信信号を受信するように通信装置を配置することができ、その通信信号に、モニターした生理学的パラメータに関する情報を乗せればよい。更に、遠隔地から通信信号を受信するとともに遠隔地に通信信号を送信するように通信装置を構成して、生理学的パラメータに関する情報の遠隔地への送信を円滑化することができる。
【0029】
かかる遠隔地は、医師の診療所、病院、又は他のかかる健康管理施設、警察庁、患者又は保護観察対象者といった人々から成るグループの生理学的測定値を格納するための中心的拠点として指定されたコンピューター又はサーバー、及びこれらの類とすることができる。
【0030】
遠隔地は、被検体の生理学的パラメータ測定に関心のある人がその被検体に直接的にアクセスできないあらゆる場所を含んでいることを理解されたい。例えば、入院している患者の場合、遠隔地は、その患者に部屋の中に設置された、患者の生理学的測定値を受信し格納するように構成されたコンピューター又はサーバーであるかもしれない。同様に、患者又は被検体が家に留まっている場合又は特定の場所の外で自由に動き回っている場合、遠隔地は、中央モニタリング拠点であるかもしれない。
【0031】
図1に概略的に図示しているように、遠隔式生理学的モニタリングシステム10の一例は、パッチ12と、通信装置14とを備えることができる。パッチ12は、人体16に取り外し可能に固定されるように構成することができる。例えば、パッチ12は、図に示すように、人の前腕に貼着することができる。別の例では、パッチ12は、人の生理学的モニタリングを円滑化するために、人体に直接接しない人体付近に配設することができる。例えば、パッチ12は、人の心拍数をモニターできるように、人の胸の直ぐ前で衣服に固定することができる。詳述すると、パッチ12は、人の特定の生理学的パラメータをモニターするように構成されたモニタリング装置を備えることができる。例えば、人の心拍数、体温、発汗速度、グルコースレベル、血液酸素レベル、又は他のかかるパラメータをモニターするように、パッチ12を構成することができる。パッチ12は更に、モニターした生理学的パラメータに関する情報を通信装置14に伝達するように構成することができる。一方通信装置14は、パッチ12によって伝達されるその情報、即ちモニターした生理学的パラメータに関する情報を受信し又は他の方法で取得するように構成することができる。
【0032】
1つの例では、パッチ12は、無線通信技術を使って通信装置14と通信するように構成され、通信装置14は、かかる無線通信技術を使ってパッチと通信するように構成される。無線通信技術の例として、特に、近接場通信、例えば802.11及び802.15が例として挙げられるが、これらに限定されないIEEE802ファミリーの無線通信プロトコル等の規格で動作する短距離無線周波数通信システム、及び赤外線信号通信が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
1つの例では、通信装置14は、近接場通信機能が搭載されたマルチメディア携帯電話又は携帯情報端末(Personal Digital Assistant:PDA)とすることができる。自明であるが、通信装置14は、携帯電話又は携帯情報端末として説明されているが、情報又はデータを送受信できるいかなる装置であってもよい。例えば、通信装置14は、遠隔式生理学的モニタリングシステム10の通信装置14として機能するように専用化され、そのように特別に設計された装置とすることができる。パッチ12は、通信を円滑化するために、無線自動識別(Radio Frequency Identification:RFID)機器18を備えることができる。かかる例において、通信装置14とパッチ12とは、図1に示すように、パッチ12に近接して通信装置14を配置することによって交信することができる。
【0034】
1つの例では、通信装置14は、RFID機器18に信号を送出することによってRFID機器18との交信を開始することができ、その結果、RFID機器18は、モニターした生理学的パラメータに関する情報又はデータを使って応答する。別の例では、RFID機器18は、RFID機器18に隣接して通信装置14が配設されていることを感知し、モニターした生理学的パラメータに関する情報又はデータを使って、通信装置14への信号を立ち上げることができる。
【0035】
図2に概略的に図示しているように、パッチ12は、パッチ12を人体16に取り外し可能に固定するための粘着部20を備えることができる。RFID機器18は、RFIDチップ22と、アンテナ24とを備えることができる。パッチ12は更に、センサー26も備えることができる。このセンサーは、生理学的パラメータを容易にモニターできるように、パッチ12と電気的な交信状態になっている。RFIDチップ22は、通信装置14とスムーズに正確な交信を行なえるように、固有の識別信号を備えた高周波RFIDチップ22とすることができる。アンテナ24は、RFIDチップ22と電気的な交信状態にあり、通信装置14等の装置から信号を受信するとともに、RFIDチップ22が処理した信号を送信するように構成されている。
【0036】
センサー26は、モニターすべき生理学的パラメータに応じて、いくつもの態様で構成することができる。例えばグルコースレベルをモニターすべき場合、センサー26は、人の皮膚を検査し、グルコースレベルを判定するのに使用される赤外線光源を備えることができる。別の例では、血液酸素レベルをモニターすべき場合に、センサー26は、人の血液酸素レベルを測定するように配置された発光ダイオード及びフォトダイオードを備えることができる。
【0037】
センサーは更に、傷又は人体の状態に関連するパラメータも測定することができる。例えば、センサーは、音響信号を送受信できるものもあれば、2以上の点相互間の導電率を、ある周波数範囲及びDCで測定できるものもある。それらの測定値は、RFIDチップを介して中継し、通信装置に返送することができる。代替案として、音響応答等の信号を、RFIDチップに放出させて傷領域に送り込むことができ、その応答を電話機に、マイクロフォン等の自装置のセンサーを使って判断させることができる。
【0038】
生理学的モニタリングシステム10によって測定された生理学的パラメータは、その人から離れた場所に拠点を構える医療専門家、後見人、及び捜査当局に送信することができる。1つの例では、センサー26は、患者の体温を測定するように構成することができる。かかる体温測定は、人体16に直接接触させてセンサー26を配設することによって行うことができる。自明であるが、パッチ12の粘着部20を使ってパッチ12を人体16に固定することによって、センサー26を人に直接接触させて配置できる。
【0039】
パッチ12を装着している人は、図1に示すように、通信装置14をパッチ12に近接した場所に移動させることによって、所望するときはいつでも生理学的パラメータ測定を開始することができる。かかる近接状態になれば、体温を読み取る、即ち測定するように、センサー26に命令できるようになる。ひとたび体温が測定されれば、センサー26は、センサー26とRFIDチップ22との間の電気接続を介して、その測定値をRFIDチップ22に伝達することができる。次いで、RFIDチップ22は、測定値を乗せた信号を、アンテナ24を使って通信装置14に送信することによって、通信装置14に測定値を伝達することができる。かかる構成において、通信装置14は、RFIDリーダーとして機能することができる。測定値は、通信装置14がいったん受信した後、医療専門家が直ぐに見られるように、引き続き遠隔地に送信することができる。或いは、医療専門家が後で見られるように格納することができ、これにより、医療専門家の自由度が広がる。
【0040】
通信装置14が携帯電話又は携帯情報端末である場合、測定値は、いくつもの形態で遠隔地に送信することができる。例えば、測定値は、生データとして、テキスト形式のメッセージとして、電子メールのメッセージとして、又は同様の送信方法で送信することができる。測定値は、無線技術を使って送信することができるが、他の通信方法で送信することも可能である。例えば、通信装置14は、イントラネット又はインターネット上で測定値を送信するコンピューターに連結することができる。
【0041】
生理学的パラメータ測定は、医療専門家が遠隔式に開始することができる。例えば、患者から生理学的パラメータを測定したい医療専門家は、その患者と連絡を取って、測定を要求することができる。かかる患者との連絡は、医療専門家の方から患者に電話を掛け、電子メールを送り、又はテキスト形式のメッセージを送り、生理学的パラメータ測定を実施するように患者に要求することによって実現することができる。要求を受けると、患者は、通信装置14をパッチ12の近傍に移動させて測定を開始すればよい。通信装置14が携帯電話又は携帯情報端末である場合、患者は、その携帯電話又は携帯情報端末を介して要求を受け取り、直ぐに、医療専門家に返送すべき測定を開始することができる。
【0042】
別の例では、生理学的パラメータ測定は、医療専門家が通信装置14に信号を送り、生理学的パラメータ測定を自動的に試みるように通信装置14に指示することによって、開始することができる。通信装置14は、RFID機器18に信号を送ることによって応答し、測定を開始することができる。首尾よく測定できたものがあれば、それを通信装置14に送信し、更に医療専門家まで伝達することができる。かかる例において、患者は率先的な行動をとる必要がなく、測定が行なわれ医療専門家に伝達されていることさえも意識しなくてかまわない。
【0043】
本開示は、医療専門家又は患者が生理学的パラメータの測定を開始するように説明しているが、自明であるようにかかる測定を自動化してもよい。例えば、設定した時刻又は間隔で測定を開始するように、通信装置14をプログラムすることができる。別の例では、設定した時刻又は間隔で測定を開始するように、RFID機器18をプログラムすることができる。更に別の例では、設定した時刻又は間隔で測定を開始させるように通信装置14に信号を送るようなプログラムに、遠隔コンピューター又は他のかかる遠隔装置をプログラムすることができる。
【0044】
パッチ12は、生理学的パラメータのモニタリングの他に、患者に対する治療作業も選択的に行なうように構成することができる。例えば、パッチ12は、人体16表面上の切り傷、火傷、その他の同様の傷を覆うように構成された手当て用品、即ち包帯とすることができる。図3に概略的に示しているように、パッチ12は、センサー26の他に、RFIDチップ22と電気的な交信状態にある治療装置28も備えることができる。パッチ12は、パッチ12が傷を覆うとともに、センサー26及び治療装置28がその傷に近接して上方に配設されるような形で、人体16に付着するように構成することができる。センサー26は、傷内のバクテリアレベルを検出又は測定するように構成することができる。傷内のバクテリアレベルは、傷がどれほど良好に治癒しているか及び傷が感染しているかどうかの指標となり得るものである。
【0045】
治療装置28は、傷に抗菌治療を施すように構成することができる。1つの例では、治療装置28は、紫外線又は青色の光源を備えることができる。かかる光源が点灯され傷の方に向けられると、その光は抗菌治療を施すことができ、それにより、傷内のバクテリアレベルが低下する。別の例では、治療装置28は、オゾン発生コンポーネントを備えることができる。オゾンが発生して傷と接触すると、傷内のバクテリアレベルが下がることになる。別の例では、治療装置28は、動作時に傷の上に抗菌剤又は軟膏を制御可能に放出する装置とすることができる。かかる例において、治療装置28は、抗菌軟膏を貯留する容器と、動作時に抗菌剤の放出を制御する圧電装置とを備えることができる。
【0046】
傷内のバクテリアレベルを測定するとともに、その測定値を遠隔地に拠点を構える医療専門家に伝達するように、センサー26に命令を与えてもよい。医療専門家は、バクテリアレベルの測定値を精査する際に、傷内のバクテリアレベルを評価し、必要に応じて、抗菌剤で傷を治療することを推奨する。傷内のバクテリアレベルを測定することは、通信装置14をパッチ12の近傍に持ってくることによって、患者が開始させることができる。通信装置14によってRFID機器18に届けられた信号により、RFID機器18は、センサー26に、バクテリアレベルを測定するように命令することができる。その測定値は、RFID機器18によって通信装置14に送信することができ、通信装置14は、その測定値を引き続き遠方の医療専門家まで送信する。適切な場合、医療専門家は、傷の抗菌治療を開始するように、通信装置14にメッセージを送ることができる。
【0047】
1つの例では、通信装置14は、医療専門家からのメッセージを受信するとともに、抗菌治療を施させるために、パッチ12に自動的に信号を送出するように構成される。かかる例において、通信装置14は、抗菌治療を施すという指示を乗せて、RFIDチップ22に信号を送る。RFIDチップ22は、治療装置28まで電力を誘導し、その治療装置は、傷まで抗菌剤を誘導する。治療装置28が紫外線又は青色の光源である場合、電力は、その光源を点灯させる。治療装置28がオゾン発生コンポーネントである場合、電力によってオゾンが発生する。治療装置28が抗菌軟膏を放出するように構成されている場合、電力は、圧電装置を作動させて軟膏を放出させる。
【0048】
1つの例では、パッチ12は、電池等の、RFID機器18によって電力をそこから治療装置28まで誘導できる電源装置を備えることができる。別の例では、通信装置14からRFID機器18に送信される無線信号の一部は、RFID機器18によって電力に変換するとともに、治療装置28まで誘導することができる。したがって、自明であるが、この例及び他の例において、RFID機器18は、アクティブ型、セミパッシブ型、又はパッシブ型のRFID機器18とすることができる。
【0049】
パッチ12は、傷を直接的に観察又は検査して、傷の状態又は傷がどれほど良好に治癒しているかを判定できるように構成することができる。1つの例では、図4に概略的に示しているように、パッチ12は、傷を視覚的に検査するための観察窓30を備えている。パッチ12は、傷が覆われるとともに観察窓30が傷の上方に配設されるような形で、患者の身体16に固定することができる。観察窓30は、フレネルレンズ、ホログラフィックレンズ、又は傷を視覚的に検査するための経路を提供する任意の他のかかるコンポーネントとすることができる。加えて、経路又は観察窓は、特定波長においてのみ傷を検査し得るものとすることができ、その波長は、人の通常の視覚認識範囲の外側且つ通信装置内部のカメラ又は他のセンサーシステムの感知範囲の内側とするのがよい。例えば、窓は、赤外線波長を透過させることができる。このようにして、窓は、適切に装備された医療専門家には傷の状態が見えるが、患者又は画像を不快に感じる可能性のある他の人々には見えないようにする。或いは、窓は、液晶セル等のシャッタの形態とすることができる。このシャッタは、手当て用品に組み込まれた、RFID装置等の制御回路に対して通信装置が信号を送ったときにだけ、視覚的経路を確立することを可能にするものである。画像に対する照明は、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)等の、手当て用品に一体化され、通信装置によって光放射が制御された状態の適切な光源から提供することができる。代替実施形態では、光源用の電力は、ホストシステムとの長距離通信を確立するのに使用される伝送波又はRFID装置を読み取るのに使用される通信のような短距離通信に使用される伝送波といった、通信装置のRF放射から整流される。
【0050】
代替案として、窓及びディスプレイは、例えば、色を変えること、或いは支援若しくは説明を求めるように患者に注意を促す基本メッセージ又は装置自体が正しく機能していないとして患者に注意を促す基本メッセージを表示することによって、患者に視覚的な合図を与えるのに使用することができる。そういった表示は、電気泳動の粒子、エレクトロクロミックフィルム、又は表示、色彩、若しくは視覚的な合図を発する他の適切な手段によって発することができる。
【0051】
通信装置14が携帯電話、携帯情報端末、又は写真を撮影できる他の装置である場合、患者は、観察窓30を介して傷の写真を撮影するのに通信装置14を使用することができる。撮影できれば、傷の治癒プロセスを評価してもらうために、患者はその写真を、通信装置14を使って遠方の医療専門家まで送信することができる。観察窓30がレンズである場合、医療専門家が高画質写真で評価できるように、傷の表面を拡大できる構成にすることができる。医療専門家は、写真を検査する際に、追加的な治療が必要かどうかを判断することができる。例えば、医療専門家は、抗菌治療を要請することもできれば、更に傷を検査又は治療してもらうために医療専門家に対して予約を取るように、患者に要請することもできる。
【0052】
別の例では、図5に概略的に示しているように、パッチ12は、パッチ12が傷を覆っているときに、音響経路32を介して音響信号によって傷を検査できるように配設された、音響経路32を備えることができる。通信装置14が携帯電話、携帯情報端末、又は音響信号を送受信できる他の装置である場合、患者は、音響信号を用いて傷を検査するのに、通信装置14を使用することができる。1つの例では、携帯電話は、音響信号を発するためのスピーカー及び音響信号を受信するためのマイクロフォンの両方を備えている。したがって、携帯電話を利用して、傷に通じる音響経路32を介して初期音響信号を発するとともに、その初期音響信号が傷で反射されたときに、戻り音響信号を受信することができる。初期音響信号と比較した戻り信号の変化分を分析して、傷の表面の硬直度又は張力を求めることができる。かかる分析は、傷の治癒プロセスを評価するのに使用することができる。自明であるが、音響経路32は、音響信号の伝播を可能にする任意の材料又は媒体で作製してかまわない。
【0053】
1つの例では、図6に概略的に示しているように、パッチ12は、パッチ12を貫通する開放通路34と、開放通路34を選択的に覆うように構成された舌片36とを備えることができる。舌片36は、開放通路34を露出させるために、選択的に除去することができる。ひとたび開放通路34が露出されれば、傷は、前に述べたように、音響信号によって検査することができる。
【0054】
生理学的パラメータを遠隔式にモニターする方法の一例において、医療専門家は、生理学的パラメータの測定を遠隔式に要求することができ、更に生理学的パラメータの測定結果を受信することもできる。図7において、かかる方法は、開始ブロック100から始まる。プロセスブロック102において、医療専門家は、通信装置に、生理学的パラメータの測定を要求するメッセージを送る。プロセスブロック104において、通信装置は、医療専門家からの要求メッセージを受信する。プロセスブロック106において、通信装置は、RFID機器に、生理学的パラメータの測定を開始する信号を送信する。プロセスブロック108において、RFID機器は、通信装置からの信号を受信する。プロセスブロック110において、生理学的パラメータを測定させるために、RFID機器は、内蔵型電池からセンサーに電力を誘導する。プロセスブロック112において、RFIDは、通信装置に、生理学的パラメータの測定値を含んだ信号を送信する。プロセスブロック114において、通信装置は、RFID構体からの信号を受信する。プロセスブロック116において、通信装置は、医療専門家に、生理学的パラメータの測定値を含んだメッセージを送信する。プロセスブロック118において、医療専門家は、生理学的測定値を含んだメッセージを受信する。ひとたびメッセージが確認され、受信した情報がプロセスを終わらせるのに十分又は満足なものであれば、上記方法の実行は、終了ブロック120で終了する。或いは、1回目の受信信号に基づいて、信号の中で受信された1回目の測定値を確認するために又は患者の状態を更に明確化し、可能性として追加の治療ステップを指図する目的で、2回目の異なる測定を行なうために医療専門家が駐在している遠隔地から2回目の要求メッセージを送ることができる。視覚的な合図又は場合によっては音響的な合図といった測定結果を患者にも通知するために、患者の状態又は実測値の表示を測定現場で描出することができる。
【0055】
更に、上記の方法は、現場で信号を生成して、表示を発することができる。その表示は、英字及び/又は数字、色彩、記号、等で構成された単純なメッセージのような、患者にとって視覚的又は音響的な合図となるものを、患者が結果を認識するような形で、又は信号を受信していない等の調整作業が装置に必要な場合若しくは他の方法での調節が必要な場合に、患者がそれを認識するような形で、1又は複数有することができる。
【0056】
患者を遠隔式に治療する方法の一例において、医療専門家は、患者の治療を遠隔式に開始することができる。図8において、かかる方法は、開始ブロック200から始まる。プロセスブロック202において、医療専門家は、患者の生理学的パラメータ測定値を評価する。プロセスブロック204において、医療専門家は、患者に治療を施すべきと判断する。プロセスブロック206において、医療専門家は、患者を治療するという指示を乗せて、通信装置に信号を送る。プロセスブロック208において、通信装置は、その信号を受信する。プロセスブロック210において、通信装置は、RFID構体に、患者の治療を開始する信号を送信する。プロセスブロック212において、RFID構体は、通信装置からの信号を受信する。プロセスブロック214において、治療を行わせるために、RFID構体は、内蔵型電池から治療装置に電力を誘導する。プロセスブロック216において、患者は治療を受ける。上記方法の実行は、終了ブロック218で終了する。治療装置は、薬を放出することを含むことができ、植え込み可能な装置に刺激を与え又は患者に必要な介護を提供するために本システムの装置が許可できるような他の治療を施す。
【0057】
内蔵型電池システムを使って上記の方法を説明してきたが、パワーアンテナ型若しくは多重アンテナ型の構成、キャパシタ、又は装置に適切な電力を供給する従来の他の手段を使うなどして、電池を使わずに電力を導入できることを理解されたい。
【0058】
諸々の例についての上記の説明は、例示及び説明を目的に提示されてきた。網羅的であることは意図されておらず、説明に係る形態に限定することも意図されていない。上述の教示に照らせば、多数の変更形態が可能である。これらの変更形態のうちの一部については論述しており、他のものも、当業者には自明であろう。想定される特定の用途に適した種々の例の原理を最善に例証するために、これらの例を選択して説明した。当然、発明の範囲は本明細書に記載の例に限定されない。当業者であれば、用途及び均等な装置がいくつあっても、その範囲を活用できる。
【符号の説明】
【0059】
10 遠隔式生理学的モニタリングシステム
12 パッチ
14 通信装置
16 人体
18 無線自動識別(RFID)機器
20粘着部
22 RFIDチップ
24 アンテナ
26 センサー
28 治療装置
30 観察窓
32 音響経路
34 解放通路
36 舌片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔式生理学的モニタリングのためのシステムであって、
通信装置と、
パッチと、
を備え、
前記パッチは、生物有機体に取り外し可能に固定できるように構成され、更に、前記生物有機体の生理学的パラメータをモニターするように構成されており、
前記通信装置は、前記パッチからの通信信号を受信するように構成されており、
前記通信装置は更に、遠隔地に通信信号を送信するように構成されている、システム。
【請求項2】
前記生理学的パラメータは、心拍数、体温、発汗速度、バクテリアレベル、グルコースレベル、化学的指標の有無、血液酸素レベル、及びそれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記通信装置によって視覚的又は音響的な合図が表示される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
タイミングを合わせた信号に応答して間欠的に通信信号が生成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムは、前記生理学的パラメータのうちの少なくとも1つのパラメータをモニターするセンサーを備えており、前記センサーは、前記生理学的パラメータに関連する音響的メッセージ又は視覚的メッセージのうちの少なくとも一方を発するものである、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記パッチは観察窓を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記観察窓は、所定波長の画像を提供するものである、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
遠隔式生理学的モニタリングのためのシステムであって、
通信装置と、
パッチと、
を備え、
前記パッチは、生物有機体の身体の一部分に取り外し可能に固定できるように構成され、更に、生物有機体の身体上の傷を覆うように構成されており、
前記パッチは、前記傷を視認させる観察窓を備えており、
前記通信装置は、前記傷の画像を受信するとともに、前記画像を遠隔地に送信するように構成されている、システム。
【請求項9】
前記観察窓は、所定波長での観測を可能にするものである、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記波長は赤外線である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記パッチは、前記通信装置と交信するためのRFID機器を備えている、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
遠隔式生理学的モニタリングのためのシステムであって、
通信装置と、
パッチと、
を備え、
前記パッチは、生物有機体の身体の一部分に取り外し可能に固定できるように構成され、更に、生物有機体の身体上の傷を覆うように構成されており、
前記パッチは、前記傷へ音響的に到達可能にする音響経路を備えており、
前記通信装置は、音響信号を前記傷の方に向けるとともに、前記音響信号が前記傷によって反射された後の前記音響信号を受信し、反射音響信号を形成するように構成されており、
前記通信装置は更に、前記反射音響信号を遠隔地に送信するように構成されている、システム。
【請求項13】
生理学的パラメータを遠隔式にモニターする方法であって、
患者の生理学的パラメータをモニターするように、RFID機器及び通信装置を設けるステップと、
遠隔地から前記通信装置に、生理学的パラメータの測定を要求するメッセージを送出するステップと、
前記通信装置によって前記要求メッセージを受信するステップと、
前記通信装置から前記RFID機器に信号を送信するステップと、
前記送信信号に基づいて、前記RFID機器によって生理学的パラメータの測定を開始するステップと、
前記要求メッセージに応答して、前記生理学的パラメータを測定するステップと、
前記生理学的パラメータを含んだ信号を前記通信装置に送信するステップと、
前記生理学的パラメータを含んだ前記信号を、前記通信から前記遠隔地に送出するステップと、
前記遠隔地で前記信号を受信するステップと、
を含む方法。
【請求項14】
前記信号を受信する前記ステップの後で、前記遠隔地において前記信号を確認するとともに、前記測定の確認を求める第2の要求メッセージを送出する後続ステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記遠隔地で前記信号を受信する前記ステップの後で、前記第1の信号の前記受信に基づいて、別個の生理学的パラメータを測定することを求める第2の要求メッセージを送出する後続ステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記RFID機器は、前記生理学的パラメータの前記測定の結果に関連する視覚的信号又は音響的信号を提供するものである、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記RFID機器は、前記RFID機器の動作状態に関連する視覚的信号又は音響的信号を提供するものである、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記信号は、規則的間隔で送信される、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記生理学的パラメータは、心拍数、体温、発汗速度、バクテリアレベル、グルコースレベル、化学的指標の有無、血液酸素レベル、及びそれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
生理学的パラメータを遠隔式にモニターする方法であって、
遠隔地で患者の生理学的パラメータ測定値を評価するステップと、
前記評価するステップに基づいて、前記患者に治療が施されるべきことを決定するステップと、
前記患者を治療するという指示を乗せて、前記遠隔地から通信装置に信号を送出するステップと、
前記通信装置において前記信号を受信するステップと、
前記通信装置からRFID機器に信号を送信するステップと、
前記通信装置からの前記信号を前記RFID機器で受信することによって、前記患者の治療を開始するステップと、
治療を行わせるために、前記RFID機器によって内蔵型治療装置に電力を供給するステップと、
前記患者に治療を施すステップと、
前記RFID機器から前記通信装置及び前記遠隔地に信号を送信することによって、前記患者に前記治療を施したことを確認するステップと、
を含む方法。
【請求項21】
前記患者に前記治療を施したことを確認する前記ステップの後で、前記RFID構体に第2の信号を送信する後続ステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第2の信号は、前記患者に第2の治療を施すことに関する情報を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記治療は、薬、植え込み可能な装置に対する刺激、又はそれらの組み合わせを含む群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記治療を施すことは、規則的な時間刻みで行なわれる、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−517092(P2013−517092A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550036(P2012−550036)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2011/021060
【国際公開番号】WO2011/090870
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(511205046)エイブリィ デニソン コーポレーション (15)
【Fターム(参考)】