説明

遠隔操作装置、該遠隔操作装置を用いた集計装置、及び撮像装置

【課題】遠隔操作装置における信頼性を高くする。
【解決手段】ユーザから指示された制御内容を遠隔にある制御対象物に送信し、該制御対象物に所定の動作を行わせるための遠隔操作装置において、前記ユーザから所定の指示を入力させるためのスイッチ部と、前記スイッチ部に対して前記ユーザが指示したことにより発電を行う発電部と、前記発電した電力を用いて前記制御対象物に前記スイッチ部により選択された指示制御情報を送信し、前記制御対象物から送信された前記指示制御情報に対する応答信号を受信する送受信部と、前記送受信部により受信した前記応答信号の内容を前記発電部により得られる電力を用いて表示させるメモリ性を有する表示素子を含む表示部とを有することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔操作装置、該遠隔操作装置を用いた集計装置、及び撮像装置に係り、特に信頼性を高くすることができる遠隔操作装置、該遠隔操作装置を用いた集計装置、及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ受像機やカメラ等の撮像装置等の操作者(以下、「ユーザ」という)からの操作が必要な電子機器等の制御対象物(親機)に対して、ユーザの手元から遠隔で操作するための遠隔操作装置(リモートコントローラ;以下、必要に応じて「リモコン」と略称する)が知られている。ユーザは、制御対象物である親機に対して手元からの遠隔操作を行う際には、リモコン等の子機に予め赤外線等の無線通信等を行うための制御信号送信部が設けられており、一方、テレビ受信機等の親機には、その発信された制御信号を受信するための制御信号受信部が設けられている。そのため、ユーザの操作に基づいて子機側から発信された制御信号を親機の受信部が受信し、その受信した制御信号に基づいて親機の制御が行われる。
【0003】
なお、上述の制御信号としては、例えば、リモコンに設けられたスイッチ(ボタン)を押すことにより、そのスイッチに対応した処理を実行させる仕組みが基本となっており、例えばテレビジョン受像機では、「電源のオン/オフ」、「チャンネルの切り換え」、「音量の増減」等を行うための制御信号がある。
【0004】
また、従来のリモコンは、電力供給手段として乾電池等を用いているため、ユーザの使用による電池切れにより親機に対する遠隔操作ができなくなる場合もある。なお、従来では、選択或いは起動スイッチと発電素子のスイッチとを兼ねた無線伝送側のリモコン装置について開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1で使用されているリモコンは、住宅用照明の制御等に用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2001−511924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来手法によれば、電源の問題により無線化が難しかった装置を無線化することができる。しかしながら、従来の遠隔操作装置においては、リモコン等の子機に対するユーザからの操作によって、電波が子機からテレビ受像機等の親機に伝送され、親機がその電波に変調された情報に基づいた出力を行うが、親機と子機との距離が離れている場合には、親機の出力内容を確認することできない。したがって、子機側において、親機への制御信号が確実に伝送できたかどうかを確認することができなかった。また、親機と子機の距離が近い場合でも、子機が複数の場合、個々の子機から確実に伝送できたかを確認することが難しかった。
【0007】
また、従来技術では、子機においてユーザが操作したスイッチの確認、及びスイッチが複数ある場合にどのスイッチを押したかを確認することができなかった。
【0008】
本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、遠隔操作装置における信頼性を高くすることができる遠隔操作装置、該遠隔操作装置を用いた集計装置、及び撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
【0010】
請求項1に記載された発明は、ユーザから指示された制御内容を遠隔にある制御対象物に送信し、該制御対象物に所定の動作を行わせるための遠隔操作装置において、前記ユーザから所定の指示を入力させるためのスイッチ部と、前記スイッチ部に対して前記ユーザが指示したことにより発電を行う発電部と、前記発電した電力を用いて前記制御対象物に前記スイッチ部により選択された指示制御情報を送信し、前記制御対象物から送信された前記指示制御情報に対する応答信号を受信する送受信部と、前記送受信部により受信した前記応答信号の内容を前記発電部により得られる電力を用いて表示させるメモリ性を有する表示素子を含む表示部とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項1記載の発明によれば、遠隔操作装置における信頼性を高くすることができる。
【0012】
請求項2に記載された発明は、前記発電部は、圧電材料により形成され、前記圧電材料により得られる電力を蓄積する電力蓄積部を有することを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、一時的に発電素子等により発電された電力を蓄えることができるため、表示部における表示の際にもその電力を利用することができる。
【0014】
請求項3に記載された発明は、前記応答信号は、前記制御対象物において、前記指示制御情報の受信が正常に行われたか否かを示す信号、又は、前記指示制御情報による処理が正常に行われたか否かを示す信号であることを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、制御対象物における受信確認や実行結果を即座に把握することができ、またその応答情報を用いて表示部に迅速に表示させることができる。これにより、発電素子の電力の消耗を抑えることができる。
【0016】
請求項4に記載された発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の遠隔操作装置により制御される前記制御対象物としての集計装置において、前記集計装置は、前記遠隔操作装置から送信された指示制御情報を受信し、前記受信に対する応答信号を送信する送受信部と、前記指示制御情報に対する処理が正常に行われていなかった場合にエラー情報を生成し、前記送受信部から前記エラー情報を送信させる制御部とを有することを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載された発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の遠隔操作装置により制御される前記制御対象物としての撮像装置において、前記撮像装置は、前記遠隔操作装置から送信された指示制御情報を受信し、前記受信に対する応答信号を送信する送受信部と、前記指示制御情報に対する処理が正常に行われていなかった場合にエラー情報を生成し、前記送受信部から前記エラー情報を送信させる制御部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、遠隔操作装置における信頼性を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態における遠隔操作システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】本実施形態における子機と親機との処理動作の流れを説明するためのシーケンス図である。
【図3】本実施形態における子機の一構成例を示す図である。
【図4】本実施形態における親機の一構成例を示す図である。
【図5】本実施形態における子機と親機が送受信を行うデータの一例を示す図である。
【図6】実施例1について説明するための図である。
【図7】実施例2について説明するための図である。
【図8】実施例3を説明するための図である。
【図9】本実施形態におけるその他の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<本発明について>
本発明は、上述した子機(遠隔操作装置)がユーザの指示により送信した指示情報を含む電波をその制御対象物である親機が受信した後、親機が子機に対して応答情報(受信確認情報)を含む電波を送信する機能を有する。また、子機が送信した情報に対する親機からの応答を含む電波を受信する機能を有する。
【0021】
なお、本発明においては、子機が維持状態において電力を消費しない表示素子を有する。これにより、子機側の電力がなくなっても現在の親機の状態を子機側で表示したままの状態にすることができる。
【0022】
以下に、本発明における遠隔操作装置、該遠隔操作装置を用いた集計装置、及び撮像装置を好適に実施した形態について、図面を用いて説明する。
【0023】
<遠隔操作システム:システム構成例>
図1は、本実施形態における遠隔操作システムのシステム構成の一例を示す図である。図1に示す遠隔操作システム10は、子機であるリモコン(遠隔操作装置)20と、親機30とを有するよう構成されている。なお、親機の例としては、例えば後述するように、1又は複数の子機から伝送されたデータを集計する集計装置や映像を撮影するカメラ装置等があるが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば照明装置等の他の遠隔操作を行う一般的な操作機器に対しても適用することができる。なお、図1の例では、本実施形態に係る親機の送受信部分の構成のみを示している。
【0024】
ここで、リモコン20は、親機30に対する所定の指示情報を入力する情報入力手段としてのスイッチ部21と、発電手段としての発電素子22と、無線伝送手段としての無線IC(Integrated Circuit)23と、送信アンテナ24と、受信アンテナ25と、表示手段としての表示素子26とを有するよう構成されている。
【0025】
また、親機30は、無線伝送手段としての無線IC31と、受信アンテナ32と、送信アンテナ33とを有するよう構成されている。
【0026】
スイッチ部21は、ユーザに親機に対して遠隔操作させるための各種キーが設置されている。ユーザは親機に所望する指示に対する処理を親機に実行させるため、その指示に対応するスイッチを入力(押下)する。
【0027】
発電素子22は、スイッチ部21によりユーザが押下したことにより生じる圧力と作動距離に対応した発電を行う。なお、発電の具体的な内容については後述する。なお、発電素子22には、発電した電力を2次的に蓄えるため、コンデンサ等の電力蓄積部が内蔵されていてもよい。つまり、本実施形態では、スイッチ部21を1回押すことで得られる電力を電力蓄積部に蓄積しておくことができる。
【0028】
無線IC23は、送受信部23−1と、制御部23−2とが設けられている。無線IC23において、制御部23−2は、ユーザがスイッチ部21にて押したキー情報の内容を伝送用の情報信号に変換し送受信部23−1は、変換した情報信号を、送信アンテナ24を用いて親機に送信する。つまり送受信部23−1は、送信アンテナ24から送信する情報に対する変調を行い、電波を生成すると共に、受信アンテナ25から受信した電波に対する復調を行い親機30から送信された情報を取得する。
【0029】
また、無線IC23は、親機30から得られる識別情報が受信アンテナ25にて受信すると、制御部23−2が送受信部23−1から得られる情報信号を解析し、その解析結果に基づいて表示素子に表示を行う。
【0030】
なお、送信アンテナ24は、スイッチ部21で押された指示に対する指示制御信号を送受信部23−1からの指示により無線伝送にて親機30に送信するものである。受信アンテナ25は、親機30から無線伝送された制御信号を取得し、取得した情報を送受信部23−1に出力する。
【0031】
表示素子26は、その表示内容の維持状態において電力を消費しない表示部である。つまり、表示素子26は、発電素子22に対して圧力を与えたときに生じる電力により提示情報を表示する。これにより、電力がなくなっても現在の親機の状態を子機側で容易に確認することができる。
【0032】
また、親機30において、無線IC31には、送受信部23−1と、制御部23−2とが設けられている。また、無線IC31は、外部電源により動作することができ、親機30の他の構成に対してデータを出力し、また、出力した内容を実行した結果等の情報を入力する。
【0033】
送受信部31−1は、受信アンテナ32から受信した電波に対する復調を行い、子機20から送信された情報を取得すると共に、送信アンテナ33から送信する情報に対する変調を行い、電波を生成する。
【0034】
つまり、送受信部31−1は、子機20から送信された指示制御情報を受信アンテナ32から取得し、更に制御部31−2で生成される受信確認信号を送信アンテナ33から子機20に送信させる。なお、本実施形態における受信確認信号とは、指示制御情報に対する応答信号であり、例えば子機20から送信された指示制御情報を正常に受信したか否かを示す情報、又は、指示制御情報に対応する処理を親機30側で実行し、その実行結果等を示す情報である。
【0035】
制御部31−2は、送受信部31−1が取得した受信アンテナ32からの受信情報を解析し、その情報に対応する処理をさせるために親機30の所定の構成部へ、その情報を出力する。また、制御部31−2は、他の構成部から得られる処理結果(例えば、正常終了、異常(エラー)終了等)に基づいて、子機20に送信すべき情報を制御し、その制御情報を送受信部31−1から送信アンテナ33を介して子機20に送信させる。
【0036】
なお、制御部31−2は、親機30の他の構成から入力された処理結果に基づいて、指示制御情報を送信した子機20に対して予め設定された応答信号を生成する。具体的には、制御部31−2は、例えば、子機20からの指示制御情報に対する処理が正常に行われた場合には、正常終了した旨を示す信号を生成し、処理に異常があった場合には、エラー情報又は再度指示させる旨のリトライ情報等を送受信部31−1から送信させる。更には、制御部31−2は、受信確認情報を含む電波を送受信部31−1により送信させてもよい。
【0037】
なお、図1に示す例では、子機20と親機30とを1対1の関係として説明したが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、子機20対親機30の関係を、1対N(N:複数)、N対1、N対Nにしてもよい。
【0038】
<動作シーケンス>
次に、子機20と親機30との処理動作について、シーケンス図を用いて説明する。図2は、本実施形態における子機と親機との処理動作の流れを説明するためのシーケンス図である。なお、図2に示す子機20と親機30は、図1に示す構成を有しているものとする。つまり、図2の例では、子機20の発した電波を親機30が受信した後、親機30が子機20に対して受信確認情報を含む電波を送信する機能を有している。更に、子機20は、維持状態において電力を消費しない表示素子を有している。
【0039】
図2において、ユーザからの情報入力の選択により子機20のスイッチが押下されると(S01)、発電素子22により発電が行われる(S02)。なお、発電素子22には、2次的に電力を蓄えられるコンデンサ等が内蔵されている。次に、発電素子22により発電された電力を用いて、無線IC23を経由して送信アンテナ24からスイッチに対応する親機30への指示制御情報(指示情報)を生成し(S03)、生成された指示制御情報が電波で親機30に送信される(S04)。このとき、子機20では、表示素子26に対して初期化処理を行い、今まで記憶していた表示情報がリセット処理される。
【0040】
親機30では、子機20から送信された電波を受信アンテナ32にて受信し、無線IC31において、正常に受け取れたか否かを判断し、正常に指示制御情報を受信できていた場合(S06)、指示制御情報の内容を実行し(S07)、実行した結果を、指示制御情報を送信してきた子機20に対して出力する(S08)。
【0041】
なお、S08の処理においては、処理が正常に実行されたか否かによって、上述したように異なる信号(正常、異常等)を送信してもよく、また、S06の処理にて子機20からの指示制御情報が正常に受信できた場合に、S07の処理を待たずに無線IC31により受信確認情報を含む電波を送信アンテナ33から送信させてもよい。
【0042】
次に、子機20は、親機30から信号を受信すると、受信確認情報を含む電波を受信アンテナ25により取得し、正常に受信できている場合には、上述したように予めコンデンサ等に蓄えておいた電力を用いて、表示素子26に指示した情報を表示させたり、正常受信を示す状態、エラーであることを示す状態に書き換える(S09)。
【0043】
なお、S08の処理において、正常に受信できなかった場合、或いは全く受信されなかった場合、子機20は、表示素子26に対する書き換えは行わない。また、本実施形態において、処理が正常であるか否かの判断は、例えば予め設定されたデータ長やデータ中に含まれる符号等を参照することで、それらを判定することができる。
【0044】
つまり、万一、電波障害等により通信が不全となった場合、子機20側ではスイッチを押下したことは表示されない。この場合、ユーザは表示素子に何も表示されていないため、何らかの理由により正常に送信できなかったことを知ることができリトライ操作や停止操作等の安全対応を行うことができる。
【0045】
<子機20について>
次に、本実施形態における子機20の具体的な構成について、図を用いて説明する。図3は、本実施形態における子機の一構成例を示す図である。図3における子機20は、上述した図1に示す子機20を具体的に説明するものである。図3に示す子機20は、上述した構成であるスイッチ部21と、無線IC23と、送信アンテナ24と、受信アンテナ25と、表示素子26とを有し、更に、スイッチ支軸部41と、板バネ42と、板バネ支軸部43と、突起部44と、ハンマー45と、発電素子22としての圧電材料46と、弾性体であるバネ47と、コンデンサ等の電力蓄積部48と、電力切り換え部としてのリレースイッチ49とを有するよう構成されている。
【0046】
ここで、各構成について、動作と共に説明する。ユーザの指50が1又は複数あるスイッチ部21のうち、選択された操作に対するスイッチを押下すると、スイッチ支軸部43を中心にスイッチ部21が下に移動し、その一部が板バネ支軸部43に当接する。更に、スイッチ部21がユーザの指50により下に押し込まれるとスイッチ部21により板バネ42が下に押される。
【0047】
図2に示す板バネ42の中心には板バネ支軸部43を有しており、板バネ支軸部43の左側の板バネ42が下に押されることにより、板バネ支軸部43の右側の板バネ42が上に回転移動する。このとき、板バネ42の端部は突起部44と接触するようになっている。これにより、板バネ42は、上方への移動に対し、突起部44により一時的に止められるが、板バネ42の弾性力によりある程度まで撓った後、突起部44による固定から開放され、板バネ上面に配置したハンマー45により圧電材料46に衝撃が与えられる。
【0048】
これにより、圧電材料46は、電力を発生する。その際、別途取り付けたバネ47が縮められるため、ユーザがスイッチ部21から指を離すと、バネが弾性力により復元しようとして伸び、板バネ42が元の位置に戻る仕組みとなっている。
【0049】
ここで、上述した圧電材料46としては、例えば発電量が大きな圧電素子であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いている。なお、本発明においては、上述した圧電材料に限定されるものではなく、例えば、二酸化ケイ素、酸化亜鉛、ロッシェル塩(酒石酸カリウム−ナトリウム)、チタン酸ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、窒化アルミニウム、ポリフッ化ビニリデン等を用いることもでき、更に上述した材料のうち複数を組み合わせることもできる。また、本実施形態において、発生させる電力としては、例えば0.1〜1mW程度が好ましい。
【0050】
また、上述した実施形態では、発電に圧電材料を用いた素子を利用したが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、例えば永久磁石とコイルを組み合わせた電磁誘導素子や電荷を半永久的に保持したエレクトレットによる静電誘導素子を発電素子に用いてもよい。
【0051】
ここで、上述した動作により発生した電力は、電力蓄積部48に一度蓄えられる。なお、電力蓄積部48としては、コンデンサ或いはリチウムイオン電池等の2次電池を利用することができる。つまり、本実施形態では、圧電材料46により発電された電力は、スイッチ部21の押下により生成される制御信号を親機30に送信する処理に必要な電力を供給すると共に、電力蓄積部48に蓄えられ、その蓄えられた電力を2次的に利用して親機30からの信号に基づく情報を、表示素子26を用いて提示する。
【0052】
したがって、まず圧電材料46により発電された電力の一部を利用し、無線IC23から送信アンテナを経由して電波を送信する。なお、図3の例では、送信アンテナ24、受信アンテナ25が共に子機20に内蔵されているが、必要があれば子機20の外部に設置してもよい。また、必要があれば送信アンテナ24と受信アンテナ25とを共通のアンテナ1本に置き換えてもよい。また、本実施形態において、送信する電波の周波数としては例えば315MHz程度が好ましいが、他の周波数でもよい。
【0053】
ここで、子機20から送信される電波は、子機20から親機30への通信であることを示す情報及び子機が有する固有の識別番号(ID)の情報等によって変調されている。また、スイッチが複数ある場合には、押されたスイッチの番号を押された位置により取得し、その取得したスイッチ番号も含めた情報によって変調されてもよい。また、無線IC23には保持に電力を消費しない記憶領域(例えば、フラッシュメモリ等)が内蔵されており、ID等のデータを記憶している。IDのデータ長は目的によって変更できる。これにより、例えば100台程度の子機を有するシステムを構築する場合には、7ビットのデータ長が必要となる。したがって、構築するシステムにおける子機、親機の数等に応じて必要なデータ長を設定してもよい。なお、データ構成例については、後述する。
【0054】
次に、子機20は、電力蓄積部48に蓄積された電力の一部を利用し、リレースイッチ49を経由して表示素子26のリセット動作が行われる。なお、表示素子26には、反射型表示素子(マイクロカプセル)等を用いた電子ペーパー或いはコレステリック液晶、強誘電性液晶、電子粉流体、エレクトロクロミック材料等を使用したメモリ性を有する液晶素子等の表示素子を用いることができる。
【0055】
なお、電子ペーパーの特徴としては、例えば、「書き込みを行った後に表示内容を保持するための電力が不要である」、「反射型表示素子であるため視認性が良い」、「低消費電力で書き換え可能である」といったものが挙げられる。
【0056】
これらは、書き換え時のみ電力を消費するため、保持期間でも電力を消費することなく押下の確認を行うことができる。なお、消費電力としては、例えば0.01〜0.1mW程度が好ましい。また、表示素子26のリセットにより、スイッチ部21を押していないこと(以下、オフとする)を示す表示状態に書き換える。この際、オフを示す記号や文字、色等を表示してもよく、単に白色、黒色等を示してもよい。この後、無線IC23によりリレースイッチ49がオフの状態になる。
【0057】
また、子機20は、親機30から送られた例えば受信確認情報を含む電波を送信すると、受信アンテナ25を経由して電波を受信し、無線IC23により正常かどうかの判定を行う。ここで、受信結果が正常であれば、無線IC23によりリレースイッチ49を再びオンするための制御を行う。これにより、表示素子26を駆動し、スイッチを押下したこと(以下、必要に応じて「オン」と表現する)を示す表示状態に書き換えることができる。なお、表示素子26に表示される内容は、押したスイッチに対応する内容であればよい。したがって、子機20から親機30に送信した指示制御情報に対する応答信号が親機30から子機20に送信される場合には、その応答信号に含まれるスイッチの内容を表示してもよく、予め子機20側で親機30に送信したスイッチの情報を一時的に蓄積しておき、親機30からの応答情報(例えば、受信確認情報等)を受信した場合に、一時的に蓄積しておいたスイッチの情報を、表示素子26を用いて表示するようにしてもよい。
【0058】
また、表示素子26には、例えばオンを示す記号や文字等を表示してもよく、また予め設定された所定の色(白色、黒色等)を示してもよい。また、複数のスイッチがある場合には、どのスイッチかを示す記号、文字等を表示してもよい。これにより、ユーザは、正常に送受信が行われたことを確認することができ、スイッチ部21を押した直後でなくとも押したことを確認することができ、またどのスイッチを押したか容易に確認することができる。
【0059】
なお、子機20の構成については、本発明においては図3に示す内容に限定されるものではなく、ユーザがスイッチを選択する動作に付随して発電素子に力が加わり、その力によって発電し、発電した電気を利用して指示信号の電波が親機に送信され、親機からの電波を受信して反射型表示素子等の表示素子に送信した内容であり、受信した内容をスイッチにより選択した内容として表示することができる機構であればよい。したがって、本発明は、上記内容を満足する種々の構成が可能となる。
【0060】
なお、本実施形態における子機20を用いた場合、例えば、総発電量が0.4mWであった場合には、信号パルスをDCに変換する効率が80%である場合には、コンデンサ等の電力蓄積部に0.32mWを蓄積し、電力使用合計0.32mWに対して、電波の送信0.2mW、電波の受信0.1mW、表示素子のリセット100μW、表示素子の書き込み100μWとして電力を供給することにより、本実施形態を実現することができる。
【0061】
<親機30について>
次に、本実施形態における親機30の具体的な構成について、図を用いて説明する。図4は、本実施形態における親機の一構成例を示す図である。図4における親機30は、上述した図1に示す親機30を具体的に説明するものである。図4に示す親機30は、上述した構成である無線IC31と、受信アンテナ32と、送信アンテナ33とを有するよう構成されている。
【0062】
ここで、各構成について、動作と共に説明する。親機50は、外部電源により動作する。外部電源とは商用電源或いは乾電池、充電池等を含む。親機30の受信アンテナ32を経由して受信された電波は、無線IC31によりデータを復調し、正常なデータが送信されたかどうかを判断する。
【0063】
ここで、もし受信したデータが正常であれば、親機30から子機20への通信であることを示す情報、子機のIDの情報、受信が正常であったことを示す情報、更にはスイッチが複数ある場合には、そのスイッチの番号も含めた情報によって変調された電波を、送信アンテナ33を経由して送信する。なお、電波が正常に受信されなかった場合、親機30は、子機20に対して何も送信を行わないか、子機20に対してエラー情報を送信する。
【0064】
また、送信した子機20のID、押されたスイッチの情報等を利用したい場合には、無線IC31からデータが出力される。例えば出力端子にPC(Personal Computer)等を接続しておくことができる。その場合、無線IC31と出力端子の間に、例えばRS232C等の通信手段に対応した信号に変換する素子を入れておくことが好ましい。これにより、例えば子機20の状態を詳細に把握するために、子機20のIDや台数の把握、複数の子機によるアンケート等の集計等をPCにより行うことができる。また、逆に無線IC31を用いてPCからデータを入力することができる。これにより、例えば特定のIDを有する子機以外との通信を無効とすることが可能となる(ペアリング)。
【0065】
<指示制御情報のデータ例>
ここで、図5は、本実施形態における子機と親機が送受信を行うデータの一例を示す図である。図5の例では、子機20から送信される指示制御情報の項目として、例えば「ヘッダ」、「ID」、「通信方向」、「受信確認」、「スイッチ情報」等が合計26ビット設けられている。
【0066】
具体的には、図5において、「ヘッダ」には、2ビットが割り当てられており、信号の種類(例えば、「1」、「0」等)が蓄積される。また、「ID」は、子機20を識別するための個体IDが16ビット蓄積される。また、「通信方向」は、指示制御情報の伝送方向が「親機30→子機20」であるか、或いは「子機20→親機30」であるかの情報が2ビット蓄積される。
【0067】
また、「受信確認」は、受信が正常であったか或いは異常が発生したかを示す情報が2ビット蓄積される。なお、「受信確認」の情報としては、例えば、子機20から送信される指示制御情報に対する親機30での受信の正常、異常であってもよく、その他にも、例えば指示制御情報に対する親機30側での実行結果の正常、異常であってもよい。
【0068】
また、「スイッチ」は、ユーザが操作したスイッチ位置が4ビット蓄積される。なお、「スイッチ」は、そのビットに入っていた番号に対応する処理を実行する(アクティブONする)ことを示している。
【0069】
なお、上述した指示制御情報データ例は一例であり、ビット数や順序、データの中身については本発明においてはこの限りではなく、また他の構成が追加されていてもよい。また、規格等に応じて適宜対応させることができる。次に、本実施形態における遠隔操作装置(リモコン)の適用例について、図を用いて説明する。
【0070】
<実施例1:集計装置>
上述した本実施形態を適用した実施例1では、例えば、放送番組の制作や学校の授業、集会等において、観客や生徒等の参加者からの回答や意見のリアルタイム収集に集計装置(クリッカーシステム)に上述したリモコン(子機)を用いる例を示している。親機である集計装置(クリッカーシステム)では、子機と親機の間を赤外線や電波の無線により接続する。
【0071】
この場合、従来では、無線や赤外線を発するための乾電池等のバッテリーを子機に搭載する必要があったが、本実施形態における上述した遠隔操作装置を用いることによって、バッテリーの交換、充電等の作業を省略し、コストや環境負荷を低減できるうえ、電池切れによる動作不全のない信頼性の高い集計が可能となる。
【0072】
ここで、上述の内容について図を用いて説明する。図6は、実施例1について説明するための図である。なお、図6(a)は、集計システムの概略説明を示しており、図6(b)は、集計システムに用いられる遠隔装置の一例を示している。
【0073】
図6(a)に示す集計システム60は、複数の子機61−1〜61−nと、親機62と、PC63と、プロジェクター等の表示装置64とを有するよう構成されている。
【0074】
ここで、本実施例における子機61は、参加者の意見を収集するために、例えば図6(b)に示すように4つのスイッチ65−1〜65−4が配置されており、更に上述した反射型表示素子等の表示素子66が配置されている。ただし、本発明におけるスイッチ65の数は、目的に合わせて増減してもよい。
【0075】
ここで、各子機61−1〜61−nがそれぞれのユーザにより操作され、その操作により指示制御情報の電波が親機62に送信される。親機62は、子機61からの信号を正常に受信し、上述したように親機62から子機61−1〜61−nに対して受信した内容に対応する信号、つまり、どのスイッチが押されたかについての記号或いは受信確認信号が、その信号を送信した子機61に送信され、その対応する子機61が親機62からの電波を正常に受信することにより、子機61の表示素子66に受信した内容或いはユーザが押下したスイッチの内容が表示される。ここで、表示素子66に表示される内容は、どのスイッチかを特定できれば、記号や色、文字、或いはその組み合わせ等でもよい。
【0076】
また、親機62は、PC63に接続されており、親機62により取得した各子機61−1〜61−nからの情報に従ってPC63にて集計を行う。なお、集計としては、例えば、押されたスイッチに対する種類毎の数や全体に対する割合、ユーザの性別や年代別、ジャンル別等による数等であり、PC63に予め既存の集計ソフト等をインストールしておき、そのソフトを用いることで集計処理を実現することができる。また、PC63は、その集計結果を用いて作画を行い、液晶プロジェクター等の表示手段64により、所定の表示領域に表示させることができる。
【0077】
なお、本実施例において、PC63は、放送用出力を行うことができ、番組に直接利用することもできる。なお、実際に複数の参加者により上述の集計システムを実現させるためには、まず全ての子機の登録を行うことが好ましい。
【0078】
これにより、子機61の台数と、それぞれのIDとの管理を行い、未回答や故障の子機61についてのデータを調査することが可能となる。なお、登録を行う際は、PCにおいて子機61−1〜61−nのそれぞれのIDを集計する状態とし、全ての子機61−1〜61−nのスイッチを押して登録を行う。この集計装置を用いることにより、従来は必要であった子機のバッテリー交換や充電の手間を省き、かつ子機61と親機62の通信を確実に行うことができる。
【0079】
<実施例2:カメラ操作装置(デマンド)>
上述した本実施形態を適用した実施例2では、例えば、撮像装置の一例である番組制作用カメラを生中継で利用する際に、放送中の映像(オンエア映像)や他のカメラの映像を確認するためのリターンスイッチをリモコンにより操作する例を示している。ここで、リターンスイッチとは、通常カメラマンが使用するものであり、カメラ本体のビューファインダ等に表示されている画像を、そのカメラで撮影されている映像や、番組等で放映されている映像、又は他のカメラによって撮影されている映像に切り換えるためのスイッチ(デマンド)である。
【0080】
従来のリターンスイッチは、通常、カメラを設置する三脚上に設置され、専用のケーブル(デマンドケーブル)によってカメラやレンズに接続されており、デマンドの動作に必要な電力はカメラからの電源供給により行われる。
【0081】
ここで、図7は、実施例2について説明するための図である。なお、図7(a)は、従来のリターンスイッチの使用方法を示し、図7(b)は、実施例2におけるカメラ操作装置(子機)の使用方法を示している。
【0082】
図7(a)に示す従来例では、例えば生中継において、一台のカメラ70が複数の被写体を担当することがあり、その際には、カメラマンの肩にカメラ70を担いで撮影するハンディ運用と、三脚71にカメラ70を固定して撮影する三脚運用を交互、又は撮影環境、ロケ地等の所定の条件により任意に選択して撮影される。
【0083】
その場合、従来では図7(a)に示すように、三脚71に接続されたカメラ70の画角操作用のパン棒72に据え付けられたリターンスイッチを有するデマンド73にデマンドケーブル74を接続して運用をしている。しかしながら、ハンディ運用と三脚運用との間で運用が変わる度に、カメラ70からデマンドケーブル74を脱着する必要がある。そのため、脱着作業中はカメラ70による撮影ができず、例えば生中継の場合には、その撮影機会を逃すという課題があった。なお、カメラ70は、カメラケーブル75により電源が供給されている。
【0084】
そこで、図7(b)に示す実施例2では、三脚71に接続されたカメラ70の画角操作用のパン棒72に据え付けられたカメラ操作装置である子機76と、カメラに取り付けられる親機77とを有している。
【0085】
図7(b)に示す子機76には、2個のリターンスイッチ78−1,78−2が取り付けられており、放送中の映像(オンエア映像)及び他のカメラの映像を確認することができる。また、子機77には、表示素子79が設けられている。表示素子79は、選択したリターンスイッチの番号が表示される。
【0086】
ここで、実施例2では、信号の混信を防ぐため、予め親機77と子機76とは、ID等の識別情報によりペアリングされ、その組み合わせ以外では動作しない(指示制御情報を受け付けない)ようになっている。また、子機76と親機77との間の通信は電波で行われるため、上述したデマンドケーブル74の取り外しをする必要がなく、またリターンスイッチ78−1,78−2を押すことにより発電を行うため、放送中の電池交換等の必要がない。
【0087】
このように、実施例2で示すようなリモコンを用いることにより、ケーブルの脱着作業による撮影機会を逃すことがなくなり、高品質な中継制作が可能となる。
【0088】
<実施例3:カメラ操作装置(録画スイッチ)>
上述した本実施形態を適用した実施例3では、例えば、番組制作用カメラをロケで利用する際に、録画をスタートさせるための録画スイッチとして上述したリモコン(子機)を用いる例を示している。なお、従来の録画スイッチは、カメラ本体やレンズ等に取り付けられている。
【0089】
ここで、図8は、実施例3を説明するための図である。なお、図8(a)は、従来の録画スイッチの使用方法を示し、図8(b)は、本実施形態における録画スイッチ(子機)の使用方法を示している。
【0090】
図8(a)に示す従来例では、例えばユーザ等が、映像を録画するために映像の画角、フォーカス等を合わせた後、カメラ80の表面に設けられている録画スイッチ81を押す。この録画スイッチ81を押した振動により、カメラが動いて画角が狂ってしまい、三脚82のような不安定なものにカメラ80を載せている場合には、録画スイッチ81を押した振動により映像が揺れてしまうという課題があった。
【0091】
そこで、図8(b)に示す実施例3では、ハンディタイプの子機83及びカメラ80に取り付けられる親機84を有している。なお、子機83は、親機84に対して録画スイッチ81のオン/オフさせるためのスイッチ85と、オン/オフのどちらであるかを示す表示素子86とを有している。なお、表示素子86は、例えば、親機84からの受信正常信号を取得した後に表示される。これにより、親機84の現在の動作状況を確実に表示しユーザに把握させることができる。
【0092】
<実施例4:その他の実施例>
上述した子機は、全てハンディタイプであったが、本発明においてはこれに限定されず、実施例4では、例えば、足で操作して情報入力するためのフットスイッチ或いは手首に取り付けて操作するリストバンド型スイッチの例を示している。
【0093】
ここで、図9は、本実施形態におけるその他の実施例を示す図である。図9に示すように、フットスイッチ型の子機80は、ユーザ等が足で踏むことによりスイッチ部91が押下され、上述した発電や無線伝送等を行うものである。また、図9(a)に示す実施例では、スイッチ部91と一体に形成された表示素子92により、上述した親機からの応答情報或いはスイッチ部91が押したことにより親機が動作した内容が表示素子92に表示される。
【0094】
また、図9(b)に示すリストバンド型の子機93は、子機93と一体に形成された伸縮性のあるバンド或いは従来の腕時計のように所定の円の大きさで位置決めできるようなバンド形状によりユーザ等の手首に装着可能なバンド型の子機である。図9(b)の子機93では、スイッチ部94を押下することにより、上述した発電や無線伝送等を行うものである。また、スイッチ部94と一体に形成された表示素子95により親機からの信号の結果であり、スイッチ部94が押したことにより親機が動作する内容が表示素子95に表示される。また、上述したスイッチ部のオン/オフについては、例えば、オンのときに、「現在録画中」といった対応する言葉を表示させてもよい。
【0095】
なお、上述したフットスイッチ型の子機等を用いてユーザ以外の作用により録画をスタートさせてもよい。例えば、落下物等の自然現象の作用により、スイッチを押下させたり、動物や車等の人以外の移動可能な物体を利用して、例えば動物や車がスイッチ部の上を通過したときにスイッチ部のオン/オフを動作させることもできる。
【0096】
上述したように、本発明によれば、遠隔操作装置における信頼性を高くし環境負荷を低減することができる。具体的には、上述した子機(遠隔操作装置)がユーザの指示により送信した電波をその親機が受信した後、親機が子機に対して受信確認情報を含む電波を送信する機能を有し、また、子機が送信した情報に対する親機からの応答を含む電波を受信する機能を有する。
【0097】
また、本発明においては、子機が維持状態において電力を消費しない表示素子を有することで、電力がなくなっても現在の親機の状態を子機側で容易に把握することができる。なお、送受信される信号は、混信を防止するため、予め親機と子機はID等の識別情報によってペアリングされ、その組み合わせ以外では動作しないようにすることができる。このように子機と親機との間の通信は、電波で行われるため、親機にユーザの接触による振動を与える恐れがない。また、本発明によれば、また録画スイッチを押すことにより発電を行うためく使用中の電池交換等の必要がない。
【0098】
本発明における遠隔操作装置を用いた録画スイッチの操作により、画角を再調整する必要や、不要な振動が映像にのることがなくなり高品質な番組制作が可能となる。また、電源の枯渇がないため、長期間に亘る撮影の待機が可能になり、従来では難しかった撮影が可能になる。
【0099】
このようなエナジーハーベスティング技術を応用したバッテリーレス無線リモコンシステムを適用することで、環境にやさしく、生放送や緊急時も安心・便利な電池不要の無線リモコンシステムを用いた集計装置や撮像装置に適用することができる。つまり、遠隔操作装置のボタン(スイッチ)を押し、発電する送信モジュールを使用することで、電池不要でデータ無線通信が可能となり、電池不要のため環境にやさしく、生放送や緊急時でも安心で便利な無線リモコンシステムを提供することができ、頻繁に抜き差しするカメラリターンスイッチを無線リモコン化し、機動性を向上させることができる。
【0100】
なお、上述した本発明における遠隔操作装置(子機)により操作される電子機器(親機)としては、例えば、テレビやDVDレコーダ等のAV機器や照明器具、エアコン、パソコン、デジタルカメラ、温水便座、ゲーム機、ラジコン、自動車のドアロック(キーレスエントリー)、油圧機器操作等、多種において適用可能である。
【0101】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0102】
10 遠隔操作システム
20 遠隔操作装置(リモコン、子機)
21,91,94 スイッチ部
22 発電素子
23,31 無線IC
23−1,31−1 送受信部
23−2,31−2 制御部
24,33 送信アンテナ
25,32 受信アンテナ
26,66,79,86,92,95 表示素子
30,62,77,84 親機
41 スイッチ支軸部
42 板バネ
43 板バネ支軸部
44 突起部
45 ハンマー
46 圧電材料
47 弾性体であるバネ
48 電力蓄積部
49 リレースイッチ
50 指
60 集計装置
61,76,83,93 子機
63 PC
64 表示装置
65,85 スイッチ
70,80 カメラ
71,82 三脚
72 パン棒
73 デマンド
74 デマンドケーブル
75 カメラケーブル
78 リターンスイッチ
81 録画スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから指示された制御内容を遠隔にある制御対象物に送信し、該制御対象物に所定の動作を行わせるための遠隔操作装置において、
前記ユーザから所定の指示を入力させるためのスイッチ部と、
前記スイッチ部に対して前記ユーザが指示したことにより発電を行う発電部と、
前記発電した電力を用いて前記制御対象物に前記スイッチ部により選択された指示制御情報を送信し、前記制御対象物から送信された前記指示制御情報に対する応答信号を受信する送受信部と、
前記送受信部により受信した前記応答信号の内容を前記発電部により得られる電力を用いて表示させるメモリ性を有する表示素子を含む表示部とを有することを特徴とする遠隔操作装置。
【請求項2】
前記発電部は、圧電材料により形成され、前記圧電材料により得られる電力を蓄積する電力蓄積部を有することを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作装置。
【請求項3】
前記応答信号は、前記制御対象物において、前記指示制御情報の受信が正常に行われたか否かを示す信号、又は、前記指示制御情報による処理が正常に行われたか否かを示す信号であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔操作装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の遠隔操作装置により制御される前記制御対象物としての集計装置において、
前記集計装置は、前記遠隔操作装置から送信された指示制御情報を受信し、前記受信に対する応答信号を送信する送受信部と、前記指示制御情報に対する処理が正常に行われていなかった場合にエラー情報を生成し、前記送受信部から前記エラー情報を送信させる制御部とを有することを特徴とする集計装置。
【請求項5】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の遠隔操作装置により制御される前記制御対象物としての撮像装置において、
前記撮像装置は、前記遠隔操作装置から送信された指示制御情報を受信し、前記受信に対する応答信号を送信する送受信部と、前記指示制御情報に対する処理が正常に行われていなかった場合にエラー情報を生成し、前記送受信部から前記エラー情報を送信させる制御部とを有することを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−172111(P2011−172111A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35297(P2010−35297)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】