説明

遠隔操作装置、電子機器および遠隔操作システム

【課題】遠隔操作装置が被操作機器である電子機器と双方向通信機能を有する場合であっても、遠隔操作装置の消費電力を抑制できる遠隔操作装置、電子機器および遠隔操作システムを提供する。
【解決手段】遠隔操作装置は、電子機器に操作信号を送信する操作信号送信部と、前記操作信号を送信するための複数の操作ボタンと、前記電子機器から制御信号を受信する制御信号受信部と、前記操作ボタンの中の所定のボタンが押下されると前記電子機器から制御信号を受信可能な状態にする遠隔操作制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、遠隔操作装置、電子機器および遠隔操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルテレビやDVDレコーダ等の電子機器の高性能化・多機能化に伴って、電子機器の操作が次第に複雑になってきている。また多機能に伴って、電子機器を操作するための遠隔操作装置(リモコン装置)の操作ボタンが増えてしまい操作が複雑となり、利用者は、どの操作ボタンを押下してよいかまごついてしまうという問題がある。
【0003】
遠隔操作装置の操作性を改善するために、ある操作が行われた場合に、次の操作を誘導するガイド機能が知られている。次の操作をガイドするためには、遠隔操作装置と電子機器(被操作機器)との間において、双方向通信を行う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−143435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
双方向通信を行うことにより、例えば、遠隔操作装置(リモコン装置)の次候補操作ボタンを発光させたりすることによって遠隔操作装置の操作の容易化が可能となるが、遠隔操作装置の消費電力の増大を招くという新たな課題が生じた。遠隔操作装置に対応する電子機器からの制御信号を受信するために、遠隔操作装置は受信の待ち受け状態を維持する必要があり、これに伴って、待ち受け時の消費電力のために遠隔操作装置のバッテリの消耗が大きいという課題が浮上してきた。
【0006】
本発明の目的は、上記したような事情に鑑み成されたものであって、遠隔操作装置が被操作機器である電子機器と双方向通信機能を有する場合であっても、遠隔操作装置の消費電力を抑制できる遠隔操作装置、電子機器および遠隔操作システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、実施形態によれば、遠隔操作装置は、電子機器に操作信号を送信する操作信号送信部と、前記操作信号を送信するための複数の操作ボタンと、前記電子機器から制御信号を受信する制御信号受信部と、前記操作ボタンの中の所定のボタンが押下されると前記電子機器から制御信号を受信可能な状態にする遠隔操作制御部とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態の構成の一例を示す斜視図。
【図2】遠隔操作装置の概観の一例を示す図。
【図3】実施形態に係る遠隔操作装置の構成を示すブロック図。
【図4】実施形態に係る電子機器の構成を示すブロック図。
【図5】電子機器の画面に表示される設定メニューウィンドウの例を示した図。
【図6】遠隔操作装置の一部のボタンが発光している様子を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態のシステム構成の一例を示す斜視図である。遠隔操作装置1は赤外線あるいはBluetooth(登録商標)等による無線通信を利用して、被操作機器である電子機器30へ操作信号を送信する装置であり、リモコン(リモートコントローラ、remote controller)と称される場合が多い。被操作機器である電子機器30の一例としてデジタルテレビ31を例とした構成である。
【0010】
デジタルテレビ31は、筐体32と、筐体32を支持するスタンド33を備えている。筐体32は前面側に液晶パネルやPDPパネル等の表示パネル34が配置され、表示パネル34の背面側に表示パネル34を支持する図示しないフレームが配置されている。フレームには表示パネル34を駆動するための図示しない回路基板や電源回路が設置されている。筐体32の前面側と上面、底面、両側側面の一部を覆う前面カバー35と、筐体32の背面側と上面、底面、両側側面の一部を覆う背面カバー36とによって外面が囲まれている。画面37は、表示パネル34の前面カバー35の窓部35aの内側の表示部分である。
【0011】
図2は、実施形態に係わる遠隔操作装置1の概観の一例を示す図である。遠隔操作装置1は、赤外線あるいはBluetooth等による無線通信を利用して、被操作機器である電子機器30の操作受信部57へ操作信号を送る。遠隔操作装置1には、複数の操作ボタン2が設置されており、利用者がこれらのボタンを押下することで電子機器30へ操作信号が送信される。
【0012】
電源ボタン3は、電子機器30の電源をオンまたはオフする。詳細には電子機器30を待機状態から動作状態、または動作状態から待機状態にするボタンである。
【0013】
選局ボタン4は、放送のチャンネル番号を直接選択する1から12までの番号が振られたボタンである。チャネル送りボタン5は、チャネル番号を順送りまたは逆送りで選局するボタンであり、選局ボタン3と同様にチャネルを選局するときに用いられる。音量調整ボタン6は、番組を視聴するときのスピーカの音量を調整するボタンである。
【0014】
カーソルボタン7は表示装置48の画面37に表示されたGUI画面の各種の情報ウィンドウ内のカーソルの移動や各種項目の選択ボタンの移動を行うためのボタンである。カーソルボタン7は十字ボタン、方向指示ボタンとも呼ばれる。左方向カーソルボタン7aはカーソルを左方向に移動させるときに用いるボタンである。右方向カーソルボタン7b、上方向カーソルボタン7c、下方向カーソルボタン7dはそれぞれカーソルを右方向、上方向、下方向に移動させるときに用いる。決定ボタン8は、カーソルボタン7a〜7dで移動した先の位置または画面上のボタンを実行するときに用いられる。
【0015】
番組表ボタン9は、番組表を画面37に表示するときに操作する専用の操作ボタンである。メニューボタン10は、電子機器30に用意された各種の設定メニューを表示するときに押下するボタンである。利用者は、階層表示された複数の項目の中から目的の設定項目を選択する。
【0016】
戻るボタン11は一つ前の操作段階の画面へ戻るときに使うボタンである。終了ボタン12は、一連の操作を終了するときに操作するボタンである。録画番組ボタン13は録画番組のリストを表示するためのボタンである。録画番組のリストの表示形式は複数あり、利用者が選択できる。
【0017】
4色の色ボタン14は、左から青ボタン14a、赤ボタン14b、緑ボタン14c、黄ボタン14dの順に配置されている。画面37上に色により区別された項目や色による選択の表示があるときに使用する。記録装置操作ボタン15は、電子機器30の記録装置45に記録された番組を再生する際に、再生、停止、一時停止、早送り再生、早戻し再生、次番組スキップ、先頭戻り・前番組スキップするためのボタンである。
【0018】
受信可能ボタン16は、遠隔操作装置1の制御信号受信部20(図3参照)を休止状態から動作状態にして、電子機器30からの制御信号を受信可能状態にする専用ボタンである。
【0019】
カーソルボタン7a〜7d、決定ボタン8、戻るボタン11、終了ボタン12には図示しない発光装置17が設けられている。発光装置17はLED(Light Emitting Diode)等の発光素子が操作ボタンの裏側に配置されており、全体または一部が透明または半透明な材料で成型されたボタンをLEDの光が透過し、ボタンが発光するように見える。発光装置17は、利用者に対して遠隔操作装置1の次の操作をガイドするときに用いられる。
【0020】
図3は、実施形態に係る遠隔操作装置1の構成を示すブロック図である。遠隔操作制御部18は、一つの集積回路にコンピュータシステムをまとめた組み込み用のマイクロプロセッサであるMCU(Micro Controller Unit)を含み、ROMやRAM、I/O関連などの周辺機能を搭載しており、バス21に接続された各機能ブロックを含めて遠隔操作装置1全体の動作を制御する。
【0021】
遠隔操作制御部18は、発光装置17の発光制御部22の機能を有する。この機能は、遠隔操作制御部18のMCUが実行するアプリケーションであり、通常は遠隔操作制御部18内のROMに格納されており、使用時にはMCUによって読み出され実行される。
【0022】
操作信号送信部19は、利用者によって操作ボタン2が押下されると、遠隔操作制御部18によって制御された信号を赤外線あるいはBluetooth等による無線信号に変換して、被操作機器である電子機器30へ送信する。
【0023】
制御信号受信部20は、電子機器30から発信された赤外線あるいはBluetooth等による無線信号による制御信号24を受信する。受信した制御信号は遠隔操作制御部18に送られる。制御信号受信部20は、遠隔操作制御部18によって動作状態にされることによって受信可能な状態になり、休止状態にされることによって受信不可能な状態となる。
【0024】
遠隔操作制御部18は、操作ボタン2の中の所定のボタンが押下されると電子機器30から制御信号24を受信可能な状態にする。言い換えると制御信号受信部20を休止状態から動作状態にして受信可能状態にする。制御信号受信部20が受信可能な待ち受け状態を維持するとそのために電力が消費され、この消費電力のために遠隔操作装置1のバッテリの消耗が大きくなる。従って電子機器30からの制御信号24を受信する必要が生じたときに、制御信号受信部20が受信可能な状態となるようにし、それ以外のときには、制御信号受信部20は休止状態であることが望ましい。
【0025】
所定のボタンは、例えば、電子機器30に各種機能の設定を行うための設定メニューウィンドウを表示させる操作信号を送信する設定ボタン(メニューボタン10)である。また、所定のボタンは、例えば、制御信号受信部20を休止状態から動作状態(受信可能状態)にする専用ボタンであってもよい。図2において、受信可能ボタン16は、遠隔操作装置1の制御信号受信部20を休止状態から動作状態にして、電子機器30からの制御信号を受信可能状態にする専用ボタンであり、このボタンが押下されると、遠隔操作制御部18が制御信号受信部20を動作状態にする。
【0026】
図4は、実施形態の電子機器30の構成を示したブロック図である。電子機器30は、デジタル放送を受信可能であって、画面に放送番組の映像を表示するデジタルテレビ、あるいは、デジタル放送を受信可能であって、放送番組を記録し、放送番組の映像音声情報をデジタルテレビ等に出力するDVDレコーダ、あるいはBlu-ray(登録商標)レコーダ等の電子機器である。
【0027】
アンテナ40は、放送局41から送信された放送電波を受信するための地上デジタル放送あるいは衛星デジタル放送用のアンテナである。チューナ42は、地上デジタル放送、衛星デジタル放送あるいはケーブルテレビ放送の放送信号の中から所望のチャンネルの放送信号を選局する。チューナ42は、複数のチューナユニットから構成されており、同時に複数の放送を受信することができる。アンテナ端子42aはアンテナ40が接続される端子である。
【0028】
復調器43は、各々のデジタル放送の変調方式に対応して復調する。地上デジタル放送の信号は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調で、衛星デジタル放送の信号は、PSK(Phase Shift Keying)復調で、MPEG(Moving Picture Experts Group)−TS(Transport Stream)に復調され、デコード処理部44に出力される。また、復調器43は、ネットワーク送受信部59を介してインターネット等のネットワーク60から受信したIP放送を復調する。
【0029】
デコード処理部44は、MPEGデコーダ、映像音声デコーダ等の機能を有する。デコード処理部44は、復調器43から送信されたMPEG−TSデータをセクション化して、番組情報のデータをデコードする。映像PES(Packetized Elementary Stream)に対しては映像ES(Elementary Stream)化、音声PESに対しては音声ES化を行って映像データ及び音声データをデコードする。また、デコード処理部44は、記録装置45から入力された映像データ及び音声データをデコードする。
【0030】
記録装置45は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)あるいはODD(Optical Disc Drive)等を含む記録手段である。記録装置45には情報を記録再生するためのエンコーダとデコーダが搭載されており、該エンコーダとデコーダを介してMPEG−TSデータが記録再生形態に適したフォーマットに変調されHDD、SSDあるいはODDに記録され、また再生される。再生データは、デコード処理部44でデコードされる。
【0031】
重畳処理部46は、デコード処理部44からの映像データと、バス51を介して転送されるデータ放送やGUI(Graphical User Interface)制御手段53bによるウィンドウ描画をプレーン管理して、映像データとの重ね合わせを行い、映像処理部47に送る。
【0032】
映像処理部47は、表示装置48で表示可能なフォーマット(画素数、フレーム周波数、走査方式)に変換したり、表示色を任意に調整したりして、表示装置48に出力して映像を画面37に表示させる。
【0033】
音声処理部49は、デコード処理部44から伝送されたデジタルの音声データを、スピーカ50あるいはイヤーホーンで再生可能なアナログ音声信号に変換した後、スピーカ50あるいはイヤーホーンに出力して音声を再生させる。なお、表示装置48やスピーカ50は電子機器30の外部にあってもよい。また電子機器30と別の筐体に納められていてもよい。
【0034】
電子機器30は、上記した受信動作を含むその全ての動作を機器制御部52によって統括的に制御されている。機器制御部52はMPU(Micro Processing Unit)53が搭載されており、バス51介して接続された各構成要素を制御する。
【0035】
RAM(Random Access Memory)54は、機器制御部52のデータ処理に必要な各種データを格納するリードライトメモリであり、映像データ等を格納するバッファメモリとして動作する。ROM(Read Only Memory)55は読出し専用メモリであり、MPU53が実行する制御のプログラムなどを格納している。
【0036】
フラッシュメモリ56は、書き換え可能であり、電源を切ってもデータが消えない不揮発性の半導体メモリである。フラッシュメモリ56は、視聴履歴情報、録画番組情報、録画予約情報等を記憶する機能を有する。
【0037】
操作信号受信部57は、遠隔操作装置1から送信される操作信号23を受信し、機器制御部52に転送する。制御信号送信部58は、遠隔操作装置1に制御信号24を送信する。制御信号送信部58は、利用者に遠隔操作装置1の次の操作をガイドするために、遠隔操作装置1に次候補操作ボタンの発光装置17を点滅または点灯させる制御信号24を送信する。
【0038】
電子機器30は、ネットワーク送受信部59を介してインターネット等のネットワーク60に接続されている。これにより、電子機器30は、ネットワーク60上にあるサーバ61等の機器とネットワーク送受信部59を介して情報伝送を行なうことができる。ネットワーク端子59aはネットワーク60が接続される端子である。
【0039】
図4において、機器制御部52は、記録管理手段53a、GUI制御手段53bの機能を有する。これらの機能は、機器制御部52のMPU53が実行するアプリケーションであり、通常はROM55に格納されており、使用時にはMPU53によって読み出され実行される。
【0040】
記録管理手段53aは、利用者の要求に基づいて設定された放送番組の予約情報を管理する。また、記録管理手段53aは、予約された番組の記録処理、また視聴中の番組の記録処理を行う。さらに、記録管理手段53aは、記録装置45に記録された番組を管理する。記録された番組の番組情報(放送局名、放送日時、番組名、放送概要、出演者、番組詳細、番組分類等)、記録時間、録画番組が再生済みか未再生かの区別等を、フラッシュメモリ56、または記録装置45に記録し、録画番組の情報を管理する。記録管理手段53aは、録画番組リストの生成、録画番組の再生や削除、編集等の処理を実行する。
【0041】
GUI制御手段53bは、GUI(Graphical User Interface)データを生成し、この生成されたGUIデータはバス51を介して重畳処理部46へ送信される。重畳処理部46に送付されたGUIデータは、例えば放送番組の映像データに重畳処理されたり、あるいはGUI単独画面として処理され、映像処理部47へ伝送される。
【0042】
図5は、電子機器30の画面37に表示される設定メニューウィンドウ62の例を示した図である。利用者が遠隔操作装置1のメニューボタン10を押下すると、設定メニューを表示する操作信号が遠隔操作装置1の操作信号送信部19から発信される。この操作信号が電子機器30の操作信号受信部57で受信され、機器制御部52へ送信される。機器制御部52は、GUI制御手段53bによって設定メニューウィンドウ62のデータを生成し、重畳処理部46、映像処理部47を介して画面37に設定メニューを表示させる。
【0043】
設定メニューウィンドウ62は、電子機器30に用意された各種の設定メニューを表示するときに表示されるGUI画面である。利用者は、設定メニューウィンドウ62を見ながら複数の項目の中から目的の設定項目を選択し、さらに階層表示された複数の項目の中から目的の設定項目を選択する。
【0044】
目的の項目を選択する場合には、利用者は遠隔操作装置1のカーソルボタン7a〜7dを操作して選択し、決定ボタン8を押下する。また、1段階前の設定項目に戻る場合や設定をやり直す場合には戻るボタン11を押下する。設定を終了する場合には、画面上の終了ボタンを選択して決定ボタン8を押下するか、または、遠隔操作装置1の終了ボタン12を押下する。
【0045】
図5において、設定メニューウィンドウ62には、映像設定、音声設定、画面サイズ切換、3D表示モード切替、操作・表示設定、再生機能設定、録画機能設定の各項目が表示されている。通常、設定メニューが表示されたとき、最も上段に表示された項目(この場合には映像設定)が、アクティブ状態またはハイライトされた状態となっている。利用者がカーソルボタン7dを1回押下すると、アクティブ状態またはハイライトされた項目は、1段下の音声設定に移動する。そこで決定ボタン8を押下すると、音声設定の詳細な設定メニューウィンドウに切り換わる。
【0046】
図6は、遠隔操作装置1のボタン2の内の一部のボタンが発光している様子を示した図である。利用者が遠隔操作装置1のメニューボタン10を押下すると、遠隔操作装置1は、電子機器30から制御信号24を受信可能な状態にする。メニューボタン10を押下する以前は、制御信号受信部20は休止状態となっていて、消費電力を抑制する状態となっている。メニューボタン10が押下されると、遠隔操作制御部18が制御信号受信部20を休止状態から動作状態にして受信可能状態にする。
【0047】
メニューボタン10が押下されると、電子機器30は、画面37に設定メニューウィンドウ62を表示し、制御信号送信部58は、遠隔操作装置1に制御信号24を送信する。制御信号送信部58は、利用者に遠隔操作装置1の次の操作をガイドするために、遠隔操作装置1に次候補操作ボタンの発光装置17を点滅または点灯させる制御信号24を送信する。
【0048】
遠隔操作装置1は、電子機器30から制御信号24を受信すると、制御信号24に従って一部の操作ボタンの発光装置17を点滅または点灯(連続点灯)させる。発光するボタンは設定メニューウィンドウ62で使用する次候補操作ボタンが発光する。図6に示したように、上方向カーソルボタン7c、下方向カーソルボタン7d、決定ボタン8、戻るボタン11が点滅または点灯する。遠隔操作装置1の操作可能キーが点滅または点灯することにより、視覚的に判りやすく利用者の操作の補助を行うことができる。
【0049】
設定メニューウィンドウ62において、左方向カーソルボタン7a、右方向カーソルボタン7bが含まれるような画面の場合には、左方向カーソルボタン7a、右方向カーソルボタン7bが点滅または点灯する。左方向カーソルボタン7a、右方向カーソルボタン7b、上方向カーソルボタン7c、下方向カーソルボタン7dが4個とも点滅または点灯する場合もあり得る。
【0050】
設定メニューウィンドウ62において、設定を終了する場合には、画面上に表示された終了ボタンを選択して決定ボタン8を押下するか、または、遠隔操作装置1の終了ボタン12を押下する。設定が終了すると、電子機器30は、画面37の設定メニューウィンドウ62を消去し、遠隔操作装置1に、制御信号受信部20を動作状態から休止状態にして受信不可状態にする制御信号24を送信する。
【0051】
制御信号受信部20を動作状態から休止状態にして受信不可状態になることによって、受信待ち受け状態が解除され、消費電力が抑制される。これによって遠隔操作装置1のバッテリの消耗を小さくすることができる。
【0052】
以上のように、利用者にとって遠隔操作装置1の操作が複雑となる設定メニューが表示されたときに遠隔操作装置1と電子機器30の双方向通信機能を有効とし、設定メニューが表示されていないときは遠隔操作装置1の受信機能を休止状態として、遠隔操作装置1の消費電力を節約すると共に、設定メニューが表示されたときに次候補操作ボタンの発光装置を点滅または点灯させることにより、視覚的に判りやすく利用者の操作の補助を行うことができる。従って、双方向通信機能を有し遠隔操作装置1の次候補操作ボタンの照光等によって次の操作をガイドする機能を有する遠隔操作装置であっても遠隔操作装置1の消費電力の少ない遠隔操作システム、遠隔操作装置および電子機器を提供することができる。
【0053】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1 遠隔操作装置
2 操作ボタン
7 カーソルボタン
7a 左方向カーソルボタン
7b 右方向カーソルボタン
7c 上方向カーソルボタン
7d 下方向カーソルボタン
8 決定ボタン
10 メニューボタン
11 戻るボタン
12 終了ボタン
16 受信可能ボタン
17 発光装置
18 遠隔操作制御部
19 操作信号送信部
20 制御信号受信部
22 発光制御部
23 操作信号
24 制御信号
30 電子機器
31 デジタルテレビ
37 画面
52 機器制御部
53 MPU
57 操作信号受信部
58 制御信号送信部
62 設定メニューウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器に操作信号を送信する操作信号送信部と、
前記操作信号を送信するための複数の操作ボタンと、
前記電子機器から制御信号を受信する制御信号受信部と、
前記操作ボタンの中の所定のボタンが押下されると前記電子機器から制御信号を受信可能な状態にする遠隔操作制御部と
を有する遠隔操作装置。
【請求項2】
前記所定のボタンは、前記電子機器に設定メニューを表示させる前記操作信号を送信するメニューボタンである請求項1に記載の遠隔操作装置。
【請求項3】
前記所定のボタンは、前記制御信号受信部を休止状態から動作状態にする専用ボタンである請求項1に記載の遠隔操作装置。
【請求項4】
前記操作ボタンは、カーソルボタン、決定ボタン、戻るボタンを有し、少なくともこれらのボタンに発光装置が設けられている請求項1に記載の遠隔操作装置。
【請求項5】
前記遠隔操作制御部は、前記制御信号受信部が前記電子機器から次候補操作ボタンの発光装置を点滅または点灯させる前記制御信号を受信すると、前記制御信号に基づいて次候補操作ボタンの発光装置を点滅または点灯させる請求項1に記載の遠隔操作装置。
【請求項6】
前記遠隔操作制御部は、前記制御信号受信部が前記電子機器から受信解除信号を受信すると、前記制御信号受信部を動作状態休から休止状態にする請求項1に記載の遠隔操作装置。
【請求項7】
遠隔操作装置から操作信号を受信する操作信号受信部と、
前記遠隔操作装置に制御信号を送信する制御信号送信部と、
前記遠隔操作装置から設定メニューを表示させる前記操作信号を受信すると、前記遠隔操作装置に次候補操作ボタンの発光装置を点滅または点灯させる前記制御信号を送信する機器制御部と
を有する電子機器。
【請求項8】
前記機器制御部は、前記遠隔操作装置から設定メニューを終了させる前記操作信号を受信すると、設定メニューの表示を止め、前記遠隔操作装置に受信解除信号を送信する請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
電子機器と、前記電子機器を遠隔操作する遠隔操作装置とを有する遠隔操作システムであって、
前記電子機器は、前記遠隔操作装置から操作信号を受信する操作信号受信部と、前記遠隔操作装置に制御信号を送信する制御信号送信部と、前記遠隔操作装置から設定メニューを表示させる前記操作信号を受信すると、前記遠隔操作装置に次候補操作ボタンの発光装置を点滅または点灯させる前記制御信号を送信する機器制御部とを備え、
前記遠隔操作装置は、電子機器に操作信号を送信する操作信号送信部と、前記操作信号を送信するための操作ボタンと、前記電子機器から制御信号を受信する制御信号受信部と、前記操作ボタンの中の所定のボタンが押下されると前記電子機器から制御信号を受信可能な状態にする遠隔操作制御部とを備えた遠隔操作システム。
【請求項10】
前記所定のボタンは、前記電子機器に前記設定メニューを表示させる前記操作信号を送信するメニューボタンであるか、または、前記制御信号受信部を休止状態から動作状態にする専用ボタンである請求項9に記載の遠隔操作システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−138853(P2012−138853A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291252(P2010−291252)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】