遠隔皿取り出し装置
【課題】搬送レーンから離れたボックス席に座った客が飲食物を容易に取り出し可能な遠隔皿取り出し装置を提供することを課題とする。
【解決手段】飲食物を載せた皿が循環する搬送装置を有する飲食店に設置する遠隔皿取り出し装置であって、前記搬送装置の搬送レーンに隣接するボックス席のテーブルに設ける、前記搬送レーンから分岐する分岐レーンと、前記搬送レーンを流れる皿のうち、前記搬送レーンと前記分岐レーンとの分岐点に接近する皿を他の皿と識別表示する識別表示手段と、前記ボックス席に座った客の手が届く箇所に設けた操作手段が操作を受け付けると、前記搬送レーンを流れる皿のうち前記識別表示手段が識別表示している皿の進路を、前記搬送レーン側から前記分岐レーン側へ変更する進路変更手段と、を備える。
【解決手段】飲食物を載せた皿が循環する搬送装置を有する飲食店に設置する遠隔皿取り出し装置であって、前記搬送装置の搬送レーンに隣接するボックス席のテーブルに設ける、前記搬送レーンから分岐する分岐レーンと、前記搬送レーンを流れる皿のうち、前記搬送レーンと前記分岐レーンとの分岐点に接近する皿を他の皿と識別表示する識別表示手段と、前記ボックス席に座った客の手が届く箇所に設けた操作手段が操作を受け付けると、前記搬送レーンを流れる皿のうち前記識別表示手段が識別表示している皿の進路を、前記搬送レーン側から前記分岐レーン側へ変更する進路変更手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔皿取り出し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店においては、飲食物が循環する搬送装置を使った飲食物の提供が行なわれている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−189994号公報
【特許文献2】特許第2563223号公報
【特許文献3】特許第3066373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飲食店の客席には、搬送装置の搬送レーンに沿って延在するカウンター席と、一端が搬送レーンに隣接するように配置されたテーブルを囲むボックス席(テーブル席ともいう)とがある。カウンター席の場合、搬送装置を循環する飲食物の取り出しが容易であるが、大勢で会話することは困難なため、家族連れなどの集団客にはボックス席が好まれている。
【0005】
ところで、ボックス席の場合、搬送レーンから離れた席に座ると、飲食物の取り出しが容易でない。そこで、本願は、搬送レーンから離れたボックス席に座った客が飲食物を容易に取り出し可能な遠隔皿取り出し装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、搬送レーンを流れる皿のうち、搬送レーンと分岐レーンとの分岐点に接近する皿を他の皿と識別表示する識別表示手段を設け、客の操作を受け付けると、識別表示している皿の進路を分岐レーン側へ変更することにした。
【0007】
詳細には、飲食物を載せた皿が循環する搬送装置を有する飲食店に設置する遠隔皿取り出し装置であって、前記搬送装置の搬送レーンに隣接するボックス席のテーブルに設ける、前記搬送レーンから分岐する分岐レーンと、前記搬送レーンを流れる皿のうち、前記搬送レーンと前記分岐レーンとの分岐点に接近する皿を他の皿と識別表示する識別表示手段と、前記ボックス席に座った客の手が届く箇所に設けた操作手段が操作を受け付けると、前記搬送レーンを流れる皿のうち前記識別表示手段が識別表示している皿の進路を、前記搬送レーン側から前記分岐レーン側へ変更する進路変更手段と、を備える。
【0008】
このように構成される遠隔皿取り出し装置であれば、操作手段を操作すると分岐レーンへ進路変更することになる皿が識別表示手段に表示されているので、誤って他の皿が分岐レーンへ進路変更することなく、容易な操作で所望の皿を取り出すことができる。これにより、例えば、ボックス席のうち搬送レーンから離れた席に座っている客であっても、操作手段を操作するだけで所望の皿を容易に取り出すことができる。
【0009】
ところで、搬送レーンを流れる皿の間隔が空いていれば、識別表示手段が無くても所望する皿を操作手段への操作により容易に取り出すことができるようにも考えられる。しかしながら、例えば、回転寿司といった飲食分野に使われる搬送レーンでは、購買意欲を促
進する観点から、宅配便といった物流システムの分野に使われる搬送レーンに比べて、搬送レーンを流れる物品の密度が高くなる傾向がある。よって、飲食分野においては、上記識別表示手段が設けられていない場合、操作手段を操作した場合に分岐レーンに進路が変更される皿を特定することが難しい。
【0010】
しかしながら、上記遠隔皿取り出し装置であれば、操作手段を操作した際に分岐レーンへ進路変更することになる皿が特定されているので、搬送レーン上を大量の皿が流れていても、所望する皿を容易に取り出すことができる。
【0011】
なお、前記識別表示手段は、前記搬送レーンを流れる皿のうち、前記搬送レーンと前記分岐レーンとの分岐点に接近する複数の皿を、前記操作手段に複数設けられた操作部毎に、他の皿と識別表示し、前記進路変更手段は、複数設けられた前記操作部のうち少なくとも何れかの操作部が操作されると、前記搬送レーンを流れる皿のうち前記識別表示手段が識別表示している、操作された操作部に対応する皿の進路を、前記搬送レーン側から前記分岐レーン側へ変更するものであってもよい。
【0012】
識別表示手段が、操作手段に複数設けられた操作部毎に皿を識別表示していれば、皿が搬送レーンに連なって流れている場合であっても、所望する皿を操作手段で容易に選ぶことができるので、所望する皿を取り逃がすことが無い。
【0013】
また、前記進路変更手段によって進路変更された皿が前記分岐レーンに進入したことを検知すると前記ボックス席の客に報知し、前記分岐レーンへの進入を拒否する操作を受け付けると前記分岐レーンに進入した皿を前記搬送レーンへ戻す皿確認手段を更に備えるものであってもよい。
【0014】
操作手段によって選んだ皿を何らかの理由で返却したいと考えた場合であっても、皿が分岐レーンの末端まで到達してしまうと、皿の返却が煩わしい。しかしながら、操作手段によって選んだ皿が分岐レーンに進入する前に確認可能なようにすることで、皿を誤って選択した場合の返却の煩わしさを解消することができる。
【0015】
また、前記皿確認手段は、前記分岐レーンへの進入を拒否する操作を受け付けると、前記分岐レーンに進入した皿を前記搬送レーンのうち値下げした皿が並ぶ位置へ戻すものであってもよい。
【0016】
一般的に、一旦選択された皿が返却される理由として、皿に載っていた飲食物の品質が所望の水準よりも劣っていた可能性が考えられる。このような皿が搬送レーンを更に回り続けると、皿に載っている飲食物の品質が更に劣化することになる。皿に載っている飲食物の品質が更に劣化すると、最終的に廃棄処分せざるを得ない可能性が高い。そこで、このような皿に載った飲食物が速やかに消費されるよう、一旦選択された皿が返却された場合には、当該皿を、値下げした皿が並ぶ位置へ戻すことで、廃棄処分となる飲食物を減らすことができる。
【0017】
また、前記分岐レーンは、前記テーブルの下に埋め込まれているものであってもよい。ボックス席のうち通路側の席に座ると、搬送レーンを流れる皿を取ることが困難であり、これは、テーブルの長さが長いほど著しくなる。ここで、テーブルの長さが長いと、分岐レーンが占有する面積も大きくなるため、分岐レーンがテーブルの上に設置されていると食事の際に煩わしい。しかしながら、分岐レーンをテーブルの下に埋め込めば、テーブルの長さが長くなるほどその効果が著しい上記遠隔皿取り出し装置を、テーブルで食事をする客を煩わせることが無い様に設置することができる。
【0018】
また、前記操作手段は、模擬の射撃操作を受け付けるものであり、前記進路変更手段は、前記識別表示手段を的にした射撃操作を受け付けると、前記搬送レーンを流れる皿のうち前記識別表示手段が識別表示している皿の進路を、前記搬送レーン側から前記分岐レーン側へ変更するものであってもよい。
【0019】
搬送レーンを流れる皿を上記遠隔皿取り出し装置で取り出すようにすることは、新たな機械操作が必要となるため、このような機械操作を精神的に負担に感じさせてしまう可能性がある。そこで、操作手段を模擬の射撃操作とし、このような機械操作に遊戯性を付与することで、機械操作の精神的な負担を緩和することができ、更に、皿の取り出しが楽しくなることによる飲食物の売れ行きの向上を図ることができる。
【0020】
また、前記識別表示手段は、タッチパネルにより、前記搬送レーンを流れる皿のうち、前記搬送レーンと前記分岐レーンとの分岐点に接近する皿を、他の皿と識別表示し、前記操作手段は、前記タッチパネルに識別表示されている皿の押圧操作を受け付けるものであってもよい。
【0021】
識別表示手段に操作手段の機能を持たせたタッチパネルを使い、タッチパネル操作を可能なようにすれば、識別表示手段の表示を見てから手元の操作手段を操作する場合に比べて視線の移動が無いため、操作の負担を軽減することができる。また、画像表示を見ながら操作を行なうことにより、識別表示手段の表示を見てから手元の操作手段を操作する場合に比べて、操作のタイミングが合わせやすく、操作の時間的なずれを無くすことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る遠隔皿取り出し装置であれば、搬送レーンから離れたボックス席に座った客が飲食物を容易に取り出し可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第一実施形態に係る遠隔皿取り出し装置を示した図である。
【図2】遠隔皿取り出し装置の内部構成を示した図である。
【図3】進路変更棒の動作説明図である。
【図4】第一実施形態の遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを示した図である。
【図5】第一実施形態の第一変形例に係る遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを示した第一の図である。
【図6】第一実施形態の第一変形例に係る遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを示した第二の図である。
【図7】第一実施形態の第二変形例に係る遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを示した図である。
【図8】第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置を上から見た図である。
【図9】第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置の確認用移送装置の構成図である。
【図10】平ベルトの昇降動作を示した図である。
【図11】第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを示した図である。
【図12】第二実施形態の第一変形例に係る遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを示した図である。
【図13】第二実施形態の第二変形例に係る遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを示した図である。
【図14】払い出し棒の動作説明図である。
【図15】識別表示装置の第一変形例を示した図である。
【図16】スポットライトの照射状態を示した図である。
【図17】識別表示装置の第二変形例の第一の画面を示した図である。
【図18】識別表示装置の第二変形例の第二の画面を示した図である。
【図19】操作受付装置の変形例を示した図である。
【図20】移送装置の変形例を示した図である。
【図21】チェーンコンベアを流れる寿司皿の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本願発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本願発明の一態様であり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。下記に示す各実施形態や変形例は、例えば、寿司や飲料物、そばやうどんといった丼物、から揚げや天ぷらといった各種の飲食物を提供する飲食店に好適であるが、このような飲食物の提供目的の他にも、例えば、製品や部品が流れる生産ラインの物品を取り出す目的や、娯楽施設等において飲食物以外の物品を提供する目的で適用することもできる。皿以外のものを取り出す目的で適用する場合には、下記に示す各実施形態や変形例を遠隔皿取り出し装置ではなく、遠隔取り出し装置として捉えることが好ましい。
【0025】
<第一実施形態>
図1は、本願発明の第一実施形態に係る遠隔皿取り出し装置100を示した図である。遠隔皿取り出し装置100は、長方形の天面を有し、長手方向の一端が飲食物搬送装置10の搬送レーンを構成するチェーンコンベア11(本発明でいう搬送レーンの一態様である)に隣接するように配置されたボックス席用のテーブル12に設けられている。飲食物搬送装置10のチェーンコンベア11には、このようなボックス席用のテーブル12が隣接するように複数配置されていてもよいし、或いは、ボックス席用のテーブル12とカウンター席用のテーブルとが隣接するように配置されていてもよい。
【0026】
なお、チェーンコンベア11の上側には、湯呑み13や調味料14、お品書き15等を載せる棚板16が設置されている。この棚板16の下側には、皿17を識別表示するための識別表示装置140の他、チェーンコンベア11を照らす図示しない照明等が設けられている。棚板16は、チェーンコンベア11に沿って林立する図示しない支柱によって支えられている。
【0027】
また、図1では、クレセント式のチェーンコンベア11を図示しているが、遠隔皿取り出し装置100を取り付ける飲食物搬送装置10のチェーンコンベア11は、その他の型式(例えば、ローラコンベア等)であってもよい。チェーンコンベア11は、厨房エリアや飲食客エリアを循環走行しながら皿17を運搬するコンベアであり、厨房エリアにおいて載置された多数の皿17を載せて循環走行する。チェーンコンベア11は、厨房エリアや飲食客エリアを循環走行可能なように、上面が半月状の搬送板が環状に連結されており、図示しない駆動装置によって循環走行する。なお、飲食物搬送装置10が設置されている飲食店内は、厨房エリアが飲食客エリアから見えにくい店内の奥まった場所に配置されていてもよいし、環状のチェーンコンベア11の内側に厨房エリアが配置され、外側に飲食客エリアが配置されていてもよい。
【0028】
図2は、遠隔皿取り出し装置100の内部構成を示した図である。遠隔皿取り出し装置100は、テーブル12に載置された移送装置110、飲食物搬送装置10のチェーンコンベア11を流れる飲食物の皿17を移送装置110へ移す進路変更装置120(本発明でいう進路変更手段の一態様である)、皿の取り出し操作を受け付ける操作受付装置130(本発明でいう操作手段の一態様である)、及び制御装置150を備える。また、既述した識別表示装置140(本発明でいう識別表示手段の一態様である)も、遠隔皿取り出し装置100の一部を構成している。
【0029】
移送装置110は、進路変更装置120によってチェーンコンベア11から移送装置110へ移された皿17を、テーブル12上で通路18側へ移送する装置であり、チェーンコンベア11側と通路18側とに延在して分岐レーンを構成する移送ベルト111(本発明でいう分岐レーンの一態様である)、移送ベルト111を支持する支持板112、移送ベルト111を回すベルト駆動装置113を備えている。移送装置110の通路18側の端部は、通路18側の客席に座った客の手が届く範囲内に位置している。移送装置110は、制御装置150から信号を受けるとベルト駆動装置113が作動し、移送ベルト111が回る。
【0030】
進路変更装置120は、チェーンコンベア11を流れる皿17を移送装置110へ移す装置であり、チェーンコンベア11上に配置された進路変更棒121、進路変更棒121を回動させる回動装置122を備えている。進路変更棒121は、チェーンコンベア11を囲むガイド壁19に内蔵した回動装置122に一端が取り付けられており、図3において符号Pで示す軸を中心に回動装置122が進路変更棒121を回動させることにより、進路変更棒121が皿17を入口114側へ払い出し可能なようになっている。
【0031】
操作受付装置130は、チェーンコンベア11を流れる皿17を遠隔皿取り出し装置100で取り出す際の操作を受け付ける装置であり、客席に座った客が操作しやすい適当な位置に取り付けられている。操作受付装置130は、押しボタン式のスイッチSWが前面に設けられており、スイッチSWが押されると制御装置150がこれを感知する。
【0032】
識別表示装置140は、図1に示したように、チェーンコンベア11の上側に配置された横長の表示灯を設けたものであり、チェーンコンベア11を流れる多数の皿17のうち、操作受付装置130のスイッチSWを押した場合に移送装置110へ移る皿17を他の皿17と識別表示する。識別表示装置140は、LED(Light Emitting Diode)によって発光するドットマトリクス型の表示灯141を有しており、スイッチSWを押した場合に移送装置110へ移ることになる皿17を点灯表示によって示す。ドットマトリクス型を採用している理由は、識別を容易にするべく、皿17の流れに合わせて点灯表示をスライド移動させるためである。なお、表示灯は、必ずしもドットマトリクス型である必要は無く、例えば、複数の表示灯が逐次切り替わりながら皿17の流れに合わせて段階的に皿の位置を点灯表示するようにしてもよい。
【0033】
制御装置150は、ガイド壁19に埋め込んだ図示しない光学センサで検知した皿17の位置に基づいて識別表示装置140の表示灯141の点灯状態を制御すると共に、操作受付装置130のスイッチSWが押されると移送装置110や進路変更装置120を制御する。
【0034】
以下、遠隔皿取り出し装置100の動作について説明する。制御装置150は、チェーンコンベア11を流れる皿17を検知すると、表示灯141が皿17の位置を点灯表示する。皿17は、チェーンコンベア11の循環走行に従って移動しているため、表示灯の点灯表示は、皿17の移動に合わせてスライドする。
【0035】
制御装置150は、表示灯141が点灯した状態でスイッチSWが押されたことを検知すると、点灯表示していた皿17が進路変更装置120に接近したタイミングで進路変更棒121を回動させて皿17を入口114側へ払い出す。制御装置150は、皿17が移送ベルト111に載ったことを検知すると進路変更棒121を反対側へ回動させて進路変更棒121をガイド壁19に収容する。そして、制御装置150は、皿17が移送装置110の通路18側の端まで移動すると、移送ベルト111を停止させる。
【0036】
なお、制御装置150には、移送ベルト111に載った皿17が通路18側の端まで移動するのに要する時間をメモリ等に予め設定しておき、皿17が移送ベルト111に載ったことを検知してから既定の時間が経過したタイミングで移送ベルト111を停止させるようにしてもよいし、移送装置110の通路18側の端に皿17が移動したことを検知したタイミングで移送ベルト111を停止させるようにしてもよい。
【0037】
遠隔皿取り出し装置100が作動する際の皿17の動きを図4に示す。皿17が流れている通常の状態においては、表示灯141が皿17の位置を点灯表示している(図4(A))。表示灯141が点灯した状態でスイッチSWが押されると(図4(B))、点灯表示していた皿17が進路変更装置120に接近したタイミングで進路変更棒121が回動する(図4(C))。すると、皿17が進路変更棒121に接触し、チェーンコンベア11から移送装置110へ移動する(図4(D))。皿17が移送装置110へ移動すると、進路変更棒121が回動して進路変更棒121がガイド壁19に収容される。皿17は、移送ベルト111に載って移動し、通路18側の端で止まる(図4(E))。なお、移送ベルト111の上に皿17が載っている状態でスイッチSWが押され、新たな皿17がチェーンコンベア11から移送装置110へ移った場合、新たな皿17は、移送ベルト111の上に既に載っていた皿17に接触して移動が阻止される(図4(F))。このため、移送ベルト111が既定時間の経過後に停止するよう制御されている場合、新たな皿17は、移送ベルト111が停止するまで、移送ベルト111の上を滑り続けることになる。
【0038】
上記遠隔皿取り出し装置100であれば、皿17が移送ベルト111の通路18側へ移動するため、スイッチSWを押した客は、通路18側の客席に座っていても皿17を容易に取り出し可能である。また、通路18側の客席に座っていても皿17を容易に取り出し可能なので、例えば、テーブル12を長くすることにより、大人数を収容可能なボックス席を設けることができる。
【0039】
<第一実施形態の第一変形例>
なお、上記第一実施形態に係る遠隔皿取り出し装置100は、以下のように変形してもよい。本変形例に係る遠隔皿取り出し装置は、上述した操作受付装置130のスイッチSWをスイッチSW1とスイッチSW2の2つに分けており(スイッチSW1とスイッチSW2は、本発明でいう操作部の一態様である)、これに対応して、識別表示装置140の表示灯についても、スイッチSW1に対応する表示灯と、スイッチSW2に対応する表示灯の、計2つの表示灯を設けている。
【0040】
本変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、制御装置が、スイッチSW1に対応する表示灯で皿の位置を点灯表示した状態でスイッチSW1が押されたことを検知すると、点灯表示していた皿が進路変更装置に接近したタイミングで進路変更棒を回動させて皿を払い出す。また、制御装置が、スイッチSW2に対応する表示灯で皿の位置を点灯表示した状態でスイッチSW2が押されたことを検知すると、点灯表示していた皿が進路変更装置に接近したタイミングで進路変更棒を回動させて皿を払い出す。その他の動作については、上述した第一実施形態と同様である。
【0041】
本変形例に係る遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを図5に示す。皿17が流れている通常の状態においては、2つの表示灯141-SW1,2が皿17の位置を点灯表示している(図5(A))。ここで、表示灯141-SW1と表示灯141-SW2は、流れてくる皿17の順序に従って交互に皿17の位置を表示するよう、制御装置によって制御されている。例えば、図5(A)に示すような状態においては、皿17-1が表示灯141-SW1と表示灯141-SW2の何れにも対応する位置にあるが、皿17-1の識別表示はスイッチSW2側の表示灯141-SW2が担っており、スイッチSW1側の表示灯141-SW1は皿17-2の
識別表示を担っているため、表示灯141-SW1には皿17-1の位置が表示されていない。
【0042】
識別表示装置140は、次のようなメカニズムで、上記したような2つの皿の位置を識別表示している。すなわち、ガイド壁19に2つの光学センサを埋め込んでおく。この2つのセンサは、図5に示したように、位置をずらして配置したスイッチSW1に対応する表示灯141-SW1と、スイッチSW2に対応する表示灯141-SW2とのオフセット量に相当する分だけ、ガイド壁19の中で位置をずらして配置している。2つのセンサのうち、チェーンコンベア11を流れる皿17の流れ方向に対して下流側に位置するセンサ(以下、下流側センサという)がスイッチSW1に対応する表示灯の表示制御を司り、上流側に位置するセンサ(以下、上流側センサという)がスイッチSW2に対応する表示灯の表示制御を司る。
【0043】
制御装置150は、上流側センサあるいは下流側センサの何れかが皿17を検知すると、これをトリガーにして、点灯する表示灯がチェーンコンベア11の速度に合わせて点灯表示がスライドするよう、各表示灯の点灯表示を制御する。ここで、制御装置150は、スイッチSW1に対応する表示灯141-SW1が、スイッチSW2に対応する表示灯141-SW2よりも優先的に皿17の位置を表示するように点灯制御を行う。すなわち、制御装置150は、スイッチSW1に対応する表示灯141-SW1が点灯していない状態で上流側センサが皿17を検知しても、スイッチSW2に対応する表示灯141-SW2は消灯させたままにする。そして、制御装置150は、下流側センサが皿17を検知すると、スイッチSW1に対応する表示灯141-SW1を点灯制御することにより、下流側センサが検知した皿17の位置を表示する。制御装置150は、スイッチSW1に対応する表示灯141-SW1が点灯している状態で上流側センサが皿17を検知すると、スイッチSW2に対応する表示灯141-SW2を点灯制御することにより、上流側センサ17が検知した皿17の位置を表示する。この状態で、例えば、スイッチSW1に対応する表示灯141-SW1が消灯すると、制御装置150は、スイッチSW1に対応する表示灯141-SW1が、スイッチSW2に対応する表示灯141-SW2よりも優先的に皿17の位置を表示するように点灯制御を行うので、スイッチSW2に対応する表示灯141-SW2が消灯すると同時にスイッチSW1に対応する表示灯141-SW1が皿17の位置を点灯表示し、スイッチSW2に対応する表示灯141-SW2が司っていた皿17の識別表示を、スイッチSW1に対応する表示灯141-SW1が引き継ぐことになる。なお、表示灯141-SW2が司っていた皿17の識別表示は、表示灯141-SW1が引き継がないようにしてもよい。表示灯141-SW2が司っていた皿17の識別表示を表示灯141-SW1が引き継がないようにすれば、皿17に対応するスイッチが途中で切り替わることが無いため、誤操作を防ぐことができる。
【0044】
識別表示装置140による各皿17の識別表示がこのようなメカニズムで実現されている本変形例の遠隔皿取り出し装置では、例えば、図5(A)に示すように、表示灯141-SW2が皿17-1の識別表示を担っている状態で、例えば、スイッチSW2が押されると(図5(B))、点灯表示していた皿17-1が進路変更装置120に接近したタイミングで進路変更棒121が回動する(図5(C))。すると、皿17-1が進路変更棒121に接触し、チェーンコンベア11から移送装置110へ移動する(図5(D))。皿17-1が移送装置110へ移動すると、進路変更棒121が回動して進路変更棒121がガイド壁19に収容される。皿17-1は、移送ベルト111に載って移動し、通路18側の端で止まる(図5(E))。
【0045】
なお、本変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、スイッチSW1とスイッチSW2の両方を押すと、以下のように作動する。スイッチSW1とスイッチSW2の両方を押した際の皿の動きを図6に示す。例えば、図6(A)に示すように、皿17-2の位置を表示灯141-SW1が点灯表示し、皿17-1の位置を表示灯141-SW2が点灯表示している状態において、例えば、スイッチSW1とスイッチSW2の両方が押されたものとする。この場合
、表示灯141-SW1が点灯表示していた皿17-2が進路変更装置120に接近したタイミングで進路変更棒121が回動する(図6(B))。すると、皿17-2が進路変更棒121に接触し、チェーンコンベア11から移送装置110へ移動する(図6(C))。そして、皿17-2に続いて皿17-1が進路変更棒121に接触し、チェーンコンベア11から移送装置110へ移動する(図6(D))。皿17-1が移送装置110へ移動すると、進路変更棒121が回動して進路変更棒121がガイド壁19に収容される。皿17-2と皿17-1は、移送ベルト111に載って移動し、通路18側の端で止まる(図6(E))。
【0046】
本変形例に係る遠隔皿取り出し装置であれば、皿が連続して流れていても操作対象の皿を他の皿と容易に識別可能であり、また、通路側の客席に座った客であっても複数の皿を容易に取り出し可能である。
【0047】
<第一実施形態の第二変形例>
また、上述した第一実施形態に係る遠隔皿取り出し装置100は、次のように変形してもよい。すなわち、上記遠隔皿取り出し装置100の操作受付装置130に、上記スイッチSWのように進路変更棒121を動かして特定の皿17を取り出すための取り出しスイッチの他に、取り出された皿17が所望したものであった場合に押す承認スイッチ(本発明でいう皿確認手段の一態様である)、及び取り出された皿17が所望したものでなかった場合に押す返却スイッチを設ける。この場合、皿17が取り出された後に点滅させる、承認スイッチあるいは返却スイッチの操作を促すための表示灯(以下、確認灯という)を、承認スイッチおよび返却スイッチ、或いはこれらスイッチの近傍に設ける。
【0048】
本変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、制御装置が、取り出しスイッチが押されたことを検知して皿を移送ベルトに載せると、移送ベルトを動かす前に確認灯を点滅させる。ここで、承認スイッチが押されると、移送ベルトを正転させて皿を通路側へ移送する。一方、返却スイッチが押されると、移送ベルトを逆転させて皿をチェーンコンベアへ戻す。その他の動作については、上述した第一実施形態と同様である。
【0049】
本変形例に係る遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを図7に示す。皿17が流れている通常の状態においては、表示灯141が皿17の位置を点灯表示している(図7(A))。表示灯141が皿17の位置を点灯表示している状態で取り出しスイッチSWAが押されると(図7(B))、点灯表示していた皿17が進路変更装置120に接近したタイミングで進路変更棒121が回動する(図7(C))。すると、皿17が進路変更棒121に接触し、チェーンコンベア11から移送装置110へ移動する(図7(D))。皿17が移送装置110へ移動すると、進路変更棒121が回動して進路変更棒121がガイド壁19に収容される。
【0050】
チェーンコンベア11から移動した皿17が移送装置110に載ると、確認灯が点滅する。確認灯は、承認スイッチSWBあるいは返却スイッチSWCを押すことを客に促すものであるため、承認スイッチSWBおよび返却スイッチSWCのそれぞれに埋め込まれており、承認スイッチSWBおよび返却スイッチSWCを点滅させる。ここで、承認スイッチSWBが押されると、移送装置110が移送ベルト111を正転させて皿17を通路18側へ移動する(図7(E))。一方、返却スイッチSWCが押されると、移送装置110が移送ベルト111を逆転させて皿17がチェーンコンベア11へ戻る(図7(F))。
【0051】
本変形例によれば、取り出しスイッチSWAを押すことによって取り出された皿が適切であるか否かを確認し、不適切であればスイッチ操作で返却することができる。従って、皿を取り間違えた場合や、選択した皿のネタが乾いているなどの理由によって食欲を失った場合に、チェーンコンベア11側に居る人の手を煩わせることなく、不要な皿を返却で
きる。なお、図7では、識別表示装置140が1つの皿17を識別表示する場合を例に説明したが、本変形例は、2つ以上の皿17を識別表示する場合についても同様に適用できる。
【0052】
<第二実施形態>
以下、本願発明の第二実施形態について説明する。図8は、本願発明の第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200を上から見た図である。本第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200は、スイッチSWを押して取り出した皿17が正しいか否かを確認するための確認用移送装置160を、第一実施形態に係る遠隔皿取り出し装置100に更に設けたものである。よって、第一実施形態に係る遠隔皿取り出し装置100と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0053】
図7を使って説明した第一実施形態の第二変形例の場合、皿を返却する際に移送ベルト111が逆転するので、返却しようとする皿17以外の皿17が移送ベルト111上に残っていると、これらの皿17が全てチェーンコンベア11側に移動してしまう。そこで、本第二実施形態は、チェーンコンベア11と移送ベルト111との間で確認用移送装置160に皿17を中継させることにより、皿17の返却動作と移送ベルト111による移送動作とを独立させている。
【0054】
本第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200の確認用移送装置160の構成を図9に示す。この確認用移送装置160は、図9に示すように、確認用移送装置160に載置された皿17を、移送装置110側へ移動させるためのローラ161と、チェーンコンベア11側へ移動させるための平ベルト162とを備えている。
【0055】
ローラ161は、回転軸がチェーンコンベア11の走行方向と直交するように多数配置されており、図示しない駆動装置によって各ローラ161が回転駆動することにより、ローラ161の上に載った皿17を移送装置110側へ移動させることが可能である。各ローラ161は、皿17が安定して移動できるよう、1つの皿17が少なくとも2つ以上のローラ161によって支持されるような間隔で配置されている。
【0056】
平ベルト162は、ベルトの走行方向がチェーンコンベア11の走行方向と直交するように、各ローラ161の隙間に多数配置されており、図示しない昇降装置によって各平ベルト162が各ローラ161の隙間から上側へ向けて突出し、図示しない駆動装置によって各平ベルト162が回転駆動することにより、平ベルト162の上に載った皿17をチェーンコンベア11側へ移動させることが可能である。
【0057】
平ベルト162の昇降動作を図10に示す。平ベルト162は、制御回路あるいは制御装置150のプログラムにより、ローラ161が回転駆動中は回転駆動しないようになっている。また、平ベルト162は、図示しない昇降装置により、回転駆動中は各ローラ161の隙間から上側へ向けて突出するよう持ち上げられ、回転停止中は各ローラ161の隙間の中に収まるように下げられる。よって、例えば、ローラ161と平ベルト162の何れも停止中の状態においては、図10(A)に示すように、平ベルト162は各ローラ161の隙間の中に収まった状態になる。また、例えば、ローラ161が回転駆動中で平ベルト162が停止中の状態においても、図10(B)に示すように、平ベルト162は各ローラ161の隙間の中に収まった状態になる。一方、平ベルト162回転駆動中においては、図10(C)に示すように、平ベルト162は各ローラ161の隙間から上側へ向けて突出するよう持ち上げられ、また、各ローラ161は停止した状態になる。
【0058】
本第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200は、図7を参照して説明した第一実施形態の変形例のように、操作受付装置130に取り出しスイッチの他、承認スイッチ、返
却スイッチ、及び確認灯を設ける。
【0059】
本第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200では、制御装置150が、取り出しスイッチが押されたことを検知して皿17を確認用移送装置160に載せると、確認灯を点滅させる。ここで、承認スイッチが押されると、確認用移送装置160の各ローラ161と移送装置110の移送ベルト111が回転駆動する。すると、皿17が確認用移送装置160から移送装置110へ移送され、更に通路18側へ移送される。一方、返却スイッチが押されると、移送装置110の移送ベルト111は回転駆動しないまま、確認用移送装置160の平ベルト162が各ローラ161の隙間から突出して平ベルト162が回転駆動し、皿17をチェーンコンベア11へ戻す。その他の動作については、上述した第一実施形態と同様である。
【0060】
本第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを図11に示す。皿17が流れている通常の状態においては、表示灯141が皿17の位置を点灯表示している(図11(A))。表示灯141が皿17の位置を点灯表示している状態で取り出しスイッチSWAが押されると(図11(B))、表示灯141が点灯表示していた皿17が進路変更装置120に接近したタイミングで進路変更棒121が回動する(図11(C))。すると、皿17が進路変更棒121に接触し、チェーンコンベア11から確認用移送装置160移動する(図11(D))。皿17が確認用移送装置160へ移動すると、進路変更棒121が回動して進路変更棒121がガイド壁19に収容される。
【0061】
チェーンコンベア11から移動した皿17が確認用移送装置160に載ると、確認灯が内蔵されている承認スイッチSWBおよび返却スイッチSWCが点滅する。ここで、承認スイッチSWBが押されると、確認用移送装置160の各ローラ161と移送装置110の移送ベルト111が回転駆動し、皿17が確認用移送装置160から移送装置110へ移送され、更に通路18側へ移送される(図11(E))。一方、返却スイッチSWCが押されると、確認用移送装置160の平ベルト162が各ローラ161の隙間から突出して平ベルト162が回転駆動し、皿17がチェーンコンベア11へ戻る(図11(F))。
【0062】
本第二実施形態によれば、取り出しスイッチSWAを押すことによって取り出された皿が適切であるか否かを確認し、不適切であればスイッチ操作で返却することができる他、皿17が移送ベルト111上に残っている状態で返却スイッチSWCを押しても移送ベルト111が作動しないため、移送ベルト111に残っていた皿17がチェーンコンベア11側へ移動してしまうことが無い。
【0063】
<第二実施形態の第一変形例>
なお、上記第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200は、以下のように変形してもよい。本変形例に係る遠隔皿取り出し装置は、上述した第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200のように、チェーンコンベア11へ皿17を返却する返却位置を、チェーンコンベア11から皿17を取り出す取り出し位置と同じ位置ではなく、別の位置にしたものである。
【0064】
本変形例に係る遠隔皿取り出し装置の構成を、皿の動きを示した図12を使って、皿の動きの説明と交えながら以下に説明する。特筆しない事項については、上述した第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200と同様であるものとする。
【0065】
本変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、皿17が流れている通常の状態において表示灯141が皿17の位置を点灯表示している(図12(A))。表示灯141が皿の位置を点灯表示している状態で取り出しスイッチSWAが押されると(図12(A))、点灯
表示していた皿17が進路変更装置120に接近したタイミングで進路変更棒121が回動する(図12(C))。すると、皿17が進路変更棒121に接触し、チェーンコンベア11から確認用移送装置160の確認位置Kへ移動する(図12(D))。皿17が確認用移送装置160の確認位置Kへ移動すると、進路変更棒121が回動して進路変更棒121がガイド壁19に収容される。
【0066】
チェーンコンベア11から移動した皿17が確認用移送装置160の確認位置Kへ移動すると、確認灯が内蔵されている承認スイッチSWBおよび返却スイッチSWCが点滅する。ここで、承認スイッチSWBが押されると、確認用移送装置160の各ローラ161と移送装置110の移送ベルト111が回転駆動(正転)し、皿17が確認用移送装置160の確認位置Kから移送装置110へ移送され、更に通路18側へ移送される(図12(E))。一方、返却スイッチSWCが押されると、確認用移送装置160の各ローラ161が回転駆動(逆転)して皿17が返却位置Hへ移動する。そして、確認用移送装置160の返却位置Hに埋め込まれている平ベルト162が各ローラ161の隙間から突出して平ベルト162が回転駆動し、皿17をチェーンコンベア11の空きスペースへ戻す(図12(F))。空きスペースが返却位置Hの隣に来たか否かは、例えば、チェーンコンベア11を流れる皿17の有無を検知する光学センサなどによって検知する。
【0067】
本変形例によれば、取り出しスイッチSWAを押すことによって取り出された皿が適切であるか否かを確認し、不適切であればスイッチ操作で返却することができる他、返却スイッチSWCを押した後、皿17が実際にチェーンコンベア11へ返却されるまでの間に、取り出しスイッチSWAで次の皿17を取り出すことができる。よって、皿17の返却が実行されるまでの間に所望の皿17を取り逃すことが無い。
【0068】
<第二実施形態の第二変形例>
また、上記第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200は、以下のように変形してもよい。本変形例に係る遠隔皿取り出し装置は、上述した第二実施形態の第一変形例に係る遠隔皿取り出し装置のように、返却位置を取り出し位置に隣接させるのではなく、離間するように配置したものである。
【0069】
本変形例に係る遠隔皿取り出し装置の構成を、皿の動きを示した図13を使って、皿の動きの説明と交えながら以下に説明する。特筆しない事項については、上述した第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200と同様であるものとする。
【0070】
本変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、表示灯141が皿17の位置を点灯表示している(図13(A))。表示灯141が皿17の位置を点灯表示した状態で取り出しスイッチSWAが押されると(図13(B))、点灯表示していた皿17が進路変更装置120に接近したタイミングで進路変更棒121が回動する(図13(C))。すると、皿17が進路変更棒121に接触し、チェーンコンベア11から確認用移送装置160の取り出し位置Tへ移動する。皿17が確認用移送装置160の取り出し位置Tへ移動すると、進路変更棒121が回動して進路変更棒121がガイド壁19に収容される。
【0071】
チェーンコンベア11から移動した皿17が確認用移送装置160の取り出し位置Tへ移動すると、確認用移送装置160の各ローラ161が回動して皿17が確認位置Kまで移動し、確認灯が点滅する(図13(D))。ここで、承認スイッチSWBが押されると、確認用移送装置160の確認位置Kに埋め込まれている平ベルト162が各ローラ161の隙間から突出して平ベルト162が回転駆動し、皿17が移送ベルト111に載って通路18側へ移送される(図13(E))。一方、返却スイッチSWCが押されると、確認用移送装置160の各ローラ161が回転駆動して皿17が返却位置Hへ移動する。そして、確認用移送装置160の返却位置Hに埋め込まれている平ベルト162が各ローラ
161の隙間から突出して平ベルト162が回転駆動し、皿17をチェーンコンベア11へ戻す(図13(F))。空きスペースが返却位置Hの隣に来たか否かは、例えば、チェーンコンベア11を流れる皿17の有無を検知する光学センサなどによって検知する。
【0072】
本変形例によれば、取り出しスイッチSWAを押すことによって取り出された皿が適切であるか否かを確認し、不適切であればスイッチ操作で返却することができる他、返却スイッチSWCを押した後、皿17が実際にチェーンコンベア11へ返却されるまでの間に、取り出しスイッチSWAで次の皿17を複数取り出すことができる。よって、皿17の返却が実行されるまでの間に所望の皿17を取り逃すことが無い。
【0073】
<第二実施形態およびその各変形例に共通する変形例>
また、第二実施形態やその変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、各ローラ161の間に配置した平ベルトを回転駆動させることで、皿をチェーンコンベアへ戻していたが、平ベルトに代えて、例えば、図14に示すように、進路変更棒のような棒(以下、払い出し棒163という)を返却位置Hに設置し、この払い出し棒163で皿17をチェーンコンベア11へ押し戻すようにしてもよい。
【0074】
<識別表示装置の第一変形例>
上記第一,第二実施形態やその変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、皿17の動きに追従して識別表示がスライド移動する表示灯を設けた識別表示装置140により、操作対象の皿17を他の皿と識別可能なように表示していたが、この識別表示装置140は、例えば、以下のように変形することも可能である。
【0075】
識別表示装置140の第一変形例を図15に示す。本第一変形例に係る識別表示装置140Aは、図15に示すように、テーブル12から見てチェーンコンベア11の奥に設けられた仕切板20にスポットライトで光を照射し、この光が皿17の動きに追従して動く。スポットライトは、例えば、赤の光Rと緑の光Gとを用意しておき、流れてくる皿17を赤の光Rと緑の光Gで交互に識別表示する。仕切板20は、チェーンコンベア11を挟んで向こう側に居る客の目線を遮るためにあり、スポットライトの色が発現される色(例えば、白)の板で構成されている。
【0076】
なお、スポットライトの光は、赤と緑の2種類に限定されるものでなく、他の色であってもよいし、1種類の色を用意して1つの皿17を識別表示してもよいし、或いは3種類以上の色を用意して3つ以上の皿17を識別表示するようにしてもよい。
【0077】
光をスポットライトでこのように照射する識別表示装置140Aは、例えば、図16に示すように、棚板16の下面側にスポットライト142を複数設け、各スポットライト142が赤または青の光を照射することにより、仕切板20に赤または青の光が発現されるようにする。各スポットライト142は、例えば、制御装置150によって次のように制御することにより、各皿17を識別表示することができる。
【0078】
すなわち、制御装置150は、例えば、ガイド壁19に埋め込んだセンサが皿17を検知すると、これをトリガーにしてスポットライト142を点灯し、スポットライト142によって仕切板20に発現される光がチェーンコンベア11の速度に合わせて動くよう、スポットライト142をスライド移動させるか、あるいはスポットライト142の照射方向を調整する。そして、スポットライト142の移動範囲あるいは照射方向が、可動範囲の境界に達した時点でスポットライト142を消灯し、次に流れている皿17をいつでも識別表示できるよう、スポットライト142の位置あるいは照射方向を初期状態に戻す。上流側センサと下流側センサの2つのセンサを使い、2つの皿17を赤と青の2色で同時に識別表示する際のメカニズムについては、上述した第一実施形態の第一変形例に係る識
別表示装置140の説明と同様である。
【0079】
このように構成される識別表示装置140Aにおいて、何れかの色のスイッチが押されると、制御装置150は、その色に対応する皿17をチェーンコンベア11から移送装置110へ移動する。識別表示装置140Aがこのように構成されていれば、スポットライト142の光が皿17に追従して動くので、特定の皿17を他の皿17と識別しやすい。
【0080】
<識別表示装置の第二変形例>
上記第一,第二実施形態やその変形例に係る遠隔皿取り出し装置の識別表示装置140では、表示灯を点灯させて皿17を識別表示していたが、この識別表示装置140は、例えば、以下のように変形することも可能である。
【0081】
識別表示装置140の第二変形例を図17に示す。本第二変形例に係る識別表示装置140Bは、図17に示すように、チェーンコンベア11を流れる各皿17を画面143に表示する。画面143に表示される映像は、例えば、棚板16の下面等に設置したビデオカメラにより撮像した実写の映像であってもよいし、或いは、コンピュータグラフィックスによって生成したCG映像であってもよい。そして、“選択範囲”に入った各皿17に、取り出しスイッチに対応する識別子を付す。例えば、各取り出しスイッチに番号が付されていれば対応する番号を皿17に隣接して表示し、各取り出しスイッチに色が付されていれば対応する色を皿17に隣接して表示する。なお、画面143に表示される映像は、実写の映像であれば、CG画像に比べて寿司等の状態を確認することが容易である。
【0082】
このように構成される識別表示装置140Bにおいて、何れかの識別子(番号あるいは色)に対応する取り出しスイッチが押されると、制御装置150は、その識別子に対応する皿17をチェーンコンベア11から移送装置110へ移動する。識別表示装置140Bがこのように構成されていれば、特定の皿17を他の皿17と識別するための情報が同一の画面上に全て表示されているので、皿17の位置に追従しながら識別表示する上記識別表示装置140に比べて、特定の皿17を他の皿17と識別しやすい。
【0083】
なお、この識別表示装置140Bの画面143をタッチパネル方式とし、識別表示装置140Bに操作受付装置130の機能を持たせてもよい。この場合、制御装置150は、例えば、画面上で特定の皿17がタッチ操作されると、タッチ操作された皿17をチェーンコンベア11から移送装置110へ移動する。この場合、識別表示装置140Bは、テーブル12の通路18側に設けると、通路18側の席に座った客が操作しやすい。識別表示装置140Bに操作受付装置130の機能を持たせてタッチパネル操作が可能なようにすれば、識別表示装置の表示灯を見てから手元のスイッチを押す場合に比べて視線の移動が無いため、操作の負担を軽減することができる。また、画像表示を見ながら操作を行なうことにより、識別表示装置の表示灯を見てから手元のスイッチを押す場合に比べて、操作のタイミングが合わせやすく、操作の時間的なずれを無くすことができる。
【0084】
また、各皿17にICタグが埋め込まれており、皿に載っている寿司の種類などを特定することができる場合、この識別表示装置140Bの画面143に、例えば、図18に示すように、寿司の種類に関する情報を表示させてもよい。
【0085】
<操作受付装置の変形例>
上記第一,第二実施形態やその変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、ハードウェアによって実現される押しボタン式のスイッチや、或いはソフトウェアによって実現されるタッチパネル式のスイッチを使った操作受付装置130により、皿17を選択していたが、この操作受付装置130は、例えば、以下のように変形することも可能である。
【0086】
操作受付装置130の変形例を図19に示す。本変形例に係る操作受付装置130Aは、図19に示すように、遊戯性のあるピストル式になっており、引き金131を引くと、銃身132(砲身と称す場合もある)の内部に埋め込まれた光学センサが光を検知する。操作受付装置130Aの光学センサが検知した光の信号は、制御装置150によって解析され、検知した波長が所定の波長である場合に、皿17がチェーンコンベア11から移送装置110へ移動される。
【0087】
ここで、光学センサに基づく皿17のチェーンコンベア11から移送装置110への移動は、次のようなメカニズムによって実現される。すなわち、チェーンコンベア11の奥に配置した仕切板20に、客が視認可能なターゲット21を設けておく。このターゲット21は、前記所定の波長の光を放つシート22の上に設けられている。
【0088】
このように構成される操作受付装置130Aは、銃身132をターゲット21に向けた状態で引き金131を引くと、銃身132の内部に埋め込まれた光学センサがシート22からの反射光を検知する。この反射光が前記所定の波長であった場合、制御装置150は、引き金131が引かれた際にターゲット21の前に居た皿17をチェーンコンベア11から移送装置110へ移動する。
【0089】
このように、特定の皿17を他の皿17と識別する手段として、表示灯や表示装置類に変えて、遊戯性を高めるターゲット21を用い、更に、操作受付装置を押しボタン式に代えてピストル式とすることにより、遊戯的な効果を高めて機械操作が増えることの煩わしさを解消することができる。更に、ターゲット21を正確に狙おうという意識が働くことにより、誤って不要な皿17を取り出す確率を減らすことが期待できる。
【0090】
なお、遊戯性を高めるという観点に鑑みれば、このようなピストル式の操作受付装置130Aを用いた態様に限定されるものでなく、例えば、特定の皿17を選択するとその皿17にスポットライトの光が当たって光るようにしたり、画面表示された皿17の画像にピストル式の操作受付装置130Aの銃身132を向けて特定の皿17を選択するようにしたり、特定の皿17を選択するとその皿17の進路が変更されて移送装置110へ移動するのではなく、チェーンコンベア11上でUFOキャッチャー(登録商標)のようにロボットハンドで把持された皿17が移送装置110の移送ベルト111に載り、或いは通路18側の席まで直接移送されるようにしてもよい。特定の皿17を取り出す際の操作に遊戯性を持たせることにより、機械操作が増えることの負担を軽減するという効果の他に、客に皿17を取り出すことを楽しませることで本願に係る遠隔皿取り出し装置を設置した店舗の売上向上に寄与することができる。
【0091】
また、操作を受け付けるための装置としては、上述した操作受付装置のような態様に限定されるものでなく、例えば、携帯電話やその他の携帯情報端末を使い、これらにインストールされているアプリケーション等によってこれらの携帯情報端末を操作受付装置として機能させてもよい。
【0092】
<移送装置の変形例>
上記第一,第二実施形態やその変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、移送装置110がテーブル12の上に設けられていたが、この移送装置110は、例えば、以下のように変形することも可能である。
【0093】
移送装置110の変形例を図20に示す。本変形例に係る移送装置110Aは、図20に示すように、テーブル12の下側に埋め込まれている。この移送装置110Aは、透明な板に覆われており、移送装置110Aの上側をテーブル面として活用することができる。この移送装置110Aには、上記進路変更装置120を変形した進路変更装置120A
が併設されており、チェーンコンベア11上を流れる皿17を進路変更装置120Aにより、テーブル12の下側に埋め込んだ移送装置110Aの移送ベルト111へ載せることが可能である。
【0094】
移送装置110Aは、上述した移送装置110をテーブル12の下側に埋め込んだ点以外、基本的に同様であるが、通路18側の端部に昇降装置115が設けられている。この昇降装置115は、フォーク116を突き出して皿17を支持し、皿17を昇降する装置であり、移送ベルト111の通路18側の端部に皿17が到着したことを検知すると、皿17をテーブル12の天面の位置まで持ち上げる。
【0095】
進路変更装置120Aは、昇降装置115と同様、取り出しスイッチ等により、チェーンコンベア11を流れる皿17のうち特定の皿17が選択されると、この皿17をフォーク123で持ち上げてテーブル12の下の移送ベルト111に載せる。なお、取り出しスイッチの他に、承認スイッチや返却スイッチを設け、皿17を返却可能なようにする場合は、例えば、進路変更装置120Aがフォーク123で皿17を支持した後に一旦停止し、承認スイッチが押されれば移送ベルト111に載せ、返却スイッチが押されればチェーンコンベア11へ再び戻すようにしてもよいし、或いは、移送ベルト111が皿17を通路18側の端部まで移送した後に一旦停止し、承認スイッチが押されれば昇降装置115で皿17をテーブル12の天面の位置まで持ち上げ、返却スイッチが押されれば移送ベルト111を正転させて、移送ベルト111の通路18側の端部に設けた図示しないストッカーに皿17を入れるようにしてもよい。この場合、ストッカーに溜まる皿17は、例えば、店員に定期的に回収してもらうことが望ましい。
【0096】
このようにテーブル12の下に埋め込んだ移送装置110Aであれば、テーブル12の上が広くなるので、客がテーブル12を自由に使うことができる。よって、テーブル12を長くしてもテーブル12の上が狭くなることも無い。
【0097】
<皿を返却する際の処理の変形例>
上記第一実施形態の変形例や、第二実施形態およびその変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、皿を返却する際、チェーンコンベア上の空いているスペースに皿を適当に返却していたが、皿の返却は次のように行なってもよい。
【0098】
すなわち、例えば、チェーンコンベア上の各皿が、図21に示すように、寿司の種類や値段毎に連なって流れている場合、返却する皿が半値の皿に連なって流れるよう、図21で「空きスペース」として示す位置に皿を返却するようにしてもよい。この場合、制御装置は、例えば、返却しようとする皿があり、チェーンコンベア上に空きスペースがあっても、半値皿であることを示すポップ皿をICタグ等によって検知するまでは返却処理を保留し、半値皿であることを示すポップ皿を検知してから最初に出現した空きスペースに皿を返却するようにする。
【0099】
一旦取り出された皿が返却される理由としては、例えば、寿司の鮮度が低下しており具材が乾燥等しているといったものが考えられる。このように、一旦取り出されたにも関わらず何らかの理由によって返却される皿には、返却されるだけの何らかの理由があると捉えることができる。そこで、このような皿を早期に売り切るため、返却された皿については半値であることを示すポップ皿の後に続くように、遠隔皿取り出し装置からチェーンコンベア上へ戻すことにより、このような問題のある皿を早期に売り切ることができる。
【0100】
なお、このような半値の皿が売れるようにするため、例えば、半値であることを示すポップ皿が流れてきたことを制御装置が検知したタイミングで、単に皿を返却するのみならず、半値の皿が流れてきたことを客に光あるいは音などで報知するようにしてもよい。
【0101】
また、一度の返却によって直ちに半値とする場合、悪意のある客が皿の返却を頻繁に繰り返す虞もあるため、一度の返却によって直ちに半値とするのではなく、例えば、特定の皿について複数箇所のテーブルで返却操作が行われた場合に、当該皿を半値とするようにしてもよい。この場合、皿を特定するために、皿にICタグ等の識別手段を設けておくことが必要である。
【0102】
なお、皿の返却を減らすための方策としては、例えば、返却回数の大小に応じて会計の際の割引率を変更したり、返却回数が少なければ景品を付与するなどして正確なボタン操作を行わせるようにしたりすることが考えられる。
【0103】
<その他の補足事項>
なお、上記各実施形態や各変形例は、通路側の席に座った客が皿を容易に取り出すことができるようにするという観点から、移送装置等の各種装置類を設けているが、例えば、取りたい皿をチェーンコンベア側の席の人に伝えることの困難性を解消するという観点に着目すれば、移送装置等の各種装置類を省略して識別表示装置や操作受付装置のみを残し、取りたい皿が流れてきたタイミングでボタン操作等を行うことにより、取りたい皿をチェーンコンベア側の席の人に知らせるという態様にすることもできる。
【0104】
取りたい皿をチェーンコンベア側の席の人に伝えるには、上述したような識別表示装置による表示灯の点灯やスポットライトの照射、皿を映した映像を用いる他に、例えば、選んだ皿がチェーンコンベア上で持ち上がって他の皿より高くなるようにしたり、或いはチェーンコンベアに平行して設けた確認ゾーンに皿を進入させるようにすることで、取りたい皿を特定することもできる。
【0105】
もっとも、移送装置等の各種装置類を省略しない場合であっても、選んだ皿がチェーンコンベア上で持ち上がって他の皿より高くなるようにしたり、チェーンコンベアに平行して設けた確認ゾーンに皿を進入させるようにすれば、取り出される皿が明確になるので、遠隔皿取り出し装置を操作するタイミングの難しさを解消することにもつながる。これにより、皿の取り間違いも減って顧客満足度の向上に寄与することもできる。
【0106】
また、識別表示装置の第二変形例は、通路側の席に座った客が皿を容易に取り出すことができるようにするという観点で捉えることもできるが、例えば、取りたい皿の判断を瞬時に行なうことの困難性を解決するという観点に着目すれば、移送装置等の各種装置類を省略してカメラ映像を表示する識別表示装置140Bのみを残し、取りたい皿が流れてきているか否かを早い段階で認識できるような態様にすることもできる。この場合、カメラ映像の他に、例えば、皿に埋め込んだICタグの情報に基づいて、流れてくる皿の種類を音声で案内するようにしてもよい。これにより、流れてくる皿を常に凝視している必要が無くなるため、家族や友人との会話などに集中することができる。
【符号の説明】
【0107】
10・・飲食物搬送装置;11・・チェーンコンベア;12・・テーブル;13・・湯呑み;14・・調味料;15・・お品書き;16・・棚板;17・・皿;18・・通路;19・・ガイド壁;20・・仕切板;21・・ターゲット;22・・シート;100,200・・遠隔皿取り出し装置;110,110A・・移送装置;111・・移送ベルト;112・・支持板;113・・ベルト駆動装置;114・・入口;115・・昇降装置;116,123・・フォーク;120,120A・・進路変更装置;121・・進路変更棒;122・・回動装置;130,130A・・操作受付装置;131・・引き金;132・・銃身;SW,SW1,SW2・・スイッチ;140,140A,140B,140C・・識別表示装置;141,141-SW1,2・・表示灯;142・・スポットライト;14
3・・画面;150・・制御装置;160・・確認用移送装置;161・・ローラ;162・・平ベルト;163・・払い出し棒
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔皿取り出し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、飲食店においては、飲食物が循環する搬送装置を使った飲食物の提供が行なわれている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−189994号公報
【特許文献2】特許第2563223号公報
【特許文献3】特許第3066373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飲食店の客席には、搬送装置の搬送レーンに沿って延在するカウンター席と、一端が搬送レーンに隣接するように配置されたテーブルを囲むボックス席(テーブル席ともいう)とがある。カウンター席の場合、搬送装置を循環する飲食物の取り出しが容易であるが、大勢で会話することは困難なため、家族連れなどの集団客にはボックス席が好まれている。
【0005】
ところで、ボックス席の場合、搬送レーンから離れた席に座ると、飲食物の取り出しが容易でない。そこで、本願は、搬送レーンから離れたボックス席に座った客が飲食物を容易に取り出し可能な遠隔皿取り出し装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、搬送レーンを流れる皿のうち、搬送レーンと分岐レーンとの分岐点に接近する皿を他の皿と識別表示する識別表示手段を設け、客の操作を受け付けると、識別表示している皿の進路を分岐レーン側へ変更することにした。
【0007】
詳細には、飲食物を載せた皿が循環する搬送装置を有する飲食店に設置する遠隔皿取り出し装置であって、前記搬送装置の搬送レーンに隣接するボックス席のテーブルに設ける、前記搬送レーンから分岐する分岐レーンと、前記搬送レーンを流れる皿のうち、前記搬送レーンと前記分岐レーンとの分岐点に接近する皿を他の皿と識別表示する識別表示手段と、前記ボックス席に座った客の手が届く箇所に設けた操作手段が操作を受け付けると、前記搬送レーンを流れる皿のうち前記識別表示手段が識別表示している皿の進路を、前記搬送レーン側から前記分岐レーン側へ変更する進路変更手段と、を備える。
【0008】
このように構成される遠隔皿取り出し装置であれば、操作手段を操作すると分岐レーンへ進路変更することになる皿が識別表示手段に表示されているので、誤って他の皿が分岐レーンへ進路変更することなく、容易な操作で所望の皿を取り出すことができる。これにより、例えば、ボックス席のうち搬送レーンから離れた席に座っている客であっても、操作手段を操作するだけで所望の皿を容易に取り出すことができる。
【0009】
ところで、搬送レーンを流れる皿の間隔が空いていれば、識別表示手段が無くても所望する皿を操作手段への操作により容易に取り出すことができるようにも考えられる。しかしながら、例えば、回転寿司といった飲食分野に使われる搬送レーンでは、購買意欲を促
進する観点から、宅配便といった物流システムの分野に使われる搬送レーンに比べて、搬送レーンを流れる物品の密度が高くなる傾向がある。よって、飲食分野においては、上記識別表示手段が設けられていない場合、操作手段を操作した場合に分岐レーンに進路が変更される皿を特定することが難しい。
【0010】
しかしながら、上記遠隔皿取り出し装置であれば、操作手段を操作した際に分岐レーンへ進路変更することになる皿が特定されているので、搬送レーン上を大量の皿が流れていても、所望する皿を容易に取り出すことができる。
【0011】
なお、前記識別表示手段は、前記搬送レーンを流れる皿のうち、前記搬送レーンと前記分岐レーンとの分岐点に接近する複数の皿を、前記操作手段に複数設けられた操作部毎に、他の皿と識別表示し、前記進路変更手段は、複数設けられた前記操作部のうち少なくとも何れかの操作部が操作されると、前記搬送レーンを流れる皿のうち前記識別表示手段が識別表示している、操作された操作部に対応する皿の進路を、前記搬送レーン側から前記分岐レーン側へ変更するものであってもよい。
【0012】
識別表示手段が、操作手段に複数設けられた操作部毎に皿を識別表示していれば、皿が搬送レーンに連なって流れている場合であっても、所望する皿を操作手段で容易に選ぶことができるので、所望する皿を取り逃がすことが無い。
【0013】
また、前記進路変更手段によって進路変更された皿が前記分岐レーンに進入したことを検知すると前記ボックス席の客に報知し、前記分岐レーンへの進入を拒否する操作を受け付けると前記分岐レーンに進入した皿を前記搬送レーンへ戻す皿確認手段を更に備えるものであってもよい。
【0014】
操作手段によって選んだ皿を何らかの理由で返却したいと考えた場合であっても、皿が分岐レーンの末端まで到達してしまうと、皿の返却が煩わしい。しかしながら、操作手段によって選んだ皿が分岐レーンに進入する前に確認可能なようにすることで、皿を誤って選択した場合の返却の煩わしさを解消することができる。
【0015】
また、前記皿確認手段は、前記分岐レーンへの進入を拒否する操作を受け付けると、前記分岐レーンに進入した皿を前記搬送レーンのうち値下げした皿が並ぶ位置へ戻すものであってもよい。
【0016】
一般的に、一旦選択された皿が返却される理由として、皿に載っていた飲食物の品質が所望の水準よりも劣っていた可能性が考えられる。このような皿が搬送レーンを更に回り続けると、皿に載っている飲食物の品質が更に劣化することになる。皿に載っている飲食物の品質が更に劣化すると、最終的に廃棄処分せざるを得ない可能性が高い。そこで、このような皿に載った飲食物が速やかに消費されるよう、一旦選択された皿が返却された場合には、当該皿を、値下げした皿が並ぶ位置へ戻すことで、廃棄処分となる飲食物を減らすことができる。
【0017】
また、前記分岐レーンは、前記テーブルの下に埋め込まれているものであってもよい。ボックス席のうち通路側の席に座ると、搬送レーンを流れる皿を取ることが困難であり、これは、テーブルの長さが長いほど著しくなる。ここで、テーブルの長さが長いと、分岐レーンが占有する面積も大きくなるため、分岐レーンがテーブルの上に設置されていると食事の際に煩わしい。しかしながら、分岐レーンをテーブルの下に埋め込めば、テーブルの長さが長くなるほどその効果が著しい上記遠隔皿取り出し装置を、テーブルで食事をする客を煩わせることが無い様に設置することができる。
【0018】
また、前記操作手段は、模擬の射撃操作を受け付けるものであり、前記進路変更手段は、前記識別表示手段を的にした射撃操作を受け付けると、前記搬送レーンを流れる皿のうち前記識別表示手段が識別表示している皿の進路を、前記搬送レーン側から前記分岐レーン側へ変更するものであってもよい。
【0019】
搬送レーンを流れる皿を上記遠隔皿取り出し装置で取り出すようにすることは、新たな機械操作が必要となるため、このような機械操作を精神的に負担に感じさせてしまう可能性がある。そこで、操作手段を模擬の射撃操作とし、このような機械操作に遊戯性を付与することで、機械操作の精神的な負担を緩和することができ、更に、皿の取り出しが楽しくなることによる飲食物の売れ行きの向上を図ることができる。
【0020】
また、前記識別表示手段は、タッチパネルにより、前記搬送レーンを流れる皿のうち、前記搬送レーンと前記分岐レーンとの分岐点に接近する皿を、他の皿と識別表示し、前記操作手段は、前記タッチパネルに識別表示されている皿の押圧操作を受け付けるものであってもよい。
【0021】
識別表示手段に操作手段の機能を持たせたタッチパネルを使い、タッチパネル操作を可能なようにすれば、識別表示手段の表示を見てから手元の操作手段を操作する場合に比べて視線の移動が無いため、操作の負担を軽減することができる。また、画像表示を見ながら操作を行なうことにより、識別表示手段の表示を見てから手元の操作手段を操作する場合に比べて、操作のタイミングが合わせやすく、操作の時間的なずれを無くすことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る遠隔皿取り出し装置であれば、搬送レーンから離れたボックス席に座った客が飲食物を容易に取り出し可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第一実施形態に係る遠隔皿取り出し装置を示した図である。
【図2】遠隔皿取り出し装置の内部構成を示した図である。
【図3】進路変更棒の動作説明図である。
【図4】第一実施形態の遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを示した図である。
【図5】第一実施形態の第一変形例に係る遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを示した第一の図である。
【図6】第一実施形態の第一変形例に係る遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを示した第二の図である。
【図7】第一実施形態の第二変形例に係る遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを示した図である。
【図8】第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置を上から見た図である。
【図9】第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置の確認用移送装置の構成図である。
【図10】平ベルトの昇降動作を示した図である。
【図11】第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを示した図である。
【図12】第二実施形態の第一変形例に係る遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを示した図である。
【図13】第二実施形態の第二変形例に係る遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを示した図である。
【図14】払い出し棒の動作説明図である。
【図15】識別表示装置の第一変形例を示した図である。
【図16】スポットライトの照射状態を示した図である。
【図17】識別表示装置の第二変形例の第一の画面を示した図である。
【図18】識別表示装置の第二変形例の第二の画面を示した図である。
【図19】操作受付装置の変形例を示した図である。
【図20】移送装置の変形例を示した図である。
【図21】チェーンコンベアを流れる寿司皿の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本願発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本願発明の一態様であり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。下記に示す各実施形態や変形例は、例えば、寿司や飲料物、そばやうどんといった丼物、から揚げや天ぷらといった各種の飲食物を提供する飲食店に好適であるが、このような飲食物の提供目的の他にも、例えば、製品や部品が流れる生産ラインの物品を取り出す目的や、娯楽施設等において飲食物以外の物品を提供する目的で適用することもできる。皿以外のものを取り出す目的で適用する場合には、下記に示す各実施形態や変形例を遠隔皿取り出し装置ではなく、遠隔取り出し装置として捉えることが好ましい。
【0025】
<第一実施形態>
図1は、本願発明の第一実施形態に係る遠隔皿取り出し装置100を示した図である。遠隔皿取り出し装置100は、長方形の天面を有し、長手方向の一端が飲食物搬送装置10の搬送レーンを構成するチェーンコンベア11(本発明でいう搬送レーンの一態様である)に隣接するように配置されたボックス席用のテーブル12に設けられている。飲食物搬送装置10のチェーンコンベア11には、このようなボックス席用のテーブル12が隣接するように複数配置されていてもよいし、或いは、ボックス席用のテーブル12とカウンター席用のテーブルとが隣接するように配置されていてもよい。
【0026】
なお、チェーンコンベア11の上側には、湯呑み13や調味料14、お品書き15等を載せる棚板16が設置されている。この棚板16の下側には、皿17を識別表示するための識別表示装置140の他、チェーンコンベア11を照らす図示しない照明等が設けられている。棚板16は、チェーンコンベア11に沿って林立する図示しない支柱によって支えられている。
【0027】
また、図1では、クレセント式のチェーンコンベア11を図示しているが、遠隔皿取り出し装置100を取り付ける飲食物搬送装置10のチェーンコンベア11は、その他の型式(例えば、ローラコンベア等)であってもよい。チェーンコンベア11は、厨房エリアや飲食客エリアを循環走行しながら皿17を運搬するコンベアであり、厨房エリアにおいて載置された多数の皿17を載せて循環走行する。チェーンコンベア11は、厨房エリアや飲食客エリアを循環走行可能なように、上面が半月状の搬送板が環状に連結されており、図示しない駆動装置によって循環走行する。なお、飲食物搬送装置10が設置されている飲食店内は、厨房エリアが飲食客エリアから見えにくい店内の奥まった場所に配置されていてもよいし、環状のチェーンコンベア11の内側に厨房エリアが配置され、外側に飲食客エリアが配置されていてもよい。
【0028】
図2は、遠隔皿取り出し装置100の内部構成を示した図である。遠隔皿取り出し装置100は、テーブル12に載置された移送装置110、飲食物搬送装置10のチェーンコンベア11を流れる飲食物の皿17を移送装置110へ移す進路変更装置120(本発明でいう進路変更手段の一態様である)、皿の取り出し操作を受け付ける操作受付装置130(本発明でいう操作手段の一態様である)、及び制御装置150を備える。また、既述した識別表示装置140(本発明でいう識別表示手段の一態様である)も、遠隔皿取り出し装置100の一部を構成している。
【0029】
移送装置110は、進路変更装置120によってチェーンコンベア11から移送装置110へ移された皿17を、テーブル12上で通路18側へ移送する装置であり、チェーンコンベア11側と通路18側とに延在して分岐レーンを構成する移送ベルト111(本発明でいう分岐レーンの一態様である)、移送ベルト111を支持する支持板112、移送ベルト111を回すベルト駆動装置113を備えている。移送装置110の通路18側の端部は、通路18側の客席に座った客の手が届く範囲内に位置している。移送装置110は、制御装置150から信号を受けるとベルト駆動装置113が作動し、移送ベルト111が回る。
【0030】
進路変更装置120は、チェーンコンベア11を流れる皿17を移送装置110へ移す装置であり、チェーンコンベア11上に配置された進路変更棒121、進路変更棒121を回動させる回動装置122を備えている。進路変更棒121は、チェーンコンベア11を囲むガイド壁19に内蔵した回動装置122に一端が取り付けられており、図3において符号Pで示す軸を中心に回動装置122が進路変更棒121を回動させることにより、進路変更棒121が皿17を入口114側へ払い出し可能なようになっている。
【0031】
操作受付装置130は、チェーンコンベア11を流れる皿17を遠隔皿取り出し装置100で取り出す際の操作を受け付ける装置であり、客席に座った客が操作しやすい適当な位置に取り付けられている。操作受付装置130は、押しボタン式のスイッチSWが前面に設けられており、スイッチSWが押されると制御装置150がこれを感知する。
【0032】
識別表示装置140は、図1に示したように、チェーンコンベア11の上側に配置された横長の表示灯を設けたものであり、チェーンコンベア11を流れる多数の皿17のうち、操作受付装置130のスイッチSWを押した場合に移送装置110へ移る皿17を他の皿17と識別表示する。識別表示装置140は、LED(Light Emitting Diode)によって発光するドットマトリクス型の表示灯141を有しており、スイッチSWを押した場合に移送装置110へ移ることになる皿17を点灯表示によって示す。ドットマトリクス型を採用している理由は、識別を容易にするべく、皿17の流れに合わせて点灯表示をスライド移動させるためである。なお、表示灯は、必ずしもドットマトリクス型である必要は無く、例えば、複数の表示灯が逐次切り替わりながら皿17の流れに合わせて段階的に皿の位置を点灯表示するようにしてもよい。
【0033】
制御装置150は、ガイド壁19に埋め込んだ図示しない光学センサで検知した皿17の位置に基づいて識別表示装置140の表示灯141の点灯状態を制御すると共に、操作受付装置130のスイッチSWが押されると移送装置110や進路変更装置120を制御する。
【0034】
以下、遠隔皿取り出し装置100の動作について説明する。制御装置150は、チェーンコンベア11を流れる皿17を検知すると、表示灯141が皿17の位置を点灯表示する。皿17は、チェーンコンベア11の循環走行に従って移動しているため、表示灯の点灯表示は、皿17の移動に合わせてスライドする。
【0035】
制御装置150は、表示灯141が点灯した状態でスイッチSWが押されたことを検知すると、点灯表示していた皿17が進路変更装置120に接近したタイミングで進路変更棒121を回動させて皿17を入口114側へ払い出す。制御装置150は、皿17が移送ベルト111に載ったことを検知すると進路変更棒121を反対側へ回動させて進路変更棒121をガイド壁19に収容する。そして、制御装置150は、皿17が移送装置110の通路18側の端まで移動すると、移送ベルト111を停止させる。
【0036】
なお、制御装置150には、移送ベルト111に載った皿17が通路18側の端まで移動するのに要する時間をメモリ等に予め設定しておき、皿17が移送ベルト111に載ったことを検知してから既定の時間が経過したタイミングで移送ベルト111を停止させるようにしてもよいし、移送装置110の通路18側の端に皿17が移動したことを検知したタイミングで移送ベルト111を停止させるようにしてもよい。
【0037】
遠隔皿取り出し装置100が作動する際の皿17の動きを図4に示す。皿17が流れている通常の状態においては、表示灯141が皿17の位置を点灯表示している(図4(A))。表示灯141が点灯した状態でスイッチSWが押されると(図4(B))、点灯表示していた皿17が進路変更装置120に接近したタイミングで進路変更棒121が回動する(図4(C))。すると、皿17が進路変更棒121に接触し、チェーンコンベア11から移送装置110へ移動する(図4(D))。皿17が移送装置110へ移動すると、進路変更棒121が回動して進路変更棒121がガイド壁19に収容される。皿17は、移送ベルト111に載って移動し、通路18側の端で止まる(図4(E))。なお、移送ベルト111の上に皿17が載っている状態でスイッチSWが押され、新たな皿17がチェーンコンベア11から移送装置110へ移った場合、新たな皿17は、移送ベルト111の上に既に載っていた皿17に接触して移動が阻止される(図4(F))。このため、移送ベルト111が既定時間の経過後に停止するよう制御されている場合、新たな皿17は、移送ベルト111が停止するまで、移送ベルト111の上を滑り続けることになる。
【0038】
上記遠隔皿取り出し装置100であれば、皿17が移送ベルト111の通路18側へ移動するため、スイッチSWを押した客は、通路18側の客席に座っていても皿17を容易に取り出し可能である。また、通路18側の客席に座っていても皿17を容易に取り出し可能なので、例えば、テーブル12を長くすることにより、大人数を収容可能なボックス席を設けることができる。
【0039】
<第一実施形態の第一変形例>
なお、上記第一実施形態に係る遠隔皿取り出し装置100は、以下のように変形してもよい。本変形例に係る遠隔皿取り出し装置は、上述した操作受付装置130のスイッチSWをスイッチSW1とスイッチSW2の2つに分けており(スイッチSW1とスイッチSW2は、本発明でいう操作部の一態様である)、これに対応して、識別表示装置140の表示灯についても、スイッチSW1に対応する表示灯と、スイッチSW2に対応する表示灯の、計2つの表示灯を設けている。
【0040】
本変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、制御装置が、スイッチSW1に対応する表示灯で皿の位置を点灯表示した状態でスイッチSW1が押されたことを検知すると、点灯表示していた皿が進路変更装置に接近したタイミングで進路変更棒を回動させて皿を払い出す。また、制御装置が、スイッチSW2に対応する表示灯で皿の位置を点灯表示した状態でスイッチSW2が押されたことを検知すると、点灯表示していた皿が進路変更装置に接近したタイミングで進路変更棒を回動させて皿を払い出す。その他の動作については、上述した第一実施形態と同様である。
【0041】
本変形例に係る遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを図5に示す。皿17が流れている通常の状態においては、2つの表示灯141-SW1,2が皿17の位置を点灯表示している(図5(A))。ここで、表示灯141-SW1と表示灯141-SW2は、流れてくる皿17の順序に従って交互に皿17の位置を表示するよう、制御装置によって制御されている。例えば、図5(A)に示すような状態においては、皿17-1が表示灯141-SW1と表示灯141-SW2の何れにも対応する位置にあるが、皿17-1の識別表示はスイッチSW2側の表示灯141-SW2が担っており、スイッチSW1側の表示灯141-SW1は皿17-2の
識別表示を担っているため、表示灯141-SW1には皿17-1の位置が表示されていない。
【0042】
識別表示装置140は、次のようなメカニズムで、上記したような2つの皿の位置を識別表示している。すなわち、ガイド壁19に2つの光学センサを埋め込んでおく。この2つのセンサは、図5に示したように、位置をずらして配置したスイッチSW1に対応する表示灯141-SW1と、スイッチSW2に対応する表示灯141-SW2とのオフセット量に相当する分だけ、ガイド壁19の中で位置をずらして配置している。2つのセンサのうち、チェーンコンベア11を流れる皿17の流れ方向に対して下流側に位置するセンサ(以下、下流側センサという)がスイッチSW1に対応する表示灯の表示制御を司り、上流側に位置するセンサ(以下、上流側センサという)がスイッチSW2に対応する表示灯の表示制御を司る。
【0043】
制御装置150は、上流側センサあるいは下流側センサの何れかが皿17を検知すると、これをトリガーにして、点灯する表示灯がチェーンコンベア11の速度に合わせて点灯表示がスライドするよう、各表示灯の点灯表示を制御する。ここで、制御装置150は、スイッチSW1に対応する表示灯141-SW1が、スイッチSW2に対応する表示灯141-SW2よりも優先的に皿17の位置を表示するように点灯制御を行う。すなわち、制御装置150は、スイッチSW1に対応する表示灯141-SW1が点灯していない状態で上流側センサが皿17を検知しても、スイッチSW2に対応する表示灯141-SW2は消灯させたままにする。そして、制御装置150は、下流側センサが皿17を検知すると、スイッチSW1に対応する表示灯141-SW1を点灯制御することにより、下流側センサが検知した皿17の位置を表示する。制御装置150は、スイッチSW1に対応する表示灯141-SW1が点灯している状態で上流側センサが皿17を検知すると、スイッチSW2に対応する表示灯141-SW2を点灯制御することにより、上流側センサ17が検知した皿17の位置を表示する。この状態で、例えば、スイッチSW1に対応する表示灯141-SW1が消灯すると、制御装置150は、スイッチSW1に対応する表示灯141-SW1が、スイッチSW2に対応する表示灯141-SW2よりも優先的に皿17の位置を表示するように点灯制御を行うので、スイッチSW2に対応する表示灯141-SW2が消灯すると同時にスイッチSW1に対応する表示灯141-SW1が皿17の位置を点灯表示し、スイッチSW2に対応する表示灯141-SW2が司っていた皿17の識別表示を、スイッチSW1に対応する表示灯141-SW1が引き継ぐことになる。なお、表示灯141-SW2が司っていた皿17の識別表示は、表示灯141-SW1が引き継がないようにしてもよい。表示灯141-SW2が司っていた皿17の識別表示を表示灯141-SW1が引き継がないようにすれば、皿17に対応するスイッチが途中で切り替わることが無いため、誤操作を防ぐことができる。
【0044】
識別表示装置140による各皿17の識別表示がこのようなメカニズムで実現されている本変形例の遠隔皿取り出し装置では、例えば、図5(A)に示すように、表示灯141-SW2が皿17-1の識別表示を担っている状態で、例えば、スイッチSW2が押されると(図5(B))、点灯表示していた皿17-1が進路変更装置120に接近したタイミングで進路変更棒121が回動する(図5(C))。すると、皿17-1が進路変更棒121に接触し、チェーンコンベア11から移送装置110へ移動する(図5(D))。皿17-1が移送装置110へ移動すると、進路変更棒121が回動して進路変更棒121がガイド壁19に収容される。皿17-1は、移送ベルト111に載って移動し、通路18側の端で止まる(図5(E))。
【0045】
なお、本変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、スイッチSW1とスイッチSW2の両方を押すと、以下のように作動する。スイッチSW1とスイッチSW2の両方を押した際の皿の動きを図6に示す。例えば、図6(A)に示すように、皿17-2の位置を表示灯141-SW1が点灯表示し、皿17-1の位置を表示灯141-SW2が点灯表示している状態において、例えば、スイッチSW1とスイッチSW2の両方が押されたものとする。この場合
、表示灯141-SW1が点灯表示していた皿17-2が進路変更装置120に接近したタイミングで進路変更棒121が回動する(図6(B))。すると、皿17-2が進路変更棒121に接触し、チェーンコンベア11から移送装置110へ移動する(図6(C))。そして、皿17-2に続いて皿17-1が進路変更棒121に接触し、チェーンコンベア11から移送装置110へ移動する(図6(D))。皿17-1が移送装置110へ移動すると、進路変更棒121が回動して進路変更棒121がガイド壁19に収容される。皿17-2と皿17-1は、移送ベルト111に載って移動し、通路18側の端で止まる(図6(E))。
【0046】
本変形例に係る遠隔皿取り出し装置であれば、皿が連続して流れていても操作対象の皿を他の皿と容易に識別可能であり、また、通路側の客席に座った客であっても複数の皿を容易に取り出し可能である。
【0047】
<第一実施形態の第二変形例>
また、上述した第一実施形態に係る遠隔皿取り出し装置100は、次のように変形してもよい。すなわち、上記遠隔皿取り出し装置100の操作受付装置130に、上記スイッチSWのように進路変更棒121を動かして特定の皿17を取り出すための取り出しスイッチの他に、取り出された皿17が所望したものであった場合に押す承認スイッチ(本発明でいう皿確認手段の一態様である)、及び取り出された皿17が所望したものでなかった場合に押す返却スイッチを設ける。この場合、皿17が取り出された後に点滅させる、承認スイッチあるいは返却スイッチの操作を促すための表示灯(以下、確認灯という)を、承認スイッチおよび返却スイッチ、或いはこれらスイッチの近傍に設ける。
【0048】
本変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、制御装置が、取り出しスイッチが押されたことを検知して皿を移送ベルトに載せると、移送ベルトを動かす前に確認灯を点滅させる。ここで、承認スイッチが押されると、移送ベルトを正転させて皿を通路側へ移送する。一方、返却スイッチが押されると、移送ベルトを逆転させて皿をチェーンコンベアへ戻す。その他の動作については、上述した第一実施形態と同様である。
【0049】
本変形例に係る遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを図7に示す。皿17が流れている通常の状態においては、表示灯141が皿17の位置を点灯表示している(図7(A))。表示灯141が皿17の位置を点灯表示している状態で取り出しスイッチSWAが押されると(図7(B))、点灯表示していた皿17が進路変更装置120に接近したタイミングで進路変更棒121が回動する(図7(C))。すると、皿17が進路変更棒121に接触し、チェーンコンベア11から移送装置110へ移動する(図7(D))。皿17が移送装置110へ移動すると、進路変更棒121が回動して進路変更棒121がガイド壁19に収容される。
【0050】
チェーンコンベア11から移動した皿17が移送装置110に載ると、確認灯が点滅する。確認灯は、承認スイッチSWBあるいは返却スイッチSWCを押すことを客に促すものであるため、承認スイッチSWBおよび返却スイッチSWCのそれぞれに埋め込まれており、承認スイッチSWBおよび返却スイッチSWCを点滅させる。ここで、承認スイッチSWBが押されると、移送装置110が移送ベルト111を正転させて皿17を通路18側へ移動する(図7(E))。一方、返却スイッチSWCが押されると、移送装置110が移送ベルト111を逆転させて皿17がチェーンコンベア11へ戻る(図7(F))。
【0051】
本変形例によれば、取り出しスイッチSWAを押すことによって取り出された皿が適切であるか否かを確認し、不適切であればスイッチ操作で返却することができる。従って、皿を取り間違えた場合や、選択した皿のネタが乾いているなどの理由によって食欲を失った場合に、チェーンコンベア11側に居る人の手を煩わせることなく、不要な皿を返却で
きる。なお、図7では、識別表示装置140が1つの皿17を識別表示する場合を例に説明したが、本変形例は、2つ以上の皿17を識別表示する場合についても同様に適用できる。
【0052】
<第二実施形態>
以下、本願発明の第二実施形態について説明する。図8は、本願発明の第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200を上から見た図である。本第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200は、スイッチSWを押して取り出した皿17が正しいか否かを確認するための確認用移送装置160を、第一実施形態に係る遠隔皿取り出し装置100に更に設けたものである。よって、第一実施形態に係る遠隔皿取り出し装置100と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0053】
図7を使って説明した第一実施形態の第二変形例の場合、皿を返却する際に移送ベルト111が逆転するので、返却しようとする皿17以外の皿17が移送ベルト111上に残っていると、これらの皿17が全てチェーンコンベア11側に移動してしまう。そこで、本第二実施形態は、チェーンコンベア11と移送ベルト111との間で確認用移送装置160に皿17を中継させることにより、皿17の返却動作と移送ベルト111による移送動作とを独立させている。
【0054】
本第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200の確認用移送装置160の構成を図9に示す。この確認用移送装置160は、図9に示すように、確認用移送装置160に載置された皿17を、移送装置110側へ移動させるためのローラ161と、チェーンコンベア11側へ移動させるための平ベルト162とを備えている。
【0055】
ローラ161は、回転軸がチェーンコンベア11の走行方向と直交するように多数配置されており、図示しない駆動装置によって各ローラ161が回転駆動することにより、ローラ161の上に載った皿17を移送装置110側へ移動させることが可能である。各ローラ161は、皿17が安定して移動できるよう、1つの皿17が少なくとも2つ以上のローラ161によって支持されるような間隔で配置されている。
【0056】
平ベルト162は、ベルトの走行方向がチェーンコンベア11の走行方向と直交するように、各ローラ161の隙間に多数配置されており、図示しない昇降装置によって各平ベルト162が各ローラ161の隙間から上側へ向けて突出し、図示しない駆動装置によって各平ベルト162が回転駆動することにより、平ベルト162の上に載った皿17をチェーンコンベア11側へ移動させることが可能である。
【0057】
平ベルト162の昇降動作を図10に示す。平ベルト162は、制御回路あるいは制御装置150のプログラムにより、ローラ161が回転駆動中は回転駆動しないようになっている。また、平ベルト162は、図示しない昇降装置により、回転駆動中は各ローラ161の隙間から上側へ向けて突出するよう持ち上げられ、回転停止中は各ローラ161の隙間の中に収まるように下げられる。よって、例えば、ローラ161と平ベルト162の何れも停止中の状態においては、図10(A)に示すように、平ベルト162は各ローラ161の隙間の中に収まった状態になる。また、例えば、ローラ161が回転駆動中で平ベルト162が停止中の状態においても、図10(B)に示すように、平ベルト162は各ローラ161の隙間の中に収まった状態になる。一方、平ベルト162回転駆動中においては、図10(C)に示すように、平ベルト162は各ローラ161の隙間から上側へ向けて突出するよう持ち上げられ、また、各ローラ161は停止した状態になる。
【0058】
本第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200は、図7を参照して説明した第一実施形態の変形例のように、操作受付装置130に取り出しスイッチの他、承認スイッチ、返
却スイッチ、及び確認灯を設ける。
【0059】
本第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200では、制御装置150が、取り出しスイッチが押されたことを検知して皿17を確認用移送装置160に載せると、確認灯を点滅させる。ここで、承認スイッチが押されると、確認用移送装置160の各ローラ161と移送装置110の移送ベルト111が回転駆動する。すると、皿17が確認用移送装置160から移送装置110へ移送され、更に通路18側へ移送される。一方、返却スイッチが押されると、移送装置110の移送ベルト111は回転駆動しないまま、確認用移送装置160の平ベルト162が各ローラ161の隙間から突出して平ベルト162が回転駆動し、皿17をチェーンコンベア11へ戻す。その他の動作については、上述した第一実施形態と同様である。
【0060】
本第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置が作動する際の皿の動きを図11に示す。皿17が流れている通常の状態においては、表示灯141が皿17の位置を点灯表示している(図11(A))。表示灯141が皿17の位置を点灯表示している状態で取り出しスイッチSWAが押されると(図11(B))、表示灯141が点灯表示していた皿17が進路変更装置120に接近したタイミングで進路変更棒121が回動する(図11(C))。すると、皿17が進路変更棒121に接触し、チェーンコンベア11から確認用移送装置160移動する(図11(D))。皿17が確認用移送装置160へ移動すると、進路変更棒121が回動して進路変更棒121がガイド壁19に収容される。
【0061】
チェーンコンベア11から移動した皿17が確認用移送装置160に載ると、確認灯が内蔵されている承認スイッチSWBおよび返却スイッチSWCが点滅する。ここで、承認スイッチSWBが押されると、確認用移送装置160の各ローラ161と移送装置110の移送ベルト111が回転駆動し、皿17が確認用移送装置160から移送装置110へ移送され、更に通路18側へ移送される(図11(E))。一方、返却スイッチSWCが押されると、確認用移送装置160の平ベルト162が各ローラ161の隙間から突出して平ベルト162が回転駆動し、皿17がチェーンコンベア11へ戻る(図11(F))。
【0062】
本第二実施形態によれば、取り出しスイッチSWAを押すことによって取り出された皿が適切であるか否かを確認し、不適切であればスイッチ操作で返却することができる他、皿17が移送ベルト111上に残っている状態で返却スイッチSWCを押しても移送ベルト111が作動しないため、移送ベルト111に残っていた皿17がチェーンコンベア11側へ移動してしまうことが無い。
【0063】
<第二実施形態の第一変形例>
なお、上記第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200は、以下のように変形してもよい。本変形例に係る遠隔皿取り出し装置は、上述した第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200のように、チェーンコンベア11へ皿17を返却する返却位置を、チェーンコンベア11から皿17を取り出す取り出し位置と同じ位置ではなく、別の位置にしたものである。
【0064】
本変形例に係る遠隔皿取り出し装置の構成を、皿の動きを示した図12を使って、皿の動きの説明と交えながら以下に説明する。特筆しない事項については、上述した第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200と同様であるものとする。
【0065】
本変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、皿17が流れている通常の状態において表示灯141が皿17の位置を点灯表示している(図12(A))。表示灯141が皿の位置を点灯表示している状態で取り出しスイッチSWAが押されると(図12(A))、点灯
表示していた皿17が進路変更装置120に接近したタイミングで進路変更棒121が回動する(図12(C))。すると、皿17が進路変更棒121に接触し、チェーンコンベア11から確認用移送装置160の確認位置Kへ移動する(図12(D))。皿17が確認用移送装置160の確認位置Kへ移動すると、進路変更棒121が回動して進路変更棒121がガイド壁19に収容される。
【0066】
チェーンコンベア11から移動した皿17が確認用移送装置160の確認位置Kへ移動すると、確認灯が内蔵されている承認スイッチSWBおよび返却スイッチSWCが点滅する。ここで、承認スイッチSWBが押されると、確認用移送装置160の各ローラ161と移送装置110の移送ベルト111が回転駆動(正転)し、皿17が確認用移送装置160の確認位置Kから移送装置110へ移送され、更に通路18側へ移送される(図12(E))。一方、返却スイッチSWCが押されると、確認用移送装置160の各ローラ161が回転駆動(逆転)して皿17が返却位置Hへ移動する。そして、確認用移送装置160の返却位置Hに埋め込まれている平ベルト162が各ローラ161の隙間から突出して平ベルト162が回転駆動し、皿17をチェーンコンベア11の空きスペースへ戻す(図12(F))。空きスペースが返却位置Hの隣に来たか否かは、例えば、チェーンコンベア11を流れる皿17の有無を検知する光学センサなどによって検知する。
【0067】
本変形例によれば、取り出しスイッチSWAを押すことによって取り出された皿が適切であるか否かを確認し、不適切であればスイッチ操作で返却することができる他、返却スイッチSWCを押した後、皿17が実際にチェーンコンベア11へ返却されるまでの間に、取り出しスイッチSWAで次の皿17を取り出すことができる。よって、皿17の返却が実行されるまでの間に所望の皿17を取り逃すことが無い。
【0068】
<第二実施形態の第二変形例>
また、上記第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200は、以下のように変形してもよい。本変形例に係る遠隔皿取り出し装置は、上述した第二実施形態の第一変形例に係る遠隔皿取り出し装置のように、返却位置を取り出し位置に隣接させるのではなく、離間するように配置したものである。
【0069】
本変形例に係る遠隔皿取り出し装置の構成を、皿の動きを示した図13を使って、皿の動きの説明と交えながら以下に説明する。特筆しない事項については、上述した第二実施形態に係る遠隔皿取り出し装置200と同様であるものとする。
【0070】
本変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、表示灯141が皿17の位置を点灯表示している(図13(A))。表示灯141が皿17の位置を点灯表示した状態で取り出しスイッチSWAが押されると(図13(B))、点灯表示していた皿17が進路変更装置120に接近したタイミングで進路変更棒121が回動する(図13(C))。すると、皿17が進路変更棒121に接触し、チェーンコンベア11から確認用移送装置160の取り出し位置Tへ移動する。皿17が確認用移送装置160の取り出し位置Tへ移動すると、進路変更棒121が回動して進路変更棒121がガイド壁19に収容される。
【0071】
チェーンコンベア11から移動した皿17が確認用移送装置160の取り出し位置Tへ移動すると、確認用移送装置160の各ローラ161が回動して皿17が確認位置Kまで移動し、確認灯が点滅する(図13(D))。ここで、承認スイッチSWBが押されると、確認用移送装置160の確認位置Kに埋め込まれている平ベルト162が各ローラ161の隙間から突出して平ベルト162が回転駆動し、皿17が移送ベルト111に載って通路18側へ移送される(図13(E))。一方、返却スイッチSWCが押されると、確認用移送装置160の各ローラ161が回転駆動して皿17が返却位置Hへ移動する。そして、確認用移送装置160の返却位置Hに埋め込まれている平ベルト162が各ローラ
161の隙間から突出して平ベルト162が回転駆動し、皿17をチェーンコンベア11へ戻す(図13(F))。空きスペースが返却位置Hの隣に来たか否かは、例えば、チェーンコンベア11を流れる皿17の有無を検知する光学センサなどによって検知する。
【0072】
本変形例によれば、取り出しスイッチSWAを押すことによって取り出された皿が適切であるか否かを確認し、不適切であればスイッチ操作で返却することができる他、返却スイッチSWCを押した後、皿17が実際にチェーンコンベア11へ返却されるまでの間に、取り出しスイッチSWAで次の皿17を複数取り出すことができる。よって、皿17の返却が実行されるまでの間に所望の皿17を取り逃すことが無い。
【0073】
<第二実施形態およびその各変形例に共通する変形例>
また、第二実施形態やその変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、各ローラ161の間に配置した平ベルトを回転駆動させることで、皿をチェーンコンベアへ戻していたが、平ベルトに代えて、例えば、図14に示すように、進路変更棒のような棒(以下、払い出し棒163という)を返却位置Hに設置し、この払い出し棒163で皿17をチェーンコンベア11へ押し戻すようにしてもよい。
【0074】
<識別表示装置の第一変形例>
上記第一,第二実施形態やその変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、皿17の動きに追従して識別表示がスライド移動する表示灯を設けた識別表示装置140により、操作対象の皿17を他の皿と識別可能なように表示していたが、この識別表示装置140は、例えば、以下のように変形することも可能である。
【0075】
識別表示装置140の第一変形例を図15に示す。本第一変形例に係る識別表示装置140Aは、図15に示すように、テーブル12から見てチェーンコンベア11の奥に設けられた仕切板20にスポットライトで光を照射し、この光が皿17の動きに追従して動く。スポットライトは、例えば、赤の光Rと緑の光Gとを用意しておき、流れてくる皿17を赤の光Rと緑の光Gで交互に識別表示する。仕切板20は、チェーンコンベア11を挟んで向こう側に居る客の目線を遮るためにあり、スポットライトの色が発現される色(例えば、白)の板で構成されている。
【0076】
なお、スポットライトの光は、赤と緑の2種類に限定されるものでなく、他の色であってもよいし、1種類の色を用意して1つの皿17を識別表示してもよいし、或いは3種類以上の色を用意して3つ以上の皿17を識別表示するようにしてもよい。
【0077】
光をスポットライトでこのように照射する識別表示装置140Aは、例えば、図16に示すように、棚板16の下面側にスポットライト142を複数設け、各スポットライト142が赤または青の光を照射することにより、仕切板20に赤または青の光が発現されるようにする。各スポットライト142は、例えば、制御装置150によって次のように制御することにより、各皿17を識別表示することができる。
【0078】
すなわち、制御装置150は、例えば、ガイド壁19に埋め込んだセンサが皿17を検知すると、これをトリガーにしてスポットライト142を点灯し、スポットライト142によって仕切板20に発現される光がチェーンコンベア11の速度に合わせて動くよう、スポットライト142をスライド移動させるか、あるいはスポットライト142の照射方向を調整する。そして、スポットライト142の移動範囲あるいは照射方向が、可動範囲の境界に達した時点でスポットライト142を消灯し、次に流れている皿17をいつでも識別表示できるよう、スポットライト142の位置あるいは照射方向を初期状態に戻す。上流側センサと下流側センサの2つのセンサを使い、2つの皿17を赤と青の2色で同時に識別表示する際のメカニズムについては、上述した第一実施形態の第一変形例に係る識
別表示装置140の説明と同様である。
【0079】
このように構成される識別表示装置140Aにおいて、何れかの色のスイッチが押されると、制御装置150は、その色に対応する皿17をチェーンコンベア11から移送装置110へ移動する。識別表示装置140Aがこのように構成されていれば、スポットライト142の光が皿17に追従して動くので、特定の皿17を他の皿17と識別しやすい。
【0080】
<識別表示装置の第二変形例>
上記第一,第二実施形態やその変形例に係る遠隔皿取り出し装置の識別表示装置140では、表示灯を点灯させて皿17を識別表示していたが、この識別表示装置140は、例えば、以下のように変形することも可能である。
【0081】
識別表示装置140の第二変形例を図17に示す。本第二変形例に係る識別表示装置140Bは、図17に示すように、チェーンコンベア11を流れる各皿17を画面143に表示する。画面143に表示される映像は、例えば、棚板16の下面等に設置したビデオカメラにより撮像した実写の映像であってもよいし、或いは、コンピュータグラフィックスによって生成したCG映像であってもよい。そして、“選択範囲”に入った各皿17に、取り出しスイッチに対応する識別子を付す。例えば、各取り出しスイッチに番号が付されていれば対応する番号を皿17に隣接して表示し、各取り出しスイッチに色が付されていれば対応する色を皿17に隣接して表示する。なお、画面143に表示される映像は、実写の映像であれば、CG画像に比べて寿司等の状態を確認することが容易である。
【0082】
このように構成される識別表示装置140Bにおいて、何れかの識別子(番号あるいは色)に対応する取り出しスイッチが押されると、制御装置150は、その識別子に対応する皿17をチェーンコンベア11から移送装置110へ移動する。識別表示装置140Bがこのように構成されていれば、特定の皿17を他の皿17と識別するための情報が同一の画面上に全て表示されているので、皿17の位置に追従しながら識別表示する上記識別表示装置140に比べて、特定の皿17を他の皿17と識別しやすい。
【0083】
なお、この識別表示装置140Bの画面143をタッチパネル方式とし、識別表示装置140Bに操作受付装置130の機能を持たせてもよい。この場合、制御装置150は、例えば、画面上で特定の皿17がタッチ操作されると、タッチ操作された皿17をチェーンコンベア11から移送装置110へ移動する。この場合、識別表示装置140Bは、テーブル12の通路18側に設けると、通路18側の席に座った客が操作しやすい。識別表示装置140Bに操作受付装置130の機能を持たせてタッチパネル操作が可能なようにすれば、識別表示装置の表示灯を見てから手元のスイッチを押す場合に比べて視線の移動が無いため、操作の負担を軽減することができる。また、画像表示を見ながら操作を行なうことにより、識別表示装置の表示灯を見てから手元のスイッチを押す場合に比べて、操作のタイミングが合わせやすく、操作の時間的なずれを無くすことができる。
【0084】
また、各皿17にICタグが埋め込まれており、皿に載っている寿司の種類などを特定することができる場合、この識別表示装置140Bの画面143に、例えば、図18に示すように、寿司の種類に関する情報を表示させてもよい。
【0085】
<操作受付装置の変形例>
上記第一,第二実施形態やその変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、ハードウェアによって実現される押しボタン式のスイッチや、或いはソフトウェアによって実現されるタッチパネル式のスイッチを使った操作受付装置130により、皿17を選択していたが、この操作受付装置130は、例えば、以下のように変形することも可能である。
【0086】
操作受付装置130の変形例を図19に示す。本変形例に係る操作受付装置130Aは、図19に示すように、遊戯性のあるピストル式になっており、引き金131を引くと、銃身132(砲身と称す場合もある)の内部に埋め込まれた光学センサが光を検知する。操作受付装置130Aの光学センサが検知した光の信号は、制御装置150によって解析され、検知した波長が所定の波長である場合に、皿17がチェーンコンベア11から移送装置110へ移動される。
【0087】
ここで、光学センサに基づく皿17のチェーンコンベア11から移送装置110への移動は、次のようなメカニズムによって実現される。すなわち、チェーンコンベア11の奥に配置した仕切板20に、客が視認可能なターゲット21を設けておく。このターゲット21は、前記所定の波長の光を放つシート22の上に設けられている。
【0088】
このように構成される操作受付装置130Aは、銃身132をターゲット21に向けた状態で引き金131を引くと、銃身132の内部に埋め込まれた光学センサがシート22からの反射光を検知する。この反射光が前記所定の波長であった場合、制御装置150は、引き金131が引かれた際にターゲット21の前に居た皿17をチェーンコンベア11から移送装置110へ移動する。
【0089】
このように、特定の皿17を他の皿17と識別する手段として、表示灯や表示装置類に変えて、遊戯性を高めるターゲット21を用い、更に、操作受付装置を押しボタン式に代えてピストル式とすることにより、遊戯的な効果を高めて機械操作が増えることの煩わしさを解消することができる。更に、ターゲット21を正確に狙おうという意識が働くことにより、誤って不要な皿17を取り出す確率を減らすことが期待できる。
【0090】
なお、遊戯性を高めるという観点に鑑みれば、このようなピストル式の操作受付装置130Aを用いた態様に限定されるものでなく、例えば、特定の皿17を選択するとその皿17にスポットライトの光が当たって光るようにしたり、画面表示された皿17の画像にピストル式の操作受付装置130Aの銃身132を向けて特定の皿17を選択するようにしたり、特定の皿17を選択するとその皿17の進路が変更されて移送装置110へ移動するのではなく、チェーンコンベア11上でUFOキャッチャー(登録商標)のようにロボットハンドで把持された皿17が移送装置110の移送ベルト111に載り、或いは通路18側の席まで直接移送されるようにしてもよい。特定の皿17を取り出す際の操作に遊戯性を持たせることにより、機械操作が増えることの負担を軽減するという効果の他に、客に皿17を取り出すことを楽しませることで本願に係る遠隔皿取り出し装置を設置した店舗の売上向上に寄与することができる。
【0091】
また、操作を受け付けるための装置としては、上述した操作受付装置のような態様に限定されるものでなく、例えば、携帯電話やその他の携帯情報端末を使い、これらにインストールされているアプリケーション等によってこれらの携帯情報端末を操作受付装置として機能させてもよい。
【0092】
<移送装置の変形例>
上記第一,第二実施形態やその変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、移送装置110がテーブル12の上に設けられていたが、この移送装置110は、例えば、以下のように変形することも可能である。
【0093】
移送装置110の変形例を図20に示す。本変形例に係る移送装置110Aは、図20に示すように、テーブル12の下側に埋め込まれている。この移送装置110Aは、透明な板に覆われており、移送装置110Aの上側をテーブル面として活用することができる。この移送装置110Aには、上記進路変更装置120を変形した進路変更装置120A
が併設されており、チェーンコンベア11上を流れる皿17を進路変更装置120Aにより、テーブル12の下側に埋め込んだ移送装置110Aの移送ベルト111へ載せることが可能である。
【0094】
移送装置110Aは、上述した移送装置110をテーブル12の下側に埋め込んだ点以外、基本的に同様であるが、通路18側の端部に昇降装置115が設けられている。この昇降装置115は、フォーク116を突き出して皿17を支持し、皿17を昇降する装置であり、移送ベルト111の通路18側の端部に皿17が到着したことを検知すると、皿17をテーブル12の天面の位置まで持ち上げる。
【0095】
進路変更装置120Aは、昇降装置115と同様、取り出しスイッチ等により、チェーンコンベア11を流れる皿17のうち特定の皿17が選択されると、この皿17をフォーク123で持ち上げてテーブル12の下の移送ベルト111に載せる。なお、取り出しスイッチの他に、承認スイッチや返却スイッチを設け、皿17を返却可能なようにする場合は、例えば、進路変更装置120Aがフォーク123で皿17を支持した後に一旦停止し、承認スイッチが押されれば移送ベルト111に載せ、返却スイッチが押されればチェーンコンベア11へ再び戻すようにしてもよいし、或いは、移送ベルト111が皿17を通路18側の端部まで移送した後に一旦停止し、承認スイッチが押されれば昇降装置115で皿17をテーブル12の天面の位置まで持ち上げ、返却スイッチが押されれば移送ベルト111を正転させて、移送ベルト111の通路18側の端部に設けた図示しないストッカーに皿17を入れるようにしてもよい。この場合、ストッカーに溜まる皿17は、例えば、店員に定期的に回収してもらうことが望ましい。
【0096】
このようにテーブル12の下に埋め込んだ移送装置110Aであれば、テーブル12の上が広くなるので、客がテーブル12を自由に使うことができる。よって、テーブル12を長くしてもテーブル12の上が狭くなることも無い。
【0097】
<皿を返却する際の処理の変形例>
上記第一実施形態の変形例や、第二実施形態およびその変形例に係る遠隔皿取り出し装置では、皿を返却する際、チェーンコンベア上の空いているスペースに皿を適当に返却していたが、皿の返却は次のように行なってもよい。
【0098】
すなわち、例えば、チェーンコンベア上の各皿が、図21に示すように、寿司の種類や値段毎に連なって流れている場合、返却する皿が半値の皿に連なって流れるよう、図21で「空きスペース」として示す位置に皿を返却するようにしてもよい。この場合、制御装置は、例えば、返却しようとする皿があり、チェーンコンベア上に空きスペースがあっても、半値皿であることを示すポップ皿をICタグ等によって検知するまでは返却処理を保留し、半値皿であることを示すポップ皿を検知してから最初に出現した空きスペースに皿を返却するようにする。
【0099】
一旦取り出された皿が返却される理由としては、例えば、寿司の鮮度が低下しており具材が乾燥等しているといったものが考えられる。このように、一旦取り出されたにも関わらず何らかの理由によって返却される皿には、返却されるだけの何らかの理由があると捉えることができる。そこで、このような皿を早期に売り切るため、返却された皿については半値であることを示すポップ皿の後に続くように、遠隔皿取り出し装置からチェーンコンベア上へ戻すことにより、このような問題のある皿を早期に売り切ることができる。
【0100】
なお、このような半値の皿が売れるようにするため、例えば、半値であることを示すポップ皿が流れてきたことを制御装置が検知したタイミングで、単に皿を返却するのみならず、半値の皿が流れてきたことを客に光あるいは音などで報知するようにしてもよい。
【0101】
また、一度の返却によって直ちに半値とする場合、悪意のある客が皿の返却を頻繁に繰り返す虞もあるため、一度の返却によって直ちに半値とするのではなく、例えば、特定の皿について複数箇所のテーブルで返却操作が行われた場合に、当該皿を半値とするようにしてもよい。この場合、皿を特定するために、皿にICタグ等の識別手段を設けておくことが必要である。
【0102】
なお、皿の返却を減らすための方策としては、例えば、返却回数の大小に応じて会計の際の割引率を変更したり、返却回数が少なければ景品を付与するなどして正確なボタン操作を行わせるようにしたりすることが考えられる。
【0103】
<その他の補足事項>
なお、上記各実施形態や各変形例は、通路側の席に座った客が皿を容易に取り出すことができるようにするという観点から、移送装置等の各種装置類を設けているが、例えば、取りたい皿をチェーンコンベア側の席の人に伝えることの困難性を解消するという観点に着目すれば、移送装置等の各種装置類を省略して識別表示装置や操作受付装置のみを残し、取りたい皿が流れてきたタイミングでボタン操作等を行うことにより、取りたい皿をチェーンコンベア側の席の人に知らせるという態様にすることもできる。
【0104】
取りたい皿をチェーンコンベア側の席の人に伝えるには、上述したような識別表示装置による表示灯の点灯やスポットライトの照射、皿を映した映像を用いる他に、例えば、選んだ皿がチェーンコンベア上で持ち上がって他の皿より高くなるようにしたり、或いはチェーンコンベアに平行して設けた確認ゾーンに皿を進入させるようにすることで、取りたい皿を特定することもできる。
【0105】
もっとも、移送装置等の各種装置類を省略しない場合であっても、選んだ皿がチェーンコンベア上で持ち上がって他の皿より高くなるようにしたり、チェーンコンベアに平行して設けた確認ゾーンに皿を進入させるようにすれば、取り出される皿が明確になるので、遠隔皿取り出し装置を操作するタイミングの難しさを解消することにもつながる。これにより、皿の取り間違いも減って顧客満足度の向上に寄与することもできる。
【0106】
また、識別表示装置の第二変形例は、通路側の席に座った客が皿を容易に取り出すことができるようにするという観点で捉えることもできるが、例えば、取りたい皿の判断を瞬時に行なうことの困難性を解決するという観点に着目すれば、移送装置等の各種装置類を省略してカメラ映像を表示する識別表示装置140Bのみを残し、取りたい皿が流れてきているか否かを早い段階で認識できるような態様にすることもできる。この場合、カメラ映像の他に、例えば、皿に埋め込んだICタグの情報に基づいて、流れてくる皿の種類を音声で案内するようにしてもよい。これにより、流れてくる皿を常に凝視している必要が無くなるため、家族や友人との会話などに集中することができる。
【符号の説明】
【0107】
10・・飲食物搬送装置;11・・チェーンコンベア;12・・テーブル;13・・湯呑み;14・・調味料;15・・お品書き;16・・棚板;17・・皿;18・・通路;19・・ガイド壁;20・・仕切板;21・・ターゲット;22・・シート;100,200・・遠隔皿取り出し装置;110,110A・・移送装置;111・・移送ベルト;112・・支持板;113・・ベルト駆動装置;114・・入口;115・・昇降装置;116,123・・フォーク;120,120A・・進路変更装置;121・・進路変更棒;122・・回動装置;130,130A・・操作受付装置;131・・引き金;132・・銃身;SW,SW1,SW2・・スイッチ;140,140A,140B,140C・・識別表示装置;141,141-SW1,2・・表示灯;142・・スポットライト;14
3・・画面;150・・制御装置;160・・確認用移送装置;161・・ローラ;162・・平ベルト;163・・払い出し棒
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食物を載せた皿が循環する搬送装置を有する飲食店に設置する遠隔皿取り出し装置であって、
前記搬送装置の搬送レーンに隣接するボックス席のテーブルに設ける、前記搬送レーンから分岐する分岐レーンと、
前記搬送レーンを流れる皿のうち、前記搬送レーンと前記分岐レーンとの分岐点に接近する皿を他の皿と識別表示する識別表示手段と、
前記ボックス席に座った客の手が届く箇所に設けた操作手段が操作を受け付けると、前記搬送レーンを流れる皿のうち前記識別表示手段が識別表示している皿の進路を、前記搬送レーン側から前記分岐レーン側へ変更する進路変更手段と、を備える、
遠隔皿取り出し装置。
【請求項2】
前記識別表示手段は、前記搬送レーンを流れる皿のうち、前記搬送レーンと前記分岐レーンとの分岐点に接近する複数の皿を、前記操作手段に複数設けられた操作部毎に、他の皿と識別表示し、
前記進路変更手段は、複数設けられた前記操作部のうち少なくとも何れかの操作部が操作されると、前記搬送レーンを流れる皿のうち前記識別表示手段が識別表示している、操作された操作部に対応する皿の進路を、前記搬送レーン側から前記分岐レーン側へ変更する、
請求項1に記載の遠隔皿取り出し装置。
【請求項3】
前記進路変更手段によって進路変更された皿が前記分岐レーンに進入したことを検知すると前記ボックス席の客に報知し、前記分岐レーンへの進入を拒否する操作を受け付けると前記分岐レーンに進入した皿を前記搬送レーンへ戻す皿確認手段を更に備える、
請求項1または2に記載の遠隔皿取り出し装置。
【請求項4】
前記皿確認手段は、前記分岐レーンへの進入を拒否する操作を受け付けると、前記分岐レーンに進入した皿を前記搬送レーンのうち値下げした皿が並ぶ位置へ戻す、
請求項3に記載の遠隔皿取り出し装置。
【請求項5】
前記分岐レーンは、前記テーブルの下に埋め込まれている、
請求項1から4の何れか一項に記載の遠隔皿取り出し装置。
【請求項6】
前記操作手段は、模擬の射撃操作を受け付けるものであり、
前記進路変更手段は、前記識別表示手段を的にした射撃操作を受け付けると、前記搬送レーンを流れる皿のうち前記識別表示手段が識別表示している皿の進路を、前記搬送レーン側から前記分岐レーン側へ変更する、
請求項1から5の何れか一項に記載の遠隔皿取り出し装置。
【請求項7】
前記識別表示手段は、タッチパネルにより、前記搬送レーンを流れる皿のうち、前記搬送レーンと前記分岐レーンとの分岐点に接近する皿を、他の皿と識別表示し、
前記操作手段は、前記タッチパネルに識別表示されている皿の押圧操作を受け付ける、
請求項1から6の何れか一項に記載の遠隔皿取り出し装置。
【請求項1】
飲食物を載せた皿が循環する搬送装置を有する飲食店に設置する遠隔皿取り出し装置であって、
前記搬送装置の搬送レーンに隣接するボックス席のテーブルに設ける、前記搬送レーンから分岐する分岐レーンと、
前記搬送レーンを流れる皿のうち、前記搬送レーンと前記分岐レーンとの分岐点に接近する皿を他の皿と識別表示する識別表示手段と、
前記ボックス席に座った客の手が届く箇所に設けた操作手段が操作を受け付けると、前記搬送レーンを流れる皿のうち前記識別表示手段が識別表示している皿の進路を、前記搬送レーン側から前記分岐レーン側へ変更する進路変更手段と、を備える、
遠隔皿取り出し装置。
【請求項2】
前記識別表示手段は、前記搬送レーンを流れる皿のうち、前記搬送レーンと前記分岐レーンとの分岐点に接近する複数の皿を、前記操作手段に複数設けられた操作部毎に、他の皿と識別表示し、
前記進路変更手段は、複数設けられた前記操作部のうち少なくとも何れかの操作部が操作されると、前記搬送レーンを流れる皿のうち前記識別表示手段が識別表示している、操作された操作部に対応する皿の進路を、前記搬送レーン側から前記分岐レーン側へ変更する、
請求項1に記載の遠隔皿取り出し装置。
【請求項3】
前記進路変更手段によって進路変更された皿が前記分岐レーンに進入したことを検知すると前記ボックス席の客に報知し、前記分岐レーンへの進入を拒否する操作を受け付けると前記分岐レーンに進入した皿を前記搬送レーンへ戻す皿確認手段を更に備える、
請求項1または2に記載の遠隔皿取り出し装置。
【請求項4】
前記皿確認手段は、前記分岐レーンへの進入を拒否する操作を受け付けると、前記分岐レーンに進入した皿を前記搬送レーンのうち値下げした皿が並ぶ位置へ戻す、
請求項3に記載の遠隔皿取り出し装置。
【請求項5】
前記分岐レーンは、前記テーブルの下に埋め込まれている、
請求項1から4の何れか一項に記載の遠隔皿取り出し装置。
【請求項6】
前記操作手段は、模擬の射撃操作を受け付けるものであり、
前記進路変更手段は、前記識別表示手段を的にした射撃操作を受け付けると、前記搬送レーンを流れる皿のうち前記識別表示手段が識別表示している皿の進路を、前記搬送レーン側から前記分岐レーン側へ変更する、
請求項1から5の何れか一項に記載の遠隔皿取り出し装置。
【請求項7】
前記識別表示手段は、タッチパネルにより、前記搬送レーンを流れる皿のうち、前記搬送レーンと前記分岐レーンとの分岐点に接近する皿を、他の皿と識別表示し、
前記操作手段は、前記タッチパネルに識別表示されている皿の押圧操作を受け付ける、
請求項1から6の何れか一項に記載の遠隔皿取り出し装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2013−59387(P2013−59387A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198289(P2011−198289)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(390010319)株式会社石野製作所 (85)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(390010319)株式会社石野製作所 (85)
【Fターム(参考)】
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