説明

遠隔監視及び遠隔制御システム

【課題】 ユーザが自己の都合に応じて任意の住宅設備機器等を組み合わせて連動させる変更を加えることが供用開始後であってもユーザ自身の操作によって可能となる遠隔監視及び遠隔制御システムを提供する。
【解決手段】 監視サーバ2と、HA端末5a,5bを接続したアダプタ4とを公衆電話回線7で通信接続する。暖房端末94,95の端末コントローラ941,951をアダプタの制御部41と熱源機コントローラ91を介して通信接続して作動に関する情報の授受を可能とする。熱源機リモコン92に連動設定手段93を備え、ユーザ操作に基づき連動設定情報の入力設定や、制御部41への送信を可能とする。制御部41は受信した連動設定情報を記憶し、ユーザ自身が関連付けした暖房端末94とHA端末5aとの相互間を連動制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅内の各種の家電機器や住宅設備機器のON/OFF状況を外部から把握したり、それらを外部からON/OFFしたりするために用いられる遠隔監視及び遠隔制御システムに関し、特に一つの機器の動作によって他の機器も連動して動作させることを可能とする連動設定をユーザの都合に応じた組み合わせでユーザ自身が行うことを可能とする技術に係る。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅内に設置された照明器具,エアコン,電気錠等の複数の家庭機器を一つのコントローラで制御したりモニタしたりするためのホームオートメーションシステム(HAシステム)が提唱され、その実現のためにHA端子(JEM−A)という規格が規定されている(日本電気工業会規格JEM1427)。要するに、HA端子とは、コントローラ側と、制御・モニタ対象の複数の各種機器との間で制御信号やモニタ信号を伝送するために用いられる端子のことであり、このHA端子を設けることによりその機器はHAシステムにおいてコントローラによる制御・モニタ対象であるHA端末となる。ここで、かかるHA端末は制御・モニタされる作動状況が2値で表現される機器が対象となるため、制御・モニタの内容は原則として運転のON/OFF、点灯/消灯、開作動/閉作動、あるいは、解錠/施錠という作動状態とされている。
【0003】
そして、このようなHAシステムやHA端子を利用して、住宅内に設置された照明器具等のHA端末や、ガス給湯機等の熱源機を、外部(住宅とは離れた遠隔地)に設置した監視サーバにより遠隔監視(モニタ)したり遠隔制御したりする遠隔監視及び遠隔制御システムの提案も行われている(例えば特許文献1参照)。これは、住宅側において熱源機やHA端子が接続されたコントローラ(ホームコントローラ)と、外部に設置された監視サーバとを公衆電話回線により互いに接続し、監視サーバからの指令を各住宅側のコントローラに伝送することによってその住宅内の熱源機やHA端末を遠隔監視したり遠隔制御したりするようにしたものである。この場合、公衆電話回線を通じて通信するための情報変換等の機能を備えた通信制御装置としてのT−NCU(Terminal Network Control Unit)が各住宅側に設置され、上記コントローラはこのT−NCUを介して公衆電話回線と接続されることにより監視サーバとの間での信号伝送が可能となる。
【0004】
又、上記のHAシステムとして、ホームコントローラに玄関扉の電気錠と、門扉の電気錠とを制御対象とし、例えば住宅から外出するときにユーザが玄関扉の電気錠の解錠操作を行うと、その玄関扉の電気錠が解錠されると同時に、門扉の電気錠も連動して解錠されるというように、2種類の電気錠の作動を関連付けたものも提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平2005−217826号公報
【特許文献2】特開平11−131875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来の遠隔監視及び遠隔制御システムにおいては、照明設備、エアコン、電動窓あるいは熱源機というように、それぞれを個別にモニタしたり制御したりするものであるため、ユーザの利便性に欠ける場合がある。例えば、電動雨戸(電動シャッター)を閉作動させるためのスイッチ操作をしても、あるいは、外部の監視サーバからの指令に基づく遠隔制御により閉作動されても、室内の照明器具は別個に点灯のためのスイッチ操作をしたり遠隔制御に基づく点灯作動が行われたりしなければ、消灯状態のままであるため、利便性に欠けることになる。これに対し、例えば、電動雨戸(電動シャッター)を閉作動させるためのスイッチ操作をすると、あるいは、外部の監視サーバからの指令に基づく遠隔制御により閉作動されると、室内の照明器具が自動的に点灯作動するというように、連動作動すれば、ユーザにとっての利便性は向上すると考えられる。このため、上記の特許文献2によっても、玄関扉と門扉との双方の電気錠について一方の作動により他方を連動させて作動させるための接続の追加設定等が現実に提案されている。
【0007】
しかしながら、かかる連動設定はその組み合わせ如何によりユーザにとっては逆に不便を強いる結果を招くことになる上に、自己の生活スタイルに適合した連動設定を行いたくてもユーザにはその手立てもなく利便性の提供には限界のあるのが実情である。
【0008】
すなわち、特許文献2で提案された如き玄関扉と門扉というように日常生活における関連性に強い普遍性のある対象同士であれば、ユーザにとっては便宜であると一般的に言えるものの、住宅設備機器として極めて多数の対象が存在する現状では、複数の住宅設備機器の作動を事前にかつ固定的に連動させる構成にしてしまうと、ユーザにとって逆に不便なものとなると考えられる。
【0009】
つまり、一つの住宅内に設置されている住宅設備機器として、各種の照明器具、各場所の電動雨戸、各場所の電気錠、各場所の電動開閉窓、各場所のエアコンというようにその種類・数は多岐多数にのぼる上に、炊飯器や冷蔵庫等の家電機器も多岐にわたっている。さらに、熱源機が温水暖房機能を備えたものであれば、その熱源機に対し各場所の床暖房機や浴室乾燥機等の暖房端末が接続され、熱源機単体だけではなくてこれらの暖房端末も住宅設備機器の一部となる。そして、これら多数の住宅設備機器や家電機器の内から何と何とを連動させるのが便宜であるかの事情は、各住宅に住まうユーザの家族構成、年齢層や生活スタイル等の如何によって全く異なるため、ユーザに提供されるシステム又は製品として、ある特定の組み合わせに対し連動設定が事前にかつ固定的に装置構成に組み入れられていると、ユーザにとっては逆に不便なものとなる。ある一つの住宅設備機器についての自己の作動操作又は自動制御に基づく作動によって、ユーザが意図しないあるいは望まない他の住宅設備機器にも連動作動が生じると、その住宅設備機器を後で解除操作せざるを得なくなり、余分な手間がかかることになる。
【0010】
一方、ユーザが自己の住宅内に設置されている住宅設備機器について、自己の生活スタイルに基づく都合に応じて任意に複数のものを組み合わせて連動設定しようとしても、上記のホームコントローラが収容されたアダプタや熱源機等は集合住宅であるとパイプシャフト扉内に設置されている上に、ユーザ自身により連動設定のための改造を行うのは非現実的であり不可能であるのが現状である。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザが自己の都合に応じて任意の住宅設備機器等を組み合わせて連動させる変更を加えることが供用開始後であってもユーザ自身の操作によって可能となる遠隔監視及び遠隔制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明では、遠隔監視及び遠隔制御を実行する監視サーバに対し公衆通信回線網を介して接続される遠隔監視及び遠隔制御の対象となる対象システムが、上記公衆通信回線網を通じて通信制御を行う通信制御装置と、熱源機を作動制御する熱源機コントローラと、それぞれHA端子が設けられた2以上の任意数のHA端末と、上記熱源機コントローラ及びHA端末の作動の監視及び制御について上記通信制御装置を介して監視サーバとの間の中継制御を実行する中継制御装置とを備え、この中継制御装置が上記熱源機コントローラを双方向通信可能に接続する第1通信インタフェース手段と、上記HA端末とHA端子を介して個別に双方向通信可能に接続する第2通信インタフェース手段とを備えてなる遠隔監視及び遠隔制御システムを対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記熱源機コントローラに接続される熱源機リモコンと、不揮発性メモリにより構成された記憶装置とを備え、上記熱源機リモコンとして、上記2以上のHA端末の内から任意に選択したHA端末同士の組み合わせについて相互に関連付けて連動制御させるための連動設定をユーザ操作に基づき入力可能な連動設定手段を備える構成とし、上記記憶装置として、この連動設定手段により入力設定された連動設定情報をその入力設定操作に基づき記憶する構成とする。そして、上記中継制御装置として、上記記憶装置に記憶された連動設定情報及び上記監視サーバからの送信情報に基づき上記関連付けされたHA端末同士の組み合わせについて連動制御を実行する制御手段を備える構成とした。
【0013】
この請求項1に係る発明の場合、例えばユーザが自己の住宅内に設置されている電動雨戸、玄関扉等の電子錠、及び、各部屋の照明器具等々の2以上のHA端末の内から、自己の生活スタイル等の事情や都合に応じて便宜な組み合わせを任意に選択し、その組み合わせたHA端末同士の動作ルールを自己の都合等に応じて関連付けした連動設定を熱源機リモコンの連動設定手段によってユーザ自身の入力操作で行うことができるようになる。つまり、HAシステムの進展に伴い多数のHA端末が住宅内に設置されてはいるものの、従来システムではそれらが個々の制御に基づく個別作動である上に、連動させたくてもシステムの設置後は改造等が不能であったところ、本発明では個々のユーザ毎に異なる使用上の事情や都合に対応した連動設定をユーザ自身の手によって後のどの使用時点においても行い得るようになり、ユーザにとっての利便性が飛躍的に向上することになる。
【0014】
又、請求項2に係る発明では、遠隔監視及び遠隔制御を実行する監視サーバに対し公衆通信回線網を介して接続される遠隔監視及び遠隔制御の対象となる対象システムが、上記公衆通信回線網を通じて通信制御を行う通信制御装置と、熱源機を作動制御する熱源機コントローラと、上記熱源機から温水の循環供給を受ける1又は2以上の暖房端末毎に個別に設けられ上記熱源機コントローラと双方向通信可能に接続されて各暖房端末の作動制御を行う1又は2以上の端末コントローラと、それぞれHA端子が設けられた1又は2以上の任意数のHA端末と、上記熱源機コントローラ、端末コントローラ及びHA端末の作動の監視及び制御について上記通信制御装置を介して監視サーバとの間の中継制御を実行する中継制御装置とを備え、この中継制御装置が上記熱源機コントローラを双方向通信可能に接続する第1通信インタフェース手段と、上記HA端末とHA端子を介して個別に双方向通信可能に接続する第2通信インタフェース手段とを備えてなる遠隔監視及び遠隔制御システムを対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記熱源機コントローラに接続される熱源機リモコンと、不揮発性メモリにより構成された記憶装置とを備え、上記熱源機リモコンとして、上記端末コントローラから任意に選択した端末コントローラと、上記HA端末から任意に選択したHA端末との組み合わせについて相互に関連付けて連動制御させるための連動設定をユーザ操作に基づき入力可能な連動設定手段を備える構成とし、上記記憶装置として、この連動設定手段により入力設定された連動設定情報をその入力設定操作に基づき記憶する構成とする。そして、上記中継制御装置として、上記記憶装置に記憶された連動設定情報及び上記監視サーバからの送信情報に基づき上記関連付けされた端末コントローラとHA端末との組み合わせについて連動制御を実行する制御手段を備える構成とした。
【0015】
この請求項2に係る発明の場合、ユーザが自己の生活スタイル等の事情や都合に応じて、自己の住宅内に設置されている電動雨戸、玄関扉等の電子錠、及び、各部屋の照明器具等々の1又は2以上のHA端末の内から任意に選択したHA端末と、熱源機に接続された浴室乾燥機や床暖房機等の1又は2以上の暖房端末から任意に選択した暖房端末との組み合わせを設定し、その組み合わせたHA端末と暖房端末との間の相互の動作ルールを自己の都合等に応じて関連付けした連動設定を熱源機リモコンの連動設定手段によってユーザ自身の入力操作で行うことができるようになる。つまり、HAシステムの進展に伴い多数のHA端末が住宅内に設置されてはいるものの、従来システムではそれらが個々の制御に基づく個別作動であり、連動させたくてもシステムの設置後は改造等が不能である上に、熱源機側の暖房端末はHA端末とは全く異なる制御体系であって両者を連動させたくても不能であったところ、本発明では暖房端末の動作とHA端末の動作との相互間での連動設定が可能になる上に、その連動設定を個々のユーザ毎に異なる使用上の事情や都合に対応して関連付けてユーザ自身の手によって後のどの使用時点においても行い得るようになり、ユーザにとっての利便性が飛躍的に向上することになる。
【0016】
又、以上の請求項1又は請求項2に係る発明の場合、記憶装置は不揮発性メモリにより構成されているため、特に停電等の通電遮断状態に陥ったとしても、通電が復帰すればそれまでに記憶されている連動設定情報をそのまま利用することが可能であり、新たな入力設定操作を不要とすることが可能となる。このような記憶装置は、中継制御装置、熱源機リモコン、熱源機コントローラ、あるいは、その他に備えるようにすることができる。上記記憶装置を上記中継制御装置に備える場合には、上記熱源機リモコンは、上記連動設定情報を上記中継制御装置に対し送信可能に上記第1通信インタフェース手段を介して上記中継制御装置と接続させるようにすればよい(請求項3)。これにより、記憶装置は熱源機リモコンから送信された連動設定情報を記憶する一方、中継制御装置の制御手段は記憶装置に記憶された連動設定情報を直接に読み出して連動制御することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
以上、説明したように、請求項1又は請求項3に係る遠隔監視及び遠隔制御システムによれば、ユーザが自己の住宅内に設置されている2以上のHA端末の内から便宜な組み合わせを任意に選択し、その組み合わせたHA端末同士の動作ルールを任意に関連付けした連動設定を熱源機リモコンの連動設定手段によってユーザ自身の入力操作で行うことができるようになる。これにより、HAシステムの進展に伴い多数のHA端末が住宅内に設置されてはいるものの、従来システムではそれらが個々の制御に基づく個別作動である上に、連動させたくてもシステムの設置後は改造等が不能であったところ、本発明では個々のユーザ毎に異なる使用上の事情や都合に対応した連動設定をユーザ自身の手によって後のどの使用時点においても行うことができるようになるため、ユーザにとっての利便性を飛躍的に向上させることができる。加えて、ユーザが入力設定し記憶装置に記憶した連動設定情報を、停電等の不意の通電遮断が生じても確実に記憶保持させて、電源復旧後の連動制御を新たな入力設定等の操作無しに実行させることができる。
【0018】
又、請求項2又は請求項3に係る遠隔監視及び遠隔制御システムによれば、ユーザが自己の住宅内に設置されている1又は2以上のHA端末の内から任意に選択したHA端末と、熱源機に接続された1又は2以上の暖房端末から任意に選択した暖房端末との組み合わせを任意に選択し、その組み合わせたHA端末と暖房端末との間の相互の動作ルールを自己の都合等に応じて任意に関連付けした連動設定を熱源機リモコンの連動設定手段によってユーザ自身の入力操作で行うことができるようになる。これにより、HAシステムでのHA端末と、このHA端末とは全く異なる制御体系であって両者を連動させたくても不能であった暖房端末との相互の動作を連動させることができるようになる上に、その連動設定を生活スタイルの相違等により個々のユーザ毎に異なる使用上の事情や都合に対応して関連付けてユーザ自身の手によって後のどの使用時点においても行い得るようになるため、ユーザにとっての利便性を飛躍的に向上させることができる。加えて、上記と同様に、ユーザが入力設定し記憶装置に記憶した連動設定情報を、停電等の不意の通電遮断が生じても確実に記憶保持させて、電源復旧後の連動制御を新たな入力設定等の操作無しに実行させることができる。
【0019】
特に請求項3によれば、記憶装置を中継制御装置に備えるようにすることにより、記憶装置は熱源機リモコンから送信された連動設定情報を確実に記憶することができる一方、中継制御装置の制御手段は記憶装置に記憶された連動設定情報を直接に読み出して連動制御することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る遠隔監視及び遠隔制御システムを示し、この遠隔監視及び遠隔制御システムは外部(例えばガス会社のサービスセンター等)に設置された監視サーバ2によって、住宅H内に設置されている各種の住宅設備機器の遠隔監視及び遠隔制御を行うものである。同図において、符号3はT−NCU、4はアダプタ、5a,5b,…は1又は2以上の任意数のHA端末、6は熱源機、7は公衆通信回線網(本実施形態では公衆電話回線)である。
【0022】
上記監視サーバ2は、CPU,メモリ及びハードディスク等のサーバ機能を実現するための基本構成に加え、携帯端末(例えば携帯電話や、携帯情報端末)8との送受信を行うための通信手段や,遠隔監視及び遠隔制御の対象となる1又は2以上の任意数の住宅H,…と公衆電話回線7による情報の送受信を行うための通信手段等を備えて構成されている。そして、上記監視サーバ2は、遠隔監視及び遠隔制御用の所定のプログラムが組み込まれており、このプログラムに基づいて各種の機能を実行し得るようになっている。例えば、内蔵時計に基づいて所定の経過時間毎に発呼して遠隔監視対象の各住宅Hから各種のHA端末5a,5b,…等からのモニタ信号を集めたり、あるいは、各住宅H側からの発呼により送信されてくるモニタ信号を受け入れたりする遠隔監視機能や、予め設定された所定のタイミングが到来すれば特定の住宅Hの特定のHA端末(例えば5a)等の作動をONにするための制御信号をその住宅HのT−NCU3に送信したり、携帯端末8からの指令情報を受信して対応する住宅Hの対応するHA端末(例えば5b)等を対応作動させる制御信号を上記と同様にT−NCU3に送信したりする遠隔制御機能を実行するようになっている。なお、上記のモニタ信号とは、例えばHA端末5a等であると運転がON状態かOFF状態かあるいは点灯状態か消灯状態か等の現在の作動状態を表す2値情報のことである。
【0023】
T−NCU3は、基本的には、公衆電話回線7を通じて監視サーバ2から伝送される情報をアダプタ4の後述の制御部41に受信させるために変換したり、逆に、制御部41から監視サーバ2に対し送信する情報を公衆電話回線7を通じて伝送するために変換したりするものである。このT−NCU3によって、公衆電話回線7を通じて送受信するための通信制御装置が構成されている。
【0024】
アダプタ4は、ホームコントローラとしての役割を果たす制御手段としての制御部41と、記憶装置として書き込み及び読み出しが可能な不揮発性メモリであるEEPROM42と、通信規格の相違に対応した各種の通信インタフェース回路43,44,45とを備えたものである。このアダプタ4によって、各種のHA端末5a,5b等及び熱源機6を監視サーバ2と連結するための中継制御装置が構成されている。上記制御部41は、CPUや,メモリ等を備えたマイコンにより構成され、ホームコントローラとしての各種の基本機能や、後述の連動設定情報を受け付けてEEPROM42に記憶したりその連動設定情報に基づき連動作動を登録して実行したりする連動機能等を実現するためのプログラムが予め組み込まれ、このプログラムに基づき上記の基本機能や連動機能が実行されることになる。
【0025】
上記の通信インタフェース回路43はT−NCU3と制御部41との間の相互通信(例えばAライン通信)を可能とするものであり、制御部41とT−NCU3を介した監視サーバ2との情報の授受を行うようになっている。又、第1通信インタフェース手段を構成する通信インタフェース回路44は熱源機6の作動制御を行う熱源機コントローラ61と上記制御部41との間の相互通信(例えば電源重畳2芯通信)を可能とするものである。さらに、第2通信インタフェース手段を構成する通信インタフェース回路45は各種のHA端末5a,5b,…と制御部41との間の相互通信を可能とするものであり、それぞれHA端子を有する複数のポート(図例では3ポート分を図示)451,451,…を備えている。この通信インタフェース回路45は、上記制御部41からの指令情報を受けて対応するHA端末(例えば5a)に対しON又はOFFの制御信号を送信する一方、同じく制御部41からの指令に基づき対応するHA端末(例えば5a)からONかOFFかの作動状態を表すモニタ信号を受信して上記制御部41に出力するようになっている。なお、上記の「ON」の制御信号又はモニタ信号とはHA端末の種類に応じて「運転」・「点灯」・「開作動又は閉作動」・「施錠」等のHA端末の動作状態を内容とする信号のことであり、「OFF」の制御信号又はモニタ信号とは「運転停止」・「消灯」・「閉作動又は開作動」・「解錠」等のHA端末の停止状態を内容とする信号のことである。上記の「開作動」・「閉作動」については、動作した状態が「ON」を意味し、動作していない通常の状態が「OFF」を意味することになる。例えば通常が閉状態になる電動開閉窓(HA端末)であれば「ON」で「開作動」・「OFF」で「閉作動」を意味する一方、通常が開状態になる電動雨戸又は電動シャッター(HA端末)であれば「ON」で「閉作動」・「OFF」で「開作動」を意味する。
【0026】
HA端末5a,5bは、通信インタフェース回路45のHA端子451,451,…に対し1つずつ個別にかつ並列に接続され、これにより、通信インタフェース回路45を介して制御部41との間で制御信号及びモニタ信号の送受が可能となっている。HA端末5a,5bとしては例えば電動雨戸,照明器具,玄関扉の電子錠,電動開閉窓等が挙げられ、これらにHA端子が設けられて監視及び制御対象のHA端末とされる。
【0027】
上記の熱源機6は例えばガス給湯器であり、このガス給湯器の作動を制御する熱源機コントローラ61が上記通信インタフェース回路44を介して制御部41と双方向通信可能に接続されている。加えて、上記熱源機コントローラ61に対し双方向通信可能に接続された熱源機リモコン62が、上記通信インタフェース回路44を介して制御部41とも双方向通信可能に接続されている。なお、上記の熱源機リモコン62は直接・間接を問わずに制御部41と双方向通信可能に接続されていればよく、例えば熱源機リモコン62が熱源機コントローラ61にのみ双方向通信可能に接続されて、制御部41とは熱源機コントローラ61を介して双方向通信可能に接続された状態になっていてもよい。この点は、第2実施形態の熱源機リモコン92(連動設定手段93)及び熱源機コントローラ91と、制御部41との関係においても同様である。又、上記熱源機6としては、給湯単機能のガス給湯器に限られず、風呂追い焚き機能や温水循環式暖房機能等のいずれか1又は2以上の機能を併有した複合熱源器により構成されていても本発明の適用が可能であることはいうまでもない。
【0028】
以上の遠隔監視及び遠隔制御システムにおいて、上記熱源機リモコン62には、多種のHA端末の内から任意に選択した2以上のHA端末について連動動作をさせるための連動設定を行う連動設定手段63が付加されている。この連動設定手段63は、ユーザが連動設定情報を入力操作するための連動設定操作部と、この設定操作部により入力設定された連動設定情報を通信インタフェース回路44を介して制御部41に送信する送信処理部とを備えている。上記連動設定操作部は、熱源機リモコン62に既設の操作スイッチ類や表示部621等を用いて連動設定情報を入力設定し得るようになっている。ここで、連動設定情報とは、アダプタ4に接続されているHA端末5a,5b,…の内から連動させたい任意の2以上のHA端末(例えば5aと5bとの2つ)の作動関係を関連付ける関連付け情報のことである。例えばHA端末5aがON作動(ユーザ操作に基づくON作動又は監視サーバ2からの制御信号に基づくON作動の別を問わない)されたことが検出されれば、HA端末5bを連動させて強制的にON作動又はOFF作動させる、という関連付け情報のことである。具体的には、関連付ける対象の2以上のHA端末5a,5bの組み合わせは何かの関連付け対象の特定と、一方のHA端末5a又は5bにおいてどのような動作内容(ON作動かOFF作動かの別)が検出されたら、他方のHA端末5b又は5aにどのような動作内容(ON作動かOFF作動かの別)で連動動作させるのかの関連付け設定とで連動設定情報の内容が構成される。
【0029】
そして、アダプタ4の制御部41には、上記の熱源機リモコン62から連動設定情報の送信が行われたら、その連動設定情報を受信してその連動設定情報をEEPROM42に記憶設定する連動設定情報記憶処理部と、以後は記憶された連動設定情報に基づく関連付け設定を登録し関連付け対象の監視と連動制御とを実行するための連動処理部とからなる連動制御部が備えられている。これらの連動設定情報記憶処理部や連動処理部からなる連動制御部の機能は、予め組み込まれたプログラムの実行により実現される。
【0030】
このような熱源機リモコン62の連動設定手段63による連動設定情報の設定や、制御部41による監視及び連動制御を実現するために、電源重畳2芯通信を用いた熱源機リモコン62とアダプタ4側との接続が行われることにより、熱源機リモコン62ではアダプタ4の存在を自動認識し、そのアダプタ4に現在接続されているHA端末5a,5b,…は何かの接続リスト情報を自動取得するように構成されている。他方、アダプタ4の制御部41側では上記と同様に熱源機リモコン62が接続されればその存在を自動認識し、熱源機リモコン62からの連動設定情報を受信することにより、連動設定情報記憶処理部や連動処理部が動作を開始するように構成されている。
【0031】
以下、上記の制御部41の機能について、連動に係る部分のみを抜き出して示した図2のフローチャートを参照しつつ説明すると、まず、HA端末の接続数が複数(2以上)であることを条件にして(ステップS1でYES)、HA端末について連動設定情報の受信の有無を判定し、受信があればその今回受信した連動設定情報をEEPROM42に記憶させる(ステップS2でYES,ステップS3)。この場合、既に記憶設定されている関連付け対象と同じものについての連動設定情報であれば上書き保存し、新規の関連付け対象についての連動設定情報であればそのまま保存する。今回は連動設定情報の受信がなければステップS3を飛ばしてステップS4に進む(ステップS2でNO)。
【0032】
次に、HA端末5a,5b,…のモニタ信号に基づいて関連付け対象のHA端末(例えば5a)に所定の動作変化(作動状況の変化)があったか否かを判定する(ステップS4)。モニタ信号に基づいて検出する作動状況の変化とは、連動設定情報の関連付け設定が例えばHA端末5aがOFF状態からON作動されればHA端末5bを連動させるというケースの場合であると、HA端末5aのモニタ信号がOFFからONに変化したことをもって所定の動作変化が検出されたということになるし、逆に、関連付け設定が例えばHA端末5aがON状態からOFF作動されればHA端末5bを連動させるというケースの場合であると、HA端末5aのモニタ信号がONからOFFに変化したことをもって所定の動作変化が検出されたということになる。
【0033】
そして、ステップS4で対象のHA端末5aの所定の動作変化が検出されれば(ステップS4でYES)、そのHA端末5aと関連付けられて連動設定された他のHA端末5bが接続されていることを確認した上で(ステップS5でYES)、そのHA端末5bに対し関連付け設定された所定の連動動作を行わせるための制御信号を送出して(ステップS6)、リターンさせる。上記のステップS4で所定の動作変化が検出されなければ(ステップS4でNO)、そのままリターンする。ステップS5において、連動設定された他のHA端末5bが接続されていない場合もリターンする(ステップS5でNO)。
【0034】
以上でユーザ自身が自己の事情や都合に応じて連動設定した対象のHA端末5bをHA端末5aの作動と連動させて自動的に作動させることができるようになる。例示すると、HA端末5aが電動雨戸で、HA端末5bがその電動雨戸が設置されている部屋の照明器具である場合に、HA端末5aのON(閉動作)によりHA端末5bを連動させてON(点灯)させるという連動設定をユーザが行った場合には、電動雨戸が閉められれば、これに連動してその部屋の照明器具も自動的に点灯されることになり、ユーザにとって利便性の向上が図られることになる。別の例としては、HA端末5aが玄関扉の電子錠で、HA端末5bが照明器具である場合に、HA端末5aのON(施錠)によりHA端末5bを連動させてOFF(消灯)させるという連動設定をユーザが行った場合には、玄関扉が施錠されて外出する際には、これに連動して照明器具が自動的に消灯されることになり、ユーザにとって利便性の向上が図られる上に、照明器具の消し忘れが解消されて省エネルギー化も図れることになる。しかも、ユーザが入力設定した連動設定情報はEEPROM42に記憶され、以後、この記憶情報に基づき連動制御が実行されるため、停電等が生じたとしても連動設定情報が消去されることもない。
【0035】
<第2実施形態>
図3は本発明の第2実施形態に係る遠隔監視及び遠隔制御システムを示す。この第2実施形態は、第1実施形態と同様構成のシステムに加えて熱源機コントローラ91に対しこの熱源機コントローラ91により双方向通信の下で作動制御を行う1又は2以上(図例では3つ以上ある内の2つのみ図示)の双方向端末941,951,…が接続されている場合に、これら双方向端末941,951,…と、アダプタ4に接続されているHA端末5a,5b,…との間での連動設定及び連動動作を可能とするものである。なお、第1実施形態と同様構成のものには第1実施形態と同じ符号を付して、重複した詳細説明を省略する。
【0036】
本実施形態の熱源機9は、温水循環式暖房機又は温水循環式暖房機能を備えた複合熱源器であり、熱源機9と、1又は2以上(上記と同様に図例では3つ以上ある内の2つのみ図示)の暖房端末94,95,…とは熱源機9からの暖房熱源用の温水を循環供給し得るように温水循環配管を介して接続されている。暖房端末94,95,…とは、循環供給を受けた温水の放熱により加熱した温風を吹き出して浴室内を乾燥させる浴室乾燥機や、上記の温水の放熱により室内を加温する床暖房機等のことであり、それぞれに端末コントローラ(以下「双方向端末」という)941,951,…が備えられている。この双方向端末941,951,…は、熱源機コントローラ91と双方向通信可能に接続されている他、個別に端末リモコン942,952,…が接続されている場合がある(図3では全ての暖房端末に対し端末リモコンが接続されている場合を例示している)。そして、各双方向端末941,951,…は、端末リモコン942,952,…を用いたユーザ操作(ON操作/OFF操作)によっても運転/停止の切換えが可能であるし、熱源機コントローラ91からのON指令/OFF指令を受信することによっても運転/停止の切換えが行われるようになっている。又、各双方向端末941,951は対応する暖房端末94,95の作動状況に関する情報(ON/OFF、端末リモコンによる温度等の設定情報及び操作情報)を熱源機コントローラ91に送信し、熱源機コントローラ91はそれらの情報に基づいて熱源機9の作動制御を実行するようになっている。例えば、ある暖房端末94がON操作されれば、その情報を受けて温水の循環供給を開始させる等の作動制御を実行するようになっている。なお、上述の双方向端末と端末リモコンとの組み合わせ如何については暖房端末は具体的に何であるかによって変わり、暖房端末が例えば上記の浴室乾燥機である場合には、双方向端末(例えば941)と端末リモコン(例えば942)とが共に備えられているものの、暖房端末が例えば上記の床暖房機である場合には、その床暖房機の暖房リモコンがそれ自体で上記の双方向端末(例えば941)と端末リモコン(例えば942)との双方の機能を有するように構成されている。
【0037】
上記熱源機コントローラ91には第1実施形態と同様に熱源機リモコン92が双方向通信可能に接続されており、この熱源機リモコン92は第1実施形態の熱源機リモコン62と同様に通信インタフェース回路44を介してアダプタ4の制御部41と双方向通信可能に接続されると共に、次のような連動設定手段93が付加されている。すなわち、この連動設定手段93は、上記の双方向端末941,951,…のいずれか1つ又は2つ以上と、HA端末5a,5b,…のいずれか1つ又は2つ以上との間での連動動作について連動設定するものであり、ユーザが設定操作をするための連動設定操作部と、この設定操作部により入力設定された連動設定情報を通信インタフェース回路44を介して制御部41に送信する送信処理部とを備えている。
【0038】
上記連動設定操作部は、第1実施形態において説明したものと同様に、熱源機リモコン92に既設の操作スイッチ類や表示部921等を用いて連動設定情報を入力設定し得るようになっている。この場合の、連動設定情報における関連づけ対象の特定としては、双方向端末941,951,…の内の連動させたいものとしてユーザが任意に選択した1又は2以上の双方向端末(例えば941)、及び、HA端末5a,5b,…の内の連動させたいものとしてユーザが任意に選択した1又は2以上のHA端末(例えば5a)をそれぞれ特定する情報とし、関連付け設定としては、双方向端末941及びHA端末5aの内でいずれか1又は2以上を主動側/従動側にして、主動側においてどのような動作変化(ON作動からOFF作動,又は,OFF作動からON作動)を検出すれば、従動側にどのような連動動作(ON作動からOFF作動,又は,OFF作動からON作動)をさせるのかという動作を関連付ける設定情報とする。従って、例えば双方向端末941のON作動を検出すれば、HA端末5aを連動させてON作動させるというように、双方向端末941を主動側に、HA端末5aを従動側にそれぞれ設定する第1のケースと、HA端末5aのON作動を検出すれば、双方向端末941を連動させてON作動させるというように、HA端末5aを主動側に、双方向端末941を従動側にそれぞれ設定する第2のケースとがある。又、その関連付けの内容も、主動側及び従動側の対象がそれぞれ1つの場合であっても、主動側がON作動されれば、従動側を連動させてON作動又はOFF作動させるというものと、主動側がOFF作動されれば、従動側を連動させてON作動又はOFF作動させるというものとの4つの組み合わせがある。
さらに、主動側として2以上(2以上の双方向端末、2以上のHA端末、又は、双方向端末とHA端末とかの組み合わせからなる2以上)を設定したり、従動側として2以上(2以上の双方向端末、2以上のHA端末、又は、双方向端末とHA端末とかの組み合わせからなる2以上)を設定したりして、それぞれ任意の連動作動状況になるように関連付けてもよい。例えば、主動側としてHA端末5a及び双方向端末941の2つの組み合わせを設定し、従動側としてHA端末5bを設定した場合において、HA端末5aがON作動され、かつ、双方向端末941がOFF作動されれば、HA端末5bを連動させてON作動させるというように主動側として2以上を設定するケースや、主動側としてHA端末5aを設定し、従動側として双方向端末941及びHA端末5bの2つの組み合わせを設定した場合において、HA端末5aがON作動されれば、双方向端末941を連動させてON作動させ、かつ、HA端末5bを連動させてOFF作動させるというように従動側として2以上を設定するケース等を選択して入力設定するようにしてもよい。以下、関連付け対象として、双方向端末941と、HA端末5aとがユーザにより選択されて設定されている場合を例にして説明を続ける。
【0039】
第2実施形態における熱源機リモコン92の連動設定手段93による連動設定情報の設定や、制御部41による監視及び連動制御を実現するために、まず、電源重畳2芯通信を用いた熱源機コントローラ91とアダプタ4側との接続が行われることにより、熱源機コントローラ91ではアダプタ4の存在を自動認識する一方、アダプタ4(制御部41)では熱源機コントローラ91の存在を自動認識する。そして、制御部41側から熱源機コントローラ91に対しその熱源機コントローラ91に接続されている双方向端末941,951,…の数と種類との情報を取得して送信するように要求指令を発する一方、アダプタ4に現在接続されているHA端末5a,5b,…は何かの接続リスト情報を自動取得する。そして、制御部41は熱源機コントローラ91を介して双方向端末941,951,…の作動状況に関する情報を随時受信する。一方、電源重畳2芯通信を用いた熱源機リモコン92とアダプタ4側との接続が行われることにより、熱源機リモコン92ではアダプタ4の存在を自動認識し、そのアダプタ4に現在接続されているHA端末5a,5b,…は何かの接続リスト情報と、熱源機コントローラ91に現在接続されている双方向端末941,951は何かの接続リスト情報とを自動取得する。他方、アダプタ4の制御部41側では上記と同様に熱源機リモコン92が接続されればその存在を自動認識し、熱源機リモコン92からの連動設定情報を受信することにより、連動設定情報記憶処理部や連動処理部が動作を開始するように構成されている。要するに、熱源機9側の双方向端末941,951,…についても、連動制御に関してはアダプタ4の制御部41が行うようになっている。
【0040】
以下、連動制御に係る制御部41の機能について、連動に係る部分のみを抜き出して示した図4及び図5のフローチャートを参照しつつ説明する。まず、上述の第1のケース(例えば双方向端末941が主動側,HA端末5aが従動側の場合)について図4に基づいて説明すると、上記の自動取得情報に基づいて双方向端末941,951,…が熱源機コントローラ91に接続されていること、HA端末5a,5b,…がアダプタ4に接続されていることを条件にして(ステップS11でYES,ステップS12でYES)、上記の第1のケースに相当する双方向端末941を主動側としてHA端末5aを従動側とする連動設定情報の受信の有無を判定し、受信があればその今回受信した連動設定情報をEEPROM42に記憶させる(ステップS13でYES,ステップS14)。この場合、図2の場合と同様に、既に記憶設定されている関連付け対象と同じものについての連動設定情報であれば上書き保存し、新規の関連付け対象についての連動設定情報であればそのまま保存する。今回は連動設定情報の受信がなければステップS14を飛ばしてステップS15に進む(ステップS13でNO)。
【0041】
次に、熱源機コントローラ91を介して送信されてくる双方向端末941,951,…の作動状況に関する情報に基づきその双方向端末941,951,…に所定の動作変化(作動状況の変化)があったか否かを判定し(ステップS15)、所定の動作変化が検出されれば(ステップS15でYES)、その動作変化が検出された双方向端末941と関連付けられて連動設定されたHA端末5aが接続されていることを確認した上で(ステップS16でYES)、そのHA端末5aに対し関連付け設定された所定の連動動作を行わせるための制御信号を送出して(ステップS17)、リターンさせる。動作変化が検出された対象が連動設定の行われていない例えば双方向端末951であれば、これに関連付けられたHA端末は存在しないため、ステップS16で「NO」となって、連動動作させることなくリターンする。
【0042】
又、上述の第2のケース(例えばHA端末5aが主動側,双方向端末941が従動側の場合)について図5に基づいて説明すると、HA端末5a,5b,…がアダプタ4に接続されていること、双方向端末941,951,…が熱源機コントローラ91に接続されていること、を条件にして(ステップS21でYES,ステップS22でYES)、上記の第2のケースに相当するHA端末5aを主動側として双方向端末941を従動側とする連動設定情報の受信の有無を判定し、受信があればその今回受信した連動設定情報をEEPROM42に記憶させる(ステップS23でYES,ステップS24)。この場合、上記と同様に、既に記憶設定されている関連付け対象と同じものについての連動設定情報であれば上書き保存し、新規の関連付け対象についての連動設定情報であればそのまま保存する。今回は連動設定情報の受信がなければステップS24を飛ばしてステップS25に進む(ステップS23でNO)。
【0043】
次に、HA端末5a,5b,…のモニタ信号に基づきそのHA端末5a,5b、…に所定の動作変化(作動状況の変化)があったか否かを判定し(ステップS25)、所定の動作変化が検出されれば(ステップS25でYES)、その動作変化が検出されたHA端末5aと関連付けられて連動設定された双方向端末941が接続されていることを確認した上で(ステップS26でYES)、熱源機コントローラ91に対しその双方向端末941aに対し関連付け設定された所定の連動動作を行わせるように指令信号を送出し、熱源機コントローラ91を介して双方向端末941に所定の連動動作を行わせ(ステップS27)、リターンさせる。動作変化が検出された対象が連動設定の行われていない例えばHA端末5bであれば、これに関連付けられた双方向端末は存在しないため、ステップS26で「NO」となって、連動動作させることなくリターンする。
【0044】
以上の連動制御のフローチャートにおいて、上記の第1のケース(図4参照)の場合、主動側の例えば双方向端末941が動作変化するトリガーとしては、例えばユーザが携帯端末8を用いて作動指令を監視サーバ2に発し、これに基づいて監視サーバ2からの指令に基づきアダプタ4の制御部41及び熱源機コントローラ91を介して送信される双方向端末941へのON作動指令/OFF作動指令の他に、端末リモコン942又は熱源機リモコン92を用いたユーザ自身のON/OFF操作に基づく場合もある。又、同様に、第2のケース(図5参照)の場合においても、主動側の例えばHA端末5aが動作変化するトリガーとしては、第1実施形態でも説明したように、監視サーバ2からの制御信号に基づく以外に、ユーザ自身のON/OFF操作に基づく場合もある。
【0045】
以上でユーザ自身が自己の事情や都合に応じて連動設定した対象の双方向端末941,951,…と、HA端末5a,5b,…との間での連動動作を自動的に行うことができ、特に、従来は熱源機9の側だけで作動制御が行われていた暖房端末94,95の作動に連動させて、HA端末5a,5b,…をも自動的に作動させることができるようになる。例示すると、図6(a)に示すようにユーザが主動側として浴室11に設置された暖房端末の一つである浴室乾燥機12(現実にはこれに内蔵された双方向端末941)を選択・設定し、従動側として浴室11に設けられたHA端末である電動開閉窓13,14を選択・設定して所定の連動設定操作をした場合には、浴室乾燥機12がON作動(運転作動)されれば、電動開閉窓13,14も連動させて自動的かつ強制的にOFF作動(閉作動)させることができることになり、ユーザにとって利便性の向上が図られることになる。別の例としては、図6(b)に示すようにユーザが主動側として居間15に設置された暖房端末の一つである床暖房機16(現実には上述の如く双方向端末941と端末リモコン942の双方の役割を果たす暖房リモコン)を選択・設定し、従動側として居間15に設けられたHA端末である電動開閉窓17,18を選択・設定して所定の連動設定操作をした場合には、床暖房機16がON作動(運転作動)されれば、電動開閉窓17,18も連動させて自動的かつ強制的にOFF作動(閉作動)させることができることになり、ユーザにとって利便性の向上が図られることになる上に、暖房用放熱が無駄に逃げることを回避して省エネルギー化も図れることになる。
【0046】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記第1実施形態では、連動対象としてHA端末5a,5bを示したが、HA端子を設けていない通常のAC100Vの商用電源機器を対象としても連動設定は可能である。かかる商用電源機器を例えば電源のON/OFF切換用のインタフェースを介して制御部41に接続し、ON/OFFの制御をそのインタフェースをON/OFFすることにより行い、モニタリングをそのインタフェースのONかOFFかの状態検出を行うことにより連動動作が可能となる。
【0047】
又、上記第1及び第2実施形態では、記憶装置であるEEPROM42がアダプタ(中継制御装置)4に内蔵されている場合について説明したが、これに限らず、上記EEPROMを熱源機リモコン62,92又は熱源機コントローラ61,91に備えるようにしてもよい。連動設定情報を記憶するEEPROMを例えば熱源機リモコン62,92に備えた場合には、停電等の通電遮断状態から通電復帰したときに、他の装置等から連動設定情報を新たに取得するための通信をすることなしに、内蔵されたEEPROMから連動設定情報を読み出して表示部621,921に表示させることができる。あるいは、連動設定情報を記憶するEEPROMを例えば熱源機コントローラ61,91に備えた場合には、その熱源機コントローラ61,91が何らかの原因で故障し新しいものと交換する必要が生じたときに、新旧の両基板間を接続し、このような熱源機コントローラが通常有している自動データ移植機能を用いて新旧の両EEPROM間で連動設定情報の自動引き継ぎを行えば、新熱源機コントローラのEEPROMに連動設定情報を組み込むことができ、新たな連動設定情報の入力設定操作を不要とすることができる。なお、上記EEPROMを熱源機リモコン62,92又は熱源機コントローラ61,91に備えるようにした場合には、アダプタ4の制御部41は連動制御を実行する度に熱源機リモコン62,92又は熱源機コントローラ61,91との間で通信してそのEEPROMに記憶された連動設定情報を取得するようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1実施形態を示す模式図である。
【図2】第1実施形態の制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【図3】第2実施形態を示す模式図である。
【図4】第2実施形態の制御部の制御内容を示すフローチャートである。
【図5】図4とは異なるケースの制御内容を示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態の連動設定の例を示す説明図であり、図6(a)は浴室におけるもの、図6(b)は居間におけるものをそれぞれ示す。
【符号の説明】
【0049】
2 監視サーバ
3 T−NCU(通信制御装置)
4 アダプタ(中継制御装置)
5a,5b HA端末
6,9 熱源機
7 公衆電話回線(公衆通信回線網)
41 制御部(制御手段)
42 EEPROM(記憶装置)
44 通信インタフェース回路(第1通信インタフェース手段)
45 通信インタフェース回路(第2通信インタフェース手段)
61,91 熱源機コントローラ
62,92 熱源機リモコン
94,95 暖房端末
63,93 連動設定手段
941,951 双方向端末(端末コントローラ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔監視及び遠隔制御を実行する監視サーバに対し公衆通信回線網を介して接続される遠隔監視及び遠隔制御の対象となる対象システムが、上記公衆通信回線網を通じて通信制御を行う通信制御装置と、熱源機を作動制御する熱源機コントローラと、それぞれHA端子が設けられた2以上の任意数のHA端末と、上記熱源機コントローラ及びHA端末の作動の監視及び制御について上記通信制御装置を介して監視サーバとの間の中継制御を実行する中継制御装置とを備え、この中継制御装置が上記熱源機コントローラを双方向通信可能に接続する第1通信インタフェース手段と、上記HA端末とHA端子を介して個別に双方向通信可能に接続する第2通信インタフェース手段とを備えてなる遠隔監視及び遠隔制御システムにおいて、
上記熱源機コントローラに接続される熱源機リモコンと、不揮発性メモリにより構成された記憶装置とを備え、
上記熱源機リモコンは、上記2以上のHA端末の内から任意に選択したHA端末同士の組み合わせについて相互に関連付けて連動制御させるための連動設定をユーザ操作に基づき入力可能な連動設定手段を備え、
上記記憶装置は、この連動設定手段により入力設定された連動設定情報をその入力設定操作に基づき記憶するように構成され、
上記中継制御装置は、上記記憶装置に記憶された連動設定情報及び上記監視サーバからの送信情報に基づき上記関連付けされたHA端末同士の組み合わせについて連動制御を実行する制御手段を備えている
ことを特徴とする遠隔監視及び遠隔制御システム。
【請求項2】
遠隔監視及び遠隔制御を実行する監視サーバに対し公衆通信回線網を介して接続される遠隔監視及び遠隔制御の対象となる対象システムが、上記公衆通信回線網を通じて通信制御を行う通信制御装置と、熱源機を作動制御する熱源機コントローラと、上記熱源機から温水の循環供給を受ける1又は2以上の暖房端末毎に個別に設けられ上記熱源機コントローラと双方向通信可能に接続されて各暖房端末の作動制御を行う1又は2以上の端末コントローラと、それぞれHA端子が設けられた1又は2以上の任意数のHA端末と、上記熱源機コントローラ、端末コントローラ及びHA端末の作動の監視及び制御について上記通信制御装置を介して監視サーバとの間の中継制御を実行する中継制御装置とを備え、この中継制御装置が上記熱源機コントローラを双方向通信可能に接続する第1通信インタフェース手段と、上記HA端末とHA端子を介して個別に双方向通信可能に接続する第2通信インタフェース手段とを備えてなる遠隔監視及び遠隔制御システムにおいて、
上記熱源機コントローラに接続される熱源機リモコンと、不揮発性メモリにより構成された記憶装置とを備え、
上記熱源機リモコンは、上記端末コントローラから任意に選択した端末コントローラと、上記HA端末から任意に選択したHA端末との組み合わせについて相互に関連付けて連動制御させるための連動設定をユーザ操作に基づき入力可能な連動設定手段を備え、
上記記憶装置は、この連動設定手段により入力設定された連動設定情報をその入力設定操作に基づき記憶するように構成され、
上記中継制御装置は、上記記憶装置に記憶された連動設定情報及び上記監視サーバからの送信情報に基づき上記関連付けされた端末コントローラとHA端末との組み合わせについて連動制御を実行する制御手段を備えている
ことを特徴とする遠隔監視及び遠隔制御システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の遠隔監視及び遠隔制御システムであって、
上記記憶装置は上記中継制御装置に備えられ、
上記熱源機リモコンは、上記連動設定情報を上記中継制御装置に対し送信可能に上記第1通信インタフェース手段を介して上記中継制御装置と接続されている、遠隔監視及び遠隔制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−166045(P2007−166045A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−357188(P2005−357188)
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【出願人】(503116659)ノーリツエレクトロニクステクノロジー株式会社 (155)
【Fターム(参考)】