説明

遮光性積層フィルム及び遮光性包装用袋

【課題】 優れた遮光性及び高い剛性を有し、且つフィルム形成時の薄膜化が可能であり、また焼却処理時に発生する二酸化炭素の排出量を削減することのできる遮光性積層フィルム、及びこのフィルムを用いた包装用袋を提供すること。
【解決手段】 基材となる合成樹脂に白色顔料を添加し製膜してなる白色フィルムと、基材となる合成樹脂に黒色顔料を添加し製膜してなる黒色フィルムとが積層されてなり、前記白色顔料が多孔質セラミックスからなることを特徴とする遮光性積層フィルムとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮光性積層フィルム及び遮光性包装用袋に関する。
【背景技術】
【0002】
菓子類や冷凍食品等の食品用包装用袋、シャンプー等の洗剤の詰め替え用パック、医療品の包装材、感光性材料の包装材には、遮光性に優れた包装材が用いられている。このような包装材としてはアルミニウム蒸着フィルムが広く用いられている。アルミニウム蒸着フィルムは遮光性に優れているため、太陽光あるいは蛍光灯等の光で劣化が生じる製品の包装材として多く用いられている。
【0003】
上記したように、アルミニウム蒸着フィルムは遮光性に優れるが、アルミニウム蒸着基材に合成樹脂を用いているので焼却処理時に二酸化炭素が多く排出されるという問題があった。
また文字や模様を印刷する際、印刷箇所に予め白打ちを施す必要があった。
【0004】
アルミニウム蒸着フィルムを用いない、即ち、アルミニウムレスな遮光性フィルムを用いた自立性袋が開示されている(特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に記載の遮光性フィルムは、黒色顔料又は白色顔料、もしくはこの両方を混合して基材となる合成樹脂に添加して遮光性を付与し、これらの合成樹脂フィルムを積層して積層フィルムを形成している。
ここで、特許文献1に記載の積層フィルムでは、白色顔料として、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、リトポン、酸化チタン(アナターゼ型、ルチル型)等が用いられている。
このような白色顔料を添加した合成樹脂フィルムは白色を呈しているため、印刷に際して白打ちを施す必要はない。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の遮光性フィルムは、アルミニウムレスであるが、基材となる合成樹脂に化石燃料由来の樹脂(ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等)を用いているために、焼却処理時に排出される二酸化炭素量を削減できるものではない。
【0007】
また特許文献1の開示技術は、前述した積層フィルムを用いて自立性包装用袋を作製している。
しかし、特許文献1に記載の遮光性フィルムはそれ自身が高剛性を有していないため、複数積層して自立性を持たせ自立性包装用袋として用いる必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−331210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、優れた遮光性及び高い剛性を有し、且つフィルム形成時の薄膜化が可能であり、また焼却処理時に発生する二酸化炭素の排出量を削減することのできる遮光性積層フィルム、及びこのフィルムを用いた包装用袋の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、基材となる合成樹脂に白色顔料を添加し製膜してなる白色層と、基材となる合成樹脂に黒色顔料を添加し製膜してなる黒色層とが積層されてなり、前記白色顔料が多孔質セラミックスからなることを特徴とする遮光性積層フィルムに関する。
請求項2に係る発明は、基材となる合成樹脂に白色顔料を添加し製膜してなる白色層と、基材となる合成樹脂に前記白色顔料と黒色顔料とを添加し製膜してなる灰色層が積層されてなり、前期白色顔料が多孔質セラミックスからなることを特徴とする遮光性積層フィルムに関する。
請求項3に係る発明は前記黒色層又は前記灰色層と、前記白色層とが交互に合計3層以上積層されてなり、少なくとも片面が前記白色層であることを特徴とする請求項1又は2記載の遮光性積層フィルムに関する。
請求項4に係る発明は、前記多孔質セラミックスが、アルミナケイ酸塩を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の遮光性積層フィルムに関する。
請求項5に係る発明は、前記白色層、前記黒色層、前記灰色層の基材となる合成樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の遮光性積層フィルムに関する。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5いずれか記載の遮光性積層フィルムからなる層を含むことを特徴とする遮光性包装用袋に関する。
請求項7に係る発明は、自立性を有することを特徴とする請求項6記載の遮光性包装用袋に関する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、基材となる合成樹脂に白色顔料を添加し製膜してなる白色層と、基材となる合成樹脂に黒色顔料を添加し製膜してなる黒色層とが積層されてなるため、遮光性に優れたフィルムとなる。また白色顔料が多孔質セラミックスであるため、高い剛性を有する薄い遮光性積層フィルムを得ることができる。
また多孔質セラミックスが、合成樹脂フィルムの燃焼時に発生する二酸化炭素を吸着するために、二酸化炭素の排出量を削減することができる。
更に積層フィルムが白色層を備えているため、文字や模様の印刷時に白打ちを施すことなく印刷することができる。
請求項2に係る発明によれば、基材となる合成樹脂に白色顔料を添加し製膜してなる白色層と、基材となる合成樹脂に前記白色顔料と黒色顔料とを添加し製膜してなる灰色層とが積層されてなるため、遮光性に優れたフィルムとなる。また白色顔料が多孔質セラミックスであるため、高い剛性を有する薄い遮光性積層フィルムを得ることができる。
また多孔質セラミックスが、合成樹脂フィルムの燃焼時に発生する二酸化炭素を吸着するために、二酸化炭素の排出量を削減することができる。
更に積層フィルムが白色層を備えているため、文字や模様の印刷時に白打ちを施すことなく印刷することができる。また灰色層が積層されているため、黒色層を積層した場合に比べて積層フィルムの黒色度が低くなり、より鮮明に印刷することが可能となる。
請求項3に係る発明によれば、前記黒色層又は前記灰色層と、前記白色層とが交互に合計3層以上積層されてなる積層フィルムであるため、より効果的に太陽光や蛍光灯等の光を遮光でき、より高い剛性を得ることができる。また、積層フィルムの少なくとも片面が白色層であるため、文字や模様の印刷時に白打ちを施すことなく印刷することができる。
請求項4に係る発明によれば、前記多孔質セラミックスがアルミナケイ酸塩を主成分とするため、合成樹脂の結晶化度を上げることができ、積層フィルムの剛性を高めることができる。またアルミナケイ酸塩は、燃焼時に発生する二酸化炭素を効率的に吸着するため、二酸化炭素の排出量を削減することができる。
請求項5に係る発明によれば、前記白色層、前記黒色層、前記灰色層の基材となる合成樹脂がポリオレフィン系樹脂であるため、包装材の材料として汎用されている合成樹脂を使用して、優れた遮光性と高剛性を有する遮光性積層フィルムを得ることができる。
【0013】
請求項6に係る発明によれば、遮光性に優れ、薄く且つ高剛性を有する包装用袋を得ることができる。更に、袋の使用後における焼却処理に際して排出される二酸化炭素量を削減することができる。
請求項7に係る発明によれば、包装用袋が自立性を有するため、光によって劣化し易いシャンプー等の液体の詰め替え用スタンディングパックとして好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る遮光性積層フィルムの概略断面図である。
【図2】本発明に係る遮光性積層フィルムの別の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明に係る遮光性積層フィルムの更に別の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明に係る遮光性包装用袋の一例を示す概略図である。
【図5】本発明に係る遮光性包装用袋の別の例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る遮光性積層フィルム及び遮光性包装用袋について詳述する。
【0016】
図1は本発明に係る遮光性積層フィルムの第一実施形態を示す概略断面図である。
第一実施形態に係る遮光性積層フィルムは、基材となる合成樹脂に白色顔料を添加し製膜してなる白色層(1)と、基材となる合成樹脂に黒色顔料を添加し製膜してなる黒色層(2)とが積層されている。
【0017】
白色層(1)の基材となる合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロンに代表されるポリアミド系樹脂、その他、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート等を用いることが可能である。本発明においては包装材として広く利用されているポリオレフィン系樹脂が好適に用いられる。
白色層(1)の膜厚は10μm〜50μmであることが好ましい。膜厚が10μm未満であると、十分な剛性が得られない上に黒色層を積層させた際に黒色が透けてしまい、一方膜厚が50μmを超えて厚くなると、剛性に優れるものの柔軟性を欠くことになり、また積層フィルムの薄膜化が困難となるため、いずれの場合も好ましくない。
白色顔料としては、多孔質セラミックスが使用される。
多孔質セラミックスは表面積が大きく、二酸化炭素を効果的に吸着することができる。従って、フィルムを燃焼させた時に生じる二酸化炭素を吸着し、大気中への二酸化炭素の排出量を大幅に削減することができる。
多孔質セラミックスとして具体的にはアルミナ、シリカ、リチウムシリケート、アルミナケイ酸塩等が挙げられるが、本発明においてはアルミナケイ酸塩が好適に用いられる。
アルミナケイ酸塩を上記の合成樹脂に添加することにより、樹脂が固化する際にフィルム内でアルミナケイ酸塩を核剤として結晶が生成されるため、合成樹脂の結晶化度が上がり、高い剛性を有するフィルムが得られる。
アルミナケイ酸塩の添加量は、基材となる合成樹脂に対して5重量%〜40重量%であることが好ましく、10重量%〜30重量%であるとより好ましい。添加量が5重量%未満であると白色のフィルムが得られず文字や模様を印刷する際に、白打ちを施す必要が生じ、また十分な剛性をフィルムに付与することができない。一方添加量が40重量%を超えると、フィルムとしての柔軟性に欠けることとなり好ましくない。
【0018】
黒色層(2)の基材となる合成樹脂は、白色層(1)と同じ合成樹脂を用いることができる。
この黒色層(2)を白色層(1)と積層することで、遮光性を有する積層フィルムを得ることができる。
黒色層(2)に用いられる黒色顔料としては、カーボンブラックが好適である。
カーボンブラックの添加量は、3重量%〜20重量%であることが好ましい。添加量が3重量%未満であると、十分な遮光性を得ることができず、20重量%を超えて添加してもそれ以上の効果が望めず、いずれの場合も好ましくない。
黒色層(2)の膜厚は30μm〜120μmであることが好ましい。膜厚が30μm未満であると、十分な遮光性を得ることができず、一方膜厚が120μmを超えて厚くなると、積層フィルムの薄膜化が困難となるため、いずれの場合も好ましくない。
【0019】
次に、本発明に係る遮光性積層フィルムの第二実施形態について説明する。
【0020】
第二実施形態の遮光性積層フィルムは、基材となる合成樹脂に白色顔料を添加し製膜してなる白色層(1)と、基材となる合成樹脂に前記白色顔料と黒色顔料を添加し製膜してなる灰色層(3)とが積層されている。
第二実施形態に係る遮光性積層フィルムは、第一実施形態に係る遮光性積層フィルムの黒色層(2)が灰色層(3)に置き換わった点以外は、第一実施形態のフィルムと同様の構成であり、その概略断面図は図1に示される。
白色層(1)は第一実施形態のフィルムと同様の構成を備えている。
【0021】
灰色層(3)の基材となる合成樹脂としては、白色層(1)と同じ合成樹脂を用いることができる。
この灰色層(3)を白色層(1)と積層することで、遮光性を有する積層フィルムを得ることができる。また黒色層(2)ではなく灰色層(3)を積層することにより、積層フィルムの黒色度が低くなり、より鮮明に印刷することが可能となる。
灰色層(3)は、前記白色顔料と前記黒色顔料とを任意の配合比で、合成樹脂に添加して得ることができる。
白色顔料の添加量は、基材となる合成樹脂に対して5重量%〜40重量%であることが好ましく、10重量%〜30重量%であるとより好ましい。添加量が5重量%未満であるとフィルムに十分な剛性を付与することができず、40重量%を超えるとフィルムとしての柔軟性に欠けることとなり、いずれの場合も好ましくない。
黒色顔料の添加量は3重量%〜15重量%であることが好ましい。添加量が3重量%未満であると十分な遮光性を得ることができず、15重量%を超えるとフィルムの黒色度が過剰となり、いずれの場合も好ましくない。
灰色層(3)の膜厚は30μm〜120μmであることが好ましい。膜厚が30μm未満であると、十分な遮光性を得ることができず、一方膜厚が120μmを超えて厚くなると、薄膜化が困難となるため、いずれの場合も好ましくない。
【0022】
本発明に係る遮光性積層フィルムは図1に示したような2層構造に限らず、3層以上の積層構造とすることも可能である。
図2に示す遮光性積層フィルムは、白色層(1)と黒色層(2)又は灰色層(3)とが交互に3層積層され、両面が白色層(1)とされている。図示していないが、片面が白色層(1)であっても良い。一方の面に白色層(1)を備えることにより、印刷箇所に白打ちを施す必要がない。
また、白色層(1)と黒色層(2)又は灰色層(3)とを交互に3層以上積層させることで、より効果的に太陽光や蛍光灯等の光を遮光することができ、且つ剛性に優れた積層フィルムを得ることができる。
【0023】
本発明に係る遮光性積層フィルムは、公知の共押出法により製膜することができる。
【0024】
本発明に係る遮光性積層フィルムは上記の構造に限らず、白色層(1)と黒色層(2)又は灰色層(3)とが積層された積層フィルムに、更に別の合成樹脂フィルムを貼り合わせて遮光性積層フィルムとすることができる。
例えば白色層(1)と黒色層(2)又は灰色層(3)とが積層された積層フィルムの少なくとも片面に、文字や模様が印刷された印刷フィルム(4)あるいは印刷を施していない合成樹脂フィルム(5)が貼り合わされていてもよい(図3)。
図3に示す遮光性積層フィルムは、白色層(1)側に印刷フィルム(4)あるいは印刷を施していない合成樹脂フィルム(5)が貼り合わされているが、黒色層(2)側又は灰色層(3)側に貼り合わせることもできる。
また、2層構造の積層フィルムに限らず、図2に示すような3層以上の積層フィルムに印刷フィルム(4)や印刷を施していない合成樹脂フィルム(5)を貼り合わせて遮光性積層フィルムとすることができる。
更に、印刷フィルム(4)と印刷を施していない合成樹脂フィルム(5)とを前記2層構造あるいは3層以上の積層フィルムに貼り合わせて遮光性積層フィルムとすることができる。この場合において、印刷フィルム(4)あるいは印刷を施していない合成樹脂フィルム(5)は1枚でも複数枚でもよい。
白色層(1)と黒色層(2)又は灰色層(3)とを2層あるいは交互に3層以上積層させ、少なくとも片面に印刷フィルム(4)を貼り合わせることにより、印刷を施す必要のない剛性に優れた遮光性積層フィルムを得ることができる。また、印刷を施していない合成樹脂フィルム(5)を貼り合わせた際には、剛性に優れた遮光性積層フィルムを得ることができる。
【0025】
印刷フィルム(4)の基材となる合成樹脂としては、ポリアミド系樹脂やポリエチレンテレフタレート系樹脂等を用いることができる。
印刷フィルム(4)あるいは印刷を施していない合成樹脂フィルム(5)と、白色層(1)と黒色層(2)又は灰色層(3)からなる積層フィルムとは公知のドライラミネート法や押出ラミネート法により貼り合わせることができる。
【0026】
本発明に係る遮光性包装用袋は、上記した本発明に係る遮光性積層フィルムからなる層を含んで形成される。具体的には、上記した2層構造又は3層以上の積層フィルム(図1、図2参照)のみから形成されていてもよいし、当該層構造又は3層以上の遮光性積層フィルムと少なくとも片面に印刷フィルム(4)又は印刷を施していない合成樹脂フィルム(5)とを貼り合わせた遮光性積層フィルム(図3参照)から形成されていてもよい。
図4は、本発明に係る遮光性包装用袋の一例を示す概略図である。
本発明に係る遮光性包装用袋は、遮光性積層フィルム(6)を白色層(1)又は印刷フィルム(4)を外側にして対向させて、側方部(7)及び底部(8)を熱接着によりシールして形成され、開口部(9)を備えている。
本発明に係る包装用袋は、上記した遮光性積層フィルムから形成されているため、遮光性、剛性、廃棄処理性に優れており、食品、医療品、感光性材料等の包装用袋として好適に使用される。
また外側が白色層(1)である場合は、文字や模様の印刷時に白打ちを施すことなく印刷することができ、白色層(1)に印刷フィルム(4)を貼り合わせる場合は、印刷フィルム(4)に白打ちを施す必要がなく、包装用袋に用いることができる。
【0027】
図5は本発明に係る遮光性包装用袋の別の例を示す概略図である。
この例の遮光性包装用袋は、底部がガゼット状に形成された自立性を有する包装用袋(スタンディングパック)である。本発明に係る包装用袋は、上記の遮光性積層フィルムから形成されるため、高い剛性を有しており、従って自立性を有する包装用袋に適している。このような包装用袋は、光によって劣化し易いシャンプーや液状洗剤等の詰め替え用包装用袋として好適に使用される。
【0028】
本発明に係る遮光性積層フィルムの白色層を構成する白色フィルムについて物性評価を行った。具体的には、引張弾性率、引裂強度、透過率について計測した。
(試験例1)
ポリエチレンを基材として、このポリエチレンに対して白色顔料(アルミナケイ酸塩)を14重量%添加し、膜厚100μmに製膜して白色フィルム1を得た。同様に、ポリエチレンに対して前記白色顔料を20重量%添加し、膜厚100μmに製膜して白色フィルム2を得た。
白色フィルム1及び2に対して、ASTM−D−882−64Tによる引張弾性率、JIS−K−7128による引裂強度、JIS−K−7105による全光透過率の測定を行った。
比較例として、白色フィルム1及び2の基材と同じポリエチレンからなるフィルム(膜厚100μm)に対して同様の試験を行った。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】

表中、MDとはMachine Direction(機械方向)を意味し、TDとはTransverse Direction(直角方向)を意味する。
【0030】
測定の結果、本発明に係る遮光性積層フィルムの白色層を構成する白色フィルムは、白色顔料即ちアルミナケイ酸塩が添加されていないポリエチレンフィルムに比べて高い剛性と引裂強度(MD)を有し、遮光性も高いことが確認された。
従って、この白色フィルムを用いた本発明に係る遮光性積層フィルムは、高い剛性と遮光性を有すると言える。
【符号の説明】
【0031】
1・・・白色層
2・・・黒色層
3・・・灰色層
4・・・印刷フィルム
5・・・印刷を施していない合成樹脂フィルム
6・・・遮光性積層フィルム
7・・・側方シール部
8・・・底シール部
9・・・開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材となる合成樹脂に白色顔料を添加し製膜してなる白色層と、
基材となる合成樹脂に黒色顔料を添加し製膜してなる黒色層とが積層されてなり、
前記白色顔料が多孔質セラミックスからなることを特徴とする遮光性積層フィルム。
【請求項2】
基材となる合成樹脂に白色顔料を添加し製膜してなる白色層と、
基材となる合成樹脂に前記白色顔料と黒色顔料とを添加し製膜してなる灰色層とが積層されてなり、
前記白色顔料が多孔質セラミックスからなることを特徴とする遮光性積層フィルム。
【請求項3】
前記黒色層又は前記灰色層と、前記白色層とが交互に合計3層以上積層されてなり、少なくとも片面が前記白色層であることを特徴とする請求項1又は2記載の遮光性積層フィルム。
【請求項4】
前記多孔質セラミックスが、アルミナケイ酸塩を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の遮光性積層フィルム。
【請求項5】
前記白色層、前記黒色層、前記灰色層の基材となる合成樹脂が、ポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の遮光性積層フィルム。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれか記載の遮光性積層フィルムからなる層を含むことを特徴とする遮光性包装用袋。
【請求項7】
自立性を有することを特徴とする請求項6記載の遮光性包装用袋。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−202229(P2010−202229A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47372(P2009−47372)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(390033868)株式会社メイワパックス (27)
【Fターム(参考)】