説明

遮光装置

【課題】受け付けた構成の選択の正誤を人が容易に確認することができる遮光装置を提供することにある。
【解決手段】遮光装置は、スラット部(遮光部)3と、スラット部3を動作させる駆動部2と、電源部4とを含む複数のユニットを備え、更に、駆動部2を制御する制御部1を備える。制御部1は、スイッチを用いて各ユニットの機種の選択を受け付け、受け付けた選択に応じて、駆動部2を制御するための制御方法を設定する。制御部1は、受け付けた各ユニットの機種の選択が実際と一致しない場合に、駆動部2を制御して選択が実際と一致しないユニットに応じた動作をスラット部3に実行させる際に、途中で動作を停止させる。使用者又は設定を行う作業者は、スラット部3が動作の途中で停止することを確認することによって、各ユニットの機種の選択が誤っていることを容易に知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮光部材を移動させる動作を制御部で制御する遮光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアコン等の電気機器には、リモコン等の制御部で動作を制御するものがある。また高級機と低級機等、構成が若干異なる複数の電気機器で共通の制御部が使用されていることがある。構成が異なる複数の電気機器で使用される制御部は、電気機器の構成に応じた設定を行っておく必要がある。従来、電気機器の構成を選択するためのスイッチを備え、使用者がスイッチを操作することにより選択された構成に応じた設定を行う制御部が使用されている。スイッチとしては例えばディップスイッチが用いられる。
【0003】
構成が異なる複数の電気機器で使用される制御部では、選択された電気機器の構成が実際の構成と異なる虞があるという問題がある。スイッチにより実際とは異なる構成が選択された場合は、間違った設定が行われ、制御部は正常に電気機器を制御することができない。ところで、複数のスラットで外光を遮光する遮光装置には、スラットの移動を電動化した電動式の遮光装置があり、電動式の遮光装置にも同様の問題がある。即ち、遮光装置には、スラットの数又は大きさ等が異なる複数の種類が存在し、複数種類の遮光装置で共通の制御部が使用されており、制御部で受け付けた構成の選択が間違っている虞がある。そこで、制御部で受け付けた遮光装置の構成の選択が正しいか否かを判定する必要がある。特許文献1には、空気調和装置において、設定の正誤を判定するための特別なモードを制御部が実行することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2504247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された技術を遮光装置に応用した場合、遮光装置は設定の正誤を判定するための特別なモードを実行する必要があるので、制御部で受け付けた構成の選択が正しいか否かを使用者が確認するために手間がかかるという問題がある。また、制御部で受け付けた構成の選択が誤っていたとしても、遮光装置が特別なモードを実行しない限り、使用者は誤りに気付かないという問題がある。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、通常の動作を行う上で構成の選択の正誤に応じた動作を行うことにより、制御部で受け付けた遮光装置の構成の選択の正誤を人が容易に確認することができる遮光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る遮光装置は、遮光部材を有する遮光部と、前記遮光部材を所定の方向へ移動させる動作を含む複数種類の動作を前記遮光部に行わせる駆動部とを含む複数のユニットを備え、前記駆動部を制御する制御部を更に備え、前記制御部は、前記複数のユニットの機種の選択を受け付ける受付手段と、該受付手段で受け付けた選択に応じて、前記駆動部を制御するための制御方法を設定する手段とを有する遮光装置において、前記制御部は、前記受付手段で受け付けた選択が実際の前記複数のユニットの機種に一致しているか否かを判定する判定手段と、前記選択が実際の前記複数のユニットの機種に一致していないと前記判定手段が判定した場合に、前記駆動部を制御する際、前記駆動部に前記遮光部に行わせる動作を途中で停止させる停止手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、遮光部材を有する遮光部を動作させる駆動部を制御部で制御する遮光装置は、遮光装置に含まれる複数のユニットの機種の選択を受け付け、受け付けた選択が実際の機種と一致していない場合に、遮光部の動作を途中で停止する。これにより、遮光装置が通常の動作を行う際に、ユニットの機種の選択を誤っていることが判明する。
【0009】
本発明に係る遮光装置は、前記制御部は、前記複数のユニットの夫々と、前記駆動部が前記遮光部に行わせる複数の動作のいずれかとを関連付けてあり、前記停止手段は、前記複数種類の動作の内、前記受付手段で受け付けた選択が実際の機種に一致していないユニットに関連付けてある動作を前記遮光部に行わせるように前記駆動部を制御する際に、前記駆動部に前記遮光部に行わせる動作を途中で停止させる手段を有することを特徴とする。
【0010】
本発明においては、遮光装置は、受け付けた選択が実際と一致していないユニットに応じた動作を行う際に、遮光部の動作を途中で停止する。これにより、どのユニットの機種の選択が実際と一定していないのかが容易に判明する。
【0011】
本発明に係る遮光装置は、前記受付手段は、複数のユニットの夫々について機種の選択を受け付ける複数のスイッチを有し、各スイッチは、対応するユニットの機種として予め定められた複数の機種の中からいずれか一つの選択を受け付けるように構成してあり、前記スイッチが機種の選択を一旦リセットされ、改めて前記スイッチがいずれか一つの機種の選択を受け付けることによって、前記スイッチに対応するユニットの機種の選択の変更を受け付ける手段を有することを特徴とする。
【0012】
本発明においては、遮光装置は、複数のユニットの夫々について、ユニットの機種として予め定められた複数の機種の中からいずれか一つの選択を受け付けるスイッチを有する。遮光装置は、各ユニットの選択を変更する際には、各ユニットに対応するスイッチで一旦全てを非選択とした上で改めていずれか一つの選択を受け付ける。設定を一旦リセットしてから改めて設定を行うので、変更前の設定が残留することが原因で遮光装置に誤作動が発生することを防止することができる。
【0013】
本発明に係る遮光装置は、前記制御部は、実際の前記複数のユニットの機種を判定する手段を有し、前記停止手段は、前記駆動部に、前記遮光部の状態が実際の前記複数のユニットの機種に応じた状態になるまで前記遮光部に動作を行わせた後、前記遮光部に行わせる動作を停止することを特徴とする。
【0014】
本発明においては、遮光装置は、実際のユニットの機種を判定し、実際のユニットの機種に応じた状態になるまで遮光部を動作させた後、遮光部の動作を停止する。これにより、遮光装置の実際の構成が容易に判明する。
【発明の効果】
【0015】
本発明にあっては、遮光装置は、受け付けた構成の選択が正しいか否かを確認するために特別な処理を実行する必要がなく、使用者又は設定を行う作業者は、通常の動作中に遮光装置が途中で停止することを確認することによって、遮光装置が受け付けた構成の選択が誤っていることを容易に知ることができる。逆に、使用者又は作業者は、遮光装置が停止せずに動作することを確認することによって、遮光装置が受け付けた構成の選択が正しいことを容易に知ることができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の遮光装置の構成を示すブロック図である。
【図2】駆動部及びスラット部の外観例を示す模式図である。
【図3】制御部の内部構成を示すブロック図である。
【図4】選択スイッチの外観の例を示す模式図である。
【図5】選択スイッチとブラインドのユニットとの対応関係の例を示す概念図である。
【図6】制御処理部が駆動部を制御する処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の遮光装置の構成を示すブロック図である。本発明の遮光装置は、複数のスラットからなるスラット部(遮光部)3と、モータによりスラット部3のスラットを駆動する駆動部2と、駆動部2を制御する制御部1と、駆動部2及び制御部1に電力を供給する電源部4とを備えている。電源部4は、電力供給線で駆動部2及び制御部1に接続されている。制御部1は、制御信号を送信するための制御信号線で駆動部2に接続されている。また制御部1は、駆動部2、スラット部3及び電源部4の夫々に、各部からデータを受け付けるためのデータ線で接続されている。駆動部2、スラット部3及び電源部4は、夫々本発明におけるユニットに対応する。各ユニットとしては、互いに構成の異なる複数の機種を使用可能であり、いずれか一つの機種が使用されている。いずれか一つの機種が使用された複数のユニットが組み合わされることにより、遮光装置の構成が定まる。
【0018】
図2は、駆動部2及びスラット部3の外観例を示す模式図である。スラット部3は、矩形平板状に形成されたスラット31を長辺方向に交差する方向に多数並列して構成されている。スラット31は、本発明における遮光部材に対応する。並列された複数のスラット31は、ワイヤで連結されている。駆動部2は直方体状の外観を有し、内部にモータを設けている。駆動部2は、複数のスラット31を連結したワイヤの巻き取り及び繰り出しをモータで行うことにより、複数のスラット31を上昇させる動作、及び複数のスラット31を下降させる動作をスラット部3に行わせる。複数のスラット31を上昇させた場合は、複数のスラット31の間隔が縮まってスラット部3全体が畳まれる。複数のスラット31を下降させた場合は、複数のスラット31の間隔が広がってスラット部3全体が展開される。また駆動部2は、展開した状態のスラット部3に、スラット31間の隙間を広げる向きに長手方向の軸回りに各スラット31の傾きを変化させることにより、スラット部3を開状態にする動作を行わせる。また駆動部2は、展開した状態のスラット部3に、スラット31間の隙間を閉じる向きに長手方向の軸回りに各スラット31の傾きを変化させることにより、スラット部3を閉状態にする動作を行わせる。スラット部3を開状態にすることにより、遮光装置は外光を導入させ、スラット部3を閉状態にすることにより、遮光装置は外光を遮光する。
【0019】
図3は、制御部1の内部構成を示すブロック図である。制御部1は、駆動部2を制御する情報処理を実行する制御処理部11を備えている。制御処理部11は、演算を行うCPU又はDSPと、情報処理に伴う一時的なデータを記憶するメモリと、情報処理に必要な各種のプログラム及びデータを記憶する不揮発性メモリとを含むマイクロコンピュータで構成されている。制御処理部11には、接続インタフェース12が接続されており、接続インタフェース12は駆動部2、スラット部3及び電源部4に接続されている。制御処理部11は、接続インタフェース12を介して駆動部2、スラット部3及び電源部4と信号を送受信する。また制御処理部11には、スラット部3を動かすための各種の指示を使用者の操作により入力される入力部14と、指示の入力のために必要な情報を表示する表示部13とを備えている。表示部13及び入力部14は、タッチパネルのように一体的に構成してあってもよい。
【0020】
制御処理部11には、遮光装置に含まれる各ユニットの機種の選択を受け付ける選択スイッチ15〜18が接続されている。選択スイッチ15〜18は、使用者、又は製造時に遮光装置の初期設定を行う作業者によって操作される。選択スイッチ15〜18及び制御処理部11は、本発明における受付手段に対応する。選択スイッチ15〜18の夫々は、遮光装置に含まれる複数のユニットの夫々に対応付けられている。選択スイッチ15〜18で各ユニットの機種の選択を受け付けることにより、遮光装置は、全体の構成の選択を受け付けることとなる。
【0021】
図4は、選択スイッチ15の外観の例を示す模式図である。選択スイッチ15は、複数のスライドスイッチで構成されるディップスイッチである。夫々のスライドスイッチは、選択スイッチ15に対応するユニットの具体的な機種が対応付けられており、番号が付されている。何れかのスライドスイッチがオンの状態となった場合は、選択スイッチ15に対応するユニットの機種として、オンの状態となったスライドスイッチに対応する機種が選択される。図4には、選択スイッチ15が四個のスライドスイッチで構成され、番号3を付されたスライドスイッチがオンの状態となり、他のスライドスイッチがオフの状態となった例を示している。図4に示す例は、選択スイッチ15に対応するユニットの機種は4通りの可能性があり、番号3に対応する機種が選択されていることを示す。選択スイッチ16〜18の構成は、選択スイッチ15と同様である。なお、選択スイッチ15〜18は、ロータリースイッチ又はプッシュスイッチ等、スライドスイッチ以外のスイッチで構成された形態であってもよい。
【0022】
図5は、選択スイッチ15〜18とブラインドのユニットとの対応関係の例を示す概念図である。選択スイッチ15は、ユニットとして電源部4に対応付けられている。電源部4の機種には、直流電源タイプ1、出力の異なる直流電源タイプ2、交流電源タイプ1、及び出力の異なる交流電源タイプ2の4通りの可能性がある。番号1〜4のスライドスイッチの夫々は夫々の機種に対応付けられている。選択スイッチ15は、ユニットとしてスラット31に対応付けられている。スラット31の機種には、互いに幅、長さ又は材質等が異なるタイプ1〜4のスラット31を備えた4通りの機種の可能性がある。番号1〜4のスライドスイッチの夫々は夫々の機種に対応付けられている。選択スイッチ17は、ユニットとして駆動部2に対応付けられている。駆動部2の機種には、モータとして、互いにサイズ、出力トルク又は駆動方式等が異なるタイプ1〜4のモータを備えた4通りの機種の可能性がある。番号1〜4のスライドスイッチの夫々は夫々の機種に対応付けられている。選択スイッチ18は、ユニットとしてスラット部3に対応付けられている。スラット部3の機種には、スラット31の列を並列に配置した数が異なる一段式、二段式、三段式及び四段式の4通りの可能性がある。番号1〜4のスライドスイッチの夫々は夫々の機種に対応付けられている。なお、選択可能な機種が4通りよりも多い場合は、各選択スイッチはより多くのスライドスイッチを含んで構成される。
【0023】
各選択スイッチに含まれる複数のスライドスイッチの内、いずれか一つのスライドスイッチがオン状態となり、他のスライドスイッチがオフ状態となることによって、オン状態となったスライドスイッチに対応する機種が選択される。例えば、選択スイッチ15を構成する四つのスライドスイッチの内で番号3のスライドスイッチがオン状態となることによって、電源部4の機種として交流電源タイプ1が選択される。選択スイッチ15〜18の夫々を用いて各ユニットの機種が選択されることにより、各ユニットを含む遮光装置の構成が選択される。
【0024】
制御処理部11は、遮光装置の各部を制御するために必要な設定情報を予め記憶している。設定情報の内容は、例えば駆動部2内のモータへ供給する駆動電流の値である。スラット31が大きく重い場合は、スラット31を移動させるモータの出力を大きくする必要があるので駆動電流の値は大きくなり、スラット31が小さく軽い場合は、スラット31を移動させるモータの出力は小さくてもよいので駆動電流の値は小さい。このように、ユニットの機種の違いによって、駆動部2を制御するための適切な制御方法は異なる。制御処理部11は、各ユニットの夫々の機種に応じた適切な制御方法を記録した設定情報を、各選択スイッチの各スライドスイッチに関連付けて記憶している。また制御処理部11は、オン状態になったスライドスイッチに関連付けられた設定情報を読み出し、読み出した設定情報に従って遮光装置の各部を制御する処理を実行する。
【0025】
各選択スイッチに含まれる複数のスライドスイッチを全てオフ状態とすることにより選択を一旦リセットし、改めていずれか一つのスライドスイッチをオン状態とすることにより、各選択スイッチで選択の変更が行われる。このようにして、選択スイッチ15〜18による各ユニットの機種の選択を変更する。例えば、選択スイッチ15を構成する四つのスライドスイッチが一旦全てオフ状態となり、改めて番号2のスライドスイッチがオン状態となることによって、電源部4の機種として直流電源タイプ2が選択し直される。制御処理部11は、各選択スイッチに含まれる全てのスライドスイッチがオフ状態になった時点で、選択スイッチに関わる設定を初期化し、改めてオン状態となったスライドスイッチに関連付けられた設定情報を読み出す。設定を一旦初期化してから改めて設定を行うので、変更前の設定が残留することが原因で誤作動が発生することを防止することができる。また各選択スイッチを構成する全てのスライドスイッチを全てオフ状態にして改めて一つのスライドスイッチをオン状態とする操作を使用者又は作業者が行うので、使用者又は作業者は各ユニットの機種の選択を確認することとなる。従って、再度同じ間違いが発生する可能性が減少する。
【0026】
更に、図5に示すように、選択スイッチ15〜18の夫々には、駆動部2がスラット部3に行わせることができる複数種類の動作の内、所定の動作が関連付けられている。図5に示す例では、選択スイッチ15には、複数のスラット31を上昇させる動作が関連付けられている。選択スイッチ16には、複数のスラット31を下降させる動作が関連付けられている。選択スイッチ17には、スラット部3を開状態にする動作が関連付けられている。選択スイッチ18には、スラット部3を閉状態にする動作が関連付けられている。制御処理部11は、各選択スイッチに関連付けて各動作を示す情報を記憶している。また制御処理部11は、各選択スイッチで受け付けているユニットの機種の選択が実際の機種と一致していない場合に、各選択スイッチに関連付けられた動作を駆動部2に実行させる際に途中で停止する制御を行う。
【0027】
図6は、制御処理部11が駆動部2を制御する処理の手順を示すフローチャートである。制御処理部11は、使用者又は設定の作業者が入力部14を操作することにより、スラット部3に実行させる動作を指示する動作指示を入力部14に入力されることを随時待ち受けている(S1)。動作指示の入力がない場合は(S1:NO)、制御処理部11は、動作指示の入力の待ち受けを続行する。動作指示の入力があった場合は(S1:YES)、制御処理部11は、指示された動作が選択スイッチ15〜18のいずれかに関連付けられた動作であるか否かを判定する(S2)。指示された動作が選択スイッチ15〜18のいずれかに関連付けられた動作である場合は(S2:YES)、指示された動作を関連付けてある選択スイッチで選択されているユニットの機種が実際の機種と一致しているか否かを判定する(S3)。
【0028】
ステップS3では、接続インタフェース12は、ユニットからデータ線を介して送信されたデータを受信し、制御処理部11は、受信したデータに基づいて、選択スイッチで選択されているユニットの機種が実際の構成と一致しているか否かを判定する。例えば、電源部4と制御部1との間のデータ線は、第1データ線及び第2データ線からなり、電源部4は、第1データ線及び第2データ線を介して実際の機種に応じて定まっているハイ又はローの信号を送信する。電源部4の機種が、選択スイッチ15の番号1のスライドスイッチに対応する直流電源タイプ1である場合は、電源部4は、第1データ線及び第2データ線の両方でローの信号を送信する。電源部4の機種が直流電源タイプ2である場合は、電源部4は、第1データ線でローの信号を送信し、第2データ線でハイの信号を送信する。電源部4の機種が交流電源タイプ1である場合は、電源部4は、第1データ線でハイの信号を送信し、第2データ線でローの信号を送信する。電源部4の機種が交流電源タイプ2である場合は、電源部4は、第1データ線及び第2データ線の両方でハイの信号を送信する。このように、電源部4は、自身の機種を示すデータをデータ線で制御部1へ送信する。なお、データ線は、第1データ線及び第2データ線で夫々に信号を送信するのではなく、まとめて2ビットのデータを送信する形態であってもよい。同様に、駆動部2及びスラット部3も、自身の機種を示すデータをデータ線で制御部1へ送信する。接続インタフェース12は、各ユニットからのデータを受信し、制御処理部11は、受信したデータが示すユニットの機種と選択スイッチで選択されたユニットの機種とを比較し、選択された機種が実際の機種と一致しているか否かを判定する。
【0029】
なお、各ユニットは、機種に応じて固定されたデータを送信するように予め構成された形態であってもよく、自らの機種を検知し、検知した機種を示すデータを送信する形態であってもよい。また、制御部1が各ユニットの機種に応じたデータ受信するタイミングは、ステップS2のタイミングに限るものではなく、制御部1は、遮光装置が起動したとき等のその他のタイミングで各ユニットからデータを受信してもよい。また、各ユニットが実際の機種を示すデータを記憶するメモリを備えておき、ステップS3でユニットのメモリから実際の機種を示す情報を読み出して判定を行う等、制御処理部11はその他の方法でステップS3の処理を実行してもよい。
【0030】
ステップS2で、指示された動作が選択スイッチ15〜18のいずれにも関連付けられていない場合は(S2:NO)、制御処理部11は、駆動部2に、指示された動作をスラット部3に動作指示通りに実行させる(S6)。また、ステップS3で、選択スイッチで選択されているユニットの機種が実際の機種と一致している場合は(S3:YES)、制御処理部11は、同様に、駆動部2に、指示された動作をスラット部3に動作指示通りに実行させる(S6)。
【0031】
ステップS3で、選択スイッチで選択されているユニットの機種が実際の機種と一致していない場合は(S3:NO)、制御処理部11は、選択スイッチで選択されているユニットの実際の機種を判定する(S4)。例えば、ステップS4では、制御処理部11は、各ユニットから受信した実際の機種を示すデータに従って、実際の機種を判定する。制御処理部11は、次に、スラット部3の状態が、判定した実際の機種に対応する所定の状態になるまで、駆動部2に指示された動作をスラット部3に実行させ、その後動作を停止させる(S5)。ステップS5又はステップS6が終了した後は、制御処理部11は、駆動部2を制御する処理を終了する。制御処理部11は、ステップS1から処理を繰り返す。
【0032】
ステップS5での処理例を説明する。選択スイッチ15の番号1のスライドスイッチがオン状態となっているものの、実際の電源部4は交流電源タイプ1であるとする。この場合、制御処理部11は、複数のスラット31を上昇させる動作の際、駆動部2に、一旦最下限まで複数のスラット31を下降させ、次に複数のスラット31を上昇させ、番号3のスライドスイッチに対応する位置にまで上昇させた後に複数のスラット31を停止させる。例えば、複数のスラット31は、最下限及び最上限の近傍付近を除いた上昇範囲の内で下から四分の三の高さの位置に停止する。使用者又は作業者は、複数のスラット31を上昇させる動作が途中で停止したことを確認することにより、選択スイッチ15を用いた電源部4の機種の選択が誤りであることを知ることができる。また使用者又は作業者は、複数のスラット31が番号3のスライドスイッチに対応する位置で停止したことにより、選択スイッチ15の番号3のスライドスイッチをオン状態とすることが正しい選択であることを知ることができる。同様に、選択スイッチ15の番号1、2又は4のスライドスイッチをオン状態とすることが正しい選択であって他のスライドスイッチがオン状態となっている場合は、複数のスラット31は夫々のスライドスイッチに対応した位置まで上昇した後に停止する。例えば、夫々の場合で、複数のスラット31は、最下限及び最上限の近傍付近を除いた上昇範囲の内で、下から四分の一、四分の二又は四分の四の高さの位置に停止する。
【0033】
選択スイッチ16の番号2のスライドスイッチがオン状態となっているものの、実際のスラット31はタイプ4スラットであるとする。この場合、制御処理部11は、複数のスラット31を下降させる動作の際、駆動部2に、一旦最上限まで複数のスラット31を上昇させ、次に複数のスラット31を下降させ、番号4のスライドスイッチに対応する位置にまで下降させた後に複数のスラット31を停止させる。例えば、複数のスラット31は、最下限及び最上限の近傍付近を除いた下降範囲の内で下から四分の四の高さの位置に停止する。使用者又は作業者は、複数のスラット31を下降させる動作が途中で停止したことを確認することにより、選択スイッチ16を用いたスラット部3の機種の選択が誤りであることを知ることができる。また使用者又は作業者は、複数のスラット31が番号4のスライドスイッチに対応する位置で停止したことにより、選択スイッチ16の番号4のスライドスイッチをオン状態とすることが正しい選択であることを知ることができる。同様に、選択スイッチ16の番号1、2又は3のスライドスイッチをオン状態とすることが正しい選択であって他のスライドスイッチがオン状態となっている場合は、複数のスラット31は夫々のスライドスイッチに対応した位置まで下降した後に停止する。
【0034】
選択スイッチ17の番号1のスライドスイッチがオン状態となっているものの、実際の駆動部2はタイプ3モータを備えた機種であるとする。この場合、制御処理部11は、複数のスラット31を開状態にする動作の際、駆動部2に、複数のスラット31を一旦完全に閉状態にさせた後、複数のスラット31を開く動作を実行させ、番号3のスライドスイッチに対応する角度にまで開いた後に複数のスラット31を停止させる。例えば、複数のスラット31は、完全閉状態及び完全開状態の近傍付近を除いた角度範囲の内で四分の三の角度だけ開いた状態で停止する。使用者又は作業者は、複数のスラット31を開状態にする動作が途中で停止したことを確認することにより、選択スイッチ17を用いたモータの機種の選択が誤りであることを知ることができる。また使用者又は作業者は、複数のスラット31が番号3のスライドスイッチに対応する位置で停止したことにより、選択スイッチ17の番号3のスライドスイッチをオン状態とすることが正しい選択であることを知ることができる。同様に、選択スイッチ17の番号1、2又は4のスライドスイッチをオン状態とすることが正しい選択であって他のスライドスイッチがオン状態となっている場合は、複数のスラット31は夫々のスライドスイッチに対応した角度まで開いた後に停止する。例えば、夫々の場合で、複数のスラット31は、完全閉状態及び完全開状態の近傍付近を除いた角度範囲の内で四分の一、四分の二又は四分の四の角度だけ開いた状態で停止する。
【0035】
選択スイッチ18の番号2のスライドスイッチがオン状態となっているものの、実際のスラット部3は四段式であるとする。この場合、制御処理部11は、複数のスラット31を閉状態にする動作の際、駆動部2に、複数のスラット31を一旦完全に開状態にさせた後、複数のスラット31を閉じる動作を実行させ、番号4のスライドスイッチに対応する角度にまで閉じた後に複数のスラット31を停止させる。例えば、複数のスラット31は、完全閉状態及び完全開状態の近傍付近を除いた角度範囲の内で四分の四の角度の位置まで閉じた状態で停止する。使用者又は作業者は、複数のスラット31を閉状態にする動作が途中で停止したことを確認することにより、選択スイッチ18を用いたスラット部3の機種の選択が誤りであることを知ることができる。また使用者又は作業者は、複数のスラット31が番号4のスライドスイッチに対応する位置で停止したことにより、選択スイッチ18の番号4のスライドスイッチをオン状態とすることが正しい選択であることを知ることができる。同様に、選択スイッチ18の番号1、2又は3のスライドスイッチをオン状態とすることが正しい選択であって他のスライドスイッチがオン状態となっている場合は、複数のスラット31は夫々のスライドスイッチに対応した角度まで閉じた後に停止する。
【0036】
以上詳述した如く、本発明の遮光装置は、選択スイッチ15〜18で受け付けた各ユニットの機種の選択が実際と一致しない場合に、選択が実際と一致しないユニットに応じた動作を実行する際に途中で停止する。ユニットに応じた動作は、スラット31の上昇又は下降等の通常利用する動作であるので、遮光装置は、受け付けた各ユニットの機種の選択が正しいか否かを確認するために特別な処理を実行する必要がない。使用者又は設定を行う作業者は、各ユニットに対応する動作の指示を入力した場合に、スラット部3が動作の途中で停止することを確認することによって、各ユニットの機種の選択が誤っていることを容易に知ることができる。各ユニットの機種の選択が誤っていることは、制御部1で受け付けた遮光装置の構成の選択が誤っていることを意味する。逆に、使用者又は作業者は、各ユニットに対応する動作の指示を入力した場合に、スラット部3が指示通りに動作することを確認することによって、各ユニットの機種の選択が正しいことを容易に知ることができる。また遮光装置は、選択が実際と一致しないユニットに応じた動作をスラット部3が実行する際に、実際のユニットの機種に応じた状態になるまでスラット部3を動作させた後、停止する。使用者又は設定を行う作業者は、スラット31が停止した位置等のスラット部3の状態を確認することにより、各ユニットの実際の機種を容易に知ることができる。従って、使用者又は設定を行う作業者は、各ユニットの機種の選択を適宜変更することにより遮光装置を正しく設定することを用意に行うことが可能となる。
【0037】
なお、本実施の形態においては、スラット部3が各ユニットの実際の機種に応じた状態になるようにスラット部3の動作を制御する形態を示したが、本発明の遮光装置は、これに限るものではない。遮光装置は、各ユニットの機種の選択が実際と一致しない場合に、スラット部31を最上限と最下限との中間位置に停止させる等、スラット部3が各ユニットの実際の機種とは無関係の予め定められた状態になるようにスラット部3の動作を制御する形態であってもよい。この形態の場合は、制御処理部11は、各ユニットの実際の機種を判定する処理を行う必要がない。この形態においても、使用者又は作業者は、遮光装置が途中で停止することを確認することによって、各ユニットの機種の選択が誤っていることを容易に知ることができる。
【0038】
また、本実施の形態においては、複数の選択スイッチを用いて、遮光装置に含まれる複数のユニットの夫々について機種の選択を受け付ける形態を示したが、本発明の遮光装置は、複数のユニットの機種の選択を一括して受け付ける形態であってもよい。例えば、遮光装置は、単一の選択スイッチを備え、各機種のユニットの予め定められた複数種類の組み合わせの中からいずれか一つの組み合わせの選択を選択スイッチを用いて受け付ける形態であってもよい。また遮光装置は、選択スイッチを用いて構成の選択を受け付けるのではなく、使用者又は作業者の操作により、各ユニットの機種を選択する指示の入力を入力部14で受け付ける形態であってもよい。また本実施の形態においては、複数のスラット31を上下方向に移動させる形態を示したが、本発明の遮光装置は、長辺方向を鉛直方向とした複数のスラットを水平方向に並べて備え、複数のスラットを水平方向に移動させる形態であってもよい。また本実施の形態においては、遮光部材としてスラットを用いた形態を示したが、本発明の遮光装置は、遮光部材としてロールスクリーン又はカーテンを用いた形態であってもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 制御部
11 制御処理部
15、16、17、18 選択スイッチ
2 駆動部
3 スラット部(遮光部)
31 スラット(遮光部材)
4 電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮光部材を有する遮光部と、前記遮光部材を所定の方向へ移動させる動作を含む複数種類の動作を前記遮光部に行わせる駆動部とを含む複数のユニットを備え、
前記駆動部を制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、前記複数のユニットの機種の選択を受け付ける受付手段と、該受付手段で受け付けた選択に応じて、前記駆動部を制御するための制御方法を設定する手段とを有する遮光装置において、
前記制御部は、
前記受付手段で受け付けた選択が実際の前記複数のユニットの機種に一致しているか否かを判定する判定手段と、
前記選択が実際の前記複数のユニットの機種に一致していないと前記判定手段が判定した場合に、前記駆動部を制御する際、前記駆動部に前記遮光部に行わせる動作を途中で停止させる停止手段と
を備えることを特徴とする遮光装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記複数のユニットの夫々と、前記駆動部が前記遮光部に行わせる複数の動作のいずれかとを関連付けてあり、
前記停止手段は、
前記複数種類の動作の内、前記受付手段で受け付けた選択が実際の機種に一致していないユニットに関連付けてある動作を前記遮光部に行わせるように前記駆動部を制御する際に、前記駆動部に前記遮光部に行わせる動作を途中で停止させる手段を有すること
を特徴とする請求項1に記載の遮光装置。
【請求項3】
前記受付手段は、
複数のユニットの夫々について機種の選択を受け付ける複数のスイッチを有し、
各スイッチは、対応するユニットの機種として予め定められた複数の機種の中からいずれか一つの選択を受け付けるように構成してあり、
前記スイッチが機種の選択を一旦リセットされ、改めて前記スイッチがいずれか一つの機種の選択を受け付けることによって、前記スイッチに対応するユニットの機種の選択の変更を受け付ける手段を有すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の遮光装置。
【請求項4】
前記制御部は、
実際の前記複数のユニットの機種を判定する手段を有し、
前記停止手段は、
前記駆動部に、前記遮光部の状態が実際の前記複数のユニットの機種に応じた状態になるまで前記遮光部に動作を行わせた後、前記遮光部に行わせる動作を停止すること
を特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の遮光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−12811(P2012−12811A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149285(P2010−149285)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】