説明

遮蔽用幕体高揚ブラケット

【課題】
本発明は、日射遮蔽装置において、遮蔽用幕体の上縁を遮光用幕体昇降手段よりも高揚するブラケットであって、操作性が良好であり、遮蔽用幕体昇降手段の前後幅には関係なく日射遮蔽装置の外観が向上するものを提供する。
【解決手段】
日射遮蔽装置の遮蔽用幕体昇降手段を壁面等に固定されるフレームに内装し、そのフレームに複数の上方に延長するブラケットを脱着可能に固定し、そのブラケットに直接又はレールを介して遮蔽用幕体の上縁部を吊り下げ支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮蔽用幕体の上縁を遮蔽用幕体昇降手段よりも高揚するために設けられる遮蔽用幕体高揚ブラケットに関する。
【背景技術】
【0002】
遮蔽用幕体を昇降させる日射遮蔽装置は、通常、上飾りを設けて外観を向上させる。しかし、遮蔽用幕体の上縁部を遮蔽用幕体昇降手段よりも高揚すると、上飾りを設けなくても外観を向上することができる。遮蔽用幕体の上縁部を遮蔽用幕体昇降手段よりも高揚する日射遮蔽装置は、特開2003−310421号公報に開示されている。その昇降カーテン装置は、壁面に固定されるブラケットにカーテンレールを支持し、カーテン上縁部のタブにカーテンレールを挿通し、カーテンレールにカーテン昇降手段を吊り下げ支持するものである。
【0003】
この昇降カーテン装置は、カーテン昇降手段をカーテンレールに吊り下げ支持すため、昇降操作時に、カーテン昇降手段が動揺して操作性が劣るという問題がある。また、この昇降カーテン装置は、カーテン昇降手段の前後幅が比較的大きい場合、例えば、ドラム式昇降手段の場合、カーテン昇降手段の前面がカーテンレールよりも前に位置してカーテンが上縁部から折れて垂下するため、外観が見苦しいという問題がある。
【特許文献1】特開2003−310421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、この問題を解決するためになされたものであり、その課題は、遮蔽用幕体を昇降させる日射遮蔽装置において、遮蔽用幕体の上縁を遮蔽用幕体昇降手段よりも高揚するブラケットであって、操作性が良好であり、遮蔽用幕体昇降手段の前後幅には関係なく、日射遮蔽装置の外観が向上するものを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するため、本発明が採用する手段は、遮蔽用幕体昇降手段を内装して壁面等に固定されるフレームに上方に延長するブラケットを脱着可能に固定し、そのブラケットに直接又はレールを介して遮蔽用幕体の上縁部を吊り下げ支持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、上記手段により、遮蔽用幕体の上縁部が遮蔽用幕体昇降手段よりも高揚するから、日射遮蔽装置の外観は良好であり、遮蔽用幕体昇降手段が壁面等に固定されるフレームに保持され、昇降時も動揺することなく安定するから、日射遮蔽装置の昇降操作性は軽快であり、ドラム式昇降手段の場合も、遮蔽用幕体は上縁部から折れることなく真直に垂下するから、外観が見苦しくなるおそれはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
遮蔽用幕体は、上縁部にレールを挿通する複数のタブを備えるものか、又は上縁部に複数の鳩目を備えるものとし、アームの先端部は、レールを軸受けすることも、遮蔽用幕体上縁部の鳩目を掛けることも可能な形状に形成することが好ましい。しかし、遮蔽用幕体の上端部は、マジックテープ(登録商標)を介してアームの先端部に固定することも、折り返してアームの先端部に差し込むことも可能である。
【0008】
ブラケットは、フレームの外面に弾性的に又はネジ止めにより脱着可能に固定されるベースと、そのベースにボルト・ナット類を介して固定されるアームとから形成し、ベースは、フレームの前面又は後面に掛かる形状のベース本体と、そのベース本体に前後方向摺動可能に内装されてフレームの後面又は前面に掛かる爪と、ベース本体と爪がフレームを挟持するように爪を弾圧するバネとから形成する。
【0009】
アームに補助アームを取り付けて遮蔽用幕体の上縁部又はレールをアームとの間に保持することが好ましい。補助アームは、アームにボルト・ナット類を介して固定することも、軸着して揺動自在に取り付けることも可能である。
【実施例】
【0010】
本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。図1は、本発明のブラケットを備える日射遮蔽装置の前面図、図2は、図1の日射遮蔽装置の要部側面図、図3、図4、図5は、ブラケットの前面図、後面図、分解断面図である。
【0011】
図1及び図2に示すように、日射遮蔽装置のフレーム1は、図外の壁面に図外のブラケットを介して固定される。フレーム1にはカーテン2を昇降する昇降手段3が内装され、カーテン2の上縁部には丸棒状のカーテンレール5を挿通する複数の広幅なタブ4が縫着される。カーテンレール5は、フレーム1に固定される複数のブラケット6に軸受けされる。
【0012】
ブラケット6は、フレームの上面に弾性的に脱着可能に固定されるベース7と、そのベース7に固定されるアーム8とからなり、上方に延長するアーム8は先端部においてカーテンレール5を軸受する。アーム8には補助アーム9が取り付けられ、補助アーム9はカーテンレール5をアーム8との間に保持する。
【0013】
ベース7は、フレーム1の前後面の一方に掛かる形状のベース本体10と、ベース本体10に前後方向摺動可能に内装されてフレーム1の前後面の他方に掛かる爪11と、ベース本体10と爪11がフレーム1を挟持するように爪11を弾圧するバネ12とからなる。
【0014】
図3、図4、図5に示すように、ベース本体10は板金製であり、その横断面は下向きに開口するコ字形である。アーム8は樹脂成型品であり、下端部は上からベース本体に外嵌する。アーム8とベース本体10は、両者を上下に貫通するボルト・ナット13を介して一体に結合する。
【0015】
アーム8の下端部から上の部分は横断面が後向きに開口するコ字形である。側面から見ると、先端部はL字形であり、後面に半円形の軸受面を有する。補助アーム9はアーム8のコ字形開口に嵌り込む形状であり、先端部の前面には軸受曲面を有する。アーム8と補助アーム9は、両者を前後方向に貫通するボルト・ナット13を介して一体に結合する。
【0016】
図1及び図2に示すように、昇降手段3は、比較的前後幅が広いドラム式である。カーテン2は、フレーム1の前方において昇降手段3よりも高揚する上縁部から真直に垂下するから、日射遮蔽装置の外観は至極良好である。昇降手段3は壁面等に固定されるフレーム1に保持され、昇降時も動揺することなく安定するから、日射遮蔽装置の昇降操作は軽快である。
【0017】
図6は、別のカーテンを高揚する日射遮蔽装置の前面図、図7は、図6の日射遮蔽装置の要部を示す側断面図である。
【0018】
図6及び図7に示す日射遮蔽装置は、カーテンレールを欠き、カーテン2aは上縁部に複数の鳩目14を有するが、カーテンとカーテンレールを除くと、図1ないし図5に示すものと同じ構成である。
【0019】
フレーム1に固定される複数のブラケット6のアーム8の先端部に、鳩目14の丸孔を掛け、ブラケット6にカーテン2aを直接吊り下げる。このとき、カーテン2aの上縁部は補助アーム9にバックアップされて安定する。上記以外の効果は、図1ないし図5に示すものと全く同じである。
【0020】
図8に示すブラケット6aは、側面から見ると、カーテンレール5を支持するアーム8aの先端部が前方斜め上向きに開口するU字形軸受面を形成する。補助アーム9aはアーム8aに前後揺動自在に軸着され、アーム8aと補助アーム9aの間にはバネ15が介在する。矢印Aで示すように、カーテンレール5を上下に出入するときは、バネ15の弾性反発力に抗してアーム8aと補助アーム9aの先端同士を前後に開き、カーテンレール5を軸受けするときは、バネ15の弾性反発力によりアーム8aと補助アーム9aの先端同士を閉じてカーテンレール5の脱落を防止する。上記以外の効果は、図1ないし図5に示すものと全く同じである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のブラケットを備える日射遮蔽装置の前面図、
【図2】図1の日射遮蔽装置の要部を示す側断面図、
【図3】ブラケットの前面図、
【図4】ブラケットの後面図、
【図5】ブラケットの分解側面図、
【図6】別の日射遮蔽装置の前面図、
【図7】図6の日射遮蔽装置の要部を示す側断面図、
【図8】別のブラケットの側面図。
【符号の説明】
【0022】
1:フレーム
2、2a:カーテン
3:昇降手段
4:タブ
5:カーテンレール
6,6a:ブラケット
7:ベース
8、8a:アーム
9、9a:補助アーム
10:ベース本体
11:爪
12:バネ
13:ボルト・ナット
14:鳩目
15:バネ
















【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮蔽用幕体昇降手段を内装して壁面等に固定されるフレームを備える日射遮蔽装置において、前記フレームに脱着可能に固定されるブラケットであって、上方に延長して遮蔽用幕体の上縁部を直接又はレールを介して吊り下げるアームを備えることを特徴とする遮蔽用幕体高揚ブラケット。
【請求項2】
遮蔽用幕体は上縁部にレールを挿通する複数のタブを備えることを特徴とする請求項1に記載の遮蔽用幕体高揚ブラケット。
【請求項3】
遮蔽用幕体は上縁部に鳩目を備えることを特徴とする請求項1に記載の遮蔽用幕体高揚ブラケット。
【請求項4】
アームはベースに脱着可能に固定され、前記ベースはフレームに弾性的に脱着可能に固定されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つにに記載の遮蔽用幕体高揚ブラケット。
【請求項5】
ベースは、フレームの前後面の一方に掛かる形状のベース本体と、前記ベース本体に前後方向摺動可能に内装されて前記フレームの前後面の他方に掛かる爪と、前記ベース本体と前記爪が前記フレームを挟持するように前記爪を弾圧するバネとからなることを特徴とする請求項4に記載の遮蔽用幕体高揚ブラケット。
【請求項6】
アームに補助アームが付設され、遮蔽用幕体上縁部は前記アームと前記補助アームの先端部同士の間に保持されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の遮蔽用幕体高揚ブラケット。
【請求項7】
補助アームは、アームに脱着可能に固定されることを特徴とする請求項6に記載の遮蔽用幕体高揚ブラケット。
【請求項8】
補助アームは、アームに揺動自在に軸着され、前記補助アームの先端を前記アームの先端に近接させるバネが設けられることを特徴とする請求項6に記載の遮蔽用幕体高揚ブラケット。
















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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