説明

選別装置

【課題】選別材料を比重差において大中小の三つに分別することができる選別装置を提供する。
【解決手段】選別装置Mは、選別材料の受け入れ口1aを有する本体1と、上方に向かって凸となる略U字形状の第1の通路1Aと、第2の開口部6と第1の開口部5とを接続する第1の接続通路と、この中の空気を送る第1の送風機と、それを制御する第1の制御手段と、通路1A1の下方端部に形成された第1の回収口11と、本体内に設けられ、上方に向かって凸となる略U字形状の第2の通路1Bと、第3の開口部14と第2の通路1B1とを接続する第3の接続通路15と、この中の空気を第3の開口部14から上昇部側第2の通路に向かう方向に送る第2の送風機と、それを制御する第2の制御手段と、上昇部側第2の通路に形成された第2の回収口12と、下降部側第2の通路1B2の下方端部に形成された第3の回収口17とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選別装置に係り、特に、選別材料を比重差において、大中小の三つに分別
することができる選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本件出願人は、先に、選別材料を比重差において、大小の二つに分別することができ
る魚類選別装置(選別装置)を提案した(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2831269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記魚類選別装置(選別装置)にあっても、大小二つの分別に限らず、三つ以上に分
別することができる(特許文献1の段落番号[0056]参照)。
即ち、魚類選別装置(選別装置)を二つ直列に配置し、第1の魚類選別装置(選別装
置)の第二回収口で回収した魚類を第2の魚類選別装置(選別装置)の投入口に連通する
ように構成すれば、軽い魚類を更に選別して、比重の重い大中小の三種類に選別すること
ができる。
しかしながら、かかる場合、装置全体が大がかりになるという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点を除去するようにした選別装置を提供することを目的とする

【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の選別装置は、選別材料の受け入れ口を有する本体と、この本体内に設けられ、前記本体の上方に向かって凸となる略U字形状の第1の通路と、この第1の通路の上昇部を形成する上昇部側第1の通路と、この上昇部側第1の通路の中途に設けられ、前記受け入れ口に連通する受け入れ連通通路と、前記第1の通路の下降部を形成する下降部側第1の通路と、この下降部側第1の通路の中途に設けられ、下降部側第1の通路内の前記選別材料を運ぶ空気中、空気と下降する前記選別材料に分岐させる第1の分岐部と、前記本体に設けられ、前記第1の分岐部より上方に位置する第1の開口部と、前記本体に設けられ、前記第1の分岐部より下方に位置する第2の開口部と、この第2の開口部と前記第1の開口部とを接続する第1の接続通路と、この第1の接続通路内に設けられ、前記第1の接続通路内の空気を前記第1の開口部から前記第2の開口部に向かう方向に送る第1の送風機と、この第1の送風機を制御する第1の制御手段と、前記本体内に設けられ、前記第2の開口部と前記上昇部側第1の通路とを接続する第2の接続通路と、前記上昇部側第1の通路の下方端部に形成された第1の回収口と、前記本体内に設けられ、前記下降部側第1の通路の前記第1の分岐部より下方に位置する部位に連通し、前記本体の上方に向かって凸となる略U字形状の第2の通路と、この第2の通路の上昇部を形成する上昇部側第2の通路と、前記第2の通路の下降部を形成する下降部側第2の通路と、この下降部側第2の通路の中途に設けられ、下降部側第2の通路内の前記選別材料を運ぶ空気中、空気と下降する前記選別材料に分岐させる第2の分岐部と、前記本体に設けられ、前記第2の分岐部より上方に位置する第3の開口部と、この第3の開口部と前記上昇部側第2の通路とを接続する第3の接続通路と、この第3の接続通路内に設けられ、前記第3の接続通路内の空気を前記第3の開口部から前記上昇部側第2の通路に向かう方向に送る第2の送風機と、この第2の送風機を制御する第2の制御手段と、前記上昇部側第2の通路の中途に形成された第2の回収口と、前記下降部側第2の通路の下方端部に形成された第3の回収口とを備えているものである。
【0007】
また、請求項2記載の選別装置は、請求項1記載の選別装置において、第2の送風機
を制御する制御手段を備え、この制御手段により前記第2の送風機の風速を上げて選別材
料を第2の回収口に向かうをことを阻止して、上昇部側第2の通路へ導くものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の選別装置によれば、選別材料を比重差において、大中小の三つに分別
することができる。
【0009】
また、請求項2記載の選別装置によれば、前述した請求項1記載の発明の効果に加え
、選別材料を比重差において、大中小の三つに分別することに加え、1個の選別装置にお
いて、第2の送風機を制御する第2の制御手段を備え、この第2の制御手段により前記第
2の送風機の風速により選別材料を第2の回収口に向かうをことを阻止して、上昇部側第
2の通路、下降部側第2の通路、第3の回収口へ導くことができるため、選別材料を比重
差において、大小の二つに分別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の一実施例の選別装置の概略的正面図である。
【図2】図2は、図1の概略的背面図である。
【図3】図3は、図1の3−3線から見た概略的図である。
【図4】図4は、図1の選別装置により、大中小の比重差に分別する状態の概略的説明図である。
【図5】図5は、図1の選別装置により、大小の比重差に分別する状態の概略的説明図である。
【図6】図6は、図4の一部を拡大して示す一部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施例の選別装置を図面を参照して説明する。
図1に示すMは選別装置で、選別装置Mは、例えば、選別材料(例えば、魚類)を大
中小の比重差に分別するものである。
本体1は、選別材料10の受け入れ口1a(図4参照)を有している。選別材料10
は、傾斜コンベヤ2により受け入れ口1aへ運ばれるようになっている。この選別材料1
0は、例えば、比重が大の選別材料10a、比重が中の選別材料10b、比重が小の選別
材料10c等が混在しているものである。
【0012】
1Aは、本体1内に設けられ、本体1の上方に向かって凸となる略U字形状の第1の
通路で、この第1の通路1Aは、第1の通路1Aの空気流れの上昇部を形成する上昇部側
第1の通路1A1と、第1の通路1Aの空気流れの下降部を形成する下降部側第1の通路
1A2とを有する。
上昇部側第1の通路1A1は、下降部側第1の通路1A2に比較し、流速を早めるた
めに通路が狭く、かつ、乱流を形成するために、ジグザグ状に屈曲している。
また、上昇部側第1の通路1A1の中途には、受け入れ口1aに連通する受け入れ連
通通路3が設けられている。つまり、連通通路3は、上昇部側第1の通路1A1の中途と
受け入れ口1aとを連通する通路となっている。
【0013】
Xは、下降部側第1の通路1A2の中途に設けられ、下降部側第1の通路1A2内の選別材料10b、選別材料10c等を運ぶ空気中、空気(空気は、後述する第1の開口部5を介して第1の送風機F1の吸引によって生じる。)と選別材料10b、選別材料10c等に分岐させる第1の分岐部で、第1の分岐部Xは、本体1の上部より垂下する第1の仕切り壁4で形成され、選別材料10b、選別材料10c等を運ぶ空気が直接、第1の開口部5に吸引されるのを防止している。
そして、5は、本体1に設けられ、第1の分岐部Xより上方に位置する第1の開口部
で、6は、本体1に設けられ、第1の分岐部Xより下方に位置する第2の開口部である。
この第2の開口部6と第1の開口部5とは、第1の接続通路7で接続されている。第1の
接続通路7は、例えば、本体1の外側に形成されている(図3参照)。
また、F1は第1の送風機で、第1の送風機F1は、第1の接続通路7内に設けられ
、第1の接続通路7内の空気を第1の開口部5から第2の開口部6に向かう方向に送るよ
うになっている。なお、第1の送風機F1のON、OFF、回転数等は、図示しない第1
の制御手段により制御される。
また、8は第2の接続通路で、第2の接続通路8は、本体1内に設けられ、第2の開
口部6と上昇部側第1の通路1A1とを接続するもので、第2の接続通路8内には、整流
板81、82等が設けられている(図4、図5及び図6参照)。
なお、11は、上昇部側第1の通路1A1の下方端部に形成された第1の回収口であ
る。第1の回収口11を通過したものは、第1のコンベヤC1(図1参照)により他の工
程へと搬送される。
【0014】
図4に示す1Bは第2の通路で、第2の通路1Bは、本体1内に設けられ、下降部側
第1の通路1A2の第1の分岐部Xより下方に位置する部位に連通し、本体1の上方に向
かって凸となる略U字形状となっている。
この第2の通路1Bは、第2の通路1Bの空気流れの上昇部を形成する上昇部側第2
の通路1B1と、第2の通路1Bの空気流れの下降部を形成する下降部側第2の通路1B
2とを有する。
上昇部側第2の通路1B1は、下降部側第2の通路1B2に比較し、流速を早めるた
めに通路が狭く、かつ、乱流を形成するために、ジグザグ状に屈曲している。
また、上昇部側第2の通路1B1の中途には、開口部が設けられ、該開口部は、第2
の回収口12となっている。第2の回収口12を通過したものは、第2のコンベヤC2(
図1参照)により他の工程へと搬送される。なお、第2の回収口12は、より具体的には
、図4に示すように、上昇部側第2の通路1B1の中途の開口部に連通する通路の下端開
口である。
【0015】
Yは第2の分岐部で、第2の分岐部Yは、下降部側第2の通路1B2の中途に設けら
れ、下降部側第2の通路1B2内の選別材料10c等を運ぶ空気中、空気(空気は、後述する第3の開口部14を介して第2の送風機F2の吸引によって生じる。)と選別材料10c等に分岐させるもので、第2の分岐部Yは、本体1の上部より垂下する第2の仕切り壁13で形成され、選別材料10c等を運ぶ空気が直接、第3の開口部14に吸引されるのを防止している。
そして、14は、本体1に設けられ、第2の分岐部Yより上方に位置する第3の開口
部で、 この第3の開口部14と上昇部側第2の通路1B1とは、第3の接続通路15に
より接続されている。第3の接続通路15は、例えば、本体1の外側に形成されている(
図4参照)。
また、F2は第2の送風機で、第2の送風機F2は、第3の接続通路15内に設けら
れ、第3の接続通路15内の空気を第3の開口部14から上昇部側第2の通路1B1に向
かう方向に送るようになっている。なお、第2の送風機F2のON、OFF、回転数等は
、図示しない第2の制御手段により制御される。
そして、第2の送風機F2による上昇部側第2の通路1B1の風速は、第1の送風機
F1による上昇部側第1の通路1A1の風速より小さくなるように、図示しない第2の制
御手段により制御されるようになっている。
また、17は、下降部側第2の通路1B2の下方端部に形成された第3の回収口であ
る。第3の回収口17を通過したものは、第3のコンベヤC3(図1参照)により他の工
程へと搬送される。
【0016】
従って、傾斜コンベヤ2により選別材料10が受け入れ口1aを介して、本体1内の
上昇部側第1の通路1A1内に供給されると、図4に示すように、選別材料10は、上昇
部側第1の通路1A1内の上昇する空気の影響を受け、空気の風速に押される比重が軽い
、例えば、中の選別材料10b、小の選別材料10cは、下降部側第1の通路1A2へと
運ばれることとなる。
逆に、空気の風速に押されない比重が重い、例えば、比重が大の選別材料10aは、
上昇部側第1の通路1A1内を降下し、第1の回収口11を介して、第1のコンベヤC1
(図1参照)により他の工程へと搬送される。
【0017】
下降部側第1の通路1A2へと運ばれた比重が中の選別材料10b、比重が小の選別
材料10cは、第1の分岐部Xを介して上昇部側第2の通路1B1へと搬送される。また
、比重が中の選別材料10b、比重が小の選別材料10cを搬送した空気は、第1の分岐
部Xより上昇し、第1の開口部5を介して第1の接続通路7、第2の接続通路8、上昇部
側第1の通路1A1を通って循環するようになっている。
上昇部側第2の通路1B1へと送られた比重が中の選別材料10b、比重が小の選別
材料10cは、上昇部側第2の通路1B1内の上昇する空気の影響を受け、空気の風速に
押される比重が軽い、例えば、比重が小の選別材料10cは、下降部側第2の通路1B2
へと運ばれることとなる。
逆に、空気の風速に押されない比重が重い、例えば、比重が中の選別材料10bは、
上昇部側第2の通路1B1内を降下し、第2の回収口12を介して、第2のコンベヤC2
(図1参照)により他の工程へと搬送される。
下降部側第2の通路1B2へと運ばれた中の小の選別材料10cは、第2の分岐部Y
を介して下降部側第2の通路1B2の下方側へと搬送され、第3の回収口17を介して、
第3のコンベヤC3(図1参照)により他の工程へと搬送される。
また、小の選別材料10cを搬送した空気は、第2の分岐部Yより上昇し、第3の開
口部14を介して第3の接続通路15、上昇部側第2の通路1B1を通って循環するよう
になっている。
このようにして、選別材料(被分別物)を比重差において、大中小の三つに分別する
ことができる。
【0018】
なお、上述しました選別装置Mにおいては、選別材料(被分別物)を比重差において
、大中小の三つに分別したが、
本願発明にあっては、これに限らず、選別材料(被分別物)を比重差において、大小
の二つに分別することができる。
即ち、上述した実施例と同様、例えば、図5に示すように、上昇部側第1の通路1A
1内の空気の風速に押されない比重が重い、例えば、比重が大の選別材料10aを上昇部
側第1の通路1A1内を降下させ、第1の回収口11を介して、第1のコンベヤC1(図
1参照)により他の工程へと搬送される。
そして、下降部側第1の通路1A2へと運ばれた比重が小の選別材料10c(又は比
重が中の選別材料10c)が上昇部側第2の通路1B1へと移行し、移行した比重が小の
選別材料10c(又は比重が中の選別材料10b)が、第2の回収口12に向かうをこと
を阻止するように、図示しない第2の制御手段により、第2の送風機F2の風速を上げる
ようにする。
その結果、下降部側第2の通路1B2へと運ばれた比重が小の選別材料10c(又は
比重が中の選別材料10b)は、第2の分岐部Yを介して下降部側第2の通路1B2の下
方側へと搬送され、第3の回収口17を介して、第3のコンベヤC3(図1参照)により
他の工程へと搬送される。
即ち、図示しない第2の制御手段により第2の送風機F2の風速により選別材料(被
分別物)を第2の回収口12に向かうをことを阻止して、上昇部側第2の通路1B1、下
降部側第2の通路1B2、第3の回収口17へ導くことができるため、選別材料(被分別
物)を比重差において、大小の二つに分別することができる。
【符号の説明】
【0019】
M 選別装置
1 本体
1a 受け入れ口
1A 第1の通路
1A1 上昇部側第1の通路
1A2 下降部側第1の通路
1B 第2の通路
1B1 上昇部側第2の通路
1B2 下降部側第2の通路
5 第1の開口部
6 第2の開口部
7 第1の接続通路
11 第1の回収口
12 第2の回収口
14 第3の開口部
15 第3の接続通路
17 第3の回収口
F1 第1の送風機
F2 第2の送風機
X 第1の分岐部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選別材料の受け入れ口を有する本体と、
この本体内に設けられ、前記本体の上方に向かって凸となる略U字形状の第1の通路
と、
この第1の通路の上昇部を形成する上昇部側第1の通路と、
この上昇部側第1の通路の中途に設けられ、前記受け入れ口に連通する受け入れ連通
通路と、
前記第1の通路の下降部を形成する下降部側第1の通路と、
この下降部側第1の通路の中途に設けられ、下降部側第1の通路内の前記選別材料を運ぶ空気中、空気と下降する前記選別材料に分岐させる第1の分岐部と、
前記本体に設けられ、前記第1の分岐部より上方に位置する第1の開口部と、
前記本体に設けられ、前記第1の分岐部より下方に位置する第2の開口部と、
この第2の開口部と前記第1の開口部とを接続する第1の接続通路と、
この第1の接続通路内に設けられ、前記第1の接続通路内の空気を前記第1の開口部
から前記第2の開口部に向かう方向に送る第1の送風機と、
この第1の送風機を制御する第1の制御手段と、
前記本体内に設けられ、前記第2の開口部と前記上昇部側第1の通路とを接続する第
2の接続通路と、
前記上昇部側第1の通路の下方端部に形成された第1の回収口と、
前記本体内に設けられ、前記下降部側第1の通路の前記第1の分岐部より下方に位置
する部位に連通し、前記本体の上方に向かって凸となる略U字形状の第2の通路と、
この第2の通路の上昇部を形成する上昇部側第2の通路と、
前記第2の通路の下降部を形成する下降部側第2の通路と、
この下降部側第2の通路の中途に設けられ、下降部側第2の通路内の前記選別材料を運ぶ空気中、空気と下降する前記選別材料に分岐させる第2の分岐部と、
前記本体に設けられ、前記第2の分岐部より上方に位置する第3の開口部と、
この第3の開口部と前記上昇部側第2の通路とを接続する第3の接続通路と、
この第3の接続通路内に設けられ、前記第3の接続通路内の空気を前記第3の開口部
から前記上昇部側第2の通路に向かう方向に送る第2の送風機と、
この第2の送風機を制御する第2の制御手段と、
前記上昇部側第2の通路の中途に形成された第2の回収口と、
前記下降部側第2の通路の下方端部に形成された第3の回収口と
を備えていることを特徴とする選別装置。
【請求項2】
第2の送風機を制御する制御手段を備え、
この制御手段により前記第2の送風機の風速を上げて選別材料を第2の回収口に向か
うをことを阻止して、上昇部側第2の通路へ導く
ことを特徴とする請求項1記載の選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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