選択プログラム、画像処理装置、及び、コンピュータ
【課題】コンピュータにおいて1以上の画像処理装置の中から目的の画像処理装置を選択することを容易にすること。
【解決手段】1以上の画像処理装置と通信可能に接続されているコンピュータに、各画像処理装置の状態を確認する第1の確認処理(S101)と、第1の確認処理によって状態が確認された後に、各画像処理装置の状態を再確認するための確認指示をユーザから受け付ける第1の受付処理と、第1の受付処理によって確認指示が受け付けられると、各画像処理装置の状態を確認する第2の確認処理(S105)と、第1の確認処理で確認された状態と第2の確認処理で確認された状態とが異なる画像処理装置を選択する選択処理(S107)と、を実行させる選択プログラム。
【解決手段】1以上の画像処理装置と通信可能に接続されているコンピュータに、各画像処理装置の状態を確認する第1の確認処理(S101)と、第1の確認処理によって状態が確認された後に、各画像処理装置の状態を再確認するための確認指示をユーザから受け付ける第1の受付処理と、第1の受付処理によって確認指示が受け付けられると、各画像処理装置の状態を確認する第2の確認処理(S105)と、第1の確認処理で確認された状態と第2の確認処理で確認された状態とが異なる画像処理装置を選択する選択処理(S107)と、を実行させる選択プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータにおいて1以上の画像処理装置の中から目的の画像処理装置を選択する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のプリンタの中から目的のプリンタをユーザに選択させる場合に、プリンタを絞り込むための絞り込み条件の指定を受け付け、指定された絞り込み条件に適合するプリンタのプリンタ情報(IPアドレスやモデル名)を一覧表示し、一覧表示したプリンタ情報の中から目的のプリンタのプリンタ情報を選択させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−020403号公報(図10、図12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術によると、プリンタ情報としてIPアドレスやモデル名を表示するので、ユーザが目的のプリンタのIPアドレスやモデル名を把握していない場合には、プリンタが絞り込まれても目的のプリンタを選択できないという問題がある。また、同一のモデル名が表示された場合は目的のプリンタを選択することがさらに難しくなる。
本明細書では、コンピュータにおいて1以上の画像処理装置の中から目的の画像処理装置を選択することを容易にする技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される選択プログラムは、1以上の画像処理装置と通信可能に接続されているコンピュータに、各前記画像処理装置の状態を確認する第1の確認処理と、前記第1の確認処理によって状態が確認された後に、各前記画像処理装置の状態を再確認するための確認指示をユーザから受け付ける第1の受付処理と、前記第1の受付処理によって前記確認指示が受け付けられると、各前記画像処理装置の状態を確認する第2の確認処理と、前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置を選択する選択処理と、を実行させる。
【0006】
また、上記選択プログラムは、前記第1の確認処理、及び、前記第2の確認処理のいずれか一方においては通信でき、いずれか他方においては通信できなかった前記画像処理装置については、前記選択処理において、前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置として選択してもよい。
【0007】
また、上記選択プログラムは、前記選択処理において、前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置の識別子を前記コンピュータの表示部に一覧表示し、一覧表示した前記識別子の中からユーザによる前記識別子の選択を受け付け、ユーザによって選択された前記識別子によって識別される前記画像処理装置を選択してもよい。
【0008】
また、上記選択プログラムは、前記選択処理において、前記識別子毎に、当該識別子によって識別される前記画像処理装置について前記第1の確認処理で確認された状態を示す状態情報と前記第2の確認処理で確認された状態を示す状態情報とを対応付けて表示してもよい。
【0009】
また、前記画像処理装置はユーザによる任意の情報の入力を受け付けるものであり、当該選択プログラムは前記画像処理装置から前記情報を取得する取得処理を前記コンピュータに実行させ、前記選択処理において、前記識別子毎に、当該識別子によって識別される前記画像処理装置から取得された前記情報を対応付けて表示してもよい。
【0010】
また、上記選択プログラムは、前記第2の確認処理によって状態が確認された後に、各前記画像処理装置の状態を再確認するための確認指示をユーザから受け付ける第2の受付処理と、前記第2の受付処理によって前記確認指示が受け付けられると、各前記画像処理装置の状態を確認する第3の確認処理と、を前記コンピュータに実行させ、前記選択処理において、前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置であって、且つ、前記第2の確認処理で確認された状態と前記第3の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置を選択してもよい。
【0011】
また、上記選択プログラムは、前記第2の確認処理によって状態が確認された後に、各前記画像処理装置の状態を再確認するための確認指示をユーザから受け付ける第2の受付処理と、前記第2の受付処理によって前記確認指示が受け付けられると、各前記画像処理装置の状態を確認する第3の確認処理と、を前記コンピュータに実行させ、前記選択処理において、前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置であって、且つ、前記第2の確認処理で確認された状態と前記第3の確認処理で確認された状態とが同じ前記画像処理装置を選択してもよい。
【0012】
また、前記画像処理装置は当該画像処理装置の状態を特定の状態に設定する設定指示の入力をユーザから受け付けるものであり、当該選択プログラムは、前記画像処理装置に画像処理ジョブを送信する送信処理であって、前記画像処理装置に前記設定指示を入力したユーザによって送信された画像処理ジョブであるか否かを識別可能な前記画像処理ジョブを送信する送信処理を前記コンピュータに実行させてもよい。
【0013】
本明細書によって開示される画像処理装置は、コンピュータと通信可能に接続されている画像処理装置であって、ユーザによる任意の情報の入力を受け付ける受付部と、前記受付部で受け付けた前記情報を記憶しておく記憶部と、前記コンピュータから当該画像処理装置の状態を示す状態情報の送信を要求されると、当該画像処理装置の前記状態情報と前記記憶部に記憶されている前記情報とを送信する送信部と、前記コンピュータから画像処理ジョブを受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブを実行する実行部と、を備える。
【0014】
本明細書によって開示される画像処理装置は、コンピュータと通信可能に接続されている画像処理装置であって、当該画像処理装置の状態を特定の状態に設定する設定指示の入力をユーザから受け付ける受付部と、前記受付部によって前記設定指示が入力されると、前記設定指示が受け付けられた回数に1を加算する加算部と、前記コンピュータから当該画像処理装置の状態を示す状態情報の送信を要求されると、前記回数が1以上である場合は前記特定の状態であることを示す情報と前記回数とを前記状態情報として送信する送信部と、前記コンピュータから、前記設定指示を入力したユーザによって送信された画像処理ジョブであるか否かを識別可能な画像処理ジョブを受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブを実行する実行部と、前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブが前記設定指示を入力したユーザによって送信された画像処理ジョブである場合に、前記回数から前記設定指示を入力したユーザによって前記特定の状態に設定された回数を減算する減算部と、を備える。
【0015】
本明細書によって開示される画像処理装置は、コンピュータと通信可能に接続されている画像処理装置であって、当該画像処理装置の状態を実際の状態とは異なる状態に偽装するように設定する設定部と、前記コンピュータから当該画像処理装置の状態を示す状態情報の送信を要求されると、前記設定部によって偽装するように設定されていない場合は実際の状態を示す状態情報を送信し、偽装するように設定されている場合は実際の状態とは異なる状態を示す状態情報を送信する送信部と、前記コンピュータから画像処理ジョブを受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブを実行する実行部と、を備える。
【0016】
本明細書によって開示されるコンピュータは、1以上の画像処理装置と通信可能に接続されているコンピュータであって、各前記画像処理装置の状態を確認する第1の確認部と、前記第1の確認部によって状態が確認された後に、各前記画像処理装置の状態を再確認するための確認指示をユーザから受け付ける第1の受付部と、前記第1の受付部によって前記確認指示が受け付けられると、各前記画像処理装置の状態を確認する第2の確認部と、前記第1の確認部で確認された状態と前記第2の確認部で確認された状態とが異なる前記画像処理装置を選択する選択部と、を備える。
【0017】
なお、本発明は、選択方法、選択システム、選択プログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
また、本発明に備わる各部の機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら各部の機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
【発明の効果】
【0018】
上記の選択プログラム、画像処理装置、及び、コンピュータによると、コンピュータにおいて1以上の画像処理装置の中から目的の画像処理装置をより確実に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態1に係る印刷システムを示す模式図。
【図2】PCの電気的構成を簡略化して示すブロック図。
【図3】プリンタの電気的構成を簡略化して示すブロック図。
【図4】ユニバーサルプリンタドライバを用いた印刷の流れを示す模式図。
【図5】プリンタ選択画面の一例を示す模式図。
【図6】再検索処理の流れを示すフローチャート。
【図7】状態設定・文字列入力処理の流れを示すフローチャート。
【図8】「検索結果の差分」画面の一例を示す模式図。
【図9】「検索結果の差分」画面の一例を示す模式図。
【図10】「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面の一例を示す模式図。
【図11】参照カウンタの値の変更を説明するためのシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図11によって説明する。
(1)印刷システムの全体構成
図1は、実施形態1に係る印刷システム1を示す模式図である。印刷システム1は、実施形態1に係る選択プログラムとしてのユニバーサルプリンタドライバ30(図2参照)がインストールされているコンピュータ(PC)2と、実施形態1に係る画像処理装置としてのプリンタ3とで構成されており、これらはLAN(Local Aria Network)やインターネットなどの有線、又は無線通信ネットワーク4を介して通信可能に接続されている。通信ネットワーク4は、サブネットN1、サブネットN2、サブネットN3、及び、これらのサブネットが接続される基幹ネットワークN4によって構成されている。
【0021】
PC2は携帯可能なパーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末などであり、ユーザはPC2を持って移動することができる。PC2にインストールされているユニバーサルプリンタドライバ30は複数機種のプリンタ3を制御可能なプリンタドライバである。ユーザは移動先のサブネットにPC2を接続し、その移動先のサブネットに接続されているプリンタ3をユニバーサルプリンタドライバ30によって制御することにより、移動先のサブネットに接続されているプリンタ3に印刷を実行させることができる。
【0022】
1以上のプリンタ3は互いに同じ機種であってもよいし、互いに異なる機種であってもよい。また、複数のプリンタ3の中にはユニバーサルプリンタドライバ30が制御不能な機種が含まれていてもよい。以降の説明において単にプリンタ3というときはプリンタ3a〜3iのいずれか一つのことをいう。
【0023】
(2)コンピュータの構成
図2は、PC2の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。PC2は、CPU21、ROM22、RAM23、表示部24、操作部25、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)26、及び、記憶部27を備えて構成されている。
【0024】
CPU21は、ROM22や記憶部27に記憶されている各種のプログラムを実行することによってPC2の各部を制御する。ROM22にはCPU21によって実行される各種のプログラムやデータなどが記憶されている。RAM23はCPU21が各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
【0025】
表示部24は、液晶ディスプレイなどの表示装置、表示装置を駆動する駆動回路等を備えて構成されている。
操作部25は、マウスやキーボードなどの入力装置を備えて構成されている。
ネットワークインタフェース26は、通信ネットワーク4を介してプリンタ3などの外部の装置と通信可能に接続されている。
【0026】
記憶部27は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリを用いて各種のプログラムやデータを記憶する装置である。記憶部27には、オペレーティングシステム(OS)28、ワードプロセッサ、表計算ソフト、画像編集ソフトなどのアプリケーションプログラム(アプリケーション)29、ユニバーサルプリンタドライバ30、各種のデータなどが記憶される。
【0027】
(3)プリンタの構成
図3は、ユニバーサルプリンタドライバ30が制御可能な機種のプリンタ3の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。
プリンタ3は、制御部31、印刷部32、操作部33、記憶部34、及び、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)35を備えて構成されている。
【0028】
制御部31は、CPU31a、ROM31b、RAM31c等を備えて構成されている。CPU31aは、ROM31bに記憶されている各種のプログラムを実行することによってプリンタ3の各部を制御する。ROM31bにはCPU31aによって実行される各種のプログラムやデータなどが記憶されている。RAM31cはCPU31aが各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
【0029】
印刷部32は、紙などの被記録媒体が収容される用紙トレイ、用紙トレイに収容されている被記録媒体を1枚ずつ搬送する搬送部、搬送部によって搬送されている被記録媒体に電子写真方式やインクジェット方式で画像を形成する画像形成部などを備えて構成されている。
【0030】
操作部33は、液晶ディスプレイなどの表示装置や各種の操作ボタンを備えて構成されている。ユーザは操作ボタンを操作することにより、各種の設定や、後述する任意の文字列の入力などを行うことができる。
記憶部34は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリを用いて各種のプログラムやデータを記憶する装置である。
ネットワークインタフェース35は、通信ネットワーク4を介してPC2などの外部の装置と通信可能に接続されている。
【0031】
制御部31と操作部33とは受付部及び設定部の一例である。また、制御部31とネットワークインタフェース35とは送信部及び受信部の一例である。また、制御部31と印刷部32とは実行部の一例である。また、制御部31は加算部及び減算部の一例である。
【0032】
(4)プリンタの状態
プリンタ3の状態としては種々の状態があり、また、プリンタ3の機種によっても取り得る状態は異なるが、本実施形態では「Ready」状態、「Not Ready」状態、及び、「検索」状態の3つの状態を例に説明する。
【0033】
「Ready」状態は、プリンタ3が印刷可能な状態である。
「Not Ready」状態は、プリンタ3の保守作業を行うための開口を開閉するカバーが開いている、トナーカートリッジが装着されていない、トナーの残量が下限量以下である、用紙トレイに印刷用紙がセットされていない、用紙ジャムが発生しているなど、プリンタ3が印刷不可能な状態である。なお、プリンタ3が印刷不可能な状態であれば「Not Ready」状態はこれらの場合に限られない。
【0034】
「検索」状態は、プリンタ3の論理的な状態であり、プリンタ3が検索対象に設定されている状態である。詳しくは後述するが、ユーザはプリンタ3の操作部33を操作してそのプリンタ3を「検索」状態に設定することができる。
【0035】
上述した「Ready」状態と「検索」状態とは同時に起こり得る。同様に「Not Ready」状態と「検索」状態とは同時に起こり得る。本実施形態ではこれらの状態が同時に起きている場合は「検索」状態を優先してプリンタ3の状態とするものとする。
【0036】
なお、プリンタ3の状態は、例えばプリンタ3が印刷中であるか否かによって状態を分けてもよいし、着脱可能なメモリがプリンタ3に装着されているか否かによって状態を分けてもよい。プリンタ3の状態をどのように細分化して区別するかは適宜に選択可能である。
【0037】
(5)ユニバーサルプリンタドライバを用いた印刷の流れ
図4は、ユニバーサルプリンタドライバ30を用いた印刷の流れを示す模式図である。印刷画面41はアプリケーション29を実行しているCPU21(以下、単に「アプリケーション29」という)によって表示される画面である。なお、図4に示す印刷画面41は一例であり、表示内容やレイアウトはアプリケーション29によって異なる。
【0038】
印刷画面41には、印刷を実行させるプリンタ3を選択するための選択欄、印刷部数及び印刷ページを設定する設定欄、及び選択欄のプリンタ3の詳細な設定を行うための[プロパティ]ボタン41a、印刷の開始を指示する[OK]ボタン41b、及び、印刷の中止を指示する[キャンセル]ボタンが表示される。ユーザは選択欄から印刷を実行させるプリンタ3を指定することができる。なお、ユニバーサルプリンタドライバ30は特定の1機種のプリンタ3に対応するものではないので、ユニバーサルプリンタドライバ30を用いて印刷を実行する場合は、ユーザはプリンタ3ではなくユニバーサルプリンタドライバ30を直接指定する。
【0039】
ユニバーサルプリンタドライバ30が指定されている状態でユーザが[プロパティ]ボタン41aをクリックすると、アプリケーション29からユニバーサルプリンタドライバ30が呼び出される。
アプリケーション29からユニバーサルプリンタドライバ30が呼び出されると、CPU21はユニバーサルプリンタドライバ30を実行し、プリンタ選択画面42を表示する。以降の説明ではユニバーサルプリンタドライバ30を実行しているCPU21のことを単にユニバーサルプリンタドライバ30という。
【0040】
図5は、プリンタ選択画面42の一例を示す模式図である。図示するようにプリンタ選択画面42は「お気に入り」タブ42aと「利用可能プリンタ一覧」タブ42bとで構成されている。プリンタ選択画面42が表示された直後は「お気に入り」タブ42aが初期表示される。
【0041】
「お気に入り」タブ42aは、過去に「利用可能プリンタ一覧」タブ42bで選択されたことのあるプリンタ3の識別子が一覧表示されるタブである。「お気に入り」タブ42aでユーザが目的のプリンタ3の識別子をマウスでクリックすると、選択した識別子の背景色が変化することにより、その識別子が選択状態になる。
図中のプリンタ名及びIPアドレスは識別子の一例である。なお、識別子はプリンタ名及びIPアドレスのいずれか一方のみであってもよい。また、識別子はプリンタ3を識別できる情報であればプリンタ名やIPアドレスに限られない。
【0042】
「利用可能プリンタ一覧」タブ42bは、過去に選択されたことのあるプリンタ3であるか否かによらず、PC2と同じサブネットに接続されているプリンタ3のうち利用可能なプリンタ3の識別子が一覧表示されるタブである。「利用可能プリンタ一覧」タブ42bがユーザによりクリックされると、ユニバーサルプリンタドライバ30はPC2と同じサブネットに接続されているプリンタ3を検索し、制御可能なプリンタ3の識別子を「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに一覧表示する。
【0043】
「利用可能プリンタ一覧」タブ42bにおいて、ユーザは二つの方法によって目的のプリンタ3の選択を行うことができる。一つはマウスで識別子をクリックすることによって選択する方法であり、もう一つは目的のプリンタ3においてそのプリンタ3の状態を変更した後、プリンタ選択画面42の「再度検索を実行」ボタン42cをクリックすることによって選択する方法(以下、単に「再検索することによって選択する方法」という)である。後者の方法についての説明は後述する。
【0044】
「お気に入り」タブ42a、又は、「利用可能プリンタ一覧」タブ42bにおいて、識別子が選択状態にされている状態で、ユーザが[選択したプリンタで印刷]ボタン42dをクリックすると、選択状態にされている識別子に対応するプリンタ3がユニバーサルプリンタドライバ30の制御対象のプリンタ3として設定される。そして、プリンタ選択画面42が閉じ、図4に示す印刷条件設定画面45が表示される。
【0045】
ここで、プリンタ選択画面42では、ユーザは「お気に入り」タブ42a、及び、「利用可能プリンタ一覧」タブ42bのどちらのタブにおいても、識別子が選択状態にされている状態で[選択したプリンタを登録]ボタン42eをクリックすることにより、選択状態にされている識別子に対応するプリンタ3をOS28に登録することができる。プリンタ3がOS28に登録されると、印刷画面41においてそのプリンタ3を直接指定してそのプリンタ3に印刷を実行させることが可能になる。
【0046】
図4に戻り、印刷条件設定画面45は、印刷条件を設定するための画面である。印刷条件設定画面45でユーザが[OK]ボタン45aをクリックすると、印刷条件設定画面45が閉じて印刷画面41に戻る。
印刷画面41でユーザが[OK]ボタン41bをクリックすると、アプリケーション29からOS28を介してユニバーサルプリンタドライバ30に印刷命令が出力される。
【0047】
ユニバーサルプリンタドライバ30は、アプリケーション29から印刷命令が出力されると、出力された印刷命令と印刷条件設定画面45で設定された印刷条件とに基づいて印刷データを生成し、生成した印刷データを、制御対象として設定されているプリンタ3に送信して印刷を実行させる。印刷データは画像処理ジョブの一例である。
【0048】
(6)「再検索することによって選択する方法」の流れ
前述したようにユーザは「利用可能プリンタ一覧」タブ42bにおいて目的のプリンタ3の識別子をクリックすることによってその識別子を選択状態にすることができるが、これはユーザが目的のプリンタ3の識別子を把握していることが前提である。本実施形態では、ユーザが目的のプリンタ3の識別子を把握していない場合は、「再検索することによって選択する方法」によって目的のプリンタ3の識別子を選択することができる。
図6は、「再検索することによって選択する方法」によって目的のプリンタ3の識別子を選択する再検索処理の流れを示すフローチャートである。ここではユーザが「利用可能プリンタ一覧」タブ42bをクリックしたところから説明を始める。
【0049】
(6−1)再検索処理の前半
ここでは先ず、再検索処理の前半(S101〜S103)について説明する。
S101では、ユニバーサルプリンタドライバ30はPC2と同じサブネットに接続されているプリンタ3を検索する。具体的には、ユニバーサルプリンタドライバ30はPC2と同じサブネットに接続されている各プリンタ3に、そのプリンタ3のIPアドレスやプリンタ名などのプリンタ情報、そのプリンタ3の状態を示す状態情報、及び後述する任意の文字列を要求するデータをブロードキャストによって送信する。そして、ユニバーサルプリンタドライバ30はその返答としてプリンタ3から各種情報を取得する。
PC2と同じサブネットに接続されているプリンタ3を検索して各プリンタ3から状態情報と任意の文字列とを受信する処理は、第1の確認処理及び取得処理の一例である。
【0050】
S102では、ユニバーサルプリンタドライバ30はS101の検索結果を1回目の検索結果としてRAM23に記憶する。
この検索結果には、検索された各プリンタ3のプリンタ情報、状態情報、ユーザがそのプリンタ3に入力した任意の文字列が含まれる。状態情報には、プリンタ3の状態を示す情報と、後述する参照カウンタの値とが含まれる。
【0051】
S103では、ユニバーサルプリンタドライバ30は検索したプリンタ3の識別子を「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに一覧表示する。具体的には、ユニバーサルプリンタドライバ30は、S101でプリンタ3から取得した情報に基づいて制御可能であると判断したプリンタ3の識別子を一覧表示する。
【0052】
(6−2)状態設定・文字列入力処理
上述したS103でプリンタ3の識別子が「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに一覧表示されると、ユーザはユニバーサルドライバ30の操作を中断して目的のプリンタ3の設置場所まで行き、そのプリンタ3を直接操作して状態を変更する。
例えば、目的のプリンタ3の状態が「Ready」状態である場合は、ユーザはカバーを開くなどによってプリンタ3の状態を「Not Ready」状態に変更してもよい。一方、カバーが開いていることによって目的のプリンタ3の状態が「Not Ready」状態である場合は、ユーザはカバーを閉じることによって「Ready」状態に変更してもよい。
【0053】
また、例えば、目的のプリンタ3が通信可能な状態である場合は、ユーザはプリンタ3の電源を遮断したり、通信ケーブルを外したりすることによって目的のプリンタ3を通信不能な状態に変更してもよい。一方、目的のプリンタ3が通信不能な状態である場合は、ユーザはプリンタ3に電源を投入したり、通信ケーブルを接続したりすることによって目的のプリンタ3を通信可能な状態に変更してもよい。
【0054】
また、上述した状態の変更はプリンタ3の状態を物理的に変更するものであるが、ユーザはプリンタ3の状態を論理的に変更することもできる。プリンタ3の状態を論理的に変更する処理の詳細については後述する。
【0055】
また、プリンタ3の状態の変更とは別に、プリンタ3の機種によっては、ユーザがプリンタ3の操作部33を操作して任意の文字列を入力できる。任意の文字列は再検索されたプリンタ3の識別子が一覧表示されたときにユーザが目的のプリンタ3の識別子をより把握し易くするために入力されるものであり、詳細については後述する。任意の文字列は任意の情報の一例である。
【0056】
図7は、ユーザがプリンタ3の状態を論理的に変更するとき、又は、ユーザがプリンタ3に任意の文字列を入力するときにプリンタ3で実行される状態設定・文字列入力処理の流れを示すフローチャートである。本処理はユーザがプリンタ3の操作部33で状態設定・文字列入力処理の実行を指示すると開始される。
【0057】
S201では、CPU31aは、自身が、ユーザが任意の文字列を入力するための機能を備えている機種であるか否かを判定し、当該機能を備えている機種である場合はS202に進み、備えていない機種である場合はS204に進む。
S202では、CPU31aは任意の文字列を入力するか否かをユーザが選択するための画面を操作部33の表示装置に表示し、任意の文字列を入力する選択がされた場合はS203に進み、任意の文字列を入力しない選択がされた場合はS204に進む。
【0058】
S203では、CPU31aはユーザが任意の文字列を入力するための画面を操作部33に表示して任意の文字列の入力を受け付け、入力された文字列を記憶部34に記憶させる。
S204では、CPU31aは、自身が、ユーザがプリンタ3の状態を「検索」状態に設定するための機能を備えている機種であるか否かを判定し、当該機能を備えている機種である場合はS205に進み、備えていない機種である場合はS206に進む。
【0059】
S205では、CPU31aはプリンタ3の状態を「検索」状態に設定するか否かを選択するための画面を操作部33に表示し、「検索」状態に設定する選択がされなかった場合はS206に進み、「検索」状態に設定する選択がされた場合はS207に進む。
「検索」状態は特定の状態の一例であり、プリンタ3の状態を「検索」状態に設定するか否かの選択を受け付ける処理は設定指示の入力をユーザから受け付ける処理の一例である。
【0060】
S206では、CPU31aはPC2から状態情報が要求されたときに実際のプリンタ3の状態とは異なる状態に偽装するように設定する。
例えば実際の状態が「Ready」状態であるとすると、PC2から状態情報が要求されたとき、例えば「Not Ready」状態を示す状態情報が返信される。ただし、偽装するのは1回の設定につき1回のみとする。
【0061】
S207では、CPU31aはプリンタ3の状態を「検索」状態に設定する。
S208では、CPU31aはユーザがPC2にログインしたときのユーザIDの入力を受け付ける画面を表示し、入力されたユーザIDを記憶部34に記憶させる。
ユーザIDの入力は、ユーザが操作部33を操作して入力してもよいし、ユーザIDが記憶されているカードからそのユーザIDを読み取ることによって入力してもよい。
【0062】
(6−3)再検索処理の後半
図6に戻り、再検索処理の後半(S104〜S111)について説明する。「再検索することによって選択する方法」によって識別子を選択する場合は、ユーザはプリンタ3の状態を変更した後、PC2に戻り、プリンタ選択画面42の「再度検索を実行」ボタン42cをクリックする。
プリンタ選択画面42において「再度検索を実行」ボタン42cのクリックを受け付ける処理は確認指示をユーザから受け付ける第1の受付処理の一例である
【0063】
S104では、ユニバーサルプリンタドライバ30はプリンタ選択画面42でいずれかのボタンがクリックされるまで待機する。そして、ユニバーサルプリンタドライバ30は、いずれかのボタンがクリックされると、クリックされたボタンが「再度検索を実行」ボタン42cであるか否かを判定し、クリックされたボタンが「再度検索を実行」ボタン42cである場合はS105に進み、それ以外のボタンである場合はそのボタンに対応する処理を実行して処理を終了する。
【0064】
S105では、ユニバーサルプリンタドライバ30はPC2と同じサブネットに接続されているプリンタ3を再検索する。
「再度検索を実行」ボタン42cがクリックされてプリンタ3を再検索する処理は第2の確認処理及び取得処理の一例である。
【0065】
S106では、ユニバーサルプリンタドライバ30はS105の検索結果を2回目の検索結果としてRAM23に記憶する。
S107では、ユニバーサルプリンタドライバ30は以下に説明する「検索結果の差分」画面43を表示し、1回目の検索結果と2回目の検索結果との差分を表示する。
【0066】
図8は、「検索結果の差分」画面43の一例を示す模式図である。「検索結果の差分」画面43には、1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3毎に、そのプリンタ3のプリンタ名が表示されるとともに、1回目の検索結果と2回目の検索結果とを示す表43aが表示される。表43aにはプリンタ3のIPアドレス、プリンタ3の状態、及び、文字列情報が表示される。
【0067】
図中においてプリンタ名「MFC−xxxx」によって識別されるプリンタ3の1回目の検索結果は「取得不可」とされている。これは、当該プリンタ3が1回目の検索において通信不能であったことを示している。ユニバーサルプリンタドライバ30は、1回目の検索、又は、2回目の検索のいずれか一方においては通信でき、いずれか他方においては通信できなかったプリンタ3については、1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3として、「検索結果の差分」画面43に表示する。その場合、通信不可能であったときの検索結果は「取得不可」となる。
【0068】
また、図中においてプリンタ名「DCP−xxxx」によって識別されるプリンタ3の2回目の検索における状態は「検索」状態である。プリンタ3の状態が「検索」状態である場合は、プリンタ3の状態に「検索」状態が表示されるとともに、参照カウンタの値も表示される。詳しくは後述するが、参照カウンタは複数のユーザが同じプリンタ3に「検索」状態を設定した場合に不都合が生じないようにするために、プリンタ3に「検索」状態が設定された回数をカウントする変数である。プリンタ3の状態が「検索」状態であっても参照カウンタの値が異なる場合は異なる状態であると判定される。
【0069】
また、同じくプリンタ名「DCP−xxxx」によって識別されるプリンタ3において文字列情報に表示されている文字列「User1」は、前述した状態設定・文字列入力処理でユーザが入力した任意の文字列である。
【0070】
図示する例の「検索結果の差分」画面43では、1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3が3つある場合を示している。「検索結果の差分」画面43に複数のプリンタ3の識別子が表示された場合は、表43aの情報から目的のプリンタ3を識別できる場合と、表43aの情報から目的のプリンタ3を識別できない場合とがある。
【0071】
図8に示す例では、1回目の検索と2回目の検索とで各プリンタ3の状態変化の仕方が異なる。ユーザは目的のプリンタ3において自身が変更する前の状態と自身が変更した後の状態とを把握しているはずであるので、目的のプリンタ3の状態の変化の仕方に合致しているプリンタ3が目的のプリンタ3であると判断できる。
【0072】
あるいは、ユーザが目的のプリンタ3に「User1」という文字列を入力していた場合には、「User1」という文字列が表示されているプリンタ3は1台だけであるので、その識別子が目的のプリンタ3の識別子であると判断できる。
【0073】
ユーザは、目的のプリンタ3の識別子の左に表示されているラジオボタンをクリックすることによってその識別子を選択された状態にする。この処理は選択処理の一例である。なお、「検索結果の差分」画面43に表示されたプリンタ3が1台のみである場合は、そのプリンタ3の識別子がユニバーサルプリンタドライバ30によって自動的に選択されて印刷条件設定画面45に進んでもよい。
【0074】
一方、図9に示す例では、1回目の検索と2回目の検索とで各プリンタ3の状態の変化の仕方が同じであり、且つ、文字列情報が表示されていない。このため、ユーザはいずれが目的のプリンタ3であるかを判断できない。この場合には、ユーザは「検索結果の差分」画面43で「再度検索を実行」ボタン43bをクリックする。
「検索結果の差分」画面43において「再度検索を実行」ボタン43bのクリックを受け付ける処理は確認指示をユーザから受け付ける第2の受付処理の一例である。
【0075】
図6に戻り、S108では、ユニバーサルプリンタドライバ30は「検索結果の差分」画面43でいずれかのボタンがクリックされるまで待機する。そして、ユニバーサルプリンタドライバ30は、いずれかのボタンがクリックされると、クリックされたボタンが「再度検索を実行」ボタン43bであるか否かを判定し、クリックされたボタンが「再度検索を実行」ボタン43bである場合はS109に進み、それ以外のボタンである場合はそのボタンに対応する処理を実行して処理を終了する。
【0076】
S109では、ユニバーサルプリンタドライバ30はPC2と同じサブネットに接続されているプリンタ3を再検索する。
「再度検索を実行」ボタン43bがクリックされてプリンタ3を再検索する処理は第3の確認処理及び取得処理の一例である。
【0077】
S110では、ユニバーサルプリンタドライバ30はS109で検索された状態を3回目の検索結果としてRAM23に記憶する。
S111では、ユニバーサルプリンタドライバ30は以下に説明する「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44を表示し、2回目と3回目の検索結果が一致するプリンタ3を表示する。
【0078】
図10は、「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44の一例を示す模式図である。「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44には、1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3であって、且つ、2回目に検索されたときの状態と3回目に検索されたときの状態とが同じであるプリンタ3のプリンタ名と、1回目と2回目の差分、及び、2回目と3回目の差分を示す表44aとが表示される。図示するように、1回目と2回目の差分には、1回目に検索されたときの状態から2回目に検索されたときの状態への変化の仕方が表示され、2回目と3回目の差分には、2回目に検索されたときの状態から3回目に検索されたときの状態への変化の仕方が表示される。
【0079】
「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44は、次のような状況を想定したものである。
2回目の検索の前にユーザは目的のプリンタ3の状態を「Ready」状態から「Not Ready」状態に変更したとする。
【0080】
そして、別のプリンタ3の状態も、他のユーザの操作などによって、目的のプリンタ3と同じタイミングで同様に状態が変化したとする。この場合、ユーザは別のプリンタ3のカバーが閉じられるなどによって別のプリンタ3の状態が「Ready」状態に戻されることを期待して、目的のプリンタ3の状態は変更させずに3回目の検索を行う。その結果、別のプリンタ3の状態が「Ready」状態に戻されていれば、目的のプリンタ3の識別子が表示され、別のプリンタ3の識別子は表示されないことになる。これにより、ユーザは目的のプリンタ3の識別子を選択することができる。
【0081】
以上が、ユーザがプリンタ選択画面42で「再度検索を実行」ボタン42cをクリックした場合の印刷の流れである。上述した「検索結果の差分」画面43、及び、「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44で[選択したプリンタで印刷]ボタン43c、44bや、[選択したプリンタを登録]ボタン43d、44cがクリックされた場合の処理は前述したプリンタ選択画面42の場合と同じであるので説明は省略する。
【0082】
(6−4)参照カウンタ
前述したように、参照カウンタは、プリンタ3が「検索」状態に設定された回数をカウントするための変数である。ここでは先ず、参照カウンタを用いない場合に生じる不都合について説明する。
【0083】
例えば、ユーザAが1回目の検索の後にプリンタ3の状態を「検索」状態に設定して2回目の検索を行ったとする。この場合に、プリンタ3の状態が「検索」状態に設定されていることを知らないユーザBが、ユーザAがプリンタ3の状態を「検索」状態に設定した後に1回目の検索を行ったとすると、ユーザBの1回目の検索ではそのプリンタ3の状態は「検索」状態となる。
【0084】
その後にユーザBがプリンタ3の状態を「検索」状態に設定して2回目の検索を行ったとすると、そのプリンタ3の状態は1回目の検索のときも2回目の検索のときも「検索」状態となり、1回目と2回目とで状態が異ならないため、そのプリンタ3の識別子が「検索結果の差分」画面43に表示されないことになってしまう。
そこで、本実施形態では参照カウンタを用いることによってこのような不都合が生じないようにする。
【0085】
図11は、参照カウンタの値の変更を説明するためのシーケンスチャートである。
ここでは参照カウンタの初期値は0(零)であるものとする。参照カウンタの値が0のときは「検索」状態に設定されていないことを意味しており、このときにPC2によって検索された場合は「検索」状態であることを示す状態情報は返信されない。
【0086】
一方、参照カウンタの値が1以上のときは「検索」状態に設定されていることを意味しており、このときにPC2によって検索された場合は状態情報として「検索」状態であることを示す情報と参照カウンタの値とが返信される。
【0087】
S301では、ユーザAはプリンタ3を操作してプリンタ3の状態を「検索」状態に設定する。
S302では、プリンタ3は「参照カウンタ」に1を加算する。このときの参照カウンタの値は「1」である。
S303では、ユーザAは自身のPC2(以下「PC2A」という)で「利用可能プリンタ一覧」タブ42bをクリックして1回目の検索を行う。
【0088】
S304では、プリンタ3は参照カウンタの値を取得する。
S305では、プリンタ3は状態情報として「検索(参照カウンタ値:1)」を返信する。
S306では、ユーザAは再度プリンタ3を操作してプリンタ3の状態を「検索」状態に設定する。
【0089】
S307では、プリンタ3は「参照カウンタ」に1を加算する。このときの参照カウンタの値は「2」である。
S308では、ユーザAはPC2Aで「再検索」ボタンをクリックして2回目の検索を行う。
S309では、プリンタ3は参照カウンタの値を取得する。
【0090】
S310では、プリンタ3は状態情報として「検索(参照カウンタ値:2)」を返信する。
S311では、ユーザBはプリンタ3を操作してプリンタ3の状態を「検索」状態に設定する。
S312では、プリンタ3は「参照カウンタ」に1を加算する。このときの参照カウンタの値は「3」である。
【0091】
S313では、ユーザBは自身のPC2(以下「PC2B」という)で「利用可能プリンタ一覧」タブ42bをクリックして1回目の検索を行う。
S314では、プリンタ3は参照カウンタの値を取得する。
S315では、プリンタ3は状態情報として「検索(参照カウンタ値:3)」を返信する。
【0092】
S316では、ユーザBは再度プリンタ3を操作してプリンタ3の状態を「検索」状態に設定する。
S317では、プリンタ3は「参照カウンタ」に1を加算する。このときの参照カウンタの値は「4」である。
【0093】
S318では、ユーザAはPC2Aからプリンタ3に印刷データを送信する。この印刷データには、ユーザAがPC2AにログインしたときのユーザIDが付加されているものとする。
PC2がプリンタ3にユーザIDが付加されている印刷データを送信する処理は送信処理の一例である。
【0094】
S319では、プリンタ3はその印刷データが、プリンタ3の状態を「検索」状態に設定したユーザからの印刷データであるか否かを判定する。プリンタ3の状態を「検索」状態に設定したユーザからの印刷データであるか否かは、PC2から送信された印刷データに付加されているユーザと、前述した状態設定・文字列入力処理のS208で入力されて記憶部34に記憶されているユーザIDとが一致するか否かによって判定することができる。
プリンタ3の状態を「検索」状態に設定したユーザからの印刷データである場合は、プリンタ3は参照カウンタから2を減じるとともに、そのユーザIDを記憶部34から削除する。参照カウンタから2を減じることは、設定指示を入力したユーザによって特定の状態に設定された回数を減算する一例である。
【0095】
S320では、ユーザBはPC2Bで「再検索」ボタンをクリックして2回目の検索を行う。
S321では、プリンタ3は参照カウンタの値を取得する。
S322では、プリンタ3は状態情報として「検索(参照カウンタ値:2)」を返信する。
【0096】
S323では、ユーザBはPC2Bからプリンタ3に印刷データを送信する。
S324では、プリンタ3はその印刷データが、プリンタ3の状態を「検索」状態に設定したユーザからの印刷データであるか否かを判定し、「検索」状態に設定したユーザからの印刷データである場合は参照カウンタから2を減じるとともに、そのユーザIDを記憶部34から削除する。このときの参照カウンタの値は「0」である。
【0097】
上述したシーケンスチャートにおいて、S315ではPC2Bに状態情報として「検索(参照カウンタ値:3)」が返信されるのに対し、S322ではPC2Bに状態情報として「検索(参照カウンタ値:2)」が返信される。参照カウンタの値が異なる場合は異なる状態であると判断されるので、PC2Bの「検索結果の差分」画面43においてそのプリンタ3の識別子が1回目の状態と2回目の状態とが異なるプリンタ3の識別子として表示されることになる。
【0098】
(7)実施形態の効果
例えば、普段図1に示すサブネットN1にPC2を接続して作業しているユーザが、サブネットN2が敷設されている場所にPC2を持って移動し、移動先でPC2をサブネットN2に接続したとする。そして、ユーザはサブネットN2に接続されているプリンタ3fに印刷を行わせたいとする。
この場合、ユーザは普段サブネットN1に接続されているプリンタ3を利用していることから、サブネットN2に接続されているプリンタ3のプリンタ名やIPアドレスが「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに一覧表示されても、どれがプリンタ3fのプリンタ名やIPアドレスであるか判らないこともある。
【0099】
このような場合、実施形態1に係るユニバーサルプリンタドライバ30によると、1回目の検索と2回目の検索とで状態が異なるプリンタ3の識別子を選択可能に表示する。よって、ユーザは目的のプリンタ3の識別子を把握していなくても、PC2において1以上のプリンタ3の中から目的のプリンタ3をより確実に選択できる。これにより、ユーザは目的のプリンタ3の識別子を自身で調べる必要がなく、ユーザの利便性が向上する。
【0100】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30は、電源を遮断したり通信回線を外したりすることによって状態を変化させたプリンタ3の識別子を選択可能に表示する。よって、ユーザがプリンタ3の状態を変更するための特別な構成を備えていないプリンタ3も選択の対象とすることができる。
【0101】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30は、1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3の識別子を「検索結果の差分」画面43に選択可能に一覧表示するので、1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3が複数あってもプリンタ3を選択できる。
【0102】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30は、プリンタ3の識別子毎に、当該識別子によって識別されるプリンタ3について1回目に検索されたときの状態を示す状態情報と2回目に検索されたときの状態を示す状態情報とを対応付けて表示する。よって、ユーザは1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが目的のプリンタ3の状態変化に合致している識別子を選択することにより、目的のプリンタ3を容易に選択できる。
【0103】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30は、ユーザがプリンタ3に入力した任意の文字列を表示する。よって、ユーザは目的のプリンタ3に入力した文字列が対応付けられている識別子を選択することにより、1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3が複数ある場合においても目的のプリンタ3を容易に選択できる。
【0104】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30は、1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3が複数ある場合には、3回目の検索を行うことにより、目的のプリンタ3を選択できる。
【0105】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30によると、印刷データにユーザIDを付加して送信する。よって、プリンタ3においてそのユーザIDで識別されるユーザによって「検索」状態に設定された回数を参照カウンタから減じることにより、複数のユーザが同じプリンタ3に「検索」状態を設定した場合に不都合が生じないようにすることができる。
【0106】
また、実施形態1に係るプリンタ3によると、ユーザによる任意の文字列の入力を受け付けて記憶しておき、PC2から当該プリンタ3の状態を示す状態情報の送信を要求されると、当該プリンタ3の状態情報と記憶部34に記憶されている文字列とをPC2に送信する。よって、ユニバーサルドライバ30が「検索結果の差分」画面43においてプリンタ3の識別子とユーザがプリンタ3に入力した文字列とを対応付けて表示することにより、ユーザが目的のプリンタ3の識別子を把握し易くなる。
【0107】
更に、プリンタ3によると、「検索」状態に設定された回数を参照カウンタによってカウントするので、複数のユーザが同じプリンタ3に「検索」状態を設定した場合に不都合が生じないようにすることができる。
【0108】
更に、プリンタ3によると、ユーザは当該プリンタ3の状態を実際の状態とは異なる状態に偽装するように設定することにより、目的のプリンタ3の状態を実際に変更しなくても、1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とを異ならせることができる。
【0109】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を説明する。
実施形態2は、実施形態1の「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44の変形例である。
【0110】
実施形態1では「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44に1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3であって、且つ、2回目に検索されたときの状態と3回目に検索されたときの状態とが同じであるプリンタ3の識別子が表示される場合を例に説明した。実施形態2では、「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44に1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3であって、且つ、2回目に検索されたときの状態と3回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3の識別子が表示される。
【0111】
実施形態2によると、3回目の検索の前にユーザが目的のプリンタ3の状態を変更することにより、別のプリンタ3の状態が変更されない場合であっても目的のプリンタ3の識別子を表示できる。
実施形態2に係るユニバーサルプリンタドライバ30はその他の点において実施形態1と実質的に同一である。
【0112】
なお、実施形態1のように「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44を表示するか、実施形態2のように表示するかをユーザが選択できるようにしてもよい。
【0113】
このようにすれば、ユーザが検索の前に目的のプリンタ3の状態を変化させるか否かに応じて、目的のプリンタ3をより確実に選択できる。
【0114】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0115】
(1)上記実施形態では検索を繰り返す回数が最大で3回であるが、この回数は適宜に設定可能であり、検索を4回以上繰り返すようにしてもよい。
逆に、最大で2回まで検索を繰り返すようにしてもよい。つまり、「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44を表示しないようにしてもよい。
【0116】
(2)上記実施形態ではプリンタ3の状態を「検索」状態に設定するとき、1回目の検索の前と、1回目の検索の後、2回目の検索の前との2回設定する場合を例に説明したが、1回目の検索の前には設定せず、1回目の検索の後、2回目の検索の前のみ設定してもよい。ただし、1回目の検索の後、2回目の検索の前のみ「検索」状態に設定するようにすると不都合が生じる場合もあるので、その場合はユーザ毎に参照カウンタの値を記憶するようにしてもよい。
【0117】
また、上記実施形態ではプリンタ3の状態を「検索」状態に設定するときS208においてユーザIDを取得しているが、ユーザIDを取得しないようにしてもよい。この場合は、PC2のユーザがプリンタ3に印刷データを送信するときに、プリンタ3の状態を「検索」状態に設定したユーザであるか否かを指定させ、「検索」状態に設定したユーザである場合は参照カウンタから2を減じるようにしてもよい。
【0118】
(3)上記実施形態では1回目の検索の後、2回目の検索の前にユーザがプリンタ3の状態を変更する場合を例に説明したが、ユーザは例えば1回目の検索の前にプリンタ3の状態を変更し、1回目の検索の後、2回目の検索の前にプリンタ3の状態を元に戻してもよい。
【0119】
(4)上記実施形態では画像処理装置としてプリンタ3を例に説明したが、画像処理装置は、例えば原稿を読み取って画像データを生成し、生成した画像データをPC2に送信するスキャナであってもよいし、PC2から送信された画像データを外部のファクシミリ装置にファクシミリ送信するファクシミリ装置であってもよい。
【0120】
(5)ユニバーサルドライバ30は、複数のインタフェースにそれぞれプリンタ3が接続されている場合、各プリンタ3を同時に検索できるような構成であってもよい。例えば、コンピュータ2にLANのインタフェースとUSB(Universal Serial Bus)インタフェースとが備えられており、それぞれのインタフェースにプリンタ3が接続されているとする。この場合、ユニバーサルドライバ30は、LANに接続されているプリンタと、USBに接続されているプリンタとを同時に検索するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0121】
1・・・印刷システム、2・・・コンピュータ、3・・・プリンタ、4・・・通信ネットワーク、21・・・CPU、22・・・ROM、23・・・RAM、24・・・表示部、25・・・操作部、26・・・ネットワークインタフェース、27・・・記憶部、30・・・ユニバーサルプリンタドライバ、31・・・制御部、32・・・印刷部、33・・・操作部、34・・・記憶部、35・・・ネットワークインタフェース、41・・・印刷画面、42・・・プリンタ選択画面、43・・・「検索結果の差分」画面、44・・・「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面、45・・・印刷条件設定画面
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータにおいて1以上の画像処理装置の中から目的の画像処理装置を選択する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のプリンタの中から目的のプリンタをユーザに選択させる場合に、プリンタを絞り込むための絞り込み条件の指定を受け付け、指定された絞り込み条件に適合するプリンタのプリンタ情報(IPアドレスやモデル名)を一覧表示し、一覧表示したプリンタ情報の中から目的のプリンタのプリンタ情報を選択させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−020403号公報(図10、図12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術によると、プリンタ情報としてIPアドレスやモデル名を表示するので、ユーザが目的のプリンタのIPアドレスやモデル名を把握していない場合には、プリンタが絞り込まれても目的のプリンタを選択できないという問題がある。また、同一のモデル名が表示された場合は目的のプリンタを選択することがさらに難しくなる。
本明細書では、コンピュータにおいて1以上の画像処理装置の中から目的の画像処理装置を選択することを容易にする技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される選択プログラムは、1以上の画像処理装置と通信可能に接続されているコンピュータに、各前記画像処理装置の状態を確認する第1の確認処理と、前記第1の確認処理によって状態が確認された後に、各前記画像処理装置の状態を再確認するための確認指示をユーザから受け付ける第1の受付処理と、前記第1の受付処理によって前記確認指示が受け付けられると、各前記画像処理装置の状態を確認する第2の確認処理と、前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置を選択する選択処理と、を実行させる。
【0006】
また、上記選択プログラムは、前記第1の確認処理、及び、前記第2の確認処理のいずれか一方においては通信でき、いずれか他方においては通信できなかった前記画像処理装置については、前記選択処理において、前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置として選択してもよい。
【0007】
また、上記選択プログラムは、前記選択処理において、前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置の識別子を前記コンピュータの表示部に一覧表示し、一覧表示した前記識別子の中からユーザによる前記識別子の選択を受け付け、ユーザによって選択された前記識別子によって識別される前記画像処理装置を選択してもよい。
【0008】
また、上記選択プログラムは、前記選択処理において、前記識別子毎に、当該識別子によって識別される前記画像処理装置について前記第1の確認処理で確認された状態を示す状態情報と前記第2の確認処理で確認された状態を示す状態情報とを対応付けて表示してもよい。
【0009】
また、前記画像処理装置はユーザによる任意の情報の入力を受け付けるものであり、当該選択プログラムは前記画像処理装置から前記情報を取得する取得処理を前記コンピュータに実行させ、前記選択処理において、前記識別子毎に、当該識別子によって識別される前記画像処理装置から取得された前記情報を対応付けて表示してもよい。
【0010】
また、上記選択プログラムは、前記第2の確認処理によって状態が確認された後に、各前記画像処理装置の状態を再確認するための確認指示をユーザから受け付ける第2の受付処理と、前記第2の受付処理によって前記確認指示が受け付けられると、各前記画像処理装置の状態を確認する第3の確認処理と、を前記コンピュータに実行させ、前記選択処理において、前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置であって、且つ、前記第2の確認処理で確認された状態と前記第3の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置を選択してもよい。
【0011】
また、上記選択プログラムは、前記第2の確認処理によって状態が確認された後に、各前記画像処理装置の状態を再確認するための確認指示をユーザから受け付ける第2の受付処理と、前記第2の受付処理によって前記確認指示が受け付けられると、各前記画像処理装置の状態を確認する第3の確認処理と、を前記コンピュータに実行させ、前記選択処理において、前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置であって、且つ、前記第2の確認処理で確認された状態と前記第3の確認処理で確認された状態とが同じ前記画像処理装置を選択してもよい。
【0012】
また、前記画像処理装置は当該画像処理装置の状態を特定の状態に設定する設定指示の入力をユーザから受け付けるものであり、当該選択プログラムは、前記画像処理装置に画像処理ジョブを送信する送信処理であって、前記画像処理装置に前記設定指示を入力したユーザによって送信された画像処理ジョブであるか否かを識別可能な前記画像処理ジョブを送信する送信処理を前記コンピュータに実行させてもよい。
【0013】
本明細書によって開示される画像処理装置は、コンピュータと通信可能に接続されている画像処理装置であって、ユーザによる任意の情報の入力を受け付ける受付部と、前記受付部で受け付けた前記情報を記憶しておく記憶部と、前記コンピュータから当該画像処理装置の状態を示す状態情報の送信を要求されると、当該画像処理装置の前記状態情報と前記記憶部に記憶されている前記情報とを送信する送信部と、前記コンピュータから画像処理ジョブを受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブを実行する実行部と、を備える。
【0014】
本明細書によって開示される画像処理装置は、コンピュータと通信可能に接続されている画像処理装置であって、当該画像処理装置の状態を特定の状態に設定する設定指示の入力をユーザから受け付ける受付部と、前記受付部によって前記設定指示が入力されると、前記設定指示が受け付けられた回数に1を加算する加算部と、前記コンピュータから当該画像処理装置の状態を示す状態情報の送信を要求されると、前記回数が1以上である場合は前記特定の状態であることを示す情報と前記回数とを前記状態情報として送信する送信部と、前記コンピュータから、前記設定指示を入力したユーザによって送信された画像処理ジョブであるか否かを識別可能な画像処理ジョブを受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブを実行する実行部と、前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブが前記設定指示を入力したユーザによって送信された画像処理ジョブである場合に、前記回数から前記設定指示を入力したユーザによって前記特定の状態に設定された回数を減算する減算部と、を備える。
【0015】
本明細書によって開示される画像処理装置は、コンピュータと通信可能に接続されている画像処理装置であって、当該画像処理装置の状態を実際の状態とは異なる状態に偽装するように設定する設定部と、前記コンピュータから当該画像処理装置の状態を示す状態情報の送信を要求されると、前記設定部によって偽装するように設定されていない場合は実際の状態を示す状態情報を送信し、偽装するように設定されている場合は実際の状態とは異なる状態を示す状態情報を送信する送信部と、前記コンピュータから画像処理ジョブを受信する受信部と、前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブを実行する実行部と、を備える。
【0016】
本明細書によって開示されるコンピュータは、1以上の画像処理装置と通信可能に接続されているコンピュータであって、各前記画像処理装置の状態を確認する第1の確認部と、前記第1の確認部によって状態が確認された後に、各前記画像処理装置の状態を再確認するための確認指示をユーザから受け付ける第1の受付部と、前記第1の受付部によって前記確認指示が受け付けられると、各前記画像処理装置の状態を確認する第2の確認部と、前記第1の確認部で確認された状態と前記第2の確認部で確認された状態とが異なる前記画像処理装置を選択する選択部と、を備える。
【0017】
なお、本発明は、選択方法、選択システム、選択プログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
また、本発明に備わる各部の機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら各部の機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
【発明の効果】
【0018】
上記の選択プログラム、画像処理装置、及び、コンピュータによると、コンピュータにおいて1以上の画像処理装置の中から目的の画像処理装置をより確実に選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態1に係る印刷システムを示す模式図。
【図2】PCの電気的構成を簡略化して示すブロック図。
【図3】プリンタの電気的構成を簡略化して示すブロック図。
【図4】ユニバーサルプリンタドライバを用いた印刷の流れを示す模式図。
【図5】プリンタ選択画面の一例を示す模式図。
【図6】再検索処理の流れを示すフローチャート。
【図7】状態設定・文字列入力処理の流れを示すフローチャート。
【図8】「検索結果の差分」画面の一例を示す模式図。
【図9】「検索結果の差分」画面の一例を示す模式図。
【図10】「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面の一例を示す模式図。
【図11】参照カウンタの値の変更を説明するためのシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図11によって説明する。
(1)印刷システムの全体構成
図1は、実施形態1に係る印刷システム1を示す模式図である。印刷システム1は、実施形態1に係る選択プログラムとしてのユニバーサルプリンタドライバ30(図2参照)がインストールされているコンピュータ(PC)2と、実施形態1に係る画像処理装置としてのプリンタ3とで構成されており、これらはLAN(Local Aria Network)やインターネットなどの有線、又は無線通信ネットワーク4を介して通信可能に接続されている。通信ネットワーク4は、サブネットN1、サブネットN2、サブネットN3、及び、これらのサブネットが接続される基幹ネットワークN4によって構成されている。
【0021】
PC2は携帯可能なパーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末などであり、ユーザはPC2を持って移動することができる。PC2にインストールされているユニバーサルプリンタドライバ30は複数機種のプリンタ3を制御可能なプリンタドライバである。ユーザは移動先のサブネットにPC2を接続し、その移動先のサブネットに接続されているプリンタ3をユニバーサルプリンタドライバ30によって制御することにより、移動先のサブネットに接続されているプリンタ3に印刷を実行させることができる。
【0022】
1以上のプリンタ3は互いに同じ機種であってもよいし、互いに異なる機種であってもよい。また、複数のプリンタ3の中にはユニバーサルプリンタドライバ30が制御不能な機種が含まれていてもよい。以降の説明において単にプリンタ3というときはプリンタ3a〜3iのいずれか一つのことをいう。
【0023】
(2)コンピュータの構成
図2は、PC2の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。PC2は、CPU21、ROM22、RAM23、表示部24、操作部25、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)26、及び、記憶部27を備えて構成されている。
【0024】
CPU21は、ROM22や記憶部27に記憶されている各種のプログラムを実行することによってPC2の各部を制御する。ROM22にはCPU21によって実行される各種のプログラムやデータなどが記憶されている。RAM23はCPU21が各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
【0025】
表示部24は、液晶ディスプレイなどの表示装置、表示装置を駆動する駆動回路等を備えて構成されている。
操作部25は、マウスやキーボードなどの入力装置を備えて構成されている。
ネットワークインタフェース26は、通信ネットワーク4を介してプリンタ3などの外部の装置と通信可能に接続されている。
【0026】
記憶部27は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリを用いて各種のプログラムやデータを記憶する装置である。記憶部27には、オペレーティングシステム(OS)28、ワードプロセッサ、表計算ソフト、画像編集ソフトなどのアプリケーションプログラム(アプリケーション)29、ユニバーサルプリンタドライバ30、各種のデータなどが記憶される。
【0027】
(3)プリンタの構成
図3は、ユニバーサルプリンタドライバ30が制御可能な機種のプリンタ3の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。
プリンタ3は、制御部31、印刷部32、操作部33、記憶部34、及び、ネットワークインタフェース(ネットワークI/F)35を備えて構成されている。
【0028】
制御部31は、CPU31a、ROM31b、RAM31c等を備えて構成されている。CPU31aは、ROM31bに記憶されている各種のプログラムを実行することによってプリンタ3の各部を制御する。ROM31bにはCPU31aによって実行される各種のプログラムやデータなどが記憶されている。RAM31cはCPU31aが各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
【0029】
印刷部32は、紙などの被記録媒体が収容される用紙トレイ、用紙トレイに収容されている被記録媒体を1枚ずつ搬送する搬送部、搬送部によって搬送されている被記録媒体に電子写真方式やインクジェット方式で画像を形成する画像形成部などを備えて構成されている。
【0030】
操作部33は、液晶ディスプレイなどの表示装置や各種の操作ボタンを備えて構成されている。ユーザは操作ボタンを操作することにより、各種の設定や、後述する任意の文字列の入力などを行うことができる。
記憶部34は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリを用いて各種のプログラムやデータを記憶する装置である。
ネットワークインタフェース35は、通信ネットワーク4を介してPC2などの外部の装置と通信可能に接続されている。
【0031】
制御部31と操作部33とは受付部及び設定部の一例である。また、制御部31とネットワークインタフェース35とは送信部及び受信部の一例である。また、制御部31と印刷部32とは実行部の一例である。また、制御部31は加算部及び減算部の一例である。
【0032】
(4)プリンタの状態
プリンタ3の状態としては種々の状態があり、また、プリンタ3の機種によっても取り得る状態は異なるが、本実施形態では「Ready」状態、「Not Ready」状態、及び、「検索」状態の3つの状態を例に説明する。
【0033】
「Ready」状態は、プリンタ3が印刷可能な状態である。
「Not Ready」状態は、プリンタ3の保守作業を行うための開口を開閉するカバーが開いている、トナーカートリッジが装着されていない、トナーの残量が下限量以下である、用紙トレイに印刷用紙がセットされていない、用紙ジャムが発生しているなど、プリンタ3が印刷不可能な状態である。なお、プリンタ3が印刷不可能な状態であれば「Not Ready」状態はこれらの場合に限られない。
【0034】
「検索」状態は、プリンタ3の論理的な状態であり、プリンタ3が検索対象に設定されている状態である。詳しくは後述するが、ユーザはプリンタ3の操作部33を操作してそのプリンタ3を「検索」状態に設定することができる。
【0035】
上述した「Ready」状態と「検索」状態とは同時に起こり得る。同様に「Not Ready」状態と「検索」状態とは同時に起こり得る。本実施形態ではこれらの状態が同時に起きている場合は「検索」状態を優先してプリンタ3の状態とするものとする。
【0036】
なお、プリンタ3の状態は、例えばプリンタ3が印刷中であるか否かによって状態を分けてもよいし、着脱可能なメモリがプリンタ3に装着されているか否かによって状態を分けてもよい。プリンタ3の状態をどのように細分化して区別するかは適宜に選択可能である。
【0037】
(5)ユニバーサルプリンタドライバを用いた印刷の流れ
図4は、ユニバーサルプリンタドライバ30を用いた印刷の流れを示す模式図である。印刷画面41はアプリケーション29を実行しているCPU21(以下、単に「アプリケーション29」という)によって表示される画面である。なお、図4に示す印刷画面41は一例であり、表示内容やレイアウトはアプリケーション29によって異なる。
【0038】
印刷画面41には、印刷を実行させるプリンタ3を選択するための選択欄、印刷部数及び印刷ページを設定する設定欄、及び選択欄のプリンタ3の詳細な設定を行うための[プロパティ]ボタン41a、印刷の開始を指示する[OK]ボタン41b、及び、印刷の中止を指示する[キャンセル]ボタンが表示される。ユーザは選択欄から印刷を実行させるプリンタ3を指定することができる。なお、ユニバーサルプリンタドライバ30は特定の1機種のプリンタ3に対応するものではないので、ユニバーサルプリンタドライバ30を用いて印刷を実行する場合は、ユーザはプリンタ3ではなくユニバーサルプリンタドライバ30を直接指定する。
【0039】
ユニバーサルプリンタドライバ30が指定されている状態でユーザが[プロパティ]ボタン41aをクリックすると、アプリケーション29からユニバーサルプリンタドライバ30が呼び出される。
アプリケーション29からユニバーサルプリンタドライバ30が呼び出されると、CPU21はユニバーサルプリンタドライバ30を実行し、プリンタ選択画面42を表示する。以降の説明ではユニバーサルプリンタドライバ30を実行しているCPU21のことを単にユニバーサルプリンタドライバ30という。
【0040】
図5は、プリンタ選択画面42の一例を示す模式図である。図示するようにプリンタ選択画面42は「お気に入り」タブ42aと「利用可能プリンタ一覧」タブ42bとで構成されている。プリンタ選択画面42が表示された直後は「お気に入り」タブ42aが初期表示される。
【0041】
「お気に入り」タブ42aは、過去に「利用可能プリンタ一覧」タブ42bで選択されたことのあるプリンタ3の識別子が一覧表示されるタブである。「お気に入り」タブ42aでユーザが目的のプリンタ3の識別子をマウスでクリックすると、選択した識別子の背景色が変化することにより、その識別子が選択状態になる。
図中のプリンタ名及びIPアドレスは識別子の一例である。なお、識別子はプリンタ名及びIPアドレスのいずれか一方のみであってもよい。また、識別子はプリンタ3を識別できる情報であればプリンタ名やIPアドレスに限られない。
【0042】
「利用可能プリンタ一覧」タブ42bは、過去に選択されたことのあるプリンタ3であるか否かによらず、PC2と同じサブネットに接続されているプリンタ3のうち利用可能なプリンタ3の識別子が一覧表示されるタブである。「利用可能プリンタ一覧」タブ42bがユーザによりクリックされると、ユニバーサルプリンタドライバ30はPC2と同じサブネットに接続されているプリンタ3を検索し、制御可能なプリンタ3の識別子を「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに一覧表示する。
【0043】
「利用可能プリンタ一覧」タブ42bにおいて、ユーザは二つの方法によって目的のプリンタ3の選択を行うことができる。一つはマウスで識別子をクリックすることによって選択する方法であり、もう一つは目的のプリンタ3においてそのプリンタ3の状態を変更した後、プリンタ選択画面42の「再度検索を実行」ボタン42cをクリックすることによって選択する方法(以下、単に「再検索することによって選択する方法」という)である。後者の方法についての説明は後述する。
【0044】
「お気に入り」タブ42a、又は、「利用可能プリンタ一覧」タブ42bにおいて、識別子が選択状態にされている状態で、ユーザが[選択したプリンタで印刷]ボタン42dをクリックすると、選択状態にされている識別子に対応するプリンタ3がユニバーサルプリンタドライバ30の制御対象のプリンタ3として設定される。そして、プリンタ選択画面42が閉じ、図4に示す印刷条件設定画面45が表示される。
【0045】
ここで、プリンタ選択画面42では、ユーザは「お気に入り」タブ42a、及び、「利用可能プリンタ一覧」タブ42bのどちらのタブにおいても、識別子が選択状態にされている状態で[選択したプリンタを登録]ボタン42eをクリックすることにより、選択状態にされている識別子に対応するプリンタ3をOS28に登録することができる。プリンタ3がOS28に登録されると、印刷画面41においてそのプリンタ3を直接指定してそのプリンタ3に印刷を実行させることが可能になる。
【0046】
図4に戻り、印刷条件設定画面45は、印刷条件を設定するための画面である。印刷条件設定画面45でユーザが[OK]ボタン45aをクリックすると、印刷条件設定画面45が閉じて印刷画面41に戻る。
印刷画面41でユーザが[OK]ボタン41bをクリックすると、アプリケーション29からOS28を介してユニバーサルプリンタドライバ30に印刷命令が出力される。
【0047】
ユニバーサルプリンタドライバ30は、アプリケーション29から印刷命令が出力されると、出力された印刷命令と印刷条件設定画面45で設定された印刷条件とに基づいて印刷データを生成し、生成した印刷データを、制御対象として設定されているプリンタ3に送信して印刷を実行させる。印刷データは画像処理ジョブの一例である。
【0048】
(6)「再検索することによって選択する方法」の流れ
前述したようにユーザは「利用可能プリンタ一覧」タブ42bにおいて目的のプリンタ3の識別子をクリックすることによってその識別子を選択状態にすることができるが、これはユーザが目的のプリンタ3の識別子を把握していることが前提である。本実施形態では、ユーザが目的のプリンタ3の識別子を把握していない場合は、「再検索することによって選択する方法」によって目的のプリンタ3の識別子を選択することができる。
図6は、「再検索することによって選択する方法」によって目的のプリンタ3の識別子を選択する再検索処理の流れを示すフローチャートである。ここではユーザが「利用可能プリンタ一覧」タブ42bをクリックしたところから説明を始める。
【0049】
(6−1)再検索処理の前半
ここでは先ず、再検索処理の前半(S101〜S103)について説明する。
S101では、ユニバーサルプリンタドライバ30はPC2と同じサブネットに接続されているプリンタ3を検索する。具体的には、ユニバーサルプリンタドライバ30はPC2と同じサブネットに接続されている各プリンタ3に、そのプリンタ3のIPアドレスやプリンタ名などのプリンタ情報、そのプリンタ3の状態を示す状態情報、及び後述する任意の文字列を要求するデータをブロードキャストによって送信する。そして、ユニバーサルプリンタドライバ30はその返答としてプリンタ3から各種情報を取得する。
PC2と同じサブネットに接続されているプリンタ3を検索して各プリンタ3から状態情報と任意の文字列とを受信する処理は、第1の確認処理及び取得処理の一例である。
【0050】
S102では、ユニバーサルプリンタドライバ30はS101の検索結果を1回目の検索結果としてRAM23に記憶する。
この検索結果には、検索された各プリンタ3のプリンタ情報、状態情報、ユーザがそのプリンタ3に入力した任意の文字列が含まれる。状態情報には、プリンタ3の状態を示す情報と、後述する参照カウンタの値とが含まれる。
【0051】
S103では、ユニバーサルプリンタドライバ30は検索したプリンタ3の識別子を「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに一覧表示する。具体的には、ユニバーサルプリンタドライバ30は、S101でプリンタ3から取得した情報に基づいて制御可能であると判断したプリンタ3の識別子を一覧表示する。
【0052】
(6−2)状態設定・文字列入力処理
上述したS103でプリンタ3の識別子が「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに一覧表示されると、ユーザはユニバーサルドライバ30の操作を中断して目的のプリンタ3の設置場所まで行き、そのプリンタ3を直接操作して状態を変更する。
例えば、目的のプリンタ3の状態が「Ready」状態である場合は、ユーザはカバーを開くなどによってプリンタ3の状態を「Not Ready」状態に変更してもよい。一方、カバーが開いていることによって目的のプリンタ3の状態が「Not Ready」状態である場合は、ユーザはカバーを閉じることによって「Ready」状態に変更してもよい。
【0053】
また、例えば、目的のプリンタ3が通信可能な状態である場合は、ユーザはプリンタ3の電源を遮断したり、通信ケーブルを外したりすることによって目的のプリンタ3を通信不能な状態に変更してもよい。一方、目的のプリンタ3が通信不能な状態である場合は、ユーザはプリンタ3に電源を投入したり、通信ケーブルを接続したりすることによって目的のプリンタ3を通信可能な状態に変更してもよい。
【0054】
また、上述した状態の変更はプリンタ3の状態を物理的に変更するものであるが、ユーザはプリンタ3の状態を論理的に変更することもできる。プリンタ3の状態を論理的に変更する処理の詳細については後述する。
【0055】
また、プリンタ3の状態の変更とは別に、プリンタ3の機種によっては、ユーザがプリンタ3の操作部33を操作して任意の文字列を入力できる。任意の文字列は再検索されたプリンタ3の識別子が一覧表示されたときにユーザが目的のプリンタ3の識別子をより把握し易くするために入力されるものであり、詳細については後述する。任意の文字列は任意の情報の一例である。
【0056】
図7は、ユーザがプリンタ3の状態を論理的に変更するとき、又は、ユーザがプリンタ3に任意の文字列を入力するときにプリンタ3で実行される状態設定・文字列入力処理の流れを示すフローチャートである。本処理はユーザがプリンタ3の操作部33で状態設定・文字列入力処理の実行を指示すると開始される。
【0057】
S201では、CPU31aは、自身が、ユーザが任意の文字列を入力するための機能を備えている機種であるか否かを判定し、当該機能を備えている機種である場合はS202に進み、備えていない機種である場合はS204に進む。
S202では、CPU31aは任意の文字列を入力するか否かをユーザが選択するための画面を操作部33の表示装置に表示し、任意の文字列を入力する選択がされた場合はS203に進み、任意の文字列を入力しない選択がされた場合はS204に進む。
【0058】
S203では、CPU31aはユーザが任意の文字列を入力するための画面を操作部33に表示して任意の文字列の入力を受け付け、入力された文字列を記憶部34に記憶させる。
S204では、CPU31aは、自身が、ユーザがプリンタ3の状態を「検索」状態に設定するための機能を備えている機種であるか否かを判定し、当該機能を備えている機種である場合はS205に進み、備えていない機種である場合はS206に進む。
【0059】
S205では、CPU31aはプリンタ3の状態を「検索」状態に設定するか否かを選択するための画面を操作部33に表示し、「検索」状態に設定する選択がされなかった場合はS206に進み、「検索」状態に設定する選択がされた場合はS207に進む。
「検索」状態は特定の状態の一例であり、プリンタ3の状態を「検索」状態に設定するか否かの選択を受け付ける処理は設定指示の入力をユーザから受け付ける処理の一例である。
【0060】
S206では、CPU31aはPC2から状態情報が要求されたときに実際のプリンタ3の状態とは異なる状態に偽装するように設定する。
例えば実際の状態が「Ready」状態であるとすると、PC2から状態情報が要求されたとき、例えば「Not Ready」状態を示す状態情報が返信される。ただし、偽装するのは1回の設定につき1回のみとする。
【0061】
S207では、CPU31aはプリンタ3の状態を「検索」状態に設定する。
S208では、CPU31aはユーザがPC2にログインしたときのユーザIDの入力を受け付ける画面を表示し、入力されたユーザIDを記憶部34に記憶させる。
ユーザIDの入力は、ユーザが操作部33を操作して入力してもよいし、ユーザIDが記憶されているカードからそのユーザIDを読み取ることによって入力してもよい。
【0062】
(6−3)再検索処理の後半
図6に戻り、再検索処理の後半(S104〜S111)について説明する。「再検索することによって選択する方法」によって識別子を選択する場合は、ユーザはプリンタ3の状態を変更した後、PC2に戻り、プリンタ選択画面42の「再度検索を実行」ボタン42cをクリックする。
プリンタ選択画面42において「再度検索を実行」ボタン42cのクリックを受け付ける処理は確認指示をユーザから受け付ける第1の受付処理の一例である
【0063】
S104では、ユニバーサルプリンタドライバ30はプリンタ選択画面42でいずれかのボタンがクリックされるまで待機する。そして、ユニバーサルプリンタドライバ30は、いずれかのボタンがクリックされると、クリックされたボタンが「再度検索を実行」ボタン42cであるか否かを判定し、クリックされたボタンが「再度検索を実行」ボタン42cである場合はS105に進み、それ以外のボタンである場合はそのボタンに対応する処理を実行して処理を終了する。
【0064】
S105では、ユニバーサルプリンタドライバ30はPC2と同じサブネットに接続されているプリンタ3を再検索する。
「再度検索を実行」ボタン42cがクリックされてプリンタ3を再検索する処理は第2の確認処理及び取得処理の一例である。
【0065】
S106では、ユニバーサルプリンタドライバ30はS105の検索結果を2回目の検索結果としてRAM23に記憶する。
S107では、ユニバーサルプリンタドライバ30は以下に説明する「検索結果の差分」画面43を表示し、1回目の検索結果と2回目の検索結果との差分を表示する。
【0066】
図8は、「検索結果の差分」画面43の一例を示す模式図である。「検索結果の差分」画面43には、1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3毎に、そのプリンタ3のプリンタ名が表示されるとともに、1回目の検索結果と2回目の検索結果とを示す表43aが表示される。表43aにはプリンタ3のIPアドレス、プリンタ3の状態、及び、文字列情報が表示される。
【0067】
図中においてプリンタ名「MFC−xxxx」によって識別されるプリンタ3の1回目の検索結果は「取得不可」とされている。これは、当該プリンタ3が1回目の検索において通信不能であったことを示している。ユニバーサルプリンタドライバ30は、1回目の検索、又は、2回目の検索のいずれか一方においては通信でき、いずれか他方においては通信できなかったプリンタ3については、1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3として、「検索結果の差分」画面43に表示する。その場合、通信不可能であったときの検索結果は「取得不可」となる。
【0068】
また、図中においてプリンタ名「DCP−xxxx」によって識別されるプリンタ3の2回目の検索における状態は「検索」状態である。プリンタ3の状態が「検索」状態である場合は、プリンタ3の状態に「検索」状態が表示されるとともに、参照カウンタの値も表示される。詳しくは後述するが、参照カウンタは複数のユーザが同じプリンタ3に「検索」状態を設定した場合に不都合が生じないようにするために、プリンタ3に「検索」状態が設定された回数をカウントする変数である。プリンタ3の状態が「検索」状態であっても参照カウンタの値が異なる場合は異なる状態であると判定される。
【0069】
また、同じくプリンタ名「DCP−xxxx」によって識別されるプリンタ3において文字列情報に表示されている文字列「User1」は、前述した状態設定・文字列入力処理でユーザが入力した任意の文字列である。
【0070】
図示する例の「検索結果の差分」画面43では、1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3が3つある場合を示している。「検索結果の差分」画面43に複数のプリンタ3の識別子が表示された場合は、表43aの情報から目的のプリンタ3を識別できる場合と、表43aの情報から目的のプリンタ3を識別できない場合とがある。
【0071】
図8に示す例では、1回目の検索と2回目の検索とで各プリンタ3の状態変化の仕方が異なる。ユーザは目的のプリンタ3において自身が変更する前の状態と自身が変更した後の状態とを把握しているはずであるので、目的のプリンタ3の状態の変化の仕方に合致しているプリンタ3が目的のプリンタ3であると判断できる。
【0072】
あるいは、ユーザが目的のプリンタ3に「User1」という文字列を入力していた場合には、「User1」という文字列が表示されているプリンタ3は1台だけであるので、その識別子が目的のプリンタ3の識別子であると判断できる。
【0073】
ユーザは、目的のプリンタ3の識別子の左に表示されているラジオボタンをクリックすることによってその識別子を選択された状態にする。この処理は選択処理の一例である。なお、「検索結果の差分」画面43に表示されたプリンタ3が1台のみである場合は、そのプリンタ3の識別子がユニバーサルプリンタドライバ30によって自動的に選択されて印刷条件設定画面45に進んでもよい。
【0074】
一方、図9に示す例では、1回目の検索と2回目の検索とで各プリンタ3の状態の変化の仕方が同じであり、且つ、文字列情報が表示されていない。このため、ユーザはいずれが目的のプリンタ3であるかを判断できない。この場合には、ユーザは「検索結果の差分」画面43で「再度検索を実行」ボタン43bをクリックする。
「検索結果の差分」画面43において「再度検索を実行」ボタン43bのクリックを受け付ける処理は確認指示をユーザから受け付ける第2の受付処理の一例である。
【0075】
図6に戻り、S108では、ユニバーサルプリンタドライバ30は「検索結果の差分」画面43でいずれかのボタンがクリックされるまで待機する。そして、ユニバーサルプリンタドライバ30は、いずれかのボタンがクリックされると、クリックされたボタンが「再度検索を実行」ボタン43bであるか否かを判定し、クリックされたボタンが「再度検索を実行」ボタン43bである場合はS109に進み、それ以外のボタンである場合はそのボタンに対応する処理を実行して処理を終了する。
【0076】
S109では、ユニバーサルプリンタドライバ30はPC2と同じサブネットに接続されているプリンタ3を再検索する。
「再度検索を実行」ボタン43bがクリックされてプリンタ3を再検索する処理は第3の確認処理及び取得処理の一例である。
【0077】
S110では、ユニバーサルプリンタドライバ30はS109で検索された状態を3回目の検索結果としてRAM23に記憶する。
S111では、ユニバーサルプリンタドライバ30は以下に説明する「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44を表示し、2回目と3回目の検索結果が一致するプリンタ3を表示する。
【0078】
図10は、「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44の一例を示す模式図である。「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44には、1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3であって、且つ、2回目に検索されたときの状態と3回目に検索されたときの状態とが同じであるプリンタ3のプリンタ名と、1回目と2回目の差分、及び、2回目と3回目の差分を示す表44aとが表示される。図示するように、1回目と2回目の差分には、1回目に検索されたときの状態から2回目に検索されたときの状態への変化の仕方が表示され、2回目と3回目の差分には、2回目に検索されたときの状態から3回目に検索されたときの状態への変化の仕方が表示される。
【0079】
「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44は、次のような状況を想定したものである。
2回目の検索の前にユーザは目的のプリンタ3の状態を「Ready」状態から「Not Ready」状態に変更したとする。
【0080】
そして、別のプリンタ3の状態も、他のユーザの操作などによって、目的のプリンタ3と同じタイミングで同様に状態が変化したとする。この場合、ユーザは別のプリンタ3のカバーが閉じられるなどによって別のプリンタ3の状態が「Ready」状態に戻されることを期待して、目的のプリンタ3の状態は変更させずに3回目の検索を行う。その結果、別のプリンタ3の状態が「Ready」状態に戻されていれば、目的のプリンタ3の識別子が表示され、別のプリンタ3の識別子は表示されないことになる。これにより、ユーザは目的のプリンタ3の識別子を選択することができる。
【0081】
以上が、ユーザがプリンタ選択画面42で「再度検索を実行」ボタン42cをクリックした場合の印刷の流れである。上述した「検索結果の差分」画面43、及び、「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44で[選択したプリンタで印刷]ボタン43c、44bや、[選択したプリンタを登録]ボタン43d、44cがクリックされた場合の処理は前述したプリンタ選択画面42の場合と同じであるので説明は省略する。
【0082】
(6−4)参照カウンタ
前述したように、参照カウンタは、プリンタ3が「検索」状態に設定された回数をカウントするための変数である。ここでは先ず、参照カウンタを用いない場合に生じる不都合について説明する。
【0083】
例えば、ユーザAが1回目の検索の後にプリンタ3の状態を「検索」状態に設定して2回目の検索を行ったとする。この場合に、プリンタ3の状態が「検索」状態に設定されていることを知らないユーザBが、ユーザAがプリンタ3の状態を「検索」状態に設定した後に1回目の検索を行ったとすると、ユーザBの1回目の検索ではそのプリンタ3の状態は「検索」状態となる。
【0084】
その後にユーザBがプリンタ3の状態を「検索」状態に設定して2回目の検索を行ったとすると、そのプリンタ3の状態は1回目の検索のときも2回目の検索のときも「検索」状態となり、1回目と2回目とで状態が異ならないため、そのプリンタ3の識別子が「検索結果の差分」画面43に表示されないことになってしまう。
そこで、本実施形態では参照カウンタを用いることによってこのような不都合が生じないようにする。
【0085】
図11は、参照カウンタの値の変更を説明するためのシーケンスチャートである。
ここでは参照カウンタの初期値は0(零)であるものとする。参照カウンタの値が0のときは「検索」状態に設定されていないことを意味しており、このときにPC2によって検索された場合は「検索」状態であることを示す状態情報は返信されない。
【0086】
一方、参照カウンタの値が1以上のときは「検索」状態に設定されていることを意味しており、このときにPC2によって検索された場合は状態情報として「検索」状態であることを示す情報と参照カウンタの値とが返信される。
【0087】
S301では、ユーザAはプリンタ3を操作してプリンタ3の状態を「検索」状態に設定する。
S302では、プリンタ3は「参照カウンタ」に1を加算する。このときの参照カウンタの値は「1」である。
S303では、ユーザAは自身のPC2(以下「PC2A」という)で「利用可能プリンタ一覧」タブ42bをクリックして1回目の検索を行う。
【0088】
S304では、プリンタ3は参照カウンタの値を取得する。
S305では、プリンタ3は状態情報として「検索(参照カウンタ値:1)」を返信する。
S306では、ユーザAは再度プリンタ3を操作してプリンタ3の状態を「検索」状態に設定する。
【0089】
S307では、プリンタ3は「参照カウンタ」に1を加算する。このときの参照カウンタの値は「2」である。
S308では、ユーザAはPC2Aで「再検索」ボタンをクリックして2回目の検索を行う。
S309では、プリンタ3は参照カウンタの値を取得する。
【0090】
S310では、プリンタ3は状態情報として「検索(参照カウンタ値:2)」を返信する。
S311では、ユーザBはプリンタ3を操作してプリンタ3の状態を「検索」状態に設定する。
S312では、プリンタ3は「参照カウンタ」に1を加算する。このときの参照カウンタの値は「3」である。
【0091】
S313では、ユーザBは自身のPC2(以下「PC2B」という)で「利用可能プリンタ一覧」タブ42bをクリックして1回目の検索を行う。
S314では、プリンタ3は参照カウンタの値を取得する。
S315では、プリンタ3は状態情報として「検索(参照カウンタ値:3)」を返信する。
【0092】
S316では、ユーザBは再度プリンタ3を操作してプリンタ3の状態を「検索」状態に設定する。
S317では、プリンタ3は「参照カウンタ」に1を加算する。このときの参照カウンタの値は「4」である。
【0093】
S318では、ユーザAはPC2Aからプリンタ3に印刷データを送信する。この印刷データには、ユーザAがPC2AにログインしたときのユーザIDが付加されているものとする。
PC2がプリンタ3にユーザIDが付加されている印刷データを送信する処理は送信処理の一例である。
【0094】
S319では、プリンタ3はその印刷データが、プリンタ3の状態を「検索」状態に設定したユーザからの印刷データであるか否かを判定する。プリンタ3の状態を「検索」状態に設定したユーザからの印刷データであるか否かは、PC2から送信された印刷データに付加されているユーザと、前述した状態設定・文字列入力処理のS208で入力されて記憶部34に記憶されているユーザIDとが一致するか否かによって判定することができる。
プリンタ3の状態を「検索」状態に設定したユーザからの印刷データである場合は、プリンタ3は参照カウンタから2を減じるとともに、そのユーザIDを記憶部34から削除する。参照カウンタから2を減じることは、設定指示を入力したユーザによって特定の状態に設定された回数を減算する一例である。
【0095】
S320では、ユーザBはPC2Bで「再検索」ボタンをクリックして2回目の検索を行う。
S321では、プリンタ3は参照カウンタの値を取得する。
S322では、プリンタ3は状態情報として「検索(参照カウンタ値:2)」を返信する。
【0096】
S323では、ユーザBはPC2Bからプリンタ3に印刷データを送信する。
S324では、プリンタ3はその印刷データが、プリンタ3の状態を「検索」状態に設定したユーザからの印刷データであるか否かを判定し、「検索」状態に設定したユーザからの印刷データである場合は参照カウンタから2を減じるとともに、そのユーザIDを記憶部34から削除する。このときの参照カウンタの値は「0」である。
【0097】
上述したシーケンスチャートにおいて、S315ではPC2Bに状態情報として「検索(参照カウンタ値:3)」が返信されるのに対し、S322ではPC2Bに状態情報として「検索(参照カウンタ値:2)」が返信される。参照カウンタの値が異なる場合は異なる状態であると判断されるので、PC2Bの「検索結果の差分」画面43においてそのプリンタ3の識別子が1回目の状態と2回目の状態とが異なるプリンタ3の識別子として表示されることになる。
【0098】
(7)実施形態の効果
例えば、普段図1に示すサブネットN1にPC2を接続して作業しているユーザが、サブネットN2が敷設されている場所にPC2を持って移動し、移動先でPC2をサブネットN2に接続したとする。そして、ユーザはサブネットN2に接続されているプリンタ3fに印刷を行わせたいとする。
この場合、ユーザは普段サブネットN1に接続されているプリンタ3を利用していることから、サブネットN2に接続されているプリンタ3のプリンタ名やIPアドレスが「利用可能プリンタ一覧」タブ42bに一覧表示されても、どれがプリンタ3fのプリンタ名やIPアドレスであるか判らないこともある。
【0099】
このような場合、実施形態1に係るユニバーサルプリンタドライバ30によると、1回目の検索と2回目の検索とで状態が異なるプリンタ3の識別子を選択可能に表示する。よって、ユーザは目的のプリンタ3の識別子を把握していなくても、PC2において1以上のプリンタ3の中から目的のプリンタ3をより確実に選択できる。これにより、ユーザは目的のプリンタ3の識別子を自身で調べる必要がなく、ユーザの利便性が向上する。
【0100】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30は、電源を遮断したり通信回線を外したりすることによって状態を変化させたプリンタ3の識別子を選択可能に表示する。よって、ユーザがプリンタ3の状態を変更するための特別な構成を備えていないプリンタ3も選択の対象とすることができる。
【0101】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30は、1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3の識別子を「検索結果の差分」画面43に選択可能に一覧表示するので、1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3が複数あってもプリンタ3を選択できる。
【0102】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30は、プリンタ3の識別子毎に、当該識別子によって識別されるプリンタ3について1回目に検索されたときの状態を示す状態情報と2回目に検索されたときの状態を示す状態情報とを対応付けて表示する。よって、ユーザは1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが目的のプリンタ3の状態変化に合致している識別子を選択することにより、目的のプリンタ3を容易に選択できる。
【0103】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30は、ユーザがプリンタ3に入力した任意の文字列を表示する。よって、ユーザは目的のプリンタ3に入力した文字列が対応付けられている識別子を選択することにより、1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3が複数ある場合においても目的のプリンタ3を容易に選択できる。
【0104】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30は、1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3が複数ある場合には、3回目の検索を行うことにより、目的のプリンタ3を選択できる。
【0105】
更に、ユニバーサルプリンタドライバ30によると、印刷データにユーザIDを付加して送信する。よって、プリンタ3においてそのユーザIDで識別されるユーザによって「検索」状態に設定された回数を参照カウンタから減じることにより、複数のユーザが同じプリンタ3に「検索」状態を設定した場合に不都合が生じないようにすることができる。
【0106】
また、実施形態1に係るプリンタ3によると、ユーザによる任意の文字列の入力を受け付けて記憶しておき、PC2から当該プリンタ3の状態を示す状態情報の送信を要求されると、当該プリンタ3の状態情報と記憶部34に記憶されている文字列とをPC2に送信する。よって、ユニバーサルドライバ30が「検索結果の差分」画面43においてプリンタ3の識別子とユーザがプリンタ3に入力した文字列とを対応付けて表示することにより、ユーザが目的のプリンタ3の識別子を把握し易くなる。
【0107】
更に、プリンタ3によると、「検索」状態に設定された回数を参照カウンタによってカウントするので、複数のユーザが同じプリンタ3に「検索」状態を設定した場合に不都合が生じないようにすることができる。
【0108】
更に、プリンタ3によると、ユーザは当該プリンタ3の状態を実際の状態とは異なる状態に偽装するように設定することにより、目的のプリンタ3の状態を実際に変更しなくても、1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とを異ならせることができる。
【0109】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を説明する。
実施形態2は、実施形態1の「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44の変形例である。
【0110】
実施形態1では「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44に1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3であって、且つ、2回目に検索されたときの状態と3回目に検索されたときの状態とが同じであるプリンタ3の識別子が表示される場合を例に説明した。実施形態2では、「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44に1回目に検索されたときの状態と2回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3であって、且つ、2回目に検索されたときの状態と3回目に検索されたときの状態とが異なるプリンタ3の識別子が表示される。
【0111】
実施形態2によると、3回目の検索の前にユーザが目的のプリンタ3の状態を変更することにより、別のプリンタ3の状態が変更されない場合であっても目的のプリンタ3の識別子を表示できる。
実施形態2に係るユニバーサルプリンタドライバ30はその他の点において実施形態1と実質的に同一である。
【0112】
なお、実施形態1のように「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44を表示するか、実施形態2のように表示するかをユーザが選択できるようにしてもよい。
【0113】
このようにすれば、ユーザが検索の前に目的のプリンタ3の状態を変化させるか否かに応じて、目的のプリンタ3をより確実に選択できる。
【0114】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0115】
(1)上記実施形態では検索を繰り返す回数が最大で3回であるが、この回数は適宜に設定可能であり、検索を4回以上繰り返すようにしてもよい。
逆に、最大で2回まで検索を繰り返すようにしてもよい。つまり、「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面44を表示しないようにしてもよい。
【0116】
(2)上記実施形態ではプリンタ3の状態を「検索」状態に設定するとき、1回目の検索の前と、1回目の検索の後、2回目の検索の前との2回設定する場合を例に説明したが、1回目の検索の前には設定せず、1回目の検索の後、2回目の検索の前のみ設定してもよい。ただし、1回目の検索の後、2回目の検索の前のみ「検索」状態に設定するようにすると不都合が生じる場合もあるので、その場合はユーザ毎に参照カウンタの値を記憶するようにしてもよい。
【0117】
また、上記実施形態ではプリンタ3の状態を「検索」状態に設定するときS208においてユーザIDを取得しているが、ユーザIDを取得しないようにしてもよい。この場合は、PC2のユーザがプリンタ3に印刷データを送信するときに、プリンタ3の状態を「検索」状態に設定したユーザであるか否かを指定させ、「検索」状態に設定したユーザである場合は参照カウンタから2を減じるようにしてもよい。
【0118】
(3)上記実施形態では1回目の検索の後、2回目の検索の前にユーザがプリンタ3の状態を変更する場合を例に説明したが、ユーザは例えば1回目の検索の前にプリンタ3の状態を変更し、1回目の検索の後、2回目の検索の前にプリンタ3の状態を元に戻してもよい。
【0119】
(4)上記実施形態では画像処理装置としてプリンタ3を例に説明したが、画像処理装置は、例えば原稿を読み取って画像データを生成し、生成した画像データをPC2に送信するスキャナであってもよいし、PC2から送信された画像データを外部のファクシミリ装置にファクシミリ送信するファクシミリ装置であってもよい。
【0120】
(5)ユニバーサルドライバ30は、複数のインタフェースにそれぞれプリンタ3が接続されている場合、各プリンタ3を同時に検索できるような構成であってもよい。例えば、コンピュータ2にLANのインタフェースとUSB(Universal Serial Bus)インタフェースとが備えられており、それぞれのインタフェースにプリンタ3が接続されているとする。この場合、ユニバーサルドライバ30は、LANに接続されているプリンタと、USBに接続されているプリンタとを同時に検索するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0121】
1・・・印刷システム、2・・・コンピュータ、3・・・プリンタ、4・・・通信ネットワーク、21・・・CPU、22・・・ROM、23・・・RAM、24・・・表示部、25・・・操作部、26・・・ネットワークインタフェース、27・・・記憶部、30・・・ユニバーサルプリンタドライバ、31・・・制御部、32・・・印刷部、33・・・操作部、34・・・記憶部、35・・・ネットワークインタフェース、41・・・印刷画面、42・・・プリンタ選択画面、43・・・「検索結果の差分」画面、44・・・「2回目と3回目の検索結果が一致するモデル」画面、45・・・印刷条件設定画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の画像処理装置と通信可能に接続されているコンピュータに、
各前記画像処理装置の状態を確認する第1の確認処理と、
前記第1の確認処理によって状態が確認された後に、各前記画像処理装置の状態を再確認するための確認指示をユーザから受け付ける第1の受付処理と、
前記第1の受付処理によって前記確認指示が受け付けられると、各前記画像処理装置の状態を確認する第2の確認処理と、
前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置を選択する選択処理と、
を実行させる選択プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の選択プログラムであって、
前記第1の確認処理、及び、前記第2の確認処理のいずれか一方においては状態を確認でき、いずれか他方においては確認できなかった前記画像処理装置については、前記選択処理において、前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置として選択する、選択プログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の選択プログラムであって、
前記選択処理において、前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置の識別子を前記コンピュータの表示部に一覧表示し、一覧表示した前記識別子の中からユーザによる前記識別子の選択を受け付け、ユーザによって選択された前記識別子によって識別される前記画像処理装置を選択する、選択プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載の選択プログラムであって、
前記選択処理において、前記識別子毎に、当該識別子によって識別される前記画像処理装置について前記第1の確認処理で確認された状態を示す状態情報と前記第2の確認処理で確認された状態を示す状態情報とを対応付けて表示する、選択プログラム。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の選択プログラムであって、
前記画像処理装置はユーザによる任意の情報の入力を受け付けるものであり、
当該選択プログラムは前記画像処理装置から前記情報を取得する取得処理を前記コンピュータに実行させ、
前記選択処理において、前記識別子毎に、当該識別子によって識別される前記画像処理装置から取得された前記情報を対応付けて表示する、選択プログラム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の選択プログラムであって、
前記第2の確認処理によって状態が確認された後に、各前記画像処理装置の状態を再確認するための確認指示をユーザから受け付ける第2の受付処理と、
前記第2の受付処理によって前記確認指示が受け付けられると、各前記画像処理装置の状態を確認する第3の確認処理と、
を前記コンピュータに実行させ、
前記選択処理において、前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置であって、且つ、前記第2の確認処理で確認された状態と前記第3の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置を選択する、選択プログラム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の選択プログラムであって、
前記第2の確認処理によって状態が確認された後に、各前記画像処理装置の状態を再確認するための確認指示をユーザから受け付ける第2の受付処理と、
前記第2の受付処理によって前記確認指示が受け付けられると、各前記画像処理装置の状態を確認する第3の確認処理と、
を前記コンピュータに実行させ、
前記選択処理において、前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置であって、且つ、前記第2の確認処理で確認された状態と前記第3の確認処理で確認された状態とが同じ前記画像処理装置を選択する、選択プログラム。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の選択プログラムであって、
前記画像処理装置は当該画像処理装置の状態を特定の状態に設定する設定指示の入力をユーザから受け付けるものであり、
当該選択プログラムは、前記画像処理装置に画像処理ジョブを送信する送信処理であって、前記画像処理装置に前記設定指示を入力したユーザによって送信された画像処理ジョブであるか否かを識別可能な前記画像処理ジョブを送信する送信処理を前記コンピュータに実行させる、画像処理装置。
【請求項9】
コンピュータと通信可能に接続されている画像処理装置であって、
ユーザによる任意の情報の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部で受け付けた前記情報を記憶しておく記憶部と、
前記コンピュータから当該画像処理装置の状態を示す状態情報の送信を要求されると、当該画像処理装置の前記状態情報と前記記憶部に記憶されている前記情報とを送信する送信部と、
前記コンピュータから画像処理ジョブを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブを実行する実行部と、
を備える画像処理装置。
【請求項10】
コンピュータと通信可能に接続されている画像処理装置であって、
当該画像処理装置の状態を特定の状態に設定する設定指示の入力をユーザから受け付ける受付部と、
前記受付部によって前記設定指示が入力されると、前記設定指示が受け付けられた回数に1を加算する加算部と、
前記コンピュータから当該画像処理装置の状態を示す状態情報の送信を要求されると、前記回数が1以上である場合は前記特定の状態であることを示す情報と前記回数とを前記状態情報として送信する送信部と、
前記コンピュータから、前記設定指示を入力したユーザによって送信された画像処理ジョブであるか否かを識別可能な画像処理ジョブを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブを実行する実行部と、
前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブが前記設定指示を入力したユーザによって送信された画像処理ジョブである場合に、前記回数から前記設定指示を入力したユーザによって前記特定の状態に設定された回数を減算する減算部と、
を備える画像処理装置。
【請求項11】
コンピュータと通信可能に接続されている画像処理装置であって、
当該画像処理装置の状態を実際の状態とは異なる状態に偽装するように設定する設定部と、
前記コンピュータから当該画像処理装置の状態を示す状態情報の送信を要求されると、前記設定部によって偽装するように設定されていない場合は実際の状態を示す状態情報を送信し、偽装するように設定されている場合は実際の状態とは異なる状態を示す状態情報を送信する送信部と、
前記コンピュータから画像処理ジョブを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブを実行する実行部と、
を備える画像処理装置。
【請求項12】
1以上の画像処理装置と通信可能に接続されているコンピュータであって、
各前記画像処理装置の状態を確認する第1の確認部と、
前記第1の確認部によって状態が確認された後に、各前記画像処理装置の状態を再確認するための確認指示をユーザから受け付ける第1の受付部と、
前記第1の受付部によって前記確認指示が受け付けられると、各前記画像処理装置の状態を確認する第2の確認部と、
前記第1の確認部で確認された状態と前記第2の確認部で確認された状態とが異なる前記画像処理装置を選択する選択部と、
を備えるコンピュータ。
【請求項1】
1以上の画像処理装置と通信可能に接続されているコンピュータに、
各前記画像処理装置の状態を確認する第1の確認処理と、
前記第1の確認処理によって状態が確認された後に、各前記画像処理装置の状態を再確認するための確認指示をユーザから受け付ける第1の受付処理と、
前記第1の受付処理によって前記確認指示が受け付けられると、各前記画像処理装置の状態を確認する第2の確認処理と、
前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置を選択する選択処理と、
を実行させる選択プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の選択プログラムであって、
前記第1の確認処理、及び、前記第2の確認処理のいずれか一方においては状態を確認でき、いずれか他方においては確認できなかった前記画像処理装置については、前記選択処理において、前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置として選択する、選択プログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の選択プログラムであって、
前記選択処理において、前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置の識別子を前記コンピュータの表示部に一覧表示し、一覧表示した前記識別子の中からユーザによる前記識別子の選択を受け付け、ユーザによって選択された前記識別子によって識別される前記画像処理装置を選択する、選択プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載の選択プログラムであって、
前記選択処理において、前記識別子毎に、当該識別子によって識別される前記画像処理装置について前記第1の確認処理で確認された状態を示す状態情報と前記第2の確認処理で確認された状態を示す状態情報とを対応付けて表示する、選択プログラム。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の選択プログラムであって、
前記画像処理装置はユーザによる任意の情報の入力を受け付けるものであり、
当該選択プログラムは前記画像処理装置から前記情報を取得する取得処理を前記コンピュータに実行させ、
前記選択処理において、前記識別子毎に、当該識別子によって識別される前記画像処理装置から取得された前記情報を対応付けて表示する、選択プログラム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の選択プログラムであって、
前記第2の確認処理によって状態が確認された後に、各前記画像処理装置の状態を再確認するための確認指示をユーザから受け付ける第2の受付処理と、
前記第2の受付処理によって前記確認指示が受け付けられると、各前記画像処理装置の状態を確認する第3の確認処理と、
を前記コンピュータに実行させ、
前記選択処理において、前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置であって、且つ、前記第2の確認処理で確認された状態と前記第3の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置を選択する、選択プログラム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の選択プログラムであって、
前記第2の確認処理によって状態が確認された後に、各前記画像処理装置の状態を再確認するための確認指示をユーザから受け付ける第2の受付処理と、
前記第2の受付処理によって前記確認指示が受け付けられると、各前記画像処理装置の状態を確認する第3の確認処理と、
を前記コンピュータに実行させ、
前記選択処理において、前記第1の確認処理で確認された状態と前記第2の確認処理で確認された状態とが異なる前記画像処理装置であって、且つ、前記第2の確認処理で確認された状態と前記第3の確認処理で確認された状態とが同じ前記画像処理装置を選択する、選択プログラム。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の選択プログラムであって、
前記画像処理装置は当該画像処理装置の状態を特定の状態に設定する設定指示の入力をユーザから受け付けるものであり、
当該選択プログラムは、前記画像処理装置に画像処理ジョブを送信する送信処理であって、前記画像処理装置に前記設定指示を入力したユーザによって送信された画像処理ジョブであるか否かを識別可能な前記画像処理ジョブを送信する送信処理を前記コンピュータに実行させる、画像処理装置。
【請求項9】
コンピュータと通信可能に接続されている画像処理装置であって、
ユーザによる任意の情報の入力を受け付ける受付部と、
前記受付部で受け付けた前記情報を記憶しておく記憶部と、
前記コンピュータから当該画像処理装置の状態を示す状態情報の送信を要求されると、当該画像処理装置の前記状態情報と前記記憶部に記憶されている前記情報とを送信する送信部と、
前記コンピュータから画像処理ジョブを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブを実行する実行部と、
を備える画像処理装置。
【請求項10】
コンピュータと通信可能に接続されている画像処理装置であって、
当該画像処理装置の状態を特定の状態に設定する設定指示の入力をユーザから受け付ける受付部と、
前記受付部によって前記設定指示が入力されると、前記設定指示が受け付けられた回数に1を加算する加算部と、
前記コンピュータから当該画像処理装置の状態を示す状態情報の送信を要求されると、前記回数が1以上である場合は前記特定の状態であることを示す情報と前記回数とを前記状態情報として送信する送信部と、
前記コンピュータから、前記設定指示を入力したユーザによって送信された画像処理ジョブであるか否かを識別可能な画像処理ジョブを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブを実行する実行部と、
前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブが前記設定指示を入力したユーザによって送信された画像処理ジョブである場合に、前記回数から前記設定指示を入力したユーザによって前記特定の状態に設定された回数を減算する減算部と、
を備える画像処理装置。
【請求項11】
コンピュータと通信可能に接続されている画像処理装置であって、
当該画像処理装置の状態を実際の状態とは異なる状態に偽装するように設定する設定部と、
前記コンピュータから当該画像処理装置の状態を示す状態情報の送信を要求されると、前記設定部によって偽装するように設定されていない場合は実際の状態を示す状態情報を送信し、偽装するように設定されている場合は実際の状態とは異なる状態を示す状態情報を送信する送信部と、
前記コンピュータから画像処理ジョブを受信する受信部と、
前記受信部によって受信された前記画像処理ジョブを実行する実行部と、
を備える画像処理装置。
【請求項12】
1以上の画像処理装置と通信可能に接続されているコンピュータであって、
各前記画像処理装置の状態を確認する第1の確認部と、
前記第1の確認部によって状態が確認された後に、各前記画像処理装置の状態を再確認するための確認指示をユーザから受け付ける第1の受付部と、
前記第1の受付部によって前記確認指示が受け付けられると、各前記画像処理装置の状態を確認する第2の確認部と、
前記第1の確認部で確認された状態と前記第2の確認部で確認された状態とが異なる前記画像処理装置を選択する選択部と、
を備えるコンピュータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−252411(P2012−252411A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122643(P2011−122643)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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