説明

遺伝的アルゴリズムを使用する濃度波形の解析法及び定量法

【課題】電気泳動やHPLCなどを用いた分離分析により得られた濃度波形において、物質が重なっていると思われる部分をそれぞれガウス曲線化し元の濃度波形になるようガウス曲線を作成した上で分画比を算出し、濃度値を求める。
【解決手段】濃度波形からそれぞれのガウス曲線のピーク位置を、自動的または手動的に設定するだけで、元の濃度波形に近似させるガウス曲線群を遺伝的アルゴリズムを使用して作成して、ガウス曲線群の面積の総和で個々のガウス曲線の面積を除した面積比を算出すると共にそれに別途測定した被測定対象物質の濃度を乗じて個々のガウス曲線の濃度値を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
医学・薬学・農水畜産及び有機化学分野での検体検査や研究および品質管理において、目的とする蛋白質、脂質、炭水化物等を電気泳動法や液体クロマトグラフ法およびペーパークロマトグラフ法で分離分析し濃度分布波形を作り、その分画比を計算した上、濃度を測定する方法に関する分野。
【背景技術】
【0002】
分離分析法は蛋白質や脂質、炭水化物など物質が持っている電荷またはサイズ、反応性などにより分離分析できる大変有意義な方法である。一般的には分離したあと検出する目的物質ごと特定の染色法を適用したり特定の検出法で分析されている。例えば染色された支持体は光学濃度計で分析され、蛍光や放射線又は磁気で標識された場合はそれぞれ特定の物理化学的な方法で検出し、その濃度分布を波形として捉え物質の質や量を分析している。
【0003】
分離分析法は分析対象物質や使用する支持体や担体により分離能が左右される。例えば血液中の蛋白質は、その種類だけで100種類を越えるので、理論上分離される物質は当然100種類を越えるものが分離されていることになるが、その濃度の差は有に数100万倍を超えるため、量の少ない物質は多い物質に重なって見えないことになる。従って分析目的物質毎に特別な染色法が開発されそれぞれ使用されている。このように検出法により測定する物質が、ある程度取捨選択されているものの、近接した物質についてはそれぞれが混合された分析波形となって表れている。
非特許文献1及び2にはリポ蛋白質を粒子の大きさで分けられた電気泳動法及びHPLCによる波形が掲載されており、この波形は種々の粒子のリポ蛋白質が実質このようなガウス曲線群の集まりであることを示しており、それをガウシャンフィッティングとして紹介している。このようにガウス波形で近似することが好ましいと論理的に説明されているが、その具体的な近似法が実用化されるには至っていなかった。
【0004】
また血清蛋白質をセルロースアセテート膜やアガロースゲル電気泳動法で分析する測定法では、濃度波形から特定の癌細胞が作るM蛋白質を特異的に検出する方法が特許文献1、2に記載されている。M蛋白質はセルロースアセテート膜電気泳動法において、通常の蛋白成分の1つとしてγグロブリンのどこかの波形の一部分として現れることが多い。例えば特許文献1では出現したM蛋白質の波形の半値幅とその他の条件を組み合わせてM蛋白を識別している。また特許文献2では普通の蛋白質の波形から瘤の様に飛び出た部分を切り出す方法が述べられている。
【0005】
特許文献3は、リポ蛋白質を特許文献8はアルカリ性ホスファターゼアイソザイムをそれぞれポリアクリルアミドのディスクゲルで電気泳動し、それぞれの成分を相対移動度RM値で判定している。
同様特許文献4、5、6には、リポ蛋白質を液体クロマトグラフィー(HPLC)で分離しコレステロールや中性脂肪などの脂質染色を行い比色測定した濃度波形をガウス分布曲線近似法を含む波形処理を行う方法が記載されている。結果的に非特許文献1に示すガウシャンフィッティングを得ようとしているが、実際は特許文献1や2に述べられた半値幅等を利用したり、特定の溶出時間間隔における位置でガウス曲線を作成すると書かれているがその具体的な実施方法の記載はない。
【0006】
また特許文献7には、電気泳動法でDNAの塩基配列の分析例が記載されており、綺麗なパターンを得るため標準化係数を使い、その標準化係数は遺伝的アルゴリズムを使用して決定するとされている。この分析法はDNAの4個の塩基配列を決定するためのもので、電気泳動波形から物質の混在を区別するものではない。塩基配列を求める方法では塩基の順番が判かれば良いので、電気泳動波形のベースラインの不均一性や波形のギザギザにより特定の波形が在る又は無しの判定に迷いが生じないよう波形を綺麗なガウス曲線で近似している。その標準化するための手段として遺伝的アルゴリズムを使用していると記載されている。
【0007】
遺伝的アルゴリズムは1975年に米国ミシガン大学のジョン・ホランドが適応・進化のモデルとして考案した方法で、生物遺伝メカニズムを模倣した学習的アルゴリズムといわれ、工学的にモデル化したものである。それは高次方程式や最小二乗法などの数学的計算式で解けないモデルに対して有効な手法とされている。簡単に説明すると、データ(解の候補)を遺伝子(記号)からなるコードとして表現し(これを染色体とみなす)、選択・交叉、突然変異などの遺伝的操作を繰り返しながら解を探索する手法である。
遺伝的アルゴリズムを使用する利点は、解の空間で一つの局所解に陥ることが避けられることもひとつの特長である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】 特開平5−312812
【特許文献2】 特開平6−273319
【特許文献3】 特開2005−121619
【特許文献4】 特開平9−15225
【特許文献5】 特開2004−264051
【特許文献6】 特公表2008−520993
【特許文献7】 特表平11−509622
【特許文献8】 特願2009−134468
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】 Diabetes Care,vol.19,No.10,p1103−1107,1996
【非特許文献2】 Arteriosclerosis,Thrombosis,and vascular Biology,Vol.25,p.578−584,2005
【発明の概要】

【発明が解決しょうとする課題】
【0010】
背景技術で述べたように分離分析により得た濃度波形は、多様な物質の寄り集まりの結果出現したものであり、得られた波形一つ一つにそれぞれの意味があることは事実である。
本願は電気泳動などで得られた濃度波形について、その波形を個々のガウス曲線からなるガウス合成曲線で近似する方法を具体的に提起し、個々のガウス曲線群の総和からそれぞれのガウス曲線の分画比を求め、さらに別途分光光度計や自動分析装置などで求めた被測定物質の定量値を分画比に乗ずることで当該物質の濃度を求めることを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願の分離分析波形の解析法を論ずる前に、特許文献5と6が実施している波形の解析方法を検証する。特許文献5の請求項11及び段落「0018」と「0042」には波形の分割方法として、混合ピークの高さと半値幅を勘案した上個別に定量した混合ピークの値を考慮して行うと記載されている。
また同特許文献5の請求項12及び段落「0019」と「0059」「0060」「0061」にはピークが無い場合の方法として液体クロマトグラフィーの溶出時間を使用するとも記載されている。以上より特許文献5は元の濃度波形を決めた溶出時間毎にごとに適当なガウス曲線を作成したもので、元の濃度波形に合せるガウス曲線を得るというものではない。
【0012】
特許文献6の請求項6や段落「0007」にはコンポーネントピークに対応する近似波形を算出すると記載されているが、その近似波形を算出する方法は、段落「0008」に近似波形が5種類の成分に由来する信号と記載されているに過ぎない。そして段落「0009」にはアンカーピークは実験的に決められるもので、数学的にピークの位置と幅が決まるものであると記載されている。またそれに続く段落「0010」〜「0012」から近似波形を算出する方法は、HPLC独特の溶出時間に関係する方法であることが分かる。また波形処理については段落「0039」〜「0041」にコンピュータを実行させ20個の独立したピークに分離すると記載されておりそれが溶出時間で決められるピーク位置を指している。特に段落「0041」及び図3にその20個のコンポーネントピークの各ピーク位置は溶出時間で決めるとも記載されている。また段落「0056」〜「0064」にはガウス波形処理計算アルゴリズムを適用すると記載されているが、具体例としてピーク数、ピーク位置、幅を求めるcurvefitting methodで、基は非線形最小二乗法だと記載されている。その欠点を指摘した別の4個の解析法も列記されている。
【0013】
本願は濃度波形の分離そのものの良し悪しや分解能・正確度はあくまでも分離分析法固有の技術であり、濃度波形そのものの波形解析技術とは別のものであるとの認識に基づいて、あらゆる分離分析濃度波形共通の解析に使用できる新しい方法を提供しょうとするものである。
具体的には、電気泳動法やHPLC法で得られた濃度波形は、個々のガウス曲線の合成波形といわれており(非特許文献1,2)個々のピーク点の水平方向の位置に対応する点を自動または手動的に確定するだけでそのピーク点に予め用意されたガウス曲線を自動的に設定し、その合成波形が元の濃度波形に近似するように個々のガウス曲線の形状を自動的に変える方法を遺伝的アルゴリズムを使用することにより実現した。
【0014】
最初に濃度波形の山の頂点いわゆるピーク点の自動検出であるが、従来の分離分析技術ではピーク点より谷位置の検出がより重要でありそれは特許文献1、特許文献2ですでに公知となっている。例えば特許文献1などでは、変曲点法や傾斜法、差分法などが示されている。差分法の一つが移動平均値が最小になる点として捉えることも出来る。
平坦部分が多い波形では最小値の中間を選びピーク点とすることもできる。今までは、これらの検出方法で濃度波形の谷の位置を検出し、そこでベースラインまで垂線を立て、それと次の谷位置の垂線とに囲まれる部分を1つの区分として面積を計算していた。谷位置がベースラインに近ければ近い程計算された面積は正しく計算される。しかし一般的には全ての波形がベースラインに一致することはなく、谷の部分で垂線を立てる手法が採られていた。さらに問題は近接した例えば二子山の波形では、谷を形成せず単なるショルダー(肩)状を示す場合がある。この場合波形の肩の部分で強制的に区分しベースラインまで垂線を立てて強制的に範囲を設定して面積を求めていた。
非特許文献1及び2には分離分析の濃度波形は、いくつかのガウス曲線に分解できる(ガウシャンフィッテング)と図示されているが、これは模式図的に作られたもので実際に濃度波形をガウス波形で近似して分析した実施例では無い。従ってそれぞれの面積比を求めるには、結局全て特許文献1の図18が示すように谷の部分で垂直に区切って(フラクション)その次のフラクションの間に囲まれた範囲の面積を求める方法が一般的であった。
【0015】
一方本願においては、谷の検出はあまり重要ではないが、ピーク点の検出もこの技術の活用で実施できることは明らかである。従ってピーク点を指定する方法として、従来の方法例えば増加率が上昇から下降に転ずる点や移動平均が最小値を示す部分を自動的に濃度波形の山の頂上いわゆるピーク点として検出できる場合はその方法で、自動でピーク点が検出出来ない場合はマウスなどでマーキングしてそこにピーク点があると推定する方法、または特許考文献3や特許文献8に示すような電気泳動の移動度を表す相対移動度RM値を使用する方法、特許文献4、5、6のHPLC固有の溶出時間間隔を指定する方法などがあり、ピーク点の位置の指定にそれぞれ適用することができる。本願の場合はピーク点の水平方向の位置だけの指定で、高さ方向の指定は特に必要ではなく任意で良い。
ピーク点が、自動検出できない場合として、2つのピーク点が高低を異にして重なっている場合(特許文献1)または相当近接している場合がある。この場合は測定する技術者が目視で新しくピーク点を設定しその高さ及び標準偏差を決め自動的にガウス曲線の波形の一つとして加えられる。他のガウス曲線とは別扱いとすることも出来る。
また面積の確定において本願は、ガウス曲線を用いるため、従来行われていた谷の位置を確定しなければならないことや波形の裾や肩(ショルダー)の部分で経験に基づき強制的に分画の確定(フラクション)を行う必要がなくなった。
【0016】
ガウス曲線の初期設定法
濃度波形上に設定したピーク点を通る垂線上に、任意または予め定められた標準偏差をもつようなガウス曲線を自動的に設定する。一般的にガウス曲線とは、中央の水平方向の位置とピーク点の高さ及び標準偏差の3つの値を決めればガウス曲線の形状は自ずと定まることを利用したものである。
これらの3つの値を「ガウス曲線の属性値」と呼ぶ。濃度波形のガウス曲線群による近似処理は各ガウス曲線の中央位置のみがそれぞれの初期位置に固定化され、他の2つの属性値は近似処理により変化する。
なお、各ガウス曲線の頂点は濃度波形のピーク点またはピーク点を通る垂線上に存在するが、近似処理の結果、濃度波形の対応するピーク点の上にくることはない。
【0017】
特許文献7は、本当の遺伝子の分析を行った例で、遺伝子をキャピラリー電気泳動法で分析し得られた濃度波形について綺麗なガウス曲線をつくるために遺伝的アルゴリズムを使用すると記載されており、標準化係数を使用すると記載されFIG8.にその結果が示されている。このガウス曲線群は元々4種類の塩基を区別するために塩基ごと異なる蛍光標識物を結合させ、その標識された蛍光標識物が出す4個の波長の強度を測定して遺伝子の塩基の種類を判読している。遺伝的アルゴリズムは波形整形の手段としてそれを使用しているに過ぎず、本願の近似濃度波形を作成することを目的にしたものとは大きく異なっている。
【0018】
一般的に、遺伝的アルゴリズムは数学的計算式で解くのが困難なモデルに対して有効な手法であると前述したとおり、その中でも特に解空間の探索において望ましくない局所解を導くことを避けることができる方法である。例えば2個の局所解を持つ図1の曲線y=f(x)(1)の最小値を求める場合、解として局所解1 x=x(2)ではなく、局所解2 x=x(3)が得られるようにする場合の対策に効果がある。具体的には、遺伝的アルゴリズムは生物学的な遺伝子の理論を応用し、選択・交叉・突然変異などの遺伝学的操作をプログラミングに取り入れることにより問題の解決を図る方法である。
【0019】
表1の値を属性値とするガウス曲線は、図2においてガウス曲線(4)、ガウス曲線の頂点(5)、変曲点(6)(7)としたとき、ガウス曲線(4)は水平方向の中央位置m(9)、高さh(10)及び曲線の広がり具合を示す標準偏差σ(8)の3つの属性値(遺伝子)で決定される。
一般的に水平方向の中心位置をm(9)、高さをh(10)、標準偏差をσ(8)とすると、図2の曲線の関数式は数式1で与えられる。標準偏差σ(8)は変曲点(6)(7)を端点とする線分の長さの1/2である。
【0020】
【表1】

【数1】

【0021】
いま、n個のガウス曲線G(x),G(x),・・・,Gn(x)を考えた場合その総和を数式2(ガウス合成曲線と呼ぶ)で表すことができる。
各ガウス曲線の属性値を変えることでガウス合成曲線を濃度波形に近づける手段として遺伝的アルゴリズムを用いる。
【数2】

【0022】
ここで、ガウス合成曲線を構成するそれぞれのガウス曲線は中心位置m(9)、高さh(10)、標準偏差σ(8)の属性値で形状や位置が決まるが、この内、ガウス合成曲線はn個の属性値の組の並び数式3として与えられる。
本願では、中心位置m(9)は濃度波形のピーク点の水平位置で固定されているので、ガウス曲線は高さh(10)及び標準偏差σ(8)で決まる。
さてガウス曲線G(i=0,1,・・・,n)の属性値の組を[hσ]とすると、数式2で与えられるガウス合成曲線は遺伝的アルゴリズムにおいてはn個の属性値の組の並び数式3として与えられる。
【数3】

これらのガウス曲線の並びを考え、濃度波形に最適な近似波形となるガウス合成曲線(数式3)を遺伝的アルゴリズムを用いて求める。
遺伝的アルゴリズムにおいて属性値h、σは遺伝子とみなすことができる。それぞれのガウス合成曲線は固体であり、各個体(ガウス合成曲線)のそれぞれの遺伝子の組[h、σ]は染色体である。これにより数式3はガウス合成曲線(個体)の染色体の列と見なすことができる。以下の説明では遺伝的アルゴリズムに立脚し、用語「属性値」の代わりに用語「遺伝子」を用いるものとする。
遺伝的アルゴリズムにおいて個々の染色体はビット列で表される。例えば高さを4ビット、標準偏差を5ビットで表現すると、各個体の染色体は表2のビット列で表現される。
【表2】

【0023】
濃度波形が5個のガウス曲線で構成されている場合、ガウス合成曲線の遺伝子のビット列を表3に示す。
【表3】

のようになる。
【0024】
図3において点線で示した元の濃度波形(11)を表4に示す5個のガウス曲線で近似する方法を説明する。ガウス曲線のピーク点は、それぞれ濃度波形のピーク点を通る垂線上にあり、高さh、標準偏差σが表4の場合、初期の太い実線のガウス合成波形(12)が求まる。元の濃度波形(11)と初期のガウス合成波形(12)との誤差(13)を求めそれを近似度とし、その近似度が高くなるように遺伝子情報(表4)をランダムに変更し、新しい近似度を求める。この操作を繰り返すことで、近似度の高いガウス合成曲線を残していく。
【0025】
【表4】

【0026】
遺伝的アルゴリズムにおける遺伝子演算
表4の5個のガウス曲線のビット列は(4+5)×5=45ビットでビットの値を変えれば、それに対応するガウス曲線が変わり、ガウス合成曲線が変わる。これによりガウス合成曲線の濃度波形に対する近似度が変わる。
ビットの変化のさせ方として、本願では突然変異と交叉の2つの遺伝子演算を使用する。
【0027】
a.突然変異
突然変異は、表5のビット列の並びにおいてランダムに選択されたビットアドレス6番のビットを反転させる(1⇔0)。すなわちガウス曲線(この場合は一番最初のガウス曲線G1)の高さまたは標準偏差を変えることでガウス合成曲線の形状を変化させる。
【表5】

【0028】
b.交叉
交叉は表6に示すように、ガウス合成曲線の別々の個体に対し、ランダムに選択された特定の範囲のビット列を入れ替える。
【表6】

【0029】
遺伝演算による個体の自然淘汰
遺伝演算が実施される毎に個体の濃度波形に対する各ガウス合成曲線の誤差の大小に基づいて固体が並べ替えられる。表7で個体番号N以下は自然淘汰により消えてく。
【表7】

【0030】
遺伝的アルゴリズムの実施
遺伝的アルゴリズムは段落「0027」と「0028」の遺伝子演算に基づいて各個体(ガウス合成曲線)の形状が変化し、段落「0029」の自然淘汰によりその中で濃度波形に対する近似度が最も良い個体が残っていく。その処理は以下のように行う。
Step0 初期設定
濃度波形に基づいてガウス曲線群からガウス合成曲線を作り、濃度波形に対する近似度を求め、段落「0029」の自然淘汰のテーブル(表7)の個体番号0に登録する。
Step1:表7のテーブル上の各個体(固体番号0の固体は除く)に遺伝子演算(突然変異や交叉)を施し、固体番号0を除く各個体に対し、濃度波形に対する近似度を求める。
Step2:固体番号0を除くテーブル上の個体全体に対し、近似度の高い順に並べ替えを行う。ここで、最良の近似度をもつ個体が固体番号0の個体の近似度よりも良い場合は、固体番号0の個体と入れ替える。なお、表7のテーブル上に入りきらない固体は捨てる(自然淘汰)。
Step3:固体番号0に登録された固体の濃度波形に対する近似度が予め定められた値より小さくなったか、または固体番号0の値が変化しない状態が予め定められた回数を超えた場合は処理終了とする。
Step4:Step1に戻り、処理を繰り返す。
【0031】
以上の遺伝的アルゴリズムの計算の結果、図3に示すG1(14)、G2(15)、G3(16)、G4(17)、G5(18)の5個のガウス曲線が求まる。
従って初期のガウス合成曲線(12)は遺伝的アルゴリズムの計算の結果、元の濃度波形(11)に限りなく一致するよう姿を変えていくことになる。
但し元の濃度波形(11)のピーク点の設定が完全でない場合、当然作成されたガウス合成曲線は元の濃度波形(11)と一致しない場合がある。この場合新しくピーク点を測定技術者の判断で追加または削除することまたは当該ガウス曲線をマウスでクリツプし上下左右に移動させるなど微調整してより元の濃度波形に近づけることは容易である。
【発明の効果】
【0032】
分離分析法は、蛋白質や炭水化物などをそれぞれの物理化学的な性質により分離し染色などを施し濃度計で濃度波形を求めるのが一般的である。
分離分析の手段により数個から数十個の濃度波形が連なった形で出現することが多い。
電気泳動等により得られた濃度波形は分離分析法の性能が良ければ単独のピークを持った正規分布するガウス曲線が得られれば完全であるが、そのような分離分析用支持体や方法はほとんど無く、2子山や3子山、連なった団子状またはショルダー状に重なった波形になる。まれに大きな団子状の波形の中に別のいくつかのピークがあることもある。
従来の波形分析では例えば2子山の波形があった場合、その谷と思われる部分で強制的に区切って(フラクションを入れる)垂線を立て、前後のフラクションの間で挟まれた2つの山を確定した上で、それぞれの面積を百分率(分画比)で計算し別に求めた物質の濃度を乗じて濃度を求めていた。また山の形がショルダー(肩)状になっている場合も測定技術者が経験でそこに別の物質が存在していると判断した場合、強制的にフラクションを入れ分画し分画比を算出した上でそれぞれの濃度を求めていた。
【0033】
濃度波形の谷がベースラインに接している場合は、その濃度波形に現れる物質の濃度は正確に測定することができる。しかし全ての濃度波形の谷がベースラインに一致することはない。分離分析上の濃度波形は、非特許文献1にあるように、理論上ガウス曲線で近似できると記載されている。しかし実際に多種多様な濃度波形をガウス曲線で近似することは非常に難しく、実際は予想図で説明していたに過ぎなかった。
【0034】
本願は今まで実施されてこなかった濃度波形をガウス曲線の集合体と断定し、個々のガウス曲線のピーク点があると思われる水平方向の位置を自動的又は手動的に指定するだけで、遺伝的アルゴリズムを使用してガウス曲線を自動的に算出し、濃度波形と共に表示したりそのガウス曲線に基づき各々の面積比を算出できることを発見した。
被測定物質全体の濃度が分かれば、面積比を分画比に乗ずることでそれぞれの物質の濃度が定量できることは既に明らかなことである。
【0035】
本願の最大の利点は不完全な濃度波形でも、個別の物質を個々のガウス曲線を求め分離された物質の特定や濃度の測定をより正確に予測することができるところである。さらに特に面積を特定する場合、従来は面積の範囲を確定しないと計算できなかったが、本願ではガウス曲線の面積を用いるため谷の位置や経験による強制的な範囲の確定は必要ではなくなった。
また、ある波形の中に別の物質が潜んでいる場合、例えば実施例1の図4の(25)の波形は、特定の癌胞が産生したM蛋白質と言われ、この蛋白質専用の高価な測定試薬使わずM蛋白質の量が簡単にかつ安価に定量できるので、治療する医師にとっては前回測定時に較べ減ったのか増えたのかが数字で判断できるようになりかつ余分な経費を使わないで良いので、医療に多大な貢献が出来ると考えられる。特許文献1でも波形の飛び出た部分の量や半値幅などから計算しょうとしていたが正確では無かった。
また実施例2では示さなかったが、小粒子LDL(sd−LDL)は超悪玉のリポ蛋白質と言われ普通LDLの陽極側にショルダー状にくっついて出現することが多くその存在も不明であったが、本願の適用により始めてその区分が出来ることは動脈硬化の治療に大きな効果をもたらすと考えられる。
ここでは医療に限ってその効果を説明したが、その他の分野例えば化学や薬品工業、農林水産業などありとあらゆる分野での本技術を適用することができる。
【0036】
本願発明の効果をまとめると、全ての分離分析で得た貴重なデータの波形解析に本願を使用することにより構成成分の種類や濃度をより真の姿として捉え面積比を求め結果的に測定対象物質の正確な濃度を求めることができるようになり、結局技術の進歩に貢献しかつ医療では人の命を救う一助になると思われる。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0037】
セルロースアセテート膜(セア膜)による血清蛋白分画濃度波形上に現れるM蛋白質の定量。
健常な人のセア膜電気泳動法で血清蛋白質を分離分析すると、図4に示すように普通5つの分画に分かれる。それぞれアルブミン(19)、α1(20)、α2(21)、β(22)、γ(23)グロブリンと呼ばれている。
人が癌細胞に犯されるとある特定の組織の中の特定の細胞が異常に増殖する。
この増殖した細胞(Mno−Clone)が産生する蛋白質をM蛋白質と言う。このM蛋白質の波形が特許文献1の図1に示されており濃度波形は正常なγグロブリンの波形の中にM蛋白質が重なって出現している例である。この濃度波形に本願の遺伝的アルゴリズムを使用した波形解析法を適用してガウス曲線を作成すると図4のように正常のγグロブリン(24)と癌細胞が産生したM蛋白質(25)が区別できる。正常なγグロブリン(24)はなだらかな山の形を示すがM蛋白質(25)はそのなだらかな山の上から一部が特出したような波形が現われる。従って元のγグロブリン(23)は正常なγグロブリン(24)と癌細胞が産生したM蛋白質(25)の合成曲線であったことがわかる。
【0038】
特許文献1や2もこのM蛋白質を特異的に切り出す方法が記載されているが、自然な波形の重なりを無視した不正確な方法であったことは間違いない。濃度波形は元々2つの山が重なった形であることを考えると実質本願のようにガウス曲線に分割した上で、それぞれの濃度比を算出することが望ましいことは明らかである。
本願ではそれぞれのガウス曲線の面積を、ガウス曲線群の総面積で除した分画比をパーセントで表しかつこの患者の血清総蛋白質を生化学自動分析装置などで定量した結果が7.6g/dLであったので、表8に示すようにそれぞれ分画比を乗じて蛋白量を算出することができた。
【表8】

実施例1ではγグロブリン(23)の真ん中にM蛋白質(25)が出現しているが、α1位(20)、α2位(21)やβ位(22)に限らず他部分にも出現することがある。分画%では癌細胞が産生した特殊なM蛋白質(25)の経時的な増減が把握し難い欠点があったが本願のようにより正確なM蛋白質(25)の値が濃度波形から算出されることは大変意義深い。
血清蛋白分画測定法以外でも実施例として示さなかったが、癌細胞が産生した蛋白質であるオリゴクローナールバンドの検出も行われているが本実施例同様本願が適用できる。またM蛋白質でないが、例えばある種の感染症の場合や肝疾患の波形、溶血、血漿などにはそれぞれ特異的な波形が出ることがあるがそれらも同様に定量することができる。
【実施例2】
【0039】
特許文献3では、ポリアクリルアミドゲル(PAG)デイスク電気泳動法を使用してリポ蛋白質を分析している。この分析法では電気泳動の濃度波形について陰極側の始点と陽極側終点に現れる山の頂点間の移動度を1とした時の、分画したそれぞれの山の頂点(ピーク)までの距離を相対移動度RMで表す方法である。
ピーク位置の判定はRM値以外例えば、特許文献4に示すHPLCの分析技術では、これを溶出時間で表しているが、これも移動度の一種と見なすことができる。
今までは濃度波形の谷または谷と思われる位置を指定し、その位置でx軸に垂線を立て(フラクション)次の垂線との間で囲まれた範囲の面積を計算し全体的な分画%として算出していた。波形の谷が何となく分かれば良い方で、全く分からない例えば肩(ショルダー)状の場合が多々あり測定技術者が日常判断に困ることが多かった。
【0040】
リポ蛋白質は粒子状で血液中に存在し、PAGディスク電気泳動法では図5に示すような濃度波形が得られ、陰極からVLDL(26)、LDL(27)、HDL(28)と言われている。粒子の小さいHDL粒子が一番早く電気泳動される。正常なリポ蛋白粒子は左右対称な奇麗な3本の濃度波形が得られる。しかし脂質異常症の患者のリポ蛋白粒子は、種々サイズのリポ蛋白質が産生され幾つもの山が時には二子山、三ツ山、時には肩(ショルダー)状のような形に現れる。
現在VLDLとLDLの中間位置に出現するバンドをIDLまたはミッドバンド呼び、LDLの少し陽極側に泳動される分画は小粒子LDLまたはsd−LDLと呼ばれている。
【0041】
実施例2の図5はIDLやsd−LDLがないLDLが二子山を呈した特殊例を取り上げた。ここで示すLDL(27)は山の途中でくびれがありガウス曲線に分割すると移動度が遅くサイズの大きいLDL1(29)と移動度が早くサイズが小さいLDL2(30)に区分されていることがわかる。
従来はこの2つのLDLは区分されずに単にLDL(27)とされるかIDLまたはsd−LDLと間違って表記されていた。
このLDL1(29)LDL2(30)について本願に基づいて2つのガウス曲線を作成しそれぞれのガウス曲線の面積を、ガウス曲線の総面積で除した分画比をパーセントを計算しPAGディスク電気泳動法によるリポ蛋白質の分析結果とすることができた。この実施例ではLDLコレステロールの自動分析装置の測定値が149mg/dLであったのでLDL1(29)とLDL2(30)のコレステロール値はそれぞれ簡単に計算できる。これら測定結果を表9に示した。
【表9】

【0042】
リポ蛋白質は肝臓で作られ血液中に分泌された瞬間から色々な酵素や蛋白質、糖質、電解質等の作用により異化される。非特許文献1に疾患によっては多型成のリポ蛋白質が発生し、それはガウス曲線の集合体であると報告されており、それが本願により実用化できるようになった。
本実施例ではIDLやsd−LDLのない例を示したが、IDLやsd−LDLは超悪玉のリポ蛋白質と呼ばれ、虚血性心疾患や動脈硬化の患者に多発する。特許文献3にはこれらの物質の存在をピーク点またはフラクションの位置を相対移動度RM値を利用して判定していた。しかし濃度波形の裾の部分で強制的に区切るなどしており少々信頼性が乏しかったが、本願適用により正確な定量ができるようになった。特許文献4、非特許文献2には同じリポ蛋白質をHPLCで測定した解析法があるが、これも理論上20個のガウス曲線に分けることができると記載されている。しかし実際濃度波形からのを分析や定量を行う方法の記載はなく、非特許文献1と同様単なる作図を示しているに過ぎない。
【実施例3】
【0043】
特許文献8には、PAGディスク電気泳動法を使用してアルカリ性ホスファターゼ(ALP)アイソザイムを分析する方法が記載されている。これも実施例2と同様ピーク点の確定に相対移動度RMを求めてアイソザイムの型を判定している。しかしたとえRM値でピーク位置を決めたとしても分画比を算出するには前後の谷の範囲を確定をしなければならなかったが、本実施例では図6のようにいくつもの波形が重なって波形が存在する場合でも、ピーク点をあらかじめ指定しておけば自動的に濃度波形に近似するガウス曲線が出来るため、波形の範囲指定など非科学的な作業を解消する画期的な手法となった。
図6はPAGディスク電気泳動法を使用してALPアイソザイムを分析した濃度図を示す。元の濃度波形(31)を黒い太線で示した。本願でこの元の濃度波形(31)からガウス曲線を求め、肝臓型ALP(32)、骨型ALP(33)、小腸型ALP(34)、その他のALP(35)のガウス曲線を得た。
【0044】
本実施例では肝臓型ALP(32)と骨型ALP(33)は境界面にショルダーがあるので骨型ALP(33)の存在は何となく分かる。しかし、骨型ALP(33)と小腸型ALP(34)の間は、殆ど山があるかないか判断できないくらいの分離能である。特許文献8ではこれを分析するのに熱処理を行ってバンドの確認をした上でRMの判定技術を取り入れてピークの存在を予測している。RMの技術でここに小腸型ALP(34)が存在することは分かるがその量的比の算出を実施するとなるとそれぞれの範囲を確定させなければならないが、電気泳動で得られた濃度波形ではとてもその区分をすることが出来ず、相当乱暴な区分していた。
RM値でピーク位置が指定されれば、本願の技術では難しい分画の範囲を確定する必要はなく、それぞれのガウス曲線から得られる面積比(分画比)の算出を行い各アイソザイムの濃度値を活性値で表現することができる。
実際の測定結果の例を表10に示した。
【表10】

【実施例4】
【0045】
実施例3と同様ALPアイソザイムをアガロースゲル電気泳動法を用いて分析した例を図7に示す。アガロースゲル電気泳動法は、ALPアイソザイム自体の荷電により分離分析する方法である。
濃度波形(36)は陽極側から2型(肝臓由来)、3型(骨由来)、5型(小腸由来)と呼ばれている。本願を適用して作成したガウス波形を点線で表記しそれぞれ2型(37)、3型(38)、5型(39)とした。この測定結果から分画%及び分画活性値を算出した例を表11に示した。
【表11】

【産業上の利用可能性】
【0046】
本願の遺伝的アルゴリズムを使用する濃度分布波形の解析法及び分離分析定量法は、支持体電気泳動法の濃度波形、キャピラリー電気泳動法の濃度波形、液体やペーパークロマトグラフの分析波形、実施例には示さなかったがRIAの濃度波形、核磁気の波形、音声や音波波形、光波形、地震波、津波、風波などの解析にも利用することはできる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】2個の局所解を持つ曲線
【図2】ガウス曲線の属性値
【図3】5個のガウス曲線
【図4】セア膜による蛋白分画定量
【図5】PAGディスク電気泳動法によるリポ蛋白質の定量
【図6】PAGディスク電気泳動法によるALPアイソザイムの定量
【図7】アガロースゲル電気泳動法によるALPアイソザイムの定量
【符号の説明】
【0048】
(1) 曲線y=f(x)
(2) 局所解1
(3) 局所解2
(4) ガウス曲線
(5) ガウス曲線の頂点(ピーク)
(6) 変局点(L)
(7) 変局点(R)
(8) 標準偏差(σ)
(9) 中心位置(m)
(10) 高さ(h)
(11) 元の濃度波形
(12) 初期のガウス合成曲線
(13) 誤差
(14) ガウス曲線G1
(15) ガウス曲線G2
(16) ガウス曲線G3
(17) ガウス曲線G4
(18) ガウス曲線G5
(19) アルブミン
(20) α1グロブリン
(21) α2グロブリン
(22) βグロブリン
(23) γグロブリン
(24) 正常なγグロブリン
(25) M蛋白質
(26) VLDL
(27) LDL
(28) HDL
(29) LDL1
(30) LDL2
(31) PAGディスク電気泳動法によるALPアイソザイムの濃度波形
(32) 肝臓型ALP
(33) 骨型ALP
(34) 小腸型ALP
(35) その他のALP
(36) アガロースゲル電気泳動法によるALPアイソザイムの濃度波形
(37) 2型ALP
(38) 3型ALP
(39) 5型ALP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離分析した物質の濃度分布を表す濃度波形において、複数の特定の物質が存在すると推定される濃度波形上のピーク点の水平方向の位置を自動的又は手動的に確定するだけで、確定した位置を通る垂線を中心とする任意のガウス曲線が設定され、設定された複数個のガウス曲線の総和を示すガウス合成曲線の作成に次の2つのパラメータ
(1)各ガウス曲線のピーク点の高さ
(2)ガウス曲線の水平方向の広がり具合を示す標準偏差
を遺伝子とする遺伝的アルゴリズムの手法を適用することで、濃度波形に十分近いガウス合成曲線が得られるよう個々のガウス曲線を自動修正し、個々のガウス曲線の面積をガウス曲線の総和の面積で除して作成した分画比を算出またはその分画比に、別途他の測定法で計測した被対象物質の濃度値を分画比に乗ずることにより個々のガウス曲線で近似された物質の濃度を求めることを特長とする遺伝的アルゴリズムを使用する濃度波形の解析法及び定量法
【請求項2】
前項の濃度波形のピーク点を通る垂線を中心とする複数のガス曲線についてそのガウス合成曲線が、元の濃度波形を忠実に再現できていないと測定技術者が認識した場合、測定技術者の判断で一部のガウス曲線のピーク点を削除又は追加することまたは測定技術者が当該ガウス曲線をマウス操作でクリップし上下左右に微妙に移動させて当該ガウス曲線がさらに正しく元の濃度波形を近似するようガウス曲線群を作成することを特長とする請求項1の遺伝的アルゴリズムを使用する濃度波形の解析法及び定量法
【請求項3】
測定技術者の判断で、ピーク点が水平方向の同じ位置に高さが異なるガウス曲線があると判断した場合は、新しく別のガウス曲線のピーク点を設定し、その高さ及び標準偏差を決めることで自動的にガウス合成曲線が再作成されることを特長とする請求項1の遺伝的アルゴリズムを使用する濃度波形の解析法及び定量法
【請求項4】
複数の特定の物質が存在すると推定される濃度波形のピーク点の水平方向の位置を自動的に検出する方法が、電気泳動の移動度、分析法特有の時間間隔または波形の増加率が上昇から下降に転じた点や移動平均値が最小になる点を捉えることを特長とする請求項1の遺伝的アルゴリズムを使用する濃度波形の解析法及び定量法
【請求項5】
濃度波形から特定の物質の面積比を計算するとき、特定の範囲を指定することもなくガウス曲線の面積比により実施することを特長とする請求項1の遺伝的アルゴリズムを使用する濃度波形の解析法及び定量法
【請求項6】
分離分析の濃度波形と、作成した複数のガウス曲線群及びガウス曲線の合成曲線を同時にまたは個別にそれぞれが区別できる色調又は線で表示し、又は印刷することを特長とする請求項1の遺伝的アルゴリズムを使用する濃度波形の解析法及び定量法

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−123039(P2011−123039A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299317(P2009−299317)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(308001776)株式会社明日香特殊検査研究所 (4)
【出願人】(503122591)